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  • 特許-印刷装置、印刷システム、印刷方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷システム、印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/18 20060101AFI20230328BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230328BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
B41J2/18
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J2/175 121
B41J2/175 501
B41J2/01 125
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018177462
(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公開番号】P2020044823
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】武藤 正吾
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-083413(JP,A)
【文献】国際公開第2009/069691(WO,A1)
【文献】特開2017-154298(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0165782(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0007106(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクをノズルから吐出する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドから回収したインクを貯留する回収タンクと、
前記吐出ヘッドに供給するインクを貯留する供給タンクと、
前記回収タンクから前記供給タンクへインクを送ることで、前記回収タンクから前記供給タンクを介して前記吐出ヘッドに到った後に前記回収タンクに戻る循環経路でインクを循環させるインク循環動作を、供給された電力により実行する循環ポンプと、
前記供給タンク内に負圧を与える第1負圧付与部と、
前記回収タンク内に負圧を与える第2負圧付与部と、
前記供給タンクと前記回収タンクとの間に設けられて、通電時に前記供給タンクと前記回収タンクとを相互に遮断する一方、非通電時に前記供給タンクと前記回収タンクとを連通させる第1電時弁と、
前記循環ポンプおよび前記第1電時弁に電力を供給する電源部と
を備え、
前記第2負圧付与部は、前記回収タンクに接続された第2電磁弁と、第2負圧ポンプと、前記第2負圧ポンプによって減圧される第2負圧タンクと、前記第2負圧タンクに接続された可撓性の第2負圧チューブと、前記回収タンクから前記第2負圧タンクへ向かう方向において、気体の通過を許容しつつインクの通過を禁止する第2逆止フィルタとを有し、前記第2負圧ポンプが前記第2負圧タンクに生成した負圧を、前記第2電磁弁を介して前記回収タンクに与え、前記第2負圧ポンプが前記第2負圧タンクに生成した負圧を、前記第2負圧チューブを介して前記回収タンクに与え、前記第2逆止フィルタによって前記回収タンクから前記第2負圧チューブへのインクの流入を防止し、
前記第2電磁弁は、通電時に前記回収タンクと前記第2負圧タンクとを連通させる一方、非通電時に前記回収タンクと前記第2負圧タンクとを相互に遮断し、
前記第1負圧付与部は、前記供給タンクに接続された第3電磁弁と、第1負圧ポンプと、前記第1負圧ポンプによって減圧される第1負圧タンクと、前記第1負圧タンクに接続された可撓性の第1負圧チューブと、前記供給タンクから前記第1負圧タンクへ向かう方向において気体の通過を許容しつつインクの通過を禁止する第1逆止フィルタとを有し、前記第1負圧ポンプが前記第1負圧タンクに生成した負圧を、前記第3電磁弁を介して前記供給タンクに与え、前記第1負圧ポンプが前記第1負圧タンクに生成した負圧を、前記第1負圧チューブを介して前記供給タンクに与え、前記第1逆止フィルタによって前記供給タンクから前記第1負圧チューブへのインクの流入を防止し、
前記第3電磁弁は、通電時に前記供給タンクと前記第1負圧タンクとを連通させる一方、非通電時に前記供給タンクと前記第1負圧タンクとを相互に遮断する印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置と、
前記印刷装置により印刷媒体に吐出されたインクを乾燥させる乾燥装置と
を備えた印刷システム。
