(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】位置決め治具及び組み立て体、組み立て方法、カーライト光学アセンブリ、カーライトモジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 41/39 20180101AFI20230327BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20230327BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20230327BHJP
F21S 41/29 20180101ALI20230327BHJP
F21S 41/47 20180101ALI20230327BHJP
【FI】
F21S41/39
G02B7/02 A
G02B7/02 Z
G02B7/00 F
F21S41/29
F21S41/47
(21)【出願番号】P 2021541254
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2020115654
(87)【国際公開番号】W WO2021103754
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】201911199096.8
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520372939
【氏名又は名称】▲華▼域▲視▼▲覺▼科技(上▲海▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲韜▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 兆禹
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 子▲維▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 果
(72)【発明者】
【氏名】沈 ▲進▼
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-323167(JP,A)
【文献】特開2005-241843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/39
G02B 7/02
G02B 7/00
F21S 41/29
F21S 41/47
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決め治具であって、
位置決めベースと、
前記位置決めベースの表面に設けられ、基準位置決めピン群と組み立て位置決めピン群を含み、前記基準位置決めピン群が基準部品に開けられた基準位置決め孔群に嵌合挿入されて前記基準部品を位置決めし、前記組み立て位置決めピン群が組み立て部品に開けられた組み立て位置決め孔群に嵌合挿入されて前記組み立て部品を位置決めする位置決め部材とを含
み、
前記基準位置決め孔群は1つの嵌合孔と1つの一方向隙間孔を含み、前記基準位置決めピン群は2本の位置決めピンを含み、前記嵌合孔が一方の前記位置決めピンサイズに合わせ、前記一方向隙間孔が他方の前記位置決めピンと隙間嵌めする、ことを特徴とする位置決め治具。
【請求項2】
前記組み立て位置決めピン群は複数あり、それぞれ前記組み立て部品に1対1で対応し、各前記組み立て部品の前記組み立て位置決め孔群を通り抜けて前記組み立て部品を位置決めする、ことを特徴とする請求項1に記載の位置決め治具。
【請求項3】
前記基準位置決めピン群は少なくとも2つの基準位置決めピンを含み、前記組み立て位置決めピン群は少なくとも2つの組み立て位置決めピンを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置決め治具。
【請求項4】
前記組み立て位置決めピン群の長手方向が、前記組み立て部品の組み立て方向に平行する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の位置決め治具。
【請求項5】
組み立て体であって、
前記請求項1~
4のいずれか一項に記載の位置決め治具を用いて位置決めされ、
前記基準部品と、前記基準部品の組み立て側に設けられた組み立て部品とを含み、
前記基準部品には、前記位置決め治具の前記基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記基準部品を位置決めするための前記基準位置決め孔群が開けられ、前記組み立て部品には、前記位置決め治具の前記組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記組み立て部品を位置決めするための前記組み立て位置決め孔群が開けられる、ことを特徴とする組み立て体。
【請求項6】
請求項
5に記載の組み立て体の組み立て方法であって、
前記基準部品の基準側が位置決め治具に向けられ、前記基準部品の基準位置決め孔群が前記位置決め治具の基準位置決めピン群に套設されるように、基準部品を操作するステップと、
前記基準部品の組み立て側に接近し、前記組み立て部品の組み立て位置決め孔群を前記位置決め治具の組み立て位置決めピン群に套設するように、組み立て部品を組み立て手順に従って操作し、前記組み立て部品を前記基準部品に位置決めして取り付けるステップと、
前記基準部品と前記組み立て部品を締め付けて接続して、組み立て体を形成するステップと、
前記組み立て体と前記位置決め治具を分離するステップとを含む、ことを特徴とする請求項
5に記載の組み立て体の組み立て方法。
【請求項7】
カーライト光学アセンブリであって、
前記請求項1~
4のいずれか一項に記載の位置決め治具を用いて位置決めされ、
ラジエータ、回路基板、及び配光ユニットを含み、
前記ラジエータには、前記位置決め治具の前記基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記ラジエータを位置決めするための前記基準位置決め孔群が開けられ、前記回路基板及び配光ユニットは、前記ラジエータの組み立て側に設けられ、且つ前記回路基板及び配光ユニットには、前記位置決め治具の前記組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記回路基板及び配光ユニットを位置決めするための前記組み立て位置決め孔群が開けられる、ことを特徴とするカーライト光学アセンブリ。
【請求項8】
前記配光ユニットは、反射素子、集光素子、レンズのうちの1種又は複数種の組み合わせである、ことを特徴とする請求項
7に記載のカーライト光学アセンブリ。
【請求項9】
前記ラジエータには、前記組み立て位置決めピン群が通り抜けるチャンネルが形成されている、ことを特徴とする請求項
7又は
8に記載のカーライト光学アセンブリ。
【請求項10】
