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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】リアルタイム非破壊容器閉鎖完全性測定
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/36 20060101AFI20230327BHJP
【FI】
G01M3/36
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2021543281
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020014908
(87)【国際公開番号】W WO2020154570
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-11-22
(31)【優先権主張番号】62/796,886
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521324757
【氏名又は名称】ウェスト・ファーマシューティカル・サービシーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・アイヒホルン
(72)【発明者】
【氏名】シンドゥジャ・クチバトラ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・サリヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・グリボヴィッチュ
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0258401(US,A1)
【文献】特開2018-071786(JP,A)
【文献】特表2015-517378(JP,A)
【文献】特開2003-104324(JP,A)
【文献】米国特許第07772981(US,B1)
【文献】特開2003-144524(JP,A)
【文献】特開平04-132924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00~3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、埋設位置決め構成要素を含むエラストマーストッパと、前記エラストマーストッパを適所にとどめるためのリテーナと、前記埋設位置決め構成要素の位置を検出するための検出システムの少なくとも一部を含むキャップと、を含む容器システムにおける容器閉鎖完全性を決定するための方法であって、前記エラストマーストッパが、前記容器をシールするために前記容器のリムと前記リテーナとの間に拘束され、前記方法が、
前記埋設位置決め構成要素の位置を、前記検出システムを使用して決定するステップと、
前記埋設位置決め構成要素の決定された位置に基づいて、前記容器の閉鎖完全性を決定するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記埋設位置決め構成要素の決定された位置に基づいて前記エラストマーストッパの圧縮度を決定するステップを含み、前記容器の閉鎖完全性を決定するステップがまた、前記エラストマーストッパの決定された圧縮度に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮度を前記容器システムに対する残留シール力と相関付けるステップを含み、前記容器の閉鎖完全性を決定するステップがまた、前記残留シール力に基づく、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記埋設位置決め構成要素の検出された位置を所定の容器システム構成に対する残留シール力と相関付けるために、前記所定の容器システム構成に対する前記埋設位置決め構成要素の位置を検出するための前記検出システムを較正するステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記埋設位置決め構成要素が磁性材料を含み、前記埋設位置決め構成要素の前記位置を決定するステップが、前記検出システムのセンサを用いて、磁場強度を検出するステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記検出システムが前記センサを含み、前記センサが前記磁場強度を検出する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記埋設位置決め構成要素が、第1のコンデンサプレートとして構成された導電性材料を含み、前記検出システムが、第2のコンデンサプレートとして構成された導電性材料を含み、前記埋設位置決め構成要素の前記位置を決定するステップが、センサを用いて、前記第1のコンデンサプレートと前記第2のコンデンサプレートとの間の静電容量を検出するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
シールが前記第2のコンデンサプレートを形成するために導電性材料を含み、前記方法が、前記シールと前記埋設位置決め構成要素との間の距離を検出するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記キャップが、
マイクロコントローラと、
検出回路と、
ワイヤレス通信モジュールと、
源とを含み、
前記方法が、前記容器の閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
容器と、エラストマーストッパと、前記エラストマーストッパを適所にとどめるためのリテーナと、検出システムの少なくとも一部を含むキャップと、を含む容器システムにおける容器閉鎖完全性を決定するための方法であって、前記エラストマーストッパが、前記容器をシールするために前記容器のリムと前記リテーナとの間に拘束され、前記方法が、
前記エラストマーストッパと前記容器の前記リムまたは前記リテーナとの間に配置された力感知抵抗器の抵抗を、前記検出システムを用いて測定するステップと、
前記測定された抵抗に基づいて前記容器の閉鎖完全性を決定するステップとを含む、方法。
【請求項11】
前記測定された抵抗に基づいて残留シール力を決定するステップを含み、
前記容器の閉鎖完全性を決定するステップがまた、前記残留シール力に基づく、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記力感知抵抗器に対して測定された抵抗を相関付けるために所定の容器システムに対する前記検出システムを較正するステップを含み
前記容器の閉鎖完全性を決定するステップがまた、前記測定された抵抗に基づく、請求項10または請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記キャップが、
マイクロコントローラと、
検出回路と、
ワイヤレス通信モジュールと、
源とを含み、
前記方法が、前記容器の閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
充填された容器システムを製作するための充填ラインを構成、検証、またはモニタする方法であって、前記方法が、
1つまたは複数の容器システムを充填してシールするステップを含み、前記1つまたは複数の容器システムは、容器と、埋設位置決め構成要素を含むエラストマーストッパと、前記エラストマーストッパを適所にとどめるためのリテーナと、前記埋設位置決め構成要素の位置を検出するための検出システムの少なくとも一部を含むキャップと、を含み、前記エラストマーストッパが、前記容器をシールするために前記容器のリムと前記リテーナとの間に拘束され、前記方法が、
前記埋設位置決め構成要素の位置を、前記検出システムを使用して決定するステップと、
前記埋設位置決め構成要素の決定された位置に基づいて、容器閉鎖完全性を決定するステップとを含む、方法。
【請求項15】
充填された容器システムを製作するための充填ラインを構成、検証、またはモニタする方法であって、前記方法が、
1つまたは複数の容器システムを充填してシールするステップを含み、前記1つまたは複数の容器システムが、
器と、エラストマーストッパと、前記エラストマーストッパを適所にとどめるためのリテーナと、検出システムの少なくとも一部を含むキャップと、を含み、前記エラストマーストッパが、前記容器をシールするために前記容器のリムと前記リテーナとの間に拘束され、前記方法が、
前記エラストマーストッパと前記リテーナとの間に配置された力感知抵抗器の抵抗を、前記検出システムを用いて測定するステップと、
