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特許7251842GaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】GaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20230328BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/455
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021551867
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2019121191
(87)【国際公開番号】W WO2021102726
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】521387855
【氏名又は名称】東莞市中▲カ▼半導体科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SINO NITRIDE SEMICONDUCTOR CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】黄 業
(72)【発明者】
【氏名】劉 鵬
(72)【発明者】
【氏名】王 健輝
(72)【発明者】
【氏名】盧 敬権
【審査官】船越 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-167520(JP,A)
【文献】特開2011-124517(JP,A)
【文献】特開2011-233777(JP,A)
【文献】特開2009-105165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/86
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中部に複数の第1中心ガス通路が設置され、隣接する前記第1中心ガス通路の間に第1すき間が設置され、前記第1中心ガス通路の底部に自身の長さ方向に沿って第1ノズルが設置されている第1ガス台座と、前記第1ガス台座の上方に位置し、中部に複数の第2中心ガス通路が設置され、隣接する前記第2中心ガス通路の間に前記第1すき間と位置合わせするように第2すき間が設置され、前記第2中心ガス通路の両側に自身の長さ方向に沿って第2ノズルが設置されている第2ガス台座と、複数の第3中心ガス通路を含み、前記第3中心ガス通路は前記第1すき間と第2すき間を貫通し、前記第3中心ガス通路の底部に第3ノズルが設置されている第3ガス台座とを含み、
前記第1中心ガス通路は直線管路であり、複数の前記第1中心ガス通路は平行であり、前記第2中心ガス通路は直線管路であり、複数の前記第2中心ガス通路は平行であり、前記第3中心ガス通路はシート状管路であり、複数の前記第3中心ガス通路は平行である、GaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド。
【請求項2】
全ての前記第1すき間の幅は等しく、全ての前記第2すき間の幅は等しく、前記第1すき間の幅は前記第2すき間の幅と等しく、前記第3中心ガス通路は前記第1すき間と第2すき間の中心に位置する、請求項に記載のGaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド。
【請求項3】
前記第1中心ガス通路の形状は、円形又は楕円形又は平行四辺形又は三角形又は台形又は五角形であり、
前記第2中心ガス通路の形状は、円形又は楕円形又は平行四辺形又は三角形又は台形又は五角形である、請求項1に記載のGaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド。
【請求項4】
前記第1中心ガス通路の底部にフローガイド板が設置され、前記第1ノズルが前記フローガイド板の第1端に設置され、前記フローガイド板の第2端が前記第1中心ガス通路に接続されている、請求項1に記載のGaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド。
【請求項5】
前記第1ガス台座は第1外周ガス通路を含み、前記第1中心ガス通路は前記第1外周ガス通路の内側に位置し、前記第1中心ガス通路の端部は前記第1外周ガス通路と連通し、
前記第2ガス台座は第2外周ガス通路を含み、前記第2中心ガス通路は前記第2外周ガス通路の内側に位置し、前記第2中心ガス通路の端部は前記第2外周ガス通路と連通する、請求項1に記載のGaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド。
【請求項6】
前記第1中心ガス通路は第1内管及び第1外管を含み、前記第1外管が前記第1内管の外側に嵌設され、前記第1内管の両端が前記第1外周ガス通路と連通し、前記第1内管の頂部に第1連通孔が設置され、前記第1ノズルが前記第1外管の底部に設置されており、
及び/又は、前記第2中心ガス通路は第2内管及び第2外管を含み、前記第2外管が前記第2内管の外側に嵌設され、前記第2内管の両端が前記第2外周ガス通路と連通し、前記第2内管の頂部及び底部にいずれも第2連通孔が設置され、前記第2ノズルが前記第2外管の両側に設置されている、請求項に記載のGaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド。