【請求項3】
循環ポンプに電力を供給して、負圧が付与された回収タンクから負圧が付与された供給タンクへ前記循環ポンプによりインクを送ることで、前記回収タンクから前記供給タンクを介して吐出ヘッドに到った後に前記回収タンクに戻る循環経路でインクを循環させつつ、前記吐出ヘッドのノズルからインクを吐出する印刷動作を実行する工程と、
前記印刷動作と並行して、前記供給タンクと前記回収タンクとの間に設けられた電磁弁に電力を供給する工程と
を備え、
前記電磁弁は、通電時に前記供給タンクと前記回収タンクとを相互に遮断する一方、非通電時に前記供給タンクと前記回収タンクとを連通させ、
前記供給タンク内には第1負圧付与部により負圧が与えられ、
前記回収タンク内には第2負圧付与部により負圧が与えられ、
前記第2負圧付与部は、前記回収タンクに接続された第2電磁弁と、第2負圧ポンプと、前記第2負圧ポンプによって減圧される第2負圧タンクと、前記第2負圧タンクに接続された可撓性の第2負圧チューブと、前記回収タンクから前記第2負圧タンクへ向かう方向において、気体の通過を許容しつつインクの通過を禁止する第2逆止フィルタとを有し、前記第2負圧ポンプが前記第2負圧タンクに生成した負圧を、前記第2電磁弁を介して前記回収タンクに与え、前記第2負圧ポンプが前記第2負圧タンクに生成した負圧を、前記第2負圧チューブを介して前記回収タンクに与え、前記第2逆止フィルタによって前記回収タンクから前記第2負圧チューブへのインクの流入を防止し、
前記第2電磁弁は、通電時に前記回収タンクと前記第2負圧タンクとを連通させる一方、非通電時に前記回収タンクと前記第2負圧タンクとを相互に遮断し、
前記第1負圧付与部は、前記供給タンクに接続された第3電磁弁と、第1負圧ポンプと、前記第1負圧ポンプによって減圧される第1負圧タンクと、前記第1負圧タンクに接続された可撓性の第1負圧チューブと、前記供給タンクから前記第1負圧タンクへ向かう方向において気体の通過を許容しつつインクの通過を禁止する第1逆止フィルタとを有し、前記第1負圧ポンプが前記第1負圧タンクに生成した負圧を、前記第3電磁弁を介して前記供給タンクに与え、前記第1負圧ポンプが前記第1負圧タンクに生成した負圧を、前記第1負圧チューブを介して前記供給タンクに与え、前記第1逆止フィルタによって前記供給タンクから前記第1負圧チューブへのインクの流入を防止し、
前記第3電磁弁は、通電時に前記供給タンクと前記第1負圧タンクとを連通させる一方、非通電時に前記供給タンクと前記第1負圧タンクとを相互に遮断する印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ノズルからインクを吐出する吐出ヘッドにインクを循環的に供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の印刷装置は、水頭差によって吐出ヘッドにインクを供給する供給タンク(加圧タンク)と、吐出ヘッドからインクを回収する回収タンク(負圧タンク)とが設けられ、これらのタンクの間に配置された循環ポンプによって吐出ヘッドにインクを循環的に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-200969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる印刷装置では、接続される負圧タンクからの負圧の供給により、回収タンク内の圧力は供給タンク内の圧力よりも低い。そして、回収タンクと供給タンクとの圧力差により、インクは吐出ヘッドを介して供給タンクから回収タンクへ移動する。移動したインクは、循環ポンプによって回収タンクから供給タンクへ還流される。しかしながら、停電によって循環ポンプが停止すると、回収タンクから供給タンクへのインクの還流が停止する。この際、供給タンクから回収タンクへ、回収タンクの容量を超えてインクが流入したために、回収タンクから負圧タンクへインクが溢れ出てしまう場合があった。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、回収タンクから供給タンクを介して吐出ヘッドにインクを循環的に供給する循環ポンプが停電により停止した場合に、負圧を供給する負圧付与部へインクが溢れ出るのを抑制可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る印刷装置は、インクをノズルから吐出する吐出ヘッドと、吐出ヘッドから回収したインクを貯留する回収タンクと、吐出ヘッドに供給するインクを貯留する供給タンクと、回収タンクから供給タンクへインクを送ることで、回収タンクから供給タンクを介して吐出ヘッドに到った後に回収タンクに戻る循環経路でインクを循環させるインク循環動作を、供給された電力により実行する循環ポンプと、供給タンク内に負圧を与える第1負圧付与部と、回収タンク内に負圧を与える第2負圧付与部と、供給タンクと回収タンクとの間に設けられて、通電時に供給タンクと回収タンクとを相互に遮断する一方、非通電時に供給タンクと回収タンクとを連通させる第1電時弁と、循環ポンプおよび第1電時弁に電力を供給する電源部とを備える。
