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特許7250759植物病原性微生物によるダイズ植物への侵入を防除又は防止する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】植物病原性微生物によるダイズ植物への侵入を防除又は防止する方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/40 20060101AFI20230327BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
A01N43/40 101C
A01P3/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020506820
(86)(22)【出願日】2018-08-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 EP2018071558
(87)【国際公開番号】W WO2019030307
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】17185509.1
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17202349.1
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519295993
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100136249
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 貴光
(72)【発明者】
【氏名】ガベルトゥエール マティアス
【審査官】鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/066644(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/023628(WO,A1)
【文献】特表2015-514077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 43/40
A01P 3/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所、又はその繁殖材料に、
式(Ic)
【化1】
(式中、
R11及びR12が、独立して、ハロゲンから選択され;
Aが、ハロゲン、C 1 ~C 4 -アルキル及びC 1 ~C 4 -ハロアルキルから独立して選択される1つ又は2つの置換基で置換されているピリジルである)
の化合物;
又はその塩若しくはN-オキシド;
又はこれらの化合物の互変異性体若しくは立体異性体を施用する工程を含む方法。
【請求項2】
R11及びR12が、独立して、クロロ及びフルオロから選択され;
Aが、1つ又は2つのC1~C4-ハロアルキル置換基で置換されている、ピリダ-2-イル又はピリダ-3-イルである、請求項に記載の方法。
【請求項3】
Aが、
【化2】
から選択され、
R13がC1~C4-ハロアルキルである、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物が、式(Ic)
【化4】
の化合物1~7のいずれか1つから選択され、式中、R11、R12及びAが、以下の表:
【表1】
において定義されるとおりである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物が、化合物1、4及び7のいずれか1つから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止するための、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項7】
ダイズ植物を栽培するための方法であって、ダイズ又はその繁殖材料を、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物で施用又は処理する工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、スクレロチニア・スクレロチオラム(sclerotinia sclerotiorum)、ミクロスファエラ・ディフサ(microsphaera diffusa)、セプトリア・グリシネス(septoria glycines)及びセルコスポラ・ソジナ(cercospora sojina)によるダイズ植物への侵入(infestation)を防除又は防止するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
急性枯死症(Sudden Death Syndrome)(SDS)は、特に米国において、ダイズの収量を最も減少させる病害の1つである。ここ5年間にわたって、SDSに起因する平均年間被害は、ダイズ生産者に4,400万ブッシェル超の収量の低下をもたらし、この病害のまん延は、増加し続けている。SDSは、フザリウム属(fusarium)真菌、より具体的に、土壌媒介根病原体であるフザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)によって引き起こされる。したがって、この有害生物及びダイズにおけるダイズ菌核病(sclerotinia stem rot)(白カビ)、カビ(mildew)、セプトリア(septoria)、ダイズ斑点病(frogeye leaf spot)などの他の有害生物を防除又は防止するための効率的な代替方法を提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、本発明は、特に、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、より特定的に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止するための方法をさらに提供する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
