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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】雨量計/測候ステーション
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/14 20060101AFI20230328BHJP
【FI】
G01W1/14 C
【請求項の数】 41
(21)【出願番号】P 2020544072
(86)(22)【出願日】2018-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 AU2018051205
(87)【国際公開番号】W WO2019090391
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】2017904534
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2018900611
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】520160956
【氏名又は名称】ルビコン リサーチ ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】RUBICON RESEARCH PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】オートン, デイヴィッド, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】デラコン, ジョエル, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ディットロフ, ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】シラグサノ, マリオ, ジョセフ
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101776775(CN,A)
【文献】特開2006-214805(JP,A)
【文献】特開2007-146638(JP,A)
【文献】特開昭60-017378(JP,A)
【文献】特開2006-258577(JP,A)
【文献】特開2015-036488(JP,A)
【文献】特表2005-504298(JP,A)
【文献】国際公開第2017/160239(WO,A1)
【文献】実開平04-106789(JP,U)
【文献】特開2010-237038(JP,A)
【文献】特開平08-166467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01W 1/00 - 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
降雨を測定する雨量計であって、前記雨量計は、前記雨量計が組み込まれるコンピュータシステムにおいて実行されるソフトウェアによって制御可能であり、
測定チャンバであり、前記測定チャンバの頂部設けられた入口ポート及び前記測定チャンバの底部設けられた排出ポートを有、前記排出ポートが、ボールバルブにより閉鎖され、前記ボールバルブは、ソレノイドアクチュエータがそのプランジャを後退させるように作動するときに開放されて、前記測定チャンバに収集された水を放出するように前記ソフトウェアによって制御可能である、測定チャンバと、
降雨を受け止めるように構成された漏斗又は収集器であり、前記入口ポートへと開いた漏斗又は収集器と、
前記測定チャンバに対して音響信号を送受信する超音波トランスデューサであり、前記測定チャンバの水位を決定するように前記ソフトウェアによって制御可能である超音波トランスデューサと
を含み、
前記超音波トランスデューサが、該超音波トランスデューサと前記ボールバルブの表面との間の距離に基づいて当該雨量計を校正することができるように前記ソフトウェアによって制御可能である、雨量計。
【請求項2】
前記測定チャンバに入る水の乱流を抑えるよう、前記測定チャンバへと滑らかに湾曲した進入路をさらに含む、請求項1に記載の雨量計。
【請求項3】
前記測定チャンバが、前記排出ポートで閉鎖位置の前記ボールバルブと接触することにより流体を密封するОリングの形態の封止リングを含む、請求項1又は2に記載の雨量計。
【請求項4】
前記封止リングが、前記排出ポート内に配置され、前記ボールバルブが、前記封止リング及び前記排出ポートに隣接している、請求項3に記載の雨量計。
【請求項5】
前記ボールバルブが、前記ソレノイドアクチュエータにより開閉される、請求項1~4のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項6】
前記ソレノイドアクチュエータが、前記バルブと協働して前記バルブの開閉を可能にする傾斜部材をさらに含む、請求項5に記載の雨量計。
【請求項7】
前記ボールバルブの閉鎖時に物質の進入を防止するよう、前記排出ポートの底部に設けられた円錐キャップの排出孔を覆うフロートボールの形態のフロートバルブをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項8】
前記測定チャンバの過剰充填を防止するよう、前記測定チャンバに水溢流ドレインをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項9】
前記入口ポートへの水の流れが、前記超音波トランスデューサの動作と干渉しない、請求項1~8のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項10】
前記超音波トランスデューサが、前記入口ポートの上方に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項11】
前記漏斗又は収集器を前記入口ポートに連結する分岐管をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項12】
前記分岐管が、前記入口ポートへの水の層流進入を可能にする、請求項11に記載の雨量計。
【請求項13】
前記漏斗又は収集器が、当該雨量計への汚染物質の進入を抑えるよう、その開放端に第1のフィルタを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項14】
前記第1のフィルタが、前記漏斗又は収集器に入る雨の正しい体積に影響を及ぼす風を抑えるとともに、鳥等の生物が前記漏斗又は収集器を覆うリスクを抑えるよう、鋭い縁部の穿孔金属グリッドを含む、請求項13に記載の雨量計。
【請求項15】
前記第1のフィルタよりも微細な第2のフィルタが前記漏斗又は収集器内に配置されている、請求項13又は14に記載の雨量計。
【請求項16】
前記測定チャンバが、管状であり、一定の断面積を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項17】
前記測定チャンバが、ハウジングに組み込まれ、前記ハウジングが、その頂部にソレノイドアクチュエータを含み、前記ソレノイドアクチュエータが、前記ハウジング内に摺動可能に配置されたプッシュロッドに動きを与え、前記プッシュロッドが、ロッカーアームと協働して前記ボールバルブに係合する、請求項1~4、7~16のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項18】
前記ハウジングが、前記ボールバルブの側方移動を制限するよう、前記排出ポート内に複数の羽根を含む、請求項17に記載の雨量計。
【請求項19】