前記測定された抵抗に基づいて前記容器の閉鎖完全性を決定するステップとを含む、方法。
【請求項16】
容器と、埋設位置決め構成要素を含むエラストマーストッパと、リテーナであって、前記リテーナと前記容器のリムとの間に前記エラストマーストッパを適所にとどめるための前記リテーナと、前記埋設位置決め構成要素の位置を検出するための検出システムの少なくとも一部を含むキャップと、を含む容器システムに対する容器閉鎖完全性を決定するための検出システムであって、
前記容器内の前記埋設位置決め構成要素の位置を決定するように構成されたセンサと、
前記埋設位置決め構成要素の決定された位置に基づいて前記容器の閉鎖完全性を決定するように構成されたコントローラとを含む、検出システム。
【請求項17】
前記コントローラが、前記埋設位置決め構成要素の決定された位置に基づいて前記エラストマーストッパの圧縮度を決定し、やはり前記エラストマーストッパの決定された圧縮度に基づいて前記容器の閉鎖完全性を決定するように構成される、請求項16に記載の検出システム。
【請求項18】
前記コントローラが、決定された圧縮度を前記容器システムに対する残留シール力と相関付けて、やはり前記残留シール力に基づいて前記容器の閉鎖完全性を決定するようにさらに構成される、請求項17に記載の検出システム。
【請求項19】
前記コントローラが、前記埋設位置決め構成要素の決定された位置を所定の容器システム構成に対する残留シール力と相関付けるために、前記所定の容器システム構成に対する前記埋設位置決め構成要素の位置を検出するために較正される、請求項16から18のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項20】
前記埋設位置決め構成要素が磁性材料を含み、前記センサが磁場強度を検出するように構成される、請求項16から19のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項21】
前記埋設位置決め構成要素が、第1のコンデンサプレートとして構成された導電性材料を含み、前記検出システムが、第2のコンデンサプレートを含み、前記コントローラが、センサを用いて、前記第1のコンデンサプレートと前記第2のコンデンサプレートとの間の静電容量を検出することによって前記埋設位置決め構成要素の前記位置を決定するように構成される、請求項16から20のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項22】
前記第2のコンデンサプレートが前記リテーナによって形成され、前記リテーナが導電性材料から形成されたシールを含み、前記センサが、前記シールと前記埋設位置決め構成要素との間の距離を検出するように構成される、請求項21に記載の検出システム。
【請求項23】
前記キャップが、
マイクロコントローラと、
検出回路と、
ワイヤレス通信モジュールと、
源とを含み、
前記ワイヤレス通信モジュールが、前記容器の閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するように構成される、請求項16から22のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項24】
無菌シールを含む容器システムであって、前記容器システムが、
容器と、
埋設位置決め構成要素を含むエラストマーストッパと、
リテーナであって、前記リテーナと前記容器のリムとの間に前記エラストマーストッパを適所にとどめるためのリテーナと、
前記埋設位置決め構成要素の位置を検出するための検出回路を含むキャップとを含み、
前記埋設位置決め構成要素が、
磁性材料か、または
導電性材料を含む、容器システム。
【請求項25】
前記キャップは、
イクロコントローラと
イヤレス通信モジュールと、
源と、
含み
前記ワイヤレス通信モジュールが、前記容器の閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するように構成され、
前記検出回路がセンサを含む、請求項24に記載の容器システム。
【請求項26】
無菌シールを含む容器システムであって、
容器と、
エラストマーストッパと、
エラストマーストッパを適所にとどめるためのリテーナであって、前記エラストマーストッパが、前記容器をシールするために前記容器のリムと前記リテーナとの間に拘束されるリテーナと、
前記エラストマーストッパと前記容器の前記リムまたは前記リテーナとの間に配置された力感知抵抗器と、
検出回路を含むキャップとを含む、容器システム。
【請求項27】
前記キャップは、
イクロコントローラと
イヤレス通信モジュールと、
源とを含み、
前記ワイヤレス通信モジュールが、前記容器の閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するように構成され、
前記検出回路は前記力感知抵抗器の抵抗を測定するように構成される、請求項26に記載の容器システム。
【請求項28】
前記キャップがヒンジを含み、前記ヒンジが、
イクロコントローラ、源、および前記検出回路のうちの少なくとも1つと、
前記力感知抵抗器との間に接触をもたらす電気接点を含む、請求項26または請求項27に記載の容器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が本明細書に組み込まれる、2019年1月25日に出願した米国仮出願第62/796,886号に対する利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、容器閉鎖完全性(CCI)の非破壊検査を可能にする、容器システムにおけるCCIを決定するためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本開示は、シールされた容器システムにおけるエラストマーストッパの位置および/または圧縮を決定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
医薬製品は、薬物配送デバイスとともに使用するためのバイアルおよび薬剤容器を含む様々な容器システム内に貯蔵される。容器システムに対する閉鎖は、微生物、湿気、およびガスが容器の内部容積の中に浸入するのを防止することによって、その保存可能期間の間に容器システム内の医薬製品の安定性および無菌性を保護するように働く障壁を提供しなくてはならない。
【0004】
容器閉鎖完全性(CCI)試験は、容器システムに対する閉鎖シールの適切性を評価するために使用される。現在のCCI試験方法は、微生物および染料浸入試験、質的および量的ヘッドスペース試験、真空または圧力減衰試験、高電圧リーク検出(HVLT)、およびヘリウムリーク検出を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの方法は、それらの破壊的性質、試験を遂行するために必要な複雑な実験室の装置、およびいくつかの薬剤タイプ(たとえば、HVLD)に対するそれらの不適切性によって制限される。
【0006】
CCI試験の改善された方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的には、本開示は、容器のリムと、エラストマーストッパと、容器のリムに対してストッパを圧縮するためのリテーナとを含むシール積層体内の圧縮力を測定することによって容器閉鎖完全性(CCI)を決定するための改善された方法およびシステムを提供する。本発明の実施形態では、シール積層体は、望ましくは、容器のCCIが、製品の保存可能期間内の種々の時点において、非破壊で測定され得るように、エラストマーストッパの圧縮を直接測定するためにシール積層体内に配置されたセンサまたは検出可能な構成要素を含む。たとえば、本発明の実施形態は、製品の寿命の間の以下の点、すなわちシールの直後、製造ラインの終点において、製品に対する貯蔵期間の間もしくは後、または診療の現場において、のうちの少なくとも1つにおいて容器システムに対するCCIを決定するために使用され得る。
【0008】
第1の態様では、容器と、埋設位置決め構成要素を含むエラストマーストッパと、ストッパを適所にとどめるためのリテーナとを含む容器システムにおける容器閉鎖完全性を決定するための方法が提供され、エラストマーストッパは、容器をシールするために容器のリムとリテーナとの間に拘束される。方法は、(i)埋設位置決め構成要素の位置を、検出システムを使用して決定するステップと、(ii)埋設検出可能構成要素の測定された位置に基づいて、容器閉鎖完全性を決定するステップとを含む。エラストマーストッパと、リテーナと、容器のリムとで構成されたシール積層体内の埋設位置決め構成要素の位置を感知することによって、エラストマーストッパの圧縮を決定することが可能である。これは、次いで、容器システムに対するシールの完全性を決定するために使用され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法は、埋設位置決め構成要素の位置に基づいてエラストマーストッパの圧縮度を決定するステップをさらに含むことができ、容器閉鎖完全性を決定するステップは、エラストマーストッパの決定された圧縮度に基づく。
