(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】流体管用のヘッダー、および通水管接続方法
(51)【国際特許分類】
F16L 41/03 20060101AFI20230327BHJP
F16L 13/14 20060101ALI20230327BHJP
E03C 1/12 20060101ALN20230327BHJP
E03C 1/02 20060101ALN20230327BHJP
【FI】
F16L41/03
F16L13/14
E03C1/12 E
E03C1/02
(21)【出願番号】P 2019117782
(22)【出願日】2019-06-25
【審査請求日】2021-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 淳二
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3134222(JP,U)
【文献】特開2000-240879(JP,A)
【文献】特開2014-066328(JP,A)
【文献】特開平08-170776(JP,A)
【文献】特開2009-257358(JP,A)
【文献】国際公開第2013/168306(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 41/03
F16L 13/14
E03C 1/12
E03C 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に並ぶ複数のヘッダー構成部材と、それらヘッダー構成部材を連結する短管状の連結筒体と、挟持リングとを備える、流体管用のヘッダーであって、
前記複数のヘッダー構成部材は、内部が主流路となる筒状の本体部を備えて、それら本体部が向き合うように一列に並び、
前記複数のヘッダー構成部材のうち、一方の端に位置するヘッダー構成部材は、その本体部に、主管が直接または継手を介して接続される主管用接続部を備え、
前記複数のヘッダー構成部材のうち、少なくとも、一方の端以外に位置するヘッダー構成部材は、内部が前記主流路に通じるとともに、枝管が直接または継手を介して接続される、枝管用接続部を備え、
前記本体部は、隣合う前記ヘッダー構成部材の向き合う側に、被連結筒部を備え、
前記連結筒体は、各端側が、隣合う前記ヘッダー構成部材における互いに向き合う前記被連結筒部の外側に嵌められ、
前記ヘッダー構成部材には、前記被連結筒部の基端位置に、前記連結筒体の端面が当接し得る平坦な規制面が設けられ、
前記挟持リングは、前記被連結筒部とで前記連結筒体を挟持するように、前記連結筒体の
両端部の外側に
それぞれ嵌められており、
隣合う前記ヘッダー構成部材における互いに向き合う前記被連結筒部間の寸法は、それら被連結筒部とで前記連結筒体を挟持する両挟持リングの軸長寸法の合計よりも小となっている、流体管用のヘッダー。
【請求項2】
前記複数のヘッダー構成部材における前記被連結筒部の軸心は、同一の軸線上に位置し、互いに向き合う前記被連結筒部の少なくとも一方の被連結筒部の外周面と前記連結筒体の内周面との間が滑ることで、それらヘッダー構成部材は、前記軸線を中心として互いに回動可能となっている、請求項1に記載の流体管用のヘッダー。
【請求項3】
前記複数のヘッダー構成部材における
互いに向き合う前記被連結筒部の少なくとも一方の被連結筒部の外周面と前記連結筒体の内周面との間に、潤滑剤が介在している、請求項
2に記載の流体管用のヘッダー。
【請求項4】
前記潤滑剤が介在するところの前記被連結筒部の基端位置に設けられた前記規制面と、前記連結筒体の端面との間に、潤滑剤が介在している、請求項3に記載の流体管用のヘッダー。
【請求項5】
前記ヘッダー構成部材には、前記被連結筒部を囲む周方向の一部に、前記規制面よりも前記被連結筒部の先端側に突出するとともに、前記挟持リングにおける前記被連結筒部の基端側の端面が当接し得る当接部が設けられ、
前記被連結筒部を囲む周方向において、前記当接部が設けられていない面が、前記規制面と面一となって、その面と、前記挟持リングにおける前記被連結筒部の基端側の端面との間の空隙部分が、前記当接部の先端を越えて前記規制面側に位置する、前記連結筒体の端部を視認可能な視認部となっている、請求項
1ないし4のいずれか1項に記載の流体管用のヘッダー。
【請求項6】
前記被連結筒部は、その先端部分の外径が、その被連結筒部の外側に嵌められる前の前記連結筒体の内径よりも小さく、
前記被連結筒部の外周面には、その被連結筒部の外側に嵌められる前の前記連結筒体の内径よりも大きい外径をなす複数条の環状リブが設けられ、それら複数条の環状リブの外径は、前記被連結筒部の先端側にある環状リブよりも基端側にある環状リブが大径に形成され、あるいは、同一径に形成され、
前記挟持リングの軸長内に、前記環状リブが少なくとも二つ位置するよう設けられ、その軸長内の環状リブの外径は、前記被連結筒部の先端側にある環状リブよりも基端側にある環状リブが大径となるよう形成され、
