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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】複合木材ボードの製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
   B27N 3/02 20060101AFI20230327BHJP
【FI】
B27N3/02 B
B27N3/02 D
B27N3/02 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020515674
(86)(22)【出願日】2018-09-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 EP2018074625
(87)【国際公開番号】W WO2019076545
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】17196574.2
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501206633
【氏名又は名称】スイス・クロノ・テック・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】SWISS KRONO Tec AG
【住所又は居所原語表記】Museggstrasse 14, 6004 Luzern, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】カルバ、ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】コップ、トルステン
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-293704(JP,A)
【文献】特開2015-086480(JP,A)
【文献】特開2010-228176(JP,A)
【文献】特開平11-320517(JP,A)
【文献】特開2000-271910(JP,A)
【文献】特開昭60-230803(JP,A)
【文献】特開2005-305905(JP,A)
【文献】特開昭52-140585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27N 1/00 - 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合木材ボード(26)の製造方法であって、前記製造方法は、
a)多数の木材粒子を分散させて粒子ケークを成すステップと、ここで、分散前に、及び/又は分散中に少なくとも1つの接着剤が前記木材粒子の少なくとも一部に塗布されるものであり、
b)高温高圧下で前記粒子ケークを複合木材ボード(26)に圧縮成形するステップと、を有し、
前記製造方法を実施するための装置が配置装置(16)と電気式制御装置を有し、前記電気式制御装置が、前記木材粒子の分散中に少なくとも1つの添加剤(28、30)が異なる量で前記粒子ケーク内部の異なる位置に配置されるように前記配置装置(16)を制御するように構成されており、
前記配置装置が、木材粒子分散用の少なくとも1つの分散ノズルと少なくとも1つの添加剤(28、30)分散用の少なくとも1つの添加剤ノズルとを備えた少なくとも1つの分散ヘッド(18)を有し、
前記木材粒子の分散中に、少なくとも1つの添加剤(28、30)が前記粒子ケーク内部の異なる位置に、様々な量で配置されることを特徴とする、
複合木材ボード(26)の製造方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの添加剤(28、30)に、少なくとも1つの接着剤、少なくとも1つの難燃剤、少なくとも1つの殺生物剤、少なくとも1つの木の膨潤調整剤、少なくとも1つの発泡剤、並びに/又は少なくとも1つの、前記複合木材ボード(26)の光学的及び/若しくは触覚的及び/若しくは物理的性質、例えばその電気伝導度及び/若しくは熱伝導度を変化させる物質が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
異なる添加剤(28、30)、及び/又は異なる量の様々な添加剤(28、30)が、前記粒子ケーク内部の異なる位置に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
分散されて粒子ケークを形成する木材粒子の量が、前記粒子ケーク内における予期される位置に応じて変化することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
分散された木材粒子の量、ならびに配置された添加剤(28、30)の種類、及び/又は量が、前記複合木材ボード(26)のかさ密度が均一になるように選択されていることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複合木材ボード(26)を製造するための装置であって、前記装置が、
a)多数の木材粒子を分散させて粒子ケークを成すことと、ここで、分散前に、及び/又は分散中に少なくとも1つの接着剤が前記木材粒子の少なくとも一部に塗布されるものであり、
b)高温高圧下で前記粒子ケークを複合木材ボード(26)に圧縮成形することと、を実施する装置において、