【0010】
随意に、これは、圧縮度を容器システムに対する残留シール力と相関付けるステップを含み、容器閉鎖完全性を決定するステップは、残留シール力に基づく。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、同じく、埋設位置決め構成要素の検出された位置を所定の容器システム構成に対する残留シール力と相関付けるために、所定の容器システム構成に対する埋設位置決め構成要素の位置を検出するための検出システムを較正するステップを含む。
【0012】
埋設位置決め構成要素は、磁性材料(たとえば、永久磁石)を含んでよく、埋設位置決め構成要素の位置を決定するステップは、磁場強度を検出するステップを含むことができる。
【0013】
検出システムはセンサを含むことができ、センサは磁場強度を検出する。
【0014】
いくつかの実施形態では、埋設位置決め構成要素は、回路内に第1のコンデンサプレートとして構成された導電性材料を含み、検出システムは、回路内に第2のコンデンサプレートを含み、埋設位置決め構成要素の位置を決定するステップは、回路の静電容量を検出するステップを含む。検出システムは静電容量センサを含んでよく、静電容量センサは回路の静電容量を測定する。
【0015】
第2のコンデンサプレートはシールによって形成され得、シールは導電性材料から形成される。方法は、シールと埋設位置決め構成要素との間の距離を検出するステップを含むことができる。
【0016】
この概要で説明する実施形態のいずれかにおいて、容器システムはキャップを含むことができる。キャップは、随意に、検出システムの少なくとも一部を含むことができる。たとえば、キャップは、導電性の位置決め構成要素を有する静電容量回路を形成するように構成され得るか、または、キャップは、磁場強度を感知するように構成されたセンサを含むことができる。
【0017】
キャップは、マイクロコントローラ、検出回路、ワイヤレス通信モジュール、および電源のうちの1つまたは複数をさらに含むことができる。方法は、容器閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するステップをさらに含むことができる。
【0018】
第2の態様では、容器と、エラストマーストッパと、ストッパを適所にとどめるためのリテーナとを含む容器システムにおける容器閉鎖完全性(CCI)を決定するための方法が提供され、エラストマーストッパは、容器をシールするために容器のリムとリテーナとの間に拘束される。第2の態様による方法は、(i)エラストマーストッパと容器のリムまたはリテーナとの間に配置された力感知抵抗器の抵抗を、検出システムを用いて測定するステップと、(ii)測定された抵抗値に基づいて容器閉鎖完全性を決定するステップとを含む。
【0019】
方法は、測定された抵抗に基づいて残留シール力を決定するステップをさらに含むことができ、容器閉鎖完全性を決定するステップは、残留シール力に基づく。
【0020】
有利には、方法は、力感知抵抗器に対して測定された抵抗を相関付けるために所定の容器システムに対する検出システムを較正するステップと、測定された抵抗に基づいて容器閉鎖完全性を決定するステップとをさらに含む。システムを較正することによって、測定された値(たとえば、測定された抵抗値)は、直接、CCIと同等であると見なされ得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、容器システムはキャップを含むことができ、キャップは、検出システムの少なくとも一部を収容する。たとえば、キャップは、シール積層体内の力感知抵抗器の抵抗を測定するために、力感知抵抗器と通信している抵抗計を含むことができる。
【0022】
キャップは、マイクロコントローラ、検出回路、ワイヤレス通信モジュール、および電源のうちの1つまたは複数をさらに含むことができる。方法は、容器閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するステップをさらに含むことができる。
【0023】
第3の態様では、充填された容器システムを製作するために充填ラインを構成、検証、またはモニタする方法が提供され、方法は、(i)1つまたは複数の容器システムを充填してシールするステップを含み、シールされた容器システムは、充填された容器と、埋設位置決め構成要素を含むエラストマーストッパと、ストッパを適所にとどめるためのリテーナとを含み、エラストマーストッパは、容器をシールするために容器のリムとリテーナとの間に拘束され、方法は、さらに、(ii)埋設位置決め構成要素の位置を、検出システムを使用して決定するステップと、(iii)埋設検出可能構成要素の測定された位置に基づいて、容器閉鎖完全性を決定するステップとを含む。
【0024】
第3の態様による方法は、同じく、第1の態様に関して上記で説明した特徴のいずれかを含み得る。
【0025】
第4の態様では、充填された容器システムを製作するために充填ラインを構成、検証、またはモニタする方法が提供され、方法は、(i)1つまたは複数の容器システムを充填してシールするステップであって、シールされた容器システムは、充填された容器と、エラストマーストッパと、ストッパを適所にとどめるためのリテーナとを含み、エラストマーストッパは、容器をシールするために容器のリムとリテーナとの間に拘束され、方法は、さらに、(ii)エラストマーストッパと容器のリムまたはリテーナとの間に配置された力感知抵抗器の抵抗を、検出システムを用いて測定するステップと、(iii)測定された抵抗値に基づいて容器閉鎖完全性を決定するステップとを含む。
【0026】
第4の態様による方法は、同じく、第2の態様に関して上記で説明した特徴のいずれかを含み得る。
【0027】
第5の態様では、診療の現場において容器システムに対するCCIを試験する方法が提供される。第5の態様による方法は、(i)容器と、エラストマーストッパと、ストッパを容器のリムに対してシールするリテーナとを含む容器システム内の埋設位置決め構成要素の位置を、検出システムを使用して決定するステップと、(ii)埋設検出可能構成要素の測定された位置に基づいて、容器閉鎖完全性を決定するステップとを含む。
【0028】
第5の態様による方法は、同じく、第1の態様に関して上記で説明した特徴のいずれかを含み得る。
【0029】
第6の態様では、診療の現場において容器システムに対するCCIを試験する方法が提供される。第6の態様による方法は、(i)エラストマーストッパと容器のリムまたはリテーナとの間に配置された力感知抵抗器の抵抗を、検出システムを用いて測定するステップと、(ii)測定された抵抗値に基づいて容器閉鎖完全性を決定するステップとを含む。
【0030】
第6の態様による方法は、同じく、第2の態様に関して上記で説明した特徴のいずれかを含み得る。
【0031】
第7の態様では、容器と、埋設位置決め構成要素を含むエラストマーストッパと、リテーナであって、リテーナと容器のリムとの間にストッパを適所にとどめるためのリテーナとを含む容器システムに対する容器閉鎖完全性を決定するための検出システムが提供され、検出システムは、容器システム内の埋設位置決め構成要素の位置を決定するように構成されたセンサと、埋設位置決め構成要素の測定された位置に基づいて容器閉鎖完全性を決定するように構成されたコントローラとを含む。検出システムは、容器システムを含むことができる。
【0032】
検出システムは、容器システムのためのキャップ内に含まれてもよく、または外部リーダー内に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、検出システムは、容器システムの一部の中におよびキャップまたは外部リーダーの一部の中に含まれ得る。
【0033】
コントローラは、埋設位置決め構成要素の位置に基づいてエラストマーストッパの圧縮度を決定するように構成され得、容器閉鎖完全性を決定することは、エラストマーストッパの決定された圧縮度に基づく。
【0034】
少なくともいくつかの実施形態では、コントローラは、決定された圧縮度を容器システムに対する残留シール力と相関付けて、残留シール力に基づいて容器閉鎖完全性を決定するようにさらに構成される。
【0035】