前記配光ユニットは、第1の反射鏡及び第2の反射鏡を含み、前記第1の反射鏡及び前記第2の反射鏡のそれぞれには、前記組み立て位置決め孔群が開けられ、2つの前記組み立て位置決め孔群はすべて前記位置決め治具の組み立て位置決めピン群に挿着嵌合する、ことを特徴とする請求項
7~
9のいずれか一項に記載のカーライト光学アセンブリ。
【請求項11】
カーライトモジュールであって、
前記請求項1~
4のいずれか一項に記載の位置決め治具を用いて位置決めされ、
遮光板アセンブリ、レンズホルダー及び請求項
7~
10のいずれか一項に記載のカーライト光学アセンブリを含み、
前記遮光板アセンブリには、前記位置決め治具の基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記遮光板アセンブリを位置決めするための前記基準位置決め孔群が開けられ、前記レンズホルダーは、前記遮光板アセンブリの組み立て側に設けられ、且つ前記レンズホルダーには、前記位置決め治具の前記組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記レンズホルダーを位置決めするための前記組み立て位置決め孔群が開けられ、前記カーライト光学アセンブリには、前記遮光板アセンブリを通り抜けて前記レンズホルダーの前記組み立て位置決め孔群と嵌合し得る位置決めピンが設けられる、ことを特徴とするカーライトモジュール。
【請求項12】
カーライトモジュールであって、
前記請求項1~
4のいずれか一項に記載の位置決め治具を用いて位置決めされ、
レンズホルダー、遮光板アセンブリ及び請求項
7~
10のいずれか一項に記載のカーライト光学アセンブリを含み、
前記レンズホルダーには、前記位置決め治具の基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記レンズホルダーを位置決めするための前記基準位置決め孔群が開けられ、
前記遮光板アセンブリ及び前記カーライト光学アセンブリは、前記レンズホルダーの組み立て側に順次設けられ、前記遮光板アセンブリ及び前記カーライト光学アセンブリのそれぞれには、前記位置決め治具の前記組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記遮光板アセンブリ及び前記カーライト光学アセンブリを位置決めするための前記組み立て位置決め孔群が開けられる、ことを特徴とするカーライトモジュール。
【請求項13】
カーライトモジュールであって、
前記請求項1~
4のいずれか一項に記載の位置決め治具を用いて位置決めされ、
遮光板アセンブリ、レンズホルダー、及び請求項
7~
10のいずれか一項に記載のカーライト光学アセンブリを含み、
前記ラジエータには、前記位置決め治具の前記基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記ラジエータを位置決めするための前記基準位置決め孔群が開けられ、
前記回路基板、配光ユニット、遮光板アセンブリ及び前記レンズホルダーは、前記ラジエータの組み立て側に順次設けられ、且つ前記回路基板、配光ユニット、遮光板アセンブリ及び前記レンズホルダーのそれぞれには、前記位置決め治具の前記組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記回路基板、配光ユニット、遮光板アセンブリ及び前記レンズホルダーを位置決めするための前記組み立て位置決め孔群が開けられる、ことを特徴とするカーライトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年11月29日に提出された中国特許出願201911199096.8の利益を主張し、該出願の内容が引用により本出願に組み込まれている。
【0002】
本発明は、光学デバイスの製造分野に関し、特に位置決め治具及び組み立て体、組み立て方法、カーライト光学アセンブリ、カーライトモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
光源技術の高速発展に伴い、自動車ランプに使用される光源はハロゲン光源からLED光源に素早く発展している。LED光源は小型であり、輝度値が極めて高いため、反射鏡、レンズなどの部品とLEDとの取り付け精度についての要件が高い。
【0004】
さらに、大まかに言えば、カーライト光学デバイスは光源(たとえばLED光源、レーザー光源など)、一次光学素子(たとえば反射鏡、集光器など)、二次光学素子(たとえばレンズなど)、及びこれらの部品を位置決めして取り付ける組み立て部材(たとえばラジエータ、レンズホルダーなど)を含み、上記部品同士の位置及び組み立て精度はカーライト製品の光学性能に対して大きな影響を与える。
【0005】
実際に生産する際に、カーライト光学デバイスの従来の位置決め・組み立て方法では、一般には、1つの部材を基準部品として、この基準部品と嵌合して取り付ける部材を組み立て部品とする。具体的には、反射構造を組み立てる場合には、ラジエータ1(基準部品)にピン1-1を予め設計し、反射鏡2(組み立て部品)に孔2~1(
図1参照)を予め設計しておき、
図2に示すように、ピン孔との嵌合により反射鏡2をラジエータ1に位置決めして取り付ける。このような組み立て過程によって組み立て部品の移動自由度及び回転自由度が制限され、位置決めが実現される。
【0006】
技術の持続的な発展に伴い、従来の組み立て方式は、ますます高まるカーライト性能による光学デバイスの組み立て精度への要件を満たせなくなる。これの理由は、以下のとおりである。まず、パーツ同士の嵌合精度が完全にピン及び孔の位置度サイズや部品の形状サイズにより決まり、本技術分野では、ピンの製造公差サイズが産業に準じて設計され、製造能力が一般には±0.05mmであり、且つ量産過程においてこのサイズが確保されにくく、次に、
図1に示すラジエータには複数のピンがあり、各ピンの間に相対位置度があり、一般には公差が±0.05mmであり、このため、反射鏡をラジエータに取り付けた後の組み立て精度が確保されにくく、組み立て精度を高めるにはピンのサイズ公差をより小さくするか、又は各ピン間の位置度公差をより小さくする必要があるものの、ラジエータは一般にはダイキャストであることから、それに高精度のピンを加工するのが困難であり、加工にエラーが発生すると、部品が廃棄されてしまい、製造、組み立てのコストが高いので、生産の効率性及び経済性を満たせず、さらに、基準部品の製造時に形状サイズの偏差が発生すると、組み立て部品との嵌合に悪影響を与え、製品全体の品質の波動を引き起こし、同一バッチの製品の品質の一貫性が劣化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に鑑み、光学素子同士の組み立て精度が低く、組み立て製品の一貫性が悪いという問題に対して、位置決め治具及び組み立て体、組み立て方法、カーライト光学アセンブリ、カーライトモジュールを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