【請求項7】
前記第1外周ガス通路上の側壁に第1給気管が設置され、前記第1給気管が前記第1中心ガス通路に垂直であり、
前記第2外周ガス通路の側壁又は頂部に第2給気管が設置され、前記第2給気管が前記第2中心ガス通路に垂直であり、かつ前記第2給気管が、前記第2中心ガス通路が第2外周ガス通路と連通する箇所から離れた位置にある、請求項に記載のGaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド。
【請求項8】
前記第3ガス台座は、第1端が前記第3中心ガス通路と連通し、第2端に第3給気管が設置されているガス均圧チャンバをさらに含む、請求項1に記載のGaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド。
【請求項9】
前記ガス均圧チャンバの底部は前記第2すき間の頂部を覆う、請求項に記載のGaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、GaN材料の成長装置の技術分野に関し、具体的には、複数のガスを隔離して噴射する複合噴射ヘッドに関し、例えば、GaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム(以下はGaNと略称する)は、最も重要な第3世代のワイドバンドギャップ半導体材料として、青色光LED及び高温高周波高出力電子デバイスの生産に広く応用されている。ハイドライド気相エピタキシャル(Hydride vapor phase epitaxy,HVPE)技術は、窒化ガリウム(GaN)厚膜材料を成長させる手法の1つとして、成長速度が早く(最高800μm/hまで)、生産コストが低く、成長プロセスが簡単である特徴から、窒化ガリウム(GaN)厚膜成長技術の普及及び応用に非常に適している。GaN厚膜の産業化を推進し、大量に高品質GaN厚膜を生産するために、重要なのは、HVPE反応室内に安定した層流流れ場を得るとともに、1枚以上の2-8インチのサファイア、SiC、AlN又はGaN等の基板を置くことができる黒鉛ホルダの有効堆積領域において均一に混合されたIII-V族ソースガス濃度場を得て、さらに噴射ヘッドで予備反応が発生して堆積を形成することをできるだけ回避する必要がある。噴射ヘッドの吐出口に予備反応が存在すれば、大量のGaN多結晶が急速に発生して吐出口で堆積し、噴射ヘッド材料とGaN多結晶の熱膨張係数が異なることによって、必然的に噴射ヘッドが割れて破損し、ひいては装置全体が継続的に生産することができなくなる。上記3つの点はGaN厚膜の市場競争力に直接影響する重要な要素であり、重点的に解決する必要がある。
【0003】
GaN単結晶を製品とする会社またはチームは、一般的には、独自に設計した噴射ヘッドを有するが、これらの噴射ヘッドは1枚2インチまたは3枚2インチのGaN単結晶を生産する実験室レベルの小型機種しか適用できず、生産力が低く、コストが高く、市場への量産及び普及に適さないか、または複数枚の大型機種に用いられることができるが、予備反応が非常に深刻であり、且つ単結晶の均一性が低く、落とした点が多いことで、ウェハ品質が悪く、ユーザの品質ニーズを満たすことができない。以上の現状はいずれもGaN単結晶の産業化を制約する難題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、プロセス過程において反応ガスを効果的に隔離し、早期混合によってノズルにおいて反応ガスの予備反応が発生することを回避する、GaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は以下の技術案を採用する。
【0006】
GaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッドであって、中部に複数の第1中心ガス通路が設置され、隣接する前記第1中心ガス通路の間に第1すき間が設置され、前記第1中心ガス通路の底部に自身の長さ方向に沿って第1ノズルが設置されている第1ガス台座と、前記第1ガス台座の上方に位置し、中部に複数の第2中心ガス通路が設置され、隣接する前記第2中心ガス通路の間に前記第1すき間と位置合わせするように第2すき間が設置され、前記第2中心ガス通路の両側に自身の長さ方向に沿って第2ノズルが設置されている第2ガス台座と、複数の第3中心ガス通路を含み、前記第3中心ガス通路は前記第1すき間と第2すき間を貫通し、前記第3中心ガス通路の底部に第3ノズルが設置されている第3ガス台座とを含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記第2ガス台座は隔離ガスを流通させるために用いられ、隔離ガスは前記第2中心ガス通路を通過し、前記第2ノズルから前記第2すき間に入り、前記第1すき間から噴出され、隔離ガスは例えば窒素ガスである。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記第1ガス台座及び第3ガス台座はいずれも反応ガス及びキャリアガスを流通させることに用いられ、そのうちの1つの反応ガスは前記第1中心ガス通路を通過して前記第1ノズルから射出され、他の1つの反応ガスは前記第3中心ガス通路を通過して前記第3ノズルから射出され、前記第1ガス台座と第3ガス台座内の反応ガスは切り替えてもよく、反応ガスは例えば塩化ガリウム、NHである。
