IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 聯揚塑膠(深▲セン▼)有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-磁気バックル 図1
  • 特許-磁気バックル 図2
  • 特許-磁気バックル 図3
  • 特許-磁気バックル 図4
  • 特許-磁気バックル 図5
  • 特許-磁気バックル 図6
  • 特許-磁気バックル 図7
  • 特許-磁気バックル 図8
  • 特許-磁気バックル 図9
  • 特許-磁気バックル 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】磁気バックル
(51)【国際特許分類】
   A44B 11/25 20060101AFI20230328BHJP
【FI】
A44B11/25
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022067451
(22)【出願日】2022-04-15
(65)【公開番号】P2022164942
(43)【公開日】2022-10-28
【審査請求日】2022-04-15
(31)【優先権主張番号】202110415373.5
(32)【優先日】2021-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521169619
【氏名又は名称】聯揚塑膠(深▲セン▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】LIAN YANG PLASTIC (SHEN ZHEN) CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Building No.8 In Lixi Road, Lichang Community, Pinghu Block, Longgang District Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】リー チィゥゾン
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09555935(US,B2)
【文献】特開2020-117205(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111513434(CN,A)
【文献】特表2009-542380(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0107169(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 11/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の磁性部材(11)が配置されたメスバックル(10)と、
第2の磁性部材(22)が配置されたオスバックル(20)と、を含み、
前記第2の磁性部材(22)および前記第1の磁性部材(11)は、前記オスバックル(20)および前記メスバックル(10)のロック方向に引き合い、前記オスバックル(20)が前記メスバックル(10)にロック方向に差し込まれると、ロック及び結合することができる磁気バックルであって、
前記メスバックル(10)には、前記オスバックル(20)と前記メスバックル(10)をロックして1つにつなぐように前記オスバックル(20)に係合可能な係合部材(14)が配置され、前記係合部材(14)には、第3の磁性部材(13)が配置され、前記第3の磁性部材(13)は、前記第2の磁性部材(22)および/または前記第1の磁性部材(11)とが磁力によって相互作用することによって、前記オスバックル(20)を前記メスバックル(10)に差し込んだときに前記係合部材(14)を前記オスバックル(20)に係合させることができることを特徴とする磁気バックル。
【請求項2】
前記オスバックル(20)には、突出したラッチ(21)が設けられ、
前記メスバックル(10)には、前記ラッチ(21)が自由に出入りできる固定穴(151)が設けられ、
前記係合部材(14)には、前記固定穴(151)の範囲内に入り込んで前記ラッチ(21)に係合可能な係合部(141)が設けられ、
前記ラッチ(21)を前記固定穴(151)に挿入したとき、前記第3の磁性部材(13)と前記第2の磁性部材(22)および/または第1の磁性部材(11)とが磁力によって相互作用し、前記係合部(141)が動いて前記固定穴(151)の範囲内に入り込み、前記ラッチ(21)に係合することを特徴とする請求項1に記載の磁気バックル。
【請求項3】
前記第3の磁性部材(13)は、前記第1の磁性部材(11)と引き合うか、または反発し合い、前記オスバックル(20)と前記メスバックル(10)とが互いに分離したときに、前記係合部材(14)を動かして元の位置まで戻すことを特徴とする請求項1に記載の磁気バックル。
【請求項4】
前記第3の磁性部材(13)は、前記第1の磁性部材(11)と引き合うか、または反発し合い、前記オスバックル(20)と前記メスバックル(10)が分離状態にあるときに、前記係合部(141)を前記固定穴(151)の範囲内に入り込ませることを特徴とする請求項2に記載の磁気バックル。
【請求項5】
前記係合部材(14)は、剛性構造を有しており、前記係合部材(14)に対する前記第3の磁性部材(13)の位置は一定であることを特徴とする請求項1に記載の磁気バックル。
【請求項6】
前記第3の磁性部材(13)と前記係合部(141)は、前記固定穴(151)の同じ側に位置していることを特徴とする請求項2に記載の磁気バックル。
【請求項7】
前記第3の磁性部材(13)と前記係合部(141)は、前記固定穴(151)の対向する両側に位置していることを特徴とする請求項2に記載の磁気バックル。
【請求項8】
前記第3の磁性部材(13)と前記第1の磁性部材(11)は反発し合い、
