(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】カセット機構を有する頭部安定化システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 90/14 20160101AFI20230328BHJP
A61G 13/00 20060101ALI20230328BHJP
A61G 15/12 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
A61B90/14
A61G13/00 R
A61G15/12 510
(21)【出願番号】P 2020509449
(86)(22)【出願日】2018-08-14
(86)【国際出願番号】 IB2018001018
(87)【国際公開番号】W WO2019034933
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-06-24
(32)【優先日】2017-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520051861
【氏名又は名称】プロ メッド インストゥルメンツ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ムースマン、セベリン
(72)【発明者】
【氏名】シューエル、マティアス、イー.
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06139106(US,A)
【文献】特表2002-536119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0032927(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0106508(US,A1)
【文献】実開昭52-125388(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0260311(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0327937(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0275987(US,A1)
【文献】特表2010-523269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の頭部を安定化する頭部安定化機器であって、前記安定化機器は、
(a)上に載せられた前記患者の前記頭部を支持するように構成された基部アセンブリと、
(b)前記基部アセンブリに取付可能な少なくとも2つの伸長バーであって、前記少なくとも2つの伸長バーは、前記伸長バーの各々の間の距離における変化を可能にするよう前記基部アセンブリに対し、及び相互に調節可能であり、前記少なくとも2つの伸長バーの各々は、横方向伸長部分及び直立伸長部分を含む、前記少なくとも2つの伸長バーと、
(c)
少なくとも2つのパッドであって、当該パッドの各々は、前記伸長バーの前記直立伸長部分の
うちの対応する1つと接続可能な
ものであり、
前記少なくとも2つのパッドは、患者の頭部と接触するように構成され、各々のパッドは、流体充填チャンバ
と、微粒材料充填チャンバ
とを含
み、
前記流体充填チャンバは、前記微粒材料充填チャンバと前記対応する伸長バーの前記直立伸長部分との間に配置されており、
前記流体充填チャンバは、流体が調整自在に充填および排出されるように構成されているものである、
前記少なくとも2つのパッドと、
を備えた、前記頭部安定化機器。
【請求項2】
各々の伸長バーの前記直立伸長部分の1つと接続可能な少なくとも2つのスライド部を更に備え、前記スライド部は、前記パッドを位置付けるよう前記伸長バーの前記直立伸長部分に沿って長手方向に調節するように構成される、請求項1に記載の頭部安定化機器。
【請求項3】
前記伸長バーの前記横方向伸長部分の各々は、歯形領域を含み、前記基部アセンブリは、少なくとも2つの解放ノブを含み、各々の解放ノブは、前記伸長バーのそれぞれの1つと機械連結し、前記解放ノブの各々は、前記伸長バーのそれぞれの前記横方向伸長部分の前記歯形領域と選択的に係合するように構成された歯形機構を含む、請求項1に記載の頭部安定化機器。
【請求項4】
前記流体充填チャンバに印加された力を表示する、力依存変形可能本体を含む指示機器を更に備えた、請求項1に記載の頭部安定化機器。
【請求項5】
前記流体充填チャンバに印加された圧力を示す計器を含む指示機器を更に備えた、請求項1に記載の頭部安定化機器。
【請求項6】
前記基部アセンブリと接続可能な頭部支持クッションを更に備え、前記基部アセンブリは、前記基部アセンブリに対する前記頭部支持クッションの調節を可能にする、請求項1に記載の頭部安定化機器。
【請求項7】
患者の頭部を安定化する頭部安定化機器であって、前記安定化機器は、
(a)基部アセンブリから延在する
一対の伸長バ
ーと、
(b)
一対のラチェット機
構であって、
当該一対のラチェット機構
の各々は、前記
一対の伸長バーの
うちの対応する1つと機械連結し、前記ラチェット機構は、前記機器の中心軸に対して横方向に前記
一対の伸長バ
ーを選択的に調節するように構成される、前記
一対のラチェット機
構と、
(c)
一対のパッ
ドであって、
当該パッ
ドの各
々は、前記
一対の伸長バーの
うちの
対応する1つと接続可能であり、
前記
一対のパッド
の各々は、流体により充填された第1のチャンバ
と、微粒材料により充填された第2のチャンバ
とを含み、
前記第1のチャンバは、流体が調整自在に充填および排出されるように構成されているものであり、
前記第1のチャンバは、前記第2のチャンバと前記一対の伸長バーのうちの対応する1つとの間に配置されており、
前記第1のチャンバは、前記第2のチャンバ
に当接するように構成されるとともに、前記微粒材料により充填された第2のチャンバの形状は前記患者の頭部の形状に適合するように構成されているものである、
前記
一対のパッドと、
(d)前記
一対のパッドと前記患者
の頭部との間の接触圧力の
調整を
行うように構成された圧力印加及び指示機構と、
を備えた、前記頭部安定化機器。
【請求項8】
前記圧力印加及び指示機構は、トルクネジを含む、請求項7に記載の頭部安定化機器。
【請求項9】
前記圧力印加及び指示機構は、圧力計を有するポンプを含む、請求項7に記載の頭部安定化機器。
【請求項10】
前
記頭部支
持クッションは、第1のチャンバを含み、前記第1のチャンバは、流体により充填されるように構成された内部空間を含み、前記第1のチャンバは、前記内部空間へのアクセスをもたらすように構成されたポートを含み、前記第1のチャンバは更に、前記内部空間から前記流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、請求項
6に記載の医療機器。
【請求項11】
前
記頭部支
持クッションは更に、
所定の材料により充填されるように構成された第2のチャンバを含み、前記第2のチャンバは、前記患者の前記頭部と接触するように構成さ
れ、前記所定の材料により充填された前記第2のチャンバの形状は、前記患者の頭部の形状に適合するように構成されているものであり、前記第1のチャンバは、前記第2のチャンバの下方に位置付けられ
る、請求項
10に記載の医療機器。
【請求項12】
前
記頭部支
持クッションは、
(a)第1の内部空間を含む、前記第1のチャンバと、
(b)第2のチャンバであって、前記第2のチャンバは、第2の内部空間を含み、前記第1の内部空間及び第2の内部空間は、前記第1のチャンバ及び第2のチャンバ内の圧力が同一であるように、その間で延在する第1の接続チューブによって流体連結し、前記第1のチャンバは、前記第1の内部空間及び第2の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第1のポートを含み、前記第1のチャンバ及び第2のチャンバは、前記第1のポートを介して流体により充填され、または前記流体の全部もしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、前記第2のチャンバと、
(c)前記第1のチャンバ及び第2のチャンバが集合的に
一対の外部チャン
バを画定するように、前記第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置付けられた第3のチャンバであって、前記第3のチャンバは、中間チャンバを
画定し、前記第3のチャンバは、第3の内部空間を含み、前記第1の接続チューブは、前記第3の内部空間を通じて延在し、前記第3のチャンバは、前記第3の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第2のポートを含み、前記第3のチャンバは、前記第2のポートを介して前記流体により充填され、または前記流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、前記第3のチャンバと、
を含む、請求項
6に記載の医療機器。
【請求項13】
前記外部チャンバ及び前記中間チャンバは、前記外部チャンバと前記中間チャンバとの間で充填及び排出サイクルを交互に繰り返すことによって、交互方式において加圧及び減圧されるように構成される、請求項
12に記載の医療機器。
【請求項14】
前記頭部支持クッションは
、所定の材料により充填されるように構成された第1のチャンバを含み、前記第1のチャンバは、前記患者
の頭部と接触するように構成され、
前記所定の材料により充填された前記第1のチャンバの形状は、前記患者の頭部の形状に適合するように構成されているものである、請求項6に記載の頭部安定化機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、その開示が本明細書で参照によって組み込まれる、2018年4月26日に出願された「Head Stabilization System and Method with Cassette Features」と題する米国仮特許出願第62/662,855号、及び2017年8月15日に出願された「Non-Invasive Head Fixation Device with Conforming Pads」と題する米国仮特許出願第62/545,785号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
開示されるシステム及び方法は、患者安定化の分野に関し、特に、頭部固定機器(以下、「HFDs」または単数形で「HFD」と称される)とも称される頭部安定化機器として既知の安定化機器を使用した頭部及び首安定化に関する。HFDは、様々な外科及び他の医療手順の間、例えば、特定の位置にある患者の頭部を安全に支持することが望ましい、頭部もしくは首の外科手術または検査の間に使用されることがある。患者が手順または好みの理由により特定の方式において位置付けられる必要がある場合があることを理由に、全てのHFDが必要な患者安定化をもたらすよう最適に適合されないことがある。様々な安定化機器が作成及び使用されてきたが、発明者(複数可)が本明細書で説明されるような発明を作成及び使用するよりも前には存在しないと信じられている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第7,730,563号明細書
(特許文献2) 米国特許第6,594,839号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2016/106508号明細書
(特許文献4) 米国特許第7,117,551号明細書
(特許文献5) 米国特許出願公開第2002/032927号明細書
(特許文献6) 米国特許出願公開第2014/135765号明細書
【発明の概要】
【0003】
明細書は、特に、発明を指摘し、明確に特許請求する特許請求の範囲により結論付けるが、本発明は、同一の参照符号が同一の要素を識別する添付図面を併用して特定の実施例の以下の説明からより良好に理解されると信じられている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】カセット機構を有する例示的なHFDの斜視図を表す。
【
図2】HFDの中央頭部支持部を示す、
図1のHFDの部分斜視図を表す。
【
図3】
図2の線3-3に沿った断面における
図2のHFDの正面図を表す。
【
図4】HFDの位置付けアセンブリを示す、
図1のHFDの部分斜視図を表す。
【
図5】頭蓋クランプの一部と接続された
図4の位置付けアセンブリの部分斜視図を表す。
【
図8】
図1のHFDと共に使用可能な別の例示的な中央頭部支持部の斜視図を表す。
【
図9】
図1のHFDと共に使用可能な別の例示的な中央頭部支持部及び安定化アセンブリの別のペアの斜視図を表す。
【
図10】
図1のHFDと共に使用可能な例示的な流体制御システムを表す。
【
図11】
図1のHFDと共に使用可能な別の例示的な流体制御システムを表す。
【
図12】
図1のHFDと共に使用可能な別の例示的な流体制御システムを表す。
【
図13】非侵入的HFDとして構成された別の例示的なHFDの斜視図を表す。
【
図15】ポンプと組み立てられて示される、
図13のHFDの正面図を表す。
【
図17】基部アセンブリが示されない、
図13のHFDの部分斜視図を表す。
【
図18】トルクネジを有する
図13のHFDの伸長バーの部分斜視図を表す。
【
図19】係止ボルトを有する
図13のHFDの別の伸長バーの部分斜視図を表す。
【
図22】ポンプと共に組み立てられて示される、
図13のHFDの断面図を表す。
【
図23】各々の伸長バー上でトルクネジを有する非侵入的HFDとして構成された別の例示的なHFDの正面図を表す。
【
図24】各々の伸長バー上で係止ボルトを有する非侵入的HFDとして構成された別の例示的なHFDの正面図を表す。
【
図25】
図1のHFDと共に使用可能な別の例示的な安定化アセンブリのペアの斜視図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図面は、決して限定することを意図しておらず、発明の様々な実施形態は、図面において必ずしも表されない方式を含む様々な他の方式において実施されてもよいことが予期される。明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示し、説明と共に本発明の原理を説明する役目を果たすが、本発明は、示される厳密な配置に限定されないことが理解される。
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が、以下の説明から当業者にとって明らかになる。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる態様及び明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示的であると見なされるべきであり、限定的と見なされるべきではない。
【0007】
I.例示的なHFD
【0008】
特定の医療手順の間、HFDを使用して患者の頭部を安定化することが必要であり、または望ましいことがある。医療チーム及びその器具への最良のアクセスをもたらす方式において患者を位置付けることが望ましいことがある。これは、患者が腹臥位、仰臥位、または中間位置にあることが伴うことがあり、中間位置では、患者の頭部は、患者の左半身及び右半身を定義する矢状面から左または右に回転する。それらに適応し、患者の頭部を安定化するための他の位置に適応するとき、HFD自体の調節機能は、患者の頭部の移動またはズレが回避されるように患者を安全に安定化する際の因子である。ここで、図面を参照すると、
図1~5は、医療手順の間に患者の頭部を支持及び安定化する際の使用のために構成された例示的なHFD(600)を例示する。HFD(600)は、中央頭部支持部(700)、及び位置付けアセンブリ(900)によって中央頭部支持部(700)と接続可能な頭蓋クランプ(800)を備える。
【0009】
中央頭部支持部(700)は、本体(702)及び本体(702)上の取付機構(704)を備え、取付機構(704)は、1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台または他の構造と接続するように構成されたスターバーストの形式にある。例えば、いくつかの例では、pro med instruments GmbHから入手可能な基部ユニットなどの基部ユニットは、手術台に取り付けられ、取付機構(704)は、基部ユニットと接続する。いくつかの例では、スイベルアダプタまたはpro med instruments GmbHから入手可能な他のアダプタなどのアダプタは、基部ユニットと接続してもよく、中央頭部支持部(700)の取付機構(704)は、アダプタと接続する。本明細書における教示を考慮して、中央頭部支持部(700)を手術台などの安定した構造と接続する様々な方式が当業者にとって明らかである。
【0010】
中央頭部支持部(700)また、本体(702)と接続し、クッション(708)を保持または維持する基部(706)を備える。クッション(708)は、接着剤、ネジもしくはフック及びループなどの機械的留め具、または当業者にとって明らかな他の方式によって基部(706)と接続してもよい。いくつかのバージョンでは、クッション(708)が使用後に洗浄及び殺菌のために廃棄可能であり、または除去されることができるように、クッション(708)は、基部(706)と選択的に接続される。クッション(708)は、HFD(600)が患者を支持及び安定化するために使用されるときに患者の頭部と接触するように構成される。本実施例では、基部(706)は、ネジまたはボルトなどの留め具を使用して基部(706)と接続された、ディスク(710)によって本体(702)と接続する。ディスク(710)は、本体(702)において定義されたスロット(712)内で受けられる。本実施例では、ディスク(710)は、取り付けられた基部(706)及びクッション(708)が回転可能に調節可能であるように、スロット(712)内で回転可能である。本実施例では、ディスク(710)及びスロット(712)機構及び仕組みは、その開示が本明細書で参照によって組み込まれる、同日付で出願された「Anti-Slip Skull Clamp and Method」と題する米国特許出願代理人整理番号0101546.0654083における教示に従って示され、及び説明されたそれらの機構と同一または類似である。
【0011】
クッション(708)は、形状適合材料を包含するように構成され、形状適合材料は、液体、気体、またはゲルなどの流体であってもよい。1つのバージョンでは、形状適合材料は、ゲル、発泡体、または微粒材料のいずれか1つである。本明細書における教示を考慮して、クッション(708)と共に使用可能な他の形状適合材料が当業者にとって明らかである。
【0012】
使用中、中央頭部支持部(700)は、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される。このように、中央頭部支持部(700)は、患者の頭部が中央頭部支持部によって支持されるとき、患者の頭部の下方に延在する平面を定義する。本実施例では、中央頭部支持部(700)は、中央頭部支持部(700)によって定義された平面が床に平行し、または中央頭部支持部(700)上で重力の方向に直交するように位置付けられる。更に、中央頭部支持部(700)は、クッション(708)の中心を通じて延在し、中央頭部支持部(700)の重力の方向と平行する中心軸(A1)を定義する。