実施形態の説明
シクロブチルカルボキサミド化合物及びそれらの調製方法が、国際公開第2013/143811号及び国際公開第2015/003951号に開示されている。ここで、国際公開第2013/143811号及び/又は国際公開第2015/003951号に開示される特定のシクロブチルカルボキサミド化合物が、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、特に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virgulforme)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止するのに非常に有効であることが意外にも分かった。したがって、これらの非常に有効な化合物は、急性枯死症によるダイズ植物への侵入を防除又は防止するための、農業従事者にとって重要な新規な解決法となる。
【0005】
したがって、実施形態1として、特に、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、スクレロチニア・スクレロチオラム(sclerotinia sclerotiorum)、ミクロスファエラ・ディフサ(microsphaera diffusa)、セプトリア・グリシネス(septoria glycines)及びセルコスポラ・ソジナ(cercospora sojina)、より特定的に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)、フザリウム・ソラニ(fusarium solani)、フザリウム・オキシスポルム(fusarium oxysporum)、フザリウム・アクミナタム(fusarium acuminatum)、フザリウム・クラミドスポルム(fusarium chlamydosporum)、フザリウム・コンパクツム(fusarium compactum)、フザリウム・クルモラム(fusarium culmorum)、フザリウム・エクイセチ(fusarium equiseti)、フザリウム・グラミネアルム(fusarium graminearum)、フザリウム・メリスモイデス(fusarium merismoides)、フザリウム・プロリフェラタム(fusarium proliferatum)、フザリウム・プソイドグラミネアルム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・セミテクタム(fusarium semitectum)、フザリウム・サブグルチナンス(fusarium subglutinans)及びフザリウム・バーティシリオイデス(fusarium verticilliodes)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所、又はその繁殖材料に、式(I)
【化1】
(式中、
Yが、O、C=O、又はCR12R13であり;
Aが、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員芳香族複素環、又はフェニル環であり;芳香族複素環又はフェニルは、1つ以上のR6で任意に置換され;
R6が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4-ハロアルキルチオ、C1~C4-アルコキシ-C1-4-アルキル又はC1~C4-ハロアルコキシ-C1~C4-アルキルであり;
R1、R2、R3、R4、R12及びR13が、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-アルコキシ又はC1~C4-ハロアルキルであり、
R5が、水素、メトキシ又はヒドロキシルであり、
Bが、1つ以上のR8で置換されるフェニルであり、
R8が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ又は基-L-R9であり、ここで、各Lが、互いに独立して、結合、-O-、-OC(O)-、-NR7-、-NR7CO-、-NR7S(O)n-、-S(O)n-、-S(O)nNR7-、-COO-又はCONR7-であり、
nが、0、1又は2であり、
R7が、水素、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり、ここで、ベンジル及びフェニルが、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルで置換され、
R9が、互いに独立して、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC1~C6-アルキル、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC3~C6-シクロアルキル、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC6~C14-ビシクロアルキル、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC2~C6-アルケニル、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC2~C6-アルキニル、非置換であるか又はR10で置換されるフェニル、又は非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるヘテロアリールであり、
R10が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4-アルキルチオ、C1~C4-ハロアルキルチオ、C3~C6-アルケニルオキシ、又はC3~C6-アルキニルオキシであり、
ここで、B及びA-CO-NR5が、4員環上で互いに対してシスである)
で表される化合物;
又はその塩若しくはN-オキシド;
又はこれらの化合物の互変異性体若しくは立体異性体を施用する工程を含む方法が提供される。
【0006】
