(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】プラズマチャンバのための可変パターン分離格子
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20230327BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230327BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/302 101C
H01L21/205
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021181198
(22)【出願日】2021-11-05
(62)【分割の表示】P 2018536861の分割
【原出願日】2017-01-11
【審査請求日】2021-12-03
(32)【優先日】2016-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502278714
【氏名又は名称】マトソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mattson Technology, Inc.
【住所又は居所原語表記】47131 Bayside Parkway, Fremont, CA 94538, USA
(73)【特許権者】
【識別番号】520111187
【氏名又は名称】ベイジン イータウン セミコンダクター テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing E-Town Semiconductor Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 8 Building, No. 28 Jinghai Er Rd., Economic and Technical Development Zone, 100176 Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴラディーミル ネイゴーニー
(72)【発明者】
【氏名】シャウミン マ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジェイ エム. ヴァニアプラ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. パクルスキー
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-146268(JP,A)
【文献】特開平11-067737(JP,A)
【文献】特開2007-042609(JP,A)
【文献】特開2012-156261(JP,A)
【文献】特表2010-512031(JP,A)
【文献】特開2014-239210(JP,A)
【文献】特開2015-065434(JP,A)
【文献】特開2015-119177(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0102286(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0323508(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01L 21/3065
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理装置であって、前記プラズマ処理装置は、
プラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバから分離される処理チャンバと、
前記プラズマチャンバおよび前記処理チャンバを分離する可変パターン分離格子と、
を備え、
前記可変パターン分離格子は、複数の格子プレートを備え、
各格子プレートは
、複数のホールを有する格子パターンを有し、
前記格子プレートの少なくとも1つは、前記複数の格子プレート内の他の格子プレートに対して3方向の少なくとも1つの方向に並進して移動可能であり、前記可変パターン分離格子は、複数の異なる複合格子パターンを提供することができ、
前記複数の格子プレートは、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートを備え、前記第2の格子プレートは、前記第1の格子プレートに対して移動可能であり、
前記第2の格子プレートが第1の位置にあるとき、前記可変パターン分離格子は、第1の複合格子パターンを提供し、
前記第2の格子プレートが第2の位置にあるとき、前記可変パターン分離格子は、前記第1の複合格子パターンから第2の複合格子パターンに切り替わり、
前記第1の複合格子パターンでは、
前記可変パターン分離格子の第1の部分は、第1のホール密度を有し、
前記可変パターン分離格子の第2の部分は、第2のホール密度を有し、前記第2のホール密度は、前記第1のホール密度と異なり、
前記第2の複合格子パターンでは、
前記可変パターン分離格子の前記第1の部分は、前記第1のホール密度と異なる第3のホール密度を有し、
前記可変パターン分離格子の前記第2の部分は、前記第2のホール密度と異なる第4のホール密度を有し、
前記可変パターン分離格子の前記第1の部分および前記可変パターン分離格子の前記第2の部分は、前記可変パターン分離格子上の分離した個別の位置に配置され、
前記複数の異なる複合格子パターンの各々は、前記第1の格子プレートの前
記複数のホールの配置および前記第2の格子プレートの前
記複数のホールの配置と異なる、
プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記複数の異なる複合格子パターンは、疎の複合格子パターン、密の複合格子パターンおよび/または二重格子の複合格子パターンの1つまたは複数を備える、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記第2の複合格子パターンは、紫外線を遮断するように構成される二重格子の複合格子パターンである、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記第2の格子プレートは、前記第1の格子プレートに対して横方向に移動可能である、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記第2の格子プレートは、操作装置に結合され、前記操作装置は、前記第2の格子プレートを前記第1の格子プレートに対して移動するように構成される、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記第1の格子プレートおよび前記第2の格子プレートの1つまたは複数は、導電性である、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記第1の格子プレートおよび前記第2の格子プレートの1つまたは複数は、接地される、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
