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  • 特許-密封デバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】密封デバイス
(51)【国際特許分類】
   G04B 37/10 20060101AFI20230328BHJP
【FI】
G04B37/10 K
G04B37/10 C
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021088255
(22)【出願日】2021-05-26
(65)【公開番号】P2021196352
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2021-05-26
(31)【優先権主張番号】20179344.5
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508289992
【氏名又は名称】メコ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ガイザール
(72)【発明者】
【氏名】レミ・ティリ
(72)【発明者】
【氏名】エルヴェ・アヴリル
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ボナンファン
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-531875(JP,A)
【文献】特表2013-525802(JP,A)
【文献】特公昭47-030234(JP,B1)
【文献】特開平06-027254(JP,A)
【文献】特開2019-086514(JP,A)
【文献】特開昭61-256275(JP,A)
【文献】スイス国特許出願公開第00714989(CH,A3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 37/10,37/04
G04B 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計(200)の密封デバイス(100)であって、
前記腕時計のケース部分(210)に含まれる1次空間(201)に挿入されるように構成された密封デバイス(100)において、
- 前記1次空間(201)に挿入されるように構成された少なくとも1つの挿入機関(110)と、
- 前記ケース部分(210)と前記少なくとも1つの挿入機関(110)の間の前記1次空間(201)を密封するように構成された少なくとも1つの第1の密封要素セット(120)と、
- 前記少なくとも1つの挿入機関(110)を受け入れるように構成された2次空間(131)を含む少なくとも1つの駆動機関(130)と、
- 前記少なくとも1つの駆動機関(130)と前記少なくとも1つの挿入機関(110)の間の前記2次空間(131)を密封するように構成された少なくとも1つの第2の密封要素セット(140)とを備え、
前記少なくとも1つの第1の密封要素セット(120)は少なくとも1つの第1の密封要素(121)および少なくとも1つの第1の閉鎖機関(122)を備え、
前記少なくとも1つの第2の密封要素セット(140)は少なくとも1つの第2の密封要素(141)および少なくとも1つの第2の閉鎖機関(142)を備え、
前記少なくとも1つの第1の密封要素(121)と前記少なくとも1つの第2の密封要素(141)は、前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関(122)と前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関(142)よりも互いに接近している
密封デバイス(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの駆動機関(130)は前記少なくとも1つの第2の密封要素セット(140)を収容するように構成された空洞(134)を備える、請求項1に記載の密封デバイス(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの駆動機関(130)は、少なくとも1つの第1の位置(101)に保持され、前記少なくとも1つの第2の位置(102)において駆動し、少なくとも1つの第1の位置(101)と少なくとも1つの第2の位置(102)の間で変位するかまたは変位されるように構成されている、請求項1または2に記載の密封デバイス(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の位置(101)に前記少なくとも1つの駆動機関(130)を保持するように構成された少なくとも1つの保持機関(150)を備える、請求項3に記載の密封デバイス(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの保持機関(150)は、前記少なくとも1つの挿入機関(110)上に配設された少なくとも1つの保持要素(151)と、前記少なくとも1つの駆動機関(130)上に配設された少なくとも1つの保持部位(153)とを備え、前記少なくとも1つの保持要素(151)は、前記少なくとも1つの保持部位(153)と取り外し可能に協働するように構成されている、請求項4に記載の密封デバイス(