前記校正が、温度と湿度の効果を考慮しており、前記校正が、前記測定チャンバが空で、降雨が予測も検出もされていないと前記ソフトウェアによって判断された場合に、前記校正が生ずるように前記ソフトウェアによって制御可能である、請求項1~18のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項20】
前記漏斗又は収集器の上方及び周囲に配置され、風速及び風向の計算を可能にする音響風速計を構成する複数の超音波トランスデューサをさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項21】
前記測定チャンバ内に配置され、一端が前記ボールバルブと隣り合い、他端が前記超音波トランスデューサに固定されて、前記音響信号の内部での送受信を可能にする測定管をさらに含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項22】
前記測定管に少なくとも1つの通気口が配置されて、前記測定チャンバ及び前記測定管の両者との水位の等化を可能にする、請求項21に記載の雨量計。
【請求項23】
前記漏斗又は収集器内及び前記入口ポートの上方に配置され、降雨を前記入口ポートへとガイドするように構成されたキャップ部材をさらに含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項24】
前記キャップ部材が、円錐状ハウジングとして形成され、前記漏斗又は収集器との間に間隙を有し、使用時に、当該キャップ部材の頂部から前記間隙を通じて前記入口ポートへと降雨をガイドする、請求項23に記載の雨量計。
【請求項25】
前記キャップ部材が、前記漏斗又は収集器において複数の垂直脚部により支持されている、請求項23又は24に記載の雨量計。
【請求項26】
前記超音波トランスデューサが、前記測定チャンバの上方で前記キャップ部材に配置されている、請求項23~25のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項27】
前記ボールバルブの開放時に水位の変化を導き出して又は補間して、捕捉降雨の連続的及び累積的測定結果を与えるように前記ソフトウェアによって制御可能である、請求項1~26のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項28】
前記漏斗又は収集器の内側に存在するカップ状部材であり、その側部及び基部の円周方向周りに複数のスロットを有して、内部に進入した雨が前記複数のスロットを通じて前記漏斗又は収集器へと流出し得るようにした、カップ状部材をさらに含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の雨量計。
【請求項29】
前記カップ状部材の基部から突出した中空テーパ状ボスであり、全天日射計の拡散器が突き出る開口部を頂部に有する、中空テーパ状ボスをさらに含む、請求項28に記載の雨量計。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか一項に記載の少なくとも1つ雨量計を含む、コンピュータ制御の灌漑管理システムであって、動作制御及び前記少なくとも1つ雨量計からのデータの収集を提供するようにプログラムされている、コンピュータ制御の灌漑管理システム。
【請求項31】
(a)降雨を連続的に実時間測定すること、
(b)水位が所定の基準レベルに達した場合に前記ボールバルブを開けて、前記測定チャンバを空にすること、
(c)排出によって前記測定チャンバからすべての水が放出されない場合に、前記測定チャンバ内の水位から、水位を測定し続けること、
(d)前記測定チャンバ中の水を排出可能となる降雨の停止を検出すること、
(e)前記ボールバルブまでの既知の距離に対して前記超音波トランスデューサを再校正するとともに、温度及び湿度の変動に対してパラメータを調整すること、
(f)温度測定結果から、前記雨量計での湿度を導き出すこと、
(g)降雨なしで水位が低下する場合に、前記ボールバルブの封止不良を検出すること、
(h)前記測定チャンバが所定の基準レベルを超えて充填された場合に、ボールバルブ動作の障害を検出すること、
(i)溢流中の前記少なくとも1つの雨量計を前記雨量計から隔離すること
という動作のうちの1つ又は複数を含む、請求項30に記載のコンピュータ制御の灌漑管理システム。
【請求項32】
請求項1~29のいずれか一項に記載の雨量計と、電力用のソーラーパネルと、動作解析用のコンピュータ制御のデータロガーと、温度計、風速計、風向計、湿度計、気圧計、雲高計、現在天気センサ及び/若しくは視程センサ、積雪センサ、並びに全天日射計のうちの1つ又は複数とを含む、自動測候ステーション。
【請求項33】
請求項1~29のいずれか一項に記載の雨量計を含む自動測候ステーションであって、前記雨量計が頂部に配置されて降雨を収集するハウジングを含み、前記ハウジングが、スティーブンソン型百葉箱を前記雨量計の前記漏斗又は収集器の垂直壁の下方に有して、内部に含まれる気象測器を雨及び外部源からの直接熱放射に対して保護する一方、周囲での空気の自由循環を可能にする、自動測候ステーション。
【請求項34】
前記ハウジングが、前記スティーブンソン型百葉箱の下方に配置され、風速及び風向の計算を可能にする音響風速計を構成する複数の超音波トランスデューサを含む、請求項33に記載の自動測候ステーション。
【請求項35】
前記雨量計が、請求項28に記載の雨量計であり、
当該自動測候ステーションが、前記雨量計から延びた前記カップ状部材内に配置された全天日射計をさらに含む、請求項33又は34に記載の自動測候ステーション。
【請求項36】
前記全天日射計が、散光器により保護されたUVセンサ又はフォトダイオードを備える、請求項35に記載の自動測候ステーション。
【請求項37】
前記雨量計から突出して、当該測候ステーション上の鳥の就塒を防止する鳥管理スパイクをさらに含む、請求項33~36のいずれか一項に記載の自動測候ステーション。
【請求項38】
前記ハウジングが、円筒状である、請求項33~37のいずれか一項に記載の自動測候ステーション。
【請求項39】
前記ハウジングが、内部の孔を通過するロッドによって一体的に保持された、ルーバーの形態である連動構成要素により形成されている、請求項33~38のいずれか一項に記載の自動測候ステーション。
【請求項40】
前記ロッド及び/又は前記孔のうちの1つ又は複数が、無線通信用のアンテナを内蔵している、請求項39に記載の自動測候ステーション。
【請求項41】
前記ルーバーのうちの1つ又は複数が、無線通信用のアンテナを内蔵している、請求項39又は40に記載の自動測候ステーション。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2017年11月8日に出願された豪州特許仮出願第2017904534号及び2018年2月26日に出願された豪州特許出願第2018900611号に対する優先権を主張するものであり、両明細書のすべての内容を本書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、雨量計に関し、詳細には、独立型の雨量計又はコンピュータ制御の灌漑管理システム若しくは自動測候ステーションに組み込み可能な雨量計に関するが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0003】
20世紀の初め頃に開発された標準的な雨量計は、大型のコンテナに収まる目盛り付きシリンダに取り付けられた漏斗から成る。目盛り付きシリンダから水が溢れ出た場合は、外側のコンテナがこの水を受け止める。測定の実行時には、シリンダが測定された後、過剰分が別のシリンダに入れられて、測定されることになる。ほとんどの場合、シリンダは、mmで表記され、最大25mmの降雨を測定することになる。シリンダ上の各水平線は、0.2mmである。大型のコンテナは、シリンダの頂部近くの小孔から流れる25mm超の如何なる降雨量をも収集する。この種の雨量計の問題点として、手動で検査するとともに、定期的に中身を取り出す必要があることである。これは、コンピュータベースのシステムに組み込むことができず、また、人間による一定の監視に依拠する。