プラズマ処理装置のための分離格子であって、前記分離格子は、
複数のホールを有する第1の格子パターンを有する第1の格子プレートと、
前記第1の格子プレートに対して平行関係で間隔を置かれた第2の格子プレートであって、
複数のホールを有する第2の格子パターンを有する第2の格子プレートと、
を備え、
前記第2の格子プレートは、前記第1の格子プレートに対して3方向の少なくとも1つの方向に並進して移動可能であり、
前記第2の格子プレートが前記第1の格子プレートに対して第1の位置にあるとき、前記分離格子は、第1の複合格子パターンを提供し、
前記第2の格子プレートが第2の位置にあるとき、前記分離格子は、前記第1の複合格子パターンから第2の複合格子パターンに切り替わり、
前記第2の複合格子パターンは、前記第1の複合格子パターンと異なり、
前記第1の複合格子パターンでは、
前記分離格子の第1の部分は、第1のホール密度を有し、
前記分離格子の第2の部分は、第2のホール密度を有し、前記第2のホール密度は、前記第1のホール密度と異なり、
前記第2の複合格子パターンでは、
前記分離格子の前記第1の部分は、前記第1のホール密度と異なる第3のホール密度を有し、
前記分離格子の前記第2の部分は、前記第2のホール密度と異なる第4のホール密度を有し、
前記分離格子の前記第1の部分および前記分離格子の前記第2の部分は、前記分離格子上の分離した個別の位置に配置される、
分離格子。
【請求項9】
前記第1の複合格子パターンは、疎の複合格子パターンであり、
前記第2の複合格子パターンは、前記疎の複合格子パターンより大きいホール密度を有する密の複合格子パターンである、
請求項8に記載の分離格子。
【請求項10】
前記第2の複合格子パターンは、紫外線を遮断するための二重格子の複合格子パターンである、
請求項8に記載の分離格子。
【請求項11】
前記格子パターンは、円形のホールのみを有する、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記第1および第2の格子パターンは、円形のホールのみを有する、
請求項8に記載の分離格子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
[0001]本出願は、2016年1月15日に出願の米国仮特許出願番号第62/279,162号「Variable Pattern Separation Grid for Plasma Chamber」の優先権の利益を主張するものであり、この仮特許出願は、本願明細書に参照によって組み込まれる。
【0002】
分野
[0002]本発明は、概して、プラズマ源を用いて基板を処理するための装置、システムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
[0003]プラズマ処理は、半導体産業において、堆積、エッチング、レジスト除去ならびに半導体ウェーハおよび他の基板の関連する処理のために広く用いられている。プラズマ源(例えば、マイクロ波、ECR、誘導等)は、しばしば、プラズマ処理において用いられ、高密度プラズマおよび反応種を処理基板のために生成する。
【0004】
[0004]フォトレジストストリップ(例えば、ドライクリーン)除去処理のために、基板と直接的にプラズマ相互作用することが望ましくない場合がある。むしろ、プラズマを、ガス組成の修正のための中間体として主に用いて、基板を処理するための化学的活性基を作成することができる。したがって、フォトレジスト塗布のためのプラズマ処理装置は、基板が処理される処理チャンバを含むことができ、処理チャンバは、プラズマが生成されるプラズマチャンバから分離される。
【0005】
[0005]いくつかの応用では、格子を用いて、処理チャンバをプラズマチャンバから分離することができる。格子は、中性種を透過することができるが、プラズマからの荷電粒子を透過することができない。格子は、ホールを有する材料シートを含むことができる。処理に応じて、格子は、導電性材料(例えば、Al、Si、SiC等)または非導電性材料(例えば、クォーツ等)から作成可能である。
【0006】
[0006]
図1は、処理チャンバをプラズマチャンバから分離するのに用いることができる分離格子10の一例を表す。図示するように分離格子10は、複数のホール12を含むことができ、複数のホール12によって、中性種は、プラズマチャンバから処理チャンバに移動することができる。
【0007】
[0007]いくつかの応用では、プラズマから来る紫外線(UV)放射は遮断され、ウェーハ上の特徴に損傷を与えるのを減少する必要がありうる。これらの応用では、二重格子を用いることができる。二重格子は、2つの単一格子(例えば、上部および下部)を含むことができ、各格子上には、特別なパターンでホールが分布しているので、直接的な視線がプラズマチャンバと処理チャンバとの間に存在しない。
【0008】
[0008]分離格子のための格子パターンは、プラズマ処理の際のウェーハ全体における処理プロファイルを制御する有効な方法になりうる。他の処理パラメータ(例えば、ガス流、圧力等)を用いて、処理プロファイルを微調整することができる。処理化学は、ウェーハ全体における処理プロファイルに大きい影響を与えるため、分離格子は、典型的には、分離格子が設計される処理化学のみと互換性を有する。異なる処理を実行する必要がある場合、プラズマ処理チャンバの分離格子を変える必要がありうる。
【0009】
[0009]格子を変えることは、高価であり、長い手順になりえ、例えば、処理チャンバを開く必要がありうる。処理チャンバを開くことは、処理チャンバ内の真空を破ることになり、処理チャンバを空気にさらすことになりうる。処理チャンバは、空気にさらされた後、典型的には、再び修理されなければならない。すべての空気汚染物質が除去され、プラズマチャンバの壁および処理チャンバの壁が適切な処理条件に到達するまで、プラズマを用いて多数のウェーハを処理する修理が必要になりうる。さらに、ウェーハを処理するための処理フローは、中断する必要がありえ、これは、費用がかかるダウンタイムにつながる。
【0010】
[0010]この問題点のため、多数の製造業者は、処理チャンバを特定の処理に専用にして、各処理チャンバが、それ自身のために特別に調整された分離格子を有することによって、格子を変えることを回避する。ウェーハが異なる処理に使用される必要がある場合、ウェーハは、異なる処理チャンバに送信されうる。これは、不都合になりうるし、製造プロセスのフローを複雑にしうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0011]本発明の実施形態の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載される、または、説明から学習されうる、または、実施形態の実行によって学習されうる。
