(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】仕訳抽出装置、仕訳抽出方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20230327BHJP
【FI】
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2022184143
(22)【出願日】2022-11-17
【審査請求日】2022-11-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500105665
【氏名又は名称】株式会社TKC
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 真規
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 大輔
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-179531(JP,A)
【文献】特開2021-089780(JP,A)
【文献】特開2016-015000(JP,A)
【文献】特許第7143545(JP,B1)
【文献】特開2000-259742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出する装置であって、
複数の仕訳を、前記仕訳に係る取引が実際に行われた取引日と、前記取引の入力がなされた入力日との乖離日数で分類する分類部と、
前記分類部による分類結果に対して、予め決定された統計処理を行い、外れ値に属する乖離日数を判定する統計処理部と、
前記統計処理部によって外れ値であると判定された乖離日数に分類された仕訳を抽出する抽出部と
を備えた、仕訳抽出装置。
【請求項2】
前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示すヒストグラムを、前記抽出部によって抽出された仕訳が、他の仕訳と識別できるように画面から表示させる表示制御部
をさらに備えた、請求項1に記載の仕訳抽出装置。
【請求項3】
前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示す表を、前記抽出部によって抽出された仕訳が、他の仕訳と識別できるように画面から表示させる表示制御部
をさらに備えた、請求項1に記載の仕訳抽出装置。
【請求項4】
前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示すヒストグラムと、前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示す表とをそれぞれ、前記抽出部によって抽出された仕訳が、他の仕訳と識別できるように画面から表示させる表示制御部
をさらに備えた、請求項1に記載の仕訳抽出装置。
【請求項5】
前記統計処理部は、前記予め決定された統計処理として、
前記複数の仕訳を、前記乖離日数順に順位付けし、
前記複数の仕訳の数に対する第1四分位および第3四分位を算出し、
前記複数の仕訳のうち、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とに基づいて決定される四分位範囲を算出し、
前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記四分位範囲とに基づいて決定される下方乖離日数を算出し、
前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記四分位範囲とに基づいて決定される上方乖離日数を算出し、
前記下方乖離日数未満の乖離日数と、前記上方乖離日数を超える乖離日数とを、前記外れ値に属する乖離日数として判定する、
請求項1に記載の仕訳抽出装置。
【請求項6】
前記統計処理部は、
前記第1四分位が整数ではない場合、前記第1四分位の前後の直近順位に順位付けられた2つの前記乖離日数の按分によって得られる乖離日数を、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とし、
前記第3四分位が整数ではない場合、前記第3四分位の前後の直近順位に順位付けられた2つの前記乖離日数の按分によって得られる乖離日数を、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とする、
請求項5に記載の仕訳抽出装置。
【請求項7】
前記統計処理部は、
前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数から、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数を減じることによって、前記四分位範囲を算出する、請求項5または6に記載の仕訳抽出装置。
【請求項8】
前記統計処理部は、設定された係数αを用いて、
前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数から、前記係数αを乗じられた前記四分位範囲を減じることによって算出される値よりも大きい直近の整数値を、前記下方乖離日数とし、
