(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】データ伝送方法及びその装置、機器並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/18 20090101AFI20230328BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20230328BHJP
H04W 40/02 20090101ALI20230328BHJP
【FI】
H04W48/18
H04W84/10 110
H04W40/02
(21)【出願番号】P 2021535153
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 CN2020086356
(87)【国際公開番号】W WO2020233334
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】201910412034.4
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 晶晶
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 丹
(72)【発明者】
【氏名】▲寧▼ 斌▲暉▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 孝波
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲飛▼▲虎▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲劉▼▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲剣▼波
(72)【発明者】
【氏名】黄 振林
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】▲車▼ 国▲強▼
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0308597(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0265127(US,A1)
【文献】特開2015-037275(JP,A)
【文献】国際公開第2019/084725(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器が実行するデータ伝送方法であって、
ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得するステップ
であって、前記ターゲットアプリケーションは、アプリケーションプログラムの機能属性値に従って加速されるべきであると判定されたアプリケーションプログラムであり、前記アプリケーションデータパケットは、前記ターゲットアプリケーションの実行過程において生成されたアプリケーションデータパケットである、ステップと、
ネットワークデータチャネルを使用して、第1ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送するステップ
であって、前記ネットワークデータチャネルは非短距離無線データチャネルである、ステップと、
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップと、を含み、
前記アプリケーションデータパケットは、重複排除メカニズムに基づいて前記ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバに前記アプリケーションデータパケットを伝送するために前記プロキシサーバに供される、データ伝送方法。
【請求項2】
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップは、
確立されたブルートゥース中継機器との間のブルートゥース無線ローカルエリアネットワーク(BT-WLAN)データチャネルを使用して、前記ブルートゥース中継機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記第2ルーティング機器に伝送し、前記第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップを含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップは、
前記アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥースデータパケットに変換するステップと、
ブルートゥース(BT)データチャネルを使用して、前記ブルートゥースデータパケットをブルートゥース中継機器に伝送し、前記ブルートゥース中継機器により、前記ブルートゥースデータパケットを前記アプリケーションデータパケットに変換した後に、前記第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記ブルートゥース中継機器から送信されたブルートゥース応答データパケットを受信するステップであって、前記ブルートゥース応答データパケットは、前記ブルートゥース中継機器が応答データパケットを変換することで生成されたものであり、前記応答データパケットは、前記アプリケーションサーバが前記アプリケーションデータパケットに応答して前記プロキシサーバ及び前記第2ルーティング機器を介して返信したデータパケットである、ステップと、
前記ブルートゥース応答データパケットを前記応答データパケットに変換し、前記ターゲットアプリケーションに伝送するステップと、を更に含むことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップは、
前記アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥースデータパケットに変換するステップと、
ブルートゥース(BT)データチャネルを使用して、前記ブルートゥースデータパケットを前記第2ルーティング機器に送信し、前記第2ルーティング機器により、前記ブルートゥースデータパケットを前記アプリケーションデータパケットに変換した後に、前記プロキシサーバに伝送するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ネットワークデータチャネルは、
ワイヤレスフィデリティ(WiFi)ネットワークデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル及び有線ネットワークデータチャネルのうちのいずれか1つを含むことを特徴とする
請求項1から5のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記ネットワークデータチャネルを使用して、前記第1ルーティング機器を介して前記アプリケーションサーバから返された応答データパケットを受信するステップと、
前記短距離無線データチャネルを使用して、前記第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションサーバから返された応答データパケットを受信するステップと、
受信した各応答データパケットに対して、前記応答データパケットを受信する前に、それと同じ応答データパケットを受信した場合には、前記応答データパケットを破棄し、前記応答データパケットを受信する前に、それと同じ応答データパケットを受信していなかった場合には、前記応答データパケットを前記ターゲットアプリケーションに伝送するステップと、を更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得するステップは、
アプリケーションデータパケットのソース識別子を決定するステップであって、前記ソース識別子は、アプリケーションデータパケットのアプリケーションソースを指示するためのものである、ステップと、
前記ソース識別子により指示されるアプリケーションソースが前記ターゲットアプリケーションであるアプリケーションデータパケットを取得するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップは、
確立された近接場通信(NFC)機器との間のNFCデータチャネルを使用して、前記NFC機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記第2ルーティング機器に伝送し、前記第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップを含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記アプリケーションデータパケットは、ソース識別子を搬送し、前記ソース識別子は、
前記アプリケーションデータパケットのアプリケーションソースを指示するためのものであり、前記プロキシサーバが初回で受信した前記アプリケーションデータパケットを重複排除メカニズムに基づいて前記ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバに伝送し、初回で受信したものではない前記アプリケーションデータパケットを破棄する
ために使用されることを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
端末機器が実行するデータ伝送方法であって、前記端末機器は、1つ以上のプロセッサ及びメモリ、1つ以上のプログラムを備え、前記1つ以上のプログラムは、メモリに記憶され、前記プログラムは、1つ以上の、一組の命令に対応する各ユニットを含み、前記1つ以上のプロセッサは、命令を実行するように構成され、前記方法は、
ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得するステップ
であって、前記ターゲットアプリケーションは、アプリケーションプログラムの機能属性値に従って加速されるべきであると判定されたアプリケーションプログラムであり、前記アプリケーションデータパケットは、前記ターゲットアプリケーションの実行過程において生成されたアプリケーションデータパケットである、ステップと、
ネットワークデータチャネルを使用して、第1ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送し、前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップ
であって、前記ネットワークデータチャネルは非短距離無線データチャネルである、ステップと、
を含み、
前記
アプリケーションデータパケットは、重複排除メカニズムに基づいて、前記ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバに前記アプリケーションデータパケットを伝送する