【0012】
[0012]本発明の1つの例示的態様は、プラズマチャンバと、プラズマチャンバから分離される処理チャンバと、を有するプラズマ処理装置に関するものである。装置は、プラズマチャンバおよび処理チャンバを分離する可変パターン分離格子をさらに含むことができる。可変パターン分離格子は、複数の格子プレートを含むことができる。各格子プレートは、1つまたは複数のホールを有する格子パターンを有することができる。複数の格子プレートの少なくとも1つは、複数の格子プレート内の他の格子プレートに対して移動可能であり、可変パターン分離格子は、複数の異なる複合格子パターンを提供することができる。
【0013】
[0013]本発明の他の例示的態様は、プラズマ処理装置のための分離格子に関するものである。分離格子は、第1の格子パターンを有する第1の格子プレートと、第1の格子プレートに対して平行関係で間隔を置かれた第2の格子プレートと、を含む。第2の格子プレートは、第2の格子パターンを有する。第2の格子プレートは、第1の格子プレートに対して移動可能であり、第2の格子プレートが第1の格子プレートに対して第1の位置にあるとき、分離格子は、第1の複合格子パターンを提供する。第2の格子プレートが第2の位置にあるとき、分離格子は、第2の複合格子パターンを提供する。第2の複合格子パターンは、第1の複合格子パターンと異なる。
【0014】
[0014]本発明の他の例示的態様は、基板をプラズマ処理装置内で処理する方法に関するものである。方法は、第1の基板を、プラズマチャンバから可変パターン分離格子によって分離される処理チャンバ内で受け取るステップを含む。可変パターン分離格子は、第1の格子パターンを有する第1の格子プレートと、第1の格子プレートに対して平行関係で間隔を置かれた第2の格子プレートと、を含む。第2の格子プレートは、第2の格子パターンを有することができる。方法は、第2の格子プレートの位置を第1の格子プレートに対して調整し、可変パターン分離格子に関連付けられた複合格子パターンを第1の複合格子パターンから第2の複合格子パターンまで調整するステップを含むことができる。第2の複合格子パターンは、第1の複合格子パターンと異なる。方法は、第1の基板を処理チャンバ内で中性種を用いて処理するステップを含むことができ、中性種は、プラズマチャンバから可変パターン分離格子を通り処理チャンバに移動する。
【0015】
[0015]本発明の他の例示的態様は、可変パターン分離格子を用いて基板をプラズマ処理するためのシステム、方法、装置およびプロセスに関するものである。
【0016】
[0016]各種実施形態のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の請求の範囲を参照してよりよく理解される。添付の図面は、この明細書内に組み込まれ、この明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を図示し、説明とともに関連する原則を説明するように機能する。
【0017】
[0017]当業者に向けられる実施形態に関する詳細な説明は、明細書に記載され、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】プラズマ処理装置内で使用可能な分離格子の一例を表す。
【
図2】本発明の例示的実施形態に従うプラズマ処理装置を表す。
【
図3】本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子の断面図を表す。
【
図4】A~Cは、本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子を用いた複合格子パターンの生成例を表す。
【
図5】A~Bは、本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子を用いた複合格子パターンの生成例を表す。
【
図6】本発明の例示的実施形態に従う第1の格子プレートおよび第2の格子プレート上の格子パターンの例を表す。
【
図7】本発明の例示的実施形態に従う第1の格子プレートおよび第2の格子プレート上の格子パターンの例を表す。
【
図8】A~Dは、本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子を用いた複合格子パターンの生成例を表す。
【
図9】本発明の例示的実施形態に従う第1の格子プレートおよび第2の格子プレート上の格子パターンの例を表す。
【
図10】A~Bは、本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子を用いた複合格子パターンの生成例を表す。
【
図11】本発明の例示的実施形態に従う例示的方法のフロー図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0028]以下、実施形態を詳細に参照し、その1つまたは複数の例が図面に示される。各例は、実施形態の説明の例として提供され、本発明を限定するものではない。事実、本発明の範囲または精神を逸脱せずに、実施形態をさまざまに修正および変形できることは、当業者にとって明らかである。例えば、一実施形態の一部として図示または記載されている特徴は、他の実施形態によって用いられ、さらなる実施形態を生じることができる。このように、本発明の態様がこの種の修正および変形をカバーすることが意図される。
【0020】
[0029]本発明の例示的態様は、基板、例えば、半導体ウェーハを処理するためのプラズマ処理チャンバのための可変パターン荷電分離格子に関するものである。本発明の態様は、図示および説明のために「ウェーハ」または半導体ウェーハを参照して説明される。当業者は、本願明細書に提供されている開示を用いて、本発明の例示的態様が任意の半導体基板または他の適切な基板に関連して使用可能であることを理解する。さらに、数値に関連する「約」という用語の使用は、述べられた数値の30%以内を意味することを意図する。
【0021】