前記木材粒子の分散中に、少なくとも1つの添加剤(28、30)が前記粒子ケーク内部の異なる位置に、様々な量で配置され、
前記装置が配置装置(16)と電気式制御装置を有し、前記電気式制御装置が、前記木材粒子の分散中に少なくとも1つの添加剤(28、30)が異なる量で前記粒子ケーク内部の異なる位置に配置されるように前記配置装置(16)を制御するように構成されており、
前記配置装置が、木材粒子分散用の少なくとも1つの分散ノズルと少なくとも1つの添加剤(28、30)分散用の少なくとも1つの添加剤ノズルとを備えた少なくとも1つの分散ヘッド(18)を有する、複合木材ボード(26)を製造するための装置。
【請求項7】
前記電気式制御装置は、電子的データ記憶装置に保存された情報にアクセスし、前記情報に基づいて前記配置装置を制御するように構成された電子的データ処理装置を有することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの分散ヘッド(18)が異なる添加剤(28、30)を分散させるための少なくとも2つの異なる添加剤ノズルを有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合木材ボードの製造方法に関し、その際該方法は以下の段階を有する。
【0002】
a)多数の木材粒子から粒子ケークを成す分散段階で、その際、分散前及び/又は分散中に少なくとも1つの接着剤が木材粒子の少なくとも一部に塗布されるもの。
b)高温高圧下で上記粒子ケークを複合木材ボードに圧縮成形する段階。
本発明はさらにそうした方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
複合木材ボードは今日非常に様々な用途、例えば床材として、壁装材として、家具製造又は木造建築に使用される。複合木材は木材粒子と接着剤で製造され、通常は連続工程において熱と圧力の作用により複合木材ボードへと圧縮成形される。この方法は「熱プレス」として知られており、連続的又は間欠的に実施され得る。複合木材ボードの周知の代替物は、例えば、削片が複数の交互に交差する層に分散され得るOSB(EN300規格による配向性ストランドボード)、木材チップが最上層と中間層に分散され得るEN312規格によるパーティクルボード、又はこの場合は木繊維が通常単層のケーク状に分散されるEN316規格によるファイバボードである。
【0004】
特に製造コストを削減する目的で、特に、製造するべき複合木材ボードがその使用時に特別に大きな機械的応力を受けない状態である場合は、散布された粒子の量をボードの所々で減らすことが最新技術より知られている。
【0005】
国際公開第2005/046950号パンフレットは、複合木材ボードの中間層において散布された粒子の量を、制御ノズルを介して制御することを推奨する。欧州特許出願公開第2653279号明細書より、分散中に落下する木材粒子の分散過程から粒子を取り除き、この方法で複合木材ボードにおいて異なるか密度を達成することが知られている。取り除かれた粒子はその後さらなる分散過程に供給され得る。独国特許出願公開第102013002259号明細書より、散布された粒子ケークの密度を測定し、その後選択したプロファイルを達成するために、所望の量の粒子を取り除くことが知られている。
【0006】
上記の方法は全て、粒子ケークの組成自体は変化することなく、分散粒子の量のみを調整するべき場合にのみ可能である。複合木材ボードの他の性質を変化させる目的で、例えば複合木材ボードの熱伝導性、可燃性、又はその他の性質に影響を及ぼすために添加物を使用することが知られている。そのために必要な添加剤は共に粒子ケークの内部に分散される。特別な性質が例えば製造するべき複合木材ボードの最上層においてのみ必要とされる場合は、欧州特許出願公開第2487016号明細書において、後で粒子ケーク上に注がれて、この内部に浸透する液体を用意することが推奨される。これは当然粒子ケークの最上層においてのみ可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2005/046950号パンフレット
【文献】欧州特許出願公開第2653279号明細書
【文献】独国特許出願公開第102013002259号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2487016号明細書
【発明の概要】
【0008】
したがって本発明の課題は、製造するべき複合木材ボードの物理的及び/又は化学的性質を空間的にほぼ制限なく調整できる方法を提供することである。前記の課題は本発明により、木材粒子の分散中に少なくとも1つの添加剤を異なる量で粒子ケーク内部の異なる位置に配置することを特徴とする請求項1の上位概念に記載の方法によって解決される。この方法で粒子ケークの局在組成を変化させ、例えば様々な箇所における粒子量を変化させるだけではなく、例えば添加剤に対する木材粒子の割合及び/又は添加剤に対する接着剤の割合を個別に調整することが可能である。これは後で粒子ケークから粒子を除去することでは達成できない。さらに、木材粒子と添加剤が順次層状に注がれた場合に発生し得る不均質性と成層が回避される。有利に、上記の少なくとも1つの添加剤には、少なくとも1つの接着剤、少なくとも1つの難燃剤、少なくとも1つの殺生物剤、少なくとも1つの木の膨潤調整剤、少なくとも1つの発泡剤、及び/又は少なくとも1つの、複合木材ボードの光学的及び/又は触覚的及び/又は物理的及び/又は化学的性質、例えばその電気伝導度及び/又は熱伝導度を変化させる物質が含まれる。その際考慮の対象となるのは、ガラス球、発泡ガラス又は膨張性粘土、膨張可能で主として液体を充填したプラスチック球、白亜、滑石又は石英粉末及び/又は例えばブランコフォルの名称で販売されるスチルベンといった光学増白剤、又は有機蛍光物質である。二酸化チタン又は炭酸カルシウムといった、より明色のボードを生み出す白色顔料も追加され得る。これは例えばボード上にダイレクト印刷で模様を付ける場合に有利である。予めボードが白く下塗りされるが、そのためにはできるだけ明色のボードが有利である。出発材の色、つまりこの場合は複合木材ボードの色が明るいほど、白の下塗りの効果がより早く現れる。
