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特許7250923送受信点情報を取得するための方法、ユーザ端末、および可読記憶媒体
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  • 特許-送受信点情報を取得するための方法、ユーザ端末、および可読記憶媒体 図1
  • 特許-送受信点情報を取得するための方法、ユーザ端末、および可読記憶媒体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】送受信点情報を取得するための方法、ユーザ端末、および可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/232 20230101AFI20230327BHJP
   H04W 48/20 20090101ALI20230327BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20230327BHJP
【FI】
H04W72/232
H04W48/20
H04W16/28
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021523302
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2019112907
(87)【国際公開番号】W WO2020088334
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】201811294289.7
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521126829
【氏名又は名称】ベイジン・ユニソック・コミュニケーションズ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 化磊
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】Huawei, HiSilicon,Remaining details of QCL assumptions[online],3GPP TSG RAN WG1 #91 R1-1719443,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1719443.zip>,2017年11月17日
【文献】Intel Corporation,Discussion on multi-TRP/multi-panel transmission[online],3GPP TSG RAN WG1 #94b R1-1810790,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94b/Docs/R1-1810790.zip>,2018年09月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信点(TRP)情報を取得するための方法であって、
信号またはチャネルをトリガするように適合された制御情報を受信するステップと、
前記制御情報に含まれた送信設定指示(TCI)を取得するステップと、
前記TCIに従って、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に用いられるTRPを取得するステップと
前記制御情報に含まれた前記TCIの数が2以上であり、各TCIが、対応するTRPを有し、
前記TCIに従って、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に用いられるTRPを取得する前記ステップが、
前記制御情報に含まれた少なくとも第1のTCIの値と第2のTCIの値のそれぞれが事前設定値であるかどうかを検出するステップと、
前記第1のTCIの前記値が前記事前設定値に等しいとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第1のTCIに対応するTRPが用いられない、との判定をなすステップと
前記第2のTCIの前記値が前記事前設定値に等しいとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第2のTCIに対応するTRPが用いられない、との判定をなすステップと、
前記第1のTCIの前記値が前記事前設定値以外の値であるとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第1のTCIに対応するTRPが用いられる、との判定をなすステップと、
前記第2のTCIの前記値が前記事前設定値以外の値であるとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信前記第2のTCIに対応するTRPが用いられる、との判定をなすステップと、
を含み、
前記事前設定値は7である
を含む、TRP情報を取得するための方法。
【請求項2】
前記制御情報に含まれた前記TCIの数が1であり、前記TCIが複数の参照信号(RS)グルーピングを含み、各RSグルーピングが、対応するTRPを有し、
前記TCIに従って、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に用いられるTRPを取得する前記ステップが、
各RSグルーピングに対応する疑似コロケーテッド(QCL)設定が事前設定条件を満たすかどうかを検出するステップと、
第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が前記事前設定条件を満たさないとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第1のRSグルーピングに対応するTRPが用いられる、との判定をなすステップと
含み、
前記事前設定条件は、前記QCL設定が既存のプロトコル仕様に準拠していることである
請求項1に記載のTRP情報を取得するための方法。
【請求項3】
前記TCIに従って、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に用いられるTRPを取得する前記ステップが、
前記第1のRSグルーピングに対応する前記QCL設定が前記事前設定条件を満たすとき、は前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第1のRSグルーピングに対応する前記TRPが用いられない、との判定をなすステップ
