(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20230328BHJP
H03K 17/60 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
H02M3/28 C
H02M3/28 B
H03K17/60 A
(21)【出願番号】P 2019118130
(22)【出願日】2019-06-26
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】藤井 泰博
【審査官】町田 舞
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-152684(JP,U)
【文献】特開昭63-290157(JP,A)
【文献】特開2019-103290(JP,A)
【文献】特開2002-165155(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0000887(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00-7/98
H03K 17/00-17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスを介して入力電圧を所定の電圧に変換して出力する電源装置であって、入力平滑用に接続された第1のコンデンサと、
装置動作の異常を検出した場合に出力を停止させる異常検出回路と、
当該異常検出回路が異常を検出した際に、前記第1のコンデンサに蓄えられている電荷を放電させる放電動作を開始するとともに、当該放電動作を保持する放電回路と、
出力停止後に装置が再起動して正常に動作復帰した場合に、前記放電回路における放電動作の保持状態を解除するリセット回路と、を備え
、
前記リセット回路は、
装置が再起動して正常に動作復帰した場合に充電を開始する第2のコンデンサと、
充電時に前記第2のコンデンサに流れる充電電流に基づいて、オン/オフ状態が切り替わることにより、前記放電回路における放電動作の保持状態を解除する切替部とを有し、
前記第2のコンデンサの一方端が前記切替部に接続される一方、他方端が前記トランスの補助巻線部に接続されていることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記放電回路は、ラッチ状態保持/解除可能な回路素子を有し、
前記第2のコンデンサに流れる充電電流により前記切替部がオフ状態からオン状態に切り替わることで、前記回路素子のラッチ保持状態を解除し前記放電回路における放電動作の保持状態が解除されることを特徴とする請求項
1記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オープンフレームタイプの電源装置が増えてきており、電源装置のメンテナンスの際に、1次平滑用電解コンデンサに電圧が残っていると、サービスマンが感電するおそれがある。そのため、電源装置の動作に異常が検出されて出力停止にした際に、1次平滑用電解コンデンサの残留電荷を放電させる必要がある。特に、待機電力用の電源装置においては制御ICの性能が上がってきており、消費電力が年々減り続けてきていることから、より平滑用電解コンデンサの放電がしにくくなっている。
【0003】
そこで、従来、電源装置に、動作異常が検出されて停止した際に起動して、1次平滑用電解コンデンサの残留電荷を放電させる放電回路を設けたものがある。これにより、サービスマンを感電から保護することが可能になる。
【0004】
また、従来、この種の技術として、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、電源電圧の低下を低電圧検出回路が検出した場合に、電源コンデンサ放電回路によって、電源コンデンサの電荷を放電させることにより、電源電圧を短時間で実質ゼロに低下させるようにし、停電復帰でデジタル処理回路のリセット機能を確実に動作させる、という技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図6に示す表は、本願発明者による、放電回路動作無しおよび放電回路動作状態における電源装置の動作復帰に要した入力電力の比較結果を示すものである。
図6に示すように、放電回路動作状態においては、放電回路動作無しの場合よりも電力が消費されている。この場合、例えば、サービスマンが異常を取り除いた後、放電回路が動作状態のまま電源装置の出力を再開させた場合には、電源装置の動作復帰にかかる電力を必要以上に消費してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、電源を復帰させる際に消費する電力を低減することを可能にした電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備える。
【0009】
(1) トランスを介して入力電圧を所定の電圧に変換して出力する電源装置であって、入力平滑用に接続された第1のコンデンサと、
装置動作の異常を検出した場合に出力を停止させる異常検出回路と、
