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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】商品包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/52 20060101AFI20230328BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
B65D5/52 H
B65D5/44 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019100095
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020193017
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(72)【発明者】
【氏名】古谷 昌之
(72)【発明者】
【氏名】大内 俊也
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第3148770(US,A)
【文献】特開2009-166871(JP,A)
【文献】米国特許第3966083(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第1886927(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3112281(EP,A1)
【文献】特開2004-268979(JP,A)
【文献】実開昭50-99895(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第2599723(EP,A1)
【文献】米国特許第4560062(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00 - 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に商品の収納空間が形成される商品包装容器が、
対向する平面で形成された天板および底板と、
周囲部分と、を有し、
前記周囲部分の上端位置の前側と後側に吊下げフック通過孔が形成され、
前記商品包装容器の周囲部分の前側に形成された吊下げフック通過孔が少なくとも前記天板の前側端部位置まで延在して形成され、
前記商品包装容器内には前記吊下げフックの上部と線状に当接する下面を有する補強部材が配置され、
前記補強部材の上面が前記天板の下面と当接するように配置され、
前記商品包装容器の内部の前記収納空間よりも上部に吊下げフック通過空間が形成され、
前記商品包装容器の内部には、前記収納空間と、前記吊下げフック通過空間と、を分離する仕切り部材が配置され、
前記仕切り部材と前記補強部材が1枚の板状の補助部品の折り曲げによって形成され
前記板状の補助部品は、前記仕切り部材と前記補強部材を接続する少なくとも1つの接続部を有し、
前記接続部には吊下げフック通過孔が形成されることを特徴とする商品包装容器。
【請求項2】
少なくとも1つの前記接続部が、前記仕切り部材と前記補強部材を前側位置で接続し、前記前側位置の接続部に形成された吊下げフック通過孔が少なくとも前記補強部材の前側端部位置まで延在して形成されることを特徴とする請求項1記載の商品包装容器。
【請求項3】
前記商品包装容器の上端の左右の位置に夫々フラップ部が形成され、
前記左右のフラップ部の上面が前記補強部材の下面と当接することによって、前記補部材が前記商品包装容器内に保持されるように構成されることを特徴とする請求項1または2記載の商品包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は店舗に陳列する際に、吊下げフックに吊り下げた陳列と、台上に積み重ねた陳列の両方が可能な商品包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、図14に示す様に、店舗に用意された什器の吊下げフック20に吊下げて商品包装容器60に入れられた商品を陳列するために、前記商品包装容器60の上部から突出した吊下片71に、吊下げ孔72を形成した商品包装容器60が公知であった。
【0003】
しかしながら、前記特許文献1では、店舗に用意された台上に積み重ねて陳列する際には、商品包装容器60の上部から突出した吊下片71が邪魔になる欠点が有った。
【0004】