コントローラは、埋設位置決め構成要素の検出された位置を所定の容器システム構成に対する残留シール力と相関付けるために、所定の容器システム構成に対する埋設位置決め構成要素の位置を検出するために較正され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、埋設位置決め構成要素は磁性材料を含み、センサは、磁場強度を検出するように構成される。
【0037】
センサは、磁場強度を測定するように構成され得る。
【0038】
埋設位置決め構成要素は、回路内に第1のコンデンサプレートとして構成された導電性材料を含み、検出システムは、回路内に第2のコンデンサプレートを含み、コントローラは、回路の静電容量を検出することによって埋設位置決め構成要素の位置を決定するように構成される。
【0039】
静電容量センサは、2つのコンデンサプレートを用いて形成された回路の静電容量を測定するように構成され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、第2のコンデンサプレートはシールによって形成され得、シールは導電性材料で形成され、センサは、シールと埋設位置決め構成要素との間の距離を検出するように構成される。
【0041】
容器システムは、容器システムに固定されたキャップを含むことができ、キャップは、検出システムの少なくとも一部を含む。
【0042】
少なくともいくつかの実施形態では、キャップは、マイクロコントローラ、検出回路、ワイヤレス通信モジュール、および随意の電源のうちの1つまたは複数を含む。ワイヤレス通信モジュールは、容器閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するように構成され得る。
【0043】
第8の態様では、容器と、抵抗性力センサを含むエラストマーストッパと、リテーナであって、リテーナと容器のリムとの間にストッパを適所にとどめるためのリテーナとを含む容器システムに対する容器閉鎖完全性を決定するための検出システムが提供され、力感知抵抗器は、エラストマーストッパとリテーナとの間に設置される。検出システムは、容器システム内の力感知抵抗器の抵抗を決定するように構成されたセンサを含み、コントローラは、力感知抵抗器の測定された抵抗に基づいて容器閉鎖完全性を決定するように構成される。検出システムは、容器システムを含むことができる。
【0044】
検出システムは、容器システムのためのキャップ内に含まれてもよく、または外部リーダー内に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、検出システムは、容器システム内に部分的に、およびキャップまたは外部リーダー内に部分的に含まれ得る。
【0045】
コントローラは、力感知抵抗器の測定された抵抗に基づいてエラストマーストッパの圧縮度を決定するように構成され得、容器閉鎖完全性を決定することは、エラストマーストッパの決定された圧縮度に基づく。
【0046】
少なくともいくつかの実施形態では、コントローラは、決定された圧縮度を容器システムに対する残留シール力と相関付けて、残留シール力に基づいて容器閉鎖完全性を決定するようにさらに構成される。
【0047】
コントローラは、測定された抵抗を所定の容器システム構成に対するストッパ圧縮の度合と相関付けて、測定された抵抗に基づいて所定の容器システム構成に対する残留シール力としてCCIを決定するために較正され得る。
【0048】
容器システムは、容器システムに固定されたキャップを含むことができ、キャップは、検出システムの少なくとも一部を含む。
【0049】
少なくともいくつかの実施形態では、キャップは、マイクロコントローラ、検出回路、ワイヤレス通信モジュール、および随意の電源のうちの1つまたは複数を含む。ワイヤレス通信モジュールは、容器閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するように構成され得る。
【0050】
第9の態様では、無菌シールを含む容器システムが提供され、容器システムは、容器と、埋設位置決め構成要素を含むエラストマーストッパと、リテーナであって、リテーナと容器のリムとの間にストッパを適所にとどめるためのリテーナとを含み、埋設位置決めシステムは、磁性材料または導電性材料を含む。
【0051】
容器システムは、キャップをさらに含み得る。キャップは、マイクロコントローラ、埋設位置決め構成要素の位置を検出するためのセンサを含む検出回路、ワイヤレス通信モジュール、および随意の電源のうちの1つまたは複数を含むことができる。ワイヤレス通信モジュールは、容器閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するように構成され得る。
【0052】
マイクロコントローラは、磁場強度および/または静電容量値を測定する(および随意に記憶する)ように構成され得る。マイクロコントローラは、測定された(および随意に記憶された)値に基づいて容器に対するCCIを決定し得るか、またはマイクロコントローラは、受信されたデータに基づいてCCIを決定するように構成された外部リーダーに、記憶されたデータを伝達し得る。
【0053】
追加または代替として、第9の態様の容器システムは、第7の態様に関して上記で説明した特徴のいずれかをさらに含み得る。
【0054】
第10の態様では、無菌シールを含む容器システムが提供され、容器システムは、容器と、エラストマーストッパと、ストッパを適所にとどめるためのリテーナとを含み、エラストマーストッパは、容器をシールするために容器のリムとリテーナとの間に拘束され、力感知抵抗器は、エラストマーストッパと容器のリムまたはリテーナとの間に配置される。
【0055】
容器システムは、キャップをさらに含み得る。キャップは、マイクロコントローラ、力感知抵抗器の抵抗を測定するように構成された検出回路、ワイヤレス通信モジュール、および随意の電源のうちの1つまたは複数を含むことができる。ワイヤレス通信モジュールは、容器閉鎖完全性を示すデータを表示のためのリモートデバイスに伝達するように構成される。
【0056】
マイクロコントローラは、力感知抵抗器の抵抗を測定する(および随意に記憶する)ように構成され得る。マイクロコントローラは、測定された(および随意に記憶された)抵抗値に基づいて容器に対するCCIを決定し得るか、またはマイクロコントローラは、受信されたデータに基づいてCCIを決定するように構成された外部リーダーに、記憶されたデータを伝達し得る。
【0057】
追加または代替として、第10の態様の容器システムは、第9の態様に関して上記で説明した特徴のいずれかをさらに含み得る。
【0058】
上記で説明した実施形態のいずれかにおいて、キャップはヒンジをさらに含み得る。ヒンジは、マイクロコントローラ、電源および検出回路のうちの少なくとも1つと、埋設位置決め構成要素および力感知抵抗器のうちの少なくとも1つとの間に接触をもたらす電気接点を含むことができる。
【0059】
第11の態様では、上記で説明したシステムおよび方法のいずれかに対するキャップが提供される。キャップは、容器システムに対する容器閉鎖完全性を決定するように構成された検出回路を含み得る。検出回路は、以下の、エラストマーストッパ内に埋め込まれた磁気素子の磁場強度、エラストマーストッパ内に配置された導電性構成要素をコンデンサの1つのプレートとして含む回路の静電容量、容器システムのシール積層体内に配置された力感知抵抗器を含む回路の抵抗のうちの少なくとも1つを検出するように構成され得る。
【0060】
エラストマーストッパの圧縮を表す物理量を測定するように構成されたキャップを設けることによって、容器システムが提供され得る。
【0061】
これらの利点およびその他は、以下の説明からより深く理解されよう。
【0062】
特定の実施形態は、以下の、単なる例として発明を実施するための形態において、添付の図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】本発明のいくつかの実施形態の全体的ワークフローを示す図である。
図2A】ゴムストッパ内の埋設導電性ディスクと、バッテリ、ワイヤレス通信手段、またはマイクロコントローラなどの追加の電子機器を含むプラスチックキャップ筐体とを示す図である。
図2B】1つの導電性プレートとして働くアルミニウムシールと、変形可能なエラストマー内で静電容量センサの第2の導電性プレートとして働くゴムストッパ内の埋設ディスクとを示す図である。
図3】コンデンサの1つのプレートとして働く埋設導電性ディスクと、圧縮力と相関付けられる、2つのプレート間の距離を測定するために使用される外部導電性プレートとの実施形態を示す図である。
図4】変化する深さにつれて変化する磁場を放射する、エラストマーストッパ内に埋め込まれた磁石を示す図である。