をさらに含む、請求項2に記載のTRP情報を取得するための方法。
【請求項4】
前記TCIに従って、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に用いられるTRPを取得する前記ステップが、
前記制御情報に含まれた任意のTCIの値が前記事前設定値に等しくないとき、前記事前設定値に等しくない値を有する前記TCIに対応するTRPは前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に用いられる、との判定をなすステップ
をさらに含む、請求項1に記載のTRP情報を取得するための方法。
【請求項5】
前記制御情報が下りリンク制御情報である、請求項1から4のいずれか一項に記載のTRP情報を取得するための方法。
【請求項6】
信号またはチャネルをトリガするように適合された制御情報を受信するように適合された受信ユニットと、
前記制御情報に含まれた送信設定指示(TCI)を取得するように適合されたTCI取得ユニットと、
前記TCIに従って、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に用いられる送受信点(TRP)を取得するように適合されたTRP取得ユニットと
を備え、
前記制御情報に含まれた前記TCIの数が2以上であり、各TCIが、対応するTRPを有し、
前記TRP取得ユニットは、
前記制御情報に含まれた少なくとも第1のTCIの値と第2のTCIの値のそれぞれが事前設定値であるかどうかを検出するように適合され、
前記第1のTCIの前記値が前記事前設定値に等しいとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第1のTCIに対応するTRPが用いられない、と判定し、
前記第2のTCIの前記値が前記事前設定値に等しいとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第2のTCIに対応するTRPが用いられない、と判定し、
前記第1のTCIの前記値が前記事前設定値以外の値であるとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第1のTCIに対応するTRPが用いられる、と判定し、
前記第2のTCIの前記値が前記事前設定値以外の値であるとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信前記第2のTCIに対応するTRPが用いられる、との判定するよウに適合され、
前記事前設定値は7である
ユーザ端末。
【請求項7】
前記制御情報に含まれた前記TCIの数が1であり、前記TCIが複数の参照信号(RS)グルーピングを含み、各RSグルーピングが、対応するTRPを有し、
前記TRP取得ユニットが、各RSグルーピングに対応する疑似コロケーテッド(QCL)設定が事前設定条件を満たすかどうかを検出し、第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が前記事前設定条件を満たさないとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第1のRSグルーピングに対応する前記TRPが用いられる、との判定をなすように適合され、
前記事前設定条件は、前記QCL設定が既存のプロトコル仕様に準拠していることである
請求項6に記載のユーザ端末。
【請求項8】
前記TRP取得ユニットが、前記第1のRSグルーピングに対応する前記QCL設定が前記事前設定条件を満たすとき、前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に前記第1のRSグルーピングに対応する前記TRPが用いられない、との判定をなすようにさらに適合される、請求項7に記載のユーザ端末。
【請求項9】
前記TRP取得ユニットが、前記制御情報に含まれた任意のTCIの値が前記事前設定値に等しくないとき、前記事前設定値に等しくない値を有する前記TCIに対応するTRPは前記制御情報によってトリガされる前記信号または前記チャネルの送信に用いられる、との判定をなすようにさらに適合される、請求項6に記載のユーザ端末。
【請求項10】
前記制御情報が下りリンク制御情報である、請求項6から9のいずれか一項に記載のユーザ端末。
【請求項11】
コンピュータ命令が記憶された可読記憶媒体であって、前記可読記憶媒体が、不揮発性記憶媒体または非一時的記憶媒体であり、前記コンピュータ命令が実行されると、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法が実施される、可読記憶媒体。
【請求項12】
メモリおよびプロセッサを備えるユーザ端末であって、前記メモリにはコンピュータ命令が記憶されており、前記プロセッサが前記コンピュータ命令を実行すると、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法が実施される、ユーザ端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月1日に出願された、「METHOD FOR OBTAINING TRANSMISSION RECEPTION POINT INFORMATION, USER TERMINAL, AND READABLE STORAGE MEDIUM」という名称の中国特許出願第201811294289.7号の優先権の利益を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、ワイヤレス通信技術分野に関し、より詳細には、送受信点情報を取得するための方法、ユーザ端末、および可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
New Radio(NR)R15では、単一送受信点(単一TRP)送信のみがサポートされており、したがって、送信される下りリンク制御情報(DCI)は、送信設定指示(Transmission Configuration Indication,TCI)を1つしか含んでおらず、このTCIには、参照信号グルーピング(Reference Signal grouping,RSグルーピング)RS疑似コロケーテッド(Quasi Co-Located,QCL)設定のみが関連付けられている。
【0004】
