(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】表示プログラム、表示方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04L 67/562 20220101AFI20230328BHJP
G06F 8/70 20180101ALI20230328BHJP
【FI】
H04L67/562
G06F8/70
(21)【出願番号】P 2019139828
(22)【出願日】2019-07-30
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古市 佑哉
(72)【発明者】
【氏名】杉井 潤
(72)【発明者】
【氏名】沢田 寿志
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-121298(JP,A)
【文献】特開2006-309497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 8/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが1以上の端末装置を含む、1または複数の端末装置グループについて、前記端末装置グループに対して配信される更新プログラムの情報と、サポート期間とを対応付けた更新プログラム情報を取得し、
前記更新プログラム情報を基にして、前記1または複数の端末装置グループに対して配信される更新プログラムのサポート期間を特定し、
前記1または複数の端末装置グループに関する情報を一覧表示する際に、前記1または複数の端末装置グループそれぞれの識別情報と対応付けて、前記1または複数の端末装置グループそれぞれに対応する更新プログラムがサポート期間内であるか否かを識別する情報を、前記サポート期間に基づいて表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
【請求項2】
前記取得する処理が取得する、前記更新プログラム情報の前記1または複数の端末装置グループはそれぞれ、端末装置グループ固有のポリシーでソフトウェアが設定された1以上の端末装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示プログラム。
【請求項3】
前記更新プログラム情報は、該更新プログラム情報の配布日時の情報が付与され、前記配布日時を基準として、前記更新プログラムがサポート期間内であるか否かを判定する処理を更に実行することを特徴とする請求項1または2に記載の表示プログラム。
【請求項4】
前記表示する処理は、前記識別情報と対応付けて、配信対象となるパッチの選択の基準の情報を表示し、前記特定する処理は、前記選択の基準の情報を基にして、複数の更新プログラムから、前記選択の基準の情報に対応する更新プログラムのサポート期間を特定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の表示プログラム。
【請求項5】
それぞれが1以上の端末装置を含む、1または複数の端末装置グループについて、前記端末装置グループに対して配信される更新プログラムの情報と、サポート期間とを対応付けた更新プログラム情報を取得し、
前記更新プログラム情報を基にして、前記1または複数の端末装置グループに対して配信される更新プログラムのサポート期間を特定し、
前記1または複数の端末装置グループに関する情報を一覧表示する際に、前記1または複数の端末装置グループそれぞれの識別情報と対応付けて、前記1または複数の端末装置グループそれぞれに対応する更新プログラムがサポート期間内であるか否かを識別する情報を、前記サポート期間に基づいて表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする表示方法。
【請求項6】
それぞれが1以上の端末装置を含む、1または複数の端末装置グループについて、前記端末装置グループに対して配信される更新プログラムの情報と、サポート期間とを対応付けた更新プログラム情報を取得する取得部と、
前記更新プログラム情報を基にして、前記1または複数の端末装置グループに対して配信される更新プログラムのサポート期間を特定する特定部と、
前記1または複数の端末装置グループに関する情報を一覧表示する際に、前記1または複数の端末装置グループそれぞれの識別情報と対応付けて、前記1または複数の端末装置グループそれぞれに対応する更新プログラムがサポート期間内であるか否かを識別する情報を、前記サポート期間に基づいて表示する表示制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示プログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