【0013】
HFD(600)の位置付けアセンブリ(900)は、中央頭部支持部(700)と接続する。本実施例では、位置付けアセンブリ(900)は、カセットキャリア(902)、コネクタ(904)、アクチュエータ(906)、及び係止挿入部(908)を備える。中央頭部支持部(700)と接続する際、コネクタ(904)は、中央頭部支持部(700)のスロット(714)によってスライドして受けられるビーム部分(910)を含み、中央頭部支持部(700)は、ディスク(710)を受けるスロット(712)の真下に位置する。このように、中央頭部支持部(700)は、中央頭部支持部(700)と位置付けアセンブリ(900)との間の間隔を調節するように構成される。以下で更に説明されるように、位置付けアセンブリ(900)が更に頭蓋クランプ(800)と接続されるので、中央頭部支持部(700)は、自身と頭蓋クランプ(800)との間の間隔を調節するように構成されると考えられる。ビーム部分(910)のプロファイルは、スロット(714)への相補形状を有する。本実施例では、ビーム部分(910)及びスロット(714)は、蟻継ぎ境界面を共に形成する。このように、コネクタ(904)は、スロット(714)に沿って並進移動可能であり、スロット(714)は、位置付けアセンブリ(900)と中央頭部支持部(700)との間の間隔を調節する。
【0014】
スロット(714)内でコネクタ(904)の調節機能を制御するために、中央頭部支持部(700)は、コネクタ(904)の並進移動を可能にするよう少なくとも十分に係止機構(718)がビーム部分(910)と接触することから遊離することによって、圧縮係合を介してスロット(714)内の本体(702)に対してその位置を確保し、または本体(702)に対するコネクタ(904)のスライド可能調節を可能にするかのいずれかのために、ビーム部分(910)と接触する係止機構(718)を含むアクチュエータ(716)を備える。ビーム部分(910)との係止機構(718)の接触を制御するために、アクチュエータ(716)は、回転するレバー(720)を含む。レバー(720)の回転によって、レバー(720)が回転する方向に応じてビーム部分(910)に向かってまたはビーム部分(910)から離れて係止機構(718)が移動する。アクチュエータ(716)は、中央頭部支持部(700)の本体(702)においてネジ式ボア(724)を通じて延在するネジ式ロッド(722)を含む。レバー(720)は、ネジ式ロッド(722)を係合させるネジ式ボア(726)を含む。ネジ式ロッド(722)は、係止機構(718)と接続する。レバー(720)を回転させることによって、回転の方向に基づいてビーム部分(910)に向かってまたはビーム部分(910)から離れて本体(702)のネジ式ボア(724)内でネジ式ロッド(722)が並進移動するように、ネジ式ロッド(722)が回転する。ビーム部分(910)に向かうネジ式ロッド(722)の並進移動は、係止機構(718)をコネクタ(904)のビーム部分(910)と接触して中に駆動し、それによって、中央頭部支持部(700)に対するコネクタ(904)の位置を確保する。同様の方式において、ビーム部分(910)から離れたネジ式ロッド(722)の並進移動は、コネクタ(904)の調節を可能にするようビーム部分(910)から離れて係止機構(718)を移動させる。上記説明された構成では、コネクタ(904)の調節可能な移動は、中央頭部支持部(700)によって定義された平面に沿ってまたは平面に平行する。本明細書における教示を考慮して、位置付けアセンブリ(900)を中央頭部支持部(700)と接続するための他の方式が当業者にとって明らかである。
【0015】
位置付けアセンブリ(900)のコネクタ(904)は更に、カセットキャリア(902)と接続する。コネクタ(904)は、カセットキャリア(902)のフランジ(914)を受けるように構成されたスロット(912)を含む。本実施例では、フランジ(914)のプロファイルは、スロット(912)のプロファイルへの相補形状を有する。例えば、フランジ(914)及びスロット(912)は、蟻継ぎ境界面を共に形成する。このように、カセットキャリア(902)は、コネクタ(904)のスロット(912)に沿って並進移動可能であり、それによって、以下で議論されるようなカセットキャリア(902)と接続する頭蓋クランプ(800)と、中央頭部支持部(700)との間の間隔を調節する。
【0016】
カセットキャリア(902)とコネクタ(904)との間の接続は更に、上述した並進移動式調節に加えて、回転式調節に対して構成される。例えば、カセットキャリア(902)のフランジ(914)は、コネクタ(904)のスロット(912)内で回転可能である。この回転運動は、カセットキャリア(902)と共に、以下で議論されるようなそれに取り付けられた頭蓋クランプ(800)が、コネクタ(904)及び上記議論されたようなそれに取り付けられた中央頭部支持部(700)に対して回転可能に調節されることを可能にする。したがって、本実施例では、位置付けアセンブリ(900)は、回転可能と共に並進移動可能に中央頭部支持部(700)に対して頭蓋クランプ(800)を調節することをもたらすように構成される。これは、頭蓋クランプ(800)が、中央頭部支持部(700)、及びその上に載せられた患者の頭部に対して上昇及び下降することを可能にする。これはまた、頭蓋クランプ(800)が、中央頭部支持部(700)上に載せられた患者の頭部の周りで回転することを可能にする。その上、この二重調節は、カセットキャリア(902)とコネクタ(904)との間の位置付けアセンブリ(900)内での単一の接続境界面においてもたらされる。中央頭部支持部(700)に対する接続された頭蓋クランプ(800)とのカセットキャリア(902)の回転のための調節機能の範囲の観点で、本バージョンでは、頭蓋クランプ(800)は、中央頭部支持部(700)によって定義された中心軸(A1)から約45度のオフセットまでいずれかの方向において回転することができる。本明細書における教示を考慮して、中央頭部支持部(700)に対して頭蓋クランプ(800)をより多いまたは少ない量で調節する他の方式が当業者にとって明らかである。
【0017】
位置付けアセンブリ(900)は更に、アクチュエータ(906)を含む。アクチュエータ(906)は、コネクタ(904)とのカセットキャリア(902)の位置、回転位置及び並進移動位置の両方を選択的に確保するように構成される。説明及び例示される構成により、アクチュエータ(906)は、中央頭部支持部(700)に対する頭蓋クランプ(800)の位置、回転位置及び並進移動位置の両方を選択的に確保するように構成される。その上、単一のアクチュエータ(906)は、それらの調節の両方を実質的に同時に選択的に確保するように構成される。
【0018】
例示されるバージョンでは、アクチュエータ(906)は、ノブ(918)と接続されたネジ式ロッド(916)を備える。カセットキャリア(902)は、アクチュエータ(906)のネジ式ロッド(916)を受けるように構成されたネジ式ボア(920)を備える。ネジ式ボア(920)は、1つの側面から他の側面にカセットキャリア(902)を通じて幅広く延在する。本実施例では、ネジ式ボア(920)は、スロット(912)内でコネクタ(904)と接触しているネジ式ロッド(916)の端と共に、フランジ(914)を通じて延在する。
【0019】
アクチュエータ(906)のノブ(918)を回転させることによって、ネジ式ロッド(916)とネジ式ボア(920)との間のネジ式係合に基づいてノブ(918)が回転する方向に応じて、コネクタ(904)に向かってまたはコネクタ(904)から離れてカセットキャリア(902)が並進移動する。コネクタ(904)に向かってカセットキャリア(902)を並進移動させることによって、フランジ(914)は、コネクタ(904)に向かって移動し、カセットキャリア(902)が上記説明されたように回転可能及び並進移動可能に調節されることができるように、フランジ(914)及びコネクタ(904)のスロット(912)の境界面において十分な隙間または空間が生じる。コネクタ(904)から離れてカセットキャリア(902)を並進移動させるためにアクチュエータ(906)を使用することによって、フランジ(914)は、それがフランジ(914)とスロット(912)との間の干渉を生じさせるスロット(912)の内壁(922)と接触し、その結果、フランジ(914)が、コネクタ(904)に対してカセットキャリア(902)を確保するようスロット(912)の内壁(922)に対して結び付けられるように、コネクタ(904)から離れて移動する。これは、回転位置と共に並進移動位置の両方を確保する。
【0020】
本実施例では、アクチュエータ(906)の回転は、調節可能状態から固定状態に位置付けアセンブリ(900)を移動させるために最小の回転運動しか必要としない。例えば、実施例としてのみであり、限定することなく、1つのバージョンでは、位置付けアセンブリ(900)は、アクチュエータ(906)のノブ(918)のわずかに4分の1の回転により調節可能状態から固定状態に移動することができる。もちろん他のバージョンでは、位置付けアセンブリ(900)は、アクチュエータ(906)のより大きなまたはより小さな回転を使用して調節可能状態から固定状態に位置付けアセンブリ(900)を移動できるように構成されてもよい。
【0021】
図1に示されるように、頭蓋クランプ(800)は、位置付けアセンブリ(900)と接続する。より詳細には、頭蓋クランプ(800)は、頭蓋クランプ(800)が位置付け部材(900)に対して選択的に移動可能または調節可能である方式において位置付けアセンブリ(900)と接続する。例示されるバージョンでは、カセットキャリア(902)は、頭蓋クランプ(800)のカセット(802)を受けるように構成された空間(925)を定義する側壁(924)のペアを備える。カセットキャリア(902)は、各々の側壁(924)上で、カセット(802)が2つの突起部(926)によって真下から保持されるようなサイズの内向き突起部(926)を含む。この構成により、カセット(802)は、カセットキャリア(902)に対して並進移動可能であり、並進移動は、カセット(802)によって定義された長手方向軸に沿って生じる。このように位置付けアセンブリ(900)に対して頭蓋クランプ(800)を移動させ、または調節することによって、位置付けアセンブリ(900)が中央頭部支持部(700)と接続するので、頭蓋クランプ(800)の位置は、中央頭部支持部(700)に対して調節可能である。更に、例えば、
図1に示されるように、中心軸(A1)から少なくとも約45度のオフセットまで頭蓋クランプ(800)を回転可能に調節することが可能であり、カセットキャリア(902)に対してカセット(802)の位置を調節することによって、中央頭部支持部(700)のクッション(708)の周りで頭蓋クランプ(800)を中心に維持することも可能である。クッション(708)の周りで頭蓋クランプ(800)を中心に維持することによって、クッション(708)の上に載せられた患者の頭部のより安定した安定化が可能になる。
【0022】
更に、患者の頭部が中央頭部支持部(700)によって支持されるとき、少なくともいくつかの実施例では、コネクタ(904)に対してカセットキャリア(902)を回転させることに基づいた回転可能な頭蓋クランプ(800)の移動、及びカセットキャリア(902)に対するカセット(802)の並進移動に基づいた並進移動可能な頭蓋クランプ(800)の移動の組み合わせは、患者の頭部の周りで同軸または実質的に同軸に頭蓋クランプ(800)の位置を変える。同様の観点では、患者は、患者を左半身及び右半身に分割する矢状面を定義し、矢状面に沿って長手方向に延在する軸は、患者によって定義された長手方向軸と見なされる。概して、この長手方向軸は、患者の頭部から患者の足に延在する。少なくともいくつかの実施例では、上記説明されたような頭蓋クランプ(800)の移動は、患者によって定義されたこの長手方向軸の周りで頭蓋クランプ(800)の位置を変える。上述したように、いくつかの例では、頭蓋クランプ(800)は、中央頭部支持部(700)によって定義された中心軸(A1)から約45度まで、中央頭部支持部(700)及び患者の長手方向軸に対していずれかの方向で調節可能である。このように、HFD(600)は、約45度まで中央頭部支持部(700)によって支持された患者の頭部のいずれかの側面上での頭蓋クランプ(800)を斜め横向きに位置付けることを可能にする。本明細書における教示を考慮して、約45度よりも大きいまたは小さい調節を達成するためのHFD(600)への修正が当業者にとって明らかである。
【0023】
ここで、
図1に示されるような頭蓋クランプ(800)の更なる詳細に目を向けると、頭蓋クランプ(800)は、カセット(802)、及び伸長バー(804)のペアを備える。カセット(802)は、伸長バー(804)を受けるように構成された開口部(806)のペアを備える。伸長バー(804)は、カセット(802)に対し及び相互に独立して移動可能である。更に、カセット(802)は、伸長バー(804)を適格な位置に確保し、または伸長バー(804)の調節を可能にするかのいずれかのために、それぞれの伸長バー(804)を係合させるように構成された係止部(808)を備える。このように、各々の伸長バー(804)は、歯型ラック(810)を備え、各々の係止部(808)は、カセット(802)内に存在する相補形状歯型部分を備え、カセット(802)は、それと関連付けられた歯型ラック(810)を係合させ、または遊離するように移動可能である。例えば、係止部(808)は、歯型部分が歯型ラック(810)と係合し、よって、カセット(802)に対して伸長バー(804)の位置を係止または確保するように、バネまたは他の構造によって最初に付勢される。各々の係止部(808)は、係止部(808)の歯型部分を歯型ラック(810)から遊離し、それによって、カセット(802)及び他の伸長バー(804)に対する伸長バー(804)の横方向の移動を可能にするように、カセット(802)から下方向にまたはカセット(802)から離れて引き出されてもよい。このように、カセット(802)は、係止部材となると考えられることができる。
【0024】
本実施例では、伸長バー(804)は、1つがカセット(802)内でその位置の観点でその他を交換することができるように相互に交換可能である。各々の伸長バー(804)は更に、安定化アセンブリ(816)を受けるように構成されたボア(814)を有する上端部分(812)を備える。安定化アセンブリ(816)は、患者の頭部と接触し、患者の頭部に横方向の支持及び安定化をもたらすように構成される。本実施例では、安定化アセンブリ(816)は、単一のピンまたは二重ピンアセンブリの形式をとってもよい。更に、安定化アセンブリ(816)は、安定化アセンブリ(816)によって患者の頭部に印加された力または圧力を調節するためのトルクネジ(818)を含んでもよい。他のバージョンでは、安定化アセンブリ(816)は、単一チャンバまたはマルチチャンバパッドの形式をとってもよい。本実施例に戻ると、各々の伸長バー(804)は、直立部分(820)及び長手方向軸を定義する直立部分(820)を有する基部(822)を備える。本実施例では、各々のそれぞれのボア(814)は、各々のそれぞれの伸長バー(804)の直立部分(820)によって定義された長手方向軸からオフセットされる。更に、伸長バー(804)がカセット(802)内に位置付けられるとき、ボア(814)は、各々のボア(814)を通じて延在する共通軸(A2)と位置合わせし、及び共通軸(A2)を共有するように反対方向にオフセットされる。加えて、伸長バー(804)の各々は、伸長バー(804)の少なくとも一部に沿って位置付け可能な1つ以上のアクセサリを受けるように構成されたレールを定義する。
【0025】
上述したように、頭蓋クランプ(800)のカセット(802)は、位置付けアセンブリ(900)のカセットキャリア(902)に対して選択的に並進移動するように構成される。
図1及び7を参照して、本実施例では、カセット(802)は更に、歯型ラック(824)を備える。カセットキャリア(902)は更に、係止挿入部(908)を備える。係止挿入部(908)は、カセット(802)の歯型ラック(824)を補足し、カセット(802)の歯型ラック(824)と選択的に係合するように構成された歯型ラックを備える。係止挿入部(908)が遊離位置にあるとき、カセット(802)は、カセットキャリア(902)に対して並進移動することができる。上記説明されたように、この並進移動は、中央頭部支持部(700)に対する頭蓋クランプ(800)の調節をもたらす。係止挿入部(908)が、その歯型ラックがカセット(802)の歯型ラック(824)と係合する係合位置にあるとき、カセット(802)は、カセットキャリア(902)に対して固定または確保される。確保されるとき、頭蓋クランプ(800)は、位置付けアセンブリ(900)に対してカセット(802)の長手方向軸に沿って並進移動することができないように、中央頭部支持部(700)に対して確保される。
【0026】
図4及び5を参照して、係止挿入部(908)は、アクチュエータ(906)のカラー(928)との締り嵌めによってカセットキャリア(902)と共に適格な位置に保持される。本バージョンでは、アクチュエータ(906)を緩めることによって、位置付けアセンブリ(900)は、上記議論されたように調節されることができるようになり、更に、カラー(928)と係止挿入部(908)との間の締り嵌めを緩めることになる。よって、この状態では、係止挿入部(908)は、カセットキャリア(902)の側壁(924)によって定義された空間(925)から離れて、外側にスライドすることができる。係止挿入部(908)のこの移動によって、上記議論されたように、カセット(802)がカセットキャリア(902)に対して調節されることができるように、係止挿入部(908)の歯型ラックがカセット(802)の歯型ラック(824)から遊離する。上記議論されたように、位置付けアセンブリ(900)が調節可能でないようにアクチュエータ(906)が締め付けられるとき、係止挿入部(908)がカセットキャリア(902)内で完全に挿入され、または覆われるように、アクチュエータ(906)のカラー(928)は、係止挿入部(908)に対して引き出される。この状態では、上記議論されたように、カセット(802)がカセットキャリア(902)に対して固定または確保されるように、係止挿入部(908)の歯型ラックは、カセット(802)の歯型ラック(824)を係合させる。
【0027】
上記構成は、コネクタ(904)のスロット(912)内でのカセットキャリア(902)のフランジ(914)の回転及び並進移動を介し、並びにカセットキャリア(902)に対するカセット(802)の並進移動を介した、中央頭部支持部(700)に対する頭蓋クランプ(800)の調節機能を説明し、及び示す。更に、本バージョンでは、単一のアクチュエータ(906)の作動化によって、HFD(600)は、作動化のモードに応じて調節可能状態または固定状態にあるようになる。このように、アクチュエータ(906)は、3つの異なる調節に関して調節のためにHFD(600)を実質的に同時に係止及び解除するように動作可能である。他のバージョンでは、そのような実質的に同時の係止及び解除調節能力が必要とされず、これは、順次行うことができる。また、いくつかの他のバージョンでは、カセットキャリア(902)から係止挿入部(908)を配置及び挿入し、または除去するためのカラー(928)とカセットキャリア(902)との間の十分な空間が存在するように、アクチュエータ(906)がカセットキャリア(902)から十分に遠くに後退されるとき、係止挿入部(908)は、カセットキャリア(902)内で除去または挿入されてもよい。本明細書における教示を考慮して、アクチュエータ(906)及びその操作性を修正する他の方式が当業者にとって明かである。