NR R16では、複数TRP送信が確かにサポートされており、すなわち、1つのDCIが、複数のTRPに対応する複数のQCL設定を含む。送信プロセスにおいては、送信方式もチャネル環境とともに動的に変化しており、すなわち、単一TRP送信方式と複数TRP送信方式とが動的に切り替わっている。しかし、この2つの送信方式の動的な切替えは、従来技術ではサポートすることができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、単一TRP送信方式と複数TRP送信方式との間の動的な切替えのサポートの仕方に関する解決策を提供することができる。
【0006】
本開示の一実施形態では、送受信点情報を取得するための方法が提供され、方法は、信号またはチャネルをトリガするように適合された制御情報を受信するステップと、制御情報に含まれた送信設定指示(TCI)を取得するステップと、TCIに従って、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与するTRPを取得するステップとを含む。
【0007】
任意には、制御情報に含まれたTCIの数が1であり、TCIが複数の参照信号(RS)グルーピングを含み、各RSグルーピングが、対応するTRPを有し、TCIに従って、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与するTRPを取得するステップは、各RSグルーピングに対応する疑似コロケーテッド(QCL)設定が事前設定条件を満たすかどうかを検出するステップと、第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たさないとき、第1のRSグルーピングに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する、との判定をなすステップとを含む。
【0008】
任意には、TCIに従って、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与するTRPを取得するステップは、第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たすとき、第1のRSグルーピングに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定をなすステップをさらに含む。
【0009】
任意には、制御情報に含まれたTCIの数が2以上であり、各TCIが、対応するTRPを有し、TCIに従って、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与するTRPを取得するステップは、制御情報に含まれた第1のTCIの値が事前設定値であるかどうかを検出するステップと、第1のTCIの値が事前設定値に等しいとき、第1のTCIに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定をなすステップとを含む。
【0010】
任意には、TCIに従って、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与するTRPを取得するステップは、制御情報に含まれた任意のTCIの値が事前設定値に等しくないとき、事前設定値に等しくない値を有するTCIに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する、との判定をなすステップをさらに含む。
【0011】
任意には、制御情報は下りリンク制御情報である。
【0012】
本開示の一実施形態では、ユーザ端末が提供され、ユーザ端末は、信号またはチャネルをトリガするように適合された制御情報を受信するように適合された受信ユニットと、制御情報に含まれたTCIを取得するように適合されたTCI取得ユニットと、TCIに従って、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与するTRPを取得するように適合されたTRP取得ユニットとを含む。
【0013】
任意には、制御情報に含まれたTCIの数が1であり、TCIが複数のRSグルーピングを含み、各RSグルーピングが、対応するTRPを有し、TRP取得ユニットは、各RSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たすかどうかを検出し、第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たさないとき、第1のRSグルーピングに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する、との判定をなすように適合される。
【0014】
任意には、TRP取得ユニットは、第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たすとき、第1のRSグルーピングに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定をなすようにさらに適合される。
【0015】
任意には、制御情報に含まれたTCIの数が2以上であり、各TCIが、対応するTRPを有し、TRP取得ユニットは、制御情報に含まれた第1のTCIの値が事前設定値であるかどうかを検出し、第1のTCIの値が事前設定値に等しいとき、第1のTCIに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定をなすようにさらに適合される。
【0016】
任意には、TRP取得ユニットは、制御情報に含まれた任意のTCIの値が事前設定値に等しくないとき、事前設定値に等しくない値を有するTCIに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する、との判定をなすようにさらに適合される。
【0017】
任意には、制御情報は下りリンク制御情報である。
【0018】
本開示の一実施形態では、コンピュータ命令が記憶された可読記憶媒体が提供され、可読記憶媒体は、不揮発性記憶媒体または非一時的記憶媒体であり、コンピュータ命令が実行されると、上記のTRP情報を取得するための方法が実施される。
【0019】
本開示の一実施形態では、メモリおよびプロセッサを含むユーザ端末が提供され、メモリにはコンピュータ命令が記憶されており、プロセッサがコンピュータ命令を実行すると、上記のTRP情報を取得するための方法が実施される。
【0020】
本開示の実施形態は、以下の利点を提供することができる。
【0021】
