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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】流量測定システムおよび流量測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/36 20060101AFI20230328BHJP
   G05D 7/06 20060101ALI20230328BHJP
   G01F 25/10 20220101ALI20230328BHJP
【FI】
G01F3/36
G05D7/06 Z
G01F25/10 Q
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019141250
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021025789
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100137648
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢一
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 正明
(72)【発明者】
【氏名】滝本 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 一輝
(72)【発明者】
【氏名】西野 功二
(72)【発明者】
【氏名】池田 信一
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-531069(JP,A)
【文献】特開2018-025499(JP,A)
【文献】特開昭63-308531(JP,A)
【文献】国際公開第2012/014375(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/179550(WO,A1)
【文献】特開2004-264881(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109297554(CN,A)
【文献】中国実用新案第207036191(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00- 1/30
G01F 1/34- 1/54
G01F 3/00- 9/02
G01F 25/00-25/20
G05D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量制御器の下流側の流路に介在しガスが流れる測定セルと、
前記測定セルに入射させる光を発生する光源と、
前記光源から前記測定セルに入射し、前記測定セルを通過した光の強度を検出する光検出器と、
前記測定セルの下流側に設けられた下流バルブと、
前記光検出器に接続された処理回路と、
を備え、
前記処理回路は、前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から前記下流バルブを閉鎖した後に、前記光検出器で測定した前記測定セルを通過した光の強度の変化に基づいて、ガスの流量を算出する、流量測定システム。
【請求項2】
前記流量制御器と前記下流バルブとの間の容量であるビルドアップ容量の容積をVとし、前記光検出器の出力から得られる吸光度をAλとし、前記下流バルブを閉鎖した後の所定期間をΔtとし、前記所定期間Δtに対応する吸光度上昇幅をΔAλとしたとき、前記処理回路は、流量Qを、定数C1を含む下記の式に従って求める、請求項1に記載の流量測定システム。
Q=C1・(ΔAλ/Δt)・V
【請求項3】
前記測定セルの上流側に設けられた上流バルブをさらに備え、
前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から前記上流バルブと前記下流バルブとを同時に閉鎖した後の前記測定セルを通過した光の強度を基準強度として測定し、前記下流バルブを閉鎖した後の前記光の強度と前記基準強度とに基づいて、ガスの流量を算出する、請求項1または2に記載の流量測定システム。
【請求項4】
前記流量制御器は、絞り部と、前記絞り部の上流側に設けられたコントロール弁と、前記絞り部と前記コントロール弁との間の圧力を測定する圧力センサとを有し、前記圧力センサの出力に基づいて前記コントロール弁の開度を制御することによって前記絞り部の下流側に流れるガスの流量を制御するように構成された圧力式の流量制御器であり、
前記処理回路は、前記流量制御器によって制御された前記絞り部の下流側に流れるガスの流量を、前記下流バルブを閉鎖した後の光の強度に基づいて測定する、請求項1から3のいずれかに記載の流量測定システム。
【請求項5】
前記測定セルと、前記光源と、前記光検出器と、前記処理回路とを用いて、前記測定セルの内部のガスの濃度を測定可能なように構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の流量測定システム。
【請求項6】
流量制御器の下流側に設けられた測定セルと、前記測定セルに入射させる光を発生させる光源および前記測定セルを通過した光の強度を検出する光検出器とを備える流量測定装置を用いて行う流量測定方法であって、
前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から、前記測定セルの下流側に設けられた下流バルブを閉鎖するステップと、
前記下流バルブを閉鎖した後に、前記光検出器を用いて光の強度を複数点で測定するステップと、
前記測定された前記光の強度の変化に基づいて、前記流量制御器の下流側に流れるガスの流量を算出するステップと
を含む流量測定方法。
【請求項7】
前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から、前記測定セルの上流側に設けられた上流バルブと前記測定セルの下流側に設けられた下流バルブとを同時に閉鎖するステップと、
前記上流バルブと前記下流バルブとを同時に閉鎖した後の状態における前記測定セルを通過した光の強度を基準強度として前記光検出器を用いて測定するステップと
をさらに含み、
前記下流バルブを閉鎖した後の光の強度の変化と前記基準強度とに基づいて前記流量制御器の下流側に流れるガスの流量を算出する、請求項6に記載の流量測定方法。
【請求項8】
流量制御器が設けられた流路の上流側に介在しガスが流れる測定セルと、
前記測定セルに入射させる光を発生する光源と、
前記光源から前記測定セルに入射し、前記測定セルから出射した光の強度を検出する光検出器と、
前記測定セルの上流側に設けられた上流バルブと、
前記光検出器に接続された処理回路と
を備え、
前記処理回路は、前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から前記上流バルブを閉鎖した後に、前記光検出器で測定した前記測定セルを通過した光の強度の変化に基づいて、ガスの流量を演算する、流量測定システム。
【請求項9】
