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▶ ユーエフアイ・フィルターズ・ソチエタ・ペル・アツィオーニの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】水分離ユニット
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/24 20190101AFI20230327BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20230327BHJP
   F02M 37/32 20190101ALI20230327BHJP
【FI】
F02M37/24
B01D35/02 E
F02M37/32
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020515204
(86)(22)【出願日】2018-09-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 IB2018057039
(87)【国際公開番号】W WO2019053641
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】102017000103387
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520005369
【氏名又は名称】ユーエフアイ・フィルターズ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】UFI FILTERS S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジョ・ジロンディ
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102006005108(DE,A1)
【文献】特表2017-509478(JP,A)
【文献】特表2006-512206(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0043267(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/00~37/54
B01D 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の燃料循環システムの燃料濾過分離アセンブリ(900)のための水分離群(1)であって、
前記アセンブリ(900)は、
水平位置で前記車両内において位置決め可能な長手軸(L-L)に沿って延設し、浮遊固体および不純物から汚染燃料を濾過する濾過群(500)を備え、
前記水分離群(1)は、
濾過された燃料を受け取るために、前記長手軸(L-L)に沿って直列に位置決め可能であるように、前記濾過群(500)に流体連通され、
前記水分離群(1)は、
前記水分離群(1)が前記濾過群(500)に関連付けられている構成において、主軸(X-X)に沿って延設する前記濾過群(500)に関連付けされる、本体(10)と、
導出壁(12)から長手方向に延設する少なくとも一つの導出口(120)と流体連通した分離チェンバー(100)内に収容され、かつ、前記燃料が流れる少なくとも一つの流路開口部(200)を含む中空の支持構造(20)を含む、分離装置(2)と、
前記分離チェンバー(100)を、前記分離装置(2)が収容される上部領域(100’)と、前記燃料から分離される水が収集される下部領域(100”)とに、分割する前記分離装置(2)の下方に位置する、ブロッキング装置(3)とを、備え、
前記主軸(X-X)および前記長手軸(L-L)は、実質的に平行および/または一致し、
前記本体(10)は、内部において、前記分離チェンバー(100)を区切り、軸端において前記導出壁(12)を含み、当該導出壁(12)において、清浄燃料が流れる前記導出口(120)を含み、
前記分離装置(2)は、前記流路開口部(200)に対して横断するように配列された、疎水性の濾過手段を構成する、分離面(21)を備え、
前記ブロッキング装置(3)は、前記主軸(X-X)の方向とで角度を形成する長手方向に延設したブロッキング面(31)を含む前記上部領域(100’)内への、水の戻りを抑制するように適応され、前記燃料から分離された水が、前記導出壁(12)に向かって流れることができるように、前記角度は、前記ブロッキング面(31)の少なくとも一部を傾ける、
水分離群。
【請求項2】
