(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】測定機器
(51)【国際特許分類】
G04G 5/00 20130101AFI20230328BHJP
G16H 40/60 20180101ALI20230328BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230328BHJP
A61B 5/022 20060101ALI20230328BHJP
G01D 9/00 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
G04G5/00 J
G16H40/60
A61B5/00 G
A61B5/022 A
A61B5/022 500A
A61B5/022 500Z
G01D9/00 X
(21)【出願番号】P 2019064216
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 英宇
(72)【発明者】
【氏名】出野 徹
(72)【発明者】
【氏名】北村 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 卓也
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-210415(JP,A)
【文献】特開平9-305888(JP,A)
【文献】特許第5877905(JP,B2)
【文献】特開2019-32777(JP,A)
【文献】特開2015-187804(JP,A)
【文献】特開2004-234267(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0321246(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 5/00
G16H 40/60 - 40/67
A61B 5/00 - 5/0295
G01D 9/00 - 9/42
G08C 13/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウント値として所定タイミングからの経過時間を計測する計時部と、測定によって取得された測定情報、該測定情報が取得された順に該測定情報に一意に付された識別情報及び測定時の前記カウント値とを含む第1測定結果を複数蓄積する第1測定結果蓄積部と、該第1測定結果蓄積部に蓄積された該第1測定結果を送信する送信部とを有する測定部と、
前記測定部から前記第1測定結果を受信する受信部と、
前記測定部から受信した該第1測定結果に含まれる前記測定情報及び測定時の日時情報を少なくとも含む第2測定結果を蓄積する第2測定結果蓄積部と、
前記第1測定結果について、前記測定部との通信が確立した時点である基準日時から、該基準日時における前記カウント値と測定時の前記カウント値との差分を減算することにより前記測定情報が取得された測定日時を算出する測定日時算出部と、
を備え
、
前記測定部は、該測定部における電源の喪失及び回復に関する電源回復情報を記憶し、
前記測定日時算出部は、前記測定部から受信した前記電源回復情報に基づき、前記第1測定結果に含まれる前記測定情報が前記電源の喪失及び回復の前に取得されたか否かを判断し、該測定情報が前記電源の喪失及び回復の前に取得されたものである場合は、前記第2測定結果蓄積部に蓄積され、前記測定日時が算出された前記第2測定結果のうち最後に蓄積された前記第2測定結果に含まれる前記測定日時に、該最後に蓄積された第2測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値と前記第1測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値との差分を加算することにより該第1測定結果に対応する前記測定情報の測定日時を算出することを特徴とする測定機器。
【請求項2】
前記測定部が前記差分を算出して、前記測定日時算出部に送信することを特徴とする請求項1に記載の測定機器。
【請求項3】
前記測定部から送信される前記基準日時におけるカウント値及び測定時の前記カウント値に基づいて、前記測定日時算出部において前記差分を算出することを特徴とする請求項1に記載の測定機器。
【請求項4】
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている全ての第1測定結果について電源回復情報として電源回復フラグを付与し、
前記測定日時算出部は、前記電源回復フラグが付与されている第1測定結果について、該第1測定結果に含まれる前記測定情報が前記電源喪失の前に取得されたものであると判断することを特徴とする請求項
2又は3に記載の測定機器。
【請求項5】
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果について前記電源回復情報である電源回復フラグを付与し、
前記測定部は、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果を、最新のものから順に送信し、
前記測定日時算出部は、前記電源回復フラグが付与されている前記第1測定結果及びその後に受信した前記第1測定結果について、該第1測定結果に含まれる前記測定情報が前記電源喪失の前に取得されたものであると判断することを特徴とする請求項
2又は3に記載の測定機器。
【請求項6】
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果に含まれる前記識別情報を基準識別情報として記憶し、前記第1測定結果の送信時に各測定情報に付された前記識別情報と前記基準識別情報を比較して該測定結果に付された前記識別情報が前記基準識別情報よりも前の時点で取得されたものであることを示す場合に、該測定情報に前記電源回復情報として電源回復フラグを付して送信し、
前記測定日時算出部は、前記電源回復フラグが付与されている測定結果について、受信した前記測定情報が前記電源喪失の前に取得されたものであると判断することを特徴とする請求項
2又は3に記載の測定機器。
【請求項7】
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果に含まれる前記測定情報に含まれる前記識別情報を基準識別情報として記憶し、前記第1測定結果蓄積部に蓄積された前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果から前記識別情報の降順に該第1測定結果を送信する際に、該送信されるべき第1測定結果に含まれる前記識別情報と前記基準識別情報を比較し、該送信されるべき第1測定結果に含まれる前記識別情報が前記基準識別情報と同一である場合に、該送信されるべき第1測定結果に前記電源回復情報である電源回復フラグを付して送信し、
前記測定日時算出部は、前記電源回復フラグが付与されている前記第1測定結果及びその後に受信した前記第1測定結果に含まれる前記測定情報は前記電源喪失の前に取得されたものであると判断することを特徴とする請求項
2又は3に記載の測定機器。
【請求項8】
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果の前記識別情報を前記電源回復情報である基準識別情報として記憶し、前記第1測定結果の送信時に該基準識別情報を送信し、
前記測定日時算出部は、受信した前記第1測定結果の前記識別情報と前記基準識別情報を比較し、前記識別情報が前記基準識別情報よりも前の時点で取得されたもの
であることを示す場合に、該第1測定結果に含まれる前記測定情報は前記電源喪失の前に取得されたものであると判断することを特徴とする請求項
2又は3に記載の測定機器。
【請求項9】
前記測定部又は前記測定日時算出部が、前記第2測定結果蓄積部に最後に蓄積された前記第2測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値が前記第1測定結果蓄積部に蓄積されていない場合、又は、前記第1測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値が、
該第1測定結果の一つ前の測定時の前記カウント値より前を示す場合に、前記差分を無効とするとともに、
前記測定日時算出部は、前記差分が無効となった前記第1測定結果
の測定以後に測定された前記第1測定結果であって、前記電源喪失の前に取得された第1測定結果について前記測定日時を無効として前記第2測定結果蓄積部に蓄積することを特徴とする請求項
2又は3に記載の測定機器。
【請求項10】
前記測定情報を時系列で表示するための表示データ生成部を備え、
前記表示データ生成部は、前記測定日時が無効である前記第2測定結果について、連続する前記識別情報が付された該第2測定結果の前記測定情報を、該連続する識別情報が付された前記測定情報の間で、測定時の前記カウント値の差分に応じて時系列に配置した仮のグラフを生成し、該仮のグラフの時間方向の中央が、前記測定日時が無効である前記第2測定結果の前後で直近の無効ではない前記測定日時の時間方向の中央に一致するように配置することを特徴とする請求項
9に記載の測定機器。
【請求項11】
カウント値として所定タイミングからの経過時間を計測する計時部と、測定によって取得された測定情報、該測定情報が取得された順に該測定情報に一意に付された識別情報及び測定時の前記カウント値とを含む第1測定結果を複数蓄積する第1測定結果蓄積部と、該第1測定結果蓄積部に蓄積された該第1測定結果を送信する送信部とを有する測定部と、
前記測定部から前記第1測定結果を受信する受信部と、
前記測定部から受信した該第1測定結果に含まれる前記測定情報及び測定時の日時情報を少なくとも含む第2測定結果を蓄積する第2測定結果蓄積部と、
前記第1測定結果について、前記測定部との通信が確立した時点である基準日時から、該基準日時における前記カウント値と測定時の前記カウント値との差分を減算することにより前記測定情報が取得された測定日時を算出する測定日時算出部と、
を備え、
前記測定部は、該測定部における電源喪失及び回復の履歴に関する電源回復履歴情報を記憶し、
前記第1測定結果蓄積部は、前記測定時の前記電源回復履歴情報を含む前記第1測定結果を蓄積し、
前記第2測定結果蓄積部は、前記測定部から受信した前記電源回復履歴情報を含む前記第1測定結果を蓄積し、
前記測定日時算出部は、前記測定部から受信した前記第1測定結果に含まれる前記測定情報が取得されたときの前記電源回復履歴情報が、前記電源回復履歴情報のうち最新の前記電源回復履歴情報と同じであるとき、前記第1測定結果について、前記測定部との通信が確立した時点である基準日時から、該基準日時における前記カウント値と前記測定時の前記カウント値との差分を減算することにより前記測定情報が取得された測定日時を算出することを特徴とす
る測定機器。
【請求項12】
前記測定部が前記差分を算出して、前記測定日時算出部に送信することを特徴とする請求項
11に記載の測定機器。
【請求項13】
前記測定部から送信される前記基準日時におけるカウント値及び測定時の前記カウント値に基づいて、前記測定日時算出部において前記差分を算出することを特徴とする請求項
11に記載の測定機器。
【請求項14】
前記測定日時算出部は、前記測定部から受信した前記電源回復履歴情報に基づき、前記第1測定結果に含まれる前記測定情報が取得された際
の電源回復履歴を判断し、該電源回復履歴と同じ電源回復履歴を有する第2測定結果のいずれかに含まれる前記測定日時に、
該第2測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値と、前記第1測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値との差分を加算又は減算することにより該第1測定結果に対応する前記測定情報の測定日時を算出することを特徴とする請求項
12又は13に記載の測定機器。
【請求項15】
前記測定日時算出部は、前記測定部から受信した前記電源回復履歴情報に基づき、前記第1測定結果に含まれる前記測定情報が取得された際の前記電源回復履歴を判断し、該電源回復履歴と同じ電源回復履歴を有する第2測定結果のいずれについても有効な前記測定日時が算出されていない場合に、前記第1測定結果について前記測定日時を無効として前記第2測定結果蓄積部に蓄積することを特徴とする請求項
14に記載の測定機器。
【請求項16】
前記測定情報を時系列で表示するための表示データ生成部を備え、
前記表示データ生成部は、前記測定日時が無効である前記第2測定結果について、連続する前記識別情報が付された該第2測定結果の前記測定情報を、該連続する識別情報が付された前記測定情報の間で、測定時の前記カウント値の差分に応じて時系列に配置した仮のグラフを生成し、該仮のグラフの時間方向の中央が、前記測定日時が無効である前記第2測定結果の前後で直近の無効ではない前記測定日時の時間方向の中央に一致するように配置することを特徴とする請求項
15に記載の測定機器。
【請求項17】
前記表示データ生成部は、同じ前記電源回復履歴の前記第2測定結果の全てについて前記測定日時が無効である前記電源回復履歴が複数ある場合に、第2測定結果の全てについて前記測定日時が無効である前記電源回復履歴について、連続する前記識別情報が付された該第2測定結果の前記測定情報を、該連続する識別情報が付された前記測定情報の間で、測定時の前記カウント値の差分に応じて時系列に配置した仮のグラフを生成し、前記測定日時が無効である前記測定結果の前後で直近の無効でない前記測定日時の時間方向を、前記電源回復履歴ごとの複数の時間間隔に分割し、各電源回復履歴に対応する時間間隔の中央に、当該電源回復履歴ごとの測定日時が無効である前記第2測定結果の前記仮のグラフの時間方向の中央が一致するように配置することを特徴とする請求項
16に記載の測定機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、体重、血圧値、活動量などの、個人の健康に関する情報(以下、健康情報ともいう)を測定機器によって測定し、当該測定結果をスマートフォンなどの情報端末で記録、分析することで、健康管理を行うことが普及しつつある。
【0003】
このような健康管理を行う場合には、測定機器による測定結果の経時的な変化は有益な情報となる。この場合には、測定結果に加えて、当該測定が行われた日時情報を記録する必要がある。
特許文献1には、RTC(Real Time Clock)を備えた生体情報測定装置が、測定された生体情報とRTCから供給される時刻情報をデータセンタに送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、RTCのみでは、測定機器の電源投入時からの経過時間が取得できるにすぎない。一方で、測定日時を記録するために各測定機器に時計を搭載すると、コストが上昇する。また、複数種類の健康情報を、複数種類の測定機器によって収集する場合には、各測定機器のRTCを同期させる必要が生じるという問題もある。