[0030]いくつかの実施形態では、プラズマ処理装置は、可変パターン分離格子を含むことができ、可変パターン分離格子によって、特定の処理に調整されるように格子パターンを変えることができ、および/または、基板全体における所望の処理プロファイルを達成することができる。可変パターン分離格子は、複数の平行の格子プレートを含むことができ、各々の格子プレートは、それ自身の格子パターンを有する。複数の格子プレートの各々は、互いに対して移動し、全体の所望の複合格子パターンを作成することができる。例えば、複数の格子プレートは、互いに対して移動し、中央が密の複合格子パターン、縁が密の複合格子パターン、紫外線を遮断するための二重格子の複合格子パターンまたは他の複合格子パターンを作成することができる。複合格子パターンは、可変パターン分離格子内の複数の格子プレートによって生成される有効な格子パターンを意味する。このようにして、本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子は、処理チャンバを開ける必要なく、プラズマ処理装置内の分離格子の格子パターンを変えることができ、基板、例えば、半導体ウェーハの処理におけるコストおよび効率に関する大きな利点を提供する。
【0022】
[0031]本発明の1つの例示的実施形態は、プラズマ処理装置に関するものである。装置は、プラズマチャンバを含むことができる。装置は、プラズマチャンバから分離される処理チャンバを含むことができる。装置は、プラズマチャンバおよび処理チャンバを分離する可変パターン分離格子を含むことができる。可変パターン分離格子は、複数の格子プレートを含むことができる。各格子プレートは、1つまたは複数のホールを有する格子パターンを含むことができる。格子プレートの少なくとも1つは、複数の格子プレート内の他の格子プレートに対して移動可能であり、可変パターン分離格子は、複数の異なる複合格子パターンを提供することができる。いくつかの実施形態では、複数の異なる複合格子パターンは、例えば、疎の複合格子パターン、密の複合格子パターンおよび/または二重格子の複合格子パターンの1つまたは複数を含む。
【0023】
[0032]この例示的実施形態を変形および修正することができる。例えば、いくつかの実施形態では、複数の格子プレートは、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートを含むことができる。第2の格子プレートは、第1の格子プレートに対して移動可能とすることができる。第2の格子プレートが第1の位置にあるとき、可変パターン分離格子は、第1の複合格子パターンを提供することができる。第2の格子プレートが第2の位置にあるとき、可変パターン分離格子は、第2の複合格子パターンを提供することができる。いくつかの実施形態では、第1の複合格子パターンは、第1のホール密度を有することができ、第2の複合格子パターンは、第1のホール密度と異なる第2のホール密度を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の複合格子パターンは、紫外線を遮断するように構成される二重格子複合パターンとすることができる。
【0024】
[0033]いくつかの実施形態では、第1の複合格子パターンでは、可変パターン分離格子の第1の部分は、第1のホール密度を有し、可変パターン分離格子の第2の部分は、第2のホール密度を有する。第2のホール密度は、第1のホール密度と異なる。いくつかの実施形態では、第2の複合格子パターンでは、可変パターン分離格子の第1の部分は、第1のホール密度と異なる第3のホール密度を有し、可変パターン分離格子の第2の部分は、第2のホール密度と異なる第4のホール密度を有する。
【0025】
[0034]いくつかの実施形態では、第2の格子プレートは、第1の格子プレートに対して3次元の1つまたは複数の次元に移動可能である。いくつかの実施形態では、第2の格子プレートは、操作装置に結合され、操作装置は、第2の格子プレートを第1の格子プレートに対して移動するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートの1つまたは複数は、導電性である。いくつかの実施形態では、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートの1つまたは複数は、接地される。
【0026】
[0035]本発明の他の例示的実施形態は、プラズマ処理装置のための分離格子に関するものである。分離格子は、第1の格子パターンを有する第1の格子プレートと、第1の格子プレートに対して平行関係で間隔を置かれた第2の格子プレートと、を含む。第2の格子プレートは、第2の格子パターンを有する。第2の格子プレートは、第1の格子プレートに対して移動可能であり、第2の格子プレートが第1の格子プレートに対して第1の位置にあるとき、分離格子は、第1の複合格子パターンを提供する。第2の格子プレートが第2の位置にあるとき、分離格子は、第2の複合格子パターンを提供する。第2の複合格子パターンは、第1の複合格子パターンと異なる。
【0027】
[0036]この例示的実施形態を変形および修正することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の複合格子パターンは、疎の複合格子パターンとすることができ、第2の複合格子パターンは、疎の複合格子パターンより大きいホール密度を有する密の複合格子パターンとすることができる。いくつかの実施形態では、第2の複合格子パターンは、紫外線を遮断するための二重格子の複合格子パターンである。
【0028】
[0037]いくつかの実施形態では、第1の複合格子パターンでは、可変パターン分離格子の第1の部分は、第1のホール密度を有し、可変パターン分離格子の第2の部分は、第2のホール密度を有する。第2のホール密度は、第1のホール密度と異なる。いくつかの実施形態では、第2の複合格子パターンでは、可変パターン分離格子の第1の部分は、第1のホール密度と異なる第3のホール密度を有し、可変パターン分離格子の第2の部分は、第2のホール密度と異なる第4のホール密度を有する。
【0029】
[0038]本発明の他の例示的実施形態は、基板をプラズマ処理装置内で処理する方法に関するものである。方法は、第1の基板を、プラズマチャンバから可変パターン分離格子によって分離される処理チャンバ内で受け取るステップを含む。可変パターン分離格子は、第1の格子パターンを有する第1の格子プレートと、第1の格子プレートに対して平行関係で間隔を置かれた第2の格子プレートと、を含む。第2の格子プレートは、第2の格子パターンを有することができる。方法は、第2の格子プレートの位置を第1の格子プレートに対して調整し、可変パターン分離格子に関連付けられた複合格子パターンを第1の複合格子パターンから第2の複合格子パターンまで調整するステップを含むことができる。第2の複合格子パターンは、第1の複合格子パターンと異なる。方法は、第1の基板を処理チャンバ内で中性種を用いて処理するステップを含むことができ、中性種は、プラズマチャンバから可変パターン分離格子を通り処理チャンバに移動する。
【0030】
