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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】空圧膨大型ゴミ減容装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/20 20220101AFI20230328BHJP
   B65F 1/10 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
B09B3/20
B65F1/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019229756
(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公開番号】P2021087938
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】500410123
【氏名又は名称】株式会社エルコム
(72)【発明者】
【氏名】相馬 督
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05447017(US,A)
【文献】実開平06-049402(JP,U)
【文献】特開2003-246405(JP,A)
【文献】特開平08-119401(JP,A)
【文献】特開2003-116650(JP,A)
【文献】実開昭51-112979(JP,U)
【文献】特開2021-079438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/20
B65F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各機器を収容してなる筐体を設け、該筐体適所に開閉扉を設けるとともに該開閉扉に開口部と開閉蓋を設け、筐体内適所にゴミ容器載置板およびエアーコンプレッサーを設け、該筐体内上方に、空気圧と内部スプリングにて上下および外方に向けて膨大伸縮可能なる圧縮体を設け、この圧縮体下端に圧縮板を設け、前記エアーコンプレッサーと圧縮体間を管体にて通気連通可能に構成し、圧縮体を、その内部に環体を設けるとともに、非通気性と伸縮性および柔軟性を有する素材にて形成し、圧縮体内部に設ける環体の位置を、この圧縮体の上部と下部として中間部には設けないことにより、空圧にてこの中間部は外方に向けて膨大し、圧縮体下部は下方にのみ膨大伸張するものとし、前記内部スプリングは引張コイルスプリングにより形成されるものとし、前記開閉蓋は前記開閉扉にスプリング蝶番にて、この開閉扉に対して回動可能として設けて、これにて前記開口部を開閉可能に設けるものとし、前記圧縮体の中間部膨大にてこの圧縮体の開閉蓋への押圧接触にて、この開閉蓋を回動させて開口部の閉状態を可能とするとともに、圧縮体の縮小にて該開閉蓋の回動による前記開口部の開状態を可能として、これにより、筐体内の開閉蓋回動にて開口 部を押圧閉塞するとともにゴミを圧縮減容するものとした空圧膨大型ゴミ減容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気圧にてゴミを圧縮減容するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゴミ減容装置は多様なものが利用されているが、本発明にて示すように、空気圧によって膨大伸縮可能なる袋体を用いたものは現在のところ見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ゴミの廃棄処分問題は以前より考慮され、ゴミの減容については種々の方式があるが、その大半は機械的圧縮にてゴミ容積を減少させるものである。しかし、駆動源にて平板を付加したアクチュエーターを昇降させる方式が多く、その構成的複雑さにてコスト高になるという問題を有している。
本発明は以上に鑑み、より簡易な装置にて十分なる減容効果を発揮するとともに、製作コスト面でも有利なる新規かつ有用なる装置を提供することを目的として発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。すなわち
