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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】点灯制御装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/10 20200101AFI20230328BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
H05B47/10
H02M3/155 W
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2018247611
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020107571
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】大津 定治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩士
(72)【発明者】
【氏名】福田 秀樹
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-143561(JP,A)
【文献】特開2018-056133(JP,A)
【文献】特開2014-086154(JP,A)
【文献】特開2014-137949(JP,A)
【文献】特開2012-256533(JP,A)
【文献】特開2017-022013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源をそれぞれ点灯させる複数の点灯回路と、
外部から調光信号が入力される外部受信端子と、
前記複数の点灯回路をそれぞれ制御する複数の制御部と、
を備え、
前記複数の制御部は、前記外部受信端子と直列に接続され
前記外部受信端子には、前記複数の制御部がそれぞれ処理する複数の調光信号が入力され、
前記複数の制御部の各々は、前記複数の調光信号を受信すると、前記複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて対応する点灯回路を制御することを特徴とする点灯制御装置。
【請求項2】
外部に信号を送信する外部送信端子を備え、
前記複数の制御部は、前記外部受信端子と前記外部送信端子との間に直列に接続されることを特徴とする請求項1に記載の点灯制御装置。
【請求項3】
前記複数の制御部の各々は、受信端子と送信端子とを有し、
前記複数の制御部の各々の前記受信端子が他の制御部の送信端子または前記外部受信端子と接続されることで、前記複数の制御部は前記外部受信端子と直列に接続されることを特徴とする請求項2に記載の点灯制御装置。
【請求項4】
前記複数の制御部の各々は、前記受信端子から前記調光信号を受信すると前記送信端子から前記調光信号を送信することを特徴とする請求項3に記載の点灯制御装置。
【請求項5】
前記外部受信端子には、前記複数の調光信号が順番に入力され、
前記複数の制御部の各々は、前記複数の調光信号の全てを受信すると、前記複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて対応する点灯回路を制御することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項6】
前記複数の制御部の各々の制御部は、前記複数の調光信号の全てを受信すると、前記複数の調光信号の全てを受信してから前記複数の調光信号が最後の制御部に伝達されるまでの時間に対応する待機時間の後、前記複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて前記点灯回路を制御することを特徴とする請求項5に記載の点灯制御装置。
【請求項7】
前記外部受信端子には、前記複数の調光信号が順番に入力され、
前記複数の制御部の各々は、前記複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号を受信すると、前記送信端子から受領確認信号を送信し、
前記複数の制御部のうち前記受信端子が他の制御部と接続された制御部は、前記受信端子から前記受領確認信号を受信すると前記送信端子から前記受領確認信号を送信することを特徴とする請求項3に記載の点灯制御装置。
【請求項8】
前記外部受信端子には、前記調光信号とともに、前記調光信号が何れの制御部で処理される信号かを示す要求信号が入力され、
前記複数の制御部の各々は、前記複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号を受信すると、前記要求信号を前記受領確認信号に変換し、前記調光信号とともに前記受領確認信号を送信することを特徴とする請求項7に記載の点灯制御装置。
【請求項9】
複数の光源をそれぞれ点灯させる複数の点灯回路と、
前記複数の点灯回路をそれぞれ制御する複数の制御部と、
を備え、
前記複数の制御部には、調光信号が並列に入力され
前記複数の制御部の各々には、前記複数の制御部がそれぞれ処理する複数の調光信号が入力され、
前記複数の制御部の各々は、前記複数の調光信号を受信した後に、前記複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて対応する点灯回路を制御することを特徴とする点灯制御装置。
【請求項10】
外部から前記調光信号が入力される外部受信端子を備え、
前記複数の制御部の各々は受信端子を有し、
前記受信端子は前記外部受信端子と接続されることを特徴とする請求項9に記載の点灯制御装置。
【請求項11】
前記複数の制御部の各々には、前記複数の調光信号が順番に入力され、
前記複数の制御部の各々は、前記複数の調光信号の全てを受信した後に、前記複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて対応する点灯回路を制御することを特徴とする請求項9または10に記載の点灯制御装置。
【請求項12】
外部に信号を送信する外部送信端子を備え、
前記複数の制御部の各々は送信端子を有し、
前記複数の制御部の少なくとも1つは、前記調光信号を受信すると前記送信端子から前記外部送信端子に受領確認信号を送信することを特徴とする請求項9から11の何れか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項13】