位置決め治具であって、
位置決めベースと、
前記位置決めベースの表面に設けられ、基準位置決めピン群と組み立て位置決めピン群を含み、前記基準位置決めピン群が前記基準部品に開けられた基準位置決め孔群に嵌合挿入されて前記基準部品を位置決めし、前記組み立て位置決めピン群が前記組み立て部品に開けられた組み立て位置決め孔群に嵌合挿入されて前記組み立て部品を位置決めする位置決め部材とを含む。
【0009】
上記位置決め治具は、少なくとも以下の有益な技術的効果を有する。
(1)位置決め治具は、製品から独立した機械加工部品であり、その表面に位置決めピン群を加工するのが容易であり、加工精度を非常に高くすることができ、公差が0.02mmに達し、位置決めピン同士の位置度公差も±0.02mmに達し、
位置決めピンのサイズ公差及び位置度公差の低減のため、組み立て過程において現在の単一部品の位置決め精度を効果的に改善し、製品の組み立て精度を高めることができ、基準部品及び組み立て部品がそれぞれ位置決めされるため、異なる部品同士の嵌合精度が向上し、出力するビーム形状が法規による要件を満たしやすく、製品品質の向上に有利である。
(2)位置決め治具に高精度の位置決めピンを加工することが容易であり、コストが低下し、このため、加工エラーのため廃棄されてしまうとしてもコストが低く、したがって、位置決め治具に位置決めピンを加工したり、基準部品のピンを同様な位置決め精度にしたりする場合、加工コストがより低くなり、経済性により優れる。
【0010】
一実施例では、前記組み立て位置決めピン群は複数あり、それぞれ前記組み立て部品に1対1で対応し、各前記組み立て部品の前記組み立て位置決め孔群を通り抜けて前記組み立て部品を位置決めする。
【0011】
一実施例では、前記基準位置決めピン群は少なくとも2つの基準位置決めピンを含み、前記組み立て位置決めピン群は少なくとも2つの組み立て位置決めピンを含む。
【0012】
一実施例では、前記組み立て位置決めピン群の長手方向が、前記組み立て部品の組み立て方向に平行する。
【0013】
一実施例では、前記基準位置決め孔群は1つの嵌合孔と1つの一方向隙間孔を含み、前記基準位置決めピン群は2本の位置決めピンを含み、前記嵌合孔が一方の前記位置決めピンサイズに合わせ、前記一方向隙間孔が他方の前記位置決めピンと隙間嵌めする。
【0014】
組み立て体であって、
基準部品と、前記基準部品の組み立て側に設けられた組み立て部品とを含み、
前記基準部品には、位置決め治具の基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記基準部品を位置決めするための基準位置決め孔群が開けられ、前記組み立て部品には、前記位置決め治具の組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記組み立て部品を位置決めするための組み立て位置決め孔群が開けられる。
【0015】
上記組み立て体の基準部品には、高精度の位置決めピンを設置する代わりに、位置決め治具の位置決めピン群と嵌合する基準位置決め孔群が設けられており、したがって基準部品の加工コストを削減させる。各パーツはそれぞれ位置決め治具で位置決めされ得るので、基準部品の形状サイズに偏差が生じることにより基準部品と嵌合する組み立て部品の位置偏移を引き起こすことはなく、それによって、複数の部品同士の組み立て精度の安定性を効果的に維持でき、製品全体の品質安定性を良好に維持する。
【0016】
組み立て方法であって、
前記基準部品の基準側が位置決め治具に向けられ、前記基準部品の基準位置決め孔群が前記位置決め治具の基準位置決めピン群に套設されるように、基準部品を操作するステップと、
前記基準部品の組み立て側に接近し、前記組み立て部品の組み立て位置決め孔群を前記位置決め治具の組み立て位置決めピン群に套設するように、組み立て部品を組み立て手順に従って操作し、前記組み立て部品を前記基準部品に位置決めして取り付けるステップと、
前記基準部品と前記組み立て部品を締め付けて接続して、組み立て体を形成するステップと、
前記組み立て体と前記位置決め治具を分離するステップとを含む。
【0017】
該組み立て方法では、位置決め治具の位置決めピン群により部品の自由度が制限される。また、各部品同士が部品自体のピン、孔などの位置決め構造により組み立てられる従来技術と異なり、本出願の技術案では、複数の位置決めピンがすべて同一の位置決め治具に形成され、位置決め治具がカーライトパーツの組み立て過程における統一の位置決め基準とされ、それにより、各パーツがそれぞれ位置決めされ、基準部品の形状サイズに偏差が生じることにより基準部品と嵌合する組み立て部品の位置偏移を引き起こすことはなく、それによって、複数の部品同士の組み立て精度の安定性を効果的に維持でき、したがって、製品の品質の一貫性を効果的に改善し、基準部品のサイズの波動により製品全体の品質に影響を与えることはない。さらに、分離した位置決め治具は次の組み立て体の取り付けにも適用できる。
【0018】
カーライト光学アセンブリであって、
ラジエータ、回路基板、及び配光ユニットを含み、
前記ラジエータには、前記位置決め治具の前記基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記ラジエータを位置決めするための前記基準位置決め孔群が開けられ、前記回路基板及び配光ユニットは、前記ラジエータの組み立て側に設けられ、且つ前記回路基板及び配光ユニットには、前記位置決め治具の前記組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記回路基板及び配光ユニットを位置決めするための前記組み立て位置決め孔群が開けられる。
【0019】
一実施例では、前記配光ユニットは、反射素子、集光素子、レンズのうちの1種又は複数種の組み合わせである。
【0020】
一実施例では、前記ラジエータには、前記組み立て位置決めピン群が通り抜けるチャンネルが形成されている。
【0021】
一実施例では、前記配光ユニットは、第1の反射鏡及び第2の反射鏡を含み、前記第1の反射鏡及び前記第2の反射鏡のそれぞれには、前記組み立て位置決め孔群が開けられ、2つの前記組み立て位置決め孔群はすべて前記位置決め治具の組み立て位置決めピン群に挿着嵌合する。
【0022】
カーライトモジュールであって、
位置決め治具を用いて位置決めされ、
遮光板アセンブリ、レンズホルダー及びカーライト光学アセンブリを含み、
前記遮光板アセンブリには、前記位置決め治具の基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記遮光板アセンブリを位置決めするための前記基準位置決め孔群が開けられ、前記レンズホルダーは、前記遮光板アセンブリの組み立て側に設けられ、且つ前記レンズホルダーには、前記位置決め治具の前記組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記レンズホルダーを位置決めするための前記組み立て位置決め孔群が開けられ、前記カーライト光学アセンブリには、前記遮光板アセンブリを通り抜けて前記レンズホルダーの前記組み立て位置決め孔群と嵌合し得る位置決めピンが設けられる。
