(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】ステープラ
(51)【国際特許分類】
B27F 7/19 20060101AFI20230328BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
B27F7/19
B65H37/04 D
(21)【出願番号】P 2018207723
(22)【出願日】2018-11-02
【審査請求日】2021-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀田 太志
(72)【発明者】
【氏名】岸 和彦
(72)【発明者】
【氏名】大島 裕
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第000009416512(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0266789(US,A1)
【文献】特開2005-199450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27F 7/19
B65H 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の針足を用紙束に貫通させる打出部と、
前記打出部により前記用紙束を貫通した前記針足の先端が内側に向くように前記針足の第1位置を曲げる曲げ部と、
前記曲げ部により前記第1位置で前記先端が内側に曲げられた前記針足の全体が内側に向くように前記第1位置より前記用紙束側に位置する第2位置を曲げるクリンチャ部とを備え、
前記曲げ部は、
一対の前記針足の内側に配置され、前記針足に対向する第1先端部を含み、前記第1先端部が前記第1位置に位置する第1部と、
一対の前記針足の外側に配置され、前記針足に対向する第2先端部を含み、前記第2先端部が前記第1位置より前記用紙束から離れる側である非用紙束側に位置する第2部と、
前記第1部及び前記第2部の少なくとも一方を前記針足方向に移動させる移動部と
を有し、
前記クリンチャ部は、前記第1部及び前記第2部の少なくとも一方が前記針足方向に移動させられた後、前記第2位置を曲げる
ステープラ。
【請求項2】
前記移動部は、前記第2部を前記針足方向に移動させる
請求項1に記載のステープラ。
【請求項3】
前記第1部は、前記第1先端部より前記非用紙束側に第1切断縁を含む固定カッタであり、
前記第2部は、前記第2先端部の一部に第2切断縁を含む可動カッタであり、前記針足方向に移動することで、前記第1切断縁と前記第2切断縁とで前記針足を切断可能に構成され、
前記第1先端部は、前記第1切断縁よりも前記針足側に突出する
請求項2に記載のステープラ。
【請求項4】
前記第1先端部は先端に向けて厚みが薄くなるように傾斜する傾斜部を含む
請求項1~請求項3の何れか1項に記載のステープラ。
【請求項5】
前記第1先端部と前記第1切断縁は、前記第2位置と前記第1先端部とを結ぶ仮想線の延長線と、前記第1先端部と前記第1切断縁とを結ぶ仮想線の延長線とのなす角が15度以上になるように配置される
請求項
3に記載のステープラ。
【請求項6】
前記第1先端部と前記第1切断縁は、前記第1先端部と前記第1切断縁とを結ぶ仮想線の長さが3mm以下になるように配置される
請求項3
または請求項
5に記載のステープラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数枚の用紙からなる用紙束をステープルで綴じるステープラに関する。
【背景技術】
【0002】
ステープルの一対の針足を用紙束に貫通させ、貫通した一対の針足をクリンチャ部で折り曲げることで前記用紙束を綴じるステープラが開示されている(例えば、特許文献1参照)。クリンチャ部は、互いに近づくようにして用紙束の面方向に沿って移動する一対のクリンチャを有する。針足の外側からクリンチャを上記の如く移動させることで、針足は用紙束の面(以下「紙面」という場合がある)に沿って内側に曲げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一対のクリンチャによって曲げられた針足は紙面に沿って直線状に曲げられるため、用紙束を綴じる際、クリンチ(針足の折り曲げ)を十分に行わないと、針足、特に針足先端が紙面から離れて浮き上がりやすいという問題があった。
【0005】
そこで、用紙束を綴じた針足の先端が紙面から離れて浮き上がり難いステープラを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、この明細書に開示されたステープラは、一対の針足を用紙束に貫通させる打出部と、打出部により用紙束を貫通した針足の先端が内側に向くように針足の第1位置を曲げる曲げ部と、曲げ部により第1位置で先端が内側に曲げられた針足の全体が内側に向くように第1位置より用紙束側に位置する第2位置を曲げるクリンチャ部とを備える。曲げ部は、一対の針足の内側に配置され、針足に対向する第1先端部を含み、第1先端部が第1位置に位置する第1部と、一対の針足の外側に配置され、針足に対向する第2先端部を含み、第2先端部が第1位置より用紙束から離れる側である非用紙束側に位置する第2部と、第1部及び第2部の少なくとも一方を針足方向に移動させる移動部とを有し、クリンチャ部は、第1部及び第2部の少なくとも一方が針足方向に移動させられた後、第2位置を曲げる。
【0007】
第1部は、一対の針足の内側に配置され、針足に対向する第1先端部が針足の第1位置に位置する。また、第2部は、一対の針足の外側に配置され、針足に対向する第2先端部が第1位置より非用紙束側に位置する。従って、第1部と第2部の少なくとも一方を移動部により針足方向に移動させると、針足先端は第1部と第2部とにより第1位置を支点に内側に曲げられる。そして第1位置を支点に先端が内側に曲げられた針足全体をクリンチャ部で曲げることで、用紙束を綴じた針足の第1位置から先端は用紙束側を向くようになる。このため、たとえ針足が紙面から浮くようなことがあっても、針足先端は用紙束側を向く。
【発明の効果】
【0008】
上記のステープラによれば、用紙束を綴じた針足の先端が紙面から離れて浮き上がり難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態の画像形成システムの概要を示す構成図である。
【
図2A】本実施の形態のステープラを示す側面図である。
【
図2B】本実施の形態のステープラを示す斜視図である。
【
図2C】本実施の形態のステープラを示す斜視図である。
【
図3A】ステープルで用紙を綴じる動作の一例を示す説明図である。
【
図3B】ステープルで用紙を綴じる動作の一例を示す説明図である。
【
図3C】ステープルで用紙を綴じる動作の一例を示す説明図である。
【
図3D】ステープルで用紙を綴じる動作の一例を示す説明図である。
【
図3E】ステープルで用紙を綴じる動作の一例を示す説明図である。
【
図4】本実施の形態のステープラの要部構成を示す斜視図である。
【
図5】本実施の形態のステープラの要部構成を示す正面図である。
【
図7】針足を曲げる好ましい形態を示す説明図である。
【
図8A】本実施の形態のステープラの動作例を示す斜視図である。
【
図8B】本実施の形態のステープラの動作例を示す斜視図である。
【
図8C】本実施の形態のステープラの動作例を示す斜視図である。
【
図8D】本実施の形態のステープラの動作例を示す斜視図である。
【
図9A】本実施の形態のステープラの動作例を示す正面図である。
【
図9B】本実施の形態のステープラの動作例を示す正面図である。
【
図9C】本実施の形態のステープラの動作例を示す正面図である。
【
図9D】本実施の形態のステープラの動作例を示す正面図である。
【
図11A】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【
図11B】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【
図12A】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【
図12B】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【
図13A】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【