前記上流バルブと前記流量制御器との間の容量であるビルドダウン容量の容積をVとし、前記光検出器の出力から得られる吸光度をAλとし、前記上流バルブを閉鎖した後の所定期間をΔtとし、前記所定期間Δtに対応する吸光度減少幅をΔAλとしたとき、前記処理回路は、流量Qを、定数C1を含む下記の式に従って求める、請求項8に記載の流量測定システム。
Q=C1・(ΔAλ/Δt)・V
【請求項10】
前記流量制御器は、絞り部と、前記絞り部の上流側に設けられたコントロール弁と、前記絞り部と前記コントロール弁との間の圧力を測定する圧力センサとを有し、前記圧力センサの出力に基づいて前記コントロール弁の開度を制御することによって前記絞り部の下流側に流れるガスの流量を制御するように構成された圧力式の流量制御器であり、
前記処理回路は、前記流量制御器によって制御された前記絞り部の下流側に流れるガスの流量を、前記上流バルブを閉鎖した後の光の強度の変化に基づいて測定する、請求項8または9に記載の流量測定システム。
【請求項11】
流量制御器の上流側に設けられた測定セルと、前記測定セルに入射させる光を発生させる光源および前記測定セルを通過した光の強度を検出する光検出器とを備える流量測定装置を用いて行う流量測定方法であって、
前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から、前記測定セルの上流側に設けられた上流バルブを閉鎖するステップと、
前記上流バルブを閉鎖した後に、前記光検出器を用いて光の強度を複数点で測定するステップと、
前記測定された前記光の強度の変化に基づいて、前記流量制御器の下流側に流れるガスの流量を算出するステップと
を含む流量測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量測定システムおよび流量測定方法に関し、特に、半導体製造装置などに接続されたガス供給ラインを流れるガスの流量を測定する流量測定システムおよび流量測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造設備又は化学プラント等においては、供給されるガスの流量を精度よく制御することが要求されている。ガス流量を制御する装置としては、マスフローコントローラ(熱式質量流量制御装置)や圧力式流量制御装置が知られている。
【0003】
これらの流量制御装置において、流量は高精度で管理する必要があり、随時、流量精度の確認や校正を行うことが好ましい。流量測定の方法としては、一般的にビルドアップ法が用いられている。ビルドアップ法は、既知容積の容量内(ビルドアップ容量)に流れ込
むガスの時間に対する圧力変化を検出することによって流量を測定する方法である。
【0004】
ビルドアップ法は、流量制御器の下流に設けられた一定容積(V)の配管内又はタンク内にガスを流し、そのときの圧力上昇幅ΔPと圧力上昇に要した時間Δtとの比である圧力上昇率(ΔP/Δt)と、温度(T)とを測定することによって、例えば、Q=22.4×(ΔP/Δt)×V/RT(Rは気体定数)から流量Q(sccm)を求める方法である。
【0005】
特許文献1には、ビルドアップ法によって流量測定を行うガス供給システムが開示されている。また、特許文献2には、ビルドアップ法を用いた流量制御器の校正において、タンク内のガス温度が低下してから圧力および温度を測定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-337346号公報
【文献】特開2012-32983号公報
【文献】国際公開第2018/021311号
【文献】特開2011-063707号公報
【文献】国際公開第2018/147354号
【文献】国際公開第2013/179550号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のビルドアップ法は、下流側のバルブを閉じた状態でビルドアップ容量の配管内やタンク内にガスを流入させたときの圧力の時間変化を検出するものであり、圧力センサを用いて、ビルドアップ容量内の圧力上昇率(ΔP/Δt)を測定している。しかしながら、絶対圧を測定する圧力センサは、ゼロ点校正を行うときには、基準となる真空度を測定するためのセンサを必要とする。このため、圧力センサがラインに接続された状態では校正を行うことが困難なことが多く、ゼロ点ズレや温度ドリフトを有したままの圧力センサを使用することで流量測定の精度が低下し得るという問題があった。
【0008】
また、圧力センサには、圧力を受ける金属製またはセラミックス製のダイヤフラムの変形を利用して圧力を測定するもの(例えばキャパシタンスマノメータ)がある。このような圧力センサを用いる場合、異なるビルドアップ圧力では、ダイヤフラムの変形量およびビルドアップ容量も異なるものとなる。従来、ダイヤフラムの変形によって生じる容量の変化は、全体の容量と比較してもごく微小であるため、測定の精度に影響を与えることはなかった。しかし、近年、装置の小型化に伴い、測定に用いられる容量も小さくなってきており、またより高精度な測定が求められるようになってきたことで、ダイヤフラムの変形によって生じる容量の変化が測定精度に影響を及ぼす可能性を放置することが出来なくなってきている。
【0009】
さらに、圧力センサは、センサ面にガスが接触するようにして取り付けられるので、圧力センサの交換時等にガスのリーク等が生じ得るという問題がある。さらに、圧力センサでは、高温ガスの圧力測定が困難な場合があり、測定温度の上限を設定したり、流路とセンサとを離して設けて温度を下げるなどの工夫が必要とされる。また、高温でも使用できる圧力センサは存在するものの、高価であり製造コストが高くなるという問題もある。このようなことから、圧力センサを用いたビルドアップ法では、測定ガスの温度や種類によっては流量測定を適切に行えない可能性もあった。
【0010】
また、上記の問題は、ビルドダウン法(例えば、特許文献6に開示)に従って、既知容積内から流量制御器を介して流出するガスの圧力変化の測定結果に基づいて実際の流量を求める場合にも、圧力センサを用いて行う限り、同様に生じ得る問題である。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、圧力測定を必要とせずにビルドアップ法またはビルドダウン法を利用してガスの流量を測定することができる流量測定システムおよび流量測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態に係る流量測定システムは、流量制御器の下流側の流路に介在しガスが流れる測定セルと、前記測定セルに入射させる光を発生する光源と、前記光源から前記測定セルに入射し、前記測定セルを通過した光の強度を検出する光検出器と、前記測定セルの下流側に設けられた下流バルブと、前記光検出器に接続された処理回路と、を備え、前記処理回路は、前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から前記下流バルブを閉鎖した後に、前記光検出器で測定した前記測定セルを通過した光の強度の変化に基づいて、ガスの流量を算出する。
【0013】
ある実施形態において、前記流量制御器と前記下流バルブとの間の容量であるビルドアップ容量の容積をVとし、前記光検出器の出力から得られる吸光度をAλとし、前記下流バルブを閉鎖した後の所定期間をΔtとし、前記所定期間Δtに対応する吸光度上昇幅をΔAλとしたとき、前記処理回路は、流量Qを、定数C1を含む下記の式に従って求めるように構成されている。
