(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】アラインされた基板ペアを扱うシステムと関連技術
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230328BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20230328BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/02 B
H01L21/68 N
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018107789
(22)【出願日】2018-06-05
【審査請求日】2021-05-07
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591004412
【氏名又は名称】ズス・マイクロテック・リソグラフィ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Suss MicroTec Lithography GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・ルーミス
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-194264(JP,A)
【文献】特開2017-022363(JP,A)
【文献】特開2009-194265(JP,A)
【文献】特開2017-022364(JP,A)
【文献】特開2014-209571(JP,A)
【文献】特開2012-156163(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0071847(US,A1)
【文献】特開2013-140996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/02
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板を接合するために構成された基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置され、かつ、スペーサを有するスペーサアセンブリと、を備え、
前記スペーサは、
前記一対の基板の間に差し込まれるように構成されており、かつ、
前記基板処理システム内で、前記一対の基板を移動するように構成され、前記処理チャンバ内に配置され、アラインされた基板を移動する移動装置のガイド機構に接触するように構成されており、
前記スペーサは、前記一対の基板の間に差し込まれる前に、前記ガイド機構に接触すると、前記処理チャンバ内で進行を止めるように構成され、
前記ガイド機構は、前記スペーサの参照停止位置として機能する、基板処理システム。
【請求項2】
前記スペーサアセンブリは、前記一対の基板の外向き径方向熱膨張適合性を補正する径方向のプレローディングを提供するように構成されたバイアス部材をさらに備えている、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記スペーサアセンブリはさらに、
ドライバと、
前記ドライバと駆動自在に接続されたシャフトと、
前記シャフト及び前記スペーサと駆動自在に接続されたベアリングと、を備え、
前記ドライバは、前記ベアリングと前記スペーサとの直線動作を提供する方法で、前記シャフトの直線動作を提供するように構成されている、請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記シャフトを介する実装部の動作が前記ベアリングの動作を提供するように、前記シャフトと前記ベアリングとを駆動自在に接続する前記実装部を備える基板処理システムであって、
前記ベアリングは、前記実装部に実装され、
前記実装部と前記シャフトは、前記実装部と前記シャフトとの間に移動性接続部を提供する、一定のクリアランスを有し、
前記プレローディングの開始点は、前記
移動性接続部で提供される、請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記バイアス部材は、スプリング部材を有し、
前記スプリング部材は、前記実装部に接続された第1端部と、前記実装部を超えて伸びる前記シャフトの一部と相互作用す
る第2端部と、を有する、請求項4に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記スペーサアセンブリは、前記スペーサにプレローディング力を加えて、前記スペーサが前記一対の基板の間に差し込まれるときの前記スペーサの偏向を軽減する、請求項1~5のいずれか1つに記載の基板処理システム。
【請求項7】
一対の基板を扱うように構成された装置が組み込まれており、
前記装置は、
フレーム部材と、
前記フレーム部材に接続されたスペーサアセンブリと、を備え、
前記スペーサアセンブリは、
前記一対の基板の間に差し込まれるように構成された第1スペーサと、
基板処理装置の第2スペーサの進行に対する参照停止点を提供するように構成されたガイド機構と、を備えている、請求項1~6のいずれか1つに記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記ガイド機構は、略L字形状で有り、
前記略L字形状は、前記第1スペーサに添えられ、かつ、前記第1スペーサの脚部に略垂直にアラインされた第1脚部と、
前記第1スペーサの前記脚部と略平行にアラインされた第2脚部と、を有する請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ガイド機構と前記第1スペーサは、モノリシック構造であり、
前記ガイド機構は、略L字形状であり、
前記略L字形状は、前記第1スペーサから広がり、かつ、前記第1スペーサの脚部と略垂直にアラインされた第1脚部と、
前記第1スペーサの前記脚部と略平行にアラインされた第2脚部と、を有する、請求項7又は8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2スペーサに対する前記参照停止点を提供するように構成されている状態で、前記ガイド機構は、前記第2スペーサと物理的に接触し、かつ、前記第2スペーサが垂直方向に進むことを止めるように構成されている、請求項7~9のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項11】
前記一対の基板の外向き径方向の熱膨張適合性を補正する径方向のプレローディングを提供するバイアス部材をさらに有する、請求項7~10のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項12】
前記スペーサアセンブリはさらに、
ドライバと、
前記ドライバと駆動自在に接続されたシャフトと、
前記シャフト及び前記第1スペーサと駆動自在に接続されたベアリングと、を有し、
前記ドライバは、前記ベアリングと前記第1スペーサの直線運動を提供する方法で、前記シャフトの直線運動を提供するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記シャフトと前記ベアリングを駆動自在に接続するアーム部を有しており、
前記シャフトを介する前記アーム部の動きは、前記ベアリングの動きを提供するためのものであり、
前記アーム部と前記シャフトは、前記アーム部と前記シャフトの間に移動性接続部を提供する所定のクリアランスを有しており、
前記プレローディングの開始点は、前記移動性接続部に提供される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記バイアス部材は、スプリング部材を備えており、
前記スプリング部材は、前記ベアリングと接続された第1端部と
前記アーム部を超えて伸びる前記シャフトの一部と相互作用する第2端部と、を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
基板処理チャンバ内で離隔して配置されている一対の基板に圧縮力を加えるように構成されたピンが提供されており、
前記ピンは、ピンチップと、脚部とを備えており、
前記脚部は、前記脚部の第1端部に配置され、かつ、前記ピンチップに付随するように構成された先端接触機構と、
前記第1端部の反対の端部であって、前記脚部の第2端部に配置され、かつ、前記一対の基板に付随するように構成された略平坦な基部と、を有する、請求項1~14のいずれか1に記載のシステム。
【請求項16】
前記先端接触機構は、前記脚部の前記第1端部から前記ピンチップに向けて広がる球体形状である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記脚部の非圧縮状態では、前記脚部と前記ピンチップとの間に隙間があり、かつ、
前記脚部の圧縮状態では、前記先端接触機構が前記ピンチップに付随するように、
前記脚部が前記ピンチップと関連して動くことができる、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ピンがプレロードをかけられ、上側中心位置で中心付けできるように、前記ピンは径方向に適合するように構成される、請求項15~17のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項19】
前記脚部は、前記一対の基板の一方の中心と付随するように構成される、請求項15~18のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項20】
前記ピンチップと前記脚部の径方向の動きを可能にし、かつ、力を中心付けるためにプレロードを提供するように構成されたO-リングを有する、請求項15~19のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項21】
前記ピンチップと前記脚部の径方向の動きを可能にし、前記ピンによるジンバル動きを提供するように構成されたベアリングをさらに有する、請求項15~20のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項22】
前記一対の基板に圧縮力を負荷するように構成された請求項15~21のいずれか1に記載のシステムであって、
前記ピンは、前記圧縮力が、1つ以上の周辺チャックによって前記一対の基板に加えられた圧力を釣り合わせる方法と、前記圧縮力が前記一対の基板に関して均一に配分される方法とのうち、少なくとも一方の方法で前記一対の基板に前記圧縮力を負荷するように構成されたシステム。
【請求項23】
3つのピンが提供され、
前記3つのピンは、周方向に配置される、請求項15~22のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項24】
前記ピンは、等間隔に配置される、請求項23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アラインされた基板ペアを扱うシステム構成要素とその方法、特に基板と基板(例えば、ウェハとウェハ)接合アプリケーションに精度高く適合するアラインされた半導体基板の配置を維持するように構成された構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハ-ウェハ(W2W)接合は、半導体装置を形成する半導体処理アプリケーションの広い範囲で展開されている。ウェハ-ウェハ接着が適用される半導体処理アプリケーションの例は、統合回路の基板工学と製造、マイクロ電子機械システム(MEMS)の梱包とカプセル封入、純マイクロエレクトロニクスの多数の加工層(3次元統合)の積層を含む。W2W接合は、2つ以上のウェハの表面をアラインすること、アラインされたウェハをウェハ接合チャンバに移すこと、ウェハ表面を接着させること、及び、それらの間に強い接合境界面を形成することを含む。上記のように製造された半導体層装置の全処理収率と製造コスト及びこれらの装置を統合する電気製品の最終的なコストは、主にW2W接合の質に依拠する。W2W接合の質は、ウェハアライメントの精密さ、転写処理及び接合処理の間のウェハアライメントの維持、ウェハ接合境界面にわたる接合強度の均一性と整合性に依拠する。さらに、ウェハの破砕、表面ダメージ若しくはゆがみを回避するため、ウェハの転写、配置、センタリング、及びアライメントの間、特別なケアが要求される。