図13B】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【
図14A】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【
図14B】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【
図15A】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【
図15B】本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本開示の好適な実施形態について説明する。
【0011】
<画像形成システム及び後処理装置の構成例>
図1は、本実施の形態の画像形成システムの概要を示す構成図である。
【0012】
本実施の形態の画像形成システム500Aは、画像形成装置501Aと、少なくとも1種類の処理が可能な後処理装置502Aを備える。画像形成装置501Aは、装置内または外部の図示しない給紙部から繰り出した用紙に画像を形成して出力する。画像形成装置501Aは、本例では、走査露光による静電潜像の形成、トナーによる静電潜像の現像、トナーの用紙への転写及び定着により用紙に画像を形成する。
【0013】
後処理装置502Aは、綴じ部503Aを備える。綴じ部503Aは、ステープラ1Aと画像形成装置501Aから出力された用紙が重ねられた用紙束Pを積載する積載部504Aとを備える。
【0014】
<本実施の形態のステープラの構成例>
図2Aは、本実施の形態のステープラ1Aを示す側面図、
図2B、
図2Cは、本実施の形態のステープラを示す斜視図である。また、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図3Eは、ステープルで用紙束を綴じる動作を示す説明図である。
図4は、本実施の形態のステープラの要部構成を示す斜視図、
図5は、本実施の形態のステープラの要部構成を示す正面図、
図6は、
図5のA部拡大図である。
【0015】
まず、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図3Eを参照して、ステープラ1Aで用紙束Pを綴じる動作の概要について説明する。ステープル10Aは、
図3Aに示すように、クラウン部11Aの両端が一の方向に折り曲げられて、針足12Aが形成される。
【0016】
ステープル10Aは、クラウン部11Aが押圧されることで、
図3Bに示すように、針足12Aが用紙束Pを貫通する。クラウン部11Aが用紙束Pに接する位置まで、針足12Aが用紙束Pを貫通した状態で、用紙束Pから突出する針足12Aの長さが、クラウン部11Aの長さの半分を超えると、針足12Aを互いが近づく方向に折り曲げ際に、針足12Aが重なる。
【0017】
そこで、針足12Aを折り曲げた際に互いに重なり合う針足12Aの余剰分を切断する。本実施の形態では、針足12Aの余剰分を切断する行程で、針足12Aの余剰分を切断する前に、
図3Cに示すように、用紙束Pを貫通した一対の針足12Aが、第1位置P1でそれぞれ内側に曲げる。そして、
図3Dに示すように、針足12Aの第1位置P1より先端側の所定の位置がカット針13Aとして切断される。針足12Aの余剰分が発生するか否かは、ステープル10Aで綴じる用紙束Pの紙厚、枚数等によって決まる。
【0018】
針足12Aが所定の長さに切断されたステープル10Aは、
図3Eに示すように、用紙束Pを貫通した針足12Aが、用紙束Pの略上面に位置する第2位置P2で更に内側に折り曲げられて、用紙束Pがステープル10Aで綴じられる。
【0019】
図2A、
図2B、
図2C、
図4、
図5及び
図6図に示すように、ステープラ1Aは、ステープル10Aの供給及び用紙束Pへのステープル10Aの打ち出しを行う打出ユニット2Aと、打出ユニット2Aにより打ち出されたステープル10Aの針足12Aの切断及び折り曲げを行う綴じユニット3Aを備える。また、ステープラ1Aは、打出ユニット2Aと綴じユニット3Aとの間に、用紙束Pを挟持するための用紙挟持部4Aを備える。
【0020】
以下の説明では、用紙挟持部4Aが設けられる側をステープラ1Aの前側とし、用紙挟持部4Aが設けられる側と反対側を後側とする。また、綴じユニット3Aが設けられる側をステープラ1Aの上側とし、打出ユニット2Aが設けられる側をステープラ1Aの下側とする。
【0021】
打出ユニット2Aは、用紙束Pを載置可能な載置部40Aと、載置部40Aの下方後側に位置し、図示しない複数枚のステープルシート(直線状のステープルをシート状に連結したもの)を積層したステープルカートリッジ100Aを収容可能なカートリッジ収容部110Aと、カートリッジ収容部110Aに収容されたステープルシートを前方へ送り、少なくともステープルシートの最先端に位置する1本のステープルをステープルカートリッジ100Aの前端面から露出させる送り部22Aと、ステープルカートリッジ100Aの前端面から露出した直線状のステープルを略コ(U)字状に成型する成型部と、コ字状に成型されたステープル10Aを用紙挟持部4Aに向けて打出可能に配置された打出部20Aとを有する。
【0022】
カートリッジ収容部110Aは、ステープルカートリッジ100Aが着脱可能に取り付けられる。
【0023】
綴じユニット3Aは、用紙束Pを貫通したステープル10Aの針足12Aを切断可能な切断部34Aと、用紙束Pを貫通したステープル10Aの針足12Aを、内側、すなわち用紙束Pの方向へ折り曲げるクリンチャ部33Aとを有する。
【0024】
用紙挟持部4Aは、打出ユニット2Aの載置部40Aと綴じユニット3Aのクリンチャ部33Aとの間に形成された空間であり、ステープラ1Aの前側と、左右の両側の3方向が開口した形状である。ステープラ1Aにより用紙束Pを綴じるときは、用紙挟持部4Aに用紙束が挿入され、打出ユニット2Aの載置部40Aに用紙束Pが載置される。
【0025】
打出ユニット2Aは、打出ユニット2Aに対して綴じユニット3Aを上下動(開閉)させるための駆動部5Aを有する。駆動部5Aは、モータ50Aと、モータ50Aの駆動により回転するカム51Aと、カム51Aの動作を各部に伝達する図示しないリンク等を有する。綴じユニットはリンクに接続され、カムの回転により下方に移動する。
【0026】
さらに、ステープラ1Aは、後側に切断部34Aで切断されたカット針13Aを収納するカット針収納部6Aを着脱可能に備える。
【0027】
綴じユニット3Aは、カム51Aの動作がリンク等を介して綴じユニット3Aに伝達されることで、打出ユニット2Aに対して離接する方向に移動する。綴じユニット3Aは、カム51Aが一方向に回転する動作で、打出ユニット2Aに近づく方向に移動して、所定のタイミングで載置部40Aに載置された用紙束Pを用紙挟持部4Aで挟持する。また、綴じユニット3Aは、カム51Aが更に一方向に回転する動作で、所定のタイミングで打出ユニット2Aから離れる方向に移動して、用紙挟持部4Aでの用紙束Pの挟持を解除する。
【0028】
打出ユニット2Aは、載置部40Aに載置された用紙束Pを用紙挟持部4Aで挟持した後、カム51Aが1方向に回転する動作で、最先端のステープル10A1本を、用紙挟持部4Aで挟持された用紙束Pに打ち込んで、ステープル10Aの針足12Aを用紙束Pに貫通させる。また、図示しない成型部で最先端に続く2本目もしくは3本目の直線状のステープルを、略コ(U)字状に形成する。
【0029】
更に、綴じユニット3Aは、カム51Aの動作がリンク等を介して伝達され、カム51Aが一方向に回転する動作で、用紙束Pを貫通したステープル10Aの針足12Aを第1位置P1で折り曲げて切断し、さらに第2位置P2で針足12Aを折り曲げる。
【0030】
打出部20Aは、ステープル10Aのクラウン部11Aを押圧し、綴じユニット3A方向に打ち出す打出部材21Aを備える。打出部材21Aは、ステープル10Aの用紙束Pへの打出方向においてクラウン部11Aと対向する位置に設けられ、クラウン部11A及び用紙束Pに向けて上述した打出方向に移動可能に構成される。用紙束Pの綴じ位置にステープル10Aがセットされた状態で、打出部材21Aが打出方向に移動してクラウン部11Aを押圧することで、針足12Aは用紙束Pを貫通する。
【0031】
