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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】エアーカーテン生成装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 9/00 20060101AFI20230328BHJP
   F26B 21/00 20060101ALI20230328BHJP
   F26B 25/00 20060101ALI20230328BHJP
   B05B 1/28 20060101ALN20230328BHJP
【FI】
F24F9/00 G
F24F9/00 M
F26B21/00 N
F24F9/00 C
F24F9/00 D
F24F9/00 E
F26B25/00 J
B05B1/28 101
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019023048
(22)【出願日】2019-02-12
(65)【公開番号】P2020133913
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000110343
【氏名又は名称】トリニティ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 靖
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-093769(JP,A)
【文献】特開昭50-118364(JP,A)
【文献】実開昭52-053471(JP,U)
【文献】実開昭61-087573(JP,U)
【文献】実公平06-032215(JP,Y2)
【文献】実公平06-032216(JP,Y2)
【文献】特開平08-103713(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106052361(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108759270(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-0819103(KR,B1)
【文献】特開2013-145104(JP,A)
【文献】特開2004-077113(JP,A)
【文献】特開昭59-004843(JP,A)
【文献】実開昭47-026560(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第02942577(EP,A1)
【文献】特開2005-114322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 9/00
F26B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥室の出入口を横方向で挟んで対向配置されるエアー噴出部及びエアー吸引部のペアを上下に複数ペア並べて備え、前記エアー噴出部から噴出されるエアーを前記エアー吸引部で吸引してエアーカーテンを生成するエアーカーテン生成装置であって、
前記出入口の上部の前記エアー噴出部に設けられ、そのエアー噴出部から噴出されるエアーを前記出入口の横方向に対して前記乾燥室の内側に傾斜する方向に案内する第1エアーガイドと、
前記出入口の下部の前記エアー噴出部に設けられ、そのエアー噴出部から噴出されるエアーを前記出入口の横方向に対して前記乾燥室の外側に傾斜する方向に案内する第2エアーガイドと、を備えるエアーカーテン生成装置。
【請求項2】
前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部のペア同士の間で、前記エアーの噴出量又は吸引量を相違させるためのエアー絞り部が、前記エアー噴出部又は前記エアー吸引部に設けられている請求項1に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項3】
前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部は、前記出入口の横方向の一方側の開口縁と他方側の開口縁とのそれぞれに混在している請求項1又は2に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項4】
前記出入口の貫通方向に複数層のエアーカーテンを形成するために、上下に並ぶ前記複数ペアの前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部を含んでなるカーテンセットが、前記出入口の貫通方向に複数層設けられると共に、
前記複数層のエアーカーテンのエアーが流れる向きを交互に逆向きにするために、隣合う前記カーテンセット同士のうち一方の前記カーテンセットの前記エアー噴出部と、他方の前記カーテンセットの前記エアー噴出部とが、前記出入口の横方向の一方側と他方側とに分けて配置されている請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項5】