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの挿入機関(110)は、前記少なくとも1つの駆動機関(130)が前記少なくとも1つの第1の位置(101)に保持されているとき、前記少なくとも1つの第2の密封要素(141)を前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関(142)と接触させるように構成されたベアリング面(113)を備える、請求項3~5のいずれか一項に記載の密封デバイス(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの駆動機関(130)と前記少なくとも1つの挿入機関(110)の間の前記2次空間(131)を密封し、かつ/または前記少なくとも1つの保持機関(150)の間隙を補償するように構成された戻し機関(160)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の密封デバイス(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの挿入機関(110)は、前記ケース部分(210)および/または前記少なくとも1つの駆動機関(130)と当接するように構成された橋台機関(114)を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の密封デバイス(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの挿入機関(110)は前記少なくとも1つの第1の密封要素セット(120)を支持するように構成された支持機関(112)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の密封デバイス(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1の密封要素セット(120)は前記支持機関(112)と前記橋台機関(114)の間に含まれる、請求項8を引用する場合の請求項9に記載の密封デバイス(100)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の密封デバイス(100)を備え、密封されるように構成された腕時計(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧における密封を可能にする腕時計用の密封デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の腕時計の龍頭は、ある特定の深度向けに設計されている。この深度を超えると、腕時計の様々な部品、特に龍頭にかかる強圧のために、腕時計の密封を保証するのが困難になる。
【0003】
その上に、市販の密封システムでは、前述のように密封が保証されない一方で、密封が確実であっても龍頭の操作性が損なわれ、操作が容易でないため、潜水マニアや専門の潜水夫は満足しない(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭61-256276号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、腕時計用の、望ましくは腕時計の密封デバイスに関し、前記密封デバイスは、中間部分に含まれる1次空間の中に挿入するように構成されており、
- 前記1次空間の中に挿入されるように構成された少なくとも1つの挿入機関と、
- 前記中間部分と前記少なくとも1つの挿入機関の間の1次空間を密封するように構成された少なくとも1つの第1の密封要素セットと、
- 前記少なくとも1つの挿入機関を受け入れるように構成された、2次空間を含む少なくとも1つの駆動機関と、
- 前記少なくとも1つの駆動機関と前記少なくとも1つの挿入機関の間の前記2次空間を密封するように構成された少なくとも1つの第2の密封要素セットと、を備える。
【0006】
この機構により、密封デバイスは腕時計を密封することができ、より詳細には、前記中間部分と前記少なくとも1つの挿入機関の間の前記1次空間と、前記少なくとも1つの駆動機関と前記少なくとも1つの挿入機関の間の前記2次空間とを、たとえば1500バール未満などの高圧に対して密封することができる。
【0007】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1の密封要素セットは、少なくとも1つの第1の密封要素および/または少なくとも1つの第1の閉鎖機関を備える。
【0008】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関は前記少なくとも1つの第1の密封要素よりも硬いものである。
【0009】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1の密封要素は第1の密封ガスケットである。
【0010】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関は、望ましくは前記1次空間における前記少なくとも1つの第1の密封要素の前記変位を妨げるために、前記1次空間における前記少なくとも1つの第1の密封要素の変位のすべてまたは一部を制限するように構成される。
【0011】
