(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20230327BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230327BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B41J29/38 202
G03G21/00 386
G03G21/00 500
G03G21/00 396
B41J29/42 F
(21)【出願番号】P 2019172827
(22)【出願日】2019-09-24
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】中西 克巳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 禎
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 雅子
(72)【発明者】
【氏名】馬場 明日香
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-003704(JP,A)
【文献】特開2010-141670(JP,A)
【文献】特開2000-172469(JP,A)
【文献】特開2014-124775(JP,A)
【文献】特開2004-181739(JP,A)
【文献】特開2004-001320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷設定に関する印刷設定情報が付加された電子ファイルを受信する通信手段と、
前記通信手段により受信した前記電子ファイルに基づいて、用紙に印刷を行う印刷手段と、
前記印刷手段が用紙に印刷を行う際の標準的な印刷設定である標準印刷設定情報を予め記憶している設定記憶手段と、
前記通信手段により受信した前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と、前記設定記憶手段に記憶されている前記標準印刷設定情報とを比較する印刷設定比較手段と、
前記印刷設定比較手段が、前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と前記標準印刷設定情報とが異なると判断した場合には、前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と前記標準印刷設定情報とが異なることを報知する報知手段と、を備え、
前記印刷設定比較手段が、前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と前記標準印刷設定情報とが異なると判断した場合は、前記印刷手段は前記電子ファイルに基づく印刷動作を保留
し、
前記印刷手段が前記電子ファイルに基づく印刷動作を保留している場合であっても、前記通信手段が新たに受信した前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報が前記標準印刷設定情報と同じであると前記印刷設定比較手段が判断した場合は、前記印刷手段は新たに受信した前記電子ファイルに基づいて用紙に印刷を行う、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記報知手段は、前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と前記標準印刷設定情報とが異なることを報知することに加えて、複数の操作の中からいずれかの操作を選択するよう利用者に促すよう報知する、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記通信手段は、前記印刷設定情報が付加された電子ファイルを送信した端末装置に対して、前記報知手段により報知された内容を送信する、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項
3までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
印刷動作に関する印刷状況情報を記憶する印刷状況情報記憶手段を、さらに備えている、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の画像形成装置であって、
前記通信手段は、前記印刷状況情報記憶手段に記憶された前記印刷状況情報を外部に送信する、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項
5までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記標準印刷設定情報には、1つの印刷設定又は複数の印刷設定が含まれている、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書等を用紙に印刷可能である画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ装置、プリンター等の画像形成装置は、例えば複数のパソコン等の端末装置と、ネットワークを介して接続されて使用されることがある。各利用者は、各自のパソコンにより文書を作成する等の作業を行い、パソコンからデータを画像形成装置に送信して印刷指示を送る操作を行うことで、当該文書を画像形成装置が用紙に印刷する。
【0003】