前記出入口の横方向に対する前記第1エアーガイドの傾斜角が、前記複数層のカーテンセットで同じであると共に、前記出入口の横方向に対する前記第2エアーガイドの傾斜角が、前記複数層のカーテンセットで同じになっている請求項4に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項6】
前記複数層のカーテンセットのうち最も内側のカーテンセットのみに前記第1エアーガイドが備えられる一方、
前記複数層のカーテンセットのうち最も外側のカーテンセットのみに前記第2エアーガイドが備えられている請求項4に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項7】
前記カーテンセット同士の間で、前記エアーの噴出量又は吸引量を相違させるためのエアー絞り部が、前記エアー噴出部又は前記エアー吸引部に設けられている請求項4乃至6の何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項8】
前記出入口の横方向の一方側と他方側とのそれぞれに、前記エアー噴出部と前記エアー吸引部とが混在している請求項1又は2に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項9】
前記出入口の貫通方向に複数層のエアーカーテンを形成するために、上下に並ぶ前記複数ペアの前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部を含んでなるカーテンセットが、600mm~2000mmの間隔で前記出入口の貫通方向に複数層設けられている請求項1乃至8のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項10】
前記出入口の貫通方向に複数層のエアーカーテンを形成するために、上下に並ぶ前記複数ペアの前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部を含んでなるカーテンセットが、前記出入口の貫通方向に複数層設けられ、
隣合う前記カーテンセット同士の前記エアー吸引部と前記エアー噴出部との間を仕切る仕切り板が設けられている請求項1乃至9のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項11】
前記乾燥室に対して前記出入口を通してワークを搬送するワーク搬送装置と、
前記ワークが前記出入口に到達したことを検出するためのワーク検出センサと、
前記ワーク検出センサの検出結果に基づいて前記エアー噴出部からのエアーの噴出量を変更するためのエアー制御部と、を有している請求項1乃至10のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置。
【請求項12】
前記エアー吸引部からのエアーを前記エアー噴出部に返送するためのエアー返送路を有し、
前記エアー返送路からは、前記エアー返送路内のエアーを前記乾燥室に送給するための分岐路が分岐している請求項1乃至11のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアーカーテン生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エアーカーテン生成装置として、乾燥室の出入口を横方向で挟んで対向する位置に、それぞれエアー噴出口が設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-42897号公報(段落[0004])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来のエアーカーテン生成装置において、エアーの遮断性能の向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、乾燥室の出入口を横方向で挟んで対向配置されるエアー噴出部及びエアー吸引部のペアを上下に複数ペア並べて備え、前記エアー噴出部から噴出されるエアーを前記エアー吸引部で吸引してエアーカーテンを生成するエアーカーテン生成装置であって、前記出入口の上部の前記エアー噴出部に設けられ、そのエアー噴出部から噴出されるエアーを前記出入口の横方向に対して前記乾燥室の内側に傾斜する方向に案内する第1エアーガイドと、前記出入口の下部の前記エアー噴出部に設けられ、そのエアー噴出部から噴出されるエアーを前記出入口の横方向に対して前記乾燥室の外側に傾斜する方向に案内する第2エアーガイドと、を備えるエアーカーテン生成装置である。
【0006】
ここで、本発明の乾燥室の「出入口」とは、入口のみのことであってもよいし、出口のみのことであってもよいし、入口及び出口のことであってもよい。
【0007】
請求項2の発明は、前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部のペア同士の間で、前記エアーの噴出量又は吸引量を相違させるためのエアー絞り部が、前記エアー噴出部又は前記エアー吸引部に設けられている請求項1に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0008】
請求項3の発明は、前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部は、前記出入口の横方向の一方側の開口縁と他方側の開口縁とのそれぞれに混在している請求項1又は2に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0009】