前記ブロッキング装置(3)が、前記ブロッキング面(31)により形成される前記角度に対して反対の角度を形成する長手方向に延設する、少なくとも一つの排水チャネル(32)を含むことにより、前記分離装置(2)により分離された水は、前記上部領域(100’)から、前記ブロッキング面(31)及び前記排水チャネル(32)を順に経由して、前記下部領域(100”)へ流れる、
請求項1に記載の水分離群(1)。
【請求項3】
前記ブロッキング装置(3)は、前記ブロッキング面(31)の側端に配置された、二つの前記排水チャネル(32)を、含む、
請求項2に記載の水分離群(1)。
【請求項4】
前記ブロッキング装置(3)は、前記上部領域(100’)および前記下部領域(100”)を流体連通するように適応された、少なくとも一つの流路開口部(320)を含み、好ましくは、前記流路開口部(320)は、前記ブロッキング面(31)の前記側端に形成されている、
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の水分離群(1)。
【請求項5】
前記ブロッキング装置(3)は、前記濾過群(500)から来る前記濾過された燃料を、前記分離装置(2)に向かって運ぶように、適応されている燃料導入チャネル(36)を、備える、
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の水分離群(1)。
【請求項6】
前記燃料導入チャネル(36)は、前記ブロッキング面(31)が傾いている前記角度に対して、異なる角度で、好ましくは反対の角度で、長手方向に延設する、
請求項5に記載の水分離群(1)。
【請求項7】
支持構造(20)は、複数の分離面(21)が存在する、複数の流路開口部(200)を有し、前記導出壁(12)から離れて合流するように、前記分離面(21)は、前記主軸(X-X)の方向に対して傾いて配設されている、
請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の水分離群(1)。
【請求項8】
前記分離装置(2)は、上部分離面(21’)および下部分離面(21”)を、含み、前記下部分離面(21”)は、前記ブロッキング面(31)に向かって面している、
請求項7に記載の水分離群(1)。
【請求項9】
前記ブロッキング面(31)は傾いて、前記主軸(X-X)の方向とで角度を形成し、当該角度が、前記分離面(21)が延設する傾斜角度と略等しいことにより、前記ブロッキング面(31)は、前記分離面(21)、好ましくは前記下部分離面(21”)に近接して、前記分離面(21)に対して略平行である、
請求項8に記載の水分離群(1)。
【請求項10】
前記支持構造(20)は、疎水性のネットにより覆われており、各流路開口部(200)において、各分離面(21)を特定している、
請求項1乃至請求項の何れか1項に記載に記載の水分離群(1)。
【請求項11】
前記分離チェンバー(100)内への前記濾過された燃料の導入を許すように、前記本体(10)は、前記濾過群(500)に流体連通されるように適応された、少なくとも一つの導入口(110)を含む、導入壁(11)を備える、
請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載に記載の水分離群(1)。
【請求項12】
前記水分離群(1)と前記濾過群(500)との間における、長手方向での相互挿入を行うために、前記本体(10)は、前記濾過群(500)に適合できる挿入カラー(15)を、備える、
請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載に記載の水分離群(1)。
【請求項13】
水平位置で車両内において位置決め可能な長手軸(L-L)に沿って延設した、車両の燃料循環システムの燃料濾過分離アセンブリ(900)であって、
前記アセンブリ(900)は、
i)浮遊固体粒子および不純物から汚染燃料を濾過する、燃料濾過群(500)と、
ii)濾過された前記燃料から水を分離し、請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載に記載の、水分離群(1)とを、備え、
前記水分離群(1)は、前記長手軸(L-L)に沿って連続的に位置決め可能な前記濾過群(500)に対して、流体連通されている、
燃料濾過分離アセンブリ(900)。
【請求項14】
前記燃料濾過群(500)および水分離群(1)は、連続的な群において延設するように適応された各挿入部と、前記挿入部を収容するように適応された各受け部とを有する、プラグ-ソケットタイプの相互係合部を、有する、
請求項13に記載の燃料濾過分離アセンブリ(900)。
【請求項15】
前記燃料濾過群(500)は、筒タイプである、
請求項13又は請求項14に記載の燃料濾過分離アセンブリ(900)。
【請求項16】