【0028】
II.例示的な圧力制御旋回クッション
【0029】
様々な患者の位置付けに適応する十分な調整機能をHFDにもたらすために、別の望ましい機構は、HFDのクッションに選択的旋回調節を組み込むことであることができる。クッションに組み込まれることができる他の機構は、クッションと患者との間の接触圧力の管理または制御に関する。
図8は、HFD(600)の中央頭部支持部(700)の代わりに使用されることができる中央頭部支持部(1310)を表す。中央頭部支持部(1310)は、旋回クッション機構及び接触圧力を制御することを支援する機構を組み込む。
【0030】
中央頭部支持部(1310)は、位置付けアセンブリ(900)のコネクタ(904)のビーム部分(910)を受けるスロット(1324)を備える。中央頭部支持部(1310)は更に、本体(1312)及び本体(1312)上の取付機構(1314)を備え、取付機構(1314)は、1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台または他の構造と接続するように構成されたスターバーストの形式にある。例えば、いくつかの例では、pro med instruments GmbHから入手可能な基部ユニットなどの基部ユニットは、手術台に取り付けられ、取付機構(1314)は、基部ユニットと接続する。いくつかの例では、スイベルアダプタまたはpro med instruments GmbHから入手可能な他のアダプタなどのアダプタは、基部ユニットと接続してもよく、中央頭部支持部(1310)の取付機構(1314)は、アダプタと接続する。本明細書における教示を考慮して、中央頭部支持部(1310)を手術台などの安定した構造と接続する様々な方式が当業者にとって明らかである。
【0031】
中央頭部支持部(1310)また、本体(1312)と接続し、クッション(1318)を保持または維持する基部(1316)を備える。クッション(1318)は、接着剤、ネジもしくはフック及びループなどの機械的留め具、または当業者にとって明らかな他の方式によって基部(1316)と接続してもよい。いくつかのバージョンでは、クッション(1318)が使用後に洗浄及び殺菌のために廃棄可能であり、または除去されることができるように、クッション(1318)は、基部(1316)と選択的に接続される。クッション(1318)は、HFD(600)が患者を支持及び安定化するために使用されるときに患者の頭部と接触するように構成される。本実施例では、基部(1316)は、外側に向かって及び上方向に本体(1312)から延在するアーム(1320)のペアによって本体(1312)と接続する。基部(1316)は、基部(1316)にわたって横断して延在する軸を定義する接続部材(1322)を備える。接続部材(1322)は、ボアのペアを備え、各々のボアは、アーム(1320)の各々においてそれぞれのボアと位置合わせする。接続部材(1322)によって定義された軸は、軸が旋回軸を定義するように接続部材(1322)のボアに沿って延在し、旋回軸の周りで、基部(1316)及び接続されたクッション(1318)が旋回可能である。留め具(1325)のペアは、基部(1316)を中央頭部支持部(1310)の本体(1312)と旋回可能に接続するよう、アーム(1320)のボアを通じて延在し、接続部材(1322)のボアを係合させる。留め具(1325)は、基部(1316)及び接続されたクッション(1318)の位置を確保するよう締め付けられてもよく、逆に、留め具(1325)は、基部(1316)及び接続されたクッション(1318)の旋回可能な調節を可能にするよう緩められてもよい。
【0032】
使用中、中央頭部支持部(1310)は、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される。このように、中央頭部支持部(1310)は、患者の頭部が中央頭部支持部によって支持されるときに患者の頭部に対して下方に延在する平面を定義する。本実施例では、中央頭部支持部(1310)は、中央頭部支持部(1310)によって定義された平面が基部(1316)及び接続されたクッション(1318)の旋回動作に基づいて調節されることができるように位置付けられる。したがって、中央頭部支持部(1310)によって定義された平面は、床に平行し、または中央頭部支持部(1310)上で重力の方向に直交することに限定されない。
【0033】
中央頭部支持部(1310)は、中央頭部支持部(700)及び位置付けアセンブリ(900)に関して上記議論されたのと同一の方式において中央頭部支持部(1310)と位置付けアセンブリ(900)との間の間隔を調節するように構成される。例えば、コネクタ(904)は、中央頭部支持部(1310)の本体(1312)と調節可能に接続する。例示されるように、本体(1312)内にはスロット(1324)がある。スロット(1324)は、コネクタ(904)のビーム部分(910)を受ける。ビーム部分(910)のプロファイルは、スロット(1324)への相補形状を有する。本実施例では、ビーム部分(910)及びスロット(1324)は、蟻継ぎ境界面を共に形成する。このように、コネクタ(904)は、スロット(1324)に沿って並進移動可能であり、スロット(1324)は、位置付けアセンブリ(900)と中央頭部支持部(1310)との間の間隔を調節する。スロット(1324)内でコネクタ(904)の調節機能を制御するために、中央頭部支持部(1310)は、上記説明されたのと同一の方式において構成され、及び動作可能である、アクチュエータ(716)及び係止機構(718)を備える。この構成では、コネクタ(904)は、中央頭部支持部(1310)に対して位置付けアセンブリ(900)の位置を変更するよう、中央頭部支持部(1310)によって定義された平面に沿ってまたは平面に平行して調節可能である。
【0034】
クッション(1318)は、流体により充填されるように構成された内部空間(1317)を有する第1のチャンバ(1319)を備える。流体は、気体または液体であってもよい。第1のチャンバ(1319)は、内部空間(1317)へのアクセスをもたらすように構成されたポート(1301)を含む。流体は、第1のチャンバ(1319)内で内部空間(1317)に方向付けられてもよく、または第1のチャンバ(1319)の内部空間(1317)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第1のチャンバ(1319)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(1317)から解放または排出されてもよい。
【0035】
クッション(1318)は更に、第2のチャンバ(1321)を備え、第2のチャンバ(1321)は、形状適合材料により充填されるように構成される。本実施例では、第1のチャンバ(1319)は、第2のチャンバ(1321)に対して下方に位置付けられる。更に、第2のチャンバ(1321)は、頭部の患者と接触するように構成される。本明細書における教示を考慮して、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1319、1321)の相対位置は、他のバージョンでは切り替えられてもよいことが当業者にとって明らかである。1つのバージョンでは、形状適合材料は、ゲル、発泡体、または微粒材料のいずれか1つである。本明細書における教示を考慮して、クッション(1318)と共に使用可能な他の形状適合材料が当業者にとって明らかである。
【0036】
上記説明されたクッション(1318)の構成により、クッション(1318)は、頭部が中央頭部支持部(1310)によって支持されるとき、患者の頭部との接触圧力の均一な分散をもたらすように構成される。その上、接触圧力は、システムが頭蓋ピンと共に使用するために構成されるとき、ポート(1301)を介して流体により第1のチャンバ(1319)を充填することによって増大することができる。逆に、接触圧力は、上述したような第1のチャンバ(1319)から流体を排出することによって減少することができる。接触圧力を低下させることによって、血流は、クッション(1318)と接触している患者の頭部の領域に復元されることができる。いくつかの例では、全てのバージョンにおいて必要とされないが、第1のチャンバ(1319)からの流体の相当な排出は、クッション(1318)が患者の頭部と接触せず、または患者の頭部に関連する圧力を印加しないような高さにおいてクッション(1318)を収縮または縮小させる。上記と同様に、クッション(1318)と患者との間の接触圧力が十分でない程度まで接触圧力を低下させることによって、血流は、クッション(1318)により安定化されていた患者の頭部のこの領域に復元されることができる。接触圧力を低下させ、血流の復元をもたらすことによって、組織外傷または損傷が回避されることができ、リスクが低下する。加えて、組織の領域に血流を復元するときに患者の安定化を犠牲にしないように、クッション(1318)と患者の頭部との間の接触圧力を低下させるときに安定化アセンブリ(816)によって安定化が維持されることができる。いくつかの例では、クッション(1318)と接触している組織領域に血流を復元する十分な時間が経過すると、接触圧力は、拡張されまたはより高い程度の安定化をもたらし、または復元するよう、流体により第1のチャンバ(1319)を充填することによって再度増大することができる。
【0037】
III.マルチチャンバクッションを有する例示的な非侵入的構成
【0038】
いくつかの例では、非侵入的HFD構成は、安定化アセンブリがピンの代わりにパッドの形式を有する場合に望ましいことがあり、パッドは、横方向の安定化をもたらす。加えて、パッドは、特定の組織領域への血流を促進することを支援して、組織損傷または外傷のリスクを回避または低下させるよう、特定の接触圧力制御機構により構成されてもよい。
図9は、HFD(600)により非侵入的安定化をもたらすための安定化アセンブリ(816)に対するパッド(1430)を表す。
図9はまた、HFD(600)の中央頭部支持部(700)の代わりに使用されることができる中央頭部支持部(1410)を表す。中央頭部支持部(1410)は、上記説明された中央頭部支持部(1310)と同様に、旋回クッション機構及び接触圧力を制御することを支援する機構を組み込む。中央頭部支持部(1410)は、クッション(1418)がクッション(1318)を置き換える点で中央頭部支持部(1310)とは異なる。上記説明されたクッション(1318)と同様に、パッド(1430)は、パッド(1430)が患者の頭部と接触する横方向安定化接触領域において圧力を制御することを支援する機構を含む。
【0039】
中央頭部支持部(1410)は、位置付けアセンブリ(900)のコネクタ(904)のビーム部分(910)を受けるスロット(1424)を備える。中央頭部支持部(1410)は更に、本体(1412)及び本体(1412)上の取付機構を備え、取付機構は、1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台または他の構造と接続するように構成されたスターバーストの形式にある。例えば、いくつかの例では、pro med instruments GmbHから入手可能な基部ユニットなどの基部ユニットは、手術台に取り付けられ、取付機構は、基部ユニットと接続する。いくつかの例では、スイベルアダプタまたはpro med instruments GmbHから入手可能な他のアダプタなどのアダプタは、基部ユニットと接続してもよく、中央頭部支持部(1410)の取付機構は、アダプタと接続する。本明細書における教示を考慮して、中央頭部支持部(1410)を手術台などの安定した構造と接続する様々な方式が当業者にとって明らかである。
【0040】
中央頭部支持部(1410)また、本体(1412)と接続し、クッション(1418)を保持または維持する基部(1416)を備える。クッション(1418)は、接着剤、ネジもしくはフック及びループなどの機械的留め具、または当業者にとって明らかな他の方式によって基部(1416)と接続してもよい。いくつかのバージョンでは、クッション(1418)が使用後に洗浄及び殺菌のために廃棄可能であり、または除去されることができるように、クッション(1418)は、基部(1416)と選択的に接続される。クッション(1418)は、HFD(600)が患者を支持及び安定化するために使用されるときに患者の頭部と接触するように構成される。本実施例では、基部(1416)は、外側に向かって及び上方向に本体(1412)から延在するアーム(1420)のペアによって本体(1412)と接続する。基部(1416)は、基部(1416)にわたって横断して延在する軸を定義する接続部材(1422)を備える。接続部材(1422)は、各々の側面上でボアのペアを備え、各々のボアは、アーム(1420)の各々においてそれぞれのボアと位置合わせする。接続部材(1422)によって定義された軸は、軸が旋回軸を定義するように接続部材(1422)のボアに沿って延在し、旋回軸の周りで、基部(1416)及び接続されたクッション(1418)が旋回可能である。留め具(1425)のペアは、基部(1416)を中央頭部支持部(1410)の本体(1412)と旋回可能に接続するよう、アーム(1420)のボアを通じて延在し、接続部材(1422)のボアを係合させる。留め具(1425)は、基部(1416)及び接続されたクッション(1418)の位置を確保するよう締め付けられてもよく、逆に、留め具(1425)は、基部(1416)及び接続されたクッション(1418)の旋回可能な調節を可能にするよう緩められてもよい。
【0041】
使用中、中央頭部支持部(1410)は、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される。このように、中央頭部支持部(1410)は、患者の頭部が中央頭部支持部によって支持されるときに患者の頭部に対して下方に延在する平面を定義する。本実施例では、中央頭部支持部(1410)は、中央頭部支持部(1410)によって定義された平面が基部(1416)及び接続されたクッション(1418)の旋回動作に基づいて調節されることができるように位置付けられる。したがって、中央頭部支持部(1410)によって定義された平面は、床に平行し、または中央頭部支持部(1410)上で重力の方向に直交することに限定されない。
【0042】
中央頭部支持部(1410)は、中央頭部支持部(700)及び位置付けアセンブリ(900)に関して上記議論されたのと同一の方式において、中央頭部支持部(1410)と位置付けアセンブリ(900)との間の間隔を調節するように構成される。例えば、コネクタ(904)は、中央頭部支持部(1410)の本体(1412)と調節可能に接続する。例示されるように、本体(1412)内にはスロット(1424)がある。スロット(1424)は、コネクタ(904)のビーム部分(910)を受ける。ビーム部分(906)のプロファイルは、スロット(1424)への相補形状を有する。本実施例では、ビーム部分(906)及びスロット(1424)は、蟻継ぎ境界面を共に形成する。このように、コネクタ(904)は、スロット(1424)に沿って並進移動可能であり、スロット(1424)は、位置付けアセンブリ(900)と中央頭部支持部(1410)との間の間隔を調節する。スロット(1424)内でコネクタ(904)の調節機能を制御するために、中央頭部支持部(1410)は、上記説明されたのと同一の方式において構成され、及び動作可能である、アクチュエータ(716)及び係止機構(718)を備える。この構成では、コネクタ(904)は、中央頭部支持部(1410)に対して位置付けアセンブリ(900)の位置を変更するよう、中央頭部支持部(1410)によって定義された平面に沿ってまたは平面に平行して調節可能である。
【0043】
パッド(1430)は、筐体(1431)、第1のチャンバ(1432)、及び第2のチャンバ(1433)を備える。ボアまたは切り出し部(1434)は、筐体(1431)、第1のチャンバ(1432)、及び第2のチャンバ(1433)を通じて延在する。ボア(1434)は、過度な圧縮及び圧力から患者の耳を保護し、代わりに患者の頭蓋に対してそのような圧力及び圧縮力を方向付けるように、安定化の間に患者の耳を受けるように構成されるように位置する。筐体(1431)上に位置するのはまた、安定化アセンブリ(816)の残りと接続するように構成されたスロット(1436)を定義する環状フランジ(1435)である。本実施例では、安定化アセンブリは、スロット(1436)内で適合するフランジ(1438)を有するカラー(1437)を含む。この構成により、パッド(1430)は、
図1において上記例示されたようなボア(814)によって定義され、ボア(814)を通じて延在する軸の周りで調節されることができる。
【0044】
パッド(1430)の第1のチャンバ(1432)は、流体により充填されるように構成された内部空間(1439)を定義し、流体は、気体もしくは液体、またはそれらの組み合わせであってもよい。また、第1のチャンバ(1432)と接続し、第1のチャンバ(1432)の内部空間(1439)へのアクセスをもたらす開放及び閉鎖されることができるポート(1440)が存在する。このように、流体は、ポート(1440)によって、第1のチャンバ(1432)の内部空間(1439)に配送されることができ、または第1のチャンバ(1432)の内部空間(1439)から排出されることができもしくは抜き出されることができる。
【0045】
パッド(1430)が各々の安定化アセンブリ(816)と共に使用されるとき、いくつかのバージョンでは、ポート(1440)は、チューブ、ホース、または導管(1441)によって接続される。チューブ(1441)は、弁(1457)に接続されてもよく、更に、以下で更に説明されるような流体リザーバ(1459)に接続されてもよい。この構成では、複数のパッド(1430)の第1のチャンバ(1432)を接続することによって、第1のチャンバ(1432)内の圧力は同一であり、圧力は、第1のチャンバ(1432)がより多くの流体により充填されて圧力を増大させることができ、または第1のチャンバ(1432)から流体が排出されて圧力を減少させることができるのとも同一の方式において変化する。
【0046】
第1のチャンバ(1432)は、筐体(1431)と第2のチャンバ(1433)との間に位置する。もちろん他のバージョンでは、本明細書における教示を考慮して、第1のチャンバ(1432)及び第2のチャンバ(1433)の位置が切り替えられてもよいことが当業者にとって明らかである。パッド(1430)の第2のチャンバ(1433)は、クッション(1318)に関して上記説明されたような形状適合材料により充填されるように構成される。本実施例では、第2のチャンバ(1433)は、患者の頭部と隣接し、患者の頭部と接触するよう位置付けられる。1つのバージョンでは、第2のチャンバ(1433)内の形状適合材料は、ゲル、発泡体、微粒材料、またはそのような材料の組み合わせのいずれか1つである。本明細書における教示を考慮して、パッド(1430)の第2のチャンバ(1433)と共に使用可能な他の形状適合材料が当業者にとって明らかである。
【0047】
上記説明されたパッド(1430)の構成により、パッド(1430)は、パッド(1430)を有する安定化アセンブリ(816)によって頭部が支持されるとき、患者の頭部との接触圧力の均一な分散をもたらすように構成される。その上、接触圧力は、