[0039]この例示的実施形態を変形および修正することができる。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、第2の基板を処理チャンバ内で受け取るステップと、第2の格子プレートの位置を第1の格子プレートに対して調整し、可変パターン分離格子に関連付けられた複合格子パターンを第2の複合格子パターンから第1の複合格子パターンまで調整するステップと、第2の基板を処理チャンバ内で中性種を用いて処理するステップであって、中性種は、プラズマチャンバから可変パターン分離格子を通り処理チャンバに移動するステップと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の複合格子パターンは、疎の複合格子パターンとすることができ、第2の複合格子パターンは、疎の複合格子パターンより大きいホール密度を有する密の複合格子パターンとすることができる。
【0031】
[0040]
図2は、本発明の例示的実施形態に従うプラズマ処理装置を表す。図示するように、プラズマ処理装置100は、処理チャンバ110と、処理チャンバ110から分離されるプラズマチャンバ120と、を含む。処理チャンバ110は、基板ホルダまたは台112を含み、基板ホルダまたは台112は、処理される基板114、例えば、半導体ウェーハを保持するように動作可能である。この図示例では、プラズマは、プラズマチャンバ120(すなわち、プラズマ生成領域)内で誘導プラズマ源によって生成され、所望の粒子は、プラズマチャンバ120から本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子200を通り基板114の表面に移動する。
【0032】
[0041]プラズマチャンバ120は、誘電体側壁122および天井124を含む。誘電体側壁122、天井124および格子200は、プラズマチャンバ内部125を定義する。誘電体側壁122は、任意の誘電材料(例えば、クォーツ)から形成可能である。誘導コイル130は、誘電体側壁122に隣接してプラズマチャンバ120の周りに配置される。誘導コイル130は、適切な整合回路132を介してRF電力生成器134に結合される。反応物および搬送ガスは、ガス供給150および環状ガス分配チャネル151または他の適切なガス導入機構からチャンバ内部に提供可能である。誘導コイル130がRF電力生成器134からのRF電力によって付勢されるとき、プラズマは、プラズマチャンバ120内で生成される。特定の実施形態では、プラズマ反応器100は、任意のファラデーシールド128を含み、誘導コイル130のプラズマに対する容量結合を減少することができる。
【0033】
[0042]
図2に示すように、可変パターン分離格子200は、互いに平行関係で間隔を置かれた第1の格子プレート210および第2の格子プレート220を含むことができる。第1の格子プレート210および第2の格子プレート220は、ある距離で分離可能である。第1の格子プレート210は、複数のホールを有する第1の格子パターン212を有することができる。第2の格子プレート220は、複数のホールを有する第2の格子パターン222を有することができる。第1の格子パターン212は、第2の格子パターン222と同一でも異なってもよい。荷電粒子は、可変パターン分離格子200内の各格子プレート210、220のホールを通るそれらの経路における壁上で再結合することができる。中性種は、比較的自由に第1の格子プレート210および第2の格子プレート220内のホールを通って流れることができる。各格子プレート210および220のホールのサイズおよび厚さは、荷電粒子および中性粒子の両方のための透過性に影響を及ぼしうるが、荷電粒子により強く影響を及ぼしうる。
【0034】
[0043]いくつかの実施形態では、第1の格子プレート210は、金属(例えば、アルミニウム)または他の導電性材料から作成可能である、および/または、第2の格子プレート220は、導電性材料または誘電材料(例えば、クォーツ、セラミック等)から作成可能である。いくつかの実施形態では、第1の格子プレート210および/または第2の格子プレート220は、他の材料(例えば、シリコンまたは炭化ケイ素)から作成可能である。格子プレートが金属または他の導電性材料から作成された場合、格子プレートは、接地可能である。
【0035】
[0044]第1の格子プレート210および第2の格子プレート220は、互いに対して移動するように構成可能である。例えば、例示的実施形態では、第1の格子プレート210は、処理チャンバ110および/またはプラズマチャンバ120の壁に固定または取り付け可能である。第2の格子プレート220は、第1の格子プレート210から間隔を置かれ、操作装置230に固定可能である。操作装置230は、第1の格子プレート210に対して第2の格子プレート220を、3次元の1つまたは複数の次元に(例えば、x軸、y軸および/またはz軸の1つまたは複数に沿って)移動するように構成可能である。操作装置230は、第2の格子プレート220を移動するための任意の適切な装置とすることができ、例えば、モータ、エンコーダ、アクチュエータまたは他の適切な装置を含むことができる。
【0036】
[0045]本発明の例示的態様は、図示および説明のために、2つの平行の格子プレートを有する可変パターン分離格子に関して説明される。当業者は、本願明細書の開示を用いて、他の数の格子プレート、例えば、3つの格子プレート、4つの格子プレート、5つの格子プレート等を、本発明の範囲から逸脱せずに用いることができることを理解する。さらに、格子プレートは、本発明の範囲から逸脱せずに、互いに非平行に配置されてもよい。
【0037】
[0046]例示的実施形態では、第2の格子プレート220は、第1の格子プレート210に対して移動することができ、第2の格子プレート220が第1の位置にあるとき、第1の格子プレート210および第2の格子プレート220からの一致するホールは、複合格子パターンを生成し、この複合格子パターンは、1つの領域において密でもよい(例えば、中央において密)。第2の格子プレート220が第2の位置にあるとき、第1の格子プレート210および第2の格子プレート220からの一致するホールは、複合格子パターンを生成することができ、この複合格子パターンは、他の領域において密でもよい(例えば、縁において密)。いくつかの実施形態では、第2の格子プレート220は、第3の位置に移動し、他のパターンを形成する、および/または、紫外線を遮断するための二重格子を形成することができ、二重格子では、第1の格子プレート210および第2の格子プレート220からのホールの少なくとも一部は一致しない。
【0038】
[0047]例示的実施形態では、第1の格子プレート210および第2の格子プレート220の各々は、ホールの同一の格子パターン(例えば、三角形パターン、正方形パターン、六角形パターン等)を有することができる。
