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特許7252113表示制御装置、画像表示システムおよびプログラム
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  • 特許-表示制御装置、画像表示システムおよびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】表示制御装置、画像表示システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20230328BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20230328BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230328BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20230328BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06F3/04845
G09G5/00 510H
G09G5/00 530H
G09G5/10 B
G09G5/02 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019190134
(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公開番号】P2021064329
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武智 和洋
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 しのぶ
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-097716(JP,A)
【文献】特開2018-073314(JP,A)
【文献】特開2019-091380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/02-3/027
G06F 3/048-3/04895
G09G 5/00-5/40
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
B60R 16/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の表示態様を制御する表示制御装置であって、
ユーザが前記画像を選択する選択操作を行なっていないことを示す非選択信号と、前記ユーザが前記選択操作を行なっていることを示す選択信号と、前記ユーザが前記選択操作によって選択された前記画像に関連付けられた処理を実行させる決定操作を行なっていることを示す決定信号とのいずれかを取得する取得部と、
前記取得部に取得される信号に基づいて前記画像の表示態様を制御するための信号を生成する演算装置と、
前記演算装置で生成された信号を外部に出力するための出力部とを備え、
前記演算装置は、
前記取得部に取得される信号が前記非選択信号である場合は前記画像を第1表示態様で表示するための信号を生成し、
前記取得部に取得される信号が前記決定信号である場合は前記画像を前記第1表示態様よりも目立ち難い第2表示態様で表示するための信号を生成し、
前記取得部に取得される信号が前記非選択信号から前記選択信号に変化した場合は前記画像を前記第1表示態様よりも目立ち易い第3表示態様で表示するための信号を生成し、
前記取得部に取得される信号が前記決定信号から前記選択信号に変化した場合は前記画像を前記第1表示態様で表示するための信号を生成する、表示制御装置。
【請求項2】
前記演算装置は、
前記第1表示態様による前記画像のサイズを第1サイズとし、
前記第2表示態様による前記画像のサイズを前記第1サイズよりも小さい第2サイズとし、
前記第3表示態様による前記画像の表示サイズを前記第1サイズよりも大きい第3サイズとする、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記演算装置は、
前記第1表示態様による前記画像の明るさを第1の明るさとし、
前記第2表示態様による前記画像の明るさを前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさとし、
前記第3表示態様による前記画像の明るさを前記第1の明るさよりも明るい第3の明るさとする、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記演算装置は、
前記第1表示態様による前記画像の色を第1の色とし、
前記第2表示態様および前記第3表示態様による前記画像の色を前記第1の色とは異ならせる、請求項2または3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の表示制御装置と、
前記取得部に接続され、前記ユーザによる操作に応じて前記非選択信号、前記選択信号、および前記決定信号のいずれかを前記取得部に出力する操作検出装置と、
前記出力部に接続され、前記出力部から出力される信号に応じた表示態様で前記画像を表示する表示装置とを備える、画像表示システム。
【請求項6】
前記操作検出装置と前記表示装置とは互いに離れた位置に配置される、請求項5に記載の画像表示システム。
【請求項7】
前記操作検出装置は、ユーザが前記操作検出装置に触れるタッチ操作と、ユーザが前記タッチ操作を行なった状態で前記操作検出装置を押下する押下操作とを区別して検出可能に構成され、
