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特許7251869距離計測装置、システム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】距離計測装置、システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/14 20060101AFI20230328BHJP
【FI】
G01B11/14 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019139432
(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2021021671
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】河野 研二
(72)【発明者】
【氏名】青木 教之
(72)【発明者】
【氏名】高岡 真則
(72)【発明者】
【氏名】上野 悟己
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-105081(JP,A)
【文献】特開2019-90774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 - 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定する処理と、
前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出する処理と、
を行う、
距離計測装置。
【請求項2】
前記補助点は、前記撮影データにおける前記計測対象物以外の位置に指定された点であり、
前記終点を推定する処理では、前記始点を通りかつ水平又は垂直な第1線と、前記補助点を通りかつ前記第1線と直交する第2線と、の交点を前記計測対象物の前記終点として推定する、
請求項1記載の距離計測装置。
【請求項3】
前記補助点は、前記撮影データにおける前記計測対象物上かつ前記始点と異なる位置に指定された第1補助点、及び、前記撮影データにおける前記計測対象物以外の位置に指定された第2補助点であり、
前記終点を推定する処理では、前記始点と前記第1補助点を通る線分の延長線と、前記第2補助点を通る水平線又は垂線との交点を前記計測対象物の前記終点として推定する、
請求項1記載の距離計測装置。
【請求項4】
前記補助点は、前記撮影データにおける前記計測対象物上かつ前記始点と異なる位置に指定された点であり、
前記終点を推定する処理では、前記始点と前記補助点の間の線分の延長線と、前記オクルージョンが発生している部分を含むように指定された矩形状の削除部の所定の辺を含む水平面又は垂直面との交点を前記計測対象物の前記終点として推定する、
請求項1記載の距離計測装置。
【請求項5】
前記終点を推定する処理の前に前記撮影データおける点群の中からノイズを除去する処理を行う、
請求項1乃至4のいずれか一に記載の距離計測装置。
【請求項6】
前記ノイズを除去する処理の前に前記撮影データのフォーマットを、前記距離計測装置で使用できる共通のフォーマットに変換する処理を行う、
請求項5記載の距離計測装置。
【請求項7】
推定された前記終点を含む計測結果を記憶する処理を行う、
請求項1乃至6のいずれか一に記載の距離計測装置。
【請求項8】
計測対象物を撮影し、点群で描画された撮影データを生成するセンサ装置と、
請求項1乃至7のいずれか一に記載の距離計測装置と、
を備える、
距離計測システム。
【請求項9】
点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定するステップと、
前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出するステップと、
を含む、
距離計測方法。
【請求項10】
点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定する処理と、
前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出する処理と、
をハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離計測装置、システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社では、架空線(電線、通信線など)を施設するときには、感電災害の防止のため、架空線と他の構造物との間の離隔距離の規定を守る必要があるので、作業員が計測現場まで出向き、計測機器を用いて、離隔距離の計測を行っている。しかしながら、人手による計測は時間がかかり、場所(高所、足場の不安定な場所など)によっては作業に危険を伴う場合がある。また、計測精度が作業員の技量に依存するという問題もある。そこで、誰でも簡単・安全に計測できる計測方法として、3次元センサ(例えば、ステレオカメラ、レーザスキャナ)を用いて距離を計測する距離計測方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-287928号公報
【文献】特開2009-68951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0005】
特許文献1、2に記載の距離計測方法では、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えないようにするオクルージョンやノイズなどによって撮影データにおいて計測対象物に欠損がある場合、計測が難しいという問題がある。
【0006】
本発明の主な課題は、計測対象物の一部が障害物で隠れていても距離の計測を容易化することに貢献することができる距離計測装置、システム、方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の視点に係る距離計測装置は、点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定する処理と、前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出する処理と、を行う。
【0008】
第2の視点に係る距離計測システムは、計測対象物を撮影し、点群で描画された撮影データを生成するセンサ装置と、前記第1の視点に係る距離計測装置と、を備える。
【0009】
第3の視点に係る距離計測方法は、点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定するステップと、前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出するステップと、を含む。
【0010】
第4の視点に係るプログラムは、点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定する処理と、前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出する処理と、をハードウェア資源に実行させる。
【0011】