ここで、近年、経費削減の目的から、印刷用紙のリサイクルが求められており、片面が使用済みである用紙(いわゆる裏紙)を再利用することが行われることがある。つまり、裏紙における使用済みである面の反対側の面に文書等を印刷することにより、用紙の再利用が行われている。この場合、画像形成装置の利用者は、印刷する内容に応じて裏紙に印刷するか、再利用されていない未使用紙に印刷するかを判断して、いずれの用紙に印刷するかを画像形成装置に指示する操作が必要であった。
【0004】
このような操作を不要とし、利用者の操作負担を軽減するために、例えば、特許文献1には、文書の電子ファイルのファイル名に原稿データの属性を表す情報が含まれることとし、画像形成装置が電子ファイルのファイル名に基づき原稿データの属性を表す情報を読み取って、この情報に基づいて印刷する用紙を裏紙とするか、未使用紙とするかを決定する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示された発明によれば、裏紙に印刷するか、未使用紙に印刷するかを、利用者が指示しなくても、画像形成装置が電子ファイルのファイル名に基づき原稿データの属性を表す情報を読み取って、この情報に基づいて印刷する用紙を裏紙とするか、未使用紙とするかを決定して印刷を実行する。そのため、利用者は、裏紙に印刷するか、未使用紙に印刷するかを指示する操作を実行する必要がなく、単に印刷を指示する操作を行うだけでよいことから、操作が簡単である。
【0007】
しかし、上記特許文献1に開示された発明は、以下に示す問題を有する。例えば、普段は未使用紙に印刷する内容であるにもかかわらず、状況によっては裏紙に印刷した方が好ましい場合が生じることがある。例えば、顧客向け等の外部に提出するために作成した文書は、本来は未使用紙に印刷するものであるが、作成途中であって内容を確認するために用紙に印刷する場合等は、その用紙が外部に提出されることはなく、確認後に用紙は破棄されることから、裏紙に印刷することが好ましい。しかし、このような場合であっても、上記特許文献1に開示された発明によれば、ファイル名により用紙の選択を行うため、裏紙ではなく未使用紙に印刷されることとなる。このため、経費削減の目的に反するとの問題がある。
【0008】
このような問題を防ぐためには、普段は未使用紙に印刷する内容のものを裏紙に印刷する場合は、ファイル名を変更すればよいが、そのような作業は煩雑であるし、利用者はそのような作業を忘れがちであり、印刷された後に用紙を見て思い出すこととなる。つまり、結局、裏紙ではなく未使用紙に印刷することとなり、経費削減の目的に反するとの問題を解消することは困難である。なお、普段は裏紙に印刷する内容であるにもかかわらず、状況によっては未使用紙に印刷した方が好ましい場合が生じることもある。
【0009】
また、印刷する用紙の選択だけでなく、その他の印刷設定についても、印刷するごとに利用者が設定することは煩雑であり、誤った設定で印刷が行われた場合は、印刷のやり直しになるため、無駄な印刷が増加して、経費削減の目的に反するとの問題がある。
【0010】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、利用者への負担が少なく、誤った印刷が行われることを抑制できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、印刷設定に関する印刷設定情報が付加された電子ファイルを受信する通信手段と、前記通信手段により受信した前記電子ファイルに基づいて、用紙に印刷を行う印刷手段と、前記印刷手段が用紙に印刷を行う際の標準的な印刷設定である標準印刷設定情報を予め記憶している設定記憶手段と、前記通信手段により受信した前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と、前記設定記憶手段に記憶されている前記標準印刷設定情報とを比較する印刷設定比較手段と、前記印刷設定比較手段が、前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と前記標準印刷設定情報とが異なると判断した場合には、前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と前記標準印刷設定情報とが異なることを報知する報知手段と、を備え、前記印刷設定比較手段が、前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と前記標準印刷設定情報とが異なると判断した場合は、前記印刷手段は前記電子ファイルに基づく印刷動作を保留し、前記印刷手段が前記電子ファイルに基づく印刷動作を保留している場合であっても、前記通信手段が新たに受信した前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報が前記標準印刷設定情報と同じであると前記印刷設定比較手段が判断した場合は、前記印刷手段は新たに受信した前記電子ファイルに基づいて用紙に印刷を行う、ことを特徴とする。
【0012】
このように、上記画像形成装置によれば、予め設定されている標準印刷設定(標準印刷設定情報)とは異なる印刷設定(印刷設定情報)が付加された電子ファイルについては、印刷することなく、標準印刷設定とは異なる印刷設定がなされていることを報知する。それにより、当該電子ファイルについて好ましい印刷設定を設定し直した後に印刷が行われることとなるため、利用者が意図する通りの印刷が実行され、好ましくない印刷設定により印刷が行われることが防止される。それにより、印刷のやり直しを行わなければならないといった不具合を抑制することができる。したがって、経費削減につながる。また、印刷のやり直しを抑制することから、利用者の操作負担が軽減する。また、利用者は、上記報知がなされた場合にのみ、好ましい印刷設定について検討すればよいことから、すべての印刷において好ましい印刷設定を検討する必要はなく、利用者の操作負担が少なく、操作が簡単である。また、電子ファイルに付加された印刷設定が、標準印刷設定とは異なっている場合は、好ましい印刷設定がなされていない可能性が高いといえるが、このような場合には、報知を行ってくれることから、利用者の操作負担が少ないうえ、誤った印刷を行うことを抑制することができる。また、上記画像形成装置によれば、標準印刷設定情報と異なる印刷設定情報が付加された電子ファイルの印刷が保留されている場合でも、後から受信された電子ファイルに付加された印刷設定情報が標準印刷設定情報と同じであれば、後から受信された電子ファイルについては印刷を実行する。このため、印刷処理が滞ることを抑制でき、効率良く印刷処理を実行できる。
