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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】車両用シート装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/75 20180101AFI20230328BHJP
【FI】
B60N2/75
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020022365
(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公開番号】P2021126988
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】河野 武志
(72)【発明者】
【氏名】新木 誠一
(72)【発明者】
【氏名】松永 健司
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 史貴
(72)【発明者】
【氏名】百武 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中村 夢真
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-097797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0002001(US,A1)
【文献】実開昭57-028037(JP,U)
【文献】特開2010-254064(JP,A)
【文献】特開2001-000277(JP,A)
【文献】実開平07-022835(JP,U)
【文献】実開平05-018971(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102005045208(DE,A1)
【文献】特開2003-126170(JP,A)
【文献】特開2000-042040(JP,A)
【文献】特開2009-073230(JP,A)
【文献】特開2018-130314(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103496332(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 - B60N 2/90
A47C 7/54
A61G 1/00 - A61G 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体と、前記シート本体に対して前記シート本体の幅方向の少なくとも一側に隣り合って設けられたアームレストと、を備える車両用シート装置において、
前記アームレストは、第1位置と、回動軸を中心として回動することで前記第1位置よりも前記シート本体から部分的に離れる第2位置との間で変位可能に設けられており、
前記アームレストの下方には、前記アームレストの下面を支持する支持部が設けられている、
車両用シート装置。
【請求項2】
前記支持部は、前記シート本体を構成するシートクッションに連結されるガーニッシュである、
請求項1に記載の車両用シート装置。
【請求項3】
前記シート本体の前後方向の前側及び後側を前側及び後側とするとき、
前記回動軸は、上下方向に延在するものであり、
前記アームレストは、前記第1位置においては前記前後方向に延在する一方、前記第2位置においては、前記回動軸を中心に回動されることで、前記第1位置よりも前記アームレストの前端部が前記幅方向の外側に位置するものである、
請求項1または請求項2に記載の車両用シート装置。
【請求項4】
乗降口を開閉するドアを備える車両に適用され、
前記アームレストは、前記ドアと隣り合って設けられる、
請求項3に記載の車両用シート装置。
【請求項5】
前記アームレストの前端部は、前記第2位置において前記乗降口よりも前記車両の外側に位置する、
請求項4に記載の車両用シート装置。
【請求項6】
前記アームレストは、前記ドアが開かれることに連動して前記第1位置から前記第2位置に回動される、
請求項4または請求項5に記載の車両用シート装置。
【請求項7】
前記アームレストを回動させる駆動部と、
操作信号に基づいて前記駆動部の駆動を制御する制御部と、を備える、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の車両用シート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アームレストの取付構造が開示されている。このアームレストは、車両用シートの側縁に取り付けられ、シートの前後方向を向いた使用位置とシートの側方を開放する開放位置との間を水平方向に回動可能に軸支されている。開放位置は、アームレストが使用位置から外側に90度回転してバックレストの背もたれ面に対して水平方向となる位置に設定されている。