請求項4の発明は、前記出入口の貫通方向に複数層のエアーカーテンを形成するために、上下に並ぶ前記複数ペアの前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部を含んでなるカーテンセットが、前記出入口の貫通方向に複数層設けられると共に、前記複数層のエアーカーテンのエアーが流れる向きを交互に逆向きにするために、隣合う前記カーテンセット同士のうち一方の前記カーテンセットの前記エアー噴出部と、他方の前記カーテンセットの前記エアー噴出部とが、前記出入口の横方向の一方側と他方側とに分けて配置されている請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0010】
請求項5の発明は、前記出入口の横方向に対する前記第1エアーガイドの傾斜角が、前記複数層のカーテンセットで同じであると共に、前記出入口の横方向に対する前記第2エアーガイドの傾斜角が、前記複数層のカーテンセットで同じになっている請求項4に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0011】
請求項6の発明は、前記複数層のカーテンセットのうち最も内側のカーテンセットのみに前記第1エアーガイドが備えられる一方、前記複数層のカーテンセットのうち最も外側のカーテンセットのみに前記第2エアーガイドが備えられている請求項4に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0012】
請求項7の発明は、前記カーテンセット同士の間で、前記エアーの噴出量又は吸引量を相違させるためのエアー絞り部が、前記エアー噴出部又は前記エアー吸引部に設けられている請求項4乃至6の何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0013】
請求項8の発明は、前記出入口の横方向の一方側と他方側とのそれぞれに、前記エアー噴出部と前記エアー吸引部とが混在している請求項1又は2に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0014】
請求項9の発明は、前記出入口の貫通方向に複数層のエアーカーテンを形成するために、上下に並ぶ前記複数ペアの前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部を含んでなるカーテンセットが、600mm~2000mmの間隔で前記出入口の貫通方向に複数層設けられている請求項1乃至8のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0015】
請求項10の発明は、前記出入口の貫通方向に複数層のエアーカーテンを形成するために、上下に並ぶ前記複数ペアの前記エアー噴出部及び前記エアー吸引部を含んでなるカーテンセットが、前記出入口の貫通方向に複数層設けられ、隣合う前記カーテンセット同士の前記エアー吸引部と前記エアー噴出部との間を仕切る仕切り板が設けられている請求項1乃至9のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0016】
請求項11の発明は、前記乾燥室に対して前記出入口を通してワークを搬送するワーク搬送装置と、前記ワークが前記出入口に到達したことを検出するためのワーク検出センサと、前記ワーク検出センサの検出結果に基づいて前記エアー噴出部からのエアーの噴出量を変更するためのエアー制御部と、を有している請求項1乃至10のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置である。
【0017】
請求項12の発明は、前記エアー吸引部からのエアーを前記エアー噴出部に返送するためのエアー返送路を有し、前記エアー返送路からは、前記エアー返送路内のエアーを前記乾燥室に送給するための分岐路が分岐している請求項1乃至11のうち何れか1の請求項に記載のエアーカーテン生成装置である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明では、第1エアーガイドにより乾燥室の出入口の上部のエアー噴出部からのエアーが、出入口の横方向に対して乾燥室の内側に傾斜する方向に案内されるので、乾燥室のエアーが出入口の上部を通って乾燥室の内側から逃げることを抑制可能となる。また、第2エアーガイドにより、乾燥室の出入口の下部のエアー噴出部からのエアーが、出入口の横方向に対して乾燥室の外側に傾斜する方向に案内されるので、乾燥室の出入口の下部を通って乾燥室の外側からエアーが入り込むことを抑制可能となる。このように、本発明によれば、乾燥室の出入口を通してのエアーの出入りを抑制可能となり、エアーの遮断性能の向上を図ることが可能となる。
【0019】
請求項2,7の発明では、エアー絞り部により、エアー噴出部及びエアー吸引部のペア同士の間で、エアーの噴出量又は吸引量を相違させることができる。これにより、乾燥室の出入口においてエアーが出入りし易い部分と出入りしにくい部分に応じて、エアーの噴出量又は吸引量を設定することが可能となる。
【0020】