前記水分離群(1)が関連付けられている端部に対して反対の端部において、前記燃料濾過群(500)、好ましくは長手相互係合部に関連付けられた燃料加熱群を、さらに備える、
請求項13乃至請求項15の何れか1項に記載の燃料濾過分離アセンブリ(900)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の燃料循環システムの燃料濾過分離アセンブリのための水分離群に関するものであり、当該水分離群を含む燃料濾過分離アセンブリに関する。
【0002】
本発明は、自動車分野に属する。特に、本発明は、好ましくはディーゼルタイプの、内燃エンジンの燃焼室の上流に配置される、燃料濾過分離アセンブリに関する。換言すると、当該濾過分離アセンブリからの出力における燃料が、エンジン群に向かって、燃料循環システムに流れる。
【背景技術】
【0003】
特に、当該アセンブリは、二重機能を有する。つまり、エンジン群または高圧ポンプなど、下流において燃料循環システムの構成要素にダメージを与え得る、そこからの浮遊粒子および/または不純物を除去するために、燃料濾過の目的を、当該アセンブリは有する。さらに、最適でない燃焼を引き起こし得る、および/または、噴射器など、下流において燃料循環システムの構成要素にダメージを与え得る、燃料内の水粒子を分離する目的を、当該アセンブリは有する。
【0004】
燃料濾過分離アセンブリの複数は、当該二重機能を有する従来技術において、知られている。
【0005】
特に、垂直延伸部、すなわち、車両内に設置されるため、および実質的に垂直な位置で動作するために、適応されるものを有する、燃料濾過分離アセンブリが知られている。当該アセンブリは、その上部において、燃料について個別に作用するように適応された濾過および/または分離群を有し、その下部において、重力の採用により、燃料から切り離された水が蓄積する、水収集チェンバーを有する。
【0006】
この種の燃料濾過分離アセンブリを示す具体例が、特許文献1に示されている。
【0007】
しかしながら、車両内に、垂直位置にある燃料濾過分離アセンブリを有する可能性が、いつもあるわけではない。
【0008】
このため、水平延伸部、すなわち、車両内に設置されるため、および実質的に水平な位置で動作するために、適応されるものを有する、燃料濾過分離アセンブリの具体例も知られている。
【0009】
しかしながら、水平発展部を有する燃料濾過分離アセンブリは、重大な技術的な欠陥を有する。
【0010】
実際に、知られているアセンブリでは、燃料からの水の分離が効率的でなく、とりわけ、燃料から分離された水の収集において大きな困難性を呈する。
【0011】
このため、当該知られている水濾過分離アセンブリは、特に複雑で扱いにくい形状を有している。実際に、次のような燃料濾過分離アセンブリの具体例が知られている。当該具体例では、水収集チェンバーが、濾過装置に対して、下部に配設されている。換言すれば、当該知られている具体例が、燃料で水方向に動作する一方で、当該具体例は、底部で水収集チェンバーを設けるために、部分的に垂直な延伸部を少なくとも有する。
【0012】
上記のような記載に従った水平延伸部を有する、燃料濾過分離アセンブリの具体例は、特許文献2および特許文献3に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】欧州特許出願公開第EP0858825号明細書
【文献】欧州特許出願公開第EP2399019号明細書
【文献】独国特許出願公開第DE102006005108号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、上記問題を解決するため、水平の進展を有する燃料濾過分離アセンブリに水分離群を提供する必要性が、強く感じられている。同様に、そのような水分離群を含む燃料濾過分離アセンブリを提供する必要性が、強く感じられている。
【0015】
本発明の目的は、効果的および効率的態様で分離動作を実行し、可能な限り垂直寸法が限定されるところで、とりわけ簡単でコンパクトな形状を有する、水平発展部を有する水分離群を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に係る水分離群および請求項14に係る燃料濾過分離アセンブリにより、上記目的は達成される。
【0017】
従属請求項は、さらなる有利な側面を含む好ましい実施の形態の変形を、規定する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、好ましい実施の形態の例の、純粋に限定されない例の方法で提供される、後述する記載から容易に明確になる。
【0019】
図1】本発明の好ましい実施の形態に係る燃料濾過分離アセンブリ物体の上面を示す図である。
図2図1に示す燃料濾過分離アセンブリの長手の側断面を示す図である。
