(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】表面仕上げ材
(51)【国際特許分類】
B32B 7/023 20190101AFI20230327BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B32B7/023
B32B27/00 E
(21)【出願番号】P 2021510072
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(86)【国際出願番号】 KR2019005949
(87)【国際公開番号】W WO2020040405
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2018-0098949
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0098950
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0098951
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509286787
【氏名又は名称】エルエックス・ハウシス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LX HAUSYS,LTD.
【住所又は居所原語表記】98, Huam-ro, Jung-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ギジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウホン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ビョンギョ
(72)【発明者】
【氏名】アン,ジョンシク
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンクク
【審査官】深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-193208(JP,A)
【文献】特開2008-279686(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0120079(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B29B 17/00-17/04
C08J 7/04- 7/06、11/00-11/28
B29C 48/00-48/96、63/00-63/48
B29C 65/00-65/82
E04F 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バージン合成樹脂を含む上層;
前記バージン合成樹脂を含む下層;及び、
前記上層と前記下層との間に配置された、再生合成樹脂を含む中間層;とを含み、
前記上層と前記下層の厚さの比が2:1~3
:1であり、
△E1が、0.5超であり、前記△E1は、前記上層側で測定されたCIE LAB色座標と、前記下層側で測定されたCIE LAB色座標との間の色差である、
表面仕上げ材。
【請求項2】
△E2が、0.2以下であり、前記△E2は、前記上層と前記下層のうちのいずれかの側で測定された、独立した領域のCIE LAB色座標間の色差である、
請求項1に記載の表面仕上げ材。
【請求項3】
前記上層と前記下層のうち少なくとも一つは、極性官能基をさらに含む、
請求項1に記載の表面仕上げ材。
【請求項4】
第1の機能層;をさらに含み、
前記第1の機能層は、耐スクラッチ強化層、眩しさ防止層(AR)、及び反射防止層(AR)のうち少なくとも一つとして機能し、
前記上層は、前記第1の機能層と前記中間層との間に配置された、
請求項1に記載の表面仕上げ材。
【請求項5】
第2の機能層;をさらに含み、
前記第2の機能層は、プライマー層、接着層及び粘着層のうち少なくとも一つとして機能し、
前記下層は、前記第2の機能層と前記中間層との間に配置された、
請求項1に記載の表面仕上げ材。
【請求項6】
前記上層と前記下層のうち少なくとも一つは、極性官能基をさらに含む、
請求項2に記載の表面仕上げ材。
【請求項7】
第1の機能層;をさらに含み、
前記第1の機能層は、耐スクラッチ強化層、眩しさ防止層(AR)、及び反射防止層(AR)のうち少なくとも一つとして機能し、
前記上層は、前記第1の機能層と前記中間層との間に配置された、
請求項2に記載の表面仕上げ材。
【請求項8】
第2の機能層;をさらに含み、
前記第2の機能層は、プライマー層、接着層及び粘着層のうち少なくとも一つとして機能し、
前記下層は、前記第2の機能層と前記中間層との間に配置された、
