(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】スティフナ及びこれを含むパッケージ基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20230328BHJP
【FI】
H05K3/00 Z
(21)【出願番号】P 2018131955
(22)【出願日】2018-07-12
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2017-0135986
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ウー-ソク
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0073493(US,A1)
【文献】特開2011-066027(JP,A)
【文献】特開2006-330260(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0215463(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0235304(US,A1)
【文献】特開平09-097856(JP,A)
【文献】特開2004-342811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/00
H05K 1/02
H05K 1/18
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板に脱着可能に結合され、
前記プリント回路基板の上面に結合され、前記上面に実装される素子を露出する開口を備えた上面部と、
前記上面部から延長され、前記プリント回路基板の側面に結合する側面部と、
を含
み、
前記上面部に、前記開口を隔てて形成される一対の突出部をさらに含む、スティフナ。
【請求項2】
プリント回路基板に脱着可能に結合され、
前記プリント回路基板の上面に結合され、前記上面に実装される素子を露出する開口を備えた上面部と、
前記上面部から延長され、前記プリント回路基板の側面に結合する側面部と、
を含
み、
前記側面部は、前記プリント回路基板の側面に形成された溝に挿入される、スティフナ。
【請求項3】
前記側面部の下端から前記プリント回路基板の下面側に延長する下面部をさらに含む請求項
1または2に記載のスティフナ。
【請求項4】
前記下面部の下面に第1傾斜面が含まれており、
前記側面部と前記第1傾斜面とがなす角度が、90°よりも小さい請求項
3に記載のスティフナ。
【請求項5】
前記下面部の上面に第2傾斜面が含まれており、
前記側面部と前記第2傾斜面とがなす角度が、90°よりも大きい請求項
4に記載のスティフナ。
【請求項6】
プリント回路基板に脱着可能に結合され、
前記プリント回路基板の上面に結合され、前記上面に実装される素子を露出する開口を備えた上面部と、
前記上面部から延長され、前記プリント回路基板の側面に結合する側面部と、
を含
み、
前記側面部の下端から前記プリント回路基板の下面側に延長する下面部をさらに含み、前記下面部の上面に第2傾斜面が含まれており、前記側面部と前記第2傾斜面とがなす角度が、90°よりも大きい、スティフナ。
【請求項7】
前記側面部は、複数形成され、
前記複数の側面部は、前記プリント回路基板の側面周りに沿って離隔して配置される請求項1から
6のいずれか一項に記載のスティフナ。
【請求項8】
前記上面部に、前記開口を隔てて形成される一対の突出部をさらに含む請求項
2から7のいずれか一項に記載のスティフナ。
【請求項9】
前記一対の突出部に内側への力が加えられると、
前記上面部が下に凸状に反り、
前記側面部が外側に回転する請求項
1または8に記載のスティフナ。
【請求項10】
前記側面部は、前記プリント回路基板の少なくとも一側面に沿って連続的に形成される請求項1から
9のいずれか一項に記載のスティフナ。
【請求項11】
前記側面部の前記プリント回路基板の側面と対向する面が、凸状の曲面である請求項1から
9のいずれか一項に記載のスティフナ。
【請求項12】
前記側面部は、前記プリント回路基板の側面に形成された溝に挿入される請求項
1、3から9及び
11のいずれか一項に記載のスティフナ。
【請求項13】
前記上面部は、前記プリント回路基板のダミー領域に結合する請求項1から
12のいずれか一項に記載のスティフナ。
【請求項14】
絶縁層及び回路層を備えるプリント回路基板と、
前記プリント回路基板の上面の素子実装領域に実装される素子と、
前記プリント回路基板に脱着可能に結合されるスティフナと、を含み、
前記スティフナは、
前記プリント回路基板の上面に結合され、前記素子実装領域を露出する開口が形成された上面部と、
前記上面部から延長され、前記プリント回路基板の側面に結合する側面部と、を含
み、
前記スティフナは、前記上面部に前記開口を隔てて形成される一対の突出部をさらに含む、パッケージ基板。
【請求項15】
絶縁層及び回路層を備えるプリント回路基板と、
前記プリント回路基板の上面の素子実装領域に実装される素子と、