図3図1に示された燃料濾過分離アセンブリの分解斜視断面図である。
図4図1~3に示した濾過分離アセンブリに含まれる、本発明の好ましい実施の形態に係る、分離群物体を示す、分解断面斜視図である。
図5a図4の分離群を示す正面断面図である。
図5b図4の分離群を示す上面断面図である。
図6a】たとえば図4の分離群の分離装置を示す斜視図である。
図6b】たとえば図4の分離群の分離装置を示す上面図である。
図6c】たとえば図4の分離群の分離装置を示す正面図である。
図6d】たとえば図4の分離群の分離装置を示す側面図である。
図7a図7a’は、たとえば図4の分離群のブロッキング装置を示す斜視図である。図7a”は、たとえば図4の分離群のブロッキング装置を示す斜視図である。
図7b】たとえば図4の分離群のブロッキング装置を示す上面図である。
図7c図7c’は、たとえば図4の分離群のブロッキング装置を示す正面図である。図7c”は、たとえば図4の分離群のブロッキング装置を示す背面図である。
図7d】たとえば図4の分離群のブロッキング装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面において、符号1は、本発明の好ましい実施の形態に係る水分離群を、示す。
【0021】
水分離群1は、車両の燃料循環システムの燃料濾過分離アセンブリ900の具体例である。水分離群1を含む燃料濾過分離アセンブリ900も、同様に、本発明の物である。
【0022】
分離群1およびアセンブリ900の両方は、上述の文脈に属し、水平な構成内で動作する、つまり、実質的に水平な位置で、車両内に収容される。ここで、「水平な位置」は、車両が移動する大地に実質的に平行な位置で、燃料循環システムと流体的に接続された、これらの構成要素が、車両において動作することを、意味する。「下部」、「上部」、「側面」の、水分離群および燃料濾過分離アセンブリの、領域、位置および/または構成要素に対する他の言及は、車両における上記水平な位置の機能として考慮されるべきである。
【0023】
特に、アセンブリ900は、長手軸L-Lに沿って延設し、その位置は、車両内に搭載されるアセンブリと共に、実質的に水平である。
【0024】
本発明によれば、燃料濾過分離アセンブリ900は、回路における燃料循環について、二重に作用する。実質的に、広く後述されるようにおよび添付の図面に示されるように、燃料濾過分離アセンブリ900は、浮遊粒子および不純物から汚染燃料をフィルタするために、当該汚染燃料についてフィルタリング作用を実行するように、適応され、および、水からフィルタされた燃料を分離するために、当該フィルタされた燃料について分離作用を実施するように、適応される。
【0025】
これらの理由のため、アセンブリ900は、燃料から水の分離の動作を実施するために特に適応された、水分離群1に加えて、浮遊固体粒子および不純物から汚染燃料の濾過のために代わりに特化した、濾過群500を備える。
【0026】
すなわち、最初に、汚染燃料が濾過群500で捕捉され、ここで、当該汚染燃料を不純物から濾過する、そして、第二に、濾過された燃料が水分離群1で捕捉され、ここで、水から濾過された燃料を分離する。これにより、アセンブリ900の下流には、清浄な燃料が流れる。好ましい実施の形態によれば、濾過群500は、典型的に100マイクロ未満の直径(典型的に、50マイクロ未満の直径)である、微小液滴の状態で、燃料内で乳化された水の合体の作用を施すようにも、適応される。これにより、200マイクロより多きサイズ(好ましくは2mmまで)、または濾過群500に入る水滴よりも大きいサイズの水粒子を形成するために、それらは統合され、水分離群は、統合された水粒子に対して作用する。
【0027】
特に、L-L長手軸に沿って、連続的に、相互に位置決め可能である、濾過群500に対して、水分離群1は、流体的に接続される。換言すれば、長手軸L-Lに沿ったアセンブリ900は、まず濾過群500を有し、次に、水分離群1を有する。さらに換言すれば、水分離群1は、長手方向において、濾過群500と関連している。
【0028】
好ましい実施の形態によれば、燃料濾過群500および水分離群1は、「プラグ-ソケット」タイプの相互係合部を有する。特に、燃料濾過群500および水分離群1は、連続した群に延設するように適応された各挿入部、および当該挿入部を収容するように適応された各受部を、備える。
【0029】
すなわち、アセンブリ900は、モジュールの態様で、長手方向に構成可能であり、そこに含まれる各群(または、モジュール)は、濾過動作または分離動作などの、燃料についての特定の動作を実施する。
【0030】