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。また、本開示では、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0012】
前記第1~4の視点によれば、計測対象物の一部が障害物で隠れていても距離の計測を容易化することに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1に係る距離計測システムの構成を模式的に示したブロック図である。
図2】実施形態1に係る距離計測システムの使用態様の一例を模式的に示したイメージ図である。
図3】実施形態1に係る距離計測システムにおける距離計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図4】実施形態1に係る距離計測システムにおける距離計測装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図5】実施形態1に係る距離計測システムにおける距離計測装置で取得した撮影データにオクルージョンがない場合の距離の計測を模式的に示したイメージ図である。
図6】実施形態1に係る距離計測システムにおける距離計測装置で取得した撮影データにオクルージョンがある場合の距離の計測を模式的に示したイメージ図である。
図7】実施形態2に係る距離計測システムにおける距離計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図8】実施形態2に係る距離計測システムにおける距離計測装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図9】実施形態2に係る距離計測システムにおける距離計測装置で取得した撮影データにオクルージョン部がある場合の距離の計測を模式的に示したイメージ図である。
図10】実施形態3に係る距離計測システムにおける距離計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図11】実施形態3に係る距離計測システムにおける距離計測装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図12】実施形態3に係る距離計測システムにおける距離計測装置で取得した撮影データにオクルージョン部がある場合の距離の計測を模式的に示したイメージ図である。
図13】実施形態4に係る距離計測システムの使用方法を模式的に示したブロック図である。
図14】実施形態5に係る距離計測システムの使用態様を模式的に示したブロック図である。
図15】実施形態6に係る距離計測システムの構成を模式的に示したブロック図である。
図16】実施形態7に係る距離計測システムの構成を模式的に示したブロック図である。
図17】ハードウェア資源の構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に説明する本開示では、モード1に係る距離計測装置及びその変形モードを適宜選択して組み合わせることができる。
【0015】
前記モード1に係る距離計測装置として、点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定する処理と、前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出する処理と、を行うことが可能である。
【0016】
前記モード1に係る距離計測装置の変形モードとして、前記補助点は、前記撮影データにおける前記計測対象物以外の位置に指定された点であり、前記終点を推定する処理では、前記始点を通りかつ水平又は垂直な第1線と、前記補助点を通りかつ前記第1線と直交する第2線と、の交点を前記計測対象物の前記終点として推定する、ことができる。
【0017】
前記モード1に係る距離計測装置の変形モードとして、前記補助点は、前記撮影データにおける前記計測対象物上かつ前記始点と異なる位置に指定された第1補助点、及び、前記撮影データにおける前記計測対象物以外の位置に指定された第2補助点であり、前記終点を推定する処理では、前記始点と前記第1補助点を通る線分の延長線と、前記第2補助点を通る水平線又は垂線との交点を前記計測対象物の前記終点として推定する、ことができる。
【0018】
前記モード1に係る距離計測装置の変形モードとして、前記補助点は、前記撮影データにおける前記計測対象物上かつ前記始点と異なる位置に指定された点であり、前記終点を推定する処理では、前記始点と前記補助点の間の線分の延長線と、前記オクルージョンが発生している部分を含むように指定された矩形状の削除部の所定の辺を含む水平面又は垂直面との交点を前記計測対象物の前記終点として推定する、ことができる。
【0019】
前記モード1に係る距離計測装置の変形モードとして、前記終点を推定する処理の前に前記撮影データにおける点群の中からノイズを除去する処理を行う、ことができる。
【0020】
前記モード1に係る距離計測装置の変形モードとして、前記ノイズを除去する処理の前に前記撮影データのフォーマットを、前記距離計測装置で使用できる共通のフォーマットに変換する処理を行う、ことができる。
【0021】
前記モード1に係る距離計測装置の変形モードとして、推定された前記終点を含む計測結果を記憶する処理を行う、ことができる。
【0022】
本開示では、モード2に係る距離計測システムとして、計測対象物を撮影し、点群で描画された撮影データを生成するセンサ装置と、前記第1のモードに係る距離計測装置と、を備えることが可能である。
【0023】
前記モード2に係る距離計測システムの変形モードとして、前記センサ装置及び前記距離計測装置を搭載した自動車をさらに備え、前記センサ装置は、動画データを撮影し、前記距離計測装置は、前記終点を推定する処理の前に前記動画データから静止画データに変換した撮影データを生成する処理を行う、ことができる。
【0024】
前記モード2に係る距離計測システムの変形モードとして、前記距離計測システムの位置を測位するGPS装置をさらに備え、前記距離計測装置は、前記撮影データに、前記GPS装置で測位された測位データを関連付ける処理を行う、ことができる。
【0025】
前記モード2に係る距離計測システムの変形モードとして、前記センサ装置は、別々の角度から前記計測対象物を撮影するように配置された複数のセンサ装置であり、前記距離計測装置は、前記終点を推定する処理の前に前記複数のセンサ装置からの各撮影データを合成する処理を行う、ことができる。
【0026】
前記モード2に係る距離計測システムの変形モードとして、前記複数のセンサ装置は、互いに異なる出力形式のセンサ装置であり、前記距離計測装置は、前記複数のセンサ装置からの各撮影データを合成する処理の前に前記距離計測装置で使用できる共通のフォーマットに変換する処理を行う、ことができる。
【0027】
本開示では、モード3に係る距離計測方法として、点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定するステップと、前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出するステップと、を含むことが可能である。
【0028】
