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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】除草活性二環式ベンズアミド
(51)【国際特許分類】
   C07D 327/06 20060101AFI20230328BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20230328BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20230328BHJP
   C07D 411/12 20060101ALI20230328BHJP
   C07D 339/08 20060101ALI20230328BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20230328BHJP
   A01N 43/713 20060101ALI20230328BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20230328BHJP
   A01M 21/04 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
C07D327/06
C07D405/12 CSP
C07D409/12
C07D411/12
C07D339/08
A01N43/653 N
A01N43/713
A01P13/00
A01M21/04 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020545291
(86)(22)【出願日】2019-02-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2019054252
(87)【国際公開番号】W WO2019166304
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】18159079.5
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591063187
【氏名又は名称】バイエル アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フランク・メメル
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ヴァルトラフ
(72)【発明者】
【氏名】イゾルデ・ホイザー-ハーン
(72)【発明者】
【氏名】アヌ・ビーマイアー・マチェッティラ
(72)【発明者】
【氏名】ハンスイェルク・ディートリヒ
(72)【発明者】
【氏名】エルマー・ガッツヴァイラー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ヒュー・ロジンガー
(72)【発明者】
【氏名】エリーザベト・アスムス
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-519315(JP,A)
【文献】特表2014-509596(JP,A)
【文献】特表2014-521676(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00918056(EP,A1)
【文献】特表2000-506124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A01N 43/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物およびその農薬上許容される塩:
【化1】
(式中、記号および指数は以下の意味を有する:
BはNまたはCHを表し、
X1、X2は互いに独立に、それぞれOまたはS(O)nを表し、
Rはハロ-(C1~C6)-アルキルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdは互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、(C1~C6)-アルキル、ハロ-(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルキルオキシ、(C1~C6)-アルキルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdは、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
Rxは(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルキル-O-(C1~C6)-アルキル、フェニルを表し、
nは0、1または2を表す)。
【請求項2】
BがNまたはCHを表し、
X1、X2が互いに独立に、それぞれOまたはS(O)nを表し、
Rがハロ-(C1~C3)-アルキルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdが互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、(C1~C6)-アルキル、ハロ-(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルキルオキシ、(C1~C6)-アルキルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdが、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
Rxが(C1~C3)-アルキル、(C1~C3)-アルキル-O-(C1~C3)-アルキル、フェニルを表し、
nが0、1または2を表す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
BがNまたはCHを表し、
X1、X2が互いに独立に、それぞれOまたはS(O)nを表し、
Rがトリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdが互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdが、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
Rxがメチル、エチル、プロピル、メトキシメチル、メトキシエチル、2-メトキシ-2-メチル-1-プロピル、フェニルを表し、
nが0、1または2を表す、
請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
製剤補助剤と混合された少なくとも1種の請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物を含む除草性組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺真菌剤、薬害軽減剤および成長調節剤からなる群からのさらなる殺有害生物剤活性物質を含む、請求項4に記載の除草性組成物。
【請求項6】
有効量の少なくとも1種の請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または請求項4もしくは5に記載の除草性組成物を植物または不要な植生の部位に施用することを特徴とする、不要な植物を防除する方法。
【請求項7】
不要な植物を防除するための、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または請求項4もしくは5に記載の除草性組成物の使用。
【請求項8】
前記式(I)の化合物が有用植物の作物において不要な植物を防除するために使用されることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記有用植物がトランスジェニック有用植物であることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
式(II)の化合物
【化2】
(式中、記号および指数は以下の意味を有する:
LはハロゲンまたはR3Oを表し、
R3は水素または(C1~C6)-アルキルを表し、
X1、X2はOまたはS(O)nを表し、X1およびX2は同時にOではなく、同時にS(O)nでもなく、
R’はジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,2,2-テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdは互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、(C1~C6)-アルキル、ハロ-(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルキルオキシ、(C1~C6)-アルキルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdは、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
nは0、1または2を表す)。
【請求項11】
Lが塩素、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシを表し、
X1、X2がOまたはS(O)nを表し、X1およびX2は同時にOではなく、同時にS(O)nでもなく、
R’がトリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdが互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdが、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
nが0、1または2を表す、
請求項10に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草剤の技術分野、特に有用植物の作物における雑草および牧草類の選択的防除のための除草剤の技術分野に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、置換二環式ベンズアミド、それらの調製方法、および除草剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
国際公開第2013/076315号パンフレットおよび国際公開第2014/184073号パンフレットはそれぞれ、2,3-位または好ましくは3,4-位で縮合した置換N-(テトラゾール-5-イル)-およびN-(トリアゾール-5-イル)アリールカルボキサミドを記載している。特に低い施用量でのこれらの公知の化合物の除草活性、および/または作物植物とのその適合性は、改善が必要なままである。
【0004】
明言した理由のために、作物植物での選択的使用または非農耕地での使用のための強力な除草剤および/または植物成長調節剤が依然として必要とされており、これらの有効成分が好ましくは、施用におけるさらなる有利な特性、例えば、作物植物との改善した適合性を有するべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2013/076315号パンフレット
【文献】国際公開第2014/184073号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、比較的低い施用量でさえ経済的に重要な有害植物に対して高度に有効であり、好ましくは有害植物に対して優れた活性で、作物植物において選択的に使用することができると同時に、好ましくは作物植物との優れた適合性を有する除草活性を有する化合物(除草剤)を提供することが本発明の目的である。好ましくは、これらの除草性化合物が、広範囲の雑草牧草類に対して特に有効および効率的で、好ましくは多数の雑草に対する優れた活性も有するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、以下の式(I)の化合物およびその塩が、広範囲の経済学的に重要な単子葉および双子葉一年生有害植物に対する優れた除草活性を有することがここで分かった。
【0008】
したがって、本発明は、一般式(I)の化合物
【化1】
およびそれらの農薬上許容される塩(式中、記号および指数は以下の意味を有する:
BはNまたはCHを表し、
X1、X2は互いに独立に、それぞれOまたはS(O)nを表し、
Rはハロ-(C1~C6)-アルキルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdは互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、(C1~C6)-アルキル、ハロ-(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルキルオキシ、(C1~C6)-アルキルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdは、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
Rxは(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルキル-O-(C1~C6)-アルキル、フェニルを表し、
nは0、1または2を表す)
を提供する。
【0009】
式(I)の化合物は塩を形成することができる。塩は、酸性水素原子を有する式(I)の化合物に対する塩基の作用によって形成され得る。適切な塩基は、例えば、有機アミン(トリアルキルアミン、モルホリン、ピペリジンまたはピリジンなど)、およびアンモニウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウムである。これらの塩は、酸性水素が農業的に適したカチオン、例えば金属塩、特にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩およびカリウム塩、またはアンモニウム塩、有機アミンによる塩または第四級アンモニウム塩、例えば式[NRR’R’’R’’’](式中、R~R’’’はそれぞれ互いに独立に、有機基、特にアルキル、アリール、アラルキルまたはアルキルアリールを表す)のカチオンによって置き換えられた化合物である。(C1~C4)-トリアルキルスルホニウムおよび(C1~C4)-トリアルキルスルホキソニウム塩などのアルキルスルホニウムおよびアルキルスルホキソニウム塩も適している。
【0010】
式(I)の化合物は、適切な無機または有機酸、例えば鉱酸、例えばHCl、HBr、H2SO4、H3PO4もしくはHNO3、または有機酸、例えばカルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、乳酸もしくはサリチル酸、またはスルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸を塩基性基、例えばアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ピペリジノ、モルホリノまたはピリジノに付加することによって塩を形成することができる。このような場合、これらの塩はアニオンとしての酸の共役塩基を含む。
【0011】
例えばスルホン酸またはカルボン酸などの脱プロトン化された形態中に存在する好適な置換基は、アミノ基などの一部がプロトン化され得る基との内部塩を形成し得る。
【0012】
アルキルは、各場合で指定される炭素原子数を有する飽和直鎖または分岐ヒドロカルビル基、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルおよび1-エチル-2-メチルプロピルなどのC1~C6-アルキルを意味する。
【0013】
ハロゲン置換アルキルは、これらの基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子によって置き換えられていてもよい、直鎖または分岐アルキル基、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチルおよび1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イルなどのC1~C2-ハロアルキルを意味する。
【0014】
アルコキシは、各場合で指定される炭素原子数を有する飽和直鎖または分岐アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシ、1,1-ジメチルエトキシ、ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルプロポキシ、ヘキソキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシおよび1-エチル-2-メチルプロポキシなどのC1~C6-アルコキシを意味する。ハロゲン置換アルコキシは、これらの基の水素原子の一部または全てが上に指定されるハロゲン原子によって置き換えられていてもよい、各場合で指定される炭素原子数を有する直鎖または分岐アルコキシ基、例えばクロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1-クロロエトキシ、1-ブロモエトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-1,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシおよび1,1,1-トリフルオロプロパ-2-オキシなどのC1~C2-ハロアルコキシを意味する。
【0015】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。この用語が基に使用される場合、「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。
【0016】
置換基の性質およびそれらが結合する方法に応じて、式(I)の化合物は立体異性体として存在し得る。例えば、1つまたは複数の非対称的に置換された炭素原子および/またはスルホキシドが存在する場合、エナンチオマーおよびジアステレオマーが生じ得る。立体異性体は、慣用的な分離方法、例えばクロマトグラフィー分離法により、調製で得られた混合物から得ることができる。同様に、光学活性出発材料および/または助剤を用いて立体選択的反応を使用することによって立体異性体を選択的に調製することも可能である。
【0017】
本発明はまた、式(I)に包含されるが具体的には定義されない全ての立体異性体およびそれらの混合物に関する。しかしながら、以下の本文は、単純化のために、常に式(I)の化合物に言及するが、これは純粋な化合物だけでなく、適切な場合、種々の量の異性体化合物との混合物も意味すると理解される。
【0018】
ある基がいくつかの基によって多置換されている場合、これは、この基が、言及される基と同一のまたは異なる1つまたは複数の基によって置換されていることを意味する。
【0019】
以下で指定される全ての式で、置換基および記号は、異なる定義がない限り、式(I)に記載されるのと同じ意味を有する。化学式中の矢印は、それが分子の残りの部分に結合する点を示す。
【0020】
以下が個々の置換基のそれぞれの好ましい、特に好ましい、極めて特に好ましい定義の説明である。以下で指定されていない一般式(I)の他の置換基は、上に示される定義を有する。
【0021】
記号および指数が以下の意味を有する一般式(I)の化合物が好ましい:
BはNまたはCHを表し、
X1、X2は互いに独立に、それぞれOまたはS(O)nを表し、
Rはハロ-(C1~C3)-アルキルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdは互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、(C1~C6)-アルキル、ハロ-(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルキルオキシ、(C1~C6)-アルキルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdは、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
Rxは(C1~C3)-アルキル、(C1~C3)-アルキル-O-(C1~C3)-アルキル、フェニルを表し、
nは0、1または2を表す。
【0022】
記号および指数が以下の意味を有する一般式(I)の化合物が特に好ましい:
BはNまたはCHを表し、
X1、X2は互いに独立に、それぞれOまたはS(O)nを表し、
Rはトリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdは互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdは、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
Rxはメチル、エチル、プロピル、メトキシメチル、メトキシエチル、2-メトキシ-2-メチル-1-プロピル、フェニルを表し、
nは0、1または2を表す。
【0023】
本発明の文脈において、置換基または指数B、X1、X2、R、Ra、Rb、Rc、Rd、Rx、R1、R2およびnの個々の好ましいおよび特に好ましい意味を、所望であれば互いに組み合わせることができる。
【0024】
これは、本発明が、例えば置換基X1が好ましい意味を有し、置換基B、X2、R、Ra、Rb、Rc、Rd、Rx、R1およびR2ならびに指数nが一般的定義を有する、または置換基Rが好ましい意味を有し、置換基Raが特に好ましい意味を有し、残りの置換基が一般的意味を有する、一般式(I)の化合物を包含することを意味する。
【0025】
式(II)の化合物も同様に新規であり、本発明による式(I)の化合物の一部を調製するための中間体として極めてよく適している。したがって、本発明はさらに、式(II)の化合物
【化2】
(式中、記号および指数は以下の意味を有する:
LはハロゲンまたはR3Oを表し、
R3は水素または(C1~C6)-アルキルを表し、
X1、X2はOまたはS(O)nを表し、X1およびX2は同時にOでもS(O)nでもなく、
R’はジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,2,2-テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdは互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、(C1~C6)-アルキル、ハロ-(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルキルオキシ、(C1~C6)-アルキルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdは、一緒になってオキソまたはチオオキシル基を表し、
nは0、1または2を表す)
を提供する。
【0026】
記号および指数が以下の意味を有する化合物(II)が好ましい:
Lは塩素、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシを表し、
X1、X2はOまたはS(O)nを表し、X1およびX2は同時にOでもS(O)nでもなく、
R’はトリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rdは互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdは、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
nは0、1または2を表す。
【0027】
以下の表1~4に列挙される本発明による式(I)の化合物および表5~7に列挙される本発明による式(II)の化合物が、極めて特に好ましい。
【0028】
【表1A】
【表1B】
【0029】
【表2A】
【表2B】
【0030】
【表3A】
【表3B】
【0031】
【表4A】
【表4B】
【0032】
【表5A】
【表5B】
【0033】
【表6A】
【表6B】
【0034】
【表7A】
【表7B】
【0035】
本発明による式(I)の化合物は、例えば国際公開第2012/028579号パンフレットに特定される方法によって調製することができる。式(II’)の必要な化合物は、例えばスキーム1に記載される合成経路を使用して調製することができる。
【0036】
【化3】
(式中、記号および指数は以下の意味を有する:
LはハロゲンまたはR3Oを表し、
R3は水素または(C1~C6)-アルキルを表し、
X1、X2は互いに独立に、それぞれOまたはS(O)nを表し、
Rはハロ-(C1~C3)-アルキルを表し、
Ra、Rb、Rc、Rd
互いに独立に、それぞれ水素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、(C1~C6)-アルキル、ハロ-(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルキルオキシ、(C1~C6)-アルキルチオ、シアノを表す、あるいは
RaおよびRbまたはRcおよびRdは、一緒になってオキソまたはチオオキソ基を表し、
nは0、1または2を表す)。
【0037】
以下のスキームに示される式では、置換基L、R、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2が式(II’)の化合物について示される意味を有する。LGは、例えばハライドまたはスルホネートなどの脱離基を表す。Yは、ハライドまたはアシルオキシなどの加水分解性基を表す。
