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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】人を扱うためのサポート構造の加圧
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/057 20060101AFI20230327BHJP
   A61G 7/015 20060101ALI20230327BHJP
   A47C 27/10 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
A61G7/057
A61G7/015
A47C27/10 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020552126
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2018084913
(87)【国際公開番号】W WO2019115752
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】1751553-7
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】520211225
【氏名又は名称】タイドウェーブ・アール・アンド・ディ・アクティエセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Tidewave R&D AS
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン・セバスティアン・ローレンツェン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・スミト
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第97/030674(WO,A1)
【文献】国際公開第95/010997(WO,A1)
【文献】実開昭60-058133(JP,U)
【文献】特開昭61-033405(JP,A)
【文献】特開2004-008466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/057
A61G 7/015
A47C 27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人を扱うためのサポート構造(101)の加圧を制御するシステム(100)であって、前記システム(100)は、
ベース表面(102)に配置されるよう適合されたサポート構造(101)と、
加圧されるように適合された前記サポート構造(101)の1つまたは複数の部分を加圧するよう適合された電源ユニット(170)と、
前記システム(100)のサポート構造の加圧された部分における人の動き、および/または、変動、即ち偏りを測定するよう適合された、1つまたは複数のセンサ(140)と、
前記1つまたは複数のセンサ(140)からのセンサ測定データに少なくとも基づいて、それぞれの弁(104)を介して加圧されるよう適合された前記サポート構造(101)のそれぞれの部分の個別の加圧を示す制御信号(135)を生成するよう構成されたデータプロセッサ(150)を含むコントローラ(130)と、を備え、
前記サポート構造(101)は、
i)人を支えるよう適合された前面(112)と、背面(114)とを有する本体(110)であって、前記本体(110)が、可撓性の第1材料で実質的に形成された少なくとも2つの細長い部分(1)の列を含み、それぞれの細長い部分(1)が、その1つまたは複数の長手方向側面(116)に沿って、隣接する1つまたは複数の細長い部分(1)に取り付けられ、前記細長い部分(1)が加圧されるよう適合される、本体(110)と、
ii)前面(122)と背面(124)とを有し、前記第1材料よりも可撓性の低い第2材料により形成されたキャリアプレート(120)であって、それぞれの前記細長い部分(1)の背面(114)が、前記細長い部分(1)の横方向中心に沿って少なくとも1つの点でキャリアプレート(120)の前面(122)に取り付けられ、1つまたは複数の細長い部分(1)の加圧負荷状態において、少なくとも部分的に凹状に湾曲した前面(122)を形成するよう適合されたキャリアプレート(120)と、を含み、
前記電源ユニット(170)において、加圧されるように適合された前記サポート構造(101)の前記1つまたは複数の部分のそれぞれは、少なくとも1つの細長い部分(1)を含み、加圧されるように適合された前記サポート構造(101)の1つまたは複数の部分が、それぞれの弁(104)を介して個別に加圧されるよう構成され、
コントローラ(130)が、制御信号(135)に応答してそれぞれの弁(104)を介して個別に加圧するよう適合された前記サポート構造(101)のそれぞれの部分を加圧する電源ユニット(170)を制御するよう構成された、
システム(100)。
【請求項2】
前記それぞれの弁(104)を介して加圧されるよう適合されたサポート構造(101)の部分は、
前記キャリアプレート(120)の背面(124)に取り付けられ、前記サポート構造(101)の第1長手方向側面に沿って配置された2つ以上の膨張可能な側方傾斜セル(6A)と、
前記キャリアプレート(120)の背面(124)に取り付けられ、前記サポート構造(101)の第2長手方向側面に沿って配置された2つ以上の膨張可能な側方傾斜セル(6B)と、
をさらに含み、
それぞれの側面の前記2つ以上の膨張可能な側方傾斜セル(6A、6B)は、加圧負荷状態において、前記本体(110)と前記キャリアプレート(120)とを傾斜させるよう適合される、
請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記コントローラ(130)は、制御信号(135)に応答して、前記サポート構造(101)のそれぞれの側面に沿って配置された2つ以上の膨張可能な側方傾斜セル(6A、6B)のそれぞれの加圧を個別に制御するよう、さらに構成された、
請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記サポート構造(101)の前記本体(110)は、その長手方向側面に垂直な軸の周りで互いに対して傾斜可能な少なくとも2つの部分を含み、
前記少なくとも2つの部分は、可撓性を有する材料で形成され、前記少なくとも2つの部分が互いに対して傾斜するときにその形状を変化させるよう適合された、1つまたは複数のそれぞれの中間可撓性領域(10)を介して接続され、
前記サポート構造(101)の前記キャリアプレート(120)は、前記中間可撓性領域(10)のそれぞれの側面に配置された少なくとも2つの別個の部分を含む、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記サポート構造(101)の前記本体(110)は、上部(111)、中間部(112)、および下部(113)を含み、