前記複数の制御部の各々の前記送信端子が前記外部送信端子と接続されることで、前記複数の制御部は前記外部送信端子と並列に接続されることを特徴とする請求項12に記載の点灯制御装置。
【請求項14】
前記複数の制御部の各々には、前記複数の調光信号が順番に入力され、
前記複数の制御部の各々は、前記複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号を受信すると、前記送信端子から前記受領確認信号を送信することを特徴とする請求項13に記載の点灯制御装置。
【請求項15】
前記複数の制御部の各々には、前記調光信号とともに、前記調光信号が何れの制御部で処理される信号かを示す要求信号が入力され、
前記複数の制御部の少なくとも1つは、前記調光信号を受信すると、前記要求信号を前記受領確認信号に変換し、前記調光信号とともに前記受領確認信号を送信することを特徴とする請求項12から14の何れか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項16】
前記複数の制御部の各々は、前記複数の制御部のうち第1制御部が処理する第1調光信号を受信すると、前記第1調光信号を記憶し、
前記第1調光信号を受信した後に、前記複数の制御部のうち第2制御部が処理する第2調光信号以外の信号を受信すると、前記第1調光信号の記憶を削除することを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項17】
前記複数の点灯回路に電源を供給する電源回路を備え、
前記複数の制御部のうち第1制御部は、前記電源回路を制御し、
前記第1制御部は、前記電源回路の動作状態に応じて、前記複数の制御部のうち第2制御部が制御する点灯回路の動作を停止させることを特徴とする請求項1から16の何れか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項18】
前記複数の制御部のうち第1制御部は、前記点灯制御装置への入力電圧値を前記複数の制御部のうち第2制御部に送信することを特徴とする請求項1から17の何れか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項19】
前記複数の点灯回路に電源を供給する電源回路を備え、
前記複数の制御部のうち第1制御部は、前記電源回路を制御し、
前記複数の制御部のうち第2制御部は、前記第2制御部が制御する点灯回路の異常を検出すると、前記第1制御部に前記電源回路を停止させることを特徴とする請求項1から16の何れか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項20】
前記複数の光源と、
請求項1から19の何れか1項に記載の点灯制御装置と、
前記点灯制御装置に前記調光信号を送信する制御ユニットと、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項21】
前記複数の光源と、
請求項7、8、12、13、14、15の何れか1項に記載の点灯制御装置と、
前記外部送信端子に接続され、前記点灯制御装置に前記調光信号を送信する制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記複数の制御部のうち第1制御部が処理する第1調光信号を送信した後、前記第1制御部からの受領確認信号を受信してから、前記複数の制御部のうち第2制御部が処理する第2調光信号を送信することを特徴とする照明装置。
【請求項22】
前記制御ユニットは、前記第1調光信号を送信した後に、前記第1制御部からの受領確認信号以外の信号を受信すると、前記第1調光信号を再度送信することを特徴とする請求項21に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯制御装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数に分割された負荷としてのLED素子に電力を供給し、各LED素子を点灯させる電源装置が開示されている。この電源装置は、整流回路とそれぞれ負荷が接続される複数の出力部との間に設けられた複数の電源電圧変換回路を有する。電源電圧変換回路は、整流回路で整流された電源電圧を変換して負荷に供給するスイッチング素子およびスイッチング素子をオンオフ動作させる制御手段を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6173658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電源装置は複数の電源電圧変換回路を備える。このような照明装置では、各々の電源電圧変換回路が、入力された調光信号に基づいて調光制御を開始することが考えられる。この場合、他の電源電圧変換回路に調光信号が届いていない状態においても、制御手段は調光制御を開始する。このため、調光器から送信された調光信号と異なる点灯状態となるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、点灯状態を精度よく制御できる点灯制御装置および照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る点灯制御装置は、複数の光源をそれぞれ点灯させる複数の点灯回路と、外部から調光信号が入力される外部受信端子と、該複数の点灯回路をそれぞれ制御する複数の制御部と、を備え、該複数の制御部は、該外部受信端子と直列に接続され、該外部受信端子には、該複数の制御部がそれぞれ処理する複数の調光信号が入力され、該複数の制御部の各々は、該複数の調光信号を受信すると、該複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて対応する点灯回路を制御する。
【0007】
本発明に係る点灯制御装置は、複数の光源をそれぞれ点灯させる複数の点灯回路と、該複数の点灯回路をそれぞれ制御する複数の制御部と、を備え、該複数の制御部には、調光信号が並列に入力され、該複数の制御部の各々には、該複数の制御部がそれぞれ処理する複数の調光信号が入力され、該複数の制御部の各々は、該複数の調光信号を受信した後に、該複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて対応する点灯回路を制御する。