ために前記プロキシサーバに供される、データ伝送方法。
【請求項12】
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップは、
確立されたブルートゥース中継機器との間のブルートゥース無線ローカルエリアネットワーク(BT-WLAN)データチャネルを使用して、前記ブルートゥース中継機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記第2ルーティング機器に伝送し、前記第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップを含むことを特徴とする
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップは、
前記アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥースデータパケットに変換するステップと、
ブルートゥース(BT)データチャネルを使用して、前記ブルートゥースデータパケットをブルートゥース中継機器に伝送し、前記ブルートゥース中継機器により、前記ブルートゥースデータパケットを前記アプリケーションデータパケットに変換した後に、前記第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップと、を含むことを特徴とする
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記ブルートゥース中継機器から送信されたブルートゥース応答データパケットを受信するステップであって、前記ブルートゥース応答データパケットは、前記ブルートゥース中継機器が応答データパケットを変換することで生成されたものであり、前記応答データパケットは、前記アプリケーションサーバが前記アプリケーションデータパケットに応答して前記プロキシサーバ及び前記第2ルーティング機器を介して返信したデータパケットである、ステップと、
前記ブルートゥース応答データパケットを前記応答データパケットに変換し、前記ターゲットアプリケーションに伝送するステップと、を更に含むことを特徴とする
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップは、
前記アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥースデータパケットに変換するステップと、
ブルートゥース(BT)データチャネルを使用して、前記ブルートゥースデータパケットを前記第2ルーティング機器に送信し、前記第2ルーティング機器により、前記ブルートゥースデータパケットを前記アプリケーションデータパケットに変換した後に、前記プロキシサーバに伝送するステップと、を含むことを特徴とする
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ネットワークデータチャネルは、
ワイヤレスフィデリティ(WiFi)ネットワークデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル及び有線ネットワークデータチャネルのうちのいずれか1つを含むことを特徴とする
請求項11から15のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記ネットワークデータチャネルを使用して、前記第1ルーティング機器を介して前記アプリケーションサーバから返された応答データパケットを受信するステップと、
前記短距離無線データチャネルを使用して、前記第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションサーバから返された応答データパケットを受信するステップと、
受信した各応答データパケットに対して、前記応答データパケットを受信する前に、それと同じ応答データパケットを受信した場合には、前記応答データパケットを破棄し、前記応答データパケットを受信する前に、それと同じ応答データパケットを受信していなかった場合には、前記応答データパケットを前記ターゲットアプリケーションに伝送するステップと、を更に含むことを特徴とする
請求項11に記載の方法。
【請求項18】
ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得するステップは、
アプリケーションデータパケットのソース識別子を決定するステップであって、前記ソース識別子は、アプリケーションデータパケットのアプリケーションソースを指示するためのものである、ステップと、
前記ソース識別子により指示されるアプリケーションソースが前記ターゲットアプリケーションであるアプリケーションデータパケットを取得するステップと、を含むことを特徴とする
請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップは、
確立された近接場通信(NFC)機器との間のNFCデータチャネルを使用して、前記NFC機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記第2ルーティング機器に伝送し、前記第2ルーティング機器から前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップを含むことを特徴とする
請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記アプリケーションデータパケットは、ソース識別子を搬送し、前記ソース識別子は、
前記アプリケーションデータパケットのアプリケーションソースを指示するためのものであり、前記プロキシサーバが初回で受信した前記アプリケーションデータパケットを重複排除メカニズムに基づいて前記ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバに伝送し、初回で受信したものではない前記アプリケーションデータパケットを破棄する
ために使用されることを特徴とする
請求項11に記載の方法。
【請求項21】
プロキシサーバが実行するデータ伝送方法であって、
アプリケーションサーバから送信された応答データパケットを受信するステップと、
第1ルーティング機器を介して、ネットワークデータチャネルを使用して前記応答データパケットを端末機器に送信するステップ
であって、前記ネットワークデータチャネルは非短距離無線データチャネルである、ステップと、
第2ルーティング機器
を介して、前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、前記応答データパケットを前記端末機器に送信するステップと、を含み、
前記応答データパケットは、
請求項1から10のうちいずれか一項に記載のデータ伝送方法に従って、重複排除メカニズムに基づいて、
前記プロキシサーバから前記端末機器のターゲットアプリケーションに
対応する前記アプリケーションサーバに伝送されたアプリケーションデータパケットに対する応答データパケット
である、データ伝送方法。
【請求項22】
プロキシサーバが実行するデータ伝送方法であって、前記プロキシサーバは、1つ以上のプロセッサ及びメモリ、1つ以上のプログラムを備え、前記1つ以上のプログラムは、メモリに記憶され、前記プログラムは、1つ以上の、一組の命令に対応する各ユニットを含み、前記1つ以上のプロセッサは、命令を実行するように構成され、前記方法は、
アプリケーションサーバから送信された応答データパケットを受信するステップと、
第1ルーティング機器を介して、ネットワークデータチャネルを使用して前記応答データパケットを端末機器に送信し、第2ルーティング機器
を介して、前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、前記応答データパケットを前記端末機器に送信するステップ
であって、前記ネットワークデータチャネルは非短距離無線データチャネルである、ステップと、
を含み、
前記
応答データパケットは、請求項1から10のうちいずれか一項に記載のデータ伝送方法に従って、重複排除メカニズムに基づいて、
前記プロキシサーバから前記端末機器のターゲットアプリケーションに
対応する前記アプリケーションサーバに伝送されたアプリケーションデータパケットに対する応答データパケット
である、データ伝送方法。
【請求項23】
データ伝送装置であって、
ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得するように構成される取得モジュール
であって、前記ターゲットアプリケーションは、アプリケーションプログラムの機能属性値に従って加速されるべきであると判定されたアプリケーションプログラムであり、前記アプリケーションデータパケットは、前記ターゲットアプリケーションの実行過程において生成されたアプリケーションデータパケットである、取得モジュールと、
ネットワークデータチャネルを使用して、第1ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送するように構成される第1送信モジュール
であって、前記ネットワークデータチャネルは非短距離無線データチャネルである、第1送信モジュールと、
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するように構成される第2送信モジュールと、を備え、
前記アプリケーションデータパケットは、重複排除メカニズムに基づいて前記ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバに前記アプリケーションデータパケットを伝送するために前記プロキシサーバに供される、データ伝送装置。
【請求項24】
データ伝送装置であって、
アプリケーションサーバから送信された応答データパケットを受信するように構成される受信モジュールと、
第1ルーティング機器を介して、ネットワークデータチャネルを使用して前記応答データパケットを端末機器に送信するように構成される第1送信モジュール
であって、前記ネットワークデータチャネルは非短距離無線データチャネルである、第1送信モジュールと、
第2ルーティング機器
を介して、前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、前記応答データパケットを前記端末機器に送信するように構成される第2送信モジュールと、を備え、
前記応答データパケットは、
請求項1から10のうちいずれか一項に記載のデータ伝送方法に従って、重複排除メカニズムに基づいて、
プロキシサーバである前記データ伝送装置から前記端末機器のターゲットアプリケーションに
対応する前記アプリケーションサーバに伝送されたアプリケーションデータパケットに対する応答データパケット
である、データ伝送装置。