【0003】
図1Aは、先行技術にかかる、アライナからボンダへ、アラインされたウェハを移動するために用いられる従来の移動固定具の概略図で示す。
図1Aに示すように、慣例的に、ウェハペア18はアラインステーション50にアラインされ、アラインされたウェハペア18は、移動固定具24に固定される。移動固定具24は、アラインされたウェハペア18を接合ステーション60と、さらなる処理ステーションに運ぶ。先行技術の移動固定具24は、2011年5月24日に発行された、タイトルが「半導体接合の装置と方法」である、米国特許番号7,948,034に記載されている。
【0004】
図2Aは、先行技術に係る
図1Aの従来の移動固定具を示しており、
図3に関連して記載するように、先行技術に係る
図2Bは、
図2Aの従来の移動固定具の固定アセンブリの拡大図を示しており、先行技術に係る
図3は、アラインされたウェハペアを従来の移動固定具を使って接合チャンバに積載した状態の概略図である。まず、
図3を参照すると、従来の移動固定具24は、アラインされたウェハペア(図示されていない)を保持するように大きさ付けられ、移動装置16は移動固定具24とアラインされたウェハペアとを接合チャンバ12に出入りさせるために用いられる。1つの例として、移動装置16は、自動又は手動で作動する移動アーム又は移動スライドである。
【0005】
図2Aに示すように、移動固定具24は、しばしばチタンから構成される環状のリング280であり、基板ウェハのために支持点として作用するノーズであって、環状リング280に対して対称的に離れた3つのノーズ280a、280b、280cを含む。3つのノーズ280a、280b、280cのそれぞれはおよそ、3つのスペーサと環状リング280の外周で120°の対称的に配置された固定アセンブリ282a、282b、282cである。各スペーサと固定アセンブリ282a、282b、282cは、スペーサ284と固定具286とを含む。スペーサ284は、2つのウェハを予め決められた距離に設置するように構成される。異なる厚さを有するスペーサ284が、2つのウェハの間に異なる間隔を設定するためにセレクトされる。スペーサ284がウェハの間に差し込まれると、固定具286は押さえつけられ、2つのウェハの位置を係止する。固定具286は、単一構造である、又は、下向きに動き上側ウェハと接し、移動固定具24上に上側ウェハを保持するリンク装置であってもよい。各スペーサ284と各固定具286はそれぞれ、直線形アクチュエータ283、285によって独立して動かされる。
【0006】
接合処理で、2つのアラインされたウェハは、キャリア固定具24に配置され、スペーサ284と離して配置され、固定具286で押さえつけられる。固定されたウェハを有する固定具は、接合チャンバ12に差し込まれ、各固定具286は1つずつクランプを外され、スペーサ284が取り除かれる。全てのスペーサ284が取り除かれると、2つのウェハは、空気の作用で制御される中心ピンであわせて支えられる。そして、力が加えられ、高温接合処理の間中、接合装置12における接合処理を促進する。
【0007】
産業において、移動固定具24は、重たく、移動装置16やロボットを扱うための課題であり得ることが知られている。さらに、移動固定具24が接合装置12内に配置されると、移動固定具24は、接合処理の間中、接合装置12内に残るため、移動固定具24は、接合装置12内で用いられ得るチャンバガス及び/又は圧力と同様、550℃の温度にまで至る接合雰囲気にさらされる。特に、移動固定具24は、接合装置12の加熱チャックの外周から数ミリメータ離れただけの位置に1時間以上配置され得るので、移動固定具24は、相当熱くなる。このような状況は、移動固定具24、特にスペーサ284と固定具286の複雑な機構に相当な応力を与える。結果として、移動固定具24は、不確実なものになり、高いコストと相当な時間を要する機構の繊細な調整を含む重要なサービスを必要とする。
【0008】
別の実施において、アラインされたウェハペアは、一時的に接合され、一時的に接合されたウェハペアは、接合ステーションと別の処理ステーションに移動させられる。ウェハの一次的な接合は、処理の間のアライメントシフト誤差を最小にするために使用され得る。一時的なウェハ接合技術は、レーザービーム、一時的タック粘着及びハイブリッド融合でウェハの中心又は端部を接合することを含む。接合ウェハペアは、移動固定具又は同じような従来の移動装置で接合装置に移動させられる。レーザー接合技術は、少なくとも1つのレーザー移動ウェハを必要とし、粘着接合技術は、ウェハ表面の汚染に寄与し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
つまり、前述の欠陥と不備を考慮すると、いずれの汚染物質も取り入れることなく、あらゆる種類の基板を扱う高い処理能力と能力を有する基板-基板(例えば、ウェハ-ウェハ)接合アプリケーション用の半導体基板であって、正確にアラインされ、中心に置かれた半導体基板(例えば、ウェハ)ペアを扱う産業スケールシステムと方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ある実施例は、一組の基板を接合するように構成された基板処理システムを提供する。システムは、処理チャンバを含む。システムはさらに、処理チャンバ内に配置されたスペーサアセンブリを含み、該スペーサアセンブリは、一組の基板の間に差し込まれるように構成され、処理チャンバ内に配置されたアラインされた基板移動装置のガイド機構に付随したスペーサを含み、処理チャンバでは、スペーサは、一組の基板の間に差し込まれる前に、ガイド機構に入射すると、処理チャンバ内で進行することを止めるように構成されている。ある場合では、スペーサアセンブリはさらに、径方向プレローディングを提供するように構成されたバイアス部材含む、つまり、一対の基板に関する外向き径方向熱膨張適合性のためのプレローディング開始点を提供する。そのような場合、スペーサアセンブリはさらに、ドライバ、ドライバと駆動自在に接続されたシャフト、シャフトとスペーサと駆動自在に接続されたベアリングを含む。さらに、ドライバは、ベアリングとスペーサの直線運動を提供するように、シャフトの直線運動を提供するように構成される。いくつかのそのような場合、システムはさらに、シャフトを介した実装部の動きがベアリングの動きを提供するように、シャフトとベアリングとを駆動自在なように接続する実装部を含み、そこでは、ベアリングは実装部に実装され、実装部とシャフトは、それらの間に移動性接続部を提供する一定のクリアランスを有し、プレローディング開始点は、移動性接続部に提供される。いくつかのそのような場合において、ベアリング部材は、実装部と接続された第1端部と、実装部を超えて伸びるシャフトの一部と相互作用する第2端部とを有するスプリング部材を含む。いくつかの例で、スペーサアセンブリは、スペーサにプレローディングを提供するように構成され、スペーサが一組の基板の間に差し込まれるとスペーサが偏向する機会を減らす。
【0011】
別の実施形態は、一対の基板を扱うように構成された装置を提供する。装置は、フレーム部材を含む。装置はさらに、フレーム部材と接続されたスペーサアセンブリを含み、スペーサアセンブリは、一対の基板の間に差し込まれるように構成された第1スペーサと、基板処理装置の第2スペーサの進行に対する参照停止点を提供するように構成されたガイド機構とを含む。あるケースにおいて、ガイド機構は、略L字形状であり、L字形状は、第1スペーサに添えられ、第1スペーサの長さ方向と略垂直な第1レッグと、第1スペーサの長さ方向と略平行にアラインされた第2レッグとを有する。いくつかの別のケースにおいて、ガイド機構と第1スペーサは、モノリシック構造である。さらに、ガイド機構は、略L字形状であり、第1スペーサから広がり、かつ、第1スペーサの長さ方向と略垂直にアラインされた第1レッグと、第1スペーサの長さ方向と略平行にアラインされた第2レッグとを有する。いくつかの例で、第2スペーサに対する参照停止点を提供するように構成する際、ガイド機構は、物理的に第2スペーサに接し、第2スペーサの垂直方向の進行を止めるように構成される。いくつかの場合において、装置はさらに、径方向のプレローディングを提供する、つまり、一対の基板に関する外向き径方向熱膨張適合性のためのプレローディング開始点を提供するように構成されるバイアス部材を含む。いくつかのそのような場合において、スペーサアセンブリはさらに、ドライバ、ドライバと駆動自在に接続されたシャフト、シャフトとスペーサと駆動自在に接続されたベアリングを含む。さらに、ドライバは、ベアリングとスペーサの直線運動を提供するように、シャフトの直線運動を提供するように構成される。いくつかのそのような場合、装置はさらに、シャフトを介したアーム部の動きがベアリングの動きを提供するように、シャフトとベアリングを駆動自在に接続するアーム部を含み、そこでは、アーム部とシャフトは、それらの間に移動性接続部を提供する一定のクリアランスを有し、プレローディング開始点は、移動性接続部に提供される。いくつかのそのような場合において、バイアス部材は、ベアリングと接続された第1端部と、アーム部を超えて広がるシャフトの一部と相互作用する第2端部とを有するスプリング部材を含む。
【0012】
別の実施形態は、基板処理チャンバ内で離隔してアラインされた一対の基板に圧縮力を適用するように構成されたピンを提供する。ピンは、ピンチップを含む。ピンはさらに、脚部を有し、脚部は、脚部の第1端部に配置され、かつ、ピンチップと付随するように構成された先端接触機構と、脚部の第1端部と反対の第2端部に配置され、かつ、一対の基板の一方と付随するように構成された略平坦なベースとを含む。いくつかのケースにおいて先端接触機構は、脚部の第1端部からピンチップに向けて広がる半球形状である。いくつかの例では、脚部は、脚部の非圧縮状態において、脚部とピンチップとの間に隙間が生じ、脚部の圧縮状態において、先端接触機構がピンチップに付随するように、ピンチップに対して移動自在である。いくつかのケースで、ピンは、プレローディングされて上部中心配置で中心位置付けするように、径方向に適合的であるように構成される。いくつかの例において、脚部は、一対の基板の中心に付随するように構成される。いくつかのケースで、ピンはさらに、ピンチップと脚部の径方向の動きを可能にし、力を中心に配置するためのプレローディングを提供するように構成された0-リングを含む。いくつかの例において、ピンはさらに、ピンチップと脚部の径方向の動きを可能にし、ピンによるジンバル動きを提供するように構成されたベアリングを含む。いくつかのケースにおいて、ピンは、1つ以上の周辺チャックによって一対の基板に提供される圧力を適合させる方法と、一対の基板に関して均等に圧力を配分する方法のうち少なくとも一方の方法で圧縮力を一対の基板に適用するように構成される。
【0013】
本開示の別のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図面と詳細な説明を考察すると当業者に明らかになる。そのような付随的なシステム、方法、特徴及び利点は全て、この明細書の中に含まれ、本開示の範囲内に含まれ、従属請求項によって保護されるものである。
【0014】