【0007】
本発明に係る印刷方法は、循環ポンプに電力を供給して、負圧が付与された回収タンクから負圧が付与された供給タンクへ循環ポンプによりインクを送ることで、回収タンクから供給タンクを介して吐出ヘッドに到った後に回収タンクに戻る循環経路でインクを循環させつつ、吐出ヘッドのノズルからインクを吐出する印刷動作を実行する工程と、印刷動作と並行して、供給タンクと回収タンクとの間に設けられた電磁弁に電力を供給する工程とを備え、電磁弁は、通電時に供給タンクと回収タンクとを相互に遮断する一方、非通電時に供給タンクと回収タンクとを連通させる。
【0008】
このように構成された本発明(印刷装置、印刷方法)では、回収タンクから供給タンクへ循環ポンプによりインクを送ることで、回収タンクから供給タンクを介して吐出ヘッドに到った後に回収タンクに戻る循環経路でインクを循環させる。また、供給タンクと回収タンクとの間には電磁弁が設けられており、この電磁弁は、通電時に供給タンクと回収タンクとを相互に遮断する。したがって、第1負圧付与部と第2負圧付与部による供給タンクと回収タンクとの圧力差の生成を、電磁弁が阻害することはない。一方、この電磁弁は、非通電時に供給タンクと回収タンクとを連通させる。したがって、停電によって循環ポンプが停止した際には、供給タンクと回収タンクとの圧力差を速やかに解消して、供給タンクから回収タンクへのインクの流入を抑制できる。その結果、一方の負圧付与部へインクが溢れ出るのを抑制することが可能となっている。
【0009】
また、第2負圧付与部は、回収タンクに接続された第2電磁弁と、第2負圧ポンプと、第2負圧ポンプによって減圧される第2負圧タンクとを有し、第2負圧ポンプが第2負圧タンクに生成した負圧を、第2電磁弁を介して回収タンクに与え、第2電磁弁は、通電時に回収タンクと第2負圧タンクとを連通させる一方、非通電時に回収タンクと第2負圧タンクとを相互に遮断し、第1負圧付与部は、供給タンクに接続された第3電磁弁と、第1負圧ポンプと、第1負圧ポンプによって減圧される第1負圧タンクとを有し、第1負圧ポンプが第1負圧タンクに生成した負圧を、第3電磁弁を介して供給タンクに与え、第3電磁弁は、通電時に供給タンクと第1負圧タンクとを連通させる一方、非通電時に供給タンクと第1負圧タンクとを相互に遮断するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、停電時においても、第1負圧タンクおよび第2負圧タンクそれぞれの内部に負圧が生成された状態を維持することができる。これにより、停電からの復旧時に各負圧タンクに負圧を速やかに生成することができる。
【0010】
また、第1負圧付与部は、第1負圧タンクに接続された可撓性の第1負圧チューブをさらに有し、第1負圧ポンプが第1負圧タンクに生成した負圧を、第1負圧チューブを介して供給タンクに与え、第2負圧付与部は、第2負圧タンクに接続された可撓性の第2負圧チューブをさらに有し、第2負圧ポンプが第2負圧タンクに生成した負圧を、第2負圧チューブを介して回収タンクに与えるように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、可撓性の各負圧チューブが自重ないし配管経路によってU字状に曲がる。そのため、停電時に回収タンクから溢れ出たインクが第2負圧チューブに流入すると、第2負圧チューブの最下部にインクが溜まり、停電からの復旧時にこれを取り除く作業が必要となる。これに対して、本発明では、停電時に回収タンクからインクが溢れ出て、第2負圧付与部の第2負圧チューブにインクが流入するのを抑制することができ、停電からの復旧時に要する作業を軽減できる。
【0011】
また、第1負圧付与部は、供給タンクから第1負圧タンクへ向かう方向において気体の通過を許容しつつインクの通過を禁止する第1逆止フィルタをさらに有し、第1逆止フィルタによって供給タンクから第1負圧チューブへのインクの流入を防止し、第2負圧付与部は、回収タンクから第2負圧タンクへ向かう方向において、気体の通過を許容しつつインクの通過を禁止する第2逆止フィルタをさらに有し、第2逆止フィルタによって回収タンクから第2負圧チューブへのインクの流入を防止するように、印刷装置を構成しても良い。かかる第2逆止フィルタは、停電時に限らず、何らかの要因により回収タンクから第2負圧チューブへインクが流入することを防ぐ目的で使用できる。ただし、第2逆止フィルタがインクに濡れてしまうと、第2逆止フィルタに要求される通気性が損なわれる。そのため、停電時に回収タンクから溢れ出たインクが第2負圧チューブに向かって第2逆止フィルタに流入すると、停電からの復旧時に第2逆止フィルタを交換する作業が必要となる。これに対して、本発明では、停電時に回収タンクからインクが溢れ出て、第2負圧付与部の第2逆止フィルタにインクが流入するのを抑制することができ、停電からの復旧時に要する作業を軽減できる。