【請求項25】
端末機器であって、
コンピュータプログラムを記憶するよう構成されるメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して、請求項1から10のうちいずれか一項に記載のデータ伝送方法を実行するように構成されるプロセッサと、を備える、端末機器。
【請求項26】
プロキシサーバであって、
コンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して、請求項21に記載のデータ伝送方法を実行するように構成されるプロセッサと、を備える、プロキシサーバ。
【請求項27】
コンピュータに請求項1から10のうちいずれか一項に記載のデータ伝送方法又は請求項21に記載のデータ伝送方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年05月17日に提出された、出願番号が201910412034.4である中国特許出願に基づく優先権を主張し、該中国特許出願の全内容が参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、通信技術分野に関し、特にデータ伝送方法及びその装置、機器並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
端末機器がますます普及していることに伴い、端末機器に依存して実行される種々のアプリケーションは、次々と現れている。ここで、多くのアプリケーション自体が実行する過程において、ネットワークを介してサーバとデータインタラクションを行う必要がある。例えば、プレイヤー対プレイヤーのリアルタイム対戦(Player VS Player:PVP)をサポートするゲームアプリケーションなどのような、サーバと頻繁に通信する必要があるアプリケーションは、一般的にはデータ伝送をサポートするネットワーク環境が低遅延、高安定性という特性を満たすことを求め、これにより、ユーザに良好な使用上の体験を与えることを確保する。例えば、ゲーム対戦過程における対戦画面の流暢性を確保し、且つ、ユーザによりトリガされた操作に迅速に応答することができる。
【0004】
しかしながら、端末機器が位置するネットワーク環境の不安定性により、ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity:WiFi)ネットワークへの接続、セルラーネットワークへの接続を問わず、端末機器に高遅延、パケットロスなどの問題が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、ネットワーク遅延を効果的に低減させ、サービスパケットロスを減少させ、アプリケーションのスムーズな実行を確保することができる、データ伝送方法及びその装置、機器並びにコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これに鑑み、本願の実施例は、端末機器に適用されるデータ伝送方法を提供する。前記方法は、
ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得するステップと、
ネットワークデータチャネルを使用して、第1ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送するステップと、
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するステップと、を含み、
前記アプリケーションデータパケットは、重複排除メカニズムに基づいて前記ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバに前記アプリケーションデータパケットを伝送するために前記プロキシサーバに供される。
【0007】
本願の実施例は、プロキシサーバに適用されるデータ伝送方法を更に提供する。前記方法は、
アプリケーションサーバから送信された応答データパケットを受信するステップと、
第1ルーティング機器を介して、ネットワークデータチャネルを使用して前記応答データパケットを端末機器に送信するステップと、
第2ルーティング機器介して、前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、前記応答データパケットを前記端末機器に送信するステップと、を含み、
前記応答データパケットは、重複排除メカニズムに基づいて、前記ターゲットアプリケーションに前記応答データパケットを伝送するために前記端末機器に供される。
【0008】
本願の実施例は、データ伝送装置を更に提供する。前記装置は、
ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得するように構成される取得モジュールと、
ネットワークデータチャネルを使用して、第1ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送するように構成される第1送信モジュールと、
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するように構成される第2送信モジュールと、を備え、
前記アプリケーションデータパケットは、重複排除メカニズムに基づいて前記ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバに前記アプリケーションデータパケットを伝送するために前記プロキシサーバに供される。
【0009】
本願の実施例は、データ伝送装置を更に提供する。前記装置は、
アプリケーションサーバから送信された応答データパケットを受信するように構成される受信モジュールと、
第1ルーティング機器を介して、ネットワークデータチャネルを使用して前記応答データパケットを端末機器に送信するように構成される第1送信モジュールと、
第2ルーティング機器介して、前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、前記応答データパケットを前記端末機器に送信するように構成される第2送信モジュールと、を備え、
前記応答データパケットは、重複排除メカニズムに基づいて、前記ターゲットアプリケーションに前記応答データパケットを伝送するために前記端末機器に供される。
【0010】
本願の実施例は、端末機器を更に提供する。前記端末機器は、プロセッサと、メモリと、を備え、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムを前記プロセッサに伝送するように構成され、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムにおける命令を実行する時、本願の実施例で提供されるデータ伝送方法を実行するように構成される。
【0011】
本願の実施例は、プロキシサーバを更に提供する。前記プロキシサーバは、プロセッサと、メモリと、を備え、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムにおける命令を実行する時、本願の実施例で提供されるデータ伝送方法を実行するように構成される。
【0012】
本願の実施例は、コンピュータ記憶媒体を更に提供する。前記コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、コンピュータに本願の実施例で提供されるデータ伝送方法を実行させる。
【0013】
本願の実施例は、コンピュータによる実行可能な命令を含むコンピュータプログラム製品を更に提供する。前記コンピュータによる実行可能な命令がコンピュータで実行される時、前記コンピュータに、本願の実施例で提供されるデータ伝送方法を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本願の実施例で提供されるデータ伝送方法及びその装置、機器並びにコンピュータ記憶媒体を適用すると、少なくとも下記有益な技術的効果を有する。
【0015】
本願の実施例によれば、2つの異なるデータチャネルを使用して、アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。これにより、プロキシサーバは、重複排除メカニズムに基づいて、ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバにアプリケーションデータパケットを伝送する。2つのデータチャネルは、アプリケーションデータパケットの伝送過程において、互いに補助データ伝送チャネルであり、データ伝送の安定性を向上させる。
【0016】
端末は、ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得した後、ネットワークデータチャネルを使用して、第1ルーティング機器を介して該アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。それと同時に、短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して該アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。更に、プロキシサーバは、第1ルーティング機器及び第2ルーティング機器から伝送されたアプリケーションデータパケットを受信した後、重複排除メカニズムに基づいて、アプリケーションデータパケットをアプリケーションサーバに伝送する。
【0017】
アプリケーションデータパケットの伝送過程において、それぞれ、非短距離無線データチャネル(例えば、WiFiデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネルなど)及び短距離無線データチャネル(例えば、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標),BT)データチャネル、近接場通信データチャネルなど)を使用して、アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。つまり、同時に2本のデータチャネルを使用してデータを伝送する。これにより、エアインタフェースパケットロス及びデータ遅延を低減させることができる。また、短距離無線データチャネルによるデータ伝送に必要な消費電力が少ないため、データ伝送品質を確保すると同時に、機器の電力消費を低減させ、機器の発熱を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本願の実施例によるデータ伝送方法の適用シーンを示す概略図である。
【
図2】本願の実施例による端末機器側のデータ伝送方法を示すフローチャートである。
【
図3】本願の実施例によるプロキシサーバ側のデータ伝送方法を示すフローチャートである。
【
図4】本願の実施例によるデータ伝送方法のインタラクティブシグナリングを示す図である。
【