請求項2に記載の表面仕上げ材。
【請求項9】
独立した領域間の厚さの偏差は、±5μm以内である、
請求項2に記載の表面仕上げ材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面仕上げ材に関する。
【背景技術】
【0002】
表面仕上げ材は、家具、建築物の内外装材、自動車用内外装材、電子製品の内外装材などの表面を仕上げるフィルムである。表面仕上げ材は、建築物の内外装材、家具、自動車用内外装材、電子製品の内外装材などに絵、文字、数字、柄、立体感などの多様な飾り効果を提供することもできる。
【0003】
表面仕上げ材は、合成樹脂を用いて製作されるのが一般的である。合成樹脂は、自動車、電気、電子製品、包装材、建築など、ほとんどの産業界分野で使用される有用な素材であるものの、自然分解に長い時間がかかるため、環境汚染の原因となる。また、合成樹脂を焼却する場合、ダイオキシンのような有害物質が排出される。
【0004】
資源をリサイクルし、合成樹脂の埋込み及び焼却による環境汚染を減らすために、再生合成樹脂の活用率を高めた表面仕上げ材が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、再生合成樹脂の活用率が高められる新規な構造の表面仕上げ材を提供する。
【0006】
また、本発明は、再生合成樹脂による色相のばらつきを最小化することのできる新規な表面仕上げ材を提供する。
【0007】
また、本発明は、再生合成樹脂による層間剥離を最小化することのできる新規な表面仕上げ材を提供する。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、以上に言及したことに制限されないし、言及していない課題は、下記の記載から当業者にとって明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明による表面仕上げ材は、上層、下層、及び前記上層と前記下層との間に配置された中間層とを含む。前記上層は、前記下層と比べて厚い。
【0010】
上記発明による表面仕上げ材は、前記上層側で測定されたCIE LAB色座標と、前記下層側で測定されたCIE LAB色座標との間の色差が存在する。
【0011】
上記発明による表面仕上げ材は、△E1が0.5超えであってもよい。前記△E1は、前記上層側で測定されたCIE LAB色座標と、前記下層側で測定されたCIE LAB色座標との間の色差である。
【0012】
上記発明による表面仕上げ材は、△E2が0.2以下であってもよい。前記△E2は、前記上層と前記下層のうちいずれか側で測定された、独立した領域のCIE LAB色座標間の色差である。
【0013】
その他、実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、再生合成樹脂の活用率が高められる新規な構造の表面仕上げ材を提供することができる。
【0015】
また、本発明は、再生合成樹脂による色相のばらつきを最小化することのできる新規な表面仕上げ材を提供することができる。
【0016】
また、本発明は、再生合成樹脂による層間剥離を最小化することのできる新規な表面仕上げ材を提供することができる。
【0017】
本発明による効果は、以上に例示した内容によって制限されないし、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述する実施形態と実験例を参照すれば明確になる。添付の図面は、本明細書に開示の技術思想を理解しやすくするためのものだけであり、添付の図面によってその技術思想が制限されると解釈してはならないことに留意すべきである。
【0020】
また、発明は、以下に開示する内容に限定されるものではなく、様々な形態に具現することができる。以下に掲示する内容は、発明の開示を完全にして、発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0021】
関連する公知技術に対する具体的な説明が技術の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略することができる。
【0022】
全明細書における同じ参照符号は、同じ構成要素を称する。図面における層及び領域の大きさ及び相対的な大きさは、説明の明瞭性のために誇張されたものでありうる。
【0023】
たとえ第1、第2などは、様々な構成要素を述べるために使われるものの、これら構成要素は、これら用語によって制限されないことは勿論である。これら用語は、単に一構成要素を他の構成要素と区別するために使うものであって、特に別段の記載がない限り、第1構成要素は、第2構成要素であってもよいことは勿論である。
【0024】
全明細書において、特に別段の記載がない限り、各構成要素は、単数であっても、複数であってもよい。