図10に示されるようなポート(440)を介して、またはポート(1440)と接続されたチューブ(1441)を介して流体により第1のチャンバ(1432)を充填することによって増大することができ、
図10は、流体制御システム(1444)を表す。逆に、接触圧力は、上述したような第1のチャンバ(1432)から流体を排出することによって減少することができる。接触圧力を低下させることによって、血流は、パッド(1430)と接触している患者の頭部の領域に復元されることができる。いくつかの例では、全てのバージョンにおいて必要とされないが、第1のチャンバ(1432)からの流体の相当な排出は、パッド(1430)が患者の頭部に関連する圧力を印加しないようなサイズにおいてパッド(1430)を収縮または縮小させてもよい。上記と同様に、パッド(1430)と患者との間の接触が十分でない程度まで接触圧力を低下させることによって、血流は、パッド(1430)と接触していた患者の頭部の領域に復元されることができる。接触圧力を低下させ、血流の復元をもたらすことによって、組織外傷または損傷が回避されることができ、リスクが低下する。加えて、組織の領域に血流を復元するときに患者の支持を犠牲にしないように、パッド(1430)と患者の頭部との間の接触圧力を低下させるときに中央頭部支持部(1410)のクッション(1418)によって患者の頭部の支持が維持されることができる。いくつかの例では、パッド(1430)と接触している組織領域への血流を復元する十分な時間が経過すると、接触圧力は、拡張されまたはより高い程度の安定化をもたらし、または復元するよう流体により第1のチャンバ(1432)を充填することによって再度増大することができる。
【0048】
パッド(1430)により構成されたHFD(600)のいくつかのバージョンでは、横方向に位置付けられたパッド(1430)の両方は、チューブ(1441)を介して接続され、パッド(1430)は、パッド(1430)の各々内で常に同一の圧力において維持される。いくつかの他のバージョンでは、横方向に位置付けられたパッド(1430)の両方をチューブ(1441)と接続することが必要されず、よって、パッド(1430)の各々は、その圧力の観点でその他から独立して制御されることができる。更にまた、パッド(1430)が、チューブ(1441)を介して接続される場合でさえ、独立して制御されるように構成されることができるように、様々な弁の配置がチューブ(1441)と共に組み込まれてもよい。本明細書における教示を考慮して、パッド(1430)を構成し、中の圧力を制御する他の方式が当業者にとって明らかである。実施例としてのみであり、限定することなく、パッド(1430)内の圧力要求は、上記説明されたように頭蓋クランプ(800)が患者の頭部の周りで回転する患者位置とは異なってもよい。
【0049】
パッド(1430)により構成されたHFD(600)のいくつかのバージョンでは、パッド(1430)が患者の頭部に印加する圧力は、トルクネジ(1443)を使用して調節可能である。トルクネジ(1443)は、安定化アセンブリ(816)の1つの構成要素である。トルクネジ(1443)を締め付けることによって、パッド(1430)によって患者の頭部に印加された圧力が増大する。例示されるバージョンでは、トルクネジ(1443)の作動化が両方のパッド(1430)における圧力を変化させるように、単一のトルクネジ(1443)は、1つの側面上にあり、2つのパッド(1430)は、チューブ(1441)によって接続される。いくつかの他のバージョンでは、複数のトルクネジ(1443)が使用されてもよく、1つは、パッド(1430)がチューブ(1441)によって接続されなくてもよいようにパッド(1430)の各々と関連付けられる。いくつかのバージョンでは、初期安定化は、トルクネジ(1443)を使用して達成できる。トルクネジ(1443)を最初に設定した後、パッド(1430)の第1のチャンバ(1432)内の流体の量を調節することによって、例えば、圧力を増大させるよう第1のチャンバ(1432)により多くの流体を方向付けることによって、または圧力を減少させるよう第1のチャンバ(1432)から流体を排出することによって、後続の圧力調節が行われてもよい。言い換えると、いくつかのバージョンでは、トルクネジ(1443)が含まれるか否かに関わらず、パッド(1430)の各々によってもたらされる接触圧力は、トルクネジ(1443)とは別個に及び独立して制御または調節されることができる。いくつかのバージョンでは、トルクネジ(1443)は、完全に省略されることができ、従来の頭蓋ピンアセンブリと置き換えられることができる。本明細書における教示を考慮して、
図10に示されるようなトルクネジ(1443)、流体制御システム(1444)、または両方の組み合わせのいずれかを使用する他の方式が当業者にとって明らかである。
【0050】
上述したように、HFD(600)は、クッション(1418)を有する中央頭部支持部(1410)により構成されることができる。クッション(1418)は、流体により充填されるように構成された内部空間(1446)を有する第1のチャンバ(1445)を有するマルチチャンバ構造を備える。流体は、気体または液体であってもよい。第1のチャンバ(1445)は、内部空間(1446)へのアクセスをもたらすように構成されたポート(1447)を含む。流体は、第1のチャンバ(1445)内で内部空間(1446)に方向付けられてもよく、または第1のチャンバ(1445)の内部空間(1446)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第1のチャンバ(1445)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(1446)から解放または排出されてもよい。クッション(1418)は更に、流体により充填されるように構成された内部空間(1449)を有する第2のチャンバ(1448)を備え、または流体は、第2のチャンバ(1448)の内部空間(1449)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第2のチャンバ(1448)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(1449)から解放または排出されてもよい。本実施例では、第1のチャンバ(1445)の内部空間(1446)及び第2のチャンバ(1448)の内部空間(1449)は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1445、1448)の内部空間(1446、1449)の間で延在する接続チューブ(1450)によって流体連結する。
【0051】
クッション(1418)は更に、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1445、1448)の間に位置付けられた第3のチャンバ(1451)を備える。この構成では、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1445、1448)は集合的に、外部チャンバのペアを定義し、第3のチャンバ(1451)は、中間チャンバを定義する。第3のチャンバ(1451)はまた、内部空間(1452)を備え、接続チューブ(1450)は、第3のチャンバ(1451)の内部空間(1452)を通じて延在する。第3のチャンバの内部空間(1452)は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1445、1448)と同様に流体により充填されるように構成される。流体は、内部空間(1452)に追加されてもよく、または内部空間(1452)から除去されてもよく、それは、クッション(1418)のこの領域内で圧力を変化させることができる。第3のチャンバ(1451)は、第1のチャンバ(1445)と類似するポート(1453)を備える。ポート(1453)は、内部空間(1452)へのアクセスをもたらし、内部空間(1452)に流体を方向付け、または内部空間(1452)から流体を排出するために使用される。
【0052】
クッション(1418)は更に、各々が形状適合材料により充填されるように構成された、第4のチャンバ(1454)、第5のチャンバ(1455)、及び第6のチャンバ(1456)を備える。第1のチャンバ(1445)は、第4のチャンバ(1454)に対して下方に位置付けられ、第4のチャンバ(1454)は、患者の頭部と接触するように構成される。第2のチャンバ(1448)は、第5のチャンバ(1455)に対して下方に位置付けられ、第5のチャンバ(1455)は、患者の頭部と接触するように構成される。第3のチャンバ(1451)は、第6のチャンバ(1456)に対して下方に位置付けられ、第6のチャンバ(1456)は、患者の頭部と接触するように構成される。本明細書における教示を考慮して、第1のチャンバ及び第4のチャンバ(1445、1454)、第2のチャンバ及び第5のチャンバ(1448、1455)、並びに第3のチャンバ及び第6のチャンバ(1451、1456)の相対位置は、他のバージョンでは切り替えられてもよいことが当業者にとって明らかである。1つのバージョンでは、第4のチャンバ、第5のチャンバ、及び第6のチャンバ(1454、1455、1456)内の形状適合材料は、ゲル、発泡体、微粒材料、またはそれらの組み合わせのいずれか1つである。本明細書における教示を考慮して、クッション(1418)と共に使用可能な他の形状適合材料が当業者にとって明らかである。
【0053】
上記説明されたクッション(1418)の構成により、クッション(1418)は、流体及びそれぞれの内部空間(1446、1449、1452)の各々による調節の方式に応じて様々な圧力プロファイルをもたらすように構成される。例えば、いくつかのバージョンでは、第3のチャンバ(1451)が第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1445、1448)の内部空間(1446、1449)にあるのと同一の内部空間(1452)内の容積の単位ごとの量の流体を保持するように構成された、接触圧力の均一な分散が達成できる。更なる他のバージョンでは、外部チャンバは、合致する圧力を有してもよく、中間チャンバは、外部チャンバ内の圧力よりも高くてもよくまたは低くてもよい圧力を有する。更に、外部チャンバと中間チャンバとの間の異なる圧力によるこの構成では、流体は、クッション(1418)の一部と接触している患者の組織の領域への血流を促進し、患者の頭部の安定化を確保することを維持する方式をもたらす制御された方式において排出及び/または追加されてもよい。
【0054】
実施例としてのみであり、限定することなく、1つのバージョンでは、患者は、患者の頭部の側面部分に同一の接触圧力を印加するパッド(1430)により最初に安定化される。初期の安定化では、クッション(1418)は、外部チャンバ及び中間チャンバも患者の頭部の背面部分に同一の接触圧力を印加するように構成される。この実施例では、HFD(600)は、仰臥位にある患者により使用されるが、これは、HFD(600)が他の位置にある患者により使用されることができるような全ての実施例において必要ではない。いくらかの時間が過ぎた後、パッド(1430)及び/またはクッション(1418)内の圧力は、患者の頭部の組織がHFD(600)の一部と接触している領域への血流が復元または増大することができるように操作されることができる。その上、圧力のこの操作は、組織への増大した血流を促進する圧力の短期間の軽減または低下と、拡張した安定化をもたらすよう或る期間が過ぎた後の圧力における増大が続くことを備える。更に、圧力のこの操作は、クッション(1418)のパッド(1430)及び/またはチャンバの間での交互方式において実行されることができる。この交互方式を使用することによって、HFD(600)と接触している組織領域は、復元または増大した血流により扱われ、許容可能な程度の安定化を維持する。
【0055】
交互圧力軽減及び復元の連続の実施例は、第1のステップとして、初期の安定化が構成された後、パッド(1430)における圧力を低下させて、患者の頭部の側面部分に血流を復元する時間量を与えることを含むことができる。いくつかのそのような実施例では、パッド(1430)における圧力は、全く低下されなくてもよく、圧力軽減の連続は、マルチチャンバクッション(1418)に制限されることがあることに留意されたい。また、他の実施例では、第1のステップは、マルチチャンバクッション(1418)に対する圧力軽減ステップまたは工程を実行することと、その後、パッド(1430)の1つもしくは両方に対して圧力軽減ステップを実行することであってもよい。しかしながら、本実施例では、パッド(1430)における圧力が低下し、パッド(1430)と接触している患者の組織領域への血流が増大したいくらかの時間が過ぎた後、パッド(1430)における圧力は次いで、その初期のレベルまで復元される。
【0056】
その後、第3のチャンバ(1451)によって定義された中間チャンバは、その圧力を低下させるよう排出される。この動作は、中間チャンバにおいて患者の頭部に印加された力または圧力を低下させ、よって、中間チャンバと接触している患者の頭部の背面領域への血流が増大することを可能にする。このケースでは、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1445、1448)によって集合的に定義された外部チャンバは、それらの元の圧力もしくは初期の圧力に留まり、またはより高い圧力を経験する。よって、外部チャンバ及びパッド(1430)は、患者の頭部に安定化をもたらし、中間チャンバと接触している組織領域は、この領域における組織外傷のリスクを防止または低下させるよう、血流が増大または復元する期間を受けている。
【0057】
更に簡潔にするために、クッション(1418)の中間チャンバは、流体を包含するように構成された第3のチャンバ(1451)と共に、形状適合材料により構成された第6のチャンバ(1456)の両方を備える。同様に、外部チャンバのペアにより、外部チャンバの1つは、流体を包含するように構成された第1のチャンバ(1445)と共に、形状適合材料により構成された第4のチャンバ(1454)を備える。また、外部チャンバのその他は、流体を包含するように構成された第2のチャンバ(1448)と共に、形状適合材料により構成された第5のチャンバ(1455)を備える。本明細書における教示を考慮して理解されるように、外部チャンバ及び中間チャンバ内の上記議論された圧力軽減は、第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び第3のチャンバ(1445、1448、1451)のそれぞれの内部空間(1446、1449、1452)内で流体容積を変化させることによって発生し、圧力軽減に基づく血流における増大は、形状適合材料を有するそれぞれの第4のチャンバ、第5のチャンバ、及び第6のチャンバ(1454、1455、1456)と接触している組織領域において発生する。他の構成では、流体充填チャンバは、患者の頭部と接触しているチャンバであってもよく、形状一致包含チャンバは、それぞれの流体充填チャンバの真下または下方に位置してもよい。本明細書における教示を考慮して、チャンバについての他の構成が当業者にとって明らかである。
【0058】
圧力軽減の連続の上記実施例に再度戻ると、クッション(1418)の中間チャンバにおける圧力が低下し、中間チャンバ、特に、第6のチャンバ(1456)と接触している患者の組織領域への血流が増大したいくらかの時間が過ぎた後、クッション(1418)の中間チャンバにおける圧力は次いで、その初期のレベルに復元される。その後、外部チャンバのペアは、それぞれの第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1445、1448)から流体を排出しまたは抜き出すことによって、それらの圧力を低下させるよう排出される。この動作は、外部チャンバにおいて患者の頭部に印加された力または圧力を低下させ、よって、外部チャンバと接触している患者の頭部のそれらの領域に、より詳細には、それぞれの第4のチャンバ及び第5のチャンバ(1454、1455)と接触している領域への血流が増大することを可能にする。このケースでは、中間チャンバは、より高い圧力を経験し、パッド(1430)は、それらの元の圧力または初期の圧力に留まる。よって、中間チャンバ及びパッド(1430)は、患者の頭部に安定化をもたらし、外部チャンバと接触している組織領域は、この領域における組織外傷のリスクを防止または低下させるよう血流が増大または復元する期間を受けている。
【0059】
クッション(1418)の外部チャンバにおける圧力が低下し、外部チャンバ、特に、第4のチャンバ及び第5のチャンバ(1454、1455)と接触している患者の組織領域への血流が増大したいくらかの時間が過ぎた後、クッション(1418)の外部チャンバにおける圧力は次いで、その初期のレベルに復元される。上記説明された圧力軽減工程は、組織損傷または外傷のリスクを低下させることを支援するために、必要に応じてまたは要望に応じて複数回実施されることができる。その上、それらの圧力軽減動作は、上記説明された実施例の順序が必要とされる順序、または唯一の順序もしくは連続と見なされるべきではないように、この環境を必要とし、または指示するようないずれかの順序において完了されることができる。
【0060】
上記説明されたようなパッド(1430)及び中央頭部支持部(1410)により構成されたHFD(600)により、チューブ(1441)を介したパッド(1430)の第1のチャンバ(1432)の間の流体接続は、パッド(1430)における圧力が変化する間、それが同一の方式において、及び同一の程度に行うように、パッド(1430)の各々における圧力が同一であり、同時に調節されることを可能にする。患者の頭部の反対側面上に全体的に位置するパッド(1430)により、パッド(1430)の第1のチャンバ(1432)の間の流体接続は、それぞれのパッド(1430)によって患者の頭部の反対側面に印加された力における差を変えることなく、パッド(1430)内の圧力変化が、パッド(1430)によって接触された組織領域への血流を促進することを可能にする。この構成は、患者の頭部を移動させること、または位置を変更させることなく、パッド(1430)内の圧力変化を可能にする。
【0061】
例えば、一実施例では、パッド(1430)の各々によって患者の頭部の各々の側面に印加された初期の力は、20ニュートンであってもよく、よって、パッド(1430)の各々によって印加された力が同一であることを理由に、力における差はゼロである。実施例の圧力軽減工程が実行されたとき、パッド(1430)の各々によって患者の頭部の各々の側面に印加された力はここで、50ニュートンであってもよく、よって、パッド(1430)の各々によって印加された力が同一に留まることを理由に、力における差はゼロに維持される。再度、本実施例では、パッド(1430)はチューブ(1441)によって流体的に接続されてもよいが、これは、全てのバージョンにおいて必要とされない。例えば、いくつかの他のバージョンでは、パッド(1430)は、第1のチャンバ(1432)内の流体容積に基づいて、それらの圧力に関して独立して調節可能または制御可能であってもよい。
【0062】