本開示では、モード4に係るプログラムとして、点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定する処理と、前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出する処理と、をハードウェア資源に実行させることが可能である。
【0029】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0030】
[実施形態1]
実施形態1に係る距離計測システムについて図面を用いて説明する。図1は、実施形態1に係る距離計測システムの構成を模式的に示したブロック図である。図2は、実施形態1に係る距離計測システムの使用態様の一例を模式的に示したイメージ図である。図3は、実施形態1に係る距離計測システムにおける距離計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0031】
距離計測システム1は、撮影されたデータにおいて指定又は推定された2点間の距離を計測するシステムである(図1参照)。距離計測システム1は、センサ装置400を用いて計測対象物10を撮影し、距離計測装置200を用いてセンサ装置400で撮影された計測対象物10を含むデータにおける、ユーザによって指定された計測対象物10に係る2点間の距離を計測する機能を有する(図2参照)。また、距離計測システム1は、撮影された計測対象物10に係るデータにおいて計測対象物10に欠損部がある場合、距離計測装置200を用いて、ユーザによって指定された、点と、計測対象物10以外の位置の補助点と、を用いて計測対象物10に係る2点間を推定し、推定された2点間の距離を計測する機能を有する。計測対象物10の欠損部は、手前にある障害物20が背後にある計測対象物10を隠して見えないようにするオクルージョンやノイズなどによって発生する。補助点は、計測対象物10に欠損部があり計測対象物10に点を指定することができない場合に、計測対象物10以外の水平方向又は垂直方向にある位置(手掛かりとなりそうな水平方向又は垂直方向の位置)に指定することができる。距離計測システム1は、センサ装置400と、距離計測装置200と、を有する。
【0032】
センサ装置400は、計測対象物10の表面をセンシングして撮影する装置である(図1図2参照)。センサ装置400は、計測対象物10を撮影することによって所定のフォーマットの撮影データ100を生成し、生成された撮影データ100を距離計測装置200に向けて出力する。センサ装置400は、例えば、ToF(Time of Flight)カメラ、ステレオカメラ、3D-LIDAR(Laser Imaging Detection And Ranging)、デプスセンサ、測距センサ、距離カメラなどの3次元センサを用いることができる。センサ装置400は、作業員によって操作することができる。ここで、撮影データ100は、センサ装置400によって所定のフォーマットで生成されたデータであり、点群(多数の点の3次元座標)で描画された点群データである。センサ装置400は、顧客の要望に応じて様々な出力形式のセンサ装置に変更することが可能である。
【0033】
距離計測装置200は、撮影データ100において指定又は推定された2点間(図5では始点Aと終点Bとの間)の距離を計測する装置である(図1図3参照)。距離計測装置200には、コンピュータを構成する機能部(例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び表示装置)を有する装置(コンピュータ装置)を用いることができ、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット端末などを用いることができる。距離計測装置200は、所定のプログラムを実行することによって、前処理部210と、距離計測部220と、計測結果出力部230と、ユーザインタフェイス部240と、計測支援部250と、を実現する(図3参照)。
【0034】
前処理部210は、撮影データ100に対して所定の前処理を行う機能部である(図3参照)。所定の前処理として、例えば、フォーマット共通化処理、ノイズ除去処理、複数データ合成処理、成形処理などが挙げられる。前処理部210は、フォーマット変換部211と、ノイズ除去部212と、を有する。
【0035】
フォーマット変換部211は、様々な出力形式のフォーマットの撮影データ100を、距離計測装置200において共通に使える共通フォーマットの撮影データ100に変換する機能部である(図3参照)。フォーマット変換部211は、共通フォーマットの撮影データ100を、ノイズ除去部212に向けて出力する。
【0036】
ノイズ除去部212は、撮影データ100における点群の中からノイズ(距離計測に不要な点群)を除去する機能部である(図3参照)。ノイズ除去部212は、ノイズが除去された撮影データ100を表示部241に向けて出力する。ノイズ除去方法として、例えば、平滑化処理、フィルタリング(例えば、移動平均フィルタ処理、メディアンフィルタ処理など)、外れ値除去処理などが挙げられる。
【0037】
距離計測部220は、指定又は推定された始点及び終点に基づいて2点間の距離を計測する機能部である(図3参照)。距離計測部220は、始点記憶部221と、終点記憶部222と、距離算出部223と、を有する。
【0038】
始点記憶部221は、ユーザの操作部242の操作により撮影データ100の点群の中からユーザが指定した始点の座標に係るデータを記憶する機能部である(図3参照)。始点記憶部221は、記憶された始点の座標に係るデータを距離算出部223及び終点推定部252に向けて出力することができる。
【0039】
終点記憶部222は、ユーザの操作部242の操作により撮影データ100の点群の中からユーザが指定した終点、又は、終点推定部252で推定された終点、の座標に係るデータを記憶する機能部である(図3参照)。終点記憶部222は、記憶された終点の座標に係るデータを距離算出部223に向けて出力することができる。
【0040】
距離算出部223は、2点間の距離を算出する機能部である(図3参照)。距離算出部223は、始点記憶部221及び終点記憶部222に記憶された始点及び終点の各座標に係るデータに基づいて、始点と終点との間(2点間)の距離を算出する。距離算出部223は、算出された距離に係るデータ、及び、始点及び終点の各座標に係るデータ、を計測結果生成部231に向けて出力する。
【0041】
計測結果出力部230は、距離算出部223で算出された距離を含む計測結果を出力する機能部である(図3参照)。計測結果出力部230は、計測結果生成部231と、計測結果記憶部232と、を有する。
【0042】
計測結果生成部231は、距離算出部223で算出された距離を含む計測結果300を生成する機能部である(図3参照)。計測結果300には、距離算出部223で算出された距離の他、始点及び終点の各座標に係るデータを含めることができる。計測結果生成部231は、生成された計測結果300を表示部241及び計測結果記憶部232に向けて出力する。
【0043】
計測結果記憶部232は、計測結果を記憶する機能部である(図3参照)。計測結果記憶部232は、計測結果生成部231で生成された計測結果を記憶する。計測結果記憶部232は、計測結果生成部231で生成された計測結果の他、例えば、表示部241で表示された計測結果の画面をユーザの操作部242の操作によってキャプチャした画像データを、計測結果として記憶してもよい。計測結果記憶部232は、記憶された計測結果を外部に向けて出力することができる。