企業等で利用されるPC(Personal Computer)等の端末装置や、端末装置に導入されるソフトウェアを、企業内で統合的に管理するシステムが存在する。かかるシステムでは、管理対象の端末装置や、端末装置に導入されたソフトウェア等に関する情報を確認可能な管理画面を表示する機能を有している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“ICT資産のセキュリティ管理と資産管理を一元化 FUJITSU Software Systemwalker Desktop Patrol機能”[online][令和1年7月11日検索]、インターネット<URL:https://www.fujitsu.com/jp/products/software/middleware/business-middleware/systemwalker/products/desktop-patrol/function/?menu=top-dtp#description>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ソフトウェア提供元の運用形態の変遷によって、ソフトウェア提供元から提供されるソフトウェアの更新プログラムにサポート期間が設けられる形態が出始めた。このため、管理下の端末装置に対して、配信され得る更新プログラムが、サポート期間内であるか否かを容易に把握し、たとえば、サポート期間外の更新プログラムが配信されてしまうことを抑止することが求められる。
【0005】
しかし、上述した従来のシステムでは、更新プログラムが「サポート期間内であるか」という点を重視した管理機能を有していない。このため、従来のシステムでは、異なる更新プログラムによって、複数の端末装置のソフトウェアが更新されている場合、各端末装置の更新プログラムがサポート期間内であるか否かを、管理者が順番に確認することになり、管理者に係る負担が大きい。
【0006】
1つの側面では、本発明は、端末装置に対して配信され得る更新プログラムがサポート期間内であるか否かを容易に把握させることが可能な表示プログラム、表示方法および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、コンピュータは、次の処理を実行する。コンピュータは、それぞれが1以上の端末装置を含む、1または複数の端末装置グループについて、端末装置グループに対して配信される更新プログラムの情報と、サポート期間とを対応付けた更新プログラム情報を取得する。コンピュータは、更新プログラム情報を基にして、1または複数の端末装置グループに対して配信される更新プログラムのサポート期間を特定する。コンピュータは、1または複数の端末装置グループに関する情報を一覧表示する際に、1または複数の端末装置グループそれぞれの識別情報と対応付けて、1または複数の端末装置グループそれぞれに対応する更新プログラムがサポート期間内であるか否かを識別する情報を、サポート期間に基づいて表示する。
【発明の効果】
【0008】
端末装置に対して配信され得る更新プログラムがサポート期間内であるか否かを容易に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置が表示する表示画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施例に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、グループ管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ソフトウェア辞書情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、パッチ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する表示プログラム、表示方法および情報処理装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0011】
図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。
図1に示すように、このシステムは、コンテンツ配信サーバ60と、サーバ70と、情報処理装置100とを有する。また、このシステムは、端末装置10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b,13cを有する。
図1のシステムでは一例として、端末装置10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b,13cを示すが、他の端末装置を含んでいてもよい。
【0012】
コンテンツ配信サーバ60は、ネットワーク50を介して、サーバ70に接続される。サーバ70と情報処理装置100とは相互に接続される。