また、他の従来技術として、特許文献2に開示される構造では、図15に示す様に、内部に商品の収納空間が形成される商品包装容器80が、対向する平面で形成された天板および底板と、周囲部分と、を有し、前記周囲部分の上方位置の前側と後側に、上縁部に吊下げフックと当接する吊下げ孔82が形成され、吊り下げた陳列と、積み重ねた陳列の両方が可能な商品包装容器80が公知であった。
【0005】
前記特許文献2では、吊下げフックと当接する上縁部を有する補強用フック孔83が形成された補強部材84が前記商品包装容器80と一体に形成されると共に、前記商品包装容器80の内部の前記収納空間よりも上部に吊下げフック通過空間が形成され、前記商品包装容器の内部には、前記収納空間と、前記吊下げフック通過空間と、を分離する仕切り部材85が配置され、前記商品包装容器80と一体に形成された前記仕切り部材85と前記補強部材84が1枚の板状の部材の折り曲げによって形成されると共に、前記板状の補助部材は、前記仕切り部材85と前記補強部材84を接続する少なくとも1つの接続部材86を有し、前記接続部材86には吊下げフックと当接する上縁部を有する補強用フック孔83が形成されている。
【0006】
しかしながら、前記特許文献2では、吊下げフックに対して、吊下げ孔82の上縁部および補強用フック孔83の上縁部が当接することによって、商品包装容器80が吊下げられるため、前記吊下げフックに対する商品包装容器80の抜き差し時や、商品自体の自重によって、徐々に吊下げ孔82の上縁部および補強用フック孔83の上縁部が変形し、そのようなフック孔が劣化した状態で商品包装容器80を下方向に引っ張られると、吊下げ孔82の上縁部および補強用フック孔83が容易に破損してしまう欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-053579号公報
【文献】特開2007-008540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術の欠点を解消し、吊下げフックに吊り下げた陳列と、台上に積み重ねた陳列の両方が可能な商品包装容器において、吊下げフックによる商品包装容器の破損を防止する構成を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、この発明は、内部に商品の収納空間が形成される商品包装容器が、対向する平面で形成された天板および底板と、周囲部分と、を有し、前記周囲部分の上端位置の前側と後側に吊下げフック通過孔が形成され、
更に、前記商品包装容器の周囲部分の前側に形成された吊下げフック通過孔が少なくとも前記天板の前側端部位置まで延在して形成され、
更に、前記商品包装容器内には前記吊下げフックの上部と線状に当接する下面を有する補強部材が配置され、前記補強部材の上面が前記天板の下面と当接するように配置され、
更に、前記商品包装容器の内部の前記収納空間よりも上部に吊下げフック通過空間が形成され、前記商品包装容器の内部には、前記収納空間と、前記吊下げフック通過空間と、を分離する仕切り部材が配置され、前記仕切り部材と前記補強部材が1枚の板状の補助部品の折り曲げによって形成され、
更に、前記板状の補助部品は、前記仕切り部材と前記補強部材を接続する少なくとも1つの接続部材を有し、前記接続部材に吊下げフック通過孔を形成するとよい。
【0010】
更に、前記商品包装容器の周囲部分の前側に形成された吊下げフック通過孔が少なくとも前記天板の前側端部位置まで延在して形成されることを特徴とする。
【0011】
更に、前記商品包装容器内には前記吊下げフックの上部と線状に当接する下面を有する補強部材が配置され、前記補強部材の上面が前記天板の下面と当接するように配置するとよい。
【0012】
更に、前記商品包装容器の内部の前記収納空間よりも上部に吊下げフック通過空間が形成され、前記商品包装容器の内部には、前記収納空間と、前記吊下げフック通過空間と、を分離する仕切り部材が配置され、前記仕切り部材と前記補強部材が1枚の板状の補助部品の折り曲げによって形成するとよい。
【0013】
更に、前記板状の補助部品は、前記仕切り部材と前記補強部材を接続する少なくとも1つの接続部材を有し、前記接続部材に吊下げフック通過孔を形成するとよい。
【0014】
更に、少なくとも1つの前記接続部材が、前記仕切り部材と前記補強部材を前側位置で接続し、前記前側位置の接続部材に形成された吊下げフック通過孔が少なくとも前記補強部材の前側端部位置まで延在して形成されるとよい。
【0015】
更に、前記商品包装容器の上端の左右の位置に夫々フラップ部が形成され、前記左右のフラップ部の上面が前記補強部材の下面と当接することによって、前記補部材が前記商品包装容器内に保持されるように構成されるとよい。
【発明の効果】
【0016】
この発明は前記のように構成されているため、吊下げフックに吊り下げた陳列と、台上に積み重ねた陳列の両方の陳列が可能であり、更に吊下げフックによる商品包装容器の破損を防止することができる効果を有する。