前記挟持リングの内径は、その挟持リングの軸長内にある前記環状リブの異なる外径に合わせるように、前記被連結筒部の先端側よりも基端側が大径となるような段差を備えて形成されている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流体管用のヘッダー。
【請求項7】
前記被連結筒部における各環状リブと、それらの環状リブよりも被連結筒部の基端側の位置にある各外周面との段差が、それぞれ互いに同一の段差となっている、請求項
6に記載の流体管用のヘッダー。
【請求項8】
前記連結筒体の両側に嵌められた前記挟持リングに渡るようにして、それら連結筒体および両挟持リングの外側に装着される、外装筒を備える、請求項
1ないし7のいずれか1項に記載の流体管用のヘッダー。
【請求項9】
一列に並ぶ複数のヘッダー構成部材と、それらヘッダー構成部材を連結する短管状の連結筒体と、挟持リングとを備える、流体管用のヘッダーであって、
前記複数のヘッダー構成部材は、隣合うヘッダー構成部材の向き合う側に、被連結筒部を備え、
前記連結筒体は、各端側が、隣合う前記ヘッダー構成部材における互いに向き合う前記被連結筒部の外側に嵌められて両被連結筒部を連結するものであり、
前記挟持リングは、前記連結筒体の両端部の外側にそれぞれ嵌められて、前記被連結筒部とで前記連結筒体を挟持するものであり、
隣り合う前記ヘッダー構成部材における互いに向き合う前記被連結筒部のうち一方の被連結筒部と、一方の挟持リングとで、前記連結筒体の一方の端部を挟持した状態で、前記連結筒体の他方の端部側からその連結筒体の外側に嵌めた他方の挟持リングを、その一部が一方の前記被連結筒部と重なる位置まで、前記連結筒体の一方の端部側に移動させることが可能であるとともに、その移動した状態で、前記連結筒体の他方の端部を、他方の被連結筒部の外側に嵌めることが可能である、流体管用のヘッダー。
【請求項10】
継手に通水管を接続する、通水管接続方法であって、
前記継手は、前記通水管の一端部に挿入される内挿筒と、前記内挿筒の基端位置に設けられて前記通水管の端面が当接し得る平坦な規制面とを備え、
前記通水管接続方法は、
前記内挿筒の外周面に潤滑剤を塗布し、
前記内挿筒を前記通水管の端面が前記規制面に当接するまで圧入し、
次いで、前記通水管の外側に嵌めた挟持リングを、前記内挿筒の基端側へと押し込んで、前記挟持リングと前記内挿筒とで前記通水管の周壁を挟持し、
前記内挿筒の圧入時に、前記通水管の端面が前記潤滑剤の一部を奪い、その通水管の端面と前記規制面との間に、前記奪った潤滑剤を介在させる、通水管接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、継手部材等のヘッダー構成部材を複数連結してなる、流体管用のヘッダー、および通水管接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、給水・給湯配管などに用いられるヘッダーにおいて、複数の継手部材を連結して形成したものがあった(例えば、特許文献1参照)。このヘッダーは、複数の継手部材における隣合う継手部材において、一方の継手部材の差込み部を、他方の継手部材の受け口部に差し込むことで、それら継手部材を連結するものであった。そして、差し込み部の外周面と、受け口部の内周面との間には、止水のためのOリングが介在していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記ヘッダーにおいては、継手部材同士の連結にあたって、止水のためのOリングを必要とすることから、そのOリングの経年劣化により、ヘッダーの使用可能期間が短くなる虞があった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、Oリングを用いる必要がなく長期間使用することができる、流体管用のヘッダー、および通水管接続方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る流体管用のヘッダー、および通水管接続方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る流体管用のヘッダーは、一列に並ぶ複数のヘッダー構成部材と、それらヘッダー構成部材を連結する短管状の連結筒体と、挟持リングとを備える。ここにおいて、前記複数のヘッダー構成部材は、内部が主流路となる筒状の本体部を備えて、それら本体部が向き合うように一列に並ぶ。そこで、前記複数のヘッダー構成部材のうち、一方の端に位置するヘッダー構成部材は、その本体部に、主管が直接または継手を介して接続される主管用接続部を備える。前記複数のヘッダー構成部材のうち、少なくとも、一方の端以外に位置するヘッダー構成部材は、内部が前記主流路に通じるとともに、枝管が直接または継手を介して接続される、枝管用接続部を備える。そして、前記本体部は、隣合う前記ヘッダー構成部材の向き合う側に、被連結筒部を備える。また、前記連結筒体は、各端側が、隣合う前記ヘッダー構成部材における互いに向き合う前記被連結筒部の外側に嵌められる。一方、前記ヘッダー構成部材には、前記被連結筒部の基端位置に、前記連結筒体の端面が当接し得る平坦な規制面が設けられている。そして、前記挟持リングは、前記被連結筒部とで前記連結筒体を挟持するように、前記連結筒体の両端部の外側にそれぞれ嵌められている。ここで、隣合う前記ヘッダー構成部材における互いに向き合う前記被連結筒部間の寸法は、それら被連結筒部とで前記連結筒体を挟持する両挟持リングの軸長寸法の合計よりも小となっている。
