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特許7251865柱状半導体素子を用いたメモリ装置と、その製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】柱状半導体素子を用いたメモリ装置と、その製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20230328BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20230328BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230328BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20230328BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20230328BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
H10B12/00 671A
H10B12/00 621B
H10B12/00 671C
H01L29/78 613B
H01L29/78 626A
H01L29/78 301X
H01L27/088 E
H01L27/088 H
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022534323
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(86)【国際出願番号】 JP2020041461
(87)【国際公開番号】W WO2022097251
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2022-06-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】311014428
【氏名又は名称】ユニサンティス エレクトロニクス シンガポール プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Unisantis Electronics Singapore Pte Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】原田 望
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/096468(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0206861(US,A1)
【文献】特開平06-021467(JP,A)
【文献】国際公開第2009/096469(WO,A1)
【文献】特開平10-079482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H01L 29/786
H01L 21/336
H01L 21/8234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部にある第1の不純物領域と、頂部にある第2の不純物領域とをソースまたはドレインとし、前記第1の不純物領域と、前記第2の不純物領域との間の領域をチャネルとする、基板に垂直に立つ半導体柱と、
前記第1の不純物領域と、前記第2の不純物領域との間にある前記半導体柱を囲んだゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層を囲んだゲート導体層と、を有する柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法において、
前記第1の不純物領域を、平面視において、第1の方向に帯状に伸延して形成する工程と、
平面視において、前記第1の不純物領域に少なくとも一部に重なる前記半導体柱を形成する工程と、
平面視において、前記半導体柱と、前記第1の不純物領域と、を含み、前記第1の方向に帯状に延びた半導体台を前記半導体柱の底部に繋がって形成する工程と、
前記半導体柱を囲んで、前記ゲート絶縁層と、前記ゲート導体層と、を形成する工程と、
前記ゲート導体層の外周部に第1の絶縁層を形成する工程と、
平面視において、前記半導体台にある前記第1の不純物領域と重なり、且つその底部が前記第1の不純物領域と接して、前記第1の方向に帯状に延びたコンタクトホールを前記第1の絶縁層に形成する工程と、
前記コンタクトホールの底部に、前記第1の不純物領域に接して、前記第1の方向に帯状に延びた第1の導体層を形成する工程と、
前記第1の導体層上の前記コンタクトホール内に、空孔を含むか、または前記第1の絶縁層より低誘電率を有する第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層の上面位置を、前記ゲート導体層の上端より低くする工程と、
前記ゲート導体層に接し、且つ、平面視において、前記第1の方向と直交する第2の方向に帯状に伸延する第2の導体層を形成する工程と、を有する、
ことを特徴とする柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法。
【請求項2】
第1のマスク材料層をエッチングマスクにして、前記半導体柱を形成する工程と、
前記半導体柱を囲み、且つその上面位置が、前記第1のマスク材料層の底部位置または前記半導体柱の頂部位置にある第3の絶縁層を形成する工程と、
前記第3の絶縁層上にあって露出している前記第1のマスク材料と、前記半導体柱の頂部を、平面視において等幅で囲んだ第2のマスク材料層を形成する工程と、
前記第3の絶縁層上に、平面視において前記第2のマスク材料層に一部重なり、前記第1の方向に帯状に伸延した第3のマスク材料層を形成する工程と、
前記第1のマスク材料層と、前記第2のマスク材料層と、前記第3のマスク材料層とをマスクにして、前記第3の絶縁層と、前記第1の不純物領域と、前記基板をエッチングして、前記半導体台を形成する工程、を有し、
平面視において、前記第2のマスク材料層の一部が、前記第2の方向に、前記半導体柱を挟んで、前記第1の導体層と反対側の前記第3のマスク材料層から突き出ている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法。
【請求項3】
平面視における、前記第1の方向において、前記第2の導体層の幅が、前記ゲート導体層の外周線と前記第1の方向に延びた直線とが交差する2点間距離の内、最も長い線分より小さく形成される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法。
【請求項4】
垂直方向において、前記第1の導体層の上端位置が、前記ゲート導体層の下端位置より低く形成される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法。