【0023】
カーライトモジュールであって、
レンズホルダー、遮光板アセンブリ及びカーライト光学アセンブリを含み、
前記レンズホルダーには、位置決め治具の基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記レンズホルダーを位置決めするための基準位置決め孔群が開けられ、
前記遮光板アセンブリ及び前記カーライト光学アセンブリは、前記レンズホルダーの組み立て側に順次設けられ、且つ前記遮光板アセンブリ及び前記カーライト光学アセンブリのそれぞれには、前記位置決め治具の組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記遮光板アセンブリ及び前記カーライト光学アセンブリを位置決めするための組み立て位置決め孔群が開けられる。
【0024】
本実施例のカーライトモジュールはレンズホルダーを基準部品とする。位置決め治具の組み立て位置決めピン群は、遮光板アセンブリ、カーライト光学アセンブリの移動自由度及び回転自由度を制限し、正確な位置決めを可能とする。位置決め治具が唯一な位置決め基準とされ、レンズホルダー、遮光板アセンブリ、カーライト光学アセンブリがそれぞれ位置決め治具に独立して位置決めされ得るので、使用される基準部品の形状サイズに偏差が生じることにより基準部品と嵌合する組み立て部品の位置偏移を引き起こすことはなく、それによって、各部品同士の組み立て精度の安定性を効果的に維持でき、出力するビーム形状が法規による要件を満たすことができる。
【0025】
カーライトモジュールであって、
カーライト光学アセンブリ、光板アセンブリ、及びレンズホルダーを含み、
前記ラジエータには、前記位置決め治具の基準位置決めピン群に挿着嵌合して前記ラジエータを位置決めするための基準位置決め孔群が開けられ、
前記回路基板、配光ユニット、遮光板アセンブリ及び前記レンズホルダーは、前記ラジエータの組み立て側に順次設けられ、且つ前記回路基板、配光ユニット、遮光板アセンブリ及び前記レンズホルダーのそれぞれには、前記位置決め治具の組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記回路基板、配光ユニット、遮光板アセンブリ及び前記レンズホルダーを位置決めするための組み立て位置決め孔群が開けられる。
【0026】
本実施例のカーライトモジュールはラジエータを基準部品とする。位置決め治具の組み立て位置決めピン群は、ラジエータに対する、カーライトモジュールに含まれる他の部材の移動自由度及び回転自由度を制限し、正確な位置決めを可能とし、位置決め治具が唯一な位置決め基準とされ、各部材がそれぞれ位置決め治具に独立して位置決めされ得るので、各部品同士の組み立て精度の安定性を効果的に維持でき、出力するビーム形状が法規による要件を満たすことができる。前の実施例のカーライトモジュールに比べて、本実施例では、1つの位置決め治具を用いてカーライトモジュールに含まれる複数の分散部材、たとえばラジエータ、回路基板、補助反射鏡、主反射鏡、遮光板アセンブリ及びレンズホルダーをそれぞれ位置決めし、各部材の自由度及び互いの組み立て精度を制限することができ、位置決め治具の作製コストを削減させるとともに、組み立て速度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】
図1で組み立てられた反射構造の斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1による位置決め治具の模式図である。
【
図4】
図3の位置決め治具によるカーライト光学アセンブリの位置決めの模式図である。
【
図6】カーライト光学アセンブリのラジエータの上面図である。
【
図7】ラジエータが
図3の位置決め治具に位置決めされて取り付けられたときの模式図である。
【
図8】本発明の実施例2による位置決め治具の模式図である。
【
図9】
図8の位置決め治具を用いてレンズホルダー及び遮光板アセンブリを位置決めするときの模式図である。
【
図11】
図8の位置決め治具を用いて遮光板アセンブリを位置決めするときの模式図である。
【
図12】遮光板アセンブリ、レンズホルダーと構成するユニットとカーライト光学アセンブリとの位置決め・接続の模式図である。
【
図13】本発明の実施例3による位置決め治具の模式図である。
【
図14】
図13の位置決め治具を用いてレンズホルダー、遮光板アセンブリ、及びカーライト光学アセンブリを位置決めするときの模式図である。
【
図16】レンズホルダーが
図13の位置決め治具に位置決めされたときの模式図である。
【
図17】遮光板アセンブリが
図13の位置決め治具に位置決めされたときの模式図である。
【
図18】実施例3で組み立てられたカーライトモジュールの模式図である。
【
図19】本発明の実施例4による位置決め治具の模式図である。
【
図20】
図19の位置決め治具を用いて回路基板、第1の反射鏡、遮光板アセンブリを位置決めするときの模式図である。
【
図21】カーライトモジュールが
図19の位置決め治具に位置決めされて組み立てられたときの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0029】
本発明を理解しやすくするために、以下、関連図面を参照しながら本発明をより全面的に説明する。図面には本発明の好適な実施例が示されている。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実現されてもよく、本明細書に記載の実施例に制限されない。当業者が理解できるように、添付の特許請求の範囲により限定された本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書に記載の各種の実施例について変化及び改良を行うことができる。さらに、明確さ及び簡素化のために、公知の機能及び構造についての説明を省略してもよい。
【0030】
なお、1つの素子が別の素子に「固定された」と記載された場合、別の素子上に直接固定されてもよく、中間素子が存在してもよく、1つの素子が別の素子に「接続された」と考えられる場合、別の素子に直接接続されてもよく、中間素子が同時に存在してもよい。
【0031】
特に定義しない限り、本明細書に使用されるすべての技術的用語及び科学的用語は、当業者が理解する定義と同じである。本明細書では、本発明の明細書に使用されている用語は、具体的な実施例を説明する目的に過ぎず、本発明を制限することを意図しない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連項目のいずれか又はすべての組み合わせを含む。なお、以下の説明に記載の基準側は、位置決め治具に嵌合して組み立てられた基準部品の一側であり、組み立て側は、組み立て部品と嵌合する基準部品の一側である。