【0013】
サーバ70は、端末装置10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b,13cに接続される。以下の説明では、特に区別する場合を除いて、端末装置10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b,13cをまとめて「端末装置」と表記する。
【0014】
端末装置は、サーバ70からソフトウェアの情報をダウンロードし、ダウンロードしたソフトウェアの情報をインストールする。また、端末装置は、サーバ70からパッチの情報をダウンロードし、ダウンロードしたパッチの情報によって、ソフトウェアを更新する。パッチは、「更新プログラム」の一例である。
【0015】
ここで、端末装置は、複数のグループに分類される。たとえば、端末装置10a,10bは、グループ20aに属する。端末装置11a,11bは、グループ20bに属する。端末装置12a,12bは、グループ20cに属する。なお、端末装置13a,13b,13cは、グループ20a~20cに属さない端末装置である。グループ20a~20cは、「端末装置グループ」の一例である。
【0016】
同一のグループに属する各端末装置には、同一の設定ポリシーが適用される。たとえば、同一のグループに属する端末装置には、同一のソフトウェアの情報をインストールさせ、同一のパッチの情報によって更新させる。なお、グループ20a~20cに属さない端末装置13a~13cは、基本設定に従うソフトウェアの情報がインストールされ、基本設定に従うパッチの情報によって更新される。
【0017】
コンテンツ配信サーバ60は、各種のソフトウェアの情報および各種のパッチの情報を、サーバ70に配信する装置である。また、コンテンツ配信サーバ60は、各パッチのサポート期間等を定義したソフトウェア辞書情報を、サーバ70に送信する。ソフトウェア辞書情報は「更新プログラム情報」の一例である。
【0018】
サーバ70は、コンテンツ配信サーバ60から受信したソフトウェアの情報およびパッチの情報を格納する。サーバ70は、端末装置からのダウンロード要求に応じて、ソフトウェアの情報またはパッチの情報を、端末装置に送信する。
【0019】
また、サーバ70は、コンテンツ配信サーバ60からソフトウェア辞書情報を受信した場合、受信したソフトウェア辞書情報を、情報処理装置100に送信する。
【0020】
情報処理装置100は、ソフトウェア辞書情報を基にして、グループ毎の端末装置に配信されるパッチのサポート期間を特定し、グループ毎にサポート期間内であるか否かを識別可能な表示画面を生成して表示する装置である。
【0021】
図2は、情報処理装置が表示する表示画面の一例を示す図である。
図2に示すように、この表示画面80は、テーブル81を含む。テーブル81は、グループ名と、ソフトウェア名と、配信対象と、パッチ名と、登録状況とを対応付ける。
【0022】
グループ名は、端末装置の属するグループの名称である。たとえば、グループ20aのグループ名を「検証PCグループ」とする。検証PCグループには、
図1の端末装置10a,10bが属する。グループ20bのグループ名を「総務PCグループ」とする。総務PCグループには、
図1の端末装置11a,11bが属する。グループ20cのグループ名を「営業PCグループ」とする。営業PCグループには、
図1の端末装置12a,12bが属する。グループ名「未所属」は、グループ20a~20cに属していない端末装置13a~13cを示す。
【0023】
ソフトウェア名は、グループに属する端末装置にインストールされたソフトウェアの名称を示す。
図2に示す例では、グループ名「検証PCグループ」に属する端末装置10a,10bには、ソフトウェアAがインストールされている旨が示される。
【0024】
配信対象は、配信対象となるパッチの選択基準を示すものである。たとえば、配信対象には「最新のパッチ」、「配信するパッチを選択」、「配信しない」が含まれる。配信対象「最新のパッチ」は、配信されたパッチのうち、最新のパッチによって、該当するソフトウェアを更新することを示す。配信対象「パッチを選択」は、配信されたパッチのうち、予め選択されたパッチによって、該当するソフトウェアを更新することを示す。なお、配信対象「配信しない」は、パッチを配信しないことを示す。本実施例では、配信対象として「最新のパッチ」、「配信するパッチを選択」、「配信しない」を用いて説明するが、他の配信対象を用いてもよい。
【0025】
パッチ名は、グループに属する端末装置にインストールされたソフトウェアを更新するパッチの名称を示す。
図2に示す例では、グループ名「検証PCグループ」に属する端末装置10a,10bにインストールされたソフトウェアAを「パッチA-20」によって、更新することを示す。
【0026】