【0004】
降雨の測定を自動化するため、転倒枡型雨量計が開発された。最初の転倒枡型雨量計は、地中に設定された大型の銅製シリンダから成る。シリンダの頂部には、降雨を収集して導く漏斗がある。雨は、スケールと同様に釣り合った2つの小さな枡又はレバーの一方に降る。0.2mmに等しい量の雨が降ると、レバーが転倒して、電気信号がレコーダに送られる。レコーダは、収集器から信号が送られるたびに動くギア付きホイールに取り付けられたアームに搭載されたペンから成る。ホイールが回動すると、ペンアームが上方又は下方に移動して、グラフに軌跡を残すと同時に、大きなクリック音を鳴らす。アームの各ジャンプは、ノイズに関連して「クリック」と称する場合がある。チャートは、10分周期(縦線)及び0.4mm(横線)で測定され、24時間ごとに1回転するが、以前は、手動巻きの必要があるゼンマイ式モータが動力源であった(現在は、電気モータで置き換えられている)。転倒枡型雨量計は、降雨が止まってからレバーが転倒する場合もあるため、標準的な雨量計ほど正確ではない。次の雨が降り始めた場合は、1~2滴以下でレバーが転倒し得る。これにより、実際には微量であるものが、0.2mmの降雨として示されることになる。また、転倒枡は、特に降雪及び大雨の事象において、降雨量を少なく見積もる傾向にある。別の不都合として、これらの機器は通常、藻類等の残留物の進入により、適正に排水されない。転倒枡型雨量計の利点として、雨の性質(小雨、中程度の雨、又は大雨)が容易に得られる。降雨の性質は、設定周期(通例、1時間)に降った雨の総量と、観測者が雨の性質を決定し得る10分周期の「クリック」の計数とによって決まる。高水準の降雨強度量に対してデータを修正する許容方法として、修正アルゴリズムをデータに適用可能である。最新の転倒型雨量計は、枢軸上で釣り合ったプラスチック収集器から成る。これが転倒すると、スイッチ(リードスイッチ等)が作動した後、遠隔収集ステーションに対して電子的に記録又は送信される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、正確で、人間の介入をほとんど必要としない雨量計を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、構成が安価で、コンピュータ制御の灌漑管理システム又は自動測候ステーションに組み込み可能な雨量計を提供することである。
用語について
本書において、「ボールバルブ」とは、閉鎖位置において出口ポートを封止してそこからの流体の漏れを防止し、開放位置において、重力下で前記出口ポートを通る流体の急速な流れを可能にするよう前記出口ポートを自由とする、拘束された可動球形ボールとして解すべきものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的を念頭において、本発明は、降雨を測定する雨量計であって、一端の入口ポート及び他端の排出ポートを有する測定チャンバであり、上記排出ポートが、ボールバルブにより閉鎖され、上記ボールバルブが、所定の事象で開放されて、上記測定チャンバに収集された水を放出するようにプログラム可能である、測定チャンバと、降雨を受け止めるように構成された漏斗又は収集器であり、上記入口ポートへと開いた、漏斗又は収集器と、上記測定チャンバに対して音響信号を送受信する超音波トランスデューサであり、上記測定チャンバの水位を決定するようにプログラム可能な、超音波トランスデューサと、を備え、上記超音波トランスデューサが、該超音波トランスデューサとボールバルブ表面との間の距離に基づいてこの雨量計を校正することができるようにプログラム可能である、雨量計を提供するようにしてもよい。
【0008】
上記測定チャンバに入る水の乱流を抑えるように、上記測定チャンバへと滑らかに湾曲した進入路が設けられているのが好ましい。
【0009】
実用的な一実施形態において、上記測定チャンバは、上記排出ポートで流体を密封する封止リングを具備する。上記封止リングは、上記排出ポート内に配置され、上記ボールバルブは、上記封止リング及び上記排出ポートに隣接しているのが好ましい。
【0010】
上記ボールバルブは、ソレノイドアクチュエータにより開閉されるのが好ましい。ソレノイドアクチュエータは、上記ボールバルブと協働して上記ボールバルブの開閉を可能にする傾斜部材(ramped member)をさらに具備していてもよい。
【0011】
別の実施形態においては、上記ボールバルブの閉鎖時に物質の進入を防止するように、上記排出ポート内にフロートバルブが配置される。また、上記測定チャンバの過剰充填を防止するように、上記漏斗に水溢流ドレインが設けられていてもよい。
【0012】
別の態様において、上記入口ポートへの水の流れは、超音波トランスデューサの動作と干渉せず、上記超音波トランスデューサは、上記入口ポートの上方に配置される。
【0013】
分岐管が上記漏斗又は収集器を上記入口ポートに連結するのが好ましい。分岐管は、上記入口ポートへの水の層流進入を可能にする。
【0014】
別の態様において、上記漏斗又は収集器は、その開放端に、上記雨量計への汚染物質の進入を抑える第1のフィルタを有する。第1のフィルタは、風の影響及び鳥等の生物が上記漏斗又は収集器を覆うリスクを抑える鋭い縁部の穿孔金属グリッドを具備していてもよい。上記第1のフィルタよりも微細な第2のフィルタが上記漏斗又は収集器内に配置されていてもよい。
【0015】
上記測定チャンバは、管状で、一定の断面積を有するのが好ましい。
【0016】
別の実施形態において、上記測定チャンバは、ハウジングに組み込まれ、上記ハウジングは、その頂部にソレノイドアクチュエータを具備しており、上記ソレノイドアクチュエータは、上記ハウジング内に摺動可能に配置されたプッシュロッドに動きを与え、上記プッシュロッドは、ロッカーアーム(rocker arm:揺動アーム)と協働して上記ボールバルブに係合する。上記ハウジングは、上記ボールバルブの側方移動を制限する複数の羽根を上記排出ポート内に具備するのが好ましい。
【0017】
上記校正は、温度と湿度の効果を考慮しており、上記測定チャンバが空で、降雨が予測も検出もされていない場合に、上記超音波トランスデューサと上記バルブとの間の距離に基づいて上記校正が生ずるようにプログラムされ得ることが好ましい。
【0018】
この雨量計は、上記漏斗又は収集器の上方及び周囲に配置され、風速及び風向の計算を可能にする音響風速計を構成する複数の超音波トランスデューサを備えていてもよい。
【0019】
一端が上記ボールバルブと隣り合い、他端が上記超音波トランスデューサに固定されて、上記音響信号の内部での送受信を可能にする測定管が上記測定チャンバ内に配置されていてもよい。上記測定管に少なくとも1つの通気口が配置されて、上記測定チャンバ及び上記測定管の両者との水位の等化を可能にしていてもよい。
【0020】
この雨量計は、上記漏斗又は収集器内及び上記入口ポートの上方に配置され、降雨を上記入口ポートへとガイドするように構成されたキャップ部材を有していてもよい。キャップ部材は、円錐状ハウジングであって、上記漏斗又は収集器との間に間隙を有し、使用時に、当該キャップ部材の頂部から上記間隙を通じて上記入口ポートへと降雨をガイドするようにしてもよい。キャップ部材は通常、上記漏斗又は収集器において複数の垂直脚部により支持される。超音波トランスデューサは、上記測定チャンバの上方で上記キャップ部材に配置可能である。
【0021】
この雨量計は、上記ボールバルブの開放時に水位の変化を導き出して又は補間して、捕捉降雨の連続的及び累積的測定結果を与えるようにプログラムされているのが好ましい。
【0022】