【発明の効果】
【0008】
本発明に係る点灯制御装置では、1つの調光信号を複数の制御部の各々が受信できる。このため、各々の制御部は他の制御部で処理される調光信号が正常に送信されたことを把握できる。従って、点灯状態を精度よく制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る照明装置の回路ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る制御ユニットの動作を説明するフローチャートである。
図3】実施の形態1に係る第1制御部の動作を説明するフローチャートである。
図4】実施の形態1に係る第2制御部の動作を説明するフローチャートである。
図5】実施の形態2に係る照明装置の回路ブロック図である。
図6】実施の形態2に係る第1制御部の動作を説明するフローチャートである。
図7】実施の形態2に係る第2制御部の動作を説明するフローチャートである。
図8】実施の形態3に係る第1制御部と第2制御部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る点灯制御装置および照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置100の回路ブロック図である。照明装置100は、点灯制御装置1と複数の光源部11-1~11-nと、制御ユニット12とを備える。点灯制御装置1は商用電源ACから電力を供給され、複数の光源部11-1~11-nを点灯させる。制御ユニット12は調光コントローラなどの外部機器に有線または無線にて接続される。制御ユニット12は調光コントローラなどから点灯、消灯、調光、調色などの制御信号または制御指令を受信する。
【0012】
点灯制御装置1の入力側は、商用電源ACに接続されている。商用電源ACは交流電源である。なお、点灯制御装置1は、直流電源に接続されていてもよい。点灯制御装置1に直流電源を接続する場合、後述する整流回路13及びPFC(Power Factor Correction)回路14は不要となるため、削除しても良い。また、点灯制御装置1に直流電源を接続する場合にも、直流電源の逆接続の防止のため、整流回路13を残しても良い。
【0013】
点灯制御装置1の出力側には、複数の光源部11-1~11-nが接続される。複数の光源部11-1~11-nの各々は、光源として例えばLED等の発光素子を備える。
【0014】
点灯制御装置1は、整流回路13、PFC回路14、複数の点灯回路20-1~20-n、複数の制御部30-1~30-nを備える。整流回路13は、交流電圧を整流し脈流電圧に変換する。整流回路13は、例えば全波整流回路であり、ダイオードブリッジにより構成される。
【0015】
力率改善回路であるPFC回路14は、整流回路13の出力に接続されている。PFC回路14は、整流回路13から出力される脈流電圧を直流電圧に変換して出力する。PFC回路14は、例えば昇圧チョッパであり、図示しないコイル、スイッチング素子、及びダイオードを備える。PFC回路14は、複数の点灯回路20-1~20-nに電源を供給する電源回路である。
【0016】
複数の点灯回路20-1~20-nの入力は、PFC回路14の出力に並列に接続される。複数の点灯回路20-1~20-nの各々は、複数の光源部11-1~11-nにそれぞれ電力を供給する。複数の点灯回路20-1~20-nは、複数の光源部11-1~11-nをそれぞれ点灯させる。点灯回路20-1~20-nは、所謂バックコンバータ回路である。点灯回路20-1~20-nの各々は、例えばスイッチング素子、ダイオード、コイル、コンデンサ及び抵抗を備える。
【0017】
複数の制御部30-1~30-nの各々は、例えばマイコンである。複数の制御部30-1~30-nは、複数の点灯回路20-1~20-nをそれぞれ制御する。複数の制御部30-1~30-nは、複数の光源部11-1に流れる電流が予め設定された一定の電流となるように、複数の点灯回路20-1~20-nのスイッチング素子にそれぞれスイッチング指令を出力する。
【0018】
また、制御部30-1は、PFC回路14の出力電圧が予め定められた値となるようにPFC回路14のスイッチング素子にスイッチング指令を出力する。
【0019】
点灯制御装置1は、外部受信端子17と外部送信端子18を備える。外部受信端子17には外部から調光信号が入力される。外部送信端子18は外部に信号を送信する。複数の制御部30-1~30-nは、外部受信端子17と外部送信端子18との間に直列に接続される。
【0020】
本実施の形態では、点灯回路20-1~20-n、制御部30-1~30-n、光源部11-1~11-nが、それぞれn個設けられる。ここで、nは2以上であれば良い。
【0021】
次に、制御ユニット12と点灯制御装置1間の接続について説明する。制御ユニット12は、点灯制御装置1に調光信号を送信する。制御ユニット12は、送信端子Tx0と受信端子Rx0とを有する。送信端子Tx0は外部受信端子17に接続され、受信端子Rx0は外部送信端子18に接続される。
【0022】
複数の制御部30-1~30-nは、受信端子Rx1~Rxnと送信端子Tx1~Txnをそれぞれ有する。制御ユニット12の送信端子Tx0は、外部受信端子17を介して、制御部30-1の受信端子Rx1に接続される。制御部30-1~30-n-1の送信端子Tx1~Txn-1は、制御部30-2~30-nの受信端子Rx2~Rxnとそれぞれ接続される。制御部30-nの送信端子Txnは、外部送信端子18を介して制御ユニット12の受信端子Rx0に接続される。
【0023】
言い換えると、複数の制御部30-1~30-nの送信端子Tx1~Txnの各々は、制御ユニット12に接続される制御部30-nを除き、直列に接続された他の制御部の受信端子に接続される。また、複数の制御部30-1~30-nの受信端子Rx1~Rxnの各々は、他の制御部の送信端子または外部受信端子17と接続される。これにより、複数の制御部30-1~30-nは外部受信端子17と直列に接続されている。
【0024】
制御ユニット12には、複数の制御部30-1~30-nの図示しない制御電源電圧VDD並びに複数の制御部30-1~30-nの図示しない基準電位GNDが接続される。
【0025】