前記操作検出装置は、前記タッチ操作および前記押下操作を検出していない場合に前記非選択信号を出力し、前記タッチ操作を検出した場合に前記選択信号を出力し、前記押下操作を検出した場合に前記決定信号を出力する、請求項5~6のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項8】
ユーザが画像を選択する選択操作を行なっていない場合は前記画像を第1表示態様で表示するステップと、
前記ユーザが前記選択操作によって選択された前記画像に関連付けられた処理を実行させる決定操作を行なっている場合は前記画像を前記第1表示態様よりも目立ち難い第2表示態様で表示するステップと、
前記ユーザが前記選択操作を行なっていない状態から前記選択操作を行なっている状態に変化した場合は前記画像を前記第1表示態様よりも目立ち易い第3表示態様で表示するステップと、
前記ユーザが前記決定操作を行なっている状態から前記選択操作を行なっている状態に変化した場合は前記画像を前記第1表示態様で表示するステップと、
を演算装置に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アイコンなどの画像の表示態様を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003-108311号公報(特許文献1)には、プッシュボタンを示すアイコンの画像を表示する表示画面と、表示画面とは離れた位置に設けられ、ユーザによる操作が入力されるタッチパッドとを備えるシステムが開示されている。このシステムにおいては、ユーザがタッチパッドの所定位置に触れることによって、ユーザが表示画面中のプッシュボタンのアイコンを選択する操作を行なったと判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-108311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたシステムのように画面とタッチパッドとが互いに離れた位置に配置されるタイプのデバイス(以下「遠隔デバイス」ともいう)の場合、ユーザが選択したアイコンをより強調して表示することが望ましい。これは、たとえば一般的なスマートフォンのように画面に直接タッチするタイプのデバイスにおいてはユーザは自身が選択したアイコンを自身の指の位置から視認できるが、遠隔デバイスにおいてはユーザは自身が選択したアイコンを画面の表示のみで視認する必要があるためである。その一方で、ユーザが初回の選択操作で選択したアイコンに関連付けられた処理を実行させる決定操作を連続して行なうような場合にまで毎回同じ強調表示を繰り返すと、ユーザが煩わしさを感じてしまうことが懸念される。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、初回の選択操作によって選択された画像をユーザが確認し易くしつつ、初回の選択操作後の連続操作によってユーザが煩わしさを感じることを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による表示制御装置は、画像の表示態様を制御する表示制御装置であって、取得部と、取得部に取得される信号に基づいて画像の表示態様を制御するための信号を生成する演算装置と、演算装置で生成された信号を外部に出力するための出力部とを備える。取得部は、ユーザが画像を選択する選択操作を行なっていないことを示す非選択信号と、ユーザが選択操作を行なっていることを示す選択信号と、ユーザが選択操作によって選択された画像に関連付けられた処理を実行させる決定操作を行なっていることを示す決定信号とのいずれかを取得する。演算装置は、取得部に取得される信号が非選択信号である場合は画像を第1表示態様で表示するための信号を生成し、取得部に取得される信号が決定信号である場合は画像を第1表示態様よりも目立ち難い第2表示態様で表示するための信号を生成する。演算装置は、取得部に取得される信号が非選択信号から選択信号に変化した場合は画像を第1表示態様よりも目立ち易い第3表示態様で表示するための信号を生成し、取得部に取得される信号が決定信号から選択信号に変化した場合は画像を第1表示態様で表示するための信号を生成する。
【0007】
上記の演算装置は、ユーザが選択操作を行なっていない場合は画像を第1表示態様で表示し、ユーザが選択操作によって選択した画像に対して決定操作を行なっている場合には、選択された画像を第1表示態様よりも目立ち難い第2表示態様で表示する。
【0008】
さらに、演算装置は、ユーザが選択操作を行なっている場合には、選択操作が行なわれる前の状態に応じて画像の表示態様を異ならせる。具体的には、ユーザが選択操作を行なっていない状態から選択操作を行なった場合、演算装置は、画像の表示態様を第1表示態様から第1表示態様よりも目立ち易い第3表示態様に変更する。これにより、初回の選択操作によって選択された画像をユーザが確認し易くすることができる。一方、ユーザが決定操作を行なっている状態から選択操作を行なう状態に戻った場合には、演算装置は、選択された画像の表示態様を、単純に第3表示態様に戻すのではなく、第3表示態様よりも目立ち難い第1表示態様に変更する。これにより、仮にユーザが初回の選択操作後に決定操作を連続して行なうような場合であっても、画像の表示態様の変化を小さくすることができるので、ユーザが煩わしさを感じてしまうことを抑制することができる。その結果、初回の選択操作によって選択された画像をユーザが確認し易くしつつ、初回の選択操作後の連続操作によってユーザが煩わしさを感じることを抑制することができる。
【0009】
本開示による画像表示システムは、上記の表示制御装置と、操作検出装置とを備える。操作検出装置は、表示制御装置の取得部に接続され、ユーザによる操作に応じて非選択信号、選択信号、および決定信号のいずれかを選択的に表示制御装置の取得部に出力する。