前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数に、前記係数αを乗じられた前記四分位範囲を加えることによって算出される値よりも小さい直近の整数値を、前記上方乖離日数とする、
請求項7に記載の仕訳抽出装置。
【請求項9】
前記係数αは、1.5である、請求項8に記載の仕訳抽出装置。
【請求項10】
仕訳抽出装置を使って、不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出する方法であって、
前記仕訳抽出装置のプロセッサが、
複数の仕訳を、前記仕訳に係る取引が実際に行われた取引日と、前記取引の入力がなされた入力日との乖離日数で分類し、
この分類結果に対して、予め決定された統計処理を行い、外れ値に属する乖離日数を判定し、
前記統計処理によって外れ値であると判定された乖離日数に分類された仕訳を抽出する、仕訳抽出方法。
【請求項11】
前記プロセッサがさらに、
前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示すヒストグラムを、前記抽出された仕訳が、他の仕訳と識別できるように画面から表示させる、
請求項10に記載の仕訳抽出方法。
【請求項12】
前記プロセッサがさらに、
前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示す表を、前記抽出された仕訳が、他の仕訳と識別できるように画面から表示させる、
請求項10に記載の仕訳抽出方法。
【請求項13】
前記プロセッサがさらに、前記予め決定された統計処理として、
前記複数の仕訳を、前記乖離日数順に順位付けし、
前記複数の仕訳の数に対する第1四分位および第3四分位を算出し、
前記複数の仕訳のうち、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とに基づいて決定される四分位範囲を算出し、
前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記四分位範囲とに基づいて決定される下方乖離日数を算出し、
前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記四分位範囲とに基づいて決定される上方乖離日数を算出し、
前記下方乖離日数未満の乖離日数と、前記上方乖離日数を超える乖離日数とを、前記外れ値に属する乖離日数として判定する、
請求項10に記載の仕訳抽出方法。
【請求項14】
前記プロセッサがさらに、前記予め決定された統計処理として、
前記第1四分位が整数ではない場合、前記第1四分位の前後の直近順位に順位付けられた2つの前記乖離日数の按分によって得られる乖離日数を、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とし、
前記第3四分位が整数ではない場合、前記第3四分位の前後の直近順位に順位付けられた2つの前記乖離日数の按分によって得られる乖離日数を、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とする、
請求項13に記載の仕訳抽出方法。
【請求項15】
前記プロセッサがさらに、前記予め決定された統計処理として、
前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数から、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数を減じることによって、前記四分位範囲を算出する、
請求項13または14に記載の仕訳抽出方法。
【請求項16】
前記プロセッサがさらに、前記予め決定された統計処理として、設定された係数αを用いて、
前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数から、前記係数αを乗じられた前記四分位範囲を減じることによって算出される値よりも大きい直近の整数値を、前記下方乖離日数とし、
前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数に、前記係数αを乗じられた前記四分位範囲を加えることによって算出される値よりも小さい直近の整数値を、前記上方乖離日数とする、
請求項13に記載の仕訳抽出方法。
【請求項17】
複数の仕訳を、前記仕訳に係る取引が実際に行われた取引日と、前記取引の入力がなされた入力日との乖離日数で分類する機能と、
この分類結果に対して、予め決定された統計処理を行い、外れ値に属する乖離日数を判定する機能と、
前記統計処理によって外れ値であると判定された乖離日数に分類された仕訳を抽出する機能とを、
プロセッサに実現させるためのプログラム。
【請求項18】
前記予め決定された統計処理を行い、外れ値に属する乖離日数を判定する機能はさらに、
前記複数の仕訳を、前記乖離日数順に順位付けする機能、
前記複数の仕訳の数に対する第1四分位および第3四分位を算出する機能、
前記複数の仕訳のうち、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とに基づいて決定される四分位範囲を算出する機能、