図5】磁石とセンサとの間に設置されたゴムの厚さの変化に対する、スマートフォン磁気計を用いて測定した磁石の深さのグラフのサンプルを示す図である。
図6A】プラスチックキャップとストッパとの間に設置された力感知抵抗器を示す図である。
図6B】アルミニウムシールの下に設置された力感知抵抗器を示す図である。
図7A】シールされた容器システムの側面断面図である。
図7B図7Aのシールされた容器システムの上面図である。
図8】第1の実装形態による、容器閉鎖完全性を決定するためのシステムを示す図である。
図9】第2の実装形態による、容器閉鎖完全性を決定するためのシステムを示す図である。
図10】第3の実装形態による、容器閉鎖完全性を決定するためのシステムを示す図である。
図11】外部検出システムを使用して容器システムに対する容器閉鎖完全性を決定するためのシステムを示す図である。
図12】キャップ内に一体化された第1の検出システムを使用して容器システムに対する容器閉鎖完全性を決定するためのシステムを示す図である。
図13】キャップ内に一体化された第2の検出システムを含む容器システムに対する容器閉鎖完全性を決定するシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図面を通して同様の参照符号は同様の特徴に関連する。
【0065】
いくつかの専門用語が、便宜上、非限定的に、以下の発明を実施するための形態において使用されることが理解されよう。「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」という用語は、「少なくとも1つの」を意味するものとして読まれるべきである。「含む(comprising)」という用語は、特定の特徴またはステップを含むシステムまたは方法が、列挙されたそれらの特徴またはステップのみに限定されず、列挙されない特徴またはステップも含み得るように、「含むが限定されない」を意味することが理解されよう。
【0066】
同じく、本発明から逸脱することなく、本明細書で説明する例示的な実施形態に対する修正形態が作成され得ることは、当業者には諒解されよう。本明細書で説明するシステムおよび装置の構造的特徴は、機能的に等価な部分で置き換えられ得る。その上、実施形態からの複数の特徴は、本開示から逸脱することなく互いに組み合わされ得ることは諒解されよう。
【0067】
一般的には、本発明は、より効率的でより速い測定を可能にするために、バイアルシステムにおける容器閉鎖完全性(CCI)を保証し得る埋設センサシステムを含む。本発明は、薬品が容器システム内にある間にCCIを検証するためのリアルタイム非破壊方法を提供し得る。本発明は、容量ベースセンサ、ホール効果センサもしくは磁気計の使用を伴う磁気ベースセンサ、または力感知抵抗器(FSR)を含む。静電容量センサは、ゴムストッパ内に埋め込まれた1つの導電性プレートと、第2の導電性プレートとして働くアルミニウムシールとを含む。プレート間で測定された静電容量は、プレート間の距離の関数として測定され得、それゆえ、容器閉鎖完全性を検証するために、残留シール力(RSF)またはバイアルの圧着高さ(crimp height)と相関付けられ得る。磁気センサは、ストッパ内部の磁石の深さに依存する磁場を放射する埋設磁石から成るかまたはそれを含む。磁場は、一体化されたホール効果センサまたは磁気計を介して、ならびにスマートフォン内の磁気計を使用して感知され得る。最後に、エラストマー内の圧縮割合(percent compression)は、同じく、ストッパに加えられた(placed on the stopper)力の量に応じて変動可能な電圧を出力することができるFSRを使用して測定され得る。
【0068】
現在、ゴムストッパ付きガラスバイアルにシールしてキャップを付けるプロセスは、容器閉鎖完全性(CCI)に影響を及ぼす。バイアルのすべての構成要素の間に理想的なはめ合いがあることを確実にすることが、製品の無菌性を維持するには必要である。
【0069】
本発明は、ゴムストッパに関連するシールの積層体高さを測定するために、容量計、ホール効果センサ、磁気計、または力感知抵抗器(FSR)を使用する。その結果、これらの方法は、これらのアプリケーションに対して較正されかつ試験されたCCIの値と相関付けられる。本発明は、バイアルのシール品質を評価するため、およびそれゆえ、CCI保証を与えるための、より効率的でより速いふるい分けを可能にする。本発明は、RSFを測定してそれをCCIと相関付けるために、リアルタイム非破壊方法を使用する。本発明のリアルタイムCCI測定は、より効率的な梱包および出荷の検証を可能にする。本発明のリアルタイムCCI測定は、同じく、製品安全、効能のより大きい保証、および潜在的に公正な製品認証をエンドユーザに与える。
【0070】
本解決策は、適切な容器閉鎖完全性を確保するために、バイアル容器システム202上のシールおよびストッパ204の積層体高さを測定する静電容量センサを含む。ゴムストッパ204は、並列コンデンサの一方のプレートとして働く導電性基板210(金属、ITOまたはPEDOTなどの透明導電性膜、カーボンナノチューブ、グラフェンなど)を含有し、金属または他の導電性シール206は、並列コンデンサの他方のプレートとして働く。2つのプレート210、206は、容器システムのキャップ250内に収容されるマイクロコントローラ216および/またはバッテリ214に接続され得る。第2の実施形態は、ストッパ404内に設置された磁石410の深さが変化するにつれて変化する磁場を測定するために、エラストマーストッパ404内の埋設磁石410を使用することと、ホール効果センサまたは磁気計を使用することとを含む。第3の実施形態は、圧縮割合を測定し、次いでそれをCCIの基準値と相関付けるために、力感知抵抗器(FSR)620を使用することを含む。
【0071】
上記で説明したセンサは、CCIの試験値に対する各出力値の相関および分析を実行するマイクロコントローラ216、316、416に結合される。CCIの検証を含むマイクロコントローラの出力は、たとえば、ブルートゥースローエナジー、近接場通信などのRFID通信、またはWi-Fiを介して、スマートフォン、ラップトップもしくはコンピュータ、および/またはクラウドベースシステムなどのリモートディスプレイにワイヤレス送信され得る。電源214、414は、ブルートゥースローエナジーおよびWi-Fi通信のために必要であるが、RFID通信、たとえば近接場通信(NFC)に対して電力は不要である。提案した本発明の全体的ワークフローを図1に示す。
【0072】
本解決策は、図2Aおよび図2Bに示すように、導電性構成要素210と206との間の静電容量の増加および減少を可能にするように変形可能である、エラストマー構成要素204によって分離された2つの導電性構成要素210、206を含む。2つの導電性構成要素210、206は、静電容量を測定してその値をマイクロコントローラ216に中継する静電容量センサとして働き、ここで静電容量は分析されて、エラストマー構成要素204に及ぼされる圧縮力と相関付けられる。バッテリ214は、回路に給電するために使用され、これは、たとえば、柔軟な印刷電池、太陽電池、またはリチウムイオン電池を含み得る。圧縮力の出力は、特定の残留シール力が規定のしきい値または許容範囲内にあることをユーザに警告するために、リモートトランシーバに中継され得る。加えて、静電容量センサの2つの導電性プレート210、206は、別々の構成要素内に設置されてよく、信号は、2つのプレートが一体となるときにのみ読み出される。たとえば、図2Aおよび図2Bに示すように、静電容量センサの1つの導電性プレート210は、ゴムストッパ204内に埋め込まれ得る一方で、第2の導電性プレートは、一般的にバイアル容器システムの上に設置されたアルミニウムシール206であり得る。代替的に、図3に示すように、ストッパ304は、導電性構成要素310を含むことができ、第2のコンデンサプレートは、外部リーダーシステム内のプレート312として形成され得る。任意の追加の電子機器が、容器閉鎖完全性を決定するために、容器システムのプラスチックキャップ250内に、または容器システムをスキャンすることができる外部システム内に収容され得る。
【0073】
本発明の第2の実施形態は、エラストマーストッパ404内の埋設磁石410と、マイクロコントローラ416、ワイヤレス通信(ブルートゥースローエナジー、RFID通信、たとえば近接場通信、Wi-Fi、ジグビーなど)、および電源414に結合されたホール効果センサとを含む。ホール効果センサは、図4に示すように、エラストマーストッパ404内の磁石410の深さに応じて増加または減少することができる磁場に応答して変動可能な電圧を出力することができる。埋設磁石410は、同じく、スマートフォン内に含まれるものなどの磁気計によって検出され得、それにより、磁石410の深さ、およびそれゆえRSFの量が、エラストマーストッパ404上をスキャンすることによって容易に検出され得る。磁気計を使用することによる出力の例示的なグラフを図5に示す。