前記ラッチ(21)が前記固定穴(151)に入ったときに、前記第2の磁性部材(22)が前記第3の磁性部材(13)を引いて、前記係合部(141)が前記ラッチ(21)の方向に移動して、前記ラッチ(21)に係合することを特徴とする請求項6に記載の磁気バックル。
【請求項9】
前記第3の磁性部材(13)と前記第1の磁性部材(11)が引き合い、前記オスバックル(20)と前記メスバックル(10)が分離状態にあるときに、前記係合部(141)が前記固定穴(151)の範囲内に入り込み、
前記ラッチ(21)が前記固定穴(151)に入ったときに、前記第2の磁性部材(22)と前記第1の磁性部材(11)が引き合い、前記第3の磁性部材(13)と反発し合う作用力によって、前記ラッチ(21)が前記係合部(141)を押し動かして、前記ロック方向に進行することができ、前記ラッチ(21)が前記ロック方向にロック位置まで進行したときに、前記第1の磁性部材(11)と前記第3の磁性部材(13)が引き合い、前記係合部(141)が前記ラッチ(21)の方向に移動して、前記ラッチ(21)に係合することができることを特徴とする請求項6に記載の磁気バックル。
【請求項10】
前記第3の磁性部材(13)と前記第1の磁性部材(11)が引き合い、前記オスバックル(20)と前記メスバックル(10)が分離状態にあるときに、前記係合部(141)が前記固定穴(151)の範囲外に位置するようにし、
前記ラッチ(21)が前記固定穴(151)に入ったときに、前記第2の磁性部材(22)が前記第3の磁性部材(13)と反発し、前記係合部(141)がラッチ(21)の方向に移動して、前記ラッチ(21)に係合することを特徴とする請求項7に記載の磁気バックル。
【請求項11】
前記第3の磁性部材(13)と前記第1の磁性部材(11)が反発し合い、前記オスバックル(20)と前記メスバックル(10)が分離状態にあるときに、前記係合部(141)が前記固定穴(151)の範囲内に入り込み、
前記ラッチ(21)が前記固定穴(151)に入ったときに、前記第2の磁性部材(22)と前記第1の磁性部材(11)、前記第3の磁性部材(13)が引き合う作用力によって、前記ラッチ(21)が前記係合部(141)を押し動かして、前記ロック方向に進行することができ、前記ラッチ(21)が前記ロック方向にロック位置まで進行したときに、前記第1の磁性部材(11)と前記第3の磁性部材(13)が反発し合い、前記係合部(141)が前記ラッチ(21)の方向に移動して、前記ラッチ(21)に係合することができることを特徴とする請求項7に記載の磁気バックル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全バックルに関し、特に磁気バックルに関する。
【背景技術】
【0002】
安全バックルは、通常、メスバックルとオスバックルとを含み、オスバックルにはラッチが設けられ、メスバックルにはロック穴が設けられ、ラッチをロック穴内に挿入し、オスバックルとメスバックルとをロックして1つにつなぐ。ロックを解除することにより、オスバックルとメスバックルとを互いに分離することができる。
【0003】
通常は、メスバックル上のロック穴は、固定穴と、位置に変化を生じることができる係合部とからなる。係合部が固定穴内に入り込んだとき、係合作用を奏することができ、ラッチをロック穴内でロックすることにより、オスバックルとメスバックルをロックしてつなぐことができる。係合部が固定穴から出たとき、ラッチを固定穴から自由に出し入れすることができ、ロック穴の中から出すことにより、オスバックルとメスバックルとを分離することができる。
【0004】
オスバックルがメスバックルに差し込まれているとき、ラッチは通常、係合部を押圧しており、ラッチの押圧によって係合部が移動することによって、ラッチは継続して前進することができる。ラッチがロック穴内に完全に挿入されているとき、係合部が本来の状態に自動的に戻ることによって、ラッチに係合することができ、オスバックルとメスバックルをロックしてつなぐことを実現することができる。そのため、ラッチをロック穴に挿入する過程で、係合部が受動的に移動した後、本来の位置に自動的に戻ってロックする必要がある。そのため、従来の安全バックルでは、メスバックルの中に必ず弾性部材を設ける必要があり、弾性部材の弾力によって係合部に移動の機会を提供することにより、係合部がラッチによって押し動かされ、弾性部の弾力により係合部の自動ロックを実現していた。
【0005】
従来の安全バックルでは、内部構造がどのようなものであっても、例外なく、必ず弾性部材が必要である。しかしながら、メスバックルの中に弾性部材を設けて係合部の移動および自動ロックを実現するには、弾性部材を設けるための大きな取付スペースをメスバックルが有している必要があるため、従来の安全バックルはある程度の大きさの体積を有している必要があり、さらに小型化することができなかった。使用場面によっては、例えば、ヘルメットで用いる安全バックル、靴の留め具で用いる安全バックル等、より小型化した安全バックルによって要求を満たすことができる。そのため、従来の安全バックルの基本的な機能を実現することができ、かつ小型化の要求を満たすことができる安全バックルは、より広範な適用範囲を有し、検討に値する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記課題を解決し、弾性部材を設けずに、磁性部材の磁力によって係合部の移動およびロックを実現することにより、取付スペースを節約し小型化に有利な磁気バックルを提供することを目的とする。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、メスバックルとオスバックルとを含み、前記メスバックルには第1の磁性部材が配置され、前記オスバックルには第2の磁性部材が配置され、前記第2の磁性部材および第1の磁性部材は、前記オスバックルおよびメスバックルのロック方向に引き合い、前記オスバックルが前記メスバックルにロック方向に差し込まれると、ロックされて1つにつなぐことができる磁気バックルであって、前記メスバックルには、オスバックルとメスバックルがロック及び結合されるように前記オスバックルに係合可能な係合部材が配置され、前記係合部材には、第3の磁性部材が配置され、前記第3の磁性部材は、前記第2の磁性部材および/または第1の磁性部材とが磁力によって相互作用することによって、前記オスバックルを前記メスバックルに差し込んだときに前記係合部材を動かして前記オスバックルに係合させることができることを特徴とする磁気バックルを提供する。