図3に示すように、第1の格子プレート210および第2の格子プレート220は、二重格子の複合格子パターンを形成するように互いに対して位置決めされ、紫外線が可変パターン分離格子200を透過するのを防止することができる。いくつかの実施形態では、格子プレート210および220のホールのサイズDは、格子プレートのホール間の距離Lより小さくし、ホールが互いに対してシフトし、他の格子プレートのホールに重複しないまたは部分的に重複することができる。さらに、各格子プレートの厚さHおよび格子プレート間の距離hは、紫外線が可変パターン分離格子を透過するのを防止するように選択可能である。
図3に示すように、各格子プレートの厚さH、ホールのサイズD、格子プレート間の距離hおよびホール間の距離Lは、紫外線235が第2の格子プレート220によって完全に遮断される一方、ガスがほぼ自由に流れるように選択可能である。
【0039】
[0048]
図4A~
図4Cは、本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子を用いた二重格子の複合格子パターンの変化の形成例を表す。より詳しくは、
図4Aは、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートを有する可変パターン分離格子によって形成可能な複合格子パターン300を示し、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートは、同一の格子パターンを有する。各格子プレート上の格子パターンは、正方形の格子パターンとすることができる。
図4Aにおいて、第2の格子プレートは、第1の格子プレートのホール302が第2の格子プレートのホール304に一致または整列配置するように、第1の格子プレートに対して位置決め可能である。ホール302、304内に表される十字は、ホール302、304が重複することを示す。このように、
図4Aに示される正方形の格子パターンを形成することができる。
【0040】
[0049]
図4Bでは、矢印305によって示されるように、第2の格子プレートは、第1の格子プレートに対して増分するように(または逆もまた同じ)x方向に沿ってシフトされ、二重格子パターン306を形成することができる。示すように、第1の格子プレート内のホール302は、第2の格子プレート内のホール304にもはや一致せず、
図4Bに示される二重格子パターン306を形成する。第2の格子プレート内のホール304は、図において斜線が付けられ、第1の格子プレート内のホール302から区別される。
【0041】
[0050]同様に、
図4Cでは、矢印310によって示されるように、第2の格子プレートは、第1の格子プレートに対して増分するように(または逆もまた同じ)x方向およびy方向に沿ってシフトされ、異なる二重格子パターン308を形成することができる。示すように、第1の格子プレート内のホール302は、第2の格子プレート内のホール304にもはや一致せず、
図4Cに示される二重格子パターン308を形成する。このようにして、同一の格子パターンを有する格子プレートは、互いに対して増分するようにシフトされ、異なる二重格子の複合格子パターンを形成することができる。
【0042】
[0051]
図5Aおよび
図5Bは、本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子を用いた格子パターンの変化の他の形成例を表す。
図5Aは、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートを有する可変パターン分離格子によって形成可能な格子パターン320を示し、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートは、同一の三角形格子パターンを有する。破線は、格子パターンを三角形パターン要素に分割する一例を表す。
【0043】
[0052]
図5Aでは、第2の格子プレートは、第1の格子プレートのホール322が第2の格子プレートのホール324に一致または整列配置するように、第1の格子プレートに対して位置決め可能である。ホール322、324内に表される十字は、ホール322、324が重複することを示す。このように、
図5Aに示される三角形格子パターンを形成することができる。
【0044】
[0053]
図5Bでは、矢印325によって示されるように、第2の格子プレートは、第1の格子プレートに対して増分するように(または逆もまた同じ)x方向およびy方向に沿ってシフトされ、二重格子パターン326を形成することができる。示すように、第1の格子プレート内のホール322は、第2の格子プレート内のホール324にもはや一致せず、
図5Bに示される二重格子パターン326を形成する。第2の格子プレート内のホール324は、図において斜線が付けられ、第1の格子プレートのホール322から区別される。さまざまな他の格子パターンは、本発明の範囲から逸脱せずに、第1の格子プレートおよび第2の格子プレート上で実施可能である。
【0045】
[0054]いくつかの実施形態では、可変パターン分離格子内の平行の格子プレートの各々上の格子パターンは、セルまたは他の基本構成要素に再分割可能である。各セルは、1つまたは複数のホールと、ホールなしの1つまたは複数の空間と、を含むことができる。各セル内の1つまたは複数のホールは、第1の密度、第2の密度等を有する異なるパターンを形成することができる。可変パターン分離格子内の1つの格子プレートの各セルを、他の格子プレートに対してシフトすることに応じて、1つまたは複数の密度のパターン変化および二重格子パターン(例えば、ゼロ密度)さえも、可変パターン分離格子を用いて生成することができる。
【0046】
[0055]
図6は、例えば、格子パターンをセルに分割する一例を表す。より詳しくは、第1の格子プレートは、第1の格子パターン410を含むことができ、第2の格子プレートは、第2の格子パターン420を含むことができる。第1の格子パターン410は、セル、例えば、セル415に分割可能である。セル415は、特定のパターンに配置されるホール412と、ホールなしの空間と、を含む。同様に、第2の格子パターン420は、セル、例えば、セル425に分割可能である。セル425は、特定のパターンに配置されるホール422と、ホールなしの空間と、を含むことができる。セル415のサイズは、セル425のサイズと同一とすることができる。
【0047】
[0056]
図7は、格子パターンをセルに分割する他の例を表す。より詳しくは、第1の格子プレートに関連付けられた第1の格子パターン410は、より大きいセル、例えば、セル415’に分割される。セル415’のホールパターンは、
図6のセル415のホールパターンと異なる。同様に、
図7に示すように、第2の格子プレートに関連付けられた第2の格子パターン420は、より大きいセル、例えば、セル425’に分割される。セル425’のホールパターンは、
図6のセル425のホールパターンと異なる。セル415’のサイズは、セル425’のサイズと同一とすることができる。
【0048】
[0057]
図6および