【請求項5】
垂直方向において、前記空孔の上端位置が、前記ゲート導体層の上端位置より低く形成される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1の不純物領域の外側の前記半導体台、又は前記第2の不純物領域の外側の前記半導体柱内に、前記第1の不純物領域、又は前記第2の不純物領域と反対の極性を有する第3の不純物領域を形成する工程を、有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法。
【請求項7】
平面視において、前記第1の方向の寸法が、前記第2の方向の寸法より長い前記半導体柱を形成する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法。
【請求項8】
前記基板上に、前記第1の不純物領域の母体となる第1の不純物層を形成する工程と、
前記第1の不純物層上に前記半導体柱の母体の一部になる第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層上に、前記半導体柱の母体の一部となり、且つ第2の半導体領域の少なくとも一部となる第2の不純物層を形成する工程と、
をさらに有することを特徴にする、請求項1に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法。
【請求項9】
前記ゲート導体層を形成した後、その上面が、前記ゲート導体層の上にあり、且つ前記第2の不純物層の上面より下方にあり、且つ第2の不純物層の外周を囲んだ第4の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の不純物層に接して、極性が同じ第3の不純物層、または合金または金属よりなる導体層を、形成する工程、
をさらに有することを特徴にする、請求項8に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置の製造方法。
【請求項10】
基板に対して垂直方向に立つ半導体柱と、
前記半導体柱の底部に繋がり、平面視において、前記半導体柱と少なくとも一部で重なって第1の方向に帯状に伸延する第1の不純物領域と、
前記半導体柱の頂部にある第2の不純物領域と、
前記第1の不純物領域と、前記第2の不純物領域の間の前記半導体柱を囲んだゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層を囲んだゲート導体層と、
平面視において、前記半導体柱の底部に繋がり、前記第1の不純物領域を含み、前記第1の方向に帯状に延びた半導体台と、
前記ゲート導体層の外周部にある第1の絶縁層と、
その底部が、前記第1の不純物領域に接して、前記第1の方向に帯状に延びた第1の導体層と、
前記第1の導体層上にあり、且つ、上面位置が、前記ゲート導体層の上端より低い空孔を含むか、または前記第1の絶縁層より低誘電率を有する第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上にあり、且つ前記ゲート導体層に接し、且つ、平面視において、前記第1の方向と直交する第2の方向に帯状に伸延する第2の導体層と、を有する、
ことを特徴とする柱状半導体素子を用いたメモリ装置。
【請求項11】
平面視において、前記半導体柱を囲んだ前記半導体台の一部が、前記第2の方向に、前記半導体柱を挟んで、前記第1の導体層と反対側に突き出ている、
ことを特徴とする、請求項10に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置。
【請求項12】
平面視において、前記第2の導体層の前記第1の方向における幅が、前記ゲート導体層の外周線と前記第1の方向に延びた直線とが交差する2点間距離の内、最も長い線分より小さい、
ことを特徴とする、請求項10に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置。
【請求項13】
垂直方向において、前記第1の導体層の上端位置が、前記ゲート導体層の下端位置より低い、
ことを特徴とする、請求項10に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置。
【請求項14】
前記第1の不純物領域の外側に、前記第1の不純物領域と反対の極性を有する第3の不純物領域を、有する、
ことを特徴とする、請求項10に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置。
【請求項15】
平面視において、前記第1の方向に延びた断面を有する前記半導体柱を形成する、
ことを特徴とする、請求項10に記載の柱状半導体素子を用いたメモリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状半導体素子を用いたメモリ装置と、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI(Large Scale Integration)に3次元構造トランジスタが使われている。その中で、柱状半導体素子であるSGT(Surrounding Gate Transistor)は、高集積な半導体装置を提供する半導体素子として注目されている。また、SGTを有する半導体装置の更なる高集積化、高性能化が求められている。
【0003】
通常のプレナー型MOSトランジスタでは、チャネルが半導体基板の上表面に沿う水平方向に延在する。これに対して、SGTのチャネルは、半導体基板の上表面に対して垂直な方向に延在する(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。このため、SGTはプレナー型MOSトランジスタと比べ、半導体装置の高密度化が可能である。このSGTを選択トランジスタとして用いて、キャパシタを接続したDRAM(Dynamic Random Access memory、例えば、非特許文献2を参照)、抵抗変化素子を接続したPCM(Phase change Memory、例えば、非特許文献3を参照)、RRAM(Resistive Random Access memory、例えば、非特許文献4、を参照)、電流により磁気スピンの向きを変化させて抵抗を変化させるMRAM(Magneto-resistive Random Access memory、例えば、非特許文献5、を参照 )などの高集積化を行うことができる。
【0004】