【0008】
さらに、前記オスバックルには、突出したラッチが設けられ、前記メスバックルには、前記ラッチが自由に出入りできる固定穴が設けられ、前記係合部材には、前記固定穴の範囲内に入り込んで前記ラッチに係合可能な係合部が設けられ、前記ラッチを前記固定穴に挿入したとき、前記第3の磁性部材と前記第2の磁性部材および/または第1の磁性部材とが磁力によって相互作用し、前記係合部が動いて前記固定穴の範囲内に入り込み、前記ラッチに係合する。
【0009】
さらに、前記第3の磁性部材は、前記第1の磁性部材と引き合うか、または反発し合い、前記オスバックルとメスバックルが互いに分離したときに、前記係合部材を動かして元の位置まで戻す。
【0010】
さらに、前記第3の磁性部材は、前記第1の磁性部材と引き合うか、または反発し合い、前記オスバックルとメスバックルが分離状態にあるときに、前記係合部を前記固定穴の範囲内に入り込ませる。
【0011】
さらに、前記係合部材は、剛性構造を有しており、前記係合部材に対する前記第3の磁性部材の位置は一定である。
【0012】
さらに、前記第3の磁性部材と前記係合部は、前記固定穴の同じ側に位置している。
【0013】
さらに、前記第3の磁性部材と前記係合部は、前記固定穴の対向する両側に位置している。
【0014】
さらに、前記第3の磁性部材と前記第1の磁性部材は反発し合い、前記ラッチが前記固定穴に入ったときに、前記第2の磁性部材が前記第3の磁性部材を引いて、前記係合部がラッチの方向に移動し、前記ラッチに係合する。
【0015】
さらに、前記第3の磁性部材と前記第1の磁性部材が引き合い、前記オスバックルとメスバックルが分離状態にあるときに、前記係合部を前記固定穴の範囲内に入り込ませ、前記ラッチが前記固定穴に入ったときに、前記第2の磁性部材と前記第1の磁性部材が引き合い、前記第3の磁性部材と反発し合う作用力によって、前記ラッチが前記係合部を押し動かして、ロック方向に進行させることができ、前記ラッチがロック方向にロック位置まで進行したときに、前記第1の磁性部材と前記第3の磁性部材が引き合い、前記係合部が前記ラッチの方向に移動して、前記ラッチに係合することができる。
【0016】
さらに、前記第3の磁性部材と前記第1の磁性部材が引き合い、前記オスバックルとメスバックルが分離状態にあるときに、前記係合部が前記固定穴の範囲外に位置するようにし、前記ラッチが前記固定穴に入ったときに、前記第2の磁性部材が前記第3の磁性部材と反発し、前記係合部がラッチの方向に移動し、前記ラッチに係合する。
【0017】
さらに、前記第3の磁性部材と前記第1の磁性部材が反発し合い、前記オスバックルとメスバックルが分離状態にあるときに、前記係合部を前記固定穴の範囲内に入り込ませ、前記ラッチが前記固定穴に入ったときに、前記第2の磁性部材と前記第1の磁性部材、第3の磁性部材が引き合う作用力によって、前記ラッチが前記係合部を押し動かして、ロック方向に進行することができ、前記ラッチが前記ロック方向にロック位置まで進行したときに、前記第1の磁性部材と前記第3の磁性部材が反発し合い、前記係合部がラッチの方向に移動して、前記ラッチに係合することができる。
【0018】
本発明の有益な効果は、上記課題を有効に解決することにある。本発明の磁気バックルは、従来技術における弾性部材に代え、第3の磁性部材を設けることにより、第3の磁性部材とオスバックル、メスバックルにある既存の磁性部材との相互作用によって、係合部材を動かすことを実現し、係合部材をロックさせ、オスバックルに係合できるようにする。本発明は、弾性部材に代え、第3の磁性部材を設けることにより、係合部材の構造を大幅に簡素化することができ、かつ係合部材の体積を小さくすることにより、構造を小型化し、適用範囲を拡大するのに有利である。本発明の磁気バックルは、構造が新しく、機能が実用的であるという特徴を有し、強力な実用性を有しており、普及に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1の構造模式図である。
図2】実施例1のオスバックルとメスバックルを分離したときの断面図である。
図3】実施例1のオスバックルとメスバックルをロックしたときの断面図である。
図4】実施例1の原理模式図である。図4Aは、ラッチが挿入されていないときの模式図である。図4Bは、係合部をラッチに係合した模式図である。
図5】実施例3の原理模式図である。図5Aは、ラッチが挿入されていないときの模式図である。図5Bは、ラッチの挿入過程の模式図である。図5Cは、係合部をラッチに係合した模式図である。
図6】実施例4の構造模式図である。
図7】実施例4のオスバックルとメスバックルを分離したときの断面図である。
図8】実施例4のオスバックルとメスバックルをロックしたときの断面図である。
図9】実施例4の原理模式図である。図9Aは、ラッチが挿入されていないときの模式図である。図9Bは、係合部をラッチに係合した模式図である。
図10】実施例5の原理模式図である。図10Aは、ラッチが挿入されていないときの模式図である。図10Bは、ラッチの挿入過程の模式図である。図10Cは、係合部をラッチに係合した模式図である。
【符号の説明】
【0020】
メスバックル10、第1の磁性部材11、ロック穴12、第3の磁性部材13、係合部材14、係合部141、導入斜曲面1411、取付位置142、引張穴143、引張ストラップ144、ケース15、固定穴151、第1のケース152、第2のケース153、磁石ホルダ154、リミット部155、オスバックル20、ラッチ21、第1の円錐面211、溝部212、第2の円錐面213、第2の磁性部材22。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の実施例は、本発明をさらに説明し補足するためのものであり、本発明を制限するものではない。