当該異常検出回路が異常を検出した際に、前記第1のコンデンサに蓄えられている電荷を放電させる放電動作を開始するとともに、当該放電動作を保持する放電回路と、
出力停止後に装置が再起動して正常に動作復帰した場合に、前記放電回路における放電動作の保持状態を解除するリセット回路と、を備え、
前記リセット回路は、
装置が再起動して正常に動作復帰した場合に充電を開始する第2のコンデンサと、
充電時に前記第2のコンデンサに流れる充電電流に基づいて、オン/オフ状態が切り替わることにより、前記放電回路における放電動作の保持状態を解除する切替部とを有し、
前記第2のコンデンサの一方端が前記切替部に接続される一方、他方端が前記トランスの補助巻線部に接続されてことを特徴としている。
【0010】
(1)によれば、異常検出回路が異常を検出して出力停止となった後、装置が再起動して正常に動作復帰した場合に、リセット回路が、放電回路における放電動作の保持状態を解除(リセット)することにより、放電回路が第1のコンデンサに蓄えられている電荷を放出させない状態となる。これにより、放電回路が放電動作状態のまま装置が再起動して正常に動作復帰しても、放電回路がリセットされて放電動作を行わないため、放電回路において電力が消費されることを抑えることができる。
また、リセット回路の第2のコンデンサは、装置が出力停止状態から出力を再開し、出力電圧が正常に復帰した場合に充電を開始する。つまり、装置の出力電圧が正常に復帰した場合に、第2のコンデンサに電流が流れるため、第2のコンデンサが電源装置の復帰をモニタする機能を果たすようになる。そして、第2のコンデンサに流れる充電電流に基づいて切替部のオン/オフ状態が切り替わることにより、放電回路における放電動作の保持状態が解除される。このように、コンデンサ(第2のコンデンサ)と切替部という少ない部品点数でリセット回路を構成することが可能になり、低コスト化を図ることができる。
また、トランスを介して入力電圧を所定の電圧に変換して出力する電源装置において、第2のコンデンサの一方端が切替部に接続される一方、他方端がトランスの補助巻線部に接続されている構成を採用することで、簡易な構成により装置の復帰をモニタするとともに放電動作の保持状態を解除することができる。
【0013】
(2)(1)において、前記放電回路は、ラッチ状態保持/解除可能な回路素子を有し、前記第2のコンデンサに流れる充電電流により前記切替部がオフ状態からオン状態に切り替わることで、前記回路素子のラッチ保持状態を解除し前記放電回路における放電動作の保持状態が解除されることを特徴としている。
【0014】
(2)によれば、放電回路は、ラッチ状態保持/解除可能な回路素子を有し、第2のコンデンサに流れる充電電流により切替部がオフ状態からオン状態に切り替わることで、回路素子のラッチ保持状態を解除し放電回路における放電動作の保持状態を解除することができる。ラッチ状態保持/解除可能な回路素子としては、サイリスタまたはサイリスタ結合されたトランジスタを好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電源を復帰させる際に消費する電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態における電源装置1の構成を示す回路図である。
【
図2】リセット回路20および放電回路14の回路図である。
【
図3】リセット回路および放電回路の動作を示すタイムチャートである。
【
図4】電源装置1の動作復帰に必要な消費電力を示す表である。
【
図5】本発明の他の実施形態における電源装置1の要部を示す回路図である。
【
図6】放電回路動作無しおよび放電回路動作状態における電源装置の動作復帰に要した入力電力の比較結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
[電源装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態における電源装置1の構成を示す回路図である。電源装置1は、ブリッジダイオードD1と、平滑用コンデンサ(本発明の「第1のコンデンサ」に相当)C1と、一次巻線T1a、二次巻線T1bおよび補助巻線T1cを有するトランスT1と、スイッチング素子Q1と、整流ダイオードD3と、コンデンサC3と、出力回路11と、駆動回路12と、異常検出回路13と、放電回路14と、リセット回路20と、を備えている。
【0021】
一次巻線T1aはブリッジダイオードD1を介して交流電源10に接続され、二次巻線T1bは出力回路11を介して負荷5に接続されている。交流電源10から入力された交流電圧は、ブリッジダイオードD1によって整流され、コンデンサC1によって平滑された後、駆動回路12によってスイッチング素子Q1がスイッチング動作をすることによって再び交流電圧に変換され、一次巻線T1aに供給される。一次巻線T1aに供給された交流電圧は、二次巻線T1bに誘起電圧を発生させ、この誘起電圧は、出力回路11によって直流化されて負荷5に出力される。
【0022】
補助巻線T1cにおける誘起電圧は、整流ダイオードD3およびコンデンサC3によって直流化される。整流ダイオードD3とコンデンサC3との間に異常検出回路13およびリセット回路20が接続される。異常検出回路13は、補助巻線T1cにおける誘起電圧から駆動用電圧を取得する。