【0007】
このヘッダーによれば、複数のヘッダー構成部材は、内部が主流路となる本体部が向き合うように一列に並ぶ。連結筒体は、隣合うヘッダー構成部材における互いに向き合う本体部の被連結筒部の外側に嵌められる。そして、挟持リングは、連結筒体の両端部の外側にそれぞれ嵌められて、その挟持リングと被連結筒部とで連結筒体を挟持する。こうして、被連結筒部の外周面と連結筒体の内周面とが密着して、その間の止水がなされ、複数のヘッダー構成部材は水密に連結される。また、互いに向き合う被連結筒部間の寸法が、それら被連結筒部とで連結筒体を挟持する両挟持リングの軸長寸法の合計よりも小となるまで、複数のヘッダー構成部材を近接させることにより、このヘッダーをコンパクトに形成することが可能となる。
【0008】
【0009】
【0010】
また、請求項2に記載の発明に係る流体管用のヘッダーは、請求項1に記載のヘッダーにおいて、前記複数のヘッダー構成部材における前記被連結筒部の軸心は、同一の軸線上に位置し、互いに向き合う前記被連結筒部の少なくとも一方の被連結筒部の外周面と前記連結筒体の内周面との間が滑ることで、それらヘッダー構成部材は、前記軸線を中心として互いに回動可能となっている。複数のヘッダー構成部材が互いに回動可能となることで、このヘッダー構成部材に設けられた枝管用接続部、ひいては枝管の向きを変えることができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明に係る流体管用のヘッダーは、請求項2に記載のヘッダーにおいて、前記複数のヘッダー構成部材における互いに向き合う前記被連結筒部の少なくとも一方の被連結筒部の外周面と前記連結筒体の内周面との間に、潤滑剤が介在している。被連結筒部の外周面と連結筒体の内周面との間に潤滑剤が介在することで、複数のヘッダー構成部材は、互いの回動が容易となる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明に係る流体管用のヘッダーは、請求項3に記載のヘッダーにおいて、前記潤滑剤が介在するところの前記被連結筒部の基端位置に設けられた前記規制面と、前記連結筒体の端面との間に、潤滑剤が介在している。規制面と連結筒体の端面との間に潤滑剤が介在することで、複数のヘッダー構成部材は、互いの回動が一層容易となる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明に係る流体管用のヘッダーは、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のヘッダーにおいて、前記ヘッダー構成部材には、前記被連結筒部を囲む周方向の一部に、前記規制面よりも前記被連結筒部の先端側に突出するとともに、前記挟持リングにおける前記被連結筒部の基端側の端面が当接し得る当接部が設けられている。そこで、前記被連結筒部を囲む周方向において、前記当接部が設けられていない面が、前記規制面と面一となって、その面と、前記挟持リングにおける前記被連結筒部の基端側の端面との間の空隙部分が、前記当接部の先端を越えて前記規制面側に位置する、前記連結筒体の端部を視認可能な視認部となっている。視認部を設けることで、連結筒体が規制面に当接しているか否かを目視で確認することができる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明に係る流体管用のヘッダーは、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のヘッダーにおいて、前記被連結筒部は、その先端部分の外径が、その被連結筒部の外側に嵌められる前の前記連結筒体の内径よりも小さい。また、前記被連結筒部の外周面には、その被連結筒部の外側に嵌められる前の前記連結筒体の内径よりも大きい外径をなす複数条の環状リブが設けられ、それら複数条の環状リブの外径は、前記被連結筒部の先端側にある環状リブよりも基端側にある環状リブが大径に形成され、あるいは、同一径に形成される。そして、前記挟持リングの軸長内に、前記環状リブが少なくとも二つ位置するよう設けられ、その軸長内の環状リブの外径は、前記被連結筒部の先端側にある環状リブよりも基端側にある環状リブが大径となるよう形成される。そこで、前記挟持リングの内径は、その挟持リングの軸長内にある前記環状リブの異なる外径に合わせるように、前記被連結筒部の先端側よりも基端側が大径となるような段差を備えて形成されている。複数ある環状リブの外径を被連結筒部の基端側に向かって大きくすることで、連結筒体を被連結筒部の外側に嵌めるにあたって、その連結筒体を被連結筒部の基端側へ無理なく押し進めることができる。そして、挟持リングにおいても、挟持リングの内径を、環状リブの外径に合わるように、被連結筒部の基端側に向かって段状に大きくすることで、この挟持リングを連結筒体の外側に嵌めるにあたって、その挟持リングを、被連結筒部の基端側へ無理なく押し進めることができる。
【0015】