パッド(1430)と同様に、接続チューブ(1450)を介したクッション(1418)の第1のチャンバ(1445)と第2のチャンバ(1448)との間の流体接続は、クッション(1418)の外部チャンバにおける圧力が変化する間、それが同一の方式において、及び同一の程度に行うように、クッション(1418)の外部チャンバの各々における圧力が同一であり、同時に調節されることを可能にする。示され、及び説明されるように、クッション(1418)の外部チャンバが、患者の頭部を左半身及び右半身に分割する矢状面の周りに対称的に位置するように、クッション(1418)の外部チャンバは、仰臥位にあるときに患者の頭部の矢状面の反対側面上に全体的に位置する。クッション(1418)の外部チャンバの間の流体接続は、クッション(1418)のそれぞれの外部チャンバによって患者の頭部に印加された力における差を変えることなく、クッション(1418)の外部チャンバ内の圧力変化が、クッション(1418)の外部チャンバによって接触された組織領域への血流を促進することを可能にする。この構成は、患者の頭部を移動させること、または位置を変更させることなく、すなわち、クッション(1418)の他の外部チャンバと比較してクッション(1418)の外部チャンバの1つによって印加された不均一な力を理由に患者の長手方向軸の周りで回転することなく、クッション(1418)の外部チャンバ内の圧力変化を可能にする。
【0063】
IV.例示的な流体制御システム及び方法
【0064】
図10は、概略的に示されるようなパッド(1430)及びクッション(1418)により構成されたHFD(600)と共に使用可能な流体制御システム(1444)を表す。上記詳細に説明されたように、パッド(1430)は、患者の頭部に横方向の安定化をもたらし、クッション(1418)は、水平支持及び安定化をもたらす。トルクネジ(1443)は、パッド(1430)が患者の頭部に印加する圧力を増大または減少させることを可能にするよう、パッド(1430)の1つと接続する。接続チューブ(1441)は、流体連結するようにパッド(1430)を共に接続する。上記説明されたように、接続チューブ(1441)は、それぞれのパッド(1430)の第1のチャンバ(1432)を接続する。この構成では、パッド(1430)の各々における圧力は同一であり、パッド(1430)の各々は、患者の頭部上で同一の力を分け与える。
【0065】
また、接続チューブ(1441)と接続されるのは弁(1457)である。弁(1457)は、パッド(1430)内の圧力を低下させ、または追加の流体がパッド(1430)に流れてパッド(1430)内の圧力を増大させることを可能にするよう、パッド(1430)から流体を選択的に排出するように構成される。弁(1457)はポンプ(1458)と接続し、ポンプ(1458)は、要求されるときにパッド(1430)に追加の流体を供給するように構成される。いくつかのバージョンでは、ポンプ(1458)はまた、排出または抜き出された流体をパッド(1430)から離れて方向付けるように構成されることができる。ポンプ(1458)との流体連結内には、流体リザーバ(1459)がある。流体リザーバ(1459)は、ポンプ(1458)を介して配送されることになる追加の流体をパッド(1430)に提供するように構成される。いくつかの例では、パッド(1430)から流体を排出することは、パッド(1430)から流体リザーバ(1459)に流体を移動させるよう弁(1457)を開放すること及びポンプ(1458)を動作させることを伴う。ポンプ(1458)はまた、流体リザーバ(1459)がいくつかのバージョンでは省略されてもよいように、流体リザーバ(1459)なしに使用されることができる。そのようなバージョンでは、ポンプ(1458)は、周囲環境からパッド(1430)に空気を配送するように構成されてもよい。同様に、そのようなバージョンにおけるパッド(1430)から流体を排出することは、流体リザーバ(1459)に排出する代わりに、パッド(1430)から周囲環境に空気を再度排出することを伴ってもよい。いくつかの実施例では、流体リザーバ(1459)自体が周囲環境と見なされることができる。
【0066】
流体制御システム(1444)についての簡略化された構成を有する1つのバージョンでは、流体リザーバ(1459)が省略され、ポンプ(1458)は、圧力計を有し、手動で動作するように構成されたハンドポンプまたはフットポンプを備える。この実施例では、ポンプ(1458)は、パッド(1430)及びクッション(1418)内の流体容積及び圧力を調節するよう、様々な弁(1457、1460、1461)と選択的に接続可能である。いくつかのバージョンでは、
図12に示されるものなど、流体制御システム(1480)は、複数の弁(1457、1460、1461)の代わりに使用されることができる切り替え可能な単一の弁(1463)を有することができる。そのような例では、弁(1463)は、ポンプ(1458)と共にクッション(1418)のそれぞれのポート(1447、1453)と接続する。また示されるように、弁(1463)は、接続チューブ(1441)を介してパッド(1430)と接続されることもできるが、この追加の流体接続は、全てのバージョンにおいて必要とされず、別個の流体制御システムによって制御されてもよい。流体制御システム(1480)内で流体を制御するとき、弁(1463)は、流体が、クッション(1418)及び/またはパッド(1430)の流体保持チャンバのいずれかに方向付けられることができるように構成される。その上、弁(1463)は、クッション(1418)及び/またはパッド(1430)のチャンバのうちの2つ以上に流体を同時に方向付けるように構成されることができる。ポンプ(1458)は、圧力計(1462)により構成され、圧力計(1462)は、弁(1463)が能動的に流体連結するチャンバ内の圧力を示すように構成される。本明細書における教示を考慮して、様々な流体制御システムについての他の構成が当業者にとって明らかである。例えば、流体を方向付けるために、単一または複数のポンプが使用されてもよく、単一または複数の弁が使用されてもよく、様々なポート及び接続チューブが使用されてもよいことが認識される。
【0067】
本実施例では、ポンプ(1458)はまた、クッション(1418)のそれぞれのポート(1447、1453)と接続する2つの他の弁(1460、1461)を接続する。弁(1460、1461)は、弁(1457)と同様に構成され、よって、ポンプ(1458)も、流体リザーバ(1459)からパッド(1418)の外部チャンバ及び中間チャンバのいずれかまたは両方に追加の流体を提供するように動作することができる。上記説明されたように、流体は、クッション(1418)の第1のチャンバ及び第3のチャンバ(1445、1451)に提供される。更に、この構成では、流体は、一実施例では、弁(1460、1461)を介して大気に流体を排出すること、または流体リザーバ(1459)に流体を移すよう弁(1460、1461)を開放し、ポンプ(1458)を動作させることのいずれかによって、クッション(1418)から排出または抜き出されることができる。本明細書における教示を考慮して、パッド(1430)及びクッション(1418)内の圧力を操作するよう流体制御システム(1444)を構成及び動作させる他の方式が当業者にとって明らかである。
【0068】
図11は、マルチチャンバクッション(1418)により構成されるときにHFD(600)と共に使用可能な別の例示的な流体制御システム(1470)を示す。流体制御システム(1470)は、外部チャンバ及び中間チャンバが上記説明されたような交互方式において排出または再充填されることができる流体制御をもたらすように構成される。再度、上記議論されたように、この交互排出または圧力軽減は、患者の頭部の特定の領域への血流を増大させ、また、患者の頭部の適切な安定化を維持する能力をもたらす。
【0069】
図11の例示されるバージョンに示されるように、流体制御システム(1470)は、流体を包含する流体リザーバ(1472)に接続されたポンプ(1471)を備える。流体制御システム(1470)により、ポンプ(1471)は更に、2つの弁(1473、1474)と接続する。弁(1473)の1つは、クッション(1418)の第1のチャンバ(1445)のポート(1447)と接続し、他の弁(1474)は、クッション(1418)の第3のチャンバ(1448)のポート(1453)と接続する。ポンプ(1471)、流体リザーバ(1472)、弁(1473、1474)、及びポート(1447、1453)の間の接続によって、それらの構成要素が流体連結し、その結果、流体がそれらの構成要素の間で運搬されることができるようになる。したがって、流体制御システム(1470)は、クッション(1418)に流体を方向付け、またはクッション(1418)から流体を抜き出しもしくは排出するかのいずれかのように構成される。上記説明されたように、流体変化が同一の方式において、及び同一の程度に両方のチャンバ(1445、1448)に影響を与え、その結果、外部チャンバのペアが同一の圧力を有するように、クッション(1418)の第1のチャンバ(1445)は、チューブ(1450)によって第2のチャンバ(1448)と接続する。
【0070】
第1のチャンバ(1445)の内部空間(1446)内で、流体制御システム(1470)は、圧力センサ(1475)を含む。いくつかの他のバージョンでは、圧力センサ(1475)は代わりに、第2のチャンバ(1448)の内部空間(1449)内に位置することができる。流体制御システム(1470)は更に、第3のチャンバ(1451)の内部空間(1452)内に位置する圧力センサ(1476)を含む。本実施例では、圧力センサ(475、476)は、制御ユニット(1477)と接続する。例示される実施例では、制御ユニット(1477)も、第3のチャンバ(1451)の内部空間(1452)内に位置する。いくつかの他のバージョンでは、制御ユニット(1477)は、クッション(1418)内またはクッション(1418)の外側の他の位置に位置することができる。また、制御ユニット(1477)と接続されるのは、弁(1473、1474)及びポンプ(1471)である。制御ユニット(1477)、ポンプ(1471)、弁(1473、1474)、及びセンサ(1475、1476)の間の接続によって、それらの構成要素が電気通信し、その結果、電気信号がそれらの構成要素の間で送信及び/または受信されることができるようになる。本明細書で説明される信号を送信及び/または受信する構成要素は、それらの構成要素内に包含されるバッテリによって電力供給される。もちろん他のバージョンでは、構成要素内のバッテリの代わりにまたは構成要素内のバッテリに加えて、別個の電源が使用されてもよい。本明細書における教示を考慮して、本明細書で説明される構成要素に電力を提供する他の方式が当業者にとって明らかである。
【0071】
図11について上記説明された構成により、動作中、流体制御システム(1470)は、制御ユニット(1477)が、圧力センサ(1475、1476)からの信号を使用して、第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び第3のチャンバ(1445、1448、1451)内の流体容積を変化させるよう動作可能であるように構成されることができる。例えば、患者の頭部が安定化されたいくらかの時間が過ぎた後、HFD(600)によって接触された特定の組織領域に血流を復元して、上記説明されたような組織外傷または損傷のリスクを低下させるよう、患者の頭部に対する圧力を選択的に軽減することが望ましいことがある。流体制御システム(1470)により、制御ユニット(1477)は、命令セットを実行し、それによって、流体が前に排出されまたは抜き出されたそれぞれのチャンバに流体を再度配送することによって、圧力を増大させる前の組織への血流が増大する期間を可能にするよう流体を排出しまたは抜き出すことによって、圧力を軽減する交互方式においてクッション(1418)の外部チャンバのペア及び中間チャンバが操作されるようにプログラムされることができる。
【0072】
実施例としてのみであり、限定することなく、流体制御システム(1470)を使用した圧力軽減の1つの交互の連続は、圧力センサ(1475)が予め定められた値に到達するまで、流体が第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1445、1448)から排出されまたは抜き出される第1の圧力軽減動作または工程を制御ユニット(1477)において開始することによって実施されてもよい。予め定められた値は、圧力センサ(1475)の読み取り値における割合の減少であってもよく、またはそれは、患者の安定性に影響を与えることなく組織領域への血流を増大させると判定されることができる選択された圧力値であってもよい。圧力センサ(1475)が予め定められた値に到達すると、予め定められた待機時間が続いて起こり、待機時間では、外部チャンバと接触している組織の領域への血流の復元または増大のための時間が設けられる。予め定められた待機時間が経過した後、制御ユニット(1477)は、センサ(1475)が圧力についての予め定められた値に到達するまで、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1445、1448)に流体を方向付けて、流体を追加する信号をポンプ(1471)及び弁(1473)に送信する。この予め定められた値は、圧力軽減サイクルが始まる前のクッション(1418)の外部チャンバにおける圧力と同一であってもよく、または異なる圧力値であってもよい。
【0073】
再充填され、患者の頭部に十分な安定化力をもたらす十分な圧力を有する外部チャンバにより、次に、制御ユニット(1477)は、圧力センサ(1476)が予め定められた値に到達するまで、流体が第3のチャンバ(1451)から排出されまたは抜き出される第2の圧力軽減動作または工程を開始する。予め定められた値は、圧力センサ(1476)の読み取り値における割合の減少であってもよく、またはそれは、患者の安定性に影響を与えることなく組織領域への血流を増大させると判定されることができる選択された圧力値であってもよい。圧力センサ(1476)が予め定められた値に到達すると、予め定められた待機時間が続いて起こり、待機時間では、中間チャンバと接触している組織の領域への血流の復元または増大のための時間が設けられる。予め定められた待機時間が経過した後、制御ユニット(1477)は、センサ(1476)が圧力についての予め定められた値に到達するまで、第3のチャンバ(1451)に流体を方向付けて、流体を追加する信号をポンプ(1471)及び弁(1474)に送信する。この予め定められた値は、圧力軽減サイクルが始まる前のクッション(1418)の中間チャンバにおける圧力と同一であってもよく、または異なる圧力値であってもよい。このポイントから、交互サイクルが完了すると、後続の交互サイクルがその直後、またはいくらかの時間が過ぎた後に続く。
【0074】
本明細書における教示を考慮して、流体制御システム(1470)を構成及び動作させる他の方式が当業者にとって明らかである。例えば、いくつかのバージョンでは、センサ(1475、1476)、弁(1473、1474)、ポンプ(1471)、及び/または制御ユニット(1477)は、クッション(1418)内の圧力及び流体データが視覚的に表示されることができる出力ディスプレイと接続されてもよい。他の例では、このデータは、ディスプレイを有する機器に無線で送信されてもよく、例えば、流体制御システム(1470)は、コンピュータまたはタブレットにインストールされたアプリケーションを介して動作可能であってもよい。また更に、他のバージョンでは、制御ユニット(1477)は、クッション(1418)の外側に位置してもよく、更に、制御ユニット(1477)が、クッション(1418)の両方のチャンバと共にパッド(1430)のうちの1つ以上からの流体配送及び抜き出しを制御することが可能であるように、同様のセンサ及び弁を使用してパッド(1430)と接続されてもよい。また更に、いくつかのバージョンでは、センサ(1475、1476)の1つまたは両方がポンプ(1471)の効果的な部分またはポンプ(1471)内の効果的な部分であることができるように、ポンプ(1471)は、圧力の統合された測定部を含む。
【0075】
V.スライド可能パッドを有する例示的な非侵入的頭部固定機器
【0076】
図13を参照して、HFD(600)と類似するが、支持アセンブリ(1512)に対してスライド可能なパッド(1514)を組み込む非侵入的頭部安定化のために構成された例示的なHFD(1500)が示される。支持アセンブリ(1512)は、交換可能及び調節可能な頭部クッション(1518)を有する基部アセンブリ(1516)を備える。基部アセンブリ(1516)におけるギアリングまたはスターバーストコネクタ(1520)は、スイベルアダプタ(図示せず)を介して支持アセンブリ(1512)を基部ユニット(図示せず)と接続する。いくつかの例では、支持アセンブリ(1512)は、スイベルアダプタ及び基部ユニットと共に放射線透過性である。実施例としてのみであり、限定することなく、支持アセンブリ(1512)と共に使用するために適切ないくつかの例示的なスイベルアダプタ及び基部ユニットは、pro med instruments GmbH of Freiburg,Germanyから入手可能である。支持アセンブリ(1512)は、独立して位置付けられることができる2つの伸長バー(1522)を備える。基部アセンブリ(1516)の底部側面において、各々が1つの伸長バー(1522)に対するものである2つの解放ノブ(1524)が位置する。ノブ(1524)を引き出すことによって、基部アセンブリ(1516)内部のラチェット機構が解放し、伸長バー(1522)は、除去されることができ、またはそうではなく調節されることができる。伸長バー(1522)の調節は、伸長バー(1522)が、基部アセンブリ(1516)及び頭部クッション(1518)によって支持された患者の頭部に向かってまたは頭部から離れて移動するように、基部アセンブリ(1516)に対して横方向に移動することを可能にする。本実施例では、両方の伸長バー(1522)は、別個のラチェット式機構を有し、ラチェット式機構は、別個にまたは同時に片手で解放されることができる。このように、1つの側面の伸長バー(1522)は、他の側面の伸長バー(1522)とは独立して横方向に調節されることができる。また更に、解放ノブ(1524)を同時に作動することは、各々の伸長バー(1522)の調節を同時に制御することを可能にする。
【0077】
2つの伸長バー(1522)の各々は、横方向伸長部分(1525)及び直立伸長部分(1523)を有するL字形状を備える。歯形領域(1526)は、側面部分(1525)に沿って延在する。歯形領域(1526)は、ラチェット機構の一部であり、解放ノブ(1524)の相補歯形機構(1528)と係合することによって、基部アセンブリ(1516)に対して伸長バー(1522)を連動させる。共に、伸長バー(1522)の歯形領域(1526)及び解放ノブ(1524)の歯形機構(1528)は、ラチェット機構を構成する。
【0078】
各々の伸長バー(1522)の直立伸長部分(1523)に沿って、スライド部(1530)は、直立伸長部分に沿って据え付けられ、及び調節可能である。スライド部(1530)は、ボルト、トルクネジ、または他の同様の機構などの係止機構との接続によって、及び係止機構と締め付けることによって固定される。伸長バー(1522)の直立伸長部分に対してスライド部(1530)を固定することは、スライド部(1530)を締め付け及び伸縮自在に変形させ、それぞれの伸長バー(1522)に対してスライド部(1530)を引き出すことによって達成される。伸長バー(1522)の直立伸長部分に沿ったスライド部(1530)のこの調節機能は、以下で更に議論されるようなスライド部(1530)と接続されたパッド(1514)の高さ調節を可能にする。本実施例では、伸長バー(1522)の直立伸長部分(1523)の断面形状は、台形である。したがって、伸長バー(1522)の直立伸長部分は、伸長バー(1522)の外面(1534)が内面(1536)よりも広い幅を有するように、内側に傾く側面(1532)を備える。本実施例では、伸長バー(1522)の直立伸長部分のこの形状は、そのようなアクセサリを伸長バー(1522)の直立伸長部分に留めることによって、例えば、リトラクタなどのようなアクセサリの取付を可能にする。