各機器を収容してなる筐体を設け、該筐体適所に開閉扉を設けるとともに該開閉扉に開口部と開閉蓋を設け、筐体内適所にゴミ容器載置板およびエアーコンプレッサーを設け、該筐体内上方に、空気圧と内部スプリングにて上下および外方に向けて膨大伸縮可能なる圧縮体を設け、この圧縮体下端に圧縮板を設け、前記エアーコンプレッサーと圧縮体間を管体にて通気連通可能に構成し、圧縮体を、その内部に環体を設けるとともに、非通気性と伸縮性および柔軟性を有する素材にて形成し、圧縮体内部に設ける環体の位置を、この圧縮体の上部と下部として中間部には設けないことにより、空圧にてこの中間部は外方に向けて膨大し、圧縮体下部は下方にのみ膨大伸張するものとし、前記内部スプリングは引張コイルスプリングにより形成されるものとし、前記開閉蓋は前記開閉扉にスプリング蝶番にて、この開閉扉に対して回動可能として設けて、これにて前記開口部を開閉可能に設けるものとし、前記圧縮体の中間部膨大にてこの圧縮体の開閉蓋への押圧接触にて、この開閉蓋を回動させて開口部の閉状態を可能とするとともに、圧縮体の縮小にて該開閉蓋の回動による前記開口部の開状態を可能として、これにより、筐体内の開閉蓋回動にて開口部を押圧閉塞するとともにゴミを圧縮減容する。
本発明は以上の構成よりなる空圧膨大型ゴミ減容装置である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、従来の機械的圧縮装置に比べ、空気圧によって膨大伸縮可能なる袋体による圧縮減容方式を用いているので、その構成はよりシンプルとなって製作コスト面での有利性を得ることができる。また、非減容時は開口部は開口されており、減容時は圧縮体の膨大にて開口部は自動的に閉塞されるので、使用時の安全性を高めることができる。
なお、圧縮体の交換にて、その膨張による下方移動距離を変えることができ、使用空気圧の設定にてゴミに対する圧縮力を変えることができる。
バッテリーによるコンプレッサー駆動とすれば、外部電源への常時接続を要せず、どこへでも運んで簡易に利用することができる。従来品に比べて軽量となるのでその運搬にも便利である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の正面図
図2】本発明の右側面図
図3】本発明の要部内部構造説明図(正面視・一部略)
図4】本発明の要部内部構造説明図(右側面視・圧縮体初期状態)
図5】本発明の要部内部構造説明図(右側面視・圧縮体膨大伸張時)
図6】本発明の作動フローチャート
図7】本発明の作動説明図
図8】本発明圧縮体の他例説明図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は筐体で、金属製の天板2、側板3、底板4、前板5とからその主要部が構成され、各板体間は螺着にてその形が保たれる。6はゴミ容器載置板で、適宜部材を介して筐体内中間位置に固定される。また、該載置板上面適所にはゴミ容器位置決めのためのストッパー7が固定される。なお、本例ではアングル材を用いている。
筐体の前面には、筐体に対するロックおよびロック解除機能を有する開閉扉8が設けられ、後述のように開閉蓋に対応する切除部が該扉に設けられる。この開閉扉右端近傍上下は適宜支持部材(図示略)にて支持され、この扉は該支持部材を回動中心として開閉可能である。9は該扉左端近傍に位置する取っ手である。
【0008】
10は開閉蓋で、開閉扉の裏面にスプリング蝶番にて開閉可能に設けられる。
平常時(非圧縮時)はこの開閉蓋は水平位置にあって、後述の袋体からの圧力にて垂直位置に移行が可能である。11は筐体前板に設けられる操作盤、12は開閉扉に設けた開口部によるゴミ投入口である。
【0009】
次に筐体の内部構成について説明する。
20はエアーコンプレッサー、21は充電式バッテリー、22は電磁弁である。
このバッテリーはエアーコンプレッサーに差し込んで用いるもので、予備のバッテリー23と交換が可能である。24は通気管、25は中空体である。この中空体の下方は円形に切除され、この中空体は筐体の天板下面に固定される。前記の通気管の一端は前記電磁弁に他端は中空体側面に設けた孔に連通接続される。
【0010】
26は圧縮体である。この圧縮体は非通気性であるとともに伸縮性を有する軟質合成樹脂による袋体27の内方の上部と下部に環体28を固着して形成される。
また、圧縮体の上縁は前記中空体下面に密に固定され、下縁には圧縮板29が固着されている。30は圧縮体内部に設けられる引張コイルスプリングで、その上端は天板下面に設けた支持体に固定され、下端は圧縮板上面に設けた支持体に固定される。なお、図中二点鎖線にて示したのは有底上部開放のゴミ容器31である。