本開示の実施形態では、制御情報に含まれたTCIに従って、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与するTRPが取得される。換言すれば、TRPは、制御情報に含まれたTCIに従って取得される。したがって、単一TRP送信方式であろうと複数TRP送信方式であろうと、対応するTCIを取得し、それによってTRPを取得し、それにより、この2つの送信方式間の動的な切替えを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一実施形態による送受信点情報を取得するための方法のフローチャートを概略的に示す図である。
図2】一実施形態によるユーザ端末の構造図を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
背景技術において説明したように、送信プロセスにおいては、送信方式もチャネル環境とともに動的に変化しており、すなわち、単一TRP送信方式と複数TRP送信方式とが動的に切り替わっている。しかし、この2つの送信方式の動的な切替えは、従来技術ではサポートすることができない。
【0024】
本開示の実施形態では、TRPが、制御情報に含まれたTCIに従って取得される。したがって、単一TRP送信方式であろうと複数TRP送信方式であろうと、対応するTCIを取得し、それによってTRPを取得し、それにより、この2つの送信方式間の動的な切替えを実現することが可能である。
【0025】
本開示の実施形態の目的、特徴および利点を明確にするために、本開示の実施形態について、添付の図面と併せて詳細かつ明確に説明する。
【0026】
本開示の一実施形態では、TRP情報を取得するための方法が提供される。図1を参照すると、方法はS101からS103を含む。
【0027】
S101において、制御情報が受信される。
【0028】
いくつかの実施形態では、基地局が制御情報をユーザ端末に送信してよく、制御情報には送信設定指示(TCI)が含まれていてよい。基地局は、制御情報をユーザ端末に、無線リソース制御(RRC)設定に基づいて送信してよい。基地局によって送信される制御情報は、信号またはチャネルをトリガするように適合されてよい。制御情報によってトリガされるチャネルとしては、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)などがあり得る。制御情報によってトリガされる信号としては、サウンディング参照信号(SRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)などがあり得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、基地局によってユーザ端末に送信される制御情報は、下りリンク制御情報である。
【0030】
S102において、制御情報に含まれたTCIが取得される。
【0031】
いくつかの実施形態では、基地局は、制御情報内にTCIを設定してよい。ユーザ端末は、制御情報を受信した後、その制御情報からTCIを取得してよい。
【0032】
S103において、TCIに従って、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与するTRPが取得される。
【0033】
いくつかの実施形態では、制御情報に含まれたTCIの数が1であり、TCIが複数の参照信号(RS)グルーピングを含み、各RSグルーピングが、対応するTRPを有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、複数のRSグルーピングと対応するTRPとの間のマッピング関係が予め定められていてよく、各RSグルーピングが、対応するTRPを有する。各RSグルーピングに関連付けられたQCL設定は、この対応するTRPに対応するQCL設定とすることができる。
【0035】
例えば、第1のRSグルーピングが第1のTRPに対応するように予め定められている場合、第1のTRPに対応するQCL設定は、第1のRSグルーピングに関連付けられたQCL設定である。
【0036】
TCIに複数のRSグルーピングが関連付けられているとき、各RSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たすかどうかが検出される。第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たさないとき、第1のRSグルーピングに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する、との判定がなされる。そうではなく、第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たすとき、第1のRSグルーピングに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定がなされる。
【0037】
いくつかの実施形態では、RSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たすとき、このRSグルーピングに対応するQCL設定は無効な設定であるとの判定がなされる。具体的には、QCL設定が既存のプロトコル仕様に準拠していないとき、このRSグルーピングに関連付けられたQCL設定は無効な設定であるとの判定がなされ、またはRSグルーピングに対応するQCL設定が空であるとき、このRSグルーピングに関連付けられたQCL設定は無効な設定であるとの判定がなされる。
【0038】
いくつかの実施形態では、制御情報に含まれたTCIの数が2以上であり、各TCIに1つまたは複数のRSグルーピングが関連付けられている。
【0039】
いくつかの実施形態では、複数のTCIとTRPとの間のマッピング関係が予め定められていてよく、各TCIがTRPに対応する。制御情報が複数のTCIを含むとき、各TCIの値が事前設定値であるかどうかが検出される。いくつかの実施形態では、第1のTCIの値が事前設定値に等しいとき、第1のTCIに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定がなされ、そうではなく、第1のTCIの値が事前設定値に等しくないとき、第1のTCIに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する、との判定がなされる。
【0040】
いくつかの実施形態では、RSグルーピングを使用して、TRPに対応するQCL設定を設定することが、RSグルーピングに関連付けられたQCL設定を、TRPに対応するQCL設定として設定することを含む。
【0041】