図5】本願の実施例による短距離無線データチャネルがBT-WLANチャネルである場合のデータ伝送を示す概略図である。
【
図6】本願の実施例による短距離無線データチャネルがオリジナルBTチャネルである場合のデータ伝送を示す概略図である。
【
図7】本願の実施例による短距離無線データチャネルがオリジナルBTチャネルである場合のもう1つのデータ伝送を示す概略図である。
【
図8】本願の実施例による端末機器側の第1データ伝送装置の構造を示す概略図である。
【
図9】本願の実施例による端末機器側の第2データ伝送装置の構造を示す概略図である。
【
図10】本願の実施例による端末機器側の第3データ伝送装置の構造を示す概略図である。
【
図11】本願の実施例による端末機器側の第4データ伝送装置の構造を示す概略図である。
【
図12】本願の実施例によるプロキシサーバ側のデータ伝送装置の構造を示す概略図である。
【
図13】本願の実施例によるプロキシサーバ側のもう1つのデータ伝送装置の構造を示す概略図である。
【
図14】本願の実施例によるサーバの構造を示す概略図である。
【
図15】本願の実施例による端末機器の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者に本願の技術的解決手段をより良く理解させるために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明する。勿論、記述される実施例は、全ての実施例ではなく、ただ本願の一部の実施例である。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる他の実施例の全ては、本願の保護範囲に含まれる。
【0020】
本願の明細書及び特許請求の範囲並びに上記図面に言及された「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等の用語(寸在すれば)は、類似した対象を区別するためのものであり、特定の順番又は前後順序を説明するためのものではない。ここで説明した本願の実施例をここで示した又は説明した順番以外の順番で実施可能なものにするために、このように使用されたデータは適した場合であれば互いに取り替え可能なことは、理解されるべきである。なお、「備える」と「有する」という用語及びそれらの変形は、非排他的な包含を網羅することを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、明記されたステップ又はユニットに限定されず、明記されていないか又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0021】
関連技術において、端末機器は、セルラーネットワークをデータ伝送のための補助チャネルとして用いて、WiFiネットワークチャネルによるデータ伝送を支援することができる。しかしながら、このようなデータ伝送方法において、端末機器の電力が大きくなり、端末機器の発熱を招く。また、場合によって、ユーザは、従量課金という問題を考慮すると、データ伝送を行うためにセルラーネットワークチャネルを使用したがらないことがある。
【0022】
これによれば、本願の実施例は、データ伝送方法を提供する。該方法は、短距離無線データチャネル(例えば、ブルートゥース(登録商標:以降省略)データチャネル、近接場通信データチャネルなど)をデータ伝送のための補助チャネルとして利用して、他の非短距離無線データチャネル(例えば、WiFiデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネルなど)によるデータ伝送を支援する。これにより、複数本のデータチャネルに基づいて、データ伝送を行い、データ伝送の安定性及び信頼性を確保する。なお、短距離無線データチャネルによるデータ伝送に必要な消費電力が少ないため、安定したデータ伝送を確保する上で、端末機器の消費電力を最大限低減させ、端末機器の発熱を減少させることができる。
【0023】
実際の適用において、ユーザは、自己の需要に応じて、任意の非短距離無線データチャネルを選択し、該非短距離無線データチャネル及び短距離無線データチャネルを使用してターゲットアプリケーションの実行過程に発生したアプリケーションデータパケットを同時に伝送する。例えば、ユーザは、従量課金という問題を考慮して、WiFiデータチャネル及び短距離無線データチャネルを使用してアプリケーションデータパケットを同時に伝送することができ、余分な流量課金を発生しないことを確保する上で、データの安定した伝送を実現させ、端末機器の電力消費を減少させることができる。
【0024】
発明者らは、検討過程において以下を見出した。短距離無線データ伝送技術は低電力消費という利点を有するが、短距離無線データ伝送技術は通常、比較的小さな制御ストリームの伝送に適用され、いくつかの点で短距離無線データ伝送技術は、非リアルタイム形態の小さなファイルの伝送に適用される。また、当業界では、短距離無線データ伝送に用いられる帯域幅が低く、リアルタイム性条件が高いアプリケーションデータパケットの伝送に適せず、特に、ゲーム競技類のアプリケーションプログラムのデータパケット伝送に適しないことを黙認している。従って、短距離無線データ伝送技術の適用価値は、発見されていない。一方で、WiFiを単独で使用して、アプリケーションデータパケットの伝送を行う適用シーンにおいて、ネットワーク伝送の加速を実現させるために、データストリームの伝送経路は、端末機器からルーターへ伝送され、続いてルーターからサーバへ伝送されることである。実際に、ルーターからサーバまでのバックボーンネットワークが加速され、その効果も高い。従って、業界内において、このようなシーンのネットワーク加速に対して、バックボーンネットワークの加速を検討していた。端末機器からルーターまでのネットワークにおける問題によるWiFiスタッタリングが発見されていない。
【0025】
本願の実施例で提供されるデータ伝送方法は、データ伝送能力を持つ機器に適用可能である。該機器は、端末機器及び/又はサーバであってもよい。該データ伝送方法は、アプリケーションプログラムの形式で端末機器及びサーバに記憶されてもよい。端末機器及びサーバはそれぞれに対応するアプリケーションプログラムをそれぞれ実行してデータインタラクションを行い、本願の実施例で提供されるデータ伝送方法を実現させ、端末機器で実行されるターゲットアプリケーションの機能を実現させる。ここで、アプリケーションプログラムは、クライアント/サーバ(Client/Server:C/S)アーキテクチャに基づいて開発されて形成されてもよく、ブラウザ/サーバ(Browser/Server:B/S)アーキテクチャに基づいて開発されて形成されてもよい。該アプリケーションプログラムは、独立したアプリケーションプログラムであってもよく、他のアプリケーションプログラムに集積された機能モジュール、プラグイン、ミニプログラムなどであってもよい。
【0026】
以下、実際の適用シーンを参照しながら、本願の実施例によるデータ伝送方法が適用可能なデータ伝送システムを説明する。
【0027】
図1を参照すると、
図1は、本願の実施例によるデータ伝送方法の適用シーンを示す概略図である。該データ伝送方法は、データ伝送システムに適用可能である。
図1に示すように、該データ伝送システムは、端末機器101と、第1ルーティング機器102と、第2ルーティング機器103と、プロキシサーバ104と、アプリケーションサーバ105と、を備える。端末機器101と第1ルーティング機器102とは、ネットワークデータチャネルによりデータ伝送を行う。端末機器101と第2ルーティング機器103とは、短距離無線データチャネルによりデータ伝送を行う。ここで、ネットワークデータチャネルは、短距離無線データチャネル以外の他のネットワークデータチャネル(後続で、非短距離無線データチャネルと呼ばれる)である。第1ルーティング機器102と第2ルーティング機器103はいずれも、ネットワークを介してプロキシサーバ104と通信することができる。プロキシサーバ104とアプリケーションサーバ105との間に、ネットワーク通信接続が確立されている。
【0028】
上記端末機器101は、本願の実施例で提供される端末機器側のデータ伝送方法を実行するように構成される。これは、同時に非短距離無線データチャネル及び短距離無線データチャネルを使用して、ターゲットアプリケーションの実行過程において発生されるアプリケーションデータパケットをアプリケーションサーバ105に伝送する。上記プロキシサーバ104は、本願の実施例で提供されるプロキシサーバ側のデータ伝送方法を実行するように構成される。これは、同時に非短距離無線データチャネル及び短距離無線データチャネルを使用して、アプリケーションサーバ105で生成された応答データパケットを端末機器101に伝送する。
【0029】
幾つかの実施例において、端末機器101にいてターゲットアプリケーションが実行されている。該ターゲットアプリケーションの実行過程において、それに対応するアプリケーションサーバ105とデータインタラクションを行う必要がある。端末機器101は、ターゲットアプリケーションの実行過程において生成されアプリケーションデータパケットを取得した後、非短距離無線データチャネルを使用して、該アプリケーションデータパケットを第1ルーティング機器102に伝送する。更に、該第1ルーティング機器102を介して、該アプリケーションデータパケットをプロキシサーバ104に伝送する。それと同時に、端末機器101は更に、短距離無線データチャネルを使用して、該アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器103に伝送する。更に、該第2ルーティング機器103を介して、該アプリケーションデータパケットをプロキシサーバ104に伝送する。プロキシサーバ104は、第1ルーティング機器101及び第2ルーティング機器103を介してアプリケーションデータパケットを受信した後、重複排除メカニズムに基づいて、該2つのアプリケーションデータパケットから1つのアプリケーションデータパケットを選択し、該アプリケーションデータパケットをアプリケーションサーバ105に伝送する。
【0030】
アプリケーションサーバ105は、アプリケーションデータパケットを受信した後、該アプリケーションデータパケットに対応する応答データパケットを生成し、該応答データパケットをプロキシサーバ104に伝送する。プロキシサーバ104は、該応答データパケットを第1ルーティング機器102及び第2ルーティング機器103にそれぞれ伝送する。第1ルーティング機器102で、非短距離無線データチャネルを使用して、該応答データパケットを端末機器101に伝送し、第2ルーティング機器103で、短距離無線データチャネルを使用して、該応答データパケットを端末機器101に伝送する。端末機器101は、第1ルーティング機器102及び第2ルーティング機器103を介して応答データパケットを受信した後、重複排除メカニズムに基づいて、該2つの応答データパケットから、1つの応答データパケットを選択し、該応答データパケットをターゲットアプリケーションに伝送する。