【0022】
図1図10に示すように、本発明の磁気バックルは、オスバックル20とメスバックル10とを含み、その主たる要点は、メスバックル10内に従来の弾性部材が配置されておらず、第3の磁性部材13が配置されており、第3の磁性部材13とオスバックル20、メスバックル10内の磁性部材との相互作用によって、係合部141の移動およびロックを実現することにより、構造を簡素化し、取付スペースを小さくし、構造の小型化に有利なことである。
【0023】
図2図3図7図8に示すように、オスバックル20およびメスバックル10は、ロック及び結合されると共に、互いに分離することができる。オスバックル20にはラッチ21が設けられ、メスバックル10には対応するロック穴12が設けられ、ラッチ21は、ロック方向Xに沿ってロック穴12内に挿入され、オスバックル20およびメスバックル10をロック及び結合することができる。ロックを解除する際には、ラッチ21がロック穴12内から出て、オスバックル20およびメスバックル10を互いに分離することができる。
【0024】
図1図10に示すように、メスバックル10内には第1の磁性部材11が配置され、オスバックル20内には第2の磁性部材22が配置されている。第1の磁性部材11および第2の磁性部材22は、オスバックル20およびメスバックル10のロック方向に引き合う。オスバックル20およびメスバックル10が一定の距離まで近づくと、第1の磁性部材11および第2の磁性部材22が引き合い、ロック穴12の中にラッチ21を迅速に挿入することができる。
【0025】
図1図10に示すように、第1の磁性部材11の位置は、ロック穴12の位置に対応している。第2の磁性部材22の位置は、ラッチ21の位置に対応している。通常の場合、第2の磁性部材22は、ラッチ21内に設けられる。
【0026】
第1の磁性部材11、第2の磁性部材22の形状は限定されないが、両者の形状が同じであることが好ましい。本実施例では、第1の磁性部材11、第2の磁性部材22は円形磁石である。
【0027】
図1図10に示すように、ラッチ21に係合するために、メスバックル10内には係合部材14が配置されている。係合部材14は、メスバックル10内に可動に配置されており、メスバックル10内で動くことができる。
【0028】
図1図10に示すように、係合部材14には、係合部141が設けられている。係合部141は、ロック穴12の一部となっている。メスバックル10には固定穴151が設けられている。係合部141と固定穴151は、共同でロック穴12を形成している。固定穴151は、ラッチ21が自由に出入りできる大きさにすべきである。ロック穴12は、係合部141の位置が変化することにより、ラッチ21に対する係止または解放を実現する。図3図8に示すように、係合部141は、固定穴151の範囲内に入り込んだとき、ラッチ21を係止する能力を有する。このとき、係合部141は、ラッチ21に係合し、オスバックル20およびメスバックル10をロック及び結合することができる。固定穴151から出る方向に係合部141がある程度移動したとき、例えば固定穴151の範囲から完全に出たとき、図2図7に示すように、係合部141は、ラッチ21を係止する能力を失う。このとき、オスバックル20およびメスバックル10は互いに分離することができる。
【0029】
図1図10に示すように、弾性部材によらずに係合部141を動かすために、係合部材14には、第3の磁性部材13が配置されている。係合部材14に対する第3の磁性部材13の位置は一定である。第3の磁性部材13は、第2の磁性部材22および/または第1の磁性部材11と磁力によって相互作用し、オスバックル20をメスバックル10に差し込んだときに、係合部材14を動かしてオスバックル20に係合させることができる。換言すれば、ラッチ21を固定穴151に挿入したときに、第3の磁性部材13は、第2の磁性部材22および/または第1の磁性部材11とが磁力によって相互作用し、係合部141を動かして固定穴151の範囲内に入り込ませ、ラッチ21に係合させることができる。
【0030】
図1図10に示すように、係合部材14は剛性構造を有しており、係合部141に作用する弾性部材は設けられていない。係合部141のロック状態への移動は、第3の磁性部材13と第2の磁性部材22および/または第1の磁性部材11との間の磁力作用のみによって実現されるため、係合部材14の構造を大幅に簡素化し、メスバックル10の体積を小さくすることができ、構造の小型化に有利である。
【0031】
初期状態のとき、すなわち、オスバックル20とメスバックル10が分離状態にあって外力の作用を受けていないときに、係合部141は、固定穴151の範囲に入り込む位置にあってもよいし、固定穴151の範囲に入り込まない位置にあってもよい。従来の弾性部材が設けられた安全バックルは、初期状態のときに、係合部141が、必ず、固定穴151の範囲に入り込む位置にある。磁力作用によって係合部材14を動かす場合には、係合部141の初期位置の自由度を高めることができる。
【0032】
いくつかの実施例において、初期状態のときに、図5A図10Aに示すように、係合部141は、固定穴151の範囲に入り込んでいる。第3の磁性部材13と第1の磁性部材11は、引き合うか、または反発し合い、係合部材14の安定状態を保ち、係合部141を固定穴151の範囲内に入り込ませることができる。ラッチ21をロック穴12内に入れる必要があるときに、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11との間の引力または斥力を克服して係合部141が押し動かされ、係合部141を一時的に離して、ラッチ21が前進を続けることができるようにする。
【0033】