上述のように接続された制御ユニット12と複数の制御部30-1~30-nは、通信端子である送信端子Tx0、受信端子Rx0、送信端子Tx1~Txn、受信端子Rx1~Rxnを用いて通信が可能である。通信は、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の有線インタフェースを介して行う。以下では、UART通信を例に説明する。
【0026】
次に、制御ユニット12と点灯制御装置1間で送受信される通信信号の一例を説明する。通信信号は、スタート、種別、データ本体を有するコードを備える。
【0027】
スタートは、例えば0x4という固定コードであり、通信の開始を示す。ここで、0xは16進数を意味する。
【0028】
種別は、要求と応答に分けられる。要求は、複数の制御部30-1~30-nのうち、何れの制御部で処理される信号かを示す。例えば、要求0xmは、制御部30-pの調光率を操作する要求である。ここで、pは1~nの何れかであり、mはpを16進数に置き換えた値である。
【0029】
応答は、点灯制御装置1が送信された信号を受信したことを制御ユニット12に通知する信号である。要求の受信対象は、受信した要求に例えば0x8を加えて応答として送信する。例えば、要求0x1を受信した制御部30-1は、応答として0x9を送信する。要求0x2を受信した制御部30-2は、応答として0xAを送信する。なお、受信対象でない要求を受信した制御部は、受信した要求を応答に変換せずに、そのまま送信する。
【0030】
データ本体には、調光指令値が格納される。ここで、調光指令値は調光信号に該当する。データ本体では、PWM(Pulse Width Modulation)信号のオンデューティで表される調光指令値が16進数で表記される。調光指令値のデータサイズは例えば1バイトである。また、PWM信号のオンデューティはパーセントで表される。
【0031】
例えば、全光の調光率100%は、PWM信号のオンデューティ5%に相当する。PWM信号のオンデューティ5%を指令するデータ本体は、5を16進変換した0x05となる。下限値の調光率5%は、PWM信号のオンデューティ85%に相当する。PWM信号のオンデューティ85%を指令するデータ本体は、85を16進変換した0x55となる。消灯の調光率0%は、PWM信号のオンデューティ100%に相当する。PWM信号のオンデューティ100%を指令するデータ本体は、100を16進変換した「0x64」となる。
【0032】
制御ユニット12は、外部受信端子17から複数の制御部30-1~30-nがそれぞれ処理する複数の調光信号を順番に入力する。複数の制御部30-1~30-nの各々は、受信端子Rx1-Rxnから調光信号を受信すると、送信端子Tx1~Txnから調光信号を送信する。これにより、複数の制御部30-1~30-nの全てに同じ調光信号が伝達される。
【0033】
また、外部受信端子17には、調光信号とともに要求信号が入力される。ここで、要求信号は要求に該当する。複数の制御部30-1~30-nの各々は、受信した要求信号が自己に対応していない場合、送信端子Tx1~Txnから調光信号とともに要求信号をそのまま送信する。
【0034】
また、複数の制御部30-1~30-nの各々は、複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号を受信すると、要求信号を受領確認信号に変換し、送信端子Tx1~Txnから調光信号とともに受領確認信号を送信する。ここで、受領確認信号は応答に該当する。制御部30-2~30-nは、受信端子Rx2~Rxnから受領確認信号を受信すると送信端子Tx2~Txnから受領確認信号を送信する。これにより、受領確認信号は外部送信端子18を介して制御ユニット12に送信される。
【0035】
次に、図2~4を用いて、制御ユニット12から複数の制御部30-1~30-nに調光指令を行う動作を説明する。図2は、実施の形態1に係る制御ユニット12の動作を説明するフローチャートである。図3は、実施の形態1に係る第1制御部の動作を説明するフローチャートである。図4は、実施の形態1に係る第2制御部の動作を説明するフローチャートである。ここで、第1制御部は制御部30-1に、第2制御部は制御部30-2に対応する。ここでは、制御部30-1に全光、制御部30-2に下限調光を指令する場合を例に説明する。
【0036】
なお、説明の簡略化のため、n=2の場合を例に説明する。この場合、制御ユニット12の送信端子Tx0は、制御部30-1の受信端子Rx1に接続される。制御部30-1の送信端子Tx1は、制御部30-2の受信端子Rx2に接続される。制御部30-2の送信端子Tx2は、制御ユニット12の受信端子Rx0に接続される。制御ユニット20が送信する通信信号は、外部受信端子17、制御部30-1、制御部30-2、外部送信端子18の順に伝達され、制御ユニット12に応答として受信される。
【0037】
制御ユニット12はイベント発生により処理を開始する。ここでは制御ユニット12に対して調光率の操作が行われたものとする。制御ユニット12は、制御部30-1用の操作信号0x4105を送信端子Tx0から送信する(ステップS10)。以下では、通信信号のうち種別が要求のものを操作信号と呼ぶ。また、通信信号のうち種別が応答のものを応答信号と呼ぶ。次に、制御ユニット12は、制御部30-1用の応答信号を受信待ちする(ステップS11)。
【0038】
複数の制御部30-1~30-nは通信信号の受信により処理を開始する。まず、制御部30-1は、受信端子Rx1で受信した信号が、制御部30-1用の操作信号であることを確認する(ステップS21)。受信端子Rx1で受信した信号の種別が制御部30-1用の要求であった場合、制御部30-1は、制御部30-1用の調光指令値0x05を自己の記憶部に保存する(ステップS22)。制御部30-1は、要求0x1に0x8を加えた0x4905を送信端子Tx1から応答信号として送信する(ステップS23)。次に、制御部30-1は、次の信号を受信待ちする(ステップS24)。
【0039】
ステップS21において受信した信号が、制御部30-1用の操作信号ではなかった場合、制御部30-1は処理を終了する。また、ステップS21において、制御部30-1用の操作信号を正常に受信しなかった場合、制御部30-1は処理を終了する。
【0040】