【0003】
こうしたアームレストでは、アームレストを開放位置にすることで、シートの側方が開放されるとともに、アームレストを乗降時の手摺りとして使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、こうしたアームレストでは、例えば乗員が車両に乗降するにあたってアームレストを手摺りとして用いる際、乗員はアームレストの先端に手を置いて体重を掛けることから、当該先端に下方に向かう荷重が作用する。そのため、アームレストに撓みや揺れが生じやすい。こうしたことから、上述した荷重に耐えられるようにアームレストの部品強度を高めるなどの工夫を要するといった問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成によってアームレストを安定して支持することのできる車両用シート装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための車両用シート装置は、シート本体と、前記シート本体に対して前記シート本体の幅方向の少なくとも一側に隣り合って設けられたアームレストと、を備える。前記アームレストは、第1位置と、回動軸を中心として回動することで前記第1位置よりも前記シート本体から部分的に離れる第2位置との間で変位可能に設けられており、前記アームレストの下方には、前記アームレストの下面を支持する支持部が設けられている。
【0008】
同構成によれば、乗員は、第1位置と、第1位置よりもシート本体から部分的に離れる第2位置との間でアームレストの位置を変更することができる。このため、乗員は、アームレストを第2位置にすることで、シート本体の側方を開放することができるとともに、シート本体に座ったり、シート本体から立ち上がったりする際にアームレストを手摺りとして使用することができる。
【0009】
また、上記構成によれば、アームレストの下面が支持部によって支えられているため、アームレストに対して垂直方向下方に向けて荷重が作用する際に、当該荷重が支持部に分散されるようになる。したがって、簡単な構成によってアームレストを安定して支持することができる。
【0010】
上記車両用シート装置において、前記支持部は、前記シート本体を構成するシートクッションに連結されるガーニッシュであることが好ましい。
同構成によれば、シートクッションに連結されるガーニッシュの上面によって支持部を構成することができる。
【0011】
上記車両用シート装置において、前記シート本体の前後方向の前側及び後側を前側及び後側とするとき、前記回動軸は、上下方向に延在するものであり、前記アームレストは、前記第1位置においては前後方向に延在する一方、前記第2位置においては、前記回動軸を中心に回動されることで、前記第1位置よりも前記アームレストの前端部が前記幅方向の外側に位置するものであることが好ましい。
【0012】
同構成によれば、第2位置においては、第1位置よりもアームレストの前端部が幅方向の外側に位置することから、乗員は、シート本体の幅方向においてアームレストが設けられている側からシート本体に着座しやすくなる。また、シート本体に着座している乗員は、シート本体の幅方向においてアームレストが設けられている側に移動しやすくなる。
【0013】
上記車両用シート装置において、乗降口を開閉するドアを備える車両に適用され、前記アームレストは、前記ドアと隣り合って設けられることが好ましい。
同構成によれば、回動軸を中心としてアームレストを第1位置から第2位置に回動させると、アームレストのうちシート本体から離れる部分はシート本体から離れるにしたがって乗降口へと近づく。したがって、乗員が車両に乗降する際、乗降口側に向いた上記部分の上面に手を付くことによってアームレストを乗降の補助とすることができる。
【0014】
上記車両用シート装置において、前記アームレストの前端部は、前記第2位置において前記乗降口よりも車両の外側に位置することが好ましい。
同構成によれば、乗員は、乗降口よりも車両の外側に位置するアームレストの前端部に手を付くことができることから、車両に乗降しやすくなる。
【0015】
上記車両用シート装置において、前記アームレストは、前記ドアが開かれることに連動して前記第1位置から前記第2位置に回動されることが好ましい。
同構成によれば、ドアが開かれることに連動してアームレストが第1位置から第2位置に回動される。したがって、乗降の補助とするために乗員が自らアームレストを第1位置から第2位置へと回動する手間を省くことができる。