【0074】
本発明は、同じく、図6に示すように、ストッパ上に設置されたRSFを直接測定するために、ストッパのフランジの下に設置され得る力感知抵抗器(FSR)620を含み得る。このFSRセンサは、CCIを検証するために時間の関数として出力信号を分析および通信するために、上記で列挙されたものと同様の通信技術を使用することができる。
【0075】
本解決策は、容器閉鎖完全性を評価するための、より正確で、より速くかつより効率的な測定システムを可能にし得る。本発明は、手検査または外観検査の必要性を最小化し、それゆえ、測定の正確さならびに所要時間を改善する。本発明は、コンピュータ断層撮影を使用することまたは目視でシステムを検査することを必要とすることなく、残留シール力の測定およびシールの圧着を評価することを可能にし得る。
【0076】
本発明は、同じく、バイアル上の容量感知素子の1つのプレートとして機能する、インジウムスズ酸化物被膜ガラスなどの透明な導電性層の使用を含むことができる。本発明は、同じく、カートリッジシステムのシール圧着部分に対して使用され得る。
【0077】
出力電圧は、同じく、エラストマー構成要素の位置を示すことができる。なぜならば、出力電圧は、摺動降伏力および押し出し力(break-loose and extrusion forces)と相関付けられてよく、それにより、自己注入システムにおけるエラストマー構成要素の位置をシグナリングするからである。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態は、エラストマー構成要素内に圧縮成形され得るか、または場合によっては、射出成形プロセスを介して容器システムの周囲の構成要素に添付され得る。電子構成要素は、二段成形またはプログレッシブ成形プロセスを使用してエラストマー内に埋め込まれ得る。リード線、ワイヤ、バッテリ、マイクロコントローラなどの追加の電子機器のカプセル化は、容器システムの二次構成要素内に射出成形され得る。
【0079】
本発明は、容器閉鎖完全性を検証するために残留シール力を測定するために使用され得、より速くかつより効率的になるように現在のプロセスを改善することができる。たとえば、ゴムストッパは、容量感知素子を、容器システムのプラスチックキャップ内に収容されるマイクロコントローラ、バッテリおよびワイヤレス通信とともにカプセル化することができる。バイアルが圧縮力を経験するとき、静電容量センサは、規定の残留シール力または圧着高さが到達したときにユーザに警告することができる。別の例は、静電容量センサの第2のプレートとの接触面に対してスキャンされる容量感知素子の埋設プレートを有するゴムストッパを含む。その結果、プレート間の静電容量は、特定の距離と相関付けられ得、それゆえ、バイアルは、十分な圧着高さに到達したかどうかを評価され得る。
【0080】
本解決策は、同じく、製品の偽造を防止して真正性を検証するために、容器システムの追跡と究明(track and trace)のために使用され得る。本発明は、同じく、容器システムが、すでに以前に開封、穿孔、または使用されていることをユーザに警告するために使用され得る。
【0081】
本技術は、容器閉鎖完全性を必要とする任意のストッパおよびバイアル容器システムに適用され得る。そのようなシステムは、容器閉鎖完全性を保証する。本発明は、圧着シールを含むカートリッジシステムに対して使用され得る。
【0082】
次に、上記で説明した本発明のさらなる特定の実装形態を、図7A図13に関して説明する。
【0083】
図7Aおよび図7Bは、医薬物質を含有するための容器システムを示す。図7Aおよび図7Bに示す容器システム700の形態は、本明細書で説明する実施形態のいずれかと組み合せて実装され得る。同様の参照符号は、本明細書で説明する実施形態を通して同様の部分を示すために使用される。
【0084】
図7Aは、容器702と、容器702をシールするエラストマーストッパ704とを含む容器システム700の側面図を示す。図7Aに示す容器702は、医薬物質を含有するように構成されたバイアルであり、ガラス、プラスチック、または別の好適な材料から形成され得る。リテーナ706は、ストッパ704を適所に固定し、ストッパ704を容器702のリム708に対して圧縮する。図7Aに示す実施形態では、リテーナ706は、ストッパ704と、容器702のリム708がその上に形成されるフランジとの上に圧着されたアルミニウムシールの形を取る。しかしながら、他の材料が、シールラップを形成するために使用され得ることは諒解されよう。代替(または追加)として、リテーナ706は、ストッパ704の上に固定され、ストッパ704を容器702のリム708に対して圧縮するように構成されたキャップの形を取ることができる。
【0085】
図7Aに示す実施形態では、埋設位置決め構成要素710は、エラストマーストッパ704内に埋め込まれる。以下でより詳細に説明するいくつかの実装形態では、埋設位置決め構成要素710は省略されてよく、力感知抵抗器が、シール積層体内に設置され得る(シール積層体は、容器のリム、ストッパおよびリテーナから形成される)。そのような実施形態では、力感知抵抗器は、エラストマーストッパ内に埋め込まれ得るか、または力感知抵抗器は、ストッパとリムまたはリテーナのいずれかとの間に設置され得る。
【0086】
図7Bは、容器システム700の上面図を示す。図7Bに示すように、位置決め構成要素710(または、このタイプのセンサを採用する実施形態では、力感知抵抗器)は、中央に開口を有する環形状を有する。要素710の環形状は、容器の内容物の一部または全部を引き出すために、ストッパ704が針(図示せず)で穿孔されることを可能にする。要素710(または、それが使用される場合、力感知抵抗器)の環形状は、ストッパを介して容器の内部にアクセスすることを可能にするのに有用であるが、必ずしも環形状が不可欠であるとは限らない。いくつかの実施形態(そこにおいて、ストッパは穿孔されるように構成されない)では、要素(または、それが使用される場合、力感知抵抗器)は、ディスクとして形成され得る。他の実施形態では、図7Bに示すストッパの中心領域を通して容器の内部へのアクセスを可能にするために、複数の個別の要素(または、それが使用される場合、力感知抵抗器)がストッパの外縁の周りに設置され得るか、または単一の要素(または、それが使用される場合、力感知抵抗器)がストッパの外縁に設置され得る。
【0087】
図7Bに示すように、リテーナ706(この実施形態では圧着されたアルミニウムシールとして形成される)は、位置決め構成要素710の上に延びる。これは、シール706および要素710がシール積層体内で垂直方向に重複し、それにより、シール706および要素710はそれぞれ、並列プレートコンデンサ(以下でより詳細に説明する)におけるプレートとして働くことが可能になることを確実にする。この構成は図7Bに示されるが、シール706と要素710との間の重複は、すべての実施形態において存在しない。
【0088】
図8は、図7に示すシステム700と同様の容器システム構成800を示しており、埋設位置決め構成要素810は、コンデンサの1つのプレートとして働くように構成された導電性材料の形を取る。導電性材料は、金属、ITOまたはPEDOTなどの透明導電性膜、カーボンナノチューブ、グラフェン、または他の導電性材料を含むことができる。埋設位置決め構成要素810の位置を検出するための検出システムは、導電性の位置決め構成要素810に電源814を介して接続された第2のコンデンサプレート812を含む。検出システムは静電容量センサとして構成され、回路に対する静電容量の読み出しは、コンデンサプレート810と812との間の距離D1を表す。コンデンサプレート810と812との間の距離D1は、容器802のリム808に対する埋設位置決め構成要素810のロケーション(たとえば、距離D2)を決定する。これは、次いで、ストッパ804の圧縮、およびしたがって、CCIを示す残留シール力の測度をもたらす。
【0089】
図8に示すように、検出システムは、コントローラ816、たとえば距離D1を決定し、この測定値に基づいてCCIを決定するように構成されたマイクロコントローラと通信するように構成される。以下の説明、特に図11図13の説明に基づいて諒解されるように、コントローラ816は、容器システムの外部に設けられた埋設位置決め構成要素との電気接点を形成するように構成された検出システムと通信している外部構成要素であり得る。代替的に、以下でより詳細に説明するように、コントローラ816は、限定はしないが、マイクロコントローラ、電源、および/または通信モジュールを含み得る構成要素を含む容器システムに対するキャップ内に一体化され得る。