実施形態1に記載のより好ましい方法が、以下の実施形態に示される。
【0007】
実施形態2として、
Yが、O又はCH2であり;
Aが、1~2個の窒素原子を含有する6員芳香族複素環、又はフェニル環であり;芳香族複素環又はフェニルは、1つ以上のR6で任意に置換され;
R6が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、又はC1~C4-ハロアルコキシであり;
R1、R2、R3、R4、及びR5がそれぞれ水素であり;
Bが、1つ以上のR8で置換されるフェニルであり;
R8が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ及びC3~C6-シクロアルキルから選択される、実施形態1に記載の方法が提供される。
【0008】
実施形態3として、Aが、1~2個の窒素原子を含有し、且つR6から選択される1~3つの置換基を有する6員芳香族複素環、又はR6から選択される1つ又は3つの置換基を有するフェニル環である、実施形態1又は実施形態2に記載の方法が提供される。
【0009】
実施形態4として、Bが、1~3つの置換基R8で置換されるフェニルである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0010】
実施形態5として、
Bが、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから独立して選択される1~3つの置換基で置換されるフェニルであり;
Aが、フェニル、ピリジル又はピラジニルであり、それらの環は、互いに独立して、非置換であるか、又はクロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、シアノ、及びトリフルオロメチルから独立して選択される1~3つの置換基で置換され、Yが、O又はCH2であり、R1、R2、R3、R4及びR5がそれぞれ水素である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0011】
実施形態6として、
YがCH2であり;
Bが、モノ又はジ-ハロゲン置換フェニルであり;
Aが、フェニル、ピラジニル及びピリジルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン及びC1~C4-ハロアルキルから独立して選択される置換基で一置換又は二置換され;
R1、R2、R3、R4及びR5がそれぞれ水素である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0012】
実施形態1~6のいずれか1つに開示される式(I)の化合物は、左側のフェニル環及び右側のA-C(=O)-NH基が、シクロブチル環上で互いに対してシスであるシスラセミ化合物:
【化2】
を表す。
【0013】
したがって、式(I)のラセミ化合物は、式(Ia)及び(Ib)の化合物の1:1混合物である。式(Ia)及び(Ib)の化合物中に示されるくさび形の結合が、絶対立体化学を表す一方、式(I)の化合物について示されるものなどの太い直線の結合は、ラセミ化合物における相対立体化学を表す。
【0014】
また、式(I)の化合物の1つの鏡像異性体が、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、特に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virgulforme)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止するのに特に有用であることが意外にも分かった。
【0015】
したがって、実施形態7として、化合物が、式(Ia)
【化3】
のものである、実施形態1に記載の方法が提供される。
【0016】
当業者は、実施形態2に記載の方法にしたがって、式(Ia)の化合物が、一般に、殺有害生物組成物の一部として施用されることを認識している。したがって、実施形態8として、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、特に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virgulforme)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所、又はその繁殖材料に、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物及び1つ以上の製剤助剤を含む殺有害生物組成物を施用する工程を含む方法が提供される。実施形態9として、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、特に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virgulforme)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所、又はその繁殖材料に、式(Ia)の化合物及び1つ以上の製剤助剤を含む殺有害生物組成物を施用する工程を含む方法が提供される。実施形態9に記載の方法において、式(Ia)の化合物及び式(Ib)の化合物の両方を含む殺有害生物組成物では、式(Ia)の化合物対その鏡像異性体(式(Ib)の化合物)の比率は、1:1を超えなければならない。好ましくは、式(Ia)の化合物対式(Ib)の化合物の比率は、1.5:1超、より好ましくは、2.5:1超、特に、4:1超、有利には、9:1超、望ましくは、20:1超、特に、35:1超である。
【0017】
50%以下、好ましくは、40%以下、より好ましくは、30%以下、特に、20%以下、有利には、10%以下、望ましくは、5%以下、特に、3%以下の、式(I)の化合物のトランス立体異性体(すなわち、式中、B及びA-C(=O)-NH基が、互いに対してトランスである)を含有する混合物が、本発明の一部であることも理解される。好ましくは、式(I)の化合物対そのトランス異性体の比率は、1.5:1超、より好ましくは、2.5:1超、特に、4:1超、有利には、9:1超、望ましくは、20:1超、特に、35:1超である。