【0044】
ユーザインタフェイス部240は、ユーザと距離計測装置200との間の情報のやりとりを行う機能部である(図3参照)。ユーザインタフェイス部240は、表示部241と、操作部242と、を有する。
【0045】
表示部241は、情報(データ、画像などを含む)を表示する機能部である(図3参照)。表示部241は、3次元センサで撮影したデータを表示する機能である。表示部241は、ノイズ除去部212からの撮影データ100(映像)を表示する。表示部241は、計測結果生成部231からの計測結果を表示する。表示部241は、表示されている情報を操作部242に向けて出力することができる。
【0046】
操作部242は、ユーザの操作を受ける機能部である(図3参照)。ユーザは、操作部242を操作(例えば、マウスのクリック操作、タッチパネルのタップ操作など)することにより、表示部241に表示されている撮影データ100において計測対象物10の点群に欠損(オクルージョン)があるか否かを選択する。
【0047】
計測対象物10の点群に欠損なし(オクルージョンなし)を選択した場合には、ユーザは、操作部242を操作することにより、表示部241に表示されている撮影データ100に対して計測対象物(例えば、図5の10)の始点(例えば、図5の始点A)、及び、終点(例えば、図5の終点B)を指定する。この場合、操作部242は、ユーザによって指定された始点の座標に係るデータを始点記憶部221に向けて出力し、ユーザによって指定された終点の座標に係るデータを終点記憶部222に向けて出力する。なお、オクルージョンなしの始点及び終点の指定は始点及び終点のどちらも明確なので、先に始点を指定して後に終点を指定するだけでなく、先に終点を指定して後に始点を指定するようにしてもよい。
【0048】
計測対象物10の点群に欠損あり(オクルージョンあり)を選択した場合には、ユーザは、操作部242を操作することにより、表示部241に表示されている撮影データ100に対して計測対象物(例えば、図6の10)の始点(例えば、図6の始点A)、及び、補助点(例えば、図6の補助点A’)を指定する。この場合、操作部242は、ユーザによって指定された始点の座標に係るデータを始点記憶部221に向けて出力し、ユーザによって指定された補助点の座標に係るデータを補助点記憶部251に向けて出力する。
【0049】
計測支援部250は、オクルージョンなどによって撮影データ100において計測対象物10の点群が欠損している場合に計測支援を行う機能部である(図3参照)。計測支援部250は、補助点記憶部251と、終点推定部252と、を有する。
【0050】
補助点記憶部251は、ユーザの操作部242の操作により撮影データ100の点群の中からユーザが指定した補助点の座標に係るデータを記憶する機能部である(図3参照)。補助点記憶部251は、記憶された補助点の座標に係るデータを終点推定部252に向けて出力することができる。
【0051】
終点推定部252は、始点及び補助点の各座標に基づいて終点の座標を推定する機能部である。終点推定部252は、始点記憶部221から始点の座標に係るデータを取得し、補助点記憶部251から補助点の座標に係るデータを取得し、取得した始点及び補助点の各座標に係るデータに基づいて終点の座標を推定する。終点推定部252は、推定された終点の座標に係るデータを終点記憶部222に向けて出力する。終点の推定方法として、例えば、終点が始点のX軸座標及びZ軸座標と同じであり、かつ、終点が補助点のY軸座標と同じである場合、終点の座標を始点のX軸座標、補助点のY軸座標、始点のZ軸座標と推定することができる。
【0052】
実施形態1に係る距離計測システムにおける距離計測装置の動作について図面を用いて説明する。図4は、実施形態1に係る距離計測システムにおける距離計測装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。図5は、実施形態1に係る距離計測システムにおける距離計測装置で取得した撮影データにオクルージョンがない場合の距離の計測を模式的に示したイメージ図である。図6は、実施形態1に係る距離計測システムにおける距離計測装置で取得した撮影データにオクルージョンがある場合の距離の計測を模式的に示したイメージ図である。なお、距離計測システムの構成部については、図1図3を参照されたい。
【0053】
まず、距離計測装置200の前処理部210のフォーマット変換部211は、センサ装置400で撮影された撮影データ100を取得する(ステップA1)。
【0054】
次に、距離計測装置200の前処理部210のフォーマット変換部211は、取得した撮影データ100のフォーマットを、距離計測装置200において共通に使える共通フォーマットに変換する(ステップA2)。
【0055】
次に、距離計測装置200の前処理部210のノイズ除去部212は、フォーマット変換部211で共通フォーマットに変換された撮影データ100における点群の中からノイズを除去する(ステップA3)。
【0056】
次に、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、ノイズ除去部212でノイズが除去された撮影データ100を表示部241で表示し、ユーザの操作部242の操作により、表示部241に表示されている撮影データ100においてオクルージョン(計測対象物10の点群に欠損)の有無を取得する(ステップA4)。
【0057】
次に、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、取得したオクルージョンの有無についてオクルージョンありであるか否かを判断する(ステップA5)。オクルージョンなしの場合(ステップA5のNO)、ステップA6に進む。オクルージョンありの場合(ステップA5のYES)、ステップB1に進む。
【0058】
オクルージョンなしの場合(ステップA5のNO)、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、計測対象物(例えば、図5の10)の始点(例えば、図5の始点A)の座標に係るデータを取得し、取得した始点の座標に係るデータを始点記憶部221に記憶させる(ステップA6)。
【0059】
次に、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、計測対象物(例えば、図5の10)の終点(例えば、図5の終点B)の座標に係るデータを取得し、取得した終点の座標に係るデータを終点記憶部222に記憶させる(ステップA7)。
【0060】
次に、距離計測装置200の距離計測部220の距離算出部223は、始点記憶部221及び終点記憶部222に記憶された始点及び終点の各座標に係るデータに基づいて、始点と終点との間(2点間:例えば、図5の線分AB)の距離を算出する(ステップA8)。ステップA8の後、ステップA9に進む。
【0061】
ここで、ステップA8の距離の算出では、例えば、図5のように、始点Aの座標を(A、A、A)、終点Bの座標を(B、B、B)としたとき、線分ABの長さRは以下の数式1で算出することができる。
【0062】
[数式1]
【0063】