【0038】
スキーム1
【化4】
【0039】
スキーム2
【化5】
【0040】
X1が酸素を表し、X2が硫黄を表す式(III)の化合物は、例えば、スキーム2に示される反応順序に従って、置換3-チオアルキルサリチル酸誘導体から出発して、硫黄酸化、プメラー転位および加水分解によって調製することもできる。置換3-チオアルキルサリチル酸誘導体は原則として既知である、および/または米国特許出願公開第2015/322003号明細書に示される方法によって調製することができる。
【0041】
スキーム3
【化6】
【0042】
X1およびX2が硫黄を表す式(II’)の化合物は、例えば、スキーム3に示される反応順序に従って、例えば、置換2,3-ジハロ安息香酸誘導体から出発して、エタン-1,2-ジチオールによる二重置換を介した環化によって調製することができる。2,3-置換安息香酸誘導体は原則として知られている。
【0043】
上記の反応によって合成することができる式(I)の化合物および/またはその塩の集合はまた、並列化様式で調製することもでき、この場合、これを手動、部分的に自動化または完全に自動化された様式で達成することができる。例えば、生成物および/または中間体の反応、後処理または精製の実施を自動化することが可能である。全体として、これは、例えば、D.Tiebes、Combinatorial Chemistry-Synthesis,Analysis,Screening(編者Gunther Jung)、Wiley、1999、1~34頁に記載される手順を意味すると理解される。
【0044】
以下で「本発明による化合物」と総称的に呼ばれる本発明による式(I)の化合物(および/またはその塩)は、広範囲の経済的に重要な単子葉および双子葉一年生有害植物に対する優れた除草有効性を有する。
【0045】
したがって、本発明はまた、不要な植物を防除する、または好ましくは植物作物において植物の成長を調節する方法であって、本発明の1種または複数の化合物を植物(例えば、単子葉または双子葉の雑草などの有害植物または不要な作物植物)、種子(例えば、穀物、種子または栄養繁殖体、例えば塊茎または芽を有するシュート部分)または植物が成長する領域(例えば、栽培中の領域)に施用する方法を提供する。本発明の化合物は、例えば、播種前(適切であれば土壌への組み込みによって)、出芽前または出芽後に使用することができる。列挙を特定の種に制限することを意図しないが、本発明の化合物によって防除することができる単子葉および双子葉雑草植物相のいくつかの代表的な具体例は以下の通りである。
【0046】
単子葉有害植物の属:エギロプス属(Aegilops)、カモジグサ属(Agropyron)、コヌカグサ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、セイヨウヌカボ属(Apera)、カラスムギ属(Avena)、ビロードキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、ツユクサ属(Commelina)、ギョウギシバ属(Cynodon)、カヤツリグサ属(Cyperus)、タツノツメガヤ属(Dactyloctenium)、メヒシバ属(Digitaria)、ヒエ属(Echinochloa)、ハリイ属(Eleocharis)、オヒシバ属(Eleusine)、スズメガヤ属(Eragrostis)、ナルコビエ属(Eriochloa)、ウシノケグサ属(Festuca)、テンツキ属(Fimbristylis)、アメリカコナギ属(Heteranthera)、チガヤ属(Imperata)、カモノハシ属(Ischaemum)、アゼガヤ属(Leptochloa)、ドクムギ属(Lolium)、ミズアオイ属(Monochoria)、キビ属(Panicum)、スズメノヒエ属(Paspalum)、クサヨシ属(Phalaris)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ツノアイアシ属(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、ホタルイ属(Scirpus)、セタリア属(Setaria)、モロコシ属(Sorghum)。
【0047】
双子葉雑草の属:アブチロン属(Abutilon)、ヒユ属(Amaranthus)、ブタクサ属(Ambrosia)、アノダ属(Anoda)、ローマカツミレ属(Anthemis)、アファネス属(Aphanes)、ヨモギ属(Artemisia)、ハマアカザ属(Atriplex)、ヒナギク属(Bellis)、センダングサ属(Bidens)、ナズナ属(Capsella)、ヒレアザミ属(Carduus)、カシア属(Cassia)、ヤグルマギク属(Centaurea)、アカザ属(Chenopodium)、アザミ属(Cirsium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、チョウセンアサガオ属(Datura)、ヌスビトハギ属(Desmodium)、イヌスイバ属(Emex)、エゾスズシロ属(Erysimum)、トウダイグサ属(Euphorbia)、チシマオドリコソウ属(Galeopsis)、コゴメギク属(Galinsoga)、ヤエムグラ属(Galium)、フヨウ属(Hibiscus)、サツマイモ属(Ipomoea)、ホウキギ属(Kochia)、オドリコソウ属(Lamium)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)、アゼナ属(Lindernia)、シカギク属(Matricaria)、ハッカ属(Mentha)、ヤマアイ属(Mercurialis)、ザクロソウ属(Mullugo)、ワスレナグサ属(Myosotis)、ケシ属(Papaver)、アサガオ属(Pharbitis)、オオバコ属(Plantago)、タデ属(Polygonum)、スベリヒユ属(Portulaca)、キンポウゲ属(Ranunculus)、ダイコン属(Raphanus)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ属(Rotala)、ギシギシ属(Rumex)、オカヒジキ属(Salsola)、キオン属(Senecio)、ツノクサネム属(Sesbania)、シダ属(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ノゲシ属(Sonchus)、ナガボノウルシ属(Sphenoclea)、ハコベ属(Stellaria)、タンポポ属(Taraxacum)、グンバイナズナ属(Thlaspi)、ジャジクソウ属(Trifolium)、イラクサ属(Urtica)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)、オナモミ属(Xanthium)。
【0048】
本発明による化合物を発芽前に土壌表面に施用すると、雑草実生が出芽するのが完全に防止される、または雑草が子葉段階に達するまで成長するが、その後成長を停止する。
【0049】
活性化合物を出芽後に植物の緑色部分に施用すれば、処理後に成長が停止し、有害植物は施用時に成長段階のままである、またはこれらは一定時間後に完全に死滅し、結果としてこうして作物植物にとって有害な雑草による競合が極めて早く、持続的に排除される。
【0050】
本発明による化合物は、有用な植物の作物において選択的であり得、非選択的除草剤として使用することもできる。
【0051】
その除草および植物成長調節特性のために、活性化合物を使用して既知のまたはまだ開発されていない遺伝子改変植物の作物における有害植物を防除することもできる。一般に、トランスジェニック植物は、特定の有利な特性、例えば、農産業で使用される一定の活性化合物、特に一定の除草剤に対する耐性、植物病または植物病の病原体(一定の昆虫または微生物(真菌、細菌もしくはウイルスなど)など)に対する耐性によって特徴付けられる。他の具体的な特性は、例えば、品質、量、保存性、組成および具体的な成分に関しての収穫された材料に関する。例えば、デンプン含量が増加したもしくはデンプン品質が変化したトランスジェニック植物、または収穫された材料中の脂肪酸組成が異なるものが知られている。さらなる特定の特性は、非生物的ストレス因子、例えば、熱、寒さ、干ばつ、塩分および紫外線照射に対する寛容性または耐性にある。
【0052】
本発明による式(I)の化合物またはその塩を、有用植物および観賞用植物の経済学的に重要なトランスジェニック作物に使用することが好ましい。式(I)の化合物を、除草剤の植物毒性効果に対して、耐性であるまたは遺伝子操作によって耐性にされた有用植物の作物において除草剤として使用することができる。
【0053】
既存の植物と比べて修正された特性を有する新規な植物を作成する従来の方法は、例えば、伝統的な栽培方法および突然変異体の生成にある。あるいは、変化した特性を有する新規な植物を、組換え法を用いて作成することができる(例えば、欧州特許第0221044号明細書、欧州特許第0131624号明細書参照)。記載されているのは、例えば、植物中で合成されたデンプンを修飾する目的での作物植物の遺伝子改変(例えば、国際公開第92/011376号パンフレット、国際公開第92/014827号パンフレット、国際公開第91/019806号パンフレット)、「遺伝子スタッキング」を通したグルホシネート型(例えば、欧州特許出願公開第0242236号明細書、欧州特許出願公開第0242246号明細書参照)もしくはグリホサート型(国際公開第92/000377号パンフレット)もしくはスルホニル尿素型(欧州特許出願公開第0257993号明細書、米国特許第5,013,659号明細書)の一定の除草剤またはこれらの除草剤の組み合わせもしくは混合物に耐性のトランスジェニック作物植物、例えば商品名または名称Optimum(商標)GAT(商標)(グリホサートALS耐性)のトウモロコシまたはダイズなどのトランスジェニック作物植物、
-植物を特定の有害生物に対して耐性にするバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素(Bt毒素)を産生することができるトランスジェニック作物植物、例えばワタ(欧州特許出願公開第0142924号明細書、欧州特許出願公開第0193259号明細書)、
-修正された脂肪酸組成を有するトランスジェニック作物植物(国際公開第91/013972号パンフレット)、
-耐病性の増加をもたらす新規な成分または二次代謝物、例えば新規なファイトアレキシンを有する遺伝子改変作物植物(欧州特許出願公開第0309862号明細書、欧州特許出願公開第0464461号明細書)、
-より高い収量およびより高いストレス耐性を有する、光呼吸が減少した遺伝子改変植物(欧州特許出願公開第0305398号明細書)、
-薬学的にまたは診断上重要なタンパク質を産生するトランスジェニック作物植物(「分子ファーミング」)、
-より高い収量またはより良い品質を特徴とするトランスジェニック作物植物、
-例えば、上記の新規な特性の組み合わせによって識別されるトランスジェニック作物植物(「遺伝子スタッキング」)
のいくつかの場合である。
【0054】
改変された特性を有する新規なトランスジェニック植物を作製するために使用され得る多数の分子生物学的技術は原則として公知である;例えば、I.PotrykusおよびG.Spangenberg(編)Gene Transfer to Plants、Springer Lab Manual(1995)、Springer Verlag Berlin、HeidelbergまたはChristou、「Trends in Plant Science」1(1996)423~431)を参照されたい。
【0055】
このような遺伝子操作のために、DNA配列の組換えによる突然変異誘発または配列変化を可能にする核酸分子をプラスミドに導入することができる。標準的な方法を用いて、例えば、塩基交換を行う、配列の一部を除去するまたは天然もしくは合成配列を付加することが可能である。DNA断片を互いに連結させるために、アダプターまたはリンカーを断片上に配置することができる。例えば、Sambrookら、1989、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY;またはWinnacker「Gene und Klone」[Genes and Clones]、VCH Weinheim第2版1996を参照されたい。
【0056】
例えば、遺伝子産物の活性が低下した植物細胞の作成は、コサプレッション効果を達成するために少なくとも1個の対応するアンチセンスRNA、センスRNAを発現することによって、または上述の遺伝子産物の転写産物を特異的に切断する少なくとも1種の適当に構築されたリボザイムを発現することによって達成することができる。この目標を達成するために、まず、存在し得る任意の隣接配列を含めた遺伝子産物のコード配列全体を包含するDNA分子、およびコード配列の部分のみを包含するDNA分子(この場合、これらの部分が、細胞でアンチセンス効果を有するのに十分長いことが必要である)も使用することが可能である。遺伝子産物のコード配列と高度な相同性を有するが、これらと完全には同一でないDNA配列を使用することも可能である。
【0057】
植物で核酸を発現させる際、合成されたタンパク質は植物細胞の任意の所望の区画に局在化され得る。しかしながら、特定の区画への局在化を達成するために、例えば、特定の区画への局在化を確保するコード領域をDNA配列に連結することが可能である。このような配列は、当業者に公知である(例えば、Braunら、EMBO J.11(1992)、3219~3227;Wolterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(1988)、846~850;Sonnewaldら、Plant J.1(1991)、95~106参照)。核酸分子を植物細胞の小器官で発現させることもできる。
【0058】
トランスジェニック植物細胞を既知の技術によって再生させて植物全体を生じることができる。原則として、トランスジェニック植物は、任意の所望の植物種の植物、すなわち、単子葉植物だけでなく、双子葉植物であってもよい。よって、その特性が相同(=天然)遺伝子もしくは遺伝子配列の過剰発現、抑制または阻害あるいは異種(=外来)遺伝子もしくは遺伝子配列の発現によって変えられるトランスジェニック植物を得ることができる。
【0059】
成長調節剤、例えば、2,4-D、ジカンバに対して、または必須植物酵素、例えば、アセト乳酸シンターゼ(ALS)、EPSPシンターゼ、グルタミンシンターゼ(GS)もしくはヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して、またはスルホニルウレア、グリホサート、グルホシネートもしくはベンゾイルイソオキサゾールおよび同様の活性化合物の群の除草剤に対して、またはこれらの活性化合物の任意の所望の組み合わせに対して耐性であるトランスジェニック作物に本発明による化合物(I)を好ましく使用することができる。
【0060】
グリホサートとグルホシネート、グリホサートとスルホニルウレアまたはイミダゾリノンの組み合わせに対して耐性であるトランスジェニック作物植物に本発明の化合物を特に好ましく使用することができる。最も好ましくは、例えば、商品名または名称OptimumTM GATTM(グリホサートALS耐性)のトウモロコシまたはダイズなどのトランスジェニック作物植物に本発明による化合物を使用することができる。
【0061】
本発明の活性化合物をトランスジェニック作物に使用する場合、他の作物で観察される有害植物に対する効果が生じるだけでなく、しばしば特定のトランスジェニック作物への施用に特異的な効果、例えば、防除され得る雑草の変化したまたは特異的に広げられた範囲、施用に使用され得る施用量の変化、好ましくはトランスジェニック作物が耐性である除草剤との優れた組み合わせ、ならびにトランスジェニック作物植物の成長および収量への影響も生じる。
【0062】
そのため、本発明はまた、トランスジェニック作物植物において有害植物を防除するための除草剤としての式(I)の本発明による化合物の使用に関する。
【0063】
本発明の化合物は、慣用的な製剤に水和剤、乳剤、噴霧液、散粉製品または粒剤の形態で施用することができる。そのため、本発明はまた、本発明の化合物を含む除草性および植物成長調節組成物を提供する。
【0064】
本発明の化合物は、要求される生物学的および/または物理化学的パラメータに従って、種々の方法で製剤化することができる。可能な製剤としては、例えば:水和剤(WP)、水溶剤(SP)、水溶性液剤、乳剤(EC)、エマルジョン製剤(EW)、例えば、水中油型および油中水型エマルジョン製剤、噴霧液、懸濁剤(SC)、油または水をベースとした分散剤、油混和性溶液、カプセル懸濁製剤(CS)、散粉製品(DP)、ドレッシング剤、散乱および固体施用のための粒剤、微粒剤、噴霧顆粒、吸収剤および吸着顆粒の形態の粒剤(GR)、顆粒水和剤(WG)、顆粒水溶剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤およびワックスが挙げられる。これらの個々の製剤型は原則として公知であり、例えば、Winnacker-Kuchler、「Chemische Technologie」[Chemical Technology]、第7巻、C.Hanser Verlag Munich、第4版1986、Wade van Valkenburg、「Pesticide Formulations」、Marcel Dekker、N.Y.、1973、K.Martens、「Spray Drying」Handbook、第3版1979、G.Goodwin Ltd.ロンドンに記載されている。
【0065】
必要とされる製剤補助剤(不活性材料、界面活性剤、溶媒およびさらなる添加剤など)も同様に知られており、例えば、Watkins、「Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers」、第2版、Darland Books、Caldwell N.J.;H.v.Olphen、「Introduction to Clay Colloid Chemistry」、第2版、J.Wiley&Sons、N.Y.;C.Marsden、「Solvents Guide」、第2版、Interscience,N.Y.1963;McCutcheonの「Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publ.Corp.、Ridgewood N.J.;SisleyおよびWood、「Encyclopedia of Surface Active Agents」、Chem.Publ.Co.Inc.、N.Y.1964;Schonfeldt、「Grenzflachenaktive Athylenoxidaddukte」[Interface-active Ethylene Oxide Adducts]、Wiss.Verlagsgesell.、Stuttgart 1976;Winnacker-Kuchler、「Chemische Technologie」、第7巻、C.Hanser Verlag Munich、第4版1986に記載されている。
【0066】
これらの製剤に基づいて、他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺真菌剤、さらには薬害軽減剤、肥料および/または成長調節剤との組み合わせを、例えば最終処方物の形態でまたはタンクミックスとして製造することも可能である。
【0067】
混合製剤またはタンクミックスで本発明による化合物と組み合わせて使用することができる活性化合物は、例えば、Weed Research 26(1986)441~445または「The Pesticide Manual」、第16版、The British Crop Protection Council and the Royal Soc.of Chemistry、2006およびその中に引用されている文献に記載される、例えば、アセト乳酸シンターゼ、アセチルCoAカルボキシラーゼ、セルロースシンターゼ、エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ、グルタミンシンテターゼ、p-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ、フィトエンデサチュラーゼ、光化学系I、光化学系IIまたはプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害に基づく公知の活性化合物である。本発明による化合物と組み合わせることができる公知の除草剤または植物成長調節剤は、例えば、以下であり、前記活性化合物は、国際標準化機構(ISO)による「一般名」または化学名もしくはコード番号で指定される。これらは、明示的に言及されていなくても、常に、例えば酸、塩、エステルなどの全ての適用形態、ならびに立体異性体および光学異性体などの全ての異性体形態も包含する。
【0068】
このような除草性混合パートナーの例は以下である:
アセトクロル、アシフルオルフェン、アシフルオルフェン-ナトリウム、アクロニフェン、アラクロル、アリドクロル、アロキシジム、アロキシジム-ナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メチルフェニル)-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸、アミノシクロピラクロル、アミノシクロピラクロル-カリウム、アミノシクロピラクロル-メチル、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アスラム、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン-エチル、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン、ベンスルフロン-メチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビラナホス-ナトリウム、ビスピリバック、ビスピリバック-ナトリウム、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロモキシニル-ブチレート、-カリウム、-ヘプタノエートおよび-オクタノエート、ブソキシノン、ブタクロル、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロル、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェテンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、クロラムベン、クロルブロムロン、クロルフェナク、クロルフェナク-ナトリウム、クロルフェンプロップ、クロルフルレノール、クロルフルレノール-メチル、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン-エチル、クロロフタリム、クロロトルロン、クロルタール-ジメチル、クロルスルフロン、シニドン、シニドン-エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クラシホス(clacyfos)、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロランスラム、クロランスラム-メチル、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクロエート、シクロピラニル、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、シプラジン、2,4-D、2,4-D-ブトチル、-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-ジオラミン、-エチル、2-エチルヘキシル、-イソブチル、-イソオクチル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウム、-トリイソプロパノールアンモニウムおよび-トロラミン、2,4-DB、2,4-DB-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-イソオクチル、-カリウムおよび-ナトリウム、ダイムロン(ダイムロン)、ダラポン、ダゾメット、n-デカノール、デスメジファム、デトシル-ピラゾレート(DTP)、ジカンバ、ジクロベニル、2-(2,4-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、2-(2,5-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル、ジクロホップ-P-メチル、ジクロスラム、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル-ナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロル、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジメトラスルフロン、ジニトラミン、ジノテルブ、ジフェナミド、ジクワット、ジクワットジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラルリン、エタメツルフロン、エタメツスルフロン-メチル、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシフェン-エチル、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F-9600、F-5231、すなわちN-[2-クロロ-4-フルオロ-5-[4-(3-フルオロプロピル)-4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-テトラゾール-1-イル]フェニル]エタンスルホンアミド、F-7967、すなわち3-[7-クロロ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール-4-イル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサスルホン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラムプロップ、フラムプロップ-M-イソプロピル、フラムプロップ-M-メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、フルカルバゾン、フルカルバゾン-ナトリウム、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェンピル、フルフェ