【0016】
上記車両用シート装置において、前記アームレストを回動させる駆動部と、操作信号に基づいて前記駆動部の駆動を制御する制御部と、を備えることが好ましい。
同構成によれば、制御部によって駆動部の駆動が制御されることにより、アームレストが回動される。このため、乗員がアームレストを手動により回動操作しなくて済む。したがって、アームレストの回動操作を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡単な構成によってアームレストを安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】車両用シート装置の一実施形態について、アームレストが第1位置にあるときのシート装置を示す斜視図。
図2】アームレストが第2位置にあるときのシート装置を示す斜視図。
図3】アームレストの駆動部を中心とした構成を示す斜視図。
図4】乗員による降車手順を示す斜視図。
図5】乗員による降車手順を示す斜視図。
図6】乗員による降車手順を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1図6を参照して、車両用シート装置の一実施形態について説明する。
まず、車両10の基本構成について説明する。なお、以降において、車両10の前後方向Lの前方及び後方を単に前方及び後方として説明する。また、車両10の幅方向Wにおいて、後方から前方を見たときの右方及び左方を単に右方及び左方として説明する。また、車両10が水平面上に位置するときの車両10の上下方向Hの上方及び下方を単に上方及び下方として説明する。
【0020】
図4に示すように、車両10の左側の側部10Aには、車両10の内外を連通する2つの乗降口11a,11bが前後に隣り合って設けられている。
乗降口11a,11bには、乗降口11a,11bをそれぞれ開閉するドア12a,12bが設けられている。なお、前側のドア12aは、ドア12aの前縁部に設けられたヒンジを介して乗降口11aを開閉するヒンジドアである。後側のドア12bは、車両10の前後方向Lに沿ってスライドして開閉するスライドドアである。また、図示は省略するが、車両10の右側の側部にも、左側の側部10Aと同様にして、車両10の内外を連通する2つの乗降口11a,11b及びドア12a,12bが前後に隣り合って設けられている。
【0021】
ドア12bの内部には、ドア12bを開閉駆動する電動モータなどからなるドア駆動部(図示略)が設けられている。
車室内には、一対のシート装置13が左右に隣り合って設けられている。なお、一対のシート装置13は、左右対称の構造を有している。このため、以降においては、左側のシート装置13について詳細に説明することで右側のシート装置13については説明を省略する。
【0022】
図1及び図2に示すように、シート装置13は、シート本体20と、一対のアームレスト30とを備えている。本実施形態では、シート本体20の前後方向及び幅方向は、車両10の前後方向L及び幅方向Wと一致している。
【0023】
シート本体20は、シートクッション21と、シートクッション21の後端に連結されたシートバック22とを備えている。
シートクッション21の左側には、略直方体状のガーニッシュ23が設けられている。ガーニッシュ23は、硬質合成樹脂製であり、シートクッション21の左側側面に連結されている。
【0024】
ガーニッシュ23は、前後方向Lにおいてシートクッション21の全体にわたって延在している。また、ガーニッシュ23の上面は、シートクッションの上面よりも下方に位置している。
【0025】
一対のアームレスト30は、シート本体20の右側に設けられた固定アームレスト30Aと、シート本体20の左側に設けられた可動アームレスト30Bとを備えている。
固定アームレスト30Aは、シートクッション21の右側側面に連結されたガーニッシュと一体に設けられている。
【0026】
次に、可動アームレスト30Bについて説明する。なお、可動アームレスト30Bが本発明に係るアームレストに相当する。
図3に示すように、ガーニッシュ23の上壁23aの後端部には、上方に向かって突出する回動軸31が連結されている。
【0027】
可動アームレスト30Bの下壁32には、挿通孔(図示略)が設けられており、同挿通孔に回動軸31が挿通されている。したがって、可動アームレスト30Bの下壁32の下面は、ガーニッシュ23の上壁23aの上面によって支持されている。なお、ガーニッシュ23が本発明に係る支持部に相当する。
【0028】
下壁32の上面には、回動軸31を中心に可動アームレスト30Bを回動させる駆動部33が、締付ナット34を回動軸に螺合させることにより、下壁32に対して相対変位不能に配置されている。