【0010】
本開示によるプログラムは、ユーザが画像を選択する選択操作を行なっていない場合は画像を第1表示態様で表示するステップと、ユーザが選択操作によって選択された画像に関連付けられた処理を実行させる決定操作を行なっている場合は画像を第1表示態様よりも目立ち難い第2表示態様で表示するステップと、ユーザが選択操作を行なっていない状態から選択操作を行なっている状態に変化した場合は画像を第1表示態様よりも目立ち易い第3表示態様で表示するステップと、ユーザが決定操作を行なっている状態から選択操作を行なっている状態に変化した場合は画像を第1表示態様で表示するステップと、を演算装置に実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、初回の選択操作によって選択された画像をユーザが確認し易くしつつ、初回の選択操作後の連続操作によってユーザが煩わしさを感じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】画像表示システムの全体構成の一例を模式的に示す図である。
図2】表示装の画面に表示されるアイコンを例示した図である。
図3】演算装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4】ユーザよる操作状態と、演算装置によって制御されるアイコンの表示態様との関係をまとめた表である。
図5】ユーザよる操作に応じてアイコンの表示態様が変化する様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0014】
<全体構成>
図1は、本実施の形態による表示制御装置20を含む画像表示システム1の全体構成の一例を模式的に示す図である。
【0015】
画像表示システム1は、操作検出装置10と、表示制御装置20と、表示装置30とを含む。この画像表示システム1は、たとえば車両に搭載される。なお、画像表示システム1は、車両に搭載されることに限定されず、たとえば船舶、航空機など、車両以外の移動体に搭載されてもよい。また、画像表示システム1は、移動体に搭載されることに限定されず、シミュレータなどの静止物に搭載されてもよい。
【0016】
表示装置30は、アイコン等の画像を表示する画面31を有する。画像表示システム1が車両に搭載される場合、表示装置30は、たとえば、車両のフロントガラス等に情報を表示するためのヘッドアップディスプレイなどであってもよい。表示装置30の画面31に表示される画像には、車両に搭載される様々な機器、たとえば、オーディオ機器、ナビゲーション装置、空調装置、通信装置などに対するコマンドを実行するためのアイコンが含まれる。
【0017】
図2は、表示装置30の画面31に表示されるアイコンを例示した図である。図2に示す例では、オーディオ機器に対するコマンドを実行するためのアイコンとして、曲を再生する処理を実行させるための再生ボタンを示すアイコン32、お気に入りの曲を登録する処理を実行させるための登録ボタンを示すアイコン33、前の曲に戻す処理を実行させるための早戻しボタンを示すアイコン34,および、次の曲に進める処理を実行させるための早送りボタンを示すアイコン35が画面31に表示されている。たとえば、ユーザが操作検出装置10に対してアイコン35を選択して決定する操作を行なうと、次の曲に進める早送り処理が実行される。なお、図2に示す例では、ユーザがアイコン35を選択する操作を行なっているために、アイコン35のサイズが他のアイコン32,33,34のサイズよりも大きく表示されている例が示されている。
【0018】
図1に戻って、操作検出装置10は、ユーザによる操作を検出し、検出結果を表示制御装置20に出力する。操作検出装置10は、表示装置30とは離れた位置に配置される。画像表示システム1が車両に搭載される場合、操作検出装置10は、たとえば、車両のステアリングホイールのスポーク部(ステアリングシャフトに接続されるハブ部と運転者によって把持されるグリップ部とを繋ぐ部分)に配置されてもよい。このような位置に配置することにより、ユーザ(運転者)がステアリングホイールを把持した状態で、親指の指先で操作検出装置10に対する操作をスムーズに行なうことができる。
【0019】
操作検出装置10によって検出される操作には、表示装置30に表示されるアイコンをユーザが選択する「選択操作」、選択操作によって選択されたアイコンに関連付けられた処理を実行させる「決定操作」が含まれる。
【0020】
本実施の形態においては、操作検出装置10は、ユーザによる操作を受け付ける表面を有する平板状のタッチパッド11を有する。操作検出装置10は、ユーザがタッチパッド11に軽く触れる「タッチ操作」を、上述の「選択操作」として検出するように構成される。なお、タッチ操作の検出方式は特に限定されない。たとえば、ユーザがタッチパッド11に軽く触れることによって生じる静電容量の変化を検出する方式(いわゆる静電容量方式)であってもよいし、ユーザがタッチパッド11に軽く触れたことによって生じる微小な圧力変化を検出する方式であってもよい。
【0021】
さらに、操作検出装置10は、ユーザがタッチパッド11に触れた後にさらにタッチパッド11を押下する「押下操作(プレス操作)」を、上述の「決定操作」として検出するように構成される。なお、押下操作の検出方式も特に限定されない。たとえば、ユーザがタッチパッド11を押下することによって生じる圧力変化を荷重センサ等で検出する方式であってもよい。
【0022】
操作検出装置10は、タッチ操作を検出した場合、ユーザが選択操作を行なっていることを示す「選択信号」を表示制御装置20に出力する。選択信号には、タッチパッド11における接触位置(タッチ位置)の絶対座標を示す情報が含まれる。