前記プリント回路基板に脱着可能に結合されるスティフナと、を含み、
前記スティフナは、
前記プリント回路基板の上面に結合され、前記素子実装領域を露出する開口が形成された上面部と、
前記上面部から延長され、前記プリント回路基板の側面に結合する側面部と、を含
み、
前記プリント回路基板の側面に溝が形成され、
前記側面部は、前記溝に挿入される、パッケージ基板。
【請求項16】
前記スティフナは、前記側面部の下端から前記プリント回路基板の下面側に延長する下面部をさらに含む請求項
14または15に記載のパッケージ基板。
【請求項17】
絶縁層及び回路層を備えるプリント回路基板と、
前記プリント回路基板の上面の素子実装領域に実装される素子と、
前記プリント回路基板に脱着可能に結合されるスティフナと、を含み、
前記スティフナは、
前記プリント回路基板の上面に結合され、前記素子実装領域を露出する開口が形成された上面部と、
前記上面部から延長され、前記プリント回路基板の側面に結合する側面部と、を含
み、
前記スティフナは、前記側面部の下端から前記プリント回路基板の下面側に延長する下面部をさらに含み、
前記下面部の上面に第2傾斜面が含まれ、
前記側面部と前記第2傾斜面とがなす角度が、90°よりも大きい、パッケージ基板。
【請求項18】
前記下面部の下面に第1傾斜面が含まれ、
前記側面部と前記第1傾斜面とがなす角度が、90°よりも小さ
い、請求項
17に記載のパッケージ基板。
【請求項19】
前記側面部は、複数形成され、
前記複数の側面部は、前記プリント回路基板の側面に沿って離隔して配置される請求項
14から18のいずれか一項に記載のパッケージ基板。
【請求項20】
前記スティフナは、前記上面部に前記開口を隔てて形成される一対の突出部をさらに含む請求項
15から19のいずれか一項に記載のパッケージ基板。
【請求項21】
前記側面部は、前記プリント回路基板の少なくとも一側面に沿って連続的に形成される請求項
14から20のいずれか一項に記載のパッケージ基板。
【請求項22】
前記プリント回路基板の側面に溝が形成され、
前記側面部は、前記溝に挿入される請求項
14、16から21のいずれか一項に記載のパッケージ基板。
【請求項23】
前記プリント回路基板の下面に接合するメインボードをさらに含む請求項
14から22のいずれか一項に記載のパッケージ基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スティフナ(stiffener)及びこれを含むパッケージ基板(package substrate)に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージ基板の薄板化により、薄板プリント回路基板のアセンブリーのとき、反りを効果的に制御することが重要になっている。反りを制御して、安定的にマザーボード(mother board)にプリント回路基板を付着することは、アセンブリーの歩留まり率の向上及びコスト低減を決定する重要な要因となる。反りを制御するために、プリント回路基板に剛性を付与する補強部材をプリント回路基板に付着する技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0134338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、反りを制御するためにプリント回路基板に結合するスティフナ及びこれを含むパッケージ基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面によれば、プリント回路基板に脱着可能に結合され、上記プリント回路基板の上面に結合され、上記上面に実装される素子を露出する開口を備えた上面部と、上記上面部から延長され、上記プリント回路基板の側面に結合する側面部と、を含むスティフナが提供される。
【0006】
本発明の他の側面によれば、絶縁層及び回路層を備えるプリント回路基板と、上記プリント回路基板の上面の素子実装領域に実装される素子と、上記プリント回路基板に脱着可能に結合するスティフナと、を含み、上記スティフナは、上記プリント回路基板の上面に結合され、上記素子実装領域を露出する開口が形成された上面部と、上記上面部から延長され、上記プリント回路基板の側面に結合する側面部とを含むパッケージ基板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例に係るスティフナを示す図である。
【
図2】本発明の実施例に係るスティフナを示す図である。
【
図3】本発明の実施例に係るスティフナを示す図である。
【
図4】本発明の実施例に係るスティフナを示す図である。
【
図5A】本発明の実施例に係るスティフナを示す図である。
【
図5B】本発明の実施例に係るスティフナを示す図である。
【
図6】本発明の実施例に係るスティフナを示す図である。
【
図7】本発明の実施例に係るスティフナを示す図である。
【
図8】本発明の実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【