オクルージョンありの場合(ステップA5のYES)、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、計測対象物(例えば、図6の10)の始点(例えば、図6の始点A)の座標に係るデータを取得し、取得した始点の座標に係るデータを始点記憶部221に記憶させる(ステップB1)。
【0064】
次に、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、補助点(例えば、図6の補助点A’)の座標に係るデータを取得し、取得した補助点の座標に係るデータを補助点記憶部251に記憶させる(ステップB2)。
【0065】
ここで、ステップB2の補助点の指定について、例えば、図6のように、計測対象物10である電柱の接地部分が、障害物20である植栽によって隠れていて、電柱の点群が欠損している場合は、電柱の接地点(終点B)を推定する手掛かりとなる、電柱の接地点と同一水平線上にある補助点A’を指定する。
【0066】
次に、距離計測装置200の計測支援部250の終点推定部252は、始点記憶部221から始点の座標に係るデータを取得し、補助点記憶部251から補助点の座標に係るデータを取得し、取得した始点及び補助点の各座標に係るデータに基づいて終点(例えば、図6の終点B)の座標を推定し、推定された終点の座標に係るデータを終点記憶部222に記憶させる(ステップB3)。
【0067】
ここで、ステップB3の終点Bの推定方法として、例えば、図6のように、始点Aの座標を(A、A、A)、補助点A´の座標を(A’、A’、A’)としたとき、終点Bが始点Aを通りかつ垂直な第1線L1上にあり(X軸座標A及びZ軸座標Aと同じであり)、かつ、終点Bが補助点A’を通りかつ前記第1線L1と直交する第2線L2上にある(Y軸座標A’と同じである)場合、終点Bの座標を(A、A’、A)と推定することができる。
【0068】
次に、距離計測装置200の距離計測部220の距離算出部223は、始点記憶部221及び終点記憶部222に記憶された始点及び終点の各座標に係るデータに基づいて、始点と終点との間(2点間:例えば、図6の線分AB)の距離を算出する(ステップB4)。ステップB4の後、ステップA9に進む。
【0069】
ここで、ステップB4の距離の算出では、例えば、図6のように、始点Aの座標を(A、A、A)、補助点A´の座標を(A’、A’、A’)とし、終点Bの座標が(A、A’、A)と推定されたとき、線分ABの長さRは、以下の数式2で算出することができる。
【0070】
[数式2]

【0071】
ステップA8又はステップB4の後、距離計測装置200の計測結果出力部230の計測結果生成部231は、距離算出部223で算出された距離を含む計測結果300を生成し、生成された計測結果300を計測結果記憶部232に記憶させる(ステップA9)。
【0072】
最後に、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240の表示部241は、計測結果生成部231で生成された計測結果300を表示し(ステップA10)、その後、終了する。
【0073】
以上のような実施形態1に係る距離計測システム1は、電力業界における離隔距離の計測、建設業界における建設現場や資材の計測、林業分野における樹木の距離計測、物流業界における配送物の寸法の計測、スマートファクトリ分野における工場内の空き空間の距離計測等に利用することができる。
【0074】
実施形態1によれば、以下のような効果を奏する。
【0075】
第1の効果は、計測対象物10の始点と補助点の指定によって、見えない部分の計測対象物10の終点を推定することができるので、計測対象物10の一部が見えない状況でも距離の計測を行うことができる。
【0076】
第2の効果として、センサ装置400と距離計測装置200(コンピュータ装置)のみで距離の計測することができるので、ユーザは専用の計測機器などを使用せず、容易に距離の計測を行うことができる。
【0077】
第3の効果は、センサ装置400を使用することで、例えば、高所や暗所などの危険な場所での計測作業において、計測対象物10の元まで行くことなく安全な場所から計測を行うことができる。
【0078】
第4の効果は、距離の計測と同時に、計測された距離の確証の記憶を行うことができるので、ユーザの負担を軽減することができる。
【0079】
第5の効果は、始点、終点又は補助点を指定するという簡単な操作で距離を計測することができるので、計測作業の効率と品質を向上させることができる。
【0080】
[実施形態2]
実施形態2に係る距離計測システムについて図面を用いて説明する。図7は、実施形態2に係る距離計測システムにおける距離計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0081】
実施形態2は、実施形態1の変形例であり、撮影データにおいてオクルージョンがある場合、始点Aと終点Bの2点間の線分ABが水平方向又は垂直方向に対して傾いている場合にも、2つの補助点(図9のA’、A”)を指定することによって、距離(図9のAB間の距離)を計測できるようにしたものである。
【0082】
実施形態2では、距離計測装置200の計測支援部250は、第1補助点記憶部253と、第2補助点記憶部254と、終点推定部255と、を有する(図7参照)。
【0083】
第1補助点記憶部253は、ユーザの操作部242の操作により撮影データ100の点群の中からユーザが指定した第1補助点(例えば、図9の第1補助点A’)の座標に係るデータを記憶する機能部である(図7参照)。第1補助点記憶部253は、記憶された第1補助点A’の座標に係るデータを終点推定部255に向けて出力することができる。
【0084】
ここで、第1補助点A’は、始点Aからの計測方向を決めるための補助点であり、指定された始点Aと、予想される終点Bとの線分の間のうち、撮影データ100において計測対象物10が表れている部分に指定される。
【0085】
第2補助点記憶部254は、ユーザの操作部242の操作により撮影データ100の点群の中からユーザが指定した第2補助点(例えば、図9の第2補助点A”)の座標に係るデータを記憶する機能部である(図7参照)。第2補助点記憶部254は、記憶された第2補助点A”の座標に係るデータを終点推定部255に向けて出力することができる。
【0086】
ここで、第2補助点A”は、予想される終点Bと同一平面(図9では水平面)を決めるための補助点であり、撮影データ100における計測対象物10以外の部分のうち、予想される終点Bと同一平面上にある部分に指定される。
【0087】
終点推定部255は、始点、第1補助点、及び第2補助点の各座標に基づいて終点の座標を推定する機能部である。終点推定部255は、始点記憶部221から始点Aの座標に係るデータを取得し、第1補助点記憶部253から第1補助点A’の座標に係るデータを取得し、第2補助点記憶部254から第2補助点A”の座標に係るデータを取得し、取得した始点A、第1補助点A’、及び第2補助点A”の各座標に係るデータに基づいて終点Bの座標を推定する。終点推定部255は、推定された終点Bの座標に係るデータを終点記憶部222に向けて出力する。
【0088】
終点Bの推定方法として、例えば、図9のように、始点Aと第1補助点A’との間の線分の延長線と、第2補助点A”を通る水平線(別の場合では垂線でも可)と、の交点を終点Bと推定することができる。
【0089】
実施形態2のその他の構成は、実施形態1と同様である。