この雨量計は、上記漏斗又は収集器の内側に存在するカップ状部材であり、その側部及び基部の円周方向周りに複数のスロットを有して、内部に進入した雨が上記複数のスロットを通じて上記漏斗又は収集器へと流出し得るようにした、カップ状部材を備えていてもよい。全天日射計の拡散器が突き出る開口部を頂部に有する中空テーパ状ボスが上記カップ状部材の基部から突出しているのが好ましい。
【0023】
また、本発明は、上記規定の少なくとも1つの雨量計を備え、動作制御及び上記少なくとも1つ雨量計からのデータの収集を提供するようにプログラムされたコンピュータ制御の灌漑管理システムを提供していてもよい。
【0024】
また、本発明は、上記規定の雨量計と、電力用のソーラーパネルと、動作解析用のコンピュータ制御のデータロガーと、温度計、風速計、風向計、湿度計、気圧計、雲高計、現在天気センサ及び/若しくは視程センサ、積雪センサ、並びに全天日射計のうちの1つ又は複数と、を備えた自動測候ステーションを提供していてもよい。
【0025】
また、本発明は、上記規定の雨量計を備えた自動測候ステーションであって、上記雨量計が頂部に配置されて降雨を収集するハウジングを備え、上記ハウジングが、スティーブンソン型百葉箱を上記雨量計の下方に有して、内部に含まれる気象測器を雨及び外部源からの直接熱放射に対して保護する一方、周囲での空気の自由循環を可能にする、自動測候ステーションを提供していてもよい。
【0026】
ハウジングは、上記スティーブンソン型百葉箱の下方に配置され、風速及び風向の計算を可能にする音響風速計を構成する複数の超音波トランスデューサを備えていてもよい。
【0027】
この自動測候ステーションは、上記雨量計から延びたキャップ部材内に配置された全天日射計を備えるのが好ましい。通常、上記全天日射計は、散光器により保護されたUVセンサ又はフォトダイオードを備える。
【0028】
鳥管理スパイクが上記雨量計から突出して、上記測候ステーション上の鳥の就塒を防止するのが好ましい。別の実施形態において、上記ハウジングは、円筒状である。
【0029】
さらに別の実施形態において、上記ハウジングは、内部の孔を通過するロッドによって一体的に保持された連動構成要素により形成されている。上記ロッド及び/又は上記孔のうちの1つ又は複数が無線通信用のアンテナを内蔵していてもよい。また、上記ルーバーのうちの1つ又は複数が無線通信用のアンテナを内蔵していてもよい。
【0030】
本発明の理解をより容易化するとともに実用的効果が得られるように、以下、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明に従って構成された雨量計の好適な一実施形態の断面図である。
【0032】
図2】本発明に従って構成された雨量計の別の実施形態の断面図である。
【0033】
図3】本発明に従って構成された雨量計の別の実施形態の断面図である。
【0034】
図4図3に示す雨量計の一変形例の断面図である。
【0035】
図5図3において5と表示したエリアの拡大図である。
【0036】
図6図3に示す雨量計の上面図である。
【0037】
図7】降雨測定時の時間に対する累積水位のグラフである。
【0038】
図8】雨量計を具備する測候ステーションの一実施形態の上面斜視図である。
【0039】
図9図8に示す測候ステーションの下面斜視図である。
【0040】
図10図8に示す測候ステーションの第1の側面図である。
【0041】
図11図8に示す測候ステーションの第2の側面図である。
【0042】
図12図8に示す測候ステーションの上面図である。
【0043】
図13図8に示す測候ステーションの底面図である。
【0044】
図14図10の矢印14-14に沿った方向の断面図である。
【0045】
図15図11の矢印15-15に沿った方向の断面図である。
【0046】
図16図8に示す測候ステーションを一部分解して漏斗又は収集器及び測定チャンバがない状態の斜視図である。
【0047】
図17図8に示す測候ステーションに含まれる雨量計の斜視図である。
【0048】
図18図17の後面図である。
【0049】
図19】ボールバルブが閉鎖位置にある状態の図18の矢印19-19に沿った方向の断面図である。
【0050】
図20】ボールバルブが部分的開放位置にある状態の図19に類似する図である。
【0051】
図21図16に示すゾーン21の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図面中の図1には、主ハウジング12と、降雨を捕捉する漏斗又は収集器14とを有する雨量計10を示している。漏斗又は収集器14は通常、円錐状であり、主ハウジング12の上方に配置されている。図中には、開口18における粗フィルタ16と、漏斗又は収集器14内に配置された微細フィルタ20とを備えた2段階フィルタシステムを示している。2つのフィルタ16、20を図示しているが、本発明は、必要に応じて1つのフィルタと作用することもあれば、フィルタと作用しないこともある。フィルタ16は、深さ約10mmで鋭い縁部の穿孔金属グリッドであるのが好ましい。フィルタ16の機能として、漏斗又は収集器14に入る雨の正しい体積に影響を及ぼす風を抑えるとともに、鳥等の生物が漏斗又は収集器14を塞いだり、上に立ったり、内部に排便したりすることを防止する。漏斗又は収集器14は、小径の出口22へと狭隘化し、好ましくは出口22と同径の分岐管24に接続されている。分岐管24に入る水の乱流を抑えるため、湾曲部26が出口22と分岐管24をと連結する。矢印28で示すように、水が分岐管24に沿って、層流経路を通過し、測定チャンバ30に入る。主ハウジング12に対する分岐管24の角度は、内部を通る水が層流となるように設定可能である。
【0053】
測定チャンバ30は、断面が円形で、開口18の断面積よりも大幅に小さな断面積を有し、通常は50:1の比である。測定チャンバ30の頂部には入口ポート32が設けられ、測定チャンバ30の底部には排出ポート34が設けられている。入口ポート32の頂部には超音波トランスデューサ36が配置され、測定チャンバ30に対して音響信号38を送受信する。送信されて測定チャンバ30の水位40で反射した信号の経過時間の測定により、水位40と超音波トランスデューサ36との間の距離に関するデータひいては降雨の測定結果が得られることになる。
【0054】
超音波トランスデューサ36を水害から保護するため、水溢流通路42が入口ポート32を排出ポート34に連結する。測定チャンバ30内の水が過剰充填となった場合はいつでも、矢印44で示すように水溢流通路42へと流れ込み、超音波トランスデューサ36とは干渉しない。超音波トランスデューサ36の測定の精度は、測定チャンバ30へと開いた滑らかな湾曲又は凸状部46を有することにより向上する。湾曲部46は、分岐管24からの層流を維持することになる。湾曲部46は、音響信号38を反射させ得る水の乱流が生じないようにする。また、湾曲部46の進入路は、音響信号38を測定チャンバ30へと案内して、分岐管24及び測定チャンバ30の進入遷移部での表面反射が生じないようにする。
【0055】
測定チャンバ30は、円錐断面を有する排出ポート34へと開いている。測定チャンバ30の環状溝には、円形の弾性Oリング48が固定されている。ボールバルブ50が測定チャンバ30を閉鎖して、Oリング48に対するボールバルブ50の封止係合を通じた水の漏れを防止する。ボールバルブ50は、往復運動する傾斜部材52の力によって閉鎖位置を保つ。傾斜部材52は、閉鎖位置を維持する平坦部54と、ソレノイドアクチュエータ60のプランジャ58により引っ張られた場合のボールバルブ50の落下を可能にする勾配部56とを有する。ソレノイドアクチュエータ60の開閉移動を矢印62で示す。排出ポート34は、底部に排出孔66を備えた円錐キャップ64をさらに具備する。排出孔は、排出ポート34から水が放出されていない場合の昆虫の進入から保護するフロートボール68によって覆われている。
【0056】