【0006】
上記のような従来の技術に鑑み、本発明は、測定部に時計を備えることなく、測定日時情報を取得することが可能な測定機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る測定機器は、
カウント値として所定タイミングからの経過時間を計測する計時部と、測定によって取得された測定情報、該測定情報が取得された順に該測定情報に一意に付された識別情報及び測定時の前記カウント値とを含む第1測定結果を複数蓄積する第1測定結果蓄積部と、該第1測定結果蓄積部に蓄積された該第1測定結果を送信する送信部とを有する測定部と、
前記測定部から前記第1測定結果を受信する受信部と、
前記測定部から受信した該第1測定結果に含まれる前記測定情報及び測定時の日時情報を少なくとも含む第2測定結果を蓄積する第2測定結果蓄積部と、
前記第1測定結果について、前記測定部との通信が確立した時点である基準日時から、該基準日時における前記カウント値と測定時の前記カウント値との差分を減算することにより前記測定情報が取得された測定日時を算出する測定日時算出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、上記の測定機器は、ユニットとして構成されたものに限らず、独立して複数の装置からなるシステムであってもよい。また、測定機器には、複数の測定部を有するものを含まれる。
測定部及び送信部を備える独立した装置には、体重計、体組成計、血圧計、心拍計、体温計などの身体情報計測機器や、歩数計、各種フィットネス機器が備える活動量計などの活動量計測機器や、温湿度計、騒音計、照度計などの環境情報計測機器、など様々な計測機器が含まれる。また、上記の測定情報には、計測機器に応じて、体重、体脂肪率、血圧、心拍(脈拍)、体温などの身体情報や、歩数、走行距離、消費熱量などの活動量や、室温、湿度、騒音レベル、照度などの環境情報、など様々な量の値が含まれる。
また、受信部及び測定日時算出部を備える独立した装置には、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンなどの携帯情報端末の他、据置型の情報端末が含まれる。
【0009】
上記のような構成によれば、測定部に時計を備えなくとも、所定タイミングからの経過時間を計測する計時部を備えることにより、計時部によって取得されるカウント値に基づいて測定日時情報を取得することができる。測定部に時計を備える必要がないので、測定部のコストを低減し、ひいては測定機器全体のコストの低減を図ることもできる。
【0010】
また、上記の測定機器は、
前記測定部が前記差分を算出して、前記測定日時算出部に送信するものであってもよい。
【0011】
また、上記の測定機器は、
前記測定部から送信される前記基準日時におけるカウント値及び測定時の前記カウント値に基づいて、前記測定日時算出部において前記差分を算出するものであってもよい。
【0012】
このようにすれば、差分の算出を測定部で行わないので、測定部における処理の負荷を軽減することができる。
【0013】
また、上記の測定機器において、
前記測定部は、該測定部における電源の喪失及び回復に関する電源回復情報を記憶し、
前記測定日時算出部は、前記測定部から受信した前記電源回復情報に基づき、前記第1測定結果に含まれる前記測定情報が前記電源喪失及び回復の前に取得されたか否かを判断し、該測定情報が前記電源喪失及び回復の前に取得されたものである場合は、前記第2測定結果蓄積部に蓄積され、前記測定日時が算出された前記第2測定結果のうち最後に蓄積された前記第2測定結果に含まれる前記測定日時に、該最後に蓄積された第2測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値と前記第1測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値との差分を加算することにより該第1測定結果に対応する前記測定情報の測定日時を算出するものであってもよい。
【0014】
このようにすれば、測定部に時計を備えなくとも、所定タイミングからの経過時間を計測する計時部を備えることにより、計時部によって取得されるカウント値に基づいて測定日時情報を取得することができる。測定部に時計を備える必要がないので、測定部のコストを低減し、ひいては測定機器全体のコストの低減を図ることもできる。さらに、測定部の電源が喪失され、それまでの経過時間がクリアされてしまった場合においても、測定部に時計を備えることなく、測定日時情報を取得することができる。
ここでは、電源の喪失及び回復には、電池が測定機器から取り外されることにより電源が喪失され、電池が測定機器に装着されることにより電源が回復されること、すなわち、電池交換されることが含まれる。この場合には、電源回復情報は電池交換情報に対応し、後述する電源回復フラグは電池交換フラグに対応する。また、電源の喪失及び回復には、測定機器の電源プラグがコンセントから引き抜かれることにより電源が喪失され、測定機器の電源プラグがコンセントに差し込まれることにより電源が回復されることが含まれる。さらに、電源の喪失及び回復には、停電等によりコンセントに対する電力の供給が断たれることにより、コンセントに電源プラグが差し込まれた測定機器の電源が喪失され、コンセントに対する電力の供給が再開されることにより、コンセントに電源プラグが差し込まれた測定機器の電源が回復される場合も含まれる。
【0015】
また、上記の測定機器において、
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている全ての第1測定結果について電源回復情報として電源回復フラグを付与し、
前記測定日時算出部は、前記電源回復フラグが付与されている第1測定結果について、該第1測定結果に含まれる前記測定情報が前記電源喪失の前に取得されたものであると判断するようにしてもよい。
【0016】
また、上記の測定機器において、
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果について前記電源回復情報である電源回復フラグを付与し、
前記測定部は、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果を、最新のものから順に送信し、
前記測定日時算出部は、前記電源回復フラグが付与されている前記第1測定結果及びその後に受信した前記第1測定結果について、該第1測定結果に含まれる前記測定情報が前記電源喪失の前に取得されたものであると判断するものであってもよい。
【0017】
また、上記の測定機器において、
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果に含まれる前記識別情報を基準識別情報として記憶し、前記第1測定結果の送信時に各測定情報に付された前記識別情報と前記基準識別情報を比較して該測定結果に付された前記識別情報が前記基準識別情報よりも前の時点で取得されたものであること示す場合に、該測定情報に前記電源回復情報として電源回復フラグを付して送信し、
前記測定日時算出部は、前記電源回復フラグが付与されている測定結果について、受信した前記測定情報が前記電源喪失の前に取得されたものであると判断するようにしてもよい。
【0018】
また、上記の測定機器において、
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果に含まれる前記測定情報に含まれる前記識別情報を基準識別情報として記憶し、前記第1測定結果蓄積部に蓄積された前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果から前記識別情報の降順に該第1測定結果を送信する際に、該送信されるべき第1測定結果に含まれる前記識別情報と前記基準識別情報を比較し、該送信されるべき第1測定結果に含まれる前記識別情報が前記基準識別情報と同一である場合に、該送信されるべき第1測定結果に前記電源回復情報である電源回復フラグを付して送信し、
前記測定日時算出部は、前記電源回復フラグが付与されている前記第1測定結果及びその後に受信した前記第1測定結果に含まれる前記測定情報は前記電源喪失の前に取得されたものであると判断するようにしてもよい。
【0019】
また、上記の測定機器において、
前記測定部は、前記電源喪失の後の最初の電源回復時に、前記第1測定結果蓄積部に蓄積されている前記第1測定結果のうち最新の前記第1測定結果の前記識別情報を前記電源回復情報である基準識別情報として記憶し、前記第1測定結果の送信時に該基準識別情報を送信し、
前記測定日時算出部は、受信した前記第1測定結果の前記識別情報と前記基準識別情報
を比較し、前記識別情報が前記基準識別情報よりも前の時点で取得されたものであることを示す場合に、該第1測定結果に含まれる前記測定情報は前記電源喪失の前に取得されたものであると判断するようにしてもよい。
【0020】
また、上記の測定機器において、
前記測定部又は前記測定日時算出部が、前記第2測定結果蓄積部に最後に蓄積された前記第2測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値が前記第1測定結果蓄積部に蓄積されていない場合、又は、前記第1測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値が、該第1測定結果の一つ前の測定時の前記カウント値より前を示す場合に、前記差分を無効とするとともに、
前記測定日時算出部は、前記差分が無効となった前記第1測定結果の測定以後に測定された前記第1測定結果であって、前記電源喪失の前に取得された第1測定結果について前記測定日時を無効として前記第2測定結果蓄積部に蓄積するようにしてもよい。
【0021】
また、上記の測定機器において、
前記測定情報を時系列で表示するための表示データ生成部を備え、
前記表示データ生成部は、前記測定日時が無効である前記第2測定結果について、連続する前記識別情報が付された該第2測定結果の前記測定情報を、該連続する識別情報が付された前記測定情報の間で、測定時の前記カウント値の差分に応じて時系列に配置した仮のグラフを生成し、該仮のグラフの時間方向の中央が、前記測定日時が無効である前記第2測定結果の前後で直近の無効ではない前記測定日時の時間方向の中央に一致するように配置するようにしてもよい。
【0022】
このようにすれば、正確な測定日時を算出できない測定情報についても、測定日時が特定されている他の測定情報との相対的な時系列変化を知ることができる。
【0023】
また、上記の測定機器において、
前記測定部は、該測定部における電源喪失及び回復の履歴に関する電源回復履歴情報を記憶し、
前記第1測定結果蓄積部は、前記測定時の前記電源回復履歴情報を含む前記第1測定結果を蓄積し、
前記第2測定結果蓄積部は、前記測定部から受信した前記電源回復履歴情報を含む前記第1測定結果を蓄積し、
前記測定日時算出部は、前記測定部から受信した前記第1測定結果に含まれる前記測定情報が取得されたときの前記電源回復履歴情報が、前記電源回復履歴情報のうち最新の前記電源回復履歴情報と同じであるとき、前記第1測定結果について、前記測定部との通信が確立した時点である基準日時から、該基準日時における前記カウント値と前記測定時の前記カウント値との差分を減算することにより前記測定情報が取得された測定日時を算出するようにしてもよい。
【0024】
このようにすれば、測定部が電源の喪失及び回復を経ている場合にも、最新の電源喪失及び回復の履歴と同じ電源喪失及び回復の履歴を有する第1測定結果については、測定部に時計を備えなくとも、計時部によって取得されるカウント値に基づいて測定日時情報を取得することができる。
【0025】
ここで、電源回復履歴情報は、電源の喪失及び回復の履歴を示す情報であり、例えば、現在までの電源喪失及び回復が行われた回数情報が挙げられるが、電源の喪失及び回復の履歴に対応する情報であれば、これに限られない。
また、電源の喪失及び回復には、電池が測定機器から取り外されることにより電源が喪失され、電池が測定機器に装着されることにより電源が回復されること、すなわち、電池
交換されることが含まれる。この場合には、電源回復履歴情報は電池交換履歴情報に対応する。また、電源の喪失及び回復には、測定機器の電源プラグがコンセントから引き抜かれることにより電源が喪失され、測定機器の電源プラグがコンセントに差し込まれることにより電源が回復されることが含まれる。さらに、電源の喪失及び回復には、停電等によりコンセントに対する電力の供給が断たれることにより、コンセントに電源プラグが差し込まれた測定機器の電源が喪失され、コンセントに対する電力の供給が再開されることにより、コンセントに電源プラグが差し込まれた測定機器の電源が回復される場合も含まれる。
【0026】
また、上記の測定機器は、
前記測定部が前記差分を算出して、前記測定日時算出部に送信するものであってもよい。
【0027】
また、上記の測定機器は、
前記測定部から送信される前記基準日時におけるカウント値及び測定時の前記カウント値に基づいて、前記測定日時算出部において前記差分を算出するものであってもよい。
【0028】
このようにすれば、差分の算出を測定部で行わないので、測定部における処理の負荷を軽減することができる。
【0029】
また、上記測定機器において、
前記測定日時算出部は、前記測定部から受信した前記電源回復履歴情報に基づき、前記第1測定結果に含まれる前記測定情報が取得された際の電源回復履歴を判断し、該電源回復履歴と同じ電源回復履歴を有する第2測定結果のいずれかに含まれる前記測定日時に、該第2測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値と、前記第1測定結果に対応する前記測定時の前記カウント値との差分を加算又は減算することにより該第1測定結果に対応する前記測定情報の測定日時を算出するようにしてもよい。
【0030】
このようにすれば、測定部から受信部に送信されていない、又は、送信されたものの受信部で受信されていない第1測定結果の件数に関わらず、第2測定結果蓄積部に同じ電源喪失及び回復の履歴を有し、かつ、有効な測定日時が算出されている第2測定結果が1件でも蓄積されていれば、測定日時の算出が可能となる。また、カウント値の差分処理を行わないので、測定部の処理負荷も少ない。
【0031】
また、上記測定機器において、