登録状況は、該当するパッチがサポート期間内であるか否かを示すものである。該当するパッチがサポート期間内である場合には、登録状況は「OK」となる。一方、該当するパッチがサポート期間外である場合には、登録状況は「NG」となる。なお、配信対象が「配信しない」となっている場合には、登録状況はブランクとなる。
【0027】
ユーザは、
図2に示した表示画面80を参照することで、端末装置に対して配信され得るパッチがサポート期間内であるか否かを容易に把握することができる。たとえば、表示画面80において、グループ名「未所属」、「検証PCグループ」に含まれる端末装置に配信されえるパッチは、サポート期間内である。一方、グループ名「総務PCグループ」に含まれる端末装置に配信されえるパッチは、サポート期間外である。なお、グループ名「営業PCグループ」については、配信対象が「配信しない」であり、登録状況はブランクとなる。
【0028】
次に、
図1に示した情報処理装置100の構成の一例について説明する。
図3は、本実施例に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、この情報処理装置100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0029】
通信部110は、サーバ70との間でデータ通信を実行する処理部である。通信部110は、通信装置の一例である。後述する制御部150は、通信部110を介して、サーバ70とデータをやり取りする。
【0030】
入力部120は、各種の情報を情報処理装置100に入力する入力装置である。入力部120は、キーボードやマウス、タッチパネル等に対応する。たとえば、ユーザは、入力部120を操作して、表示画面の表示要求等を行う。
【0031】
表示部130は、制御部150から出力される情報を表示する表示装置である。たとえば、表示部130は、
図2で説明した表示画面80等を表示する。表示部130は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、タッチパネル等に対応する。
【0032】
記憶部140は、グループ管理テーブル141と、ソフトウェア辞書情報142とを有する。記憶部140は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。
【0033】
グループ管理テーブル141は、端末装置が属するグループの情報を保持するテーブルである。
図4は、グループ管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図4に示すように、このグループ管理テーブル141は、グループ識別情報と、ソフトウェア識別情報と、配信対象と、所属端末識別情報とを対応付ける。
【0034】
グループ識別情報は、グループを一意に識別する情報である。たとえば、グループ識別情報「G01」は、検証PCグループに対応する。グループ識別情報「G02」は、総務PCグループに対応する。グループ識別情報「G03」は営業PCグループに対応する。「未所属」は、いずれのグループにも属さないことを示す。
【0035】
ソフトウェア識別情報は、グループに属する端末装置にインストールされたソフトウェアを一意に識別する情報である。たとえば、ソフトウェア識別情報「S001」は、ソフトウェアAに対応する。ソフトウェア識別情報「S002」は、ソフトウェアBに対応する。ソフトウェア識別情報「S003」は、ソフトウェアCに対応する。ソフトウェア識別情報「S010」は、ソフトウェアZに対応する。
【0036】
配信対象は、配信対象となるパッチの選択方法を示すものである。たとえば、配信対象には「最新のパッチ」、「パッチを選択」、「配信しない」が含まれる。各配信対象の説明は、
図2で行った説明と同様である。
【0037】
所属端末識別情報は、グループに属する端末装置を一意に識別する情報である。たとえば、識別情報「D101,D102」はそれぞれ、「端末装置10a,10b」に対応する。識別情報「D201,D202」はそれぞれ、「端末装置11a,11b」に対応する。識別情報「D301,D302」はそれぞれ、「端末装置12a,12b」に対応する。識別情報「D401,D402,D403」はそれぞれ、「端末装置13a,13b,13c」に対応する。
【0038】
ソフトウェア辞書情報142は、各パッチのサポート期間等を定義する情報である。
図5は、ソフトウェア辞書情報のデータ構造の一例を示す図である。
図5に示すように、このソフトウェア辞書情報は、配布日時が付与される。配布日時は、ソフトウェア辞書情報142が配布された日時を示す。
【0039】
また、ソフトウェア辞書情報142は、ソフトウェア識別情報と、パッチ情報とを対応付ける。ソフトウェア識別情報は、ソフトウェアを一意に識別する情報である。パッチ情報は、該当するソフトウェアに対応するパッチの情報である。
【0040】