【0009】
なお、3つの互いに独立した互いに組み合わせるガス台座を設置することにより、第1の側面において、反応ガスを効果的に隔離し、早期混合によってノズルにおいて反応ガスの予備反応が発生することを回避することができ、第2の側面において、各ガス台座の構造を簡略化し、生産難易度を低下させ、実際の生産と普及により大きな実現可能性を提供することができ、第3の側面において、このような組み合わせ構造はノズルの体積増大設計を実現することができ、1回で複数枚の2-8インチGaN厚膜を生産することを満たすことができ、このノズル設計の汎用性を向上させ、ノズルが異なるサイズのHVPE装置のニーズを満たすことができ、これにより大量生産に役立ち、第4の側面において、このような異なる反応ガスが同方向に平行に噴出される設計は反応室内の流れ場を均一に安定させ、III-V族反応ガスの分布をより均一にし、生成物のノズルへの堆積を減らすことができる。
【0010】
ハイドライド気相エピタキシャル(以下はHVPEと略称する)でGaN厚膜を成長させる場合、このノズルの主な作用は成長過程で必要な様々な反応ガスを隔離して輸送することである。この過程において、噴射ヘッドのノズルでの構造は各ソースガスがHVPE反応室に入った後に形成される流れ場及び濃度場、さらにノズルでの寄生反応の発生に直接影響する。また、HVPE装置がGaNを成長させる場合、ウェハの割れを防止するために、温度は一般的に1000℃を下回ることができなく、同時にGaNを成長させる過程にHClガスが含まれ、金属と接触することができない。したがって、本態様のHVPE装置は噴射ヘッドを制作する材料として石英又はセラミックを選択する。石英及びセラミックは壊れやすい材料であり、加工、輸送又は使用過程にいずれも大きな壊れるリスクが存在し、本態様の噴射ヘッドは別体組み合わせ式の設計を採用し、構造が簡単で加工しやすく、かつ異なる反応ガスの噴出方向を一致させることで、反応室内の流れ場が安定し、下方の黒鉛ホルダの有効堆積領域の反応ガスが均一に混合し、噴射ヘッドのノズル位置の生成物の堆積が少なく、本態様の噴射ヘッドは高品質のGaN単結晶を安定的に大量生産することができ、GaN単結晶の産業化を推進することに役立つ。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記第1すき間、第2すき間及び第3中心ガス通路の数が等しく、各組の位置合わせした前記第1すき間と第2すき間に前記第3中心ガス通路が挿設されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記第3中心ガス通路の厚さは前記第1すき間及び第2すき間より小さい。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記第1ノズルと前記第3ノズルは同じ水平面に位置する。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記第1ノズル、第2ノズル及び第3ノズルはいずれも長尺状のリニアノズルであり、又は前記第1ノズル、第2ノズル及び第3ノズルはそれぞれ3つのリニア間隔で分布する噴孔である。
【0015】
いくつかの実施形態において、このリニア噴射ヘッドの全ての構造はいずれも石英又はセラミックからなる。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記第1中心ガス通路は直線管路であり、複数の前記第1中心ガス通路は平行であり、前記第2中心ガス通路は直線管路であり、複数の前記第2中心ガス通路は平行であり、前記第3中心ガス通路はシート状管路であり、複数の前記第3中心ガス通路は平行である。
【0017】
なお、直線状のガス通路を設置することは、気流の安定性に役立ち、射出ガスの均一性を向上させることに寄与する。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記第3中心ガス通路は前記第1すき間及び第2すき間の長さ方向全体を貫通する。第1すき間及び第2すき間の長さの全体を貫通する第3中心ガス通路を設置することにより、反応ガスの被覆領域及び分布の均一性を向上させ、GaNの生産効率を向上させることができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記第1中心ガス通路、第2中心ガス通路及び第3中心ガス通路は互いに平行である。
【0020】
なお、3組の互いに平行な中心ガス通路を設置することは、3つのガス座の組立の難易度を低下させることに役立ち、第1すき間と第2すき間で形成された気流通路の規則性に役立つため、気流の安定性を向上させることに寄与する。
【0021】
いくつかの実施形態において、全ての前記第1すき間の幅は等しく、全ての前記第2すき間の幅は等しく、前記第1すき間の幅は前記第2すき間の幅と等しく、前記第3中心ガス通路は前記第1すき間と第2すき間の中心に位置する。
【0022】