前記上部(111)および前記中間部(112)は、互いに対して傾斜可能であり、
前記中間部(112)および前記下部(113)は、それぞれの長手方向側面に垂直な軸の周りで互いに対して傾斜可能であり、
前記サポート構造(101)の前記キャリアプレート(120)の前記少なくとも2つの別個の部分は、2つの中間可撓性領域(10)のそれぞれの側面に配置された上部(121)、中間部(122)、および下部(123)を含む、
請求項4に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記それぞれの弁(104)を介して加圧されるよう適合された前記サポート構造(101)の前記部分は、
前記キャリアプレート(120)の選択された部分の背面(124)に取り付けられた、1つまたは複数の膨張可能な長手方向傾斜セル(14)、
をさらに含み、
前記1つまたは複数の膨張可能な長手方向傾斜セル(14)は、加圧負荷状態において、前記キャリアプレート(120)の前記選択された部分が取り付けられた前記本体(110)の一部を、前記本体(110)の隣接する1つまたは複数の部分に対して傾斜させるよう適合された、
請求項4または5に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記第1材料は、ポリマーまたはナイロン系素材である、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記電源ユニット(170)は、加圧されるよう適合された前記サポート構造(101)の少なくとも1つの追加の部分を加圧するよう、さらに適合され、
前記サポート構造(101)の前記少なくとも1つの追加の部分のそれぞれは、前記サポート構造(101)の側方傾斜セル(6A、6B)および/または長手方向傾斜セル(14)を含み、
前記制御信号(135)は、前記サポート構造(101)の前記少なくとも1つの追加の部分のそれぞれの個別の加圧を、さらに示し、
前記コントローラ(130)は、前記電源ユニット(170)を制御して前記サポート構造(101)の前記少なくとも1つの追加の部分を個別に加圧するよう、さらに構成された、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記サポート構造(101)は、マットレスまたはベッドレスト(103)を含む、またはマットレスまたはベッドレスト(103)とともに使用されることを意図された、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サポート構造、およびサポート構造の加圧を制御するシステムおよび方法に関する。本明細書に提示される実施の形態によると、サポート構造は人を支えることに適合され、システムはサポート構造の加圧を制御してベースに関連して運動が人に伝わるよう適合される。
【背景技術】
【0002】
ヨーロッパの医療機関では、5人に1人の患者が褥瘡に苦しんでいる。主な理由は、定期的な動きがないことである。今日の解決策は、医療従事者により患者を手で移動することであり、深刻な皮膚および筋肉の痛みをもたらす。医療従事者にとっては、これは、継続的に患者を持ち上げるということであり、背痛および極度の疲労をもたらす。医療機関にとっては、これは作業負荷、病欠、および患者の治療という点において、高いコストとなる。より広い問題の観点から見ると、世界的な高齢化により、増加する高齢者を補助するための医療の専門家が十分にいなくなるため、医療分野において自動化ソリューションが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に提示される実施の形態は、有利に人の褥瘡のリスクを低減し、可動性を向上させ、それによって、人の独立性および生活の質を向上させるとともに、とりわけ、人を補助する可能性のある医療従事者に対する業務上の負傷のリスクを低減する。
【0004】
第1の態様によると、人を扱うためのサポート構造の加圧を制御するシステムが提供され、このシステムは、ベース表面に配置されるよう適合されたサポート構造と、加圧されるよう適合されたサポート構造の1つまたは複数の部分を加圧するよう適合された電源ユニットと、を備える。サポート構造はi)人を支えるよう適合された前面および背面を有する本体と、ii)前面および背面を有するキャリアプレートと、を含む。本体は、可撓性を有する第1材料により実質的に形成された少なくとも2つの細長い部分の列を含む。それぞれの細長い部分は、その1つまたは複数の長手方向側面に沿って、隣接する1つまた複数の細長い部分に取り付けられる。細長い部分は、加圧されるよう適合される。キャリアプレートは、第1材料よりも可撓性の小さい第2材料により形成される。それぞれの細長い部分の背面は、少なくとも1つの点でキャリアプレートの前面に取り付けられる。1つまたは複数の細長い部分の加圧負荷状態において、キャリアプレートは、少なくとも部分的に凹状に湾曲した前面を形成するよう適合される。加圧されるよう適合されたサポート構造の1つまたは複数の部分のそれぞれは、サポート構造の細長い部分の少なくとも1つを含む。加圧するよう適合されたサポート構造の1つまたは複数の部分は、それぞれの弁を介して個別に加圧されるよう構成される。システムはさらに、システムのサポート構造の加圧された部分で、人の動きおよび/または変動、即ち偏りを測定するよう適合された1つまたは複数のセンサと、データプロセッサを含むコントローラと、を備える。データプロセッサは、1つまたは複数のセンサからのセンサ測定データに少なくとも基づいて、それぞれの弁を介して加圧されるよう適合されたサポート構造のそれぞれの部分の個別の加圧を示す制御信号を生成するよう構成される。コントローラは、電源ユニットを制御して、制御信号に応答してそれぞれの弁を介して個別に加圧されるよう適合されたサポート構造のそれぞれの部分を加圧するよう構成される。
【0005】
別の態様によると、サポート構造上に置かれた人を扱うためのサポート構造の加圧を制御する方法が提供され、その方法は、サポート構造に接続されたコントローラで、サポート構造上の人の動き、および/またはサポート構造の加圧された部分における圧力変化または他の変動、即ち偏りを示すセンサ測定データを、1つまたは複数のセンサから受信するステップと、コントローラに含まれるデータプロセッサにより、受信したセンサ測定データに少なくとも基づいて、加圧されるよう適合されたサポート構造の部分のそれぞれの個別の加圧を示す制御信号を生成するステップと、コントローラにより、制御信号に基づいて、サポート構造に接続された電源ユニットを制御してそれぞれの弁を介して加圧されるよう適合されたサポート構造のそれぞれの部分を個別に加圧するステップと、を含む。
【0006】
さらに別の態様によると、少なくとも1つのデータプロセッサに通信可能に接続または結合されたメモリにロード可能なコンピュータプログラムが提供され、そのプログラムは、プログラムが少なくとも1つのデータプロセッサで実行されるときに、本明細書に記載された実施の形態のいずれかによる方法を実行するためのソフトウェアを含む。
【0007】