使用時、ボールバルブ50は、Oリング48に対する封止接触によって、測定チャンバ30の排出ポート34を閉鎖する。雨水が開口18から漏斗又は収集器14に流れ込み、フィルタ16及び20でろ過される。水が出口22から分岐管24へと流れ込み、測定チャンバ30の入口ポート32に流入する。超音波トランスデューサ36は、音響信号38を送受信して、水が存在する場合には測定チャンバ30の水面40から、水が存在しない場合には上記ボールバルブ50の表面から反射される信号の経過時間を測定する。水位又はボールバルブ表面と超音波トランスデューサ36との間の距離を測定可能である。測定結果は、コンピュータモニタリングシステム(図示せず)による解釈及びモニタリングによって、降雨データを提供可能である。雨に際して測定チャンバ30が満たされる場合は、傾斜部材52が移動するようにソレノイドアクチュエータ60が動作する所定の深さ70に水位が達するまで、水深40が継続的に測定される。傾斜部材52の移動により、ボールバルブ50は、勾配部56との接触によって下がる。測定チャンバ30から排出ポート34を通じて水が放出されることになる。そして、ソレノイドアクチュエータ60は、ボールバルブ50をOリング48に押し込んで、測定チャンバ30を閉鎖するように動作する。測定チャンバ30が充填を再開すると、所定の深さ70に達するまで水位が再び測定され、このサイクルが繰り返される。排出及び充填プロセスは、降雨の連続的な無人測定を可能にする。ボールバルブ50が閉鎖した際に記録された水位で測定が開始となるため、各サイクルにおいて、すべての水を排出する必要はない。コンピュータモニタリングシステムは、視覚的表現(例えば、時間に対する降雨のグラフ)を提供可能である。バルブが空になった場合は、このグラフにおいて、小さな間隙及び急激な減少が生じることになる。コンピュータモニタリングシステムは、バルブの開放直前及びバルブの閉鎖直後に降雨を平均化することができる。そして、このデータの使用により、平均化を用いたグラフの滑らかな補間修正がもたらされ得る。
【0057】
図2は、図1に示す実施形態の一変形例を示しており、図1の左側からの断面である。したがって、分岐管24、溢流通路42、及び漏斗又は収集器14は示していないが、図1のように、主ハウジング12と組み合わされることになる。説明の繰り返しを回避するため、図1における同一の整数は、図2においても同じ参照番号及び機能を有することになる。主な違いは、ソレノイドアクチュエータ60が主ハウジング12の頂部に配置され、傾斜部材52がプッシュロッド72及びロッカーアーム74により置き換えられた点である。プッシュロッド72は、主ハウジング12の長手方向ボア76内に摺動可能に配置されている。プッシュロッド72は、頂部がソレノイドアクチュエータ60のばね仕掛けのプランジャ58に接触するとともに、底部がロッカーアーム74の一端に接触して、ボールバルブ50の閉鎖を維持する。ロッカーアーム74は、排出ポート34内で、複数(通常は、4つ)の垂直羽根80のうちの1つに対して78で枢動的に取り付けられている。また、垂直羽根80は、ボールバルブ50及びフロートボール68の側方移動を制限することになる。主ハウジング12の下部82は、取り外して修理及び洗浄することができる。
【0058】
使用時、ソレノイドアクチュエータ60が作動してプランジャ58を後退させると、ボールバルブ50が開放される。ロッカーアーム74は、枢動して、ボールバルブ50を解除するとともに、測定チャンバ30を空にする。ソレノイドアクチュエータ60が非作動の場合は、ばね仕掛けのプランジャ58がプッシュロッド72を下方に押しやって、ロッカーアーム74を枢動させるとともにボールバルブ50を閉鎖することになる。本実施形態では、電気的構成要素すなわち超音波トランスデューサ36及びソレノイドアクチュエータ60が水環境から隔離される。
【0059】
図3図5、及び図6は、図2に示す実施形態の一変形例を示している。説明の繰り返しを回避するため、図1及び図2における同一の整数は、図3図5、及び図6においても同じ参照番号及び機能を有することになる。本実施形態において、測定チャンバ30は、底部92で開放されるとともに上端94で超音波トランスデューサ36により閉鎖された同軸管90を具備する。同軸又は測定管90の底部92は、同軸管90への水の自由な進入を可能にする距離で、ボールバルブ50の近くにある。超音波トランスデューサ36に隣り合う通気口96により、測定チャンバ30中の水は、同軸管90中の水と同じ水位になって、エアロックを回避可能である。
【0060】
漏斗又は収集器14に入る雨滴98による乱流は、フィルタ20の下側に存在する円錐状ハウジング100の形態のキャップ部材により制御される。円錐状ハウジング100は、湾曲円周方向リム200を有し、漏斗又は収集器14の垂直壁204と同軸間隙202を構成することにより、雨水が円錐状ハウジング100から漏斗又は収集器14へと排出される。フィルタ20は、円錐状ハウジング100及び垂直壁204の形状に従う。円錐状ハウジング100は、本体12から延びた複数の垂直脚部101上に存在して、矢印102で示すように、漏斗又は収集器14から測定チャンバ30へと水が進入し得る間隙(図示せず)を与えている。測定チャンバ30への進入箇所は、103において滑らかな湾曲又は凸状となっており、進入する水の層流を与える。また、円錐状ハウジング100は、内側に嵌め合わされることにより、超音波トランスデューサ36を水分曝露から保護する傘として作用する。また、円錐状ハウジング100の内側には、ソレノイドアクチュエータ60が嵌め合わされている。円錐状ハウジング100には、関連する電子回路(図示せず)を容易に設置可能である。円錐状ハウジング100は、保守の必要に応じていつでも容易に取り外され、超音波トランスデューサ36及びソレノイドアクチュエータ60へのアクセスを可能にする。また、超音波トランスデューサ36の同軸又は測定管90への取り付けにより、水しぶきが管に入って干渉及び超音波信号反射を引き起こすことはない。水溢流通路42は、垂直脚部101のうちの少なくとも1つにおいて開口部206に連結され、図1を参照して説明したように動作する。また、垂直脚部101は、図示のようなプッシュロッド72及び電子配線(図示せず)を含むことができる。
【0061】
本実施形態においては、図5に示すように、主ハウジング12の端部からわずかにオフセットした溝にOリング99が配置され、閉鎖位置のボールバルブ50と接触する鋭い縁部104を与える。これにより、ボールバルブ50の頂部から音響信号が反射された場合に、ボールバルブ50の頂部と超音波トランスデューサ36との間の距離が一定を保つことになる。このため、Oリング99の圧縮性による距離誤差が回避されることになる。
【0062】
図3図5、及び図6の実施形態の動作は、図2に示す実施形態とよく似ている。主な違いは、水が測定チャンバ30及び同軸又は測定管90に流れ込んで同じ水位40に達する点である。超音波トランスデューサ36は、管90内でのみ音響信号38を送受信する。その他、降雨の測定及びボールバルブ50の動作については、他の実施形態を参照して上述したものと同じである。
【0063】
図4は、図3図5、及び図6に示す実施形態の一変形例を示している。説明の繰り返しを回避するため、図3図5、及び図6における同一の整数は、図3図5、及び図6においても同じ参照番号及び機能を有することになる。これら2つの実施形態の違いは、測定管90が除去され、基本的には、図1及び図2に示したものと同様に動作する点である。
【0064】
すべての実施形態において、水深から導き出される体積計算は、図1図2、及び図4図6に示す実施形態の場合、同軸又は測定管90の断面積に基づくことになる。同軸又は測定管90を有する図3の実施形態の場合の体積計算では、以下に等しい水の断面積を使用する。
【0065】
(測定チャンバ30の断面積)-(同軸又は測定管90の環状面積)
【0066】