【0032】
本発明は、位置決めベースと位置決め部材を含む位置決め治具を提供し、位置決め部材は位置決めベースの表面に設けられ、基準位置決めピン群と組み立て位置決めピン群を含み、基準位置決めピン群が基準部品に開けられた基準位置決め孔群に嵌合挿入されて基準部品を位置決めし、組み立て位置決めピン群が組み立て部品に開けられた組み立て位置決め孔群に嵌合挿入されて、基準部品と嵌合して組み立てられた組み立て部品を位置決めする。好ましくは、位置決め治具の位置決めピンの数を減らし、加工を容易にするために、組み立て位置決めピン群及び基準位置決めピン群は1つの位置決めピン群を共用することができ、たとえば、以下の実施例3におけるカーライト光学アセンブリ200’の組み立て位置決め孔群201’は位置決め治具100cの基準位置決めピン群120cと嵌合する。
【0033】
上記位置決め治具は、組み立て体の各パーツを一括して位置決めするための位置決め工具であり、組み立て体全体の位置決め基準となる。組み立て体は、基準部品と、前記基準部品の組み立て側に設けられた組み立て部品を含み、基準部品は最初に位置決め治具に位置決めされたパーツであり、組み立て部品は基準部品と嵌合して組み立てられたパーツであり、前記基準部品には、位置決め治具の基準位置決めピン群に挿着嵌合して基準部品を位置決めするための基準位置決め孔群が開けられ、組み立て部品には、位置決め治具の組み立て位置決めピン群に挿着嵌合して前記組み立て部品を位置決めするための組み立て位置決め孔群が開けられる。前記組み立て位置決めピン群は複数あり、それぞれ前記組み立て部品に1対1で対応し、各前記組み立て部品の前記組み立て位置決め孔群を通り抜けて前記組み立て部品を位置決めする。
【0034】
上記位置決め治具は、カーライトモジュールを組み立てるための位置決め治具であってもよく、カーライトモジュールの複数種の組み立て体、たとえば、カーライト光学アセンブリ、レンズ、及び遮光板の組み立てアセンブリやカーライトモジュールなどの組み立て体に適用でき、位置決め治具は、組み立て体によってさまざまな構造を有し、以下、いくつかの組み立て体、それに対応する位置決め治具構造、及びその組み立て方法を具体的に説明する。
【0035】
実施例1
図4~
図7に示すように、本実施例は、カーライト光学アセンブリを提供し、カーライト光学アセンブリ200は、ラジエータ210、回路基板240、及び配光ユニットを含み、回路基板240には光源が設けられ、光源から発光する光が配光ユニットで調光されて発光し、配光ユニットは、反射素子、集光素子、レンズのうちの1種又は複数種の組み合わせとしてもよい。これらのうち、反射素子は、さまざまな形態を有し、ボウル形状の反射ボウルであってもよいし、板状の反射板であってもよく、集光素子として集光器を用いることができ、集光器は、全内部反射レンズであり、一般的な集光素子であり、光線のすべてを内部で収集して、コリメーションした後に射出し、レンズとしては、平凸レンズ、両凸レンズ、凹凸レンズなどが使用され得る。いくつかの発光モジュール、たとえばカーライトモジュールでは、配光ユニットは第1の反射鏡220と第2の反射鏡230を含むことができ、一態様として、第1の反射鏡220は、ロービーム形状の中心領域に位置する主ロービーム形状を形成することに用いられ、第2の反射鏡230は、ロービーム形状の広がり領域に位置する補助ロービーム形状を形成することに用いられ、別の態様として、第1の反射鏡220はハイビーム形状を形成することに用いられ、第2の反射鏡230はロービーム形状を形成することに用いられ、もちろん、配光ユニットは1つだけの反射鏡を含んでもよく、したがって、配光ユニットの構成及び構造は、カーライトモジュールの機能に応じてさまざまであってもよいが、構造の形態にかかわらず、法規による要件を満たすビーム形状を得るために、第1の反射鏡220及び第2の反射鏡230はいずれも光源に対して正確に取り付けられなければならない。
【0036】
以上に鑑み、
図3に示すように、本発明の実施例1に係る位置決め治具100aは、位置決めベース110aと位置決め部材を含み、位置決め部材は位置決めベース110aの表面に設けられ、基準位置決めピン群120aと組み立て位置決めピン群130aを含み、基準位置決めピン群120aは2つの基準位置決めピンを含み、基準部品に開けられた基準位置決め孔群に嵌合挿入されて基準部品を位置決めし、組み立て位置決めピン群130aは第1の組み立て位置決めピン群131aと第2の組み立て位置決めピン群132aに分けられ、第1の組み立て位置決めピン群131a及び第2の組み立て位置決めピン群132aがそれぞれ2つの組み立て位置決めピンを含み、組み立て位置決めピン群130aが組み立て部品に開けられた組み立て位置決め孔群に嵌合挿入されて、基準部品と嵌合して組み立てられる組み立て部品に位置決めされる。
【0037】
図5、
図6に示すように、位置決め治具100aを用いて、上記カーライト光学アセンブリ200のラジエータ210、回路基板240、及び配光ユニットを一括して位置決めし、ラジエータ210を基準部品、回路基板240、第1の反射鏡220及び第2の反射鏡230を組み立て部品とする。ラジエータ210には、位置決め治具100aの基準位置決めピン群120aに挿着嵌合してラジエータ210を位置決めするための基準位置決め孔群211が開けられ、回路基板240、第1の反射鏡220、及び第2の反射鏡230のいずれにも、位置決め治具100aの組み立て位置決めピン群130aに挿着嵌合して回路基板240、第1の反射鏡220及び第2の反射鏡230を位置決めするための組み立て位置決め孔群が開けられる。ラジエータ210、回路基板240、第1の反射鏡220、及び第2の反射鏡230の組み立て方向が上下方向であるため、基準位置決めピン群120a及び組み立て位置決めピン群130aはともに上下方向に延びることができる。
【0038】
上記位置決め治具100aを用いてカーライト光学アセンブリ200を組み立てる組み立て方法は、具体的には以下のとおりである。
【0039】
図7に示すように、ラジエータ210の基準側が位置決め治具100aに向けられ、ラジエータ210の基準位置決め孔群211が位置決め治具100aの基準位置決めピン群120aに套設されるように、ラジエータ210を操作し、
図5に示すように、組み立て部品の組み立て手順に従って、回路基板240を、その表面に開けられた組み立て位置決め孔群241と第1の組み立て位置決めピン群131aとの嵌合によりラジエータ210の組み立て側に位置決めして取り付け、次に、ラジエータ210の組み立て側に接近し、第1の反射鏡220及び第2の反射鏡230の組み立て位置決め孔群を位置決め治具100aの第2の組み立て位置決めピン群132aに套設するように、第1の反射鏡220及び第2の反射鏡230を順次操作し、第1の反射鏡220及び第2の反射鏡230をラジエータ210に位置決めして取り付け、