一実施形態によれば、前記1次空間は、前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関および前記少なくとも1つの第1の密封要素が配置されている第1の1次ボリュームと、第2の1次ボリュームとを含み、前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関は、前記少なくとも1つの第1の密封要素の、前記第1の1次ボリュームから前記第2の1次ボリュームへの変位のすべてまたは一部を制限するように、望ましくは妨げるように構成される。
【0012】
これらの前出の機構のいずれか1つによって、前記1次空間は、たとえば1500バール未満などの高圧に対して密封されるようになる。
【0013】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの駆動機関は、前記少なくとも1つの第2の密封要素セットを収容するように構成された空洞を備える。
【0014】
一実施形態によれば、前記空洞は前記少なくとも1つの駆動機関の内部の溝である。
【0015】
これら前出の機構のいずれか1つのために、前記少なくとも1つの第2の密封要素セットは、前記少なくとも1つの挿入機関の動きを妨害することなく前記少なくとも1つの駆動機関の前記2次空間に収容される。
【0016】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第2の密封要素セットは、少なくとも1つの第2の密封要素および/または少なくとも1つの第2の閉鎖機関を備える。
【0017】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関は前記少なくとも1つの第2の密封要素よりも硬いものである。
【0018】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第2の密封要素は第2の密封ガスケットである。
【0019】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関は、望ましくは前記2次空間における前記少なくとも1つの第2の密封要素の前記変位を妨げるために、前記2次空間における前記少なくとも1つの第2の密封要素の変位のすべてまたは一部を制限するように構成される。
【0020】
一実施形態によれば、前記2次空間は、前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関および前記少なくとも1つの第2の密封要素が配置されている第1の2次ボリュームと、第2の2次ボリュームとを含み、前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関は、前記少なくとも1つの第2の密封要素の、前記第1の2次ボリュームから前記第2の2次ボリュームへの変位のすべてまたは一部を制限するように、望ましくは妨げるように構成される。
【0021】
一実施形態によれば、望ましくは前記溝である前記空洞は、前記少なくとも1つの駆動機関の前記の第1の2次ボリュームの中に配置される。
【0022】
これら前出の機構のいずれか1つによって、前記2次空間は、たとえば1500バール未満などの高圧に対して密封されるようになる。
【0023】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1の密封要素と前記少なくとも1つの第2の要素は、前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関と前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関よりも互いに接近している。
【0024】
この機構のために、前記少なくとも1つの第1の密封要素および第2の密封要素は、水浸透経路上の最初のものとなる。
【0025】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの駆動機関は、少なくとも1つの第1の位置に保持され、前記少なくとも1つの第2の位置において駆動し、少なくとも1つの第1の位置と少なくとも1つの第2の位置の間で変位するかまたは変位されるように構成されている。
【0026】
この機構のために、前記少なくとも1つの駆動機関が保持され得る。
【0027】
一実施形態によれば、前記密封デバイスは、前記少なくとも1つの駆動機関を前記少なくとも1つの第1の位置に保持するように構成された少なくとも1つの保持機関を備える。
【0028】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの保持機関は、前記少なくとも1つの挿入機関上に配設された少なくとも1つの保持要素と、前記少なくとも1つの駆動機関上に配設された少なくとも1つの保持部位とを備え、前記少なくとも1つの保持要素は、前記少なくとも1つの保持部位と取外し可能に協働するように構成されている。
【0029】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの挿入機関は、前記少なくとも1つの保持要素が前記少なくとも1つの保持部位と協働するとき、前記少なくとも1つの駆動機関を変位させるように構成されている。
【0030】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの保持要素は、前記少なくとも1つの挿入機関の内周部に配設されたねじ立てまたはねじ山であり、前記少なくとも1つの保持部位は、前記少なくとも1つの駆動機関の外周部に配設されたねじ山またはねじ立てである。