制御部30-2は、制御部30-1の応答信号として送信された信号を操作信号とみなして受信端子Rx2で受信する。制御部30-2は、受信端子Rx2で受信した信号が、制御部30-1用の応答信号であることを確認する(ステップS31)。受信した信号の種別が制御部30-1用の応答であった場合、制御部30-2は、制御部30-1用の調光指令値0x05を自己の記憶部に保存する(ステップS32)。さらに制御部30-2は、受信した信号をそのまま送信端子Tx2から応答信号として送信する(ステップS33)。次に制御部30-2は、次の信号を受信待ちする(ステップS34)。
【0041】
受信端子Rx2で受信した信号の種別が、制御部30-1用の応答でなかった場合、制御部30-2は、処理を終了する。
【0042】
制御ユニット12は、制御部30-2から送信された応答信号を受信端子Rx0で受信すると、信号を正常に受信したか否かを確認する(ステップS12)。ここで、制御部30-2から送信された応答信号を正常に受信しなかった場合、制御ユニット12は、制御部30-1用の操作信号0x4105を送信端子Tx0から再送信する(ステップS10)。
【0043】
ここで、制御ユニット12が応答信号を正常に受信しなかった場合には、受信した信号の種別が操作信号であった場合等が含まれる。このように制御ユニット12は、第1調光信号を送信した後に、第1制御部からの受領確認信号以外の信号を受信すると、第1調光信号を再度送信する。
【0044】
ステップS12において制御ユニット12は、受信した信号が、ステップS10で送信した操作信号0x4105の要求0x1に0x8を加えた応答信号0x4905となっているかを判定する。応答信号0x4905を受信した場合、制御部30-1から送信された応答信号が正常に受信されたと判断する。
【0045】
制御ユニット12が、制御部30-1用の応答信号を正常に受信した場合、制御ユニット12は次ステップの動作に進む。制御ユニット12は、制御部30-2用の操作信号0x4255を送信端子Tx0から送信する(ステップS13)。制御ユニット12は、制御部30-2の応答信号を受信待ちする(ステップS14)。
【0046】
このように、制御ユニット12は、第1制御部が処理する第1調光信号を送信した後、第1制御部からの受領確認信号を受信してから、第2制御部が処理する第2調光信号を送信する。
【0047】
制御部30-1は、受信端子Rx1で受信した信号の種別が、制御部30-2用の操作信号であることを確認する(ステップS25)。受信した信号の種別が、制御部30-2用の操作信号であった場合、制御部30-1は、受信した信号をそのまま送信端子Tx1から送信する(ステップS26)。
【0048】
受信端子Rx1で受信した信号の種別が、制御部30-2用の操作信号でなかった場合、制御部30-1は、自己の記憶部に保存していた制御部30-1用の調光指令値を破棄する(ステップS28)。その後、制御部30-1は処理を終了する。
【0049】
制御部30-1は、先に受信した制御部30-1用の操作信号及び今回受信した制御部30-2用の操作信号の2つを受信した後に、点灯回路20-1を制御部30-1用の調光指令値0x05に従い調光制御する(ステップS27)。これにより、光源部11-1が調光指令値0x05に応じて全光点灯する。その後、制御部30-1は処理を終了する。
【0050】
制御部30-2は、受信端子Rx2で受信した信号の種別が、制御部30-2用の操作信号であることを確認する(ステップS35)。受信した信号が制御部30-2用の操作信号であった場合、制御部30-2は操作信号0x4255の要求0x2に0x8を加えた応答信号0x4A55を送信端子Tx2から送信する(ステップS36)。
【0051】
受信端子Rx2で受信した信号の種別が、制御部30-2用の操作信号でなかった場合、制御部30-2は、自己の記憶部に保存していた制御部30-1用の調光指令値を破棄する(ステップS38)。その後、制御部30-2は処理を終了する。
【0052】
制御部30-2は、先に受信した制御部30-1用の応答信号及び今回受信した制御部30-2用の操作信号の2つを受信した後に、点灯回路20-2を制御部30-2用の調光指令値0x55に従い調光制御する(ステップS37)。これにより、光源部11-2が調光指令値0x05に応じて下限調光される。その後、制御部30-2は処理を終了する。
【0053】
制御ユニット12は、制御部30-2から送信された応答信号を受信端子Rx0で受信すると、信号を正常に受信したか否かを確認する(ステップS15)。受信した信号の種別が制御部30-2用の応答信号であった場合、制御ユニット12は正常に処理が行われたと判定し、処理を終了する。
【0054】
制御ユニット12は、制御部30-2用の応答信号を正常に受信しなかった場合、制御部30-1用の操作信号を再送信する(ステップS10)。
【0055】
本実施の形態では、複数の制御部30-1~30-nは、外部受信端子17と直列に接続される。複数の制御部30-1~30-n-1の各々は、受信した信号をそのまま、若しくは応答信号に変換して、他の制御部に送信する。これにより、複数の制御部30-1~30-nの各々が、制御ユニット12からの信号を受信できる。
【0056】
本実施の形態では、複数の制御部30-1~30-nの各々が全ての調光信号を受信できる。このため、複数の制御部30-1~30-nの各々は、他の制御部で処理される調光信号が正常に送信されたことを把握できる。このため、他の制御部で処理される調光信号が外部から送信されていない間に点灯制御が開始されることを防止できる。従って、点灯状態を精度よく制御できる。
【0057】
さらに、制御部30-nは受信した信号をそのまま、若しくは応答信号に変換して、制御ユニット12に送信する。このため、点灯制御装置1と制御ユニット12間の双方向通信を成立させることができる。制御ユニット12は、操作信号の正常な受領を応答信号によって確認する。これにより、制御ユニット12は点灯制御装置1の状態を確認でき、点灯状態をさらに精度よく制御できる。
【0058】
さらに、制御ユニット12は応答信号を正常に受信しなかった場合、制御部30-1用の操作信号を再送信する。これにより、通信エラーが発生した場合に自動復帰できる。ここで、制御部30-1用の操作信号の送信回数に上限が設けられていても良い。つまり、制御ユニット12は送信回数が上限に達した場合、次の送信を実施しない。上限は例えば2回である。制御ユニット12は、送信を連続2回失敗した場合、次の送信を実施しない。これにより、制御ユニット12が再送信し続け処理が終わらない不具合を防止できる。