用紙束Pを貫通した針足12A近傍には、用紙束Pから貫通した針足12A全体を曲げて用紙束Pを綴じる前に、針足12Aの一部を曲げる曲げ部30Aが設けられる。曲げ部30Aは、一対の針足12Aの内側に配置され、針足12Aに対向する第1先端部を含み、第1先端部が針足12Aの第1位置に位置する第1部と、それぞれの針足12Aの外側に配置され、針足12Aに対向する第2先端部を含み、第2先端部が針足12Aの第1位置より用紙束Pから離れる側である非用紙束側に位置する第2部と、第2部を針足12Aの方向に移動させる移動部301AL、301ARとを有する。
【0032】
本実施の形態では、切断部34Aで曲げ部30Aが構成される。曲げ部30A(切断部34A)は、用紙束Pを貫通した針足12Aを切断する動作で、針足12Aの先端側が内側に向くように、針足12Aを切断する前に、一対の針足12Aを第1位置P1でそれぞれ内側に曲げる。
【0033】
曲げ部30A(切断部34A)は、一方の針足12Aの外側に可動部材31ALを備え、他方の針足12Aの外側に可動部材31ARを備える。更に、曲げ部30A(切断部34A)は、一対の針足12Aの内側に受け部32Aを備える。
【0034】
受け部32Aは第1部の一例で、可動部材31AL、31ARが取り付けられる支持部材320Aに設けられる。受け部32Aは、支持部材320Aに、ステープル10Aのクラウン部11Aの幅より狭い所定の幅で突出する凸状の部位を一体に設けて構成される。
【0035】
可動部材31AL、31ARは第2部の一例で、可動部材31ALは、軸320ALにより支持部材320Aに支持され、可動部材31ARは、軸320ARにより支持部材320Aに支持される。軸320AL、320ARは、支持部材320Aの一の面である上面に、支持部材320Aに対して直交する方向に突出する形態で取り付けられる。
【0036】
可動部材31ALは、軸受け部310ALに軸320ALが挿入されることで、軸320ALを支点として回転可能に支持部材320Aの上面に取り付けられる。可動部材31ARは、軸受け部310ARに軸320ARが挿入されることで、軸320ARを支点として回転可能に支持部材320Aの上面に取り付けられる。
【0037】
可動部材31ALは、軸320ALを支点とした回転動作で、受け部32A及び針足12Aに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311ALを備える。作用部311ALは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの外側の面と対向する。可動部材31ARは、軸320ARを支点とした回転動作で、受け部32A及び針足12Aに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311ARを備える。作用部311ARは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの外側の面と対向する。
【0038】
受け部32Aは、一方の端部に第1の被作用部321ALと第2の被作用部322ALを備える。第1の被作用部321ALは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの内側の面と対向する。第2の被作用部322ALは、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの内側の面と対向する。受け部32Aは、他方の端部に第1の被作用部321ARと第2の被作用部322ARを備える。第1の被作用部321ARは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの内側の面と対向する。第2の被作用部322ARは、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの内側の面と対向する。
【0039】
軸320ALを支点とした可動部材31ALの回転動作による作用部311ALの移動方向に対して直交する方向、及び、軸320ARを支点とした可動部材31ARの回転動作による作用部311ARの移動方向に対して直交する方向を矢印AZで示す。なお、矢印AZ方向は、用紙束Pを貫通したステープル10Aの針足12Aの延伸方向と略平行な方向である。
【0040】
また、同回転動作による作用部311ALの移動方向に沿った方向、及び、作用部311ARの移動方向に沿った方向を矢印AXで示す。
【0041】
可動部材31ALは、矢印AZ方向において受け部32Aより上側に設けられる。また、可動部材31ARは、矢印AZ方向において、受け部32Aより上側に設けられる。なお、ここでの上側とは、打出部材21Aから離れる方向である。また、
図1A等に示す用紙挟持部4Aに用紙束Pが挟持された状態で、用紙束Pから離れる側が用紙束側である。
【0042】
受け部32Aは、矢印AZ方向に沿った上下に、第1の被作用部321ALと第2の被作用部322ALが設けられる。第1の被作用部321ALと第2の被作用部322ALは、矢印AZ方向において、第1の被作用部321ALより作用部311ALに近い側、本例では上側に設けられる。
【0043】
受け部32Aは、AZ方向に沿った上下に、第1の被作用部321ARと第2の被作用部322ARが設けられる。第1の被作用部321ARと第2の被作用部322ARは、AZ方向において、第1の被作用部321ARより第2の被作用部322ARが作用部311ARに近い側、本例では上側に設けられる。
【0044】
第1の被作用部321ALの先端は、AX方向において、第2の被作用部322ALの先端より針足12A側に突出して設けられる。
【0045】
第1の被作用部321ARの先端は、AX方向において、第2の被作用部322ARの先端より対向する針足12A側に突出して設けられる。
【0046】
以上のことから、受け部32Aの一方の端部は、受け部32Aの上面と一方の側面との角部で第2の被作用部322ALが形成される。また、受け部32Aの一方の端部は、矢印AZ方向において、第2の作用部322ALから離れた所定の位置の角部で、針足12Aを曲げる支点となる第1の被作用部321ALが形成される。そして、矢印AX方向において、第2の被作用部322ALが第1の被作用部321ALより内側に設けられ、第1の被作用部321ALが第2の被作用部322ALより針足12A側に突出する。また、第1の被作用部321ALは、一方の針足12Aと対向する先端に向けて厚みが薄くなるように傾斜する傾斜部323ALを含む。
【0047】
受け部32Aの他方の端部は、受け部32Aの上面と他方の側面との角部で第2の被作用部322ARが形成される。また、受け部32Aの他方の端部は、矢印AZ方向において、第2の作用部322ARから離れた所定の位置の角部で、針足12Aを曲げる支点となる第1の被作用部321ARが形成される。そして、矢印AX方向において、第2の被作用部322ARが第1の被作用部321ARより内側に設けられ、第1の被作用部321ARが第2の被作用部322ARより針足12A側に突出する。また、第1の被作用部321ARは、他方の針足12Aと対向する先端に向けて厚みが薄くなるように傾斜する傾斜部323ARを含む。用紙束Pを貫通した一方の針足12Aにおいて、第1の被作用部321ALと接する部位が、曲げの支点となる第1位置P1となる。また、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aにおいて、第1の被作用部321ARと接する部位が、曲げの支点となる第1位置P1となる。更に、受け部32Aは、第2の被作用部322ALと、可動部材31ALの作用部311ALで一方の針足12Aを切断し、第2の被作用部322ARと、可動部材31ARの作用部311ARで他方の針足12Aを切断する固定カッタである。受け部32Aは、第1の被作用部321AL、321ARより非用紙束側の第2の被作用部322AL、322ARで第1切断縁を構成する。
【0048】
作用部311ALは、矢印AZ方向において、第2の被作用部322ALより上側である非用紙束側に設けられる。また、作用部311ARは、矢印AZ方向において、第2の被作用部322ARより上側である非用紙束側に設けられる。
【0049】
可動部材31ALは、作用部311ALと、受け部32Aの第1の被作用部321AL及び第2の被作用部322ALとの間に針足12Aが通る所定の隙間が形成された状態から、作用部311ALが第2の被作用部322ALを通過する位置まで、軸320ALを支点とした回転動作で作用部311ALが移動する。
【0050】