図9】本発明の実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【
図10】本発明の実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【
図11】本発明の実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【
図12】本発明の実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係るスティフナ及びこれを含むパッケージ基板の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明を省略する。
【0009】
また、以下で使用する第1、第2等の用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が第1、第2等の用語により限定されることはない。
【0010】
また、「結合」とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素が物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0011】
図1から
図7は、本発明の様々な実施例に係るスティフナを示す図である。
【0012】
図1を参照すると、本発明の実施例に係るスティフナ100は、プリント回路基板200に脱着可能に結合され、上面部110と側面部120とを含むことができる。
【0013】
スティフナ100は、プリント回路基板200に脱着可能に結合され、プリント回路基板200のハンドリングのときに発生し得るプリント回路基板200の反り(warpage)を防止することができる。特に、プリント回路基板200にチップ等の素子300が実装され、プリント回路基板200がメインボード400に接合する間に発生し得る反りを制御するために、プリント回路基板200にスティフナ100を臨時的に付着する。スティフナ100の役割が終了すると、最終製品ではスティフナ100を分離することができる。このスティフナ100は、多数のプリント回路基板に対して反復的、永久的に再使用することができる。
【0014】
スティフナ100は、SUS(stainless steel)、銅(Cu)等の金属材質で形成することができる。
【0015】
一方、上述したように、スティフナ100は、上面部110及び側面部120を含むことができる。
【0016】
上面部110は、プリント回路基板200の上面に結合され、プリント回路基板200の上面の少なくとも一部をカバーする部分である。ここで、プリント回路基板200の上面は、プリント回路基板200の側面を除いた2つの面のうち、素子300が実装される面である。これに対して、下面は、上面と平行に対向する面であって、メインボード400と接合する面である。すなわち、上面及び下面の概念は、機能及び他の部品との結合関係に応じて決まるものであって、最終製品においての上下位置に応じて決まるものではない。
【0017】
上面部110には、開口111が形成され、開口111を介してプリント回路基板200の上面に実装された素子300が露出される。上面部110に開口111がないと、素子300を実装するときスティフナ100により困難となるので、素子300を露出する開口111は必要である。開口111の面積は、素子300の面積よりも大きくてもよい。
【0018】
上面部110は、プリント回路基板200の上面において素子実装領域Mを除いたダミー領域Dに位置し、開口111は、ダミー領域D以外の領域に形成され得る。この場合、上面部110は、プリント回路基板200の縁に沿って、四角い額縁の形状の板に形成されることができる。
【0019】
プリント回路基板200に実装される素子300は、複数であってもよい。この場合、開口111は、1つであってもよく、1つの開口111を介して複数の素子300が一括に露出することができる。開口111が複数形成され、それぞれの素子300がそれぞれの開口111を介して露出することもできる。
【0020】
上面部110の厚さは様々であり、プリント回路基板200の層数、厚さ等に応じて変更可能である。上面部110の厚さは、素子の厚さ以上になってもよい。
【0021】
側面部120は、上面部110から延長され、プリント回路基板200の側面に結合する。すなわち、側面部120は、上面部110からプリント回路基板200の側面に沿ってプリント回路基板200の下面側に延長され、プリント回路基板200の側面をカバーする。側面部120は、上面部110の最外郭地点から延長できる。
【0022】
側面部120は、プリント回路基板200の側面に付着されるか、プリント回路基板200の側面に形成された溝240に挿入されることができる。これにより、プリント回路基板200は、側面部120により拘束され得る。
【0023】
側面部120は、複数形成され、プリント回路基板200の側面周りに沿って離隔して配置されることができる。例えば、側面部120が4つで構成され、プリント回路基板200の4つの側面にそれぞれ1つずつ配置されることができる。または、4つの側面部120がプリント回路基板200の側面角4つにそれぞれ1つずつ配置されることもできる。