前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記四分位範囲とに基づいて決定される下方乖離日数を算出する機能、
前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記四分位範囲とに基づいて決定される上方乖離日数を算出する機能、
前記下方乖離日数未満の乖離日数と、前記上方乖離日数を超える乖離日数とを、前記外れ値に属する乖離日数として判定する機能を含む、
請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記予め決定された統計処理を行い、外れ値に属する乖離日数を判定する機能はさらに、
前記第1四分位が整数ではない場合、前記第1四分位の前後の直近順位に順位付けられた2つの前記乖離日数の按分によって得られる乖離日数を、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とする機能、
前記第3四分位が整数ではない場合、前記第3四分位の前後の直近順位に順位付けられた2つの前記乖離日数の按分によって得られる乖離日数を、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とする機能を含む、
請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記予め決定された統計処理を行い、外れ値に属する乖離日数を判定する機能はさらに、
前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数から、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数を減じることによって、前記四分位範囲を算出する機能を含む、
請求項18または19に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出する仕訳抽出装置、仕訳抽出方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、税務監査等で行われる全部監査のような精査では、仕訳を、例えば領収書等の証憑書類と突き合わせることで、その実在性や真実性が検証されている。
【0003】
一方、内部監査では、まず、仕訳のみから実在性や真実性に疑義のある、すなわち、不正仕訳の可能性の高い仕訳が抽出され、その上で証憑書類の提出を求めるという流れが一般的に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】武田剛著、「監査のためのデータ分析」、総合法令出版、2020年3月22日、第147頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現状、不正仕訳の可能性の高い仕訳の抽出作業は、人的作業によって行われており、多大な時間と手間とを要する。仕訳が大量にある場合、その人的作業に費やされる時間と手間もさらに膨大になる。
【0007】
限られた人員および時間で、不正仕訳の精査をできるだけ効率的に実施するためにも、不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出できる技術が望まれている。
【0008】
不正仕訳には、以下のようなパターンがあると考えられる。
【0009】
(1)不正仕訳の計上は、取引事実とは異なる不正者の意図をもって計上される。
【0010】
(2)不正仕訳の「取引日」(本来の取引事実があった日)への入力値は、不正仕訳を反映したい財務諸表の期間によって選択される(例えば、期末に売上予算が未達時に予算達成を偽るため架空売り上げを計上するケースであれば、当該会計期間の決算月付近が取引日として選択される)。
【0011】
(3)経理規定に基づき通常入力される仕訳の「入力日」は「取引日」から一定の日数内に分布する。
【0012】
(4)予算達成を偽装するため架空の取引の仕訳を計上する場合、事実に基づき計上される訳ではないので、(3)の様にならないことが考えられる。言い換えれば、取引日と入力日に不正者の意図が現れる可能性が高く、そこを観察することで不正な仕訳を発見する端緒とすることができる。
(5)仕訳の「入力日」は不正者の意図が現れる可能性が高いと考えられる。
【0013】
上記パターンを考慮すれば、不正仕訳の抽出がより容易になると考えられる。
【0014】
例えば、不正仕訳の抽出のために、取引日と入力日との乖離が20日以上の仕訳に着目するという手法は従来から存在している(例えば、非特許文献1)。
【0015】
しかし、実際は、売上計上や、経費計上等、取引内容によって経理規定が異なるため、取引内容によって取引日と入力日の乖離度合いは異なる。このため、上記(1)の様に一律な抽出条件で仕訳を抽出する手法では、正常に計上された仕訳と、不正の可能性のある仕訳が混在しやすく、不正仕訳の発見は容易ではない。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出する仕訳抽出装置、仕訳抽出方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0018】