【0025】
全明細書において、ある部分は、ある構成要素を「含む(including)」、「有する(having)」と言うとき、これは特に別段の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでいてもよいことを意味する。
【0026】
全明細書において、「A及び/又はB」とするとき、これは特に別段の記載がない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは特に別段の記載がない限り、C以上かつD以下であることを意味する。
【0027】
素子(elements)又は層が、他の素子又は層の「うえ(on)」又は「上(on)」と称されることは、他の素子又は層の真上のみならず、中間に他の層又は他の素子を介した場合をいずれも含む。一方、素子が「直接に上(directly on)」又は「真上」と称されることは、中間に他の素子又は層を介していないことを示す。
【0028】
空間的に相対的な用語である「した(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図面に示されているように、一素子又は構成要素と、他の素子又は構成要素との相関関係を容易に記述するために使われてもよい。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時又は動作時、素子の互いに異なる方向を含む用語と理解すべきである。
【0029】
以下では、図面を参考にして、発明についてより詳説する。
【0030】
本発明の一具現例において、上層;前記上層に比べて厚みが薄い下層;及び前記上層と前記下層との間に配置された中間層;とを含み、前記上層側で測定されたCIE LAB色座標と、前記下層側で測定されたCIE LAB色座標との間の色差が存在する表面仕上げ材を提供する。
【0031】
再生合成樹脂は、廃合成樹脂を再生したものであって、ペレット(pellet)状に製造される。再生合成樹脂は、その中に含有された不純物によって、バージン合成樹脂(virgin synthetic resin)に比べて、低い明度(lightness)と高い黄色度(yellowness)を有し、ペレット間の色相がばらつく。
【0032】
また、再生合成樹脂は、工程中に劣化しやすい。このため、再生合成樹脂では、黄変現象が現れる。
【0033】
再生合成樹脂の物性と工程中の劣化によって、再生合成樹脂の含有された表面仕上げ材は、既存の表面仕上げ材に比べて、黄色度が増加し得るし、再生合成樹脂の含量が高くなるほど、黄色度は、さらに増加し得る。よって、再生合成樹脂の含有された表面仕上げ材は、既存の表面仕上げ材と同等の水準の色度又は色差を具現するのに限界があった。既存の表面仕上げ材は、その中に含有された合成樹脂がバージン合成樹脂のみからなったものである。
【0034】
図1には、本発明による第1の表面仕上げ材100の模式図が示されている。第1の表面仕上げ材100は、再生合成樹脂を含み、高含量の再生合成樹脂が用いられた場合も、既存の表面仕上げ材と同等の水準の色度又は色差を具現することができるため、再生合成樹脂の活用率が高められる。
【0035】
図1を参照すれば、第1の表面仕上げ材100は、上層10、下層20及び中間層30を含む。中間層30は、上層10と下層20との間に直接配置されてもよい。第1の表面仕上げ材100は、押出し工法により製作されうるし、例えば、第1の表面仕上げ材100は、上層10、下層20及び中間層30を含む、3層の共押出しフィルムであってもよい。
【0036】
第1の表面仕上げ材100は、家具、建築物の内外装材、自動車用内外装材、電子製品の内外装材など(以下、「家具等」という)の表面に付着したとき、家具等の表面を基準として上層10は、下層20と比べて家具等の表面から遠い所に配置され、下層20は、上層10と比べて家具等の表面に近く配置される。一方、第1の表面仕上げ材100は、家具等の表面に付着したとき、第1の表面仕上げ材100を用いる使用者を基準として上層10は、下層20と比べて使用者に近く配置され、下層20は、上層10と比べて使用者から遠い所に配置される。
【0037】
上層10及び下層20は、バージン合成樹脂を主成分として含み、中間層30は、再生合成樹脂を主成分として含む。中間層30は、上層10及び下層20と比べて厚さを有し、中間層30に含有された再生合成樹脂の含量は、上層10、下層20及び中間層30に用いられた総合成樹脂の重量を基準として、60重量%以上である。再生合成樹脂の活用率を高めるために、中間層30に含有された再生合成樹脂の含量は、好ましくは上層10、下層20及び中間層30に用いられた総合成樹脂の重量を基準として、70重量%以上であってもよく、より好ましくは80重量%以上であってもよい。
[訂正の理由等]
「厚厚さ」と記載されていたものを「厚さ」とする誤記の訂正をしました。