ンピル-エチル、フルメツラム、フルミクロラック、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルレノール、フルレノール-ブチル、-ジメチルアンモニウムおよび-メチル、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン-エチル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル-メプチル、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセット-メチル、ホメサフェン、ホメサフェン-ナトリウム、ホラムスルフロン、ホサミン、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-アンモニウム、-イソプロピルアンモニウム、-ジアンモニウム、-ジメチルアンモニウム、-カリウム、-ナトリウムおよび-トリメシウム、H-9201、すなわちO-(2,4-ジメチル-6-ニトロフェニル)O-エチルイソプロピルホスホルアミドチオエート、ハロウキシフェン、ハロウキシフェン-メチル、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン-メチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、ヘキサジノン、HW-02、すなわち1-(ジメトキシホスホリル)エチル(2,4-ジクロロフェノキシ)アセテート、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザモックス-アンモニウム、イマザピック、イマザピック-アンモニウム、イマザピル、イマザピル-イソプロピルアンモニウム、イマザキン、イマザキン-アンモニウム、イマゼタピル、イマゼタピル-イモニウム、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、イオキシニル、イオキシニル-オクタノエート、-カリウムおよび-ナトリウム、イプフェンカルバゾン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、カルブチレート、KUH-043、すなわち3-({[5-(ジフルオロメチル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}スルホニル)-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、MCPA、MCPA-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウムおよび-ナトリウム、MCPB、MCPB-メチル、-エチルおよび-ナトリウム、メコプロップ、メコプロップ-ナトリウムおよび-ブトチル、メコプロップ-P、メコプロップ-P-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシルおよび-カリウム、メフェナセット、メフルイジド、メソスルフロン、メソスルフロン-メチル、メソトリオン、メタベンズチアズロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロル、メタゾスルフロン、メタベンゾチアズロン、メチオピルスルフロン、メチオゾリン、メチルイソチオシアネート、メトブロムロン、メトラクロル、S-メトラクロル、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メツルフロン、メツルフロン-メチル、モリネート、モノリニュロン、モノスルフロン、モノスルフロンエステル、MT-5950、すなわちN-[3-クロロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-2-メチルペンタンアミド、NGGC-011、ナプロパミド、NC-310、すなわち4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1-メチル-5-ベンジルオキシピラゾール、ネブロン、ニコスルフロン、ノナン酸(ペラルゴン酸)、ノルフルラゾン、オレイン酸(脂肪酸)、オルベンカルブ、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラコート、パラコートジクロリド、ペブレート、ペンジメタリン、ペノキススラム、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、ペトキサミド、石油、フェンメジファム、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサフェン、ピペロホス、プレチラクロル、プリミスルフロン、プリミスルフロン-メチル、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロル、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン-ナトリウム、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピアフルフェン-エチル、ピラスルホトール、ピラゾリネート(ピラゾレー
ト)、ピラゾスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、ピラゾキシフェン、ピリバムベンズ(pyribambenz)、ピリバムベンズ-イソプロピル、ピリバムベンズ-プロピル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダフォル(pyridafol)、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロクススラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、SL-261、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、SYN-523、SYP-249、すなわち1-エトキシ-3-メチル-1-オキソブタ-3-エン-2-イル5-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ニトロベンゾエート、SYP-300、すなわち1-[7-フルオロ-3-オキソ-4-(プロパ-2-イン-1-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル]-3-プロピル-2-チオキソイミダゾリジン-4,5-ジオン、2,3,6-TBA、TCA(トリフルオロ酢酸)、TCA-ナトリウム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、テルバシル、テルブカルブ、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロル、チアゾピル、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、チオベンカルブ、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル、トリクロピル、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロン-ナトリウム、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン-メチル、トリトスルフロン、尿素硫酸塩、バーノレート、XDE-848、ZJ-0862、すなわち3,4-ジクロロ-N-{2-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンジル}アニリンおよびまた
以下の化合物:
【化7】
【0069】
可能な混合パートナーとしての植物成長調節剤の例は以下である:
アシベンゾラル、アシベンゾラル-S-メチル、5-アミノレブリン酸、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノライド、カテコール、クロルメコートクロリド、クロプロップ、シクラニリド、3-(シクロプロパ-1-エニル)プロピオン酸、ダミノジド、ダゾメット、n-デカノール、ジケグラック、ジケグラック-ナトリウム、エンドタール、エンドタール-ジカリウム、-ジナトリウムおよびモノ(N,N-ジメチルアルキルアンモニウム)、エテホン、フルメトラリン、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルルプリミドール、ホルクロルフェニュロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸(IAA)、4-インドール-3-イル酪酸、イソプロチオラン、プロベナゾール、ジャスモン酸、ジャスモン酸メチルエステル、マレイン酸ヒドラジド、メピコートクロリド、1-メチルシクロプロペン、2-(1-ナフチル)アセトアミド、1-ナフチル酢酸、2-ナフチルオキシ酢酸、ニトロフェノキシド混合物、4-オキソ-4[(2-フェニルエチル)アミノ]酪酸、パクロブトラゾール、N-フェニルフタルアミド酸、プロヘキサジオン、プロヘキサジオン-カルシウム、プロヒドロジャスモン、サリチル酸、ストリゴラクトン、テクナゼン、チジアズロン、トリアコンタノール、トリネキサパック、トリネキサパック-エチル、チトデフ、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P。
【0070】
本発明による式(I)の化合物と組み合わせて、場合により上に列挙される殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺真菌剤などのさらなる活性化合物と組み合わせて使用することができる薬害軽減剤は、好ましくは以下からなる群から選択される:
S1)式(S1)の化合物
【化8】
(式中、記号および指数は以下の通り定義される:
nAは0~5、好ましくは0~3の自然数を表し;
RA 1はハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシ、ニトロまたは(C1~C4)-ハロアルキルを表し;
WAはNおよびO基の1~3個の環ヘテロ原子を有する部分不飽和または芳香族5員複素環の群の非置換または置換二価複素環式基を表し、少なくとも1個の窒素原子および最大1個の酸素原子が環中に存在し、好ましくは(WA 1)~(WA 4)の群の基
【化9】
であり、
mAは0または1を表し;
RA 2はORA 3、SRA 3またはNRA 3RA 4、または少なくとも1個の窒素原子と最大3個の好ましくはOおよびSからなる群のヘテロ原子とを有する飽和もしくは不飽和の3~7員複素環を表し、窒素原子を介して(S1)中のカルボニル基に結合しており、非置換である、または(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシもしくは場合により置換されたフェニルからなる群の基によって置換されており、好ましくは式ORA 3、NHRA 4またはN(CH32、特に式ORA 3の基であり;
RA 3は水素、または好ましくは合計1~18個の炭素原子を有する非置換もしくは置換脂肪族炭化水素基を表し;
RA 4は水素、(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルコキシまたは置換もしくは非置換フェニルを表し;
RA 5はH、(C1~C8)-アルキル、(C1~C8)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルコキシ-(C1~C8)-アルキル、シアノまたはCOORA 9を表し、RA 9は水素、(C1~C8)-アルキル、(C1~C8)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルコキシ-(C1~C4)-アルキル、(C1~C6)-ヒドロキシアルキル、(C3~C12)-シクロアルキルまたはトリ-(C1~C4)-アルキルシリルを表し;
RA 6、RA 7、RA 8は同一であるまたは異なり、水素、(C1~C8)-アルキル、(C1~C8)-ハロアルキル、(C3~C12)-シクロアルキルまたは置換もしくは非置換フェニルを表し)
好ましくは:
a)ジクロロフェニルピラゾリン-3-カルボン酸型の化合物(S1a)、好ましくは1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸、エチル1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボキシレート(S1-1)(「メフェンピル-ジエチル」)、および国際公開第91/07874号パンフレットに記載される関連化合物などの化合物;
b)ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体(S1b)、好ましくはエチル1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-メチルピラゾール-3-カルボキシレート(S1-2)、エチル1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルピラゾール-3-カルボキシレート(S1-3)、エチル1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(1,1-ジメチルエチル)ピラゾール-3-カルボキシレート(S1-4)ならびに欧州特許出願公開第333131号明細書および欧州特許出願公開第269806号明細書に記載される関連化合物などの化合物;
c)1,5-ジフェニルピラゾール-3-カルボン酸の誘導体(S1c)、好ましくはエチル1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボキシレート(S1-5)、メチル1-(2-クロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボキシレート(S1-6)および欧州特許出願公開第268554号明細書に記載される関連化合物などの化合物、例えば;
d)トリアゾールカルボン酸型の化合物(S1d)、好ましくはフェンクロラゾール(-エチルエステル)、すなわちエチル1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-トリクロロメチル-(1H)-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシレート(S1-7)、ならびに欧州特許出願公開第174562号明細書および欧州特許出願公開第346620号明細書に記載される関連化合物などの化合物;
e)5-ベンジル-もしくは5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸または5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸型の化合物(S1e)、好ましくはエチル5-(2,4-ジクロロベンジル)-2-イソオキサゾリン-3-カルボキシレート(S1-8)または5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボキシレート(S1-9)および国際公開第91/08202号パンフレットに記載される関連化合物、または特許出願、国際公開第95/07897号パンフレットに記載される5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸(S1-10)またはエチル5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボキシレート(S1-11)(「イソキサジフェン-エチル」)または、n-プロピル5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボキシレート(S1-12)またはエチル5-(4-フルオロフェニル)-5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボキシレート(S1-13)などの化合物。
【0071】
S2)式(S2)のキノリン誘導体
【化10】
(式中、記号および指数は以下の通り定義される:
RB 1はハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシ、ニトロまたは(C1~C4)-ハロアルキルを表し;
nBは0~5、好ましくは0~3の自然数を表し;
RB 2はORB 3、SRB 3、NRB 3RB 4、または少なくとも1個の窒素原子と最大3個の好ましくはOおよびSの群のヘテロ原子とを有する飽和もしくは不飽和の3~7員複素環を表し、窒素原子を介して(S2)中のカルボニル基に結合しており、非置換である、または(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシもしくは場合により置換されたフェニルの群の基によって置換されており、好ましくは式ORB 3、NHRB 4またはN(CH32、特に式ORB 3の基であり;
RB 3は水素または好ましくは合計1~18個の炭素原子を有する非置換もしくは置換脂肪族炭化水素基を表し;
RB 4は水素、(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルコキシまたは置換もしくは非置換フェニルを表し;
TBは非置換である、または1個もしくは2個の(C1~C4)-アルキル基によって、または[(C1~C3)-アルコキシ]カルボニルによって置換された(C1またはC2)-アルカンジイル鎖を表す);
好ましくは:
a)8-キノリンオキシ酢酸型の化合物(S2a)、好ましくは
1-メチルヘキシル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(「クロキントセット-メキシル」)(S2-1)、
(1,3-ジメチルブタ-1-イル)(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-2)、
4-アリルオキシブチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-3)、
1-アリルオキシプロパ-2-イル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-4)、
エチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-5)、
メチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-6)、
アリル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-7)、
2-(2-プロピリデンイミノキシ)-1-エチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-8)、2-オキソプロパ-1-イル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-9)ならびに欧州特許出願公開第86750号明細書、欧州特許出願公開第94349号明細書および欧州特許出願公開第191736号明細書または欧州特許出願公開第0492366号明細書に記載される関連化合物、ならびに(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸(S2-10)、その水和物および塩、例えば国際公開第2002/34048号パンフレットに記載されるそのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、四級アンモニウム、スルホニウムまたはホスホニウム塩;
b)(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸型の化合物(S2b)、好ましくはジエチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロネート、ジアリル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロネート、メチルエチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロネートおよび欧州特許出願公開第0 582 198号明細書に記載される関連化合物などの化合物。
【0072】
S3)式(S3)の化合物
【化11】
(式中、記号および指数は以下の通り定義される:
RC 1は(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、(C2~C4)-アルケニル、(C2~C4)-ハロアルケニル、(C3~C7)-シクロアルキル、好ましくはジクロロメチルを表し;
RC 2、RC 3は同一であるまたは異なり、水素、(C1~C4)アルキル、(C2~C4)アルケニル、(C2~C4)アルキニル、(C1~C4)ハロアルキル、(C2~C4)ハロアルケニル、(C1~C4)アルキルカルバモイル-(C1~C4)アルキル、(C2~C4)アルケニルカルバモイル-(C1~C4)アルキル、(C1~C4)アルコキシ-(C1~C4)アルキル、ジオキソラニル-(C1~C4)アルキル、チアゾリル、フリル、フリルアルキル、チエニル、ピペリジル、置換もしくは非置換フェニルを表す、あるいはRC 2とRC 3が一緒になって、置換または非置換複素環、好ましくはオキサゾリジン、チアゾリジン、ピペリジン、モルホリン、ヘキサヒドロピリミジンまたはベンゾオキサジン環を形成する)
好ましくは:
出芽前薬害軽減剤(土壌作用薬害軽減剤)として頻繁に使用されるジクロロアセトアミド型の活性化合物、例えば
「ジクロルミド」(N,N-ジアリル-2,2-ジクロロアセトアミド)(S3-1)、
Stauffer製の「R-29148」(3-ジクロロアセチル-2,2,5-トリメチル-1,3-オキサゾリジン)(S3-2)、
Stauffer製の「R-28725」(3-ジクロロアセチル-2,2-ジメチル-1,3-オキサゾリジン)(S3-3)、
「ベノキサコール」(4-ジクロロアセチル-3,4-ジヒドロ-3-メチル-2H-1,4-ベンゾオキサジン)(S3-4)、
PPG Industries製の「PPG-1292」(N-アリル-N-[(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチル]ジクロロアセトアミド)(S3-5)、
Sagro-Chem製の「DKA-24」(N-アリル-N-[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド)(S3-6)、
NitrokemiaまたはMonsanto製の「AD-67」または「MON 4660」(3-ジクロロアセチル-1-オキサ-3-アザスピロ[4.5]デカン)(S3-7)、
TRI-Chemical RT製の「TI-35」(1-ジクロロアセチルアゼパン)(S3-8)、
「ジクロノン(diclonon)」(ジシクロノン(dicyclonon))または「BAS145138」または「LAB145138」(S3-9)
BASF製の((RS)-1-ジクロロアセチル-3,3,8a-トリメチルペルヒドロピロロ[1,2-a]ピリミジン-6-オン)、
「フリラゾール」または「MON 13900」((RS)-3-ジクロロアセチル-5-(2-フリル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン)(S3-10);およびその(R)異性体(S3-11)。
【0073】
S4)式(S4)のN-アシルスルホンアミドおよびその塩、
【化12】
(式中、記号および指数は以下の通り定義される:
ADはSO2-NRD 3-COまたはCO-NRD 3-SO2を表し、
XDはCHまたはNを表し;
RD 1はCO-NRD 5RD 6またはNHCO-RD 7を表し;
RD 2はハロゲン、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-ハロアルコキシ、ニトロ、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-アルキルスルホニル、(C1~C4)-アルコキシカルボニルまたは(C1~C4)-アルキルカルボニルを表し;
RD 3は水素、(C1~C4)-アルキル、(C2~C4)-アルケニルまたは(C2~C4)-アルキニルを表し;
RD 4はハロゲン、ニトロ、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-ハロアルコキシ、(C3~C6)-シクロアルキル、フェニル、(C1~C4)-アルコキシ、シアノ、(C1~C4)-アルキルチオ、(C1~C4)-アルキルスルフィニル、(C1~C4)-アルキルスルホニル、(C1~C4)-アルコキシカルボニルまたは(C1~C4)-アルキルカルボニルを表し;