なお、幅が等しい第1すき間と第2すき間を設置し、第3中心ガス通路をすき間の中心位置に取り付けることにより、この噴射ヘッド内部のガス通路をより規則的で大きさが一致するようにし、各位置で噴出された気流をより均一に安定させることができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、前記第1中心ガス通路の形状は、円形又は楕円形又は平行四辺形又は三角形又は台形又は五角形であり、
前記第2中心ガス通路の形状は、円形又は楕円形又は平行四辺形又は三角形又は台形又は五角形である。
【0024】
いくつかの実施形態において、前記第1中心ガス通路の形状は円形又は矩形であり、前記第2中心ガス通路の形状は円形又は矩形である。
【0025】
いくつかの実施形態において、前記第1中心ガス通路の底部にフローガイド板が設置され、前記第1ノズルが前記フローガイド板の第1端に設置され、前記フローガイド板の第2端が前記第1中心ガス通路に接続されている。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記フローガイド板は2枚の対称的に設置された内側円弧状仕切り片である。
【0027】
なお、フローガイド板を設置することにより、ガスが第1ノズルに到達する時により均一に安定する。
【0028】
いくつかの実施形態において、前記第1ガス台座は第1外周ガス通路を含み、前記第1中心ガス通路は前記第1外周ガス通路の内側に位置し、前記第1中心ガス通路の端部は前記第1外周ガス通路と連通し、
前記第2ガス台座は第2外周ガス通路を含み、前記第2中心ガス通路は前記第2外周ガス通路の内側に位置し、前記第2中心ガス通路の端部は前記第2外周ガス通路と連通する。
【0029】
いくつかの実施形態において、前記第1外周ガス通路は円環管路であり、前記第1中心ガス通路は円環管路の内側壁に固定されており、前記第2外周ガス通路は円環管路であり、前記第2中心ガス通路は円環管路の内側壁に固定されている。
【0030】
いくつかの実施形態において、前記第1中心ガス通路の厚さは前記第1外周ガス通路の厚さと等しく、前記第2中心ガス通路の厚さは前記第2外周ガス通路の厚さと等しい。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記第1外周ガス通路の内部通路の断面積は前記第1中心ガス通路の内部通路の断面積より大きく、前記第2外周ガス通路の内部通路の断面積は前記第2中心ガス通路の内部通路の断面積より大きい。断面積が大きい第1外周ガス通路及び第2外周ガス通路を設置することにより、ガスが大キャビティから小キャビティに入り、これにより前記第1ノズル及び第2ノズルから射出されるガスの圧力をより均一にし、均一な濃度場を形成しやすく、結晶品質を向上させる。
【0032】
いくつかの実施形態において、前記第1中心ガス通路は第1内管及び第1外管を含み、前記第1外管が前記第1内管の外側に嵌設され、前記第1内管の両端が前記第1外周ガス通路と連通し、前記第1内管の頂部に第1連通孔が設置され、前記第1ノズルが前記第1外管の底部に設置されており、
及び/又は、前記第2中心ガス通路は第2内管及び第2外管を含み、前記第2外管が前記第2内管の外側に嵌設され、前記第2内管の両端が前記第2外周ガス通路と連通し、前記第2内管の頂部及び底部にいずれも第2連通孔が設置され、前記第2ノズルが前記第2外管の両側に設置されている。
【0033】
いくつかの実施形態において、前記第1内管と第1外管の軸心線が重なり、前記第2内管と第2外管の軸心線が重なる。
【0034】
なお、内、外管の複合ガス通路構造を設置することにより、ガスは外周ガス通路から内管に入り、内管から連通孔を介して外管に入り、外管上のノズルから噴出され、このような設計は気流をより均一に安定させることができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、前記第1外周ガス通路上の側壁に第1給気管が設置され、前記第1給気管が前記第1中心ガス通路に垂直であり、
前記第2外周ガス通路の側壁又は頂部に第2給気管が設置され、前記第2給気管が前記第2中心ガス通路に垂直であり、かつ前記第2給気管が、前記第2中心ガス通路が第2外周ガス通路と連通する箇所から離れた位置にある。
【0036】
給気管を中心ガス通路と外周ガス通路との連通箇所から離れた位置に設置することにより、各中心ガス通路に入る気流をより均一に安定させることができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、前記第3ガス台座は、第1端が前記第3中心ガス通路と連通し、第2端に第3給気管が設置されているガス均圧チャンバをさらに含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、前記第3給気管と前記第3中心ガス通路とは前記ガス均圧チャンバの対向する両側に位置する。
【0039】
いくつかの実施形態において、前記第3給気管の数は、1つである。
【0040】
いくつかの実施形態において、前記第3中心ガス通路は前記ガス均圧チャンバの底部に位置し、前記第3給気管は前記ガス均圧チャンバの側壁に設置されている。
【0041】
いくつかの実施形態において、前記第3給気管の数は、2つであり、それぞれ前記ガス均圧チャンバの両側に位置する。
【0042】