【0031】
実際の適用において、ターゲットアプリケーションは、端末機器で実行される、ネットワーク環境に対して高い安定性需要を求める如何なるアプリケーションプログラムであってもよい。例えば、ゲームアプリケーション、支払いアプリケーションなどであってもよい。
【0032】
上記短距離無線データチャネルは、具体的には、ブルートゥースデータチャネル、又は近接場通信(Near Field Communication:NFC)データチャネルであってもよく、勿論、短距離通信を実現できる他の無線データチャネルであってもよいことが理解されるべきである。ここで、ブルートゥースデータチャネルは、ブルートゥース(登録商標:以降省略)通信プロトコルチャネルに基づいて確立されたデータチャネルである。NFCデータチャネルは、NFCプロトコルチャネルに基づいて確立されたデータチャネルである。
【0033】
実際の適用において、上記第1ルーティング機器102及び第2ルーティング機器103は、2つの独立したルーティング機器であってもよく、同一のルーティング機器であってもよく、該ルーティング機器は、非短距離無線データチャネルにより伝送されるデータパケットを受信することができるだけでなく、短距離無線データチャネルにより伝送されるデータパケットを受信することもできることが理解されるべきである。
【0034】
実際の適用において、上記プロキシサーバ104及びアプリケーションサーバ105は、2つの独立したサーバであってもよく、同一のサーバであってもよく、該サーバは、受信されたアプリケーションデータパケットに応答して、応答データパケットを生成することができるだけでなく、応答データパケットを第1ルーティング機器102及び第2ルーティング機器103に送信することもできることが理解されるべきである。
【0035】
関連技術において、多数のルーティング機器は直接的に短距離無線データチャネルによりデータをルーティング機器に伝送することができないため、実際の適用において、
図1に示すデータ伝送システムにデータ中継機器を増設することができることに留意されたい。短距離無線データチャネルがブルートゥースデータチャネルである場合、該データ中継機器は具体的に、ブルートゥース(登録商標:以降省略)中継機器であってもよい。該ブルートゥース中継機器と端末機器101は、ブルートゥース(登録商標:以降省略)ペアリングの方式でブルートゥースデータチャネルを確立することができる。該ブルートゥース中継機器と第2ルーティング機器103は、他の非短距離無線データチャネルを使用してデータを伝送することもできる。従って、端末機器101は、まず、ブルートゥースデータチャネルを使用してデータパケットを該ブルートゥース中継機器に伝送する。更に、該ブルートゥース中継機器を介して、データパケットを第2ルーティング機器103に伝送する。
【0036】
図1に示すデータ伝送システムにおいて、短距離無線データチャネルを使用して、非短距離無線データチャネルによるデータ伝送を支援し、データ伝送過程におけるパケットロスの発生を減少させる。また、非短距離無線データチャネルの状態が好ましくない場合、短距離無線データチャネルを使用して、データパケットの伝送を加速し、データ伝送の遅延を減少させることができる。
【0037】
図1に示す適用シーンは、一例だけであり、実際の適用において、本願の実施例で提供されるデータ伝送方法は、他の適用シーンにも適用可能であり、ここで、本願の実施例で提供されるデータ伝送方法の適用シーンに対して如何なる限定を行わないことが理解されるべきである。
【0038】
以下、実施例を参照しながら、本願で提供される端末機器側のデータ伝送方法を説明する。
【0039】
図2を参照すると、
図2は、本願の実施例による端末機器側のデータ伝送方法を示すフローチャートである。該データ伝送方法は、アプリケーションプログラム、プラグイン又は他の形式で端末機器に適用されてもよいことに留意されたい。下記において、該データ伝送方法に対してアプリケーションプログラムの形式で説明するために、以下、該データ伝送方法を実現させるアプリケーションプログラムを加速アプリケーションプログラム(Application:APP)と呼ぶ。
図2に示すように、該方法は、下記ステップを含む。
【0040】
ステップ201において、ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得する。
【0041】
ターゲットアプリケーションは、データ加速伝送を必要とするアプリケーションプログラムである。データ加速伝送は、加速アプリケーションプログラム(加速APP)によりアプリケーションデータパケットの伝送過程においてアプリケーションプログラムのためにより安定したネットワーク環境を提供するという伝送需要である。ターゲットアプリケーションが伝送すべきアプリケーションデータパケットに対して、加速APPは、該アプリケーションデータパケットを傍受して取得する。後続で、それぞれネットワークデータチャネル及び短距離無線データチャネルを使用して、該アプリケーションデータパケットを伝送し、短距離無線データチャネルをネットワークデータチャネルの補助チャネルとする。これにより、データ伝送ためのネットワーク伝送チャネルを1つ追加し、ターゲットアプリケーションに、よりスムーズなネットワーク環境を提供し、ターゲットアプリケーションの加速伝送需要を満たし、ネットワーク遅延を低減させ、サービスパケットロスを減少させるという技術的効果を達成する。
【0042】
実際の適用において、加速APPは、ネットワーク機器の仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network:VPN)サービスを有効にし、該VPNサービスにより、ターゲットアプリケーションの実行過程に生成されたアプリケーションデータパケットを傍受して取得することができる。勿論、加速APPは、他の方式で、アプリケーションデータパケットを取得することもできる。ここで、アプリケーションデータパケットの取得方式に対して如何なる限定を行わない。
【0043】
上記ターゲットアプリケーションは、サーバとデータインタラクションを頻繁に行う必要があるアプリケーションプログラムであってもよく、例えば、リアルタイム対戦ゲームアプリケーションプログラムであってもよいことが理解されるべきである。勿論、ターゲットアプリケーションは、他のタイプのアプリケーションプログラムであってもよく、ここで、ターゲットアプリケーションを具体的に限定しない。実際に実行する場合、端末機器のシステムは、インストールされた全てのアプリケーションプログラムをデフォルトで、加速伝送されるべきターゲットアプリケーションと設定することができ、特定のタイプのアプリケーションプログラムを選択的に加速伝送されるべきターゲットアプリケーションと設定することもできる。例えば、加速APPは、ゲーム類のアプリケーションをデフォルトで、ターゲットアプリケーションと設定することができる。
【0044】
勿論、ユーザの使用上の需要を満たすことを確保するために、ユーザに、ターゲットアプリケーション設定チャネルを提供し、ユーザにより、加速伝送されるべきターゲットアプリケーションをカスタマイズすることもできる。例えば、実際の適用において、加速APPにより、ユーザに、アプリケーション構成インタフェースを提供する。該アプリケーション構成インタフェースで構成コントロールが搬送されている。これにより、ユーザは、加速伝送されるべきアプリケーションをターゲットアプリケーションとして選択する。ユーザは、該アプリケーション構成インタフェースで、アプリケーション選択走査をトリガすることができる。加速APPは、ユーザにより選択されたアプリケーションをターゲットアプリケーションとする。構成過程において、1つのアプリケーションをターゲットアプリケーションと設定することができ、複数のアプリケーションをターゲットアプリケーションと設定することもできる。
【0045】
実際の適用において、各アプリケーションプログラムの構成可能なオプションに、加速されるべきオプションを追加することもできる。ユーザは、特定のアプリケーションに対して設定を行い、それをターゲットアプリケーションとする。これにより、加速APPは、各アプリケーションプログラムの機能属性値に基づいて、アプリケーションが加速されるべきであるかどうか、ターゲットアプリケーションであるかどうかを判定することができる。更に、端末機器が実行している過程において、各アプリケーションのアプリケーションデータパケットをモニタリングし、ターゲットアプリケーションの実行で生成されるアプリケーションデータパケットのみに対して本願で提供されるデータ伝送方法を適用し、複数本のネットワークデータチャネルを使用して該アプリケーションデータパケットを伝送する。
【0046】
一例において、加速APPは、端末機器により、ユーザのために、アプリケーション構成インタフェースを表示することができる。それに対応して、ユーザは、該アプリケーション構成インタフェースにより、該端末機器における1つ以上のアプリケーションをターゲットアプリケーションとして選択することができる。例えば、端末機器は、アプリケーションリストの形式で、自己が現在サポートしているアプリケーションをユーザに展示し、各アプリケーションのために選択コントロールを対応的に配置することができる。ユーザは、選択コントロールをタッチ制御する方式で、該選択コントロールに対応するアプリケーションをターゲットアプリケーションとすることができる。上記ターゲットアプリケーションの選択方式は、一例だけであり、実際の適用において、端末機器は、他のターゲットアプリケーション選択方式をサポートすることもでき、ここで、ターゲットアプリケーションの選択方式に対して如何なる限定を行わない。
【0047】
加速APPは、ユーザがアプリケーション構成インタフェースによりトリガしたターゲットアプリケーション選択操作を検出する。つまり、ユーザがアプリケーション構成インタフェースにより入力したアプリケーション選択命令を受信することに相当する。更に、加速APPは、該アプリケーション選択命令に基づいて、ユーザにより選択されたアプリケーションをターゲットアプリケーションとする。具体的には、加速APPは、アプリケーションに識別子を追加することで、アプリケーションをターゲットアプリケーションとすることができる。又は、加速APPは、該アプリケーションの識別子をターゲットアプリケーションリストに追加することで、該アプリケーションをターゲットアプリケーションとすることもできる。ここで、端末機器がアプリケーションをターゲットアプリケーションとして記録する方式に対して如何なる限定を行わない。
【0048】