Q=C1・(ΔAλ/Δt)・V
【0014】
ある実施形態において、上記の流量測定システムは、前記測定セルの上流側に設けられた上流バルブをさらに備え、前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から前記上流バルブと前記下流バルブとを同時に閉鎖した後の前記測定セルを通過した光の強度を基準強度として測定し、前記下流バルブを閉鎖した後の前記光の強度と前記基準強度とに基づいて、ガスの流量を算出する。
【0015】
ある実施形態において、前記流量制御器は、絞り部と、前記絞り部の上流側に設けられたコントロール弁と、前記絞り部と前記コントロール弁との間の圧力を測定する圧力センサとを有し、前記圧力センサの出力に基づいて前記コントロール弁の開度を制御することによって前記絞り部の下流側に流れるガスの流量を制御するように構成された圧力式の流量制御器であり、前記処理回路は、前記流量制御器によって制御された前記絞り部の下流側に流れるガスの流量を、前記下流バルブを閉鎖した後の光の強度に基づいて測定する。
【0016】
ある実施形態において、前記測定セルと、前記光源と、前記光検出器と、前記処理回路とを用いて、前記測定セルの内部のガスの濃度を測定可能なように構成されている。
【0017】
本発明の実施形態による流量測定方法は、流量制御器の下流側に設けられた測定セルと、前記測定セルに入射させる光を発生させる光源および前記測定セルを通過した光の強度を検出する光検出器とを備える流量測定装置を用いて行われ、前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から、前記測定セルの下流側に設けられた下流バルブを閉鎖するステップと、前記下流バルブを閉鎖した後に、前記光検出器を用いて光の強度を複数点で測定するステップと、前記測定された前記光の強度の変化に基づいて、前記流量制御器の下流側に流れるガスの流量を算出するステップとを含む。
【0018】
ある実施形態において、上記の流量測定方法は、前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から、前記測定セルの上流側に設けられた上流バルブと前記測定セルの下流側に設けられた下流バルブとを同時に閉鎖するステップと、前記上流バルブと前記下流バルブとを同時に閉鎖した後の状態における前記測定セルを通過した光の強度を基準強度として前記光検出器を用いて測定するステップとをさらに含み、前記下流バルブを閉鎖した後の光の強度の変化と前記基準強度とに基づいて前記流量制御器の下流側に流れるガスの流量を算出する。
【0019】
また、本発明の他の実施形態による流量測定システムは、流量制御器が設けられた流路の上流側に介在しガスが流れる測定セルと、前記測定セルに入射させる光を発生する光源と、前記光源から前記測定セルに入射し、前記測定セルから出射した光の強度を検出する光検出器と、前記測定セルの上流側に設けられた上流バルブと、前記光検出器に接続された処理回路と、を備え、前記処理回路は、前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から前記上流バルブを閉鎖した後に、前記光検出器で測定した前記測定セルを通過した光の強度の変化に基づいて、ガスの流量を演算する。
【0020】
ある実施形態において、前記上流バルブと前記流量制御器との間の容量であるビルドダウン容量の容積をVとし、前記光検出器の出力から得られる吸光度をAλとし、前記上流バルブを閉鎖した後の所定期間をΔtとし、前記所定期間Δtに対応する吸光度減少幅をΔAλとしたとき、前記処理回路は、流量Qを定数C1を含む下記の式に従って求める。
Q=C1・(ΔAλ/Δt)・V
【0021】
ある実施形態において、前記流量制御器は、絞り部と、前記絞り部の上流側に設けられたコントロール弁と、前記絞り部と前記コントロール弁との間の圧力を測定する圧力センサとを有し、前記圧力センサの出力に基づいて前記コントロール弁の開度を制御することによって前記絞り部の下流側に流れるガスの流量を制御するように構成された圧力式の流量制御器であり、前記処理回路は、前記流量制御器によって制御された前記絞り部の下流側に流れるガスの流量を、前記上流バルブを閉鎖した後の光の強度の変化に基づいて測定する。
【0022】
また、本発明の他の実施形態による流量測定方法は、流量制御器の上流側に設けられた測定セルと、前記測定セルに入射させる光を発生させる光源および前記測定セルを通過した光の強度を検出する光検出器とを備える流量測定装置を用いて行う流量測定方法であって、前記流量制御器によって制御された流量でガスが流れている状態から、前記測定セルの上流側に設けられた上流バルブを閉鎖するステップと、前記上流バルブを閉鎖した後に、前記光検出器を用いて光の強度を複数点で測定するステップと、前記測定された前記光の強度の変化に基づいて、前記流量制御器の下流側に流れるガスの流量を算出するステップとを含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態によれば、圧力の測定を必要とせずに光を用いたビルドアップ法またはビルドダウン法を利用して流量を測定することができる流量測定システムおよび流量測定方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態による流量測定システムの構成を示す模式図である。
図2図1に示す流量測定システムが備える流量測定装置の構成を示す図である。
図3図1に示す流量測定システムに配置された流量制御器の構成を示す図である。
図4】(a)は、実施形態によるビルドアップ法におけるバルブ閉鎖後の圧力の上昇と透過率の下降との関係を示すグラフであり、(b)は、実施形態によるビルドアップ法における圧力の上昇と吸光度の上昇との関係を示すグラフである。
図5】実施形態による流量測定方法における、第1および第2バルブ開閉のタイミングチャートおよび対応する吸光度変化を示す図である。
図6】他の実施形態による流量測定システムの構成を示す図である。
図7】他の実施形態による流量測定方法における、第1および第2バルブ開閉タイミングおよび吸光度変化を示す図である。
図8】さらに他の実施形態による流量測定システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0026】
図1は、本実施形態の流量測定システム100の例示的な構成を示す図である。流量測定システム100は、ガス供給源2に接続された流量制御器10の下流側に設けられた第1バルブ(上流バルブ)V1と、第1バルブV1の下流側に設けられた流量測定装置20と、流量測定装置20の下流側に設けられた第2バルブ(下流バルブ)V2と、第1バルブV1および第2バルブV2の開閉動作を制御する制御器(図示せず)とを備えている。第2バルブV2の下流側は、プロセスチャンバ4および真空ポンプ6に接続されており、真空ポンプ6を用いて下流側を減圧にした状態で、流量制御器10によって制御された流量でガスをプロセスチャンバ4に供給することが可能である。
【0027】