【0023】
操作検出装置10は、押下操作を検出した場合、ユーザが決定操作を行なっていることを示す「決定信号」を表示制御装置20に出力する。なお、決定信号にも、タッチパッド11における接触位置(押下位置)の絶対座標を示す情報が含まれる。
【0024】
操作検出装置10は、タッチ操作および押下操作を検出していない場合、ユーザが選択操作を行なっていないことを示す「非選択信号」を表示制御装置20に出力する。なお、操作検出装置10が、タッチ操作および押下操作を検出していない場合には、表示制御装置20に信号を出力しないように構成されてもよい。この場合、操作検出装置10が信号を出力していないことを「非選択信号」として扱うことができる。
【0025】
表示制御装置20は、取得部21と、出力部23と、記憶部24と、演算装置25とを備える。取得部21は、操作検出装置10の検出結果を示す信号を取得する。出力部23は、演算装置25が生成した表示制御信号を表示装置30に出力するための出力ポートである。
【0026】
記憶部24は、演算装置25の演算に用いられる情報およびプログラムなどを格納する記憶媒体である。記憶部24は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶素子で構成されていてもよい。また、記憶部24は、表示制御装置20から取り外し可能なリムーバブルメディアであってもよい。
【0027】
演算装置25は、取得部21、出力部23および記憶部24に接続される。演算装置25は、CPU(Central Processing Unit)などで構成される。演算装置25は、取得部21に取得される信号に基づいて、表示装置30に表示されるアイコンの表示態様を制御する表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号を出力部23から表示装置30に出力する。これにより、表示装置30に表示されるアイコンが、表示制御信号に応じた表示態様で表示される。
【0028】
演算装置25の処理は、ソフトウェア処理、すなわち、記憶部24に格納されたプログラムが演算装置25により読み出されて実行されることにより行なわれる。なお、演算装置25の処理は、ソフトウェア処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理してもよい。
【0029】
なお、図1には表示制御装置20が操作検出装置10および表示装置30とは離れた位置に示されているが、表示制御装置20の位置はこれに限定されない。たとえば、表示制御装置20は、操作検出装置10と同じ位置あるいは近接した位置に配置されてもよいし、表示装置30と同じ位置あるいは近接した位置に配置されてもよい。
【0030】
<アイコンの表示制御>
上述の画像表示システム1のようにユーザの選択操作および決定操作を検出する操作検出装置10とアイコンが表示される表示装置30とが互いに離れた位置に配置されるタイプのデバイス(遠隔デバイス)の場合、ユーザが選択したアイコンをより強調して表示したいというニーズがある。これは、たとえば一般的なスマートフォンのように画面に直接タッチするタイプのデバイスにおいてはユーザは自身が選択したアイコンを自身の指の位置から視認できるが、遠隔デバイスにおいてはユーザは自身が選択したアイコンを画面の表示のみで視認する必要があるためである。その一方で、ユーザが初回の選択操作によって選択したアイコンに対して決定操作を連続して行なうような場合にまで毎回同じ強調表示を繰り返すと、ユーザが煩わしさを感じてしまうことが懸念される。
【0031】
この点を踏まえ、本実施の形態による演算装置25は、取得部21に取得される信号に応じて、表示装置30に表示されるアイコンの表示態様を以下のように制御する。なお、以下では、取得部21に取得される信号が非選択信号である状態(すなわちユーザが選択操作を行なっていない状態)を「非選択状態」とも称し、取得部21に取得される信号が選択信号である状態(すなわちユーザが選択操作によって特定のアイコンを選択している状態)を「選択状態」とも称し、取得部21に取得される信号が決定信号である状態(すなわちユーザが選択したアイコンに対して決定操作を行なっている状態)を「決定状態」とも称する。非選択状態、選択状態および決定状態は、いずれもユーザの操作状態を示すものである。
【0032】
図3は、演算装置25がアイコンの表示態様を制御する際に行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、ユーザの操作状態が非選択状態(ユーザが選択操作を行なっていない状態)である場合に開始される。以下では、アイコンの表示サイズを「小サイズ」、「中サイズ」、「大サイズ」のいずれかに制御し、アイコンの表示色を「クレー」または「グリーン」のどちらかに制御する例について説明する。
【0033】
まず、演算装置25は、ユーザの操作状態が非選択状態から選択状態に変化したか否かを判定する(ステップS10)。ユーザの操作状態が非選択状態から選択状態に変化していない場合(ステップS10においてNO)、すなわちユーザの操作状態が非選択状態に維持されている場合、演算装置25は、アイコンの表示サイズを「中サイズ」とし、アイコンの表示色を「グレー」とする(ステップS20)。この「中サイズ」および「グレー」の表示態様が、選択操作が行なわれていない初期状態の表示態様である。
【0034】
一方、ユーザの操作状態が非選択状態から選択状態に変化した場合(ステップS10においてYES)、演算装置25は、選択信号に含まれるタッチ位置の絶対座標からユーザが選択したアイコン(以下「選択アイコン」ともいう)を特定し、選択アイコンのサイズおよび色をそれぞれ「大サイズ」および「グリーン」とする(ステップS30)。