可動部材31ARは、作用部311ARと、受け部32Aの第1の被作用部321AR及び第2の被作用部322ARとの間に針足12Aが通る所定の隙間が形成された状態から、作用部311ARが第2の被作用部322ARを通過する位置まで、軸320ARを支点とした回転動作で作用部311ARが移動する。可動部材31ALは、作用部311ALが一方の針足12A方向に移動することで、作用部311ALと、受け部32Aの第2の被作用部322ALで一方の針足12Aを切断する可動カッタである。可動部材31ALは、作用部311ALで第2切断縁を構成する。また、可動部材31ARは、作用部311ARが他方の針足12A方向に移動することで、作用部311ARと、受け部32Aの第2の被作用部322ARで他方の針足12Aを切断する可動カッタである。可動部材31ARは、作用部311ARで第2切断縁を構成する。
【0051】
曲げ部30Aは、可動部材31AL、31ARを針足12A方向に移動させる移動部301AL、301ARを備える。移動部301AL、301ARは、
図1等に示すカム51Aの動作がリンク等を介して伝達され、一対の可動部材31AL、31ARを、互いが近づく方向及び離れる方向に移動させる。移動部301ALは、一方の可動部材31ALを、可動部材31ALの内側に位置する一方の針足12A方向に移動させる。移動部301ARは、他方の可動部材31ARを、可動部材31ARの内側に位置する他方の針足12A方向に移動させる。クリンチャ部33Aは、打出部材21Aで打ち出されたステープル10Aの用紙束Pを貫通した一方の針足12Aを曲げる曲げ部材33AL、33ARを備える。曲げ部材33AL、33ARは、互いが近づく方向及び離れる方向に直線動作で移動すると共に、用紙束Pに近づく方向に回転動作で移動する。
【0052】
図7は、針足12Aを曲げる好ましい形態を示す説明図である。受け部32Aの第1の被作用部321AR(321AL)と第2の被作用部322AR(322AL)は、用紙束Pの上面に位置する針足12Aの第2位置P2と、第1の被作用部321AR(321AL)とを結ぶ仮想線Ln1の延長線Ln11と、第1の被作用部321AR(321AL)と第2の被作用部322AR(322AL)とを結ぶ仮想線Ln2の延長線Ln21とのなす角度αが、15°以上であることが好ましく、さらに、角度αは15°から45°の範囲であるとより好ましい。角度αが15°以下になると、針足12Aを第1位置P1で曲げた曲げ量の弾性変形分が戻ることにより、曲げが形成され難くなる。
【0053】
また、第1の被作用部321AR(321AL)と第2の被作用部322AR(322AL)とを結ぶ仮想線Ln2の長さLs10が、3mm以下であることが好ましい。針足12Aの第1位置P1の曲げ部から先が長くなると、綴じた状態での第1位置P1の曲げ部が用紙束Pの表面から離れる量も多くなり、綴じたときの針足12Aの第1位置P1の高さが高くなる。
【0054】
【0055】
図8A、
図9A、
図10Aは、可動部材31AL、31ARが待機位置に移動した状態を示す。可動部材31AL、31ARが待機位置に移動した状態では、可動部材31ALは、作用部311ALと、受け部32Aの第1の被作用部321AL及び第2の被作用部322ALとの間に所定の隙間が形成された状態である。また、可動部材31ARは、作用部311ARと、受け部32Aの第1の被作用部321AR及び第2の被作用部322ARとの間に所定の隙間が形成された状態である。所定の隙間とは、打出部材21Aで打出されたステープル10Aが通過できる隙間である。
【0056】
可動部材31AL、31ARが待機位置に移動した状態で、
図1等に示す綴じユニット3Aが打出ユニット2Aに近づく方向に移動することで、用紙挟持部4Aに用紙束Pを挟持する。
【0057】
打出ユニット2Aに設けられる打出部20Aの打出部材21Aは、用紙挟持部4Aで用紙束Pを挟持した状態で、成型されたステープル10Aのクラウン部11Aを押圧し、ステープル10Aを打ち出す。打出部材21Aで打ち出されたステープル10Aは、針足12Aが用紙束Pを貫通し、
図8A、
図9A、
図10Aに示すように、一方の針足12Aが作用部311ALと第1の被作用部321AL及び第2の被作用部322ALとの間を通り、他方の針足12Aが作用部311ARと第1の被作用部321AR及び第2の被作用部322ARとの間を通る。
【0058】
図8B、
図9B、
図10Bは、可動部材31AL、31ARが切断終了位置に移動した状態を示す。可動部材31AL、31ARが切断終了位置に移動した状態では、可動部材31ALは、作用部311ALが第2の被作用部322ALを通過する位置まで、軸320ALを支点とした回転動作で作用部311ALが移動する。また、可動部材31ARは、作用部311ARが第2の被作用部322ARを通過する位置まで、軸320ARを支点とした回転動作で作用部311ARが移動する。
【0059】
図8A、
図9A、
図10A、及び、
図8B、
図9B、
図10Bに矢印F1で示すように、可動部材31ALが待機位置から切断終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31ALの作用部311ALが一方の針足12Aの外側の面に接する。また、可動部材31ARが待機位置から切断終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31ARの作用部311ARが他方の針足12Aの外側の面に接する。
【0060】
受け部32Aの第1の被作用部321AL、321ARの間隔L1は、クラウン部11Aの幅Lより短い。これにより、一対の針足12Aのそれぞれ外側から、用紙束Pから突出した部位を内側方向に押す力が加わることで、用紙束Pの上面を曲げの支点として、一対の針足12Aが、第1位置P1より用紙束P側に位置する針足12Aの第2位置P2で、それぞれ内側方向に曲げられる。
【0061】
一対の針足12Aの用紙束Pから突出した部位が、第2位置P2でそれぞれ内側方向に曲げられると、一方の針足12Aが第1の被作用部321ALに接し、他方の針足12Aが第1の被作用部321ARに接する。
【0062】
受け部32Aの第2の被作用部322AL、322ARの間隔L2は、第1の被作用部321AL、321ARの間隔L1より短い。また、一対の針足12Aの用紙束Pから突出した部位が、用紙束Pの上面を支点とした第2位置P2で内側に曲がり、かつ、第2位置P2より先端側の部位が直線状である状態では、針足12Aは第2の被作用部322AL、322ARに接しない。
【0063】
これにより、可動部材31ALが待機位置から切断終了位置に移動する過程で、一方の針足12Aが第1の被作用部321ALに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わることで、一方の針足12Aは、第1の被作用部321ALを支点として、第1の被作用部321ALに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。また、可動部材31ARが待機位置から切断終了位置に移動する過程で、他方の針足12Aが第1の被作用部321ARに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わることで、他方の針足12Aは、第1の被作用部321ARを支点として、第1の被作用部321ARに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。
【0064】
一対の針足12Aの用紙束Pから突出した部位が、第1の被作用部321AL、321ARを支点として第1位置P1で更に内側方向に曲げられると、一方の針足12Aが第2の被作用部322ALに接し、他方の針足12Aが第2の被作用部322ARに接する。
【0065】
可動部材31ALの作用部311ALと、受け部32Aの第2の被作用部322ALとの間に針足12Aが挟持された状態で、可動部材31ALが切断終了位置まで移動することで、針足12Aは作用部311ALで構成される第2切断縁と第2の被作用部322ALで構成される第1切断縁でせん断され、一方の針足12Aが切断される。また、可動部材31ARの作用部311ARと、受け部32Aの第2の被作用部322ARとの間に針足12Aが挟持された状態で、可動部材31ARが切断終了位置まで移動することで、針足12Aは作用部311ARの第2切断縁と第2の被作用部322ARの第1切断縁でせん断され、他方の針足12Aが切断される。切断されたカット針13は、
図1等に示すカット針収納部6Aに収納される。
【0066】