前記ガス均圧チャンバを設置することにより、ガスが小キャビティから大キャビティに入ってから再び小キャビティに入り、これにより前記第3ノズルから射出されるガスの圧力をより均一にし、均一な濃度場を形成しやすく、結晶品質を向上させる。
【0043】
いくつかの実施形態において、前記ガス均圧チャンバの底部は前記第2すき間の頂部を覆う。
【0044】
なお、ガス均圧チャンバが前記第2すき間の頂部を覆うことにより、第2ノズルから噴出されたガスが第2すき間の頂部から排出されることを回避することができ、同時に外部の密封構造を省略することができ、これにより装置の全体構造を簡略化する。
【発明の効果】
【0045】
本出願はGaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッドを提供し、3つの互いに独立した互いに組み合わせるガス台座を設置することにより、第1の側面において、反応ガスを効果的に隔離し、早期混合によってノズルにおいて反応ガスの予備反応が発生することを回避することができ、第2の側面において、各ガス台座の構造を簡略化し、生産難易度を低下させ、実際の生産と普及により大きな実行可能性を提供することができ、第3の側面において、このような組み合わせ構造はノズルの体積増大設計を実現することができ、1回で複数枚の2-8インチGaN厚膜を生産することを満たすことができ、このノズル設計の汎用性を向上させ、ノズルが異なるサイズのHVPE装置のニーズを満たすことができ、これにより大量生産とGaN単結晶の産業化の推進に役立ち、第4の側面において、このような異なる反応ガスが同方向に平行に噴出される設計は反応室内の流れ場を均一に安定させ、作業トレイ表面の有効堆積領域の反応ガスを均一に混合し、生成物のノズルへの堆積を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
以下、図面及び実施形態に基づいて本出願をさらに詳細に説明する。
図1】実施形態1に記載のノズルの構造模式図である。
図2】実施形態1に記載の第1ガス台座の構造模式図である。
図3】実施形態1に記載の第1ガス台座の全断面図である。
図4】実施形態1に記載の第2ガス台座の構造模式図である。
図5】実施形態1に記載の第2ガス台座の全断面図である。
図6】実施形態1に記載の第3ガス台座の構造模式図である。
図7】実施形態1に記載の第3ガス台座の全断面図である。
図8】実施形態4に記載のノズルの構造模式図である。
図9】実施形態4に記載の第1ガス台座の構造模式図である。
図10】実施形態4に記載の第1ガス台座の全断面図である。
図11】実施形態4に記載の第2ガス台座の構造模式図である。
図12】実施形態4に記載の第2ガス台座の全断面図である。
図13】実施形態5に記載のノズルの構造模式図である。
図14】実施形態5に記載の第1ガス台座の構造模式図である。
図15】実施形態5に記載の第1ガス台座の全断面図である。
図16】実施形態5に記載の第1中心ガス通路の全断面図である。
図17】実施形態5に記載の第2ガス台座の構造模式図である。
図18】実施形態5に記載の第2ガス台座の全断面図である。
図19】実施形態5に記載の第2中心ガス通路の全断面図である。
図20】実施形態6に記載のノズルの構造模式図である。
図21】実施形態6に記載の第1ガス台座の構造模式図である。
図22】実施形態6に記載の第2ガス台座の構造模式図である。
図23】実施形態6に記載の第3ガス台座の構造模式図である。
図24】実施形態6に記載の第1、第3中心ガス通路の平面シート状構造模式図である。
図25】実施形態6に記載の第1、第3中心ガス通路の円弧面シート状構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面を参照しながら具体的な実施形態により本出願の技術案をさらに説明する。
【0048】
実施形態1
図1~7に示すように、GaN材料の成長に用いられるリニア噴射ヘッドであって、このリニア噴射ヘッドの全ての構造はいずれも石英又はセラミックからなり、このリニア噴射ヘッドは下から上へ順に接続された第1ガス台座1、第2ガス台座2及び第3ガス台座3を含み、第1ガス台座1の頂部は第2ガス台座2の底部と貼り合わせる。第1ガス台座1の中部に複数の第1中心ガス通路11が設置され、隣接する第1中心ガス通路11の間に第1すき間12が設置され、第1中心ガス通路11の底部に自身の長さ方向に沿って第1ノズル13が設置され、第2ガス台座2は第1ガス台座1の上方に位置し、第2ガス台座2の中部に複数の第2中心ガス通路21が設置され、隣接する第2中心ガス通路21の間に第2すき間22が設置され、第2中心ガス通路21の両側に自身の長さ方向に沿って第2ノズル23が設置され、第1すき間12は第2すき間22と位置合わせし、第3ガス台座3は複数の第3中心ガス通路31を含み、第3中心ガス通路31は第1すき間12と第2すき間22を貫通し、第3中心ガス通路31の底部に第3ノズル32が設置されている。第1ノズル13と第3ノズル32は同じ水平面に位置し、第1ノズル13、第2ノズル23及び第3ノズル32はいずれも長尺状のリニアノズルである。もちろん、他の実施形態において、第1ノズル13、第2ノズル23及び第3ノズル32はそれぞれ3つのリニア間隔で分布する噴孔であってもよく、又は、第1ノズル13、第2ノズル23及び第3ノズル32のうちの1つ又は2つは長尺状のリニアノズルであり、残りの2つ又は1つは噴孔である。
【0049】