【0013】
また、上述の画像形成装置において、前記報知手段は、前記電子ファイルに付加された前記印刷設定情報と前記標準印刷設定情報とが異なることを報知することに加えて、複数の操作の中からいずれかの操作を選択するよう利用者に促すよう報知することとしてもよい。
【0014】
これにより、電子ファイルに付加された印刷設定情報と標準印刷設定情報とが異なることにより、印刷処理が保留された際の利用者の操作を誘導することから、利用者の操作負担が少ない。
【0015】
また、上述の画像形成装置において、前記通信手段は、前記印刷設定情報が付加された電子ファイルを送信した端末装置に対して、前記報知手段により報知された内容を送信することとしてもよい。
【0016】
これにより、文書の作成等の作業及び作成された文書の印刷指示を行う端末装置において上述の報知がなされることから、利用者は普段作業を行っている端末装置において上述の報知を認識することとなるため、画像形成装置まで確認しに行く必要がなく、作業の手間がかからず、煩雑さがない。
【0019】
また、上述の画像形成装置において、印刷動作に関する印刷状況情報を記憶する印刷状況情報記憶手段を、さらに備えていることとしてもよい。
【0020】
これにより、印刷状況情報記憶手段に記憶された印刷状況情報を分析することにより、印刷傾向等を導き出すことが可能となる。このため、例えば、分析により得た印刷傾向等に基づいて、標準印刷設定情報を見直すことが可能であり、実情に沿った標準印刷設定情報を設定することができるため、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加された印刷設定情報とが異なることが減少する。つまり、印刷を保留することが減少し、効率良く印刷処理が実行される。
【0021】
また、上述の画像形成装置において、前記通信手段は、前記印刷状況情報記憶手段に記憶された前記印刷状況情報を外部に送信することとしてもよい。
【0022】
これにより、外部において、印刷状況情報を分析することにより、印刷傾向等を導き出すことが可能となる。このため、例えば、分析により得た印刷傾向等に基づいて、標準印刷設定情報を見直すことが可能であり、実情に沿った標準印刷設定情報を設定することができるため、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加された印刷設定情報とが異なることが減少する。つまり、印刷を保留することが減少し、効率良く印刷処理が実行される。
【0023】
また、上述の画像形成装置において、前記標準印刷設定情報には、1つの印刷設定又は複数の印刷設定が含まれていることとしてもよい。
【0024】
これにより、印刷内容について印刷設定を確認したうえで印刷が実行されることから、経費を削減でき、かつ、利用者の操作負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、利用者への負担が少なく、誤った印刷が行われることを抑制できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムの構成を示す概略図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観概略構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示部における表示の一例を示す図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置及び端末装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置システムの構成を示す概略図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置システムが備えるサーバーの制御構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムの構成を示す概略図である。
【0029】
図1に示すように、画像形成装置システム500は、画像形成装置100及び複数の端末装置20(20a、20b、20c、20d)を備えている。なお、端末装置20は例えば、パソコンであって、複数の利用者はそれぞれ端末装置20を用いて文書を作成する等の作業を行っている。これら複数の端末装置20である端末装置20a、端末装置20b、端末装置20c、端末装置20dのそれぞれは、ネットワークNWを介して画像形成装置100と接続されている。なお、第1実施形態では、端末装置20a、端末装置20b、端末装置20c、端末装置20dの4台の端末装置20のそれぞれと、画像形成装置100とがネットワークNWを介して接続されていることとしたが、画像形成装置100に接続される端末装置20の台数は4台に限定されるわけではなく、1台であってもよいし、4台以外の複数台であってもよい。また、端末装置20はノートパソコンであってもよいし、タブレット型のパソコンや、スマートフォンであってもかまわない。端末装置20は、ネットワークNWを介して画像形成装置100と接続されており、画像形成装置100に印刷を実行させることができればよい。