【0090】
実施形態2に係る距離計測システムにおける距離計測装置の動作について図面を用いて説明する。図8は、実施形態2に係る距離計測システムにおける距離計測装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。図9は、実施形態2に係る距離計測システムにおける距離計測装置で取得した撮影データにオクルージョン部がある場合の距離の計測を模式的に示したイメージ図である。なお、距離計測装置の構成部については、図7を参照されたい。
【0091】
図8におけるステップA1~A10は、実施形態1の図4のステップA1~A10と同様である。
【0092】
オクルージョンありの場合(ステップA5のYES)、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、計測対象物(例えば、図9の10)の始点(例えば、図9の始点A)の座標に係るデータを取得し、取得した始点Aの座標に係るデータを始点記憶部221に記憶させる(ステップC1)。
【0093】
次に、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、第1補助点(例えば、図9の第1補助点A’)の座標に係るデータを取得し、取得した第1補助点A’の座標に係るデータを第1補助点記憶部253に記憶させる(ステップC2)。
【0094】
次に、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、第2補助点(例えば、図9の第2補助点A”)の座標に係るデータを取得し、取得した第2補助点A”の座標に係るデータを第2補助点記憶部254に記憶させる(ステップC3)。
【0095】
次に、距離計測装置200の計測支援部250の終点推定部255は、始点記憶部221から始点Aの座標に係るデータを取得し、第1補助点記憶部253から第1補助点A’の座標に係るデータを取得し、第2補助点記憶部254から第2補助点A”の座標に係るデータを取得し、取得した始点A、第1補助点A’、及び第2補助点A”の各座標に係るデータに基づいて終点(例えば、図9の終点B)の座標を推定し、推定された終点Bの座標に係るデータを終点記憶部222に記憶させる(ステップC4)。
【0096】
次に、距離計測装置200の距離計測部220の距離算出部223は、始点記憶部221及び終点記憶部222に記憶された始点A及び終点Bの各座標に係るデータに基づいて、始点と終点との間(2点間:例えば、図9の線分AB)の距離を算出する(ステップC5)。ステップC5の後、ステップA9に進む。
【0097】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、計測対象物10の一部が障害物20で隠れていても距離の計測を容易化することができ、始点Aと終点Bの2点間の線分が水平方向又は垂直方向に対して傾いている場合にも、始点A、第1補助点A’及び第2補助点A”を指定することによって、距離の計測を容易に行うことができる。
【0098】
[実施形態3]
実施形態3に係る距離計測システムについて図面を用いて説明する。図10は、実施形態3に係る距離計測システムにおける距離計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0099】
実施形態3は、実施形態2の変形例であり、撮影データにおいてオクルージョンがある場合、始点と終点の2点間の線分が水平方向又は垂直方向に対して傾いている場合にも、1つの補助点(図12のA’)、及び、オクルージョンが発生し得ている領域を削除した削除部(図12の30)を指定することによって、距離(図12のAB間の距離)を計測できるようにしたものである。
【0100】
実施形態3では、距離計測装置200の計測支援部250は、補助点記憶部256と、削除部記憶部257と、終点推定部258と、を有する(図10参照)。
【0101】
補助点記憶部256は、ユーザの操作部242の操作により撮影データ100の点群の中からユーザが指定した補助点(例えば、図12の補助点A’)の座標に係るデータを記憶する機能部である(図10参照)。補助点記憶部256は、記憶された補助点A’の座標に係るデータを終点推定部258に向けて出力することができる。
【0102】
ここで、補助点A’は、始点Aからの計測方向を決めるための補助点であり、指定された始点Aと、予想される終点Bとの線分の間のうち、撮影データ100において計測対象物10が表れている部分に指定される。
【0103】
削除部記憶部257は、ユーザの操作部242の操作により撮影データ100の点群の中からユーザが指定した削除部(例えば、図12の削除部30)に係るデータを記憶する機能部である(図10参照)。削除部記憶部257は、記憶された削除部30に係るデータを終点推定部258に向けて出力することができる。
【0104】
ここで、削除部30は、予想される終点Bと同一水平面(垂直面でも可)を決めるための矩形状の領域であり、撮影データ100においてオクルージョンが発生している部分(障害物20がある部分)を含み、かつ、予想される終点Bと前記矩形状の底辺(他の辺でも可)が同一水平面(垂直面でも可)上にあるように指定される。
【0105】
終点推定部258は、始点及び補助点の各座標、並びに削除部30に基づいて終点の座標を推定する機能部である。終点推定部258は、始点記憶部221から始点Aの座標に係るデータを取得し、補助点記憶部256から補助点A’の座標に係るデータを取得し、削除部記憶部257から削除部30に係るデータを取得し、取得した始点A及び補助点A’の各座標、削除部30に係るデータに基づいて終点Bの座標を推定する。終点推定部258は、推定された終点Bの座標に係るデータを終点記憶部222に向けて出力する。
【0106】
終点Bの推定方法として、例えば、図12のように、始点Aと補助点A’との間の線分の延長線と、矩形状の削除部30の底辺を含む水平面と、の交点を終点Bと推定することができる。
【0107】
実施形態3のその他の構成は、実施形態2と同様である。
【0108】
実施形態3に係る距離計測システムにおける距離計測装置の動作について図面を用いて説明する。図11は、実施形態3に係る距離計測システムにおける距離計測装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。図12は、実施形態3に係る距離計測システムにおける距離計測装置で取得した撮影データにオクルージョン部がある場合の距離の計測を模式的に示したイメージ図である。なお、距離計測装置の構成部については、図10を参照されたい。
【0109】
図11におけるステップA1~A10は、実施形態1の図4のステップA1~A10と同様である。
【0110】
オクルージョンありの場合(ステップA5のYES)、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、計測対象物(例えば、図12の10)の始点(例えば、図12の始点A)の座標に係るデータを取得し、取得した始点Aの座標に係るデータを始点記憶部221に記憶させる(ステップD1)。
【0111】
次に、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、補助点(例えば、図12の第1補助点A’)の座標に係るデータを取得し、取得した補助点A’の座標に係るデータを補助点記憶部256に記憶させる(ステップD2)。