【0017】
また、前記吊下げフック通過孔が少なくとも天板の端部位置まで延在して形成されるため、従来の商品包装容器よりも、上下方向の寸法を小さくすることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施例の商品用包装容器の斜視図である。
図2】本発明の第1実施例の商品用包装容器の展開図である。
図3】本発明の第1実施例の補助部品の斜視図である。
図4】本発明の第1実施例の補助部品の展開図である。
図5】本発明の第1実施例の商品用包装容器の組立方法を示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施例の商品用包装容器の組立方法を示す斜視図である。
図7】本発明の第1実施例の展示例を示す斜視図である。
図8】本発明の第1実施例の展示時状態の構成が分かる斜視図である。
図9】本発明の第1実施例の変形例を示す補助部品の斜視図である。
図10】本発明の第2実施例の補助部品の斜視図である。
図11】本発明の変形例を示す斜視図である。
図12】本発明の変形例を示す斜視図である。
図13】本発明の変形例を示す斜視図である。
図14】従来技術を示す斜視図である。
図15】従来技術を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の第1実施例を説明する。
【0020】
本発明の第1実施例における商品包装容器10は、図1から図8に示すように、内部に商品の収納空間31(図8)が形成される商品包装容器10が、対向する平面で形成された天板11および底板12と、前側面13、後側面14、左側面15、右側面16からなる周囲部分と、を有し、前記前側面13の上端位置と、前記後側面14の上端位置には吊下げフック通過孔42が形成される。尚、前記上端位置とは天面の内側面と実質的に一致する上下位置を含み、前記実質的に一致とは商品包装容器10の撓み変形によって吸収可能な範囲の位置を含む。
【0021】
前記前側面13の上端位置に形成された吊下げフック通過孔42が前記天板11の前側端部位置まで延在して形成される。
【0022】
更に、前記商品包装容器内10には前記吊下げフック20の上部と線状に当接する下面を有する補強部材24が配置され、更に前記補強部材24の上面が前記天板11の下面と当接するように配置される。
【0023】
更に、前記商品包装容器10の内部の前記収納空間31よりも上部に吊下げフック通過空間32(図8)が形成され、前記商品包装容器10の内部には、前記収納空間31と、前記吊下げフック通過空間32と、を分離する仕切り部材25が配置され、前記仕切り部材25と前記補強部材24が1枚の板状の補助部品30の折り曲げによって形成される。
【0024】
更に、前記板状の補助部品30は、前端位置と後端位置において夫々前記仕切り部材25と前記補強部材24を接続する1対の接続部材26を有し、前記1対の接続部材26には夫々補強用フック孔23が形成される。
【0025】
前記前側位置の接続部26に形成された補強用フック孔23は前記補強部材24の前側端部位置まで延在して形成される。
【0026】
前記商品包装容器10の上端の左右の位置に夫々フラップ部17が形成され、前記左右のフラップ部17の上面が前記補強部材24の下面と当接することによって、前記補助部品30が前記商品包装容器内10に保持される。
【0027】
第1実施例では、前記商品包装容器10は板紙で形成され、前記補助部品30はダンボールで形成した場合を図示しているが、前記商品包装容器10および前記補助部品30の材質は、既存の材料を自由に選択することができ、更に板紙やダンボールに限定されず、プラスチックシート等、他の材料を使用しても良い。更に、前記商品包装容器10を透明な材料で構成しても良く、前記商品包装容器10の一部に開口部を設けて、透明シートを貼付けることで前記商品包装容器10の内部に収納した製品を見えるように構成しても良い。
【0028】
尚、吊下げフック20は、一般的には吊り下げた商品の自然落下を防ぐために、先端部が上方に傾斜して形成されている。本実施例では図7図8に表す様に、前記商品包装容器10の前側面13の上端位置に形成された吊下げフック通過孔42が前記天板11の前側端部位置まで延在して形成されると共に、補強部材24の前側位置の接続部26に形成された補強用フック孔23が前記補強部材24の前側端部位置まで延在して形成されるため、吊下げフック20の長さよりも吊下げフックに吊り下げた製品の前後方向の合計距離の方が長い場合でも、陳列時に前記商品包装容器10が傾くことを防止すると共に、補強部材24の下面を吊下げフック20の上部と線状に当接させることができるため前記補助部品30や商品包装容器10の破損を防ぐことができる。