請求項3,8の発明では、エアー噴出部及びエアー吸引部が、出入口の横方向の一方側の開口縁と他方側の開口縁とのそれぞれに混在している。即ち、出入口の横方向の一方側と他方側の両方にエアー噴出部が設けられるので、出入口を通ってエアーカーテンを貫くものがあっても、横方向の一方側又は他方側でエアーカーテンが消滅することを防ぐことが可能となる。
【0021】
請求項4の発明では、出入口の貫通方向で並ぶ複数層のエアーカーテンのエアーの流れが交互に逆向きになっているので、エアーカーテンを通過するものがあった場合に、横方向の一方側又は他方側でエアーカーテンが消滅する部分が偏ることを抑制可能となる。
【0022】
請求項5の発明では、複数層のカーテンセットの第1エアーガイド同士、第2エアーガイド同士が互いに平行となっているので、乾燥室からエアーが外側に逃げることを一層抑制可能となる。
【0023】
請求項6の発明では、第1エアーガイドが最も内側のカーテンセットにのみ設けられると共に、第2エアーガイドが最も外側のカーテンセットにのみ設けられるので、乾燥室からエアーが外側に逃げることを効率よく抑制することが可能となる。
【0024】
請求項9の発明では、隣合うペア同士において、一方のペアのエアー噴出部からのエアーを、他方のエアー吸引部で吸い込み難くなると共に、複数のペアの配置のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0025】
請求項10の発明では、仕切り板でエアーを整流することが可能となる。
【0026】
請求項11の発明では、出入口を通過するワークの有無によってエアー噴出量を変更することが可能となる。
【0027】
請求項12の発明では、エアーの噴出量に対してエアーの吸引量を増やすことが可能となり、乾燥室から外側に漏れるエアーを減らすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示の一実施形態に係るエアーカーテン生成装置を備える乾燥室の概念図
図2】エアーカーテン生成装置の斜視図
図3】エアーカーテン生成装置の概念図
図4】(A)中段のエアー噴出部とエアー吸引部の平断面図、(B)エアーガイドの平面図
図5】エアーカーテン生成装置の側断面図
図6】(A)シャッターが全開位置に配置されたときの噴出口の正面図、(B)シャッターが全開位置と全閉位置の間に配置されたときの噴出口の正面図
図7】(A)上段のエアー噴出部とエアー吸引部の平断面図、(B)第1エアーガイドの平面図
図8】(A)下段のエアー噴出部とエアー吸引部の平断面図、(B)第2エアーガイドの平面図
図9】カーテンセットの平断面図
図10】他の実施形態に係るエアーカーテン生成装置の平断面図
図11】他の実施形態に係るエアーカーテン生成装置の平断面図
図12】他の実施形態に係るエアーカーテン生成装置の平断面図
図13】(A)他の実施形態に係るエアーカーテン生成装置の平断面図、(B)他の実施形態に係るエアーカーテン生成装置の平断面図
図14】(A)他の実施形態に係る第1エアーガイドの平断面図、(B)他の実施形態に係る第2エアーガイドの平断面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の一実施形態に係るエアーカーテン生成装置10について、図1図9を参照しつつ説明する。図1及び図2には、塗装ラインに設けられた乾燥室60が示されている。具体的には、乾燥室60は、互いに対向する1対の側壁部41,41と、それら側壁部41,41の上部に差し渡された天井部42を有する。乾燥室60内の底面及びその延長上にはワーク搬送装置11(例えば、コンベア)が備えられている。そして、そのワーク搬送装置11によって塗装済みのワーク90(例えば、自動車のボディ)が、搬送方向Hに搬送されることで、入口61から乾燥室60内に搬入され、1対の側壁部41,41の間を通って出口62から搬出される。以下では、入口61と出口62とを特に区別しない場合、出入口と呼ぶこととする。
【0030】
乾燥室60の内面(例えば、側壁部41,41同士の対向面)には、乾燥室60内に熱風を供給する熱風供給口(図示せず)と熱風を吸い込む熱風吸込口(図示せず)が設けられ、それら熱風供給口や熱風吸込口は、循環路46(図1参照)に接続されている。循環路46の途中には、循環路46内の空気を加熱する加熱装置45が設けられていて、加熱装置45によって加熱されたエアーがファン47により乾燥室60に循環供給される。
【0031】
図2に示されるように、乾燥室60の出入口には、エアーカーテンPを生成するエアーカーテン生成装置10が備えられ、乾燥室60の内外がエアーカーテンPによって区画されている。図3に示されるように、エアーカーテン生成装置10は、出入口を横方向(側壁部41,41の対向方向)で挟んで対向するカーテン始端装置21とカーテン終端装置31とを備えている。カーテン始端装置21とカーテン終端装置31には、上下方向に延びて乾燥室60内に臨む中空の箱形ボディ22がそれぞれ備えられている。詳細には、各箱形ボディ22は、各側壁部41に設けられ、箱形ボディ22のうち乾燥室60内に臨む内側壁23同士は、互いに平行となっている。
【0032】
