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特許7252205コア-コロナ型ポリマー粒子を用いた化粧料用原料および水中油型乳化化粧料
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  • 特許-コア-コロナ型ポリマー粒子を用いた化粧料用原料および水中油型乳化化粧料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】コア-コロナ型ポリマー粒子を用いた化粧料用原料および水中油型乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20230328BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20230328BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
C08F290/06
A61K8/06
A61K8/81
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020507940
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(86)【国際出願番号】 JP2019012146
(87)【国際公開番号】W WO2019182127
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2018057243
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(72)【発明者】
【氏名】杉山 由紀
(72)【発明者】
【氏名】福原 隆志
【審査官】谷合 正光
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/021338(WO,A1)
【文献】特開2005-015623(JP,A)
【文献】特開2012-241004(JP,A)
【文献】国際公開第2014/132693(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/094298(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/051746(WO,A1)
【文献】特開平10-268576(JP,A)
【文献】特許第6403854(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 290/06
A61K 8/06
A61K 8/81
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示されるポリエチレンオキサイドマクロモノマーと、下記一般式(2)で示される疎水性モノマーと、下記一般式(3)で示される疎水性モノマーとを、それぞれ少なくとも1種含み、下記(A)~(D)の条件でラジカル重合して得られるコア-コロナ型ポリマー粒子。
(A-1)下記式(1)で示されるマクロモノマーは、繰り返し単位が8~200のポリエチレングリコール基を含むアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体であること。
(A-2)下記式(2)で示されるアクリレート誘導体モノマーは、炭素数1~12のアルキル基を含む置換基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体であること。
(A-3)下記式(3)で示されるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体モノマーは、炭素数1~12のパーフルオロアルキル基を含む置換基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体であること。
(B)前記ポリエチレンオキシドマクロモノマーの仕込みモル量/(前記疎水性モノマー)の仕込みモル量で表されるモル比が1:10~1:250であること。
(C)重合溶媒が水-アルコール混合溶媒であり、アルコールがエタノール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコールから選択される1種または2種以上であること。
(D)水-アルコール混合溶媒の溶媒組成が、20℃の質量比で、水:アルコール=90~10:10~90であること。
【化1】
(1)
上記化学式(1)中、R1は水素またはメチル基、Xは水素または炭素数1~3の炭化水素基、nは、8~200の数を表す。
【化2】
(2)
上記一般式(2)中、R2は、水素またはメチル基を表す。R3は、炭素数1~12の炭化水素基を表す。
【化3】
(3)
上記一般式(3)中、aは1~4の数、bは1~12の数、cは1~12の数、mは1を表す。
R6は水素またはメチル基を表す。
【請求項2】
請求項1に記載のコア-コロナ型ポリマー粒子を含むことを特徴とする乳化剤。
【請求項3】
請求項1に記載のコア-コロナ型ポリマー粒子を含むことを特徴とする白濁化剤。
【請求項4】
請求項1記載のコア-コロナ型ポリマー粒子の粒子径が50~600nmであることを特徴とするコア-コロナ型ポリマー粒子。
【請求項5】
請求項1に記載のコア-コロナ型ポリマー粒子を含む化粧料原料。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2018年3月23日付け出願の日本国特許出願2018-057243号の優先権を主張しており、ここに折り込まれるものである。
【技術分野】
【0002】
本発明はコア-コロナ型ポリマー粒子を用いた化粧料用原料および水中油型乳化化粧料に関し、特に、その化粧料の乳化安定性と使用性の改善に関する。
【背景技術】
【0003】
ある液体を他の液体中に安定に分散させるために、従来の意味の乳化化粧料には、界面活性物質(乳化剤)の添加が必要とされる。乳化剤は両親媒性の分子構造を有し、極性(親水性)と非極性(疎水性)部分から構成される。
化粧品等に用いられる乳化化粧料は、添加されている界面活性剤の乳化作用により、水性成分と油性成分を安定的に混合せしめている。水中油型化粧料においては、油相の微小分散液滴が乳化剤の殻で囲まれ、外相は水相の連続相となるため、みずみずしい感触を与える使用感に優れるといわれている。また、油中水型乳化化粧料では、水相の微小液滴が連続相である油相の中に分散しており、塗布時の伸び広がりの良さや塗布後の化粧膜の耐水効果に優れる。