図3に、NチャネルSGTの模式構造図を示す。P型又はi型(真性型)の導電型を有するSi柱100(以下、シリコン半導体柱を「Si柱」と称する。)内の上下の位置に、一方がソースとなる場合に、他方がドレインとなるN+層101a、101b(以下、ドナー不純物を高濃度で含む半導体領域を「N+層」と称する。)が形成されている。このソース、ドレインとなるN+層101a、101b間のSi柱100の部分がチャネル領域102となる。このチャネル領域102を囲むようにゲート絶縁層103が形成されている。このゲート絶縁層103を囲むようにゲート導体層104が形成されている。SGTでは、ソース、ドレインとなるN+層101a、101b、チャネル領域102、ゲート絶縁層103、ゲート導体層104が、全体として柱状に形成される。そして、N+層101bに、DRAMではキャパシタ、PCM,RRAM,MRAMでは可変抵抗素子105が接続される。SGTの占有面積は、プレナー型MOSトランジスタの単一のソース又はドレインN+層の占有面積に相当する。これにより、SGTを有する回路チップは、プレナー型MOSトランジスタを有する回路チップと比較して、更なるチップサイズの縮小化が実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平2-188966号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】Hiroshi Takato, Kazumasa Sunouchi, Naoko Okabe, Akihiro Nitayama, Katsuhiko Hieda, Fumio Horiguchi, and Fujio Masuoka: IEEE Transaction on Electron Devices, Vol.38, No.3, pp.573-578 (1991)
【文献】H.Chung, H. Kim, H. Kim, K. Kim, S. Kim, K.Dong, J. Kim, Y.C. Oh, Y. Hwang, H. Hong, G.Jin, and C. Chung: “4F2 DRAM Cell with Vertial Pillar Transistor(VPT)”,2011 Proceeding of the European Solid-State Device Research Conference, (2011)
【文献】H. S. Philip Wong, S. Raoux, S. Kim, Jiale Liang, J. R. Reifenberg, B. Rajendran, M. Asheghi and K. E.Goodson: “Phase Change Memory”, Proceeding of IEEE , Vol.98, No 12, Decemberpp.2201-2227 (2010)
【文献】T. Tsunoda, K .Kinoshita, H. Noshiro, Y. Yamazaki, T. Iizuka, Y. Ito, A. Takahashi, A. Okano, Y. Sato, T. Fukano, M. Aoki, and Y. Sugiyama : “Low Power and high Speed Switching of Ti-doped NiO ReRAM under the Unipolar Voltage Source of less than 3V”, IEDM(2007)
【文献】W. Kang, L. Zhang, J. Klein, Y. Zhang, D. Ravelosona, and W. Zhao: “Reconfigurable Codesign of STT-MRAM Under Process Variations in Deeply Scaled Technology”, IEEE Transaction on Electron Devices, pp.1-9 (2015)
【文献】M. G. Ertosum, K. Lim, C. Park, J. Oh, P. Kirsch, and K. C. Saraswat : “ Novel Capacitorless Single-Transistor Charge-Trap DRAM (1T CT DRAM) Utilizing Electron”, IEEE Electron Device Letter, Vol. 31, No.5, pp.405-407 (2010)
【文献】J. Wan, L. Rojer, A. Zaslavsky, and S. Critoloveanu : “ A Compact Capacitor-Less High-Speed DRAM Using Field Effect-Controlled Charge Regeneration”, Electron Device letters, Vol. 35, No.2, pp.179-181 (2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各SGTの電極間の寄生容量を減らすことが、SGTを用いたメモリ装置の高性能化、高集積化に対して求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する、本発明に係る柱状半導体装置素子を用いたメモリ装置の製造方法は、
底部にある第1の不純物領域と、頂部にある第2の不純物領域とをソースまたはドレインとし、前記第1の不純物領域と、前記第2の不純物領域との間の領域をチャネルとする、基板に垂直に立つ半導体柱と、
前記第1の不純物領域と、前記第2の不純物領域との間にある前記半導体柱を囲んだゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層を囲んだゲート導体層と、を有する柱状半導体装置において、
前記第1の不純物領域を、平面視において、第1の方向に帯状に伸延して形成する工程と、
平面視において、前記第1の不純物領域に少なくとも一部に重なる前記半導体柱を形成する工程と、
平面視において、前記半導体柱と、前記第1の不純物領域と、を含み、前記第1の方向に帯状に延びた半導体台を前記半導体柱の底部に繋がって形成する工程と、
前記半導体柱を囲んで、前記ゲート絶縁層と、前記ゲート導体層と、を形成する工程と、
前記ゲート導体層の外周部に第1の絶縁層を形成する工程と、
平面視において、前記半導体台にある前記第1の不純物領域と重なり、且つその底部が前記第1の不純物領域と接して、前記第1の方向に帯状に延びたコンタクトホールを前記第1の絶縁層に形成する工程と、
前記コンタクトホールの底部に、前記第1の不純物領域に接して、前記第1の方向に帯状に延びた第1の導体層を形成する工程と、
前記第1の導体層上の前記コンタクトホール内に、空孔を含むか、または低誘電率材料よりなる第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層の上面位置を、前記ゲート導体層の上端より低くする工程と、
前記ゲート導体層に接し、且つ、平面視において、前記第1の方向と直交する第2の方向に帯状に伸延する第2の導体層を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
【0009】