図7のグラフは、所定の時間において、ボールバルブ50の開放による水の放出について演算した修正結果を示している。ボールバルブ50が開いている短い期間にわたって、測定チャンバ30及び/又は測定管90における水位(x)は、低下している。バルブ50が開いている期間にわたっては、ソフトウェアが水位の変化Xを導き出す(補間する)ため、連続する時間領域にわたって、捕捉降雨の連続的及び累積的な測定が可能となる。
開放時間T=t-t
ここで、tは、バルブが開く時間であり、
は、バルブが閉じる時間である。
ソフトウェアは、
a.tの前の期間ΔTpriorにわたる水位の変化率ΔXpriorと、
b.tの後の期間ΔTafterにわたる水位の変化率ΔXafterと、
を計算する。
【0067】
その後、ソフトウェアは、バルブ開放前後の平均変化率を決定する。
(ΔXprior+ΔXafter)/(ΔTprior+ΔTafter
【0068】
等価水位変化率X
=T×(ΔXprior+ΔXafter)/(ΔTprior+ΔTafter
【0069】
バルブ開放前の累積水位xcum
cum=x(時間tにおける水位)
【0070】
バルブ閉鎖後の累積水位xcum
cum=x+X=x
【0071】
超音波トランスデューサ36は、既知の基準測定結果に依拠して、温度及び湿度による空気中の音速の変動を補償する。この機器の基準測定結果は、ボールバルブ50の上面までの距離である。雨量計10を制御するソフトウェアは、降雨のない期間が検出されている場合、ボールバルブ50を定期的に(通常、毎日)開放して、残留水をすべて排出する。降雨のない期間の決定の支援に、降雨予測ソフトウェアを採用することもできる。すべての水が測定チャンバ30から排出された後、雨が降っていなければ、温度及び湿度の影響に対して、雨量計を校正可能である。
【0072】
別の態様においては、空気温度の直接測定によって、校正プロセス中の湿度を導き出すことが可能となる。音響信号が送信され、ボールバルブ50で反射される時間は、温度及び湿度の関数である。温度、送信時間、及びボールバルブ50までの距離が既知であれば、湿度を演算することができる。
【0073】
また、図3図6は、音響風速計109を用いた風速及び風向の測定を可能にする。音響風速計109は市販されており、超音波パルスの飛行時間を用いて、風が吹く速さを検出する。通常は、3つ以上の超音波トランスデューサ108を互いに等距離に、漏斗又は収集器14の頂部から半径方向にオフセットして、アーム106に搭載して使用する。音響風速計109の位置は、漏斗又は収集器14の頂部に限らず、以下の実施形態において説明する通り、底部に配置されていてもよい。超音波トランスデューサ108は、漏斗又は収集器14の頂部上を通過する際の風速及び風向の水平成分を測定することになる。信号の方向が漏斗又は収集器14に対して垂直方向にオフセットした超音波トランスデューサ108の場所では、超音波トランスデューサ間を通過する信号を妨害する物体(例えば、ごみ屑)を検出可能となる。これは、フィルタ16が配置された漏斗開口を枝、小枝、葉等の植物のごみ屑が妨害している場合に、特に関連する。これにより、上記のような事象が発生した場合、警報を発することができる。
【0074】
雨量計10は通常、地面からある距離に配置された場合に生じる風の影響を回避するため、地表に配置されている。風速計109を雨量計に組み込むことによって、雨量計を風の影響に対して直接校正可能となるため、地面の上方に位置決めして降雨(雨)を正確に測定可能となる。風速は、蒸発散量の演算に用いられる測候ステーションの入力変数である。
【0075】
図1図7の雨量計10は、電力用のソーラーパネルと、動作解析用のコンピュータ制御のデータロガーと、温度計、風速計(上述)、風向計、湿度計、気圧計、雲高計、現在天気センサ及び/若しくは視程センサ、積雪センサ、並びに全天日射計のうちの1つ又は複数と、を具備することになる自動測候ステーション(図示せず)に組み込み可能である。
【0076】
図8図21は、雨量計の小型測候ステーション300への組み込みを示している。説明の繰り返しを回避するため、図1図7における同一の整数は、図1図7においても同じ参照番号及び機能を有することになる。測候ステーション300は、基本的には円筒形状であるが、従来の測候ステーションのように正方形も可能であるし、その他任意の所望形状も可能である。雨量計302は、スティーブンソン型百葉箱304に取り付けられるように構成されている。スティーブンソン型百葉箱304は、気象測器を雨及び外部源からの直接熱放射に対して保護する一方、周囲での空気の自由循環を依然として可能にするシェルタ又は筐体である。図9及び図14において最もよく見えるように、複数のルーバー306(すべてを表記しているわけではない)が遮蔽をもたらすとともに、空気の循環を可能にする。基底部材308が構造の末端であるが、これは、空隙310によってスティーブンソン型百葉箱304から分離されている。測候ステーション300の組み立ては、ルーバーが通過するとともに互いに連動する4つのロッド303を用いることで簡素化されている。各ロッド303は、測候ステーションの頂部及び底部に固定されている。リング312がポール又は台座(図示せず)を含んで、可調整締め付け部材314により適所に設定可能である。複数の鳥管理スパイク316が測候ステーション300から突出して、鳥の就塒を防止する。鳥は、測候ステーションを汚す可能性がある大量の見苦しくて不衛生な糞を排泄する場合がある。そのため、鳥管理スパイク316の使用により、鳥を殺傷することなく防止する。
【0077】
図17図20は、図4に示したものと類似の雨量計302を示している。主な違いは、ボールバルブ50の動作の変更、水溢流通路42の除去、及び円錐状ハウジング100の変更である。ロッカーアーム74は、一端がばね仕掛けのプランジャ58に直接結合され、他端がボールバルブ50と接触したままである。完全防水のため、ハウジング開口320には、グロメット(図示せず)を挿入可能である。図19は、ボールバルブ50が閉じた状態の水位40を示し、図20は、ソレノイド60が作動して、矢印322で示すように水が排出孔66から排出されて空になった様子を示している。フロートボール68についても、必要に応じて下部82とともに省略可能である。排水は、わずかにテーパ状のプレート324(図14及び図15)上に落ち、スティーブンソン型百葉箱304から地上へと流れることになる。
【0078】
水溢流通路42は、スティーブンソン型百葉箱304へと直接開き、わずかにテーパ状のプレート324上に落ちて排出される中空ボス326(図15において最もよく見える)により置き換えられている。中空ボス326は、溢流水が進入して流れ落ちるスロット328を有する。
【0079】
本実施形態においては、円錐状ハウジング100並びに第1及び第2のフィルタ16、20が改良されている。漏斗又は収集器14の垂直壁204の内側にカップ部材330が存在する。第2のフィルタ20は省略され、第1のフィルタ16は、カップ部材330の側部及び基部の円周方向周りの複数のスロット332から成る。カップ部材330の基部からは円錐状の中空ボス334が立ち上がり、カップ部材330に入る雨水がスロット332を直接流れる可能性もあるし、スロット332を通じて、円錐状の中空ボス334から漏斗又は収集器14ひいては測定チャンバ30へと排出される可能性もある。測候ステーション300を制御するプリント配線アセンブリ336を封入して、カップ部材330の下側に存在するように成形することができる。測候ステーション300は、平面への太陽放射照度を測定する全天日射計338を具備しており、これは、一般的な波長範囲300nm~2800nm内の太陽放射束密度(W/m)を測定するように設計されている。全天日射計338としては、拡散器又は光ファイバ340を備えたフォトダイオードが可能である。拡散器又は光ファイバ340は、円錐状の中空ボス334の頂部で開口部342から突出するとともに(図16)、そこで封止固定されることになる。全天日射計338は、コネクタ352を用いてプリント配線アセンブリ336に結合可能である。全天日射計338を具備することにより、雨量計又は測候ステーションが強力且つ便利なものとなる。