好ましくは、アセンブリ1は、水分離群1に関連づけられたところに対してその反対の端部で、燃料濾過群500に、好ましくは長手相互係合部に、関連したヒート群(図示せず)を、さらに備える。好ましくは、当該群(モジュール)は、パラフィン結晶や水が濾過群500を詰まらせるのを防ぐように、燃料加熱動作を実施するように、適応されている。
【0031】
本発明は、濾過群500の形状およびサイズに限定されない。しかしながら、相互の軸係合(嵌合)を促進するために、水分離群1の幾つかの部分は、補完的である。
【0032】
しかしながら、好ましい実施の形態において、燃料濾過群500は、チューブラー型である。好ましくは、燃料濾過群500は、長手軸L-Lに対して略軸対象な発展部を有する、ケース590を備える。
【0033】
好ましい実施の形態によれば、燃料濾過群500は、そこに収容され、長手軸L-Lに沿って延設し、燃料により放射状に(好ましくは、外側から内側へと)横断可能であり、少なくとも一つの筒状インサート550を、備える。
【0034】
好ましい実施の形態によれば、燃料濾過群500は、一つ以上の導入開口部501および導出ノズル502を有する。当該導入開口部501を通して、汚染燃料は導入され、当該導出ノズル502から、濾過された燃料が流れる。導出ノズル502は、長手軸L-L上に配置される。導出ノズル502は、軸方向に突出して、長手軸L-Lに沿って延設する。
【0035】
添付図面に示されているもののような好ましい実施の形態によれば、水分離群1は、好ましくは内部で収容するように、導出ノズル502と流体連通、係合するように適応されている。換言すれば、導出ノズル502は、搭載された構成において、水分離群1内で、プラグ状に延設している。
【0036】
本発明によれば、水分離群1は、主軸X-Xに沿って延設する本体10を、備える。
【0037】
分離群1が車両内に搭載されている構成において、主軸X-Xおよび長手軸L-Lは、略平行および/または一致している。すなわち、本体10は、同様に、略長手発展部を有する。
【0038】
本体10は、そこで、水-燃料分離動作が実施される分離チェンバー100を区切る。
【0039】
好ましい実施の形態によれば、したがって、本体10は、略ボックス形状である。
【0040】
好ましくは、本体10は、主軸X-Xに対して略垂直なヘッド壁11が配設されたカップボディ10’、および主軸に略平行な軸発展部を有する側壁13を、備える。
【0041】
好ましい実施の形態によれば、ヘッド壁11は、濾過群500と係合可能である。好ましくは、実際に、ヘッド壁11は、濾過された燃料が流れる導入口110を備える。好ましくは、濾過群500の導出ノズル502は、導入口110に収容されるように、適応されている。
【0042】
さらに、好ましい実施の形態によれば、水分離群1と濾過群500との間で、長手方向に、相互挿入が実施できるように、本体10は、濾過群500上に取り付け可能な挿入カラー15を備える。
【0043】
好ましくは、挿入カラー15は、ヘッド壁11から高さ方向に延設する。
【0044】
濾過群500が筒形状を有する実施の形態によれば、濾過群500のケースの壁と係合できるように、挿入カラー15は、略円形の形状を有する。
【0045】
カップボディ10’を閉じるために、本体10は、軸端において、導出壁12を備える。導出壁12は、分離動作の結果として清浄燃料が流れる、少なくとも一つの導出口120を、備える。換言すれば、導出壁12は、プラグ機能を有する構成要素上に形成される。
【0046】
好ましい実施の形態によれば、水分離群1および燃料濾過群500は、固有の角度位置で、相互に係合可能である。換言すれば、添付図面で示されているように、アセンブリ900内の水分離群1および燃料濾過群500の両方内で、各発展軸、すなわち長手軸L-Lまたは主軸X-Xに対して横切る、垂直方向に対して、上側および下側は特定可能である。
【0047】
さらに、本発明に係る水分離群1は、分離動作を実施するように適応された導出口120と流体連通した、分離チェンバー100内に収容される分離装置2を、備える。
【0048】
分離装置2は、導出壁12から長手方向に、延設する。好ましくは、実際に、分離装置2は、導出壁12に対して、一体的に搭載可能である。好ましくは、分離装置2は、導出壁12と一体的に形成される。
【0049】
本発明によれば、分離装置2は、濾過群から来る濾過された燃料が流れる汚染サイドおよび水から分離された清浄な燃料が流れる清浄サイド(ここから、水から分離された清浄な燃料が流れ、導出口120に流体連通される)を特定し、燃料により通過され得る支持構造20を、有する。
【0050】
実際に、支持構造20は、好ましくは中空である。
【0051】
支持構造20は、燃料が流れる、少なくとも一つの流路開口部200を、有する。好ましくは、当該開口部で、分離装置2は、流路開口部200を横断する疎水性の濾過手段から構成される、分離面21を含む。
【0052】