本明細書に記載された特徴と利点は、全てを含んでいるわけではないが、特に、多くの付随的な特徴と利点は、図面、明細書及び請求の範囲の観点から当業者に明らかである。さらに、詳細な説明において用いられる言葉は、主に読みやすさと解説的目的のために選ばれており、本発明の主題の領域を限定するためのものではないことに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照して理解され得る。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺、強調されない代わりに本開示の原理を明確に示すにあたり配置される。さらに、図面における参照数字等は、複数の図面にわたって相当する部分を示す。
【
図1A】
図1Aは、先行技術に従って、アライナからボンダへアラインされた基板を移動するために使用される従来の移動固定具の概略図を示す。
【
図1B】
図1Bは、本開示の第1実施形態例に従って、アライナから接合装置へアラインされた基板を移動させるために使用するアライン基板移動装置と方法の概略図を示す。
【
図2B】
図2Bは、先行技術に従って、
図2Aの従来の移動固定具の固定アセンブリの拡大図を示す。
【
図3】
図3は、先行技術に従って、従来の移動固定具を使ってアラインされた基板ペアを接合チャンバに載せている概略図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の実施形態に従って構成された複数のスペーサアセンブリを含むアラインされた基板移動装置の底面から見た平面図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の実施形態に従って構成された複数のスペーサアセンブリを含むアラインされた基板移動装置の上面から見た平面図である
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に沿って構成されたアライン基板移動装置スペーサアセンブリのアイソメトリック側面図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に沿って構成されたアライン基板移動装置スペーサアセンブリの側断面図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に沿って構成された複数の接合チャンバスペーサアセンブリを含む接合チャンバのアイソメトリック部分側面図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態に沿って構成された接合チャンバスペーサアセンブリのアイソメトリック側面図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態に沿って構成された接合チャンバスペーサアセンブリの断面側面図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態に沿って構成された接合チャンバスペーサアセンブリのアイソメトリック部分図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施形態に沿って構成された接合チャンバスペーサアセンブリの断面側面図の一部である。
【
図12】
図12は、本開示の実施形態に沿って構成されたピンの断面側面図の一部である。
【
図13】
図13は、本開示の実施形態に沿って構成されたピンの断面側面図の一部である。
【
図14】
図14は、本開示の実施形態に沿って構成されたピンのアイソメトリック側面図の一部である。
【
図15】
図15は、本開示の実施形態に係る、アラインされた基板移動装置と接合チャンバ内に配置されたピンのアイソメトリック図である。
【
図16A】
図16Aは、本開示の実施形態に係る、スペーサ交換処理におけるいくつかの工程のアイソメトリック図の一部である。
【
図16B】
図16Bは、本開示の実施形態に係る、スペーサ交換処理におけるいくつかの工程のアイソメトリック図の一部である。
【
図17A】
図17Aは、本開示の実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を模式的に示す。
【
図17B】
図17Bは、本開示のある実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を模式的に示す。
【
図17C】
図17Cは、本開示のある実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を模式的に示す。
【
図17D】
図17Dは、本開示のある実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を模式的に示す。
【
図17E】
図17Eは、本開示のある実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を模式的に示す。
【
図17F】
図17Fは、本開示のある実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を模式的に示す。
【
図17G】
図17Gは、本開示のある実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を模式的に示す。
【
図17H】
図17Hは、本開示のある実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を模式的に示す。
【
図17I】
図17Iは、本開示のある実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を模式的に示す。
【
図18】
図18は、本開示のある実施形態に係る、
図4のエンドエフェクタを有するボンダにアラインされたウェハペアを配置する工程を示す。
【
図19A】
図19Aは、本開示のある実施形態に係る、単一中心ピンを介して2つのウェハをピン留めする工程の概略図である。
【
図19B】
図19Bは、本開示のある実施形態に係る、単一中心ピンを介して2つのウェハをピン留めする工程の概略図である。
【
図19C】
図19Cは、本開示のある実施形態に係る、単一中心ピンを介して2つのウェハをピン留めする工程の概略図である。
【
図20】
図20は、本開示のある実施形態に係る、典型的なウェハ接合の概略図である。
【
図21】
図21は、本開示のある実施形態に係る、ウェハ接合とともに利用される典型的な接合スペーサフラグの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、高い処理能力を有するアプリケーションを一列に配置して、接合する基板-基板(例えば、ウェハ-ウェハ)に対して、精密にアラインされ、中心に配置された半導体基板(例えば、ウェハ)ペアを扱う産業的スケールのシステムと方法とを提供する。システムは、任意ではあるが、ロボットアームの端部に取り付けられ得るアラインされた基板移動装置(例えば、エンドエフェクタ)を含む。移動装置は、基板-基板配置を変化させることなくかつ汚染物質を引き込むことなく、アラインされた一組の基板を様々な処理ステーションの内外へ保持、移動及び配置するように構成され得る。システムはまた、配置された基板移動装置のスペーサアセンブリに関連して作動する第2スペーサアセンブリを含む接合装置を含み、基板間のスペーサ受け渡しを実施し得る。システムはまた、受け渡し間に基板を支えるように構成されたピンを含み得る。
【0017】
本開示全体にわたって、基板20、30のような1つ以上の基板が参照され得ることが留意されるべきである。本開示を参照すると分かるように、対象となる基板は、半導体ウェハ又は別のウェハであってもよいが、それのみに限定されるものではない。対象となる基板は、略平面であるが、平面性が必要とされるわけではない。対象となる基板は、一般的に、望ましい寸法(例えば、約2、3、4、5、6、8、12、18インチ若しくはこれら以上)の直径/幅を有する環状又は多角形(例えば、長方形、正方形若しくは四辺形)であり得る。対象となる基板は、約50~3,000μm以上の範囲にある厚さ(例えば、平均厚)を有し得る。対象となる複数の基板は、1以上の次元において略同一の寸法(例えば、ほぼ同じ円周)である又は、所望通りの異なる寸法であり得る。対象となる複数の基板に関して、1つの基板は別の基板の上に配置され、ある例では、下に配置される基板のリッド又はカバーとして機能する。あるケースでは、対象となる基板は、略真っ直ぐな(平らな)エッジとノッチとの両方又はどちらか一方を基板全周に有する。
【0018】
材料成分に関して、対象となる基板は、(1)ケイ素(Si)又はヒ化ガリウム(GaAs)のような半導体材料;(2)石英ガラスのようなガラス;(3)プラスチック;(4)セラミックのうちの1つ又はそれらの組み合わせから形成され得る。他の適切な基板材料は、本開示を参照すると明らかになり、所定の目標とする適用又は最終使用に依拠する。さらに対象となる基板の一部又は全部は、所望するような単結晶、多結晶若しくはアモルファスであり得る。あるケースでは、対象となる基板は、1つ以上の構造を含み、該構造は、通常、該基板の少なくとも一面上で、又は、該基板の少なくとも一面内で、アラインされる、又は、別の所望な配置で提供され得る。ある例では、構成は、リッジ、キャビティ等を含む。ある例では、構成は、トランジスタ、発光ダイオード(LEDs)、光検知器、集積回路(ICs)若しくは光学素子等を含む。ある例では、構成は、マイクロ電子機器システム(MEMS)又はマイクロ光電子機器システム(MOEMS)の構成を含み得る。対象となる基板は、少なくとも1つの該基板表面に、1つ以上の層、被覆、接合接着、接着ビート、分離層、残留物及び又は若しくは不純物を含み得る。構成、被覆、残留物等は、第2基板に対向する第1基板の表面に配置され得る。
【0019】
図1Bは、基板20、30をアライナから接合装置まで移動するために使用される、本開示の第1実施形態に係るアラインされた基板移動装置と方法の概略図である。
図1Bに示されるように、アラインされた基板移動装置100は、ロボットのアーム80に取り付けられ、アライメント装置300と接合装置を有する独立接合ステーション400とに出入りするよう構成される。2つの基板20、30のペアは、2つの基板20、30が互いに相対して配置され、それらの基板の配置が移動装置100により固定されている、アライメント装置300によって運ばれる。次に、ロボットアーム80は、アラインされた基板ペア20、30を伴う移動装置100をアライメント装置300から、2つのアラインされた基板20、30が接合され得る接合ステーション400へ動かす。移動装置100は、2つのアラインされた基板ペア20、30を接合装置内に配置することができ、そして、ロボットアーム80は接合処理期間の間、接合装置からそれ(移動装置100)を取り除く。接合処理が完了すると、ロボットアーム80は、移動装置100を接合装置に戻し、接合基板ペア20、30を収集する。接合基板ペア20、30は、接合ステーション400から取り除かれるとき、移動装置100によって支持される。ある実施形態では、アライメント装置300と接合ステーション400は同一反応器に統合されている。
【0020】
図4A、
図4Bはそれぞれ、本開示の実施形態に従って構成された複数のスペーサアセンブリ130’を含む、アラインされた基板移動装置100の上部からの平面図と底部からの平面図である。ある実施形態によると、移動装置100は、アラインされた基板(例えば、ウェハ)を処理チャンバに出入りさせるために使用され得る。移動装置100は、例えば、エンドエフェクタ、別のウェハ移動固定具若しくは他の基板移動固定具であってもよい。様々な構成と変形は、本開示を参照すると明らかになる。
【0021】
移動装置100は、Y字形状の固定フレーム110とフレーム110の上部に配置された移動性キャリア120とを含み得る。ある実施例で、フレーム110は、基板20、30の半径と略一致する半径を有する半円内側境界110aを有する。別の例において、フレーム110はY字形状又はフォーク形状の内側境界を有する。同様に、キャリア120は、基板20、30の半径と略一致する半径を有する半円内側境界120aを有する。ある実施形態に従って、移動性キャリア120の半円内側境界120aは、完全リング(例えば360°リング)が形成される前に終端する端部を有する部分リング構造として理解され得る。