前記測定日時算出部は、前記測定部から受信した前記電源回復履歴情報に基づき、前記第1測定結果に含まれる前記測定情報が取得された際の前記電源回復履歴を判断し、該電源回復履歴と同じ電源回復履歴を有する第2測定結果のいずれについても有効な前記測定日時が算出されていない場合に、前記第1測定結果について前記測定日時を無効として前記第2測定結果蓄積部に蓄積するようにしてもよい。
【0032】
また、上記測定機器において、
前記測定情報を時系列で表示するための表示データ生成部を備え、
前記表示データ生成部は、前記測定日時が無効である前記第2測定結果について、連続する前記識別情報が付された該第2測定結果の前記測定情報を、該連続する識別情報が付された前記測定情報の間で、測定時の前記カウント値の差分に応じて時系列に配置した仮のグラフを生成し、該仮のグラフの時間方向の中央が、前記測定日時が無効である前記第2測定結果の前後で直近の無効ではない前記測定日時の時間方向の中央に一致するように配置するようにしてもよい。
【0033】
このようにすれば、正確な測定日時を算出できない測定情報についても、測定日時が特定されている他の測定情報との相対的な時系列変化を知ることができる。
【0034】
また、上記測定機器において、
前記表示データ生成部は、同じ前記電源回復履歴の前記第2測定結果の全てについて前記測定日時が無効である前記電源回復履歴が複数ある場合に、第2測定結果の全てについて前記測定日時が無効である前記電源回復履歴について、連続する前記識別情報が付された該第2測定結果の前記測定情報を、該連続する識別情報が付された前記測定情報の間で、測定時の前記カウント値の差分に応じて時系列に配置した仮のグラフを生成し、前記測定日時が無効である前記測定結果の前後で直近の無効でない前記測定日時の時間方向を、前記電源回復履歴ごとの複数の時間間隔に分割し、各電源回復履歴に対応する時間間隔の中央に、当該電源回復履歴ごとの測定日時が無効である前記第2測定結果の前記仮のグラフの時間方向の中央が一致するように配置するようにしてもよい。
【0035】
このようにすれば、同じ電源回復履歴情報の第2測定結果の全てについて測定日時が無効である電源回復履歴情報が複数ある場合でも、正確な測定日時を算出できない測定情報について、測定日時が特定されている他の測定情報との相対的な時系列変化を知ることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、時計を備えることなく、計測日時情報を取得できる計測機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る健康情報管理システムの構成例の概略を説明するブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る健康情報管理システムの血圧計の表示画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る健康情報管理システムのスマートフォンの画面表示の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る健康情報管理システムの血圧計の測定及び測定結果の記録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る健康情報管理システムの血圧計によるスマートフォンへの測定結果の通常の送信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る健康情報管理システムの血圧計による測定からスマートフォンへの測定結果送信処理までの流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態1に係る健康情報管理システムの血圧計からスマートフォンへの測定結果送信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8A,
図8Bは、実施形態1に係る健康情報管理システムの血圧計における測定結果記録部のデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態1に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定情報の受信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態1に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定日時の特定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態1に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定結果記録部のデータ構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12A,
図12Bは、実施形態1のケース2に係る健康情報管理システムの血圧計における測定結果記録部のデータ構成の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態1のケース2に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定結果記録部のデータ構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態1のケース2に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける血圧情報の経時変化の表示例を示す図である。
【
図15】
図15A,
図15Bは、実施形態1のケース3に係る健康情報管理システムの血圧計における測定結果記録部のデータ構成の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態1のケース3に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定結果記録部のデータ構成の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態2に係る健康情報管理システムの血圧計からスマートフォンへの測定結果送信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、実施形態2に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定日時の特定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施形態3に係る健康情報管理システムの血圧計からスマートフォンへの測定結果送信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、実施形態3に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定情報の受信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、実施形態3に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定日時の特定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、実施形態4に係る健康情報管理システムの血圧計からスマートフォンへの測定結果送信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図23】
図23は、実施形態4に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定情報の受信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図24】
図24は、実施形態4に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定日時の特定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、実施形態5に係る健康情報管理システムの血圧計の測定及び測定結果の記録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図26】
図26は、実施形態5に係る健康情報管理システムの血圧計からスマートフォンへの測定結果送信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図27】
図27は、実施形態5に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定情報の受信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図28】
図28は、実施形態5に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける測定日時の特定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図29】
図29は、実施形態5に
係る血圧計における測定結果のデータ構成の一例とスマートフォンでの測定日時特定の一例を示す図である。
【
図30】
図30は、実施形態5に
係る血圧計における測定結果のデータ構成の他の例とスマートフォンでの測定日時特定の他の例を示す図である。
【
図31】
図31は、実施形態5のケース2に係る健康情報管理システムのスマートフォンにおける血圧情報の経時変化の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0039】
<実施形態1>
まず
図1から
図16に基づいて、本発明の実施形態の一例について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0040】
(システム構成)
図1は本実施形態に係る測定機器である健康情報管理システム1の構成例を示す概略図である。
図1に示すように、健康情報管理システム1は、測定部の一例としての血圧計10と、測定日時算出部を含むスマートフォン20を含んでおり、血圧計10とスマートフォン20とは近距離無線通信によって通信可能な構成となっている。無線通信の方式は特
に限定されないが、例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、超音波による情報伝送、などの方法を採用することができる。
【0041】
(血圧計)
本実施形態における血圧計10は、いわゆるオシロメトリック法によりユーザーの血圧を測定する計測機器であり、
図1に示すように、センサ部110と、表示部120と、通信部130と、入力部140と、制御部150と、RTC160と、記憶部170を含んで構成される。
【0042】
センサ部110は、血圧計10のカフ部分に配置される圧力センサを備えており、適正なカフ圧下でユーザーの血管から脈波を検出する。本実施形態における血圧計10では、センサ部が検出する脈波に基づいて、最高血圧、最低血圧に加えて脈拍も計測可能である。以下、最高血圧、最低血圧、脈拍の値をまとめて血圧情報という。本実施形態では、血圧情報が測定情報に相当する。
【0043】
表示部120は、例えば液晶ディスプレイなどによって形成され、算出された血圧情報を表示する。
図2に、表示部120の表示画面の一例を示す。
【0044】
通信部130は、近距離無線通信で使用される信号を電波として送受信する通信アンテナであり、所望の公知技術を採用することができる。通信部130によって、血圧計それぞれに固有の識別番号(例えば、シリアルナンバーなど)と、計測された血圧情報を含む情報が送信される。なお、本実施形態では、通信部130が送信部に該当する。
【0045】
入力部140は、ユーザーからの入力を受け付けるボタン、タッチパネルディスプレイなどの入力手段であり、ユーザーから、電源のON/OFF、計測の開始、項目の選択などの各種操作を受け付ける。
【0046】
制御部150は、血圧計10の制御を司る手段であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含んで構成される。制御部150は、入力部140を介してユーザーからの計測開始の指示を受け付けるとカフを加圧し、適切なカフ圧下で、センサ部110が検出した脈波に基づいて血圧情報を算出する。そして、表示部120に当該算出した値を表示する。その他、入力部140を介してユーザーの操作に応じた処理を実行するように血圧計10の各構成要素を制御する。
【0047】
RTC160は、リアルタイムクロック(Real Time Clock)であり、電源投入時等の所定タイミングからカウントアップするタイマであって、電源投入時からの経過時間を示す。電池の交換が行われるとRTC160のカウント値はクリアされ、0から再度カウントアップされる。本実施形態では、RTC160が計時部に相当する。本実施形態を含む各実施形態では、RTC160のカウント値がクリアされた後、0から再カウントアップされる事象の原因となる電源の喪失及び回復として電池交換を例に説明する。この場合、電源の喪失は電池の血圧計10からの取り外しに対応し、電源の回復は電池の血圧計10への装着に対応する。血圧計10がコンセントに差し込まれた電源プラグから電源の供給を受ける場合には、電源の喪失は電源プラグをコンセントから引き抜かれることに対応し、電源の回復は電源プラグをコンセントに差し込むことに対応する。また、血圧計10の電源プラグがコンセントに差し込まれた状態で、停電等によりコンセントを介した電力の供給が停止されることが電源の喪失に対応し、コンセントを介した電力の供給が再開されることが電源の回復に対応する。
【0048】
記憶部170は、RAMなどの主記憶装置の他、例えばフラッシュメモリなどの長期記憶媒体を含んで構成され、アプリケーションプログラム、計測情報、などの各種の情報を
記憶する。
記憶部170の所定領域には、血圧計10による測定回数を示すシーケンス番号が記憶されている。シーケンス番号は測定順に昇順で一意に付与される番号である。測定が行われるごとに更新され、上述の領域には現時点での測定回数を示す最新のシーケンス番号が保持される。シーケンス番号は、付された測定情報の測定の順序が識別可能であればよく、測定順に昇順に限られず、測定順に降順に付してもよい。
測定結果記録部180は、記憶部170に含まれる不揮発性メモリであって、センサ部110によって測定された血圧情報とRTCのカウント値と当該測定に対して付与されたシーケンス番号等の情報を記録する。本実施形態では、測定結果記録部180が第1測定結果蓄積部に相当する。また、本実施形態では、センサ部110によって測定された血圧情報とRTCのカウント値等の情報が第1測定結果に相当する。