【0023】
異常検出回路13は、出力回路11の出力をモニタして異常を検出した場合に、駆動回路12にスイッチング素子Q1のスイッチングを停止させる停止信号を出力する。駆動回路12は、停止信号を受信した場合にスイッチング素子Q1のスイッチング動作を停止させる。これにより、電源装置1からの直流電圧の出力が停止する。また、異常検出回路13は、異常を検出した場合に、放電回路14に対して放電開始を指示する信号(放電信号Hi、
図3参照)を送信する。
【0024】
放電回路14は、異常検出回路13から放電開始を指示する信号(放電信号Hi、
図3参照)を受け取った場合に、平滑用コンデンサC1の電荷を放電させる放電動作を開始する。また、放電回路14は、放電動作を開始した後、異常検出回路13からの信号にかかわらず、コンデンサC1の電荷の放電が終了するまで放電動作状態を保持する、いわゆる、ラッチ保持回路からなる。ラッチ保持回路素子としては、例えばサイリスタを用いることができる。
【0025】
リセット回路20は、整流ダイオードD3とコンデンサC3との間(
図1参照。以下、この部位をA点と称する)の電圧、すなわち補助巻線T1cの整流電圧が正常電圧に復帰したことを検出した場合に、放電回路14をリセットするものである。ここで、放電回路14をリセットするとは、放電動作状態のまま保持している状態を解除することである。つまり、リセット後の放電回路14は、異常検出回路13が異常を検知しない限り、平滑用コンデンサC1の電荷を放電させない状態となる。
【0026】
[リセット回路および放電回路の構成]
図2は、リセット回路20および放電回路14の回路図である。リセット回路20は、トランジスタQ2と、コンデンサ(本発明の「第2のコンデンサ」に相当)C2とを備えている。放電回路14は、サイリスタ(ラッチ状態保持/解除可能な回路素子)Sと、放電抵抗R1を備えている。トランジスタQ2のベースは、コンデンサC2を介してA点に接続され、トランジスタQ2のエミッタは接地されている。トランジスタQ2のコレクタはサイリスタSのアノードに接続されている。サイリスタSのゲートは、異常検出回路13に接続されており、サイリスタSのアノードには放電抵抗R1が接続されている。この放電抵抗R1は平滑用コンデンサC1の放電経路に接続されている。さらに、サイリスタSのカソードは接地されている。
【0027】
[リセット回路および放電回路の動作]
図3は、リセット回路および放電回路の動作を示すタイムチャートであり、電源装置1に入力される交流電源10からの入力電圧、異常検出回路13から放電回路14に出力される放電信号、A点の電圧、
図1、
図2中に示す、サイリスタSのアノード(以下、この部位をB点と称する)の電圧の波形をそれぞれ示している。なお、B点の電圧をリセット信号と称する。
【0028】
本実施形態において放電回路14のサイリスタSは、オフ状態において、異常検出回路13からHiの放電信号がゲートに印加された場合にオン状態となる。なお、放電回路14をリセットするとは、オン状態のサイリスタSに流れる保持電流を遮断してオフに切り替えることと言い換えることもできる。ここで、保持電流とは、サイリスタSのオン状態を持続できる最小のアノード電流のことである。
【0029】
図3に示すように、電源装置1が正常に動作している場合には、A点の電圧は高い状態で維持されている。放電信号がLoのため、放電回路14は平滑用コンデンサC1の電荷を放電させない状態で保持されている。さらに、B点の電圧レベル(リセット信号)はLoである。
【0030】
次に、
図3に示すように、
図1、
図2に示す異常検出回路13が、異常を検出した場合に、A点の電圧が低下する。この際、スイッチング素子Q1のスイッチングを停止して電源装置1の出力を遮断するとともに放電信号をHiにする。これにより、サイリスタSがオン状態となって放電回路14が放電動作状態となる。サイリスタSがオン状態になると、平滑用コンデンサC1の電荷がサイリスタSを通って放電される。この際、サイリスタのゲートに異常検出回路13よりサイリスタSをオンにする電圧が加わるため、リセット信号がHiになる。
【0031】
放電回路14が放電動作状態にある場合には、サイリスタSのアノードに保持電流より大きい電流が流れているため、異常検出回路13からの信号にかかわらず、サイリスタSはオン状態を保持できる。
【0032】
また、電源装置1の出力が遮断されると、
図3に示すように、A点の電圧が低下する。この際、リセット回路20のコンデンサC2に蓄電されている電荷は、A点の電圧が低下した時にA点側に逆放電される。その後、電源装置1が再起動すると、A点の電圧が上昇する。そして、正常電圧まで立ち上がると、異常検出回路13が異常を検出しないため、放電信号がLoとなる。
【0033】
また、入力電圧が復帰(入力ON)してA点の電圧が立ち上がると、リセット回路20においてコンデンサC2の充電が開始される。このコンデンサC2が充電されている間に、トランジスタQ2のベースに電流が流れることから、トランジスタQ2はオン状態になる。トランジスタQ2がオン状態になると、B点の電圧レベル(リセット信号)がLoになって、サイリスタSの保持電流が切られる。これにより、サイリスタSがオフになり、放電回路14がリセットされる。