第2の被作用部322ALに接した部位より先端側が切断された一方の針足12Aは、第1の被作用部321ALに接した部位より先端側が、第1の被作用部321ALを支点として第1位置P1で内側に折り曲げられた形態である。また、第2の被作用部322ARに接した部位より先端側が切断された他方の針足12Aは、第1の被作用部321ARに接した部位より先端側が、第1の被作用部321ARを支点として第1位置P1で内側に折り曲げられた形態である。
【0067】
図8C、
図9C、
図10Cは、曲げ部材33AL、33ARが曲げ開始位置に移動した状態を示す。曲げ部材33AL、33ARは、矢印F2に示すように、互いが近づく方向に直線動作で移動することで、針足12Aの外側の面に接する曲げ開始位置に移動する。曲げ部材33AL、33ARが曲げ開始位置に移動する動作と連動して、支持部材320Aが後方へ移動することで、可動部材31AL、31ARと、受け部32Aが、針足12A及び曲げ部材33AL、33ARの間から退避する。
【0068】
図8D、
図9D、
図10Dは、曲げ部材33AL、33ARが曲げ終了位置に移動した状態を示す。曲げ部材33AL、33ARは、曲げ開始位置から、矢印F2に示すように、互いが近づく方向に直線動作で更に移動することで、針足12Aを内側に押す。曲げ部材33ALが曲げ開始位置から曲げ終了位置に移動する過程で、針足12Aを内側方向に押す力が加わることで、一方の針足12Aは、用紙束Pから突出した部位が、用紙束Pの上面を支点として第2位置P2で更に内側に曲がる。また、曲げ部材33ARが曲げ開始位置から曲げ終了位置に移動する過程で、針足12Aを内側方向に押す力が加わることで、他方の針足12Aは、用紙束Pから突出した部位が、用紙束Pの上面を支点として第2位置P2で更に内側に曲がる。
【0069】
曲げ部材33AL、33ARは、互いが近づく方向に直線動作で移動した後、矢印F3で示すように、用紙束Pに近づく方向に回転動作で移動する。これにより、曲げ部材33ALは、一方の針足12Aを用紙束Pに押し付け、曲げ部材33ARは、他方の針足12Aを用紙束Pに押し付ける。
【0070】
本実施の形態のステープラ1Aでは、可動部材31AL、31ARで針足12Aを切断する動作で、第1の被作用部321AL、321ARに接する部位より先端側の針足12Aが、第1の被作用部321AL、321ARを支点として第1位置P1で内側に曲げられる。これにより、針足12Aの先端が用紙束Pの表面から浮き上がり難くなる。
【0071】
<本実施の形態のステープラの変形例>
上述したステープラ1Aでは、可動部材31AL、31ARと受け部32Aは、ステープル10Aの針足12Aの先端側を曲げる機能と切断する機能を備える構成とした。これに対し、以下の変形例では、可動部材及び受け部は、針足を切断する機能は備えていない。
【0072】
図11A、
図11Bは、本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。ステープラ1Bの全体構成は、
図2A、
図2B、
図2Cで説明した構成と同等である。ステープラ1Bは、用紙束Pを貫通した針足12Aの先端が内側に向くように、針足12Aの第1位置P1を曲げる曲げ部30Bを備える。
【0073】
曲げ部30Bは、一方の針足12Aの外側に可動部材31BLを備え、他方の針足12Aの外側に可動部材31BRを備える。更に、ステープラ1Bは、一対の針足12Aの間に受け部32Bを備える。
【0074】
受け部32Bは第1部の一例で、一方の端部に被作用部321BLを備える。被作用部321BLは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの内側の面と対向する部位が平面状に構成される。受け部32Bは、他方の端部に被作用部321BRを備える。被作用部321BRは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの内側の面と対向する部位が平面状に構成される。
【0075】
可動部材31BL、31BRは第2部の一例で、受け部32Bに対し近づく方向及び離れる方向に移動する。可動部材31BLは、受け部32Bに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311BLを備える。作用部311BLは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの外側の面と対向する部位が平面状に構成される。可動部材31BRは、受け部32Bに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311BRを備える。作用部311BRは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの外側の面と対向する部位が平面状に構成される。
【0076】
矢印AZ方向において、可動部材31BLは受け部32Bより上側に設けられ、可動部材31BLの作用部311BLが、受け部32Bの被作用部321BLより上側に設けられる。また、矢印AZ方向において、可動部材31BRは、受け部32Bより上側に設けられ、可動部材31BRの作用部311BRが、受け部32Bの被作用部321BRより上側に設けられる。
【0077】
図11Aは、可動部材31BL、31BRが待機位置に移動した状態を示す。可動部材31BL、31BRが待機位置に移動した状態では、可動部材31BLは、作用部311BLと、受け部32Bの被作用部321BLとの間に所定の隙間が形成される。また、可動部材31BRは、作用部311BRと、受け部32Bの被作用部321BRとの間に所定の隙間が形成される。
【0078】
打出部材21Aで打ち出されたステープル10Aは、針足12Aが用紙束Pを貫通し、一方の針足12Aが作用部311BLと被作用部321BLとの間を通り、他方の針足12Aが作用部311BRと被作用部321BRとの間を通る。
【0079】
図11Bは、可動部材31BL、31BRが曲げ終了位置に移動した状態を示す。可動部材31BL、31BRが曲げ終了位置に移動した状態では、可動部材31BLは、作用部311BLが被作用部321BLを通過する位置まで移動する。また、可動部材31BRは、作用部311BRが被作用部321BRを通過する位置まで移動する。
【0080】
図11A及び
図11Bに矢印F1で示すように、可動部材31BLが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31BLの作用部311BLが一方の針足12Aの外側の面に接する。また、可動部材31BRが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31BRの作用部311BRが他方の針足12Aの外側の面に接する。
【0081】
受け部32Bの被作用部321BL、321BRの間隔L1は、クラウン部11Aの幅Lより短い。これにより、一対の針足12Aのそれぞれ外側から、用紙束Pから突出した部位を内側方向に押す力が加わることで、用紙束Pの上面を曲げの支点として、一対の針足12Aが、第1位置P1より用紙束P側に位置する針足12Aの第2位置P2で、それぞれ内側方向に曲げられる。
【0082】
一対の針足12Aの用紙束Pから突出した部位が、それぞれ内側方向に曲げられると、一方の針足12Aが被作用部321BLに接し、他方の針足12Aが被作用部321BRに接する。
【0083】
これにより、可動部材31BLが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、一方の針足12Aが被作用部321BLに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わる。よって、一方の針足12Aは、被作用部321BLを支点として、被作用部321BLに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。また、可動部材31BRが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、他方の針足12Aが被作用部321BRに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わる。よって、他方の針足12Aは、被作用部321BRを支点として、被作用部321BRに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。針足12A全体を第2位置P2から曲げる動作は、
図8C、
図8D、
図9C、
図9D、
図10C、
図10Dと同様である。