流量測定装置20は、第1バルブV1と第2バルブV2との間の流路に介在する測定セル22と、測定セル22と光学的および電気的に接続された電気ユニット24とによって構成されている。流量測定装置20は、流量制御器10の下流側のガス流量をビルドアップ法によって測定するために用いられるが、加えて、測定セル22内のガス濃度を測定することも可能である。
【0028】
なお、本明細書において、種々の透過光検出構造を広く測定セルと呼んでおり、測定セルは、ガス供給ラインから分岐して別個に配置された透過光検出構造だけでなく、図1に示されるようなガス供給ラインの途中に設けられたインライン式の透過光検出構造も含まれる。また、本明細書において、光とは、可視光線のみならず、少なくとも赤外線、紫外線を含み、任意の波長の電磁波を含み得る。
【0029】
図2は、本実施形態の流量測定装置20の詳細構成を示す。流量測定装置20は、測定セル22と、測定セル22と離間して配置される電気ユニット24とを備えている。測定セル22と電気ユニット24とは、入射用の光ファイバケーブル26、出射用の光ファイバケーブル28、および、センサケーブル(図示せず)によって、光学的および電気的に接続されている。測定セル22は、常温での使用が可能であるが、測定ガスの種類によっては例えば100℃~150℃程度にまで加熱される可能性がある。一方、電気ユニット24は通常は常温(室温)に維持される。
【0030】
本実施形態において、測定セル22には、測定セル22内を流れるガスGの圧力を検出する圧力センサ21と、ガスGの温度を測定する温度センサ23とが設けられている。圧力センサ21および温度センサ23の出力は電気ユニット24に送られ、これらの出力は、ガスの流量や濃度の補正のために用いられ得る。
【0031】
測定セル22の一方の端部には、流路に接する透光性の窓部22a(ここでは透光性プレート)が設けられている。また、測定セル22の他方の端部には反射部材22bが設けられている。窓部22aの外側には、光ファイバケーブル26、28が接続されたコリメータ22cが設けられている。コリメータ22cは、電気ユニット24の光源24aからの光を平行光として測定セル22に入射させるとともに、測定セル22から出射した反射光を受光して光ファイバケーブル28を介して電気ユニット24に伝送する。窓部22aとしては、例えば、機械的・化学的に安定なサファイアプレートが好適に用いられる。反射部材22bとしては、例えばサファイアプレートの裏面に反射層としてのアルミニウム層や誘電体多層膜が設けられたものが好適に用いられる。測定セル22に設けられたガス流路は、測定光のための光路として利用される。なお、ここでは測定光を反射部材22bによって反射する構造を用いているが、反射させずに直接受光する構造でも良い。
【0032】
電気ユニット24に伝送された測定光(反射光)は光検出器24bで受光され、測定セル22を往復した透過光の強度Iが検出される。電気ユニット24には、光検出器24b、光源24a、参照光検出器24cに接続された処理回路24dが設けられている。処理回路24dは、光源24aの制御を行うとともに、光検出器24bの出力に基づいて、測定セル22内のガス濃度を測定することが可能である。また、本実施形態では、処理回路24dは、光検出器24bの出力に基づいて、流量制御器10の下流側のガス流量を、ビルドアップ法に従って求めることも可能である。
【0033】
本実施形態の電気ユニット24において、光源24aは、互いに異なる波長の紫外光を発する2つの発光素子(ここではLED)およびWDM合波器を用いて構成されている。また、光検出器24bが検出した検出信号を周波数解析することによって、各波長成分に対応した光の強度を測定することができる。発光素子としては、LD(レーザダイオード)を用いることもできる。光源24aからの光の一部は、参照光検出器24cで受光され、光源24aの状態を確認するため等に用いられる。光検出器24bおよび参照光検出器24cに設けられる受光素子としては、フォトダイオードやフォトトランジスタが用いられる。光源24aは、単一波長の光源であってもよく、この場合、合波器や周波数解析回路は必要でない。
【0034】
なお、上記には、反射型の測定セル(特許文献3などに開示)を説明したが、透過型の測定セルを用いることもできる。透過型の測定セルは、測定セルの一方の側に配置した入射窓から測定光を入射させ、他方の側に配置した出射窓から測定セル内を通過した光を出射させるように構成されている。また、上記には、2本の光ファイバケーブルを用いる態様を説明したが、反射型の測定セルにおいて入射光と出射光とを1本の光ファイバケーブルによって伝送し、電気ユニットにおいて、光ファイバケーブルを、光源と光検出器とを含む分波モジュールに接続するようにしてもよい。
【0035】
流量測定装置20は、特許文献3に記載の反射型の濃度測定装置と同様に、測定セル22を往復した光の強度Iに基づいて、ガス濃度を測定することが可能である。より具体的には、光検出器24bの検出信号を周波数解析することによって、波長λの光の吸光度Aλを測定することができ、さらに、下記のランベルト・ベールの式(1)に基づいて、吸光度Aλからモル濃度CMを算出することができる。
Aλ=-log10(I/I0)=αLCM ・・・(1)
【0036】
式(1)において、I0は測定セルに入射する入射光の強度、Iは測定セル内のガス中を通過した光の強度、αはモル吸光係数(m2/mol)、Lは測定セルの光路長(m)、CMはモル濃度(mol/m3)である。モル吸光係数αは物質および測定光波長によって決まる係数である。また、反射型の測定セルを用いる本実施形態では、測定セル22の光路長Lは、窓部22aと反射部材22bとの距離の2倍に相当する。
【0037】
I/I0は、一般に透過率と呼ばれており、透過率I/I0が100%のときに吸光度Aλは0となり、透過率I/I0が0%のときに吸光度Aλは無限大となる。また、入射光強度I0については、測定セル22内に吸光性のガスが存在しないとき(例えば、紫外光を吸収しないガスが充満しているときや、真空に引かれているとき)に光検出器24bによって検出された光の強度を入射光強度I0とみなしてよい。
【0038】
なお、上述したように、吸光度Aλは、厳密には、-log10(I/I0)で定義されるものであるが、本明細書では、説明の簡単化のため、自然対数による表記である-ln(I/I0)も特に区別なく吸光度Aλと称することにする。任意の値xについて、lnx≒2.303・log10x(またはlog10x≒0.4343・lnx)である。
【0039】
流量測定装置20は、上記のように濃度測定が可能であるとともに、流量制御器10が制御したガスの流量を測定するために用いることができる。なお、特に限定されないが、本実施形態で用いられる流量制御器10は、図3に示すような圧力式の流量制御器であり、微細開口(オリフィス)を有する絞り部11(例えばオリフィスプレート)と、絞り部11の上流側に設けられたコントロール弁14と、絞り部11とコントロール弁14との間に設けられた圧力センサ12および温度センサ13とを備えている。コントロール弁14は、例えば、金属製ダイヤフラムを含むバルブ部14aとピエゾアクチュエータを含む駆動部14bとから構成されており、駆動電圧の制御により任意開度に調節可能である。絞り部11としては、臨界ノズルまたは音速ノズルを用いることもできる。オリフィスまたはノズルの口径は、例えば10μm~500μmに設定される。