図6は、パッチ情報のデータ構造の一例を示す図である。たとえば、
図6に示すパッチ情報は、
図5に示したあるソフトウェア識別情報に対応するパッチ情報とする。
図6に示すように、パッチ情報は、配信フラグと、パッチ名と、配信開始日時と、サポート期間とを対応付ける。
【0041】
配信フラグは、配信対象となるパッチのパッチ名、配信開始日時、サポート期間を特定する情報である。配信フラグが「オン」となるパッチ名のパッチが、配信対象のパッチである。配信フラグが「オフ」となるパッチ名のパッチが、配信対象外のパッチである。
【0042】
パッチ名は、パッチの名称を示す。配信開始日時は、パッチの配信開始日時を示す。サポート期間は、パッチのサポート期間を示す。本実施例では一例として、サポート期間の開始日時を、配信開始日時とする。
【0043】
図6に示す例では、1行目の配信フラグが「オン」となり、他の行の配信フラグは「オフ」となっている。このため、パッチ名「パッチA-20」のパッチが配信されることを示し、パッチA-20の配信開始日時は「2019年4月15日の12時」である。また、パッチA-20のサポート期間は「6ヶ月(2019年4月15日の12時から、2019年10月15日の12時まで)」となる。
【0044】
配信フラグの「オン」の位置は、
図4の配信対象に応じて変化する。たとえば、配信対象が「最新のパッチ」となる場合、配信フラグのオンの位置は、配信開始日時が最も新しいレコードの位置となり、他の配信フラグは「オフ」となる。配信対象が「パッチを選択」となる場合、配信フラグの「オン」の位置は、ユーザによって予め選択される。配信対象が「配信しない」となる場合、配信フラグは全て「オフ」となる。
【0045】
なお、本実施例では一例として、サポート期間の開始日時を、配信開始日時としたが、これに限定されるものではない。たとえば、サポート期間の開始日時は、該当するパッチによって、ソフトウェアが更新された日時を、サポート期間の開始日時としてもよい。
【0046】
図3の説明に戻る。制御部150は、取得部151と、特定部152と、表示制御部153とを有する。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジック等によって実現される。
【0047】
取得部151は、サーバ70から、グループ管理テーブル141の情報、ソフトウェア辞書情報142を取得する処理部である。取得部151は、グループ管理テーブル141の情報およびソフトウェア辞書情報142を、記憶部140に登録する。取得部151は、新たなグループ管理テーブルの情報を取得した場合、取得した情報によって、グループ管理テーブル141を更新する。取得部151は、新たなソフトウェア辞書情報を取得した場合、取得した情報によって、ソフトウェア辞書情報142を更新する。
【0048】
本実施例では一例として、取得部151は、サーバ70から、グループ管理テーブル141の情報およびソフトウェア辞書情報142を取得する場合について説明したが、入力部120から取得してもよいし、コンテンツ配信サーバ60から直接取得してもよい。
【0049】
特定部152は、グループ管理テーブル141およびソフトウェア辞書情報142を基にして、グループに属する端末装置に配信されるパッチのサポート期間を特定する処理部である。また、特定部152は、グループに属する端末装置に配信されるパッチがサポート期間内であるか否かを判定する。以下において、特定部152がサポート期間を特定する処理と、サポート期間内であるか否かを判定する処理について説明する。
【0050】
特定部152が実行する「サポート期間を特定する処理」について説明する。特定部152は、グループ管理テーブル141を参照し、サポート期間の特定対象となるグループ識別情報を選択し、選択したグループ識別情報に対応するソフトウェア識別情報と、配信対象とを特定する。ここでは、説明の便宜上、特定部152が、グループ識別情報として「G01」を選択した場合について説明する。
図4に示す例では、グループ識別情報「G01」に対応するソフトウェア識別情報は「S001」であり、配信対象は「パッチを選択」となる。
【0051】
特定部152は、ソフトウェア辞書情報142を参照し、ソフトウェア識別情報「S001」に対応するパッチ情報を参照する。たとえば、ソフトウェア識別情報「S001」に対応するパッチ情報を、
図6に示したパッチ情報として説明を行う。特定部152は、配信対象が「最新のパッチ」となっているため、配信フラグが「オン」となるレコード(配信開始日時が最新となるレコード)を特定し、特定したレコードに含まれる配信開始日時と、サポート期間とを特定する。
【0052】
特定部152は、配信開始日時をサポート期間の開始日時として、サポート期間の範囲を特定する。