【0084】
図12A、
図12Bは、本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。ステープラ1Cの全体構成は、
図2A、
図2B、
図2Cで説明した構成と同等である。ステープラ1Cは、用紙束Pを貫通した針足12Aの先端が内側に向くように、針足12Aの第1位置P1を曲げる曲げ部30Cを備える。
【0085】
曲げ部30Cは、一方の針足12Aの外側に可動部材31CLを備え、他方の針足12Aの外側に可動部材31CRを備える。更に、ステープラ1Cは一対の針足12Aの間に受け部32Cを備える。
【0086】
受け部32Cは第1部の一例で、一方の端部に被作用部321CLを備える。被作用部321CLは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの内側の面と対向する部位が曲面状に構成される。受け部32Cは、他方の端部に被作用部321CRを備える。被作用部321CRは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの内側の面と対向する部位が曲面状に構成される。
【0087】
可動部材31CL、31CRは第2部の一例で、受け部32Cに対し近づく方向及び離れる方向に移動する。可動部材31CLは、受け部32Cに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311CLを備える。作用部311CLは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの外側の面と対向する部位が曲面状に構成される。可動部材31CRは、受け部32Cに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311CRを備える。作用部311CRは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの外側の面と対向する部位が曲面状に構成される。
【0088】
矢印AZ方向において、可動部材31CLは、受け部32Cより上側に設けられ、可動部材31CLの作用部311CLが、受け部32Cの被作用部321CLより上側に設けられる。また、矢印AZ方向において、可動部材31CRは、受け部32Cより上側に設けられ、可動部材31CRの作用部311CRが、受け部32Cの被作用部321CRより上側に設けられる。
【0089】
図12Aは、可動部材31CL、31CRが待機位置に移動した状態を示す。可動部材31CL、31CRが待機位置に移動した状態では、可動部材31CLは、作用部311CLと、受け部32Cの被作用部321CLとの間に所定の隙間が形成される。また、可動部材31CRは、作用部311CRと、受け部32Cの被作用部321CRとの間に所定の隙間が形成される。
【0090】
打出部材21Aで打ち出されたステープル10Aは、針足12Aが用紙束Pを貫通し、一方の針足12Aが作用部311CLと被作用部321CLとの間を通り、他方の針足12Aが作用部311CRと被作用部321CRとの間を通る。
【0091】
図12Bは、可動部材31CL、31CRが曲げ終了位置に移動した状態を示す。可動部材31CL、31CRが曲げ終了位置に移動した状態では、可動部材31CLは、作用部311CLが被作用部321CLを通過する位置まで移動する。また、可動部材31CRは、作用部311CRが被作用部321CRを通過する位置まで移動する。
【0092】
図12A及び
図12Bに矢印F1で示すように、可動部材31CLが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31CLの作用部311CLが一方の針足12Aの外側の面に接する。作用部311CLは、曲面状に構成されているので、凸状となる曲面の頂点が針足12Aに接する。また、可動部材31CRが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31CRの作用部311CRが他方の針足12Aの外側の面に接する。作用部311CRは、曲面状に構成されているので、凸状となる曲面の頂点が針足12Aに接する。
【0093】
受け部32Cの被作用部321CL、321CRの間隔L1は、クラウン部11Aの幅Lより短い。これにより、一対の針足12Aのそれぞれ外側から、用紙束Pから突出した部位を内側方向に押す力が加わることで、用紙束Pの上面を曲げの支点として、一対の針足12Aが、第1位置P1より用紙束P側に位置する針足12Aの第2位置P2で、それぞれ内側方向に曲げられる。
【0094】
一対の針足12Aの用紙束Pから突出した部位が、それぞれ内側方向に曲げられると、一方の針足12Aが被作用部321CLに接し、他方の針足12Aが被作用部321CRに接する。被作用部321CLは、曲面状に構成されているので、凸状となる曲面の頂点が針足12Aに接する。また、被作用部321CRは、曲面状に構成されているので、凸状となる曲面の頂点が針足12Aに接する。
【0095】
これにより、可動部材31CLが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、一方の針足12Aが被作用部321CLに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わる。よって、一方の針足12Aは、被作用部321CLを支点として、被作用部321CLに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。また、可動部材31CRが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、他方の針足12Aが被作用部321CRに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わる。よって、他方の針足12Aは、被作用部321CRを支点として、被作用部321CRに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。針足12A全体を第2位置P2から曲げる動作は、
図8C、
図8D、
図9C、
図9D、
図10C、
図10Dと同様である。
【0096】
図13A、
図13Bは、本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。ステープラ1Dの全体構成は、
図2A、
図2B、
図2Cで説明した構成と同等である。ステープラ1Dは、用紙束Pを貫通した針足12Aの先端が内側に向くように、針足12Aの第1位置P1を曲げる曲げ部30Dを備える。
【0097】
曲げ部30Dは、一方の針足12Aの外側に可動部材31DLを備え、他方の針足12Aの外側に可動部材31DRを備える。更に、ステープラ1Dは、一対の針足12Aの間に受け部32Dを備える。
【0098】
受け部32Dは第1部の一例で、一方の端部に被作用部321DLを備える。被作用部321DLは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの内側の面と対向する部位が平面状に構成される。受け部32Dは、他方の端部に被作用部321DRを備える。被作用部321DRは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの内側の面と対向する部位が平面状に構成される。
【0099】
可動部材31DL、31DRは第2部の一例で、受け部32Dに対し近づく方向及び離れる方向に移動する。可動部材31DLは、受け部32Dに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311DLを備える。作用部311DLは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの外側の面と対向する部位が、鋭角状に突出した凸部の頂点で構成される。可動部材31DRは、受け部32Dに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311DRを備える。作用部311DRは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの外側の面と対向する部位が、鋭角状に突出した凸部の頂点で構成される。
【0100】