【0004】
一方、近年安全性をより重視する消費者が増加するに伴い、ごく過敏な使用者によっては、まれに刺激性を感じる恐れのある界面活性剤すら含有しない、もしくはそのような刺激を与えない含有量とした水中油型乳化化粧料、又は油中水型乳化化粧料の要求がますます高くなっている。
また、界面活性剤は、水や油に対する相対的な濃度の上昇に伴って、使用感の悪い高次の会合体を形成する性質があるため、界面活性剤を乳化剤として用いた乳化化粧料においては、塗布中の溶媒揮発に伴う化粧膜の界面活性剤濃度の上昇によって、さっぱり感を損ない、べたつきやぬるつきを生じる場合がある。
【0005】
界面活性剤を用いずに、水中油型乳化化粧料を製造する方法としては、油相と水相の界面に粉末を吸着させて乳化するピッカリングエマルション法が知られている。しかし、当該方法で用いる粉末としては、金属酸化物や鉱物(例えば、シリカ)等の無機粉末が汎用されているが、これらの粉末による乳化能は弱く、多量に配合する必要があるため、得られる化粧料に粉っぽさや、きしみ感が感じられるという問題があった。さらに、無機粉末で乳化された油滴は衝撃に弱く、攪拌や振動によって合一し易いため、安定性の低さが課題となっていた(特許文献1)。
【0006】
また、特定のポリエチレンオキサイドマクロモノマー、特定のアクリレート誘導体モノマー、及び特定の架橋性モノマーを特定の条件下でラジカル重合して得られるコアーコロナ型ミクロゲル(本発明ではコア-コロナ型ポリマー粒子と称している)が、有機溶媒に対する膨潤性が非常に高く、様々な種類の油分を安定に乳化できることが知られている。そして、当該ミクロゲルを乳化剤とすることで、乳化安定性に優れ、べたつき感が少なく、粉っぽさやきしみ感が少ない水中油型乳化化粧料が得られることが報告されている。しかし、コア部の架橋密度が低いと膨潤時にコア構造が崩壊し、架橋密度が高すぎると、ミクロゲル同士が凝集し、いずれの場合にも乳化剤として機能しなくなるという問題があった。(特許文献2)
【0007】
このような事情から、架橋レベルによって乳化力が左右されない乳化安定性に優れたコア-コロナ型のミクロ粒子からなる化粧料用原料と、該化粧料用原料によって乳化された水中油型乳化化粧料の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2001-518111号公報
【文献】特開2006-161026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は前記従来技術に鑑み行われたものであり、その解決すべき課題は、水中油型乳化化粧料として汎用できるコア-コロナ型ポリマー粒子からなる化粧料用原料の提供と、さらに、乳化安定性に優れた、べたつき感が少なく、粉っぽさや、きしみ感が少ない当該ミクロ粒子によって乳化された水中油型乳化化粧料の提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らが前述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定のパーフルオロアルキル誘導体とアクリレート誘導体モノマーとを架橋せずに特定の条件下でラジカル重合させることで、水中油型乳化化粧料として汎用できるコア-コロナ型ポリマー粒子が得られることを見出した。そして、当該ポリマー粒子によって乳化された水中油型乳化化粧料は、乳化安定性に優れ、べたつき感が少なく、粉っぽさや、きしみ感が少ないことを見出した。
【0011】
すなわち、本発明に係るコア-コロナ型ポリマー粒子は、下記式(1)で示されるポリエチレンオキサイドマクロモノマーと、下記式(2)~(3)で示される疎水性モノマーの1種または2種以上とを、下記(A)~(D)の条件でラジカル重合して得られることを特徴とする。
(A-1)下記式(1)で示されるマクロモノマーは、繰り返し単位が8~200のポリエチレングリコール基を含むアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体であること。
(A-2)下記式(2)で示されるアクリレート誘導体モノマーは、炭素数1~12のアルキル基を含む置換基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体であること。
(A-3)下記式(3)で示されるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体モノマーは、炭素数1~12のパーフルオロアルキル基を含む置換基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体であること。
(B)前記ポリエチレンオキシドマクロモノマーの仕込みモル量/(前記疎水性モノマー)の仕込みモル量で表されるモル比が1:10~1:250であること。
(C)重合溶媒が水-アルコール混合溶媒であり、アルコールがエタノール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコールから選択される1種または2種以上であること。
(D)水-アルコール混合溶媒の溶媒組成が、20℃の質量比で、水:アルコール=90~10:10~90であること。
【化1】
(1)
上記化学式(1)中、R1は水素またはメチル基、Xは水素または炭素数1~3の炭化水素基、nは、8~200の数を表す。
【化2】
(2)
上記一般式(2)中、R2は、水素またはメチル基を表す。R3は、炭素数1~12の炭化水素基を表す。
【化3】
(3)
上記一般式(3)中、aは1~4の数、bは1~12の数、cは1~12の数、mは1を表す。
R6はメチル基を表す。
前記コア-コロナ型ポリマー粒子において、化粧料用原料として用いることが好適である。
前記コア-コロナ型ポリマー粒子において、乳化剤として用いることが好適である。
前記コア-コロナ型ポリマー粒子において、白濁化剤として用いることが好適である。