図4に示すように、ボルトを用いて回路基板240、第1の反射鏡220、第2の反射鏡230及びラジエータ210を締め付けて接続して、カーライト光学アセンブリ200となる組み立て体を形成し、該カーライト光学アセンブリ200と位置決め治具100aを分離した後、位置決め治具100aを次のカーライト光学アセンブリ200の取り付けに用いる。
【0040】
上記組み立て過程において、ラジエータ210は基準部品とされ、位置決め治具100aの第1の組み立て位置決めピン群131aは回路基板240の移動自由度及び回転自由度を制限し、第2の組み立て位置決めピン群132aは第1の反射鏡220及び第2の反射鏡230の移動自由度及び回転自由度を制限することができ、回路基板240、第1の反射鏡220、及び第2の反射鏡230がそれぞれ位置決め治具100aに位置決めされ、位置決め治具100aが機械加工部品であるので、その表面への位置決めピン群の加工操作が容易であり、高加工精度が可能であり、カーライト光学アセンブリ200では、ラジエータ210の形状サイズに偏差が生じることによりラジエータ210と嵌合する組み立て部品の位置偏移を引き起こすことはなく、それにより、複数の部品間の組み立て精度の安定性を効果的に維持でき、製品全体の品質安定性を良好にし、形成されたカーライトのビーム形状が法規による要件をより容易に満たすようにし、使用者の使用エクスペリエンスが向上する。
【0041】
上記実施例では、ラジエータ210には、光学デバイスを位置決めするための位置決めピンが一切設置されず、基準位置決め孔群211、及び各組み立て位置決めピン群130aが通り抜けるチャンネル212だけが形成され、このようなラジエータ210の加工は、位置決めピンを加工しないため、容易になり、加工コストが大幅に低下する。組み立て位置決めピン群130aはラジエータ210を通り抜けることができ、このような設置形態では、ラジエータ210の内部空間が十分に利用され、形成されたカーライト光学アセンブリ200全体として構造がコンパクトである。もちろん、他のいくつかの実施例では、組み立て位置決めピン群はラジエータ210を通り抜けなくてもよく、ここでは制限しない。
【0042】
上記実施例では、基準位置決め孔群211は1つの嵌合孔2111と1つの一方向隙間孔2112を含み、基準位置決めピン群120aは2本の位置決めピンを含む。嵌合孔2111が一方の位置決めピンサイズに合わせ、それにより、嵌合孔2111に挿入された位置決めピンが嵌合孔2111内を移動するための空間がなくなり、組み立て部品の移動自由度が制限され、位置決めが正確かつ安定的になり、該嵌合孔2111は好ましくは円状であり、一方向隙間孔2112が他方の位置決めピンと隙間嵌めし、嵌合孔2111とともに組み立て部品の回転自由度を制限し、基準部品の位置決め治具への位置決めを容易にし、該一方向隙間孔2112は好ましくは長円孔であり、該一方向隙間孔2112と嵌合する位置決めピンは長円孔の両辺と接触する。同様に、他の各実施例における基準位置決め孔群及び組み立て位置決め孔群はすべて上記形態とされる。
【0043】
上記組み立て方法では、第1の反射鏡220、第2の反射鏡230はすべて位置決め治具100aの第2の組み立て位置決めピン群132aに挿着嵌合する。他のいくつかの実施例では、第1の反射鏡220、第2の反射鏡230はそれぞれ1つの組み立て位置決めピン群に対応してもよく、ここで制限しない。
【0044】
上記カーライト光学アセンブリ200はほとんどカーライトモジュールに適用されるが、もちろん、上記配光ユニットは他の反射素子、集光素子、レンズなどに変更して光学デバイスとしてカーライトモジュールに適用してもよく、カーライトモジュールはレンズホルダーをさらに含み、レンズホルダーにはレンズが取り付けられており、該カーライトモジュールは、ロービーム照明モードの機能を備える場合、遮光板アセンブリをさらに含み、遮光板アセンブリは、遮光板、遮光板を回動駆動するためのモータ、回転軸などの部材も含み、これらのうち、遮光板は、ロービーム形状のカットオフラインを形成するために光線の一部を遮断する。上記カーライトモジュールの発光原理は以下のとおりである。該カーライトモジュールがハイビーム照明モードである場合、カーライト光学アセンブリ200内の光源から発光する光は、第1の反射鏡220でレンズホルダーのレンズに反射され、レンズで屈折されると、車両ハイビームとなり、該カーライトモジュールがロービーム照明モードである場合、光源から発光する光は、一部が遮光板で遮断され、残りの光が第2の反射鏡230でレンズに反射され、レンズで屈折されると、車両ロービームとなる。したがってカーライト光学アセンブリ、遮光板アセンブリ、及びレンズホルダーの取り付け位置はハイビーム、ロービームの形成にとって非常に重要である。該カーライトモジュールは、位置決め治具を用いて各パーツ同士の位置決め・取り付けの精度を向上させることができ、具体的には、少なくとも以下の3種類の実施形態を有する。
【0045】
実施例2
図9~
図12に示すように、本実施例のカーライトモジュールは、レンズホルダー400、遮光板アセンブリ300、及び上記カーライト光学アセンブリ200を含み、レンズホルダー400にはレンズ410が取り付けられ、カーライト光学アセンブリ200は、上記位置決め治具100aを用いて位置決めされて組み立てられ得、位置決め治具100aの位置決めピンがすべて上下方向に延びているが、遮光板アセンブリ300及びレンズホルダー400の組み立て方向が前後方向であるため、レンズホルダー400、及び遮光板アセンブリ300は、
図8に示す位置決め治具100bにより位置決めされた後に組み立てることができ、位置決め治具100bは、遮光板アセンブリ300を基準部品、レンズホルダー400を組み立て部品とする。
【0046】
具体的には、
図8に示すように、位置決め治具100bは、位置決めベース110bと位置決め部材を含み、位置決め部材は位置決めベース110bの表面に設けられ、基準位置決めピン群120bと組み立て位置決めピン群130bを含み、基準位置決めピン群120bは2つの基準位置決めピンを含み、組み立て位置決めピン群130bは2つの組み立て位置決めピンを含む。
【0047】
これに対応して、
図10に示すように、遮光板アセンブリ300には、位置決め治具100bの基準位置決めピン群120bに挿着嵌合して遮光板アセンブリ300を位置決めするための基準位置決め孔群301が開けられ、レンズホルダー400には、位置決め治具100bの組み立て位置決めピン群130bに挿着嵌合してレンズホルダー400を位置決めするための組み立て位置決め孔群401が開けられる。遮光板アセンブリ300及びレンズホルダー400の組み立て方向が前後方向であるため、基準位置決めピン群120b及び組み立て位置決めピン群130bはともに前後方向に延びることができる。
【0048】
本実施例のカーライトモジュールの組み立て方法は、具体的には、以下のとおりである。
【0049】
まず、実施例1の位置決め治具100aを用いてカーライト光学アセンブリ200を予め組み立てておき、組み立て方法は、実施例1の組み立て方法と同じである。