矢印AZ方向において、可動部材31DLは、受け部32Dより上側に設けられ、可動部材31DLの作用部311DLが、受け部32Dの被作用部321DLより上側に設けられる。また、矢印AZ方向において、可動部材31DRは、受け部32Dより上側に設けられ、可動部材31DRの作用部311DRが、受け部32Dの被作用部321DRより上側に設けられる。
【0101】
図13Aは、可動部材31DL、31DRが待機位置に移動した状態を示す。可動部材31DL、31DRが待機位置に移動した状態では、可動部材31DLは、作用部311DLと、受け部32Dの被作用部321DLとの間に所定の隙間が形成される。また、可動部材31DRは、作用部311DRと、受け部32Dの被作用部321DRとの間に所定の隙間が形成される。
【0102】
打出部材21Aで打ち出されたステープル10Aは、針足12Aが用紙束Pを貫通し、一方の針足12Aが作用部311DLと被作用部321DLとの間を通り、他方の針足12Aが作用部311DRと被作用部321DRとの間を通る。
【0103】
図13Bは、可動部材31DL、31DRが曲げ終了位置に移動した状態を示す。可動部材31DL、31DRが曲げ終了位置に移動した状態では、可動部材31DLは、作用部311DLが被作用部321DLを通過する位置まで移動する。また、可動部材31DRは、作用部311DRが被作用部321DRを通過する位置まで移動する。
【0104】
図13A及び
図13Bに矢印F1で示すように、可動部材31DLが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31DLの作用部311DLが一方の針足12Aの外側の面に接する。作用部311DLは、鋭角状に突出した凸部の頂点が針足12Aに接する。また、可動部材31DRが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31DRの作用部311DRが他方の針足12Aの外側の面に接する。作用部311DRは、鋭角状に突出した凸部の頂点が針足12Aに接する。
【0105】
受け部32Dの被作用部321DL、321DRの間隔L1は、クラウン部11Aの幅Lより短い。これにより、一対の針足12Aのそれぞれ外側から、用紙束Pから突出した部位を内側方向に押す力が加わることで、用紙束Pの上面を曲げの支点として、一対の針足12Aが、第1位置P1より用紙束P側に位置する針足12Aの第2位置P2で、それぞれ内側方向に曲げられる。
【0106】
一対の針足12Aの用紙束Pから突出した部位が、それぞれ内側方向に曲げられると、一方の針足12Aが被作用部321DLに接し、他方の針足12Aが被作用部321DRに接する。
【0107】
これにより、可動部材31DLが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、一方の針足12Aが被作用部321DLに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わる。よって、一方の針足12Aは、被作用部321DLを支点として、被作用部321DLに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。また、可動部材31DRが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、他方の針足12Aが被作用部321DRに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わる。よって、他方の針足12Aは、被作用部321DRを支点として、被作用部321DRに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。針足12A全体を第2位置P2から曲げる動作は、
図8C、
図8D、
図9C、
図9D、
図10C、
図10Dと同様である。
【0108】
図14A、
図14Bは、本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。ステープラEの全体構成は、
図2A、
図2B、
図2Cで説明した構成と同等である。ステープラ1Eは、用紙束Pを貫通した針足12Aの先端が内側に向くように、針足12Aの第1位置P1を曲げる曲げ部30Eを備える。
【0109】
曲げ部30Eは、一方の針足12Aの外側に可動部材31ELを備え、他方の針足12Aの外側に可動部材31ERを備える。更に、ステープラ1Eは、一対の針足12Aの間に受け部32Eを備える。
【0110】
受け部32Eは第1部の一例で、一方の端部に被作用部321ELを備える。被作用部321ELは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの内側の面と対向する部位が平面状に構成される。受け部32Eは、他方の端部に被作用部321ERを備える。被作用部321ERは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの内側の面と対向する部位が平面状に構成される。
【0111】
可動部材31EL、31ERは第2部の一例で、受け部32Eに対し近づく方向及び離れる方向に移動する。可動部材31ELは、受け部32Eに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311ELを備える。作用部311ELは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの外側の面と対向する部位が、鋭角状に突出した凸部の頂点で構成される。可動部材31ERは、受け部32Eに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311ERを備える。作用部311ERは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの外側の面と対向する部位が、鋭角状に突出した凸部の頂点で構成される。
【0112】
矢印AZ方向において、可動部材31ELは、一部が受け部32Eより上側に設けられ、可動部材31ELの作用部311ELが、受け部32Eの被作用部321ELより上側に設けられる。また、矢印AZ方向において、可動部材31ERは、一部が受け部32Eより上側に設けられ、可動部材31ERの作用部311ERが、受け部32Eの被作用部321ERより上側に設けられる。
【0113】
図14Aは、可動部材31EL、31ERが待機位置に移動した状態を示す。可動部材31EL、31ERが待機位置に移動した状態では、可動部材31ELは、作用部311ELと、受け部32Eの被作用部321ELとの間に所定の隙間が形成される。また、可動部材31ERは、作用部311ERと、受け部32Eの被作用部321ERとの間に所定の隙間が形成される。
【0114】
打出部材21Aで打ち出されたステープル10Aは、針足12Aが用紙束Pを貫通し、一方の針足12Aが作用部311ELと被作用部321ELとの間を通り、他方の針足12Aが作用部311ERと被作用部321ERとの間を通る。
【0115】
図14Bは、可動部材31EL、31ERが曲げ終了位置に移動した状態を示す。可動部材31EL、31ERが曲げ終了位置に移動した状態では、可動部材31ELは、作用部311ELが被作用部321ELを通過する位置まで移動する。また、可動部材31ERは、作用部311ERが被作用部321ERを通過する位置まで移動する。
【0116】
図14A及び
図14Bに矢印F1で示すように、可動部材31ELが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31ELの作用部311ELが一方の針足12Aの外側の面に接する。作用部311ELは、鋭角状に突出した凸部の頂点が針足12Aに接する。また、可動部材31ERが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、まず、可動部材31ERの作用部311ERが他方の針足12Aの外側の面に接する。作用部311ERは、鋭角状に突出した凸部の頂点が針足12Aに接する。
【0117】
受け部32Eの被作用部321EL、321ERの間隔L1は、クラウン部11Aの幅Lより短い。これにより、一対の針足12Aのそれぞれ外側から、用紙束Pから突出した部位を内側方向に押す力が加わることで、用紙束Pの上面を曲げの支点として、一対の針足12Aが、第1位置P1より用紙束P側に位置する針足12Aの第2位置P2で、それぞれ内側方向に曲げられる。
【0118】