また、請求項7に記載の発明に係る流体管用のヘッダーは、請求項6に記載のヘッダーにおいて、前記被連結筒部における各環状リブと、それらの環状リブよりも被連結筒部の基端側の位置にある各外周面との段差が、それぞれ互いに同一の段差となっている。
【0016】
【0017】
また、請求項8に記載の発明に係る流体管用のヘッダーは、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のヘッダーにおいて、前記連結筒体の両側に嵌められた前記挟持リングに渡るようにして、それら連結筒体および両挟持リングの外側に装着される、外装筒を備える。外装筒を設けることで、連結筒体とか挟持リングを保護することができ、また、見栄えがよい。
また、請求項9に記載の発明に係る流体管用のヘッダーは、一列に並ぶ複数のヘッダー構成部材と、それらヘッダー構成部材を連結する短管状の連結筒体と、挟持リングとを備える。ここにおいて、前記複数のヘッダー構成部材は、隣合うヘッダー構成部材の向き合う側に、被連結筒部を備える。前記連結筒体は、各端側が、隣合う前記ヘッダー構成部材における互いに向き合う前記被連結筒部の外側に嵌められて両被連結筒部を連結するものである。前記挟持リングは、前記連結筒体の両端部の外側にそれぞれ嵌められて、前記被連結筒部とで前記連結筒体を挟持するものである。そして、隣り合う前記ヘッダー構成部材における互いに向き合う前記被連結筒部のうち一方の被連結筒部と、一方の挟持リングとで、前記連結筒体の一方の端部を挟持した状態で、前記連結筒体の他方の端部側からその連結筒体の外側に嵌めた他方の挟持リングを、その一部が一方の前記被連結筒部と重なる位置まで、前記連結筒体の一方の端部側に移動させることが可能であるとともに、その移動した状態で、前記連結筒体の他方の端部を、他方の被連結筒部の外側に嵌めることが可能である。
また、請求項10に記載の発明に係る通水管接続方法は、継手に通水管を接続する、通水管接続方法である。ここで、前記継手は、前記通水管の一端部に挿入される内挿筒と、前記内挿筒の基端位置に設けられて前記通水管の端面が当接し得る平坦な規制面とを備える。前記通水管接続方法は、前記内挿筒の外周面に潤滑剤を塗布し、前記内挿筒を前記通水管の端面が前記規制面に当接するまで圧入し、次いで、前記通水管の外側に嵌めた挟持リングを、前記内挿筒の基端側へと押し込んで、前記挟持リングと前記内挿筒とで前記通水管の周壁を挟持する。そこで、前記内挿筒の圧入時に、前記通水管の端面が前記潤滑剤の一部を奪い、その通水管の端面と前記規制面との間に、前記奪った潤滑剤を介在させる。
【発明の効果】
【0018】
この発明に係る流体管用のヘッダーによれば、複数のヘッダー構成部材の連結に、連結筒体と挟持リングを用いることで、被連結筒部の外周面と連結筒体の内周面が密着して、その間の止水がなされることから、経年劣化するOリングを止水のために用いる必要がなく、このヘッダーを長期間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明の一実施の形態の、ヘッダーの断面図である。
【
図2】同じく、外装筒を除いたヘッダーの断面図である。
【
図3】同じく、隣合うヘッダー構成部材を連結した状態を示す断面図である。
【
図4】同じく、
図3に示す連結状態の平面図である。
【
図5】同じく、
図3に示す連結状態の斜視図である。
【
図6】同じく、第1のヘッダー構成部材の断面図である。
【
図7】同じく、
図6に示す第1のヘッダー構成部材の斜視図である。
【
図9】同じく、第2のヘッダー構成部材の断面図である。
【
図10】同じく、
図9に示す第2のヘッダー構成部材の斜視図である。
【
図11】同じく、第3のヘッダー構成部材の断面図である。
【
図12】同じく、
図11に示す第3のヘッダー構成部材の斜視図である。
【
図13】同じく、挟持リングを示し、(a)は、拡大断面図、(b)は、拡大斜視図である。
【
図15】同じく、隣合うヘッダー構成部材を連結する手順を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1~
図15は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、流体管としての主管を示す。2は、流体管としての枝管を示す。3は、前記主管1と前記枝管2とが接続される、流体管用のヘッダーを示す。
【0022】
ヘッダー3は、一列に並ぶ複数のヘッダー構成部材4、4と、それらヘッダー構成部材4,4を連結する短管状の連結筒体5と、挟持リング6とを備える。ここで、複数のヘッダー構成部材4、4は、内部が主流路4aとなる筒状の本体部4bを備えて、それら本体部4b、4bが向き合うように一列に並ぶ。そこで、複数のヘッダー構成部材4、4のうち、一方の端に位置するヘッダー構成部材4は、その本体部4bに、主管1が直接または継手を介して接続される主管用接続部4cを備える。そして、複数のヘッダー構成部材4、4のうち、少なくとも、一方の端以外に位置するヘッダー構成部材4(図示実施の形態においては、全てのヘッダー構成部材)は、内部が前記主流路4aに通じるとともに、枝管2が直接または継手を介して接続される、枝管用接続部4dを備える。
【0023】