【0012】
本発明に係る印刷システムは、上記の印刷装置と、印刷装置により印刷媒体に吐出されたインクを乾燥させる乾燥装置とを備える。したがって、吐出ヘッドにインクを循環的に供給する循環ポンプが停電により停止した場合に、負圧供給部へインクが溢れ出るのを抑制することが可能となっている。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、出ヘッドにインクを循環的に供給する循環ポンプが停電により停止した場合に、負圧供給部へインクが溢れ出るのを抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る印刷システムの一例を模式的に示す正面図。
図2図1の印刷システムが備える前段印刷装置を模式的に示す正面図。
図3図1の印刷システムが備える後段印刷装置を模式的に示す正面図。
図4】吐出ヘッドと当該吐出ヘッドにインクを供給するインク供給装置の構成を模式的に示す図。
図5】吐出ヘッドと当該吐出ヘッドにインクを供給するインク供給装置の構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明に係る印刷システムの一例を模式的に示す正面図である。図1および以下に示す図では、水平方向Xおよび鉛直方向Zを適宜示す。図1に示すように、印刷システム1は、互いに同一の高さを有する前段印刷装置2、前段乾燥機4、後段印刷装置6および後段乾燥機8をこの順で水平方向Xに配列した構成を具備する。この印刷システム1は、繰出ロール11から巻取ロール12へロール・トゥ・ロールで印刷媒体Mを搬送しつつ、前段印刷装置2で印刷した印刷媒体Mを前段乾燥機4で乾燥させ、さらに後段印刷装置6で印刷した印刷媒体Mを後段乾燥機8で乾燥させる。ここでは、透明のフィルムである印刷媒体Mに対して水性インクで印刷を行う場合を例示して説明する。また、以下では、印刷媒体Mの両面のうち、画像が印刷される面を表面と、表面の反対側の面を裏面と適宜称する。
【0016】
図2図1の印刷システムが備える前段印刷装置を模式的に示す正面図である。前段印刷装置2では、同図の右から左へ向かう搬送方向Amに沿って印刷媒体Mが搬送される。この前段印刷装置2は、繰出ロール11から繰出された印刷媒体Mを搬入する搬入ローラ21と、印刷媒体Mを前段乾燥機4に向けて搬出する搬出ローラ23とを有する。搬入ローラ21および搬出ローラ23は、印刷媒体Mの裏面を下方から巻き掛けて、印刷媒体Mを搬送方向Amに駆動する。さらに、前段印刷装置2は、搬送方向Amにおいて搬入ローラ21と搬出ローラ23との間に配置された複数のバックアップローラ25を有する。これらバックアップローラ25のそれぞれは、搬送方向Amに搬送される印刷媒体Mの裏面を下方から巻き掛けることで、印刷媒体Mを支持する。
【0017】
複数のバックアップローラ25のうち、搬送方向Amにおいて最上流のバックアップローラ25と最下流のバックアップローラ25との間に、前段印刷経路Paが形成される。最上流および最下流のバックアップローラ25は、互いに同じ高さで印刷媒体Mを支持するとともに、前段印刷経路Paの内側のバックアップローラ25ほどより高い位置で印刷媒体Mを支持する。
【0018】
さらに、前段印刷装置2は、前段印刷経路Paに沿って搬送される印刷媒体Mの上方で搬送方向Amに並んで、印刷媒体Mの表面に対向する複数のプリントバーBを備える。具体的には、隣接する2個のバックアップローラ25の間を進む印刷媒体Mの表面に対してプリントバーBが配置されており、各プリントバーBは、こうして両側が2個のバックアップローラ25によって支持された印刷媒体Mの表面にインクジェット方式でインクを吐出する。ここで示す例では、4色のプロセスカラー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のインクを吐出する4個のプリントバーBと、2色(オレンジ、バイオレット)の特色インクを吐出する2個のプリントバーBとを含む6個のプリントバーBが設けられている。したがって、前段印刷装置2は、互いに異なる色のカラーインクを吐出する6個のプリントバーBによって、カラー画像を印刷媒体Mの表面に印刷することができる。
【0019】
前段印刷経路Paで画像が印刷された印刷媒体Mは、前段印刷経路Paの最下流のバックアップローラ25と搬出ローラ23との間を斜めに下降して搬出ローラ23に到達する。この搬出ローラ23は、複数のバックアップローラ25の搬送方向Amの下流で印刷媒体Mの裏面を下方から巻き掛ける。そして、搬出ローラ23は、印刷媒体Mを前段乾燥機4に搬出する。なお、搬出ローラ23は、印刷媒体Mの裏面を吸引するサクションローラであり、前段乾燥機4から前段印刷装置2へ印刷媒体Mの振動が伝達するのを抑制して、前段印刷経路Paでの印刷媒体Mの位置を安定させる。その結果、前段乾燥機4での印刷媒体Mの搬送が前段印刷装置2での印刷に影響するのを抑制可能となっている。