すなわち、本発明の第1の態様は、不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出する装置であって、複数の仕訳を、前記仕訳に係る取引が実際に行われた取引日と、前記取引の入力がなされた入力日との乖離日数で分類する分類部と、前記分類部による分類結果に対して、予め決定された統計処理を行い、外れ値に属する乖離日数を判定する統計処理部と、前記統計処理部によって外れ値であると判定された乖離日数に分類された仕訳を抽出する抽出部とを備えた、仕訳抽出装置である。
【0019】
本発明の第2の態様は、前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示すヒストグラムを、前記抽出部によって抽出された仕訳が、他の仕訳と識別できるように画面から表示させる表示制御部をさらに備えた、第1の態様の仕訳抽出装置である。
【0020】
本発明の第3の態様は、前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示す表を、前記抽出部によって抽出された仕訳が、他の仕訳と識別できるように画面から表示させる表示制御部をさらに備えた、第1の態様の仕訳抽出装置である。
【0021】
本発明の第4の態様は、前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示すヒストグラムと、前記乖離日数に対する前記仕訳の度数を示す表とをそれぞれ、前記抽出部によって抽出された仕訳が、他の仕訳と識別できるように画面から表示させる表示制御部をさらに備えた、第1の態様の仕訳抽出装置である。
【0022】
本発明の第5の態様は、前記統計処理部は、前記予め決定された統計処理として、前記複数の仕訳を、前記乖離日数順に順位付けし、前記複数の仕訳の数に対する第1四分位および第3四分位を算出し、前記複数の仕訳のうち、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とに基づいて決定される四分位範囲を算出し、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記四分位範囲とに基づいて決定される下方乖離日数を算出し、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、前記四分位範囲とに基づいて決定される上方乖離日数を算出し、前記下方乖離日数未満の乖離日数と、前記上方乖離日数を超える乖離日数とを、前記外れ値に属する乖離日数として判定する、第1の態様の仕訳抽出装置である。
【0023】
本発明の第6の態様は、前記統計処理部は、前記第1四分位が整数ではない場合、前記第1四分位の前後の直近順位に順位付けられた2つの前記乖離日数の按分によって得られる乖離日数を、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とし、前記第3四分位が整数ではない場合、前記第3四分位の前後の直近順位に順位付けられた2つの前記乖離日数の按分によって得られる乖離日数を、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数とする、第5の態様の仕訳抽出装置である。
【0024】
本発明の第7の態様は、前記統計処理部は、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数から、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数を減じることによって、前記四分位範囲を算出する、第5または第6の態様の仕訳抽出装置である。
【0025】
本発明の第8の態様は、前記統計処理部は、設定された係数αを用いて、前記第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数から、前記係数αを乗じられた前記四分位範囲を減じることによって算出される値よりも大きい直近の整数値を、前記下方乖離日数とし、前記第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数に、前記係数αを乗じられた前記四分位範囲を加えることによって算出される値よりも小さい直近の整数値を、前記上方乖離日数とする、第7の態様の仕訳抽出装置である。
【0026】
本発明の第9の態様は、前記係数αは、1.5である、第8の態様の仕訳抽出装置である。
【0027】
また、これら仕訳抽出装置に対応する仕訳抽出方法およびプログラムも、本発明の態様に含まれる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出する仕訳抽出装置、仕訳抽出方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る仕訳抽出方法が適用された仕訳抽出装置の電子回路構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る仕訳抽出方法が適用された仕訳抽出装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、分類プログラムによって作成された一覧画面の表示例を示す図である。