【0079】
HFD(1500)の本バージョンでは、トルクネジ(1538)は、1つの側面上でスライド部(1530)と接続する。トルクネジ(1538)の内側面において、交換可能なシェル(1540)は、パッド(1514)に対するレセプタクルとして据え付けられる。このシェル(1540)は、パッド(1514)が調節されることができるように回転可能である。例えば、パッド(1514)は、本実施例では、耳部(1542)を備え、パッド(1514)を回転させることは、耳部(1542)が患者の耳に適応するように位置付けられることを可能にする。いくつかの例では、耳部(1542)は、耳凹部、湾入、または切り出し部と称されてもよい。
【0080】
トルクネジ(1538)はまた、外側回転可能ハンドル(1544)を備える。トルクネジ(1538)のハンドル(1544)を調整することによって、患者の頭部に向かってシェル(1540)及び接続されたパッド(1514)が移動する。パッド(1514)の空気チャンバ内部の圧力に応じて、以下で説明されるように、トルクネジ(1538)内部のバネが変形し、印加された力を表示する外側面におけるスケール(1548)が覆われる。
【0081】
HFD(1500)の本バージョンでは、係止ボルト(1550)は、トルクネジ(1538)を有する側面とは反対の支持アセンブリ(1512)の他の側面上でスライド部(1530)と接続する。ボルト(1550)の内側面において、交換可能なシェル(1540)は、パッド(1514)に対するレセプタクルとして据え付けられる。このシェル(1540)は、パッド(1514)が調節されることができるように回転可能である。例えば、パッド(1514)は、本実施例では、耳部(1542)を備え、パッド(1514)を回転させることは、耳部(1542)が患者の耳に適応するように位置付けられることを可能にする。いくつかの例では、耳部(1542)は、耳凹部、湾入、または切り出し部と称されてもよい。係止ボルト(1550)はまた、外側回転可能ハンドル(1552)を備える。回転の方向に応じて、係止ボルト(1550)のハンドル(1552)を調整することによって直立伸長部分(1523)に対してスライド部(1530)を選択的に固定する。
【0082】
各々のそれぞれのバー(1522)上でトルクネジ(1538)及び係止ボルト(1550)を有する2つの伸長バー(1522)の構成、並びに患者の頭部に対して(及び、基部アセンブリ(1516)を通じて長手方向に延在する支持アセンブリ(1512)の中心軸(A1)にも対して)パッド(1514)の位置を調節する能力により、パッド(1514)は、頭部クッション(1518)上に載せられた頭部への等距離により位置付けられることができる。これは、頭部を主要な頭部クッション(1518)上の中心位置に残す。以下で更に詳細に説明されるように、各々の側面上のパッド(1514)は、導管またはホース(1556)を介して相互接続された流体チャンバ(1554)を備え、よって、両方の側面から頭部に印加された圧力は等しい。この構成は更に、主要な頭部クッション(1518)上の中心位置において頭部を維持することを促進する。
【0083】
上記説明されたこの中心へ促進することは、力が1つの側面のみから、または実質的に1つの側面から頭部に印加される特定の他の支持及び固定構造において十分でない。例えば、いくつかの支持及び固定構造は、1つの側面において固定され、次いで、調節可能な締め付け及び/または力の印加を使用して、他の側面からパッドまたはピンを適用する。そのような例では、患者の頭部は、支持及び固定構造の固定側面に向かって効果的に引き出される。頭部クッション(1518)のような頭部支持部またはクッションが使用される場合、患者の頭部は、頭部支持クッションの湾入のフリンジまたは縁に対して引き出され、頭部支持クッションの湾入では、頭部が典型的には、固定位置にないときに受けられる。1つの側面からのこの不均一なまたは高度に指向性のある力の印加は、頭部クッションの近くのこの領域における甚大に高い接触圧力につながり、圧力の弊害を生じさせる。
【0084】
上述したように、2つの伸長バー(1522)の構成を有する上記説明されたHFD(1500)により、パッド(1514)は、頭部クッション(1518)上に載せられた頭部への等距離により位置付けられることができる。パッド(1514)の流体チャンバ(1554)は、ホース(1556)を介して相互接続され、よって、両方の側面からの頭部に対する圧力は等しい。この組み合わせは、頭部を主要な頭部クッション(1518)上の中心位置に残し、主要な頭部クッション(1518)は、時として頭部支持クッションとも称されてもよい。
【0085】
本実施例では、全ての実施例において必要とされないが、トルクネジ(1538)及び係止ボルト(1550)を含む支持アセンブリ(1512)の全体は、放射線透過性である。このように、支持アセンブリ(1512)の全体は、放射線透過性を達成するよう合成材料から生成される。
【0086】
A.例示的なパッド
【0087】
本バージョンでは、各々のパッド(1514)は、いくつかの例ではホイルと称されてもよい、合成材料から構成される。
図20及び21において最良に分かるように、パッド(1514)は、支持アセンブリ(1512)と患者の頭部との間で2つの層を設ける2つの別個のチャンバにより構成される。第1のチャンバ(1554)は、流体チャンバである。流体チャンバ(1554)は、本実施例では空気により充填可能であるが、他のバージョンでは、液体を含む他の流体が使用されてもよい。流体チャンバ(1554)は、支持アセンブリ(1512)と微粒材料により充填された第2のチャンバ(1558)との間に位置する。微粒材料チャンバ(1558)は、使用中に患者(1560)と接触するように位置付けられる。使用中、流体チャンバ(1554)は、患者の頭部に対して微粒材料チャンバ(1558)を引き出すよう充填されるように構成される。
【0088】
本実施例では、微粒材料チャンバ(1558)内の微粒材料(1560)は、時にEPS微粒と称される、発泡スチロールの微粒を備える。微粒材料チャンバ(1558)は、チャンバ(1558)を定義する表地において小型孔または出口(1562)を備える。それらの小型孔(1562)は、チャンバ(1558)と患者の頭部との間の接触によって遮断または閉鎖されないように、縫い目の近くにあってもよく、または縁に沿ってもよい。流体チャンバ(1554)が空であるとき、第2のチャンバ(1558)内のEPS微粒の間に空気が存在する。患者の頭部を安定化するとき、パッド(1514)は、患者の頭部と支持アセンブリ(1512)との間に位置付けられる。流体チャンバ(1554)を充填することによって、圧力が流体チャンバ(1554)によって微粒材料チャンバ(1558)に印加され、それによって、孔または出口(1562)を通じて漏れ出す、EPS微粒の間の空気を押し出す。それによって、EPS微粒は、共に押し込まれ、患者の頭部形状に位置合わせまたは一致する。このように、患者の頭部に印加された圧力は、均質に分散され、流体チャンバ(1554)内部の圧力と相関する。上述したように、支持アセンブリ(1512)の各々の側面上の各々のパッド(1514)の流体チャンバ(1554)は、ホース(1556)によって接続され、両方のパッド(1514)における等しい圧力レベルにつながる。本実施例では、各々のパッド(1514)の流体チャンバ(1554)に圧力を印加するために、ハンドポンプ(1564)は、ホース(1556)に接続可能である。ポンプ(1564)はまた、流体チャンバ(1554)からの圧力を解放する解放弁(1566)を供給する。
【0089】
上記説明された構成により、患者の頭部との接触圧力の均一または均質な分散をもたらすことに加え、HFD(1500)は、高レベルの安定性をもたらす。例えば、HFD(1500)は、例えば、トルクネジ(1538)上のスケールを介して、またはハンドポンプ(1564)上の計器(1568)を介して、圧力指示内で約12時間までの非侵入的安定化をもたらすことができる。この開発の前に、圧力指示手段による患者の頭部の長期間の安定化は、侵入的ピンニング技術を使用している。
【0090】
パッド(1514)は、1つのバージョンでは、流体チャンバ(1554)及び微粒材料チャンバ(1558)が別個のチャンバであるが、単一のパッドとして共に密閉されるように構築される。このバージョンでは、パッド(1514)は、チャンバ(1554、1558)の間に位置付けられた膜を含んでもよいが、膜は、全てのバージョンにおいて必要とされない。
【0091】
別のバージョンでは、パッド(1514)は、各々のチャンバ(1554、1558)がその他から分離可能であるように構築される。このように、パッド(1514)は、各々のチャンバ(1554、1558)に対応し、或る種類のパッドアセンブリとして共に使用される2つの別個のパッドから構築される。パッド(1514)についてのこの構成により、患者と接触する微粒材料チャンバ(1558)は、使い捨て可能な製品または構成要素とすることができるが、流体チャンバ(1554)は、再加工及び再使用されることができる。パッド(1514)の流体チャンバ(1554)の再加工は、例えば、自動洗浄または手動洗浄により達成できる。同様に、非侵入的放射線透過性HFD(1500)の支持アセンブリ(1512)は、自動洗浄及び消毒と共に、蒸気滅菌に適している。
【0092】
B.例示的な圧力印加及び指示
【0093】
パッド(1514)が単一のパッド構成において統合されもしくは組み合わされたチャンバ(1554、1558)を使用するかに関わらず、またはパッド(1514)がマルチパッド構成において別個のチャンバ(1554、1558)を使用するかに関わらず、HFD(1500)による圧力印加及び力指示は、トルクネジ(1538)を使用して、及び/または圧力計(1568)を有するハンドポンプ(1564)を使用して達成できる。
【0094】
トルクネジ(1538)を使用するとき、それぞれの伸長バー(1522)と接続された各々のパッド(1514)の流体チャンバ(1554)は、
図22に示されるように、ホース(1556)によって接続され、使用前に空気または他の流体により事前に充填される。トルクネジ(1538)は、患者の頭部に向かってパッド(1514)を引き出し、それによって、流体チャンバ(1554)内部の圧力を増大させるよう、支持アセンブリ(1512)において据え付けられる。印加された圧力は、トルクネジ(1538)においてスケール(1548)によってユーザに表示される。
【0095】
流体チャンバ(1554)を事前に充填するとき、事前充填は、様々な方式において達成できる。一実施例では、パッド(1514)が事前に充填された流体チャンバ(1554)により配送されるように、流体チャンバ(1554)は、製造の間に事前に充填される。この実施例では、2つのパッド(1514)の流体チャンバ(1514)は、それらを接続するホース(1556)を有するが、流体チャンバ(1554)及びホース(1556)は、追加の流体が追加または除去されないように密閉される。この実施例では、圧力は、患者の頭部に対するトルクネジ(1538)の締め付け及びパッド(1514)の圧縮に基づいて増大または減少する。
【0096】
流体チャンバ(1554)を事前に充填する別の実施例では、2つの流体チャンバ(1554)を接続するホース(1556)は、ハンドポンプ(1564)との接続を可能にするポートを有することができる。この実施例におけるハンドポンプ(1564)は、計器(1568)を有してもよく、または有しなくてもよい。更なる別の実施例では、ホース(1556)は、空気または流体により事前に充填するための大型シリンジと接続することができるポートを有することができる。事前に充填するためのいくつかの実施例では、空気または流体を受けるためのアクセスをもたらすポートは、上記説明されたようなホース(1556)に含まれてもよく、またはポートは、パッド(1514)の流体チャンバ(1554)のうちの1つ以上に含まれてもよい。いくつかの実施例では、ポートは、流体チャンバ(1554)を選択的に密閉する弁を備える。いくつかの例では、弁は、空気または流体が流体チャンバ(1554)に追加されるが、除去されないことを可能にする一方向弁であってもよい。
【0097】
圧力印加及び力指示のためのトルクネジ(1538)の使用の代わりにまたは加えて、そのような圧力印加及び力指示は、ホース(1556)を介して直接または間接的のいずれかで、圧力計(1568)を有するハンドポンプ(1564)を流体チャンバ(1554)と接続することによって達成できる。この実施例では、事前充填が行われることができるが、使用の間に流体チャンバ(1554)が充填されることができるので必須ではない。この構成では、ホース(1556)によって接続され、及び圧力計(1568)を有するハンドポンプ(1564)と接続されたパッド(1514)の2つの流体チャンバ(1554)は、印加された接触圧力に関するフィードバックをユーザに与える。この点において接触圧力は、患者の頭部上でパッド(1514)によって印加された表面圧力を表し、この接触圧力は、流体チャンバ(1554)内の圧力と相関する。いくつかのバージョンでは、ハンドポンプ(1564)の圧力計(1568)は、流体チャンバ(1554)自体の圧力を示すのと反対に、患者の頭部とパッド(1514)との間の境界面における接触圧力を示すよう校正される。他のバージョンでは、圧力計(1568)は、手動または自動相関によってその後行われる接触圧力へのその指示の相関により流体チャンバ(1554)自体の圧力を示すように構成されることができる。同様に、トルクネジ(1538)を使用するバージョンでは、スケール(1548)は、接触圧力と相関するように構成されてもよい。
【0098】
ハンドポンプ(1564)を使用する一実施例では、計器(1568)は、ユーザに許容可能な圧力範囲の全体指示を提供するように構成される。それらは、有限数または圧力読み取り値とは反対に、圧力計(1568)上の色帯によって示されてもよい。例えば、圧力計(1568)は、隣接する赤帯または区域がそれに続く、緑帯または区域を備えることができる。圧力計(1568)の針が緑帯内のいずれかを指し示すとき、次いで、適切な量の圧力が使用されている。この意味で、適切な量の圧力は、所望の安定化の利点をもたらし、患者を傷つけまたは損傷を与えるほど大きくない圧力である。この実施例では、圧力計(1568)の針が赤帯内に収まる場合、次いで、圧力が大きすぎて、損傷についての許容可能でないレベルのリスクに患者を置くことがある。また、この実施例では、所望の安定化が達成されることができないように圧力が低すぎる状態を表す別の色帯、例えば、白または黄が提示されてもよい。ハンドポンプ(1564)は、特定の患者及び/もしくは手順に基づいて異なる計器(1568)により構成されてもよく、または異なるハンドポンプ(1564)が全て使用されてもよい。例えば、ハンドポンプ(1564)は、小児患者により使用されるときに1つの計器(1568)により構成されてもよいが、成人患者により使用されるときは別の計器により構成されてもよい。計器は、患者のタイプ及び/または手順の要件に基づいて異なって校正された色帯を有してもよい。
【0099】
いくつかのバージョンでは、HFD(1500)は、HFD(1500)が使用中のときに圧力が調節されることができるように構成される。例えば、ホース(1556)を介して直接または間接的に流体チャンバ(1554)と接続可能なハンドポンプ(1564)を含むバージョンでは、ハンドポンプ(1564)は、手順の間に流体チャンバ(1554)に流体を追加し、または流体チャンバ(1554)から流体を除去するようにアクセス可能であってもよい。いくつかのケースでは、ハンドポンプ(1564)は、ホース(1556)を介して直接または間接的にハンドポンプ(1564)を流体チャンバ(1554)と接続し、HFD(1500)から離れてハンドポンプ(1564)がいくらかの距離に位置することを可能にする伸長導管を含んでもよい。これは、手術ドレープの真下からハンドポンプ(1564)を再配置することができ、よって、それは、HFD(1500)により使用されることができるそのような手術ドレープ、または他の器具もしくはアクセサリを乱すことなく、手順の間に容易にアクセスされることができる。
【0100】
圧力印加及び指示のためにトルクネジ(1538)を使用するバージョンでは、圧力はまた、トルクネジ(1538)のハンドル(1544)にアクセスし、ハンドル(1544)を回転させることによりトルクネジ(1538)を調節することによって、HFD(1500)が使用中のときに調節されてもよい。いくつかの例では、トルクネジ(1538)は、手術ドレープの真下にあってもよく、トルクネジ(1538)にアクセスすることは、手術ドレープの一時的な除去または再配置を必要とすることがある。
【0101】
上記実施例のいくつかは、ハンドポンプ(1564)の使用を説明したが、本明細書における教示を考慮して、いくつかの他のバージョンでは、ハンドポンプ(1564)は、自動ポンプ、更には所望の圧力を設定、監視、及び維持するための制御機構を有するポンプシステムと置き換えられてもよいことが当業者にとって明らかである。
【0102】
上記説明されたようなHFD(1500)により、支持アセンブリ(1512)及びパッド(1514)は、頭部位置の移行を最小化する。例えば、上記説明されたパッド(1514)の特性に加え、伸長バー(1522)及びクランプ構造の剛性は、頭部位置の移行のこの最小化を促進する。これは次いで、HFD(1500)が、手術中のナビゲーション技術により使用されることができる非侵入的頭部安定化構造をもたらすことを可能にする。例としてであり、限定することなく、HFD(1500)は、例えば、Brainlab Kick EMのような電磁ナビゲーションに適している。加えて、長期間の非侵入的頭部安定化及び放射線透過性の組み合わせは、手術中の撮像(CT、MRI、超音波検査)を可能にする。
【0103】
使用中、HFD(1500)を使用して患者の頭部を安定化するとき、頭部が最初に頭部クッション(1518)及び基部アセンブリ(1516)によって真下から支持される。次に、伸長バー(1522)は、HFD(1500)の中心軸(A1)に向かって伸長バー(1522)を前進させることによって、基部アセンブリ(1516)の周囲で調節される。次いで、スライド部(1530)及びパッド(1514)は、所望の方式において患者の頭部と接触するよう調節され、例えば、患者の耳に対して相殺または位置合わせする。締め付けられたスライド部(1530)及び固定されたパッド(1514)により、圧力印加及び指示のために1つ以上のトルクネジ(1538)のみが使用されるHFDのバージョンでは、パッド(1514)が患者の頭部に一致することを促進するよう微粒材料チャンバ(1558)に向かって流体チャンバ(1554)が前進するように、1つ以上のトルクネジ(1538)が下に締め付けられる。圧力印加及び指示のためにポンプ(1564)が使用されるHFDのバージョンでは、ポンプ(1564)は、流体チャンバ(1554)に空気または流体を追加するように作動され、次いで、上記説明されたように、パッド(1514)が患者の頭部に一致することを促進するよう、流体チャンバ(1554)を微粒材料チャンバ(1558)に向かって前進させる。パッド(1514)が患者の頭部に位置付けられ、一致していると、場合によっては、頭部の安定化のために患者により所望のレベルの接触圧力を達成するようHFD構成またはバージョンに応じて、トルクネジ(1538)に対し、及び/またはハンドポンプ(1564)を介して調節が行われることができる。