これに対応して、加速APPは、アプリケーションデータパケットを伝送する前に、アプリケーションデータパケットのソース識別子に基づいて、該アプリケーションデータパケットを伝送するための方式を決定することができる。具体的には、加速APPは、アプリケーションデータパケットのソース識別子に基づいて、該アプリケーションデータパケットが、ユーザにより設定されたターゲットアプリケーションからのものであるかどうかを判定する。ユーザにより設定されたターゲットアプリケーションからのものであれば、ステップ202及びステップ203を実行する。つまり、それぞれネットワークデータチャネル及び短距離無線データチャネルを使用して、該アプリケーションデータパケットを伝送する。逆に、アプリケーションデータパケットが、ユーザにより設定されたターゲットアプリケーションからのものでなければ、ステップ202のみを実行する。つまり、ネットワークデータチャネルのみにより、該アプリケーションデータパケットを送信する。
【0049】
アプリケーションデータパケットのソース識別子は、アプリケーションデータパケットがどのアプリケーションプログラムで生成されたものであるかを表すことができることが理解されるべきである。これに対応して、加速APPは、アプリケーションデータパケットのソース識別子に基づいて、アプリケーションデータパケットがターゲットアプリケーションで生成されたものであるかどうかを判定することができる。
【0050】
ステップ202において、ネットワークデータチャネルを使用して、アプリケーションデータパケットを第1ルーティング機器に伝送し、第1ルーティング機器から、アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。
【0051】
加速APPは、ターゲットアプリケーションの実行過程で生成されたアプリケーションデータパケットを取得した後、ネットワークデータチャネルを使用して、該アプリケーションデータパケットを第1ルーティング機器に伝送する。これにより、第1ルーティング機器から、該アプリケーションデータパケットを更にプロキシサーバに伝送する。
【0052】
ネットワークデータチャネルは、短距離無線データチャネル以外のいずれか1つのネットワークデータチャネルであってもよく、例えば、WiFiネットワークデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル、有線ネットワークデータチャネルなどであってもよく、ここで、ネットワークデータチャネルのタイプを限定しないことに留意されたい。
【0053】
なお、第1ルーティング機器とプロキシサーバとの間のネットワークデータチャネルは、WiFiネットワークデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル及び有線ネットワークデータチャネルのうちのいずれか1つであってもよい。ここで、第1ルーティング機器とプロキシサーバとの間のネットワークデータチャネルのタイプを限定しない。
【0054】
実際の適用において、多くのユーザは、従量課金という問題を考慮して、一般的には、WiFiネットワークチャネルをネットワークデータチャネルとして優先して選択する。勿論、WiFiネットワークチャネルを構築できないか又はWiFiネットワークチャネルの状態が悪い場合、ユーザは、セルラーネットワークデータチャネルをネットワークデータチャネルとして選択することもできる。つまり、ユーザは、自己の実際の需要に応じて、いずれか1つのネットワークデータチャネルを選択することができる。
【0055】
ステップ203において、ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送し、第2ルーティング機器からアプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。
【0056】
加速APPは、ネットワークデータチャネルを使用して、ターゲットアプリケーションの実行で生成されたアプリケーションデータパケットを伝送すると同時に、短距離無線データチャネルを使用して、該アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送する。続いて、第2ルーティング機器介して、該アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。
【0057】
短距離無線データチャネルのタイプは、ネットワークデータチャネルのタイプと異なり、短距離無線データチャネルは、ブルートゥースデータチャネル又はNFCデータチャネルであってもよく、ここで、ブルートゥースデータチャネルは、ブルートゥース(登録商標:以降省略)チャネルに基づいて確立されたネットワークデータ伝送チャネルであってもよく、オリジナルブルートゥース(登録商標:以降省略)データ伝送チャネルであってもよく、NFCデータチャネルは、NFCチャネルに基づいて確立されたネットワークデータ伝送チャネルであってもよく、オリジナルNFCデータ伝送チャネルであってもよいことに留意されたい。
【0058】
なお、第2ルーティング機器とプロキシサーバとの間のネットワークデータチャネルは、WiFiネットワークデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル、有線ネットワークデータチャネルのうちのいずれか1つであってもよく、ここで、第2ルーティング機器とプロキシサーバとの間のネットワークデータチャネルのタイプを限定しない。
【0059】
実際の適用において、上記第2ルーティング機器と第1ルーティング機器は、2つの独立したルーティング機器であってもよく、同一のルーティング機器であってもよいことが理解されるべきである。第2ルーティング機器と第1ルーティング機器が同一のルーティング機器である場合、該ルーティング機器は、2つのデータ伝送チャネルの伝送メカニズムを同時にサポートすることができる。1つは、ブルートゥースデータチャネル又はNFCデータチャネルのような短距離無線データチャネルであり、もう1つは、WiFiネットワークデータチャネル又はセルラーネットワークデータチャネルのような非短距離無線データチャネルである。
【0060】
以下、異なるタイプの短距離無線データチャネルに対して、各短距離無線データチャネルにそれぞれ対応するデータ伝送方式を説明する。
【0061】
可能な実現形態において、短距離無線データチャネルは、オリジナルブルートゥースチャネルに付加されて確立された無線ネットワークであってもよい。つまり、該短距離無線データチャネルは、ブルートゥース(登録商標:以降省略)無線ローカルエリアネットワーク(Bluetooth(登録商標) Wireless Local Area Networks:BT-WLAN)チャネルであってもよい。これに対応して、加速APPは、該BT-WLANチャネルにより、該アプリケーションデータパケットをブルートゥース中継機器に伝送する。更に、該ブルートゥース中継機器から、該アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送する。
【0062】
留意すべき点として、実際の適用において、多数のルーティング機器はBT-WLANチャネルに基づいてデータを伝送できないため、端末機器は一般的には、自己と第2ルーティング機器との間のBT-WLANチャネルを直接的に構築しにくい。端末機器がBT-WLANチャネルに基づいてデータを伝送することを実現させるために、一般的には、端末機器と第2ルーティング機器との間で、ブルートゥース中継機器を増設する必要がある。該ブルートゥース中継機器を利用して、端末機器からBT-WLANチャネルにより送信されたアプリケーションデータパケットを受信する。更に、該ブルートゥース中継機器を利用して、受信されたアプリケーションデータパケットを他の非短距離無線データチャネルにより第2ルーティング機器に伝送する。
【0063】
実際に実行する時、端末機器は、まず、ブルートゥースペアリングの方式で、ブルートゥース中継機器と接続し、自己とブルートゥース中継機器との間のオリジナルブルートゥースチャネルを確立する。更に、端末機器とブルートゥース中継機器は、ブルートゥース(登録商標:以降省略)共有ローカルエリアネットワークという機能を利用して、オリジナルブルートゥース(登録商標:以降省略)チャネルに基づいて無線ネットワークチャネルを確立する。つまり、端末機器とブルートゥース中継機器との間のBT-WLANチャネルを確立する。BT-WLANチャネルを確立した後、加速APPは、ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを受信してから、該BT-WLANチャネルにより、アプリケーションデータパケットをブルートゥース中継機器に伝送する。更に、該ブルートゥース中継機器により、アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送する。
【0064】
これに対応して、アプリケーションサーバは、プロキシサーバにより、ターゲットアプリケーションに応答データパケットを伝送する場合、アプリケーションサーバは、プロキシサーバにより、該応答データパケットを第2ルーティング機器に伝送する。第2ルーティング機器は、続いて、該応答データパケットをブルートゥース中継機器に伝送し、加速APPから、応答データパケットをターゲットアプリケーションに伝送する。
【0065】
上記ブルートゥース中継機器は、スマートフォン、タブレットなどのような、ブルートゥース(登録商標:以降省略)機能及びデータ伝送機能を持ついずれか1つの機器であってもよく、ここで、該ブルートゥース中継機器を限定しないことが理解されるべきである。
【0066】
発明者らは検討過程において以下を見出した。業界内において一般的には、BT-WLANを適用する場合、4Gをホットスポットソースとして用いなければならないと認められる。従って、4Gをホットスポットソースとして用い、ブルートゥースを用いてWIFIを支援すると、トラフィック消費及び電力消費が大きいという問題を必ず招く。従って、これによれば、BT-WLANは、WIFI加速に用いられない。発明者らは、実験により、BT-WLANをホットスポットソースとして用いることもできるため、直接的にブルートゥースを用いてWIFIを支援することができ、電力消費を節約することを見出した。
【0067】
もう1つの可能な実現形態において、短距離無線データチャネルは、オリジナルBTチャネルであってもよい。該オリジナルBTチャネルは一般的には、ブルートゥース(登録商標:以降省略)フォーマットのデータ(後続で、ブルートゥース(登録商標:以降省略)データと略称される)のみをサポートする。これに対応して、加速APPは、アプリケーションデータパケットを伝送する前に、まず、該アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥース(登録商標:以降省略)データパケットに変換し、更に、オリジナルBTチャネルにより、該ブルートゥースデータパケットをブルートゥース中継機器に伝送し、該ブルートゥース中継機器により、該ブルートゥースデータパケットをアプリケーションデータパケットに再変換し、更に、該アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送する。