【0050】
図11に示すように、遮光板アセンブリ300の基準側が位置決め治具100bに向けられ、遮光板アセンブリ300の基準位置決め孔群301が位置決め治具100bの基準位置決めピン群120bに套設されるように、遮光板アセンブリ300を操作し、
図9に示すように、遮光板アセンブリ300の組み立て側に接近し、レンズホルダー400の組み立て位置決め孔群401を位置決め治具100bの組み立て位置決めピン群130bに套設するように、レンズ410が取り付けられたレンズホルダー400を操作し、レンズホルダー400を遮光板アセンブリ300に位置決めし、ここで、
図11に示すように、遮光板アセンブリ300には、組み立て位置決めピン群130bが通り抜けるビア302が開けられ、組み立て位置決めピン群130bは遮光板アセンブリ300の過度位置決めを防止するためにビア302と隙間嵌めし、組み立て位置決めピン群130bは、遮光板アセンブリ300のビア302、レンズホルダー400の組み立て位置決め孔群401を順次通り抜けてレンズホルダー400の組み立て位置決め孔群401と嵌合し、
図12に示すように、ボルト10aを用いてレンズホルダー400と遮光板アセンブリ300を締め付けて接続して、位置決め治具100bを分離して次のレンズホルダー400と遮光板アセンブリ300の取り付けに用い、次に、上記カーライト光学アセンブリ200、遮光板アセンブリ300及びレンズホルダー400からなるユニットを位置決めして接続し、具体的には、
図7に示すように、ラジエータ210には位置決めピン213が設けられ、該位置決めピン213は、遮光板アセンブリ300のビア302、レンズホルダー400の組み立て位置決め孔群401を順次通り抜けてレンズホルダー400の組み立て位置決め孔群401と嵌合することができ、最後に、ボルト10bを用いてカーライト光学アセンブリ200、遮光板アセンブリ300、及びレンズ410が取り付けられたレンズホルダー400を締め付けて接続する。
【0051】
本実施例では、位置決め治具100bの基準位置決めピン群120bは遮光板アセンブリ300の移動自由度及び回転自由度を制限し、組み立て位置決めピン群130bは遮光板アセンブリ300に対するレンズホルダー400の移動自由度及び回転自由度を制限し、正確な位置決めを可能とする。位置決め治具100bは唯一な位置決め基準とされ、遮光板アセンブリ300、レンズホルダー400がそれぞれ位置決め治具に独立して位置決めされ、位置決め治具100bが機械加工部品であるので、その表面への位置決めピン群の加工操作が容易であり、高加工精度が可能であり、使用される基準部品の形状サイズに偏差が生じることにより基準部品と嵌合する部品の位置偏移を引き起こすことはなく、それにより、各部品間の組み立て精度の安定性を効果的に維持でき、形成されたカーライトビーム形状が法規による要件を満たすようにする。
【0052】
実施例3
図14~
図18に示すように、該実施例では、実施例2に比べて、レンズホルダー400’を基準部品、遮光板アセンブリ300’及びカーライト光学アセンブリ200’を組み立て部品とし、
具体的には、位置決め治具100cの基準位置決めピン群120cは2つの基準位置決めピンを含み、組み立て位置決めピン群130cは2つの組み立て位置決めピンを含む点が異なる。
【0053】
それに対応して、
図15に示すように、レンズホルダー400’には、位置決め治具100cの基準位置決めピン群120cに挿着嵌合してレンズホルダー400’を位置決めするための基準位置決め孔群401’が開けられ、遮光板アセンブリ300’には、位置決め治具100cの組み立て位置決めピン群130cに挿着嵌合して遮光板アセンブリ300’を位置決めするための組み立て位置決め孔群301’が開けられ、カーライト光学アセンブリ200’には、位置決め治具100cの基準位置決めピン群120cに直接挿着嵌合してカーライト光学アセンブリ200’を位置決めするための組み立て位置決め孔群201’が開けられる。ここで、カーライト光学アセンブリ200’に対応する組み立て位置決めピン群は基準位置決めピン群102cと1つの位置決めピン群を共用し、このように、位置決め治具の構造を簡素化させ、もちろん、選択肢としての形態では、位置決め治具100cには、カーライト光学アセンブリ200’の組み立て位置決め孔群201’と嵌合する組み立て位置決めピン群が設けられてもよく、該組み立て位置決めピン群は基準位置決めピン群120cとは同一の位置決めピン群ではない。カーライト光学アセンブリ200’、遮光板アセンブリ300’、及びレンズホルダー400’の組み立て方向が前後方向であるため、基準位置決めピン群120c及び組み立て位置決めピン群130cは前後方向に延びる。
【0054】
本実施例のカーライトモジュールの組み立て方法は、具体的には、以下のとおりである。
【0055】
まず、実施例1の位置決め治具100aを用いてカーライト光学アセンブリを予め組み立てておき、組み立て方法は、実施例1の組み立て方法と同じである。
【0056】
図16に示すように、レンズホルダー400’の基準側が位置決め治具100cに向けられ、レンズホルダー400’の基準位置決め孔群401’が位置決め治具100cの基準位置決めピン群120cに套設されるように、レンズホルダー400’を操作し、
図17、
図18に示すように、組み立て手順に従って、レンズホルダー400’の組み立て側に接近し、遮光板アセンブリ300’の組み立て位置決め孔群301’及びカーライト光学アセンブリ200’の組み立て位置決め孔群201’が対応する位置決め治具100cの位置決めピン群に順次套設されるように、遮光板アセンブリ300’及びカーライト光学アセンブリ200’を順次操作し、遮光板アセンブリ300’及びカーライト光学アセンブリ200’をレンズホルダー400’に位置決めし、ここで、
図15に示すように、遮光板アセンブリ300’には、基準位置決めピン群120cが通り抜けるビア302’が開けられ、基準位置決めピン群120cは、遮光板アセンブリ300’の過度位置決めを防止するためにビア302’と隙間嵌めし、基準位置決めピン群120cは、レンズホルダー400’の基準位置決め孔群401’、遮光板アセンブリ300’のビア302’、カーライト光学アセンブリ200’の組み立て位置決め孔群201’を順次通り抜け、
図14に示すように、ボルト10a’を用いてカーライト光学アセンブリ200’、遮光板アセンブリ300’及びレンズホルダー400’を締め付けて接続して、組み立て体を形成し、その後、位置決め治具100cを組み立て体と分離し、位置決め治具100cを次のカーライトモジュールの取り付けに用い、次に、レンズ410’をレンズホルダー400’にセットすると、カーライトモジュールとなる。
【0057】