さらに別の態様によると、プログラムが記録されているプロセッサ可読媒体が提供され、そのプロセッサ可読媒体は、プログラムが少なくとも1つのデータプロセッサにロードされるときに、プログラムが少なくとも1つのデータプロセッサに、本明細書に記載された実施の形態のいずれかによる方法を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
次に、例として開示される好ましい実施の形態を用いて、添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0009】
図1】1つまたは複数の実施の形態によるシステムの概要図
図2】1つまたは複数の実施の形態によるサポート構造の概要図
図3a】1つまたは複数の実施の形態によるサポート構造の上面図、および、1つまたは複数の実施の形態によるシステムの一部の概略図
図3b】1つまたは複数の実施の形態によるサポート構造の上面図、および、1つまたは複数の実施の形態によるシステムの一部の概略図
図4】1つまたは複数の実施の形態によるサポート構造の概要図
図5】1つまたは複数の実施の形態によるサポート構造の概要図
図6】1つまたは複数の実施の形態によるサポート構造の概要図
図7】1つまたは複数の実施の形態による方法のフローチャート
図8】1つまたは複数の実施の形態によるサポート構造の概要図
図9】1つまたは複数の実施の形態によるサポート構造の概要図
図10】1つまたは複数の実施の形態による、マットレスまたはベッドレストと組み合わせたサポート構造の概要図
図11】1つまたは複数の実施の形態による、マットレスまたはベッドレストと組み合わせたサポート構造の概要図
【発明を実施するための形態】
【0010】
<導入>
本開示は、人、特に横になった人を扱うためのサポート構造の加圧を制御して、人の褥瘡のリスクを低減し、可動性を改善し、それにより人の独立性と生活の質を向上させ、および/または人を補助する可能性のある医療従事者の業務上の障害のリスクを低減するシステムについて説明する。人の扱いは、本開示の文脈においては、サポート構造の本体を形成する加圧するよう適合されたサポート構造の一部を選択して、例えば、細長い部分または細長い部分のグループを選択して、適応的かつ動的に加圧することにより達成される。それにより、例えば、サポート構造に横になる、または寄りかかる人の周りの曲率を取得する。曲率は、人の解剖学および/または医療、または人の運動性に起因するニーズの低下に合わせて調整され、個別化される。これは、図に関連してさらに説明するように、サポート構造の本体を形成する複数の細長い部分のそれぞれ、または細長い部分のグループを個別に加圧すること、および、場合によっては、サポート構造の背面(キャリアプレートの背面)に取り付けられた傾斜セル、または傾斜セルのグループの選択によって達成される。サポート構造の細長い部分および傾斜セルの加圧/減圧、または膨張/収縮は、センサのフィードバックおよび任意にシステムのユーザ、例えばオペレータにより提供される入力に基づいて、コントローラにより制御される。
【0011】
本発明のサポート構造を使用して軽減され得る課題の例は、人の物理的な不動性である。これは、血流の低下および体の一部への一定の圧力がかることの原因となり、数時間後には褥瘡に発展し始める。本明細書に提示される実施の形態に従って制御される一定の動きを維持することにより、本発明者らは、褥瘡を低減および治癒する方法で圧力が軽減されることを見出した。
【0012】
本明細書によるサポート構造が有益な効果を提供することを示す別の具体例は、多発性硬化症の人のためのものである。典型的には、そのような人は、硬直などを軽減するために筋肉をマッサージ/ストレッチ/移動させるよう、定期的に理学療法を受ける必要がある。本開示の実施の形態は、睡眠または休息中の個別化した運動補助を提供し、それにより、人の活動時間中のこの治療の必要性を低減する。
【0013】
<システムアーキテクチャ>
以下では、本発明のシステムの実施の形態を、図1~6を参照して、より詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態による、人を扱うためのサポート構造の加圧を制御するシステム100を示す。システム100は、サポート構造101と、電源ユニット170と、1つまたは複数のセンサ140と、コントローラ130と、を備える。
【0015】
サポート構造は、ベース表面102に配置されるよう構成され、人を支える前面112と背面114とを有する本体110を含む。サポート構造の部分の概要を、図2図3a、および図3bに示す。図2は、サポート構造101の長手方向の延在方向(図5の長手方向の軸Aの方向、または軸Aに平行な軸の方向に対応する)に沿って見た断面図における本体110およびキャリアプレート120を示す。図3a、3bは、本体110の前面112を見たときに見られるサポート構造101の上面図、および本明細書に提示される実施の形態によるシステム100の一部の概略図を示す。
【0016】
本体110は、可撓性を有する第1材料で実質的に形成された少なくとも2つの細長い部分1の列を含む。それぞれの細長い部分1は、その長手方向の1つまたは複数の側面116に沿って、隣接する1つまたは複数の細長い部分1に取り付けられる。異なる例示的な実施の形態において、それぞれの細長い部分1は、溶接、接着、縫い付ける、または他の適切な取り付け方法により、隣接する1つまたは複数の部分1に取り付けられてもよい。細長い部分は、傾斜可能におよび回転可能に互いに対して取り付けられる。換言すると、それぞれの細長い部分1に対して、図5に示すように、細長い部分1の延長方向に延びる軸Aが定義される。このため、細長い部分は、軸Aまたは軸Aに平行な軸の周りの回転により、細長い部分1とその隣接する1つまたは複数の細長い部分1との間の回転角度を変化させることができるように取り付けられる。このため、本体110を、本明細書に提示される実施の形態による個別の加圧に従って異なる方法で湾曲させることができる。
【0017】
細長い部分1は、加圧および/または減圧される、例えば、空気圧または油圧で膨張または収縮されるよう適合される。以下、本出願の文脈において、加圧という用語は、圧力の増加、圧力の減少、膨張、または収縮のいずれかの意味で使用され得る。可撓性を有する第1材料は、細長い部分1に対して、それらが加圧されたときに、それらの形状および/または体積を変化させることを可能にする。1つまたは複数の有利な実施の形態によると、細長い部分1は、個別に加圧されるよう構成される。他の有利な実施の形態によると、細長い部分1の2つ以上のグループは、個別に加圧されるよう構成される。本明細書に記載される異なる実施の形態において、単一の細長い部分1、または2つ以上の細長い部分1を含むグループのいずれかは、加圧されるよう構成されたサポート構造の一部と呼ばれ得る。
【0018】