【0049】
(スマートフォン)
スマートフォン20は、
図1に示すように、通信部210、タッチパネルディスプレイ220、記憶部230、制御部240、時計部250を含んで構成される。
【0050】
通信部210は、近距離無線通信に係る電波を含む電波を送受信する通信アンテナであり、血圧計10から送信された計測情報を受信する他、他の電子機器や基地局とも電波の送受信を行う。本実施形態では、通信部210が受信部に相当する。
【0051】
タッチパネルディスプレイ220は、表示手段と入力手段とを兼ねており、通信部210が受信した血圧情報が表示される。
図3は、タッチパネルディスプレイ220に、測定された最高血圧の推移を測定日時の時系列に沿って表示した例を示す。また、各種の入力用画像を介してユーザーからの操作を受け付ける。なお、本実施形態においてはタッチパネルディスプレイ220が、第2の表示手段及び入力手段に該当する。
【0052】
記憶部230は、RAMなどの主記憶装置の他、例えばフラッシュメモリなどの長期記憶媒体を含んで構成され、アプリケーションプログラム、計測情報、などの各種の情報を記憶する。
測定結果記録部260は、記憶部230に含まれる不揮発性メモリであって、血圧計10から受信した血圧情報や当該血圧情報が測定された測定日時等の情報を記録する。本実施形態では、測定結果記録部260が第2測定結果蓄積部に相当する。また、本実施形態では、血圧情報や当該血圧情報が測定された測定日時等の情報が第2測定結果に相当する。
【0053】
制御部240はスマートフォンの制御を司る手段であり、例えばCPUなどを含んで構成され、記憶部230に格納された各種プログラムを実行することにより、これらに応じた機能を発揮する。本実施形態では、制御部240が測定日時算出部及び表示データ生成部に相当する。
【0054】
時計部250は、計時機能を有し、現在の日時情報を保持する。
【0055】
(測定日時の特定)
次に、血圧計10と、スマートフォン20とによって測定日時を特定する方法について説明する。
【0056】
[血圧計による血圧情報の測定]
図4は、血圧計10による血圧情報の測定と測定結果の記録との処理手順を示すフローチャートである。
ユーザーが、カフを腕に巻いて測定準備を整え、血圧計10の入力部140に含まれる
測定開始ボタンを押下する。制御部150は、測定開始ボタンの押下を検出すると、所定の血圧情報の測定処理を行う(ステップS1)。
【0057】
次に、制御部150は、RTC160から、測定時のカウント値、すなわち電源ONからの経過時間を取得する(ステップS2)。測定には、ある程度の時間幅があるため、測定時としていずれのタイミングのカウント値を取得するかは適宜設定すればよい。例えば、測定時のカウント値として、測定開始時のカウント値を設定することができるが、これに限られない。
【0058】
次に、制御部150は、測定結果である血圧情報と経過時間であるRTCのカウント値を当該測定に対応するシーケンス番号とともに測定結果記録部180に記憶する(ステップS3)。
【0059】
[スマートフォンへの測定結果の送信]
図5は、血圧計10からスマートフォン20への測定結果の送信処理の流れを示すフローチャートである。
スマートフォン20が常に最新の測定結果を保持しておけるように、1回の測定ごとに測定結果を送信することが望ましい。この測定結果の送信処理は、
図4で説明した血圧情報の測定に続いて、自動的に行われるようにしてもよいし、ユーザーが送信ボタンを押下することによって行われるようにしてもよい。
【0060】
まず、制御部150が、通信部130を介して、スマートフォン20との通信を確立する。血圧計10とスマートフォン20との通信が確立すると、制御部150は送信時現在のRTCのカウント値を取得する(ステップS4)。
【0061】
次に、制御部150は、最新の測定結果、すなわち、最もシーケンス番号の大きい測定値と測定時のRTCのカウント値を、測定結果記録部180から取得する(ステップS5)。
【0062】
次に、制御部150は、ステップS4で取得した送信時現在のRTCのカウント値と、ステップS5で取得した測定時のRTCのカウント値との差分を算出する(ステップS6)。
【0063】
そして、制御部150は、ステップS5で取得した最もシーケンス番号の大きい測定値と、ステップS6で算出したRTCのカウント値の差分を含む最新の測定結果を、通信部130を介してスマートフォン20へ送信する(ステップS7)。
【0064】
次に、制御部150は、過去分の測定結果、すなわち、2番目に大きいシーケンス番号の測定値と測定時のRTCのカウント値を、測定結果記録部180から取得する(ステップS8)。
【0065】
次に、制御部150は、ステップS4で取得した送信時現在のRTCのカウント値と、ステップS8で取得した測定時のRTCのカウント値との差分を算出する(ステップS9)。
【0066】
そして、制御部150は、ステップS8で取得した2番目に大きいシーケンス番号の測定値と、ステップS9で算出したRTCのカウント値の差分を含む過去分の測定結果を、通信部130を介してスマートフォン20へ送信する(ステップS10)。ここでは、過去分の測定結果を1件ずつ取得し、送信してもよいし、複数件まとめて取得し、送信してもよい。また、1件または複数件の測定結果の取得及び送信を繰り返して、測定結果記録
部180に蓄積されている全ての測定結果をスマートフォン20へ送信するようにしてもよい。
【0067】
上述のように、通常の処理として、1回の血圧情報の測定ごとに最新の測定結果及び過去分の測定結果を血圧計10からスマートフォン20に送信しておけば、仮に、電池交換
が行われたとしても、スマートフォン20において、電池交換後の最新の測定結果について、送信時のRTCのカウント値と、測定時のRTCのカウント値との差分を、送信時現在の日時情報から減算することにより、測定日時を算出することができる。
【0068】
しかし、血圧計10からスマートフォン20への一方向の通信のみが行われる場合には、血圧計10から送信されたもののスマートフォン20では受信されていないとしても、スマートフォン20側ではそれを認識できない。また、血圧計10の何らかの不都合により、最新の測定結果又は過去分の測定結果が送信されないこともあり得る。
このような例外的な場合にも、時計機能を持たない血圧計10によって測定された測定結果に対して、スマートフォン20側で測定日時を特定できるようにしたのが、後述する処理である。
【0069】
[血圧計における血圧情報の測定からスマートフォンへの測定結果の送信処理に至る処理の流れ]
図6は、血圧計10において、血圧情報の測定から、スマートフォン20への測定結果の送信処理に至る処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0070】
ユーザーが血圧計10によって血圧情報を測定すると、制御部150は、
図4に示した測定処理と測定結果の記録処理を行う(ステップS11)。
【0071】
次に、血圧計10の制御部150は、所定のタイミングで、
図5に示した測定結果の送信処理を行う(ステップS12)。
【0072】
ユーザーが血圧計10の電池を交換した後、最初に電源を投入したときに、制御部150は所定の電源投入時処理を行う(ステップS13)。
ここでは、不揮発性メモリによって構成される測定結果記録部180の所定領域(以下「測定結果メモリ」ともいう。)に記録されている測定結果のそれぞれに付与されているシーケンス番号のうち最新のシーケンス番号を、電池交換前シーケンス番号として、測定結果記録部180の所定の領域に記憶する。この電池交換前シーケンス番号が記憶される領域は、測定結果記録部180に限られず、記憶部170に含まれる不揮発性メモリの他の領域に記憶されるようにしてもよい。電源投入時には、制御部150は、他に種々の初期化処理を行うが、これについては周知の処理であるため詳述しない。本実施形態では、シーケンス番号が識別情報に相当し、電池交換前シーケンス番号が、電池交換情報及び基準識別情報に相当する。
【0073】
このように、電池交換前シーケンス番号のみを記憶しておくようにすれば、電池交換後の最初の電源投入時の処理の負荷が軽減され、処理に要する時間も短縮することができる。
【0074】
ユーザーは、電池交換後に電源を投入し、血圧情報を測定すると、制御部150は、
図4に示した測定処理と測定結果の記録処理を行う(ステップS14)。
【0075】
次に、制御部150は、所定のタイミングで、血圧計10からスマートフォン20への後述する測定結果の送信処理を行う(ステップS15)。血圧計10がスマートフォン20に測定結果を送信するタイミングは、血圧情報が測定される毎に過去分を含めて測定結
果を送信するようにしてもよいし、入力部140に含まれる送信ボタンをユーザーが押下したタイミングでもよいし、電源の投入、所定の時間の経過、所定回数の測定が行われたこと等を制御部150が判断したタイミングでもよく、適宜設定することができる。
【0076】
上述の電池交換後の電源投入時処理としては、電源投入時に測定結果メモリに記録されている全ての測定結果に対して、電池交換の有無を表す電池交換フラグを1に設定するようにしてもよい。このようにすれば、測定結果の送信時に、電池交換前シーケンス番号に基づいて電池交換フラグを設定する場合に比べて、送信時の処理の負荷が軽減され、処理に要する時間も短縮できる。
また、上述の電池交換後の電源投入時処理としては、電源投入時に測定結果メモリに記憶されている測定結果のうち最新の測定結果、すなわち最新のシーケンス番号が付された測定結果についてのみ電池交換フラグを1に設定するようにしてもよい。このようにすれば、全ての測定結果に対して電池交換フラグを1に設定するよりも、処理の負荷が軽減され、処理に要する時間も短縮することができる。
【0077】
図6は、血圧計10において、血圧情報の測定から、スマートフォン20への測定結果の送信処理に至る処理の流れを例示するものであり、これに限られない。
図6のステップS11及びステップS14に示す測定処理と測定結果の記録処理は、一般に複数回繰り返される。また、
図6では、測定結果の送信までに電池交換は1回行われているが、複数回行われることもある。複数回の電池交換の間に1又は複数回の血圧情報の測定が行われることもある。また、電池交換後の電源投入時処理を行った後に、血圧情報を測定することなく、測定結果を送信することもある。
【0078】
[血圧計からスマートフォンへの測定結果の送信]
図7は、血圧計10からスマートフォン20に測定結果を含むデータを送信する処理の手順を示すフローチャートである。
まず、制御部150が、通信部130を介して、スマートフォン20との通信を確立する。血圧計10とスマートフォン20との通信が確立すると、制御部150は送信時現在のRTCのカウント値を取得する(ステップS21)。本実施形態では、血圧計10とスマートフォン20との通信が確立した送信時現在の時点が基準日時に相当する。
【0079】
次に、制御部150は、不揮発
性メモリの所定領域から、電池交換前シーケンス番号を取得する(ステップS22)。
ここで、
図8A,
図8Bを参照して、測定結果記録部180のデータの構成について説明する。
図8A,
図8Bは、測定結果記録部180に記録されたデータの構成を模式的に示した図である。ここでは、不図示の測定結果には、昇順で付与されるシーケンス番号(
図8Aにおいてタイトル行「♯」の列に格納される。)が関連付けられている。そして、測定結果記録部180では、各測定結果に測定時のRTCのカウント値(
図8Aにおいてタイトル行「RTC」の列に格納されている。)が関連付けられている。
図8Aに示されているように、シーケンス番号1が付された測定結果の測定時のカウント値は4722237秒(以下、カウント値については単位を省略して数値のみ表記する。)である。シーケンス番号が大きい測定結果ほど、後に測定されているので、電源ONからの経過時間であるRTCのカウント値も大きくなっている。ただし、電池が交換されるとRTCのカウント値は、クリアされ0に戻る。上述したように、血圧計10では、電池交換後の電源投入時に、その時点での最新(最大)のシーケンス番号が電池交換前シーケンス番号として記憶されている。
図8Aではシーケンス番号27と28の測定との間で電池が交換されているので、シーケンス番号27が電池交換前シーケンス番号として記憶されている。
図8Aに即して説明すると、ステップS22では、電池交換前のシーケンス番号として「27」が取得される。
【0080】
次に、制御部150は、測定結果を新しい順に(ステップS23)、すなわちシーケンス番号の大きいものから降順で、測定結果記録部180から測定結果と測定時のRTCのカウント値を取得する(ステップS24)。
【0081】
そして、制御部150は、ステップS23で取得した測定結果のシーケンス番号がステップS22で取得した電池交換前シーケンス番号以下であるか否かを判断する(ステップS25)。
【0082】
ステップS25においてNoと判断された場合、すなわち、ステップS24で取得した測定結果のシーケンス番号がステップS22で取得した電池交換前シーケンス番号よりも大きい場合には、制御部150は、電池交換後の測定結果であるから電池交換フラグを0に設定する(ステップS26)。
図8Bに示す例では、シーケンス番号28から30までの測定結果が電池交換後のものであるから、電池交換フラグにOFFを表す0が設定されている。そして、制御部150は、差分時間として、ステップS21で取得した
送信時現
在のRTCのカウント値からステップS24で取得した測定結果の測定時のRTCのカウント値を減じた値を設定する(ステップS27)。
図8Bに示す例では、シーケンス番号30の測定結果に対して、ステップS27の差分計算式に従い、現在のRTCのカウント値2880から測定時のRTCのカウント値である2880を減じた値である0が、差分時間として設定される。シーケンス番号29の測定結果に対しても同様に、2880から1440を減じた値である1440が、差分時間として設定される。シーケンス番号28の測定結果に対しても同様に、2880から60を減じた値である2820が、差分時間として設定される。そして、制御部150は通信部130を介して、1件分の測定結果として、血圧情報と、シーケンス番号と、ステップS
26で設定された電池交換フラグの値と、ステップS27で設定された差分時間の値をスマートフォン20に送信する(ステップS28)。
【0083】
ステップS25においてYesと判断された場合、すなわち、ステップS24で取得した測定結果のシーケンス番号がステップS22で取得した電池交換前シーケンス番号以下である場合には、制御部150は、電池交換前の測定結果であるから電池交換フラグを1に設定する(ステップS29)。