RD 5は水素、(C1~C6)-アルキル、(C3~C6)-シクロアルキル、(C2~C6)-アルケニル、(C2~C6)-アルキニル、(C5~C6)-シクロアルケニル、フェニルまたは窒素、酸素および硫黄からなる群のvDヘテロ原子を含有する3~6員ヘテロシクリルを表し、最後に挙げた7つの基は、ハロゲン、(C1~C6)-アルコキシ、(C1~C6)-ハロアルコキシ、(C1~C2)-アルキルスルフィニル、(C1~C2)-アルキルスルホニル、(C3~C6)-シクロアルキル、(C1~C4)-アルコキシカルボニル、(C1~C4)-アルキルカルボニルおよびフェニル、ならびに環状基の場合、また(C1~C4)-アルキルおよび(C1~C4)-ハロアルキルからなる群のvD置換基によって置換されており;
RD 6は水素、(C1~C6)-アルキル、(C2~C6)-アルケニルまたは(C2~C6)-アルキニルを表し、最後に挙げた3つの基は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシおよび(C1~C4)-アルキルチオからなる群のvD基によって置換されている、あるいは
RD 5とRD 6がこれらを有する窒素原子と一緒になって、ピロリジニルまたはピペリジニル基を形成し;
RD 7は水素、(C1~C4)-アルキルアミノ、ジ-(C1~C4)-アルキルアミノ、(C1~C6)-アルキル、(C3~C6)-シクロアルキルを表し、最後に挙げた2つの基は、ハロゲン、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C6)-ハロアルコキシおよび(C1~C4)-アルキルチオ、ならびに環状基の場合、また(C1~C4)-アルキルおよび(C1~C4)-ハロアルキルからなる群のvD置換基によって置換されており;
nDは0、1または2を表し;
mDは1または2を表し;
vDは0、1、2または3を表す);
これらのうち、例えば、国際公開第97/45016号パンフレットから知られている、例えば以下の式(S4a)のN-アシルスルホンアミド型の化合物
【化13】
(式中、
RD 7は(C1~C6)-アルキル、(C3~C6)-シクロアルキルを表し、最後に挙げた2つの基は、ハロゲン、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C6)-ハロアルコキシおよび(C1~C4)-アルキルチオ、ならびに環式基の場合、また(C1~C4)-アルキルおよび(C1~C4)-ハロアルキルからなる群のvD置換基によって置換されており;
RD 4はハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシ、CF3を表し;
mDは1または2を表し;
vDは0、1、2、または3を表す)
およびまた
例えば、国際公開第99/16744号パンフレットから知られている、例えば以下の式(S4b)のアシルスルファモイルベンズアミド
【化14】
例えば、
RD 5=シクロプロピルおよび(RD 4)=2-OMe(「シプロスルファミド」、S4-1)、
RD 5=シクロプロピルおよび(RD 4)=5-Cl-2-OMe(S4-2)、
RD 5=エチルおよび(RD 4)=2-OMe(S4-3)、
RD 5=イソプロピルおよび(RD 4)=5-Cl-2-OMe(S4-4)および
RD 5=イソプロピルおよび(RD 4)=2-OMe(S4-5)
であるもの、およびまた
例えば、欧州特許出願公開第365484号明細書から知られている、式(S4c)のN-アシルスルファモイルフェニル尿素型の化合物
【化15】
(式中、
RD 8およびRD 9は互いに独立に、水素、(C1~C8)-アルキル、(C3~C8)-シクロアルキル、(C3~C6)-アルケニル、(C3~C6)-アルキニルを表し、
RD 4はハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシ、CF3を表し、
mDは1または2を表す);
例えば
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素、
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3,3-ジメチル尿素、
1-[4-(N-4,5-ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素、
およびまた
例えば、中国特許第101838227号明細書から知られている、式(S4d)のN-フェニルスルホニルテレフタルアミド
【化16】
例えば、
RD 4がハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシ、CF3を表し;
mDが1または2を表し;
RD 5が水素、(C1~C6)-アルキル、(C3~C6)-シクロアルキル、(C2~C6)-アルケニル、(C2~C6)-アルキニル、(C5~C6)-シクロアルケニルを表す
もの。
【0074】
S5)ヒドロキシ芳香族および芳香族-脂肪族カルボン酸誘導体のクラスの活性化合物(S5)、例えば
国際公開第2004/084631号パンフレット、国際公開第2005/015994号パンフレット、国際公開第2005/016001号パンフレットに記載される、エチル3,4,5-トリアセトキシベンゾエート、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシサリチル酸、4-フルオロサリチル酸、2-ヒドロキシケイ皮酸、2,4-ジクロロケイ皮酸。
【0075】
S6)1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オンのクラスの活性化合物(S6)、例えば
国際公開第2005/112630号パンフレットに記載される、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-チオン、1-(2-アミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン塩酸塩、1-(2-メチルスルホニルアミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン。
【0076】
S7)国際公開第1998/38856号パンフレットに記載される、式(S7)の化合物、
【化17】
(式中、記号および指数は以下の通り定義される:
RE 1、RE 2は互いに独立に、ハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルキルアミノ、ジ-(C1~C4)-アルキルアミノ、ニトロを表し;
AEはCOORE 3またはCOSRE 4を表し、
RE 3、RE 4は互いに独立に、水素、(C1~C4)-アルキル、(C2~C6)-アルケニル、(C2~C4)-アルキニル、シアノアルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、フェニル、ニトロフェニル、ベンジル、ハロベンジル、ピリジニルアルキルおよびアルキルアンモニウムを表し、
nE 1は0または1を表し、
nE 2、nE 3は互いに独立に、0、1または2を表す)
好ましくは:
ジフェニルメトキシ酢酸、
エチルジフェニルメトキシアセテート、
メチルジフェニルメトキシアセテート(CAS登録番号41858-19-9)(S7-1)。
【0077】
S8)国際公開第98/27049号パンフレットに記載される、式(S8)の化合物、
【化18】
(式中、
XFはCHまたはNを表し、
nFは、XF=Nの場合、0~4の整数であり、
XF=CHの場合、0~5の整数であり、
RF 1はハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルコキシ、ニトロ、(C1~C4)-アルキルチオ、(C1~C4)-アルキルスルホニル、(C1~C4)-アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェノキシを表し、
RF 2は水素または(C1~C4)-アルキルを表し、
RF 3は水素、(C1~C8)-アルキル、(C2~C4)-アルケニル、(C2~C4)-アルキニルまたはアリールを表し、上記の各炭素含有基の各々は非置換である、または1つもしくは複数の、好ましくは最大3つの、ハロゲンおよびアルコキシからなる群から選択される同一のもしくは異なる基によって置換されている)
またはその塩、
好ましくは、
XFがCHを表し、
nFが0~2の整数を表し、
RF 1がハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルコキシを表し、
RF 2が水素または(C1~C4)-アルキルを表し、
RF 3が水素、(C1~C8)-アルキル、(C2~C4)-アルケニル、(C2~C4)-アルキニルまたはアリールを表し、上記の炭素含有基の各々が非置換である、または1つもしくは複数の、好ましくは最大3つの、ハロゲンおよびアルコキシからなる群の同一のもしくは異なる基によって置換されている、
化合物またはその塩。
【0078】
S9)3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロンのクラスの活性化合物(S9)、例えば
国際公開第1999/000020号パンフレットに記載される、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-エチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS登録番号219479-18-2)、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS登録番号95855-00-8)。
【0079】
S10)国際公開第2007/023719号パンフレットおよび国際公開第2007/023764号パンフレットに記載される、
式(S10a)または(S10b)の化合物
【化19】
(式中、
RG 1はハロゲン、(C1~C4)-アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF3、OCF3を表し、
YG、ZGは互いに独立に、OまたはSを表し、
nGは0~4の整数を表し、
RG 2は(C1~C16)-アルキル、(C2~C6)-アルケニル、(C3~C6)-シクロアルキル、アリール;ベンジル、ハロベンジルを表し、
RG 3は水素または(C1~C6)-アルキルを表す)。
【0080】
S11)種子粉衣剤として知られる、オキシイミノ化合物型の活性化合物(S11)、例えば
メトラクロール損傷に対するキビ/モロコシの種子粉衣薬害軽減剤として知られる、「オキサベトリニル」((Z)-1,3-ジオキソラン-2-イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-1)、
メトラクロール損傷に対するキビ/モロコシの種子粉衣薬害軽減剤として知られる、「フルキソフェニム」(1-(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-1-エタノンO-(1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)オキシム)(S11-2)、および
メトラクロール損傷に対するキビ/モロコシの種子粉衣薬害軽減剤として知られる、「シオメトリニル(cyometrinil)」または「CGA-43089」((Z)-シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-3)。
【0081】
S12)イソチオクロマノンのクラスの活性化合物(S12)、例えばメチル[(3-オキソ-1H-2-ベンゾチオピラン-4(3H)-イリデン)メトキシ]アセテート(CAS登録番号205121-04-6)(S12-1)および国際公開第1998/13361号パンフレットの関連化合物。
【0082】
S13)群(S13)の1つまたは複数の化合物:
チオカルバメート系除草剤損傷に対するトウモロコシの種子粉衣薬害軽減剤として知られる、「ナフタル酸無水物」(1,8-ナフタレンジカルボン酸無水物)(S13-1)、
播種したイネのプレチラクロールの薬害軽減剤として知られる、「フェンクロリム」(4,6-ジクロロ-2-フェニルピリミジン)(S13-2)、
アラクロールおよびメトラクロール損傷に対するキビ/モロコシの種子粉衣薬害軽減剤として知られる、「フルラゾール」(ベンジル2-クロロ-4-トリフルオロメチル-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート)(S13-3)、
イミダゾリノンによる損傷に対するトウモロコシの薬害軽減剤として知られる、American Cyanamid製の「CL 304415」(CAS登録番号31541-57-8)
(4-カルボキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-酢酸)(S13-4)、
トウモロコシの薬害軽減剤として知られる、Nitrokemia製の「MG 191」(CAS登録番号96420-72-3)(2-ジクロロメチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン)(S13-5)、
Nitrokemia製「MG 838」(CAS登録番号133993-74-5)
(2-プロペニル1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン-4-カルボジチオエート)(S13-6)、
「ジスルホトン」(O,O-ジエチルS-2-エチルチオエチルホスホロジチオエート)(S13-7)、
「ジエトレート」(O,O-ジエチルO-フェニルホスホロチオエート)(S13-8)、
「メフェネート」(4-クロロフェニルメチルカルバメート)(S13-9)。
【0083】
S14)有害植物に対する除草作用に加えて、イネなどの作物植物に対する薬害軽減剤作用も有する活性化合物、例えば
除草剤モリネートによる損傷に対するイネの薬害軽減剤として知られる、「ジメピペレート」または「MY 93」(S-1-メチル1-フェニルエチルピペリジン-1-カルボチオエート)、
イマゾスルフロン除草剤損傷に対するイネの薬害軽減剤として知られる、「ダイムロン」または「SK 23」(1-(1-メチル-1-フェニルエチル)-3-p-トリル尿素)、
ある除草剤による損傷に対するイネの薬害軽減剤として知られる、「クミルロン」=「JC 940」(3-(2-クロロフェニルメチル)-1-(1-メチル-1-フェニルエチル)尿素、特開昭60087254号明細書参照)、
ある除草剤による損傷に対するイネの薬害軽減剤として知られる、「メトキシフェノン」または「NK 049」(3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン)、
イネのある除草剤による損傷に対する薬害軽減剤として知られる、Kumiai製の「CSB」(1-ブロモ-4-(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)(CAS登録番号54091-06-4)。
【0084】
S15)国際公開第2008/131861号パンフレットおよび国際公開第2008/131860号パンフレットに記載される、
式(S15)の化合物またはその互変異性体
【化20】
(式中、
RH 1は(C1~C6)-ハロアルキル基を表し、
RH 2は水素またはハロゲンを表し、
RH 3、RH 4は互いに独立に、水素、(C1~C16)-アルキル、(C2~C16)-アルケニルまたは(C2~C16)-アルキニル、
(後者の3つの基の各々は非置換である、またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルコキシ、(C1~C4)-アルキルチオ、(C1~C4)-アルキルアミノ、ジ[(C1~C4)-アルキル]アミノ、[(C1~C4)-アルコキシ]カルボニル、[(C1~C4)-ハロアルコキシ]カルボニル、非置換もしくは置換(C3~C6)-シクロアルキル、非置換もしくは置換フェニル、非置換もしくは置換ヘテロシクリルの群の1つもしくは複数の基によって置換されている)、
または(C3~C6)-シクロアルキル、(C4~C6)-シクロアルケニル、環の片側で4~6員飽和もしくは不飽和炭素環式環と融合した(C3~C6)-シクロアルキル、または環の片側で4~6員飽和もしくは不飽和炭素環式環と融合した(C4~C6)-シクロアルケニル
(最後に挙げた4つの基の各々は、非置換である、またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルコキシ、(C1~C4)-アルキルチオ、(C1~C4)-アルキルアミノ、ジ[(C1~C4)-アルキル]アミノ、[(C1~C4)-アルコキシ]カルボニル、[(C1~C4)-ハロアルコキシ]カルボニル、非置換もしくは置換(C3~C6)-シクロアルキル、非置換もしくは置換フェニル、および非置換もしくは置換ヘテロシクリルからなる群の1つもしくは複数の基によって置換されている)
を表す、
あるいは
RH 3は(C1~C4)-アルコキシ、(C2~C4)-アルケニルオキシ、(C2~C6)-アルキニルオキシまたは(C2~C4)-ハロアルコキシを表し、
RH 4は水素または(C1~C4)-アルキルを表す、あるいは
RH 3およびRH 4は、直接結合した窒素原子と一緒になって、窒素原子と同様に、さらなる環ヘテロ原子、好ましくは最大2個のN、OおよびSの群のさらなる環ヘテロ原子を含有してもよく、非置換である、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルコキシおよび(C1~C4)-アルキルチオの群の1つもしくは複数の基によって置換された4~8員複素環式環を表す)。
【0085】
S16)除草剤として主に使用されるが、作物植物に対する薬害軽減剤作用も有する活性化合物、例えば
(2,4-ジクロロフェノキシ)酢酸(2,4-D)、
(4-クロロフェノキシ)酢酸、
(R,S)-2-(4-クロロ-o-トリルオキシ)プロピオン酸(メコプロップ)、
4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB)、
(4-クロロ-o-トリルオキシ)酢酸(MCPA)、
4-(4-クロロ-o-トリルオキシ)酪酸、
4-(4-クロロフェノキシ)酪酸、
3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、
1-(エトキシカルボニル)エチル3,6-ジクロロ-2-メトキシベンゾエート(ラクチジクロル-エチル)。
【0086】
特に好ましい薬害軽減剤は、例えば、メフェンピル-ジエチル、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル、クロキントセット-メキシルおよびジクロルミドである。
【0087】
水和剤は、水中に均一に分散可能な製剤であり、活性化合物に加えて、希釈剤または不活性物質とは別に、イオン性および/または非イオン性型の界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えば、ポリエトキシル化アルキルフェノール、ポリエトキシル化脂肪アルコール、ポリエトキシル化脂肪アミン、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグノスルホン酸ナトリウム、2,2’-ジナフチルメタン-6,6’-ジスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムまたはオレオイルメチルタウリン酸ナトリウムも含む。水和剤を製造するために、除草活性化合物を例えば、ハンマーミル、ブロアミルおよびエアジェットミルなどの慣用的な装置で細かく粉砕し、同時にまたはその後、製剤補助剤と混合する。
【0088】
乳剤は、活性化合物を1種または複数のイオン性および/または非イオン性界面活性剤(乳化剤)を添加した有機溶媒、例えば、ブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレンまたは比較的高沸点芳香族もしくは炭化水素または有機溶媒の混合物に溶解することによって製造する。使用され得る乳化剤の例としては、アルキルアリールスルホン酸カルシウム(ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなど)、または非イオン性乳化剤(脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド-エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、ソルビタンエステル、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、またはポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど)がある。
【0089】
散粉製品は、活性化合物を微分散固体、例えば、タルク、天然粘土(カオリン、ベントナイトおよびパイロフィライトなど)または珪藻土を用いて粉砕することによって得られる。
【0090】
懸濁剤は水系であっても油系であってもよい。これらは、例えば、市販のビーズミルを用いて湿式粉砕し、例えば、他の製剤型について上で既に列挙した界面活性剤を任意で添加することによって調製することができる。
【0091】
エマルジョン製剤、例えば、水中油型エマルジョン製剤(EW)は、水性有機溶媒および任意で、例えば、他の製剤型について上で既に列挙した界面活性剤を用いて、撹拌機、コロイドミルおよび/または静的ミキサを用いて、製造することができる。
【0092】
粒剤は、活性化合物を吸着することができる顆粒不活性材料に噴霧することによって、または活性化合物濃縮物を接着剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムもしくは鉱物油を用いて担体物質(砂、カオリナイトもしくは顆粒状不活性材料など)の表面に塗布することによって、調製することができる。肥料との混合物として望まれる場合、適当な活性化合物を肥料顆粒の製造に慣用的な様式で造粒することもできる。
【0093】
顆粒水和剤は、一般的に噴霧乾燥、流動造粒、パン造粒、高速ミキサによる混合、および固体不活性材料を用いない押出などの慣用的な方法によって製造する。
【0094】
パン、流動床、押出機、噴霧顆粒の製造については、例えば、「Spray-Drying Handbook」第3版1979、G.Goodwin Ltd.、London、J.E.Browning、「Agglomeration」、Chemical and Engineering 1967、147頁以下;「Perry’s Chemical Engineer’s Handbook」、第5版、McGraw-Hill、New York 1973、8~57頁を参照されたい。
【0095】
作物保護組成物の製剤に関するさらなる詳細については、例えば、G.C.Klingman、「Weed Control as a Science」、John Wiley and Sons,Inc.、New York、1961、81~96頁およびJ.D.Freyer、S.A.Evans、「Weed Control Handbook」、第5版、Blackwell Scientific Publications、Oxford、1968、101~103頁を参照されたい。
【0096】
農薬製剤は、一般的に0.1重量%~99重量%、特に0.1重量%~95重量%の本発明の化合物を含有する。水和剤では、活性化合物濃度が、例えば、約10重量%~90重量%であり、慣用的な製剤成分からなる残部が100重量%までとなる。乳剤では、活性化合物濃度が約1重量%~90重量%、好ましくは5重量%~80重量%となり得る。粉の形態の製剤は、1重量%~30重量%の活性化合物、好ましくは通常5重量%~20重量%の活性化合物を含み;噴霧液は約0.05重量%~80重量%、好ましくは2重量%~50重量%の活性化合物を含有する。顆粒水和剤の場合、活性化合物含量が、一部は活性化合物が液体形態であるのか固体形態であるのか、およびどの造粒補助剤、充填剤等を使用しているのかに依存する。顆粒水和剤では、活性化合物の含量が、例えば、1重量%~95重量%の間、好ましくは10重量%~80重量%の間である。
【0097】
さらに、言及される活性化合物製剤は、場合によりそれぞれの慣用的な展着剤、ウェッター(wetter)、分散剤、乳化剤、浸透剤、保存剤、不凍剤および溶媒、充填剤、担体および染料、消泡剤、蒸発抑制剤ならびにpHおよび粘度に影響を及ぼす剤を含む。
【0098】
これらの製剤に基づいて、他の殺有害生物剤活性物質、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺真菌剤、さらには薬害軽減剤、肥料および/または成長調節剤との組み合わせを、例えば最終処方物の形態でまたはタンクミックスとして製造することも可能である。
【0099】
施用のために、市販の形態の製剤を、適当であれば、慣用的な様式で、例えば、水和剤、乳剤、分散剤および顆粒水和剤の場合、水で希釈する。粉型製剤、土壌施用のための粒剤または散乱用の粒剤および噴霧液は、通常は施用前に他の不活性物質でさらに希釈しない。
【0100】
式(I)の化合物の必要とされる施用量は、とりわけ温度、湿度および使用される除草剤の種類を含む外部条件によって変化する。これは、例えば0.001~1.0kg/haまたはそれ以上の活性物質の広範囲内で変化し得るが、好ましくは0.005~750g/haである。
【0101】