【0040】
圧力センサ12および温度センサ13は、ADコンバータを介して制御回路15に接続されている。制御回路15は、コントロール弁14の駆動部14bにも接続されており、圧力センサ12及び温度センサ13の出力などに基づいて制御信号を生成し、この制御信号によってコントロール弁14の動作を制御する。
【0041】
流量制御器10では、臨界膨張条件:PU/PD≧約2(ただし、PU:絞り部上流側のガス圧力(上流圧力)、PD:絞り部下流側のガス圧力(下流圧力)であり、約2は窒素ガスの場合)を満たすとき、質量流量は上流圧力PUによって決まるという原理を利用して流量制御が行われる。臨界膨張条件を満たすとき、絞り部下流側の流量Qは、Q=K1・PU(K1は流体の種類と流体温度に依存する定数)によって与えられる。
【0042】
また、下流圧力センサを備える場合、上流圧力PUと下流圧力PDとの差が小さく、臨界膨張条件を満たさない場合であっても流量を算出することができ、上流圧力PUおよび下流圧力PDに基づいて、流量Qを、Q=K2・PD m(PU-PDn(ここでK2は流体の種類と流体温度に依存する定数、m、nは実際の流量を元に導出される指数)から算出することができる。
【0043】
流量制御を行うために、設定流量が制御回路15に入力され、制御回路15は、圧力センサ12の出力などに基づいて、Q=K1・PUまたはQ=K2・PD m(PU-PDnから流量を演算により求め、この流量が、入力された設定流量に近づくようにコントロール弁14をフィードバック制御する。演算により求められた流量は、流量出力値としてモニタ装置に表示するようにしてもよい。
【0044】
以下、流量制御器10によって制御されたガスの流量を、流量測定装置20を用いて光学的に測定するビルドアップ法について説明する。なお、本実施形態では、電気ユニット24における光検出器24bに接続された処理回路24dを用いて、濃度測定および流量測定を行うようにしているが、これに限られない。流量測定を行うための処理回路は、光検出器24bから出力された信号を受け取ることができる限り、任意の態様で設けられていてよい。処理回路は、電気ユニット24の外部に設けられていてもよく、流量測定のみに用いられるものであってもよい。処理回路は、第1バルブV1および第2バルブV2の開閉を制御するための制御器において設けられたものであってもよい。
【0045】
図4(a)は、ビルドアップ法における圧力の上昇と透過率(I/I0)の下降との関係を示し、図4(b)は、圧力の上昇と吸光度(-ln(I/I0))の上昇との関係を示す。図4(a)および(b)に示されるように、ビルドアップ法において下流側のバルブを閉じた後にビルドアップ容量内に所定流量でガスが流れ込むとき、ビルドアップ容量内のガス圧力は時間に対して線形的に上昇する。また、このとき、流量測定装置20によって測定される透過率(I/I0)は指数関数的に減衰し、吸光度-ln(I/I0)は圧力と同様に線形的に増加する。これは、ビルドアップ容量内におけるガスの物質量(モル数)が、時間とともに増加することによって、圧力および吸光度も同様に上昇するからである。つまり、図4(a)および(b)によれば、ビルドアップ容量内の圧力を測定せずとも、測定セル22における吸光度の時間変化を測定することによって、ビルドアップ法による流量測定を行うことが可能であることがわかる。
【0046】
より具体的には、ビルドアップ法において、流量を、光学的に測定される透過率や吸光度に基づいて求めるための計算式は、例えば以下のようにして導出される。
【0047】
まず、上記のランベルト・ベールの式(1)より、-ln(I/I0)=αLCMが成り立つ。次に、理想気体の状態方程式:PV=nRTより、CM=n/V=P/RTが導かれ、これをランベルト・ベールの式に代入すると、-ln(I/I0)=αL(P/RT)が得られる。これを変形すると、下記の式(2)が得られる。
P=(RT/αL)×(-ln(I/I0))
=(RT/αL)×Aλ ・・・(2)
ここで、Pは圧力、Rは気体定数、Tは温度、αは吸光係数、Lは光路長、I0は入射光強度、Iは透過光強度、Aλは吸光度(=-ln(I/I0)=ln(I0/I))である。
【0048】
一方、ビルドアップ法における流量計算式は、例えば、下記の式(3)によって与えられる。
【数1】
【0049】
ここで、Qは流量(Pa・m3/sec)、(ΔP/Δt)は圧力上昇率(Pa/sec)、Vはビルドアップ容量の容積(m3)、T0は、0℃すなわち約273(K)、Tmは摂氏での測定温度+273すなわちケルビンでの測定温度(K)である。
【0050】
また、式(2)から、下記の式(4)が導かれる。
【数2】
【0051】
ここで、Abs.は、上記の吸光度Aλであり、Tmは測定温度(K)である。そして、式(3)と(4)から、光学的に流量Qを求めるための下記の式(5)が導かれる。
【数3】
【0052】
上記式(5)において、Cは(RT0/αL)であり、定数の項である。また、上記式(5)における流量Qの単位は下記のようにして求められる。
【数4】
【0053】
ただし、下記の換算式を用いて、流量Qをsccmの単位で得ることも可能である。
1(sccm)=1.689×10-3(Pa・m3/sec)
【0054】
以上の説明から明らかなように、流量Qは、定数C1を用いて、一般式Q=C1・(V/Δt)・Δln(I0/I)あるいは一般式Q=C1・(ΔAλ/Δt)・Vと表記することができ、容積Vのビルドアップ容量に流れ込んだガスによる透過光強度の時間変化の測定、より具体的には(Δln(I0/I)/Δt)または(ΔAλ/Δt)の測定に基づいて、流量Qを求めることができることが分かる。
【0055】
なお、光検出器24bによって測定される透過率(I/I0)は、ビルドアップ容量内のガスの物質量の増加に伴って0に近づく(吸光度Aλは発散する)場合があり、透過率が小さすぎるときには時間に対する透過率の変化が極端に小さくなるおそれがある。そして、透過率の時間変化が小さすぎる場合には、Δln(I0/I)/Δtの測定誤差が大幅に増加する可能性がある。したがって、ビルドアップ後の透過率は、小さすぎないことが好ましく、具体的には、ビルドアップ後の透過率は、0.005(0.5%)以上であることが好ましく、0.2(20%)以上であることがより好ましい。ただし、後述するように、ビルドアップ中において吸光度Aλの増加の線形性が保たれている期間に限定して(Δln(I0/I)/Δt)または(ΔAλ/Δt)を測定により求める場合には、この限りではない。
【0056】
以下、図1および図5を参照しながら、流量測定装置20を用いて、ビルドアップ法による流量測定を行う具体例について説明する。
【0057】
ビルドアップ法による流量測定は、まず、第1バルブV1および第2バルブV2が開放された状態で、流量制御器10が制御する流量でラインをガスが流れている状態から開始される。このとき、流量測定装置20の光検出器24bの出力に基づいて測定される測定セル22内のガスの吸光度Aλまたは透過光強度I1は略一定の値に維持される。ビルドアップ前の吸光度Aλ1または透過光強度I1は、処理回路のメモリに格納される。
【0058】