さらに、第1のマスク材料層をエッチングマスクにして、前記半導体柱を形成する工程と、
前記半導体柱を囲み、且つその上面位置が、前記第1のマスク材料層の底部位置または前記半導体柱の頂部位置にある第3の絶縁層を形成する工程と、
前記第3の絶縁層上にあって露出している前記第1のマスク材料と、前記半導体柱の頂部を、平面視において等幅で囲んだ第2のマスク材料層を形成する工程と、
前記第3の絶縁層上に、平面視において前記第2のマスク材料層に一部重なり、前記第1の方向に帯状に伸延した第3のマスク材料層を形成する工程と、
前記第1のマスク材料層と、前記第2のマスク材料層と、前記第3のマスク材料層とをマスクにして、前記第3の絶縁層と、前記第1の不純物層と、前記半導体基板をエッチングして、前記半導体台を形成する工程、をさらに有し、
平面視において、前記第2のマスク材料層の一部が、前記第2の方向に、前記半導体柱を挟んで、前記第1の導体層と反対側の前記第3のマスク材料層から突き出ているようにすることができる。
【0010】
さらに、平面視における、前記第1の方向において、前記第2の導体層の幅が、前記ゲート導体層の外周線と前記第1の方向に延びた直線とが交差する2点間距離の内、最も長い線分より小さく形成することができる。
【0011】
さらに、垂直方向において、前記第1の導電層の上端位置が、前記ゲート導体層の下端位置より低く形成することができる。
【0012】
さらに、垂直方向において、前記空孔の上端位置が、前記ゲート導体層の上端位置より低く形成することができる。
【0013】
さらに、前記第1の不純物領域の外側の前記半導体台、又は前記第2の不純物領域の外側の前記半導体柱内に、前記第1の不純物領域、又は前記第2の不純物領域と反対の極性を有する第3の不純物領域を形成する工程を有することができる。
【0014】
さらに、平面視において、前記第1の方向の寸法が、前記第2の方向の寸法より長い前記半導体柱を形成することができる。
【0015】
上記発明において、前記基板上に、前記第1の不純物領域の母体となる第1の不純物層を形成する工程と、
前記第1の不純物層上に前記第1の半導体柱の母体の一部になる第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層上に、前記第1の半導体柱の母体の一部になるとなり、且つ前記第2の半導体領域の少なくとも一部となる第2の不純物層を形成する工程と、
をさらに有することができる。
【0016】
前記ゲート導体層を形成した後、その上面が、前記ゲート導体層の上にあり、且つ前記第2の不純物層の上面おり下方にあり、且つ第2の不純物層の外周を囲んだ第4の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の不純物層に接して、極性が同じ第3の不純物層、または合金または金属よりなる導体層を、形成する工程、
をさらに有することができる。
【0017】
上記の課題を解決する、本発明に係る柱状半導体装置素子を用いたメモリ装置は、
基板に対して垂直方向に立つ半導体柱と、
前記半導体柱の底部に繋がり、平面視において、前記半導体柱と少なくとも一部で重なって第1の方向に帯状に伸延する第1の不純物領域と、
前記半導体柱の頂部にある第2の不純物領域と、
前記第1の不純物領域と、前記第2の不純物領域の間の前記半導体柱を囲んだゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層を囲んだゲート導体層と、
平面視において、前記半導体柱の底部に繋がり、前記第1の不純物領域を含み、前記第1の方向に帯状に延びた半導体台と、
前記ゲート導体層の外周部にある第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層の中にある、平面視において、前記半導体台にある前記第1の不純物領域と重なり、且つその底部が前記第1の不純物領域と接して、前記第1の方向に帯状に延び、且つ垂直方向に繋がった第1の材料層と、
前記第1の材料層が、その底部に、前記第1の不純物領域に接して、前記第1の方向に帯状に延びた第1の導体層と、
前記第1の導体層上にあり、且つ、上面位置が、前記ゲート導体層の上端より低い空孔を含むか、または低誘電率材料よりなる第2の絶縁層と、よりなり、
前記第2の絶縁層上にあり、且つ前記ゲート導体層に接し、且つ、平面視において、前記第1の方向と直交する第2の方向に帯状に伸延する第2の導体層と、を有する、ことを特徴とする。
【0018】
さらに、平面視において、前記半導体柱を囲んだ前記半導体台の一部が、前記第2の方向に、前記半導体柱を挟んで、前記第1の導体層と反対側に突き出ていることを特徴とする。
【0019】
さらに、前記第2の導体層の前記第1の方向における幅が、前記ゲート導体層の外周線と前記第1の方向に延びた直線とが交差する2点間距離の内、最も長い線分より小さいことを特徴とする。
【0020】
さらに、垂直方向において、前記第1の導電層の上端位置が、前記ゲート導体層の下端位置より低いことを特徴とする。
【0021】
さらに、前記第1の不純物領域の外側に、前記第1の不純物領域と反対の極性を有する第3の不純物領域を有することを特徴とする。
【0022】
さらに、平面視において、前記第1の方向に延びた断面を有する前記半導体柱を形成する、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1B】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1C】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1D】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1E】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1F】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1G】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1H】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1I】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1J】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1K】第1実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図2】第2実施形態に係るSGTを有するメモリ半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図3】従来例を説明するための立体構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る、SGTを用いたメモリ装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(第1実施形態)