【0031】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの挿入機関は、望ましくは管である中空の円筒形状を有し、前記少なくとも1つの駆動機関は、望ましくは前記2次空間の内部に、望ましくは前記管である前記中空の円筒形状の中でスライドするように構成された少なくとも1つのスライド部材を備える。
【0032】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの保持要素は前記少なくとも1つの保持部位と相対し、望ましくは、前記少なくとも1つの保持要素は前記少なくとも1つの挿入機関の内周部に配設されており、前記少なくとも1つの保持部位は前記少なくとも1つの駆動機関の外周部に配設されている。
【0033】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの保持要素は前記少なくとも1つの保持部位と相対し、望ましくは、前記少なくとも1つの保持要素は、望ましくは前記管である前記中空の円筒形状の内周部に配設されており、前記少なくとも1つの保持部位は前記少なくとも1つのスライド部材の外周部に配設されている。
【0034】
これら前出の機構のいずれか1つにより、前記少なくとも1つの駆動機関が、前記少なくとも1つの第1の位置に保持され得、前記少なくとも1つの第1の位置と前記少なくとも1つの第2の位置の間で変位するかまたは変位される。
【0035】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの挿入機関が備えるベアリング面は、前記少なくとも1つの駆動機関が前記少なくとも1つの第1の位置に保持されているとき、前記少なくとも1つの第2の密封要素を前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関と接触させるように構成されている。
【0036】
この機構により、前記少なくとも1つの第2の密封要素は、前記少なくとも1つの駆動機関が前記少なくとも1つの第1の位置に保持されているとき、前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関と接触することができる。
【0037】
一実施形態によれば、前記密封デバイスが備える戻し機関は、前記少なくとも1つの駆動機関と前記少なくとも1つの挿入機関の間の前記2次空間を密封し、かつ/または前記少なくとも1つの保持機関の間隙を補償するように構成されている。
【0038】
この機構により、前記戻し機関は、前記少なくとも1つの保持機関の構造公差によって生じる前記間隙を補償することができ、したがって前記少なくとも1つの駆動機関と前記少なくとも1つの挿入機関の間の前記2次空間を密封する。
【0039】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの挿入機関は、中間部分および/または前記少なくとも1つの駆動機関に当接するように構成された橋台機関を備える。
【0040】
この機構のために、前記少なくとも1つの駆動機関が前記第2の位置にあるとき、前記橋台機関により、前記少なくとも1つの挿入機関の前記1次空間への挿入および/または前記少なくとも1つの駆動機関の変位が制限され得る。
【0041】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの挿入機関は、前記少なくとも1つの第2の密封要素セットを支持するように構成された支持機関を備える。
【0042】
この機構のために、たとえば1500バール未満などの高圧のとき、前記支持機関により、前記少なくとも1つの第1の密封要素セットの変位が制限され得る。
【0043】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1の密封要素セットは、前記支持機関と前記橋台機関の間に含まれる。
【0044】
この機構のために、たとえば1500バール未満などの高圧のとき、前記支持機関により、前記少なくとも1つの第1の密封要素セットの変位が制限され得る。
【0045】
本発明は、本発明による密封デバイスを備えて密封されるように構成された腕時計に関する。
【0046】
この機構のために、前記密封デバイスによって腕時計が密封され得、前記中間部分と前記少なくとも1つの挿入機関の間の前記1次空間と、前記少なくとも1つの駆動機関と前記少なくとも1つの挿入機関の間の前記2次空間とが、たとえば1500バール未満などの高圧に対して密封され得る。
【0047】
本発明を、非限定的な例によって示される添付図面を使用して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1Aは、腕時計200用の密封デバイス100を少なくとも1つの第1の位置101において示す図である。図1Bは、腕時計200用の密封デバイス100を少なくとも1つの第2の位置102において示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
現在の腕時計の龍頭は一定の密封を示す。しかしながら、たとえば300バールを超える高圧では、この密封を確実にすると龍頭の操作性が損なわれ、操作が容易でない。
【0050】