上記組み立て操作過程では、レンズホルダー400’は基準部品とされる。位置決め治具100cの組み立て位置決めピン群130cは遮光板アセンブリ300’の移動自由度及び回転自由度を制限し、正確な位置決めを可能とし、基準位置決めピン群120cは、レンズホルダー400’及びカーライト光学アセンブリ200’の移動自由度及び回転自由度を同時に制限することができる。位置決め治具100cは唯一な位置決め基準とされ、レンズホルダー400’、遮光板アセンブリ300’、カーライト光学アセンブリ200’がそれぞれ位置決め治具100cに独立して位置決めされ、位置決め治具100cが機械加工部品であるので、その表面への位置決めピン群の加工操作が容易であり、高加工精度が可能であり、使用される基準部品の形状サイズに偏差が生じることにより基準部品と嵌合する部品の位置偏移を引き起こすことはなく、それにより、各部品間の組み立て精度の安定性を効果的に維持でき、形成されたカーライトビーム形状が法規による要件を満たすようにする。
【0058】
実施例3では、使用されるカーライト光学アセンブリ200’は実施例1の方法で予め組み立てられるものであり、それにより、カーライトモジュールに含まれるすべてのパーツの組み立て精度が十分に確保できる。もちろん、他のいくつかの実施例では、カーライト光学アセンブリは、従来の方式で組み立てられてもよく、ここで制限しない。
【0059】
実施例4
上記実施例2及び実施例3では、カーライトモジュールの複数の部品を位置決めするには2つの位置決め治具が必要であり、このため、組み立てステップのさらなる簡素化が求められ、たとえば、カーライト光学アセンブリ、遮光板アセンブリ及びレンズホルダーの3つの組み立て方向を同様に上下方向に設計することによって、1つの位置決め治具を用いてすべての部品を位置決めすることができる。
【0060】
具体的には、
図19~
図21に示すように、ラジエータ210’’を基準部品、回路基板240’’、第1の反射鏡220’’、第2の反射鏡230’’、遮光板アセンブリ300’’及びレンズホルダー400’’を組み立て部品として、
図19に示す位置決め治具100dを用いて位置決めして取り付ける。
【0061】
具体的には、
図19に示すように、位置決め治具100dには、基準位置決めピン群120d、第1の組み立て位置決めピン群131d、第2の組み立て位置決めピン群132d、及び第3の組み立て位置決めピン群133dが設けられ、第1の組み立て位置決めピン群131d、第2の組み立て位置決めピン群132d、及び第3の組み立て位置決めピン群133dはそれぞれ2つの組み立て位置決めピンを含み、同様に、ラジエータ210’’、回路基板240’’、第1の反射鏡220’’、第2の反射鏡230’’、遮光板アセンブリ300’’及びレンズホルダー400’’のいずれにも、対応する基準位置決め孔群又は組み立て位置決め孔群が設けられる。同一の位置決め治具を用いるため、基準位置決めピン群及び組み立て位置決めピン群はともに上下方向に延びている。
【0062】
本実施例のカーライトモジュールの組み立て方法は、具体的には、以下のとおりである。
【0063】
ラジエータ210’’の基準側が位置決め治具100dに向けられ、ラジエータ210’’の基準位置決め孔群が位置決め治具100dの基準位置決めピン群120dに套設されるように、ラジエータ210’’を操作し、
図20及び
図21に示すように、実施例1に記載のカーライト光学アセンブリの組み立て方法によって、回路基板240’’を第1の組み立て位置決めピン群131dと嵌合し、第1の反射鏡220’’及び第2の反射鏡230’’を第2の組み立て位置決めピン群132dと嵌合してラジエータ210’’に位置決めして取り付け、カーライト光学アセンブリを形成し、次に、ラジエータ210’’の組み立て側に接近し、遮光板アセンブリ300’’、レンズホルダー410’’の組み立て位置決め孔群を位置決め治具100dの第3の組み立て位置決めピン群133dに套設するように、遮光板アセンブリ300’’、レンズ410’’が取り付けられたレンズホルダー400’’を順次操作し、遮光板アセンブリ300’’及びレンズホルダー400’’をカーライト光学アセンブリに位置決めして取り付け、
ボルト10a’’を用いて、レンズホルダー400’’、遮光板アセンブリ300’’及びカーライト光学アセンブリを締め付けて接続し、カーライトモジュールとなる組み立て体を形成し、カーライトモジュールと位置決め治具100dを分離した後、位置決め治具100dを次のカーライトモジュールの取り付けに用いる。
【0064】
上記組み立て操作過程では、ラジエータは基準部品とされる。位置決め治具100dの組み立て位置決めピン群は、ラジエータ210’’に対する、カーライトモジュールに含まれる他の部材の移動自由度及び回転自由度を制限し、正確な位置決めを可能とし、位置決め治具100dは唯一な位置決め基準とされ、各部材がそれぞれ位置決め治具100dに独立して位置決めされ、位置決め治具100dが機械加工部品であるので、その表面への位置決めピン群の加工操作が容易であり、高加工精度が可能であり、それにより、各部品間の組み立て精度の安定性を効果的に維持でき、形成されたカーライトビーム形状が法規による要件を満たすことができる。前の実施例の組み立て方式に比べて、本実施例では、1つの位置決め治具を用いてカーライトモジュールに含まれる複数の分散部材、たとえばラジエータ210’’、回路基板240’’、第1の反射鏡220’’、第2の反射鏡230’’、遮光板アセンブリ300’’及びレンズホルダー400’’をそれぞれ位置決めし、各部材の自由度及び互いの組み立て精度を制限することができ、位置決め治具の作製コストを削減させるとともに、組み立て速度を向上させる。
【0065】
上記の各実施例では、基準位置決めピン群は2つの基準位置決めピンを含み、組み立て位置決めピン群は2つの組み立て位置決めピンを含む。なお、他のいくつかの実施例では、基準位置決めピン群は2つ以上の基準位置決めピンを含み、組み立て位置決めピン群は2つ以上の組み立て位置決めピンを含み、これは形態の正常な実施に影響を与えず、ここで制限しない。
【0066】
好適な形態の1つとして、上記各実施例では、組み立て位置決めピン群の長手方向は組み立て部品の組み立て方向に平行する。組み立て方向は、組み立てるときに組み立て部品が基準部品に接近する方向であり、この好適な形態を用いると、組み立て部品は、基準部品に接近しながら、組み立て位置決めピン群に挿入することができ、このように、組み立て部品と基準部品を簡便に組み立てることができる。
【0067】
以上の前記実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができ、説明の便宜上、上記実施例の各技術的特徴のすべての可能な組み合わせを説明しておらず、ただし、これらの技術的特徴の組み合わせには矛盾が存在しない限り、本明細書に記載の範囲とみなすべきである。
【0068】
以上の前記実施例は、本発明のいくつかの実施形態だけを説明しており、その記載が具体的かつ詳細であるが、発明の特許範囲を制限するものとして理解できない。なお、当業者であれば、本発明の構想を逸脱することなく、いくつかの変形及び改良を行うことができ、これらは、本発明の特許範囲に属する。したがって、本発明特許の特許範囲は添付の特許請求の範囲に準じる。