担体は、優れた施用性(applicability)、特に植物または植物の部分または種子への施用のために、活性化合物が混合または結合された天然または合成の有機または無機物質である。担体は固体でも液体でもよく、一般に不活性であり、農業での使用に適しているべきである。
【0102】
有用な固体または液体担体には、例えばアンモニウム塩および天然岩粉末、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土、ならびに合成岩粉末、例えば微細シリカ、アルミナおよび天然または合成ケイ酸塩、樹脂、ワックス、固体肥料、水、アルコール、特にブタノール、有機溶剤、鉱油および植物油ならびにこれらの誘導体が含まれる。このような担体の混合物を使用することも同様に可能である。粒剤に有用な固体担体には、例えば、粉砕および分別された天然岩、例えば方解石、大理石、軽石、セピオライト、ドロマイト、ならびに無機および有機粗粉の合成顆粒、ならびに有機材料の顆粒、例えばおがくず、ヤシ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎も含まれる。
【0103】
適切な液化ガス増量剤または担体は、標準温度および大気圧下で気体である液体、例えばハロゲン化炭化水素、またはブタン、プロパン、窒素および二酸化炭素などのエアロゾル噴霧剤である。
【0104】
製剤において、カルボキシメチルセルロース、粉末、顆粒またはラテックスの形態の天然および合成ポリマー、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコールおよびポリ酢酸ビニル、または天然リン脂質、例えばセファリンおよびレシチンならびに合成リン脂質などの粘着剤を使用することが可能である。さらなる添加剤は鉱油および植物油であり得る。
【0105】
使用される増量剤が水である場合、補助溶剤として例えば有機溶剤を使用することも可能である。有用な液体溶媒は、本質的には、芳香族、例えばキシレン、トルエンまたはアルキルナフタレン、塩素化芳香族または塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン、クロロエチレンまたはジクロロメタン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサンまたはパラフィン、例えば鉱油留分、鉱油および植物油、アルコール、例えばブタノールまたはグリコールならびにそれらのエーテルおよびエステル、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド、および水である。
【0106】
本発明による組成物は、さらなる成分、例えば界面活性剤をさらに含み得る。有用な界面活性剤は、イオン性または非イオン性の特性を有する乳化剤および/または泡形成剤、分散剤または湿潤剤、あるいはこれらの界面活性剤の混合物である。その例は、ポリアクリル酸の塩、リグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸またはナフタレンスルホン酸の塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールまたは脂肪酸または脂肪族アミンとの重縮合物、置換フェノール(好ましくはアルキルフェノールまたはアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(好ましくは、アルキルタウレート)、ポリエトキシル化アルコールまたはフェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、ならびに硫酸エステル、スルホン酸エステルおよびリン酸エステルを含む化合物の誘導体、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスルホネート、タンパク質加水分解物、リグノサルファイト廃液およびメチルセルロースである。界面活性剤の存在は、活性化合物の1つおよび/または不活性担体の1つが水に不溶性であり、施用が水中で行われる場合に必要である。界面活性剤の割合は、本発明の組成物の5重量%~40重量%である。無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルー、ならびに有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン染料、ならびに微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの染料を使用することが可能である。
【0107】
適切であれば、例えば、保護コロイド、結合剤、接着剤、増粘剤、チキソトロピック物質、浸透剤、安定剤、封鎖剤、錯化剤などの他の追加の成分が存在することも可能である。一般に、活性化合物は、製剤化目的のために一般的に使用される任意の固体または液体添加剤と組み合わせることができる。一般に、本発明による組成物および製剤は、0.05重量%~99重量%、0.01重量%~98重量%、好ましくは0.1重量%~95重量%、より好ましくは0.5重量%~90重量%、最も好ましくは10重量%~70重量%の活性化合物を含有する。本発明による活性化合物または組成物は、それ自体で、あるいはそのそれぞれの物理的および/または化学的性質に応じて、エアロゾル、カプセル懸濁剤、冷霧濃縮物(cold-fogging concentrate)、温霧濃縮物(warm-fogging concentrate)、カプセル化顆粒、細粒剤、種子処理用の流動性濃縮物、すぐに使用できる溶液、散粉剤、乳剤、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マクロ顆粒、微小顆粒、油分散性粉末、油混和性流動性濃縮物、油混和性液、フォーム、ペースト、殺虫剤コーティング種子、懸濁濃縮物、サスポエマルジョン濃縮物、可溶性濃縮物、懸濁剤、水和剤、可溶性粉末、散剤および顆粒剤、水溶性顆粒剤または錠剤、種子処理用の水溶性粉末、水和剤、活性化合物を含浸させた天然製品および合成物質、ならびに種子用のポリマー物質およびコーティング材料中のマイクロカプセル化、ならびにULV冷霧および温霧製剤などのそこから調製した製剤または使用形態で使用され得る。
【0108】
言及される製剤は、例えば活性化合物を少なくとも1種の慣用的な増量剤、溶媒または希釈剤、乳化剤、分散剤および/または結合剤または固定剤、湿潤剤、撥水剤、場合により乾燥剤、およびUV安定剤、および場合により染料および顔料、消泡剤、保存剤、二次増粘剤、粘着付与剤、ジベレリンおよび他の加工助剤と混合することによって、それ自体公知の様式で製造することができる。
【0109】
本発明による組成物は、既に使用準備が整っており、植物または種子に適した装置と共に展開することができる製剤だけでなく、使用前に水で希釈しなければならない商業的濃縮物も含む。
【0110】
本発明による活性化合物は、それ自体で、またはそれらの(商業標準)製剤、または殺虫剤、誘引剤、滅菌剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺真菌剤、成長調節剤、除草剤、肥料、毒性緩和剤もしくは情報化学物質などの他の(既知の)活性化合物との混合物としてこれらの製剤から調製された使用形態で存在し得る。
【0111】
活性化合物または組成物による植物および植物部分の本発明による処理は、慣用的な処理方法を用いて、例えば浸漬、噴霧、霧化、灌漑、蒸発、散粉、雲霧、散布、発泡、塗布、展布、散水(水薬)、点滴灌漑によって、および繁殖材料の場合、特に種子の場合、さらに乾燥種子処理用粉末、種子処理用溶液、スラリー処理用水溶性粉末として、覆うことによって、1つまたは複数のコートでコーティングすること等によって直接またはその周囲、生息地もしくは貯蔵空間に作用することにより行われる。さらに、活性化合物を超低容量法によって施用する、または活性化合物製剤もしくは活性化合物自体を土壌中に注入することが可能である。
【0112】
以下にも記載されるように、本発明による活性化合物または組成物によるトランスジェニック種子の処理が、特に重要である。これは、殺虫性を有する、ポリペプチドまたはタンパク質の発現を可能にする少なくとも1つの異種遺伝子を含む植物の種子に関する。トランスジェニック種子中の異種遺伝子は、例えば、バチルス属(Bacillus)、リゾビウム属(Rhizobium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、セラチア属(Serratia)、トリコデルマ属(Trichoderma)、クラビバクター属(Clavibacter)、グロムス属(Glomus)またはグリオクラジウム属(Gliocladium)の種の微生物に由来し得る。この異種遺伝子は、好ましくは、バチルス属(Bacillus)の種由来であり、この場合、遺伝子産物は、アワノメイガの幼虫および/または西洋コーンルートワームに対して有効である。異種遺伝子は、より好ましくはバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する。
【0113】
本発明の文脈において、本発明の組成物は、単独でまたは適当な製剤で種子に施用される。好ましくは、種子は、処理過程において損傷が生じないように十分に安定した状態で処理される。一般に、種子は収穫と播種との間のいつでも処理することができる。植物から分離され、穂軸、殻、柄、皮、毛または果肉から解放された種子を使用することが通例である。例えば、収穫され、洗浄され、15重量%未満の含水量まで乾燥された種子を使用することが可能である。あるいは、乾燥後に、例えば水で処理し、次いで、再び乾燥させた種子を使用することも可能である。
【0114】
一般に、種子を処理する場合、種子の発芽が損なわれず、そこから生じる植物が損傷されないように、種子に施用される本発明による組成物および/またはさらなる添加剤の量が選択されることが保証されなければならない。これは、一定の施用量で植物毒性効果を示し得る活性化合物の場合に特に保証されなければならない。
【0115】
本発明による組成物は、直接的に、すなわち他の成分を含まずに、また希釈されずに施用することができる。一般に、組成物を適当な製剤の形態で種子に施用することが好ましい。種子処理のための適切な製剤および方法は、当業者に知られており、例えば以下の文献に記載されている:米国特許第4272417号明細書、米国特許第4245432号明細書、米国特許第4808430号明細書、米国特許第5876739号明細書、米国特許出願公開第2003/0176428号明細書、国際公開第第2002/080675号パンフレット、国際公開第2002/028186号パンフレット。
【0116】
本発明による活性化合物は、溶液、乳濁液、懸濁液、粉末、発泡体、スラリーまたは種子用の他のコーティング組成物などの慣用的な種子粉衣製剤、およびULV製剤にも変換することができる。
【0117】
これらの製剤は、活性化合物を慣用的な添加剤、例えば慣用的な増量剤および溶媒もしくは希釈剤、染料、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、保存剤、二次増粘剤、接着剤、ジベレリン、および水と混合することによって既知の様式で製造される。
【0118】
本発明により使用可能な種子粉衣製剤中に存在し得る染料は、このような目的のために慣用的な全ての染料である。水に難溶性の顔料または水に可溶性の染料のいずれかを使用することが可能である。例としては、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112およびC.I.ソルベントレッド1の名称で知られている染料が挙げられる。
【0119】
本発明により使用可能な種子粉衣製剤中に存在し得る有用な湿潤剤は、湿潤を促進し、農薬活性化合物の製剤に慣用的な全ての物質である。アルキルナフタレンスルホネート、例えばジイソプロピルまたはジイソブチルナフタレンスルホネートが好ましく使用され得る。
【0120】
本発明により使用可能な種子粉衣製剤中に存在し得る適切な分散剤および/または乳化剤は、農薬活性化合物の製剤に慣用的な全ての非イオン性、アニオン性およびカチオン性分散剤である。非イオン性もしくはアニオン性分散剤または非イオン性もしくはアニオン性分散剤の混合物を使用することが好ましい。適切な非イオン性分散剤には、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー、アルキルフェノールポリグリコールエーテルおよびトリスチリルフェノールポリグリコールエーテル、ならびにこれらのリン酸化または硫酸化誘導体が含まれる。適当なアニオン性分散剤は、特にリグノスルホネート、ポリアクリル酸塩およびアリールスルホネート-ホルムアルデヒド縮合物である。
【0121】
本発明により使用可能な種子粉衣製剤中に存在し得る消泡剤は、農薬活性化合物の製剤に慣用的な全ての発泡阻害物質である。シリコーン消泡剤およびステアリン酸マグネシウムを好ましく使用することができる。
【0122】
本発明により使用可能な種子粉衣製剤中に存在し得る保存剤は、農薬組成物にこのような目的のために使用可能な全ての物質である。例としては、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマールが挙げられる。
【0123】
本発明により使用可能な種子粉衣製剤中に存在し得る二次増粘剤は、農薬組成物にこのような目的のために使用可能な全ての物質である。好ましい例としては、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、改質粘土および微細シリカが挙げられる。
【0124】
本発明により使用可能な種子粉衣製剤中に存在し得る有用な展着剤は、種子粉衣製品に使用可能な全ての慣用的な結合剤である。好ましい例としては、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびチロースが挙げられる。
【0125】
本発明により使用可能な種子粉衣製剤は、トランスジェニック植物の種子を含む広範囲の異なる種子の処理のために、直接または水で予め希釈した後に、使用することができる。この場合、発現によって形成される物質との相互作用において、さらなる相乗効果が生じることもある。
【0126】
本発明により使用可能な種子粉衣製剤または水を添加することによってそれから調製された調製物で種子を処理するために、有用な装置は、種子ドレッシングに慣用的に使用可能な全ての混合装置である。具体的には、種子ドレッシング手順は、種子をミキサに入れ、特定の所望量の種子粉衣製剤をそれ自体で、または水で事前に希釈した後に添加し、製剤が種子に均質に分配されるまでこれらを混合するというものである。適切であれば、これに続いて乾燥操作が行われる。
【0127】
本発明による活性化合物は、良好な植物適合性、好ましい恒温動物毒性および良好な環境適合性を考慮すると、植物および植物器官の保護、収穫量の増加、ならびに収穫された作物の品質の改善に適している。これらを、好ましくは、作物保護剤として使用することができる。これらは、通常感受性および耐性の種に対して、また発達の全段階または特定の段階に対しても活性である。
【0128】
本発明により処理することができる植物には、以下の主要作物植物が含まれる:トウモロコシ、ダイズ、ワタ、アブラナ属(Brassica)脂肪種子、例えばセイヨウアブラナ(Brassica napus)(例えば、キャノーラ)、ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)、カラシナ(B.juncea)(例えば、菜の花)およびアビシニアガラシ(Brassica carinata)、イネ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、エンバク、ライムギ、オオムギ、アワおよびソルガム、ライコムギ、アマ、ブドウならびに種々の植物分類群由来の種々の果物および野菜、例えばバラ科(Rosaceae)種(例えば、リンゴおよびナシなどの仁果類だけでなく、アプリコット、サクランボ、アーモンドおよびモモなどの核果類、ならびにイチゴなどの液果類)、リベシオイダエ科(Ribesioidae)種、クルミ科(Juglandaceae)種、カバノキ科(Betulaceae)種、ウルシ科(Anacardiaceae)種、ブナ科(Fagaceae)種、クワ科(Moraceae)種、モクセイ科(Oleaceae)種、マタタビ科(Actinidaceae)種、クスノキ科(Lauraceae)種、バショウ科(Musaceae)種(例えば、バナナの木およびプランテーション)、アカネ科(Rubiaceae)種(例えば、コーヒー)、ツバキ科(Theaceae)種、アオギリ科(Sterculiceae)種、ミカン科(Rutaceae)種(例えば、レモン、オレンジおよびグレープフルーツ);ナス科(Solanaceae)種(例えば、トマト、ジャガイモ、コショウ、ナス)、ユリ科(Liliaceae)種、キク科(Compositae)種(例えば、レタス、アーティチョークおよびチコリ-根チコリ、エンダイブまたは一般的なチコリを含む)、セリ科(Umbelliferae)種(例えば、ニンジン、パセリ、セロリおよび根セロリ)、ウリ科(Cucurbitaceae)種、(例えば、キュウリ-ガーキンを含む、カボチャ、スイカ、カラバッシュおよびメロン)、ネギ科(Alliaceae)種(例えば、ニラおよびタマネギ)、アブラナ科(Cruciferae)種(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、青梗菜、ダイコン、ホースラディッシュ、クレソンおよび白菜)、マメ科(Leguminosae)種(例えば、ピーナッツ、エンドウマメおよび豆、例えば、ベニバナインゲンおよびソラマメ)、アカザ科(Chenopodiaceae)種(例えば、スイスチャード、飼料用ビート、ホウレンソウ、ビートの根)、アオイ科(Malvaceae)種(例えばオクラ)、アスパラガス科(Asparagaceae)(例えばアスパラガス);庭および森林の有用な植物および観賞植物;ならびに各場合のこれらの植物の遺伝子改変型。
【0129】
上述のように、本発明により全ての植物およびその部分を処理することが可能である。好ましい実施形態では、野生植物種および植物栽培品種、または交配もしくはプロトプラスト融合などの従来の生物学的育種技術によって得られたもの、ならびにこれらの部分が処理される。さらに好ましい実施形態では、適切であれば従来の方法(遺伝子組換え体)と組み合わせた遺伝子工学的方法によって得られたトランスジェニック植物および植物栽培品種、またはその部分が処理される。「部分」または「植物の部分」または「植物部分」という用語は上で説明されている。本発明によると、それぞれの商業的に慣用的な植物栽培品種または使用中のものの植物を処理することが特に好ましい。植物栽培品種は、従来の育種、突然変異誘発または組換えDNA技術によって栽培された新しい特性(「形質」)を有する植物を意味すると理解される。これらは栽培品種、品種、生物型および遺伝子型であり得る。
【0130】
本発明による処理方法は、遺伝子組換え体(GMO)、例えば植物(作物植物および樹木など)または種子の処理に使用することができる。遺伝子組換え植物(またはトランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定に組み込まれている植物である。「異種遺伝子」という表現は、本質的に、植物または植物細胞の外部で提供されるまたは組み立てられ、核、葉緑体またはミトコンドリアゲノムに導入されると、具体的には目的のタンパク質もしくはポリペプチドを発現させることによって、または植物中に存在する1つもしくは複数の他の遺伝子を(例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術、RNA干渉(RNAi)技術もしくはマイクロRNA(miRNA)技術を用いて)下方制御もしくはサイレンシングすることによって形質転換植物に新たなまたは改善した農学的または他の特性を与える遺伝子を意味する。ゲノムに組み込まれた異種遺伝子は、導入遺伝子とも呼ばれる。植物ゲノムに組み込まれた導入遺伝子は、形質転換イベントまたはトランスジェニックイベントと呼ばれる。
【0131】
植物種または植物栽培品種、その位置および成長条件(土壌、気候、植生期、食餌)に応じて、本発明の処理はまた優加法的(「相乗」)効果をもたらし得る。例えば、実際に予想された効果を上回る以下の効果が可能である:本発明により使用することができる有効成分および組成物の施用量の減少および/または活性スペクトルの拡大および/または有効性の増加、より優れた植物成長、高温もしくは低温に対する耐性の増加、干ばつもしくは水もしくは土壌塩分に対する耐性の増加、開花性能の増加、収穫の容易化、成熟の加速、より高い収穫高、より大きな果実、より大きな植物の高さ、より緑色の葉色、早期開花、収穫された産物のより高い品質および/またはより高い栄養価、果実内のより高い糖濃度、収穫された産物のより優れた貯蔵安定性および/または加工性。
【0132】
一定の施用量では、本発明の有効成分の組み合わせが、植物に対する強化効果も有し得る。したがって、これらは望ましくない微生物による攻撃に対する植物の防御系を動員するのに適している。これは、おそらく、例えば真菌に対する、本発明による組み合わせの増強された活性の理由の1つであり得る。植物強化(耐性誘導)物質は、本文脈において、処理植物が、後に望ましくない微生物を接種した場合に、これらの微生物に対して相当な程度の耐性を示すように、植物の防御系を刺激することができる物質または物質の組み合わせも意味すると理解されるべきである。この場合、望ましくない微生物は、植物病原性真菌、細菌およびウイルスを意味すると理解される。したがって、本発明の物質を、処理後の一定期間内の上記の病原体による攻撃から植物を防御するために使用することができる。防御が達成される期間は、一般に、植物を有効成分で処理した後、1~10日間、好ましくは1~7日間にわたる。
【0133】
本発明により好ましく処理される植物および植物栽培品種は、これらの植物(育種および/または生物工学的手段によって得られたものであっても)に特に有利で有用な形質を付与する遺伝物質を有する全ての植物を含む。
【0134】
同様に本発明により好ましく処理される植物および植物品種は、1つまたは複数の生物的ストレス因子に対して耐性である、すなわち、前記植物は、線虫、昆虫、ダニ、植物病原性真菌、細菌、ウイルスおよび/またはウイロイドなどの動物および微生物有害生物に対してより優れた防御を有する。
【0135】
線虫または昆虫耐性植物の例は、例えば米国特許出願第11/765491号明細書、同第11/765494号明細書、同第10/926819号明細書、同第10/782020号明細書、同第12/032479号明細書、同第10/783417号明細書、同第10/782096号明細書、同第11/657964号明細書、同第12/192904号明細書、同第11/396808号明細書、同第12/166253号明細書、同第12/166239号明細書、同第12/166124号明細書、同第12/166209号明細書、同第11/762886号明細書、同第12/364335号明細書、同第11/763947号明細書、同第12/252453号明細書、同第12/209354号明細書、同第12/491396号明細書、同第12/497221号明細書、同第12/644632号明細書、同第12/646004号明細書、同第12/701058号明細書、同第12/718059号明細書、同第12/721595号明細書、同第12/638591号明細書および国際公開第11/002992号パンフレット、国際公開第11/014749号パンフレット、国際公開第11/103247号パンフレット、国際公開第11/103248号パンフレット、国際公開第12/135436号パンフレット、国際公開第12/135501号パンフレット、国際公開第2013134523号パンフレット、国際公開第2013134535号パンフレット、国際公開第2014036238号パンフレット、国際公開第2014126986号パンフレット、国際公開第2014138339号パンフレット、国際公開第2014003769号パンフレット、国際公開第2015021367号パンフレット、国際公開第2015021354号パンフレット、国際公開第2015077525号パンフレット、国際公開第2015038262号パンフレット、国際公開第2015041769号パンフレット、国際公開第2015088937号パンフレットに記載されている。
【0136】
他の種類の病原体に対する植物の耐性の例は、例えば、国際公開第13/050410号パンフレット、国際公開第2013127988号パンフレット、国際公開第2013135726号パンフレット、国際公開第2015036378号パンフレット、国際公開第2015036469号パンフレット、国際公開第2015177206号パンフレットに記載されている。
【0137】
本発明により同様に処理することができる植物および植物栽培品種は、1つまたは複数の非生物的ストレス因子に耐性である植物である。非生物的ストレス条件には、例えば、干ばつ、低温曝露、熱曝露、浸透圧ストレス、湛水、土壌塩分の増加、ミネラルへの曝露の増加、オゾンへの曝露、強い光への曝露、窒素栄養素の限られた入手可能性、リン栄養素の限られた入手可能性または日陰の欠如が含まれ得る。
【0138】
本発明により同様に処理することができる植物および植物品種は、収量特性の向上を特徴とする植物である。植物における収量の増加は、例えば、水利用効率、保水効率、窒素利用改善、炭素同化増強、光合成改善、発芽効率増加および成熟促進などの植物生理学、成長および発育の改善の結果であり得る。収量は、それだけに限らないが、初期開花、ハイブリッド種子産生のための開花制御、実生の活力、植物の大きさ、節間数および距離、根の成長、種子の大きさ、果実の大きさ、さやの大きさ、さやまたは穂の数、種子数/さやまたは穂、種子質量、種子充満度の増強、種子分散の減少、さや裂開の減少ならびに倒伏耐性を含む改良された植物構造(ストレスおよび非ストレス条件下)によってさらに影響され得る。さらなる収量形質は、炭水化物含量、タンパク質含量、油含量および油組成、栄養価、抗栄養化合物の減少、加工性改善ならびにより優れた貯蔵安定性などの種子組成を含む。