以下、図1A図1Jを参照して、本発明の第1実施形態に係るDRAM回路の製造方法を説明する。それぞれの図において、(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)はY-Y’線に沿う断面構造図を示す。
【0026】
図1Aに示すように、P層基板1(特許請求範囲の「基板」の一例である)の上部に、平面視において、Y-Y’線方向に帯状に延びたN+層2a、2bを形成する。
【0027】
次に、図1Bに示すように、エピタキシャル成長法によりP層4を形成する。そして、P層4上に、平面視において円形状のマスク材料層5a、5b、5c、5d(特許請求範囲の「第1のマスク材料層」の一例である)を、平面視において、N+層2a、2bに一部重なるように形成する。
【0028】
次に、図1Cに示すように、マスク材料層5a~5dをマスクにして、P層4と、P層基板1、N+層2a、2bの上層部をエッチングして、Si柱7a、7b、7c、7d(特許請求範囲の「半導体柱」の一例である)を形成する。
【0029】
次に、図1Dに示すように、Si柱7a~7dの外周に、その上面位置がSi柱7a~7dの頂部になるように、シリコン窒化(SiN)層9(特許請求範囲の「第3の絶縁層」の一例である)を形成する。そして、Si柱7a~7dの頂部と、マスク材料層5a~5dの側面を、平面視において等幅で囲んだ、シリコン酸化(SiO2)層10a、10b、10c、10d(特許請求範囲の「第2のマスク材料層」の一例である)を形成する。そして、平面視において、マスク材料層5a~5d、SiO2層10a~10dの一部と重なり、Y-Y’線方向(特許請求範囲の「第1の方向」の一例である)に帯状に延びたマスク材料層11a、11bを形成する。なお、SiO2層10a~10dは、マスク材料層5a~5dを覆って、SiO2層(図示せず)を被覆した後に、例えばRIE(Reactive Ion Etching)法によりエッチングして、形成してもよい。これにより、平面視において、SiO2層10a~10dは、マスク材料層5a~5dの周りに等幅で形成される。マスク材料層5a~5dはSi柱7a~7dに対して、自己整合されて形成されているので、SiO2層10a~10dは、Si柱7a~7dに対して、自己整合されて形成される。なお、SiN層9の形成は、Si柱7a~7dの側面に薄いSiO2層(図示せず)を形成した後に行ってもよい。
【0030】
次に、図1Eに示すように、マスク材料層5a~5d、マスク材料層11a、11b(特許請求範囲の「第3のマスク材料層」の一例である)、SiO2層10a~10dをマスクにして、SiN層9、N+層2a、2b、P層基板1をエッチングして、N+層2aa、2bbとP層基板1aよりなるP層台12a、12b(特許請求範囲の「半導体台」の一例である)を形成する。図1E(d)に、形成されたP層台12a、12bの平面図を示す。平面視において、P層台12a、12bは、図1E(d)に示すように、Y-Y’線方向に帯状に延びたN+層2aa、2bbと、Si柱7a~7d外周の一部が突き出た形状になる。このSi柱7a~7d外周の一部が突き出た部分のP層台12a、12bは、Si柱7a~7dと自己整合で形成されたSiN層9a、9bをエッチングマスクにして形成されるので、Si柱7a~7dと自己整合で形成される。
【0031】
次に、図1Fに示すように、マスク材料層11a、11b、SiO2層10a~10d、SiN層9a、9bを除去する。そして、P層台12a、12bを囲み、その上面位置が、P層台12a、12b上面より上になるようにSiO2層13を形成する。そして、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法によりゲート絶縁層となるハフニウム酸化(HfO2)層14(特許請求範囲の「ゲート絶縁層」の一例である)をSi柱7a~7dを囲んで形成する。そして、HfO2層14を覆ってゲート導体層となるTiN層(図示せず)と、SiO2層(図示せず)を形成する。そして、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により上面がマスク材料層5a~5dの上面まで研摩する。そして、RIEにより、SiO2層とTiN層とを、上面がSi柱7a~7dの上部までエッチングして、TiN層15、SiO2層16を形成する。そして、全体にSiN層(図示せず)を被覆する。そして、RIE法によりSiN層をエッチングして、マスク材料層5a~5dと、Si柱7a~7dの頂部との側面を、平面視において、等幅で囲んで、SiN層17a、17b、17c、17dを形成する。
【0032】
次に、図1Gに示すように、SiO2層16を除去する。そして、SiN層17a~17dをマスクにして、RIE法によりTiN層15をエッチングしてゲート導体層であるTiN層15a、15b、15c、15d(特許請求範囲の「ゲート導体層」の一例である)を形成する。この場合、エッチングマスクであるSiN層17a~17dが、Si柱7a~7dに対して、自己整合で形成されているので、TiN層15a~15dも、Si柱7a~7dに対して、自己整合で形成される。
【0033】
次に、図1Hに示すように、全体を覆ってSiO2層(図示せず)を形成し、CMP法により、上面位置がマスク材料層5a~5dの上面位置になるように研摩してSiO2層20を形成する。そして、平面視において、N+層2aa、2bbに一部重なり、Y-Y’線方向に帯状に延び、且つ底部がN+層2aa、2bbにあるコンタクトホール21a、21b(特許請求範囲の「コンタクトホール」の一例である)を形成する。そして、全面にタングステン(W)層(図示せず)を堆積した後、CMPにより上面がマスク材料層5a~5dの上面になるように研摩する。そして、RIE法によりコンタクトホール21a、21b内のW層をエッチングして、コンタクトホール21a、21bの底部に、N+層2aa、2bbに接して、W層22a、22b(特許請求範囲の「第1の導体層」の一例である)を形成する。W層22a、22bの上面位置は、TiN層15a、15bの下端位置より下になるように形成する。なお、W層22a、22bを形成する前に、W層22a、22bと、N+層2aa、2bbとの接触抵抗を下げるための、例えばTaNなどのバッファ金属層を形成してもよい。
【0034】
次に、図1Iに示すように、コンタクトホール21a、21b内に、内部に空孔25a、25bを持つSiO2層24a、24b(特許請求範囲の「第2の絶縁層」の一例である)を形成する。空孔25a、25bの上端位置は、TiN層15a、15bの上端位置より低く形成する。なお、SiO2層24a、24bは例えば炭化シリコン酸化(SiOC)などの低誘電率材料層で形成してもよい。この場合は空孔25a、25bは形成しても、しなくてもよい。