好ましい実施の形態によれば、清浄で、導出口120と流体連通される内部サイドを有すように、支持構造20は、導出壁12に対して、固定可能または固定されている。
【0053】
好ましくは、添付の図面に示されるように、好ましい実施の形態に係る支持構造20において、各流路開口部200は、互いに平面的に配置された、複数のサブ流路開口部200’に、分割される。したがって、好ましくは、分離面21は、複数の補助開口部において、平面的に広がる。
【0054】
さらに、好ましい実施の形態によれば、分離装置2は、垂直方向に対して、長手方向に、主たる延伸部を有する。
【0055】
好ましい実施の形態によれば、導出壁12から離れて合流するように、分離面21は、主軸X-Xの方向に対して、傾いて、配列されている。好ましくは、支持構造20に配列された分離面21が、上記合流するような形状を有するような形状を、支持構造20は有する。
【0056】
好ましい実施の形態によれば、分離装置2は、上部分離面21’および下部分離面21”を備える。換言すれば、好ましい実施の形態によれば、二つの分離面は、長手方向に延設すると、実質的に認識される。
【0057】
好ましくは、支持構造20は、個別の、上部および下部流路開口部200を有する(図において例により記述提示されているものによれば、各流路開口部は、複数のサブ流路開口部200’を有する)。
【0058】
さらに好ましい実施の形態によれば、分離装置2は、長手軸L-Lに対して直角に指向した分離面21を、備える。
【0059】
好ましくは、分離面は、垂直方向に向けられている。好ましい実施の形態によれば、分離面21は、支持構造20の底部に配設されており、長手軸L-Lに対して横方向に向けられており、導出壁12から軸方向に離隔している。
【0060】
好ましい実施の形態によれば、分離面21は、燃料により横断されるとき、水の分離を促進するように適応された、疎水性の濾過手段で構成されている。
【0061】
好ましくは、疎水性の濾過手段は、合成繊維の不織物(たとえば、PA、PET、PBT、ポリエステル、ビスコースなど)の形態、または、織物(PA、PET、またはPBT)の形態で作られている。たとえば、90°より大きな水静的接触角を有するように、シリコン、PTFE、またはプラズマで処理され、水に対して非湿潤性とし、水に対してバリア効果を奏し、代わりに燃料浸透性であるように適応される。
【0062】
好ましい実施の形態によれば、分離装置は、支持構造に固定された単一の濾過手段を、備える。配置された、各平面でおよび各分離面で、個別の分離面21が特定される。
【0063】
前述によれば、分離装置2は、好ましくは、導出壁12から長手方向に離れて、テーパ形状を有する。垂直な長手セクションにおいて、分離装置2(特に、支持構造20)は、二つの対向する長手サイドで、上部分離面21’および下部分離面21”を有する、略三角形または台形または円錐台形の形状を有する。
【0064】
本発明によれば、水分離群1は、分離チェンバーに収容される、ブロッキング装置3を、さらに備える。
【0065】
特に、ブロッキング装置3は、分離装置2の下方に位置しており、これにより、分離チェンバー100を、分離装置2が収容される上部領域100’と、燃料から分離した水が収集される下部領域100”とに、分割する。
【0066】
ブロッキング装置3は、したがって、上部領域100’への水の戻りを防止するように、適応される。
【0067】
特に、下部領域100”に向かう分離した水の排水を促進するために、ブロッキング装置3は、導出壁の付近に配置され、導出口120の下方に位置した、排水領域を有する。加えて、導出口付近での水の堆積を最小限にする一方で、ブロッキング装置3は、収集領域に向かう分離した水の排水を確保するように設けられた、開口部および/またはスライド面を、有する。
【0068】
好ましい実施の形態によれば、ブロッキング装置3は、長手方向に導出壁12から延びる、ブロッキング面31を備える。好ましくは、実際には、ブロッキング装置3は、導出壁12に対して、一体的に搭載可能である。好ましくは、ブロッキング装置3は、導出壁12と一体的に形成される。好ましい実施の形態によれば、ブロッキング装置3は、導入壁11から延設し、当該導入壁11に対して一体的に搭載可能な、ブロッキング面31を備える。好ましくは、ブロッキング装置3は、導入壁11と一体的に形成される。
【0069】
本発明によれば、ブロッキング装置3は、主軸X-Xの方向と共に角度を形成する。燃料から分離した水が、導出壁12に向かって流れるように、当該角度は、ブロッキング面31の少なくとも一部を傾ける。
【0070】
好ましい実施の形態において、ブロッキング面31は、略平面態様で、延設する。
【0071】