図8Bに示す例では、シーケンス番号1~27の測定結果が電池交換前のものであるから、電池交換フラグにONを表す1が設定されている。シーケンス番号24以下の測定結果は既にスマートフォン20に送信済みであり、
図11に示すようにスマートフォン20上ではこれらの測定結果については測定日時が特定されている。そして、制御部150は、当該測定結果が最古の履歴であるか否かを判断する(ステップS
30)。ここでは、最古の履歴であるか否かはより小さいシーケンス番号の測定結果が測定結果記録部180に格納されているか否かによって判断する。
【0084】
ステップS30においてYesと判断された場合には、制御部150は、差分時間として「無効」と設定し(ステップS31)、ステップS28に進む。
図8Aに示す例では、シーケンス番号1の測定結果が最古の履歴であるため、差分時間として「無効」と設定している。
【0085】
ステップS30においてNoと判断された場合には、制御部150は、測定結果記録部180から一つ前の測定時のRTCのカウント値を取得する(ステップS32)。
【0086】
そして、制御部150は、ステップS32で取得した一つ前の測定時のRTCのカウント値が、ステップS24で取得したRTCのカウント値以下か否かを判断する(ステップS33)。
【0087】
ステップS33においてNoと判断された場合には、制御部150は、差分時間として
「無効」と設定し(ステップS34)、ステップS28に進む。通常は、ステップS32で取得した一つ前の測定時のRTCのカウント値は、ステップS24で取得したRTCのカウント値を超えることはないので、このような場合に測定結果のいずれかに誤りがあると考えられるので、差分時間として「無効」と設定する。
【0088】
ステップS33においてYesと判断された場合には、制御部150は、差分時間として、ステップS24で取得した測定時のRTCのカウント値から、ステップS
32で取得した一つ前の測定時のRTCのカウント値を減じた値を設定し(ステップS
35)、ステップS28に進む。
図8Bに示す例では、シーケンス番号27の測定結果に対して、ステップS35の差分計算式に従い、シーケンス番号27の測定結果のRTCのカウント値である4768317から一つ前の測定時のRTCであるシーケンス番号2
6の測定結果のRTCのカウント値である4766877を減じた値である1440が差分時間として設定される。シーケンス番号26の測定結果についても同様に、差分時間として1440が差分時間として設定される。シーケンス番号25の測定結果についても同様に、差分時間として1440が設定される。
【0089】
ステップS24からステップS28までの処理を、全ての測定結果について新しい測定結果から順に繰り返したら(ステップS36)、制御部150は、通信部130を介して、スマートフォン20との通信を切断して終了する。
【0090】
[血圧計から測定結果を受信したスマートフォンにおける測定日時特定処理]
図9は、血圧計10から測定結果を含むデータを、スマートフォン20において受信する処理の手順を示すフローチャートである。
【0091】
血圧計10との通信が確立され、通信が開始されると、制御部240は、時計部250から現在の日時情報を取得する(ステップS41)。
【0092】
次に、制御部240は、血圧計10との通信が終了するまで(ステップS42)、通信部210を介して測定結果を1件ずつ受信する(ステップS43)。このとき、血圧計10からは、シーケンス番号が大きいものから順に測定結果が送信されるので、スマートフォン20は、シーケンス番号が大きいものから順に測定結果を受信する。
制御部240では、受信したシーケンス番号(Sq)の測定結果が、測定結果記録部260に保存され、かつ、当該測定結果について有効な測定日時が特定されているか否かを判断する(ステップS44)。
【0093】
ステップS44においてNoと判断された場合には、当該測定結果を測定結果記録部260に保存し(ステップS45)、ステップS47に進む。
ステップS44においてYesと判断された場合には、当該測定結果を保存せずに破棄し(ステップS46)、ステップS47に進む。
【0094】
ステップS47では、ステップS43で受信した測定結果のシーケンス番号SqがSqmax-N+1であるか否かを判定する。ここで、Sqmaxとは、血圧計10から受信する測定結果のうちシーケンス番号が最大のものである。Nは、血圧計10の測定結果記録部180の測定結果メモリに記録できる件数である。Sqmaxは、血圧計10からは測定結果が最も大きいシーケンス番号のものから降順で送信されるので、最初に受信した測定結果のシーケンス番号を測定結果記録部260の所定領域に記憶しておいてもよいし、測定結果とは別に、血圧計10から送信するようにしてもよい。また、Nの値は、血圧計10とスマートフォン20とをペアリング等により認識可能とする際に、血圧計10からスマートフォン20に送信し、記憶部230の所定領域に記憶しておいてもよいが、Nの値の取得方法はこれに限られない。
【0095】
ステップS47においてYesと判断された場合には、通信を終了する。
ステップS47においてNoと判断された場合には、ステップS43に戻って、次の測定結果を受信する。
【0096】
図10は、
図9に従って受信した測定結果に対してスマートフォン20において実行される測定日時を特定する処理の手順を示すフローチャートである。以下に、
図10を参照して、制御部240における測定日時特定処理について説明する。
【0097】
制御部240は、ステップS43~ステップS46で受信した測定結果をシーケンス番号の小さいものから順に処理を繰り返す(ステップS51)。
【0098】
まず、制御部240は、測定結果記録部260から、ステップS43~ステップS46で受信した測定結果のうちシーケンス番号が最も小さいもの1件を取得する(ステップS52)。
制御部240は、ステップS52で取得した測定結果において、差分時間として設定されているデータが「無効」か否かを判断する(ステップS53)。
【0099】
ステップS53においてYesと判断された場合には、制御部240は、測定日時として「無効」と設定する(ステップS54)。そして、制御部240は、測定結果と測定日時を測定結果記録部260に記録する(ステップS55)。
【0100】
ステップS53においてNoと判断された場合には、制御部240は、電池が交換されているか否かを判断する(ステップS56)。ここでは、制御部240は、血圧計10から受信した測定結果に含まれる電池交換フラグの値に基づいて電池が交換されたか否かを判断する。
【0101】
ステップS56において電池交換されていない、すなわち電池交換フラグが0と判断された場合には、制御部240は測定日時として、ステップS41で取得した現在日時から、ステップS44で受信した測定結果に含まれる差分時間の値を減じた値を設定する(ステップS57)。そして、ステップS55に進む。
図11は、
図8A,
図8Bに示す例に対応する、測定結果記録部260に記録されたデータの構成を模式的に示した図である。
図11に示す例では、シーケンス番号28~30の測定結果の電池交換フラグが0に設定されている。このため、シーケンス番号30の測定結果については、ステップS57の日時計算式に従い、現在日時である7月5日10:00:00から、差分時間として設定されている0秒を減じた値である7月5日10:00:00が測定日時として設定される。シーケンス番号29の測定結果に対しても同様に、7月5日10:00:00から1440秒を減じた値である7月5日9:3
6:00が測定日時として設定される。シーケンス番号28の測定結果に対しても同様に、7月5日10:00:00から2820秒を減じた値である7月5日9:13:00が測定日時として設定される。
【0102】
ステップS56において電池交換されている、すなわち電池交換フラグが1と判断された場合には、制御部240は、測定結果記録部260から一つ前の測定日時の測定結果、すなわち、シーケンス番号が一つ小さい測定結果を取得する(ステップS58)。
【0103】
そして、制御部240は、ステップS58で取得した測定結果の測定日時として有効な値が設定されているか否かを判断する(ステップS59)。
【0104】
ステップS59においてNoと判断された場合、すなわち一つ前の測定日時の測定結果に含まれる測定日時として「無効」が設定されている場合には、ステップS52で取得し
た測定結果の測定日時についても「無効」と設定する(ステップS60)。そして、ステップS55に進む。
【0105】
ステップS59においてYesと判断された場合、すなわち一つ前の測定日時の測定結果に含まれる測定日時として有効な値が設定されている場合には、ステップS58で取得した一つ前の測定日時にステップS52で取得した測定結果に含まれる差分時間を加えた値を測定日時として設定する(ステップS61)。そして、ステップ55に進む。
図11に示す例では、シーケンス番号25の測定結果に含まれる電池交換フラグは1であり、一つ前の測定日時はシーケンス番号24の7月3日の10:24:00である。従って、この7月3日10:24:00に、シーケンス番号25の測定結果に含まれる差分時間である1440秒を加えた値である7月3日10:48:00が測定日時として設定される。シーケンス番号26の測定結果についても同様に、7月3日10:48:00に1440秒を加えた値である7月3日11:12:00が測定日時として設定される。シーケンス番号27の測定結果についても同様に、7月3日11:12:00に1440秒を加えた値である7月3日11:
36:00が測定日時として設定される。
【0106】
制御部240は、ステップS43~ステップS46で受信した測定結果について、シーケンス番号が最も大きいものまで、ステップS52~ステップS55の処理を繰り返す(ステップS62)。
【0107】
このように、本実施形態に係る健康情報管理システム1によれば、血圧計10に時計を備えることなく、スマートフォン20において測定日時情報を取得することができる。
【0108】
[測定日時が特定できない例外的なケース]
上述した処理により、スマートフォン20において、時計を備えない血圧計10によって行われた血圧情報の測定日時を特定することができるが、以下に述べるケースについては、例外的にスマートフォン20において、血圧計10による血圧情報の測定日時を特定することができない。
【0109】
[ケース1]
血圧計10から、何らかの理由により、スマートフォン20に測定結果が送信されない、又は、血圧計10から送信された測定結果が、何らかの理由によりスマートフォン20で受信されない場合である。このような場合には、スマートフォン20において、基準となる測定日時が保持されていないので、測定日時を特定することができない。
【0110】
[ケース2]
図12A,
図12B及び
図13を参照して、例外的なケース2について説明する。
図12A,
図12Bは、血圧計10の測定結果記録部180に記録されたデータの構成を模式的に示した図である。また、
図13は、スマートフォン20の測定結果記録部260のデータの構成を模式的に示した図である。
ここでは、血圧計10の測定結果記録部180に記録できる件数Nが有限であり、N件以上測定した場合には古い測定結果から順に消去される仕様となっている。そして、最後にスマートフォン20が測定結果を受信してからN回以上の測定が行われ、かつ、直近からN回以内の測定が行われる間に電池交換がなされた後に、血圧計10からスマートフォン20に測定結果を送信した場合がケース2に該当する。
【0111】
図12Aに示す例では、N=30であり、シーケンス番号1~5の5件については消去され、シーケンス番号6~35が記録されている。シーケンス番号1~5の測定結果については、既に、血圧計10からスマートフォン20に送信されており、
図13に示すように、シーケンス番号5の測定結果に対しては、6月16日16:42:00と測定日時が特定されている。血圧計10では、シーケンス番号5以前の測定結果が消去されているため、シーケンス番号6の測定結果については、差分計算式に従った差分時間の算出ができず、差分時間の設定が「無効」となってしまう。このため、スマートフォン20では、シーケンス番号6~32の測定結果については、基準となる測定日時がないので、測定日時を特定することができず、いずれの測定日時も「無効」と設定される。
【0112】
上述の処理において、測定日時として「無効」と設定された測定結果、すなわち、
図13に示す例ではシーケンス番号6~32の測定結果については、血圧計10から受信した差分時間のデータを測定結果記録部260に記憶するようにしてもよい。このようにすれば、測定日時として「無効」と設定されたデータについても、互いの測定日時の間隔は特定できるので、血圧情報の相対的な経時変化をタッチパネルディスプレイ220に表示することができる。
【0113】
図14に、血圧情報として最高血圧の経時変化の表示例を示す。
ここでは、シーケンス番号n以下及びシーケンス番号m以上の測定結果についてはそれぞれt
n,t
m等の測定日時が特定されているとする。一方、シーケンス番号k~k+3の測定結果についてはいずれも測定日時が「無効」と設定されている。このとき、シーケンス番号k~k+3の測定結果については、シーケンス番号k~k+1、シーケンス番号k+1~k+2、シーケンス番号k+2~k+3のそれぞれの測定日時の間隔T
k,T
k+1,T
k+2はRTCのカウント値によって特定できている。このため、これらのシーケンス番号に対応するデータの時間方向の間隔を、それぞれのRTCのカウント値の間隔に対応させて設定する。そして、測定日時が「無効」となっている測定結果の仮のグラフを、測定結果の時系列変化を示すグラフ中に配置する場合には、測定日時が「無効」となっている測定結果の時間方向の中央が、その前後の有効な測定日時の間の中央値に一致するように配置することができる。シーケンス番号k~k+3のデータの測定結果の仮のグラフを、それらの測定時間間隔の中央が、測定日時が「無効」となっている測定結果より古く、かつ測定日時が特定されている測定結果のうち最新のもの(シーケンス番号n)と、測定日時が「無効」となっている測定結果より新しく、かつ測定日時が特定されている測定結果のうち最古のもの(シーケンス番号m)のそれぞれの測定日時の中央値、ここでは(t
m+t
n)/2に一致するように最高血圧の測定結果の時系列グラフに配置する。
このようにすれば、正確な測定日時を特定できない測定結果についても、測定日時が特定できている他の測定結果との相対的な時系列変化を知ることができ、健康管理に有益な情報を提供することができる。
なお、
図14に示す例では、シーケンス番号nとシーケンス番号k、シーケンス番号k+3とシーケンス番号mとは必ずしも連続していない場合について説明したが、それぞれが連続していてもよい。
【0114】
[ケース3]
図15A,
図15B及び