【0104】
例示的な安定化方法における上記ステップの全ては、全ての安定化手順において必要とされない。いくつかのケースでは、1つ以上の調節が省略されてもよく、及び/または他のステップが含まれてもよい。同様に、上記実施例の手順において説明された以外の調節が順に行われてもよい。本明細書における教示を考慮して、本明細書で説明されたHFDのいずれかを使用して患者の頭部を支持及び安定化する他の手順が当業者にとって明らかである。
【0105】
他のHFDまたは修正されたバージョンのHFD(1500)がHFD(1600)及びHFD(1700)として
図23及び24に示される。HFD(1600)は、HFD(1600)がパッド(1514)ごとに1つの2つのトルクネジ(1638)を備えることを除き、上記説明されたHFD(1500)と同一または類似するように構成される。この構成により、HFD(1600)は、パッド(1514)の2つの流体チャンバ(1554)の間のホース(1556)を省略する。上記説明されたように、HFD(1600)についてのこの構成により、パッド(1614)は、製造の間に流体により事前に充填され、密閉される。
【0106】
HFD(1700)は、HFD(1700)がトルクネジを完全に省略し、代わりに、パッド(1514)ごとに1つの2つの係止ボルト(1750)を含むことを除き、上記説明されたようなHFD(1500)と同一または類似するように構成される。この構成により、圧力印加及び指示は、それぞれのパッド(1514)の流体チャンバ(1554)及びポンプ(1564)の計器(1568)に空気または流体を供給するポンプ(1564)により達成される。HFD(1500)に関して上記説明されたのと同一の方式において、HFD(1700)により、ポンプ(1564)は、ホース(1556)を介して直接または間接的に流体チャンバ(1554)と接続可能である。更に、ポンプ(1564)及び計器(1568)の操作性は、HFD(1700)がポンプ(1564)及び計器(1568)を使用するそれらの例に関して上記説明された通りにHFD(1500)と同一である。
【0107】
本明細書における教示を考慮して、HFD(600、1500、1600、1700)またはそれらの構成要素のいずれかを修正する他の様々な方式が、本明細書における教示を考慮して当業者にとって明らかである。例えば、いくつかのバージョンでは、HFD(1500、1600、1700)は、上記説明された中央頭部支持部(700、1310、1410)及び/または位置付けアセンブリ(900)のいずれかを組み込んでもよい。
【0108】
VI.マルチチャンバ型パッドを有する例示的な非侵入的頭部固定機器
【0109】
図25は、上記説明されたHFD(1500、1600、1700)のいずれかにより非侵入的安定化をもたらす安定化アセンブリ(816)に対するマルチチャンバパッド(1830)を表す。各々のパッド(1830)は、流体により充填されるように構成された内部空間(1847)を有する第1のチャンバ(1832)を有するマルチチャンバ構造を備える。流体は、気体または液体であってもよい。第1のチャンバ(1832)は、内部空間(1847)へのアクセスをもたらすように構成されたポート(1841)を含む。流体は、第1のチャンバ(1832)内の内部空間(1847)に方向付けられてもよく、または第1のチャンバ(1832)の内部空間(1847)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第1のチャンバ(1832)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(1847)から解放または排出されてもよい。各々のパッド(1830)は更に、流体により充填されるように構成された内部空間(1839)を有する第2のチャンバ(1844)を備え、または流体は、第2のチャンバ(1844)の内部空間(1839)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第2のチャンバ(1844)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(1839)から解放または排出されてもよい。本実施例では、第1のチャンバ(1832)の内部空間(1847)及び第2のチャンバ(1844)の内部空間(1839)は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1832、1844)の内部空間(1847、1839)の間で延在する接続チューブ(1848)によって流体連結する。
【0110】
各々のパッド(1830)は更に、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1832、1844)の間に位置付けられた第3のチャンバ(1842)を備える。この構成では、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1832、1844)は集合的に、外部チャンバのペアを定義し、第3のチャンバ(1842)は、中間チャンバを定義する。第3のチャンバ(1842)はまた、内部空間(1846)を備え、接続チューブ(1848)は、第3のチャンバ(1842)の内部空間(1846)を通じて延在する。第3のチャンバ(1842)の内部空間(1846)は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1832、1844)と同様に、流体により充填されるように構成される。流体は、内部空間(1846)に追加されてもよく、または内部空間(1846)から除去されてもよく、それは、パッド(1830)のこの領域内の圧力を変化させることができる。第3のチャンバ(1842)は、第1のチャンバ(1832)と類似するポート(1840)を備える。ポート(1840)は、内部空間(1846)へのアクセスをもたらし、内部空間(1846)に流体を方向付け、または内部空間(1846)から流体を排出するために使用される。
【0111】
各々のパッド(1830)は更に、各々が形状適合材料により充填されるように構成された、第4のチャンバ(1833)、第5のチャンバ(1845)、及び第6のチャンバ(1843)を備える。第1のチャンバ(1832)は、第4のチャンバ(1833)に隣接して位置付けられ、第4のチャンバ(1833)は、患者の頭部と接触するように構成される。第2のチャンバ(1844)は、第5のチャンバ(1845)に隣接して位置付けられ、第5のチャンバ(1845)は、患者の頭部と接触するように構成される。第3のチャンバ(1842)は、第6のチャンバ(1843)に隣接して位置付けられ、第6のチャンバ(1843)は、患者の頭部と接触するように構成される。本明細書における教示を考慮して、第1のチャンバ及び第4のチャンバ(1832、1833)、第2のチャンバ及び第5のチャンバ(1844、1845)、並びに第3のチャンバ及び第6のチャンバ(1842、1843)の相対位置は、他のバージョンでは切り替えられてもよいことが当業者にとって明らかである。1つのバージョンでは、第4のチャンバ、第5のチャンバ、及び第6のチャンバ(1833、1845、1843)内の形状適合材料は、ゲル、発泡体、微粒材料、またはそれらの組み合わせのいずれか1つである。本明細書における教示を考慮して、パッド(1830)と共に使用可能な他の形状適合材料が当業者にとって明らかである。
【0112】
上記説明されたパッド(1830)の構成により、パッド(1830)は、流体及びそれぞれの内部空間(1847、1846、1839)による調節の方式に応じて様々な圧力プロファイルを設けるように構成される。例えば、いくつかのバージョンでは、第3のチャンバ(1842)が第1のチャンバ及び第2のチャンバ(1832、1844)の内部空間(1847、1839)にあるのと同一の内部空間(1846)内の容積の単位ごとの量の流体を保持するように構成された、接触圧力の均一な分散が達成できる。更なる他のバージョンでは、外部チャンバは、合致する圧力を有してもよく、中間チャンバは、外部チャンバ内の圧力よりも高くてもよくまたは低くてもよい圧力を有する。更に、外部チャンバと中間チャンバとの間の異なる圧力によるこの構成では、流体は、パッド(1830)の一部と接触している患者の組織の領域への血流を促進し、患者の頭部の安定化を確保することを維持する方式をもたらす制御された方式において排出及び/または追加されてもよい。マルチチャンバ型パッド(1830)についての更なる他の適切な構成が、本明細書における教示を考慮して当業者にとって明らかである。
【0113】
VII.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書における教示が組み合わされてもよく、または適用されてもよい、様々な非排他的な方式に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後続の出願のいずれかの時点において提示されることがあるいずれかの請求項の対象範囲を制限することを意図していないことが理解されるべきである。放棄を意図していない。以下の実施例は、例示を目的に提供されているにすぎない。本明細書における様々な教示が用意されてもよく、多数の他の方式に適用されてもよいことが予期される。また、いくつかの変形は、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してもよいことが予期される。したがって、発明者または発明者に関与した継承者によって後に別段に明確に示されない限り、以下で言及される態様または特徴のいずれもが重要であると考えられるべきではない。いずれかの請求項が、本出願、または以下で言及される特徴を超える追加の特徴を含む本出願に関連する後続の出願において提示される場合、それら追加の特徴は、特許性に関連するいずれかの理由により追加されたと推定されるべきではない。
【0114】
実施例1
医療手順の間に患者の頭部を支持及び安定化する医療機器は、患者の頭部を支持及び安定化する間のズレを防止するように構成される。医療機器は、(a)1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台と接続するように構成された中央頭部支持部であって、中央頭部支持部は更に、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成され、中央頭部支持部は、患者の頭部と接触するように構成されたクッションを含む、中央頭部支持部と、(b)中央頭部支持部と接続可能な位置付けアセンブリと、(c)頭蓋クランプが位置付けアセンブリに対して並進移動可能であるように、位置付けアセンブリと調節可能に接続するように構成された頭蓋クランプであって、頭蓋クランプは更に、中央頭部支持部に対して回転可能であり、頭蓋クランプの並進移動及び回転は、中央頭部支持部のクッションに対する頭蓋クランプの位置を変更することを可能にする、頭蓋クランプと、を備えた医療機器。
【0115】
実施例2
頭蓋クランプは、カセットを含み、位置付けアセンブリは、カセットを受けるように構成されたカセットキャリアを含み、カセットは、カセットキャリアに対して頭蓋クランプの位置を調節するようカセットキャリアに対して選択的に並進移動可能である、実施例1に記載の医療機器。
【0116】
実施例3
頭蓋クランプは、カセットによって受けられる伸長バーのペアを含み、各々の伸長バーは、カセットに対し、及び相互に独立して移動可能であり、カセットにより各々の伸長バーを選択的に確保するよう独立してカセットと係止可能であり、各々の伸長バーは、患者の頭部と接触し、患者の頭部に水平支持及び安定化をもたらすように構成された安定化アセンブリを受けるように構成された上端部分を含む、実施例2に記載の医療機器。
【0117】
実施例4
カセットキャリアは、中央頭部支持部に対する頭蓋クランプの位置を変更するよう回転可能に調節可能である、実施例2~3のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0118】
実施例5
カセットは、歯型ラックを含み、カセットキャリアは、カセットキャリアに対するカセットの位置を確保するよう歯型ラックと選択的に係合するように構成された係止挿入部を含む、実施例2~4のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0119】
実施例6
位置付けアセンブリは、カセットキャリアを受けるように構成されたコネクタを含み、カセットキャリアは、コネクタに対して選択的に回転可能及び並進移動可能に調節可能である、実施例2~5のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0120】
実施例7
コネクタは、中央頭部支持部と接続するように構成される、実施例6に記載の医療機器。
【0121】
実施例8
位置付けアセンブリは、コネクタ及びアクチュエータを含み、アクチュエータは、(a)カセットキャリアに対するカセットの並進移動位置、(b)コネクタに対するカセットキャリア回転位置、及び(c)コネクタに対するカセットキャリアの並進移動位置を選択的に確保するように構成される、実施例2~5のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0122】
実施例9
中央頭部支持部は、スロットを含み、位置付けアセンブリのコネクタは、スロット内で受けることが可能であり、中央頭部支持部に対する位置付けアセンブリの位置を変更するよう、患者の頭部が中央頭部支持部によって支持されるときに患者の頭部の下方に延在する中央頭部支持部によって定義された第1の平面に沿ってまたは平行して調節可能である、実施例2~5のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0123】
実施例10
各々の伸長バーの上端部分は、安定化アセンブリを受けるように構成されたボアを含み、各々の伸長バーの各々の上端部分のボアは、カセットが伸長アームのペアの伸長アームの各々を受けるときに相互に位置合わせする、実施例3~9のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0124】
実施例11
各々の伸長バーの上端部分は、安定化アセンブリを受けるように構成されたボアを含み、各々の伸長バーの各々の上端部分のボアは、各々の伸長バーの各々の上端部分のボアの中心を通じて延在する共通軸を定義する、実施例3~9のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0125】
実施例12
各々の伸長バーは、伸長バーの基部から伸長バーの直立部分に沿って延在する長手方向軸を定義し、各々の伸長バーのボアは、各々のそれぞれの伸長バーによって定義された長手方向軸からオフセットされる、実施例3~11のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0126】
実施例13
伸長バーのペアは、左右に相互に交換可能である、実施例3~12のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0127】
実施例14
コネクタに対するカセットキャリアの回転式調節及びカセットキャリアに対するカセットの並進移動式調節の組み合わせは、患者の頭部の周りで実質的に同心円状に頭蓋クランプの位置を変える、実施例6~8のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0128】
実施例15
コネクタに対するカセットキャリアの回転式調節及びカセットキャリアに対するカセットの並進移動式調節の組み合わせは、患者の頭部から患者の足に延在する、患者の長手方向軸の周りで頭蓋クランプの位置を変える、実施例6~8のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0129】
実施例16
コネクタに対するカセットキャリアの回転式調節及びカセットキャリアに対するカセットの並進移動式調節の組み合わせは、中央頭部支持部によって支持された患者の頭部のいずれかの側面上での約45度までの頭蓋クランプの斜め横向きに位置付けることを可能にする、実施例6~8のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0130】
実施例17
中央頭部支持部のクッションは、第1のチャンバを含み、第1のチャンバは、流体により充填されるように構成された内部空間を含み、第1のチャンバは、内部空間へのアクセスをもたらすように構成されたポートを含み、第1のチャンバは更に、内部空間から流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、実施例1~16のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0131】
実施例18
中央頭部支持部のクッションは更に、形状適合材料により充填されるように構成された第2のチャンバを含み、第1のチャンバは、第2のチャンバの下方に位置付けられ、第2のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、実施例17に記載の医療機器。
【0132】
実施例19
中央頭部支持部は更に、クッションと接続された基部を含み、基部は、基部にわたって横断して延在する軸を定義する接続部材を含み、基部は、クッションの方位を旋回可能に調節するよう接続部材によって定義された軸の周りで旋回可能である、実施例1~18のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0133】
実施例20
中央頭部支持部のクッションは、(a)第1のチャンバであって、第1のチャンバは、第1の内部空間を含む、第1のチャンバと、(b)第2のチャンバであって、第2のチャンバは、第2の内部空間を含み、第1の内部空間及び第2の内部空間は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ内の圧力が同一であるように、その間で延在する第1の接続チューブによって流体連結し、第1のチャンバは、第1の内部空間及び第2の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第1のポートを含み、第1のチャンバ及び第2のチャンバは、第1のポートを介して流体により充填され、または流体の全部もしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、第2のチャンバと、(c)第1のチャンバ及び第2のチャンバが集合的に外部チャンバのペアを定義するように、第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置付けられた第3のチャンバであって、第3のチャンバは、中間チャンバを定義し、第3のチャンバは、第3の内部空間を含み、第1の接続チューブは、第3の内部空間を通じて延在し、第3のチャンバは、第3の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第2のポートを含み、第3のチャンバは、第2のポートを介して流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、第3のチャンバと、を含む、実施例1~16のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0134】