【0009】
追加又は代替として、複合木材ボード又はその最上層の少なくとも1つの層を着色する他の顔料又は色素が追加され得る。それによって多色でもあり得る、例えば縞模様、幾何学模様又は他の着色が達成され得る。染料及び顔料は各々、又は例えば添加剤の分配と配置を認識する目的で、他の、必要に応じて無色の添加剤と共にも使用され得る。少なくとも1つの添加剤の追加によって変更又は調整され得るさらなる性質の例としては、例えばパラフィンによる疎水化、及び適切なキャッチャ剤の追加によるVOC低減があり得る。その際、本明細書に記載の性質及び添加剤の一覧は全てを網羅するものではなく、抜粋と考えるべきものである。
【0010】
膨張剤、例えばガラス球、発泡ガラス又は膨張性粘土によって、製造するべきボードの一定の箇所におけるかさ密度が低減され、これは特に、所望の箇所において予期され得る機械的応力がないか、あるいはその程度が大きくない場合に有利である。この方法で、該ボードはより軽量に、したがって末端使用者が扱いやすく形成され得る。
【0011】
粒子ケーク内部の異なる位置において、木材粒子の分散中に1つの添加剤が異なる量で配置され、これらの位置は3つの空間次元全てにおいて異なり得る。1つの層の内部で、x方向及び/又はy方向において異なる配分を使用することができ、当然、それに対して垂直のz方向において異なる配分を使用することも可能である。多くの性質が例えば複合木材ボードの縁領域においてのみ、又は複合木材ボードの中央領域においてのみ用いられる。したがって、例えば湿気の侵入に対する防水加工は特に最上層において有利であり、その一方で、例えばより僅かなかさ密度、したがってより僅かな重量は、特に中央のコア層において有利である。当然、複合木材ボードの一部の帯部又は範囲において一定の性質を考慮するが、その後この性質を厚さ全体にわたって分配することも有効であり得る。これは例えば複合木材ボードを建築材として用いる場合の熱伝導性に該当する。電気伝導性、又は殺生物剤によって生じ得る、例えばカビに対する抵抗性も、空間的に異なる範囲において異なる強さで示しておくことができる。
【0012】
有利に、粒子ケーク内部の異なる位置に、異なる添加剤の配置及び/又は様々な添加剤の異なる量での配置が行われる。特に、異なる性質に影響を及ぼす目的で、1枚の複合木材ボードに複数の様々な添加剤を用いることが多くの用途に有利である。その際、異なる添加剤の各々を空間的に不均質に分配しておくことができ、その結果、上記の状況が生じ得る。一部の箇所においては使用された添加剤の1つ又はいくつかのみが存在し、その一方で、複数の異なる箇所においては全ての添加剤が存在するが、これらの位置における異なる添加剤の量の割合は異なる。その際量の割合に制限は設けられていない。
【0013】
主として、粒子ケーク状に分散される複合木材粒子の量も、該粒子が予期され得る粒子ケーク内の位置によって変化がつけられる。その際、分散された木材粒子の量、ならびに配置された添加剤の種類及び/又は量は、有利に、複合木材ボードのかさ重量が均一になるように選択されている。
【0014】
さらに前記の課題は本発明により、配置装置と電気式制御装置を有し、該制御装置が、木材粒子の分散中に少なくとも1つの添加剤が異なる量で粒子ケーク内部の異なる位置に配置されるように配置装置を制御する目的で装備されている、所定の方法を実施するための装置によって解決される。
【0015】
主として電気式制御装置には、電子的データ記憶装置に保存された情報にアクセスし、この情報に基づいて配置装置を制御するために装備されている電子的データ処理装置が含まれる。該電子的データ記憶装置は本装置の一部であり得る。その代替又は追加として、電気式制御装置は外部の電子的データ処理システム、例えばラップトップPC又はデスクトップPCとの通信用のインタフェースを有し、その際該電子的データ記憶装置はこの電子的データ処理システムの一部である。通信は有線又は無線で、例えば無線LAN又はブルートゥース(登録商標)を介して行われ得る。
【0016】
主として配置装置は木材粒子分散用の少なくとも1つの分散ノズル、及び少なくとも1つの添加剤分散用の少なくとも1つの添加剤ノズルを備えた少なくとも1つの分散ヘッドを有する。特に好ましくは、該少なくとも1つの分散ヘッドは異なる添加剤を分散させるための少なくとも2つの異なる添加剤ノズルを有する。
【0017】
添付の図面を用いて以下に本発明の実施例がより詳細に解説される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】1つの方法を実施するための装置の略図である。