図16を参照して、例外的なケース3について説明する。
図15A,
図15Bは、血圧計10の測定結果記録部180に記録されたデータの構成を模式的に示した図である。また、
図16は、スマートフォン20の測定結果記録部260のデータの構成を模式的に示した図である。
ケース3は、血圧計10が最後にスマートフォン20に測定結果を送信してから2回以上電池交換を行った場合である。このようなケースでは、最初の電池交換までの測定結果については測定日時を特定できるが、2回目の電池交換以降、最新の電池交換前までの測定結果については測定日時を特定することができない。
【0115】
図15Aに示す例では、シーケンス番号23とシーケンス番号24との間と、シーケンス番号27とシーケンス番号28との間で、2回の電池交換が行われている。シーケンス番号21~23、シーケンス番号25~27、シーケンス番号28~30については、実施
形態1において説明した差分計算式に従って差分時間を算出することができるが、シーケンス番号24の測定結果については差分計算ができないため、差分時間として「無効」が設定される。このとき、シーケンス番号1~20の測定結果については、既に血圧計10からスマートフォン20に測定結果が送信されているため、
図16に示すように、特定された測定日時が測定結果記録部260に記録されている。
従って、シーケンス番号21~23、シーケンス番号28~30の測定結果については、実施
形態1において説明した日時計算式に従って、測定日時を特定することができる。しかし、シーケンス番号24~27の測定結果については、基準となる測定日時がないので、測定日時を特定することができず、いずれの測定日時も「無効」と設定される。
【0116】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態に係る健康情報管理システム1のハードウエア構成は実施形態1と同様である。また、血圧計10による血圧情報の測定及び、血圧計における血圧情報の測定からスマートフォン20への測定結果の送信処理に至る処理の全体的な流れも実施形態1と同様である。実施形態1と同様の処理については同様の符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0117】
本実施形態では、血圧計10からスマートフォン20への測定結果の送信と、血圧計10から測定結果を受信したスマートフォン20における測定日時特定処理の詳細が実施形態1とは異なるので、これらの処理について以下に説明する。
【0118】
[血圧計からスマートフォンへの測定結果の送信]
図17は、実施形態2に係る血圧計10からスマートフォン20に測定結果を含むデータを送信する処理の手順を示すフローチャートである。実施形態1と共通の処理については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0119】
本実施形態では、測定結果メモリに記憶された全ての測定結果に電池交換フラグを付与してスマートフォン20に送信するのではなく、電池交換前シーケンス番号と同一のシーケンス番号が付された測定結果についてのみ電池交換フラグ1を付与して送信する。
【0120】
図17に示すように、制御部150は、測定結果記録部180から測定結果を取得すると当該測定結果のシーケンス番号(Sq)とステップS22で取得した電池交換前シーケンス番号(Sqc)とを比較する(ステップS71)。
【0121】
ステップS71において、Sq>Sqc、すなわち当該測定結果のシーケンス番号が電池交換前シーケンス番号よりも大きいと判断された場合には、電池交換後の測定結果であるから、ステップS27に進む。
【0122】
ステップS71において、Sq=Sqc、すなわち当該測定結果のシーケンス番号が電池交換前シーケンス番号と同一であると判断された場合には、電池交換フラグ1を付与し(ステップS72)、ステップS30に進む。
【0123】
ステップS71において、Sq<Sqc、すなわち当該測定結果のシーケンス番号が電池交換前シーケンス番号よりも小さいと判断された場合には、電池交換前の測定結果であるから、ステップS30に進む。
【0124】
ステップS27,ステップS30以降の処理は実施形態1と同様であるので詳細な説明を省略する。
このとき、ステップS28においてスマートフォン20に送信される測定結果には、電池交換前シーケンス番号と同一のシーケンス番号の測定結果にのみ電池交換フラグ1が含
まれ、他の測定結果には電池交換フラグは含まれない。
【0125】
[血圧計から測定結果を受信したスマートフォンにおける測定日時特定処理]
図18は、実施形態2に係る血圧計10から測定結果を含むデータを受信したスマートフォン20において測定日時を特定する処理の手順を示すフローチャートである。実施形態1と共通の処理については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図18に示す、スマートフォン20において実行される測定日時を特定する処理に先立ち、血圧計10から測定結果を含むデータを受信する処理は、
図9に示す実施形態1と共通である。ただし、本実施形態では、測定結果とともに電池交換フラグを含むデータを受信したときに、当該データのシーケンス番号、すなわちSqcを測定結果記録部260の所定領域に記憶しておく。
【0126】
本実施形態では、血圧計10から受信した測定結果のうち、電池交換フラグを含む測定結果は電池交換前シーケンス番号と同一のシーケンス番号が付された測定結果である。従って、シーケンス番号の降順に受信される測定結果のうち、電池交換フラグを受信する前の測定結果は電池交換後のものであり、電池交換フラグを受信した後の測定結果は電池交換前のものであると判断し、判断結果に応じて測定日時を特定する。
【0127】
まず、測定結果記録部260の所定領域から、電池交換フラグを含むデータのシーケンス番号Sqcを取得する(ステップS73)。
ステップS51~S55の処理は実施形態1と同様である。
ステップS53において差分時間が無効ではないと判断された場合に、制御部240は、ステップS52において取得した測定結果のシーケンス番号SqがSqc以下であるか否かを判断する(ステップS74)。
ステップS74においてNo、すなわち、シーケンス番号SqがSqcより大きい場合には、当該測定結果は電池交換後の測定結果であるので、ステップS57に進む。
ステップS74においてYes、すなわち、シーケンス番号SqがSqc以下である場合には、当該測定結果は電池交換前の測定結果であるので、ステップS58に進む。
ステップS54,ステップS57及びステップS58以降の処理は実施形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0128】
このように、血圧計10から測定結果を送信する際に、電池交換前シーケンス番号と同一のシーケンス番号が付された測定結果のみに電池交換フラグ1を付してスマートフォン20に送信することにより、測定結果の送信時の処理負荷を小さくすることができ、処理に要する時間も短縮できる。また、送信するデータ量も少なくなるので、送信時間も短縮することができる。
【0129】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3について説明する。本実施形態に係る健康情報管理システム1のハードウエア構成は実施形態1と同様である。また、血圧計10による血圧情報の測定及び、血圧計における血圧情報の測定からスマートフォン20への測定結果の送信処理に至る処理の全体的な流れも実施形態1と同様である。実施形態1と同様の処理については同様の符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0130】
本実施形態では、血圧計10からスマートフォン20への測定結果の送信と、血圧計10から測定結果を受信したスマートフォン20における測定日時特定処理の詳細が実施形態1とは異なるので、これらの処理について以下に説明する。
【0131】
[血圧計からスマートフォンへの測定結果の送信]
図19は、実施形態3に係る血圧計10からスマートフォン20に測定結果を含むデー
タを送信する処理の手順を示すフローチャートである。実施形態1と共通の処理については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0132】
本実施形態では、測定結果メモリに記憶された測定結果とは別に、電池交換前シーケンス番号を血圧計10からスマートフォン20に送信する。
【0133】
図19に示すように、制御部150は、測定結果記録部180の所定領域に記憶されている電池交換前シーケンス番号を取得し(ステップS22)、これを、通信部130を介してスマートフォン20に送信する(ステップS75)。
ステップS23以降の処理は、実施形態1と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0134】
[血圧計から測定結果を受信したスマートフォンにおける測定日時特定処理]
図20は、実施形態3に係る血圧計10から測定結果を含むデータを、スマートフォン20において受信する処理の手順を示すフローチャートである。実施形態1と共通の処理については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0135】
ステップS41において、制御部240が現在日時を取得した後に、血圧計10から電池交換前シーケンス番号を受信する(ステップS76)。
ステップS42以降の処理は、
図9に示す実施形態1と共通である。
【0136】
図21は、
図20に従って受信した測定結果に対してスマートフォン20において実行される測定日時を特定する処理の手順を示すフローチャートである。以下に、
図21を参照して、制御部240における測定日時特定処理について説明する。
【0137】
本実施形態では、血圧計10から受信した測定結果に付されたシーケンス番号が、電池交換前シーケンス番号より大きいか否かを判断し、電池交換前シーケンス番号より大きなシーケンス番号が付された測定結果は電池交換後のものであり、電池交換前シーケンス番号以下のシーケンス番号が付された測定結果は電池交換前のものであると判断し、判断結果に応じて測定日時を特定する。
【0138】
制御部240は、ステップS43~ステップS46で受信した測定結果をシーケンス番号の小さいものから順に処理を繰り返す(ステップS51)。
まず、制御部240は、測定結果記録部260から、ステップS43~ステップS46で受信した測定結果のうちシーケンス番号が最も小さいもの1件を取得(ステップS52)、差分時間が無効であるか否かを判断する(ステップS53)。
【0139】
ステップS53において差分時間が無効でないと判断された場合には、制御部240は、当該測定結果に付されたシーケンス番号(Sq)が電池交換前シーケンス番号(Sqc)よりも大きいか否かを判断する(ステップS77)。
【0140】
ステップS77において当該測定結果に付されたシーケンス番号(Sq)が電池交換前シーケンス番号(Sqc)よりも大きいと判断された場合には、ステップS57に進む。
ステップS77において当該測定結果に付されたシーケンス番号(Sq)が電池交換前シーケンス番号(Sqc)以下であると判断された場合には、ステップS58に進む。
ステップS54,ステップS57及びステップS58以降の処理は実施形態1と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0141】
このように、血圧計10から測定結果を送信する際に、電池交換前シーケンス番号を測定結果とは別にスマートフォン20に送信することにより、各測定結果に電池交換フラグを付して送信する場合に比べて測定結果の送信時の処理負荷を小さくすることができ、処
理に要する時間も短縮できる。また、送信するデータ量も少なくなるので、送信時間も短縮することができる。
【0142】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4について説明する。本実施形態に係る健康情報管理システム1のハードウエア構成は実施形態1と同様である。また、血圧計10による血圧情報の測定及び、血圧計における血圧情報の測定からスマートフォン20への測定結果の送信処理に至る処理の全体的な流れも実施形態1と同様である。実施形態1と同様の処理については同様の符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0143】
本実施形態では、血圧計10からスマートフォン20への測定結果の送信と、血圧計10から測定結果を受信したスマートフォン20における測定日時特定処理の詳細が実施形態1とは異なる。実施形態1~3では、血圧計10において測定時のRTC等から差分時間を算出し、これをスマートフォン20に送信していた。そして、スマートフォン20において、差分時間と電池交換フラグ等に基づいて測定日時を特定していた。本実施形態では、血圧計10において差分時間を算出することなく、測定時のRTC等をスマートフォン20に送信し、スマートフォン20において差分時間等に基づいて測定日時を特定している。
なお、実施形態1において説明した通常の処理についても、本実施形態と同様に、血圧計10から測定時のRTCのカウント値を測定値とともにスマートフォン20に送信するようにしてもよい。この場合には、
図5のステップS4で送信時現在のRTCのカウント値を取得した後に、これをスマートフォン20に送信しておく。そして、スマートフォン20側で、送信時現在のRTCのカウント値と測定時のRTCのカウント値との差分を算出し、送信時現在の日時情報からRTCのカウント値の差分を減算することにより、測定日時を算出することができる。
【0144】
[血圧計からスマートフォンへの測定結果の送信]
図22は、実施形態4に係る血圧計10からスマートフォン20に測定結果を含むデータを送信する処理の手順を示すフローチャートである。
【0145】
まず、制御部150が、通信部130を介して、スマートフォン20との通信を確立する。血圧計10とスマートフォン20との通信が確立すると、制御部150は送信時現在のRTCのカウント値を取得する(ステップS81)。
【0146】
次に、制御部150は、取得した送信時現在のRTCのカウント値を、通信部130を介してスマートフォン20に送信する(ステップS82)。
【0147】
次に、制御部150は、測定結果記録部180の所定領域から、電池交換前シーケンス番号を取得する(ステップS83)。
【0148】
次に、制御部150は、測定結果を新しい順に(ステップS84)、すなわちシーケンス番号の大きいものから降順で、測定結果記録部180から測定結果としての血圧情報と測定時のRTCのカウント値を取得する(ステップS85)。