第1バルブV1および第2バルブV2としては、応答性が良好な開閉弁(遮断弁)が好適に用いられ、例えば、AOV(Air Operated Valve)などの流体動作弁や、電磁弁または電動弁などの電気的動作弁が用いられるが、開度調整可能なバルブも使用し得る。第1バルブV1は、流量制御器10に内蔵された開閉弁(例えばオリフィス内蔵弁)であってもよい。なお、第1バルブV1は、ビルドアップ法による流量測定の観点からすると必須ではない。
【0059】
次に、図5に示す時刻t0において、測定セル22を含む流路をガスが流れている状態から、上流バルブ(第1バルブ)V1は開放に維持したまま下流バルブ(第2バルブ)V2のみを閉じることによってビルドアップを開始する。
【0060】
本実施形態では、ビルドアップ容量8は、図1において太線で示す流路と、図2に示した測定セル22の内部の流路とを含んでいる。ビルドアップ容量8の容積Vは、配管の設計などから求められ得る。また、ビルドアップ容量8の容積Vは、例えば特許文献4(特開2011-063707号公報)に記載のように、正確な流量を出力することができる流量基準器を接続するとともに、下流バルブを閉じて所定流量でガスを流すときのビルドアップ容量8における圧力上昇率等を測定することによって、測定セル22を含む場合であっても比較的容易かつ正確に求め得る。求められた容積Vは、処理回路のメモリに格納される。
【0061】
第2バルブV2を閉じた後は、既知容積のビルドアップ容量8にガスが所定流量で流れ込み続けるので、ビルドアップ容量内のガスのモル濃度および圧力は一定割合で線形的に増加し続ける。そして、流量測定装置20は、測定セル22内のガスのモル濃度の増加を、透過光強度の減少すなわち吸光度の増加として、光検出器24bを用いて測定することができる。
【0062】
次に、時刻t0から所定期間Δtが経過したときを時刻t1とすると、時刻t1に、第1バルブV1を閉じる。これによって、第1バルブV1と第2バルブV2との間の測定セル22を含む流路が閉じた空間となる。時刻t0から時刻t1までの期間、すなわちビルドアップ期間である所定期間Δtは、処理回路のメモリに格納されている。
【0063】
そして、時刻t1の後の、閉鎖空間に維持した状態において、ビルドアップ後の吸光度Aλ2または透過光強度I2を測定する。また、測定された吸光度Aλ2と、メモリから読み出されたビルドアップ前の吸光度Aλ1とから、ΔAλ=Aλ2-Aλ1により吸光度上昇幅ΔAλを求める。この吸光度上昇幅ΔAλは、所定期間Δtにおける、測定セル22を通過した光の強度の変化に対応するものである。
【0064】
なお、吸光度上昇幅ΔAλは、ΔAλ=Aλ2-Aλ1=ln(I0/I2)-ln(I0/I1)=ln(I1/I2)に従って、測定した透過光強度I1、I2から直接的に求めることが可能である。この式からわかるように、吸光度上昇幅ΔAλは、必ずしも入射光強度I0を測定しなくとも透過光強度I1、I2から求め得る。
【0065】
上記の吸光度Aλ2または透過光強度I2の測定は、好ましくは、時刻t1から所定時間を経過した後に行われる。これは、時刻t1に第1バルブを閉じた直後では、断熱圧縮の影響によって温度が上昇しており、ガスが不安定な状況になっている可能性があるからである。所定時間を経過した後であれば、ビルドアップ容量8内の温度や圧力が安定するので、流量計算に必要な吸光度Aλ2を、より正確に求め得る。
【0066】
上記のようにしてΔAλとΔtとがわかれば、例えば上記の式Q=C1・(ΔAλ/Δt)・Vに従って、流量Qを演算により求めることができる。もちろん、Q=C1・(ln(I1/I2)/Δt)・Vに従って、透過光強度I1、I2から流量Qを演算により求めることもできる。
【0067】
なお、上記にはΔtを一定にして吸光度Aλの変化を求める態様を説明したが、ビルドアップ中における吸光度上昇率ΔAλ/Δtは他の方法によっても求め得る。
【0068】
例えば、下限吸光度Aλ1および上限吸光度Aλ2を予め設定しておくとともに、ビルドアップ期間中に上記Aλ1からAλ2に達するまでの時間を計測し、計測した時間を所定期間Δtとし、ΔAλ=Aλ2-Aλ1として、吸光度上昇率(ΔAλ/Δt)を求めてもよい。また、上限吸光度Aλ2のみを設定し、第2バルブ閉鎖時刻t0から上限吸光度Aλ2に達するまでの時間を測定するようにしてもよい。さらに、第2バルブ閉鎖時刻t0を過ぎた後のビルドアップ期間中の任意の所定期間Δtを設定し、この設定期間における吸光度上昇幅ΔAλを測定するようにしてもよい。また、上記には、説明の簡単化のために、吸光度Aλを測定するものとして説明しているが、光検出器24bの出力する透過光強度Iに基づいて、実際には吸光度Aλ1、Aλ2を求めることなく、上記のように透過光強度Iの変化から流量Qを直接求め得ることは言うまでもない。また、吸光度上昇率(ΔAλ/Δt)は、3点以上の複数点(t1、・・・、tn)での吸光度(Aλt1、・・・、Aλtn、)をそれぞれ測定するとともに、最小二乗法によって直線の傾きとして求めてもよい。
【0069】
再び図5を参照して、吸光度Aλ2を測定した後、時刻t2において、第1バルブV1および第2バルブV2を開放することによって、ガスが再び流れる状態となり、吸光度Aλは、元の値まで急速に低下する。上記のようにビルドアップ法によって求めた流量Qは、流量制御器10の制御流量出力の校正のために利用することができる。
【0070】
流量制御器10は、流量測定システム100に組み込んだ後に、流量制御特性が変化したり、また、長年の使用によって絞り部の形状が変化して上流圧力と流量との関係性が変化する場合がある。これに対して、本実施形態の流量測定システム100を利用すれば、流量測定装置20を用いてビルドアップ法により求めた流量を用いて、流量制御器10をラインに接続したまま任意のタイミングで校正することができる。したがって、流量制御器10の取り外しを行わずとも、その精度を保証することが可能になる。
【0071】
(他の実施形態)
図6は、他の実施形態による流量測定システム100Aを示す。上記実施形態と同様の要素には同じ参照符号を付すとともに、詳細な説明を省略する場合がある。
【0072】
図6に示す流量測定システム100Aでは、複数のガス供給ライン5が、合流部7においてプロセスチャンバ4に通じる共通ライン9に接続されている。各ガス供給ライン5には、それぞれ、流量制御器10および第1バルブV1が設けられており、第1バルブV1の開閉により、ラインを切り替えて所望ガスをプロセスチャンバ4に供給することができる。なお、図6には、3本のガス供給ライン5が示されているが、より多くのガス供給ライン5が設けられていてもよいことは言うまでもない。
【0073】
流量測定システム100Aにおいて、流量測定装置20は、ガス供給ライン5の合流部7に設けられた測定セル22と、これに接続された電気ユニット24とによって構成されている。測定セル22は、合流部7を形成する合流ブロック(マニホールド型の継手ブロック)に光学系を配置することによって構成されている。合流ブロックは、ベースプレート上に種々の流路構成要素を配置する集積化ガスシステムにおいて、各ガス供給ラインが共通に接続される出口側のブロックである。
【0074】
合流ブロックを用いた測定セルは、本願出願人による特願2019-065571号に開示されており、本実施形態の測定セルも同様の種々の構成を有していてよい。本実施形態の流量測定装置20は、例えば、合流ブロックの長手方向に延びる貫通孔(メイン流路)の両端に光入射窓と光出射窓とが配置された測定セルを用いて構成される。