図2】複合木材ボードの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は複合木材ボードの製造装置を示す。まず、木材2が用意され、これが粉砕機4において木材チップに粉砕される。該木材チップが洗浄装置6において洗浄され、その後、圧力容器において煮沸されてから、精製機8において繊維溶解が行われる。精製機の後に、接着剤塗布装置10において接着剤が添加され、その結果、木材粒子が接着された状態になる。これが乾燥装置12において乾燥され、次に選別装置において品質検査が行われる。その後、接着された木材粒子は、ここに示した実施例においては複数の分散ヘッド18を有し、その内の3つが図示されている配置装置16に供給される。その際左の分散ヘッド18のみが実線で示されている。その他は任意選択であることを示すために破線で示されている。様々な分散ヘッド18は、異なる添加剤を散布して、内部に分散させ、それによって、添加剤を分散された粒子ケークの中に配置するために用いられる。ここには示されない追加の分散ヘッドが、木材粒子を分散させるために存在する。長さが異なる破線20は、異なる分散ヘッド18から異なる添加物が散布されることを示す。ここに示した実施形態に対する代替として、様々な分散ヘッド18を用いて、まず分散させるべき粒子と添加剤を混合し、次にこれを図1には示されていない総合分散ヘッドを介して注ぐことも可能である。この方法で、製造するべき複合木材ボードの各位置に必要とされる添加剤と材料が混合された状態で存在することが保障される。この方法で階層化が確実に回避される。
【0020】
次に、上記のように分散された粒子ケークは、一次圧縮機22に達してから、熱プレス機24において複合木材ボードに圧縮成形される。
【0021】
図2は複合木材ボード26の概略断面図である。小円形状で示されている、例えばガラス球又は膨張性粘土であり得る第1の添加剤28が上面32と下面34の間の平面にほぼ均質に分配されていることが分かる。この方法で、この範囲において例えば複合木材ボード26のかさ密度が低減され、したがって重量が節減され得る。線形状で示されている第2の添加剤30は、複合木材ボード26の中に棒状に配置されている。この場合に対象となり得るのは、例えば該ボードの電気伝導度及び/又は熱伝導度を増大又は低下させることによって、一定の熱及び/又は電荷の伝達経路を発生させる添加剤である。
【符号の説明】
【0022】
2 木材
4 粉砕機
6 洗浄装置
8 精製機
10 接着剤塗布装置
12 乾燥装置
14 選別装置
16 配置装置
18 分散ヘッド
20 破線
22 一次圧縮機
24 熱プレス機
26 複合木材ボード
28 第1の添加剤
30 第2の添加剤
32 上面
34 下面
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 複合木材ボード(26)の製造方法であって、前記製造方法は、
a)多数の木材粒子を分散させて粒子ケークを成すステップと、ここで、分散前に、及び/又は分散中に少なくとも1つの接着剤が前記木材粒子の少なくとも一部に塗布されるものであり、
b)高温高圧下で前記粒子ケークを複合木材ボード(26)に圧縮成形するステップと、を有し、
前記木材粒子の分散中に、少なくとも1つの添加剤(28、30)が前記粒子ケーク内部の異なる位置に、様々な量で配置されることを特徴とする、
複合木材ボード(26)の製造方法。
[2] 前記少なくとも1つの添加剤(28、30)に、少なくとも1つの接着剤、少なくとも1つの難燃剤、少なくとも1つの殺生物剤、少なくとも1つの木の膨潤調整剤、少なくとも1つの発泡剤、並びに/又は少なくとも1つの、前記複合木材ボード(26)の光学的及び/若しくは触覚的及び/若しくは物理的性質、例えばその電気伝導度及び/若しくは熱伝導度を変化させる物質が含まれることを特徴とする、[1]に記載の方法。
[3] 異なる添加剤(28、30)、及び/又は異なる量の様々な添加剤(28、30)が、前記粒子ケーク内部の異なる位置に配置されることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 分散されて粒子ケークを形成する木材粒子の量が、前記粒子ケーク内における予期される位置に応じて変化することを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 分散された木材粒子の量、ならびに配置された添加剤(28、30)の種類、及び/又は量が、前記複合木材ボード(26)のかさ重量の配分が均一になるように選択されていることを特徴とする、[4]に記載の方法。
[6] 配置装置(16)と電気式制御装置を有し、前記電気式制御装置が、前記木材粒子の分散中に少なくとも1つの添加剤(28、30)が異なる量で前記粒子ケーク内部の異なる位置に配置されるように前記配置装置(16)を制御する目的で装備されている、[1]から[5]のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置。
[7] 前記電気式制御装置は、電子的データ記憶装置に保存された情報にアクセスし、前記情報に基づいて前記配置装置を制御するように構成された電子的データ処理装置を有することを特徴とする、[6]に記載の装置。
[8] 前記配置装置が、木材粒子分散用の少なくとも1つの分散ノズルと少なくとも1つの添加剤(28、30)分散用の少なくとも1つの添加剤ノズル(18)とを備えた少なくとも1つの分散ヘッド(18)を有することを特徴とする、[6]又は[7]に記載の装置。
[9] 少なくとも1つの分散ヘッド(18)が異なる添加剤(28、30)を分散させるための少なくとも2つの異なる添加剤ノズルを有することを特徴とする、[6]から[8]のいずれか一項に記載の装置。
図1
図2