【0149】
そして、制御部150は、ステップS85で取得した測定結果のシーケンス番号がステップS83で取得した電池交換前シーケンス番号以下であるか否かを判断する(ステップS86)。
【0150】
ステップS86においてNoと判断された場合、すなわち、ステップS85で取得した測定結果のシーケンス番号がステップS83で取得した電池交換前シーケンス番号よりも
大きい場合には、制御部150は、電池交換後の測定結果であるから電池交換フラグを0に設定する(ステップS87)。
【0151】
そして、制御部150は通信部130を介して、1件分の測定結果として、血圧情報と、測定時のRTCのカウント値と、電池交換フラグをスマートフォン20に送信する(ステップS88)。
【0152】
ステップS86においてYesと判断された場合、すなわち、ステップS85で取得した測定結果のシーケンス番号がステップS83で取得した電池交換前シーケンス番号以下である場合には、制御部150は、電池交換前の測定結果であるから電池交換フラグを1に設定する(ステップS89)。そして、ステップS88に進む。
【0153】
ステップS85からステップS88までの処理を、全ての測定結果について新しい測定結果から降順で繰り返したら(ステップS90)、制御部150は、通信部130を介して、スマートフォン20との通信を切断して終了する。
【0154】
[血圧計から測定結果を受信したスマートフォンにおける測定日時特定処理]
図23は、実施形態4に係る血圧計10から測定結果を含むデータを、スマートフォン20において受信する処理の手順を示すフローチャートである。実施形態1と共通の処理については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0155】
血圧計10との通信が確立され、通信が開始されると、制御部240は、時計部250から現在の日時情報を取得する(ステップS41)。
【0156】
次に、制御部240は、血圧計10から通信部210を介して送信時のRTCのカウント値を受信する(ステップS78)。受信した送信時のRTCのカウント値は、記憶部230に含まれる不揮発性メモリの所定領域に記憶される。
ステップS42以降の処理は、
図9に示す実施形態1と共通である。
【0157】
図24は、
図23に従って受信した測定結果に対してスマートフォン20において実行される測定日時を特定する処理の手順を示すフローチャートである。以下に、
図24を参照して、制御部240における測定日時特定処理について説明する。
【0158】
制御部240は、ステップS43~ステップS46で受信した測定結果についてシーケンス番号の小さいものから順に処理を繰り返す(ステップS91)。
次に、制御部240は、測定結果記録部260から測定結果を1件ずつ取得する(ステップS92)。
【0159】
次に、制御部240は、ステップS92で取得した測定結果に含まれる電池交換フラグの値が0及び1のいずれであるかを判断する(ステップS93)。
【0160】
ステップS93において電池交換フラグの値が0と判断された場合とは、すなわち、ステップS92で取得した測定結果が電池交換後のものである場合である。この場合には、
制御部240は、差分時間として、ステップS78で受信した送信時のRTCのカウント値からステップS92で取得した測定結果の測定時のRTCのカウント値を減じた値を設定する(ステップS94)。
【0161】
次に、制御部240は、測定日時として、ステップS41で取得した現在日時から、ステップS94で算出した差分時間の値を減じた値を設定する(ステップS95)。そして、このようにして設定された測定日時を測定結果記録部260に記録する(ステップS9
6)。
【0162】
ステップS93において電池交換フラグの値が1と判断された場合、すなわち、ステップS92で取得した測定結果が電池交換前のものである場合には、制御部240は、当該測定結果が最古の履歴であるか否かを判断する(ステップS97)。ここでは、最古の履歴であるか否かはより小さいシーケンス番号の測定結果が受信されるか否かによって判断する。
【0163】
ステップS97においてYesと判断された場合には、制御部240は、差分時間として「無効」と設定し(ステップS98)、測定日時として「無効」と設定する(ステップS99)。そして、ステップS96に進む。
【0164】
ステップS97においてNoと判断された場合には、制御部240は、一つ前の測定時のRTCのカウント値を取得する(ステップS100)。
【0165】
そして、制御部240は、ステップS100で取得した一つ前の測定時のRTCのカウント値が、ステップS92で受信したRTCのカウント値以下か否かを判断する(ステップ101)。
【0166】
ステップS101においてNoと判断された場合には、制御部240は、差分時間として「無効」と設定し(ステップS102)、測定日時として「無効」と設定する(ステップS103)。そして、ステップS96に進む。
【0167】
ステップS101においてYesと判断された場合には、制御部240は、差分時間として、ステップS72で受信した測定時のRTCのカウント値から、ステップS100で取得した一つ前の測定時のRTCのカウント値を減じた値を設定する(ステップS104)。そして、一つ前の測定日時を取得する(ステップS105)。
【0168】
次に、制御部240は、ステップS105で取得した測定結果の測定日時として有効な値が設定されているか否かを判断する(ステップS106)。
【0169】
ステップS106においてNoと判断された場合、すなわち一つ前の測定日時の測定結果に含まれる測定日時として「無効」が設定されている場合には、ステップS92で取得した測定結果の測定日時についても「無効」と設定する(ステップS107)。そして、ステップS96に進む。
【0170】
ステップS106においてYesと判断された場合、すなわち一つ前の測定日時の測定結果に含まれる測定日時として有効な値が設定されている場合には、ステップS105で取得した一つ前の測定日時にステップS104で算出した差分時間を加えた値を測定日時として設定する(ステップS108)。そして、ステップS96に進む。
【0171】
制御部240は、ステップS43~ステップS46で受信した測定結果について、シーケンス番号が最も大きいものまで、ステップS93~ステップS96の処理を繰り返す(ステップS109)。
【0172】
このように、本実施形態に係る健康情報管理システム1によれば、血圧計10に時計を備えることなく、スマートフォン20において測定日時情報を取得することができる。
また、このように血圧計10からスマートフォン20に測定結果を送信する際に差分時間を血圧計10側で算出することなく、測定時のRTCのカウント値をそのままスマートフォン20側に送信し、スマートフォン20側で必要な差分時間を算出することにより、
血圧計10の送信時の処理負荷を軽減することができ、処理に要する時間を短縮することができる。
【0173】
実施形態4では、血圧計10において電池交換前シーケンス番号以下のシーケンス番号が付された全ての測定結果に対して電池交換フラグ1を付与してスマートフォン20に送信しているが、実施形態2と同様に、電池交換前シーケンス番号と同一のシーケンス番号が付された測定結果についてのみ電池交換フラグ1を付与してスマートフォン20に送信するようにしてもよい。また、実施形態3と同様に、測定結果メモリに記憶された測定結果とは別に、電池交換前シーケンス番号を血圧計10からスマートフォン20に送信するようにしてもよい。
【0174】
<実施形態5>
次に、本発明の実施形態5について説明する。本実施形態に係る健康情報管理システム1のハードウエア構成は実施形態1と同様である。本実施形態では、実施形態4と同様に、血圧情報測定時のRTCのカウント値を血圧計10からスマートフォン20に送信し、RTCのカウント値の差分計算はスマートフォン20側で行う。実施形態1及び実施形態4と同様の処理については同様の符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0175】
本実施形態では、血圧計10の電池交換履歴に関する電池交換履歴情報として、現在までの電池交換の回数を示す電池交換回数情報を記憶部170に含まれる不揮発性メモリの所定領域に保持している。この電池交換回数情報は、初期値を0とし、電池交換後の最初の電源投入時に1ずつカウントアップされる。
【0176】
[血圧計による血圧情報の測定]
図25は、本実施形態に係る血圧計10による血圧情報の測定と測定結果の記録との処理手順を示すフローチャートである。
測定処理(ステップS1)、RTCのカウント値取得(ステップS2)については実施形態1と同様である。本実施形態では、制御部150が血圧情報測定時の電池交換回数情報を、記憶部170の所定領域から取得する(ステップS111)。そして、測定結果を記録する際(ステップS3)には、制御部150は、血圧情報の測定値、RTCのカウント値に加えて、電池交換回数情報も測定結果記録部180に記憶する。
【0177】
[スマートフォンへの測定結果の送信]
図26は、本実施形態に係る血圧計10からスマートフォン20への測定結果の送信処理の流れを示すフローチャートである。
制御部150がスマートフォン20との通信確立後に送信時現在のRTCのカウント値を取得し(ステップS81)、通信部130を介してスマートフォン20に送信する(ステップS82)。本実施形態では、次に、制御部150は、記憶部170の所定領域から最新の電池交換回数情報を取得し(ステップS112)、通信部130を介してスマートフォン20に送信する(ステップS113)。
【0178】
次に、制御部150は、測定結果を新しい順に(ステップS114)、すなわちシーケンス番号の大きいものから降順で、測定結果記録部180から測定結果としての血圧情報と測定時のRTCのカウント値と測定時の電池交換回数情報を取得する(ステップS115)。そして、制御部150は、通信部130を介して、1件分の測定結果としての血圧情報と測定時のRTCのカウント値と測定時の電池交換回数情報をスマートフォン20に送信する(ステップS116)。
【0179】
ステップS115及びステップS116の処理を、全ての測定結果について新しい測定結果から降順で繰り返したら(ステップS117)、制御部150は、通信部130を介
して、スマートフォン20との通信を切断して終了する。
【0180】
[血圧計から測定結果を受信したスマートフォンにおける測定日時特定処理]
図27は、血圧計10から測定結果を含むデータを、スマートフォン20において受信する処理の手順を示すフローチャートである。
【0181】
血圧計10との通信が確立され、通信が開始されると、制御部240は、時計部250から現在の日時情報を取得する(ステップS41)。
【0182】
次に、制御部240は、血圧計10から通信部210を介して送信時のRTCのカウント値を受信する(ステップS77)。受信した送信時のRTCのカウント値は、記憶部230に含まれる不揮発性メモリの所定領域に記憶される。
そして、制御部240は、血圧計10から通信部210を介して最新の電池交換回数情報を受信する(ステップS118)。受信した最新の電池交換回数情報は、記憶部230に含まれる不揮発性メモリの所定領域に記憶される。
ステップS42以降の処理は、
図9に示す実施形態1と共通である。
【0183】
図28は、
図27に従って受信した測定結果に対してスマートフォン20において実行される測定日時を特定する処理の手順を示すフローチャートである。
図29Aは、本実施形態に係る血圧計10における測定結果記録部180のデータ構成の一例を示す図である。
図29Bは、本実施形態に係るスマートフォン20における測定日時の特定処理の具体例とデータ構成の一部の例を示す図である。以下に、
図28を参照して、制御部240における測定日時特定処理について説明する。
図29Aに示す例では、血圧計10の測定結果記録部180に記録できる件数が30件である。この例では、シーケンス番号23の測定と、シーケンス番号24の測定の間で1回目の電池交換が行われ、シーケンス番号27の測定と、シーケンス番号28の測定との間で2回目の電池交換が行われている。このため、シーケンス番号1~23については電池交換回数情報として0が記録され、シーケンス番号24~27について電池交換回数情報として1が記録され、シーケンス番号28~30については電池交換回数情報として2が記録されている。ここでは、最新の電池交換回数は2となる。また、
図29Bでは、血圧情報に加えて、電池交換回数情報、測定結果のRTCのカウント値も記録される。
図29Bに示す例では、測定時のシーケンス番号1及びシーケンス番号25の測定結果については、スマートフォン20に適切に送信され、有効な測定日時が特定されている。
【0184】
制御部240は、記憶部230の所定領域に記憶されている最新の電池交換回数情報を取得する(ステップS116)。
図29Aの例では、「2」が取得される。
次に、制御部240は、ステップS43~ステップS46で受信した測定結果についてシーケンス番号の小さいものから順に処理を繰り返す(ステップS117)。
【0185】
まず、制御部240は、測定結果記録部260から測定結果を1件ずつ取得する(ステップS118)。
そして、制御部240は、ステップS118で取得した測定結果に含まれる電池交換回数情報(Ch)がステップS116で受信した最新の電池交換回数情報(Chp)と等しいか否かを判断する(ステップS119)。ここでは、上述のように、Chp=2である。
【0186】
ステップS119においてCh=Chpと判断された場合とは、すなわち、ステップS118で取得した測定結果の測定後にはまだ電池交換が行われていない場合である。この場合には、制御部240は、差分時間として、ステップS77で受信した送信時のRTCのカウント値からステップS118で取得した測定結果の測定時のRTCのカウント値を減じた値を設定する(ステップS120)。
図29Aの例では、シーケンス番号28~30の測定結果については、送信時のRTCのカウント値2880から、各測定結果の測定
時のRTCのカウント値である2880,1440,60を減じた差分時間0,1440,2820が得られる。
次に、制御部240は、測定日時として、ステップ41で取得した現在日時から、ステップS12
0で算出した差分時間の値を減じた値を設定する(ステップS121)。そして、このようにして設定された測定日時を測定結果記録部260に記録する(ステップS122)。
図29Aの例では、シーケンス番号30~28の測定結果の測定日時が、現在日時である7月5日10:00:00から差分時間0,1440,2820を減じることにより、7月5日の10:00:00,9:3
6:00,
9:13:00と特定される。
【0187】