【0018】
好ましくは、式(Ia)の化合物、そのトランス異性体(すなわち、式中、B及びA-CO-NR2基が、互いに対してトランスである)及び式(Ib)の化合物を含む組成物において、組成物は、式(Ia)の化合物、そのトランス異性体及び式(Ib)の化合物の総量をそれぞれ基準にして、少なくとも50%、より好ましくは、70%、さらにより好ましくは、85%、特に、90%超、特に好ましくは、95%超の濃度の式(Ia)の化合物を含む。
【0019】
さらに、実施形態10として、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、特に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virgulforme)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所、又はその繁殖材料に、式(Ic)
【化4】
(式中、
R11及びR12が、独立して、ハロゲンから選択され;
Aが、ハロゲン及びC1~C4-ハロアルキルから独立して選択される1つ又は2つの置換基で置換されるピリジルである)
で表される化合物を施用する工程を含む方法が提供される。
【0020】
実施形態11として、
R11及びR12が、独立して、クロロ及びフルオロから選択され;
Aが、1つ又は2つのC1~C4-ハロアルキル置換基で置換される、ピリダ-2-イル又はピリダ-3-イルである、実施形態10に記載の方法が提供される。
【0021】
実施形態12として、
Aが、
【化5】
から選択され、
R13が、C1~C4-ハロアルキル、好ましくは、トリフルオロメチルである、実施形態10又は11に記載の方法が提供される。
【0022】
実施形態13として、化合物が、式(Ic)
【化6】
の化合物1~12のいずれか1つから選択され、式中、R11、R12及びAが、以下の表:
【0023】
【表1】
【0024】
において定義されるとおりである、実施形態10~12のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0025】
実施形態14として、
-実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物を含む組成物を提供する工程と;
-繁殖材料に組成物を施用する工程と;
-繁殖材料を植え付ける工程と
を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0026】
実施形態15として、
-実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物を含む組成物を提供する工程と;
-植物の作物又はその場所に、組成物を施用する工程と
を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0027】
実施形態16として、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物によるダイズ植物への侵入を防除又は防止するための、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物の使用が提供される。
【0028】
実施形態17として、植物病原性微生物が、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)である、実施形態16に記載の化合物の使用が提供される。
【0029】
実施形態18として、ダイズ植物を栽培するための方法であって、ダイズ又はその繁殖材料を、請求項1~13のいずれか1つに記載の化合物で施用又は処理する工程を含む方法が提供される。
【0030】
実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法において定義される化合物の調製は、参照により本明細書に援用される国際公開第2013/143811号及び国際公開第2015/003951号に開示されている。
【0031】
定義:
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード、特に、フルオロ、クロロ又はブロモを表す。
【0032】
本明細書において使用される際の「アルキル」又は「alk」という用語は、単独で又はより大きい基(アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシカルボニル及びアルキルカルボニルなど)の一部として、直鎖状又は分枝鎖状であり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソ-ペンチル又はn-ヘキシルである。アルキル基は、好適には、C1~C4-アルキル基である。
【0033】
本明細書において使用される際の「ハロアルキル」は、同じか又は異なるハロゲン原子の1つ以上で置換される、上に定義されるアルキル基であり、例えば、CF3、CF2Cl、CF2H、CCl2H、FCH2、ClCH2、BrCH2、CH3CHF、(CH32CF、CF3CH2又はCHF2CH2である。
【0034】
実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法及び使用は、好ましくは、他の殺真菌剤に耐性があるフザリウム属(fusarium)真菌を含むフザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、特に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virgulforme)による作物への侵入を防除又は防止するためのものである。特定の殺真菌剤に「耐性がある」フザリウム属(Fusarium)真菌は、例えば、フザリウム属(fusarium)の同じ種の予測される感受性と比較して、その殺真菌剤に対する感受性が低いフザリウム属(fusarium)の菌株を指す。予測される感受性は、例えば、殺真菌剤に以前に曝されたことのない菌株を用いて測定され得る。
【0035】