【0068】
留意すべき点として、実際の適用において、多数のルーティング機器は直接的にオリジナルBTチャネルに基づいてデータ伝送を行うことができないため、端末機器は一般的には、自己と第2ルーティング機器との間のオリジナルBTチャネルを直接的に構築しにくい。端末機器がオリジナルBTチャネルに基づいてデータを伝送することを実現させるために、一般的には、端末機器と第2ルーティング機器との間で、ブルートゥース中継機器を増設する必要がある。該ブルートゥース中継機器を利用して、端末機器からオリジナルBTチャネルにより送信されたアプリケーションデータパケットを受信する。更に、該ブルートゥース中継機器を利用して、受信されたアプリケーションデータパケットを他の非短距離無線データチャネルにより第2ルーティング機器に伝送する。
【0069】
実際に実行する時、端末機器は、まず、ブルートゥースペアリングの方式で、ブルートゥース中継機器と接続し、自己とブルートゥース中継機器との間のオリジナルBTチャネルを確立する。加速APPは、ターゲットアプリケーションのアプリケーションデータパケットを取得した後、該アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥースデータパケットに変換し、続いて、端末機器のブルートゥース(登録商標:以降省略)インタフェースを呼び出して、該ブルートゥースデータパケットをオリジナルBTチャネルによりブルートゥース中継機器に伝送する。ブルートゥース中継機器は、該ブルートゥースデータパケットを受信した後、該ブルートゥースデータパケットをそれに対応するアプリケーションデータパケットに再変換し、該アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送する。
【0070】
これに対応して、アプリケーションサーバは、プロキシサーバにより、ターゲットアプリケーションに応答データパケットを伝送する場合、アプリケーションサーバは、まず、プロキシサーバにより、応答データパケットを第2ルーティング機器に伝送し、第2ルーティング機器を利用して該応答データパケットをブルートゥース中継機器に伝送する。ブルートゥース中継機器は、該応答データパケットを受信した後、オリジナルBTチャネルに基づいて該応答データパケットを伝送することを確保するために、まず、該応答データパケットをそれに対応するブルートゥース(登録商標:以降省略)応答データパケットに変換し、更に、オリジナルBTチャネルにより、該ブルートゥース応答データパケットを端末機器に伝送する。端末機器における加速APPは、該ブルートゥース応答データパケットをそれに対応する応答データパケットに再変換し、該応答データパケットをターゲットアプリケーションに伝送する。
【0071】
このような実現形態におけるブルートゥース中継機器は、ブルートゥース機能及びデータ伝送機能に加えて、データ変換機能を更に持つ必要があり、つまり、該ブルートゥース中継機器は、トラフィックデータ(即ち、アプリケーションデータパケット及び応答データパケットに対応するデータタイプ)とブルートゥース(登録商標:以降省略)データ(即ち、ブルートゥースデータパケット及びブルートゥース応答データパケットに対応するデータタイプ)との相互変換を実現させることができることに留意されたい。
【0072】
幾つかの実施形態において、該ブルートゥース中継機器は、カスタマイズされたブルートゥース機器であってもよい。つまり、ブルートゥース機能、データ伝送機能及びデータ変換機能を持つ機器を事前カスタマイズすることができ、該機器を利用して、端末機器と第2ルーティング機器との間で伝送されるデータパケットを中継する。
【0073】
幾つかの実施形態において、加速APPは、トラフィックデータとブルートゥースデータとの相互変換を実現させることができるため、ブルートゥース機能及びデータ伝送機能を持つ端末機器に直接的に加速APPをインストールし、該端末機器をブルートゥース中継機器として用い、ターゲットアプリケーションが実行されている端末機器と第2ルーティング機器との間のデータパケットの中継を実現させることもできる。
【0074】
また1つの実現形態において、データ伝送過程に経過される機器の数を減少させるために、端末機器と第2ルーティング機器との間で直接的にオリジナルBTチャネルを構築することもできる。これに対応して、加速APPは、アプリケーションデータパケットを伝送する前に、アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥースデータパケットに変換する必要がある。更に、該オリジナルBTチャネルを使用して、該ブルートゥースデータパケットを第2ルーティング機器に伝送し、該第2ルーティング機器を介して、該ブルートゥースデータパケットをアプリケーションデータパケットに変換する。
【0075】
上述したように、関連技術における多数のルーティング機器は、オリジナルBTチャネルを使用してデータを直接的に伝送できないため、第2ルーティング機器にオリジナルBTチャネルを使用して端末機器からのブルートゥースデータパケットを受信することを実現させるために、一般的には、予め第2ルーティング機器に対して特定の処理を行う必要がある。幾つかの実施例において、第2ルーティング機器にブルートゥース(登録商標:以降省略)モジュールを増設し、該ブルートゥースモジュールにより、ブルートゥースデータを取得し、ブルートゥースデータとトラフィックデータとの間の相互変換を実現させることができる。
【0076】
実際に実行する時、端末機器は、まず、ブルートゥースペアリングの方式で、第2ルーティング機器と接続し、自己と第2ルーティング機器との間のオリジナルBTチャネルを確立する。加速APPは、ターゲットアプリケーションのアプリケーションデータパケットを取得した後、該アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥースデータパケットに変換し、続いて、端末機器のブルートゥースインタフェースを呼び出して、オリジナルBTチャネルを使用して該ブルートゥースデータパケットを第2ルーティング機器に伝送する。第2ルーティング機器は、該ブルートゥースデータパケットを受信した後、該ブルートゥースデータパケットをそれに対応するアプリケーションデータパケットに再変換し、該アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。
【0077】
これに対応して、アプリケーションサーバがプロキシサーバを介してターゲットアプリケーションに応答データパケットを伝送する場合、アプリケーションサーバは、まず、プロキシサーバを介して応答データパケットを第2ルーティング機器に伝送する。第2ルーティング機器は、オリジナルBTチャネルに基づいて該応答データパケットを伝送することを確保するために、まず、該応答データパケットをそれに対応するブルートゥース応答データパケットに変換し、更にオリジナルBTチャネルを使用して、該ブルートゥース応答データパケットを端末機器に伝送し、端末機器における加速APPは、該ブルートゥース応答データパケットをそれに対応する応答データパケットに再変換し、該応答データパケットをターゲットアプリケーションに伝送する。
【0078】
実際の適用において、端末機器は、上記3つの可能な実現形態により、BT-WLANチャネル又はオリジナルBTチャネルに基づいてアプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送することができるのに加えて、NFCチャネルに基づいて、近接場通信無線ローカルエリアネットワーク(Near Field Communication Wireless Local Area Networks:NFC-WLAN)チャネル又はオリジナルNFCチャネルを構築し、アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送することもでき、ここで、用いられる短距離無線データチャネルに対して如何なる限定を行わないことが理解されるべきである。端末機器は、NFC-WLANデータチャネルに基づいて、第2ルーティング機器にアプリケーションデータパケットを伝送する場合、端末機器と第2ルーティング機器との間でNFC中継機器を増設することもできる。これにより、端末機器は、NFC-WLANデータチャネルにより、アプリケーションデータパケットをNFC中継機器に伝送する。更に、NFC中継機器を利用して、他の非短距離無線データチャネルを使用して、アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送する。端末機器は、オリジナルNFCデータチャネルに基づいて、第2ルーティング機器にアプリケーションデータパケットを伝送する場合、端末機器と第2ルーティング機器との間でNFC中継機器を増設することもできる。端末機器は、アプリケーションデータパケットをNFCでデータに変換した後、オリジナルNFCデータチャネルを使用して、該NFCデータをNFC中継機器伝送し、更に、NFC中継機器により、該NFCデータをアプリケーションデータパケットに再変換し、他の非短距離無線データチャネルを使用して、アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送する。勿論、第2ルーティング機器にNFCモジュールを増設することもできる。これにより、端末機器は、アプリケーションデータパケットをNFCデータに変換した後、該NFCデータを直接的に第2ルーティング機器に伝送し、第2ルーティング機器を利用して該NFCデータをアプリケーションデータパケットに再変換することができる。
【0079】
上記ステップ202とステップ203は、同時に実行されてもよい。実際の適用において、両者に優先順位がない。つまり、加速APPは、ターゲットアプリケーションの実行で生成されたアプリケーションデータパケットを取得した後、同時にネットワークデータチャネル及び短距離無線データチャネルを使用して、該アプリケーションデータパケットを第1ルーティング機器及び第2ルーティング機器に伝送し、更に、それぞれ第1ルーティング機器及び第2ルーティング機器を介して、該アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。
【0080】
ステップ204において、重複排除メカニズムに基づいて、プロキシサーバを介してアプリケーションサーバにアプリケーションデータパケットを伝送する。
【0081】
プロキシサーバは、第1ルーティング機器及び第2ルーティング機器から伝送されたアプリケーションデータパケットを受信した後、重複排除メカニズムに基づいて、第1ルーティング機器及び第2ルーティング機器からのアプリケーションデータパケットから、1つのアプリケーションデータパケットを選択してアプリケーションサーバに伝送する。これにより、アプリケーションサーバは、該アプリケーションデータパケットに基づいて、対応する処理を行う。