【0020】
図1に示すように、前段乾燥機4は、印刷媒体Mの搬送方向Amを鉛直方向Zに適宜折り返しながら印刷媒体Mを乾燥する。そして、前段乾燥機4で乾燥された印刷媒体Mは、前段乾燥機4から後段印刷装置6へと搬出される。
【0021】
図3図1の印刷システムが備える後段印刷装置を模式的に示す正面図である。後段印刷装置6は、前段乾燥機4から水平方向Xに搬出された印刷媒体Mを斜め上方に折り曲げるエアターンバー61を有する。このエアターンバー61は、エアの噴射によって印刷媒体Mの表面に対して隙間を設けながら、印刷媒体Mの表面を巻き掛ける。また、後段印刷装置6は、印刷媒体Mを後段乾燥機8に向けて搬出する搬出ローラ63と、エアターンバー61と搬出ローラ63との間に配置された搬送ローラ65とを有する。搬送ローラ65および搬出ローラ63は、印刷媒体Mの裏面を下方から巻き掛けて、印刷媒体Mを搬送方向Amに駆動する。
【0022】
また、後段印刷装置6は、搬送ローラ65と搬出ローラ63との間に2個のバックアップローラ67を有する。2個のバックアップローラ67の間には、後段印刷経路Pcが形成される。さらに、後段印刷装置6は、後段印刷経路Pcに沿って搬送される印刷媒体Mの上方で、印刷媒体Mの表面に対向するプリントバーBを備える。具体的には、2個のバックアップローラ67の間を進む印刷媒体Mの表面に対してプリントバーBが配置されており、プリントバーBは、こうして両側が2個のバックアップローラ67によって支持された印刷媒体Mの表面にインクジェット方式でインクを吐出する。ここで示す例では、プリントバーBは白色インクを吐出する。したがって、後段印刷装置6は、前段印刷装置2で印刷されたカラー画像に対して、印刷媒体Mの表面に白色の背景画像をプリントバーBにより印刷することができる。
【0023】
後段印刷経路Pcで画像が印刷された印刷媒体Mは、後段印刷経路Pcの最下流のバックアップローラ67と搬出ローラ63との間を斜めに上昇して搬出ローラ63に到達する。この搬出ローラ63は、2個のバックアップローラ67の搬送方向Amの下流で印刷媒体Mを下方から巻き掛ける。搬出ローラ63は、こうして後段印刷経路Pcから斜めに上昇してきた印刷媒体Mを巻き掛けることで、印刷媒体Mが水平方向Xに移動する経路に沿って印刷媒体Mを後段乾燥機8に搬出する。なお、搬出ローラ63は、印刷媒体Mの裏面を吸引するサクションローラであり、後段乾燥機8から後段印刷装置6へ印刷媒体Mの振動が伝達するのを抑制して、後段印刷経路Pcでの印刷媒体Mの位置を安定させる。その結果、後段乾燥機8での印刷媒体Mの搬送が後段印刷装置6での印刷に影響するのを抑制可能となっている。
【0024】
図1に示すように、後段乾燥機8は、印刷媒体Mの搬送方向Amを水平方向Xに適宜折り返しながら印刷媒体Mを乾燥する。そして、後段乾燥機8で乾燥された印刷媒体Mは、後段乾燥機8から搬出されて、巻取ロール12に巻き取られる。
【0025】
上記のように、前段印刷装置2および後段印刷装置6が備えるプリントバーBは、インクジェット方式でインクを吐出する。具体的には、プリントバーBの底部では、ノズルNから印刷媒体Mへインクを吐出する複数の吐出ヘッドH(図4図5)がプリントバーBの長手方向に配列されている。
【0026】
図4および図5は吐出ヘッドと当該吐出ヘッドにインクを供給するインク供給装置の構成を模式的に示す図であり、図4は送電時を示し、図5は停電時を示す。前段印刷装置2および前段乾燥機4のそれぞれがインク供給装置9を備え、それぞれのプリントバーBの吐出ヘッドHにインクを供給するのに用いる。なお、各プリントバーBの各吐出ヘッドHにインクを供給するインク供給装置9は共通する構成を具備するため、ここでは1つの吐出ヘッドHを示して説明を行う。
【0027】
両図に示すように、吐出ヘッドHは、ハウジングHaを有し、複数のノズルNがハウジングHaの底部に配列されて開口する。ハウジングHaの内部には、複数のノズルNにそれぞれ連通する複数のキャビティHbと、複数のキャビティHbに連通するインク供給室Hcとが設けられており、インク供給室Hcから供給されたインクがキャビティHbに貯留される。そして、キャビティHbに設けられた圧電素子がキャビティHbからインクを押し出すことで、当該キャビティHbに連通するノズルNからインクが吐出される。なお、インクを吐出する具体的方法は、圧電素子による方法によらず、インクを加熱するサーマル方式でも構わない。また、吐出ヘッドHの上部では、インク流入口Hdと、インク流出口Heとがそれぞれ開口し、インクは、インク供給装置9からインク流入口Hdを介してインク供給室Hcに流入し、インク供給室Hcからインク流出口Heを介してインク供給装置9へ流出する。
【0028】