【0029】
駆動部33は、モータ33aと、モータ33aの出力軸と回動軸31との間に設けられ、モータ33aのトルクを回動軸31に伝達する歯車機構(いずれも図示略)とを備えている。
【0030】
可動アームレスト30Bは、前後方向Lに延在する第1位置と、回動軸31を中心に回動されることで第1位置よりも可動アームレスト30Bの前端部30bが幅方向Wの外側に位置する第2位置との間で変位可能である。
【0031】
図2及び図5に示すように、可動アームレスト30Bは、第2位置において、自身の前端部30bが乗降口11bよりも車両10の外側に位置する。
車両10には、リモコンやスイッチなどの操作部から入力される操作信号に基づいて、ドア12bを開閉すべくドア駆動部の駆動を制御する制御部40が設けられている。
【0032】
制御部40は、ドア12bの開閉に連動して可動アームレスト30Bを回動させるべくモータ33aの駆動を制御する。
すなわち、制御部40は、ドア12bが閉じられており、可動アームレスト30Bが第1位置にある状態から、ドア12bが開けられることに連動して可動アームレスト30Bを第2位置まで回動させるべくモータ33aを駆動する。
【0033】
一方、制御部40は、ドア12bが開けられており、可動アームレスト30Bが第2位置にある状態から、ドア12bが閉じられることに連動して可動アームレスト30Bを第1位置まで回動させるべくモータ33aを駆動する。
【0034】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図4及び図5に示すように、ドア12bが開かれることに連動して可動アームレスト30Bが第1位置から第2位置に回動される。
【0035】
図5に示すように、回動軸31を中心として可動アームレスト30Bを第1位置から第2位置に回動させると、可動アームレスト30Bのうちシート本体20から離れる前端部30bはシート本体20から離れるにしたがって乗降口11bへと近づく。
【0036】
図6に示すように、例えば、乗員が車両10から降車する際、乗降口11b側に向いた前端部30bの上面に手を付くことによって可動アームレスト30Bは乗降の補助とされる。このとき、可動アームレスト30Bの下面がガーニッシュ23によって支えられているため、可動アームレスト30Bに対して垂直方向下方に向けて荷重が作用する際に、当該荷重がガーニッシュ23に分散されるようになる。
【0037】
本実施形態の効果について説明する。
(1)可動アームレスト30Bは、第1位置と、回動軸31を中心として回動することで第1位置よりもシート本体20から部分的に離れる第2位置との間で変位可能に設けられており、可動アームレスト30Bの下方には、可動アームレスト30Bの下面を支持する支持部としてのガーニッシュ23が設けられている。
【0038】
こうした構成によれば、乗員は、第1位置と、第1位置よりもシート本体20から部分的に離れる第2位置との間で可動アームレスト30Bの位置を変更することができる。このため、乗員は、可動アームレスト30Bを第2位置にすることで、シート本体20の側方を開放することができるとともに、シート本体20に座ったり、シート本体20から立ち上がったりする際に可動アームレスト30Bを手摺りとして使用することができる。
【0039】
また、上記構成によれば、可動アームレスト30Bの下面が支持部としてのガーニッシュ23によって支えられているため、可動アームレスト30Bに対して垂直方向下方に向けて荷重が作用する際に、当該荷重が支持部としてのガーニッシュ23に分散されるようになる。したがって、簡単な構成によって可動アームレスト30Bを安定して支持することができる。
【0040】
(2)支持部は、シート本体20を構成するシートクッション21に連結されるガーニッシュ23である。
こうした構成によれば、シートクッション21に連結されるガーニッシュ23の上面によって支持部を構成することができる。
【0041】
(3)回動軸31は、上下方向Hに延在するものであり、可動アームレスト30Bは、第1位置においては前後方向Lに延在する一方、第2位置においては、回動軸31を中心に回動されることで、第1位置よりも可動アームレスト30Bの前端部30bが幅方向Wの外側に位置するものである。
【0042】
こうした構成によれば、第2位置においては、第1位置よりも可動アームレスト30Bの前端部30bが幅方向Wの外側に位置することから、乗員は、シート本体20の幅方向Wにおいて可動アームレスト30Bが設けられている側からシート本体20に着座しやすくなる。また、シート本体20に着座している乗員は、シート本体20の幅方向Wにおいてアームレスト30が設けられている側に移動しやすくなる。