本体部4bは、隣合うヘッダー構成部材4、4の向き合う側に、被連結筒部4eを備える。そこで、前記連結筒体5は、各端側が、隣合うヘッダー構成部材4、4における互いに向き合う被連結筒部4eの外側に嵌められる。つまりは、被連結筒部4eが、連結筒体5に挿入(詳しくは、圧入)される。一方、ヘッダー構成部材4には、被連結筒部4eの基端位置に、連結筒体5の端面が当接し得る平坦な規制面4fが設けられている。そして、挟持リング6は、被連結筒部4eとで連結筒体5(詳しくは、連結筒体5の周壁)を挟持するように、連結筒体5の両端部の外側にそれぞれ嵌められ、こうして、連結筒体5は、被連結筒部4eに接続される。
【0024】
ここにおいて、隣合うヘッダー構成部材4、4における互いに向き合う被連結筒部4e、4e間の寸法Lは、それら被連結筒部4e、4eとで連結筒体5を挟持する両挟持リング6、6の軸長寸法の合計よりも小となっている。すなわち、連結筒体5は、短く形成されて、隣合うヘッダー構成部材4、4は、互いに向き合う被連結筒部4e、4e間の寸法Lが、両挟持リング6、6の軸長寸法の合計よりも小となるほどに、近接して配置されている(
図3参照)。
【0025】
また、被連結筒部4eは、その先端部分4gの外径が、その被連結筒部4eの外側に嵌められる前の連結筒体5の内径よりも小さく形成されている。そして、被連結筒部4eの外周面には、その被連結筒部4eの外側に嵌められる前の連結筒体5の内径よりも大きい外径をなす環状リブ4hが設けられる。また、挟持リング6の内径は、被連結筒部4eの外側に嵌められる前の連結筒体5の外径よりも大きく、かつ、挟持リング6における被連結筒部4eの基端側の内径6xは、挟持リング6における被連結筒部4eの先端側の内径6yよりも大きく形成されている(
図13参照)。
【0026】
詳細には、前記環状リブ4hは、複数条設けられ、それら複数条の環状リブ4h、4hの外径は、被連結筒部4eの先端側にある環状リブ4hよりも基端側にある環状リブ4hが大径に形成され、あるいは、同一径に形成される。そして、挟持リング6の軸長内に、前記環状リブ4hが少なくとも二つ位置するよう設けられ、その軸長内の環状リブ4h、4hの外径は、被連結筒部4eの先端側にある環状リブ4hよりも基端側にある環状リブ4hが大径となるよう形成される。これに対し、挟持リング6の内径は、その挟持リング6の軸長内にある環状リブ4h、4hの異なる外径に合わせるように、被連結筒部4eの先端側よりも基端側が大径となるような段差を備えて形成される。
【0027】
また、複数のヘッダー構成部材4、4における被連結筒部4eの軸心は、同一の軸線3a上に位置し、互いに向き合う被連結筒部4e、4eの少なくとも一方の被連結筒部4eの外周面と連結筒体5の内周面との間が滑ることで、それらヘッダー構成部材4、4は、前記軸線3aを中心として互いに回動可能となっている。より詳細には、複数のヘッダー構成部材4、4における互いに向き合う被連結筒部4e、4eの少なくとも一方の被連結筒部4eの外周面と連結筒体5の内周面との間に、潤滑剤(例えば、グリス)が介在し、その潤滑剤によって、被連結筒部4eの外周面と連結筒体5の内周面との間が滑ることとなる。そして、潤滑剤が介在するところの被連結筒部4eにおいて、その被連結筒部4eの基端位置に設けられた前記規制面4fと、連結筒体5の端面との間にも、潤滑剤が介在する。この潤滑剤を介在させるにあたって、被連結筒部4eの外周面に潤滑剤を塗布して、その後に、被連結筒部4eの外側に連結筒体5を嵌める(つまりは、被連結筒部4eを連結筒体5に挿入(詳しくは、圧入)する)と、連結筒体5を被連結筒部4eの外側に嵌める過程で、その連結筒体5の端面が被連結筒部4eの潤滑剤(図示実施の形態においては、環状リブ4hの先端の潤滑剤)の一部を奪い、その奪った潤滑剤が連結筒体5の端面に付着する。このため、予め連結筒体5の端面あるいは規制面4fに潤滑剤を塗布しておかなくても、規制面4fと連結筒体5の端面との間に潤滑剤を介在させることができる。
【0028】
また、ヘッダー構成部材4には、被連結筒部4eを囲む周方向の一部に、規制面4fよりも被連結筒部4eの先端側に突出するとともに、挟持リング6における被連結筒部4eの基端側の端面が当接し得る当接部4iが設けられている。そこで、被連結筒部4eを囲む周方向において、当接部4iが設けられていない部分
(すなわち、当接部4iが設けられていない面が、規制面4fと面一となって、その面と、挟持リング6における被連結筒部4eの基端側の端面との間の空隙部分)が、当接部4iの先端を越えて規制面4f側に位置する、連結筒体5の端部を視認可能な視認部4jとなる(
図4参照)。
【0029】
具体的には、ヘッダー3は、給水・給湯(給水または給湯)に用いられるヘッダーであって、主管1からヘッダー3内に水または湯が流入し、その水または湯が、ヘッダー3から枝管2へと流出する。
【0030】