【0139】
本発明により処理することができる植物は、一般に、高い収量、活力、良好な健康ならびに生物的および非生物的ストレス因子に対する耐性をもたらすヘテロシスまたはハイブリッド効果の特性を既に示すハイブリッド植物である。このような植物は、典型的には近交系の雄性不稔性親系統(雌交配親)を別の近交系の雄性稔性親系統(雄交配親)と交配させることによって作製される。ハイブリッド種子は、典型的には雄性不稔植物から収穫され、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、しばしば(例えば、トウモロコシの場合)フラグ除去、すなわち雄性器官(または雄花)の機械的除去によって作製することができる;しかしながら、雄性不稔性が植物ゲノムの遺伝的決定因子に基づくことがより一般的であり;特に、ハイブリッド植物から収穫される所望の種子材料が種子である場合、通常、ハイブリッド植物において雄性稔性が回復することが保証される。これは、雄交配親が、雄性不稔を担う遺伝的決定因子を含むハイブリッド植物中の雄性稔性を回復することができる適切な稔性回復遺伝子を有することを保証することによって達成することができる。雄性不稔の遺伝的決定因子は、細胞質に位置し得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えば、アブラナ属(Brassica)種について記載された(国際公開第92/05251号パンフレット、国際公開第95/09910号パンフレット、国際公開第98/27806号パンフレット、国際公開第05/002324号パンフレット、国際公開第06/021972号パンフレットおよび米国特許第6229072号明細書)。しかしながら、雄性不稔の遺伝的決定因子は、核ゲノムにも位置し得る。雄性不稔植物は、遺伝子工学などの植物生物工学法によっても得ることができる。雄性不稔植物を得る特に有用な手段は国際公開第89/10396号パンフレットに記載されており、そこでは、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼを雄しべのタペータム細胞で選択的に発現させる。その後、バルスターなどのリボヌクレアーゼ阻害剤のタペータム細胞における発現によって稔性を回復することができる(例えば、国際公開第91/02069号パンフレット)。雄性不稔遺伝子および稔性回復遺伝子を含む他の植物、ならびにハイブリッド種子作製のためのシステムは、例えば、国際公開第2014170387号パンフレットおよ
び国際公開第2014195152号パンフレットに記載されている。
【0140】
本発明により処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)はまた、除草剤耐性植物、すなわち1つまたは複数の所与の除草剤に耐性にされた植物も含む。このような植物は、遺伝子形質転換によって、またはこのような除草剤耐性を付与する突然変異を含有する植物の選択によって得ることができる。
【0141】
除草剤耐性植物は、例えば、グリホサート耐性植物、すなわち、除草剤グリホサートまたはその塩に対して耐性とされた植物である。植物を、いくつかの方法でグリホサート耐性にすることができる。例えば、酵素5-エノール-ピルビル-シキミ酸-3-リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換することによってグリホサート耐性植物を得ることができる。このようなEPSPS遺伝子の例は、細菌ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異体CT7)(Science 1983、221、370~371)、細菌アグロバクテリウム属(Agrobacterium)種のCP4遺伝子(Curr.Topics Plant Physiol.1992、7、139~145)、ペチュニアEPSPS(Science 1986、233、478~481)、トマトEPSPS(J.Biol.Chem.1988、263、4280~4289)またはオヒシバ属(Eleusine)EPSPS(国際公開第01/66704号パンフレット)をコードする遺伝子である。これは、例えば欧州特許第0837944号明細書、国際公開第00/66746号パンフレット、国際公開第00/66747号パンフレットまたは国際公開第02/26995号パンフレット、国際公開第2011/000498号パンフレットに記載されている突然変異型EPSPSであってもよい。米国特許第5776760号明細書および米国特許第5463175号明細書に記載されるように、グリホサートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによっても、グリホサート耐性植物を得ることができる。例えば国際公開第02/036782号パンフレット、国際公開第03/092360号パンフレット、国際公開第05/012515号パンフレットおよび国際公開第07/024782号パンフレットに記載されているように、グリホサートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによっても、グリホサート耐性植物を得ることができる。例えば国際公開第01/024615号パンフレットまたは国際公開第03/013226号パンフレットに記載されているように、上記遺伝子の天然の突然変異を含む植物を選択することによっても、グリホサート耐性植物を得ることができる。グリホサート耐性を付与するEPSPS遺伝子を発現する植物は、例えば、米国特許出願第11/517991号明細書、同第10/739610号明細書、同第12/139408号明細書、同第12/352532号明細書、同第11/312866号明細書、同第11/315678号明細書、同第12/421292号明細書、同第11/400598号明細書、同第11/651752号明細書、同第11/681285号明細書、同第11/605824号明細書、同第12/468205号明細書、同第11/760570号明細書、同第11/762526号明細書、同第11/769327号明細書、同第11/769255号明細書、同第11/943801号明細書または同第12/362774号明細書に記載されている。グリホサート耐性を付与する他の遺伝子、例えばデカルボキシラーゼ遺伝子を含む植物は、例えば、米国特許出願第11/588811号明細書、同第11/185342号明細書、同第12/364724号明細書、同第11/185560号明細書または同第12/423926号明細書に記載されている。
【0142】
他の除草剤耐性植物は、例えばビアラホス、ホスフィノトリシンまたはグルホシネートなどの酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤に対して耐性にされた植物である。このような植物は、除草剤を解毒する酵素、または阻害に耐性のグルタミンシンターゼ酵素の突然変異体を発現させることによって得ることができ、例えば米国特許出願第11/760602号明細書に記載されている。このような有効な解毒酵素の一例は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素(ストレプトマイセス属(Streptomyces)種のbarまたはpatタンパク質など)である。外因性ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、例えば米国特許第5561236号明細書;同第5648477号明細書;同第5646024号明細書;同第5273894号明細書;同第5637489号明細書;同第5276268号明細書;同第5739082号明細書;同第5908810号明細書および同第7112665号明細書に記載されている。
【0143】
さらなる除草剤耐性植物はまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされた植物である。HPPDは、パラヒドロキシフェニルピルビン酸(HPP)がホモゲンチジン酸に変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害剤に耐性の植物は、国際公開第96/38567号パンフレット、国際公開第99/24585号パンフレット、国際公開第99/24586号パンフレット、国際公開第09/144079号パンフレット、国際公開第02/046387号パンフレットまたは米国特許第6768044号明細書、国際公開第11/076877号パンフレット、国際公開第11/076882号パンフレット、国際公開第11/076885号パンフレット、国際公開第11/076889号パンフレット、国際公開第11/076892号パンフレット、国際公開第13/026740号パンフレット、国際公開第13/092552号パンフレット、国際公開第13/092551号パンフレット、国際公開第12/092555号パンフレット、国際公開第2014043435号パンフレット、国際公開第2015138394号パンフレット、国際公開第2015135881号パンフレットによると、天然の耐性HPPD酵素をコードする遺伝子、または突然変異型もしくはキメラHPPD酵素をコードする遺伝子で形質転換することができる。
【0144】
HPPD阻害剤に対する耐性は、HPPD阻害剤による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチジン酸の形成を可能にする酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することによっても得ることができる。このような植物および遺伝子は、国際公開第99/34008号パンフレットおよび国際公開第02/36787号パンフレットに記載されている。国際公開第04/024928号パンフレットに記載されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えて、プレフェナートデヒドロゲナーゼ活性(PDH活性)を有する酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することにより、HPPD阻害剤に対する植物の耐性を改善することもできる。さらに、国際公開第07/103567号パンフレットおよび国際公開第08/150473号パンフレットに示されるCYP450酵素などの、HPPD阻害剤を代謝または分解するために使用される酵素をコードする遺伝子をそれらのゲノムに付加することにより、植物をHPPD阻害剤除草剤に対してより耐性にすることができる。
【0145】
さらに他の除草剤耐性植物は、アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤に対して耐性にされた植物である。公知のALS阻害剤には、例えば、スルホニルウレア、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート、および/またはスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン除草剤が含まれる。例えば、TranelおよびWright(Weed Science 2002、50、700~712)、また米国特許第5378824号明細書、同第5378824号明細書、同第5141870号明細書および同第5013659号明細書にも記載されるように、ALS酵素(アセトヒドロキシ酸シンターゼ、AHASとしても知られている)の様々な突然変異が、様々な除草剤および除草剤群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニルウレア耐性植物およびイミダゾリノン耐性植物の作製は、米国特許第5605011号明細書;同第5013659号明細書;同第5141870号明細書;同第5767361号明細書;同第5731180号明細書;同第5304732号明細書;同第4761373号明細書;同第5331107号明細書;同第5928937号明細書および同第5378824号明細書;および国際公開第96/33270号パンフレットにも記載されている。さらなるイミダゾリノン耐性植物はまた、例えば国際公開第04/040012号パンフレット、国際公開第04/106529号パンフレット、国際公開第05/020673号パンフレット、国際公開第05/093093号パンフレット、国際公開第06/007373号パンフレット、国際公開第06/015376号パンフレット、国際公開第06/024351号パンフレットおよび国際公開第06/060634号パンフレットに記載されている。さらなるスルホニルウレア耐性植物およびイミダゾリノン耐性植物は、例えば国際公開第07/024782号パンフレット、国際公開第11/076345号パンフレット、国際公開第12/058223号パンフレット、国際公開第12/150335号パンフレット、国際公開第2013127766号パンフレット、国際公開第2014090760号パンフレット、国際公開第2015004242号パンフレット、国際公開第2015024957号パンフレット、国際公開第2015082413号パンフレットおよび米国特許出願第61/288958号明細書にも記載されている。
【0146】
イミダゾリノンおよび/またはスルホニルウレアに耐性のさらなる植物は、誘発突然変異、除草剤の存在下での細胞培養における選択または例えば米国特許第5084082号明細書にダイズについて、国際公開第97/41218号パンフレットにイネについて、米国特許第5773702号明細書および国際公開第99/057965号パンフレットにテンサイについて、米国特許第5198599号明細書にレタスについて、もしくは国際公開第01/065922号パンフレットにヒマワリについて記載されている突然変異育種法によって得ることができる。
【0147】
2,4-Dまたはジカンバに耐性の植物は、例えば、米国特許第6153401号明細書に記載されている。
【0148】
本発明により同様に処理することができる植物または植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)は、昆虫耐性トランスジェニック植物、すなわち一定の標的昆虫による攻撃に対して耐性にされた植物である。このような植物は、遺伝子形質転換によって、またはこのような昆虫耐性を付与する突然変異を含有する植物の選択によって得ることができる。
【0149】
本文脈では、「昆虫耐性トランスジェニック植物」という用語は、以下をコードするコード配列を含む少なくとも1つの導入遺伝子を含有する任意の植物を含む:
1)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の殺虫性結晶タンパク質またはその殺虫性部分、例えばCrickmoreら(Microbiology and Molecular Biology Reviews 1998、62、807~813)によって編集され、http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/)でオンラインでバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素命名法においてCrickmoreら(2005)によって更新された殺虫性結晶タンパク質またはその殺虫性部分、例えばCryタンパク質クラスCry1Ab、Cry1Ac、Cry1B、Cry1C、Cry1D、Cry1F、Cry2Ab、Cry3AaもしくはCry3Bbのタンパク質またはその殺虫性部分(例えば、欧州特許第1999141号明細書および国際公開第07/107302号パンフレット)、または国際公開第2013134523号パンフレット、国際公開第2013134535号パンフレットおよび米国特許出願第12/249016号明細書に記載される合成遺伝子によってコードされるタンパク質;または
2)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)以外の第2の結晶タンパク質またはその部分の存在下で殺虫性となるバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の結晶タンパク質またはその部分、例えばCry34およびCry35結晶タンパク質で構成された二成分毒素(Nat.Biotechnol.2001、19、668~72;Applied Environm.Microbiol.2006、71、1765~1774)またはCry1AもしくはCry1Fタンパク質およびCry2AaもしくはCry2AbもしくはCry2Aeタンパク質で構成された二成分毒素(米国特許出願第12/214022号明細書および欧州特許出願公開第2 300 618号明細書);または
3)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の異なる殺虫性結晶タンパク質の部分を含むハイブリッド殺虫性タンパク質、例えば上記の1)のタンパク質のハイブリッドまたは上記の2)のタンパク質のハイブリッド、例えばトウモロコシイベントMON89034によって産生されるCry1A.105タンパク質(国際公開第07/027777号パンフレット);または
4)標的昆虫種に対するより高い殺虫活性を得るためおよび/または影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するため、および/またはクローニングもしくは形質転換中にコードDNAで誘導される変化により、いくつかの、特に1~10個のアミノ酸が別のアミノ酸によって置き換えられているポイント1)~3)のいずれか1つのタンパク質、例えばトウモロコシイベントMON863もしくはMON88017のCry3Bb1タンパク質、またはトウモロコシイベントMIR604のCry3Aタンパク質;または
5)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)もしくはバチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の殺虫性分泌タンパク質またはその殺虫性部分、例えばhttp://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.htmlに列挙されている栄養性殺虫性タンパク質(VIP)、例えばVIP3Aaタンパク質クラスのタンパク質;または
6)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)またはバチルス・セレウス(B.cereus)由来の第2の分泌タンパク質の存在下で殺虫性となるバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)またはバチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の分泌タンパク質、例えばVIP1AおよびVIP2Aタンパク質で構成される二成分毒素(国際公開第94/21795号パンフレット);または
7)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)またはバチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の異なる分泌タンパク質の部分を含むハイブリッド殺虫性タンパク質、例えば上記の1)のタンパク質のハイブリッドまたは上記の2)のタンパク質のハイブリッド;または
8)(まだ殺虫性タンパク質をコードするが)標的昆虫種に対するより高い殺虫活性を得るためおよび/または影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するため、および/またはクローニングもしくは形質転換中にコードDNAに導入される変化により、いくつかの、特に1~10個のアミノ酸が別のアミノ酸によって置き換えられているポイント5)~7)のいずれか1つのタンパク質、例えばワタイベントCOT102のVIP3Aaタンパク質;または
9)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の結晶タンパク質の存在下で殺虫性となるバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)またはバチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の分泌タンパク質、例えばVIP3およびCry1AもしくはCry1Fで構成される二成分毒素(米国特許出願第61/126083号明細書および同第61/195019号明細書)またはVIP3タンパク質およびCry2AaもしくはCry2AbもしくはCry2Aeタンパク質で構成される二成分毒素(米国特許出願第12/214022号明細書および欧州特許第2 300 618号明細書);または
10)(まだ殺虫性タンパク質をコードするが)標的昆虫種に対するより高い殺虫活性を得るためおよび/または影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するため、および/またはクローニングもしくは形質転換中にコードDNAに導入される変化により、いくつかの、特に1~10個のアミノ酸が別のアミノ酸によって置き換えられている上記の9)によるタンパク質。
【0150】
当然のことながら、本明細書中で使用される昆虫耐性トランスジェニック植物は、上記クラス1~10のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組み合わせを含む任意の植物も含む。一実施形態では、昆虫耐性植物が、様々な標的昆虫種を標的とする様々なタンパク質を使用する場合に影響を受ける標的昆虫種の範囲を広げるために、または同じ標的昆虫種に殺虫性であるが、昆虫の異なる受容体結合部位への結合などの異なる作用様式を有する様々なタンパク質を使用する場合に植物への昆虫耐性の発達を遅らせるための、上記クラス1~10のいずれか1つのタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含む。
【0151】
本文脈において、「昆虫耐性トランスジェニック植物」はまた、例えば、国際公開第07/080126号パンフレット、国際公開第06/129204号パンフレット、国際公開第07/074405号パンフレット、国際公開第07/080127号パンフレットおよび国際公開第07/035650号パンフレットに記載されている、発現された場合、植物害虫によって摂取されると、この害虫の成長を阻害する二本鎖RNAを産生する配列を含む少なくとも1つの導入遺伝子を含む任意の植物も含む。
【0152】
本発明により同様に処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)は、非生物的ストレス因子に耐性である。このような植物は、遺伝子形質転換によって、またはこのようなストレス耐性を付与する突然変異を含有する植物の選択によって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物には以下が含まれる:
1)国際公開第00/04173号パンフレット、国際公開第06/045633号パンフレット、欧州特許出願公開第1 807 519号明細書または欧州特許出願公開第2 018 431号明細書に記載されている植物細胞または植物でポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現および/または活性を低下させることができる導入遺伝子を含む植物;
2)例えば国際公開第04/090140号パンフレットに記載される、植物または植物細胞のPARGコード遺伝子の発現および/または活性を低下させることができるストレス耐性増強導入遺伝子を含む植物;
3)例えば欧州特許出願公開第1 794 306号明細書、国際公開第06/133827号パンフレット、国際公開第07/107326号パンフレット、欧州特許第1 999 263号明細書または国際公開第07/107326号パンフレットに記載される、ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼまたはニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを含むニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ生合成経路の植物機能性酵素をコードするストレス耐性増強導入遺伝子を含有する植物。
【0153】
本発明により同様に処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)は、収穫産物の量、品質および/または貯蔵安定性の変化ならびに/あるいは収穫産物の特定の成分の特性の変化を示す、例えば:
1)物理化学的特性、特にアミロース含有量またはアミロース/アミロペクチン比、分岐度、平均鎖長、側鎖分布、粘度挙動、ゲル化強度、デンプン顆粒サイズおよび/またはデンプン顆粒形態が、野生型植物細胞または植物における合成デンプンと比較して変化しており、結果としてこの変性デンプンが特定の用途により適している、変性デンプンを合成するトランスジェニック植物。変性デンプンを合成するこれらのトランスジェニック植物は、例えば、欧州特許出願公開第0 571 427号明細書、国際公開第95/04826号パンフレット、欧州特許出願公開第0 719 338号明細書、国際公開第96/15248号パンフレット、国際公開第96/19581号パンフレット、国際公開第96/27674号パンフレット、国際公開第97/11188号パンフレット、国際公開第97/26362号パンフレット、国際公開第97/32985号パンフレット、国際公開第97/42328号パンフレット、国際公開第97/44472号パンフレット、国際公開第97/45545号パンフレット、国際公開第98/27212号パンフレット、国際公開第98/40503号パンフレット、国際公開第99/58688号パンフレット、国際公開第99/58690号パンフレット、国際公開第99/58654号パンフレット、国際公開第00/08184号パンフレット、国際公開第00/08185号パンフレット、国際公開第00/08175号パンフレット、国際公開第00/28052号パンフレット、国際公開第00/77229号パンフレット、国際公開第01/12782号パンフレット、国際公開第01/12826号パンフレット、国際公開第02/101059号パンフレット、国際公開第03/071860号パンフレット、国際公開第04/056999号パンフレット、国際公開第05/030942号パンフレット、国際公開第05/030941号パンフレット、国際公開第05/095632号パンフレット、国際公開第05/095617号パンフレット、国際公開第05/095619号パンフレット、国際公開第2005/095618号パンフレット、国際公開第05/123927号パンフレット、国際公開第06/018319号パンフレット、国際公開第06/103107号パンフレット、国際公開第06/108702号パンフレット、国際公開第07/009823号パンフレット、国際公開第00/22140号パンフレット、国際公開第06/063862号パンフレット、国際公開第06/072603号パンフレット、国際公開第02/034923号パンフレット、国際公開第08/017518号パンフレット、国際公開第08/080630号パンフレット、国際公開第08/080631号パンフレット、国際公開第08/090008号パンフレット、国際公開第01/14569号パンフレット、国際公開第02/79410号パンフレット、国際公開第03/33540号パンフレット、国際公開第04/078983号パンフレット、国際公開第01/19975号パンフレット、国際公開第95/26407号パンフレット、国際公開第96/34968号パンフレット、国際公開第98/20145号パンフレット、国際公開第99/12950号パンフレット、国際公開第99/66050号パンフレット、国際公開第99/53072号パンフレット、米国特許第6,734,341号明細書、国際公開第00/11192号パンフレット、国際公開第98/22604号パンフレット、国際公開第98/32326号パンフレット、国際公開第01/98509号パンフレット、国際公開第01/98509号パンフレット、国際公開第05/002359号パンフレット、米国特許第5,824,790号明細書、米国特許第6,013,861号明細書、国際公開第94/04693号パンフレット、国際公開第94/09144号パンフレット、国際公開第94/11520号パンフレット、国際公開第95/35026号パンフレット、国際公開第97/20936号パンフレット、国際公開第10/012796号パンフレット、国際公開第10/003701号パンフレット、国際公開第13/053729号パンフレット、国際公開第13/053730号パンフレットに開示されている。
2)非デンプン炭水化物ポリマーを合成する、または遺伝子改変を有さない野生型植物と比較して変化した特性を有する非デンプン炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物(例えば、国際公開第2015044209号パンフレット)。例には、特に欧州特許出願公開第0 663 956号明細書、国際公開第96/01904号パンフレット、国際公開第96/21023号パンフレット、国際公開第98/39460号パンフレットおよび国際公開第99/24593号パンフレットに記載される、イヌリンおよびレバン型のポリフルクトースを産生する植物、国際公開第95/31553号パンフレット、米国特許出願公開第2002031826号明細書、米国特許第6,284,479号明細書、米国特許第5,712,107号明細書、国際公開第97/47806号パンフレット、国際公開第97/47807号パンフレット、国際公開第97/47808号パンフレットおよび国際公開第00/14249号パンフレットに記載される、α-1,4-グルカンを産生する植物、国際公開第00/73422号パンフレットに記載されるα-1,6-分岐α-1,4-グルカンを産生する植物、ならびに国際公開第00/47727号パンフレット、国際公開第00/73422号パンフレット、米国特許第5,908,975号明細書および欧州特許出願公開第0 728 213号明細書に記載される、アルテルナンを産生する植物がある。
3)例えば国際公開第06/032538号パンフレット、国際公開第07/039314号パンフレット、国際公開第07/039315号パンフレット、国際公開第07/039316号パンフレット、特開2006-304779および国際公開第05/012529号パンフレットに記載される、ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物。
4)米国特許出願第12/020,360号明細書に記載される、「高可溶性固形物含量」、「マイルド」(辛味が少ない、LP)および/または「長期保存」(LS)などの特徴を有する球根などのトランスジェニック植物またはハイブリッド植物。
5)例えば、国際公開第11/095528号パンフレット、国際公開第2014161908号パンフレット、国際公開第2015032428号パンフレットまたは国際公開第2015117265号パンフレットに開示される、収量増加を示すトランスジェニック植物。
6)国際公開第2013156204号パンフレット、国際公開第2013120781号パンフレット、国際公開第2014090968号パンフレット、国際公開第2014049002号パンフレット、国際公開第2014079896号パンフレット、国際公開第2014118150号パンフレット、国際公開第2015040098号パンフレットに記載される、改善された特性を有する果実または野菜を提供するトランスジェニック植物を含む植物。
【0154】
本発明により同様に処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができる)は、変化した繊維特性を有するワタ植物などの植物である。このような植物は、遺伝的形質転換によって、またはこのような変化した繊維特性を付与する突然変異を含む植物の選択によって得ることができ、このような植物には以下が含まれる:
a)国際公開第98/00549号パンフレットに記載される改変型のセルロースシンターゼ遺伝子を含有するワタ植物などの植物、
b)国際公開第04/053219号パンフレットに記載される改変型のrsw2またはrsw3相同核酸を含有するワタ植物などの植物;
c)国際公開第01/17333号パンフレットに記載されるスクロースリン酸シンターゼの発現が増加したワタ植物などの植物;
d)国際公開第02/45485号パンフレットに記載されるスクロースシンターゼの発現が増加したワタ植物などの植物;
e)例えば、国際公開第05/017157号パンフレットまたは国際公開第09/143995号パンフレットに記載される繊維選択的β-1,3-グルカナーゼの下方制御を通して、繊維細胞を基準とした原形質連絡ゲーティングのタイミングが変化しているワタ植物などの植物;
f)例えば、国際公開第06/136351号パンフレット、国際公開第2011/089021号パンフレット、国際公開第2011/089021号パンフレット、国際公開第2012/074868号パンフレットおよび国際公開第2015140191号パンフレットに記載されるnodCおよびキチンシンターゼ遺伝子を含むN-アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現を通して、反応性が変化した繊維を有するワタ植物などの植物。
【0155】
本発明により同様に処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができる)は、変化した油プロファイル特性を有するアブラナまたは関連アブラナ科植物などの植物である。このような植物は、遺伝的形質転換によって、またはこのような変化した油特性を付与する突然変異を含む植物の選択によって得ることができ、このような植物には以下が含まれる:
a)例えば、米国特許第5,969,169号明細書、米国特許第5,840,946号明細書、米国特許第6,323,392号明細書、米国特許第6,063,947号明細書または国際公開第2014006158号パンフレット、国際公開第2014006159号パンフレット、国際公開第2014006162号パンフレットに記載される、高オレイン酸含量を有する油を産生するアブラナ植物などの植物;
b)米国特許第6,270,828号明細書、米国特許第6,169,190号明細書または米国特許第5,965,755号明細書、国際公開第2011/060946号パンフレットに記載される、低リノレン酸含量を有する油を産生するアブラナ植物などの植物;
c)例えば米国特許第5,434,283号明細書または米国特許出願第12/668303号明細書または国際公開第2014006158号パンフレット、国際公開第2014006159号パンフレットに記載される、低含有量の飽和脂肪酸を有する油を産生するアブラナ植物などの植物。
【0156】
本発明により同様に処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができる)は、変化した種子散乱特性を有するアブラナまたは関連アブラナ科植物などの植物である。このような植物は、遺伝子形質転換によって、またはこのような改変された種子散乱特性を付与する突然変異を含有する植物の選択によって得ることができる;これらには米国特許出願第61/135230号明細書、国際公開第09/068313号パンフレットおよび国際公開第10/006732号パンフレットに記載される種子散乱が遅延または減少したアブラナ植物が含まれる。
【0157】
本発明により同様に処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができる)は、例えば国際公開第10/121818号パンフレットおよび国際公開第10/145846号パンフレットに記載される変化した翻訳後タンパク質修飾パターンを有するタバコ植物などの植物である。
【0158】
本発明により処理することができるトランスジェニック有用植物は、好ましくは、形質転換イベントまたは形質転換イベントの組み合わせを含み、例えば、種々の国または地域の登録機関のデータベースに列挙されている植物であり、イベント531/PV-GHBK04(ワタ、昆虫防除、国際公開第2002/040677号パンフレットに記載);イベント1143-14A(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、国際公開第06/128569号パンフレットに記載);イベント1143-51B(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、国際公開第06/128570号パンフレットに記載);イベント1445(ワタ、除草剤耐性、寄託されていない、米国特許出願公開第2002-120964号明細書または国際公開第02/034946号パンフレットに記載);イベント17053(イネ、除草剤耐性、PTA-9843として寄託、国際公開第10/117737号パンフレットに記載);イベント17314(イネ、除草剤耐性、PTA-9844として寄託、国際公開第10/117735号パンフレットに記載);イベント281-24-236(ワタ、昆虫防除-除草剤耐性、PTA-6233として寄託、国際公開第05/103266号パンフレットまたは米国特許出願公開第2005-216969号明細書に記載);イベント3006-210-23(ワタ、昆虫防除-除草剤耐性、PTA-6233として寄託、米国特許出願公開第2007-143876号明細書または国際公開第05/103266号パンフレットに記載);イベント3272(トウモロコシ、品質形質、PTA-9972として寄託、国際公開第06098952号パンフレットまたは米国特許出願公開第2006-230473号明細書に記載);イベント40416(トウモロコシ、昆虫防除-除草剤耐性、ATCC PTA-11508として寄託、国際公開第11/075593号パンフレットに記載);イベント43A47(トウモロコシ、昆虫防除-除草剤耐性、ATCC PTA-11509として寄託、国際公開第11/075595号パンフレットに記載);イベント5307(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC PTA-9561として寄託、国際公開第10/077816号パンフレットに記載);イベントASR-368(ベントグラス、除草剤耐性、ATCC PTA-4816として寄託、米国特許出願公開第2006-162007号明細書または国際公開第04/053062号パンフレットに記載);イベントB16(トウモロコシ、除草剤耐性、寄託されていない、米国特許出願公開第2003-126634号明細書に記載);イベントBPS-CV127-9(ダイズ、除草剤耐性、NCIMB番号41603として寄託、国際公開第10/080829号パンフレットに記載);イベントBLR1(アブラナ植物、雄性不稔の再栽培、NCIMB 41193として寄託、国際公開第2005/074671号パンフレットに記載)、イベントCE43-67B(ワタ、昆虫防除、DSM ACC2724として寄託、米国特許出願公開第2009-217423号明細書または国際公開第06/128573号パンフレットに記載);イベントCE44-69D(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、米国特許出願公開第2010-0024077号明細書に記載);イベントCE44-69D(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、国際公開第06/128571号パンフレットに記載);イベントCE46-02A(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、国際公開第06/128572号パンフレットに記載);イベントCOT102(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、米国特許出願公開第2006-130175号明細書または国際公開第04/039986号パンフレットに記載);イベントCOT202(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、米国特許出願公開第2007-067868号明細書または国際公開第05/054479号パンフレットに記載);イベントCOT203(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、国際公開第05/054480号パンフレットに記載);イベントDAS21606-3/1606(ダイズ、除草剤耐性、PTA-11028として寄託、国際公開第012/033794号パンフレットに記載)、イベントDAS40278(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC PTA-10244として寄託、国際公開第11/022469号パンフレットに記載);イベントDAS-44406-6/pDAB8264.44.06.1(ダイズ、除草剤耐性、PTA-11336として寄託、国際公開第2012/075426号パンフレットに記載)、イベントDAS-14536-7/pDAB8291.45.36.2(ダイズ、除草剤耐性、PTA-11335として寄託、国際公開第2012/075429号パンフレットに記載)、イベントDAS-59122-7(トウモロコシ、昆虫防除-除草剤耐性、ATCC PTA 11384として寄託、米国特許出願公開第2006-070139号明細書に記載);イベントDAS-59132(トウモロコシ、昆虫防除-除草剤耐性、寄託されていない、国際公開第09/100188号パンフレットに記載);イベントDAS68416(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA-10442として寄託、国際公開第11/066384号パンフレットまたは国際公開第11/066360号パンフレットに記載);イベントDP-098140-6(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC PTA-8296として寄託、米国特許出願公開第2009-137395号明細書または国際公開第08/112019号パンフレットに記載);イベントDP-305423-1(ダイズ、品質形質、寄託されていない、米国特許出願公開第2008-312082号明細書または国際公開第08/054747号パンフレットに記載);イベントDP-32138-1(トウモロコシ、ハイブリッド系、ATCC PTA-9158として寄託、米国特許出願公開第2009-0210970号明細書または国際公開第09/103049号パンフレットに記載);イベントDP-356043-5(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA-8287として寄託、米国特許出願公開第2010-0184079号明細書または国際公開第08/002872号パンフレットに記載);イベントEE-1(ナス、昆虫防除、寄託されていない、国際公開第07/091277号パンフレットに記載);イベントFI117(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209031として寄託、米国特許出願公開第2006-059581号明細書または国際公開第98/044140号パンフレットに記載);イベントFG72(ダイズ、除草剤耐性、PTA-11041として寄託、国際公開第2011/063413号パンフレットに記載)、イベントGA21(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209033として寄託、米国特許出願公開第2005-086719号明細書または国際公開第98/044140号パンフレットに記載);イベントGG25(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209032として寄託、米国特許出願公開第2005-188434号明細書または国際公開第98/044140号パンフレットに記載);
イベントGHB119(ワタ、昆虫防除-除草剤耐性、ATCC PTA-8398として寄託、国際公開第08/151780号パンフレットに記載);イベントGHB614(ワタ、除草剤耐性、ATCC PTA-6878として寄託、米国特許出願公開第2010-050282号明細書または国際公開第07/017186号パンフレットに記載);イベントGJ11(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209030として寄託、米国特許出願公開第2005-188434号明細書または国際公開第98/044140号パンフレットに記載);イベントGM RZ13(テンサイ、ウイルス耐性、NCIMB-41601として寄託、国際公開第10/076212号パンフレットに記載);イベントH7-1(テンサイ、除草剤耐性、NCIMB 41158またはNCIMB 41159として寄託、米国特許出願公開第2004-172669号明細書または国際公開第04/074492号パンフレットに記載);イベントJOPLIN1(コムギ、真菌耐性、寄託されていない、米国特許出願公開第2008-064032号明細書に記載);イベントLL27(ダイズ、除草剤耐性、NCIMB41658として寄託、国際公開第06/108674号パンフレットまたは米国特許出願公開第2008-320616号明細書に記載);イベントLL55(ダイズ、除草剤耐性、NCIMB 41660として寄託、国際公開第06/108675号パンフレットまたは米国特許出願公開第2008-196127号明細書に記載);イベントLLcotton25(ワタ、除草剤耐性、ATCC PTA-3343として寄託、国際公開第03/013224号パンフレットまたは米国特許出願公開第2003-097687号明細書に記載);イベントLLRICE06(イネ、除草剤耐性、ATCC-23352として寄託、米国特許第6,468,747号明細書または国際公開第00/026345号パンフレットに記載);イベントLLRice62(イネ、除草剤耐性、ATCC-203352として寄託、国際公開第00/026345号パンフレットに記載);イベントLLRICE601(イネ、除草剤耐性、ATCC PTA-2600として寄託、米国特許出願公開第2008-2289060号明細書または国際公開第00/026356号パンフレットに記載);イベントLY038(トウモロコシ、品質形質、ATCC PTA-5623として寄託、米国特許出願公開第2007-028322号明細書または国際公開第05/061720号パンフレットに記載);イベントMIR162(トウモロコシ、昆虫防除、PTA-8166として寄託、米国特許出願公開第2009-300784号明細書または国際公開第07/142840号パンフレットに記載);イベントMIR604(トウモロコシ、昆虫防除、寄託されていない、米国特許出願公開第2008-167456号明細書または国際公開第05/103301号パンフレットに記載);イベントMON15985(ワタ、昆虫防除、ATCC PTA-2516として寄託、米国特許第2004-250317号明細書または国際公開第02/100163号パンフレットに記載);イベントMON810(トウモロコシ、昆虫防除、寄託されていない、米国特許出願公開第2002-102582号明細書に記載);イベントMON863(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC PTA-2605として寄託、国際公開第04/011601号パンフレットまたは米国特許出願公開第2006-095986号明細書に記載);イベントMON87427(トウモロコシ、受粉制御、ATCC PTA-7899として寄託、国際公開第11/062904号パンフレットに記載);イベントMON87460(トウモロコシ、ストレス耐性、ATCC PTA-8910として寄託、国際公開第09/111263号パンフレットまたは米国特許出願公開第2011-0138504号明細書に記載);イベントMON87701(ダイズ、昆虫防除、ATCC PTA-8194として寄託、米国特許出願公開第2009-130071号明細書または国際公開第09/064652号パンフレットに記載);イベントMON87705(ダイズ、品質形質-除草剤耐性、ATCC PTA-9241として寄託、米国特許出願公開第2010-0080887号明細書または国際公開第10/037016号パンフレットに記載);イベントMON87708(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA-9670として寄託、国際公開第11/034704号パンフレットに記載);イベントMON87712(ダイズ、収量、ATCC PTA-10296として寄託、国際公開第12/051199号パンフレットに記載);イベントMON87754(ダイズ、品質形質、ATCC PTA-9385として寄託、国際公開第10/024976号パンフレットに記載);イベントMON87769(ダイズ、品質形質、ATCC PTA-8911として寄託、米国特許出願公開第2011-0067141号明細書または国際公開第09/102873号パンフレットに記載);