いくつかの実施例において、初期状態のときに、図4A図9Aに示すように、係合部141は、固定穴151の範囲に入り込んでいない。第3の磁性部材13と第1の磁性部材11は、引き合うか、または反発し合い、係合部材14の安定状態を保ち、係合部141を固定穴151の範囲内に入り込ませることができる。ラッチ21をロック穴12内に入れる必要があるときに、ラッチ21は、係合部141を押し動かして移動させる必要なしに、ロック穴12に直接入ることができる。これは、ラッチ21が入るのにさらに有利であり、オスバックル20およびメスバックル10を迅速にラッチ21とつなぐのに有利である。
【0034】
ラッチ21が固定穴151に入ったときに、ラッチ21内の第2の磁性部材22は、第3の磁性部材13と相互作用することができる。第3の磁性部材13は、第2の磁性部材22と引き合うか、または反発し合うことができる。このとき、第1の磁性部材11、第2の磁性部材22、第3の磁性部材13は、磁力によって相互作用し、ラッチ21をロック穴12内に挿入し、係合部141をラッチ21に係合させ、オスバックル20とメスバックル10をロック及び結合することができる。
【0035】
第1の磁性部材11と第2の磁性部材22との間で引き付け合う力が、ラッチ21を案内してロック穴12内に導く。第3の磁性部材13と第1の磁性部材11、第2の磁性部材22との間は、引き付け合っても、反発し合ってもよい。第3の磁性部材13と第1の磁性部材11との間で引き付け合っているときに、第3の磁性部材13は第2の磁性部材22と反発し合っており、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11とが反発し合っているときに、第3の磁性部材13は第2の磁性部材22と引き合っている。
【0036】
第3の磁性部材13と第1の磁性部材11、第2の磁性部材22との間の引力、斥力の大きさは、必要に応じて設定してよく、その最終的な作用力は、係合部材14の係合部141がオスバックル20のラッチ21に係合することができるようにすべきである。いくつかの実施例において、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11、第2の磁性部材22との間の引力が斥力よりも大きくてもよく、第3の磁性部材13と引き合うことにより、係合部141を固定穴151の範囲内に入り込ませ、ラッチ21に係合させる。いくつかの実施例において、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11、第2の磁性部材22との間の斥力が引力よりも大きくてもよく、第3の磁性部材13と反発し合うことにより、係合部141を固定穴151の範囲内に入り込ませ、ラッチ21に係合させる。
【0037】
第3の磁性部材13と係合部141は、固定穴151の同じ側に位置していても(図4図5に示す)、固定穴151の対向する両側に位置していてもよい(図9図10に示す)。
【0038】
図4図5に示すように、第3の磁性部材13と係合部141が固定穴151の同じ側に位置している場合、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11、第2の磁性部材22との間の磁力は、引力が斥力よりも大きくなるようにすべきであり、第1の磁性部材11または第2の磁性部材22によって第3の磁性部材13を引き付け、係合部141を固定穴151の範囲内に入り込ませ、ラッチ21に係合させる。
【0039】
図9図10に示すように、第3の磁性部材13と係合部141が固定穴151の対向する両側に位置している場合、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11、第2の磁性部材22との間の磁力は、斥力が引力よりも大きくなるようにすべきである。第1の磁性部材11または第2の磁性部材22が第3の磁性部材13と反発し合うことにより、係合部141を固定穴151の範囲内に入り込ませ、ラッチ21に係合させる。
【0040】
ラッチ21をロック穴12内に挿入したとき、第1の磁性部材11、第2の磁性部材22、第3の磁性部材13の間の磁力作用はロックした状態を保持し、オスバックル20およびメスバックル10をロック及び結合することができる。ロックを解除する必要があるときには、外力によって係合部材14をメスバックル10内で移動させ、固定穴151から出る方向に係合部141を移動させる。係合部141がある程度移動したとき、ラッチ21はロック穴12内から自由に出ることができ、ロック解除を実現する。
【0041】
外力によって係合部材14を移動させる方法は、限定されない。例えば、いくつかの実施例において、押す方式によって係合部材14を移動させ、固定穴151から出る方向に係合部141を移動させることができる。いくつかの実施例において、外に引き抜く方式によって係合部材14を移動させ、固定穴151から出る方向に係合部141を移動させることができる。いくつかの実施例において、切り替える方式によって係合部材14を移動させ、固定穴151から出る方向に係合部141を移動させることができる。いくつかの実施例において、回転させる方式によって係合部材14を移動させ、固定穴151から出る方向に係合部141を移動させることができる。
【0042】
ラッチ21がロック穴12内から自由に出ることができるようにした後、外力の作用がないときに、第1の磁性部材11と第3の磁性部材13との間の磁力によって、係合部材14を動かして元の位置まで戻し、係合部材14が平衡位置にあるようにすることができる。この平衡位置では、係合部141を固定穴151の範囲内に入り込ませても、係合部141を固定穴151の範囲内に入り込ませなくてもよい。具体的には、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11との間の磁力の性質によって確定される。
【0043】
本発明の構造についてより具体的に説明するために、以下、様々な実施例を説明する。
【0044】
実施例1