【0024】
または、複数の側面部120は、それぞれの側面が互いに接するように近く配置されることができる。この場合、プリント回路基板200の側面の全面は、側面部120によりすべてカバーされ得る。
【0025】
側面部120の垂直長さは、プリント回路基板200の厚さ以上であってもよい。
【0026】
図2を参照すると、本発明の実施例に係るスティフナ100は、プリント回路基板200に脱着可能に結合され、上面部110と側面部120とを含み、下面部130をさらに含むことができる。
【0027】
下面部130は、側面部120の下端からプリント回路基板200の下面側に延長する部分である。すなわち、側面部120の上端は、上面部110に接続され、側面部120の下端は、下面部130に接続される。下面部130は、プリント回路基板200の側面から内側へ折り曲げられて形成されるので、プリント回路基板200がスティフナ100に強く拘束されることになる。上面部110、側面部120及び下面部130を含むスティフナ100は、プリント回路基板200を取り囲むことになる。
【0028】
下面部130の長さは、様々に変更でき、好ましくは、プリント回路基板200の下面に形成されるソルダーボールSと接触しない程度の長さである。
【0029】
下面部130は、上面132及び下面131を含むことができる。下面部130の上面132は、プリント回路基板200の下面230と対向し、下面部130の下面131は、下面部130の上面132と互いに反対方向を向いている。下面部130の上下面131、132は互いに平行しており、プリント回路基板200の下面とも平行することができる。この場合、プリント回路基板200は、下面部130の上面132全体と接触する。
【0030】
図3及び
図4を参照すると、本発明の実施例に係るスティフナ100は、プリント回路基板200に脱着可能に結合され、上面部110と側面部120とを含み、下面部130及び突出部140をさらに含むことができる。
【0031】
突出部140は、上面部110において開口111を隔てて一対に形成され、上側に突出する。突出部140は、開口111の縁に形成されることができる。また、一対の突出部140は対称に形成されることができる。
【0032】
図4に示すように、一対の突出部140に内側への力が加えられると、上面部110が下に凸状に反ることになり、これにより、一対の側面部120が外側に回転することができる。ここで「内側」とは、開口111に向く方向を意味する。また、側面部120は少なくとも2つで構成され、それぞれの側面部120が互いに反対方向に位置したプリント回路基板200の側面に1つずつ配置される。このとき、突出部140と側面部120とは互いに同じ側面側に形成されてもよい。
【0033】
例えば、プリント回路基板200の側面が、1面、2面、3面、4面の4つで構成される場合、一対の側面部120のそれぞれが、1面と3面に形成され、一対の突出部140のそれぞれも、1面と3面側に形成されることができる。一対の突出部140に内側への力が加えられると、1面と3面それぞれに位置した一対の側面部120が外側に広がることになることができる。
【0034】
スティフナ100がプリント回路基板200に結合すると、プリント回路基板200は、側面部120または側面部120と下面部130によりスティフナ100に拘束される。突出部140に内側への力が加えられると、結果的に側面部120が外側に回転(外側に広がることを意味する)するため、プリント回路基板200の拘束解除が可能となる。すなわち、スティフナ100がプリント回路基板200から分離するとき、突出部140に内側への力を加えることができる。一方、スティフナ100がプリント回路基板200を拘束するときにも、突出部140に内側への力が加えられ、側面部120が外側に広がった後にスティフナ100がプリント回路基板200側に移動することができる。つまり、プリント回路基板200がスティフナ100に拘束されるときや拘束解除されるときのすべてに突出部140に内側への力が加えられることができる。力を加える主体は、外部装置のジグ(jig)であってもよい。
【0035】
一方、突出部140の機能を発揮するために、好ましくは、スティフナ100の上面部110を形成する金属は所定の弾性を有する材料から形成され、所定の弾性を有するだけの比較的薄い厚さを有することができる。
【0036】
図5A及び
図5Bを参照すると、本発明の実施例に係るスティフナ100は、プリント回路基板200に脱着可能に結合され、上面部110と側面部120とを含み、下面部130をさらに含むことができる。また下面部130は、傾斜面を含むことができる。下面部130の下面131に第1傾斜面131aが含まれ、下面部130の上面132に第2傾斜面132aが含まれることができる。
【0037】
図5Aを参照すると、下面部130の下面131全体が第1傾斜面131aであってもよい。第1傾斜面131aは、側面部120となす角度が90°よりも小さい。ここで、傾斜面と側面部120とがなす角度は、傾斜面と側面部120とが上側でなす角度である。 すなわち、第1傾斜面131aは、外側から内側に行くほどプリント回路基板200の下面と近くなる。ここで、「外側」は、側面部120の方を指し、「内側」は、その反対の方を指す。