上で説明した本開示の実施形態において提供されるTRP情報を取得するための方法について、以下に詳細に示す。
【0042】
例えば、DCIが1つのTCIを含み、このTCIには2つのRSグルーピングが関連付けられており、ここで、第1のRSグルーピングは、第1のTRPに対応するQCLを設定するために使用され、第2のRSグルーピングは、第2のTRPに対応するQCLを設定するために使用される。
【0043】
第1のRSグルーピングに関連付けられたQCLが、既存のプロトコル仕様に準拠していないことが検出されたとき、ユーザ端末は、第1のTRPはDCIによってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定をなす。第1のRSグルーピングに関連付けられたQCLが、既存のプロトコル仕様に準拠していることが検出されたとき、ユーザ端末は、第1のTRPはDCIによってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する、との判定をなす。
【0044】
別の例として、DCIが4つのTCIを含み、各TCIがTRPに関連付けられており、ここで、第1のTCIは第1のTRPに関連付けられており、第2のTCIは第2のTRPに関連付けられており、第3のTCIは第3のTRPに関連付けられており、第4のTCIは第4のTRPに関連付けられている。TCIの事前設定値が7である場合、その値が7であるTCIに対応するTRPは、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない。
【0045】
ユーザ端末は、基地局によって送信されたDCIを受信した後、そのDCIを復号し、第3のTCIの値および第4のTCIの値が7であることを認識し、次いでユーザ端末は、第1のTCIに対応する第1のTRPおよび第2のTCIに対応する第2のTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与し、第3のTCIに対応する第3のTRPおよび第4のTCIに対応する第4のTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定をなす。
【0046】
図2は、一実施形態によるユーザ端末の構造図を概略的に示す。図2を参照すると、ユーザ端末は、受信ユニット201、TCI取得ユニット202、およびTRP取得ユニット203を含む。
【0047】
具体的には、受信ユニット201は、信号またはチャネルをトリガするように適合された制御情報を受信するように適合される。
【0048】
具体的には、TCI取得ユニット202は、制御情報に含まれた送信設定指示(TCI)を取得するように適合される。
【0049】
具体的には、TRP取得ユニット203は、TCIに従って、制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する送受信点(TRP)を取得するように適合される。
【0050】
いくつかの実施形態では、制御情報に含まれたTCIの数が1であり、TCIが複数のRSグルーピングを含み、各RSグルーピングが、対応するTRPを有する。具体的には、TRP取得ユニット203は、各RSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たすかどうかを検出するように適合され、第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たさないとき、TRP取得ユニット203は、第1のRSグルーピングに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する、との判定をなすように適合される。
【0051】
いくつかの実施形態では、TRP取得ユニット203は、第1のRSグルーピングに対応するQCL設定が事前設定条件を満たすとき、第1のRSグルーピングに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定をなすようにさらに適合される。
【0052】
いくつかの実施形態では、制御情報に含まれたTCIの数が2以上であり、各TCIが、対応するTRPを有する。具体的には、TRP取得ユニット203は、制御情報に含まれた第1のTCIの値が事前設定値であるかどうかを検出するように適合され、第1のTCIの値が事前設定値に等しいとき、TRP取得ユニット203は、第1のTCIに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与しない、との判定をなすように適合される。
【0053】
いくつかの実施形態では、TRP取得ユニット203は、制御情報に含まれた任意のTCIの値が事前設定値に等しくないとき、事前設定値に等しくない値を有するTCIに対応するTRPは制御情報によってトリガされる信号またはチャネルの送信に関与する、との判定をなすようにさらに適合される。
【0054】
いくつかの実施形態では、制御情報は下りリンク制御情報である。
【0055】
本開示の一実施形態では、コンピュータ命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性記憶媒体または非一時的記憶媒体であり、コンピュータ命令が実行されると、送受信点情報を取得するための方法が実施される。
【0056】
本開示の一実施形態では、メモリおよびプロセッサを備えるユーザ端末が提供され、メモリにはコンピュータ命令が記憶されており、プロセッサがコンピュータ命令を実行すると、上記の送受信点情報を取得するための方法が実施される。
【0057】
本開示の実施形態において提供される方法のステップの全てまたは一部を、コンピュータ命令および関連のハードウェアによって実施できることを、当業者なら理解できよう。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよく、コンピュータ可読記憶媒体としては、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、光ディスクなどがある。
【0058】
本開示について上で、その好ましい実施形態に即して開示してきたが、本開示は限定としてではなく例として提示されたにすぎないことを理解されたい。当業者であれば、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、実施形態を修正および変更することができよう。
【符号の説明】
【0059】
201 受信ユニット
202 TCI取得ユニット
203 TRP取得ユニット
図1
図2