【0059】
また、複数の制御部30-1~30-nの各々は、第1制御部が処理する第1調光信号を受信すると、第1調光信号を記憶する。複数の制御部30-1~30-nの各々は、第1調光信号を受信した後に第2制御部が処理する第2調光信号以外の信号を受信すると、第1調光信号の記憶を削除する。複数の制御部30-1~30-nの各々は、受信した信号が所望の信号で無かった場合、処理を終了する。従って、各制御部が通信エラーを含む信号に従い調光制御することを防止できる。
【0060】
ここで、制御部30-1~30-n間および制御部30-1、30-nと制御ユニット12間の通信にそれぞれΔTの時間がかかる場合を考える。この場合、制御ユニット12が操作信号を送信してから、制御部30-1~30-nを介して応答信号を受信するまでにΔT×(n+1)の時間がかかる。ΔTが平均8msでありn=2の場合、およそ8×3=24msの時間がかかる。
【0061】
従って、照明装置100において制御部30-1及び制御部30-2がそれぞれ、自己が処理する調光指令値を受信した時点で調光制御する場合、光源部11-1の調光制御から約24msずれたタイミングで光源部11-2が調光制御される。このため、使用者が調光タイミングのずれを感じるおそれがある。また、nが大きくなるほどタイミングのずれは大きくなる。
【0062】
これに対し、本実施の形態では、複数の制御部30-1~30-nの各々は、複数の制御部30-1~30-nがそれぞれ処理する複数の調光信号の全てを受信すると、複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて、対応する点灯回路を制御する。制御部30-1が複数の調光信号の全てを受信してから、制御部30-2が複数の調光信号の全てを受信するまでの時間は、制御部30-1と制御部30-2との間の通信時間ΔTである。よって、光源部11-1の調光制御から約8msずれたタイミングで光源部11-2が調光制御される。従って、調光タイミングのずれを低減できる。このため、使用者が感じる違和感を抑制できる。
【0063】
また、複数の制御部30-1~30-nの各々は、複数の調光信号の全てを受信すると、待機時間の後、複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて点灯回路を制御しても良い。制御部30-1~30-nの各々の待機時間は、その制御部が複数の調光信号の全てを受信してから、複数の調光信号が最後の制御部30-nに伝達されるまでの時間に対応する。
【0064】
例えば、n=2の場合、制御部30-1は、制御部30-1用の第1調光信号及び制御部30-2用の第2調光信号を受信してから、待機時間の後、第1調光信号に応じて調光制御を行っても良い。この場合、待機時間は例えば8msである。待機時間は制御部によって異なる値が設定されても良い。このように待機時間を設けることで、さらに調光タイミングのずれを抑制できる。
【0065】
複数の光源部11-1~11-nは、それぞれが発する光を組み合わせることで調色可能に設けられても良い。点灯制御装置1は、調色可能な複数の光源部11-1~11-nを備える各種の照明装置に適用できる。点灯制御装置1は例えば、ダウンライト、ペンダント型ライト、高天井照明等に用いても良い。これにより、複数の光源部11-1~11-nに対する調光制御の遅れ、または、ずれにより、使用者が感じる違和感を抑制できる。
【0066】
これらの変形は以下の実施の形態に係る点灯制御装置および照明装置について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る点灯制御装置および照明装置については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0067】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る照明装置200の回路ブロック図である。照明装置200は、点灯制御装置201と複数の光源部11-1~11-nと、制御ユニット12とを備える。
【0068】
点灯制御装置201は、外部受信端子217-1~217-nを備える。外部受信端子217-1~217-nには外部から調光信号が並列に入力される。外部受信端子217-1~217-nには、複数の制御部30-1~30-nの受信端子Rx1~Rxnがそれぞれ接続される。これにより、複数の制御部30-1~30-nには、調光信号が並列に入力される。
【0069】
複数の制御部30-1~30-nの送信端子Tx1~Txnは、外部送信端子18と接続される。これにより、複数の制御部30-1~30-nは外部送信端子18と並列に接続される。
【0070】
複数の制御部30-1~30-nの受信端子Rx1~Rxnは、制御ユニット12の送信端子Tx0と並列に接続される。複数の制御部30-1~30-nの送信端子Tx1~Txnは、制御ユニット12の受信端子Rx0と並列に接続される。
【0071】
このように、本実施の形態の点灯制御装置201は、制御ユニット12から送信される調光信号を複数の制御部30-1~30-nそれぞれが一斉に受信可能に設けられる。また、点灯制御装置201は、複数の制御部30-1~30-nの少なくとも1つが、応答信号を制御ユニット12に送信可能なように設けられる。
【0072】
次に、図2、6、7を用いて、制御ユニット12から複数の制御部30-1~30-nに調光指令を行う動作を説明する。図6は、実施の形態2に係る第1制御部の動作を説明するフローチャートである。図7は、実施の形態2に係る第2制御部の動作を説明するフローチャートである。
【0073】
ここでは、UART通信を用いて、制御部30-1に全光、制御部30-2に下限調光を指令する場合を例に説明する。なお、説明の簡略化のためn=2の場合を例に説明する。つまり、制御ユニット12の送信端子Tx0は、制御部30-1の受信端子Rx1及び制御部30-2の受信端子Rx2に接続される。制御部30-1の送信端子Tx1及び制御部30-2の送信端子Tx2は、制御ユニット12の受信端子Rx0に並列接続される。
【0074】
制御ユニット12のステップS10、ステップS11および制御部30-1のステップS21~ステップS24は実施の形態1と同じである。なお、ステップS10において送信された制御部30-1用の操作信号は、制御部30-1、30-2に一斉に受信される。また、ステップS23において送信される応答信号は、制御部30-2を介さず、制御ユニット12に直接送信される。