前記コア-コロナ型ポリマー粒子において、その粒子径が50~600nmであることが好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特定のパーフルオロアルキル誘導体とアクリレート誘導体モノマーとを架橋せずに特定の条件下でラジカル重合させることで、水中油型乳化化粧料として汎用できるコア-コロナ型ポリマー粒子が得られることを見出した。そして、当該ポリマー粒子によって乳化された水中油型乳化化粧料は、乳化安定性に優れ、べたつき感が少なく、粉っぽさや、きしみ感が少ないことを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のコア-コロナ型ポリマー粒子におけるミクロゲルの生成メカニズムを示す模式図である
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るコア-コロナ型ポリマー粒子は、下記一般式(1)で示されるポリエチレンオキサイドマクロモノマーと、下記一般式(2)~(3)で示される疎水性モノマーの1種または2種以上とを、下記(A)~(D)の条件でラジカル重合して得られることを特徴とする。
【0015】
本発明に用いるポリエチレンオキサイドマクロモノマーは以下の一般式(1)で表される。
【0016】
【化1】
(1)
【0017】
上記化学式(1)中、R1は水素またはメチル基、Xは、水素または炭素数1~3の炭化水素基を表し、nは8~200の数を表す。
【0018】
〈A1条件〉
A1条件としては、(1)で表されるポリエチレンオキサイドマクロモノマーが、繰り返し単位が8~200のポリエチレングリコール基を含むアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体であることが挙げられる。
【0019】
本発明に用いるポリエチレンオキサイドマクロモノマーは、Aldrich社製、日油株式会社製の市販品等を用いることができる。
【0020】
本発明に用いる疎水性モノマーは、以下の一般式(2)で表されるアクリレート誘導体モノマーと、一般式(3)ポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体モノマーを好適に用いることができる。
【0021】
本発明で用いるアクリレート誘導体モノマーは、以下の一般式(2)で表される。
【0022】
【化2】
(2)
【0023】
上記一般式(2)中、R2は、水素またはメチル基を表す。R3は、炭素数1~12の炭化水素基を表す。
【0024】
〈A2条件〉
A2条件としては、一般式(2)で表されるアクリレート誘導体モノマーが、炭素数1~12のアルキル基を含む置換基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体であることが挙げられる。
【0025】
本発明に用いるアクリレート誘導体モノマーは、Aldrich社製、東京化成社製の市販品等を用いることができる。
【0026】
本発明で用いるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体モノマーは、以下の一般式(3)で表される。
【0027】
【化3】
(3)
【0028】
上記一般式(3)中、aは1~4の数、bは1~12の数、cは1~12の数、mは1を表す。
R6は水素またはメチル基を表す。
【0029】
〈A3条件〉
A3条件としては、一般式(3)ポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが、炭素数1~12のパーフルオロアルキル基を含む置換基を有するアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体であることが挙げられる。
【0030】
本発明に用いるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体モノマーは、市販品を用いることができる。たとえば、Fluorochem社製のものなどが挙げられる。
【0031】
〈B条件〉
B条件としては、前記ポリエチレンオキシドマクロモノマーの仕込みモル量/(前記疎水性モノマー)の仕込みモル量で表されるモル比が1:10~1:250であることが挙げられる。1:10未満であると、ポリマーが親水的になるためにコア-コロナ型粒子が形成されない場合があり、1:250を超えるとポリマーが疎水性になるために粒子が凝集・沈殿する場合がある。
【0032】
〈C条件〉
C条件としては、重合溶媒が水-アルコール混合溶媒であり、アルコールがエタノール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコールから選択される1種または2種以上であることが挙げられる。
【0033】
〈D条件〉
D条件としては、水-アルコール混合溶媒の溶媒組成が、20℃の質量比で、水:アルコール=90~10:10~90であることが挙げられる。より好ましくは、水:アルコール50~10:90~50が好ましい。
【0034】
本発明に係るコア-コロナ型ポリマー粒子は、化粧料全量に対し、コア-コロナ型ポリマー粒子の純分に換算して、0.01~10質量%であることが好ましい。より好ましくは0.05~5質量%、さらに0.05~2質量%であるとより好ましい。配合量が0.01質量%未満であると、安定な化粧料が得られない場合がある。また、配合量が、10質量%を超えると、高温条件下での長期保存において安定性に劣る場合や、使用感に劣る場合がある。
【0035】
本発明に係るコア-コロナ型ポリマー粒子の粒子径が50~600nmであると好適である。50nm未満であると白濁性が著しく低下する場合があり、600nmを超えると粒子が沈殿する場合や、乳化剤としての機能が失活する場合がある。
【0036】
本発明に係るコア-コロナ型ポリマー粒子は、親水性マクロモノマーと疎水性モノマーとが溶媒中にて図1に示すように秩序化が起り、粒子径がほぼ一定で、かつコア部分が架橋されたコア-コロナ型ポリマー粒子分散液が生成すると本発明者は、推測している。
ただし、現時点をもって、このコア-コロナ型ポリマー粒子が、図1のような状態で、存在することを完全に特定することが不可能またはおよそ実際的ではない程度に困難である。したがって、本発明に係る物の発明を物自体の構成として特定するのは不可能である。よって、このプロダクトバイプロセス発明は明確である。
【0037】
本発明に係るコア-コロナ型ポリマー粒子は、様々な化粧料の乳化剤、白濁剤、化粧料用原料等に用いることができる。
(水中油型乳化化粧料)