実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法又は使用に係る施用は、好ましくは、植物の作物、その場所又はその繁殖材料に対するものである。好ましくは、施用は、植物の作物又はその繁殖材料、より好ましくは、繁殖材料に対するものである。本発明の化合物の施用は、通常の施用形態、例えば、葉面施用、潅注、土壌施用、畝間施用などのいずれかにしたがって行われ得る。
【0036】
実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物は、1~500g/ha、好ましくは、10~70g/haで、有害生物防除のために好ましくは使用される。
【0037】
実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物は、除草剤などの有効成分に耐性があるように遺伝子組み換えされたものを含む任意のダイズ植物に対して使用するのに、又は植物有害生物による被害を防除する生物学的に活性な化合物を生成するのに好適である。
【0038】
一般に、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物は、担体を含有する組成物(例えば製剤)の形態で使用される。実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物およびその組成物は、エアゾールディスペンサ、カプセル懸濁液、冷煙霧濃縮物(cold fogging concentrate)、粉剤、乳化性濃縮物、水中油乳剤、油中水乳剤、カプセル化した粒剤、細粒剤、種子処理用のフロアブル剤、(加圧)ガス、ガス生成剤(gas generating product)、粒剤、温煙霧濃縮物(hot fogging concentrate)、大型粒剤(macrogranule)、微粒剤(microgranule)、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液体、ペースト、植物用棒状剤(plant rodlet)、乾燥種子処理用の粉剤、農薬で被覆された種子、可溶性濃縮物、可溶性粉剤、種子処理用の液剤、懸濁濃縮物(フロアブル剤)、微量散布用液剤(ultra low volume(ulv)liquid)、微量散布用懸濁剤(ultra low volume(ulv)suspension)、顆粒水和剤または水分散性錠剤、スラリー処理用の水和剤(water dispersible powder for slurry treatment)、水溶性粒剤または水溶性錠剤、種子処理用の水溶性粉剤および水和剤などの様々な形態で使用され得る。
【0039】
製剤は、典型的に、液体または固体担体および、任意に、固体または液体助剤であり得る1つ以上の通例の製剤助剤、例えば、非エポキシ化またはエポキシ化植物油(例えばエポキシ化ヤシ油、ナタネ油またはダイズ油)、消泡剤、例えば、シリコーン油、防腐剤、粘土、無機化合物、粘性調節剤、界面活性剤、結合剤および/または粘着付与剤を含む。この組成物は、本発明の化合物と、殺菌剤、殺真菌剤、抗線虫剤、植物活性化剤、殺ダニ剤、および殺虫剤などの1つ以上の他の生物学的に活性な物質との組合せを含むだけでなく、肥料、微量栄養素供与体(micronutrient donor)または植物の成長に影響を与える他の調製物もさらに含み得る。
【0040】
この組成物は、例えば、本発明の固体化合物を粉砕し、篩にかけ、および/または圧縮することによって、助剤の非存在下で、および、例えば、本発明の化合物を、1つまたは複数の助剤と均質混合し、および/または粉砕することによって、少なくとも1つの助剤の存在下で、それ自体公知の方法で調製される。本発明の固体化合物の場合、化合物の粉砕/ミリングは、特定の粒径を確保するために行われる。
【0041】
農業に使用するための組成物の例は、乳剤、懸濁濃縮物、マイクロエマルション、油分散性の、直接噴霧可能または希釈可能な液剤、延展可能なペースト、希釈乳剤、可溶性粉剤、分散性粉剤、水和剤、ダスト剤(dust)、粒剤またはポリマー物質中への封入物であり、これは、-少なくとも-実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物を含み、組成物のタイプは、意図される目的およびそのときの状況に合わせて選択されるべきである。
【0042】
通例、組成物は、0.1~99%、特に、0.1~95%の、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物及び1~99.9%、特に、5~99.9%の、少なくとも1つの固体又は液体担体を含み、通例、組成物の0~25%、特に、0.1~20%が、界面活性剤であることが可能である(%はいずれの場合も重量パーセントを意味する)。濃縮され組成物が、商品に好ましい傾向があるが、最終消費者は、通例、かなり低い濃度の有効成分を有する希釈組成物を使用する。
【0043】
プレミックス組成物用の茎葉製剤タイプの例は、以下のとおりである:
GR:粒剤
WP:水和剤
WG:水和性顆粒(粉剤)
SG:水溶性粒剤
SL:可溶濃縮剤
EC:乳化性濃縮物
EW:水中油乳剤
ME:マイクロエマルション
SC:水性懸濁濃縮物
CS:水性カプセル懸濁剤
OD:油系懸濁濃縮物、および
SE:水性サスポエマルション(suspo-emulsion)。
【0044】
一方、プレミックス組成物用の種子処理製剤タイプの例は、以下のとおりである:
WS:種子処理スラリー用の水和剤
LS:種子処理用の液剤
ES:種子処理用の乳剤
FS:種子処理用の懸濁濃縮物
WG:水和性顆粒、および
CS:水性カプセル懸濁剤。
【0045】
タンクミックス(tank-mix)組成物に好適な製剤タイプの例は、液剤、希釈乳剤、懸濁剤、またはそれらの混合物、およびダスト剤である。
【0046】
製剤の性質と同様に、葉面施用、潅注、噴霧、霧化、散布、拡散、塗布または注ぎかけなどの施用方法は、意図される目的およびそのときの状況に応じて選択される。
【0047】
タンクミックス組成物は、一般に、異なる有害生物防除剤、および任意にさらなる助剤を含有する1つ以上のプレミックス組成物を溶媒(例えば、水)で希釈することによって調製される。