【0075】
制御部30-2は、受信端子Rx2で受信した信号が、制御部30-1用の操作信号であることを確認する(ステップS231)。受信した信号の種別が制御部30-1用の要求であった場合、制御部30-2は制御部30-1用の調光指令値0x05を自己の記憶部に保存する(ステップS32)。制御部30-2は、応答信号を送信せず、次の信号を受信待ちする(ステップS234)。受信端子Rx2で受信した信号が、制御部30-1用の操作信号でなかった場合、制御部30-2は、処理を終了する。
【0076】
制御ユニット12は、制御部30-1から送信された応答信号を受信端子Rx0で受信し、信号を正常に受信したか否かを確認する(ステップS12)。応答信号を正常に受信しなかった場合、制御ユニット12は、制御部30-1用の操作信号0x4105を送信端子Tx0から再送信する(ステップS10)。
【0077】
制御ユニット12が制御部30-1用の応答信号を正常に受信したと判断した場合のステップS13とステップS14は実施の形態1と同じである。なお、ステップS13において送信された制御部30-2用の操作信号は、制御部30-1、30-2に一斉に受信される。
【0078】
制御部30-1は、受信端子Rx1で受信した信号の種別が、制御部30-2用の操作信号であることを確認する(ステップS25)。受信端子Rx1で受信した信号が、制御部30-2用の操作信号であった場合、制御部30-1は応答信号を送信せず、調光制御(ステップS27)に進む。ステップS27は実施の形態1と同じである。
【0079】
受信端子Rx1で受信した信号が、制御部30-2用の操作信号でなかった場合、制御部30-1は、自己の記憶部に保存していた制御部30-1用の調光指令値を破棄し(ステップS28)、処理を終了する。
【0080】
制御部30-2は、受信端子Rx2で受信した信号の種別が、制御部30-2用の操作信号であることを確認する(ステップS35)。受信端子Rx2で受信した信号が制御部30-2用の操作信号であった場合、制御部30-2は送信端子Tx2から応答信号を送信する(ステップS36)。次に、制御部30-2は、調光制御(ステップS37)に進む。ステップS37は実施の形態1と同じである。
【0081】
受信端子Rx2で受信した信号の種別が、制御部30-2用の操作信号でなかった場合、制御部30-2は、自己の記憶部に保存していた制御部30-1用の調光指令値を破棄し(ステップS38)、処理を終了する。
【0082】
制御ユニット12は、制御部30-2から送信された応答信号を受信端子Rx0で受信すると、信号を正常に受信したか否かを確認する(ステップS15)。以降の制御ユニット12の動作は、実施の形態1と同じである。
【0083】
本実施の形態では、複数の制御部30-1~30-nは、制御ユニット12の送信端子Tx0と並列に接続される。これにより、複数の制御部30-1~30-nの各々が、制御ユニット12からの信号を受信できる。
【0084】
本実施の形態では、複数の制御部30-1~30-nの各々に、複数の制御部30-1~30-nがそれぞれ処理する複数の調光信号が順番に入力される。従って、本実施の形態においても、複数の制御部30-1~30-nの各々が全ての調光信号を受信できる。このため、複数の制御部30-1~30-nの各々は、他の制御部で処理される調光信号が正常に送信されたことを把握できる。従って、点灯状態を精度よく制御できる。
【0085】
複数の制御部30-1~30-nの各々は、複数の調光信号の全てを受信した後に、複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号に応じて、対応する点灯回路を制御する。これにより、他の制御部で処理される調光信号が外部から送信されていない間に点灯制御が開始されることを防止できる。
【0086】
また、複数の制御部30-1~30-nの各々は、制御ユニット12に応答信号を送信する。このため、点灯制御装置1と制御ユニット12間の双方向通信を成立させることができる。制御ユニット12は、操作信号の正常な受領を応答信号によって確認する。これにより、制御ユニット12は点灯制御装置201の状態を確認でき、点灯状態をさらに精度よく制御できる。
【0087】
本実施の形態では、複数の制御部30-1~30-nの送信端子Tx1~Txnの各々が、制御ユニット12の受信端子Rx0に接続される。これにより、複数の制御部30-1~30-nの各々は、複数の調光信号のうち自己が処理する調光信号を受信すると、送信端子Tx1~Txnから受領確認信号を送信する。これに限らず、複数の制御部30-1~30-nの送信端子Tx1~Txnの少なくとも1つが、制御ユニット12の受信端子Rx0に接続されるものとしても良い。このとき、複数の制御部30-1~30-nの少なくとも1つは、調光信号を受信すると送信端子から外部送信端子18に受領確認信号を送信する。なお、受信端子Rx0に2つ以上の送信端子が接続されている場合は、各制御部から送信される信号が互いに競合しないようにすると良い。例えば、各制御部の間で同期を取り、受領確認信号を送信するタイミングを調整すると良い。
【0088】
このように、制御ユニット12に応答信号を送信する制御部を特定の制御部に限定しても良い。このような構成によっても、複数の制御部30-1~30-nそれぞれが、制御ユニット12から信号を受信することができるとともに、点灯制御装置201と制御ユニット12間の双方向通信を成立させることができる。
【0089】
また、本実施の形態の制御部30-1~30-nの各々は、全ての制御信号を受信した時点で点灯回路を調光制御する。本実施の形態では、各々の調光信号は複数の制御部30-1~30-nに一斉受信される。このため、複数の光源部11-1~11-nが調光制御されるタイミングを揃えることができる。また、制御ユニット12から送信された調光信号と異なる点灯状態となるおそれを抑制できる。
【0090】
また、本実施の形態では、外部受信端子217-1~217-nがn個設けられ、点灯制御装置210の外側で、受信端子Rx1~Rxnが互いに接続される。これに限らず、外部受信端子を一つのみ備え、外部受信端子と複数の制御部30-1~30-nとが、点灯制御装置201内で並列に接続されても良い。
【0091】
実施の形態3.