【0035】
その後、演算装置25は、ユーザの操作状態が選択状態から決定状態に変化したか否かを判定する(ステップS32)。ユーザの操作状態が選択状態から決定状態に変化していない場合(ステップS32においてNO)、演算装置25は、ユーザの操作状態が選択状態から非選択状態に変化したか否かを判定する(ステップS34)。ユーザの操作状態が選択状態から非選択状態に変化していない場合(ステップS34においてNO)、すなわちユーザの操作状態が選択状態に維持されている場合、演算装置25は、処理をステップS30に戻し、選択アイコンのサイズおよび色をそれぞれ「大サイズ」および「グリーン」に維持する。ユーザの操作状態が選択状態から非選択状態に変化した場合(ステップS34においてYES)、演算装置25は、処理をステップS20に移し、選択アイコンの表示態様を初期状態(中サイズ、グレー)に戻す。
【0036】
一方、ユーザの操作状態が選択状態から決定状態に変化した場合(ステップS32においてYES)、演算装置25は、選択アイコンのサイズおよび色をそれぞれ「小サイズ」および「グリーン」にする(ステップS40)。その後、演算装置25は、ユーザの操作状態が決定状態から選択状態に変化したか否かを判定する(ステップS42)。ユーザの操作状態が決定状態から選択状態に変化していない場合(ステップS42においてNO)、すなわちユーザの操作状態が決定状態に維持されている場合、演算装置25は、処理をステップS40に戻し、選択アイコンのサイズおよび色をそれぞれ「小サイズ」および「グリーン」に維持する。
【0037】
一方、ユーザの操作状態が決定状態から選択状態に変化した場合(ステップS42においてYES)、演算装置25は、選択アイコンのサイズおよび色をそれぞれ「中サイズ」および「グリーン」にする(ステップS50)。その後、演算装置25は、ユーザの操作状態が選択状態から決定状態に変化したか否かを判定する(ステップS52)。ユーザの操作状態が選択状態から決定状態に変化していない場合(ステップS52においてNO)、演算装置25は、ユーザの操作状態が選択状態から非選択状態に変化したか否かを判定する(ステップS54)。ユーザの操作状態が選択状態から非選択状態に変化していない場合(ステップS54においてNO)、すなわちユーザの操作状態が選択状態に維持されている場合、演算装置25は、処理をステップS50に戻し、選択アイコンのサイズおよび色をそれぞれ「中サイズ」および「グリーン」に維持する。ユーザの操作状態が選択状態から非選択状態に変化した場合(ステップS54においてYES)、演算装置25は、処理をステップS20に移し、選択アイコンの表示態様を初期状態(中サイズ、グレー)に戻す。
【0038】
一方、ユーザの操作状態が選択状態から再び決定状態に変化した場合(ステップS52においてYES)、演算装置25は、処理をステップS40に戻し、選択アイコンのサイズおよび色をそれぞれ「小サイズ」および「グリーン」とする。
【0039】
図4は、ユーザの操作状態と、演算装置25によって制御されるアイコンの表示態様との関係をまとめた表である。図4に示すように、ユーザが選択操作を行なっていない非選択状態である場合、各アイコンの表示態様は初期態様(中サイズ、グレー)となる。ユーザが選択アイコンに対して決定操作を行なっている決定状態である場合、選択アイコンの表示態様は(小サイズ、グリーン)となる。
【0040】
ユーザが選択操作を行なって特定のアイコンを選択している選択状態である場合には、選択操作が行なわれる前の操作状態に応じて、選択アイコンの表示態様が変更される。具体的には、選択操作が行なわれる前の操作状態が非選択状態であった場合(すなわち非選択状態から選択状態に変化した場合)には、選択アイコンの表示態様は(大サイズ、グリーン)となる。一方、選択操作が行なわれる前の操作状態が決定状態であった場合(すなわち決定状態から選択状態に変化した場合)、選択アイコンの表示態様は(中サイズ、グリーン)となる。
【0041】
図5は、ユーザよる操作に応じてアイコンの表示態様が変化する様子の一例を示す図である。図5には、上から順に、ユーザによる操作状態、本開示によるアイコンの表示態様が示される。なお、図5には、本開示によるアイコンの表示態様の下側に、参考として比較例によるアイコンの表示サイズが示されている。この比較例では、単純に、アイコンの表示サイズを、非選択状態である場合に「中サイズ」(初期サイズ)とし、選択状態である場合に「大サイズ」とし、決定状態である場合に「小サイズ」としている。
【0042】
時刻t1にてユーザがアイコンを選択していない状態からタッチパッド11に軽く触れて選択操作を行なうと、選択されたアイコンの表示サイズが、初期状態である「中サイズ」から、初期状態よりもサイズが大きく目立ち易い「大サイズ」に変更される。これにより、初回の選択操作によって選択されたアイコンをユーザが確認し易くすることができる。なお、表示サイズの変更に加えて、選択されたアイコンの色が、初期状態である「グレー」から、初期状態よりも目立ち易い「グリーン」に変更される。
【0043】
その後の時刻t2にてユーザがタッチパッド11を押下して決定操作を行なうと、選択アイコンの表示サイズが、「大サイズ」から「小サイズ」に変更される。このようにユーザがタッチパッド11を押下したことによって選択アイコンの表示サイズを小さくすることによって、ユーザは、自身の押下操作で選択アイコンを押し込んだことによって選択アイコンが遠くなる(つまり小さくなる)ように感じることができる。そのため、ユーザは、自身の押下操作が選択アイコンに対して行なわれたことを、違和感なく直感的に確認することができる。
【0044】