【0090】
図9は、埋設位置決め構成要素910が、容器システム900に対する閉鎖完全性を決定するために使用され得る別の容器システム900を示す。図9に示すように、容器システム900は、図8に示す容器システム800と同様の構成を有する。しかしながら、距離D1(およびD2)を決定するために静電容量を測定する代わりに、図9の埋設位置決め構成要素910は、磁性材料(一例では、永久磁石)から形成され、検出システムは、距離D1を決定するために埋設位置決め構成要素910の磁場強度を測定するように構成される。図9に示す実施形態では、検出システムは、磁場センサ918、たとえばホール効果センサまたは磁気計を含む。磁場の強度は、磁性材料からの距離の関数として変化するので、磁気計は、埋設位置決め構成要素910とセンサ918との間の距離D1を決定するために使用され得る。これは、次いで、埋設位置決め構成要素910と容器902のリム908との間の距離D2、およびしたがって、容器システム900の残留シール力およびCCIを決定するために使用され得る。図8に示す実施形態と同様に、図9のコントローラ916は、埋設位置決め構成要素910の位置を感知する検出システムと通信している外部構成要素であり得る。代替的に、以下でより詳細に説明するように、コントローラは、限定はしないが、マイクロコントローラ、電源、および/または通信モジュールを含み得る容器システムに対するキャップ内に一体化され得る。
【0091】
図10は、容器システム1000のシール積層体(容器のリム、ストッパ、およびリテーナから形成される)内に配置された力感知抵抗器1020を含む、本発明の別の実装形態を示す。力感知抵抗器1020は、エラストマーストッパ1004(位置決め構成要素810、910と同様)内に埋め込まれ得るが、図10に示す力感知抵抗器1020は、リテーナ1006とストッパ1004との間に配置される。図に示されないが、力感知抵抗器1020は、同じく、シール積層体内の圧縮力を測定するために、容器1000のリム1008とストッパ1004との間に配置され得る。
【0092】
埋設位置決め構成要素(図8および図9に示す実施形態における)のロケーションを測定するのではなく、図10に示す実施形態は、シール積層体内に力センサを設置することによってシール積層体内の圧縮力を直接測定するように構成される。測定された積層体内の力は、残留シール力、およびしたがって、容器1002に対するCCIを表す。図8および図9に示す実施形態と同様に、コントローラ1016は、センサ1020に動作可能に接続される。コントローラ1016は、力感知抵抗器1020の抵抗を感知して、この値を積層体内の圧縮力と相関付けるように構成された検出システムと通信している外部構成要素であり得る。代替的に、以下でより詳細に説明するように、コントローラは、限定はしないが、マイクロコントローラ、電源、および/または通信モジュールを含み得る容器システムに対するキャップ内に一体化され得る。
【0093】
図11は、容器システム1100が、ストッパ(図8に示す構成と同様)内の導電性の埋設位置決め構成要素1110とともに構成される実施形態を示す。図11に示すように、この実施形態では、内部電気接続1122が、埋め込まれた導電性の位置決め構成要素1110を、リテーナ1106の外部の外部電気接点1124と接続する。外部接点1124は、図8に関して説明したコンデンサ回路を形成するためにリーダー接点1126と接触するように構成される。望ましくは、リーダー接点1126は、容器1102が、たとえば、コンベヤ上を移動している間にリーダー接点1126のそばを通るときに、外部電気接点1124と容易に接触するように構成される。図11に示すように、リーダー接点1126は、外部接点1124と接触するように構成された導電性の弾性ワイヤブラシの形を取り得る。図11に示す構成は、充填された容器システムが、図11に示すページの中および/または外の方向に充填ラインに沿って進む充填施設における使用に、特によく適合され得る。容器1102は、検出システムの固定のコンデンサプレート1112に対するリム1108のロケーションが、各容器1102の進行につれて変化しないように、表面1128上に立つ。知られているリム1108の位置に対して、プレート1110と1112との間で測定される静電容量の変化は、ストッパ1104の圧縮における変化に起因する。これは、測定された静電容量を進む容器に対するCCIと相関付けるために、リーダーの検出回路が較正されることを可能にすることができる。このようにして、図11のシステムは、充填ライン上の容器システムのCCIを測定してモニタするために使用され得る。
【0094】
各個別の容器システムに対するCCIを保証するために、埋設位置決め構成要素(または、それらが使用される場合、力感知抵抗器)が、充填ラインを離れる各容器内に設けられ得ることは、諒解されよう。代替的に、埋設位置決め構成要素(または、それらが使用される場合、力感知抵抗器)は、容器システムのうちの一部の中に設けられてもよく、それは、容器システムに対するシールプロセスの性能をモニタすることまたは統計分析することを可能にする。
【0095】
図11に示されないが、本発明の実施形態は、同じく、容器と検出システムとを含み、検出システムは、要素によって形成された第1のプレートとリテーナ(たとえば、リテーナがアルミニウムシールとして形成される場合)によって形成された第2のプレートとの間の静電容量を測定するように構成される。そのような実施形態では、要素に対する外部接触パッドは、導電性シールから絶縁される。外部接触パッドは、図11に関して上記で説明した方式でリーダー接点と接触することができる。検出システムは、導電性シールと接触するように構成された(たとえば、図示しないが、第2のワイヤブラシの形の)第2の接触パッドをさらに含むことができる。
【0096】
これらの実施形態では、外部コンデンサプレートと内部要素との間の距離D1を測定するのではなく、測定された距離D1は、導電性リテーナ(たとえば、アルミニウムシール)と埋設位置決め構成要素との間の距離である。この測定値は、同じく、ストッパの圧縮、およびしたがって、容器に対するCCIを示すことは諒解されよう。
【0097】
また別の実施形態では、図11に示す検出システムは、図9に示すように、磁気式位置決め構成要素と磁場センサ(たとえば、ホール効果センサ)との間の距離を感知するように再構成され得る。埋設位置決め構成要素とセンサとの間に電気回路を形成する必要はないことは諒解されよう。この理由で、図11に示す接点1122、1124、1126は省略され得る。
【0098】
次に図12および図13を参照すると、少なくともいくつかの実施形態では、埋設位置決め構成要素の位置または力感知抵抗器の抵抗を感知するための検出回路が、キャップ内に設けられ得る。
【0099】
最初に図12を参照すると、容器システム1200は、図7Aおよび図7Bに関して上記で説明した容器システムと同様であり、容器1202、エラストマーストッパ1204、位置決め構成要素1210、および容器1202のリム1208に対してストッパ1204を適所に保持するリテーナ1206(圧着シールとして示される)を含む。
【0100】
キャップ1250は、容器システム1200のシール積層体の上に設置される。キャップ1250は、容器システム1200にキャップ1250を固定するために、押し込み式配置、バイオネット配置、ねじ込み式機構または任意の他の好適な機構を用いて容器システム1200上に設置され得る。図12に示す実施形態では、埋設位置決め構成要素1210は、磁気式位置決め構成要素である。キャップ1250は、磁気素子1210の位置を測定するための磁気計1218(たとえば、ホール効果センサ)と、電源1214と、測定された磁気素子1210の位置に基づいて残留シール力またはCCIを決定するように構成されたマイクロコントローラ1216とを収容する。キャップ1250は、CCIを示すように構成されたディスプレイ(図示せず)を含み得る。これは、たとえば容器システム1200がある時間期間の間貯蔵された後でかつ薬剤が配送される前に、診療の現場においてCCIを決定するために特に有用であり得る。
【0101】