図6に示す例では、配信フラグが「オン」となるのは、1行目のレコードであり、配信開始日時は「2019年4月15日の12時」、サポート期間が「6ヶ月」である。このため、特定部152は、サポート期間の範囲を「2019年4月15日の12時から、2019年10月15日の12時まで」とする。
【0053】
なお、本実施例では、サポート期間の範囲を、配信開始日時を基準に設定したが、これに限定されるものではない。たとえば、特定部152は、該当するパッチが端末装置に実際に配信された日時を基準として、サポート期間の範囲を特定してもよい。
【0054】
続いて、特定部152が実行する「サポート期間内であるか否かを判定する処理」について説明する。特定部152は、ソフトウェア辞書情報142に含まれる配布日時と、上記処理で特定したサポート期間の範囲とを基にして、グループ識別情報「G01」に配布するパッチ(パッチ名:パッチA-20)が、サポート期間内であるか否かを判定する。配布日時を「2019年7月20日の12時40分」とすると、配布日時は、サポート期間内である。このため、特定部152は、グループ識別情報「G01」に配布するパッチ(パッチA-20)が、サポート期間内であると特定する。
【0055】
特定部152は、各グループ識別情報について、上記の処理を繰り返し実行し、パッチがサポート期間内であるか否かを判定する。特定部152は、グループ識別情報「未所属」についても、上記処理を実行し、未所属の端末装置に配信するパッチが、サポート期間内であるか否かを判定する。なお、特定部152は、グループ識別情報に対応する配信対象が「配信しない」となるものについては、上記処理をスキップする。特定部152は、判定結果を、表示制御部153に出力する。たとえば、判定結果には、グループ識別情報と、サポート期間内であるか否かを識別する情報が含まれる。特定部152は、未所属についても、サポート期間内であるか否かの情報を判定結果に含める。
【0056】
表示制御部153は、特定部152から取得する判定結果を基にして、表示画面の情報を生成する処理部である。表示制御部153は、表示画面の情報を、表示部130に出力して表示させる。
【0057】
たとえば、表示制御部153は、
図2に示したテーブル81の情報を生成する。表示制御部153は、グループ管理テーブル141を参照し、グループ識別情報、ソフトウェア識別情報、配信対象を取得して、各グループ名、ソフトウェア名、配信対象をテーブル81に設定する。グループ識別情報に対応するグループ名、ソフトウェア識別情報に対応するソフトウェア名は、図示しない名称定義テーブルに定義されているものとする。
【0058】
表示制御部153は、グループ管理テーブル141のグループ識別情報に対応するソフトウェア識別情報および配信対象の組と、ソフトウェア辞書情報142とを比較して、パッチ名を特定し、テーブル81に設定する。
【0059】
表示制御部153は、特定部152から取得した判定結果を基にして、各グループ識別情報に対応するサポート期間内であるか否かの情報を参照する。表示制御部153は、各グループ識別情報のうち、サポート期間内であるものについては、テーブル81の登録状況を「OK」に設定する。一方、表示制御部153は、各グループ識別情報のうち、サポート期間外であるものについては、テーブル81の登録状況を「NG」に設定する。表示制御部153は、各グループ識別情報のうち、サポート期間に関する情報がないものについては、テーブル81の登録状況をブランクとする。
【0060】
表示制御部153は、上述した処理を実行して生成したテーブル81の情報を、表示画面に設定することで、表示画面の情報を生成する。
【0061】
次に、本実施例に係る情報処理装置100の処理手順の一例について説明する。
図7は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、情報処理装置100の取得部151は、グループ管理テーブル141の情報およびソフトウェア辞書情報142を取得し、記憶部140に格納する(ステップS101)。
【0062】
情報処理装置100の特定部152は、グループ管理テーブル141およびソフトウェア辞書情報142を基にして、各グループに配信されるパッチのサポート期間の範囲を特定する(ステップS102)。
【0063】
情報処理装置100の特定部152は、各グループに配信されるパッチがサポート期間内か否かを判定する(ステップS103)。情報処理装置100の表示制御部153は、表示画面の情報を生成する(ステップS104)。表示制御部153は、表示画面の情報を表示部130に出力して表示させる(ステップS105)。
【0064】
次に、本実施例に係る情報処理装置100の効果について説明する。情報処理装置100は、ソフトウェア辞書情報142を基にして、グループ毎の端末装置に配信されるパッチのサポート期間を特定し、グループ毎にサポート期間内であるか否かを識別可能な表示画面を生成して表示する。これによって、端末装置に対して配信され得るパッチ(更新プログラム)がサポート期間内であるか否かを容易にユーザに把握させることができる。