【0030】
利用者は、端末装置20を用いて文書等を作成し、作成した文書の印刷を画像形成装置100に実行させるように、端末装置20から画像形成装置100に指示を送る。この際、文書等の印刷データである電子ファイルが端末装置20から画像形成装置100に送信され、画像形成装置100は電子ファイルに基づいて印刷を実行する。なお、利用者は、端末装置20以外の機器であってネットワークNWに接続されていない機器を用いて電子ファイルを作成して、作成した電子ファイルを端末装置20より画像形成装置100に送信して印刷を実行してもよい。
【0031】
次に、図面を用いて、画像形成装置100について説明する。
【0032】
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観概略構成を示す斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御構成を概略的に示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体110と原稿読取装置120とを備えている。
【0034】
原稿読取装置120は、画像形成装置本体110の上部に設けられており、原稿載置台121、原稿読取部122及び原稿自動送り装置123を備えている。原稿読取装置120は、原稿載置台121に載置された原稿の画像を原稿読取部122にて読み取るか又は原稿自動送り装置123にて自動的に送られる原稿の画像を原稿読取部122にて読み取り、読み取った原稿の画像データを画像形成装置本体110に送信する。原稿読取装置120は、原稿自動送り装置123にて搬送されて原稿読取部122にて読み取られた原稿を原稿排出トレイ123aに排出する。
【0035】
画像形成装置本体110は、シート収容部111、シート搬送部112、画像形成部113、シート排出部114及び操作部115を有している。画像形成装置本体110は、記録用紙等の記録シートである用紙をシート収容部111に収容し、シート収容部111に収容された用紙をシート搬送部112にて搬送し、シート搬送部112にて搬送された用紙に原稿読取装置120又は外部から送信されてきた画像データに基づいてカラー画像又はモノクロ画像を画像形成部113にて形成し、画像形成部113にて画像を形成した用紙をシート排出部114におけるシート排出トレイ114aに排出するようになっている。また、画像形成部113は、外部から送信されてきた印刷データである電子ファイルに基づいて用紙に文書等の印刷を行うことができる。
【0036】
シート収容部111は、給紙カセット111a~111dを備えており、これら給紙カセット111a~111dにはそれぞれ異なる種類の用紙が収容されている。例えば、A4サイズの用紙やA3サイズの用紙等のサイズが異なるものや、未使用の用紙や片面が使用済みであるいわゆる裏紙とよばれる用紙等が、給紙カセット111a~111dに分かれて収容されている。例えば、給紙カセット111aには未使用のA4サイズの用紙が収容され、給紙カセット111bにはA4サイズの裏紙が収容され、給紙カセット111cには未使用のA3サイズの用紙が収容され、給紙カセット111dには未使用のB5サイズの用紙が収容されている。
【0037】
操作部115は、表示部161を含み、操作部材165を備えている。なお、表示部161はタッチパネルディスプレイであって、操作に関する画像を表示するだけでなく、表示部161の画面に触れることにより、入力が可能となっている。また、表示部161は、印刷を行う文書や画像等のプレビュー表示等も可能である。また、表示部161は、利用者に報知のための表示を行うことも可能である。具体的には、利用者に報知する内容が表示部161に表示されることで、利用者は報知内容を認識する。
【0038】
また、画像形成装置100は、上述した構成以外に、
図3に示すように制御部180及び通信部166をさらに備えている。
【0039】
制御部180は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部181及び印刷設定比較部182と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やデータ書き換え可能な不揮発性メモリ等の記憶装置を含む記憶部184とを備えている。
【0040】
また、処理部181は、記憶部184のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部184のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行う。また、記憶部184のRAMは、処理部181に対して作業用のワークエリア及び画像データを格納する画像メモリとしての領域を提供する。
【0041】
また、記憶部184には、画像形成部113が用紙に印刷を行う際の標準的な印刷設定についての情報である標準印刷設定情報が予め記憶されている。なお、印刷設定とは、印刷態様についての設定であり、例えば、部数設定、片面/両面設定、割付け設定、仕上げ設定、印刷の向き設定、カラーモード設定、用紙設定、高度な設定、特別機能設定、ジョブハンドリング設定及びウォーターマーク設定等である。
【0042】
上記印刷設定は一般的なものであるが、以下に、各印刷設定について簡単に説明する。部数設定は、印刷する文書の部数についての設定である。片面/両面設定は、用紙の片面にのみ印刷するか、両面に印刷するかについての設定である。割付け設定は、いわゆるN-UP設定とよばれるものであり、1枚の用紙内に割り付けるページ数についての設定である。また、割り付けるページの順序についても設定可能である。仕上げ設定は、用紙におけるとじ位置、とじしろについての設定である。また、複数枚の印刷を複数部数印刷する場合に、部数毎に位置をずらして用紙を排出するいわゆるオフセット機能や、部数毎にステープルでとじたり、パンチ穴を形成したりするための設定も仕上げ設定に含まれる。