好ましい実施の形態によれば、ブロッキング面31の傾いた部分は、主軸X-Xと共に、傾いた角度と実質的に等しい角度を形成するように、傾いている。当該傾いた角度に従って、分離面21は延設している。換言すれば、ブロッキング面31は、近接する分離面21、好ましくは下部分離面21”と、略平行である。
【0072】
ブロッキング面31は、導出壁12から長手方向に離れて(すなわち導入壁11に近づいて)より大きな高さを有するような形状において、水収集領域100”を区切るような形を有している。
【0073】
好ましい実施の形態によれば、ブロッキング装置3は、ブロッキング面31により形成された角度に対して反対の角度を形成して、長手方向に延設する、少なくとも一つの排水チャネル32を、備える。
【0074】
好ましくは、分離装置2により分離された水は、二重スライド方向に、上部領域100’から下部領域100”へと、流れる。重力の作用により、分離装置2によって分離された水は、ブロッキング面31上を流れて、導出壁12に向かって、最初に流れ、その後、排水チャネル32内を流れて、導入壁11に向かって流れ、その後、収集チェンバー100”へと流れる。
【0075】
好ましい実施の形態において、ブロッキング装置3は、ブロッキング面31の側端に配列された、二つの排水チャネル32を、備える。
【0076】
好ましくは、ブロッキング面31および排水チャネル32は、水の上記流れを促すように適応された接続部を、備える。
【0077】
好ましい実施の形態によれば、ブロッキング装置3は、分離領域100’を収集領域100”と流体連通するように適応された、少なくとも一つの流路開口部320を、備える。
【0078】
好ましい実施の形態によれば、流路開口部320は、分離装置2によりブロックされた水の排水を、収集領域100”に向けることができるように、配設されている。好ましくは、分離領域100’に向かう水の戻りを最小限にするように、ブロッキング装置3上において、流路開口部は寸法化されおよび配置されている。好ましくは、流路開口部320は、ブロッキング面31の側端に、配設されている。
【0079】
好ましい実施の形態によれば、分離装置2に向かって濾過群500からやってくる濾過された燃料を運ぶように、適応された燃料導入チャネル36を、ブロッキング装置3は備える。好ましくは、燃料導入チャネル36は、ブロッキング装置3と一体的となっている。好ましくは、燃料導入チャネル36は、実質的に水力な縦壁により、縦方向に定義される。
【0080】
たとえば、燃料導入チャネル36は、異なる角度で、好ましくは、ブロッキング面31が傾けられた傾きと反対の傾きで、長手方向に延設する。好ましくは、燃料導入チャネル36は、分離装置2に向かって濾過された燃料を運ぶように、適応されている。好ましくは、導入チャネル36の手段により、濾過チェンバーから来る濾過された燃料が、分離チェンバーの下部領域内で収集された自由水と再混合される、というリスクを減少する。これにより、水の最終的な部分が、細かい水滴(たとえば、200ミクロン未満)の状態でディーゼルと再混合され、分離装置2の下流に移送される、というリスクを減少させる。
【0081】
好ましくは、燃料導入チャネル36は、正面向きで、導入口110へ実質的に延設し、すなわち、好ましくは、正面向きで、濾過群500の導出ノズル502に延設する。好ましい実施の形態において、導出ノズル502は、燃料導入チャネル36内に収容される。好ましくは、当該構成の手段により、分離装置により分離された水の、濾過ユニット500へ向かう戻りの可能性がある機会を、取り除き/最小化する。
【0082】
例として、添付図面において示されているように、前述によれば、水分離群1は、実質的に細長い発展部を有する。
【0083】
好ましくは、水分離群1は、濾過群500の高さと、実質的に等しい高さを有する。
【0084】
好ましい実施の形態によれば、水分離群1は、好ましくは、横方向に延設する。換言すれば、好ましい実施の形態において、水分離群1は、好ましくは、車両が移動する水平な地面に対して実質平行な、横方向に延設する。換言すれば、縦方向の発展部を有する代わりに、水分離群1は、水平方向の発展部を有する。
【0085】
好ましい実施の形態によれば、底部において、水分離群1は、適切なプラグにより閉じられ、収集された水のパージ動作を許すように適応された、パージ孔180をも有する。
【0086】
さらに、好ましい実施の形態によれば、水分離群1は、分離チェンバー100内、特に下部領域100”内に収集された水の量を検出するように適応された、水位センサ190をも、備える。
【0087】
革新的に、同じものを備える、水分離群および濾過分離アセンブリは、従来技術の典型的な問題を克服する、本発明の目的を満たす。
【0088】
有利なことに、実際に、水平位置において車両内で動作し、位置されるように、特に適応されている一方で、水分離群は、効果的な水-燃料分離動作を実施する。