図1図5に示すように、オスバックル20には、ラッチ21と第2の磁性部材22とが配置されている。
【0045】
図1図5に示すように、ラッチ21は突出しており、その端部は、第1の円錐面211が設けられた円錐台状を有している。第1の円錐面211は、ラッチ21が、係合部141を押し動かしてロック穴12に入れるのに有利である。メスバックル21には溝部212が設けられている。係合部141と協働してロック及び結合を実現する。溝部212は、ラッチ21の端面からやや離れた位置にある。溝部212は、環状であってよいし、係合部141の形状、大きさに合わせた形状であってもよい。溝部212には、係合部141に対応した傾斜度を有する第2の円錐面213が設けられている。ラッチ21が係合部141を押し動かし、ロック穴12内に押し込んだときに、係合部141が溝部212内に係止され、オスバックル20およびメスバックル10をロック及び結合することができる。
【0046】
図1図5に示すように、第2の磁性部材22の位置はラッチ21の位置に対応している。本実施例では、第2の磁性部材22は、ラッチ21内に配置されている。
【0047】
図1図5に示すように、メスバックル10は、ケース15と、係合部材14と、第1の磁性部材11と、第3の磁性部材13とを含む。
【0048】
図1図5に示すように、ケース15は、係合部材14、第1の磁性部材11を配置するために用いられ、その形状や構造は必要に応じて設定することができる。通常の場合、ケース15は、加工や組み立てに便利なように、突き合わせて接続された第1のケース152および第2のケース153を含む。第1のケース152および第2のケース153を突き合わせて接続したときに、その内部に、係合部材14および第1の磁性部材11を装着するために用いることができる収容キャビティが形成される。また、第1の磁性部材11を配置するのに便利なように、その内部に必要に応じて磁石ホルダ154を配置してもよい。
【0049】
図1に示すように、オスバックル20のラッチ21をメスバックル10の中に挿入するのに便利なように、ケース15には固定穴151が設けられている。固定穴151の形状は、必要に応じて設定することができ、本実施例では、円形穴である。
【0050】
図2図3に示すように、メスバックル10内での第1の磁性部材11の位置は、ラッチ21内の第2の磁性部材22と引き付け合うことができるように、固定穴151の位置に対応させるべきである。
【0051】
係合部材14は、ケース15内に可動に配置されている。図1に示すように、係合部材14には、係合部141と、第3の磁性部材13を取り付けるための取付位置142とが設けられている。
【0052】
図1図5に示すように、係合部141と取付位置142は、いずれも固定穴151の同じ側に位置している。図1に示すように、係合部141は板状であり、固定穴151を向く一端が円弧状を有している。係合部141は、ラッチ21を拘持するために用いられ、ラッチ21の溝部212内で係止することができる。ラッチ21が係合部141を押し動かしてロック穴12内に入るのに便利なように、係合部141の円弧状の端部には、導入斜曲面1411が設けられている。導入斜曲面1411は、ラッチ21を押圧し、その勢いでロック穴12内に押し込むのに有利であり、係合部141がラッチ21を係止することができる。
【0053】
図1に示すように、取付位置142は、溝構造であり、第3の磁性部材13を装着することができる。取付位置142の形状、大きさは、第3の磁性部材13の形状、大きさに対応すべきである。本実施例では、取付位置142は、矩形の磁石ブロックを装着することができる矩形溝である。
【0054】
図1に示すように、外力によって係合部材14を動かしロックを解除するのに便利なように、対応する操作部を係合部材14に設けてもよい。本実施例では、外向きに引っ張って係合部材14を動かすことによりロックを解除するため、係合部材14に、引張リングまたは引張ストラップ144を取り付けるのに便利な引張穴143が設けられている。引張リングまたは引張ストラップ144を外向きに引っ張ったときに、係合部材14は、固定穴151から離れる方向に移動する。他の実施例では、ユーザが操作して係合部材14を動かしロックを解除するのに有利なように、異なる操作のロック解除方式に応じて対応する操作部を設けてもよい。
【0055】
第3の磁性部材13は、係合部材14の取付位置142内に配置されている。係合部材14に対する第3の磁性部材13の位置は一定である。係合部材14がケース15内に可動に配置されているため、第3の磁性部材13と係合部材14は、同期して移動可能である。
【0056】
図1に示すように、係合部材14の移動経路を拘束するために、ケース15の内壁に、対応するリミット部155を設けてもよい。本実施例では、リミット部155は、平行に間隔をあけた、突出した長いブロック状を有しており、係合部材14を内側に拘束することにより、係合部材14の線状の移動を拘束し、ずれないようにすることができる。
【0057】
本実施例では、第1の磁性部材11と第2の磁性部材22は、極性が異なり引き合う円形磁石である。第3の磁性部材13は、第1の磁性部材11と反発し合う矩形磁石であり、ラッチ21がロック穴12に入ったときに、第3の磁性部材13と第2の磁性部材22が引き合う。
【0058】
図4Aに示すように、初期状態のときに、第1の磁性部材11と第3の磁性部材13が反発し合い、係合部141が固定穴151の範囲外にあるようにする。
【0059】
ロック方向にオスバックル20とメスバックル10が近づいているとき、第1の磁性部材11と第2の磁性部材22との間の引力によって、オスバックル20のラッチ21がメスバックル10のロック穴12に合わさり、挿入される。係合部141が固定穴151の範囲外にあるため、ラッチ21の挿入過程において係合部141を押し動かすことなしに、ロック穴12に直接入ることができるので、オスバックル20をメスバックル10の中に挿入するのに特に有利である。
【0060】