【0038】
下面部130が下面131に第1傾斜面131aを含む場合は、スティフナ100がプリント回路基板200に向けて垂直下向き移動する場合、スティフナ100がプリント回路基板200に滑りながら結合することができる。
【0039】
一方、下面部130の上面132全体は、第2傾斜面132aとなる。第2傾斜面132aは、側面部120となす角度が90°よりも大きい。すなわち、第2傾斜面132aは外側から内側に行くほどプリント回路基板200の下面と離れる。結局、第1傾斜面131aと第2傾斜面132aは、下面部130の端部で互いに接することになり、下面部130の縦断面にて第1傾斜面131aと第2傾斜面132aとは互いに接して三角形の頂点をなす。
【0040】
下面部130が、上面132に第2傾斜面132aを含む場合は、スティフナ100がプリント回路基板200から垂直上向き移動する場合、スティフナ100がプリント回路基板200から滑りながら分離されることができる。
【0041】
図5Bを参照すると、下面部130は傾斜面を含むが、プリント回路基板200の下面と平行な面(以下、平行面と称する)も含む。すなわち、下面部130の下面131は、「平行面+第1傾斜面131a」で構成され、下面部130の上面132は、「平行面+第2傾斜面132a」で構成され得る。特に、下面部130の上面132に位置した平行面は、プリント回路基板200の下面を支持する役割を担うことができる。よって、下面部130の上面132は、平行面+第2傾斜面132aで構成され、下面部130の下面131は、平行面なしで第1傾斜面131aのみで構成されることもできる。
【0042】
一方、複数の側面部120それぞれに下面部130が延長されてもよく、この場合に、すべての下面部130に傾斜面が含まれる必要はない。すなわち、
図5A、
図5Bに示すように、複数の下面部130の一部は傾斜面を含み、その他には傾斜面を含まず、平行面のみ含むことができる。
【0043】
特に、本発明の実施例に係るスティフナ100が突出部140を含む場合、突出部140が形成された側の下面部130には、傾斜面が含まれずに平行面のみ形成され、突出部140が形成されていない側の下面部130には、傾斜面が含まれることができる。
【0044】
これにより、スティフナ100がプリント回路基板200に脱着するとき、傾斜面のない下面部130は突出部140の機能により外側に回転移動するため、プリント回路基板200と接触しなく、傾斜面が含まれた下面部130は外側に回転移動しないため、プリント回路基板200と接触してもプリント回路基板200に滑りながら移動することができる。
【0045】
例えば、プリント回路基板200の側面が、1面、2面、3面、4面の4つで構成されており、複数の側面部120が、1面、2面、3面、4面に1つずつ形成され、一対の突出部140のそれぞれが、1面と3面側に形成される場合、1面と3面に位置した下面部130には傾斜面が形成されずに平行面のみ形成され、2面と4面に位置した下面部130には傾斜面が形成されることができる。
【0046】
このスティフナ100がプリント回路基板200に結合または分離するときには、一対の突出部140に内側への力を加え、1面と3面に形成された側面部120が外側に広がり、1面と3面に形成された下面部130がプリント回路基板200と接触しない。これに対して、2面と4面に位置した側面部120は、外側に広がらないので、元の状態を維持したまま垂直移動することになり、ただし、傾斜面によりプリント回路基板200に対して滑りながら移動することができる。
【0047】
図6を参照すると、本発明の実施例に係るスティフナ100は、プリント回路基板200に脱着可能に結合され、上面部110と側面部120とを含むことができる。ここで、側面部120は、プリント回路基板200の一側面に沿って連続的に形成されることができる。すなわち、側面部120の水平長さは、プリント回路基板200の一側面の水平長さと実質的に同一であることができる。
【0048】
この場合、側面部120が形成されていない少なくとも1つのプリント回路基板200の側面が存在し、プリント回路基板200とスティフナ100が結合するとき、スティフナ100がプリント回路基板200に向けて水平移動することができ、スティフナ100の側面部120が存在しない側にプリント回路基板200を挿入することができる。プリント回路基板200とスティフナ100とを分離するときも、スティフナ100がプリント回路基板200から水平移動することができる。
【0049】
一方、スティフナ100は、突出部140を含むことができ、連続的に形成される側面部120の位置は、突出部140が形成される側のプリント回路基板200の側面と一致することができる。
【0050】
この場合、突出部140に内側に作用する力を加えると、側面部120が外側に広がることは、上述した通りである。
【0051】