【0034】
そして、コンデンサC2の充電が完了した場合には、トランジスタQ2のベースに電流が流れないことから、トランジスタQ2はオフ状態になる。つまり、トランジスタQ2は、コンデンサC2の充電/充電停止によってオン/オフ状態が切り替わる。
【0035】
図4は、電源装置1の動作復帰に必要な消費電力を示す表である。放電回路14にリセット回路20を付加することにより、
図4の表に示すように、放電回路14が放電動作状態のまま再起動してしまった場合でも、動作復帰に必要な電力を増加させること無く復帰することが可能になる。
図4に示す表は、本実施形態の電源装置1における動作復帰の際の消費電力を示すものである。
図4に示す表においては比較のため、
図1に示す電源装置1においてリセット回路20がない電源装置における放電回路が動作状態で復帰の際の消費電力を併記している。
図4に示すように、本実施形態の電源装置1は、リセット回路20を備えていることにより、最大で0.19W改善していることがわかる。
【0036】
このように、本実施形態によれば、電源装置1が停止状態から再起動されて正常に復帰した場合に、放電回路14をリセットさせるリセット回路20を備えており、電源装置1の出力を再開した時に、放電回路14が放電動作状態であったとしても、電源装置1が正常に動作復帰した際にB点の電圧レベル(リセット信号)をLoにすることによって、放電回路14の放電動作の保持状態を解除することができる。これにより、電源装置1が正常に動作復帰しているにもかかわらず、放電回路14が放電動作を継続することがなくなる。その結果、電源を復帰させる際に消費される電力を低減することが可能になり、特に、待機電力用の電源装置においては、待機時に放電回路14が放電動作を継続して行うことが抑制されるため、待機電力を抑えることが可能になる。
【0037】
[他の実施形態]
図5は、本発明の他の実施形態における電源装置1の要部を示す回路図である。他の実施形態は、
図2に示す放電回路14におけるサイリスタSの代わりに、PNP形トランジスタとNPN形トランジスタとをサイリスタ結合させた回路を使用した放電回路14に、リセット回路20を適用したものである。
【0038】
放電回路14は、トランジスタQ3とトランジスタQ4と、放電抵抗R2と、抵抗R3、R4と、コンデンサC4を備えている。放電抵抗R2はトランジスタQ3のエミッタに接続され、トランジスタQ3のベースはトランジスタQ4のコレクタに接続され、トランジスタQ3のコレクタはトランジスタQ4のベースに接続される。トランジスタQ3のエミッタとベースとの間に抵抗R3が接続され、トランジスタQ4のエミッタとベースとの間に抵抗R4とコンデンサC4が接続される。
【0039】
リセット回路20におけるトランジスタQ2のコレクタがトランジスタQ3のコレクタに接続され、トランジスタQ2のエミッタがトランジスタQ4のエミッタに接続される。なお、他の実施形態においては、トランジスタQ4のベースが
図1に示すB点に相当する。
【0040】
異常検出回路13は、異常を検出した場合に、スイッチング素子Q1のスイッチングを停止して電源装置1の出力を遮断するとともに、放電信号LoをトランジスタQ4のベースに印加する。これにより、トランジスタQ4がオン状態となり、さらにトランジスタQ3がオンしラッチ保持の状態となって放電動作状態となる。また、放電動作状態において、平滑用コンデンサC1の電圧が低下し、放電経路を通る電流が保持電流よりも小さくなった場合にトランジスタQ3、Q4がオフになる。
【0041】
また、放電回路14が平滑用コンデンサC1の電荷を放電させている時に、電源装置1を再起動(
図3中の入力オン)させるとA点の電圧が上昇する。リセット回路20は、上述したように、A点の電圧が正常電圧になった場合に、トランジスタQ2がオン状態になることによって、トランジスタQ3のコレクタとトランジスタQ4のエミッタとがショート状態となる。これにより、B点の電圧レベルがLoになりトランジスタQ4のベースに保持電流が流れなくなることで、トランジスタQ4がオフになり、さらにトランジスタQ3がオフになる。このように、放電回路14がリセットされる。このように、この実施形態では、サイリスタ結合されたトランジスタQ3、Q4が、本発明の「ラッチ状態保持/解除可能な回路素子」に相当する。
【0042】
このように構成した他の実施形態においても、前述した
図1、
図2に示す本発明の一実施形態と同様の効果を奏することが可能になる。特に、PNP形トランジスタとNPN形トランジスタとをサイリスタ結合した回路を用いることにより、サイリスタを使用するよりも低コスト化を図ることが可能になる。
【符号の説明】
【0043】
1 電源装置
10 交流電源
11 出力回路
12 駆動回路
13 異常検出回路
14 放電回路
20 リセット回路
D1 ブリッジダイオード
C1 平滑用コンデンサ
C2、C3、C4 コンデンサ
Q1 スイッチング素子
Q2、Q3、Q4 トランジスタ
S サイリスタ
T1 トランス
T1a 一次巻線
T1b 二次巻線
T1c 補助巻線