【0075】
また、本実施形態の流量測定装置20は、測定セル22の下流側に配置される第2バルブ(下流バルブ)V2を内蔵する分岐ユニット30を備えている。分岐ユニット30は、プロセスチャンバ4へと繋がるラインから分岐して設けられ、本実施形態では、配管を介して合流部7に接続されている。なお、上記のようにメイン流路の両端に測定セルの光学系が配置されている場合、分岐ユニット30は、合流ブロックのメイン流路に直交するサブ流路の一つに接続される。
【0076】
分岐ユニット30は、本実施形態では、第2バルブV2の上流側の第3バルブV3や、温度センサも有しており、制御回路32によって、第2バルブV2および第3バルブの開閉動作を制御したり、温度センサの出力を流量測定の補正のために用いることも可能である。
【0077】
流量測定システム100Aにおいて、ビルドアップ法による流量測定は、共通ライン9に設けられた第4バルブV4を閉じてプロセスチャンバ4へのガスの供給を停止するとともに、測定対象のガスラインの第1バルブV1を開き、それ以外のラインの第1バルブV1を閉じた状態で行われる。また、流量測定の開始時に、第2バルブV2および第3バルブV3は開放されており、測定対象のガスラインに設けられた流量制御器10によって制御されたガスは、第2バルブV2を介して分岐ユニット30の下流側に流れている。
【0078】
流量測定システム100Aにおいても、流量測定は、電気ユニット24内の光検出器24b(図2参照)を用いて、第2バルブV2を閉じた後の透過光強度Iまたは吸光度Aλの変化を測定することによって、上記と同様にして行うことができる。ただし、流量測定システム100Aでは、ビルドアップ容量は、図6に示す太線の部分となる(厳密には、測定対象のガス供給ラインにおける流量制御器10と第1バルブV1との間の流路等も含まれる)。
【0079】
また、流量測定システム100Aのように、複数のガス供給ライン5が設けられたガス供給系においてビルドアップ法による流量測定を適用する場合、各ラインの管径の違いなどによってガスの流れやすさ(圧力損失)が異なることがあり、特に大流量の流量測定では、測定誤差のライン依存性が発生する場合がある。このようなライン依存性を低減するために、本願出願人は、特許文献5(国際公開第2018/147354号)において、ガスの流れが生じていないガス封止状態でのガス量を測定して、流量測定を補正することを提案している。
【0080】
流量測定システム100Aにおいても、同様に、ガス封止状態における光強度の測定結果をビルドアップ法による流量測定に反映させることが可能である。以下、図7を参照しながら、封止状態での透過光強度の測定を含む、他の態様の流量測定方法について説明する。なお、以下に記載の流量測定方法は、流量測定システム100Aだけでなく、図1に示した流量測定システム100においても実施可能である。
【0081】
図7に示すように、本実施形態では、流量制御器10による制御流量でガスが流れている状態(このときの吸光度をAλ1とする)から、時刻t3において、第1バルブV1と第2バルブV2とを同時に閉じる動作を行う。そして、両バルブが同時閉鎖された封止状態において基準強度I3または基準吸光度Aλ3を測定する。この時に測定される透過光強度または吸光度は、定常流状態におけるビルドアップ容量内のガス物質量に対応するものであり、ライン依存性が反映されたものであると考えられる。
【0082】
次に、時刻t4に、第1バルブV1および第2バルブV2を開いて、定常流でガスが流れる状態に戻す。このとき、定常流での吸光度はAλ1に戻るが、本実施形態では、後の説明から明らかになるように、定常流での吸光度Aλ1を測定しなくてもよい。
【0083】
その後、図5に示した実施形態と同様に、時刻t5に第2バルブV2のみを閉じて、ビルドアップを開始し、所定期間Δt(ここではビルドアップ期間)が経過した時刻t6において第1バルブV1を閉じてビルドアップを完了する。また、両バルブが閉じられた封止状態においてガスの状態が安定してから、ビルドアップ後の吸光度Aλ2が光検出器24bを用いて測定される。その後、時刻t7において、両バルブが開放されてガスが定常流で流れるようになる。
【0084】
図7に示した流量測定手順において、第2バルブV2の閉鎖後にガスが流れ込んだ時間(ビルドアップ時間)が所定期間Δtに対応することは、図5に示した実施形態と同様である。一方で、この所定期間Δtに対応する吸光度上昇幅ΔAλは、ビルドアップ後の透過光強度または吸光度Aλ2と、上記のバルブ同時閉鎖後の封止状態において測定した基準強度I3または基準吸光度Aλ3とによって、ΔAλ=Aλ2-Aλ3=ln(I3/I2)によって求められている。以下、詳細を説明する。
【0085】
ビルドアップ法で流入させたガスを含むビルドアップ後のガスの物質量(モル数)n2は、理想気体の状態方程式から、n2=P2・V/RT2と表すことができる。ここで、P2およびT2はビルドアップ後の圧力および温度、Vは容積、Rは気体定数である。そして、上記の式(2)より、ビルドアップ後の圧力P2=(RT2/αL)×(-ln(I2/I0))=(RT2/αL)×Aλ2が成り立つ。ここで、I2は、ビルドアップ後の透過光強度であり、Aλ2はビルドアップ後の吸光度である。
【0086】
したがって、上記の2つの式から下記の式(6)が導出される。
n2=(RT2/αL)×Aλ2・V/RT2
=Aλ2・V/αL ・・・(6)
【0087】
同様に、バルブ同時封止時におけるガスの物質量n3は、下記の式によって表される。
n3=Aλ3・V/αL ・・・(7)
【0088】
また、ビルドアップ中に実際に流入したガスの物質量Δnは、ライン依存性を有する封止時のガス物質量n3を差し引いたものに対応し、Δn=n2-n3と考えることができる。この式に、式(6)および(7)を適用すると、Δn=(Aλ2-Aλ3)・V/αLが得られる。そして、ガスの流量(体積流量)Qは、単位時間あたりに流入したガスの体積であるので、流量Q(sccm)は、下記の式(8)によって求められるものと考えられる。
Q=22400・Δn/Δt
=22400(Aλ2-Aλ3)・V/αLΔt ・・・(8)
【0089】
ここで、Δtは、ビルドアップ期間、すなわち、第2バルブV2を閉じた時刻t5から第1バルブV1を閉じてガスの流入を停止させた時刻t6までの期間である。また、式(8)において、Aλ2-Aλ3をΔAλとおくと、上述した前実施形態の式と同じ形式となり、すなわち、本実施形態では、所定期間Δtに対応する吸光度上昇幅ΔAλを、Aλ2-Aλ1から求めるのではなく、Aλ2-Aλ3から求めることによって流量を演算により求めることができる。
【0090】
以上のことから、本実施形態のように、ビルドアップ後の吸光度Aλ2と、基準吸光度Aλ3の測定結果に基づいて、流量QをQ=22400((Aλ2-Aλ3)/Δt)・(V/αL)に従って測定値から算出することができる。Aλ2およびAλ3は、光検出器24bを用いた、第2バルブ閉鎖後の光の強度(ビルドアップ後の光強度)の測定結果と、第1および第2バルブを同時に閉鎖した期間の光の強度(基準強度)の測定結果とから得ることができる。
【0091】