第1材料は、例えば、ポリマーまたは他の帆布、ナイロン系材料、または可撓性を含む適切な特性を有する別の材料であってもよい。電源ユニット170は、加圧されるよう適合されたサポート構造の1つまたは複数の部分、例えば、1つまたは複数の細長い部分1および/またはサポート構造101の1つまたは複数の傾斜セル、を加圧するよう適合される。実施の形態によると、システム100は、(後述する)細長い部分1および傾斜セル、または細長い部分1および/または傾斜セルのグループなどの、加圧されるよう適合されたサポート構造101のそれぞれの部分に対して、それぞれの弁104を含む。
【0019】
以下、加圧されるよう適合されたサポート構造101の部分は、読みやすくするために、サポート構造の部分と呼ばれることがある。
【0020】
加圧されるよう適合されたサポート構造101の部分は、弁104に接続された単一の細長い部分1または傾斜セルを含んでもよい。これは、図3aに細長い部分1として図示されている。あるいは、加圧されるよう適合されたサポート構造101の部分は、弁104に接続された細長い部分1および/または傾斜セルのグループを含んでもよい。これは、図3bに示される非限定的な例示的な構成により図示される。弁104は、2つの細長い部分1を含むサポート構造101の部分に接続され、弁104’は、単一の細長い部分1を含むサポート構造101の部分に接続され、弁104’’は、2つの細長い部分1を含むサポート構造101の部分に接続される。しかし、細長い部分1および/または傾斜セル6A、6b、14のグループ化に対して、多くの他のオプションが、もちろん実現可能である。
【0021】
いくつかの実施の形態において、サポート構造101は、
-それぞれの弁104に接続された単一の細長い部分1からなる1つまたは複数の部分
-それぞれの弁104に接続された単一の傾斜セルからなる1つまたは複数の部分、
-細長い部分1および/または傾斜セルのグループを含み、それぞれのグループはそれぞれの弁104に接続される、1つまたは複数の部分、
のうち、少なくとも2つの選択を含む。
【0022】
1つまたは複数の実施の形態において、加圧されるよう適合されたサポート構造101のそれぞれの部分は、それぞれの弁104を介して個別に加圧されるよう構成される。加圧されるよう構成されるサポート構造101の部分が単一の細長い部分1または傾斜セルである実施の形態において、細長い部分1および傾斜セルは、図3aに概略的に示すように、それぞれの弁104を介して個別に加圧されるよう構成される。加圧されるよう適合されたサポート構造101の部分が細長い部分1および/または傾斜セルのグループである実施の形態において、グループは、図3bに概略的に示すように、それぞれの弁104を介して個別に加圧されるよう構成される。
【0023】
データプロセッサ150は、1つまたは複数のセンサ140からのセンサ測定データに少なくとも基づいて、それぞれの弁104を介して加圧されるよう構成されたサポート構造のそれぞれの部分の個別の加圧を示す制御信号135を生成するよう構成される。および、コントローラ130は、制御信号135に応答して、電源ユニット170を制御して、それぞれの弁104を介して個別に加圧されるよう適合されたサポート構造101のそれぞれの部分を加圧するよう構成される。それぞれの弁104を介して個別に加圧するよう適合されたサポート構造101のそれぞれの部分における圧力の加圧/調整のために電源ユニット170を制御することにより、データプロセッサは、圧力センサ140からのセンサ測定データおよびデータベース190からのデータを取得し、センサ測定データをデータベース190から取得したデータと比較して、電源ユニット170の開始/停止、および/または選択された弁104の開/閉を示す制御信号を生成するよう構成されてもよい。
【0024】
電源ユニット170は、例えば、エアポンプ、コンプレッサ、または、油圧または空気圧による加圧を実行するよう構成された他の適切な電源ユニットであってもよい。電源ユニット170は、いくつかの実施の形態において、例えば、パルス幅変調、または他の周波数制御方法を使用してコントローラ130により制御されてもよい。
【0025】
キャリアプレート120は、前面122と背面124とを有する。キャリアプレート120は、可撓性を有するが第1材料よりも可撓性の小さい第2材料により形成される。言い換えると、第2材料は、第1材料よりも硬い。図の両矢印に示すように、それぞれの細長い部分1の背面114は、少なくとも1つの点4でキャリアプレート120の前面122に取り付けられる。それにより、少なくとも1つの細長い部分1を含む加圧されるよう適合された1つまたは複数の部分の加圧負荷/少なくとも部分的に膨張した状態において、キャリアプレート120は、図4に示すように、少なくとも部分的に凹状に湾曲した前面122を形成するよう適合される。図では、サポート構造101の曲率が対称であるように示されている。しかし、本明細書で説明されるように、少なくとも1つの細長い部分1を含む加圧されるよう適合されたすべての部分は、個別に加圧されるよう構成される。それにより、すべての細長い部分1はキャリアプレート120の前面側に配置されるため、キャリアプレート120が少なくとも部分的に凹状に湾曲した前面122を形成するよう適合されるという唯一の条件で、サポート構造101の曲率は非対称であってもよい。図4では、これは、距離D1およびD2でさらに図示される。D1は、本体110の背面114から見たときに、第1の細長い部分1の横方向中心(latitudinal center)から隣接する細長い部分1の横方向中心までの距離を示す。D2は、本体110の前面112から見たときに、第1の細長い部分1の横方向中心からその隣接する細長い部分1の横方向中心までの距離を示す。加圧するよう構成された部分(細長い部分1、細長い部分1のグループ、および/または傾斜セル6A、6B、14)のいずれもが加圧されない場合、D1およびD2は等しい、または限りなく等しくなる。しかし、少なくとも1つの細長い部分1を含む、加圧されるよう適合された1つまたは複数の部分が加圧負荷/少なくとも部分的に膨張した状態にあるとき、距離D2が小さくなり、従って、ペアの細長い部分1の少なくとも1つが加圧負荷/少なくとも部分的に膨張した状態にある、隣接する細長い部分1のすべてのペアに対して、距離D1は距離D2よりも大きくなる。言い換えると、キャリアプレート120は、少なくとも部分的に凹状に湾曲した前面122を得る。
【0026】
第2材料は第1材料よりも硬いため、サポート構造101に人が横たわっている、または座っているときに、キャリアプレートの湾曲は、少なくとも1つの細長い部分1を加圧することにより得られる形状を支持し、保持するのに役立つ。
【0027】
図10および図11に図示されるような、いくつかの実施の形態において、システム100は、統合されたマットレスまたはベッドレスト103を含んでもよい、または、別個のマットレスまたはベッドレスト103とともに使用することを意図されてもよい。言い換えると、マットレスまたはベッドレスト103は、サポート構造101の統合された部分であってもよい、または、サポート構造101がその上面で支えるよう適合された別個の部分であってもよい。サポート構造101は、さらに、マットレスまたはベッドレスト103の上で人を支えるよう構成される。いくつかの実施の形態において、システム100のサポート構造101は、マットレスまたはベッドレスト103の下に配置されてもよく、例えば、家庭環境、またはヘルスケアまたは高齢者施設におけるベッドで使用されてもよい。本開示の文脈において、何かが、サポート構造101に、支えられまたは配置され、または、サポート構造101に人が横たわったり座ったりすることが記載されている場合、サポート構造101と物または人との間に、マットレス、ベッドレストなどが配置されている場合も含まれる。