実施例21
(a)形状適合材料により充填されるように構成された第4のチャンバであって、第1のチャンバは、第4のチャンバに対して下方に位置付けられ、第4のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、第4のチャンバと、(b)形状適合材料により充填されるように構成された第5のチャンバであって、第2のチャンバは、第5のチャンバに対して下方に位置付けられ、第5のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、第5のチャンバと、(c)形状適合材料により充填されるように構成された第6のチャンバであって、第3のチャンバは、第6のチャンバに対して下方に位置付けられ、第6のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、第6のチャンバと、を更に備えた、実施例20に記載の医療機器。
【0135】
実施例22
外部チャンバ及び中間チャンバは、外部チャンバと中間チャンバとの間で充填及び排出サイクルを交互に繰り返すことによって、交互方式において加圧及び減圧されるように構成される、実施例20~21のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0136】
実施例23
(a)頭蓋クランプは、伸長バーのペアを含み、各々の伸長バーは、患者の頭部と接触し、患者の頭部に横方向の支持及び安定化をもたらすように構成された安定化アセンブリを受けるように構成された上端部分を含み、(b)各々の伸長バーによって受けられる安定化アセンブリは、第7のチャンバを有するパッドを含み、第7のチャンバは、流体により充填されるように構成された第4の内部空間を含み、第7のチャンバは、第4の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第3のポートを含み、第7のチャンバは更に、第4の内部空間から流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、実施例1~2のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0137】
実施例24
各々の伸長バーのパッドの第4の内部空間は、各々の伸長バーのパッドの第7のチャンバ内の等圧力を維持するよう、各々の伸長バーのパッドの第3のポートを接続する第2の接続チューブを介して他のパッドと流体連結する、実施例23に記載の医療機器。
【0138】
実施例25
各々の伸長バーのパッドは更に、形状適合材料により充填されるように構成された第8のチャンバを含み、第8のチャンバは、第7のチャンバに隣接して位置付けられ、第8のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、実施例23~24のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0139】
実施例26
患者の頭部を安定化し、安定化機器によって接触された組織の領域への長期の血流低下に起因して患者組織の外傷を低下させるシステムであって、システムは、(a)1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台と接続するように構成された中央頭部支持部であって、更に、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される、中央頭部支持部と、(b)中央頭部支持部と接続可能な位置付けアセンブリと、(c)頭蓋クランプが位置付けアセンブリに対して並進移動可能であるように位置付けアセンブリと調節可能に接続するように構成された頭蓋クランプであって、頭蓋クランプは更に、中央頭部支持部に対して回転可能であり、頭蓋クランプの並進移動及び回転は、中央頭部支持部に対する頭蓋クランプの位置を変更することを可能にする、頭蓋クランプと、(d)中央頭部支持部のクッションであって、クッションは、患者の頭部と接触するように構成され、クッションは、1つ以上のチャンバを含み、1つ以上のチャンバの各々は、流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成された内部空間を含む、クッションと、(e)1つ以上のチャンバに流体を供給するように構成される、ポンプと、(f)それぞれの1つ以上のチャンバと通信する1つ以上の圧力センサと、(g)ポンプ及びそれぞれの1つ以上のチャンバと流体連結する1つ以上の弁であって、1つ以上の弁は、流体がポンプからそれぞれの1つ以上のチャンバに流れることを可能にするように動作可能である、1つ以上の弁と、(h)ポンプ、1つ以上の圧力センサ、及び1つ以上の弁と接続された制御ユニットであって、制御ユニットは、1つ以上のチャンバに流体を供給するようポンプを動作させるように構成される、制御ユニットと、を備えたシステム。
【0140】
実施例27
1つ以上のチャンバは、2つ以上のチャンバを含み、制御ユニットは、交互排出及び充填サイクルを実行し、2つ以上のチャンバは、交互方式において排出及び充填され、それによって、2つ以上のチャンバのうちの少なくとも1つは、排出され、その圧力が減少する。更に、手順は、ナビゲーションを使用または必要とし、2つ以上のチャンバのうちの少なくとも1つは、他のチャンバが排出され、圧力が減少するとき、患者の頭部の移行を回避するよう、流体制御によって初期の寸法に留まる、実施例26に記載のシステム。
【0141】
実施例28
患者の頭部を安定化し、安定化機器によって接触された組織の領域への長期の血流低下に起因して患者組織の外傷を低下させるシステムであって、システムは、(a)1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台と接続するように構成された中央頭部支持部であって、更に、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される、中央頭部支持部と、(b)中央頭部支持部と接続可能な位置付けアセンブリと、(c)頭蓋クランプが位置付けアセンブリに対して並進移動可能であるように位置付けアセンブリと調節可能に接続するように構成された頭蓋クランプであって、頭蓋クランプは更に、中央頭部支持部に対して回転可能であり、頭蓋クランプの並進移動及び回転は、中央頭部支持部に対する頭蓋クランプの位置を変更することを可能にする、頭蓋クランプと、(d)中央頭部支持部のクッションであって、クッションは、患者の頭部と接触するように構成され、クッションは、(i)第1のチャンバであって、第1のチャンバは、第1の内部空間を含む、第1のチャンバと、(ii)第2のチャンバであって、第2のチャンバは、第2の内部空間を含み、第1のチャンバ及び第2のチャンバは、流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、第2のチャンバと、(iii)第1のチャンバ及び第2のチャンバが集合的に外部チャンバのペアを定義するように第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置付けられた第3のチャンバであって、第3のチャンバは、中間チャンバを定義し、第3のチャンバは、第3の内部空間を含み、第3のチャンバは、流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、第3のチャンバと、を含む、クッションと、(e)クッションの第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び第3のチャンバに流体を供給するように構成される、ポンプと、(f)第1のチャンバと通信する第1の圧力センサと、(g)第3のチャンバと通信する第2の圧力センサと、(h)ポンプ及び第1のチャンバと流体連結する第1の弁であって、第1の弁は、流体がポンプから第1のチャンバに流れることを可能にするように動作可能である、第1の弁と、(i)ポンプ及び第3のチャンバと流体連結する第2の弁であって、第2の弁は、流体がポンプから第3のチャンバに流れることを可能にするように動作可能である、第2の弁と、(j)ポンプ、第1の圧力センサ、第2の圧力センサ、第1の弁、及び第2の弁と接続された制御ユニットであって、制御ユニットは、クッションの第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び第3のチャンバのうちの1つ以上に流体を供給するようポンプを動作させるように構成される、制御ユニットと、を備えたシステム。
【0142】
実施例29
第1の内部空間及び第2の内部空間は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ内の圧力が同一であるように、その間で延在する第1の接続チューブにより流体連結し、第1のチャンバは、第1の内部空間及び第2の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第1のポートを含み、第1のチャンバ及び第2のチャンバは、第1のポートを介して流体により充填されるように構成され、第3のチャンバは、第3の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第2のポートを含み、第3のチャンバは、第2のポートを介して流体により充填されるように構成される、実施例28に記載のシステム。
【0143】
実施例30
制御ユニットは、交互排出及び充填サイクルを実行し、外部チャンバのペア及び中間チャンバは、交互方式において排出及び充填される、実施例28~29のうちのいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0144】
実施例31
制御ユニットは、患者の頭部が交互排出及び充填サイクルの間に位置を維持するように、交互排出及び充填サイクルの繰り返しを始める前に、外部チャンバのペア内の第1の圧力及び中間チャンバ内の第2の圧力の選択された1つまたは両方が予め定められた設定ポイントにあることを保証するよう第1の圧力センサ及び第2の圧力センサを監視する、実施例30に記載のシステム。
【0145】
実施例32
患者の頭部を安定化し、安定化機器によって接触された組織の領域への長期の血流低下に起因して患者組織の外傷を低下させるシステムは、1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台と接続するように構成された中央頭部支持部を備える。中央頭部支持部は更に、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される。システムは更に、中央頭部支持部と直接または間接的に接続するように構成された頭蓋クランプ及び中央頭部支持部と直接または間接的に接続するように構成されたクッションを備え、クッションは、患者の頭部と接触するように構成され、クッションは、1つ以上のチャンバを含む。1つ以上のチャンバの各々は、流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成された内部空間を含む。システムは更に、1つ以上のチャンバに流体を供給するように構成される、ポンプと、ポンプ及びそれぞれの1つ以上のチャンバと流体連結する1つ以上の弁と、を備え、1つ以上の弁は、流体がポンプからそれぞれの1つ以上のチャンバに流れることを可能にするように動作可能である。
【0146】
実施例33
1つ以上の弁は、1つの弁を含み、1つ以上のチャンバは、2つ以上のチャンバを含む、実施例32に記載のシステム。弁は、それぞれの2つ以上のチャンバと流体連結し、流体が相互に独立した2つ以上のチャンバに流れることを可能にするように構成可能である。
【0147】
実施例34
1つ以上の弁は更に、流体が相互に独立した2つ以上のチャンバから排出することを可能にするように構成可能である、実施例32~33のうちのいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0148】
実施例35
2つ以上のチャンバは、中間チャンバ及び外部チャンバのペアを含み、第1の状態では、中間チャンバ及び外部チャンバのペア内の圧力は、実質的に等しく、第2の状態では、中間チャンバ内の圧力は、弁が中間チャンバから流体を排出することによって減少し、第3の状態では、中間チャンバ内の圧力は、弁が中間チャンバに流体を方向付けることによって増大する、実施例32~34のうちのいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0149】
実施例36
第3の状態では、中間チャンバ及び外部チャンバのペア内の圧力は、実質的に等しい、実施例35に記載のシステム。
【0150】
実施例37
第2の状態では、外部チャンバのペア内の圧力は、第1の状態にある外部チャンバのペア内の圧力に対して増大し、外部チャンバのペア内の流体の容積は、第1の状態から第2の状態に一定のままである、実施例35~36のうちのいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0151】
実施例38
患者の頭部を安定化する頭部安定化機器であって、(a)上に載せられた患者の頭部を支持するように構成された基部アセンブリと、(b)基部アセンブリに取付可能な少なくとも2つの伸長バーであって、少なくとも2つの伸長バーは、伸長バーの各々の間の距離における変化を可能にするよう基部アセンブリに対し、及び相互に調節可能であり、少なくとも2つの伸長バーの各々は、横方向伸長部分及び直立伸長部分を含む、少なくとも2つの伸長バーと、(c)各々の伸長バーの直立伸長部分の1つと各々が接続可能な少なくとも2つのパッドであって、少なくとも2つのパッドは、患者の頭部と接触するように構成され、各々のパッドは、流体充填チャンバ及び微粒材料充填チャンバを含む、少なくとも2つのパッドと、を備えた機器。
【0152】
実施例39
各々の伸長バーの直立伸長部分の1つと接続可能な少なくとも2つのスライド部を更に備え、スライド部は、パッドを位置付けるよう伸長バーの直立伸長部分に沿って長手方向に調節するように構成される、実施例38に記載の機器。
【0153】
実施例40
伸長バーの横方向伸長部分の各々は、歯形領域を含み、基部アセンブリは、少なくとも2つの解放ノブを含み、各々の解放ノブは、伸長バーのそれぞれの1つと機械連結し、解放ノブの各々は、伸長バーのそれぞれの横方向伸長部分の歯形領域と選択的に係合するように構成された歯形機構を含む、実施例38~39のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0154】
実施例41
伸長バーの直立伸長部分は、1つ以上のアクセサリを受けるように構成された台形形状断面を含む、実施例38~40のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0155】
実施例42
流体充填チャンバに印加された力を表示する、力依存変形可能本体を含む指示機器を更に備えた、実施例38~41のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0156】
実施例43
流体充填チャンバに印加された圧力を示す計器を含む指示機器を更に備えた、実施例38~42のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0157】
実施例44
基部アセンブリと接続可能な頭部支持クッションを更に備え、基部アセンブリは、基部アセンブリに対する頭部支持クッションの調節を可能にする、実施例38~43のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0158】
実施例45
患者の頭部を安定化する頭部安定化機器であって、(a)基部アセンブリから延在する伸長バーのペアと、(b)ラチェット機構のペアであって、ラチェット機構のペアの各々の1つは、伸長バーのペアの1つと機械連結し、ラチェット機構は、機器の中心軸に対して横方向に伸長バーのペアを選択的に調節するように構成される、ラチェット機構のペアと、(c)パッドのペアであって、パッドのペアの各々の1つは、伸長バーのペアの1つと接続可能であり、パッドのペアの各々の1つは、流体により充填された第1のチャンバ及び微粒材料により充填された第2のチャンバを含み、第1のチャンバは、第2のチャンバ内の微粒材料が患者の頭部に一致するように、第2のチャンバに突き当たるように構成される、パッドのペアと、(d)パッドと患者の頭部との間の接触圧力の精巧な調節をもたらすように構成された圧力印加及び指示機構と、を備えた機器。
【0159】
実施例46
圧力印加及び指示機構は、トルクネジを含む、実施例45に記載の機器。
【0160】
実施例47
圧力印加及び指示機構は、圧力計を有するポンプを含む、実施例45~46のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0161】
実施例48
頭部支持クッションは、形状適合材料により充填されるように構成された第1のチャンバを含み、第1のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、実施例44に記載のシステム。
【0162】
VIII.その他
本明細書で説明された教示、説明、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上は、本明細書で説明された他の教示、説明、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上と組み合わされてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の説明される教示、説明、実施形態、実施例などは、相互に分離していると見なされるべきではない。本明細書における教示が組み合わされてもよい様々な適切な方式が、本明細書における教示を考慮して当業者にとって明らかである。そのような修正及び変形は、請求項の範囲内に含まれることが意図される。
【0163】
また、本明細書における教示は、その開示が本明細書で参照によって組み込まれる、2018年4月26日に出願された「Head Stabilization System and Method with Arc Features」と題する米国特許出願第62/662,874号における様々な教示と容易に組み合わされることができることが理解されるべきである。本明細書における教示が米国特許出願第62/662,874号の教示と組み合わされてもよい様々な適切な方式が当業者にとって明らかである。
【0164】
本発明の様々な実施形態が示され、及び説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明された方法及びシステムの更なる適応が当業者による適切な修正によって達成できる。そのような潜在的な修正のいくつかが言及されてきたが、その他が当業者にとって明らかである。例えば、上記議論された実施例、実施形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、及びステップなどは、例示的であり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の請求項の観点で考慮されるべきであり、明細書及び図面において示され、及び説明された構造及び動作の詳細に限定されないものと理解される。