ヘッダー3は、前述したように、複数のヘッダー構成部材4,4を備えるが、このヘッダー構成部材4として、中間に位置して基本となる第1のヘッダー構成部材401と、一方の端に位置して主管1が接続される第2のヘッダー構成部材402と、他方の端に位置する第3のヘッダー構成部材403とが設けられている。これらヘッダー構成部材4(401、402、403)は、例えば合成樹脂製であって、内部が主流路4aとなる筒状の本体部4bと、その本体部4bから一体に突出形成されて内部が主流路4aに通じる筒状の枝部4kを備え、その枝部4kに(詳しくは、その枝部4kの先端部分に)、前述の枝管用接続部4dが設けられる。また、ヘッダー構成部材4は、本体部4bに、被連結筒部4eの基端側に隣接するようにして、環状の鍔部4mが突出形成されている。そこで、この鍔部4mの被連結筒部4e側の面における、立ち上がり側(鍔部4mの軸心に近い側)が、前記規制面4fとなり、鍔部4mの被連結筒部4e側の面における、先端側(鍔部4mの軸心から離れた側)から、前記当接部4iが突出形成される(図示実施の形態では、一対の当接部4i、4iが、鍔部4mの軸心を挟んで対向位置するように突出形成される)。
【0031】
被連結筒部4eは、円筒状に形成され、その外周面に、前記環状リブ4hとして、被連結筒部4eの先端側から基端側に向かって順に、第1環状リブ411と、第2環状リブ412と、第3環状リブ413とが設けられ、そのうち第2環状リブ412と第3環状413とが、挟持リング6の軸長内に位置する。そこで、第1環状リブ411と第2環状リブ412とが同一径に形成され、第2環状リブ412よりも、第3環状リブ413が大径に形成される。これら環状リブ4h(411、412、413)は、被連結筒部4eの先端側の面が、その先端側ほど小径となるようにテーパー状に形成されるが、第1環状リブ411は、そのテーパーの傾斜がなだらかであって、第2環状リブ412と第3環状リブ413は、そのテーパーの傾斜が急となっている。そして、被連結筒部4eにおける各環状リブ4hと、それらの環状リブ4hよりも被連結筒部4eの基端側の位置にある各外周面との段差4xが、それぞれ互いに同一の段差となっている(
図8参照)。
【0032】
枝管用接続部4dは、円筒状に形成される。この枝管用接続部4dに対し、枝管2は、例えば、架橋ポリエチレンとか、ポリブテン等の合成樹脂製の管からなって、その先端部分が予め拡径される。そして、その拡径された枝管2の先端部分が、枝管用接続部4dの外側に嵌められ(つまり、枝管用接続部4dが、枝管2に挿入され)、スリーブ7が、枝管用接続部4dとで枝管2を挟持するように、枝管2の外側に嵌められる。
【0033】
第1のヘッダー構成部材401は、直線状に延びる本体部4bと、その本体部4bの中央位置から直交方向に突出する枝部4kとで、T字状に形成されている。そこで、本体部4bの各側に被連結筒部4eが設けられる。そして、被連結筒部4eに対応して設けられる両鍔部4m、4mは、間隔を置いて対峙し、枝部4kは、両鍔部4m、4mと一部が重なるようにして、本体部4bから突出している。
【0034】
第2のヘッダー構成部材402は、直線状に延びる本体部4bと、その本体部4bの中間位置から直交方向に突出する枝部4kとで、略T字状に形成されている。そこで、本体部4bの、隣接する第1のヘッダー構成部材401と向き合う側に、被連結筒部4eが設けられ、その反対側に、前記主管用接続部4cが設けられる。この主管用接続部4cは、円筒状に形成される。この主管用接続部4cに対し、主管1は、枝管2と同様に、例えば、架橋ポリエチレンとか、ポリブテン等の合成樹脂製の管からなって、その先端部分が予め拡径される。そして、その拡径された主管1の先端部分が、主管用接続部4cの外側に嵌められ(つまり、主管用接続部4cが、主管1に挿入され)、スリーブ8が、主管用接続部4cとで主管1を挟持するように、主管1の外側に嵌められる。また、枝部4kは、被連結筒部4eに対応して設けられる鍔部4mと一部が重なるようにして、本体部4bから突出している。
【0035】
第3のヘッダー構成部材403は、直線状に延びる本体部4bと、その本体部4bの一方端(詳しくは、隣接する第1のヘッダー構成部材401とは反対側の端)から直交方向に突出する枝部4kとで、L字状に形成されている。そして、本体部4bの、隣接する第1のヘッダー構成部材401と向き合う側に、被連結筒部4eが設けられる。また、枝部4kは、被連結筒部4eに対応して設けられる鍔部4mと一部が重なるようにして、本体部4bから突出している。
【0036】
連結筒体5は、例えば、架橋ポリエチレンとか、ポリブテン等の合成樹脂製の管からなるが、特に、前記した主管1あるいは枝管2と、この連結筒体5とが、同じ種類の合成樹脂からなってもよい。この連結筒体5は、主管1とか枝管2とは異なり、その先端部分が予め拡径されることなく、この連結筒体5を被連結筒部4eの外側に嵌める過程で、その被連結筒部4eに押されて拡径する。
【0037】
挟持リング6は、例えば金属製であって、前述したように、その挟持リング6の軸長内にある環状リブ4h(図示実施の形態においては、第2環状リブ412および第3環状リブ413)の外径に合わせるように、内径が段差を備えて形成されている。すなわち、第2環状リブ412の外径と第3環状リブ413の外径の差と、挟持リング6(
図13参照)における被連結筒部4eの先端側の内径6yと基端側の内径6xの差とが、一致するように形成されている。そして、挟持リング6には、被連結筒部4eの基端側の端に、フランジ6aが突出して設けられる。
【0038】
ところで、