本実施形態の第2ガス台座2は隔離ガスの窒素ガスを流通させるために用いられ、隔離ガスは第2中心ガス通路21を通過し、第2ノズル23から第2すき間22に入り、第1すき間12から噴出される。第1ガス台座1は反応ガスの塩化ガリウム及びキャリアガスを流通させるために用いられ、反応ガスは第1中心ガス通路11を通過し、第1ノズル13から射出される。第3ガス台座3は反応ガスのNH及びキャリアガスを流通させるために用いられ、反応ガスは第3中心ガス通路31を通過し、第3ノズル32から射出される。他の実施形態において、第1ガス台座1と第3ガス台座3内の反応ガスを切り替えることができ、すなわち第1ガス台座1は反応ガスのNHとキャリアガスを流通させることに用いられ、第3ガス台座3は反応ガスの塩化ガリウムとキャリアガスを流通させることに用いられる。反応ガスの通路が切り替えられた後、塩化ガリウムとNHとの2つのソースガスが出口に対して切り替えられ、反応室内の流れ場、濃度場をいずれも変化させることができ、したがってこのような切り替え調整はGaN成長プロセスの調整制御範囲を増加させることができる。
【0050】
本実施形態において、噴射ヘッドは3つの互いに独立した互いに組み合わせるガス台座を設置し、各ガス台座内のガスが単独で制御可能であることにより、第1の側面において、反応ガスを効果的に隔離し、早期混合によってノズルにおいて反応ガスの予備反応が発生することを回避することができ、第2の側面において、各ガス台座の構造を簡略化し、生産難易度を低下させ、実際の生産と普及により大きな実現可能性を提供することができ、第3の側面において、このような組み合わせ構造はノズルの体積増大設計を実現することができ、1回で複数枚の2-8インチGaN厚膜を生産することを満たすことができ、このノズル設計の汎用性を向上させ、ノズルが異なるサイズのHVPE装置のニーズを満たすことができ、これにより大量生産に役立ち、第4の側面において、このような異なる反応ガスが同方向に平行に噴出される設計は反応室内の流れ場を均一に安定させ、生成物のノズルへの堆積を減らすことができる。
【0051】
ハイドライド気相エピタキシャル(以下はHVPEと略称する)でGaN厚膜を成長させる場合、このノズルの主な作用は成長過程で必要な様々な反応ガスを隔離して輸送することである。この過程において、噴射ヘッドのノズルでの構造は各ソースガスがHVPE反応室に入った後に形成される流れ場及び濃度場、さらにノズルでの寄生反応の発生に直接影響する。また、HVPE装置がGaNを成長させる場合、ウェハの割れを防止するために、温度は一般的に1000℃を下回ることができなく、同時にGaNを成長させる過程にHClガスが含まれ、金属と接触することができない。したがって、本態様のHVPE装置は噴射ヘッドを制作する材料として石英又はセラミックを選択する。石英及びセラミックは壊れやすい材料であり、加工、輸送又は使用過程にいずれも大きな壊れるリスクが存在し、本態様の噴射ヘッドは別体組み合わせ式の設計を採用し、構造が簡単で加工しやすく、かつ異なる反応ガスの噴出方向を一致させることで、反応室内の流れ場が安定し、下方の黒鉛ホルダの有効堆積領域の反応ガスが均一に混合し、噴射ヘッドのノズル位置の堆積が少なく、本態様の噴射ヘッドは高品質のGaN単結晶を安定的に大量生産することができ、GaN単結晶の産業化を推進することに役立つ。
【0052】
本実施形態において、第1ガス台座1は第1外周ガス通路14を含み、第1中心ガス通路11は第1外周ガス通路14の内側に位置し、第1中心ガス通路11の端部は第1外周ガス通路14と連通する。第2ガス台座2は第2外周ガス通路24を含み、第2中心ガス通路21は第2外周ガス通路24の内側に位置し、第2中心ガス通路21の端部は第2外周ガス通路24と連通する。第1外周ガス通路14は円環管路であり、第1中心ガス通路11は円環管路の内側壁に固定され、第2外周ガス通路24は円環管路であり、第2中心ガス通路21は円環管路の内側壁に固定される。第1中心ガス通路11の厚さは第1外周ガス通路14の厚さと等しく、第2中心ガス通路21の厚さは第2外周ガス通路24の厚さと等しい。
【0053】
第1外周ガス通路14上の側壁に第1給気管15が設置され、第1給気管15は第1中心ガス通路11に垂直である。第2外周ガス通路24の側壁に第2給気管25が設置され、第2給気管25は第2中心ガス通路21に垂直であり、かつ第2給気管25は第2中心ガス通路21と第2外周ガス通路24との連通箇所から離れた位置にある。給気管を中心ガス通路と外周ガス通路との連通箇所から離れた位置に設置することにより、各中心ガス通路に入る気流をより均一に安定させることができる。他の実施形態において、第2給気管25は第2外周ガス通路24の頂部に設置されてもよい。
【0054】
本実施形態において、第3ガス台座3はガス均圧チャンバ33をさらに含み、ガス均圧チャンバ33の底部は第3中心ガス通路31と連通し、ガス均圧チャンバ33の側壁に2つの第3給気管34が設置されている。他の実施形態において、第3給気管34と第3中心ガス通路31をガス均圧チャンバ33の対向する両側に設置することができ、すなわち第3給気管34はガス均圧チャンバの頂部に位置し、第3中心ガス通路31はガス均圧チャンバの底部に位置し、かつ第3給気管34の数は1つである。本実施形態において、ガス均圧チャンバ33を設置することにより、ガスが小キャビティから大キャビティに入ってから再び小キャビティに入り、これにより第3ノズル32から射出されるガスの圧力をより均一にし、均一な濃度場を形成しやすく、結晶品質を向上させる。