[その他]
この訂正は誤訳訂正ではなく誤記の訂正に該当するものです。
【0038】
本出願の発明者たちは、バージン合成樹脂と同等の水準の明度、黄色度(yellowness)及びペレット間の色相均一度を有する再生合成樹脂ペレットを原料に使用して、原料自体の物性による表面仕上げ材の黄色度の増加を最小化した。これに関連して、例えば、明度は、約80であり、最大黄色度は、約1未満で、平均黄色度は、約1未満であるバージン合成樹脂を基準として、明度は、約75であり、最大黄色度は、約2未満で、平均黄色度は、約2未満である再生合成樹脂ペレットを用いることができる。
【0039】
本出願の発明者たちは、工程中、黄変による中間層30の黄色度を減少させて、既存の表面仕上げ材と同等の水準の色度又は色差を示す第1の表面仕上げ材100を得るために、上層10の厚さを下層20に比べて厚く設計した。付け加えると、本出願の発明者たちは、第1の表面仕上げ材100が、家具等の表面に付着したとき、上層10は、下層20と比べて使用者を基準として使用者に近く配置されるため、使用者に視認される黄色度を減少させるために、上層10を、下層20と比べて厚く設計した。
【0040】
上層10は、下層20と比べて厚厚さを有し、このため、第1の表面仕上げ材100は、上層10側で測定されたCIE LAB色座標と、下層20側で測定されたCIE LAB色座標との間の色差が存在する。言い換えれば、第1の表面仕上げ材100は、△E1が0.5超えであることを満たす。△E1は、上層10側で測定されたCIE LAB色座標と、下層20側で測定されたCIE LAB色座標との間の色差である。例えば、△E1は、0.5超~2.0であってもよい。
【0041】
例えば、CIE LAB色座標のL値が80超である白色又はクリーム色の色相は、△E1が0.5以上0.8未満であってもよいし、CIE LAB色座標のL値が50超80未満である有色の色相は、△E1が0.8以上~2.0以下であってもよい。上層10と下層20との厚さの比は、例えば、2:1~3:1であってもよい。
【0042】
一方、上層10と下層20の厚さが同一である場合、△E1は、約0.5である。例えば、CIE LAB色座標のL値が80超である白色又はクリーム色の色相は、△E1が約0.2以上~約0.3以下であってもよいし、CIE LAB色座標のL値が50超80未満である有色の色相は、△E1が約0.4以上~約0.6以下であってもよい。
【0043】
再生合成樹脂は、工程中、粘度低下(intrinsic viscosity drop:I.V.Drop)を示し、粘度低下は、工程結果物の部位別色相のばらつきをもたらす。本出願の発明者たちは、押出しスクリューの回転速度(rpm)と原料の投入量を制御して、再生合成樹脂の劣化を最小化ないし抑制することにより、3層の共押出しフィルムの部位別色相安全性を確保することができた。具体的には、本出願の発明者たちは、既存の表面仕上げ材の工程条件で、押出しスクリューの回転速度(rpm)は低くし、原料の投入量は増加させることにより、再生合成樹脂の劣化を最小化ないし抑制することができた。
【0044】
第1の表面仕上げ材100は、△E2が0.2以下であることを満たす。△E2 は、上層10と下層20のうちいずれか層側で測定された、独立した領域のCIE LAB色座標間の色差である。言い換えれば、第1の表面仕上げ材100は、第1領域のCIE LAB色座標と、第2領域のCIE LAB色座標との間の色差(△E2)が0.2以下であることを満たす。このとき、第1領域のCIE LAB色座標と、第2領域のCIE LAB色座標は、上層10と下層20のうちいずれか層側で測定されたものであり、第1領域は、第2領域と空間的に分離された、独立した空間である。
【0045】
一方、本出願の発明者たちは、原料の流れの安定化、ポリシングロール(polishing roll)の間のバンク(bank)安定化によって、第1の表面仕上げ材100の厚さ均一性を確保することができた。具体的には、第1の表面仕上げ材100内の独立した領域間の厚さの偏差は、
±5μm以内であってもよい。
図2には、第1の表面仕上げ材100の厚さプロファイルが示されている。
[訂正の理由等]
誤訳訂正前は「
・5μm」と記載していました。
国際公開されたWO2020/040405号公報の段落[52]には、「
±5μm」と記載されています。
誤訳訂正前に記載されていた「
・5μm」の「・」は文字化けにより生じたものであるため、原文に従って「±」とする誤訳訂正をしました。
【0046】
図3では、第2の表面仕上げ材200の模式図が示されている。第2の表面仕上げ材200は、
図1の第1の表面仕上げ材100を含む。第2の表面仕上げ材200は、第1の機能層40及び/又は第2の機能層50をさらに含む点で、第1の表面仕上げ材100と相違する。
【0047】