【0043】
また、印刷の向き設定は、印刷内容に対する用紙の向きを縦、横、180°回転等のいずれにするかについての設定である。また、カラーモード設定は、カラー印刷、グレースケール印刷、又はこれらを自動で選択する設定についてである。また、用紙設定は、用紙サイズ、ズーム、ポスター印刷、給紙方法、排紙トレイ等についての設定である。ここで、用紙サイズの設定には裏紙に印刷するか未使用紙に印刷するかの設定も含まれる。
【0044】
また、高度な設定は、プリントモード、グラフィックモード、ビットマップ圧縮、タブ紙設定、オーバレイ、フォント設定等についての設定である。また、特別機能設定は、用紙挿入、OHP合紙、カーボンコピー、タブ紙印刷、紙折り等についての設定である。また、ジョブハンドリング設定は、リテンション、ドキュメントファイリング、ユーザー認証等についての設定である。また、ウォーターマーク設定は、ウォーターマーク、テキスト、イメージスタンプ、位置調整等についての設定である。
【0045】
記憶部184には、予めこれらの印刷設定の情報が記憶されている。なお、印刷設定は上記印刷設定のうち1つの印刷設定でもよいし、任意の複数の印刷設定を組み合わせて設定されていてもよい。このように記憶部184に予め記憶されている印刷設定の情報が、標準印刷設定情報である。この標準印刷設定情報は、画像形成装置100の印刷における標準的な印刷設定についての情報である。例えば、画像形成装置100において、標準印刷設定情報として、A4の裏紙に印刷がなされることが設定されていることとする。なお、具体的には、この設定は、用紙サイズの設定であり、給紙カセット111bから給紙を行い、印刷をすることが設定されている。
【0046】
標準印刷設定情報は、例えば、画像形成装置システム500の管理者が設定することとすればよく、管理者以外が設定することは困難であるようにしておくことが好ましい。例えば、画像形成装置システム500の管理者は、画像形成装置100の稼働状況や、各利用者の作業内容に基づいて、標準的な印刷設定を決定し、標準印刷設定情報として記憶部184に予め記憶させておけばよい。
【0047】
印刷設定比較部182は、端末装置20から印刷指示がなされた電子ファイルに付加されている印刷設定情報と、記憶部184に記憶されている標準印刷設定情報とが同じであるか異なるかを判断する。ここで、利用者は端末装置20等により電子ファイルとして文書等を作成し、この文書を用紙に印刷するために、文書の電子ファイルを画像形成装置100に送信して印刷するように指示するが、この電子ファイルには、文書の印刷についての印刷設定である印刷設定情報が付加されている。例えば、利用者は、電子ファイルのプロパティに保存することが可能であることとしてもよい。
【0048】
また、通常、この電子ファイルには、標準印刷設定情報と同じ内容の印刷設定情報が付加されていることとし、利用者は必要に応じて付加されている印刷設定情報の内容を変更可能である。例えば、普段は、電子ファイルに付加された印刷設定情報には、A4の裏紙に印刷がなされる印刷設定が含まれているが、利用者はこの設定を変更して、電子ファイルに付加された印刷設定情報に未使用のA4用紙に印刷することが含まれるように印刷設定を変更することが可能である。
【0049】
通信部166は、端末装置20からネットワークNWを介して画像形成装置100に送信される印刷指示の信号及び印刷対象である電子ファイルを受信する。通信部166は、印刷指示の信号及び電子ファイルを受信した場合は、制御部180に端末装置20から印刷指示の信号が送られてきたことを送信し、かつ、電子ファイルを制御部180に送信する。なお、制御部180に送られた電子ファイルは、記憶部184に記憶される。
【0050】
通信部166が、印刷指示の信号及び印刷対象である電子ファイルを受信した場合は、上述したように電子ファイルが制御部180に送られる。印刷設定比較部182は、電子ファイルに付加されている印刷設定情報と、記憶部184に記憶されている標準印刷設定情報とを比較して、これらが同じか、異なるかを判断する。
【0051】
上述したように、標準印刷設定情報として、A4の裏紙に印刷がなされることが設定されている。仮に、電子ファイルに付加されている印刷設定情報において未使用のA4用紙に印刷することが設定されていた場合は、印刷設定比較部182は、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが異なると判断する。また、電子ファイルに付加されている印刷設定情報においてA4の裏紙に印刷することが設定されていた場合は、印刷設定比較部182は、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが同じであると判断する。
【0052】
なお、上述したように、標準印刷設定情報として複数の印刷設定がなされていてもよく、その場合は、印刷設定比較部182がそのすべての印刷設定について同じか異なるかを判断し、1つでも異なる印刷設定がなされていれば、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが異なると判断する。そして、印刷設定比較部182は、複数の印刷設定のすべてについて、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが同じであれば、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とは同じであると判断する。