本発明のコア-コロナ型ポリマー粒子は、油相成分と水相成分とを乳化して、水相成分中に分散した油相成分の油滴上にコア-コロナ型ミクロゲル乳化剤が吸着してなる構造を有する水中油型乳化化粧料を形成する。したがって、本発明のコア-コロナ型ポリマー粒子は乳化力に優れ、また、本発明の化粧料用原料を乳化剤として使用すれば、乳化安定性に極めて優れた水中油型乳化化粧料を製造することができる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、化粧料用原料を、水または水相成分中に混合分散させ、常法により油相成分およびその他の成分を添加、攪拌およびせん断力を加えて乳化することによって製造される。
【0038】
[その他の成分]
本発明にかかる化粧料用原料を用いた化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分、例えば、無機粉末、有機粉末、エステル、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
【0039】
無機粉末は、例えば、タルク、窒化硼素、セリサイト、天然マイカ、焼成マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、アルミナ、マイカ、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化クロム、紺青、群青、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ストロンチウム、炭化ケイ素、フッ化マグネシウム、タングステン酸金属塩、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クロルヒドロキシアルミニウム、クレー、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、スピネル、ムライト、コージェライト、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ケイ素、ランタン、サマリウム、タンタル、テルビウム、ユーロピウム、ネオジウム、Mn-Znフェライト、Ni-Znフェライト、シリコーンカーバイート、チタン酸コバルト、チタン酸バリウム、チタン酸鉄、リチウムコバルトチタネート、アルミン酸コバルト、アンチモン含有酸化スズ、スズ含有酸化インジウム、マグネタイト、アルミニウム粉、金粉、銀粉、白金粉、銅粉、貴金属コロイド、鉄粉、亜鉛粉、コバルトブルー、コバルトバイオレット、コバルトグリーン、低次酸化チタン、微粒子酸化チタン、バタフライ状硫酸バリウム、花びら状酸化亜鉛、テトラポッド状酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、パール顔料としては酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化チタン被覆シリカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化チタン被覆タルク、酸化亜鉛被覆シリカ、酸化チタン被覆着色雲母、ベンガラ被覆雲母チタン、ベンガラ・黒酸化鉄被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、コンジョウ被覆雲母チタン等が挙げられる。
【0040】
有機粉末(例えば、シリコーンエラストマー粉末、シリコーン粉末、シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末(例えばメタクリル酸メチルクロスポリマー)、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、等が挙げられる。
【0041】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0042】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0043】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0044】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0045】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POE-ソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0046】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、アルキレンオキシド誘導体、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0047】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0048】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0049】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,0000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0050】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0051】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノ;2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート;2,4-ビス-{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン等が挙げられる。
【0052】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0053】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0054】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0055】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0056】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0057】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0058】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0059】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0060】