図4Bに示すように、ラッチ21がロック穴12内に入ったときに、第2の磁性部材22と第3の磁性部材13が引き合い、その間の引力によって第1の磁性部材11と第3の磁性部材13との間の斥力が克服され、第3の磁性部材13を引き、ラッチ21の方向に移動させることにより、係合部141をラッチ21の方向に移動させ、ラッチ21の溝部212内に係合させ、オスバックル20とメスバックル10をラッチ21とつなぐ。
【0061】
ロックを解除する必要があるときには、引張ストラップ144または引張リングを引っ張り、固定穴151から出る方向に係合部141移動させ、ラッチ21の溝部212から出すことにより、オスバックル20とメスバックル10を互いに分離し、ロックの解除を実現することができる。
【0062】
実施例2
本実施例の基本構造は、初期状態のときに、第1の磁性部材11と第3の磁性部材13が反発し合い、係合部141を固定穴151の範囲内にやや入り込ませる点が異なる以外は、実施例1と同じである。
【0063】
ロック方向にオスバックル20とメスバックル10が近づいているとき、第1の磁性部材11と第2の磁性部材22との間の引力によって、オスバックル20のラッチ21がメスバックル10のロック穴12に合わさり、挿入される。挿入過程において、ラッチ21が係合部141を押して、ロック方向に前進を続ける。ラッチ21がロック穴12内に入ったときに、第2の磁性部材22と第3の磁性部材13が引き合い、その間の引力によって第1の磁性部材11と第3の磁性部材13との間の斥力が克服され、第3の磁性部材13を引き、ラッチ21の方向に移動させることにより、係合部141をラッチ21の方向に移動させ、ラッチ21の溝部212内に係合させ、オスバックル20とメスバックル10をラッチ21とつなぐ。
【0064】
ロックを解除する必要があるときには、引張ストラップ144または引張リングを引っ張り、固定穴151から出る方向に係合部141移動させ、ラッチ21の溝部212から出すことにより、オスバックル20とメスバックル10を互いに分離し、ロックの解除を実現することができる。
【0065】
実施例3
本実施例の基本構造は、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11、第2の磁性部材22の磁性設定方法が異なる以外は、実施例1と同じである。
【0066】
本実施例では、第3の磁性部材13と前記第1の磁性部材11が引き合い、ラッチ21がロック穴12に入ったときに、第3の磁性部材13と第2の磁性部材22が反発し合い、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11との間の引力が、第2の磁性部材22と第1の磁性部材11との間の斥力よりも大きい。
【0067】
図5Aに示すように、初期状態のときに、第1の磁性部材11と第3の磁性部材13が引き合い、係合部141が固定穴151の範囲内にあるようにする。
【0068】
ロック方向にオスバックル20とメスバックル10が近づいているとき、第1の磁性部材11と第2の磁性部材22との間の引力によって、オスバックル20のラッチ21がメスバックル10のロック穴12に合わさり、挿入される。図5Bに示すように、挿入過程において、第1の磁性部材11と第2の磁性部材22との間の引力によって、ラッチ21が係合部141を押して、ロック方向に前進を続ける。図5Cに示すように、ラッチ21がロック穴12内に完全に入って係止位置に達したときに、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11との間の引力が第3の磁性部材13と第2の磁性部材22との間の斥力よりも大きいため、第3の磁性部材13をラッチ21の方向に引きつけて移動させることにより、係合部141をラッチ21の方向に移動させ、ラッチ21の溝部212内に係合させ、オスバックル20とメスバックル10をラッチ21とつなぐ。
【0069】
ロックを解除する必要があるときには、引張ストラップ144または引張リングを引っ張り、固定穴151から出る方向に係合部141移動させ、ラッチ21の溝部212から出すことにより、オスバックル20とメスバックル10を互いに分離し、ロックの解除を実現することができる。
【0070】
ロックを解除し、オスバックル20とメスバックル10を分離すると、第1の磁性部材11と第3の磁性部材13が引き合い、係合部材14が移動して元の位置まで、つまり固定穴151の範囲内に入り込むまで戻ることができる。
【0071】
実施例4
図6図7図8に示すように、本実施例のオスバックル20の構造は実施例1と同じであり、本実施例では再び詳しく述べない。
【0072】
図6図7図8に示すように、本実施例のメスバックル10は、ケース15と、係合部材14と、第1の磁性部材11と、第3の磁性部材13とを含む。
【0073】
ケース15、第1の磁性部材11の構造は、実施例1と同じであり、本実施例では再び詳しく述べない。
【0074】
図6図7図8に示すように、係合部材14は、ケース15内に可動に配置されている。係合部材14には、係合部141と、第3の磁性部材13を取り付けるための取付位置142とが設けられている。係合部材14には、固定穴151に対応する貫通孔が設けられている。係合部141と取付位置142は、この貫通孔の対向する両側に位置する。換言すれば、係合部141と第3の磁性部材13は、それぞれ固定穴151の対向する両側に位置する。
【0075】
図6図7図8に示すように、係合部141は板状であり、固定穴151または貫通孔を向く一端が円弧状を有している。係合部141は、ラッチ21を拘持するために用いられ、ラッチ21の溝部212内で係止することができる。ラッチ21が係合部141を押し動かしてロック穴12内に入るのに便利なように、係合部141の円弧状の端部には、導入斜曲面1411が設けられている。導入斜曲面1411は、ラッチ21を押圧し、その勢いでロック穴12内に押し込むのに有利であり、係合部141が前記ラッチ21を係止することができる。
【0076】