【0048】
好適な担体および補助剤は、固体または液体であり得、製剤化技術に通常用いられる物質、例えば、天然または再生鉱物物質、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤または肥料である。
【0049】
一般に、葉面施用または土壌施用のためのタンクミックス製剤は、0.1~20%、特に、0.1~15%の所望の成分、および99.9~80%、特に、99.9~85%の固体または液体助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含み、助剤は、タンクミックス製剤を基準にして、0~20%、特に、0.1~15%の量の界面活性剤であり得る。
【0050】
典型的に、葉面施用のためのプレミックス製剤は、0.1~99.9%、特に、1~95%の所望の成分、および99.9~0.1%、特に、99~5%の固体または液体補助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含み、助剤は、プレミックス製剤を基準にして、0~50%、特に、0.5~40%の量の界面活性剤であり得る。
【0051】
通常、種子処理施用のためのタンクミックス製剤は、0.25~80%、特に、1~75%の所望の成分、および99.75~20%、特に、99~25%の固体または液体助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含み、助剤は、タンクミックス製剤を基準にして、0~40%、特に、0.5~30%の量の界面活性剤であり得る。
【0052】
典型的に、種子処理施用のためのプレミックス製剤は、0.5~99.9%、特に、1~95%の所望の成分、および99.5~0.1%、特に、99~5%の固体または液体補助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含み、助剤は、プレミックス製剤を基準にして、0~50%、特に、0.5~40%の量の界面活性剤であり得る。
【0053】
市販の製品は、好ましくは、濃縮物(例えば、プレミックス組成物(製剤))として製剤化されるであろうが、最終使用者は、通常、希釈製剤(例えば、タンクミックス組成物)を用いるであろう。
【0054】
好ましい種子処理プレミックス製剤は、水性懸濁濃縮物である。この製剤は、流動床技術、ローラーミル法、ロトスタティック種子処理機(rotostatic seed treater)、およびドラムコータ(drum coaters)などの、従来の処理技術および機械を用いて種子に施用され得る。噴流床などの他の方法も有用であり得る。種子は、塗布の前に予め分級され得る。塗布の後、種子は、典型的に、乾燥され、次に、分級のために分級機に移される。このような手順は、当該技術分野において公知である。本発明の化合物は、土壌及び種子処理用途に使用するのに特に適している。
【0055】
一般に、本発明のプレミックス組成物は、0.5~99.9、特に、1~95、有利には、1~50質量%の所望の成分、および99.5~0.1、特に、99~5質量%の固体または液体補助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含有し、助剤(または補助剤)は、プレミックス製剤の質量を基準にして、0~50、特に、0.5~40質量%の量の界面活性剤であり得る。
【0056】
ここで、本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示される。全ての引用文献は、参照により援用される。
【実施例
【0057】
生物学的実施例
【0058】
【表2】
【0059】
フザリウム・ビルグリフォルメ(Fusarium virguliforme)/ダイズ
5×5ダイズ種子cv.トリマン(soybean seeds cv.Toliman)を、プラスチックポットに蒔いた。50体積%の砂及び50体積%の滅菌した圃場土壌の混合物を、基質として使用した。F.ビルグリフォルメ(F.virguliforme)に感染したキビ種子の層を、ダイズ種子の下に入れた。試験を、栽培チャンバー中で14時間の人工光を用いて25℃に保ち;植物に、圃場容水量になるまで灌がいした。最後の5日間の栽培日には、植物を18℃に保った。感染した植物の数を、播種後日数(Days After Sowing)(DAS)29日で計数した。0~4のクラスを用いて、Scandiani et al.(2011)*及びJ.Bondから修正されたSDSの病害重症度尺度にしたがって植物を分類することによって、病害評価を、29DASに視覚的に行った。各クラスの植物の数を評価した。これは、各クラスの植物の数に、病害重症度(0、1、2、3又は4)を乗算し、全てのクラスの積を加算することによって「SDS指数」を計算することを可能にする。SDS指数=n1×0+n2×1+n3×2+n4×3+n5×4。SDS指数は、非処理・非感染対照(UTCINF)について100の指数を与え、全ての処理についての正規化指数をUTCINFと比べて計算することによって正規化される。シュート乾燥重量及びシュートサイズを、29DASに決定した。
【0060】
*Scandiani M.,Ruberti D.,Giorda L.,Pioli R.,Luque A.,Bottai B.,Ivancovich J.,Aoki T.,& O’Donnell K.:Comparison of inoculation methods for characterizing relative aggressiveness of two soybean sudden-death syndrome pathogens,Fusarium virguliforme and F.tucumaniae.Tropical Plant Pathology,vol.36,3,133-140,2011
【0061】
フザリウム・ビルグリフォルメ(Fusarium virguliforme)に起因する急性枯死症(SDS)に対する圃場における様々な種子処理の効果