【
図4】
図4は、仕訳データの表示例を示す図である。
【
図5】
図5は、各仕訳データを乖離日数で分類した結果の一例を示す表である。
【
図6】
図6は、四分位数を用いた統計処理により外れ値を判定する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、各仕訳データを乖離日数順に順位付けた結果の一例を示す表である。
【
図8】
図8は、乖離日数に対する仕訳データの度数を示すヒストグラムおよび統計処理結果のサマリの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る仕訳抽出方法が適用された仕訳抽出装置の電子回路構成例を示すブロック図である。
【0032】
仕訳抽出装置10は、不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出する装置であって、バス11によって互いに接続されたCPU12、記録媒体読取部14、ディスプレイ等の表示画面16、マウスやキーボード等の入力部17、メモリ20、および記憶装置30を備えている。このような仕訳抽出装置10は、限定される訳ではないが、PCや、タブレット端末で実現することができる。
【0033】
CPU12は、コンピュータであって、メモリ20に記憶されている各プログラム21~24に従い回路各部の動作を制御する。これによって、仕訳抽出装置10は、後述するように、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作するようになる。
【0034】
記憶装置30は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等からなり、仕訳の情報が記録された仕訳データベース32を記憶している。
【0035】
メモリ20は、分類プログラム21、統計処理プログラム22、抽出プログラム23、および表示制御プログラム24を記憶している。
【0036】
これらプログラム21~24は、メモリ20に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカード等の外部記録媒体13から記録媒体読取部14を介してメモリ20に読み込まれて記憶されたものであってもよい。これらプログラム21~24は、書き換えできないようになっている。
【0037】
メモリ20には、このような書き換え不可能なエリアの他に、書き換え可能なデータを記憶するエリアとして、書込可能データエリア29が確保されている。
【0038】
分類プログラム21は、記憶装置30に記憶された仕訳データベース32にアクセスし、複数の仕訳を、仕訳に係る取引が実際に行われた取引日と、取引の入力がなされた入力日との乖離日数で分類する。
【0039】
統計処理プログラム22は、分類プログラム21による分類結果に対して、予め決定された統計処理を行い、外れ値に属する乖離日数を判定する。
【0040】
統計処理プログラム22は、例えば、予め決定された統計処理として、四分位数を用いた統計処理を行うことができる。四分位数を用いた統計処理の具体例については後述する。
【0041】
抽出プログラム23は、統計処理プログラム22によって外れ値であると判定された乖離日数に分類された仕訳データを抽出する。
【0042】
表示制御プログラム24は、乖離日数に対する仕訳の度数を示すヒストグラムを、抽出プログラム23によって抽出された仕訳データcが、他の仕訳データcと識別できるように表示画面16から表示させることができる。表示制御プログラム24はまた、乖離日数に対する仕訳の度数を示す表も同様に、抽出プログラム23によって抽出された仕訳データcが、他の仕訳データcと識別できるように表示画面16から表示させることができる。表示制御プログラム24は、このようなヒストグラムと表とを、入力部17を介してなされるユーザの指定に応じて、表示画面16から同時に表示させることも、個別に表示させることもできる。
【0043】
表示画面16から表示されるヒストグラムや表を参照することによって、ユーザは、外れ値であると判定された乖離日数に分類された仕訳データcを把握することができる。この仕訳データcは、不正な仕訳データcである可能性が高い。ユーザは、必要であれば、この仕訳データcが不正であるか否かを判断するために、この仕訳データcを精査する。
【0044】
このように、仕訳抽出装置10は、不正である可能性が高い仕訳データcを抽出できるので、ユーザの負担を低減することが可能となる。
【0045】
次に、以上のように構成した本発明の実施形態に係る仕訳抽出方法が適用された仕訳抽出装置の動作例を説明する。
【0046】
図2は、本発明の実施形態に係る仕訳抽出方法が適用された仕訳抽出装置の動作例を示すフローチャートである。
【0047】
記憶装置30には、仕訳データcが記録された仕訳データベース32が記憶されている。
【0048】
仕訳抽出装置10が起動される(S1)と、分類プログラム21は、記憶装置30に記憶された仕訳データベース32にアクセスし(S2)、仕訳データベース32に記憶されている各仕訳データcを、科目の組合せ毎に分類し、