pH調整剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0061】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0062】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン、クロルフェネシン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0063】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、フルクトース、マンノース、エリスリトール、トレハロース、キシリトール等の糖類等も適宜配合することができる。
【0064】
本発明にかかるコア-コロナ型ポリマー粒子を用いた化粧料用原料の製品形態としては、あらゆる製品形態をとることが可能である。具体的には、化粧水、乳液、美容液、クリーム、サンスクリーン、リキッドファンデーション等の製品形態をとることができる。
【0065】
[コア-コロナ型ポリマー粒子の製造方法]
公知の方法で製造することができる。たとえば、次のとおりである。還流管と窒素導入管を備えた三口フラスコに所定の溶媒(たとえば水-アルコール混合溶媒)を加え、ポリエチレンオキサイドモノマーおよび疎水性モノマーを添加する。十分に溶解または分散させた後、20分間以上窒素置換して溶存酸素を除いた後、全モノマー量に対して1mol%のラジカル重合開始剤を添加し、溶解させる。均一溶解または分散させた重合溶液を窒素置換し、溶存酸素を除いた後に撹拌しながらオイルバス内で65~70℃に保って8時間重合反応を行う。重合終了後、コア-コロナ型ポリマー粒子の分散液を得る。
【0066】
[本発明に係るコア-コロナ型ポリマー粒子を用いた化粧料の製造方法]
公知の方法で製造することができる。たとえば、コア-コロナ型ポリマー粒子を含む水中に所定の可溶化剤と油分を添加して可溶化化粧水を得る方法や、コア-コロナ型ポリマー粒子および水溶性増粘剤を含む水中に油分を添加した後、ホモミキサーによって強いせん断力を印加することで乳液を得る方法などがある。
【実施例
【0067】
本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれにより限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
実施例の説明に先立ち本発明の係るコア-コロナ型ポリマー粒子の評価方法について説明する。
【0068】
評価(1):透過率の評価
試料を分光光度計V-630(日本分光社製)により波長600nmで測定し、可視光透過率(光路長1cm)により評価した。リファレンスはイオン交換水とした。
【0069】
評価(2-1):安定性(外観)の評価
試料調製後1日後に外観を目視によって観察し、下記基準に従って評価した。
(評価基準)
A:試料は均一で、油浮きや粉の凝集を認めなかった。
B:試料はほぼ均一であるが、油浮きまたは粉の凝集をわずかに認めた。
C:試料が均一でないか、著しい油相の分離、もしくは粉の凝集を認めた。
【0070】
評価(2-2):乳化安定性(乳化粒子)の評価
試料の乳化粒子を光学顕微鏡で観察した。
(評価基準)
A:乳化粒子は均一で、合一や凝集を認めなかった。
B:乳化粒子はほぼ均一であるが、わずかな合一や凝集などを認めた。
C:乳化粒子が均一でなく、著しい合一や凝集を認めた。
【0071】
評価(3):皮膚刺激試験の評価
10名の敏感肌パネルの上腕内側部に24時間の閉塞パッチを行い、皮膚の状態を下記基準で判定した。
(評価基準)
0…全く異常が認められない。
1…わずかに赤みが認められる。
2…赤みが認められる。
3…赤みと丘疹が認められる。
【0072】
評価(4):使用感の評価
専門パネル10名により、試料を皮膚に塗布した際の使用感(「べたつきのなさ」「こく感」「なじみの早さ」)を下記基準で評価した。
(評価基準)
A:10名中7名以上が「良い」「実感できる」と答えた。
B:10名中5名以上が「良い」「実感できる」と答えた。
C:10名中3名以上が「良い」「実感できる」と答えた。
D:10名中2名以下が「良い」「実感できる」と答えた。
【0073】
評価(5):経時安定性の評価
製造から1ヵ月経過後の水中油型乳化化粧料の状態を、肉眼にて観察した。
(評価基準)
A:試料は製造時の乳化状態を保っている。
B:若干の沈降/浮上が見られるが、試料は乳化状態をほぼ保っている。
C:乳化粒子が沈降/浮上し、粒子の合一も認められる。
D:試料中の乳化粒子が沈降/浮上、合一して、油相が完全に分離している。
【0074】
[コア-コロナ型ポリマー粒子が分散した化粧料用原料]
【0075】
はじめに、本発明者らは、本発明に係るコア-コロナ型ポリマー粒子を製造して、上記評価方法にて評価した。各成分の配合量については、表1に記した。各成分をラジカル重合する条件は、表2に記した。得られたコア-コロナ型ポリマー粒子が分散した化粧料原料の各評価は表3に記した。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
製造例1で得られた化粧料用原料は、コア-コロナ型ポリマー粒子が、分散したものであった。
【0080】
次に、製造例1で得られたコア-コロナ型ポリマー粒子を白濁化粧料に用いた。
【0081】
【表4】
【0082】
得られた白濁化粧料は、安定性、皮膚刺激性、使用感に優れたものであった。
【0083】
次に、製造例1で得られたコア-コロナ型ポリマー粒子を用いて、水中油型乳化化粧料を製造した。
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】
【表7】
【0087】
試験例2-1から4-1で得られた水中油型乳化化粧料は安定性、皮膚刺激性、使用感に優れたものであった。
図1