【0065】
情報処理装置100は、複数の端末装置を、固有の設定ポリシーに基づいて分類するため、一つのグループに属する複数の端末装置に適用されるパッチのサポート期間を一つにまとめることができ、一つのグループに属する複数の端末装置について、パッチのサポート期間であるか否かを統一して表示することができる。
【0066】
情報処理装置100は、ソフトウェア辞書情報142に含まれる配布日時を基にして、パッチがサポート期間内であるか否かを判定する。このため、ソフトウェア辞書情報142の配布元を基準にした、パッチのサポート期間内の有無を判定することができる。
【0067】
情報処理装置100は、配信対象を基にして複数のパッチの各サポート期間から、グループの端末装置に配信されるパッチのサポート期間を特定する。このため、同一のソフトウェアに対するパッチが複数存在し、それぞれのサポート期間が存在する場合でも、グループの端末装置に配信される一つのパッチのサポート期間を特定できる。
【0068】
ところで、上述した情報処理装置100の処理は一例であり、情報処理装置100は、他の処理を更に実行してもよい。たとえば、情報処理装置100が表示画面を表示して、登録状況が「NG」となるレコードが存在する場合には、ユーザは、入力部120を操作して、配信対象を現在の配信対象から、他の配信対象に変更してもよい。
【0069】
たとえば、
図2において、グループ名「総務PCグループ」の登録状況が「NG」となっている。ユーザは、入力部120を操作して、配信対象を「パッチを選択」から「最新のパッチ」に変更するケースが想定される。
【0070】
表示制御部153は、配信対象の変更を受け付けた場合には、変更後の配信対象と、かかる配信対象に対応するグループ識別情報を、特定部152に出力して、グループ識別情報に対応するパッチが、サポート期間内か否かを再度判定させる。表示制御部153は、特定部152からの判定結果を再度取得し、表示画面の情報を再度生成して、表示する。
【0071】
次に、上記実施例に示した情報処理装置100と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。
図8は、情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0072】
図8に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203とを有する。また、コンピュータ200は、サーバ70等の外部装置と通信を行う通信装置204と、各種の装置と接続するインターフェース装置205とを有する。コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207とを有する。そして、各装置201~207は、バス208に接続される。
【0073】
ハードディスク装置207は、取得プログラム207a、特定プログラム207b、表示制御プログラム207cを有する。CPU201は、取得プログラム207a、特定プログラム207b、表示制御プログラム207cを読み出してRAM206に展開する。
【0074】
取得プログラム207aは、取得プロセス206aとして機能する。特定プログラム207bは、特定プロセス206bとして機能する。表示制御プログラム207cは、表示制御プロセス206cとして機能する。
【0075】
取得プロセス206aの処理は、取得部151の処理に対応する。特定プロセス206bの処理は、特定部152の処理に対応する。表示制御プロセス206cの処理は、表示制御部153の処理に対応する。
【0076】
なお、各プログラム207a~207cについては、必ずしも最初からハードディスク装置207に記憶させておかなくてもよい。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200が各プログラム207a~207cを読み出して実行するようにしてもよい。
【0077】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0078】
(付記1)それぞれが1以上の端末装置を含む、1または複数の端末装置グループについて、前記端末装置グループに対して配信される更新プログラムの情報と、サポート期間とを対応付けた更新プログラム情報を取得し、
前記更新プログラム情報を基にして、前記1または複数の端末装置グループに対して配信される更新プログラムのサポート期間を特定し、
前記1または複数の端末装置グループに関する情報を一覧表示する際に、前記1または複数の端末装置グループそれぞれの識別情報と対応付けて、前記1または複数の端末装置グループそれぞれに対応する更新プログラムがサポート期間内であるか否かを識別する情報を、前記サポート期間に基づいて表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