図3に示されるように、カーテン始端装置21は、上下方向に複数のエアー噴出部25を並べて備えている。これと同様に、カーテン終端装置31は、上下方向に複数のエアー吸引部35を並べて備えている。そして、カーテン始端装置21の各エアー噴出部25とカーテン終端装置31の各エアー吸引部35とが、横方向で出入口を挟んで対向している。本実施形態では、カーテン始端装置21とカーテン終端装置31とからなるカーテンセット40には、横方向で互いに対向するエアー噴出部25とエアー吸引部35からなるペアが、上下方向に3つ設けられている。以下では、これら3つのペアについて、適宜、上から順に、上段、中段、下段と付して区別することとする。
【0033】
図4及び図5に示されるように、カーテン始端装置21の内側壁23には、エアー噴出部25毎に噴出口25Kが設けられている。噴出口25Kからは、エアーカーテンPを生成するためのエアーが噴出する。また、カーテン終端装置31の内側壁23には、エアー吸引部35毎に吸引口35Kが設けられている。吸引口35Kは、噴出口25Kからのエアーを吸引する。本実施形態では、噴出口25Kと吸引口35Kとは上下方向に長い矩形状をなし、上下方向において同じ長さであると共に等間隔に並んでいる。なお、噴出口25Kと吸引口35Kは、矩形状に限定されるものではない。また、噴出口25Kと吸引口35Kは、等間隔に配置されていなくてもよい。
【0034】
図3に示されるように、カーテン始端装置21の箱形ボディ22には、送風ダクト21Dが接続されている。そして、その送付ダクト21Dにより送風されたエアーが、カーテン始端装置21のエアー噴出部25から横方向に沿って噴出される。また、カーテン終端装置31の箱形ボディ22には、吸引ダクト31Dが接続されている。そして、その吸引ダクト31Dにより、エアー噴出部25からのエアーが、カーテン終端装置31のエアー吸引部35を通して吸引される。これにより、横方向で互いに対向するエアー噴出部25とエアー吸引部35の間にエアーカーテンPが生成される。
【0035】
図1に示されるように、横方向で互いに対向するカーテン始端装置21とカーテン終端装置31との送風ダクト21Dと吸引ダクト31Dとは連通してエアー返送路49を構成し、エアー吸引部35から吸引されたエアーは、このエアー返送路49を通ってエアー噴出部25へと戻されて循環する。エアー返送路49には、ファン49Fが設けられ、このファン49Fにより、送風ダクト21Dを通してエアー噴出部25にエアーが送風されると共に、エアー吸引部35を通してエアーが吸引される。
【0036】
本実施形態では、エアー返送路49からは、乾燥室60の循環路46へと連絡する分岐路48が分岐していて、エアー吸引部35で吸引したエアーの一部を乾燥室60へと送給することが可能となっている。本実施形態では、分岐路48が設けられることによって、エアー吸引部35の吸引量を増加させることが可能となり、エアー吸引部35の吸引量をエアー噴出部25からのエアーの噴出量よりも大きくすることが可能となる。これにより、エアー噴出部25からのエアーが周囲のエアーを誘引して増幅された分についても、エアー吸引部35で吸引することが可能となり、乾燥室60のエアーが漏れて熱が逃げることを抑制可能となる。
【0037】
図6(A)及び図6(B)に示されるように、各エアー噴出部25には、噴出口25Kを絞ってエアーの噴出量を変更するためのエアー絞り部が設けられている。具体的には、このエアー絞り部は、噴出口25Kを幅方向(即ち、ワーク90の搬送方向H)に絞るためのシャッター26で構成される。詳細には、シャッター26は、板状をなして1対備えられ、箱形ボディ22の内側壁23に貫通した貫通孔23Kの開口縁の両辺部に、横方向外側から宛がわれる。1対のシャッター26,26は、ワーク90の搬送方向Hにスライド可能となっていて、上記貫通孔23Kのうち1対のシャッター26,26の間の部分によって、噴出口25Kが構成される。例えば、1対のシャッター26,26は、噴出口25Kを全開する全開位置(図6(A))と、噴出口25Kを閉塞する全閉位置との間の範囲に配置可能となっている。本実施形態では、シャッター26の配置(絞り具合)を変更することにより、噴出口25Kからのエアーの噴出風速を変更可能となっている。
【0038】
また、各エアー吸引部35にも、同様にシャッター26が設けられていて、このシャッター26によって吸引口35Kのエアーの吸引量を変更するエアー絞り部が構成される。このように、本実施形態では、シャッター26の配置を変更することにより、吸引口35Kのエアーの吸引風速も変更可能となっている。なお、本実施形態では、各エアー吸引部35のシャッター26は、全開位置に配置されている。
【0039】
本実施形態では、各噴出口25Kのシャッター26の配置(即ち、噴出口25Kの絞り具合)が互いに異なっている。具体的には、シャッター26に幅方向に絞られることにより、噴出口25Kは、サイズの大きい順に、上段の噴出口25K、下段の噴出口25K、中段の噴出口25Kとなっている。
【0040】
本実施形態では、エアー噴出部25とエアー吸引部35からなるペアのうち、下段のペア20Cと中段のペア20Bは、ワーク90が出入口を通過するときに、ワーク90と横方向で重なる高さに配置されている。一方、上段のペア20Aは、ワーク90が出入口を通過するときに、ワーク90と横方向で重ならない高さに配置されている。従って、上段のペア20Aのエアー噴出部25からのエアーよりも、下段のペア20Cと中段のペア20Bのエアー噴出部25からのエアーは、ワーク90に衝突し易くなる。ここで、エアーがワーク90と衝突すると、乾燥室60から出入口を通してエアーが逃げ易くなるが、本実施形態では、上述のように、ワーク90に衝突し易い下段と中段のエアー噴出部25の噴出口25Kが絞られているので、乾燥室60から出入口を通してエアーが逃げることを抑制可能となる。なお、上段と中段と下段の各噴出口25Kの開口面積の比(本実施形態では、噴出口25Kの幅の比)は、1.0:「0.3~0.7」:「0.5~1.0」の範囲であることが好ましい。