図4A、
図4Bに示されるように、半円内側境界120aの構造は、略180°回転を含む部分リング形状を有する移動性キャリア120から形成され、又は、別の構成では270°に至るまでの回転を含む部分リング形状を有する移動性キャリア120から形成され得る。移動性キャリア120の他の部分リング構成もまた、本開示の範囲内で考慮される。
【0022】
移動性キャリア120は、フレーム110の平面と平行な方向を向き、フレーム110から離れて配置された略平坦な構造で形成され得る。移動装置100は、移動装置100の上側に配置された移動性キャリア120を有すると理解され、フレーム部材110は、移動装置100の下側に配置され得る。(例えば、
図2A~
図2Cに関連して記載したように)アラインされた基板ペアの両基板を移動装置の上面に運ぶ従来の移動装置とは異なり、移動装置100は、基板20、30をフレーム部材110のアームの内側、かつ、移動性キャリア120の拡張リップの下側の位置に運び得る。この構成により、基板20、30の端部は、フレーム部材110と移動性キャリア120との内側境界周りの様々な位置、例えば、3つの位置111a、111b、111c、において、固定フレーム110と移動性キャリア120との間で保持される。
【0023】
移動装置100はさらに、フレーム部材110の内側境界周りに配置されたスペーサアセンブリ130’のような、基板20、30を保持かつ/又は離隔するための多数のアセンブリを含む。明らかなように、移動装置100は、第1位置111aに第1スペーサアセンブリ130’を含み、第2位置111bに第2スペーサアセンブリ130’を含み、第3位置111cに第3スペーサアセンブリ130’を含む。当然ながら、別の実施形態によると、より少ない数(例えば、2、3)又はより多い数(例えば、4以上)のスペーサアセンブリ130’が、所定の目標とする適用又は最終使用に関して所望通りに、提供され得ることが本開示を参照すると明らかになる。
【0024】
図5は、本開示の実施形態に従って構成されるスペーサアセンブリ130’のアイソメトリック側面図を示す。
図6は、本開示の実施形態に従って構成されたスペーサアセンブリ130’の側方断面図を示す。
図5、
図6から分かるように、スペーサアセンブリ130’は、実装部702’を含み得る。実装部702’は、(例えば、移動装置100の所定の位置111a、111b若しくは111cで)移動装置100と直接的に又は間接的に接続され得る。そのため、本開示を参照すると明らかなように、実装部702’は、適切な固定方法を介して接続され得る。実装部702’の寸法と特別な構成は、所定の目標とする適用又は最終使用に関する所望通りにカスタマイズされ得る。実装部702’の多数の適切な構成は、本開示を参照すると明らかになる。
【0025】
スペーサアセンブリ130’はまた、実装部702’に直接又は間接的に接続され得るドライバ704’を含み得る。ドライバ704’は、ドライバ704’に接続される部材の直線的動作(例えば、拡張や格納)を提供するように構成され得る。そのためにも、ある実施形態において、ドライバ704’は、一般的に構成されたようなピストンタイプの空式ドライブである。しかしながら本開示は、別の実施形態におけるように、そのようなに制限されるものではなく、本開示を参照すると明らかなように、ドライバ704’は機械的、電気的若しくは別の適切なドライブ構成要素であってもよい。ドライバ704’のストロークの長さは、所定の目標とする適用又は最終使用に対して所望するようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、ドライバ704’はハードストップストローク長を有する。ドライバ704’の別の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0026】
スペーサアセンブリ130’はさらに、直接又は間接的にドライバ704’に接続され得るシャフト706’を含み得る。シャフト706’の寸法と特別な構成が、所定の目標とする適用又は最終使用に対して所望するようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、シャフト706’は通常、円筒形形状である。ある実施形態に従って、シャフト706’の第1端部(例えば、近位端部)はドライバ704’と作動可能なように接続される。ある実施形態に従って、シャフトの第2端部(例えば、遠位端部)は、接続アーム708’ (以下に記載する)と作動可能なように接続され、バイアス部品712’(以下に記載する)と相互作用する。このようにして、ドライバ704’はシャフト706’を直線方式で駆動させ、シャフト706’は、スペーサアセンブリ130’を作動させて連結アーム708’とバイアス部品712’に力を加える。シャフト706’の別の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0027】
既に記載したように、スペーサアセンブリ130’は、シャフト706’に直接又は間接的に連結された連結アーム708’を含み得る。連結アーム708’は、シャフト706’の第2端部(例えば、遠位端)と相互作用するように構成されたフォーク型端部を有する細長い本体として通常構成され得る。該相互作用で、連結アーム708’は所定のクリアランス(例えば、隙間)範囲でシャフト706’の第2端部を受け入れ、任意ではあるが移動性連結部710’を設ける。フォーク型端部と反対に配置された連結アーム708’の端部は、1つ以上の適切な留め金具を介して(以下に記載する)ベアリング188’と直接又は間接的に連結され得る。連結アーム708’の別の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0028】
既に記載したように、スペーサアセンブリ130’はまた、所定にバイアス部材712’を含み得る。ある実施形態に従って、バイアス部材712’は、通常、連結アーム708’のフォーク型端部を超えて貫通するシャフト706’の第2端部(例えば、遠端部)と相互作用するように構成された第1端部を有する細長い本体のように構成される。バイアス部材712’の第2端部は、1つ以上の適切な留め金具を介してベアリング188’(以下に記載される)と直接又は間接的に連結され得る。ある実施形態によると、バイアス部材712’は、径方向のプレローディングを提供するように構成され、基板20、30に関する外向き径方向熱拡張適合性のために移動性連結部710’でプレローディング開始点を提供する。このようにして、接合チャンバ410における温度変化のため、基板20、30が径方向に寸法を拡大する又は縮めると、バイアス部材712’、ひいては、スペーサアセンブリ130’により、より一般的に、スペーサ136’(以下に記載される)は動き得る。そのため、例えば、バイアス部材712’は、所定の程度のプレローディングを提供するように構成された低力リーフスプリング又は別の適切なスプリングである。いくつかの場合、バイアス部材712’は、所定の目標とする適用又は最終使用に対する所望のように、より強い又はより弱い力が与えられるが与えられ得こともあるが、約0.5~2.0Nの範囲の復原力を提供するように構成され得る。バイアス部材712’の別の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0029】
しかしながら、本開示は、任意のバイアス部材712’と任意の移動性連結部710’とを含む実施形態によってのみのプレローディング及び径方向適合性の提供に限定されるものではないことに留意しなければならない。例えば、いくつかの別の実施形態に従って、バイアス部材712’と移動性連結部710’のどちらか(又は両方)が省略され、そのような場合、ドライバ704によって加えられる力は、所定の所望の程度まで減らされ、バイアス部材712’と移動性連結部710’の両方又はどちらか一方を含む場合に関しては、上述したものと同一又は略同一のプレローディングと適合性能を提供する。数多くの構成と変形は、本開示を参照すると明らかになる。
【0030】
さらに、既述したように、スペーサ130’は、実装部702’と直接又は間接的に連結され得るベアリング188’を含み得る。いくつかの実施形態に従って、ベアリング188’は、ベアリング188’に連結される部材の直線的動作(例えば、伸張と格納)が作用するように構成され得る。そのためにも、ベアリング188’は、例えば、一般的な動作をするように構成されるスライドレール部材を含む直線作動ベアリングであってもよい。ドライバ704’をシャフト706’、連結アーム708’、ひいては、ベアリング188’に連結することによって、ドライバ704’がシャフト706’を前進又は後退させると、ベアリング188’は、前進又は後退できる。従って、ベアリング188’は、上述したようにドライバ704’のストローク長と略同一のストローク長を有し得る。また、バイアス部材712’をベアリング188’に結合させることによって、ベアリング188’は、バイアス部材712’によって提供される復原力の一部又は全部を受ける。ベアリング188’の別の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0031】
図5、
図6からさらに明らかになるように、スペーサアセンブリ130’は、ベアリング188’と直接又は間接的に連結され得るスペーサ136’を含み得る。スペーサ136’は、スペーサフラグである、又は、一時的に又はそうでなければ所望の方法で、基板20、30の間に差し込まれるように構成された別の適切なスペーサ本体であり得る。
【0032】
スペーサ136’は、エンドエフェクタ100がウェハ20,30を受け取ると、ウェハ20、30を互いに離すために用いられる。ある例において、スペーサ136’は、窒化チタンのコーティングを有するステンレススチール本体から構成され得るが、様々な物質やコーティングもまた用いられ得る。スペーサ136’は、ウェハ20のエッジの下に相当する3つの位置に差し込まれ、そして、ウェハ30はスペーサ136’の下に積み重ねられる。スペーサ136’は、方向92に沿って水平に動くように構成され、固定具132a、132b、132cは、旋回運動、直線スライダに沿った動き、カムタイプ運動若しくはそれらの組み合わせで動くように構成され、下部ウェハ30と接触する。例えば、ある例で、固定具132a、132b、132cは半円内側境界120aの軸に略平行な旋回軸に対して回転し得る。
【0033】
いずれの場合でも、スペーサ136’の形と大きさは、所定の目標適用又は最終使用のようにカスタマイズされ得る。ドライブ704’をシャフト706’、連結アーム708’及びベアリング188’と連結させることで、ドライバ704’がシャフト706’を進める又は後退させるとき、スペーサ136’は前進又は後退できる。従って、スペーサ136’は、上述したように、ドライバ704’のストローク長と略同一のストローク長を有し得る。また、バイアス部材712’をベアリング188’に連結することで、スペーサ136’は、バイアス部材712’によって提供される復原力の一部又は全部を受け得る。既述したように、これは、所定の目標とする適用又は最終使用のように、径方向適合性の所定の範囲を提供し得る。ある実施形態によると、スペーサ136’は、少なくともいくつかの例において、任意ではあるが、基板20、30に関して十分な挟持作用を提供するように作用し得る、所定の範囲のz軸方向の適合性を提供するように構成され得る。
【0034】