本発明による腕時計200は、密封デバイス100によって高圧に対して密封されるので、このようなことはない。実際、腕時計200用の、望ましくは腕時計200の前記密封デバイス100は、前記腕時計200の中間部分210に含まれる1次空間201の中に挿入されるように構成されており、少なくとも1つの挿入機関110と、少なくとも1つの第1の密封要素セット120と、前記少なくとも1つの第2の密封要素セット140と、少なくとも1つの駆動機関130とを備える。
【0051】
前記少なくとも1つの駆動機関130は、図1Aに見られる少なくとも1つの第1の位置101に保持され得、図1Bに見られる前記少なくとも1つの第2の位置102において駆動することができる。前記少なくとも1つの駆動機関130は、図1Aに見られる前記少なくとも1つの第1の位置101と図1Bに見られる前記少なくとも1つの第2の位置102の間で変位するかまたは変位され得る。
【0052】
前記少なくとも1つの第1の位置101におけるこの保持は、少なくとも1つの保持機関150によって可能になる。前記少なくとも1つの保持機関150が備える少なくとも1つの保持要素151は、前記少なくとも1つの挿入機関110上に配設されており、前記少なくとも1つの駆動機関130上に配設された少なくとも1つの保持部位153と取外し可能に協働するように構成されている。前記少なくとも1つの挿入機関110は、前記少なくとも1つの保持要素151が前記少なくとも1つの保持部位153と協働するとき、前記少なくとも1つの駆動機関130を変位させるように構成されている。
【0053】
より詳細には、前記少なくとも1つの保持要素151は、前記少なくとも1つの挿入機関110の内周部に配設されたねじ立てまたはねじ山であって、前記少なくとも1つの駆動機関130の外周部に配設されたねじ山またはねじ立ての形になり得る前記少なくとも1つの保持部位153と相対する。
【0054】
実際、前記少なくとも1つの挿入機関110は、望ましくは管である中空の円筒形状を有し、前記少なくとも1つの駆動機関130は、前記少なくとも1つの駆動機関130の2次空間131の内部に、望ましくは前記管である前記中空の円筒形状の中でスライドするように構成された少なくとも1つのスライド部材139を、望ましくは全体としてまたは部分的に備える。
【0055】
図に見られるように、前記少なくとも1つの保持要素151は前記少なくとも1つの保持部位153と相対し、望ましくは、前記少なくとも1つの保持要素151が、望ましくは前記管である前記中空の円筒形状の内周部に配設され、前記少なくとも1つの保持部位153が前記少なくとも1つのスライド部材139の外周部に配設され、その結果、前記少なくとも1つの駆動機関130は、前記少なくとも1つの第1の位置101に保持され得、前記少なくとも1つの第1の位置101と前記少なくとも1つの第2の位置102の間で変位するかまたは変位される。
【0056】
前述のように、前記腕時計200の前記中間部分210は、前記少なくとも1つの挿入機関110が挿入される前記1次空間201を含む。前記少なくとも1つの挿入機関110は、橋台機関114を備えることにより、挿入されるとき中間部分210および/または前記少なくとも1つの駆動機関130に当接し得、したがって、前記少なくとも1つの駆動機関130が前記第1の位置101にあるとき、前記少なくとも1つの挿入機関110の前記1次空間への挿入および/または前記少なくとも1つの駆動機関130の変位を制限する。その上に、前記少なくとも1つの駆動機関130が前記第1の位置101にあるとき、前記少なくとも1つの駆動機関130と前記橋台機関114の間の接触と、前記2次空間131と前記少なくとも1つの駆動機関130の間の密封とが、それによって改善される。
【0057】
前記少なくとも1つの駆動機関130は、結果として、前記少なくとも1つの挿入機関110を受け入れるように構成された2次空間131を含む。望ましくは前記少なくとも1つの駆動機関130の内部の溝134である空洞134により、前記少なくとも1つの第2の密封要素セット140を収容することができ、したがって前記少なくとも1つの駆動機関130と前記少なくとも1つの挿入機関110の間の前記2次空間131を密封することができる。
【0058】
図1Aに見られるように、前記少なくとも1つの第2の密封要素セット140は、望ましくは第2のガスケット141である少なくとも1つの第2の密封要素141および/または少なくとも1つの第2の閉鎖機関142を備え、前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関142は前記少なくとも1つの第2の密封要素141よりも硬いものである。前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関142は、望ましくは前記2次空間131における前記少なくとも1つの第2の密封要素141の前記変位を妨げるために、前記2次空間131における前記少なくとも1つの第2の密封要素141の変位のすべてまたは一部を制限するように構成される。
【0059】
図1Aおよび図1Bに見られるように、前記2次空間131が含む第1の2次ボリューム133は、前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関142および前記少なくとも1つの第2の密封要素141が配置される、望ましくは前記溝134である前記空洞134と、第2の2次ボリューム132とを含む。前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関142は、前記少なくとも1つの第2の密封要素141の、前記第1の2次ボリューム133から前記第2の2次ボリューム132への変位のすべてまたは一部を制限するように、望ましくは妨げるように構成される。