図6図7図8に示すように、取付位置142は、溝構造であり、第3の磁性部材13を装着することができる。取付位置142の形状、大きさは、第3の磁性部材13の形状、大きさに対応すべきである。本実施例では、取付位置142は、矩形の磁石ブロックを装着することができる矩形溝である。
【0077】
図6に示すように、外力によって係合部材14を動かしロックを解除するのに便利なように、対応する操作部を係合部材14に設けてもよい。本実施例では、外向きに引っ張って係合部材14を動かすことによりロックを解除するため、係合部材14の取付位置142に近い一端に、引張リングまたは引張ストラップ144を取り付けるのに便利な引張穴143が設けられている。引張リングまたは引張ストラップ144を外向きに引っ張ったときに、係合部141は、固定穴151から離れる方向に移動する。他の実施例では、ユーザが操作して係合部材14を動かしロックを解除するのに有利なように、異なる操作のロック解除方式に応じて対応する操作部を設けてもよい。
【0078】
図6に示すように、第3の磁性部材13は、係合部材14の取付位置142内に配置される。係合部材14に対する第3の磁性部材13の位置は一定である。係合部材14がケース15内に可動に配置されているため、第3の磁性部材13と係合部材14は、同期して移動可能である。
【0079】
本実施例では、第1の磁性部材11と第2の磁性部材22は、極性が異なり引き合う円形磁石である。第3の磁性部材13は、第1の磁性部材11と引き合う矩形磁石であり、ラッチ21がロック穴12に入ったときに、第3の磁性部材13と第2の磁性部材22が反発し合う。
【0080】
図9Aに示すように、初期状態のときに、第1の磁性部材11と第3の磁性部材13が引き合い、係合部141が固定穴151の範囲外にあるようにする。
【0081】
ロック方向にオスバックル20とメスバックル10が近づいているとき、第1の磁性部材11と第2の磁性部材22との間の引力によって、オスバックル20のラッチ21がメスバックル10のロック穴12に合わさり、挿入される。係合部141が固定穴151の範囲外にあるため、ラッチ21の挿入過程において係合部141を押し動かすことなしに、ロック穴12に直接入ることができるので、オスバックル20をメスバックル10の中に挿入するのに特に有利である。
【0082】
図9Bに示すように、ラッチ21がロック穴12内に入ったとき、第2の磁性部材22と第3の磁性部材13が反発し合い、これらの間の斥力によって第1の磁性部材11と第3の磁性部材13との間の引力が克服され、第3の磁性部材13がラッチ21から離れる方向に移動する。これにより、ラッチ21の他方の側的に位置する係合部141がラッチ21の方向に移動し、ラッチ21の溝部212内に係合されることによって、オスバックル20とメスバックル10がロックされて1つにつながれる。
【0083】
ロックを解除する必要があるときには、引張ストラップ144または引張リングを引っ張り、固定穴151から出る方向に係合部141移動させ、ラッチ21の溝部212から出すことにより、オスバックル20とメスバックル10を互いに分離し、ロックの解除を実現することができる。
【0084】
ロックの解除が完了してオスバックル20のラッチ21がロック穴12内から出た後、第1の磁性部材11と第3の磁性部材13が引き合い、係合部141が固定穴151の範囲外にある状態に係合部材14を保つ。
【0085】
実施例5
本実施例の基本構造は、第3の磁性部材13と第4の磁性部材11、第2の磁性部材22の磁性設定方法が異なる以外は、実施例4と同じである。
【0086】
本実施例では、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11が反発し合い、ラッチ21がロック穴12に入ったときに、第3の磁性部材13と第2の磁性部材22が引き合い、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11との間の斥力が、第2の磁性部材22と第1の磁性部材11との間の引力よりも大きい。
【0087】
図10Aに示すように、初期状態のときに、第1の磁性部材11と第3の磁性部材13が反発し合い、係合部141が固定穴151の範囲内にあるようにする。
【0088】
ロック方向にオスバックル20とメスバックル10が近づいているとき、第1の磁性部材11と第2の磁性部材22との間の引力によって、オスバックル20のラッチ21がメスバックル10のロック穴12に合わさり、挿入される。図10Bに示すように、挿入過程において、第1の磁性部材11と第2の磁性部材22との間の引力によって、ラッチ21が係合部141を押して、ロック方向に前進を続ける。図10Cに示すように、ラッチ21がロック穴12内に完全に入ったとき、第3の磁性部材13と第1の磁性部材11との間の斥力が、第3の磁性部材13と第2の磁性部材22との間の引力よりも大きいため、第3の磁性部材13は反発してラッチ21から離れる方向に移動し、ラッチ21の他方の側に位置する係合部141がラッチ21の方向に移動してラッチ21の溝部212内に係合し、オスバックル20とメスバックル10をロックしてつなぐことを実現する。
【0089】
ロックを解除する必要があるときには、引張ストラップ144または引張リングを引っ張り、固定穴151から出る方向に係合部141移動させ、ラッチ21の溝部212から出すことにより、オスバックル20とメスバックル10を互いに分離し、ロックの解除を実現することができる。
【0090】
ロックを解除し、オスバックル20とメスバックル10を分離した後、第1の磁性部材11と第3の磁性部材13が反発し合い、係合部材14を動かして元の位置まで戻し、固定穴151の範囲内に入り込むまで係合部141を戻すことができる。
【0091】
以上の実施例により本発明について開示したが、本発明の範囲はこれに限られず、本発明の趣旨を逸脱しない条件の下で、以上の各部材は、当業者が理解する相似するまたは同等の素子と入れ替えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10