スペーサ136’は、移動装置100が基板20,30を受け取ったとき、基板20、30を互いに離すために用いられ得る。ある例で、スペーサ136’は、窒化チタン(TiN)コーティングを有するステンレススチール本体から構成され得るが、様々な別の材料やコーティングもまた使われ得る。スペーサ136’は、相当する3つの位置111a、111b、111cのいずれか(又は全て)において基板20のエッジの下に差し込まれ、そして、基板30は、一般的に示されるように、スペーサ136’の下に積み重ねられ得る。所定のスペーサ136’は、略水平に動くように構成され得る。スペーサ136’に関する別の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0035】
また、
図5、
図6から分かるように、スペーサアセンブリ130’は、ガイド機構137’を含み得る。ある実施形態において、ガイド機構137’とスペーサ136’は、一体化した構成であり得る(例えば、単一、一元部品として一体形成される)。ある別の実施形態において、ガイド機構137’とスペーサ136’は、互いが直接又は間接的に添えられた、又は、そうでなければ作動可能なように連結された別々の部品であり得る(例えば、ポリリシック構造であり得る)。ガイド機構137’の形状と寸法は、所望の所定目標とする適用又は最終使用のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、ガイド機構137’は、通常、スペーサ136’と略平行にアラインされた1つのレッグとスペーサ136’と略垂直にアラインされる1つのレッグとを有するL型である。ガイド機構137’はスペーサ136’から所定の所望の方向かつ、任意ではあるが上昇して広がり得る。ある実施形態に従って、ガイド機構137’は、少なくとも一部がスペーサ136’からオフセットされており、基板20、30の間に差し込まれるものとするスペーサ136’の部分に近接して外側に広がる。ガイド機構137’は、略平面であるが、下にあるスペーサ136’の平面上の平面に存在する。この構成において、ガイド機構137’は、スペーサ138’が接合チャンバ410内でz方向へ進むと、(以下に記載する)スペーサ138’に対する参照停止位置(例えば、上昇限度)としての役割を果たす。このようにして、スペーサ138’がガイド機構137’の下側に直接(又は間接的に)接すると、スペーサ138’は、z方向への進行を止め、以下に記載するように基板20、30の間に差し込まれるために基板20、30に向かって進み始める。ガイド機構137’の適切な別の構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0036】
移動装置100を利用する接合処理は、従来の移動固定具を用いる接合処理とは相当異なる。従来の移動固定具は、アラインされたウェハを接合装置に移動し、接合処理の期間にわたって接合装置内に残る。対称的に、移動装置100は、アラインされた基板(例えば、ウェハ)を接合装置に移動させ、接合処理に先行して、接合チャンバから取り除かれ得る。つまり、移動装置100は、従来の移動固定具がさらされていた長時間に比べて、
短期間だけ接合装置内でアイドル温度(例えば、500℃と比較すると約300℃)にさらされる。結果的に、移動装置100は、より小さい機械応力と熱応力を受け、より少ないメンテナンスですむようになり、効率を増し、コストを減らすように作用する。
【0037】
図7は、本開示の実施形態に沿って構成された複数の接合チャンバスペーサアセンブリ480’を含む接合チャンバのアイソメトリック部分側面図を示す。明白なように、接合チャンバ410は、第1位置に第1スペーサアセンブリ480’を含み、第2位置に第2スペーサアセンブリ480’を含み、第3位置に第3スペーサアセンブリ480’を含み得る。当然ながら、本開示を参照して明らかになるように、別の実施形態によると、所望する所定の目標とする適用又は最終使用のように、より少ない(例えば、2つ以下)又はより多い(例えば、4つ以上)のスペーサアセンブリ480’が提供され得る。
【0038】
図8は、本開示の実施形態に従って構成されたスペーサアセンブリ480’のアイソメトリック側面図である。
図9、
図10はそれぞれ、本開示の実施形態に従って構成されたスペーサアセンブリ480’の側方断面立面図とアイソメトリック断面部分側面図を示す。
図11は、本開示の実施形態に従って構成されたスペーサアセンブリ480’の断面部分側面図を示す。
【0039】
図8~
図11から分かるように、スペーサアセンブリ480’は、接合チャンバ410の別の部分と直接又は間接的に連結され得る実装部486’を含み得る。そのためにも、実装部486’は、本開示を参照して明らかになるように、適切な固定手段を介して連結され得る。実装部486’の寸法と特別な構成は、所定の目標とする適用又は最終使用の所望のようにカスタマイズされ得る。本開示を参照すると明らかになるように、実装部486’は、いくつかの実施形態によると、例えば、
図21で示されるシェルフ486と略同一な方法で動作し、略同一目的を提供するように構成され得る。実装部486’の別な適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0040】
スペーサアセンブリ480’は、実装部486’に直接又は間接的に連結され得るドライバ482’を有し得る。ドライバ482’は、ドライバ482’に連結された部材の直線的な動き(例えば、伸張と格納)を提供するように構成され得る。本開示を参照すると明らかなように、ドライバ482’は、例えば、
図21に示されるような空式ピストン482と略同一な方法で作動し、同一目的を提供するように構成され得る。空式ピストン482は、Z軸コラム495の周りかつ下側ヒータ490の下部に配置されたリング44に実装される。空式ピストン482は、接合スペーサフラグ138aを支持するシェルフ486を支持する。空式ピストン482が作動させられると、それ(空式ピストン482)は、接合フィールドの中心へ向けて、及び、該中心から離れるように径方向に移動可能である。
【0041】
少なくともいくつかの実施形態において、ドライバ482’は、一般的に構成されるように、ピストン型空式ドライバである。しかしながら、本開示は、いくつかの別の実施形態におけるように、限定されるものではないので、ドライバ482’は、本開示を参照すると明らかなように、機械的、電気的若しくは別の適切なドライブ部材である。ドライバ482’のストローク長は、所望の所定の目標とする適用又は最終使用のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、ドライバ482’は、急停止ストローク長を有し得る。別の適切なドライバ482’の構成は、所定の目標とする適用に依拠し、本開示を参照して明らかになる。
【0042】
スペーサアセンブリ480’はさらに、ドライバ482’と直接又は間接的に連結され得るシャフト806’を有していてもよい。シャフト806’の寸法と特別な構造は、所定の目標とする適用又は最終使用の所望通りにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、シャフト806’は、通常、円柱形状である。いくつかの実施形態によると、シャフト806’の第1端部(例えば、近位端部)は、作動自在なようにドライバ482’に連結され得る。いくつかの実施形態によると、シャフト806’の第2端部(例えば、遠位端部)は、作動自在なように実装面486’に連結され、バイアス部材812’(以下で説明する)と相互作用し得る。該相互作用で実装面486’は、移動性連結部811’を提供しながら、所定のクリアランス範囲(例えば、隙間)でシャフト806’の第2端部と受け入れ得る。このようにして、ドライバ482’は、シャフト806’を直線形式で駆動させ、シャフト806’は、実装面486’とバイアス部材812’に力を加え得る。シャフト806’に関する他の適切な構造は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0043】
既に記載したように、スペーサアセンブリ480’は、バイアス部材812’を含み得る。バイアス部材812’は、通常、シャフト806’の第2端部(例えば、遠位端部)と相互作用するように構成された第1端部を有する細長い本体として構成され得る。そのためにも、実装部486’との境界面でシャフト806’の捕捉範囲を定める締結具810’が用いられ得る。バイアス部材812’の第2端部は、1つ以上の適切な固定具を介してベアリング488’(以下に記載する)と直接又は間接的に連結され得る。いくつかの実施形態によると、バイアス部材812’は、径方向のプレローディングを提供するように構成され、基板20、30に関する外向き径方向熱拡張順応性のために移動性連結部811’でプレローディング開始点を提供する。このようにして、接合チャンバ410における温度変化により基板20,30が径方向にサイズを大きくする、又は、縮めるにつれて、バイアス構成要素812’、ひいては、スペーサアセンブリ480’は、より一般的に、スペーサ138’(以下に記載する)が動くことができるようにする。そのために、バイアス部材812’は、例えば、ある程度のプレローディングを提供するために構成された低力リーフスプリング又は別の適切なスプリング構成部材である。いくつかの場合、バイアス部材812’は、所定の目標とする適用又は最終使用に対する所望のように、より強い又はより弱い力が与えられるが与えられ得こともあるが、約0.5~2.0Nの範囲の復原力を提供するように構成され得る。本開示を参照すると、バイアス部材812’によって提供される復原力は、上記と同様の方法又はそうでなければ所望の方法で、所定のスペーサアセンブリ130’の所定のバイアス部材812’によって提供される復原力によって対向される。バイアス部材812’の別の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0044】
さらに、上述したように、スペーサアセンブリ480’は、直接又は間接的に実装部486’に接続されたベアリング488’を含み得る。ある実施形態によると、ベアリング488’は、ベアリング488’に接続された構成要素の直線動作(例えば、拡張や格納)を容易にするように構成される。そのため、ベアリング488’は、例えば、一般的になされるように構成されたスライドレール構成部材を含む直線動作ベアリングであり得る。ドライバ482’をシャフト806に接続することにより、ベアリング488’は、ドライバ482’がシャフト806’を前進又は後退させると、ベアリング488’が前進又は後退できる。従って、ベアリング488’は、上述したようにドライバ482’のストローク長と略同一のストローク長を有し得る。また、バイアス部材812’をベアリング488’に結合させることによって、ベアリング488’は、バイアス部材812’によって提供される復原力の一部又は全部を受ける。ベアリング488’の別の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0045】
図8~11でさらに示されるように、スペーサアセンブリ480’は、実装部486’に直接又は間接的に接続され得る基部814’を含み得る。基部814’は、それらから伸びる脚部816’を有し得る。基部814’と付随の脚部816’の形状と大きさは、所望の所定の目標とする適用又は最終使用のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、脚部816’は、略垂直形式で基部814’から離れて広がり得る。基部814’と脚部816’に関する数多くの適切な構成は、本開示を参照すると明らかになる。
【0046】
スペーサアセンブリ480’はまた、脚部816’に直接又は間接的に接続されたアーム部818’を含み得る。いくつかの実施形態によると、アーム部818’は、アーム部818’上のバー部820’(以下に記載する)の実装部を保持する、又は、提供するように構成され得る。そのため、アーム部818’の形状と大きさは、所望の所定の目標とする適用又は最終使用のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、アーム部818’は、通常、脚部816’と略平行にアラインされた1つのレッグと、脚部816’と略垂直にアラインされる1つのレッグとを有するL型である。アーム部818’に関する別の適切な構成は、本開示を参照すると明らかになる。