【0041】
図9に示されるように、吸引口35Kは、噴出口25Kよりも大きいことが好ましい。例えば、同図に示されるように、噴出口25Kから噴出口25Kの幅方向の両側にそれぞれ2~7度だけ広がった範囲(即ち、図9におけるαが2~7度)の大きさに吸引口35Kの幅D2が構成されていることが好ましい。本実施形態では、例えば、噴出口25Kと吸引口35Kとの距離Lは、1500~2000mmとなっていると共に、噴出口25Kの幅D1は50~150mmで、吸引口35Kの幅D2は200~600mmとなっている。なお、このような噴出口25Kと吸引口35Kの大きさは、上述のシャッター26の配置を調整することで容易に実現することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、噴出口25Kと吸引口35Kは、通気性を有する調整板24によって箱形ボディ22の内側から覆われている(図3及び図6参照)。調整板24は、例えば、板状部材に厚み方向に延びる貫通孔24Aが複数形成された構成(例えば、パンチングメタル)となっている。このような調整板24の通気性を変更することにより(例えば、調整板24を、貫通孔24Aの合計断面積が異なるものに変更することにより)、噴出口25Kからのエアーの噴出量が調整可能となっていると共に、吸引口35Kによるエアーの吸引量が調整可能となっている。
【0043】
ところで、図2及び図3に示されるように、本実施形態のエアーカーテン生成装置10では、カーテン始端装置21とカーテン終端装置31とからなるカーテンセット40が、出入口の貫通方向(即ち、搬送方向H)に2つ併設されていて、これらカーテンセット40,40により、2層のエアーカーテンP,Pが生成される。そして、これらカーテンセット40,40は、エアーカーテンPのエアーの流れる向きが互いに逆向きになるように配置されている。即ち、カーテンセット40,40同士では、カーテン始端装置21とカーテン終端装置31の配置が横方向で逆になっている。なお、2つのカーテンセット40,40のうち乾燥室60においてより外側に配置されるカーテンセット40は、出入口の開口縁に配置されている。また、本実施形態では、横方向で対向する噴出口25Kと吸引口35Kからなるペアは、カーテンセット40,40同士で、上段、中段、下段ともに、同じ高さに配置されている。
【0044】
また、2つのカーテンセット40,40のうち、一方のカーテンセット40のエアー噴出部25の噴出口25Kと、他方のカーテンセット40のエアー吸引部35の吸引口35Kと、の出入口の貫通方向(搬送方向H)における距離X(詳細には、噴出口25Kと吸引口35Kとの中心間距離。図5参照)は、600mm~2000mmであることが好ましい。この範囲よりも距離Xが短いと、一方のカーテンセット40の噴出口25Kからのエアーを、その噴出口25Kの隣に配置され他方のカーテンセット40に設けられた吸引口35Kで吸い込み易くなるため、エアーカーテンPを効率良く生成することが難くなる。また、距離Xが上記範囲よりも長いと、出入口の貫通方向で2層のエアーカーテンP,Pがしめるスペースが大きくなり、コンパクト化を図り難くなる。なお、2つのカーテンセット40,40同士の間で、エアー噴出部25からのエアーの噴出量又はエアー吸引部35によるエアーの吸引量が、シャッター26の配置(絞り具合)により相違していてもよい。
【0045】
なお、本実施形態では、ワーク90がエアーカーテンPを横切る際に、エアーカーテンPを生成するエアーの噴出量を低減するようになっている。具体的には、その制御を行うために、入口61と出口62の各エアーカーテン生成装置10には、搬送方向Hで出入口の上流側近傍と下流側近傍に、ワーク搬送装置11に搬送されるワーク90の通過を検知する上流側センサ61S及び下流側センサ62S(これらは、特許請求の範囲に記載の「ワーク検出センサ」に相当する。)が備えられ(図1参照)、それら上流側センサ61S及び下流側センサ62Sの検出結果がコントローラ80(特許請求の範囲に記載の「エアー制御部」に相当する。図1参照)に取り込まれる。
【0046】
そして、上流側センサ61Sによって搬送されてきたワーク90が検出されると、ワーク90が丁度エアーカーテンPに差し掛かるタイミングで、コントローラ80が3つのエアー噴出部25に対応するファン49Fの回転数を低下させる。また、下流側センサ62Sによってワーク90が検出されると、そのワーク90が丁度エアーカーテンPから離脱するタイミングで、コントローラ80がファン49Fの回転数をもとに戻す。
【0047】
以上のように、本実施形態では、コントローラ80によって、エアー噴出部25からのエアーの噴出量が、ワーク90が出入口を横切る際に少なくなるように制御されるので、エアー噴出部25から噴出されてワーク90に衝突するエアーが少なくなり、乾燥室60から出入口を通してエアーが漏れることを抑制可能となる。