【0043】
(4)乗降口11bを開閉するドア12bを備える車両10に適用され、可動アームレスト30Bは、ドア12bと隣り合って設けられる。
こうした構成によれば、回動軸31を中心として可動アームレスト30Bを第1位置から第2位置に回動させると、可動アームレスト30Bのうちシート本体20から離れる部分はシート本体20から離れるにしたがって乗降口11bへと近づく。したがって、乗員が車両10に乗降する際、乗降口11b側に向いた上記部分の上面に手を付くことによって可動アームレスト30Bを乗降の補助とすることができる。
【0044】
(5)可動アームレスト30Bの前端部30bは、第2位置において乗降口11bよりも車両10の外側に位置する。
こうした構成によれば、乗員は、乗降口11bよりも車両10の外側に位置する可動アームレスト30Bの前端部30bに手を付くことができることから、車両に乗降しやすくなる。
【0045】
(6)可動アームレスト30Bは、ドア12bが開かれることに連動して第1位置から第2位置に回動される。
こうした構成によれば、ドア12bが開かれることに連動して可動アームレスト30Bが第1位置から第2位置に回動される。したがって、乗降の補助とするために乗員が自ら可動アームレスト30Bを第1位置から第2位置へと回動する手間を省くことができる。
【0046】
(7)可動アームレスト30Bを回動させる駆動部33と、操作信号に基づいて駆動部33の駆動を制御する制御部40と、を備える。
こうした構成によれば、制御部40によって駆動部の駆動が制御されることにより、可動アームレスト30Bが回動される。このため、乗員が可動アームレスト30Bを手動により回動操作しなくて済む。したがって、可動アームレスト30Bの回動操作を容易に行うことができる。
【0047】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0048】
・本実施形態では、一対のシート装置13の双方に対して本発明を適用したが、一対のシート装置13のうちの一方のみに本発明を適用してもよい。
・本実施形態では、一対のアームレスト30のドア12bと隣り合うアームレスト30に対して本発明を適用したが、ドア12bとは反対側のアームレスト30に対して本発明を適用することもできる。また、一対のアームレスト30の双方に対して本発明を適用してもよい。
【0049】
・駆動部33は省略することもできる。この場合、可動アームレスト30Bが、機械的な連動機構を介して、ドア12bが開かれることに連動して第1位置から第2位置に回動されるようにしてもよい。
【0050】
・可動アームレスト30Bは、ドア12bが開かれることに連動して回動されないものであってもよい。この場合、乗員が手動で可動アームレスト30Bを第1位置と第2位置との間で回動させるようにすればよい。なお、第1位置及び第2位置において可動アームレスト30Bの更なる回動を規制する規制部を設けることが好ましい。
【0051】
・可動アームレスト30Bの前端部30bは、第2位置において、乗降口11bよりも車両10の外側に位置するものでなくてもよく、例えば、第2位置において、前端部30bが乗降口11bよりも車両10の内側に位置するものであってもよい。
【0052】
・回動軸31は、上下方向Hに沿って延在するものでなくてもよく、例えば前後方向Lに延在するものであってもよい。
・支持部は、シートクッション21の左側側面に連結されたガーニッシュ23に限定されるものではなく、シートクッション21とは独立して設けられるものであってもよい。要するに、可動アームレスト30Bの下方に設けられて可動アームレスト30Bの下面を支持するものであればよい。
【0053】
・例えば車両10の後方を向くようにシート装置13を配置することもできる。この場合、シート装置13の前方は、車両の後方と一致する。また、シート装置13は、上下方向Hに延びる軸線を中心に回動可能なものであってもよい。
【0054】
・本発明に係る車両用シート装置は、ドアを有する車両に適用されるものに限定されず、例えば、車いす等のドアのない車両に適用することもできる。
【符号の説明】
【0055】
10…車両
10A…側部
11a,11b…乗降口
12a,12b…ドア
13…シート装置
20…シート本体
21…シートクッション
22…シートバック
23…ガーニッシュ
23a…上壁
30…アームレスト
30A…固定アームレスト
30B…可動アームレスト
30b…前端部
31…回動軸
32…下壁
33…駆動部
33a…モータ
34…締付ナット
40…制御部
L…前後方向
W…幅方向
H…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6