【0047】
既述したように、スペーサアセンブリ480’は、アーム部818’に直接又は間接的に接続されたバー部820’を含み得る。いくつかの実施形態によると、バー部820’は、バー部820’上のスペーサ138’(以下に記載する)の実装部を保持する、又は、提供するように構成され得る。そのため、バー部820’の形状と大きさは、所望の所定の目標とする適用又は最終使用のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、バー部820’は、通常、一方の端部(例えば、遠位端)に傾斜部822’を有する拡張本体であり得る。
図11を参照すると特に分かるように、傾斜部822’は、所定の角度(θ)でアーム部818’から離れて広がり、そして、所望の所定の目標とする適用又は最終使用のようにカスタマイズされ得る。バー部820’に関する別の適切な構成は、所定の適用と本開示を参照すると明らかになる。
【0048】
図8~11からさらに分かるように、スペーサアセンブリ480’は、バー部820’に直接又は間接的に接続されたスペーサ138’を含み得る。スペーサ138’は、スペーサフラグである、又は、一時的に又はそうでなければ所望の方法で、基板20、30の間に差し込まれるように構成された別の適切なスペーサ本体であり得る。本開示を参照すると明らかになるように、スペーサ138’は、例えば上述のスペーサ138’と略同様の方法で作動し、略同一の目的を提供するように構成され得る。そのために、スペーサ138’の形状と大きさは、所望の所定の目標とする適用又は最終使用のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、スペーサ138’は、少なくとも1つの次元でスペーサ136’より小さく(例えば、側方立面観測点からみると、垂直輪郭がより細い)、少なくともいくつかの例において、この寸法の違いは、スペーサハンドオフ工程(本明細書に記載する)を容易にさせる。ドライバ482’をシャフト806’、実装部486’及びベアリング488’に接続することで、ドライバ482’がシャフトを進行又は後退させると、スペーサ138’は進行又は後退することができる。従って、スペーサ138’は、上述したように、ドライバ482’のストローク長と略同一のストローク長を有し得る。また、ベアリング488’とバイアス部材812’の接続により、スペーサ138’は、バイアス部材812’によって提供される復原力の一部又は全部を受ける。前述のように、これは、所定の目標とする適用又は最終使用のように、所定の範囲の径方向適合性を提供し得る。さらに、スペーサアセンブリ480’は、バー部820’の傾斜部822’の領域において、スペーサ138’に所定の範囲のプレローディングを提供するために構成された限界停止構成部材824’(例えば、肩付きねじ又は任意ではあるが留め金具である他の適切な本体)を含み得る。ある例では、スペーサ138’は、限界停止構成部材824’に対する弱いプレローディング力が加えられ、そのプレローディング力はとても小さく、スペーサ136’がスペーサハンドオフ工程の間に偏向又は他の動きをしないよう(又はしにくいよう)にし得る。いくつかの場合で、このプレローディング力は、所定の目標とする適用又は最終使用に対する所望のように、より強い又はより弱い力が与えられるが与えられ得こともあるが、約0.5~2.0Nの範囲の復原力を提供するように構成され得る。
【0049】
スペーサ138’は、接合装置によって利用され、2つの積み重なった基板20,30が接合装置内に配置されるとそれらを離す。明らかなように、移動性キャリア120の半円境界に関して略等距離に離され得るスペーサ138’は、スペーサ136’の近位位置に配置され得る。概要として、ある実施形態に係る接合は、基板20,30の間に差し込まれるスペーサ138’によって少なくとも一部が達成され、それによってスペーサ136’を取り除かれ、移動装置100の全体が接合チャンバから取り除かれる。そして、アラインされ、かつ、離された基板20,30は、ピン455’(以下に記載)にピン留めされ、ピン留めされた基板20,30に接合力が加えられ得る。接合が完了すると、移動装置100は、接合基板20,30を接合装置から取り除くために使用され得る。スペーサ138’の他の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0050】
図12は、本開示の実施形態に従って構成されたピン455’の断面立面図の一部を示す。
図13は、本開示の実施形態に従って構成されたピン455’の断面立面図の一部を示す。
図14は、本開示の実施形態に従って構成されたピン455’のアイソメトリック側面図の一部を示す。本開示を参照すると明らかになるように、一般的な意味において、ピン455’は、例えば、
図17A~
図22Bに関して以下に記載するピン455a,455b,455cのいずれかと略類似した方法で作動し、略類似した目的を果たすように構成され得る。
【0051】
ピン455’は、チタン、セラミック、例えば、窒化ケイ素(Si3N4)又は別の材料から構成され、ピン455’の底部に沿って配置された下側チューブ又はスリーブ504によって囲まれた中心ピン502を含み得る。下側チューブ504は、所望の断面形状(例えば、円形チューブ状又は円環状、矩形チューブ状)のいずれかであり得る。より一般的に、ピン455’は、所望の断面形状(例えば、円形、楕円形、曲線形状、長方形、正方形若しくは他の多角形形状)のいずれかであり得る。中心ピン502は、平坦又は尖ったピン先端506を含み得る。さらに明らかなように、いくつかの実施形態によると、ピン455’は、先端近くで径方向に適合性があり、そのため、ピン455’は、上部中央配置と±0.5mmで中央付けされ、プレローディングされるピン先端506を所望の入射角度で一対の基板20,30と係合させる。ピン455’のプレローディングにより、ピン455’が力を加えられ径方向に適合するのと同様に、ピン455’は、駆動させられると、自然に中央に配置される。結果として、いくつかの実施形態によると、ピン455’は、基板20,30に垂直力が加えられることを維持するように構成され得る。
【0052】
ピン455’は、中心ピンブッシュ512を有する中央ハウジング510内でほぼ中心を合わせて配置されており、中心ピンブッシュ512は、それ自体が、ピン455’を配置するために使用されるブッシュであって、小さい長さ-直径比で合うブッシュを有している。中心ピンブッシュ512は、ボンダ400の周辺機器からピン455’を電気的に絶縁し、その絶縁は、基板20,30を接合するために相当な高電圧が使用され得る陽極の接合工程において重要である。中心ピンブッシュ512の下側端部に向けて、フッ素重合体又は同様な材料から製造され得る、径方向に適合したO-リング520を中心合わせするために低力プレローディングがかかる。O-リング520により、ピン502と周囲チューブ504はボンダ400内で径方向に動くことができる。
【0053】
図12~
図14から分かるように、ピン455’は、端部に脚部900’を有し得る。いくつかの実施形態によると、脚部900’は、基板20,30と直接又は間接的に接し、所定の力をそこに加えるように構成された本体部902’を含み得る。そのため、本体部902’の大きさと特別な構成は、所定の目標とする適用又は最終使用に対する所望のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、本体部902’は、略平坦で硬いベースを有する略円柱状の本体であり得る。脚部900’の非圧縮状態において、本体部902’とチューブ504の間に隙間908’が存在する。しかしながら、ピン455’が基板20,30に付随させられると、隙間908’の一部又は全部が閉じ得る。
【0054】
本体部902’は、本体部902’上に構成された開口904’を有し、その開口904’を介して保持ピン912’又は他の固定部品が差し込まれ、本体部902’が1つ以上の軸に沿って動くことができる間、本体部902’をチューブ504に関連する位置に保持する。そのため、開口904’の大きさと形状は、所定の目標とする適用又は最終使用に対する所望のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、開口904’は略円形形状である。いくつかの例において、対応する楕円形開口914’が、チューブ504に提供され、一部又は全部が開口904’と一列に配置される。保持ピン912’又は他の固定部品は、脚部900’がチューブ504の端部で非圧縮状態と圧縮状態の間を移行するとき、楕円開口914’内を鉛直に動き得る。
【0055】
本体部902’はさらに、底部と反対側に露出する先端接触機構906’を含み得る。いくつかの実施形態において、先端接触機構906’は、中心ピン502に加えられた下向きの力を移行させる方法で、ピン先端506によって本体部902’(及び、それゆえ、本体部902’が付随し得る基板20,30)と直接又は間接的に接触するように構成され得る。このようにして、脚部900’は、基板20,30に力を均一に配分するように構成され、一方で、それらの基板20,30が接合チャンバ410内でシフトする機会を取り除く(又はそうでなければ最小限にする)。そのために、先端接触機構906’の大きさと形状は、所定の目標とする適用又は最終使用に対する所望のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの実施形態において、先端接触機構906’は、本体部902’の部分的な表面から広がる略半球であり、そうでなければ、凸状である。脚部900’は、の他の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0056】
図12~
図14からさらに明らかになるように、ピン455’はまた、中心ピンブッシュ512内で露出されるガイド機構910’を含み得る。いくつかの実施形態によると、ガイド機構910’は、チューブ504、ひいては、中心ピン502をガイドするように構成され、ピン455’の作動中にチューブ504がスライドする表面を提供する。そのために、ガイド機構910’の大きさと特別な構成は、所定の目標とする適用又は最終使用に対する所望のようにカスタマイズされ得る。少なくともいくつかの例で、ガイド機構910’は、ガイド機構910’の外側表面と中心ピンブッシュ512の内側側壁表面との間に隙間があるように大きさ付けられ、それにより、ガイド機構910’、ひいては、チューブ504の横方向の所定の程度の動きを中心ピンブッシュ512内で可能にする。ある実施形態において、ガイド機構910’は、プレローディングを与え、力を中心に与える間、中心ピン502と周囲チューブ504を径方向に動かす方法で、O-リング520と相互作用し得る。本開示で明らかになるように、O-リング520は、いくつかの実施形態によると、例えば、「’689出願」と略同一の方法で、かつ、略同一の目的を果たして作用するように構成され得る。少なくともいくつかの場合、ガイド機構910’の一部又は全部は、チューブ504に対して所望のスライド動作を容易にする高性能プラスチック材料から形成され得る。ガイド機構910’の他の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0057】
ピン455’はさらに、チューブ504の端部で露出され得るベアリング916’を含み得る。いくつかの実施形態によると、ベアリング916’は、チューブ504、ひいては、チューブ504が通ることができるガイド機構910’が、中心ブッシュ510内で径方向に動けるように構成され得る。このようにして、ベアリング916’は、中心ピン502と脚部900’にジンバル動作又は他の旋回動作を提供し、所定の目標とする適用又は最終使用に対する所望のように、所定の範囲の径方向の適合及び基板20,30との入射角度にわたる制御を提供する。そのために、ベアリング916’は、少なくともいくつかの実施形態において、一般的に構成された球形又は別の丸いベアリングであり得る。ベアリング916’の他の適切な構成は、所定の適用に依拠し、本開示を参照すると明らかになる。