【0028】
再び図1を参照すると、システム100に含まれる1つまたは複数のセンサ140は、例えば、サポート構造のそれぞれの部分の内圧、この場合、1つまたは複数のセンサ140は1つまたは複数の圧力センサを含む、または、サポート構造101のそれぞれの部分の加速度、この場合、1つまたは複数のセンサ140はそれが含まれる細長い部分または傾斜セルの回転(X、Y、およびZ座標)を測定するよう構成された1つまたは複数の加速度計を含む、などのパラメータを計測するよう適合される。コントローラ130は、データプロセッサ150に通信可能に接続される。データプロセッサ150は、(図に示す例のように)コントローラ130に含まれても/統合されてもよいし、またはコントローラ130と別個のユニットであってもよい。
【0029】
データプロセッサ150は、1つまたは複数のセンサ140の少なくとも1つからの測定されたパラメータを示すセンサデータを受信し、1つまたは複数のセンサ140の少なくとも1つから受信したセンサデータに少なくとも基づいて、細長い部分1のそれぞれ、またはサポート構造101の他の部分に対する個別の加圧目標を示す制御信号135を生成するよう構成される。1つまたは複数の実施の形態において、データプロセッサ150は、例えば、1つまたは複数のセンサにより測定された圧力データおよび/または加速度データに基づいて、人の動きおよび/またはサポート構造101の部分の相対的な動き、例えば1つまたは複数の細長い部分および/または傾斜セルの傾斜、に関する情報を決定することにより、受信したセンサデータを処理するよう構成されてもよい。そのような実施の形態によると、データプロセッサ150は、処理されたセンサデータ、例えば、人の動きおよび/またはサポート構造101の部分の相対的な動きに関する情報、に少なくとも基づいて、細長い部分1のそれぞれ、またはサポート構造101の他の部分に対する個別の圧力目標を示す制御信号135を生成してもよい。センサ140は、所定の時間間隔で連続的にまたは離散的にデータを測定し、場合によってはデータを送信もするよう構成されてもよい。その結果、リアルタイムまたはリアルタイムに近い測定データ、およびその結果、リアルタイムまたはリアルタイムに近い適応した圧力制御が可能になる。
【0030】
1つまたは複数の細長い部分1および/または傾斜セルの加圧がサポート構造101の回転を引き起こすため、人の動き、傾斜セルが加圧されること、などにより引き起こされる回転は、リアルタイムでまたは略リアルタイムで、データプロセッサ150により直接検出可能である。このため、検出された回転に応答して、リアルタイムまたは略リアルタイムに、コントローラ130による電源ユニット170の制御をすることが可能になる。もちろん、例えば、本明細書に記載される圧力センサなどの、使用される他のタイプのインラインセンサに対しても同様である。それにより、サポート構造の動きのパターンを制御することができ、所与の個別の加圧目標をリアルタイムに更新して結果を最適化することができる。1つまたは複数の部分および/または傾斜セルの圧力変化および/または回転は、例えば、環境内での温度上昇、サポート構造101上の人の体温により引き起こされ、それゆえに、システム内の新しいまたは古い空気/液体の調整または導入を行い、および/または潜在的な漏れ、閉塞、および他の否定的な原因などにより偏りが引き起こされることがある。いくつかの実施の形態において、加圧の進行に関する情報および/またはシステムがどの程度うまく機能しているかに関する情報(例えば、良好、不良、中立)は、データベース190にフィードバックされる。この情報は、例えば、機械学習モジュール180に含まれるロジックを介して、その機能を学習および改善するために、システム100で使用することができる。データベース190に十分なデータが格納されると、システム100は、多かれ少なかれ自律的になるであろう。本明細書に提示される1つまたは複数の実施の形態において、システム100により提供される、制御信号135のような制御データは、本明細書に提示されるように、ユーザインタフェース160を介して入力を提供する人間のユーザによって、常に上書きされてもよい。
【0031】
非限定的な使用例において、サポート構造101の1つまたは複数の部分により到達されるそれぞれの所与の傾斜値は、システム100に設定されていてもよい。この例では、サポート構造101は、その元の位置から所与の傾斜値(複数でもよい)までの中間にあってもよく、データプロセッサ150は、データプロセッサ150により1つまたは複数のセンサ140との間で連続的にまたは離散的に送受信されるセンサデータからこれを認識している。受信したセンサデータから、データプロセッサは、例えば、定義された開始値と比較して、特定の加速度計または傾斜角度を測定するよう適合された他のセンサに関連付けられたサポート構造101の部分の傾斜角度を決定するよう構成されてもよい。また、サポート構造101の1つまたは複数の部分に関連付けられた1つまたは複数の圧力センサを介して内圧を測定することにより、データプロセッサ150は、例えば、2つの測定結果の間のサポート構造101の1つまたは複数の部分における圧力の変化、所与の開始値と比較した変化、または経時的な連続変化、を分析することにより、人が動いているかどうかを判定することができる。例えば、分析により、サポート構造の片側にある部分の圧力が増加している一方、サポート構造の反対側の側面の部分の圧力が減少していることが示されることがあり、データプロセッサは、これをサポート構造101上で人が移動している、すなわち、人の重心がサポート構造101の一方側から他方側へ移動していると解釈してもよい。この情報に基づいて、データプロセッサ150は、加圧されるよう適合されたサポート構造101の部分のそれぞれに対する個別の加圧目標を示す制御信号135を生成するよう構成されてもよい。非限定的な実施の形態において、これは、コントローラ130により使用するために、データプロセッサ150が、細長い部分1のそれぞれに対する個別の加圧目標を示す制御信号135を生成することを意味し得る。別の非限定的な実施の形態において、これは、コントローラ130により使用するために、データプロセッサ150が、細長い部分1の2つ以上のグループのそれぞれに対する個別の加圧目標を示す制御信号135を生成することを意味し得る。電源ユニット170は、加圧されるよう適合されたサポート構造101の1つまたは複数の部分、例えば、細長い部分1のそれぞれ、傾斜セルのそれぞれ、または細長い部分1および/または傾斜セルのグループのそれぞれ、を加圧するよう適合され、コントローラ130は、制御信号135に応答して、すなわち、制御信号135により示される/定義される個別の加圧目標により、電源ユニット170を制御して個別に加圧するよう構成されたサポート構造101の部分を加圧するよう構成される。