【0112】
次に、距離計測装置200のユーザインタフェイス部240は、表示部241に表示されている撮影データ100に対して、ユーザの操作部242の操作により指定された、削除部(例えば、図12の削除部30)に係るデータを取得し、取得した削除部30に係るデータを削除部記憶部257に記憶させる(ステップD3)。
【0113】
次に、距離計測装置200の計測支援部250の終点推定部258は、始点記憶部221から始点Aの座標に係るデータを取得し、補助点記憶部256から補助点A’の座標に係るデータを取得し、削除部記憶部257から削除部30に係るデータを取得し、取得した始点A及び補助点A’の各座標、並びに削除部30に係るデータに基づいて終点(例えば、図12の終点B)の座標を推定し、推定された終点Bの座標に係るデータを終点記憶部222に記憶させる(ステップD4)。
【0114】
次に、距離計測装置200の距離計測部220の距離算出部223は、始点記憶部221及び終点記憶部222に記憶された始点A及び終点Bの各座標に係るデータに基づいて、始点Aと終点Bとの間(2点間:例えば、図12の線分AB)の距離を算出する(ステップD5)。ステップD5の後、ステップA9に進む。
【0115】
実施形態3によれば、実施形態2と同様に、計測対象物10の一部が障害物20で隠れていても距離の計測を容易化することができ、始点Aと終点Bの2点間の線分が水平方向又は垂直方向に対して傾いている場合にも、始点A、補助点A’及び削除部30を指定することによって、距離の計測を容易に行うことができる。
【0116】
[実施形態4]
実施形態4に係る距離計測システムについて図面を用いて説明する。図13は、実施形態4に係る距離計測システムの使用方法を模式的に示したブロック図である。
【0117】
実施形態4は、実施形態1の変形例であり、距離計測システム1のセンサ装置400及び距離計測装置200を自動車500に搭載したものである。自動車500が計測箇所を巡回しているときに、センサ装置400で撮影した動画データを距離計測装置200(センサ装置400でも可)に記憶し、後で、距離計測装置200は、動画データから静止画データに変換した撮影データ100を生成し、生成された撮影データ100に基づいて距離の計測を行う。その他の構成及び動作は実施形態1と同様である。また、実施形態4は、実施形態2、3を適用することも可能である。
【0118】
実施形態4によれば、実施形態1と同様に、計測対象物10の一部が障害物20で隠れていても距離の計測を容易化することができ、距離計測システム1が自動車500に設置されているので、距離計測システム1の設置を省略することができ、動画データの中から最適な静止画を選択して距離の計測を行うことができる。
【0119】
[実施形態5]
実施形態5に係る距離計測システムについて図面を用いて説明する。図14は、実施形態5に係る距離計測システムの使用態様を模式的に示したブロック図である。
【0120】
実施形態5は、実施形態1の変形例であり、距離計測システム1において、GPS(Global Positioning System)装置600を追加したものである。距離計測装置200は、センサ装置400で撮影した撮影データ100に、GPS装置600で測位された測位データを関連付ける。距離計測装置200は、測位データ付きの撮影データ100に基づいて距離の計測を行うとともに、測位データに基づいて計測場所を特定する。なお、GPS装置600は、距離計測装置200及びセンサ装置400の外付けに限らず、距離計測装置200又はセンサ装置400に内蔵されていてもよい。その他の構成及び動作は実施形態1と同様である。また、実施形態5は、実施形態2~4を適用することも可能である。
【0121】
実施形態5によれば、実施形態1と同様に、計測対象物10の一部が障害物20で隠れていても距離の計測を容易化することができ、GPS装置600の測位データに基づいて計測場所を特定することができる。
【0122】
[実施形態6]
実施形態6に係る距離計測システムについて図面を用いて説明する。図15は、実施形態6に係る距離計測システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0123】
実施形態6は、実施形態1の変形例であり、距離計測システム1において、別々の角度から計測対象物10を撮影するように複数のセンサ装置400A、400Bを設置したものである。センサ装置400A、400Bで撮影された各撮影データ100を距離計測装置200に向けて出力し、距離計測装置200は、複数の撮影データ100を合成して距離を計測する。なお、センサ装置400A、400Bは、互いに同一の出力形式に限るものではなく、互いに異なる出力形式であってもよい。互いに異なる出力形式のセンサ装置400A、400Bの場合、距離計測装置200は、フォーマットを共通化するように変換して複数の撮影データ100を合成し、合成された撮影データに基づいて距離の測定を行うことができる。また、センサ装置400A、400Bは、2D-LIDARのような2次元センサとすることができる。その場合、距離計測装置200は、センサ装置400A、400Bで撮影した各2次元センサデータを取得し、各2次元センサデータを合成して疑似的に3次元センサの点群データを生成し、生成された点群データに基づいて距離の計測を行うことができる。さらに、センサ装置400A、400Bは2つに限るものではなく、3つ以上あってもよい。その他の構成及び動作は実施形態1と同様である。また、実施形態6は、実施形態2~5を適用することも可能である。
【0124】
実施形態6によれば、実施形態1と同様に、計測対象物10の一部が障害物20で隠れていても距離の計測を容易化することができ、複数の撮影データ100を利用することによりさらに精度よく距離の計測を行うことができる。
【0125】
[実施形態7]
実施形態7に係る距離計測システムについて図面を用いて説明する。図16は、実施形態7に係る距離計測システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0126】
距離計測システム1は、センサ装置400と、距離計測装置200と、を有する。
【0127】
センサ装置400は、計測対象物を撮影し、点群で描画された撮影データを生成する。
【0128】
距離計測装置200は、点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、撮影データにおける計測対象物上の位置に指定された始点と、撮影データにおける始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて計測対象物の終点を推定する処理を行う。距離計測装置200は、前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出する処理を行う。
【0129】
実施形態7によれば、計測対象物の一部が障害物で隠れてオクルージョンがあっても距離の計測を容易化することができ、少なくとも始点及び補助点を指定することによって、距離の計測を容易に行うことができる。
【0130】