また、他の態様において、第1バルブV1と第2バルブV2とを同時に閉じた後の基準吸光度Aλ3を測定する工程は、ビルドアップ後の吸光度Aλ2を測定する工程の後に行われてもよい。ただし、両工程の開始時における吸光度(ここでは定常流の吸光度Aλ1)は、同じであることが好適である。
【0092】
また、図7に示した流量測定方法において、流量Qを以下のようにして求めることができる。
【0093】
まず、上述したように、ガスの流量Qは、単位時間あたりに流入したガスの体積であるので、流量Q(sccm)は、下記の式(9)によって求められる。
Q=22400・Δn/Δt
=22400・V/(Δt・R)×(P2/T2-P3/T3) ・・・(9)
ここで、P2およびT2は、ビルドアップ後のガス圧力および温度であり、P3およびT3は、バルブ同時封鎖時の基準ガス圧力および基準ガス温度である。式(9)と同様の式が、例えば、特許文献5に開示されている。
【0094】
そして、ランベルト・ベールの式から、P2/T2=(R/αL)×ln(I0/I2)、および、P3/T3=(R/αL)×ln(I0/I3)が導かれる。
【0095】
これを上記の式(9)に代入すると、下記の式(10)が得られる。
Q=22400・V/(Δt・R)×(R/αL)×(ln(I0/I2)-ln(I0/I3))=22400・V/(Δt・αL)×ln(I3/I2)
・・・(10)
【0096】
したがって、所定期間Δt(ここでは、時刻t5~時刻t6までのビルドアップ期間)と、バルブ同時封鎖時の基準強度I3と、ビルドアップ後の光強度I2とに基づいて、流量を求めることができる。本実施形態においても、前実施形態と同様に、定数C1を含む一般式Q=C1・(ΔAλ/Δt)・VまたはQ=C1・(ln(I3/I2)/Δt)・Vに従って、Qを演算により求めることができる。
【0097】
(さらに他の実施形態)
図8は、ビルドダウン法を利用して流量を測定するように構成された、さらに他の実施形態の流量測定システム200の例示的な構成を示す図である。流量測定システム200は、ガス供給源2に接続された上流バルブV5と、上流バルブV5の下流側に設けられた流量測定装置50と、流量測定装置50の下流側に設けられた流量制御器10と、上流バルブV5の開閉動作を制御する制御器(図示せず)とを備えている。流量制御器10の下流側は真空ポンプ6に接続されており、真空ポンプ6を用いて下流側を減圧にすることができる。なお、上記の実施形態と同様の構成要素については、同じ参照符号を付すとともに、詳細な説明を省略する場合がある。
【0098】
本実施形態の流量測定装置50も、上記実施形態の流量測定装置20と同様の構成を有し、上流バルブV5の下流側の流路に介在する測定セル52と、測定セル52と光学的および電気的に接続された電気ユニット54とによって構成されている。測定セル52および電気ユニット54は、流量測定装置20の測定セル22および電気ユニット24と同様の構成を有していてよく、上流バルブV5と流量制御器10との間の流路において、ガスを通過した光の強度および吸光度を測定することができるように構成されている。
【0099】
本実施形態では、ビルドダウン法により、流量制御器10によって制御された流量でガスが流れている状態から、上流バルブV5を閉鎖した後に、光検出器で測定した光の強度の変化に基づいて、ガスの流量を演算する。従来のビルドダウン法では、例えば、特許文献6に記載のように、上流バルブを閉じた後の既知容積内の圧力降下率(ΔP/Δt)に基づいて流量を演算により求めるが、本実施形態では、既知容積における吸光度減少率(ΔAλ/Δt)を測定することによって流量を求めている。
【0100】
より具体的には、上流バルブV5と流量制御器10との間の容量であるビルドダウン容量の容積(図において太線で示す部分)をVとし、光検出器の出力から得られる吸光度をAλとし、上流バルブV5を閉鎖した後の所定期間をΔtとし、所定期間Δtに対応する吸光度減少幅をΔAλとしたとき、処理回路は、流量Qを、定数C1を含む、Q=C1・(ΔAλ/Δt)・Vによって求めることができる。ここで、定数C1は、上記のビルドアップ法と同様に、例えば(RT0/αL)である。
【0101】
本実施形態のビルドダウン法では、上流バルブV5を閉鎖した後、ビルドダウン容量のガスが流量制御器10を介して流出する過程において、吸光度減少率(ΔAλ/Δt)を測定することによって流量を求めることができ、上記のビルドアップ法による流量測定と同様の方法を適用することができる。本実施形態においても、上流バルブV5を閉鎖する前のビルドダウン前の定常流状態での透過光強度をI4とし、上流バルブV5を閉鎖した後の所定時間をΔt(ここではビルドダウン期間)とし、所定期間Δtが経過後のビルドダウン後の透過光強度をI5とすると、Q=(RT0/αL)・(ln(I5/I4)/Δt)・Vに従って流量を演算により求めることもできる。
【0102】
また、本実施形態においても、流量制御器10として、図3に示したような圧力式の流量制御器10、すなわち、絞り部11と、絞り部11の上流側に設けられたコントロール弁14と、絞り部11とコントロール弁14との間の圧力を測定する圧力センサ12とを有し、圧力センサ12の出力に基づいてコントロール弁14の開度を制御することによって絞り部11の下流側に流れるガスの流量を制御するように構成され流量制御器を用いることができる。なお、上記のビルドダウン容量に、流量制御器10の入り口から絞り部11までの流路も含めることによって、より精度よく流量測定を行うことができる。
【0103】
以上に説明したように、本発明の実施形態では、ビルドアップ法またはビルドダウン法に基づく流量測定、すなわち、所定容積に流入するガスまたは所定容積から流出するガスの物質量の時間変化の測定に基づく流量測定を、圧力センサを用いず、光学的に行っている。このように光学的に行うことによって、ガスに対する非接触での流量測定が可能となり、光学部品の交換等も比較的容易に行うことができる。また、流体の種類、圧力、温度によらずに適切に流量測定を行い得る。
【0104】
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、測定光としては、ガスの種類に応じて、紫外光以外の波長の光を利用することも可能である。また、上記の実施形態において、ビルドアップ容量またはビルドダウン容量は、流路と測定セルとによって構成されているが、これらに加えて流路に接続した所定容積を有するビルドアップタンクまたはビルドダウンタンクを含めて構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の実施形態による流量測定システムおよび流量測定方法は、流量制御器の制御するガスの実際の流量を測定するために適切に利用され、測定した流量から流量制御器の校正を行うことができる。
【符号の説明】
【0106】
2 ガス供給源
4 プロセスチャンバ
6 真空ポンプ
8 ビルドアップ容量
10 流量制御器
20 流量測定装置
22 測定セル
24 電気ユニット
24a 光源
24b 光検出器
24c 参照光検出器
24d 処理回路
26、28 光ファイバケーブル
100 流量測定システム
V1 第1バルブ(上流バルブ)
V2 第2バルブ(下流バルブ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8