インク供給装置9は、インク流入口Hdに配管を介して接続された供給タンク91と、インク流出口Heに配管を介して接続された回収タンク92とを備え、供給タンク91および回収タンク92のそれぞれにインクが貯留される。また、インク供給装置9は、回収タンク92から供給タンク91へインクを送る循環ポンプ93と、循環ポンプ93と供給タンク91との間に配置された脱気フィルタ931とを備え、脱気フィルタ931は、循環ポンプ93から流出して供給タンク91に流入する前のインクから気体を除去する。
【0029】
このインク供給装置9は、装置各部に電力を供給する電源回路94を有する。そして、循環ポンプ93は、電源回路94から供給された電力によって回収タンク92から供給タンク91へインクを送る。これによって、循環ポンプ93は、回収タンク92から供給タンク91を介して吐出ヘッドHのインク供給室Hcに到った後に回収タンク92に戻る循環経路Cでインクを循環させるインク循環動作を実行する。
【0030】
また、インク供給装置9は、多量のインクを貯留可能なメインタンク951と、メインタンク951から回収タンク92にインクを送るメインポンプ952とを備える。そして、ノズルNからのインクの吐出によって循環経路Cを循環するインクが減少すると、電源回路94から供給された電力によってメインポンプ952がメインタンク951から回収タンク92にインクを補給する。
【0031】
さらに、インク供給装置9は、供給タンク91に負圧を与える供給側負圧付与部96(以下、「負圧付与部96」と適宜称する)を備える。この負圧付与部96は、負圧タンク961と、負圧タンク961から気体(空気)を吸引することで負圧タンク961の内部を減圧する負圧ポンプ962と、負圧タンク961にその一端が接続された可撓性の負圧チューブ963を備える。そして、負圧付与部96では、電源回路94から供給された電力によって負圧ポンプ962が負圧タンク961内から気体を排出する。こうして負圧ポンプ962によって負圧タンク961内に生成された負圧が、負圧チューブ963を介して供給タンク91に与えられる。
【0032】
また、負圧付与部96は、負圧チューブ963の他端と、供給タンク91との間に設けられた電磁弁964を備える。この電磁弁964はノーマルクローズ型である。したがって、図4に示す送電時には、電源回路94から供給された電力によって電磁弁964が連通状態を形成し、負圧タンク961の内部の負圧が負圧チューブ963および電磁弁964を介して供給タンク91の内部に与えられる。一方、図5に示す停電時には、電源回路94から電磁弁964への電力供給が消失するため、電磁弁964が遮断状態を形成し、負圧タンク961から供給タンク91への負圧の付与が遮断される。
【0033】
なお、負圧付与部96は、供給タンク91と電磁弁964との間に逆止フィルタ965を有する。この逆止フィルタ965は、供給タンク91から負圧タンク961へ向かう気体の通過を許容しつつ、供給タンク91から負圧タンク961へ向かうインクの通過を禁止する。こうして、供給タンク91から負圧チューブ963へのインクの流入が逆止フィルタ965により防止されている。
【0034】
また、インク供給装置9は、回収タンク92に負圧を与える回収側負圧付与部97(以下、「負圧付与部97」と適宜称する)を備える。この負圧付与部97は、負圧タンク971と、負圧タンク971から気体(空気)を吸引することで負圧タンク971の内部を減圧する負圧ポンプ972と、負圧タンク971にその一端が接続された可撓性の負圧チューブ973を備える。そして、負圧付与部97では、電源回路94から供給された電力によって負圧ポンプ972が負圧タンク971内から気体を排出する。こうして負圧ポンプ972によって負圧タンク971内に生成された負圧が、負圧チューブ973を介して回収タンク92に与えられる。
【0035】
また、負圧付与部97は、負圧チューブ973の他端と、回収タンク92との間に設けられた電磁弁974を備える。この電磁弁974はノーマルクローズ型である。したがって、図4に示す送電時には、電源回路94から供給された電力によって電磁弁974が連通状態を形成し、負圧タンク971の内部の負圧が負圧チューブ973および電磁弁974を介して回収タンク92の内部に与えられる。一方、図5に示す停電時には、電源回路94から電磁弁974への電力供給が消失するため、電磁弁974が遮断状態を形成し、負圧タンク971から回収タンク92への負圧の付与が遮断される。
【0036】
なお、負圧付与部97は、回収タンク92と電磁弁974との間に逆止フィルタ975を有する。この逆止フィルタ975は、回収タンク92から負圧タンク971へ向かう気体の通過を許容しつつ、回収タンク92から負圧タンク971へ向かうインクの通過を禁止する。こうして、回収タンク92から負圧チューブ973へのインクの流入が逆止フィルタ975により防止されている。
【0037】