第2の表面仕上げ材200は、第1の機能層40をさらに含む場合、上層10は、第1の機能層40と中間層30との間に配置されてもよい。例えば、第1の機能層40は、上層10上に直接配置されてもよい。第2の表面仕上げ材200は、第2の機能層50をさらに含む場合、下層20は、第2の機能層50と中間層30との間に配置されてもよい。例えば、第2の機能層50は、下層20上に直接配置されてもよい。
【0048】
第1の機能層40は、上層10上に積層、合紙(laminate)又はコーティングされうるし、耐スクラッチ強化層、眩しさ防止層(AR)、及び反射防止層(AR)のうち少なくとも一つの役割が可能である。第2の機能層50は、下層20上に積層、合紙又はコーティングされうるし、プライマー層、接着層及び粘着層のうち少なくとも一つの役割が可能である。
【0049】
再生合成樹脂のみで構成された単層フィルムの表面に、第1の機能層40及び/又は第2の機能層50が積層又はコーティングされた場合、第1の機能層40と単層フィルムとの間の剥離及び/又は第2の機能層50と単層フィルムとの間の剥離が現れる。
【0050】
また、再生合成樹脂とバージン合成樹脂との混合物で構成された単層複合フィルムの表面に、第1の機能層40及び/又は第2の機能層50が積層又はコーティングされた場合、第1の機能層40と単層複合フィルムとの間及び/又は第2の機能層50と単層複合フィルムとの間の剥離をある程度解消することができるが、単層複合フィルムは、再生合成樹脂の含量を高めるのに限界がある。
【0051】
第2の表面仕上げ材200は、上層10と第1の機能層40との間の剥離及び/又は下層20と第2の機能層50との間の剥離を最小化ないし防止しながらも、中間層30は、その含量の再生合成樹脂を含んでいてもよい。
【0052】
以下では、上層10に用いられた合成樹脂を第1の合成樹脂と称し、下層20に用いられた合成樹脂を第2の合成樹脂と称し、中間層30に用いられた合成樹脂を第3の合成樹脂と称する。
【0053】
上層10と第1の機能層40との間の剥離及び/又は下層20と第2の機能層50との間の剥離を最小化ないし抑制するために、第1の合成樹脂及び/又は第2の合成樹脂は、極性官能基を含んでいてもよい。
【0054】
第1の合成樹脂及び第2の合成樹脂は、極性官能基を有するバージン合成樹脂を主成分として含んでいてもよい。例えば、第1の合成樹脂及び第2の合成樹脂は、グリコール変性ポリエステル樹脂であってもよい。
【0055】
第1の合成樹脂は、再生合成樹脂をさらに含んでいてもよいが、再生合成樹脂の含量が高くなるほど、上層10と第1の機能層40との間の剥離が発生し得るし、黄色度が増加し得るため、再生合成樹脂の含量は、上層10と第1の機能層40との間の剥離有無と黄色度を考慮して決定することができる。例えば、再生合成樹脂の含量は、第1の合成樹脂の全体重量を基準として、10重量%未満であってもよいし、好ましくは、5重量%未満であってもよく、より好ましくは、0重量%であってもよい。
【0056】
第2の合成樹脂は、再生合成樹脂をさらに含んでいてもよいが、再生合成樹脂の含量が高くなるほど、下層20と第2の機能層50との間の剥離が発生し得るし、黄色度が増加し得るため、再生合成樹脂の含量は、下層20と第2の機能層50との間の剥離有無と黄色度を考慮して決定することができる。例えば、再生合成樹脂の含量は、第2の合成樹脂の全体重量を基準として、10重量%未満であってもよいし、好ましくは、5重量%未満であってもよく、より好ましくは、0重量%であってもよい。
【0057】
一方、第3の合成樹脂は、再生合成樹脂を主成分として含む。例えば、第3の合成樹脂は、再生ポリエステル樹脂であってもよい。
【0058】
第3の合成樹脂内の再生合成樹脂の含量は、第1の合成樹脂、第2の合成樹脂及び第3の合成樹脂の総重量を基準として、60重量%以上であり、好ましくは、70重量%以上であってもよく、より好ましくは、80重量%以上であってもよい。上層10と第1の機能層40との間の表面付着力及び/又は下層20と第2の機能層50との間の表面付着力を確保し、黄色度を最小化して、既存の表面仕上げ材と同等の水準の品質を確保するために、第3の合成樹脂は、第1の合成樹脂、第2の合成樹脂及び第3の合成樹脂の総重量を基準として、85重量%であってもよい。
【0059】
第3の合成樹脂は、バージン合成樹脂をさらに含んでいてもよいが、資源リサイクル側面から、第3の合成樹脂に含有されたバージン合成樹脂の含量は、10重量%未満であってもよいし、好ましくは、5重量%未満であってもよく、より好ましくは、0重量%であってもよい。
【0060】
例えば、第1の合成樹脂と第2の合成樹脂は、バージングリコール変性ポリエチレンテレフタラート(G-PET)からなり、第3の合成樹脂は、再生ポリエチレンテレフタラート(R-PET)からなってもよい。この場合、例えば、G-PETの含量は、16重量%であってもよく、R-PETの含量は、84重量%であってもよい。