【0035】
次に、図1Jに示すように、SiO2層20、24a、24bをRIE法により、上面位置がTiN層15a、15bの上端位置より下方になるようにエッチングしてSiO2層20a(特許請求範囲の「第1の絶縁層」の一例である)、24aa、24bbを形成する。そして、TiN層15a、15bの外周部に、TiN層15a~15dに接続したW層(図示せず)を形成する。そして、平面視において、TiN層26a、26bの一部に重なり、且つX-X’線方向に帯状に延びたマスク材料層27a、27bを形成する。そして、マスク材料層27a、27bをマスクにしてW層をエッチングする。これにより、TiN層15a、15bに接続して、且つ平面視において、X-X’線方向(特許請求範囲の「第2の方向」の一例である)に延びたW層26a、26b(特許請求範囲の「第2の導体層」の一例である)を形成する。平面視において、W層26a、26bのY-Y’線方向の幅L1は、ゲートTiN層15a、15bの外周のY-Y’線方向の幅L2より小さく形成する。L2は前記ゲートTiN層15a、15bの外周線と前記Y-Y’線方向に延びた直線とが交差する2点間距離の内、最も長い線分である。
【0036】
次に、図1Kに示すように、Si柱7a~7dの頂部側面の外周部にSiO2層28を形成する。そして、Si柱7a~7dの頂部を覆って、例えば選択エピタキシャル法によりN+層29a、29b、29c、29dを形成する。そして、熱拡散によりSi柱7a~7dの頂部にN+層30a、30b、30c(図示せず)、30d(図示せず)を形成する。これにより、DRAMにおける選択SGTが形成される。この場合、W層22a、22bはビット線電極となり、W層26a、26bはワード線電極となる。そして、N+層29a~29dに接続して、キャパシタが接続される。これにより、P層基板1a上にDRAM装置が形成される。
【0037】
なお、本実施形態の説明では、N+層2aa、2bbは、平面視において、Si柱7a~7d内側の一部に形成した例を説明したが、全面に形成してもよい。また、RRAM、MRAM、PCMなどでは、DRAMのキャパシタの替りに、それぞれに、印可電圧により抵抗が変化する可変抵抗素子が接続される。これら素子では、N+層2aa、2bbは、平面視において、Si柱7a~7d内側の全面に形成されてもよい。また、キャパシタレスDRAM(例えば、非特許文献6、を参照)においても、N+層2aa、2bbは、平面視において、Si柱7a~7dの全面に形成されてもよい。また、キャパシタレスDRAMにおいては、SGTの上下のソース、またはドレインとなる不純物領域の極性が異なってもよい(例えば、非特許文献7、を参照)。また、本実施形態でのDRAMでは、W層22a、22bはビット線電極であつたが、例えば、RRAM、MRAM、PCMなどでは、W層22a、22bをソース線電極、グランド線電極などの他の電極として用いてもよい。
【0038】
また、Si柱7a~7dの頂部に形成されるN+層30a~30dは、例えば、図1BにおいてP層4を形成した後にあって、且つマスク材料層5a~5dを形成する前に、P層4上にエピタキシャル結晶成長法により形成したN+層を用いてもよい。この場合、図1Kで示した、熱処理を行って、N+層29a~29dからドナー不純物をSi柱7a~7dの頂部に拡散させて、N+層30a~30dを形成する工程が不要になる。SiO2層28が厚い場合、垂直方向において、N+層30a~30dの下端をゲートTiN層15a~15dの上端になるように、高温で長い熱処理を行うと、ゲートTiN層15a~15d、ゲート絶縁層であるHfO2層14へのダメージが問題になる。これに対し、図1BにおいてP層4を形成した後に、P層4上にN+層を形成し、これらの不純物層によりN+層30a~30dを形成することにより、上記のようなゲートTiN層15a~15d、ゲート絶縁層であるHfO2層14への熱ダメージを避けることができる。また、図1Kの段階でSi柱7a~7dの頂部上に熱拡散によるN+層30a~30dを形成する必要がないので、Si柱7a~7dの頂部の不純物領域形成が容易になる。また、この場合、N+層29a~29dは、形成しても、形成しなくてもよい。また、この場合、N+層29a~29dの替りに金属、または合金などの導体層を用いてもよい。
【0039】
また、図1Fでは、ゲート導体層となる、TiN層15の膜厚はSiN層17a、17b、17c、17dより厚くさせた。これに対し、TiN層15の膜厚はSiN層17a、17b、17c、17dより薄くさせ、TiN層15の外側にTaNなどの導体層、またはSiN層などの絶縁層をTiN層15の保護層として設けてもよい。この場合、図1GにおけるゲートTiN層15a~15dの形成工程では、ゲートTiN層15a~15dの側面を囲んで、この保護層が残される。絶縁層をこの保護層に形成した場合は、図1IにおけるW層26a、26bを形成する前に、ゲートTiN層15a~15d頂部側面の保護層を除去する。
【0040】
また、ゲートTiN層15a~15dの側面を囲んだ、前述の保護層にSiN層などの絶縁層を用いた場合、RIEエッチングによるコンタクトホール21a、21bの形成において、SiO2層20よりエッチング速度が小さい、例えばSiN層などを用いるとよい。このSiN層の替りに、エッチング・ストッパとなる材料層を用いてもよい。また、コンタクトホール21a、21bの形成後、その内部に薄い、例えばこのエッチング・ストッパとなるSiN層などの絶縁層を被覆し、そして、RIEによりコンタクトホール21a、21b底部のSiN層を除去して、その後W層22a、22bを形成してもよい。この場合、W層22a、22bとN+層2aa、2bbとの接触抵抗を小さくするため、コンタクトホール21a、21bの底部断面形状を、平面視において、その最低部面積が、上部面積より小さくなるように形成することが望ましい。
【0041】
また、図1Aにおいて、N+層2a、2b内に、ボロン(B)不純物をリン(P)不純物より少なく含ませ、その後に熱処理により、B不純物をP層基板1内に拡散させてN+層2a、2bの外側にP+層を形成してもよい。これにより、図1Jにおいて、N+層2aa、2bbとP層基板1a間の接合空乏層の広がりが少なくでき、Si柱7a~7dのチャネル内に熱的に発生した不要のキャリヤをP層基板1a側に容易に除去できる。また、このP+層はエピタキシャル結晶成長によりN+層2a、2bを形成する前に、このP+層をエピタキシャル結晶成長法により形成してもよい。また、本目的に合うものであれば、このP+層を他の方法で形成してもよい。また、キャパシタレスDRAMにおいて、同じ方法により、上部または下部の不純物領域の一方の外側に、この不純物領域の極性と逆極性の不純物領域を形成してもよい。
【0042】
本実施形態は、以下の特徴を供する。