【0058】
いくつかの実施形態において、脚部900’は、ジンバルタイプの動きが可能であり、中心ピン502からの先端負荷を受けるように構成される。このようにして、脚部900’は、基板20,30に一様に付加される力、ひいては、圧力を制御できる。少なくともいくつかの例で、真に垂直な力、ひいては、真に等しい圧力が達成される。そのように、いくつかの実施形態に係る脚部900’は、周辺チャック320,330(上述した)によって加えられる圧力を略一致させる方法で基板20,30に圧力をかけるために利用され得る。
【0059】
図15は、本開示の実施形態に係る、接合チャンバ410に配置されたアラインされた基板移動装置100とピン455’とのアイソメトリック図を示す。本明細書に記載するように、移動装置100は、接合チャンバ410内で複数の基板20,30を運び得る。移動装置100によって集められた1つ以上のスペーサアセンブリ130’は、最初に、基板20,30の間に配置されたスペーサ136’を有し得る。そして、接合チャンバ410によって集められた1つ以上のスペーサアセンブリ480’によって、基板20,30の間に各スペーサ138’が差し込まれ得る。同時に(又は事前に又は順に)、ピン455’によって、基板20,30に圧力が加えられ、基板20,30は固定される。配置されたスペーサ138’と基板20,30を固定するピン455’は、基板20,30の間の配置から引っ込められ、接合チャンバ410におけるスペーサハンドオフを実施する。この工程におけるさらなる詳細を直ぐ後に記載する。
【0060】
図16A~
図16Bは、本開示の実施形態に係る、スペーサ交換処理における複数の工程のアイソメトリック図の一部を示す。
図16Aから分かるように、スペーサハンドオフ処理は、基板20,30の間に配置されたスペーサ136’で始まる。この位置において、ガイド機構137’は、スペーサ136’の側部に飛び出し、スペーサ136’の側部上の平面に位置したままであり得る。そして、スペーサ138’は、ガイド機構137’の下側に付随するまで、z軸に沿って上向きに動き得る。従って、一般的な意味において、ガイド機構137’は、スペーサ138’が接合チャンバ410においてz軸方向動く限界を構成するシーリングとして機能し得る。同時に(又は事前に又は順に)、ピン455’は、本明細書に記載のように、基板20,30と係合し得る。そして、
図16Bから分かるように、スペーサ138’は、ガイド機構137’の下に位置したまま、基板20,30に向かって進み、それらの間に挟まれる。そして、スペーサ136’とガイド機構137’は、スペーサ138’を基板20,30の間に配置したまま基板20,30から後退する。
【0061】
このスペーサハンドオフ処理において、ピン455’は、スペーサアセンブリ130’、480’に関連して機能し、スペーサハンドオフ処理の間、径方向適合性を提供しながら、基板20,30を位置付けしたままにする。ピン455’の脚部900’が最初に、基板20,30に接触すると、本体部902’は、平坦化し、基板20,30の付随表面と略同一平面になる、又はそうでなければ、略平行になり得る。中心ピン502が、先端接触機構906’で脚部900’に力を加えると、脚部900’は、本体部902’の略平坦で、硬い基板の領域にわたってその力を加え、それゆえ、局所的な入射領域において基板20,30に均等に圧力を加える。その構成のため、脚部900’は、その圧力を均一で、均等な方法で配分し、それによって、接合チャンバ410内の処理温度によって生じ得る非均衡熱膨張を防ぐ、又は、そうでなければ減らす方法で、横に伸びる基板20,30をねじることなく、かつ、基板20,30を結びつけながら十分に固定する。従って脚部900’とピン455’は、より一般的に、特に中心先端に対する基板20,30の径方向成長にわたる制御を所定の程度で提供する。
【0062】
ピン455の構造と作動様式に関するさらなる詳細は、
図17A~
図22bに関連して以下で説明する。
【0063】
図17A~17Hは、本開示の第1典型的な実施形態に従って、
図4のエンドエフェクタでアラインされたウェハペアをボンダに載せる工程の概略断面図を示す。アラインされたウェハ20,30がロボットアーム80とエンドエフェクタ100で移動され、かつ、積載され得る1つ以上の処理ステーションは、ボンダ400である。
図17Aは、ウェハが接合チャンバ410内に配置されることに先立て、アイドル状態にあるボンダ400を示す。ボンダ400は、接合チャンバ410の上下に配置されるボトムチャック430とトップチャック420とを含み、それら両方は、加熱状態を維持しウェハを接合できる。トップチャック420とボトムチャック430の両方又は片方は、z軸に沿って鉛直方向に移動可能である。多くのボンダ400構成においては、1つのチャックだけが移動可能で、他方のチャックは静止したままである。接合スペーサ138aは、ボンダ400内に含まれ、ボンダ400の下側のステージに接し、それにより、接合スペーサフラグ138aは、ボトムチャック430とともに鉛直方向に移動し、それによってボトムチャック430と一定の相対距離を維持する。各図面は、開示を明瞭にするために、単一接合スペーサフラグ138aのみを通常示すが、3つ以上の接合スペーサ138a,138b,138cがボンダ400において用いられ、ボンダ内の3つ以上の先端で同時に又は異なるが所定のタイミングで同一又は同様の機能が生じる。
【0064】
エンドエフェクタ100を用いる接合処理は、従来の移動固定具を用いる接合処理とは相当異なる。従来の移動固定具は、アラインされたウェハを接合装置に移動させ、接合処理の間中、接合装置内にとどまらなければならない。対称的に、主開示のエンドエフェクタ100により、アラインされたウェハは接合装置に移動され、接合処理に先立って接合チャンバから取り除かれる。つまり、エンドエフェクタ100は、接合装置において、従来の移動固定具がさらされていた500℃の温度で長時間に比べて短い期間だけアイドル温度、例えば約300℃にさらされる。結果として、エンドエフェクタ100は、少ない機械応力と熱応力を受け、効率を上げコストを減らすために機能するメンテナンスが少なくてよい。
【0065】
概略として、本開示に係る接合は、一部、接合スペーサ138aの利用によって達成され、接合スペーサ138aは、ウェハの間に差し込まれ、それによって、エンドエフェクタスペーサフラグ138a,138b,138cは取り除かれ、エンドエフェクタ100の全体は、接合チャンバから取り除かれる。そして、アラインされ離隔されたウェハは、ピン455,455b,455cでピン留めされピン留めされたウェハ20,30に接合力が加えられる。接合が完了すると、エンドエフェクタ100は、接合ウェハを接合装置から取り除かれるために利用され得る。
【0066】
ボンダ400においてアラインされた一対のウェハ20,30をエンドエフェクタ100で積載させる処理のさらなる詳細は、
図17A~
図17Hに関連して提供される。まず
図17Bに関して、アラインされ、固定されたウェハ20、30は、エンドエフェクタ100によって運ばれ、接合チャンバ410に差し込まれる。このボンダ構成において、トップチャック420は固定され、ボトムチャック430は、zドライブ450を介して方向425に沿って移動可能であるが、ボンダ400は、移動自在な固定チャックのいずれの構成をも有し得ることに留意すべきである。既に記載したように、エンドエフェクタは、ウェハ20,30の端部20e,30eを固定アセンブリ130a、130b、130cで保持し、ウェハ20,30は、方向99に沿って接合チャンバ410に差し込まれ、端部20e、30eは、
図17Bに示すようにボンダ400の積載側から突出する。この開始工程において、流動性キャリア120は、フレーム部材110と接触し、ウェハ端部20e、30eは共に固定される。
【0067】
次に、
図17Cに示すように、固定ウェハ20,30を伴う流動性キャリア120は、方向90bに沿って下向きに動くようにフレーム部材110から分離し、ウェハ20,30は、下側チャック430に配置され、それにより、ウェハ30の底面は、ボトムチャック430の上面と接する。多数ある代替のうちの1つにおいて、固定ウェハ20,30を伴う流動性キャリア120は、方向90aに沿って上向きに動き、ウェハ20,30は、トップチャック420の底面に配置され、そのため、ウェハ20の上面は、トップチャック420の底面に接する。図示されるように、ボトムチャック430は、ボトムチャック430の境界部に沿って1つ以上のカットアウト432を有し得、カットアウト432は、ウェハ20,30をボンダ400内に配置するためにエンドエフェクタ100と十分な間隔を有し、それにより、例えば、ウェハ20,30の外側端部は、トップチャック420とボトムチャック430の境界と略一列に並んで配置され得る。次に、エンドエフェクタスペーサフラグ136aが、ウェハ20,30の間に配置されたままである間、1つ以上のピン455aが
図17Dに示されるように1つ以上の位置においてウェハ20の上面と接するようにされる。
【0068】
産業において、生産を増やすためにウェハを可能な限り効率的に接合することが望ましい。接合ウェハペアの生産を増やすための技術の1つは、ボンダ400がウェハを能動的に接合していなくても、ボンダ400内における高温を維持することであり、それによって、ボンダ400が各サイクルで作動温度まで上昇するために必要な時間を減らす。しかしながら、アラインされたウェハを、例えば、400℃のオーダーで既に加熱されたボンダ400内に配置することは、ウェハ20,30の配置に影響し得る。例えば、ウェハ20,30をこの種の加熱環境に置くことは、結果としてウェハ20,30を径方向に広がらせるので、迅速かつ可能な限り正確にウェハ20,30をピン留めすることが望ましい。ウェハ20,30が異なる位置にピン留めされる間、ウェハ20,30を径方向端部にそってピン留めする代わりに、中心点であわせてピン留めすることが望ましく、それによって、ウェハ20,30がオフセットポイントから熱膨張し、誤配置を生じさせる状況を防ぐ。
図17D~
図17Fにおいて、ピン455aは、ウェハ20,30の中心に配置されて示されているが、
図19A~
図19Cに関して説明されるように、ピン455aの数とそれらの配置は異なり得る。
【0069】
そして、
図17Eに示されるように、ウェハ20,30が1つ以上のピン455aで保持される間、ウェハ20,30の端部に近位して配置された1つ以上の接合スペーサフラグ138aは、方向411bに沿ってウェハ20,30の間に差し込まれる。接合スペーサフラグ138aは、エンドエフェクタスペーサフラグ136aより薄く、それゆえ、エンドエフェクタスペーサフラグ136a周りに固定されたウェハ20,30の間に差し込まれ得る。ある実施例において、接合スペーサフラグ138aは、約100μであり、エンドエフェクタスペーサフラグ136aは、約200μである。
【0070】
次に、クランプ132a,132b,132cが解除され、
図17Fに示されるように、ウェハ30の底面の端部30eから外れる。クランプは、予め決められた方法、例えば、一緒に、順に若しくはそれらを組み合わせた方法に従って取り除かれる。クランプ132a,132b,132cが解除された後、エンドエフェクタ136aは、
図17Gに示されるように、方向92bに沿って2つのウェハ20,30の間のスペーサから取り除かれる。3つ以上の接合スペーサフラグ138aは、ウェハ20,30の境界線に対してウェハ20,30の間の位置を維持する。通常、接合スペーサフラグ138aは、ウェハ20,30の境界線に沿ったエンドエフェクタフラグ136aの位置の近くに配置される。エンドエフェクタフラグ136aが取り除かれた後、
図17G~