【0061】
<製造例1>
ツインスクリューと原料で発生するヒューム(hume)を除去するためのベントが備えられた3台の押出機を利用して、上層10/中間層30/下層20の厚さの比が12/84/4である、3層の共押出しフィルムで構成された表面仕上げ材100を製作した。原料の充電割合は、0.7% 、スクリューの回転速度は、300rpmであった。
【0062】
上層10と下層20の原料としては、バージングリコール変性ポリエチレンテレフタラート(virgin G-PET)が用いられ、中間層30の原料としては、再生ポリエチレンテレフタラート(R-PET)が用いられた。virgin G-PETは、明度が約80であり、最大黄色度が約1で、平均黄色度が約1未満であるものが用いられており、R-PETは、明度が約75であり、最大黄色度が約2で、平均黄色度が約2未満であるものが用いられた。
【0063】
<製造例2>
製造例1で得た3層の共押出しフィルムの上層10に、ハードコーティング層40をコーティングして、表面仕上げ材200を製作した。
【0064】
<比較例1>
上層10/中間層30/下層20の厚さの比を8/84/8に変更したことを除いては、製造例1と同じ方法により、3層の共押出しフィルムで構成された表面仕上げ材(比較例1の表面仕上げ材)を製作した。
【0065】
<比較例2>
ツインスクリューと原料で発生するヒューム(hume)を除去するためのベントが備えられた1台の押出機を利用して、単層フィルムで構成された表面仕上げ材を製作した。その後、単層複合フィルムで構成された表面仕上げ材上にハードコーティング層をコーティングして、比較例2の表面仕上げ材を得た。原料の充電割合は、0.7% 、スクリューの回転速度は、300rpmであった。
【0066】
単層フィルムの原料としては、R-PETが用いられた。R-PETは、明度が約75であり、最大黄色度が約2で、平均黄色度が約2未満であるものが用いられた。
【0067】
<比較例3>
ツインスクリューと原料で発生するヒューム(hume)を除去するためのベントが備えられた1台の押出機を利用して、単層複合フィルムで構成された表面仕上げ材を製作した。その後、単層複合フィルムで構成された表面仕上げ材上にハードコーティング層をコーティングして、比較例3の表面仕上げ材を得た。原料の充電割合は、0.7% 、スクリューの回転速度は、300rpmであった。
【0068】
単層複合フィルムの原料としては、組成比が1:1であるvirgin G-PETとR-PETとの混合物が用いられた。virgin G-PETは、明度が約80であり、最大黄色度が約1で、平均黄色度が約1未満であるものが用いられており、R-PETは、明度が約75であり、最大黄色度が約2で、平均黄色度が約2未満であるものが用いられた。
【0069】
<実験例>
色差測定
表面仕上げ材100、表面仕上げ材200、比較例1~3の表面仕上げ材それぞれの色差を、次のような仕様を有する色差計を利用して測定した。表1には、色差測定値が整理されている。
【0070】
(色差計の仕様)
-Lighting/inspecting system:8/d(8゜Falloff/diffuse reflection),SCI(include Flat Mirror Light)
-Inspection condition:D65,F11,A
【0071】
【0072】
層間剥離有無の確認
表面仕上げ材200、比較例2及び3の表面仕上げ材を利用して、層間剥離有無を確認した。表2には、層間剥離有無を確認した結果が整理されている。
【0073】
【0074】
R-PET自体は、グリコール成分が存在しないことにより、機能層との付着力がないため、R-PET単独製品(比較例2の表面仕上げ材)では、層間剥離が発生した。比較例3の表面仕上げ材は、virgin G-PETを含んでいるものの、単層複合フィルムの上部領域又は下部領域に選択的にvirgin G-PETが配向しないため、R-PETにvirgin G-PETが混合した場合も、層間剥離は、部分的に発生した。
【0075】
以上のように、添付の図面を参照して実施例を説明したが、発明は、上記実施例に限定されるものではなく、各実施例に掲示の内容を組み合わせて、互いに異なる様々な形態に製造することができ、発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、発明の技術思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施することができると理解することができる。よって、以上に記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0076】
100、200 表面仕上げ材
10 上層
20 下層
30 中間層
40 第1の機能層
50 第2の機能層