1.本実施形態では、図1H,1Iに示すように、ゲート電極であるTiN層15a~15dを形成した後、コンタクトホール21a、21bを形成し、そして、コンタクトホール21a、21bの底部にN+層2aa、2bbと繋がるビット配線W層22a、22bを形成する。そして、このW層22a、22b上のコンタクトホール21a、21bに、実効的に低誘電率層となる空孔25a、25bを含んだSiO2層24a、24bを形成する。その後、図1Jに示すように、SiO2層20a、24aa、24bb上に、ゲート電極TiN層15a~15dに接続したワード配線W層26a、26bを、平面視においてビット配線W層22a、22bと直交させて形成する。
【0043】
上記、工程を行うことにより、下記の特徴を有する。
(1) 空孔25a、25bを含んだ実効的に低誘電率層となるSiO2層24aa、24bbとビット線W層22a、22bと、はコンタクトホール21a、21b内に形成されるので、ビット線W層22a、22bと低誘電率層であるSiO2層24aa、24bbと、は自己整合で形成される。これにより、DRAMメモリセルの高集積化が図れる。そして、図1J(a)に示されているように、平面視において、ビット線W層22a、22bとワード線W層26a、26bとの重なり領域において、実効的に低誘電率層であるSiO2層24aa、24bbがある。これにより、ビット線、ワード線間容量を下げることができる。DRAMメモリセルの、高集積化と、ビット線、ワード線間容量低減による高性能化が図れる。
(2) ビット線W層26a、26bは、高さ方向において、ゲート電極15a~15dの上部だけに接続されている。これにより、例えばワード線W層26a、26bがゲート電極15a、15bと同じ高さで形成されている構造と比べて、対面するワード線W層26a、26b間の高さが小さくなることにより、大幅にワード線間容量を小さくできる。
(3) ワード線W層26a、26b間に、低誘電率層となる空孔25a、25bを含んだSiO2層25a、25bが形成されていることにより、ワード線W層26a、26b間容量が小さくなる。
【0044】
2.本実施形態では、図1E(d)に示すように、平面視において、P層台12a、12bは、N+層2aa、2bbがある反対側で、Si柱7a~7bを囲った部分が突き出た形状で形成される。この突き出た部分は、Si柱7a~7dと自己整合により形成される。この自己整合によって、この突き出たP層台12a、12bを、高い精度で、小面積で形成することができる。また、平面視において、ビット線W層22a、22bが形成される側のP層台12a、12bは、マスク材料層11a、11bにより形成される。
【0045】
上記、工程を行うことにより、下記の特徴を有する。
(1) 図1Kより分かるように、ビット線W層22a、22b間容量は、N+層2aa、2bbの接合容量、ビット線W層22a、22b間のSiのP層台12a、12bとSiO2層13との容量からなる。Siの比誘電率は12と、SiO2の3.9と比べて大きい。これより、ビット線W層22a、22b間容量を小さくするには、ビット線W層22a、22b間において、P層台12a、12bの長さを短くする必要がある。図1E(d)より分かるように、ビット線W層22a、22bに最も近いP層台12a、12bの場所は、Si柱7a~7bを囲った突き出た部分である。この突き出た部分のP層台12a、12bはSi柱7a~7dに対して自己整合で形成されている。これにより、Si柱7a~7dを囲んだP層台12a、12bの幅を小さくできる。これにより、P層台12a、12bとビット線W層22a、22bとの距離を大きくでき、ビット線間容量を小さくできる。
(2) 図1Eより分かるように、ビット線W層22a、22bが形成される側のP層台12a、12bの領域は、マスク材料層11a、11bによって、定められている。このマスク材料層11a、11bは、平面視において、SiN層10a~10bに重なっておればよい。この条件を満たせば、このマスク材料層11a、11bのX-X’線方向の幅は製作可能な限り小さくできる。これにより、P層台12a、12bのSi容量を小さくできる。
【0046】
3.本実施形態では、図1Kに示すように、ゲート電極であるTiN層15a~15dはSi柱7a~7dに対して、自己整合により形成されている。そして、ワード線W層26a、26bはゲート電極TiN層15a~15dの外周の一部と接続して、X-X’線方向に帯状に形成される。そして、平面視において、W層26a、26bのY-Y’線方向の幅は、TiN層15a~15dの外周のY-Y’線方向の幅より小さく形成する。
【0047】
上記、工程を行うことにより、下記の特徴を有する。
(1) ワード線W層26a、26bは、マスク材料層27a、27bをエッチングマスクにして、ゲート線TiN層15a~15dの形成とは別に形成される。これにより、ワード線W層26a、26bのY-Y’線方向の幅は、ワード線W層26a、26bと、ゲート線TiN層15a~15dと、が繋がっている条件を満たして、製作可能な限り小さくすることができる。これにより、ワード線W層26a、26b間のY-Y’線方向の距離を大きくできる。これにより、ワード線W層26a、26b間容量を小さくできる。
(2) ゲートTiN層15a~15dはSi柱7a~7dに対して自己整合で形成されている。これにより、平面視において、ゲート電極15a、15c間、及びゲート電極15b、15d間の距離を広く形成できる。これによっても、ワード線W層26a、26b間容量を小さくできる。
【0048】
(第2実施形態)
以下、図2を参照して、本発明の第2実施形態に係るDRAM回路の製造方法を説明する。(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)はY-Y’線に沿う断面構造図を示す。
【0049】
図2に示すように、平面視において矩形状のSi柱7A、7B、7C、7Dを、長辺がビット線W層22a、22bと平行になるように形成する。そして、Si柱7A~7Dを囲んでゲート絶縁層14Aを形成する。そして、Si柱7A~7D側面のゲート絶縁層14Aを囲んでゲートTiN層15A、15B、15C,15Dを形成する。他の工程は、第1実施例と同じである。
【0050】
本実施形態は、以下の特徴を供する。
第1実施形態では、Si柱7a~7dの平面視での断面は円形である。これに対し、本実施形態でのSi柱7A~7Dの断面はY-Y’線方向に延びた矩形状である。これにより、第1実施形態でSi柱7a~7dに形成されたSGTと比べて、チャネル断面積が大きくなり、実効SGT直列抵抗を小さくできる。そして、矩形Si柱7A~7Dの長辺方向をビット線W層22a、22bと平行にすることにより、ビット線W層22a、22bとN+層2aa、2bb間の抵抗を低くできる。
【0051】
(その他の実施形態)
なお、第1実施形態では、Si柱7a~7dを形成したが、これ以外の半導体材料よりなる半導体柱であってもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0052】