【0032】
いくつかの実施の形態において、センサ140は、本明細書に記載される細長い部分1および/または傾斜セルのそれぞれの中に配置されるインラインセンサであってもよい。それにより、システム100の加圧された部分の圧力および/または他のパラメータの継続的な測定を可能にし、および圧力の動的な適応のためコントローラ130およびデータプロセッサ150にフィードバックを提供する。これにより、例えば、サポート構造101上の、またはサポート構造101により囲まれた人の解剖学、睡眠パターン、および/または動きのパターンへの最適な適応が可能になる。1つまたは複数の実施の形態において、インラインセンサは、リアルタイム圧力値を測定するよう構成され、それにより、コントローラ130が、システム100の動作中に任意の所与の状態を再開することができる。他の入力もまた、コントローラ130に提供され、考慮に入れられてもよい。例えば、機械学習および/または訓練データライブラリなどに基づいて、入力装置、ユーザインタフェースを介して提供される。
【0033】
いくつかの実施の形態において、コントローラ130にフィードバックを提供するセンサ140は、インライン圧力センサを含む。この文脈では、システムの異なる部分、例えば、細長い部分1および/または傾斜セルのそれぞれ、における内圧を測定するよう構成されるセンサとして定義される。外部から誘導された圧力のみを測定するセンサと異なり、内圧の測定およびフィードバックにより、システムの膨張した/加圧された部分を完全に収縮/減圧させることができ、収縮/減圧プロセスの正確な進行状況をコントローラに通知し続けることができる。これは、例えば、初期設定を開始すること、コントローラ130にリアルタイムフィードバックを提供することによりサポート構造の細長い部分1および/または傾斜セルの加圧に対するより良い制御を可能にすること、および、システム100が加圧プロセスのどこにいるかを正確に判定することを可能にすること、などの多くの目的のために有利に使用され得る。
【0034】
個別の加圧目標は、所望の動き/特定の条件を取得するための動きに関するものであり、いくつかの非限定的な例によると、次の選択を含む。目覚めさせることなく、夜間に人を左右に非常にゆっくり回転させ(前後に傾斜させ)、動きを与え、その結果、圧力の低下、良好な血流、および筋肉の弛緩および軟化などを与えること。他の方法では、人を一定の動きに保ち、その結果、圧力を軽減し、良好な血流、筋肉の軟化などを与えること。健康な/完全に十分に動くことができる人が自動的に行うことができる動きまたは動きのスキーム、例えば、座る、ベッドから出る、横にまたは横から後ろに転がるなど、を提供すること。サポート構造は、長手方向(longitude direction)において可撓性を有するため、サポート構造が立った位置に現在ある場合、すなわち、上部111が中間部112に対して傾斜している場合であっても、運動刺激を与えることができる。本明細書に提示される実施の形態のいずれについても、システム100は、さらに、データプロセッサ150にユーザ入力パラメータを転送するよう構成されたユーザインタフェース160を備えていてもよい。データプロセッサ150は、これらの実施の形態において、ユーザ入力パラメータをユーザインタフェース160から受信するよう構成される。ユーザ入力パラメータは、これらの実施の形態において、好ましくは、ユーザインタフェース160に接続された1つまたは複数の入力装置と対話するユーザにより入力されたユーザコマンドに応答して生成される。1つまたは複数の入力装置は、キーボードおよび/またはコンピュータマウスまたは他のポインティングデバイス、タッチスクリーン、または他の適切な入力装置を含んでもよい。入力は、ユーザインタフェース160によりディスプレイに表示されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介して提供されてもよい。
【0035】
いくつかの実施の形態において、システム100は、さらに、電源ユニット(圧力ユニット170により加圧され得るシステム100の部分に対する個別の加圧目標に関する情報およびパラメータを記憶するよう構成されたデータベース190を含んでもよい。データベース190は、さらに、以下の選択に関連する情報およびパラメータを記憶するよう構成されてもよい。システム100に配置された人を識別する固有のユーザデータ、それぞれの識別された人に対する好ましい圧力設定に関する経験に基づくデータ、および、良好な睡眠の質を得るため、人が、動きまたは一連の動きを実施するのを補助するために、褥瘡または同様のリスクを低減するための好ましい圧力設定に関する経験に基づくデータ。
【0036】
1つまたは複数の実施の形態において、データベース190は、1つまたは複数のセンサ140から取得されたパラメータ、ユーザインタフェース160を介した手動のユーザ入力、機械学習モジュール180からの情報、および/または動作中に取得されたシステム100の他のユニットからのフィードバックにより更新される。
【0037】
データベース190で受信された情報は、例えば、人がサポート構造101の中にいる時間(これは、ある場合には、人がベッドにいる時間に関連付けられる)、人の医療的または他のニーズ、発生している問題など、基本的に、センサまたは手動の入力により測定することができる、および加圧/個別の加圧目標の制御に関連し得る、あらゆるタイプの情報を含んでもよい。コントローラ130は、さらに、データベース190から入力パラメータを受信し、上述のいずれかの実施の形態で取得された入力パラメータと組み合わせて、データベース190から受信した入力パラメータにも基づいて制御信号135を生成するよう構成されてもよい。
【0038】
いくつかの実施の形態では、システム100は、機械学習モジュール180を含む。機械学習モジュール180は、異なる人および/または医療状況または達成すべく定義された目的に対する好ましい圧力設定に関する経験に基づくデータを生成するよう構成されてもよい。経験に基づくデータを生成するために、機械学習モジュール180は、データベース190に記憶された情報およびパラメータ、1つまたは複数のセンサ140からのセンサデータ、ユーザインタフェース160を介して取得されたユーザ入力パラメータ、および/または現在のまたは過去の適用(application)に対する個別の加圧目標を示すコントローラ130からのデータを受信し処理するよう構成されてもよい。機械学習モジュールは、さらに、コントローラ130に経験に基づくデータを送信するよう構成されてもよい。コントローラ130は、さらに、上述のいずれかの実施の形態で取得された入力パラメータと組み合わせて、機械学習モジュール180から受信した入力パラメータに基づいて制御信号135を生成するよう構成されてもよい。
【0039】