以上が本発明の一実施形態構成である。
【0011】
次に本発明の作用と使用について説明する。
まず使用前の準備として、本品を適宜箇所に設置し、充電済みのバッテリーをエアーコンプレッサー(以下、コンプレッサーと略称する)の所定箇所に差し込んでおく。
また、ゴミ容器をゴミ容器載置板上に載置する。
1.開口部よりゴミをゴミ容器内に投入する。このとき、圧縮体は引張コイルスプリング の作用にて図7にて示すように縮状態であり、開閉蓋は水平位置である。
2.操作盤のメインスイッチONにてコンプレッサーは駆動を開始し、電磁弁を介してエ アーは通気管に送出される。このとき、開口部から外気が筐体内に流入し、コンプレッ サーの吸気口よりエアーが入り込む。
3.通気管に送出されたエアーは中空体内に入り、中空体下方の円形切除部を経て圧縮体 内に入り込み、その空気圧にて圧縮体は内部の引張コイルスプリングの復帰力に逆らっ て膨張し、下方および筐体内面に向けて突出を開始する。袋体膨張にて開閉蓋は押圧を 受けて下向きに回動し、開口部内面に押圧接触し、圧縮板は下方移動してゴミ容器内の ゴミを圧縮減容する。図5にて示すように、袋体内面の上部と下部には環体が位置し、 この環体にて袋体各位置の膨張は制限を受ける。これにて袋体の中間部はその伸縮にて 外方に張り出して開閉蓋は回動して開口部は閉状態となる。また、袋体下部は下向きに 突出して圧縮板にてゴミを圧縮減容する。
4.減容終了後はコンプレッサーは停止し、電磁弁が切り替わり、引張コイルスプリング の復帰力にて圧縮体は初期の縮んだ状態へと復帰し、開閉蓋は水平位置となって開口部 は開放となる。このとき、圧縮体内の高圧エアーは通気管を経て電磁弁の排出口より排 出され、開口部から外部へと放出される。
5.以上が一行程として、これを反復することにてゴミ容器内にゴミが圧縮減容された状 態にて堆積していく。ある程度のゴミ量となったときは、開閉扉を開けてゴミ容器を取 り出し、廃棄する。
6.所定回数の使用にてバッテリーパワーは低下するので、開閉扉を開けて、コンプレッ サーよりバッテリーを取り外し、予備のバッテリーと交換することにて、再び使用可能 状態となる。なお、操作盤にはメインスイッチ、停止スイッチ、復帰スイッチその他の 各種スイッチと、これらのスイッチに対応する表示ランプが設けられる。
【0012】
以上、本発明について記したが、本発明は空気圧を用いてゴミを圧縮減容し、圧縮体の変化にて開閉蓋を回動させるところにその特徴を有するものである。
従来は駆動源としてモーターを用い、チェーンその他にて動力をアクチュエータに伝達し、圧縮板を昇降させる方式のものが多く、多数の部品・機械要素を用いるなど、構造的に複雑でそれなりの重量を有することとなり、製作費用や運搬の面でも負担の大きいものとなりがちであったが、本発明の登場にてこれらの問題点が解消されるものとなったのである。
なお、既例では電源として充電式バッテリーを用いたが、一般のAC100Vに直接接続する方式としてもよい。また、手動による操作・制御以外に、タイマーや各種センサーを付加した自動制御方式を用いてもよい。環体は袋体下部の膨大化を防いでおり、効率よく伸張させることができるが、場合によっては図8のようにこの環体の一部をを省いた構成としてもよい。
筐体形状は本例では直方体としたが、他の形状を用いてもよい。
また、各種フレームの組み合わせにて外形を作り、このフレームに板体を固定する方式にて筐体を形成してもよい。なお、既例で示した開口部と開閉蓋を図5の仮想線にて示すように筐体の前後2カ所に設けてもよい。既例ではコンプレッサーからのエアーを直に袋体に導くものとしたが、アキュムレータを設けて、このアキュムレータからエアーを袋体に導き、内部空圧低下を検知してコンプレッサーを駆動させる方式としてもよい。
以上のごとく、本発明によって新規かつ有用なるゴミ減容装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0013】
1 筐体
2 天板
3 側板
4 底板
5 前板
6 ゴミ容器載置板
7 ストッパー
8 開閉扉
9 取っ手
10 開閉蓋
11 操作盤
12 ゴミ投入口
20 エアーコンプレッサー
21 充電式バッテリー
22 電磁弁
23 予備バッテリー
24 通気管
25 中空体
26 圧縮体
27 袋体
28 環体
29 圧縮板
30 引張コイルスプリング
31 ゴミ容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8