なお、実施形態1~7に係る距離計測装置は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、図17に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源1000は、内部バス1004により相互に接続される、プロセッサ1001、メモリ1002、ネットワークインタフェイス1003等を備える。
【0131】
なお、図17に示す構成は、ハードウェア資源1000のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源1000は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ1001等のユニットの数も図17の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ1001がハードウェア資源1000に含まれていてもよい。プロセッサ1001には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0132】
メモリ1002には、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0133】
ネットワークインタフェイス1003には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0134】
ハードウェア資源1000の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ1002に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0135】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0136】
[付記1]
点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定する処理と、
前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出する処理と、
を行う、
距離計測装置。
【0137】
[付記2]
前記補助点は、前記撮影データにおける前記計測対象物以外の位置に指定された点であり、
前記終点を推定する処理では、前記始点を通りかつ水平又は垂直な第1線と、前記補助点を通りかつ前記第1線と直交する第2線と、の交点を前記計測対象物の前記終点として推定する、
付記1記載の距離計測装置。
【0138】
[付記3]
前記補助点は、前記撮影データにおける前記計測対象物上かつ前記始点と異なる位置に指定された第1補助点、及び、前記撮影データにおける前記計測対象物以外の位置に指定された第2補助点であり、
前記終点を推定する処理では、前記始点と前記第1補助点を通る線分の延長線と、前記第2補助点を通る水平線又は垂線との交点を前記計測対象物の前記終点として推定する、
付記1記載の距離計測装置。
【0139】
[付記4]
前記補助点は、前記撮影データにおける前記計測対象物上かつ前記始点と異なる位置に指定された点であり、
前記終点を推定する処理では、前記始点と前記補助点の間の線分の延長線と、前記オクルージョンが発生している部分を含むように指定された矩形状の削除部の所定の辺を含む水平面又は垂直面との交点を前記計測対象物の前記終点として推定する、
付記1記載の距離計測装置。
【0140】
[付記5]
前記終点を推定する処理の前に前記撮影データおける点群の中からノイズを除去する処理を行う、
付記1乃至4のいずれか一に記載の距離計測装置。
【0141】
[付記6]
前記ノイズを除去する処理の前に前記撮影データのフォーマットを、前記距離計測装置で使用できる共通のフォーマットに変換する処理を行う、
付記5記載の距離計測装置。
【0142】
[付記7]
推定された前記終点を含む計測結果を記憶する処理を行う、
付記1乃至6のいずれか一に記載の距離計測装置。
【0143】
[付記8]
計測対象物を撮影し、点群で描画された撮影データを生成するセンサ装置と、
付記1乃至7のいずれか一に記載の距離計測装置と、
を備える、
距離計測システム。
【0144】
[付記9]
前記センサ装置及び前記距離計測装置を搭載した自動車をさらに備え、
前記センサ装置は、動画データを撮影し、
前記距離計測装置は、前記終点を推定する処理の前に前記動画データから静止画データに変換した撮影データを生成する処理を行う、
付記8記載の距離計測システム。
【0145】
[付記10]
前記距離計測システムの位置を測位するGPS装置をさらに備え、
前記距離計測装置は、前記撮影データに、前記GPS装置で測位された測位データを関連付ける処理を行う、
付記8又は9記載の距離計測システム。
【0146】
[付記11]
前記センサ装置は、別々の角度から前記計測対象物を撮影するように配置された複数のセンサ装置であり、
前記距離計測装置は、前記終点を推定する処理の前に前記複数のセンサ装置からの各撮影データを合成する処理を行う、
付記8記載の距離計測システム。
【0147】
[付記12]
前記複数のセンサ装置は、互いに異なる出力形式のセンサ装置であり、
前記距離計測装置は、前記複数のセンサ装置からの各撮影データを合成する処理の前に前記距離計測装置で使用できる共通のフォーマットに変換する処理を行う、
付記11記載の距離計測システム。
【0148】
[付記13]
点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定するステップと、
前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出するステップと、
を含む、
距離計測方法。
【0149】
[付記14]
点群で描画された撮影データにおいて計測対象物にオクルージョンがあるときに、少なくとも、前記撮影データにおける前記計測対象物上の位置に指定された始点と、前記撮影データにおける前記始点と異なる位置に指定された補助点と、に基づいて前記計測対象物の終点を推定する処理と、
前記始点と前記終点との間の線分の距離を算出する処理と、
をハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【0150】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0151】
1 距離計測システム
10 計測対象物
20 障害物
30 削除部
100 撮影データ
200 距離計測装置
210 前処理部
211 フォーマット変換部
212 ノイズ除去部
220 距離計測部
221 始点記憶部
222 終点記憶部
223 距離算出部
230 計測結果出力部
231 計測結果生成部
232 計測結果記憶部
240 ユーザインタフェイス部
241 表示部
242 操作部
250 計測支援部
251、256 補助点記憶部
252、255、258 終点推定部
253 第1補助点記憶部
254 第2補助点記憶部
257 削除部記憶部
300 計測結果
400、400A、400B センサ装置
500 自動車
600 GPS装置
1000 ハードウェア資源
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ネットワークインタフェイス
1004 内部バス
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