代替的に、キャップ1250は、外部デバイス上に表示するために測定された値(たとえば、距離D1、残留シール力、または質的および/もしくは量的CCI評価)を伝達するように構成された通信モジュール1260を含み得る。外部デバイスは、たとえば、互換性のあるアプリケーションを実行するモバイルフォン、またはキャップ1250の通信モジュール1260とワイヤレスに通信するように構成されたモバイルリーダーであり得る。この構成は、同じく、ある期間の容器の貯蔵の後でかつ薬剤が配送される前に、診療の現場において容器システム1200のCCIを決定するために特に有用であり得る。キャップ1250は、容器1202のリム1208に対するセンサ1218(たとえば、ホール効果センサ)のロケーションが知られているように構成される(それにより、距離D1およびD2は正確に決定され得る)ことが望ましいことは諒解されよう。これは、キャップ1250が適所に固定されたときに容器システム1200に対するキャップ1250の位置を制御することによって実施され得る。
【0102】
図13は、マイクロコントローラ1316を含むキャップ1350が、容器システム1300のCCIを検出するように構成される別の実施形態を示す。図13に示すように、キャップ1350は、図12のキャップと同様に、マイクロコントローラ1316、電源1314、および通信モジュール1360を含む。容器システム1300は、図7Aおよび図7Bに関して説明した容器システムと同様である。
【0103】
図13に示す実施形態では、検出システムは、埋設導電性素子1310と第2のコンデンサプレート1312との間の静電容量(図9に示す構成と同様)を決定するように構成される。図13に示す実施形態では、コンデンサプレート1312はキャップ1350内に示されるが、上記で説明したように、第2のコンデンサプレートはまた、リテーナ1306がストッパ1304の周りに導電性シールとして構成されかつキャップ1350が導電性シールと接触するのに好適な電気接点を含むことができるとき、リテーナ1306によって形成され得る。
【0104】
図13に示すように、キャップ1350は、ヒンジ1370をさらに含む。ヒンジ1370は、図8に概略的に示す回路と同様の回路を形成するためにキャップ1350の中に延びる電気接点1322(図11の接点1122と同様)を支持する。
【0105】
リテーナ1306の材料および構成は、プレート1312と要素1310との間の距離D1の検出を可能にするように構成され、ここで第2のコンデンサプレート1312はキャップ1350内に設けられることは諒解されよう。同様に、リテーナ1306に対する構成および材料は、上記で説明した方式で、リテーナ1306が第2のコンデンサプレートとして働くことを可能にするように選択され得る。
【0106】
上記で説明した実施形態の各々では、リテーナは、容器のフランジ状のリムの周りに延びる圧着シールとして示される。圧着シールは、アルミニウムまたは別の金属もしくは導電性材料から形成されてよく、あるいはシールは、シール積層体の上に好適に形成されたポリマー材料から形成されてもよい。
【0107】
リテーナは、同じく、圧着されたまたは形成されたシール以外のキャップとして形成され得る。たとえば、リテーナは、容器上の相補のねじ山と係合するように構成されたねじ式キャップであり得る。容器のリムに対してストッパを固定するように構成された他のリテーナも可能である。
【0108】
図12および図13に関して説明したキャップ配置は、図面を通して示されるシールタイプリテーナと組み合わされてよく、または検出回路を含むキャップは、それ自体、容器のリムに対してストッパを圧縮するように構成され得る。
【0109】
当然ながら、図13に示すヒンジ式キャップ配置は、同じく、図12に関して説明したタイプの磁気式位置決め構成要素の位置を感知するように構成されたキャップに適用され得ることは諒解されよう。
【0110】
上記で説明した実施形態のいずれかでは、検出回路は、収穫されたエネルギーを使用して給電されるように構成され得、たとえば、検出回路は、無線周波数(RF)を収穫するように構成され得る。この理由で、上記で説明したシステムの各々に対して説明した電源は、エネルギー貯蔵デバイス、たとえばバッテリを含んでよく、かつ/またはエネルギー収穫デバイスであって、外部ソースからRFエネルギーを受信し、それを整流してデバイスに必要な電力を生成するように構成された、アンテナなどのエネルギー収穫デバイスを含んでもよい。RFアンテナと同様に、システム内で使用するのに好適なエネルギー収穫デバイスおよび上記で説明した方法は、太陽電池、熱電発電装置(TEG)、および運動エネルギー収穫デバイスを含むことができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、エネルギー収穫デバイスは、デバイス回路の1つまたは複数の構成要素に給電するためのバッテリを充電するように構成され得る。他の実施形態では、エネルギー収穫デバイスは、システムの構成要素に直接給電するように構成され得る。たとえば、上記で説明したセンサ(静電容量センサ、磁場センサ、および力感知抵抗センサ)は、大電力消費需要を持たない。センサの動作に必要な電流は、エネルギー収穫デバイス、たとえばRFアンテナおよび適切な整流器によって供給され得る。その上、通信モジュールおよび/または一体化されたディスプレイがセンサと同時に給電される必要はないので、システムの電力要件は、システムが、エネルギー収穫デバイスによって供給される電力の動作限界内で動作することを可能にするように最小化され得る。
【0112】
図7A図13の実施形態は、薬剤を引き出すための開口を有するバイアルシステムの文脈において説明されたが、上記で説明した本発明は、他の薬剤含有溶液にも採用され得ることは、当業者には諒解されよう。たとえば、上記で説明した実施形態は、薬物配送デバイスに対する薬剤カートリッジ内に含まれ得る。そのような実施形態では、検出回路(図8図10に概略的に示す)は、薬物配送デバイスの中に挿入された薬剤容器のCCIをモニタして確認するために薬物配送デバイス内に実装され得る。
【0113】
本発明から逸脱することなく、変化形態が、上記で説明した実施形態に対して作成され得ることは当業者には諒解されよう。特に、上記で説明した容器システムのCCIを決定するための方法は、本明細書で説明したデバイスに関連して説明した検出システムまたは容器システムの特徴のいずれかを提供するステップをさらに含み得る。その上、1つまたは複数の例示的な実施形態に関連して説明した特徴は、他の実施形態に関連して説明した特徴と組み合わされ得ることが理解されよう。その上、本明細書で説明した構成要素は、構造的に同様のまたは機能的に等価の構成要素で置き換えられてもよい。そのような修正形態が本発明の範囲内に入ることは、理解されよう。
【符号の説明】
【0114】
202 バイアル容器システム
204 ゴムストッパ、エラストマー構成要素
206 導電性プレート、導電性構成要素、導電性シール、
210 導電性プレート、導電性構成要素、導電性基板
214 バッテリ、電源
216 マイクロコントローラ
250 キャップ、プラスチックキャップ
304 ストッパ
310 導電性構成要素
312 プレート
316 マイクロコントローラ
404 エラストマーストッパ
410 埋設磁石
414 電源
416 マイクロコントローラ
620 力感知抵抗器(FSR)
700 容器システム
702 容器
704 エラストマーストッパ
706 リテーナ、シール
708 リム
710 埋設位置決め構成要素
800 容器システム構成
802 容器
804 ストッパ
808 リム
810 コンデンサプレート、埋設位置決め構成要素
812 コンデンサプレート
814 電源
816 コントローラ
900 容器システム
902 容器
908 リム
910 埋設位置決め構成要素
916 コントローラ
918 磁場センサ
1000 容器システム、容器
1002 容器
1004 エラストマーストッパ
1006 リテーナ
1008 リム
1016 コントローラ
1020 力感知抵抗器
1100 容器システム
1102 容器
1104 ストッパ
1106 リテーナ
1108 リム
1110 埋設位置決め構成要素、導電性の位置決め構成要素、プレート
1112 コンデンサプレート
1116 コントローラ
1122 内部電気接続、接点
1124 外部電気接点、外部接点
1126 リーダー接点
1128 表面
1200 容器システム
1202 容器
1204 エラストマーストッパ
1206 リテーナ
1208 リム
1210 埋設位置決め構成要素、磁気素子
1214 電源
1216 マイクロコントローラ
1218 磁気計、センサ
1250 キャップ
1260 通信モジュール
1300 容器システム
1304 ストッパ
1306 リテーナ
1310 埋設導電性素子、要素
1312 第2のコンデンサプレート
1314 電源
1316 マイクロコントローラ
1322 電気接点
1350 キャップ
1360 通信モジュール
1370 ヒンジ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13