【0089】
有利なことに、圧力スラスト内において循環した燃料および吸込循環内の燃料の両方により、水分離群は、効果的に動作するように適応される。
【0090】
有利なことに、主たる長手方向の延設を有し、高い燃料フロー率で処理するように適応された、分離面を、分離装置は有する。換言すれば、有利なことに、分離装置は、大きな処理面を有するように、適応される。
【0091】
有利なことに、円錐、台形、または、一般的にテーパ形状を有する分離装置により提供される、大きな濾過面により、燃料供給回路内の圧力降下を最小限にすることにより、燃料-水分離動作を実行するように、分離装置は、適応される。
【0092】
有利なことに、さらに、下部領域内の水の蓄積を促進するように適用された形状を有する、各構成要素を、分離群は有する。
【0093】
有利なことに、水の収集に加えて、急な勾配を促進するように、分離装置の傾斜した壁は、適応される。
【0094】
有利なことに、二重スライドの手段により、水の勾配を促進するように、ブロッキング装置は構成される。同時に、ブロッキング装置は、蓄積された水が、分離装置へ戻ることを抑制するように、構成される。
【0095】
有利なことに、たとえ、車両が坂道の上りまたは下りに直面するとき、および/または、車両が突然ストップしたときでさえ、収集領域内に収集された水が、分離領域内に戻ることを抑制する。
【0096】
有利なことに、ブロッキング装置は、可能な限り最も大きく、製造者のニーズに最適な
水蓄積領域を有する、分離チェンバーを分割するように、適応される。
【0097】
有利なことに、ブロッキング装置は、導出壁から離れて高さ方向に延びる収集領域を規定する分離装置の付近に、位置される。
【0098】
有利なことに、ブロッキング装置は、収集チェンバーの延設を増加するように構成され、同時に、同じ収集領域に蓄積された水の量が、水レベルセンサにより規定される閾値レベルに近づく又は超えるとき、水滴が収集領域から分離領域に達するリスクを、最小にするように構成される。
【0099】
有利なことに、水分離群は、垂直発展部を有する、または濾過群に対してより低い位置で延びる、水収集チェンバーを必要としない。
【0100】
有利なことに、分離装置は、簡単な処理で製造される。たとえば、分離装置は、疎水性の濾過手段が、たとえば、支持構造と共にモールドされるように、モールドにより製造されてもよい。
【0101】
有利なことに、導入壁または導出壁と共に、または一般的に、水分離群の本体の側壁と共に、一体的に形成されるように、ブロッキング装置は、簡単なモールド処理を通して、得ることができる。
【0102】
有利なことに、ブロッキング装置は、傾いたブロッキング面を備える。当該ブロッキング面により、ワークピースの加工がモールドの手段により促進され、またブロッキング装置がこれらの構成要素と一体的に形成される場合には、本体または導出壁の延設が促進される。
【0103】
有利なことに、水分離群は、効率的な分離動作、収集、および水蓄積を実施するように、最適化されている。
【0104】
有利なことに、水分離群は、必要な場合に濾過群に搭載される分離モジュールである。有利なことに、水分離群および濾過群は、車両燃料循環回路内において、互いに対して、直列に相互に配設される。
【0105】
有利なことに、燃料-水分離に関連した機能を、そのような動作を実施するように適応されていない濾過群に追加するように、水分離群は、水平な濾過群に関連付けされる。有利なことに、好ましくは、水分離群は、市場で入手できる水平濾過群に関連づいている。
【0106】
付随的なニーズを満たすために、水分離群または濾過分離アセンブリの当業者であれば、全ては、特許請求の範囲に規定される保護範囲に含まれる、ということは明白である。
【符号の説明】
【0107】
1 水分離群
2 分離装置
20 支持構造
200 流路開口部
200’ サブ流路開口部
21 分離面
21’ 上部分離面
21” 下部分離面
3 ブロッキング装置
31 ブロッキング面
32 排水チャネル
320 流路開口部
36 燃料導入チャネル
10 本体
10’ カップボディ
11 導入壁
110 導入口
12 導出壁
120 導出口
13 側壁
15 挿入カラー
100 分離チェンバー
100’ 上部領域
100” 下部領域
180 パージ孔
190 水レベルセンサ
900 燃料濾過分離アセンブリ
500 濾過群
501 導入開口部
502 導出ノズル
550 筒状インサート
590 ケース
X-X 主軸
L-L 長手軸

図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a-1】
図7a-2】
図7b
図7c-1】
図7c-2】
図7d