ダイズ圃場試験を、Clinton(Illinois,USA)において行った。この用地は、歴史的にSDSの発生が報告されてきた。種子に、ロトスタット(rotostat)種子処理機を用いて様々な化合物を施用し、4列のディスクプランター(4 row disc planter)を用いて、2017年5月31日に植え付けた。8月の終わりに病害が発生し、病害発生率の評価(感染した植物の計数)を、2017年9月15日に行った。穀物の収量データを、シーズンの終わりに取った。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
結論:
両方の試験される化合物は、フザリウム・ビルグリフォルメ(Fusarium virguliforme)の病害発生率を有意に低下させた。化合物1は、79.72%の有効性で最も良好な結果を示し、続いて化合物フルオピラム(58.33)であった。化合物1は、非処理の対照(untreated check)より1エーカー当たり8.11ブッシェル(11.42%)だけ収量を増加させた。フルオピラムは、収量を増加させなかった。

本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕特に、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、スクレロチニア・スクレロチオラム(sclerotinia sclerotiorum)、ミクロスファエラ・ディフサ(microsphaera diffusa)、セプトリア・グリシネス(septoria glycines)及びセルコスポラ・ソジナ(cercospora sojina)、より特定的に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)、フザリウム・ソラニ(fusarium solani)、フザリウム・オキシスポルム(fusarium oxysporum)、フザリウム・アクミナタム(fusarium acuminatum)、フザリウム・クラミドスポルム(fusarium chlamydosporum)、フザリウム・コンパクツム(fusarium compactum)、フザリウム・クルモラム(fusarium culmorum)、フザリウム・エクイセチ(fusarium equiseti)、フザリウム・グラミネアルム(fusarium graminearum)、フザリウム・メリスモイデス(fusarium merismoides)、フザリウム・プロリフェラタム(fusarium proliferatum)、フザリウム・プソイドグラミネアルム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・セミテクタム(fusarium semitectum)、フザリウム・サブグルチナンス(fusarium subglutinans)及びフザリウム・バーティシリオイデス(fusarium verticilliodes)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所、又はその繁殖材料に、式(I)
【化1】
(式中、
Yが、O、C=O、又はCR12R13であり;
Aが、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員芳香族複素環、又はフェニル環であり;前記芳香族複素環又は前記フェニルは、1つ以上のR6で任意に置換され;
R6が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4-ハロアルキルチオ、C1~C4-アルコキシ-C1-4-アルキル又はC1~C4-ハロアルコキシ-C1~C4-アルキルであり;
R1、R2、R3、R4、R12及びR13が、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-アルコキシ又はC1~C4-ハロアルキルであり、
R5が、水素、メトキシ又はヒドロキシルであり、
Bが、1つ以上のR8で置換されるフェニルであり、
R8が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ又は基-L-R9であり、ここで、各Lが、互いに独立して、結合、-O-、-OC(O)-、-NR7-、-NR7CO-、-NR7S(O)n-、-S(O)n-、-S(O)nNR7-、-COO-又はCONR7-であり、
nが、0、1又は2であり、
R7が、水素、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり、ここで、ベンジル及びフェニルが、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル又はC1~C4-ハロアルキルで置換され、
R9が、互いに独立して、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC1~C6-アルキル、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC3~C6-シクロアルキル、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC6~C14-ビシクロアルキル、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC2~C6-アルケニル、非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるC2~C6-アルキニル、非置換であるか又はR10で置換されるフェニル、又は非置換であるか又は1つ以上のR10で置換されるヘテロアリールであり、
R10が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4-アルキルチオ、C1~C4-ハロアルキルチオ、C3~C6-アルケニルオキシ、又はC3~C6-アルキニルオキシであり、
ここで、B及びA-CO-NR5が、前記4員環上で互いに対してシスである)
で表される化合物;
又はその塩若しくはN-オキシド;
又はこれらの化合物の互変異性体若しくは立体異性体を施用する工程を含む方法。
〔2〕Yが、O又はCH2であり;