回収タンク92の内部の圧力P92(気圧)は、供給タンク91の内部の圧力P91(気圧)よりも低くなっており、これによってインクは循環経路Cを経由して供給タンク91から回収タンク92へ移動する。この状態が続くと、供給タンク91の液面が低下するとともに、回収タンク92の液面が上昇し、吐出ヘッドHのノズルNに必要なメニスカスが発生しなくなる。そこで、循環ポンプ93が回収タンク92から供給タンク91へインクを循環させることで、供給タンク91および回収タンク92の液面を一定に保つ。
【0038】
また、インク供給装置9は、回収タンク92と供給タンク91との間に設けられた電磁弁98を備え、換言すれば、回収タンク92と供給タンク91との間には、循環ポンプ93と並列に電磁弁98が設けられている。この電磁弁98はノーマルオープン型である。したがって、図4に示す送電時には、電源回路94から供給された電力によって電磁弁98が遮断状態を形成し、電磁弁98を介した回収タンク92と供給タンク91の接続は遮断されている。一方、図5に示す停電時には、電源回路94から電磁弁98への電力供給が消失するため、電磁弁98が連通状態を形成し、回収タンク92と供給タンク91とが電磁弁98を介して接続する。
【0039】
以上に説明した本実施形態に係るインク供給装置9は、回収タンク92から供給タンク91へ循環ポンプ93によりインクを送ることで、回収タンク92から供給タンク91を介して吐出ヘッドHに到った後に回収タンク92に戻る循環経路Cでインクを循環させる。また、供給タンク91と回収タンク92との間には電磁弁98が設けられており、この電磁弁98は、通電時に供給タンク91と回収タンク92とを相互に遮断する(図4)。したがって、供給タンク91と回収タンク92との圧力差(=P91-P92)の生成を、電磁弁98が阻害することはない、一方、この電磁弁98は、非通電時に供給タンク91と回収タンク92とを連通させる(図5)。したがって、停電によって循環ポンプ93が停止した際には、供給タンク91と回収タンク92との圧力差を速やかに解消して、供給タンク91から吐出ヘッドHのインク供給室Hcを介して回収タンク92にインクが流入するのを抑制できる。その結果、回収タンク92から負圧タンク971へインクが溢れ出る(換言すれば、逆流する)のを抑制することが可能となっている。
【0040】
ところで、上記の構成では、負圧ポンプ972により減圧することで負圧タンク971に生成した負圧が回収タンク92に与えられる。したがって、停電時に負圧タンク971と回収タンク92が連通していると、電磁弁98によって供給タンク91に連通した回収タンク92の圧力上昇に伴って負圧タンク971の圧力も上昇する。そのため、停電からの復旧時に、負圧タンク971を減圧して所望の負圧を生成するのに時間を要する。これに対して、本実施形態に係る負圧付与部97では、負圧ポンプ972が負圧タンク971に生成した負圧が、回収タンク92に接続された電磁弁974を介して回収タンク92に与えられる。この電磁弁974は、通電時に回収タンク92と負圧タンク971とを連通させる一方、非通電時に回収タンク92と負圧タンク971とを相互に遮断する。このように、停電時には、電磁弁974が回収タンク92と負圧タンク971とを相互に遮断するため、負圧タンク971の圧力を負圧P92に維持することができ、停電からの復旧時に負圧タンク971に負圧を速やかに生成することができる。同様に、負圧付与部96についても、停電時には、電磁弁964が供給タンク91と負圧タンク961とを相互に遮断するため、負圧タンク961の圧力を負圧P91に維持することができ、停電からの復旧時に負圧タンク961に負圧を速やかに生成することができる。
【0041】
また、負圧付与部97は、負圧タンク971に接続された可撓性の負圧チューブ973をさらに有し、負圧ポンプ972が負圧タンク971に生成した負圧を、負圧チューブ973を介して回収タンク92に与える。かかる構成では、可撓性の負圧チューブ973が自重ないし配管経路によってU字状に曲がる。そのため、停電時に回収タンク92から溢れ出たインクが負圧チューブ973に流入すると、負圧チューブ973の最下部にインクが溜まり、停電からの復旧時にこれを取り除く作業が必要となる。これに対して、本実施形態では、停電時には、回収タンク92と供給タンク91とが電磁弁98を介して連通し、回収タンク92と供給タンク91との圧力差を速やかに解消することができる。そのため、回収タンク92からインクが溢れ出て、負圧付与部97の負圧チューブ973にインクが流入するのを抑制することができ、停電からの復旧時に要する作業を軽減できる。かかる点は、負圧付与部96も同様である。
【0042】