いくつかの実施の形態では、図4および図5に示すように、それぞれの弁104を介して加圧されるよう適合されたサポート構造101の部分は、さらに、サポート構造101の第1長手方向側面に沿って、キャリアプレート120の背面124に取り付けられた2つ以上の膨張可能な側方傾斜セル6Aと、サポート構造101の第2長手方向側面に沿って、キャリアプレート120の背面124に取り付けられた2つ以上の膨張可能な側方傾斜セル6Bとを含む。第1長手方向は、細長い部分1のいずれかの軸Aに平行な軸に沿った方向に対応し、第2長手方向は、細長い部分1のいずれかの軸Aに平行な軸に沿った方向に対応する。それぞれの側面の2つ以上の膨張可能は側方傾斜セル6A、6Bは、加圧負荷(少なくとも部分的に膨張した)状態において、本体110とキャリアプレート120を長手方向の軸Aの周りに傾斜させるよう適合される。制御信号135は、さらに、システム100のそれぞれの側面の2つ以上の膨張可能な傾斜セル6A、6Bの個別の加圧目標を示してもよい。それにより、コントローラ130は、制御信号135に応答して、それぞれの側面の2つ以上の膨張可能な側方傾斜セル6A、6Bのそれぞれの加圧を個別に制御するようにも構成されてもよい。図6は、そのようなシナリオを示し、側方傾斜セル6Aはちょうど加圧(膨張)されており、側方傾斜セル6Bは減圧(収縮)されている。それにより、サポート構造が軸Aに平行な軸の周りに回転するようになっている。
【0040】
動けない人の圧力を軽減し、人の睡眠の質を改善するために現在のシステム100を使用する非限定的な例において、例えば、コントローラ130は、細長い部分1および側方傾斜セル6A、6Bの加圧を制御する。その結果、システム100のセンサ140からの継続的なフィードバックに基づいて経時的に適応される所定のパターンに従って側方傾斜セル6A、6Bを継続的に加圧および減圧することにより、サポート構造101の本体110は、その上に横たわっている人の周りにゆっくりと湾曲して良好なサポートを確保し、その後、夜間の時間帯に左右に最大で30度回転/傾斜する。この手順は、動きがゆっくりと穏やかに行われるため、人が容易に気付きにくいという利点がある。
【0041】
異なる実施の形態において、本体110は、その長手方向側面に垂直な軸のまわりに互いに対して傾斜可能であり、中間可撓性領域10のそれぞれの側面に配置される少なくとも2つの部分を含む。少なくとも2つの部分は、可撓性材料で形成され、少なくとも2つの部分が互いに対して傾斜したときにその形状を変えるよう適合された1つまたは複数のそれぞれの中間可撓性領域10を介して接続される。キャリアプレート120は、それに対応して、中間可撓性領域10のそれぞれの側面に配置された少なくとも2つの別個の部分を含んでもよい。図5図8、および図9に示すように、本体110は、例えば、上部111、中間部112、および下部113を含んでもよい。上部111と中間部112とは、その長手方向側面に垂直な軸の周りに互いに対して傾斜可能であり、第1中間可撓性領域10のそれぞれの側面に配置される。中間部112と下部113とは、その長手方向側面に垂直な軸の周りに互いに対して傾斜可能であり、第2中間可撓性領域10のそれぞれの側面に配置される。キャリアプレート120の少なくとも2つの別個の部分は、対応する上部121、中間部122、および下部123を含む。
【0042】
1つまたは複数の実施の形態において、それぞれの弁104を介して加圧されるよう適合されたサポート構造(101)の部分は、さらに、キャリアプレート120のそれぞれの部分の背面124に取り付けられた、1つまたは複数の膨張可能な長手方向傾斜セル14を含んでもよい。単一の膨張可能な長手方向傾斜セル14がキャリアプレートの上部121の背面124に取り付けられた実施の形態を、図8に示す。1つまたは複数の膨張可能な長手方向傾斜セル14は、加圧負荷(少なくとも部分的に膨張した)状態にあるとき、キャリアプレート120の選択された部分が取り付けられた本体110の一部、図8の例では上部111に相当する部分を、本体110の隣接する1つまたは複数の部分に対して傾斜されるよう適合されてもよい。その結果サポート構造101の上の人は、例えば、起き上がることを補助される。
【0043】
もちろん、本明細書に記載されるシステム100は本体またはキャリアプレートのいずれかの部分は特定の数に限定されず、任意の適切な数を適用することができる。本体を2つの傾斜部分に分割し、キャリアプレートを少なくとも2つの部分に分割し、キャリアプレートの部分の間の分割が本体の部分の分割と同じ位置に配置されることにより、1つ以上の膨張可能な長手方向傾斜セル14と組み合わせる場合、例えば、人の頭を持ち上げたり、より腰が立った座位にするためにシステム上に横になった人を補助して折り曲げる動き(folding motion)を十分に行うことができる。制御信号135の形式で表され、細長い部分1、膨張可能な側方傾斜セル6A、6B、および1つまたは複数の膨張可能な長手方向傾斜セル14の加圧のために電源ユニット(圧力ユニット170を制御するデータプロセッサにより使用される加圧目標は、人が起き上がるのを補助する目的を達成するために加圧することである。この加圧目標は、以前に、同じ人または異なる人に対して使用されてもよい。それにより、プリセット設定がデータベース190または機械学習モジュール180から取得可能であってもよい。あるいは、1つまたは複数のセンサ140が人による動きを登録してもよく、それは、データプロセッサにより位置を切り替えようとしていると解釈されてもよい。それにより、データプロセッサ130は、人の継続的な動きを補助するために適切な加圧パターン/フローを計算し、計算に基づいて制御信号を生成する。それにより、コントローラ130は、電源ユニット(圧力ユニット)170を制御して、細長い部分1と、側方傾斜セル6A、6Bと、1つまたは複数の長手方向傾斜セル14をそれに応じて加圧する。上述の3つの部分、上部、中間部、および下部(図5図8、および図9参照)により、より細かく調整された動きを達成することができる。
【0044】
部分/分割の数は、従って、システムの意図する用途に応じて適合されてもよい。
【0045】
さらに、図9に例示されるように、本体110とキャリアプレート120とが多数のそれぞれの部分に分割される場合、サポート構造101は、保管および持ち運びをより容易にするために、折りたたむことができる、または、巻き取ることさえできる。もちろん、少なくとも2つの部分があれば折りたたむことは可能である。しかし、サポート構造101の折りたたみおよび/または巻き取りのために最適な部分の数は、使用される材料、およびサポート構造101の使用される意図により異なってもよい。例えば、3つ(またはそれ以上)の部分により、サポート構造101が病院、高齢者福祉施設などの通常のベッドで使用できるようになる。3つの部分は、典型的には、サポート構造101が鏡のように構成され得る3つの傾斜可能な部分を含む。キャリアプレート120の材料は、さらに、加圧中にキャリアプレートがとる任意の形状を維持し、本体110の減圧の後に元の形状、すなわち実質的に平面に戻るのに十分な剛性を有するよう、有利に選択されてもよい。言い換えると、材料は塑性変形が起こるようなものであってはならない。キャリアプレート110の厚さは、使用される材料およびサポート構造101の意図する用途などの状況により選択されてもよい。正しい硬さを維持しながら、キャリアプレート120が選択された材料に対してできるだけ薄く保つことができる場合、上述のように、軽量化、小型化、および、最適化された折りたたみ、巻き取り、持ち運び、および折りたたみ特性につながるため、有利である。