図17Hに示されるように、ウェハ20,30の間を維持している、近くの接合スペーサスラグのため、ウェハ20,30の間の離隔隙間は依然存在している。
【0071】
最後に、エンドエフェクタ100は、バキュームパッド122a,122b,122cがウェハ20の端部20eの上面から外されるまで方向97aに沿って上向きに動き、
図17Hに示すように、ピン留めされたウェハ20,30をボトムチャック430の先端に残したままにする。この工程で、
図17Iに示すように、エンドエフェクタ100は、ボンダ400から完全に取り除かれ、ウェハ接合が開始され得る。ウェハ接合処理の最初の段階において、ウェハ20,30は、接合スペーサフラグ138aに対して一緒に接合される。力を加えることに先立って、接合スペーサフラグ138aは、取り除かれる。接合処理が完了した後、接合ウェハペア20,30は、エンドエフェクタ100でボンダ400から取り除かれる。
【0072】
図18は、この開示の最も典型的な実施形態に従って、
図4のエンドエフェクタを受け入れるように配置されたボンダを示す。特に、
図18のボンダ400は、別々に構成された固定部材と移動自在部材を有し得る。
図17A~
図17Hにおいて、ボンダ400は、上側チャック420が固定され、下側チャック430がz軸に沿って移動可能なように構成される。
図18に示されるように、ボンダ400の構成において、下側チャック430は固定され、上側チャック420が、上側チャック420の底面がトップウェハの上面に接するまで、方向426に沿って動く。ボンダ400の上側チャック420と下側チャック430の両方又はどちらか一方の動きに関する全てのバリエーションは、本開示の装置、システム及び方法で利用され得る。
【0073】
図19A~19Cは、ボンダにおいて使用されるピンのバリエーションを示す。
図19Aは、本開示の最も典型的な実施形態に従って、単一中心ピンを介して2つのウェハをピン留めする概略図を示す。
図19Bは、本開示の最も典型的な実施形態に従って、中心ピンとオフセンタ非回転ピンを介して2つのウェハをピン留めする概略図を示す。
図19Cは、本開示の最も典型的な実施形態に従って、3つの末梢ピンを介して2つのウェハをピン留めする概略図を示す。
図19A~
図19Cを参照すると、1つ以上のピン455a、455b、455cは、1つ以上の異なる配置でウェハ20の上面と接触させられ得る。
図19Aに示すように、ウェハ20,30の中心に配置された単一ピン455aを使用することが望ましい。中心の単一ピン455aを使用することで、ウェハ20,30は、誤配置することなく熱膨張できる。
【0074】
ある代替において、ウェハ20,30は、
図19Bに示されるように2つのピン455a,455bでピン留めされ得る。ここで、ピン455aは中心ピンであり、ピン455bは、ピン455bがウェハ20,30の回転を妨げるような、非回転ピンである。この構成において、中心ピン455aは、非回転ピン455bよりも、強いピン留め力をウェハ20,30に加え得る。さらに、非中心ピン455bは、ウェハ20,30の半径に沿って動くことができ、ウェハの熱膨張を適応するので、径方向に適合性があり得る。
図19Cに示される別の代替において、3つのピン455a,455b,455cが利用され、それらはウェハ20,30の周囲、例えば、接合スペーサフラグ138aの近く、に配置される。それら3つのピンは、ウェハ20,30の周辺で略均等に、例えば、互いに120°離されて、離隔される。これらの構成の組み合わせ又は明確には示されていない別のピン構成を利用することもまた可能である。例えば、
図19Cの3つの境界ピンと共に
図19Aの中心ピンを用いることが望ましい。
【0075】
図20は、本開示の最も典型的な実施形態に係る、典型的なウェハ接合の概略図である。
図20に示されるように、ボンダ400はさらに、膜力とモータ配置を有する圧力ヘッド460、圧力プレートと上側ピン455を有する接合ヘッド470、接合スペーサフラグ機構480、サンドイッチプレートとパージ機構を有する下側ヒータ490及び静止Z軸支持コラム495を含む。
【0076】
図21は、ウェハボンダ400と共に使用される典型的な接合スペーサフラグ機構480の本開示の実施形態に係る概略図である。
図20、
図21を参照すると、接合スペーサフラグ機構480は、アラインされたウェハペアの間の差し込まれた位置と引き抜かれた位置との間で接合スペーサフラグ138a,138b,138cを動かすために用いられ得る。ある例において、接合スペーサフラグ機構480は、Z軸コラム495の周り、かつ、下側ヒータ490の下に配置されたリング484に実装された空式ピストン482を有し得る。空式ピストン482は、接合スペーサフラグ138aを支持するシェルフ486を運ぶ。空式ピストン482が作動させられると、接合領域の中心に向かってかつ離れて、径方向に動くことができる。接合スペーサフラグ138aの動きは、シェルフ486がスライド可能なレール488によってガイドされ得る。これらの構造により、ウェハが熱膨張すると、接合スペーサフラグ138aは、ウェハ20,30とともに径方向に動くことができる。空式制御された装置を超えた他の機械的装置と電子機械的装置もまた、接合スペーサフラグ138aを動かすために用いられ得る。
【0077】
従来の接合装置は、1つ以上のピンを利用してウェハを圧縮していたが、これらの装置は、ピン全体にわたって制限された力制御を提供する。ある例において、従来のピンは、ウェハに一定の力を与えるだけの圧縮スプリング又は同様の装置によって生成される単一力を有していた。結果として、上側チャックと下側チャックがウェハを圧縮したとき、ピンとアラインされたウェハの領域は、チャックによって接触させられたウェハの領域よりも付加される圧力が小さく、それによって、ピンと接するウェハの部分の機械的に高い収量低下を生じさせた。同時に、従来のピンのより低い熱伝導性は、ピンとアラインされたウェハの部分で熱的に高い収量低下を生じさせた。これらの問題は、従来のピンがより大きい直径と大きい周囲隙間、通常約12~14mm、を有するという事実と結びつくと、機械的に高い収量低下と熱的に高い収量低下は、ウェハ接合において、重大な非効率に至る。
【0078】
これらの問題を克服するために、本開示の主題は、機械的収量低下と熱的収量低下とを減らすピン455aを考慮する。この目的のために、
図22Aと
図22Bは、本開示の最も典型的な実施形態に係るピン455aの一例の概略図である。図示されるように、ピン455aは、ウェハ(図示されていない)が接合のために配置されている接合チャンバ410へ移動可能なように、接合装置のチャック420を介して広がり得る。ある例において、ピン455aは、直径5mmであり、トップチャック420内の6mmの穴内に配置され、トップチャック420に対して約0.50mmのクリアランスをピン455aに与える。およそ12~14mmのピンと隙間直径とを有する先行技術のピンと比較して、直径6mmの隙間を有するピン455aは、機械的収量低下を相当改善し得る。さらに、圧縮スプリングを利用して機械的力を提供する従来のピンと異なるように、ピン455aは、空式アクチュエータを利用してウェハ上のピン455aの力を制御し得る。結果として、ピン455aによって加えられる圧力は、チャックの圧力に実質的に匹敵するように選択され、それによって、機械的収量低下をさらに減らす。
【0079】
ピン455aは、チタン、セラミック、例えば、窒化シリコンセラミック又は別の材料から構成され、ピン455aの底部に沿って配置された下側チューブ又はスリーブ504によって囲まれた中心ピン502と、薄い壁を有し、ピン455aの上部に沿って配置された上側チューブ又はスリーブ505とを含み得る。下側スリーブ504と上側スリーブ505とは、中心ピン502に近位したジョイントで、例えば、溶接又は別の技術で、ともに接続され得る。中心ピン502は、平らなピン先端506を含み得る。
図22Bを参照してさらに説明されるように、チャック420の上方に配置されたヒータ526との接合点において、上側スリーブ505は、周囲チャック420及び/又はヒータピン532によって積極的に加熱され、中心ピン502もまた、周囲チャック420によって加熱され得る。さらに、ピン455aの構造と相互作用させられた抵抗性加熱部材とともにピン455aの部材を加熱することができる。いくつかの構成において、チャック420からのパッシブ加熱と抵抗性加熱部品からのアクティブ加熱は、ピン455aの様々な部品を加熱するために使用され得る。
【0080】
ピン455aは、プレロードされ、先端中心積載で±0.5mmで中心に置かれ、ピン先端506を所望の入射角で一対のウェハ20,30を係合させるように、先端近くで径方向に適合し得る。ピン455aをプレロードすることにより、ピン455aは、作動したとき、自然と中心位置に配置されるが、ピン455aは、一度力を加えられると、径方向に適合できる。結果として、ピン455aは、ウェハに垂直力を加え続けることができる。
【0081】
ピン455aのさらなる機構は
図22Bに示される。ピン455aは、ピークブッシュとして知られる中心ピンブッシュ512を有する中心ハウジング510内で略中心に配置さており、中心ピンブッシュ512は、それ自体が小さい長さ-直径比であわさるブッシュ514を有し、該ブッシュは、ピン455aを配置するために用いられる。中心ピンブッシュ512は、ボンダ400の周囲機械からピン455aを電気的絶縁し、これは、ウェハを接合するために相当高い電圧が使用され得る陽極接合処理のために重要である。チャンバリッド516とスチール力反応板518もまた、中心ピンブッシュ512を囲んで配置される。中心ピンブッシュ512の下端に向けて、弱い力がプレロードされ、シリコン又は同様の材料から製造され得る径方向適合O-リング520を中心に置く。O-リング520により、中心ピン502と周囲チューブ504は、ボンダ400内で径方向に動くことができる。アルミニウム冷却フランジ522は、力反応板518の下に配置され、熱絶縁部材524は、冷却フランジ522の下に配置され、熱的にヒータ526を絶縁する。
【0082】
冷却フランジ522の内側は、中心ピン502の一部を囲むブッシュ528である。ブッシュ528と熱絶縁部材524は、例えば、商品名ZERODUR(商標登録)で売られているリチウムアルミノケイ酸ガラス-セラミック又は同様の材料から構成され得る。ブッシュ528は、重複機構として作用し、かつ、真空において低い空気絶縁体を伴う電気的絶縁を提供する差し込み空洞530を両側に有し得る。ヒータピン532は、ブッシュ528の下、かつ、中心ピン502とチューブ504との下側端部周りに配置される。ヒータピン532は、窒化シリコンから形成され、ブッシュ528の下側差し込み空洞530と係合される。ヒータピン532もまた、ヒータ526と上側チャック420の少なくとも一部の厚さに沿って中心ピン502とチューブ504と接続し得る。ヒータ526との接合点にヒータピン532を配置することは、ヒータピン532を構成するために用いられる材料と同様に、ヒータ526から中心ピン502とチューブ504とまでのヒータピン532を介する効率的な熱移動を可能にする。全ての構造は、ヒータ526からそれら(中心ピン502とチューブ504)が接するウェハの部分まで十分に熱を移動させるために配置されているので、これにより、中心ピン502とチューブ504は、トップチャック420の温度と略一致する温度を有する。つまり、従来のピンが経験する熱収量低下は、相当改善され得る。ピン455aの適用の力を制御できる間、ピン455aの熱連結性が増すことで、先行技術によって事前に達成されていたウェハの接合を改善し得る。
【0083】
本開示の上述の実施形態、特に「望ましい実施形態」は、単にあり得る実施の例であって、本開示の趣旨を明確に理解するための設定にすぎない。本開示の精神と主旨からおよそ生じることなく、本開示の上述の実施形態に、多くの変更とバリエーションと修正が作られ得る。そのような修正と変更全ては、この開示と本開示の範囲内で本明細書に含まれるとされ、以下の請求項によって保護さられるものとする。