図3に例示するような一覧画面を作成する(S3)。作成された一覧画面は、表示制御プログラム24によって表示画面16から表示される(S4)。
【0049】
図3は、分類プログラムによって作成された一覧画面の表示例を示す図である。
【0050】
図3に例示するように、一覧画面40には、データベース32に記憶されている各仕訳データcが、科目の組合せA毎に分類されて示されている。さらに、科目の組合せA毎に、該当する仕訳データcの件数Dも示されている。
【0051】
ユーザは、入力部17を操作することによって、一覧画面40に表示された科目の組合せAの中から、何れかを指定する(S5)と、指定された組合せに含まれる仕訳データcの内容が、表示画面16から表示される。
【0052】
例えば、ユーザが、科目の組合せAの1行目を指定した場合について説明する。科目の組合せAの1行目には、借方科目の仕訳データcとして「(2136)未払消費税等」が、貸方科目の仕訳データcとして「(1111)現金」、2行目には、借方科目の仕訳データcとして「(6112)販売員旅費」が表示されている。ユーザが、科目の組合せAの1行目を指定した場合、「(2136)未払消費税等」の仕訳データcと、「(1111)現金」の仕訳データcとの内容が、表示画面16から表示される。一例として、
図4に、仕訳データcの表示例を示す。
【0053】
【0054】
図4に示すように、仕訳データcには、少なくとも、仕訳に係る取引が実際に行われた取引日c1と、取引金額(借方合計c2、貸方合計c3)と、取引が入力された入力日c4と、入力者c5と、伝票番号c6とが含まれている。
【0055】
ステップS5において、このようにユーザによって、科目の組合せAが指定された後、さらにユーザによって、仕訳抽出処理を実行するように指定されると(S6)、指定された科目の組合せAに該当する、件数Dに示される数の各仕訳データcが、分類プログラム21によって、取引日c1と入力日c4との乖離日数(すなわち、入力日c4-取引日c1)で分類される(S7)。
【0056】
図5は、各仕訳データを乖離日数で分類した結果の一例を示す表である。
【0057】
図5には、一例として、
図3に示す科目の組合せAの1行目と2行目のセットに該当する188件(件数D=188)の仕訳データcが、乖離日数dで分類された結果が示されている。
【0058】
図5に例示する分類結果表50の項目には、仕訳データcにも含まれている取引日c1、入力日c4、入力者c5、伝票番号c6に加えて、乖離日数dが含まれている。例えば、分類結果表50において、伝票番号c6が「1900000001」である第1行目の仕訳データcの場合、取引日c1が「2021年1月1日」であり、入力日c4が「2021年1月6日」であるので、乖離日数dは、入力日c4「2021年1月6日」から取引日c1「2021年1月1日」を引いた「5」日となる。このようにして、分類プログラム21によって、188件の仕訳データcのすべてについて、乖離日数dが計算される。なお、
図5では、簡略のために、188件の仕訳データcのすべてを示している訳ではく、途中部分を適宜省略していることを了解頂きたい。
【0059】
このようにして分類プログラム21によって、件数Dで指定されている188件すべての仕訳データcについて、乖離日数dが計算され、188件の仕訳データcが、乖離日数dで分類される。この例では、乖離日数dの最大値は44(日)であり、最小値は-8(日)であった。
【0060】
次に、統計処理プログラム22では、分類プログラム21によって得られた
図5に例示するような分類結果に対して、予め決定された統計処理が行われ(S8)、外れ値に属する乖離日数が判定される(S9)。予め決定された統計処理としては、一般的な統計処理を用いることができるので、本願では特に限定しないが、一例として、四分位数を用いた統計処理について以下に説明する。
【0061】
図6は、四分位数を用いた統計処理により外れ値を判定する処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
【0063】
四分位数を用いた統計処理では、
図5に例示するような分類結果を使って、すべての仕訳データcが、統計処理プログラム22によって、乖離日数dの順に順位付けされる(S81)。その結果を
図7に例示する。
【0064】
図7は、各仕訳データを乖離日数順に順位付けた結果の一例を示す表である。
【0065】
図7に例示する順位付け結果表60は、項目として順位fと乖離日数dとを有する。
【0066】
順位fは、仕訳データcの件数D分ある。本例の場合、仕訳データcの件数Dは188件であるので、順位fは、1位から188位まで、乖離日数dの小さな仕訳データcから順に、順位付けされる。前述したように、
図5に示す分類結果表50では、乖離日数dの最大値は44(日)、最小値は-8(日)であったので、乖離日数dが-8(日)の仕訳データcの順位fは1位、乖離日数dが44(日)の仕訳データcの順位fは188位となる。
【0067】
なお、
図5の分類結果表50では省略されているが、乖離日数dが0(日)である仕訳データcは10件であった。