【0080】
ポッド344に入った気象測器がプリント配線アセンブリ336に取り付けられるか、又は、スティーブンソン型百葉箱304内に配置されている。通常、ポッド344は、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、及びその他任意所望の気象測器のうちの1つを含んでいてもよい。また、超音波センサ36がプリント配線アセンブリ336に組み込まれ、上述の実施形態を参照して説明した通り、測定チャンバ30に対して音響信号を送受信する。
【0081】
空隙310は、風速及び風向を測定するゾーンを与える。通常は、3つ以上(本書においては、4つ)の超音波トランスデューサ108を互いに等距離に、基底部材308を向くように、プレート346に搭載して使用する。超音波トランスデューサ108は、空隙310内で共鳴音響波(超音波)を使用して、それぞれの測定を実行する。風が空隙310を通過すると、波の特性が変化する(位相シフト)。各トランスデューサによって受信信号中の位相シフトの量を測定した後、データを数学的に処理することによって、センサは、風速及び風向の正確な水平方向測定結果を与えることができる。ワイヤハーネス348が超音波トランスデューサ108をプリント配線アセンブリ336上の電気コネクタ350に結合している。
【0082】
別の実施形態において、測候ステーション300は、他の測候ステーション又はコンピュータ制御の灌漑管理システム(図示せず)との通信に用いる1つ又は複数のRF(無線周波数)アンテナを内蔵していてもよい。自動測候ステーションは通常、テレメトリシステムに接続されて、実時間でデータにアクセスする。テレメトリシステムは、RFネットワークを用いて通信を行うことが多い。結果として、RFアンテナは通常、測候ステーションインフラの一体的要素である。測候ステーションの要素に結合されたアンテナは、その場所が問題になることが多かった。測候ステーション300は、当該測候ステーションを構成する要素を構造的に支持する複数のロッド303を有する。ロッド303及び/又はそれらが通過し得る孔がアンテナ(図示せず)を内蔵していてもよい。受信の改善のため、少なくとも1つのアンテナが設けられていてもよいし、複数のアンテナが用いられるようになっていてもよい。また、アンテナ(図示せず)を1つ又は複数のルーバー306に組み込むことも可能である。これにより、採用する様々な周波数に適するように、必要に応じて、(ロッド303を介した)垂直及び(ルーバー306を介した)水平の両方のアンテナ設計が可能となる。共同設置アンテナに固有の問題は、干渉である。複数アンテナの用途の場合は、動作が一切重ならないように、それぞれの動作を順序付けるソフトウェアによって各アンテナの使用を管理することが提案されている。これは、多重化と称することが多い。
【0083】
別の実施形態においては、雨量計10又は測候ステーション300をコンピュータ制御の灌漑管理システム(図示せず)に組み込むことができる。このようなシステムは、2018年8月14日に出願された国際特許出願第PCT/AU2018/050858号の明細書に開示されている。国際特許出願第PCT/AU2018/050858号の内容を本書に援用する。雨量計10又は測候ステーション300は、国際特許出願第PCT/AU2018/050858号に記載のソーラー制御機器それぞれに設置可能である。このシステムは、雨量計10又は測候ステーション300に関する以下の動作のうちの1つ又は複数を含み得る。
1.降雨を連続的に実時間測定すること
2.水位が所定の基準レベルに達した場合にボールバルブを開けて、測定チャンバを空にすること
3.排出によって測定チャンバからすべての水が放出されない場合に、測定チャンバ内の水位から、水位を測定し続けること
4.測定チャンバ中の水を排出可能となる降雨の停止を検出すること
5.ボールバルブまでの既知の距離に対して超音波トランスデューサを再校正するとともに、温度及び湿度の変動に対してパラメータを調整すること
6.温度測定結果から、雨量計での湿度を導き出すこと
7.降雨なしで水位が低下する場合に、ボールバルブの封止不良を検出すること
8.測定チャンバが所定の基準レベルを超えて充填された場合に、バルブ動作の障害を検出すること
9.溢流中の雨量計を上記雨量計から隔離すること
【0084】
様々な環境又は設計要件に適するように実施形態を変形可能である。超音波トランスデューサは、水位の高さを測定する他種のセンサにより置き換え可能である。また、分岐管24の形状及び構造は、図3及び図4に示すように、再成形又は除去可能である。
【0085】
本発明は、当業者にとって容易に明らかとなり、本発明の広い範囲及び領域に存する考えられるその他多くの改良を含むことが了解される。本書においては、本発明及び具体的な実施形態の広範な性質のみを一例として示しているに過ぎない。
[発明の項目]
[項目1]
降雨を測定する雨量計であって、
一端に入口ポート及び他端に排出ポートを有する測定チャンバであり、前記排出ポートが、バルブにより閉鎖され、前記バルブが、所定の事象で開放されて、前記測定チャンバに収集された水を放出するようにプログラム可能である、測定チャンバと、
降雨を受け止めるように構成された漏斗又は収集器であり、前記入口ポートへと開いた漏斗又は収集器と、
前記測定チャンバに対して音響信号を送受信する超音波トランスデューサであり、前記測定チャンバの水位を決定するようにプログラム可能である超音波トランスデューサと
を含む、雨量計。
[項目2]
前記測定チャンバに入る水の乱流を抑えるよう、前記測定チャンバへと滑らかに湾曲した進入路をさらに含む、項目1に記載の雨量計。
[項目3]
前記バルブが、ボールバルブであり、前記測定チャンバが、前記排出ポートで流体を密封する封止リングを含む、項目1又は2に記載の雨量計。
[項目4]
前記封止リングが、前記排出ポート内に配置され、前記ボールバルブが、前記封止リング及び前記排出ポートに隣接している、項目3に記載の雨量計。
[項目5]
前記バルブが、ソレノイドアクチュエータにより開閉される、項目1~4のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目6]
前記ソレノイドアクチュエータが、前記バルブと協働して前記バルブの開閉を可能にする傾斜部材をさらに含む、項目5に記載の雨量計。
[項目7]
前記バルブの閉鎖時に物質の進入を防止するよう、前記排出ポート内にフロートバルブをさらに含む、項目1~6のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目8]
前記測定チャンバの過剰充填を防止するよう、前記漏斗に水溢流ドレインをさらに含む、項目1~7のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目9]
前記入口ポートへの水の流れが、前記超音波トランスデューサの動作と干渉しない、項目1~8のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目10]
前記超音波トランスデューサが、前記入口ポートの上方に配置されている、項目1~9のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目11]
前記漏斗又は収集器を前記入口ポートに連結する分岐管をさらに含む、項目1~10のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目12]
前記分岐管が、前記入口ポートへの水の層流進入を可能にする、項目11に記載の雨量計。
[項目13]