【0053】
処理部181は、通信部166が受信した端末装置20からの印刷指示の信号に対して、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが同じであると印刷設定比較部182が判断した場合は、当該電子ファイルに関する印刷を実行するように画像形成部113に指示する。しかし、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが異なると印刷設定比較部182が判断した場合は、処理部181が、この印刷指示を保留することを決定し、画像形成部113に指示を行わず、印刷動作を保留する。
【0054】
処理部181は、印刷指示を保留することを決定した場合は、電子ファイルに付加された印刷設定情報と標準印刷設定情報とが異なることを示す表示を表示部161に実行させる。また、表示部161は、利用者の今後の操作についても示唆する表示も行う。具体的には、複数の操作を表示し、その中からいずれかの操作を選択するように利用者に促す表示を実行する。つまり、表示部161は、電子ファイルに付加された印刷設定情報と標準印刷設定情報とが異なること、及び、複数の操作の中からいずれかの操作を選択するよう利用者に促すことの報知を行う。
【0055】
表示部161における、報知のための表示について図面を用いて説明する。
【0056】
図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示部における表示の一例を示す図である。
【0057】
標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが異なっており、印刷動作が保留された場合は、表示部161が、
図4に示すように、「印刷された内容と管理者印刷設定に齟齬があります。」、「当ファイルは、裏紙禁止設定されています。」、「印刷方法を選択してください。」との表示と共に、選択肢として、「管理者設定で印刷」、「利用者設定で印刷」、「設定をやり直す」との表示を実行する。なお、「管理者設定」とは標準印刷設定情報における印刷設定であり、「利用者設定」とは電子ファイルに付加された印刷設定情報における印刷設定である。
【0058】
利用者が「管理者設定で印刷」キーを選択した場合は、操作部115から処理部181に信号が送られる。具体的には、利用者は表示部161上の「管理者設定で印刷」の表示箇所を指で触れることで入力がなされて、その入力信号が操作部115から制御部180に送られる。このように、利用者が「管理者設定で印刷」を選択した場合は、処理部181は画像形成部113に対して、標準印刷設定情報における印刷設定に基づいて印刷を実行するように指示する。つまり、A4の裏紙に印刷するように指示がなされ、画像形成部113が電子ファイルに基づいてA4の裏紙に印刷を実行する。
【0059】
また、利用者が「利用者設定で印刷」キーを選択した場合は、処理部181は画像形成部113に対して、電子ファイルに付加された印刷設定情報における印刷設定に基づいて印刷を実行するように指示する。つまり、未使用のA4用紙に印刷するように指示がなされ、画像形成部113が電子ファイルに基づいて未使用のA4用紙に印刷を実行する。
【0060】
また、利用者が「設定をやり直す」キーを選択した場合は、処理部181は保留していた印刷指示をキャンセルする。つまり、印刷指示が削除される。そのため、印刷を行うためには、利用者が再度印刷指示を行う必要がある。
【0061】
なお、上述したように、画像形成装置100は複数の端末装置20と接続されていることから、処理部181が印刷指示を保留している状態で、新たに他の端末装置20から印刷指示の信号が画像形成装置100に送信される場合もある。この場合は、処理部181が保留している印刷指示が保留された状態のままで、印刷設定比較部182が新たな印刷指示の電子ファイルに付加された印刷設定情報と標準印刷設定情報とが同じか異なるかを比較して判断する。そして、標準印刷設定情報と新たな印刷指示の電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが同じであると印刷設定比較部182が判断した場合は、処理部181が新たな印刷指示の電子ファイルに関する印刷を実行するように画像形成部113に指示する。つまり、印刷指示が保留されている電子ファイルに基づく印刷は行われず、新たに他の端末装置20から印刷指示がなされた電子ファイルに基づく印刷が行われる。なお、標準印刷設定情報と新たな印刷指示の電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが異なると印刷設定比較部182が判断した場合は、この新たな印刷指示についても保留することが決定され、画像形成部113に指示は行われず、印刷動作が保留される。
【0062】
次に、図面を用いて画像形成装置システム500における画像形成装置100及び端末装置20の制御動作について説明する。
【0063】
図5は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置及び端末装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0064】
まず、端末装置20における動作について説明する。端末装置20により作成された文書である電子ファイルの印刷設定がなされる(ステップS1001)。つまり、端末装置20において、印刷設定情報が付加された電子ファイルが作成される。次に、印刷設定情報が付加された電子ファイルについて印刷指示の信号を画像形成装置100に送信する(ステップS1002)。これにより、端末装置20での動作は終了する。