【0048】
さて、図4(A)及び図4(B)に示されるように、エアー噴出部25には、噴出口25Kから噴出されるエアーをガイドするエアーガイド50が設けられている。具体的には、エアーガイド50は、噴出口25Kの開口縁において幅方向で対向する1対の長辺部から、それぞれ乾燥室60の内側に張り出した板状部材で構成される。これら1対のエアーガイド50,50は、噴出口25Kの上記1対の長辺部を回動軸として回動させて、乾燥室60の横方向に対する傾斜角を変更可能となっていると共に、その回動範囲の任意の位置又は複数の位置で固定可能となっている。なお、本実施形態では、噴出口25Kを挟む1対のエアーガイド50,50同士は、平行となっている。
【0049】
本実施形態では、中段のペア20Bのエアー噴出部25においては、図4(B)に示されるように、エアーガイド50は、横方向(即ち、エアー噴出部25とエアー吸引部35の対向方向)に起立して、噴出口25Kからのエアーを横方向に案内する。
【0050】
ここで、本実施形態では、出入口の上部のエアー噴出部25と、出入口の下部のエアー噴出部25と、のエアーガイド50は、横方向に対して傾斜している(例えば、10度傾斜している)。具体的には、図7(A)及び図7(B)に示されるように、出入口の上部のエアー噴出部25のエアーガイド50は、横方向に対して乾燥室60の内側に傾斜した第1エアーガイド50Aとなっている。これにより、当該上部のエアー噴出部25からのエアーは、当該内側に傾斜した方向に案内される。また、図8(A)及び図8(B)に示されるように、出入口の下部のエアー噴出部25のエアーガイド50は、横方向に対して乾燥室60の外側に傾斜した(例えば、10度傾斜した)第2エアーガイド50Bとなっている。これにより、当該下部のエアー噴出部25からのエアーは、当該外側に傾斜した方向に案内される。
【0051】
本実施形態のエアーカーテン生成装置10では、第1エアーガイド50Aにより乾燥室60の出入口の上部のエアー噴出部25からのエアーが、出入口の横方向に対して乾燥室60の内側に傾斜する方向に案内されるので、乾燥室60のエアーが出入口の上部を通って乾燥室60の内側から逃げることを抑制可能となる。また、第2エアーガイド50Bにより、乾燥室60の出入口の下部のエアー噴出部25からのエアーが、出入口の横方向に対して乾燥室60の外側に傾斜する方向に案内されるので、乾燥室60の出入口の下部を通って乾燥室60の外側からエアーが入り込むことを抑制可能となる。このように、本実施形態によれば、乾燥室60の出入口を通してのエアーの出入りを抑制可能となり、エアーの遮断性能の向上を図ることが可能となる。その結果、乾燥室の乾燥効率を向上させることも可能となる。
【0052】
ここで、乾燥室60内では、乾燥室60の下部よりも上部の温度が高くなると考えられるため、乾燥室60の上部のエアーは、出入口を通って乾燥室60の外側に逃げ易くなる一方で(図7(A)の太矢印を参照)、乾燥室60の下部には、出入口を通って乾燥室60の外側からエアーが入り込み易くなると考えられる(図8(A)の太矢印を参照)。本実施形態のエアーカーテン生成装置10によれば、このようなエアーの出入りを、第1エアーガイド50Aと第2エアーガイド50Bによって効果的に抑制することが可能となる。
【0053】
しかも、本実施形態では、出入口の中段よりも、出入口を通してエアーが出入りし易い出入口の上部と下部のエアー噴出部25の噴出口25Kが、大きく開口しているので、出入口におけるエアーの出入りを効率良く抑制することが可能となる。
【0054】
本実施形態では、エアー噴出部25及びエアー吸引部35が、出入口の横方向の一方側の開口縁と他方側の開口縁とのそれぞれに混在している。即ち、出入口の横方向の一方側と他方側の両方にエアー噴出部25が設けられるので、出入口を通ってエアーカーテンPを貫くものがあっても、横方向の一方側又は他方側でエアーカーテンPが消滅することを防ぐことが可能となる。しかも、本実施形態では、出入口の貫通方向で並ぶ2層のエアーカーテンP,Pのエアーの流れが逆向きになっているので、エアーカーテンPを通過するものがあった場合に、横方向の一方側又は他方側でエアーカーテンPが消滅する部分が偏ることを抑制可能となる。
【0055】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態において、エアーカーテン生成装置10は、乾燥室60の入口61のみに配置されていてもよいし、出口62のみに配置されていてもよいし、入口61と出口62の両方に配置されていてもよい。
【0056】
(2)上記実施形態の出入口において、出入口の貫通方向(ワーク90の搬送方向H)にエアーカーテンセットを3層以上並べて、3層以上のエアーカーテンPを生成してもよい。この場合、図10及び図11に示されるように、それらエアーカーテンPのエアーの流れが交互に逆向きになるように、隣合うカーテンセット40,40同士の配置を逆にすることが好ましい。この構成によれば、エアーカーテンPを通過するものがあった場合に、横方向の一方側又は他方側でエアーカーテンPが消滅する部分が偏ることを抑制可能となる。なお、このような複数層のカーテンセット10を備える構成としては、コンパクト性や、エアーの遮断性能、コストの観点から、出入口のカーテンセット40を2~4層並べた構成が好ましく、3層並べた構成(図10参照)が特に好ましい。