【0060】
その上に、前記少なくとも1つの挿入機関110が備えるベアリング面113は、前記少なくとも1つの駆動機関130が前記少なくとも1つの第1の位置に保持されているとき、前記少なくとも1つの第2の密封要素141を前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関142と接触させるように構成されており、その結果、前記少なくとも1つの第2の密封要素141は、前記少なくとも1つの駆動機関130が前記少なくとも1つの第1の位置101に保持されているとき、前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関142と接触することができる。
【0061】
やはり図1Aおよび図1Bに見られるように、前記密封デバイス100が備える戻し機関160は、前記少なくとも1つの駆動機関130が前記第1の位置101に保持されているとき、前記少なくとも1つの保持機関150の構造公差によって生じる間隙を補償することにより、前記少なくとも1つの駆動機関130と前記少なくとも1つの挿入機関110の間の前記2次空間131を密封するために、前記少なくとも1つの駆動機関130と前記少なくとも1つの挿入機関110の間の前記2次空間131を密封し、かつ/または前記少なくとも1つの保持機関150の前記間隙を補償するように構成されている。
【0062】
前記1次空間201を密封するように構成された前記少なくとも1つの第1の密封要素セット120は、前記中間部分210と前記少なくとも1つの挿入機関110の間に、望ましくは前記少なくとも1つの挿入機関110上に配置され、望ましくは第1のガスケット121である少なくとも1つの第1の密封要素121および/または少なくとも1つの第1の閉鎖機関122を備え、前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関122は前記少なくとも1つの第1の密封要素121よりも硬いものである。
【0063】
図から理解され得るように、前記少なくとも1つの第1の密封要素121と前記少なくとも1つの第2の要素は、前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関122と前記少なくとも1つの第2の閉鎖機関よりも互いに接近しており、その結果、前記少なくとも1つの第1の密封要素および第2の密封要素141は、水浸透経路上の最初のものとなる。
【0064】
前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関122は、望ましくは前記1次空間201における前記少なくとも1つの第1の密封要素121の変位を妨げるために、結果として、前記1次空間201における前記少なくとも1つの第1の密封要素121の前記変位のすべてまたは一部を制限するように構成される。実際、前記1次空間201は、前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関122および前記少なくとも1つの第1の密封要素121を備える第1の1次ボリューム203と、第2の1次ボリューム202とを含む。前記少なくとも1つの第1の閉鎖機関122は、たとえば1500バール未満などの高圧に対して前記1次空間201を密封するために、前記少なくとも1つの第1の密封要素121の前記第1の1次ボリューム203から前記第2の1次ボリューム202への変位のすべてまたは一部を制限するように、望ましくは妨げるように構成される。
【0065】
これに、実施形態によって、たとえば1500バール未満などの高圧のとき前記少なくとも1つの第1の密封要素セット120の変位の制限を強化するために、前記少なくとも1つの第1の密封要素セット120を支持するように、前記少なくとも1つの挿入機関110に含まれる支持機関112が追加される。実際、前記少なくとも1つの第1の密封要素セット120は、前記支持機関112と前記橋台機関114の間に含まれる。
【0066】
もちろん、密封デバイス100は腕時計200を密封することができ、より詳細には、前記中間部分210と前記少なくとも1つの挿入機関110の間の前記1次空間201と、前記少なくとも1つの駆動機関130と前記少なくとも1つの挿入機関110の間の前記2次空間131とを、たとえば1500バール未満などの高圧に対して密封することができる。
【符号の説明】
【0067】
100 密封デバイス
101 第1の位置
102 第2の位置
110 挿入機関
112 支持機関
113 ベアリング面
114 橋台機関
120 第1の密封要素セット
121 第1の密封要素
122 第1の閉鎖機関
130 駆動機関
131 2次空間
132 第2の2次ボリューム
133 第1の2次ボリューム
134 空洞
139 スライド部材
140 第2の密封要素セット
141 第2の密封要素
142 第2の閉鎖機関
150 保持機関
151 保持要素
153 保持部位
160 戻し機関
200 腕時計
201 1次空間
202 第2の1次ボリューム
203 第1の1次ボリューム
210 中間部分
図1