図15は、隣合うヘッダー構成部材4、4を、連結筒体5と挟持リング6とを用いて連結する手順を示す。まず、
図15(a)に示すように、一方のヘッダー構成部材4の被連結筒部4eを、連結筒体5の一方の端部に圧入するようにして、その連結筒体5を、被連結筒部4eの外側に嵌めて規制面4fに当接させる。そして、
図15(b)に示すように、一方の挟持リング6を、連結筒体5の外側に嵌めて当接部4iに当接するまで押し込む。その後、
図15(c)に示すように、他方の挟持リング6を、連結筒体5の外側に、略中央位置まで嵌める。そして、
図15(d)に示すように、他方のヘッダー構成部材4の被連結筒部4eを、連結筒体5の他方の端部に圧入するようにして、その連結筒体5を、被連結筒部4eの外側に嵌めて規制面4fに当接させる。次いで、
図15(e)に示すように、他方の挟持リング6を、他方のヘッダー構成部材4の当接部4iに当接するまで押し込む。こうして、挟持リング6、6のそれぞれが、連結筒体5を押圧し、さらには、その連結筒体5が被連結筒部4e、4eを押圧し、その結果、連結筒体5は、挟持リング6、6と被連結筒部4e、4eとで挟持される。
【0039】
また、このヘッダー3は、外装筒9を備える。この外装筒9は、連結筒体5の両側に嵌められた挟持リング6、6に渡るようにして、それら連結筒体5および両挟持リング6、6の外側に装着されるものであって、筒状(詳しくは、円筒状)に形成されている。この外装筒9は、例えば合成樹脂製であって、周方向を分断するように、軸方向の全長に渡って切り欠かれた切込み9aが設けられており、この切込み9aを開くようにして、連結筒体5および挟持リング6、6に装着される。
【0040】
次に、以上の構成からなるヘッダー3の作用効果について説明する。このヘッダー3によれば、複数のヘッダー構成部材4、4は、内部が主流路4aとなる本体部4bが向き合うように一列に並ぶ。連結筒体5は、隣合うヘッダー構成部材4、4における互いに向き合う本体部4b、4bの被連結筒部4e、4eの外側に嵌められる。そして、挟持リング6は、連結筒体5の両端部の外側にそれぞれ嵌められて、その挟持リング6と被連結筒部4eとで連結筒体5を挟持する。こうして、被連結筒部4eの外周面と連結筒体5の内周面とが密着して、その間の止水がなされ、複数のヘッダー構成部材4、4は水密に連結される。すなわち、このヘッダー3によれば、複数のヘッダー構成部材4、4の連結に、連結筒体5と挟持リング6を用いることで、被連結筒部4eの外周面と連結筒体5の内周面が密着して、その間の止水がなされることから、経年劣化するOリングを止水のために用いる必要がなく、このヘッダー3を長期間使用することができる。
【0041】
また、互いに向き合う被連結筒部4e、4e間の寸法Lが、それら被連結筒部4e、4eとで連結筒体5を挟持する両挟持リング6、6の軸長寸法の合計よりも小となるまで、複数のヘッダー構成部材4、4を近接させることにより、このヘッダー3をコンパクトに形成することが可能となる。
【0042】
また、被連結筒部4eは、その先端部分4gの外径が、その被連結筒部4eの外側に嵌められる前の連結筒体5の内径よりも小さくなっている。さらに、挟持リング6の内径は、被連結筒部4eの外側に嵌められる前の連結筒体5の外径よりも大きく、挟持リング6における被連結筒部4eの基端側の内径6xは、挟持リング6における被連結筒部4eの先端側の内径6yよりも大きくなっている(
図13参照)。これにより、複数のヘッダー構成部材4、4を近接して配置しても、連結筒体5を被連結筒部4eの外側に嵌める過程で(つまり、
図15(c)の状態から、
図15(d)の状態に移行する過程で)、被連結筒部4eの外周面に設けられた環状リブ4hを乗り越えることで拡径する連結筒体5が、予め連結筒体5の中間位置の外側に嵌められた挟持リング6と干渉しにくい。その結果、連結筒体5を、被連結筒部4eの基端位置に設けられた規制面4fに当接するまで的確に押し進めることができる(
図15(d)参照)。このことからも、複数のヘッダー構成部材4、4を近接して配置することができ、このヘッダー3をコンパクトに形成することが可能となる。
【0043】
また、複数ある環状リブ4hの外径を被連結筒部4eの基端側に向かって大きくすることで(図示実施の形態においては、第3環状リブ413の外径を第2環状リブ412の外径よりも大きくすることで)、連結筒体5を被連結筒部4eの外側に嵌めるにあたって、その連結筒体5を被連結筒部4eの基端側へ無理なく押し進めることができる。そして、挟持リング6においても、挟持リング6の内径を、環状リブ412、413の外径に合わるように、被連結筒部4eの基端側に向かって段状に大きくすることで、この挟持リング6を連結筒体5の外側に嵌めるにあたって、その挟持リング6を、被連結筒部4eの基端側へ無理なく押し進めることができる。
【0044】
また、複数のヘッダー構成部材4、4が互いに回動可能となることで、このヘッダー構成部材4に設けられた枝管用接続部4d、ひいては枝管2の向きを変えることができる。そして、このとき、被連結筒部4eの外周面と連結筒体5の内周面との間に潤滑剤が介在することで、複数のヘッダー構成部材4、4は、互いの回動が容易となる。さらには、規制面4fと連結筒体5の端面との間に潤滑剤が介在することで、複数のヘッダー構成部材4、4は、互いの回動が一層容易となる。