【0046】
電源ユニット170は、1つまたは複数の側方傾斜セル6A、6Bおよび/または1つまたは複数の長手方向傾斜セル14を加圧するよう適合されてもよい。対応して、制御信号135は、さらに、1つまたは複数の側方傾斜セル6A、6Bおよび/または1つまたは複数の長手方向傾斜セル14のそれぞれの個別の加圧を示してもよい。実施の形態においては、1つまたは複数の側方傾斜セル6A、6Bおよび/または1つまたは複数の長手方向傾斜セル14のそれぞれは、サポート構造101の別個の部分を定義する。コントローラ130は、これらの実施の形態において、さらに、制御信号135に応答して、電源ユニット170を制御して、1つまたは複数の側方傾斜セル6A、6Bおよび/または1つまたは複数の長手方向傾斜セル14を個別に加圧するよう構成されてもよい。
【0047】
システム100のユニットは、互いと通信するために当技術分野において知られている、任意の適切な有線および/または無線の通信技術を使用するよう構成されてもよい。
【0048】
本明細書に提示された実施の形態による解決策は、自身の動きに対する制御を回復することによりユーザに力を与える。これは手で移動されることによる混乱および痛みがないことを意味する。医療従事者にとって、これは、重労働がなく、患者のケアのための時間が増えることを意味する。病院にとっては、コストの削減を意味する。
【0049】
意図されるユーザグループは、例えば、動きに難がある高齢者、身体の硬直により同様の問題を有する神経障害を持つ人々、血行不足、エアフロー(air flow)不足、睡眠の質の悪さなどに苦しむ人々など、本明細書に提示された実施の形態による解決策から大きな影響を受けるであろう。サポート構造は、高齢者福祉施設または病院だけでなく、家での在宅ケアまたは個人による自家用のために使用することができる。
【0050】
<方法の実施の形態>
図7は、サポート構造に配置された人を扱うためのサポート構造の加圧を制御する1つまたは複数の実施の形態による方法を示し、以下のステップを含む。
【0051】
ステップ710において、サポート構造に接続されたコントローラで、1つまたは複数のセンサから、サポート構造に配置された人の動きを示すセンサ測定データ、および/または、サポート構造の加圧された部分における圧力変化または他の変動または偏差を受信する。
【0052】
ステップ720において、コントローラに含まれるデータプロセッサにより、受信したセンサ測定データに少なくとも基づいて、加圧されるよう適合されたサポート構造の部分のそれぞれの個別の加圧を示す制御信号を生成する。
【0053】
異なる実施形態において、サポート構造の部分は、単一の細長い部分1、単一の傾斜セル、または単一の細長い部分1および/または傾斜セルの任意のグループまたは組み合わせを含んでもよい。
【0054】
1つまたは複数の実施の形態において、方法は、さらに、ユーザインタフェースを介して、ユーザ入力パラメータを受信するステップを含んでもよい。これらの実施の形態によると、制御信号を生成するステップは、さらに、受信したユーザ入力パラメータに基づいてもよい。
【0055】
1つまたは複数の実施の形態において、方法は、さらに、データプロセッサで、機械学習モジュールからの入力を受信してもよい。これらの実施の形態によると、制御信号を生成するステップは、センサ測定データおよび任意にユーザ入力パラメータとも組み合わせて、さらに、機械学習モジュールから受信した入力に基づいてもよい。
【0056】
ステップ730において、コントローラにより、制御信号に基づいて、サポート構造に接続された電源ユニットを制御して、加圧されるよう適合されたサポート構造のそれぞれの部分を個別に加圧するよう構成されてもよい。
【0057】
加圧は、空気圧または油圧によって誘導されてもよい。
【0058】
<さらなる実施の形態>
上述の図7を参照して説明したすべての処理ステップおよびステップの任意のサブシーケンスは、プログラムされたデータプロセッサにより制御されてもよい。さらに、図面を参照して説明した発明の実施の形態はデータプロセッサおよび少なくとも1つのプロセッサで実行される処理を含むが、従って、発明は、発明を実施するために適合された、コンピュータプログラム、特に、キャリア上またはキャリア内のコンピュータプログラムにも及ぶ。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、コード中間ソース、およびオブジェクトコードの形式、例えば、部分的にコンパイルされた形式で、または本発明による処理を実装するために使用される適切な任意の他の形式であってもよい。プログラムは、オペレーティングシステムまたは別個のアプリケーションのいずれかであってもよい。キャリアは、プログラムを実行することができる任意のエンティティまたは装置であってもよい。例えば、キャリアは、フラッシュメモリ、例えば、DVD(デジタルビデオ/多用途ディスク)、CD(コンパクトディスク)、または半導体ROMなどのROM(Read Only Memory)、EPROM(消去可能PROM)、EEPROM(電気的消去可能PROM)、または、例えばフロッピーディスクまたはハードディスクなどの磁気記憶媒体、などの記憶媒体を含んでもよい。さらに、キャリアは、電気ケーブルまたは光ケーブルを介して、または無線または他の手段により伝達され得る電気信号または光信号のような伝達可能なキャリアであってもよい。プログラムがケーブルまたは他の手段により直接伝達され得る信号で具体化される場合、キャリアはそのようなケーブルまたは装置または手段により構成されてもよい。
【0059】
あるいは、キャリアは、プログラムが埋め込まれた集積回路であってもよく、集積回路は、関連する処理を実行するためまたは関連する処理の実行に使用するために適合される。
【0060】
1つまたは複数の実施の形態において、少なくとも1つのデータプロセッサ、例えばデータプロセッサ150に通信可能に接続または結合されたメモリにロード可能なコンピュータプログラムが提供されてもよい。このコンピュータプログラムは、プログラムが少なくとも1つのデータプロセッサ150で実行される場合に、本明細書のいずれかの実施の形態による方法を実行するためのソフトウェアを含む。
【0061】
1つまたは複数のさらなる実施の形態において、プログラムが記録されたプロセッサ可読媒体が提供されてもよい。プログラムは、プログラムが少なくとも1つのデータプロセッサにロードされる場合に、少なくとも1つのデータプロセッサ、例えばデータプロセッサ150に本明細書のいずれかの実施の形態による方法を実行させる。
【0062】
本発明は、図面に記載された実施の形態に制限されないが、特許請求の範囲内で自由に変更してもよい。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11