【0029】
尚、本実施例において前記商品包装容器10および補助部品30に形成した吊下げフック通過孔42は、必ずしも天板11や補強部材24の位置まで延在して形成しなくても良い。(図示なし。)また、前記商品包装容器10の後側面14の上端位置に形成された吊下げフック通過孔42を前記天板11の後側端部位置まで延在して形成すると共に、補助部品30の後側位置の接続部材26に形成された吊下げフック通過孔42を前記補強部材24の後側端部位置まで延在して形成しても良い。
【0030】
また、第1実施例において説明した補助部品30は、収納する商品の特徴に応じて、適切に変更することができ、例えば、第1実施例と同様の補強部材24と仕切り部材25を有する補助部品30Aが、図9に示すように、少なくとも前端位置において前記仕切り部材25と前記補強部材24を接続する接続部材26を有し、前記接続部材26には補強用フック孔23が形成され、前記前端位置の接続部材26に形成された補強用フック孔23が前記補強部材24の前側端部位置まで延在して形成されると共に、前記仕切り部材25は後側位置で下方に延在する背部27が形成されると共に、背部27の下端部が前方に延在し底部28を形成することによって、前記商品包装容器内での前記補助部品30Aの位置ずれを防止すると共に、前記商品包装容器内に収納する商品本体の荷重を補助部品30Aが受けるようにしてもよい。尚、図9では補強部材24の後端位置から下方に向かって延在する折曲部(接続部26)が形成され、前記折曲部の上端位置には補強用フック孔23が形成される。
【実施例2】
【0031】
以下、本発明の第2実施例を説明する。
【0032】
本発明の第2実施例における商品包装容器10は、第1実施例の補助部品30が図10に示すように、仕切り部材25の前後側から上方に折曲部(第1実施例の接続部材)を成す補助部品30Bとその他の構成は第1実施例同様、内部に商品の収納空間が形成される商品包装容器10が、対向する平面で形成された天板11および底板12と、前側面13、後側面14、左側面15、右側面16からなる周囲部分と、を有し、前記前側面13の上端位置と、前記後側面14の上端位置には吊下げフック通過孔42が形成される。
【0033】
前記前側面13の上端位置に形成された吊下げフック通過孔42が前記天板11の前側端部位置まで延在して形成される。
【0034】
第1実施例では、前記商品包装容器10は板紙で形成された場合を図示しているが、前記商品包装容器10の材質は、既存の材料、種類を自由に選択することができ、更にプラスチックシート等、他の材料を使用しても良い。更に、前記商品包装容器10を透明な材料で構成しても良く、前記商品包装容器10の一部に開口部を設けて、透明シートを貼付けることで前記商品包装容器10の内部に収納した製品を見えるように構成しても良い。
【0035】
尚、吊下げフック20は、一般的には吊り下げた商品の自然落下を防ぐために、先端部が上方に傾斜して形成されているため、本発明の第1実施例と同様に、前記商品包装容器10の前側面13の上端位置に形成された吊下げフック通過孔42が前記天板11の前側端部位置まで延在して形成することによって、吊下げフック20の長さよりも吊下げフック20に吊り下げた製品の前後方向の合計距離の方が長い場合でも、陳列時に前記商品包装容器10が傾くことを防止すると共に、上記天板11の下面を吊下げフック20の上部と線状に当接させることができるため前記商品包装容器10の破損を防ぐことができる。
【0036】
尚、本実施例において前記商品包装容器10に形成した吊下げフック通過孔42は、必ずしも天板11や補強部品30Bの位置まで延在して形成しなくても良く、また、前記商品包装容器10の後側面14の上端位置に形成された吊下げフック通過孔42を前記天板11の後側端部位置まで延在して形成しても良い。
【0037】
尚、本発明において、上記商品包装容器10の天板11および底板12形状は図11から図13に示すように、四角形に限定されず、三角形以上の多角形で構成されれば良く、また円形状や曲線と直線の組み合わせから構成しても良い。
【符号の説明】
【0038】
10:商品用包装容器、11:天板、12:底板、13:前側面、14:後側面、15:左側面、16:右側面、17:フラップ部、20:吊下げフック、23:補強用フック孔、24:補強部材、25:仕切り部材、26:接続部材、27:背部、28:底部、30:補助部品、31:収納空間、32:吊下げフック通過空間、42:吊下げフック通過孔、60:商品用包装容器、71:吊下片、72:吊下げ孔、80:商品用包装容器、83:補強用フック孔、84:補強部材、85:仕切り部材、86:接続部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15