前記漏斗又は収集器が、当該雨量計への汚染物質の進入を抑えるよう、その開放端に第1のフィルタを含む、項目1~12のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目14]
前記第1のフィルタが、前記漏斗又は収集器に入る雨の正しい体積に影響を及ぼす風を抑えるとともに、鳥等の生物が前記漏斗又は収集器を覆うリスクを抑えるよう、鋭い縁部の穿孔金属グリッドを含む、項目13に記載の雨量計。
[項目15]
前記第1のフィルタよりも微細な第2のフィルタが前記漏斗又は収集器内に配置されている、項目13又は14に記載の雨量計。
[項目16]
前記測定チャンバが、管状であり、一定の断面積を有する、項目1~15のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目17]
前記測定チャンバが、ハウジングに組み込まれ、前記ハウジングが、その頂部にソレノイドアクチュエータを含み、前記ソレノイドアクチュエータが、前記ハウジング内に摺動可能に配置されたプッシュロッドに動きを与え、前記プッシュロッドが、ロッカーアームと協働して前記ボールバルブに係合する、項目1~4、7~16のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目18]
前記ハウジングが、前記ボールバルブの側方移動を制限するよう、前記排出ポート内に複数の羽根を含む、項目17に記載の雨量計。
[項目19]
前記測定チャンバが空で、降雨が予測も検出もされていない場合に、温度及び湿度効果のための校正であり、前記超音波トランスデューサと前記バルブとの間の距離に基づく、校正が生じるようにプログラムされている、項目1~18のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目20]
前記漏斗又は収集器の上方及び周囲に配置され、風速及び風向の計算を可能にする音響風速計を構成する複数の超音波トランスデューサをさらに含む、項目1~19のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目21]
前記測定チャンバ内に配置され、一端が前記バルブと隣り合い、他端が前記超音波トランスデューサに固定されて、前記音響信号の内部での送受信を可能にする測定管をさらに含む、項目1~20のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目22]
前記測定管に少なくとも1つの通気口が配置されて、前記測定チャンバ及び前記測定管の両者との水位の等化を可能にする、項目21に記載の雨量計。
[項目23]
前記漏斗又は収集器内及び前記入口ポートの上方に配置され、降雨を前記入口ポートへとガイドするように構成されたキャップ部材をさらに含む、項目1~22のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目24]
前記キャップ部材が、円錐状ハウジングとして形成され、前記漏斗又は収集器との間に間隙を有し、使用時に、当該キャップ部材の頂部から前記間隙を通じて前記入口ポートへと降雨をガイドする、項目23に記載の雨量計。
[項目25]
前記キャップ部材が、前記漏斗又は収集器において複数の垂直脚部により支持されている、項目23又は24に記載の雨量計。
[項目26]
前記超音波トランスデューサが、前記測定チャンバの上方で前記キャップ部材に配置されている、項目23~25のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目27]
前記バルブの開放時に水位の変化を導き出して又は補間して、捕捉降雨の連続的及び累積的測定結果を与えるようにプログラムされている、項目1~26のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目28]
前記漏斗又は収集器の内側に存在するカップ状部材であり、その側部及び基部の円周方向周りに複数のスロットを有して、内部に進入した雨が前記複数のスロットを通じて前記漏斗又は収集器へと流出し得るようにした、カップ状部材をさらに含む、項目1~27のいずれか一項に記載の雨量計。
[項目29]
前記カップ状部材の基部から突出した中空テーパ状ボスであり、全天日射計の拡散器が突き出る開口部を頂部に有する、中空テーパ状ボスをさらに含む、項目28に記載の雨量計。
[項目30]
項目1~29のいずれか一項に記載の少なくとも1つ雨量計を含む、コンピュータ制御の灌漑管理システムであって、動作制御及び前記少なくとも1つ雨量計からのデータの収集を提供するようにプログラムされている、コンピュータ制御の灌漑管理システム。
[項目31]
(a)降雨を連続的に実時間測定すること、
(b)水位が所定の基準レベルに達した場合に前記バルブを開けて、前記測定チャンバを空にすること、
(c)排出によって前記測定チャンバからすべての水が放出されない場合に、前記測定チャンバ内の水位から、水位を測定し続けること、
(d)前記測定チャンバ中の水を排出可能となる降雨の停止を検出すること、
(e)前記バルブまでの既知の距離に対して前記超音波トランスデューサを再校正するとともに、温度及び湿度の変動に対してパラメータを調整すること、
(f)温度測定結果から、前記雨量計での湿度を導き出すこと、
(g)降雨なしで水位が低下する場合に、前記バルブの封止不良を検出すること、
(h)前記測定チャンバが所定の基準レベルを超えて充填された場合に、バルブ動作の障害を検出すること、
(i)溢流中の前記少なくとも1つの雨量計を前記雨量計から隔離すること
という動作のうちの1つ又は複数を含む、項目30に記載のコンピュータ制御の灌漑管理システム。
[項目32]
項目1~29のいずれか一項に記載の雨量計と、電力用のソーラーパネルと、動作解析用のコンピュータ制御のデータロガーと、温度計、風速計、風向計、湿度計、気圧計、雲高計、現在天気センサ及び/若しくは視程センサ、積雪センサ、並びに全天日射計のうちの1つ又は複数とを含む、自動測候ステーション。
[項目33]
項目1~29のいずれか一項に記載の雨量計を含む自動測候ステーションであって、前記雨量計が頂部に配置されて降雨を収集するハウジングを含み、前記ハウジングが、スティーブンソン型百葉箱を前記雨量計の下方に有して、内部に含まれる気象測器を雨及び外部源からの直接熱放射に対して保護する一方、周囲での空気の自由循環を可能にする、自動測候ステーション。
[項目34]
前記ハウジングが、前記スティーブンソン型百葉箱の下方に配置され、風速及び風向の計算を可能にする音響風速計を構成する複数の超音波トランスデューサを含む、項目33に記載の自動測候ステーション。
[項目35]
前記雨量計から延びたキャップ部材内に配置された全天日射計をさらに含む、項目33又は34に記載の自動測候ステーション。
[項目36]
前記全天日射計が、散光器により保護されたUVセンサ又はフォトダイオードを備える、項目35に記載の自動測候ステーション。
[項目37]
前記雨量計から突出して、当該測候ステーション上の鳥の就塒を防止する鳥管理スパイクをさらに含む、項目33~36のいずれか一項に記載の自動測候ステーション。
[項目38]
前記ハウジングが、円筒状である、項目33~37のいずれか一項に記載の自動測候ステーション。
[項目39]
前記ハウジングが、内部の孔を通過するロッドによって一体的に保持された連動構成要素により形成されている、項目33~38のいずれか一項に記載の自動測候ステーション。
[項目40]
前記ロッド及び/又は前記孔のうちの1つ又は複数が、無線通信用のアンテナを内蔵している、項目39に記載の自動測候ステーション。
[項目41]
前記ルーバーのうちの1つ又は複数が、無線通信用のアンテナを内蔵している、項目39又は40に記載の自動測候ステーション。
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