【0045】
また、当接部4iの先端を越えて規制面4f側に位置する、連結筒体5の端部を視認可能な視認部4jを設けることで、その視認部4jが確認窓となって、連結筒体5が規制面4fに当接しているか否かを目視で確認することができる。
【0046】
また、外装筒9が、連結筒体5と挟持リング6とを覆うことから、その外装筒9によって、連結筒体5とか挟持リング6を保護することができ、また、見栄えがよい。さらに、ヘッダー3を建物の構造物等にサドルを用いて固定するにあたって、この外装筒9の部分を固定することで、ヘッダー構成部材4とか連結筒体5とか挟持リング6とかが傷つくのを避けることができる。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、複数のヘッダー構成部材4、4のうち、一方の端に位置する第2のヘッダー構成部材402は、枝部4kとか枝管用接続部4dを備えているが、これら枝部4kとか枝管用接続部4dを備えなくてもよい。また、この場合、主管用接続部4cは、直線状の本体部4bの端部に設けられる以外に、本体部4bをL字状に折れ曲がるように形成し、その折れ曲がった先端部に、主管用接続部4cを設けてもよい。
【0048】
また、枝管用接続部4dは、枝部4kに設けられるが、この枝部4kを設けることなく、本体部4bに、枝管用接続部4dとしてのねじ孔を設けてもよい。
【0049】
また、複数のヘッダー構成部材4、4は、互いに回動可能となっているが、回動可能とならなくてもよい。
【0050】
また、ヘッダー構成部材4には、視認部4j(確認窓)が設けられるが、この視認部4jは、なくてもよい。
【0051】
また、連結筒体5と挟持リング6とを覆うように装着される外装筒9を備えるが、この外装筒9は、なくてもよい。
【0052】
また、ヘッダー3は、給水・給湯に用いられるものでなくても、排水に用いられるものでもよい。すなわち、枝管2からヘッダー3内に排水が流入し、その排水が、ヘッダー3から主管1へと流出してもよい。また、このヘッダー3は、建物の床等の暖房用の温水に用いられてもよく、さらには、水に限らずそれ以外の液体とか気体を、分岐あるいは集結するために用いられてもよい。
【0053】
また、被連結筒部4eへの連結筒体5の接続は、ヘッダー構成部材4、4を連結する場合に限らず、連結筒体5が通水管であり、ヘッダー構成部材4が継手であって、被連結筒部4eが、継手における通水管が接続される内挿筒である場合にも、適用することができる。その通水管接続方法を以下に示す。
継手に通水管を接続する、通水管接続方法であって、
前記継手は、前記通水管の一端部に挿入される内挿筒と、前記内挿筒の基端位置に設けられて前記通水管の端面が当接し得る平坦な規制面とを備え、
前記通水管接続方法は、
前記内挿筒の外周面に潤滑剤を塗布し、
前記内挿筒を前記通水管の端面が前記規制面に当接するまで圧入し、
次いで、前記通水管の外側に嵌めた挟持リングを、前記内挿筒の基端側へと押し込んで、前記挟持リングと前記内挿筒とで前記通水管の周壁を挟持するものであり、
前記内挿筒の圧入時に、前記通水管の端面が前記潤滑剤の一部を奪い、その通水管の端面と前記規制面との間に、前記奪った潤滑剤が介在する、通水管接続方法。
【0054】
また、他の通水管接続方法を以下に示す。
継手に通水管を接続する、通水管接続方法であって、
前記継手は、前記通水管の一端部に挿入される内挿筒と、前記内挿筒の基端位置に設けられて前記通水管の端面が当接し得る平坦な規制面と、その規制面と同一平面上、または、その規制面よりも前記内挿筒の先端側に設けられた当接部とを備え、
前記通水管接続方法は、
前記内挿筒の外周面に潤滑剤を塗布し、
前記内挿筒を前記通水管の端面が前記規制面に当接するまで圧入し、
次いで、前記通水管の外側に嵌めた挟持リングを、前記当接部に当接するまで押し込んで、前記挟持リングと前記内挿筒とで前記通水管の周壁を挟持し、
前記通水管および前記挟持リングに対して、前記内挿筒を、その軸心を回転軸として相対的に回動させ、前記挟持リングを前記当接部から離間させる、通水管接続方法。
【0055】
すなわち、この通水管接続方法においては、通水管および挟持リングに対して、内挿筒を、その軸心を回転軸として相対的に回動させることで、挟持リングと内挿筒とで挟持される通水管の応力の一部が解放されるように、通水管が規制面に当接したまま、通水管の外周面が、内挿筒の先端側に移動し、その移動に伴って、挟持リングが当接部から離間する。こうして、挟持リングが当接部から離間することで、挟持リングと当接部との間に、視認部(確認窓)が形成され、この視認部から、通水管の先端部分を視認可能となり、その通水管が規制面に当接しているか否かを確認することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 主管
2 枝管
3 ヘッダー
3a 軸線
4 ヘッダー構成部材
4a 主流路
4b 本体部
4c 主管用接続部
4d 枝管用接続部
4e 被連結筒部
4f 規制面
4g 先端部分
4h 環状リブ
4i 当接部
4j 視認部
4x 段差
5 連結筒体
6 挟持リング
9 外装筒
L 被連結筒部間の寸法