図7を参照すると、本発明の実施例に係るスティフナ100は、プリント回路基板200に脱着可能に結合され、上面部110と側面部120とを含むことができる。ここで、側面部120の上記プリント回路基板200の側面と対向する面121を凸状の曲面とすることができる。この凸状の曲面121の側面部120は、プリント回路基板200の溝240に挿入することを容易とする。
【0052】
図8から
図12は、本発明の様々な実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【0053】
図8を参照すると、本発明の様々な実施例に係るパッケージ基板は、絶縁層R及び回路層Cを備えるプリント回路基板200と、上記プリント回路基板200の上面の素子実装領域Mに実装される素子(チップ等)300と、上記プリント回路基板200に脱着可能に結合されるスティフナ100と、を含むことができる。
【0054】
スティフナ100に関する説明は、上述した通りである。
【0055】
すなわち、上記スティフナ100は、上記プリント回路基板200の上面210に結合され、上記素子実装領域Mを露出する開口111が形成された上面部110と、上記上面部110から延長され、上記プリント回路基板200の側面220に結合する側面部120と、を含み、上記側面部120の下端から上記プリント回路基板200の下面230側に延長する下面部130をさらに含むことができる。また、スティフナ100は、上記上面部110に、上記開口111を隔てて形成される一対の突出部140をさらに含むことができる。
【0056】
上記側面部120は複数形成され、上記複数の側面部120は、上記プリント回路基板200の側面220に沿って離隔して配置されることができる。
【0057】
図9を参照すると、本発明の様々な実施例に係るパッケージ基板は、プリント回路基板200と、素子(チップ等)300と、スティフナ100と、を含み、メインボード400をさらに含むことができる。メインボード400は、プリント回路基板200の下面230にソルダーボールSを媒介にして接合可能である。
【0058】
スティフナ100は、素子300がプリント回路基板200に実装され、プリント回路基板200の下面230にソルダーボールSが付着(attach)されて、ソルダーボールSを媒介にしてプリント回路基板200がメインボード400に接合される間に、プリント回路基板200の反りを制御する。特に、プリント回路基板200がメインボード400に接合されるとき、リフロー(reflow)工程を経る場合は、薄板のプリント回路基板200に反りの発生する可能性が高いので、リフロー工程においてスティフナ100によりプリント回路基板200の形状を維持することができる。
【0059】
プリント回路基板200がメインボード400に接合された後には、スティフナ100をプリント回路基板200から分離することができる。スティフナ100に突出部140が形成された場合は、突出部140に作用する力により側面部120が外側に回転移動することになり、プリント回路基板200をスティフナ100から容易に分離することができる。
【0060】
また、上記下面部130の下面131に第1傾斜面131aが含まれ、上記下面部130の上面132に第2傾斜面132aが含まれており、上記側面部120と上記第1傾斜面131aとがなす角度が90°よりも小さく、上記側面部120と上記第2傾斜面132aとがなす角度が0°よりも大きい場合は、傾斜面がプリント回路基板200に滑りながら移動するので、スティフナ100をプリント回路基板200に結合及び分離することが容易となる。
【0061】
図10を参照すると、スティフナ100の側面部120は、上記プリント回路基板200の少なくとも一側面に沿って連続的に形成されることができる。
【0062】
一方、
図11及び
図12を参照すると、上記プリント回路基板200の側面に溝240が形成されており、上記側面部120は上記溝240に挿入されることができる。
図11に示すように、プリント回路基板200の側面溝240の内部は、角のある形状であってもよく、
図12に示すように、プリント回路基板200の側面溝240の内部は曲面であってもよい。側面溝240の内部が曲面、特に半円柱状である場合、ドリルビット等の装置により半円柱状のホールをプリント回路基板200に形成することにより、プリント回路基板200の側面溝240を製造することができる。
【0063】
一方、プリント回路基板200の側面溝240がいずれの形状を有しても、スティフナ100の側面部120の形状と少なくとも一部が一致すればよい。
【0064】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものといえよう。
【符号の説明】
【0065】
100 スティフナ
110 上面部
111 開口
120 側面部
130 下面部
131 下面部の下面
131a 第1傾斜面
132 下面部の上面
132a 第2傾斜面
140 突出部
200 プリント回路基板
R 絶縁層
C 回路層
210 プリント回路基板の上面
M 素子実装領域
D ダミー領域
220 プリント回路基板の側面
230 プリント回路基板の下面
240 溝
300 素子
400 メインボード
S ソルダー