また、第1実施形態における、N+層2aa、2bb、29a、29bは、ドナー不純物を含んだSi、または他の半導体材料層より形成されてもよい。また、N+層2aa、2bb、29a、29bは異なる半導体材料層より形成されてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0053】
また、第1実施形態における、Si柱7a~7dの頂部、及び頂部上に形成されるN+層29a~29d、30a~30dは、例えば、図1BにおいてP層4を形成した後に、P層4上にエピタキシャル結晶成長法により、形成したN+層を用いてもよい。また、他の方法でN+層を形成してもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0054】
また、第1実施形態において、マスク材料層5a~5d、11a、11bは、本発明の目的に合う材料であれば、単層または複数層よりなる有機材料または無機材料を含む他の材料層を用いてもよい。また、エッチングマスクとして用いるSiO2層9a、9b、SiN層10a~10dも、同じく本発明の目的に合う材料であれば、単層または複数層よりなる有機材料または無機材料を含む他の材料層を用いてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0055】
また、第1実施形態における、W層22a、22bの材料は、金属だけでなく、合金、アクセプタ、またはドナー不純物を多く含んだ半導体層などの導電材料層であってもよく、そして、それらを単層、または複数層組み合わせて構成させてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0056】
また、第1実施形態では、ゲート導体層として、TiN層15a~15dを用いた。このTiN層15a~15dは、本発明の目的に合う材料であれば、単層または複数層よりなる材料層を用いることができる。TiN層15a~15dは、少なくとも所望の仕事関数を持つ、単層または複数層の金属層などの導体層より形成できる。この外側に、たとえばW層などの他の導電層を形成してもよい。W層以外に単層、または複数層の金属層を用いても良い。
【0057】
また、第1実施形態における、TiN層15a~15dに繋がったワード線W層26a、26bは他の導体層との積層、または、他の導体層より形成してもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0058】
また、ゲート絶縁層として、HfO2層14を用いたが、それぞれを単層または複数層よりなる他の材料層を用いてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0059】
また、第1実施形態の図1H図1Iにおいて、空孔25a、25bを有するSiO2層24a、24bを形成した。これに対し、コンタクトホール21a、21bの上部を、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によるSiN層で蓋をして、空孔25a、25bを形成してもよい。また、他の方法により、空孔25a、25bを有する無機、または有機層よりなる絶縁層を形成してもよい。
【0060】
また、第1実施形態において、Si柱7a~7dの平面視における形状は、円形状であった。そして、第2実施形態ではSi柱7A~7Dは平面視における矩形状であった。これらのSi柱の平面視における形状は、円形、矩形状だけでなく楕円、またはこの字状の形状であってもよい。また、これらの形状が混在して同じP層基板1a上に形成されてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0061】
また、第1実施形態では1つのメモリセルが、1つの選択用SGTより形成されている場合について説明したが、駆動電流を大きく得るため、または実効SGT直列抵抗を小さくするため、複数のSGTを並列に接続させてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0062】
また、本実施形態の説明は、DRAM、Capacitorless DRAM、RRAM、MRAM、PCMなどの、XYアドレス型のメモリ装置について行った。本発明は他のXYアドレス型のメモリ装置に対しても適用できる。また、高性能化のため、1つのメモリセルに複数のSGTを用いてもよい。また、1つのSGTに複数のRRAM、MRAM、PCM用可変抵抗素子を接続させてもよい。
【0063】
また、第1実施形態では、P層基板1上にSGTを形成したが、P層基板1の代わりにSOI(Silicon On Insulator)基板を用いても良い。または、基板としての役割を行うものであれば他の材料基板を用いてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0064】
また、第1実施形態では、Si柱7a~7dの上下に、同じ極性の導電性を有するN+層2aa、2bb、29a~29d、30a~30dを用いて、ソース、ドレインを構成するSGTについて説明したが、極性が異なるソース、ドレインを有するトンネル型SGTに対しても、本発明が適用できる。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0065】
なお、本発明に係る実施形態では、1つの半導体柱に1個のSGTを形成したが、2個以上を形成する回路形成においても、本発明を適用できる。
【0066】
また、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明の一実施例を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。上記実施例及び変形例は任意に組み合わせることができる。さらに、必要に応じて上記実施形態の構成要件の一部を除いても本発明の技術思想の範囲内となる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る、SGTを用いたメモリ装置の製造方法によれば、高密度で、かつ高性能のSGTを用いたメモリ装置が得られる。
【符号の説明】
【0068】
1、1a: P層基板
2a、2b、2aa、2bb、29a、29b、29c、29d、30a、30b、30c、30d: N+
4: P層
5a、5b、5c、5d、11a、11b、27a、27b: マスク材料層
7a、7b、7c、7d、7A、7B、7C、7D: Si柱
9、9a、9b、17a、17b、17c、17d、: SiN層
10a、10b、10c、10d、13、16、20、20a、24a、24b、24aa、24bb、28: SiO2
12a、12b: P層台
14、14A: HfO2
15、15a、15b、15A,15B、15C、15D: TiN層
21a、21b: コンタクトホール
22a、22b、26a、26b: W層
25a、25b: 空孔
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図2
図3