【0079】
(付記2)前記1または複数の端末装置グループはそれぞれ、端末装置グループ固有のポリシーでソフトウェアが設定された1以上の端末装置を含むことを特徴とする付記1に記載の表示プログラム。
【0080】
(付記3)前記更新プログラム情報は、該更新プログラム情報の配布日時の情報が付与され、前記配布日時を基準として、前記更新プログラムがサポート期間内であるか否かを判定する処理を更に実行することを特徴とする付記1または2に記載の表示プログラム。
【0081】
(付記4)前記表示する処理は、前記識別情報と対応付けて、配信対象となるパッチの選択の基準の情報を表示し、前記特定する処理は、前記選択の基準の情報を基にして、複数の更新プログラムから、前記選択の基準の情報に対応する更新プログラムのサポート期間を特定することを特徴とする付記1、2または3に記載の表示プログラム。
【0082】
(付記5)それぞれが1以上の端末装置を含む、1または複数の端末装置グループについて、前記端末装置グループに対して配信される更新プログラムの情報と、サポート期間とを対応付けた更新プログラム情報を取得し、
前記更新プログラム情報を基にして、前記1または複数の端末装置グループに対して配信される更新プログラムのサポート期間を特定し、
前記1または複数の端末装置グループに関する情報を一覧表示する際に、前記1または複数の端末装置グループそれぞれの識別情報と対応付けて、前記1または複数の端末装置グループそれぞれに対応する更新プログラムがサポート期間内であるか否かを識別する情報を、前記サポート期間に基づいて表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする表示方法。
【0083】
(付記6)前記取得する処理が取得する、前記更新プログラム情報の前記1または複数の端末装置グループはそれぞれ、端末装置グループ固有のポリシーでソフトウェアが設定された1以上の端末装置を含むことを特徴とする付記5に記載の表示方法。
【0084】
(付記7)前記更新プログラム情報は、該更新プログラム情報の配布日時の情報が付与され、前記配布日時を基準として、前記更新プログラムがサポート期間内であるか否かを判定する処理を更に実行することを特徴とする付記5または6に記載の表示方法。
【0085】
(付記8)前記表示する処理は、前記識別情報と対応付けて、配信対象となるパッチの選択の基準の情報を表示し、前記特定する処理は、前記選択の基準の情報を基にして、複数の更新プログラムから、前記選択の基準の情報に対応する更新プログラムのサポート期間を特定することを特徴とする付記5、6または7に記載の表示方法。
【0086】
(付記9)それぞれが1以上の端末装置を含む、1または複数の端末装置グループについて、前記端末装置グループに対して配信される更新プログラムの情報と、サポート期間とを対応付けた更新プログラム情報を取得する取得部と、
前記更新プログラム情報を基にして、前記1または複数の端末装置グループに対して配信される更新プログラムのサポート期間を特定する特定部と、
前記1または複数の端末装置グループに関する情報を一覧表示する際に、前記1または複数の端末装置グループそれぞれの識別情報と対応付けて、前記1または複数の端末装置グループそれぞれに対応する更新プログラムがサポート期間内であるか否かを識別する情報を、前記サポート期間に基づいて表示する表示制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0087】
(付記10)前記取得部が取得する、前記更新プログラム情報の前記1または複数の端末装置グループはそれぞれ、端末装置グループ固有のポリシーでソフトウェアが設定された1以上の端末装置を含むことを特徴とする付記9に記載の情報処理装置。
【0088】
(付記11)前記更新プログラム情報は、該更新プログラム情報の配布日時の情報が付与され、前記特定部は、前記配布日時を基準として、前記更新プログラムがサポート期間内であるか否かを判定する処理を更に実行することを特徴とする付記9または10に記載の情報処理装置。
【0089】
(付記12)前記表示制御部は、前記識別情報と対応付けて、配信対象となるパッチの選択の基準の情報を表示し、前記特定部は、前記選択の基準の情報を基にして、複数の更新プログラムから、前記選択の基準の情報に対応する更新プログラムのサポート期間を特定することを特徴とする付記9、10または11に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0090】
50 ネットワーク
60 コンテンツ配信サーバ
70 サーバ
100 情報処理装置
110 通信部
120 入力部
130 表示部
140 記憶部
141 グループ管理テーブル
142 ソフトウェア辞書情報
150 取得部
152 特定部
153 表示制御部