イベントMON88017(トウモロコシ、昆虫防除-除草剤耐性、ATCC PTA-5582として寄託、米国特許出願公開第2008-028482号明細書または国際公開第05/059103号パンフレットに記載);イベントMON88913(ワタ、除草剤耐性、ATCC PTA-4854として寄託、国際公開第04/072235号パンフレットまたは米国特許出願公開第2006-059590号明細書に記載);イベントMON88302(アブラナ植物、除草剤耐性、PTA-10955として寄託、国際公開第2011/153186号パンフレットに記載);イベントMON88701(ワタ、除草剤耐性、PTA-11754として寄託、国際公開第2012/134808号パンフレットに記載);イベントMON89034(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC PTA-7455として寄託、国際公開第07/140256号パンフレットまたは米国特許出願公開第2008-260932号明細書に記載);イベントMON89788(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA-6708として寄託、米国特許出願公開第2006-282915号明細書または国際公開第06/130436号パンフレットに記載);イベントMS11(アブラナ、受粉制御-除草剤耐性、ATCC PTA-850またはPTA-2485として寄託、国際公開第01/031042号パンフレットに記載);イベントMS8(アブラナ、受粉制御-除草剤耐性、ATCC PTA-730として寄託、国際公開第01/041558号パンフレットまたは米国特許出願公開第2003-188347号明細書に記載);イベントNK603(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC PTA-2478として寄託、米国特許出願公開第2007-292854号明細書に記載);イベントPE-7(イネ、昆虫防除、寄託されていない、国際公開第08/114282号パンフレットに記載);イベントRF3(アブラナ、受粉制御-除草剤耐性、ATCC PTA-730として寄託、国際公開第01/041558号パンフレットまたは米国特許出願公開第2003-188347号明細書に記載);イベントRT73(アブラナ、除草剤耐性、寄託されていない、国際公開第02/036831号パンフレットまたは米国特許出願公開第2008-070260号明細書に記載);イベントSYHT0H2/SYN-00H2-5(ダイズ、除草剤耐性、PTA-11226として寄託、国際公開第2012/082548号パンフレットに記載);イベントT227-1(テンサイ、除草剤耐性、寄託されていない、国際公開第02/44407号パンフレットまたは米国特許出願公開第2009-265817号明細書に記載);イベントT25(トウモロコシ、除草剤耐性、寄託されていない、米国特許出願公開第2001-29014号明細書または国際公開第01/051654号パンフレットに記載);イベントT304-40(ワタ、昆虫防除-除草剤耐性、ATCC PTA-8171として寄託、米国特許出願公開第2010-077501号明細書または国際公開第08/122406号パンフレットに記載);イベントT342-142(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、国際公開第06/128568号パンフレットに記載);イベントTC1507(トウモロコシ、昆虫防除-除草剤耐性、寄託されていない、米国特許出願公開第2005-039226号明細書または国際公開第04/099447号パンフレットに記載);イベントVIP1034(トウモロコシ、昆虫防除-除草剤耐性、ATCC PTA-3925として寄託、国際公開第03/052073号パンフレットに記載);イベント32316(トウモロコシ、昆虫防除-除草剤耐性、PTA-11507として寄託、国際公開第11/084632号パンフレットに記載);イベント4114(トウモロコシ、昆虫防除-除草剤耐性、PTA-11506として寄託、国際公開第11/084621号パンフレットに記載);イベントEE-GM3/FG72(ダイズ、除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-11041、国際公開第2011/063413号パンフレット);イベントDAS-68416-4(ダイズ、除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-10442、国際公開第2011/066360号パンフレット);イベントDAS-68416-4(ダイズ、除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-10442、国際公開第2011/066384号パンフレット);イベントDP-040416-8(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC受託番号PTA-11508、国際公開第2011/075593号パンフレット);イベントDP-043A47-3(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC受託番号PTA-11509、国際公開第2011/075595号パンフレット)、イベントDP-004114-3(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC受託番号PTA-11506、国際公開第2011/084621号パンフレット);イベントDP-032316-8(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC受託番号PTA-11507、国際公開第2011/084632号パンフレット);イベントMON-88302-9(アブラナ植物、除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-10955、国際公開第2011/153186号パンフレット);イベントDAS-21606-3(ダイズ、除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-11028、国際公開第2012/033794号パンフレット);
イベントMON-87712-4(ダイズ植物、品質形質、ATCC受託番号PTA-10296、国際公開第2012/051199号パンフレット);イベントDAS-44406-6(ダイズ、スタッキング除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-11336、国際公開第2012/075426号パンフレット);イベントDAS-14536-7(ダイズ、スタッキング除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-11335、国際公開第2012/075429号パンフレット);イベントSYN-000H2-5(ダイズ、スタッキング除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-11226、国際公開第2012/082548号パンフレット);イベントDP-061061-7(アブラナ植物、除草剤耐性、寄託されていない、国際公開第2012071039号パンフレット);イベントDP-073496-4(アブラナ植物、除草剤耐性、寄託されていない、米国特許出願公開第2012131692号明細書);イベント8264.44.06.1(ダイズ、スタッキング除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-11336、国際公開第2012075426号パンフレット);イベント8291.45.36.2(ダイズ、スタッキング除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-11335、国際公開第2012075429号パンフレット);イベントSYHT0H2(ダイズ、ATCC受託番号PTA-11226、国際公開第2012/082548号パンフレット);イベントMON88701(ワタ、ATCC受託番号PTA-11754、国際公開第2012/134808号パンフレット);イベントKK179-2(アルファルファ、ATCC受託番号PTA-11833、国際公開第2013003558号パンフレット);イベントpDAB8264.42.32.1(ダイズ、スタッキング除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-11993、国際公開第2013010094号パンフレット);イベントMZDT09Y(トウモロコシ、ATCC受託番号PTA-13025、国際公開第2013012775号パンフレット);イベントKK179-2(アルファルファ、ATCC受託番号PTA-11833、国際公開第2013003558号パンフレット);イベントpDAB8264.42.32.1(ダイズ、スタッキング除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-1 1993、国際公開第2013010094号パンフレット);イベントMZDT09Y(トウモロコシ、ATCC受託番号PTA-13025、国際公開第2013012775号パンフレット);イベントVCO-01981-5(トウモロコシ、除草剤耐性、NCIMB受託番号41842、国際公開第2013014241号パンフレット);イベントDAS-81419-2 X DAS-68416-4(ダイズ、スタッキング昆虫耐性および除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-10442、国際公開第2013016516号パンフレット);イベントDAS-81419-2(ダイズ、スタッキング昆虫耐性および除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-12006、国際公開第2013016527号パンフレット);イベントHCEM485(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-12014、国際公開第2013025400号パンフレット);イベントpDAB4468.18.07.1(ワタ、除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-12456、国際公開第2013112525号パンフレット);イベントpDAB4468.19.10.3(ワタ、除草剤耐性、ATCC受託番号PTA-12457、国際公開第2013112527号パンフレット)を含む。
【0159】
以下の実施例は、本発明を詳細に例示する。
【0160】
A.化学的実施例
実施例2-5:5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジチイン-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-8-カルボキサミドの合成
【化21】
0℃で、塩化チオニル0.28ml(3.9mmol)を、アセトニトリル10ml中5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジチイン-7-カルボン酸840mg(3mmol)、1-メチル-1H-イミダゾール1.2g(15mmol)および5-アミノ-1-メチルテトラゾール450mg(4.5mmol)に滴加する。室温で24時間後、水および2N塩酸を添加し、混合物を酢酸エチルで希釈する。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、得られた残渣をRP-HPLCカラムクロマトグラフィーによって精製する。収量0.293g(収率27%)。
中間体2-5A:メチル5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジチイン-7-カルボキシレートの合成
DMF25ml中メチル2,3-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゾエート2g(8.3mmol)、エタンジチオール0.84ml(10mmol)および炭酸カリウム3.34g(24mmol)の混合物を、RTで20時間および80℃で2時間撹拌する。次いで、混合物を酢酸エチルで希釈し、2N塩酸(3x)、飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を乾燥させ、濃縮する。収量2.24g。
中間体2-5B:5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジチイン-7-カルボン酸の合成
2N水酸化ナトリウム水溶液12mlを、メタノール30ml中メチル5-(トリフルオロ-メチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジチイン-7-カルボキシレート2.85g(9.68mmol)に添加し、混合物を80℃で4時間加熱する。次いで、メタノールをロータリーエバポレーターで実質的に除去し、混合物を酢酸エチルで洗浄し、水相を2N塩酸で酸性化する。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮する。収量2.25g(収率83%)。
【0161】
実施例2-13:5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾキサチイン-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-8-カルボキサミドの合成
【化22】
塩化チオニル1ml(14mmol)を、アセトニトリル10ml中5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾキサチイン-7-カルボン酸2.5g(7.5mmol、純度:79%)、1-メチル-1H-イミダゾール2.7g(33.6mmol)および5-アミノ-1-メチルテトラゾール1.17g(11.2mmol)に滴加する。室温(RT)で24時間後、水および2N塩酸を添加し、混合物を酢酸エチルで希釈する。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、得られた残渣を酢酸イソプロピルで洗浄する。収量1.65g。
中間体2-13A:5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾキサチイン-7-カルボン酸の合成
アセトニトリル20ml中2-ヒドロキシ-3-メルカプト-4-(トリフルオロメチル)安息香酸3.3 g(12.2mmol、純度:88%)、トリブチルアミン8.7ml(36.6mmol)および1,2-ジブロモエタン2.98g(15.8 mmol)の混合物をRTで30分間および70℃で1時間撹拌する。次いで、混合物を10%濃度の水酸化ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出する。水相を塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出する。有機相を乾燥させ、濃縮する。収量3.15g(純度:79%)。
【0162】
実施例2-17:5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾキサチイン-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-8-カルボキサミド4-オキシドの合成
【化23】
硫酸100mgおよび過酸化水素(30%濃度)0.5ml(4.9mmol)を、アセトニトリル7ml中5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾキサチイン-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-8-カルボキサミド360mg(1mmol)に添加し、次いで、出発物質が検出できなくなるまで混合物を50℃に加熱する。次いで、混合物を酢酸エチルで希釈し、亜硫酸水素ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。乾燥した有機相を濃縮し、少量のアセトニトリルを残渣に添加し、結晶を吸引濾別する。収量314mg。
【0163】
実施例2-20:5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾキサチイン-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-8-カルボキサミド4,4-ジオキシドの合成
【化24】
少しずつ、過マンガン酸カリウム790mg(5mmol)を、酢酸20mlと水2mlの混合物中5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾキサチイン-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-8-カルボキサミド410mg(1.2mmol)に添加する。次いで、混合物を水80mlに添加し、亜硫酸水素ナトリウム溶液を使用して過剰の過マンガン酸塩および二酸化マンガンを還元する。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮する。得られた結晶を、吸引濾過した後、ヘプタンで洗浄する。収量335mg。
【0164】
実施例3-13:5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾキサチイン-N-(1-エチルテトラゾール-5-イル)-8-カルボキサミドの合成
【化25】
塩化オキサリル0.20ml(2.3mmol)を、アセトニトリル4ml中5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾキサチイン-7-カルボン酸600mg(1.6mmol、純度:70%)、1-メチル-1H-イミダゾール1.0g(12.5mmol)、ピリジン1.3ml(15.9mmol)および5-アミノ-1-エチルテトラゾール255mg(2.2mmol)に滴加する。RTで24時間後、水および2N塩酸を添加し、混合物を酢酸エチルで希釈する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、得られた残渣をカラム(移動相:ヘプタン/酢酸エチル:1/1)で濾過する。生成物画分を濃縮した後、得られた固体をヘプタンで洗浄する。収量368mg。
【0165】
開示する実施例のNMRデータは、従来の形式(δ値、水素原子の数、多重項分裂)またはいわゆるNMRピークリストとして列挙する。NMRピークリスト法では、選択される実施例のNMRデータをNMRピークリストの形式で記録し、各シグナルピークについて、最初にδ値(ppm)、次いで、スペースで区切って、シグナル強度を列挙する。異なるシグナルピークについてのδ値/シグナル強度数のペアを、セミコロンによって互いに区切って列挙する。
【0166】
そのため、ある例についてのピークリストは、以下の形態をとる:
δ1(強度1);δ2(強度2);……..;δi(強度i);……..;δn(強度n)。
【0167】
シャープなシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された実施例のシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の正確な比を示す。ブロードなシグナルの場合、数個のピークまたはシグナルの中央とその強度をスペクトル中の最も強いシグナルと比較して示すことができる。
【0168】
1H NMRスペクトルの化学シフトの較正を、テトラメチルシランおよび/または特に、DMSOで測定されるスペクトルの場合、溶媒の化学シフトを用いて達成する。そのため、テトラメチルシランピークはNMRピークリストで生じ得るが生じる必要はない。
【0169】
1H NMRピークのリストは慣用的な1H NMRプリントアウトと同様であるので、通常は、慣用的なNMR解釈で列挙される全てのピークを含む。
【0170】
さらに、慣用的な1H NMRプリントアウトのように、これらは溶媒シグナル、同様に本発明によって提供される標的化合物の立体異性体のシグナル、および/または不純物のピークを示し得る。
【0171】
溶媒および/または水のδ範囲内の化合物シグナルを報告する場合、1H NMRピークのリストは、標準的な溶媒ピーク、例えば、DMSO-D6中DMSOのピークおよび水のピークを示し、これらは通常平均で高い強度を有する。
【0172】
このような立体異性体および/または不純物は特定の調製方法に固有のものであり得る。よって、そのピークは「副産物フィンガープリント」を参照した調製方法の再現の識別で役立ち得る。
【0173】
既知の方法(MestreC、ACDシミュレーション、但し経験的に評価した期待値も使用)によって標的化合物のピークを計算する専門家は、必要に応じて、場合によりさらなる強度フィルタを用いて、標的化合物のピークを単離することができる。この単離は慣用的な1H NMR解釈での関連ピークピッキングと同様であるだろう。
【0174】
1H NMRについてのさらなる詳細は、Research Disclosure Database Number 564025中に見出すことができる。
【0175】
【表8】
【0176】
B.製剤実施例
1.散粉製品
10重量部の式(I)の化合物と90重量部の不活性物質としてのタルクを混合し、混合物をハンマーミルで粉砕することによって散粉製品を得る。
【0177】
2.分散性粉末
25重量部の式(I)の化合物、64重量部の不活性物質としてのカオリン含有石英、10重量部のリグノスルホン酸カリウムおよび1重量部の湿潤剤および分散剤としてのオレオイルメチルタウリン酸ナトリウムを混合し、混合物をピン止めディスクミルで粉砕することによって、容易に水分散性の水和剤を得る。
【0178】
3.分散剤
20重量部の式(I)の化合物、6重量部のアルキルフェノールポリグリコールエーテル((登録商標)Triton X 207)、3重量部のイソトリデカノールポリグリコールエーテル(8EO)および71重量部のパラフィン系鉱物油(例えば、約255~277℃超の沸点範囲)を混合し、混合物を摩擦ボールミルで5ミクロン未満の繊度に粉砕することによって、容易に水分散性の分散剤を得る。
【0179】
4.乳剤
15重量部の式(I)の化合物、75重量部の溶媒としてのシクロヘキサノンおよび10重量部の乳化剤としてのエトキシル化ノニルフェノールから乳剤を得る。
【0180】
5.顆粒水和剤
75重量部の式(I)の化合物、
10重量部のリグノスルホン酸カルシウム、
5重量部のラウリル硫酸ナトリウム、
3重量部のポリビニルアルコールおよび
7重量部のカオリン
を混合し、
混合物をピン止めディスクミルで粉砕し、粉末を流動床中で造粒液として水を噴霧塗布することによって造粒することによって、顆粒水和剤を得る。
【0181】
25重量部の式(I)の化合物、
5重量部の2,2’-ジナフチルメタン-6,6’-ジスルホン酸ナトリウム、
2重量部のオレオイルメチルタウリン酸ナトリウム、
1重量部のポリビニルアルコール、
17重量部の炭酸カルシウムおよび
50重量部の水
をコロイドミルで均質化および予備粉砕し、次いで、混合物をヘッドミルで粉砕し、こうして得られた懸濁液を一相ノズルを用いて噴霧塔で霧化および乾燥することによっても、顆粒水和剤を得る。
【0182】
C.生物学的実施例
試験の説明
以下の表では、以下の略語を使用する:
望ましくない植物/雑草:
ABUTH:イチビ(Abutilon theophrasti) ALOMY ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)
AMARE:アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus) AVEFA:カラスムギ(Avena fatua)
CYPES:ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus) ECHCG:イヌビエ(Echinochloa crus-galli)
LOLMU:イタリアンライグラス(Lolium multiflorum) MATIN:イヌカミツレ(Matricaria inodora)
PHBPU:マルバアサガオ(Ipomoea purpurea) POLCO:ポリゴナム・コンボルブルス(Polygonum convolvulus)
SETVI:エノコログサ(Setaria viridis) STEME:コハコベ(Stellaria media)
VERPE:オオイヌノフグリ(Veronica persica) VIOTR:サンシキスミレ(Viola tricolor)
【0183】
1.出芽前の除草作用および作物植物適合性(出芽前、PE)
単子葉および双子葉雑草植物ならびに作物植物の種子を、プラスチックまたは有機植木鉢に入れ、土で覆う。次いで、水和剤(WP)の形態にまたは乳剤(EC)として製剤化された本発明の化合物を、0.5%の添加剤を添加して、600l/haの水施用量(換算)で水性懸濁液または乳濁液として、覆っている土の表面上に施用する。処理後、ポットを温室に入れ、試験植物のための良好な成長条件下に保つ。約3週間後、製剤の効果を百分率として未処理対照と比較して視覚的に点数化する。
【0184】
以下の表は、重要な有害植物に対する本発明による多数の化合物の除草活性を示している。例えば、100%活性=植物が枯れた、0%活性=対照植物と同様。
【0185】
【表9】
【0186】
【表10】
【0187】
【表11】
【0188】
【表12】
【0189】
【表13】
【0190】
【表14】
【0191】
【表15】
【0192】
【表16】
【0193】
【表17】
【0194】
【表18】
【0195】
【表19】
【0196】
【表20】
【0197】
【表21】
【0198】
【表22】
【0199】
【表23】
【0200】
【表24】
【0201】
【表25】
【0202】
【表26】
【0203】
比較実験では、例として、本発明による化合物番号2~13の除草活性を、国際公開第2013/076315号パンフレットから知られている化合物番号A-117の除草活性と比較した。ここで、本発明による化合物の優位性が、多数の有害植物に基づいて明確に実証された:
【0204】
【表27】
【0205】
2.出芽後の除草作用および作物植物適合性(出芽後、PO)
単子葉および双子葉雑草ならびに作物植物の種子を、プラスチックまたは有機植木鉢中砂壌土に入れ、土で覆い、制御された成長条件下温室で栽培する。播種の2~3週間後、試験植物を一葉段階で処理する。次いで、水和剤(WP)の形態にまたは乳剤(EC)として製剤化された本発明の化合物を、0.5%の添加剤を添加して、600l/haの水施用量(換算)で水性懸濁液または乳濁液として、植物の緑色部分に噴霧する。試験植物を最適な成長条件下温室中で約3週間保った後、製剤の活性を未処理対照と比較して視覚的に点数化する。以下の表は、重要な有害植物に対する本発明による多数の化合物の除草活性を示している。例えば、100%活性=植物が枯れた、0%活性=対照植物と同様。
【0206】
【表28】
【0207】
【表29】
【0208】
【表30】
【0209】
【表31】
【0210】
【表32】
【0211】
【表33】
【0212】
【表34】
【0213】
【表35】
【0214】
【表36】
【0215】
【表37】
【0216】
【表38】
【0217】
【表39】
【0218】
【表40】
【0219】
【表41】
【0220】
【表42】
【0221】
【表43】
【0222】
【表44】
【0223】
【表45】
【0224】
【表46】
【0225】
比較実験では、例として、本発明による化合物番号2~13の除草活性を、国際公開第2013/076315号パンフレットから知られている化合物番号A-117の除草活性と比較した。ここで、本発明による化合物の優位性が、多数の有害植物に基づいて明確に実証された。
【0226】
【表47】