一対の針足12Aの用紙束Pから突出した部位が、それぞれ内側方向に曲げられると、一方の針足12Aが被作用部321ELに接し、他方の針足12Aが被作用部321ERに接する。
【0119】
これにより、可動部材31ELが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、一方の針足12Aが被作用部321ELに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わる。よって、一方の針足12Aは、被作用部321ELを支点として、被作用部321ELに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。また、可動部材31ERが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、他方の針足12Aが被作用部321ERに接した状態で、この針足12Aを内側方向に押す力が更に加わる。よって、他方の針足12Aは、被作用部321ERを支点として、被作用部321ERに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が更に内側に曲げられる。針足12A全体を第2位置P2から曲げる動作は、
図8C、
図8D、
図9C、
図9D、
図10C、
図10Dと同様である。
【0120】
図15A、
図15Bは、本実施の形態のステープラの変形例を示す構成図である。ステープラ1Fの全体構成は、
図2A、
図2B、
図2Cで説明した構成と同等である。ステープラ1Fは、用紙束Pを貫通した針足12Aの先端が内側に向くように、針足12Aの第1位置P1を曲げる曲げ部30Fを備える。
【0121】
曲げ部30Fは、一方の針足12Aの外側に受け部32FLを備え、他方の針足12Aの外側に受け部32FRを備える。更に、ステープラ1Fは、一方の針足12Aの内側に可動部材31FLを備え、他方の針足12Aの内側に可動部材31FRを備える。
【0122】
可動部材31FL、31FRは第1部の一例で、可動部材31FLが受け部32FLに対し近づく方向及び離れる方向に移動し、可動部材31FRが受け部32FRに対し近づく方向及び離れる方向に移動する。可動部材31FLは、受け部32FLに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311FLを備える。作用部311FLは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの内側の面と対向する部位が、鋭角状に突出した凸部の頂点で構成される。可動部材31FRは、受け部32FRに対し近づく方向及び離れる方向に移動する端部に作用部311FRを備える。作用部311FRは第1先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの内側の面と対向する部位が、鋭角状に突出した凸部の頂点で構成される。
【0123】
受け部32FL、32FRは第2部の一例で、受け部32FLは、可動部材31FLと対向する端部に被作用部321FLを備える。被作用部321FLは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した一方の針足12Aの外側の面と対向する部位が、鋭角状に突出した凸部の頂点で構成される。受け部32FRは、可動部材31FRと対向する端部に被作用部321FRを備える。被作用部321FRは第2先端部の一例で、用紙束Pを貫通した他方の針足12Aの外側の面と対向する部位が、鋭角状に突出した凸部の頂点で構成される。
【0124】
矢印AZ方向において、受け部32FLは、可動部材31FLより上側に設けられ、受け部32FLの被作用部321FLが、可動部材31FLの作用部311FLより上側に設けられる。また、矢印AZ方向において、受け部32FRは、可動部材31FRより上側に設けられ、受け部32FRの被作用部321FRが、可動部材31FRの作用部311FRより上側に設けられる。
【0125】
図15Aは、可動部材31FL、31FRが待機位置に移動した状態を示す。可動部材31FL、31FRが待機位置に移動した状態では、可動部材31FLは、作用部311FLと、受け部32FLの被作用部321FLとの間に所定の隙間が形成される。また、可動部材31FRは、作用部311FRと、受け部32FRの被作用部321FRとの間に所定の隙間が形成される。
【0126】
打出部材21Aで打ち出されたステープル10Aは、針足12Aが用紙束Pを貫通し、一方の針足12Aが作用部311FLと被作用部321FLとの間を通り、他方の針足12Aが作用部311FRと被作用部321FRとの間を通る。
【0127】
図15Bは、可動部材31FL、31FRが曲げ終了位置に移動した状態を示す。可動部材31FL、31FRが曲げ終了位置に移動した状態では、可動部材31FLは、作用部311FLが被作用部321FLを通過する位置まで移動する。また、可動部材31FRは、作用部311FRが被作用部321FRを通過する位置まで移動する。
【0128】
図15A及び
図15Bに矢印F4で示すように、可動部材31FLが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、可動部材31FLの作用部311FLが一方の針足12Aの内側の面に接する。作用部311FLは、鋭角状に突出した凸部の頂点が針足12Aに接する。また、一方の針足12Aの外側の面が、受け部32FLの被作用部321FLに接する。被作用部321FLは、鋭角状に突出した凸部の頂点が針足12Aに接する。
【0129】
可動部材31FRが待機位置から曲げ終了位置に移動する過程で、可動部材31FRの作用部311FRが他方の針足12Aの内側の面に接する。作用部311FRは、鋭角状に突出した凸部の頂点が針足12Aに接する。また、他方の針足12Aの外側の面が、受け部32FRの被作用部321FRに接する。被作用部321FRは、鋭角状に突出した凸部の頂点が針足12Aに接する。
【0130】
これにより、一対の針足12Aのそれぞれ内側から、用紙束Pから突出した部位を外側方向に押す力が加わることで、用紙束Pの上面を曲げの支点として、一対の針足12Aが、第1位置P1より用紙束P側に位置する針足12Aの第2位置P2で、それぞれ外側方向に曲げられる。また、一方の針足12Aは、先端の外側が被作用部321FLに接しているので、作用部311FLを支点として、作用部311FLに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が内側に曲げられる。他方の針足12Aは、先端の外側が被作用部321FRに接しているので、作用部311FRを支点として、作用部311FRに接した部位を第1位置P1として、第1位置P1より先端側が内側に曲げられる。針足12A全体を第2位置P2から曲げる動作は、
図8C、
図8D、
図9C、
図9D、
図10C、
図10Dと同様である。
【符号の説明】
【0131】
1A・・・ステープラ、10A・・・ステープル、12A・・・針足、2A・・・打出ユニット、20A・・・打出部、21A・・・打出部材、3A・・・綴じユニット、30A、30B、30C、30D、30E、30F・・・曲げ部、31AL、31AR、31BL、31BR、31CL、31CR、31DL、31DR、31EL、31ER・・・可動部材(第2部)、31FL、31FR・・・可動部材(第1部)、301AL、301AR・・・移動部、310AL、310AR・・・軸受け部、311AL、311AR・・・作用部(第2先端部、第2切断縁)、311BL、311BR、311CL、311CR、311DL、311DR、311EL、311ER・・・作用部(第2先端部)、311FL、311FR・・・作用部(第1先端部)、32A、32B、32C、32D、32E・・・受け部(第1部)、32FL、32FR・・・受け部(第2部)、320A・・・支持部材、320AL、320AR・・・軸、321AL、321AR・・・第1の被作用部(第1先端部)、322AL、322AR・・・第2の被作用部(第1切断縁)、321AL、321AR、321BL、321BR、321CL、321CR、321DL、321DR、321EL、321ER・・・被作用部(第1先端部)、321FL、321FR・・・被作用部(第2先端部)、323AL、323AR・・・傾斜部、33A・・・クリンチャ部、33AL、33AR・・・曲げ部材、34A・・・切断部、4A・・・用紙挟持部、40A・・・載置部、5A・・・駆動部、6A・・・カット針収納部、100A・・・ステープルカートリッジ