【0065】
次に、画像形成装置100における動作について説明する。画像形成装置100において、端末装置20からの印刷指示の信号を受信したか否か判断する(ステップS2001)。印刷指示の信号を受信していない場合は(ステップS2001:No)、再びステップ2001を行う。印刷指示の信号を受信した場合は(ステップS2001:Yes)、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とを比較する(ステップS2002)。標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが同じであるか否かを判断し(ステップS2003)、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが同じである場合は(ステップS2003:Yes)、電子ファイルに基づいて印刷を実行して(ステップS2004)、動作を終了する。
【0066】
標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが異なる場合は(ステップS2003:No)、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加されている印刷設定情報とが異なることを表示し(ステップS2005)、印刷設定の変更が選択されたか判断する(ステップS2006)。つまり、
図4における表示において、「設定をやり直す」キーが選択されたか判断する。印刷設定の変更が選択された場合は(ステップS2006:Yes)、ステップS1001に戻り、端末装置20により印刷設定がなされる。
【0067】
印刷設定の変更が選択されなかった場合は(ステップS2006:No)、管理者設定で印刷することが選択されたか判断する(ステップS2007)。つまり、
図4における表示において、「管理者設定で印刷」キーが選択されたか判断する。管理者設定で印刷することが選択された場合は(ステップS2007:Yes)、管理者設定で印刷を実行して(ステップS2008)、動作を終了する。
【0068】
また、管理者設定で印刷することが選択されなかった場合は(ステップS2007:No)、利用者設定で印刷することが選択されたか判断する(ステップS2009)。つまり、
図4における表示において、「利用者設定で印刷」キーが選択されたか判断する。利用者設定で印刷することが選択された場合は(ステップS2009:Yes)、利用者設定で印刷を実行して(ステップS2010)、動作を終了する。また、利用者設定で印刷することが選択されなかった場合は(ステップS2009:No)、ステップS2006に戻る。
【0069】
以上、第1実施形態について説明した。上述したように、画像形成装置100において、画像形成装置100に記憶されている標準印刷設定情報と、印刷対象である電子ファイルに付加されている印刷設定情報と、が異なる場合は、画像形成装置100は印刷を行わず、標準印刷設定情報における印刷設定で印刷を実行するか、電子ファイルに付加されている印刷設定情報における印刷設定で印刷を実行するか、電子ファイルにおける印刷設定を変更するかを確認する。これにより、利用者が意図しない態様での印刷がなされることがなく、印刷のやり直し等が生じることを防止できる。このため、画像形成装置100によれば、利用者の無駄な作業を増やすことがなく、操作負担を軽減できる。また、不要な印刷を増やすことを抑制できるため、経費を削減できる。
【0070】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置システムは、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システム500において、さらに、サーバーを備えた構成である。以下に、第2実施形態に係る画像形成装置システムについて図面を参照しながら説明するが、第1実施形態に係る画像形成装置システム500と同様の部材については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0071】
図6は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置システムの構成を示す概略図である。
図7は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置システムが備えるサーバーの制御構成を概略的に示すブロック図である。
【0072】
図6に示すように、第2実施形態に係る画像形成装置システム500aは、画像形成装置100、複数の端末装置20(20a、20b、20c、20d)及びサーバー200を備えている。サーバー200は画像形成装置100とネットワークNWを介して接続されており、サーバー200と画像形成装置100とはデータの送受信が可能である。なお、画像形成装置100において、サーバーからのデータの送受信は、通信部166により行われる。
【0073】
図7に示すように、サーバー200は、分析部210、サーバー記憶部220及びサーバー通信部230を備えている。なお、分析部210は、例えば、CPU等のマイクロコンピュータにより構成されている。また、サーバー記憶部220は、例えば、ROM、RAMやデータ書き換え可能な不揮発性メモリ等の記憶装置により構成されている。
【0074】