その後の時刻t3にてユーザがタッチパッド11を押下するのを止めてタッチパッド11に軽く触れる選択状態に戻ると、選択アイコンの表示サイズが、「小サイズ」から、単純に「大サイズ」に戻されるのではなく、「大サイズ」よりもサイズが小さく目立ち難い「中サイズ」に変更される。これにより、ユーザが既に視認した選択アイコンに対する不要な強調表示が行われないようになるため、ユーザに煩わしさを感じさせないようにすることができる。
【0045】
その後の時刻t7までの期間において、ユーザが選択アイコンに対して決定操作を繰り返すことに応じて、選択アイコンの表示サイズは「小サイズ」と「中サイズ」との間で変更される。これにより、ユーザが選択アイコンに対して決定操作を連続して行なう場合に、選択アイコンの表示サイズの変化が低減されるので、ユーザが煩わしさを感じてしまうことを抑制することができる。すなわち、仮に比較例に示すように単純にアイコンの表示サイズを選択状態で「大サイズ」とし決定状態で「小サイズ」とすると、ユーザが選択アイコンに対して決定操作を繰り返す場合において、選択アイコンの表示サイズが「小サイズ」と「大サイズ」との間で変更されるため、選択アイコンの表示サイズの変化が大きくなり、ユーザが煩わしさを感じてしまうことが懸念される。これに対し、本開示においては、ユーザが決定操作を繰り返す場合に選択アイコンの表示サイズは「小サイズ」と「中サイズ」との間で変更され、選択アイコンの表示サイズの変化が小さいので、上記の問題を解消し得る。
【0046】
その後の時刻t8においてユーザがタッチパッド11から指を離して非選択操作を行なう(すなわち選択操作を止める)と、選択アイコンの表示色が、「グリーン」から、初期状態の「グレー」に変更される。ユーザは、このような選択アイコンの表示色の変化を視認することによって、選択操作を止めたことを把握することができる。この際、選択アイコンの表示サイズは、「中サイズ」に維持されて変化しないため、ユーザは、タッチパッド11から指を離して非選択操作を行なったことを、違和感なく確認することができる。すなわち、ユーザは、タッチパッド11から指を離した場合には、指を離したことによって選択アイコンが近くなる(つまり大きくなる)感覚を持つことが想定される。ところが、仮に比較例に示すように単純にアイコンの表示サイズを選択状態で「大サイズ」とし非選択状態で「中サイズ」とすると、ユーザがタッチパッド11から指を離したことによって、選択アイコンの表示サイズが「大サイズ」から「中サイズ」に変更され、ユーザの想定し得るサイズ変化の方向とは逆に、選択アイコンの表示サイズが小さくなってしまうため、ユーザは違和感を覚え、さらには、タッチパッド11を押下したと誤認することも想定され得る。これに対し、本開示においては、ユーザがタッチパッド11から指を離しても、選択アイコンの表示サイズは「中サイズ」に維持され、選択アイコンの表示サイズが小さくなってしまうことが抑制されるため、上記の問題を解消し得る。
【0047】
以上のように、本実施の形態による表示制御装置20は、操作検出装置10からの信号を取得する取得部21と、取得部21に取得される信号に基づいてアイコンの表示態様を制御するための表示制御信号を生成する演算装置25と、演算装置25で生成された表示制御信号を表示装置30に出力するための出力部23とを備える。取得部21は、ユーザがアイコンを選択する選択操作を行なっていないことを示す「非選択信号」と、ユーザが選択操作を行なっていることを示す「選択信号」と、ユーザが選択操作によって選択されたアイコンに関連付けられた処理を実行させる決定操作を行なっていることを示す「決定信号」とのいずれかを取得する。
【0048】
演算装置25は、取得部21に取得される信号が「非選択信号」である場合はアイコンの表示サイズを「中サイズ」(第1表示態様)とする表示制御信号を生成し、取得部21に取得される信号が「決定信号」である場合はアイコンの表示サイズを中サイズよりも目立ち難い「小サイズ」(第2表示態様)とする表示制御信号を生成する。さらに、演算装置25は、取得部21に取得される信号が「非選択信号」から「選択信号」に変化した場合はアイコンを「中サイズ」よりも目立ち易い「大サイズ」(第3表示態様)で表示するための表示制御信号を生成し、取得部21に取得される信号が「決定信号」から「選択信号」に変化した場合はアイコンを「中サイズ」で表示するための表示制御信号を生成する。
【0049】
上記の演算装置25は、ユーザが選択操作を行なっていない場合はアイコンの表示サイズを「中サイズ」で表示し、ユーザが選択操作によって選択された選択アイコンに対して決定操作を行なっている場合には、選択アイコンを「小サイズ」で表示する。
【0050】
さらに、演算装置25は、ユーザが選択操作を行なっている場合には、選択操作が行なわれる前の状態に応じて選択アイコンの表示サイズを異ならせる。具体的には、ユーザが選択操作を行なっていない状態から選択操作を行なった場合、演算装置25は、選択されたアイコンの表示サイズを、中サイズ(第1表示態様)から、中サイズよりも目立ち易い「大サイズ」(第3表示態様)に変更する。これにより、初回の選択操作によって選択されたアイコンをユーザが確認し易くすることができる。一方、ユーザが決定操作を行なっている状態から選択操作を行なう状態に戻った場合には、演算装置25は、選択アイコンの表示態様を、単純に大サイズに戻すのではなく、大サイズよりも目立ち難い中サイズに変更する。これにより、仮にユーザが初回の選択操作後に決定操作を連続して行なうような場合であっても、選択アイコンの表示サイズの変化を小さくすることができるので、ユーザが煩わしさを感じることを抑制することができる。その結果、初回の選択操作によって選択されたアイコンをユーザが確認し易くしつつ、初回の選択操作後の連続操作によってユーザが煩わしさを感じることを抑制することができる。
【0051】
<変形例1>