図7では、これら10件の仕訳データcは、2位から11位の順位fとして示されている。このように、同一の乖離日数dを有する仕訳データcが複数あった場合、これら複数の仕訳データcを同一順位とせず、連続する異なる順位に順位付ける。
【0068】
統計処理プログラム22ではさらに、
図7に例示される順位付け結果に基づいて、該当する件数D(この場合、188件)の仕訳データcを対象として、第1四分位、第2四分位、および第3四分位が算出される(S82)。
【0069】
仕訳データcの件数DがNである場合、第1四分位=(N+3)/4、第2四分位=(N+1)/2、および第3四分位=(3N+1)/4として算出される。したがって、N=188である場合、第1四分位=47.75、第2四分位=94.5、および第3四分位=141.25となる。
【0070】
統計処理プログラム22ではさらに、第3四分位に順位付けられた仕訳データcの乖離日数dから、第1四分位に順位付けられた仕訳データcの乖離日数dが減じられ、四分位範囲が算出される(S83)。
【0071】
ただし、第1四分位が整数ではない場合、統計処理プログラム22によって、第1四分位の前後の直近の順位に順位付けられた2つの乖離日数dの按分によって得られる乖離日数が、第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数dとされる。同様に、第3四分位が整数ではない場合、統計処理プログラム22によって、第3四分位の前後の直近の順位に順位付けられた2つの乖離日数dの按分によって得られる乖離日数dが、第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数dとされる。
【0072】
本例の場合、第1四分位=47.75も、第3四分位=141.25も整数ではない。
【0073】
したがって、統計処理プログラム22では、第1四分位=47.75の前後の直近の順位、すなわち、47位と48位に順位付けられた2つの乖離日数d(すなわち、47位の乖離日数d47=3日と、48位の乖離日数d48=3日)の按分によって得られる乖離日数d(すなわち、d47+(d48-d47)*0.75)が、第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数d(この場合、3+(3-3)*0.75=3日)とされる。
【0074】
同様に、統計処理プログラム22では、第3四分位=141.25の前後の直近の順位、すなわち、141位と142位に順位付けられた2つの乖離日数d(すなわち、141位の乖離日数d141=10日と、142位の乖離日数d142=10日)の按分によって得られる乖離日数d(すなわち、d141+(d142-d141)*0.25)が、第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数d(この場合、10+(10-10)*0.25=10日)とされる。
【0075】
したがって、本例では、統計処理プログラム22によって、第3四分位に順位付けられた仕訳データcの乖離日数d(10日)から、第1四分位に順位付けられた仕訳データcの乖離日数d(3日)を減じることによって、四分位範囲として「7日」が算出される。
【0076】
統計処理プログラム22ではさらに、第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数と、四分位範囲とに基づいて決定される下方乖離日数とが算出される。また、第3四分位に関連付けられた仕訳の乖離日数と、四分位範囲とに基づいて決定される上方乖離日数をも算出される(S84)。
【0077】
具体的には、ユーザによって設定された係数αを用いて、第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数から、係数αを乗じられた四分位範囲を減じて算出される値よりも大きい直近の整数値が、下方乖離日数とされ、第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数に、係数αを乗じられた四分位範囲を加えることによって算出される値よりも小さい直近の整数値が、上方乖離日数とされる。係数αとしては、典型的な値として、1.5を用いることができるが、これに限定されない。
【0078】
係数αとして1.5を用いた場合、本例では、下方乖離日数は、第1四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数である「3日」から、係数α=1.5を乗じられた四分位範囲「7日」を減じることによって算出される値(3-1.5×7=-7.5)よりも大きい直近の整数値(-7日)となる。また、上方乖離日数は、第3四分位に順位付けられた仕訳の乖離日数である「10日」に、係数α=1.5を乗じられた四分位範囲「7日」を加えることによって算出される値(10+1.5×7=20.5)よりも小さい直近の整数値である「20日」となる。
【0079】
ステップS84の後、統計処理プログラム22によって、下方乖離日数未満の乖離日数と、上方乖離日数を超える乖離日数とが、外れ値に属する乖離日数として判定される(S9)。この例では、下方乖離日数である「-7日」未満の乖離日数と、上方乖離日数である「20日」を超える乖離日数とが、外れ値に属する乖離日数として判定される。