サーバー通信部230は、画像形成装置100から印刷状況情報を受信する。ここで、印刷状況情報とは、画像形成装置100における印刷状況における情報であり、記憶部184に記憶されている。具体的には、画像形成装置100において、記憶部184には、印刷設定比較部182により判断される、電子ファイルに付加されている印刷設定情報と標準印刷設定情報とが同じか否かについての判断結果が随時記憶されている。また、電子ファイルに付加されている印刷設定情報と標準印刷設定情報とが異なった場合において利用者が選択した操作についても合わせて記憶されている。このように、印刷状況に対して記憶部184により記憶されている情報が印刷状況情報である。
【0075】
このように印刷状況情報は、画像形成装置100における印刷動作において印刷設定に関する情報であり、これらの情報を分析することにより、印刷傾向等を導き出すことが可能である。
【0076】
画像形成装置100の記憶部184により蓄積されて記憶された印刷状況情報は、通信部166からネットワークNWを介してサーバー通信部230に送信される。
【0077】
分析部210は、印刷状況情報に基づいて、画像形成装置100において好ましい印刷設定(標準印刷設定情報)を求める。例えば、印刷状況情報を分析することにより、印刷傾向等を導き出すことが可能であり、この印刷傾向等に基づいて、標準印刷設定情報を見直すことが可能である。つまり、印刷の実情に沿った好ましい印刷設定を導き出す。具体的には、利用者が、「管理者設定で印刷」よりも、「利用者設定で印刷」を選択することが多い場合は、標準印刷設定情報に基づいた印刷が行われることが少ないということを示していることから、標準印刷設定情報を見直し、実際の印刷動作において用いられることが多い印刷設定を導き出す。分析部210は、標準印刷設定情報に導き出した好ましい印刷設定を組み込み、サーバー通信部230から画像形成装置100に送信する。
【0078】
サーバー記憶部220は、サーバー通信部230により受信された印刷状況情報及び分析部210が導き出した好ましい標準印刷設定情報を記憶する。
【0079】
なお、サーバー200から好ましい標準印刷設定情報を受信した画像形成装置100は、この好ましい標準印刷設定情報を記憶部184に記憶して、新たな標準印刷設定情報として更新することとすればよい。
【0080】
このように、第2実施形態に係る画像形成装置システム500aによれば、画像形成装置100の印刷状況を考慮して、サーバー200により好ましい標準印刷設定情報を求めて、この好ましい標準印刷設定情報に更新することから、画像形成装置100の印刷状況に応じた好ましい標準印刷設定情報を記憶することができる。これにより、標準印刷設定情報と電子ファイルに付加された印刷設定情報とが異なることが減少することとなり、印刷を保留することが減少し、効率良く印刷処理が実行される。
【0081】
なお、第2実施形態によれば、分析部210により好ましい標準印刷設定情報を分析することとしたが、サーバー記憶部220に記憶されている印刷状況情報に基づいて、好ましい標準印刷設定情報を管理者等が求めて、記憶部184に記憶させるようにしてもよい。
【0082】
また、特に、サーバー200を設けずに、画像形成装置100の制御部180において、印刷状況情報に基づき、好ましい標準印刷設定情報を導き出し、記憶部184に記憶するようにしてもよい。また、特に、サーバー200を設けずに、画像形成装置100の記憶部184に記憶されている印刷状況情報に基づき管理者等が好ましい標準印刷設定情報を導き出して、記憶部184に記憶させるようにしてもよい。
【0083】
(その他の形態)
上記本発明の第1実施形態及び第2実施形態においては、電子ファイルに付加された印刷設定情報と標準印刷設定情報とが異なること、及び、複数の操作の中からいずれかの操作を選択するよう利用者に促すことの報知は、画像形成装置100の表示部161により行われることとしたが、表示部161以外により報知が行われることとしてもよい。
【0084】
例えば、印刷指示を行った利用者の端末装置20によりこの報知を行うこととしてもよい。例えば、処理部181が印刷指示を保留することを決定した場合は、通信部166から印刷指示の信号を送信した端末装置20に向けて、電子ファイルに付加された印刷設定情報と標準印刷設定情報とが異なること、及び、複数の操作の中からいずれかの操作を選択するよう利用者に促すことについての情報を送信し、この報知内容が端末装置20の表示画面に表示させることとすればよい。具体的には、端末装置20の表示画面に、
図4に示すような表示がなされることとすればよい。また、「管理者設定で印刷」、「利用者設定で印刷」、「設定をやり直す」との操作の選択についても、端末装置20から行うことができるようにすればよい。
【0085】
これにより、利用者は端末装置20を用いた作業を継続しながら、上記報知を認識することができる。さらに、その場合の対応も画像形成装置100の表示部161を用いずに、端末装置20により指示することができるため、操作負担が少なく、簡単に操作できる。
【0086】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0087】
20(20a、20b、20c、20d) 端末装置
100 画像形成装置
110 画像形成装置本体
111 シート収容部
111a、111b、111c、111d 給紙カセット
112 シート搬送部
113 画像形成部(印刷手段)
114 シート排出部
114a シート排出トレイ
115 操作部
120 原稿読取装置
121 原稿載置台
122 原稿読取部
123 原稿自動送り装置
123a 原稿排出トレイ
161 表示部(報知手段)
166 通信部
165 操作部材
180 制御部
181 処理部
182 印刷設定比較部
184 記憶部(設定記憶手段、印刷状況情報記憶手段)
200 サーバー
210 分析部
220 サーバー記憶部
230 サーバー通信部
500、500a 画像形成装置システム
NW ネットワーク