Aが、1~2個の窒素原子を含有する6員芳香族複素環、又はフェニル環であり;前記芳香族複素環又は前記フェニルは、1つ以上のR6で任意に置換され;
R6が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、又はC1~C4-ハロアルコキシであり;
R1、R2、R3、R4、及びR5がそれぞれ水素であり;
Bが、1つ以上のR8で置換されるフェニルであり;
R8が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ及びC3~C6-シクロアルキルから選択される、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕Aが、1~2個の窒素原子を含有し、且つR6から選択される1~3つの置換基を有する6員芳香族複素環、又はR6から選択される1つ又は3つの置換基を有するフェニル環である、前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の方法。
〔4〕Bが、1~3つの置換基R8で置換されるフェニルである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の方法。
〔5〕Bが、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから独立して選択される1~3つの置換基で置換されるフェニルであり;
Aが、フェニル、ピリジル又はピラジニルであり、それらの環は、互いに独立して、非置換であるか、又はクロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、シアノ、及びトリフルオロメチルから独立して選択される1~3つの置換基で置換され、Yが、O又はCH2であり、R1、R2、R3、R4及びR5がそれぞれ水素である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の方法。
〔6〕YがCH2であり;
Bが、モノ又はジ-ハロゲン置換フェニルであり;
Aが、フェニル、ピラジニル及びピリジルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン及びC1~C4-ハロアルキルから独立して選択される置換基で一置換又は二置換され;
R1、R2、R3、R4及びR5がそれぞれ水素である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の方法。
〔7〕前記化合物が、式(Ic)
【化2】
(式中、
R11及びR12が、独立して、ハロゲンから選択され;
Aが、ハロゲン及びC 1 ~C 4 -ハロアルキルから独立して選択される1つ又は2つの置換基で置換されるピリジルである)
の化合物である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の方法。
〔8〕R11及びR12が、独立して、クロロ及びフルオロから選択され;
Aが、1つ又は2つのC 1 ~C 4 -ハロアルキル置換基で置換される、ピリダ-2-イル又はピリダ-3-イルである、前記〔7〕に記載の方法。
〔9〕Aが、
【化3】
から選択され、
R13がC 1 ~C 4 -ハロアルキルである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の方法。
〔10〕前記化合物が、式(Ic)
【化4】
の化合物1~7のいずれか1つから選択され、式中、R11、R12及びAが、以下の表:
【表1】
において定義されるとおりである、前記〔1〕に記載の方法。
〔11〕前記植物病原性微生物が、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)である、前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の方法。
〔12〕特に、フザリウム属(fusarium)の植物病原性微生物、スクレロチニア・スクレロチオラム(sclerotinia sclerotiorum)、ミクロスファエラ・ディフサ(microsphaera diffusa)、セプトリア・グリシネス(septoria glycines)、セルコスポラ・ソジナ(cercospora sojina)、より特定的に、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)、フザリウム・ソラニ(fusarium solani)、フザリウム・オキシスポルム(fusarium oxysporum)、フザリウム・アクミナタム(fusarium acuminatum)、フザリウム・クラミドスポルム(fusarium chlamydosporum)、フザリウム・コンパクツム(fusarium compactum)、フザリウム・クルモラム(fusarium culmorum)、フザリウム・エクイセチ(fusarium equiseti)、フザリウム・グラミネアルム(fusarium graminearum)、フザリウム・メリスモイデス(fusarium merismoides)、フザリウム・プロリフェラタム(fusarium proliferatum)、フザリウム・プソイドグラミネアルム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・セミテクタム(fusarium semitectum)、フザリウム・サブグルチナンス(fusarium subglutinans)及びフザリウム・バーティシリオイデス(fusarium verticilliodes)によるダイズ植物への侵入を防除又は防止するための、前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の化合物の使用。
〔13〕前記植物病原性微生物が、フザリウム・ビルグリフォルメ(fusarium virguliforme)である、前記〔12〕に記載の化合物の使用。
〔14〕ダイズ植物を栽培するための方法であって、ダイズ又はその繁殖材料を、前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の化合物で施用又は処理する工程を含む方法。