図7によって示されるように、可変パターン分離格子内のそれぞれの格子プレートの格子パターンは、異なるセルに任意の適切な方法で分割され、各セル内のホール密度およびホールパターンを変化するセルを達成することができる。それぞれの格子プレート内のセルを互いに対してシフトすることは、複合格子パターン、例えば、疎の格子パターン、密の格子パターン、二重格子パターンおよび他の格子パターンの変化の生成を達成することができる。
【0049】
[0058]
図8A~
図8Dは、疎の複合格子パターン、密の複合格子パターンおよび/または二重格子の複合格子パターンの生成例を表し、これらのパターンは、本発明の例示的実施形態に従って、
図6のセル415および425を互いに対してシフトすることによって生成される。より詳しくは、
図8Aは、可変パターン分離格子を用いて実施可能な疎の格子パターン430を表す。示すように、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートは、セル415および425が重複するように位置決めされる。このように、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートのホールが重複するホール435を有する疎の格子パターン430を生成することができる。ホール435は、他のホールより暗く斜線が付けられ、第1の格子プレートおよび第2の格子プレートのホールがどこで一致または重複するかを示す。
【0050】
[0059]
図8Bに示すように、可変パターン分離格子は、第1および/または第2の格子プレートを互いに対して移動することによって、密の格子パターン440を生成するように制御可能であり、第2のセル425は、1/3のステップ(例えば、セルの1/3の長さ)だけx方向に第1のセル415に対してシフトされる。このように、第1の格子プレートのホールおよび第2の格子プレートのホールが重複するホール445を有する密の格子パターン440を生成する。
図8Bに示すように、密の複合格子パターン440のホール445の数は、疎の複合格子パターン430のホール435の数より多い。
【0051】
[0060]
図8Cに示すように、可変パターン分離格子は、第1および/または第2の格子プレートを互いに対して移動することによって、二重格子パターン450を生成するように制御可能であり、第2のセル425は、1/2ステップ(例えば、セルの1/2の長さ)だけ-y方向に第1のセル415に対してシフトされる。このように、第1の格子プレートと第2の格子プレートとの間で重複するホールが存在しない二重格子パターン450を生成する。
【0052】
[0061]同様に、
図8Dに示すように、可変パターン分離格子は、第1および/または第2の格子プレートを互いに対して移動することによって、他の二重格子パターン460を生成するように制御可能であり、第2のセル425は、1/3のステップ(例えば、セルの1/3の長さ)だけx方向に第1のセル415に対してシフトされ、1/4のステップ(例えば、セルの1/4の長さ)だけ-y方向に第1のセル415に対してシフトされる。このように、第1の格子プレートと第2の格子プレートとの間で重複するホールが存在しない異なる二重格子パターン460を生成する。
【0053】
[0062]いくつかの実施形態では、可変パターン分離格子内の格子プレートの各々は、格子プレートの異なる部分で異なるホール密度を有する格子パターンを有することができる。例えば、格子プレートの各々は、比較的密の第1の部分および比較的疎の第2の部分を含むことができる。格子プレートは、互いに対してシフトされ、変化する密度の格子パターンおよび/または同一またはほぼ同一の格子パターンを生成することができる。例えば、一実施形態では、格子プレートは、互いに対してシフトされ、可変パターン分離格子の第1の部分(例えば、中央部)が比較的疎から比較的密に切り替わるとともに、可変パターン分離格子の第2の部分(例えば、周辺部分)が比較的密から比較的疎に切り替わることができ、逆もまた同じである。
【0054】
[0063]
図9は、例えば、第1の格子プレート510および第2の格子プレート520の一例を表す。第1の格子プレート510は、第1の格子プレート510の第1の部分内の第1の格子パターン512および第1の格子プレート510の第2の部分内の第2の格子パターン514を有する。第1の格子パターン512は、第2の格子パターン514と異なる。第2の格子プレート520は、第2の格子プレート520の第1の部分内の第1の格子パターン522および第2の格子プレート520の第2の部分内の第2の格子パターン524を有する。第1の格子パターン522は、第2の格子パターン524と異なる。
【0055】
[0064]
図10Aは、第1の格子プレート510および第2の格子プレート520が互いに対して第1の位置にあるときの可変パターン分離格子の格子パターンを示す。示すように、可変パターン分離格子は、第1の格子パターン532を可変パターン分離格子の比較的疎の第1の部分(例えば、中央部)に含む。第1の格子パターン532は、第1の格子プレート510および第2の格子プレート520のホールが重複するホール535を含む。可変パターン分離格子は、第2の格子パターン534を可変パターン分離格子の比較的密の第2の部分(例えば、周辺部分)にさらに含む。第2の格子パターン534は、第1の格子プレート510および第2の格子プレート520のホールが重複するホール535を含む。
【0056】
[0065]
図10Bは、第1の格子プレート510および/または第2の格子プレート520が互いに対してx方向にあったときの可変パターン分離格子の格子パターンを示す。
図10Bに示すように、このように、可変パターン分離格子のための異なる格子パターンを作成する。異なる格子パターンは、第1の格子パターン542を可変パターン分離格子の比較的密の第1の部分(例えば、中央部)に含む。第1の格子パターン542は、第1の格子プレート510および第2の格子プレート520のホールが重複するホール545を含む。可変パターン分離格子は、第2の格子パターン544を可変パターン分離格子の比較的疎の第2の部分(例えば、周辺部分)にさらに含む。第2の格子パターン544は、第1の格子プレート510および第2の格子プレート520のホールが重複するホール545を含む。
【0057】
[0066]複合格子パターンの例は、本願明細書において図示および説明のために説明される。当業者は、本願明細書に提供されている開示を用いて、本発明の例示的実施形態に従う可変パターン分離格子が、多種多様な複合格子パターンを、異なる処理条件および/または応用のために、本発明の範囲から逸脱せずに作成するのに用いられると理解する。
【0058】