上述の実施の形態においては、図4等に示したように、アイコンの表示サイズを変化させることによって、アイコンの目立ち度合いを変化させる例について説明した。しかしながら、アイコンの目立ち度合いを変化させる手法は、必ずしもアイコンの表示サイズを変化させることに限定されない。
【0052】
たとえば、アイコンの明るさ(明度)を変化させることによって、アイコンの目立ち度合いを変化させるようにしてもよい。具体的には、非選択状態でアイコンの明るさを第1の明るさとし、決定状態でアイコンの明るさを第1の明るさよりも暗く目立ち難い第2の明るさとし、非選択状態から選択状態に変化した場合はアイコンの明るさを第1の明るさよりも明るく目立ち易い第3の明るさとし、決定状態から選択状態に変化した場合はアイコンの明るさを第1の明るさとしてもよい。
【0053】
また、同様に、アイコンの色相あるいは彩度を変化させることによって、アイコンの目立ち度合いを変化させるようにしてもよい。いずれの場合であっても、非選択状態でアイコンの表示態様を第1表示態様とし、決定状態でアイコンの表示態様を第1表示態様よりも目立ち難い第2表示態様とし、非選択状態から選択状態に変化した場合はアイコンの表示態様を第1表示態様よりも目立ち易い第3表示態様とし、決定状態から選択状態に変化した場合はアイコンの表示態様を第1表示態様とすればよい。
【0054】
<変形例2>
上述の実施の形態においては、操作検出装置10がタッチパッド11によって選択操作(タッチ操作)および決定操作(押下操作)を検出する例について説明した。しかしながら、操作検出装置10は、選択操作および決定操作を検出可能なものであればよく、必ずしもタッチパッド11を有するものに限定されない。
【0055】
たとえば、操作検出装置10は、ユーザの操作量を2段階で検出可能な機械式のスイッチを有するものであってもよい。この場合、1段階目の操作を選択操作として検出し、2段階目の操作を決定操作として検出するように構成すればよい。
【0056】
また、操作検出装置10は、ユーザの指が近接していることを検出可能な近接センサ(静電センサ)を有するものであってもよい。この場合、ユーザの指が近接センサに所定距離未満に近づいたことを選択操作として検出し、ユーザの指が近接センサに触れたことを決定操作として検出するように構成すればよい。
【0057】
<変形例3>
上述の実施の形態においては、操作検出装置10と表示装置30とが離れた位置に配置される例について説明した、しかしながら、一般的なスマートフォンのように、操作検出装置10のタッチパッド11を表示装置30の画面31に重ねて配置し、ユーザが画面31に対して直接タッチおよび押下する操作を行えるようにしてもよい。この場合、ユーザは、自身が選択したアイコンを自身の指の位置から視認することもできるが、本開示のようにアイコンの表示態様を変化させることによって、選択されたアイコンをより視認し易くすることができる。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0059】
以上に説明した例示的な実施の形態およびその変形例は、以下の態様の具体例である。
(1) 本開示の一態様による表示制御装置は、画像の表示態様を制御する表示制御装置であって、取得部と、取得部に取得される信号に基づいて画像の表示態様を制御するための信号を生成する演算装置と、演算装置で生成された信号を外部に出力するための出力部とを備える。取得部は、ユーザが画像を選択する選択操作を行なっていないことを示す非選択信号と、ユーザが選択操作を行なっていることを示す選択信号と、ユーザが選択操作によって選択された画像に関連付けられた処理を実行させる決定操作を行なっていることを示す決定信号とのいずれかを取得する。演算装置は、取得部に取得される信号が非選択信号である場合は画像を第1表示態様で表示するための信号を生成し、取得部に取得される信号が決定信号である場合は画像を第1表示態様よりも目立ち難い第2表示態様で表示するための信号を生成する。演算装置は、取得部に取得される信号が非選択信号から選択信号に変化した場合は画像を第1表示態様よりも目立ち易い第3表示態様で表示するための信号を生成し、取得部に取得される信号が決定信号から選択信号に変化した場合は画像を第1表示態様で表示するための信号を生成する。
【0060】
上記態様による演算装置は、ユーザが選択操作を行なっていない場合は画像を第1表示態様で表示し、ユーザが選択操作によって選択された画像に関連付けられた処理を実行させる決定操作を行なっている場合には、選択された画像を第1表示態様よりも目立ち難い第2表示態様で表示する。
【0061】
さらに、演算装置は、ユーザが選択操作を行なっている場合には、選択操作が行なわれる前の状態に応じて画像の表示態様を異ならせる。具体的には、ユーザが選択操作を行なっていない状態から選択操作を行なった場合、演算装置は、画像の表示態様を第1表示態様から第1表示態様よりも目立ち易い第3表示態様に変更する。これにより、初回の選択操作によって選択された画像をユーザが確認し易くすることができる。一方、ユーザが決定操作を行なっている状態から選択操作を行なう状態に戻った場合には、演算装置は、選択された画像の表示態様を、単純に第3表示態様に戻すのではなく、第3表示態様よりも目立ち難い第1表示態様に変更する。これにより、仮にユーザが初回の選択操作後に決定操作を連続して行なうような場合であっても、画像の表示態様の変化を小さくすることができるので、ユーザが煩わしさを感じることを抑制することができる。その結果、初回の選択操作によって選択された画像をユーザが確認し易くしつつ、初回の選択操作後の連続操作によってユーザが煩わしさを感じることを抑制することができる。
【0062】