また、負圧付与部97は、回収タンク92から負圧タンク971へ向かう方向において、気体の通過を許容しつつインクの通過を禁止する逆止フィルタ975を有し、逆止フィルタ975によって回収タンク92から負圧チューブ973へのインクの流入を防止している。かかる逆止フィルタ975は、停電時に限らず、何らかの要因により回収タンク92から負圧チューブ973へインクが流入することを防ぐ目的で使用できる。ただし、逆止フィルタ975がインクに濡れてしまうと、逆止フィルタ975に要求される通気性が損なわれる。そのため、停電時に回収タンク92から溢れ出たインクが負圧チューブ973に向かって逆止フィルタ975に流入すると、停電からの復旧時に逆止フィルタを交換する作業が必要となる。これに対して、本実施形態では、停電時には、回収タンク92と供給タンク91とが電磁弁98を介して連通し、回収タンク92と供給タンク91との圧力差を速やかに解消することができる。そのため、停電時に回収タンク92からインクが溢れ出て、負圧付与部97の逆止フィルタ975にインクが流入するのを抑制することができ、停電からの復旧時に要する作業を軽減できる。かかる点は、負圧付与部96も同様である。
【0043】
以上に説明した実施形態では、印刷システム1が本発明の「印刷システム」の一例に相当し、前段乾燥機4および後段乾燥機8のそれぞれが本発明の「乾燥装置」の一例に相当し、前段印刷装置2および後段印刷装置6のそれぞれが本発明の「印刷装置」の一例に相当し、吐出ヘッドHが本発明の「吐出ヘッド」の一例に相当し、ノズルNが本発明の「ノズル」の一例に相当し、回収タンク92が本発明の「回収タンク」の一例に相当し、供給タンク91が本発明の「供給タンク」の一例に相当し、循環ポンプ93が本発明の「循環ポンプ」の一例に相当し、循環経路Cが本発明の「循環経路」の一例に相当し、電磁弁98が本発明の「第1電磁弁」の一例に相当し、電源回路94が本発明の「電源部」の一例に相当し、負圧付与部96が本発明の「第1負圧付与部」の一例に相当し、電磁弁964が本発明の「第3電磁弁」の一例に相当し、負圧ポンプ962が本発明の「第1負圧ポンプ」の一例に相当し、負圧タンク961が本発明の「第1負圧タンク」の一例に相当し、負圧チューブ963が本発明の「第1負圧チューブ」の一例に相当し、逆止フィルタ965が本発明の「第1逆止フィルタ」の一例に相当し、負圧付与部97が本発明の「第2負圧付与部」の一例に相当し、電磁弁974が本発明の「第2電磁弁」の一例に相当し、負圧ポンプ972が本発明の「第2負圧ポンプ」の一例に相当し、負圧タンク971が本発明の「第2負圧タンク」の一例に相当し、負圧チューブ973が本発明の「第2負圧チューブ」の一例に相当し、逆止フィルタ975が本発明の「第2逆止フィルタ」の一例に相当する。
【0044】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、負圧付与部97において、電磁弁974あるいは逆止フィルタ975を設けることは必須でなく、これらを適宜省略しても良い。負圧付与部96についても同様である。
【0045】
また、メインタンク951からのインクの補給先は、回収タンク92に限られず、供給タンク91でも良い。
【0046】
また、前段印刷装置2で印刷媒体Mに吐出するカラーインクの種類は、上記の6色に限られない。
【0047】
また、搬送方向Amにおいて前段印刷装置2の上流側に、白色インクを吐出する印刷装置を設けて、白色インクを印刷媒体Mに吐出してから、カラーインクを印刷媒体Mに吐出摺るように構成しても良い。
【0048】
また、白色インクの印刷媒体Mへの印刷は、フレキソ印刷あるいはグラビア印刷等のアナログ印刷により実行しても良い。
【0049】
また、前段印刷装置2は、印刷媒体Mをプラテン上で停止させて、プリントバーBを直交方向Arに操作させつつノズルNからカラーインクを吐出するものであっても良い。
【0050】
また、印刷媒体Mの素材はフィルムに限られず、紙等でも良い。
【0051】
また、インクの種類は水性インクに限られず、ラテックスインク、溶剤インクあるいはUV(Ultra Violet)インクでも良い。UVインクを用いる場合には、前段乾燥機4および後段乾燥機8に代えて、印刷媒体M上のUVインクに紫外線を照射する光照射装置を配置すれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、印刷技術の全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1…印刷システム
2…前段印刷装置(印刷装置)
4…前段乾燥機(乾燥装置)
6…後段印刷装置(印刷装置)
8…後段乾燥機(乾燥装置)
9…インク供給装置
91…供給タンク
92…回収タンク
93…循環ポンプ
94…電源回路(電源部)
96…供給側負圧付与部(第1負圧付与部)
961…負圧タンク(第1負圧タンク)
962…負圧ポンプ(第1負圧ポンプ)
963…負圧チューブ(第1負圧チューブ)
964…電磁弁(第3電磁弁)
965…逆止フィルタ(第1逆止フィルタ)
97…回収側負圧付与部(第2負圧付与部)
971…負圧タンク(第2負圧タンク)
972…負圧ポンプ(第2負圧ポンプ)
973…負圧チューブ(第2負圧チューブ)
974…電磁弁(第2電磁弁)
975…逆止フィルタ(第2逆止フィルタ)
98…電磁弁(第1電磁弁)
C…循環経路
H…吐出ヘッド
N…ノズル
図1
図2
図3
図4
図5