【0055】
ガス均圧チャンバ33の底部は第2ガス台座2と貼り合わせ、ガス均圧チャンバ33の底部は第2すき間22の頂部を覆い、第2ノズル23から噴出されたガスが第2すき間22の頂部から排出されることを回避できるだけでなく、同時に外部の密封構造を省略することができ、これにより装置の全体構造を簡略化する。
【0056】
本実施形態において、第1中心ガス通路11と第2中心ガス通路21の数はいずれも4本であり、第1すき間12と第2すき間22の数はいずれも3つであり、第3中心ガス通路31の数も3つである。図面において二重破線を使用して隔離することにより第1中心ガス通路11、第2中心ガス通路21及び第3中心ガス通路31等の数を示し、実際のニーズに応じて追加又は削除を行うことができる。各第1すき間12は第2すき間22と位置合わせし、各組が位置合わせした第1すき間12と第2すき間22に1つの第3中心ガス通路31が挿設されている。第1中心ガス通路11は直線管路であり、複数の第1中心ガス通路11は平行であり、第2中心ガス通路21は直線管路であり、複数の第2中心ガス通路21は平行であり、第3中心ガス通路31はシート状管路であり、複数の第3中心ガス通路31は平行であり、第3中心ガス通路31の厚さは第1すき間12及び第2すき間22より小さい。直線状のガス通路を設置することは、気流の安定性に役立ち、射出ガスの均一性を向上させることに寄与する。実施形態の第3中心ガス通路31は第1すき間12及び第2すき間22の長さ方向全体を貫通し、このような設計は反応ガスの被覆領域及び分布の均一性を向上させ、GaNの生産効率を向上させることができる。
【0057】
本実施形態において、第1中心ガス通路11、第2中心ガス通路21及び第3中心ガス通路31は互いに平行である。互いに平行な中心ガス通路は3つのガス台座の組立難易度を低下させることに役立ち、第1すき間12と第2すき間22で形成された気流通路の規則性に役立つため、気流の安定性を向上させることに寄与する。3つの第1すき間12の幅は等しく、3つの第2すき間22の幅は等しく、第1すき間12の幅は第2すき間22の幅と等しく、第3中心ガス通路31は第1すき間12と第2すき間22の中心に位置する。幅が等しい第1すき間12及び第2すき間22を設置し、第3中心ガス通路31をすき間の中心位置に取り付けることにより、この噴射ヘッド内部のガス通路をより規則的で大きさが一致するようにし、各位置で噴出された気流をより均一に安定させることができる。
【0058】
本実施形態において、第1中心ガス通路11及び第2中心ガス通路21の形状はいずれも矩形であり、第1中心ガス通路11の底部にフローガイド板16が設置され、第1ノズル13がフローガイド板16の第1端に設置され、フローガイド板16の第2端が第1中心ガス通路11に接続されている。フローガイド板16は2枚の対称的に設置された内側円弧状仕切り片であり、フローガイド板16を設置することにより、ガスが第1ノズル13に到達する時により均一に安定する。
【0059】
回転可能なトレイはこの噴射ヘッドの下方に取り付けられ、この噴射ヘッドはトレイの表面に反応ガスの均一な濃度場を形成し、高品質の結晶を実現することができる。
【0060】
実施形態2
本実施形態と実施形態1との違いは以下である。
本実施形態の第1外周ガス通路14の内部通路の断面積は第1中心ガス通路11の内部通路の断面積より大きく、第2外周ガス通路24の内部通路の断面積は第2中心ガス通路21の内部通路の断面積より大きい。断面積の大きい第1外周ガス通路14及び第2外周ガス通路24を設置することにより、ガスが大キャビティから小キャビティに入り、これにより第1ノズル13及び第2ノズル23から射出されるガスの圧力をより均一にし、均一な濃度場を形成しやすく、結晶品質を向上させる。
【0061】
実施形態3
本実施形態と実施形態1との違いは以下である。
第1中心ガス通路11と第2中心ガス通路21の数はいずれも5本であり、第1すき間12と第2すき間22の数はいずれも4つであり、第3中心ガス通路31の数も4つである。他の実施形態において、第1中心ガス通路11及び第2中心ガス通路21の数は2本又は3本又は6本以上であってもよい。
【0062】
実施形態4
本実施形態と実施形態1との違いは以下である。
図8図12に示すように、第1中心ガス通路11及び第2中心ガス通路21の形状はいずれも円形である。図面において二重破線を使用して隔離して第1中心ガス通路11、第2中心ガス通路21及び第3中心ガス通路31等の数を示し、実際のニーズに応じて追加又は削除を行うことができる。他の実施形態において、第1中心ガス通路11及び第2中心ガス通路21の形状は楕円形又は平行四辺形又は三角形又は台形又は五角形であってもよい。他の実施形態において、第1中心ガス通路11と第2中心ガス通路21の形状が異なってもよく、例えば第1中心ガス通路11の形状が矩形であり、第2中心ガス通路21の形状が円形である。
【0063】
実施形態5
本実施形態と実施形態4の違いは以下である。