(2) ある態様においては、演算装置は、第1表示態様による画像のサイズを第1サイズとし、第2表示態様による画像のサイズを第1サイズよりも小さい第2サイズとし、第3表示態様による画像の表示サイズを第1サイズよりも大きい第3サイズとする。
【0063】
上記態様によれば、画像の表示サイズを変更することによって上記の作用効果を実現することができる。すなわち、ユーザが初回の選択操作を行なった場合は、画像のサイズが、第1サイズ(中サイズ)から、第1サイズよりも大きく目立ち易い第3サイズ(大サイズ)に変更される。これにより、初回の選択操作によって選択された画像をユーザが確認し易くすることができる。一方、ユーザが決定操作を行なっている状態から選択操作を行なう状態に戻った場合には、画像のサイズが、第2サイズ(小サイズ)から、単純に第3サイズ(大サイズ)に戻されるのではなく、第3サイズよりも小さい第1サイズ(中サイズ)に変更される。これにより、仮にユーザが初回の選択操作後に決定操作を連続して行なうような場合であっても、画像の表示サイズの変化を低減することができるので、ユーザが煩わしさを感じることを抑制することができる。
【0064】
(3) ある態様においては、演算装置は、第1表示態様による画像の明るさを第1の明るさとし、第2表示態様による画像の明るさを第1の明るさよりも暗い第2の明るさとし、第3表示態様による画像の明るさを第1の明るさよりも明るい第3の明るさとする。
【0065】
上記態様によれば、画像の表示の明るさを変更することによって上記の作用効果を実現することができる。すなわち、ユーザが初回の選択操作を行なった場合は、画像の明るさが、第1の明るさから、第1の明るさよりも明るく目立ち易い第3の明るさに変更される。これにより、初回の選択操作によって選択された画像をユーザが確認し易くすることができる。一方、ユーザが決定操作を行なっている状態から選択操作を行なう状態に戻った場合には、画像の明るさが、第2の明るさから、単純に第3の明るさに戻されるのではなく、第3の明るさよりも暗い第1の明るさに変更される。これにより、仮にユーザが初回の選択操作後に決定操作を連続して行なうような場合であっても、画像の表示の明るさの変化を低減することができるので、ユーザが煩わしさを感じることを抑制することができる。
【0066】
(4) ある態様においては、演算装置は、第1表示態様による画像の色を第1の色とし、第2表示態様および第3表示態様による画像の色を第1の色とは異ならせる。
【0067】
上記態様によれば、ユーザが初回の選択操作を行なった場合に、選択された画像の色を、第1表示態様による第1の色(たとえばグレー)から、第1の色とは異なる第3表示態様による色(たとえばグリーン)に変化させることができる。そのため、ユーザは、画像の色の変化を視認することによって、初回の選択操作によって選択された画像を把握することができる。また、ユーザが選択操作を止めた場合に、選択されていた画像の色を、第1の色とは異なる第2表示態様による色(たとえばグリーン)から、第1表示態様による第1の色(たとえばグレー)に変化させることができる。そのため、ユーザは、選択されていた画像の色の変化を視認することによって、選択操作を止めたことを把握することができる。
【0068】
(5) 本開示の一態様による画像表示システムは、上記の表示制御装置と、取得部に接続される操作検出装置と、出力部に接続される表示装置とを備える。操作検出装置は、ユーザによる操作に応じて非選択信号、選択信号、および決定信号のいずれかを表示制御装置の取得部に出力する。表示装置は、表示制御装置の出力部から出力される信号に応じた表示態様で画像を表示する。
【0069】
上記態様によれば、上記の作用効果を奏する画像表示システムを提供することができる。
【0070】
(6) ある態様においては、操作検出装置と表示装置とは互いに離れた位置に配置される。
【0071】
上記態様によれば、操作検出装置と表示装置とが互いに離れた位置に配置されており、ユーザは自身が選択したアイコンを画面の表示のみで視認する必要があるため、上記の作用効果をより有効に利用できる。
【0072】
(7) ある態様においては、操作検出装置は、ユーザが操作検出装置に触れるタッチ操作と、ユーザがタッチ操作を行なった状態で操作検出装置を押下する押下操作とを区別して検出可能に構成される。操作検出装置は、タッチ操作および押下操作を検出していない場合に非選択信号を出力し、タッチ操作を検出した場合に選択信号を出力し、押下操作を検出した場合に決定信号を出力する。
【0073】
上記態様によれば、ユーザが操作検出装置に対してタッチ操作あるいは押下操作を行うことによって、表示装置に表示される画像の表示態様を変更することができる。
【0074】
(8) 本開示の一態様によるプログラムは、ユーザが画像を選択する選択操作を行なっていない場合は画像を第1表示態様で表示するステップと、ユーザが選択操作によって選択された画像に関連付けられた処理を実行させる決定操作を行なっている場合は画像を第1表示態様よりも目立ち難い第2表示態様で表示するステップと、ユーザが選択操作を行なっていない状態から選択操作を行なっている状態に変化した場合は画像を第1表示態様よりも目立ち易い第3表示態様で表示するステップと、ユーザが決定操作を行なっている状態から選択操作を行なっている状態に変化した場合は画像を第1表示態様で表示するステップと、を演算装置に実行させるためのプログラムである。
【0075】
上記態様によれば、上記のプログラムを演算装置に実行させることによって、上記の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 画像表示システム、10 操作検出装置、11 タッチパッド、20 表示制御装置、21 取得部、23 出力部、24 記憶部、25 演算装置、30 表示装置、31 画面、32,33,34,35 アイコン。
図1
図2
図3
図4
図5