点灯制御装置1、201において、制御部30-1と制御部30-2との間で、実施の形態1、2で説明した調光制御以外の通信を行ってもよい。図8は、実施の形態3に係る第1制御部と第2制御部を説明する図である。
【0092】
第1制御部である制御部30-1は、PFC回路14のスイッチング素子及び点灯回路21-1のスイッチング素子にスイッチング指令を出力する。つまり、制御部30-1はPFC回路14および点灯回路20-1を制御する。第2制御部である制御部30-2は、点灯回路22-2のスイッチング素子にスイッチング指令を出力する。つまり、制御部30-2は点灯回路20-2を制御する。
【0093】
先ず、制御部30-1から制御部30-2への通信について説明する。制御部30-1は、PFC回路14の動作状態に応じて、制御部30-2に対して点灯回路20-2の駆動を許可する指令、または、駆動を不可とする指令を出力する。制御部30-1は、例えば前段のPFC回路14が停止している場合に点灯回路20-2の動作を停止させる。PFC回路14が停止している状態には、例えば点灯制御装置1に消灯信号が入力されている状態、点灯制御装置1の保護動作による停止状態または点灯制御装置1の入力が停電状態の場合が含まれる。
【0094】
制御部30-1は、点灯回路22-2の駆動を許可する場合、出力端子Po1からHigh信号を出力する。また、制御部30-1は点灯回路22-2の駆動を不可とする場合、出力端子Po1からLow信号を出力する。
【0095】
制御部30-2は、入力端子Pi2で制御部30-1の出力端子Po1から出力された信号を受信する。入力端子Pi2は制御部30-2内でコンパレータに接続される。制御部30-2は、例えば100ms連続でHigh信号を受信すると駆動許可の指令を検出する。これにより、制御部30-2は調光指令値に応じて、点灯回路22-2のスイッチング素子にスイッチング指令を出力する。
【0096】
制御部30-2は、100ms連続でLow信号を受信すると駆動不可の指令を検出する。これにより、制御部30-2は点灯回路22-2を消灯または保護動作させる。保護動作は、例えばスイッチング素子の駆動停止である。
【0097】
制御部30-1は、PFC回路14の駆動時にのみ制御部30-2に点灯回路22-2を駆動させる。これにより、PFC回路14が停止している状態で制御部30-2が駆動することを防止できる。これに限らず、制御部30-1は、PFC回路14の動作状態に応じて、制御部30-2が制御する点灯回路20-2の動作を停止させても良い。例えば制御部30-1は、PFC回路14の異常を検出すると、制御部30-2に点灯回路20-2の動作を停止させても良い。
【0098】
また、制御部30-1は、点灯制御装置1への入力電圧値を制御部30-2に送信しても良い。制御部30-2は、点灯制御装置1の入力電圧に応じて点灯回路22-2の動作を変化させても良い。
【0099】
点灯制御装置1の入力電圧は、例えばAC100V~242Vである。ここでは、入力0V、入力100V、入力200V、入力242Vの情報を、それぞれオンデューティがLow固定、25%、50%、75%のPWM信号に対応させる。
【0100】
入力0Vは停止状態を示す。制御部30-1は、点灯制御装置1への入力電圧値に対応するPWM信号を出力端子Po1から出力する。これにより制御部30-2は、入力電圧値の情報を得ることができる。制御部30-1から制御部30-2への通信信号は、アナログ電圧値またはUART通信でも良い。
【0101】
次に、制御部30-2から制御部30-1への通信について説明する。制御部30-2は、点灯回路20-2の異常を検出すると、制御部30-1にPFC回路14を停止させる。制御部30-2は、例えば点灯回路20-2が保護停止したとき、制御部30-1にPFC回路14を停止させる。点灯回路20-2が保護停止した状態には、例えば点灯回路20-2のスイッチング素子がハーフデッドの場合が含まれる。
【0102】
制御部30-2は、出力端子Po2からHigh信号またはLow信号を出力することで、制御部30-1へ信号を送信する。これに応じて、制御部30-1はPFC回路14を駆動または停止させる。
【0103】
本実施の形態では、複数の制御部30-1~30-n間で、PFC回路14の動作状態、点灯制御装置1への入力電圧、複数の点灯回路20-1~20-nの保護動作等の情報を通信する。これにより、点灯制御装置1をより安全に動作させることができる。
【0104】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0105】
100、200 照明装置、1、201 点灯制御装置、11-1~11-n 光源部、12 制御ユニット、13 整流回路、14 PFC回路、17、217-1~217-n 外部受信端子、18 外部送信端子、20-1~20-n21 点灯回路、30-1~30-n 制御部、AC 商用電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8