【0080】
次に、抽出プログラム23によって、統計処理プログラム22によって外れ値であると判定された乖離日数に分類された仕訳データcが抽出される(S10)。
【0081】
また、表示制御プログラム24によって、乖離日数dに対する仕訳データcの度数を示すヒストグラムが、表示画面16から表示される(S11)。
【0082】
図8は、乖離日数に対する仕訳データの度数を示すヒストグラムおよび統計処理結果のサマリの例を示す図である。
【0083】
図8に例示するヒストグラムHisは、横軸が乖離日数d(日)を示し、縦軸が仕訳データcの度数を示し、下方乖離日数を示す境界線Lowと、上方乖離日数を示す境界線Higも示されている。また、入力者c5の区別も凡例で示されており、各度数は、入力者c5毎に色分けされて示されている。ヒストグラムHisでは、境界線Lowよりも小さい外れ値範囲Out1と、境界線Higよりも大きい外れ値範囲Out2も示されている。
【0084】
また、ヒストグラムHisの上側には、サマリSumも表示されている。サマリSumには、ヒストグラムHisの対象となっている仕訳データcの科目の組合せA、件数Dに加えて、統計処理プログラム22によって算出された第1四分位Y1、第2四分位Y2、第3四分位Y3、下方乖離日数Low、上方乖離日数Higと、外れ値範囲Out1および外れ値範囲Out2に含まれる仕訳データcそれぞれの件数と、全仕訳データcの乖離日数dの平均値Aveとが表示される。
【0085】
また、表示制御プログラム24は、ヒストグラムHisの元データである
図7に示すような乖離日数dに対する仕訳データcの度数を示す表も同様に、表示画面16から表示させることができる。この時、外れ値に相当する仕訳データcを、色で明示して示すこともできる。
【0086】
表示制御プログラム24は、
図8に示すようなヒストグラムHisおよびサマリSumと、
図7に示すような表とを、表示画面16から同時に表示させることも、個別に表示させることもできる。
【0087】
表示画面16から表示される
図8に示すようなヒストグラムHisやサマリSumを参照することによって、ユーザは、外れ値であると判定された乖離日数に分類された仕訳データcを容易に把握することができる。この仕訳データcは、不正仕訳である可能性が高い。ユーザは、必要であれば、この仕訳データcの詳細をドリルダウンして精査し、不正であるか否かを最終的に判断することができる。このように、仕訳抽出装置10は、不正である可能性が高い仕訳データcを抽出できるので、ユーザの負担を低減することが可能となる。
【0088】
上述したように、本発明の実施形態に係る仕訳抽出方法が適用された仕訳抽出装置によれば、仕訳の貸借で使用されている科目の組合せA(=取引内容)毎に、取引日と入力日との乖離日数dの頻度をグラフ化する。これによって、取引内容毎(=経理規定毎)に、取引日と入力日の乖離が異常な仕訳を特定しやすくなる。
【0089】
このように、同種の取引内容に取引日と入力日の乖離日数d別の仕訳数の分布を観察可能とすることで、単純に個々の仕訳データcの乖離日数dを観察することでは分からない、異常の可能性を顕在化させることが可能となる。
【0090】
例えば、予算と実績の推移から不審な動きをする勘定科目が特定できているような場合、仕訳抽出装置10で、当該科目を含む科目の組合せAの仕訳データcを抽出し、取引日と入力日の乖離日数dの分布を観察し、異常な乖離日数dを示す取引を特定することで、不正な仕訳データcの特定に役立てることができる。
【0091】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0092】
10・・仕訳抽出装置
11・・バス
12・・CPU
13・・外部記録媒体
14・・記録媒体読取部
16・・表示画面
17・・入力部
20・・メモリ
21・・分類プログラム
22・・統計処理プログラム
23・・抽出プログラム
24・・表示制御プログラム
29・・書込可能データエリア
30・・記憶装置
32・・仕訳データベース
40・・一覧画面
50・・分類結果表
60・・順位付け結果表
A・・科目の組合せ
c・・仕訳データ
c1・・取引日
c2・・借方合計
c3・・貸方合計
c4・・入力日
c5・・入力者
c6・・伝票番号
d・・乖離日数
D・・件数
f・・順位
Hig・・上方乖離日数を示す境界線
His・・ヒストグラム
Low・・下方乖離日数を示す境界線
Out1・・小さい側の外れ値範囲
Out2・・大きい側の外れ値範囲
Sum・・サマリ
Y1・・第1四分位
Y2・・第2四分位
Y3・・第3四分位
【要約】
【課題】 不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出する仕訳抽出装置を提供すること。
【解決手段】 本発明は、不正仕訳の可能性の高い仕訳を抽出する装置であって、複数の仕訳を、前記仕訳に係る取引が実際に行われた取引日と、前記取引の入力がなされた入力日との乖離日数で分類する分類部と、前記分類部による分類結果に対して、予め決定された統計処理を行い、外れ値に属する乖離日数を判定する統計処理部と、前記統計処理部によって外れ値であると判定された乖離日数に分類された仕訳を抽出する抽出部とを備える。
【選択図】
図1