[0067]いくつかの実施形態では、格子プレート間の距離は調整され、流れプロファイルを制御する役割を果たすことができる。例えば、格子プレート間の距離が比較的小さい場合、密領域と疎領域との間の格子流れ伝導率の比率は、約2とすることができる。しかしながら、格子プレート間の距離が大きい場合、不一致のホールを通る第2の流れは無視できず、この比率は減少する。このように、格子プレート間の距離は調整され、1つのプロファイルから他のプロファイルまで変えることができる、または、ガス流プロファイルを1つのゾーン(例えば、中央)から他のゾーン(例えば、縁)までより小さく変えることができる。300mmのウェーハ処理に用いられる典型的な格子では、格子プレート間の距離は、約0.5mm~約2mmの範囲とすることができる。450mmのウェーハ処理のために、格子はより厚くすることができるので、格子間の距離は、より大きくすることができる。一方、より小さいウェーハ(例えば、2インチ、4インチ、6インチ、8インチ)のために、より薄い格子および格子プレート間のより小さい距離を選択してもよい。
【0059】
[0068]いくつかの実施形態では、複数の格子プレートの1つまたは複数は、格子プレート全体において可変サイズのホールを含む。このように1つの流れパターンから他の流れパターンに切り替えるとき、縁/中央の流れ比率のダイナミックレンジを著しく増加することができる。
【0060】
[0069]例示的実施形態では、方法は、基板をプラズマ処理装置の処理チャンバ内で受け取るステップを含むことができる。方法は、可変パターン分離格子の1つまたは複数の格子プレートの位置を調整するステップを含み、複合格子パターンを生成し、プラズマをプラズマ処理装置のプラズマチャンバ内で生成することができる。1つまたは複数の格子プレートの位置は、基板を処理するための処理タイプに少なくとも部分的に基づいて調整可能であり、および/または、基板表面全体における所望の処理プロファイルを取得することができる。
【0061】
[0070]
図11は、例えば、本発明の例示的実施形態に従って、基板をプラズマ処理装置内で処理する例示的方法(600)のフロー図を表す。
図11は、例えば、
図2に表されるプラズマ処理装置100を用いて実施可能である。さらに、
図11は、図示および説明のために特定の順番で実行されるステップを表す。当業者は、本願明細書に提供される開示を用いて、本願明細書に開示される方法のいずれかのさまざまなステップが、本発明の範囲から逸脱することなくさまざまな方法で、構成され、変更され、再構成され、同時に実行され、省略され、および/または、拡大されうることを理解する。
【0062】
[0071]602において、方法は、第1の基板をプラズマ処理装置の処理チャンバ内で受け取るステップを含むことができる。処理チャンバは、プラズマチャンバから分離格子によって分離可能である。分離格子は、複数の格子プレートを有する可変分離格子とすることができる。格子プレートは、互いに対して移動し、本発明の例示的実施形態に従う複合格子パターンを作成することができる。第1の基板は、処理チャンバ内に、例えば、ロボットまたは他の適切な基板搬送機構を用いて配置可能である。
【0063】
[0072]604において、方法は、可変分離格子を調整するステップを含むことができる。例えば、格子プレートは、分離格子内の他の格子プレートに対して移動し、所望の複合格子パターンを作成することができる。複合格子パターンは、第1の基板のための所望の処理タイプに基づいて、および/または、第1の基板のための所望の処理プロファイルに少なくとも部分的に基づいて選択可能である。いくつかの実施形態では、可変分離格子は、第1の複合格子パターンから第2の複合格子パターンまで調整可能である。いくつかの実施形態では、第1の複合格子パターンは、疎の格子パターンとすることができ、第2の複合格子パターンは、密の格子パターンとすることができ、または逆もまた同じである。いくつかの実施形態では、第2の複合格子パターンは、二重格子パターンとすることができる。本願明細書に記載されているように、他の適切な複合格子パターンを用いることができる。
【0064】
[0073]606において、方法は、第1の基板を処理チャンバ内で処理するステップを含むことができる。例えば、中性粒子は、プラズマチャンバから分離格子を通り処理チャンバに移動し、第1の基板を処理することができる。第1の基板は、第1の処理タイプに従っておよび/または基板全体における第1の処理プロファイルに従って処理可能である。
【0065】
[0074]608において、方法は、第1の基板を処理チャンバから除去するステップを含むことができる。例えば、ロボットまたは他の基板搬送機構を用いて、第1の基板を処理チャンバから搬送することができる。
【0066】
[0075]610において、方法は、第2の基板を受け取るステップを含むことができる。第2の基板は、処理チャンバ内に、例えば、ロボットまたは他の基板搬送機構によって配置可能である。本発明の例示的実施形態に従って、第2の基板が、第1の基板と異なる処理タイプおよび/または処理プロファイルを用いて処理されうる場合であっても、分離格子を変えるためにプラズマ処理装置を開ける必要なく、第2の基板を処理チャンバ内に配置することができる。
【0067】
[0076]612において、方法は、可変分離格子を調整するステップを含むことができる。例えば、1つの格子プレートは、分離格子内の他の格子プレートに対して移動し、所望の複合格子パターンを作成することができる。複合格子パターンは、第2の基板のための所望の処理タイプに基づいて、および/または、第2の基板のための所望の処理プロファイルに少なくとも部分的に基づいて選択可能である。いくつかの実施形態では、可変分離格子は、第2の複合格子パターンから第1の複合格子パターンまで調整可能である。いくつかの実施形態では、第1の複合格子パターンは、疎の格子パターンとすることができ、第2の複合格子パターンは、密の格子パターンとすることができ、または逆もまた同じである。いくつかの実施形態では、第2の複合格子パターンは、二重格子パターンとすることができる。本願明細書に記載されているように、他の適切な複合格子パターンを用いることができる。
【0068】
[0077]614において、方法は、第2の基板を処理チャンバ内で処理するステップを含むことができる。例えば、中性粒子は、プラズマチャンバから分離格子を通り処理チャンバに移動し、第2の基板を処理することができる。第2の基板は、第2の処理タイプに従って、および/または、基板全体において第2の処理プロファイルに従って処理可能である。第2の処理タイプは、第1の処理タイプと異なることができる。第2の処理プロファイルは、第1の処理プロファイルと異なることができる。
【0069】
[0078]本発明の内容が特定の例示的実施形態に関して詳述されてきたが、当業者は、上述したことを理解すると、この種の実施形態の代替物、変更物および均等物を容易に生成することができる。したがって、本発明の範囲は、例示であり、制限するものではなく、本件開示が、現在の内容に対するこの種の修正、変形および/または追加を含むことを排除しないことは、当業者にとって容易に明らかである。