ステップS119においてCh=Chpではないと判断された場合とは、すなわち、ステップS118で取得した測定結果の測定後に少なくとも1回の電池交換が行われている場合である。この場合には、制御部240は、測定結果記録部260に記録された測定結果のうち、ステップS118において取得した測定結果と同じ電池交換回数情報を有する測定結果を検索し(ステップS123)、同じ電池交換回数情報を有し、かつ、有効な測定日時が記録されている測定結果があるか否かを判断する(ステップS124)。
図29Bの例では、シーケンス番号1~27の測定結果については、電池交換回数は2ではないので、測定結果記録部260に記録された測定結果が検索される。そして、電池交換回数0回の測定結果には、有効な測定日時が特定されている測定結果としてシーケンス番号1の測定結果があると判断され、電池交換回数1回の測定結果には、有効な測定日時が特定されている測定結果としてシーケンス番号25の測定結果があると判断される。
【0188】
ステップS124においてNoと判断された場合には、ステップS118で取得した測定結果について測定日時を特定することができないので、測定日時として「無効」と設定し(ステップS125)、ステップS122に進む。
【0189】
ステップS124においてYesと判断された場合には、制御部240は、測定結果記録部260に記録された測定結果のうち、ステップS118において取得した測定結果と同じ電池交換回数情報を有し、かつ、有効な測定日時が記録されている測定結果を基準データとして取得する(ステップS126)。基準データとなり得る測定結果が複数件ある場合には、例えば、シーケンス番号が最も小さい測定結果を選択するが、後述する処理のためにはいずれか1件を選択すればよいので、選択条件はこれに限られない。
図29Bの例では、電池交換回数0回の測定結果からはシーケンス番号1の測定結果が基準データとして取得され、電池交換回数1回の測定結果からはシーケンス番号25の測定結果が基準データとして取得される。
【0190】
次に、制御部240は、基準データの測定時のRTCのカウント値が、ステップS118で取得した測定結果の測定時のRTCのカウント値以下であるか否かを判断する(ステップS127)。
【0191】
ステップS127においてYesと判断された場合には、制御部240は、差分時間として、ステップS118で取得した測定結果の測定時のRTCのカウント値から基準データの測定時のRTCのカウント値を減じた値を設定する(ステップS128)。そして、制御部240は、基準データの測定日時を取得し(ステップS129)、ステップS118で取得した測定結果の測定日時として、ステップS129で取得した測定日時に、ステップS128で設定した差分時間を加えた値を設定する(ステップS130)。そして、ステップS122に進む。
図29Bの例では、シーケンス番号20~23、シーケンス番号26,27の測定結果については、基準データのRTCカウント値がそれぞれの測定時のRTCのカウント値以下である。従って、シーケンス番号20~23の測定結果の測定時のRTCのカウント値から基準データのカウント値4722237を減じることにより、41
760,43200,44640,46080が差分時間として得られる。そして、これらの差分時間を基準データの測定日時である6月17日20:10:00に加えることにより、シーケンス番号20~23の測定結果の測定日時が、6月18日
7:4
6:20,
8:10:00,
8:
34:
00,
8:5
8:
00として特定される。また、シーケンス番号26,27の測定結果の測定時のRTCのカウント値から基準データのカウント値1440を減じることにより、1440,2880が差分時間として得られる。そしてこれらの差分時間を基準データの測定日時である7月3日10:48:00に加えることにより、シーケンス番号26,27の測定結果の測定日時が7月3日11:12:00,11:
36:00として特定される。
【0192】
ステップS127においてNoと判断された場合には、制御部240は、差分時間として、基準データの測定時のRTCのカウント値から、ステップS118で取得した測定結果の測定時のRTCのカウント値を減じた値を設定する(ステップS131)。そして、制御部240は、基準データの測定日時を取得し(ステップS132)、ステップS118で取得した測定結果の測定日時として、ステップS132で取得した測定日時から、ステップS131で設定した差分時間を減じた値を設定する(ステップS133)。そして、ステップS122に進む。
図29Bの例では、シーケンス番号24の測定結果の測定時のRTCのカウント値60よりも、基準データのRTCのカウント値1440が大きい。従って、基準データの測定時のRTCのカウント値1440から、シーケンス番号24の測定結果の測定時のRTCのカウント値60を減じることにより、1380が差分時間として得られる。そして、この差分時間を基準データの測定日時である7月3日10:48:00から減じることにより、シーケンス番号24の測定結果の測定日時が7月3日10:24:00と特定される。
なお、ステップS126で基準データを取得した以降の処理として、基準データの測定時のRTCのカウント値がステップS118で取得した測定結果の測定時のRTCのカウント値より大きい場合にも、差分時間として、ステップS118で取得した測定結果の測定時のRTCのカウント値から基準データの測定時のRTCのカウント値を減じた値(すなわち負の値)を設定し、ステップS118で取得した測定結果の測定日時として、基準データの測定日時に差分時間を加えた値を設定する(すなわち基準データの測定日時よりも前の日時を設定する)ようにしてもよい。このようにすれば、ステップS131~ステップS133の処理はステップS128~ステップS130と等価となるので、ステップS127の判断を省略することができる。
【0193】
このように、本実施形態によれば、血圧計10からスマートフォン20に送信されていない、又は、血圧計10からスマートフォン20に送信されたもののスマートフォン20で受信されていない測定結果の件数にかかわらず、スマートフォン20の測定結果記録部260に同じ電池交換回数情報を有し、かつ、有効な測定日時が特定されている測定結果が1件でも記録されていれば、測定日時の特定が可能となる。また、RTCのカウント値の差分処理を血圧計10では行わないので、血圧計10の処理負荷も少ない。
【0194】
図30Aは、本実施形態に係る血圧計10における測定結果記録部180のデータ構成の他の例を示す図である。
図30Bは、本実施形態に係るスマートフォン20における測定日時の特定処理の具体例とデータ構成の一部の他の例を示す図である。
この例では、血圧計10において、測定結果記録部180が記録し得る30件を超える35回の血圧情報の測定が行われたため、測定結果記録部180のデータが上書きされ、シーケンス番号5以下の測定結果は記録されていない。また、
図30Aに示すシーケンス番号6~35の測定結果は、スマートフォン20に送信されていない、又は、血圧計10から送信されたもののスマートフォン20では受信されていない場合である。ただし、スマートフォン20では、シーケンス番号5の測定結果が受信されており、この測定結果は
電池交換回数情報が0であり、有効な測定日時6月17日19:50:00が特定されている。
【0195】
図30Aに示す例におけるシーケンス番号6の測定結果については、ステップS123において測定結果記録部260から電池交換回数情報が0である測定結果を検索すると、シーケンス番号5の測定結果があるので、ステップS124においてYesと判断される。そして、シーケンス番号5の測定結果を基準データとし、その測定時のRTCのカウント値4721037を用いて、ステップS128~130の処理に従い、シーケンス番号6の測定結果の測定日時が6月17日20:10:00と特定される。同様に、シーケンス番号29~31の測定結果についても測定日時が特定される(図上省略しているシーケンス番号7~28の測定結果についても同様である。)。シーケンス番号32~35の測定結果については、ステップS119~ステップS121の処理に従って、測定日時が特定される。シーケンス番号32~35の測定結果についての測定日時はステップS120~122に従って特定されるが、詳細な説明は省略する。
【0196】
このように、血圧計10において測定結果が送信されることなく、測定結果記録部180に記録された測定結果が上書きされてしまったとしても、同じ電池交換回数情報を有し、かつ、有効な測定日時が特定されている測定結果がスマートフォン20にあれば、測定日時の特定が可能となる。
【0197】
本実施形態では、血圧計10では、血圧情報の測定時のRTCのカウント値と送信時のRTCのカウント値との差分を算出していない。しかし、血圧情報の測定時の電池交換回数情報が、送信時の最新の電池交換回数情報と一致する測定結果については、血圧計10でRTCのカウント値の差分を算出し、算出された差分を血圧情報とともにスマートフォン20に送信するようにしてもよい。
【0198】
本実施形態では、血圧計10から送信された測定結果に含まれる電池交換回数情報と同じ電池交換回数情報を含む測定結果が、測定結果記録部260に蓄積されていない場合には、測定日時を特定することができず、測定日時は「無効」と設定される。このように測定日時が「無効」と設定された測定結果については、実施形態1の例外的なケース2について説明したように、測定日時が「無効」と設定された測定結果を
図14に示すような態様で利用することができる。電池交換回数情報を用いる場合には、一つの電池交換回数の全ての測定結果について測定日時が「無効」と設定される場合に限らず、複数の電池交換回数の全ての測定結果について測定日時が「無効」と設定される場合もあり得る。以下では、電池交換回数2回の全ての測定結果と、電池交換回数3回の全ての測定結果について、測定日時が「無効」と設定されている場合について説明する。全ての測定結果について測定日時が「無効」と設定される電池交換回数が三つ以上ある場合も同様である。
【0199】
図31に、血圧情報として最高血圧の経時変化の表示例を示す。
ここでは、電池交換回数が1回のシーケンス番号n以下及び電池交換回数が4回のシーケンス番号m以上の測定結果についてはそれぞれt
n,t
m等の測定日時が特定されているとする。一方、電池交換回数が2回のシーケンス番号j~j+2の測定結果については、シーケンス番号j~j+1、シーケンス番号j+1~j+2のそれぞれの測定日時の間隔T
j,T
j+1はRTCのカウント値によって特定できている。同様に、電池交換回数が3回のシーケンス番号k~k+1の測定結果についても、測定日時の間隔T
kはRTCのカウント値によって特定できている。このため、これらのシーケンス番号に対応するデータの時間方向の間隔を、それぞれのRTCのカウント値の間隔に対応させて設定する。そして、測定日時が「無効」と設定されている測定結果の仮のグラフを、測定結果の時系列変化を示すグラフ中に配置する場合には、測定日時が「無効」と設定されている測定結果の前後の有効な測定日時の間を、測定日時が「無効」となっている測定結果の電池交換
回数に対して所定の割合に分割する。そして、測定日時が「無効」と設定されている測定結果の時間方向の中央t
c1,t
c2が、分割された複数の時間間隔のそれぞれの中央値に一致するように、測定日時が「無効」と設定されている測定結果の仮のグラフを配置することができる。
図31では、測定日時が「無効」と設定されている測定結果の前後の有効な測定日時であるt
mとt
nとの間を、各電池交換回数の測定結果の点数に応じた割合に分割している。すなわち、電池交換回数2回の測定結果が3点、電池交換回数3回の測定結果が2点であるので、t
m-t
nを3:2に分割した時点(t
m-t
n)*3/5によって、各電池交換回数の測定結果の仮のグラフを配置する領域を分割する。そして、シーケンス番号j~j+2の測定結果の仮のグラフの中央t
c1は、t
c1={(t
m-t
n)*3/5-t
n}/2に配置され、シーケンス番号k~k+1の測定結果の仮のグラフの中央t
c2は、t
c2={t
m-(t
m-t
n)*3/5}/2に配置される。
【0200】
このようにすれば、正確な測定日時を特定できない測定結果についても、測定日時が特定できている他の測定結果との相対的な時系列変化を知ることができ、健康管理に有益な情報を提供することができる。
【0201】
測定日時が「無効」と設定されている測定結果の仮のグラフを、測定結果の時系列変化を示すグラフ中に配置する方法は上述のものに限られない。例えば
、無効となっている測定結果の前後の有効な測定日時であるt
mとt
nとの間を、各電池交換回数の測定結果の点数に応じた割合に分割しているが、t
m-t
nを、各電池交換回数の測定結果のRTCのカウント値の時間方向の幅に応じて分割してもよい。
図31に示す例では、電池交換回数2回の測定結果のRTCのカウント値の時間方向の幅は、T
j+T
j+1であり、電池交換回数3回の測定結果のRTCのカウント値の時間方向の幅は、T
kである。従って、t
m-t
nを(T
j+T
j+1):T
kの割合で分割した時点によって、各電池交換回数の測定結果の仮のグラフを配置する複数の時間間隔に分割する。そして
、測定日時が「無
効」となっている測定結果の時間方向の中央t
c1,t
c2が、このように分割された複数の時間間隔のそれぞれの中央値に一致するように、測定日時が「無効」と設定されている測定結果の仮のグラフを配置することができる。
【0202】
<その他>
上記の各例の説明は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明は、その技術的思想の範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。
【0203】
例えば測定部は血圧計以外に、体重計、体組成計、脈拍計、体温計などの他の身体情報測定機器であってもよい。また、歩数計や、トレッドミル、エアロバイク(登録商標)などにおける運動量を計測する活動量計であってもよい。この場合には、表示部に表示させる計測対象量は、歩数、走行(歩行)距離などであってもよいし、推定消費熱量などの値であってもよいし、これらの両方を表示するようにしてもよい。また、測定部は、室温、湿度、騒音、照度などの環境情報を測定する環境センサ機器であってもよい。
【0204】
また、測定日時算出部を有する装置はスマートフォンにかぎらず、タブレット端末などの他の携帯情報端末であってもよいし、据置型の装置であってもよい。
【符号の説明】
【0205】
1・・・健康情報管理システム
10・・・血圧計
130、210・・・通信部
150、240・・・制御部
170、230・・・記憶部
180,260・・・測定結果記録部
20・・・スマートフォン