【0057】
(3)上記(2)において、入口61の複数のカーテンセット40について、第2エア―ガイド50Bを横方向に対して同じ傾斜角になるように傾斜させてもよいし、図11に示されるように、第1エアーガイド50Aを横方向に対して同じ傾斜角となるように傾斜させてもよい。また、このような構成を、出口62の複数のカーテンセット40に適用してもよい。
【0058】
(4)図12に示されるように、横方向で互いに対向するエアー噴出部25とエアー吸引部35からなるペアが複数並ぶ並び方向(例えば、上下方向又は搬送方向H)において、エアー吸引部35の両側に設けられると共にそのエアー吸引部35の隣にあるエアー噴出部25との間を仕切る仕切り板39が設けられていてもよい。この構成によれば、仕切り板39を、エアー吸引部35が吸引するエアーを整流する整流板として機能させることができ、エアーの吸引をスムーズにすることが可能となる。なお、上記実施形態に本構成を適用する場合、箱形ボディ22の内側壁23からの仕切り板39の突出長さは、50mm~200mmであることが好ましい。
【0059】
(5)上記実施形態では、横方向に対する第1エアーガイド50Aの傾斜角がカーテンセット40同士で同じになっていると共に、横方向に対する第2エアーガイド50Bの傾斜角もカーテンセット40同士で同じになっていたが、横方向に対する第1エアーガイド50Aの傾斜角がカーテンセット40同士で異なっていてもよいし、横方向に対する第2エアーガイド50Bの傾斜角がカーテンセット40同士で異なっていてもよい。また、図13(A)及び図13(B)に示されるように、複数層のカーテンセット40のうち最も内側のカーテンセット40にのみ第1エアーガイド50Aが設けられ、複数層のカーテンセット40のうち最も外側のカーテンセット40にのみ第2エアーガイド50Bが設けられていてもよい。
【0060】
(6)横方向で互いに対向するエアー噴出部25とエアー吸引部35からなるペアを上下方向に複数並べる構成において、それらペアを、エアーの流れが交互に反対向きになるように配置してもよい。即ち、この構成では、出入口のうち横方向の一方側及び他方側の開口縁において、エアー噴出部25とエアー吸引部35が、交互に並ぶ(混在する)配置となる。
【0061】
(7)上記実施形態において、噴出口25Kを挟んで対向する1対のエアーガイド50,50同士は、平行に配置されていてもよいし、内側壁23から離れるにつれて、間隔を狭めるように、又は、間隔を広げるように配置されていてもよい。
【0062】
(8)上記実施形態では、第1エアーガイド50Aが、噴出口25Kを挟んで1対設けられていたが、一方のみ設けられていてもよい。この場合、図14(A)に示されるように、噴出口25Kに対して乾燥室60の中央部から離れた側の第1エアーガイド50Aを設けておけばよい。
【0063】
(9)上記実施形態では、第2エアーガイド50Bが、噴出口25Kを挟んで1対設けられていたが、一方のみ設けられていてもよい。この場合、図14(B)に示されるように、噴出口25Kに対して乾燥室60の中央部に近い側の第2エアーガイド50Bを設けておけばよい。
【0064】
(10)エアーカーテン生成装置10を、乾燥室60の出入口の代わりに、塗装前のワークを加熱するプレヒートブースの出入口に適用してもよい。
【0065】
(11)上記実施形態において、エアーカーテン生成装置10を、第1エアーガイド50Aと第2エアーガイド50Bのうち何れか一方のみが設けられた構成とすることもできる。即ち、上段のエアー噴出部25を、第1エアーガイド50Aの代わりに横方向に平行なエアーガイド50が設けられた構成とすることもできる。また、下段のエアー噴出部25を、第2エアーガイド50Bの代わりに横方向に平行なエアーガイド50が設けられた構成とすることもできる。これらの構成によっても、乾燥室60の出入口を通してエアーを出入りし難くすることが可能となるので、乾燥効率を向上させることが可能となる。
【0066】
(12)上記実施形態において、第1エアーガイド50A、第2エアーガイド50Bが設けられるエアー噴出部25の位置は、出入口を通して乾燥室60を出入りするエアーの流れに応じて変更することができる。例えば、上記実施形態では、第1エアーガイド50Aは、出入口の上部のエアー噴出部25にのみ設けられていたが、出入口の上下方向の中央部又は下部のエアー噴出部25に設けられていてもよい。同様に、第2エアーガイド50Bについても、例えば、出入口の上下方向の中央部又は上部のエアー噴出部25に設けられていてもよい。
【0067】
(13)上記実施形態において、上段、中断、下段の噴出口25Kのサイズ(シャッター26の絞り具合)が同じであってもよい。また、上限、中段、下段の吸引口35Kのサイズ(シャッター26の絞り具合)が同じであってもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 エアーカーテン生成装置
25 エアー噴出部
35 エアー吸引部
50A 第1エアーガイド
50B 第2エアーガイド
60 乾燥室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
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