図13~19に示すように、第1中心ガス通路11は第1内管111及び第1外管112を含み、第1外管112は第1内管111の外側に嵌設され、第1外管112と第1内管111は同心円管であり、第1内管111の両端は第1外周ガス通路14と連通し、第1内管111の頂部に第1連通孔113が設置され、第1ノズル13は第1外管112の底部に設置されている。第2中心ガス通路21は第2内管211及び第2外管212を含み、第2外管212は第2内管211の外側に嵌設され、第2外管212と第2内管211は同心円管であり、第2内管211の両端は第2外周ガス通路24と連通し、第2内管211の頂部と底部にいずれも第2連通孔213が設置され、第2ノズル23は第2外管212の両側に設置されている。本実施形態における第1連通孔113は第1内管111の長さ方向に沿って延伸する長孔であり、第2連通孔213は第2内管211の長さ方向に沿って延伸する長孔である。図面において二重破線を使用して隔離して第1中心ガス通路11、第2中心ガス通路21及び第3中心ガス通路31等の数を示し、実際のニーズに応じて追加又は削除を行うことができる。もちろん、他の実施形態において、第1連通孔113及び第2連通孔213はそれぞれ3つのリニア間隔で分布する円孔であってもよく、又は、第1連通孔113及び第2連通孔213のうちの1つは長さ方向に沿って延伸する長孔であり、他の1つは円孔である。本態様は内、外管の複合ガス通路構造を設置することにより、ガスは外周ガス通路から内管に入り、内管から連通孔を介して外管に入り、外管上のノズルから噴出され、このような設計は気流をより均一に安定させることができる。
【0064】
実施形態6
本実施形態と実施形態1との違いは以下である。
図20図25に示すように、第1ガス台座1は第1中心ガス通路11及び第1外周ガス通路14を含み、第1中心ガス通路11は第1外周ガス通路14の内側に位置し、第1中心ガス通路11の端部は第1外周ガス通路14と連通する。第1外周ガス通路14は円環管路であり、第1中心ガス通路11の数は3つであり、第1中心ガス通路11の第1端は円環管路の内側壁に固定され、第1中心ガス通路11の第2端は空中にぶら下がり、3つの第1中心ガス通路11は円周方向に等角度で第1外周ガス通路14の内部に分布する。本実施形態において、図24及び図25に示すように、第1中心ガス通路11はシート状溝構造であり、平面シート状構造又は円弧面シート状構造であってもよい。他の実施形態において、第1中心ガス通路は扇形又は扇輪ブロック状溝構造であってもよく、第1中心ガス通路の数は3つでなくてもよい。
【0065】
第2ガス台座2は第2中心ガス通路21及び第2外周ガス通路24を含み、第2外周ガス通路24の内側に6つの通路溝が設置され、この通路溝のうち間隔をあけて設置された3つは第2外周ガス通路24と連通し、この3つの通路溝は3つの第2中心ガス通路21を形成する。他の3つの通路溝は3つの第1中心ガス通路11の間に散在し、第3中心ガス通路31の位置譲り通路を形成する。ここで、第1中心ガス通路11は第2中心ガス通路21の内部の下端に嵌着され、第2中心ガス通路21の上端は第2外周ガス通路24に接続されている。3つの前記位置譲り通路は第1中心ガス通路11の第1すき間12内に位置する。第2ノズルは第2中心ガス通路21の上端の両側に設置され、隔離ガスは第2外周ガス通路24から第2中心ガス通路21に入った後、第2中心ガス通路21の下方は第1中心ガス通路11により閉塞され、上方は第3ガス台座3のガス均圧チャンバ33により閉塞されるため、隔離ガスは第2ノズルから第2すき間22に排出され、第1すき間12に到達して反応ガスを隔離する効果を達成する。
【0066】
第3ガス台座3はガス均圧チャンバ33及び3つの第3中心ガス通路31をさらに含み、ガス均圧チャンバ33の底部は第3中心ガス通路31と連通する。ガス均圧チャンバ33の底部は第2ガス台座2と貼り合わせ、ガス均圧チャンバ33の底部は第2すき間22の頂部を覆い、第2ノズルから噴出されたガスが第2すき間22の頂部から排出されることを回避できるだけでなく、同時に外部の密封構造を省略することができ、これにより装置の全体構造を簡略化する。本実施形態において、図24及び図25に示すように、第3中心ガス通路31はシート状溝構造であり、平面シート状構造又は円弧面シート状構造であってもよい。3つの第2中心ガス通路21の形状は第1中心ガス通路11の形状と同じであり、3つの前記位置譲り通路の形状は第3中心ガス通路31の形状と同じである。他の実施形態において、第3中心ガス通路は扇形又は扇輪ブロック状溝構造であってもよく、もちろん、第3中心ガス通路が第1中心ガス通路の第1すき間内に挿入できることを保証しなければならない。また、第3中心ガス通路の数も3つではない。
【0067】
本明細書における“第1”、“第2”、“第3”は説明の上で区別するためだけであり、特別な意味がない。
【符号の説明】
【0068】
1、第1ガス台座
11、第1中心ガス通路
111、第1内管
112、第1外管
113、第1連通孔
12、第1すき間
13、第1ノズル
14、第1外周ガス通路
15、第1給気管
16、フローガイド板
2、第2ガス台座
21、第2中心ガス通路
211、第2内管
212、第2外管
213、第2連通孔
22、第2すき間
23、第2ノズル
24、第2外周ガス通路
25、第2給気管
3、第3ガス台座
31、第3中心ガス通路
32、第3ノズル
33、ガス均圧チャンバ
34、第3給気管
図1
図2
図3
図4
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