【0082】
幾つかの実施例において、加速APPは、ネットワークデータチャネル及び短距離無線データチャネルを使用して、アプリケーションデータパケットを送信する前に、同様なアプリケーションデータパケットに対して、同一の識別子を設定する。例えば、アプリケーションデータパケットのヘッダー部に、同一の番号などを設定する。ネットワークデータチャネル及び第1ルーティング機器という伝送経路(第1伝送経路と略称される)によりアプリケーションデータパケットを伝送する速度は、短距離無線データチャネル及び第2ルーティング機器という伝送経路(第2伝送経路と略称される)によりアプリケーションデータパケットを伝送する速度と一般的に異なるため、プロキシサーバは一般的には、2つの同様なアプリケーションデータパケットを前後して受信する。アプリケーションサーバが後続で2つの同様なアプリケーションデータパケットに対して同様な処理プロセスを実行してコンピューティングリソースを浪費することを避けるために、プロキシサーバは、アプリケーションデータパケットを受信した後、受信されたアプリケーションデータパケットの識別子に基づいて、自己がこの前に該アプリケーションデータパケットと同様なアプリケーションデータパケットを受信したかどうかを判定する。受信したとすれば、プロキシサーバは、直接的に該アプリケーションデータパケットを破棄することができる。逆に、受信していなかったとすれば、該アプリケーションデータパケットをアプリケーションサーバに伝送する。
【0083】
同様に、アプリケーションサーバがプロキシサーバを介してターゲットアプリケーションに応答データパケットを伝送する時、プロキシサーバは、同様な応答データパケットに対して同一の識別子を設定する。プロキシサーバはそれぞれ上記第1伝送経路及び第2伝送経路により、応答データパケットを端末機器における加速APPに伝送する。第1伝送経路の伝送速度は一般的に第2伝送経路の伝送速度と異なるため、加速APPは一般的に2つの同様な応答データパケットを前後して受信する。ターゲットアプリケーションが後続で2つの同様な応答データパケットに対して同様な処理プロセスを繰り返して実行してコンピューティングリソースを浪費することを避けるために、加速APPは、応答データパケットを受信した後、受信された応答データパケットの識別子に基づいて、自己がこの前に該応答データパケットと同様な応答データパケットを受信したかどうかを判定する。受信したとすれば、加速APPは、直接的に該応答データパケットを破棄することができる。受信していなかったとすれば、該応答データパケットをターゲットアプリケーションに伝送する。
【0084】
上記データ伝送方法は、短距離無線データチャネル(例えば、ブルートゥースデータチャネル、NFCデータチャネル)をデータ伝送のための補助チャネルとして使用して、他の非短距離無線データチャネル(例えばWiFiデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル等)によるデータ伝送を支援する。これにより、複数本のデータチャネルに基づいて、データ伝送を行い、データ伝送の安定性及び信頼性を確保する。なお、短距離無線データチャネルによるデータ伝送に必要な消費電力が少ないため、安定したデータ伝送を確保する上で、端末機器の消費電力を最大限低減させ、端末機器の発熱を減少させることができる。
【0085】
以下、実施例を参照しながら、本願で提供されるプロキシサーバ側のデータ伝送方法を説明する。
【0086】
図3を参照すると、
図3は、本願の実施例によるプロキシサーバ側のデータ伝送方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、該方法は、下記ステップを含む。
【0087】
ステップ301において、アプリケーションサーバから送信された応答データパケットを受信する。
【0088】
アプリケーションサーバは、ターゲットアプリケーションから送信されたアプリケーションデータパケットを受信した後、該アプリケーションデータパケットに応答して、応答データパケットを生成し、該応答データパケットをプロキシサーバに送信する。これにより、プロキシサーバにより、該応答データパケットを2部複製し、それぞれ第1ルーティング機器及びネットワークデータチャネルに対応する経路、第2ルーティング機器及び短距離無線データチャネルに対応する経路を経由して、該応答データパケットを端末機器に伝送する。
【0089】
ステップ302において、第1ルーティング機器を使用することにより、ネットワークデータチャネルを介して応答データパケットを端末機器に送信する。
【0090】
プロキシサーバは、アプリケーションサーバから送信された応答データパケットを受信した後、該応答データパケットを第1ルーティング機器に伝送する。これにより、該第1ルーティング機器を介して、該応答データパケットを第1ネットワークデータチャネルを使用して端末機器に伝送する。
【0091】
プロキシサーバと第1ルーティング機器との間のネットワークデータチャネルは、WiFiネットワークデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル及び有線ネットワークデータチャネルのうちのいずれか1つであってもよく、ここで、第1ルーティング機器とプロキシサーバとの間のネットワークデータチャネルのタイプを具体的に限定しないことに留意されたい。上記第1ネットワークデータチャネルは具体的には、短距離無線データチャネル以外のいずれか1つのネットワークデータチャネルであってもよい。例えば、WiFiネットワークデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル、有線ネットワークデータチャネルなどであってもよく、ここで、第1ネットワークデータチャネルのタイプを具体的に限定しない。
【0092】
ステップ303において、第2ルーティング機器を使用することにより、ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを介して応答データパケットを端末機器に送信する。
【0093】
プロキシサーバは、第1ルーティング機器を使用することにより、第1ネットワークデータチャネルを介して応答データパケットを伝送すると同時に、複製した応答データパケットを第2ルーティング機器に伝送する。これにより、第2ルーティング機器介して、短距離無線データチャネルを使用して、応答データパケットを端末機器に伝送する。
【0094】
幾つかの実施例において、プロキシサーバと第2ルーティング機器との間のネットワークデータチャネルは、WiFiネットワークデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル、有線ネットワークデータチャネルのうちのいずれか1つであってもよく、ここで、第2ルーティング機器とプロキシサーバとの間のネットワークデータチャネルのタイプを具体的に限定しないことに留意されたい。なお、第2ネットワークデータチャネルのタイプは、第1ネットワークデータチャネルのタイプと異なる。第2ネットワークデータチャネルは、短距離無線データチャネルである。具体的には、該第2ネットワークデータチャネルは、ブルートゥースデータチャネルであってもよい。例えば、ブルートゥースチャネルに基づいて確立されたネットワークデータ伝送チャネル又はオリジナルブルートゥースデータ伝送チャネルであってもよい。該第2ネットワークデータチャネルは、NFCデータチャネルであってもよい。例えば、NFCチャネルに基づいて構築されたネットワークデータ伝送チャネル又はオリジナルNFCデータ伝送チャネルであってもよい。
【0095】
第2ネットワークデータチャネルである短距離無線データチャネルは、BT-WLANチャネルである場合、プロキシサーバは、まず、応答データパケットを第2ルーティング機器に伝送し、第2ルーティング機器介して、該応答データパケットをブルートゥース中継機器に伝送する。更に、ブルートゥース中継機器を介して、BT-WLANチャネルを使用して、応答データパケットを端末機器における加速APPに伝送し、加速APPを介して、該応答データパケットをターゲットアプリケーションに伝送する。
【0096】
幾つかの実施例において、短距離無線データチャネルは、オリジナルBTチャネルであり、プロキシサーバは、まず、応答データパケットを第2ルーティング機器に伝送し、第2ルーティング機器介して、該応答データパケットをブルートゥース中継機器に伝送し、ブルートゥース中継機器で、該応答データパケットをブルートゥース応答データパケットに変換し、オリジナルBTチャネルを使用して、ブルートゥース応答データパケットを端末機器における加速APPに伝送する。最後に、加速APPは、該ブルートゥース応答データパケットを対応する応答データパケットに再変換し、ターゲットアプリケーションに伝送する。
【0097】
幾つかの実施例において、短距離無線データチャネルは、オリジナルBTチャネルであり、プロキシサーバは、まず、応答データパケットを第2ルーティング機器に伝送し、第2ルーティング機器介して、該応答データパケットをブルートゥース応答データパケットに変換し、オリジナルBTチャネルを使用して、ブルートゥース応答データパケットを端末機器における加速APPに伝送する。最後に、加速APPは、該ブルートゥース応答データパケットを対応する応答データパケットに再変換し、ターゲットアプリケーションに伝送する。
【0098】
本願の上記実施例を適用する場合、ネットワークデータチャネル及び短距離無線データチャネルを使用してデータ伝送を行う。短距離無線データチャネル(例えば、ブルートゥースデータチャネル、NFCデータチャネル)をデータ伝送のための補助チャネルとして使用して、ネットワークデータチャネル(例えば、WiFiデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル等)によるデータ伝送を支援する。これにより、複数本のデータチャネルに基づいてデータ伝送を行い、データ伝送の安定性及び信頼性を確保し、データ伝送効率を向上させる。
【0099】
上記
図2及び
図3に示すデータ伝送方法を全体的に理解しやすくするために、以下、端末機器とサーバとのインタラクションの観点から、本願の実施例で提供されるデータ伝送方法を説明する。
【0100】
図4を参照すると、
図4は、本願の実施例によるデータ伝送方法のインタラクティブシグナリングを示す図である。
図4に示すように、該データ伝送方法は、下記ステップを含む。
【0101】
ステップ401において、端末機器がターゲットアプリケーションのアプリケーションデータパケットを取得する。
【0102】
ここで、ターゲットアプリケーションは一般的には、サーバと頻繁に通信する必要があるアプリケーションであり、例えば、リアルタイム対戦ゲームアプリケーション、支払いアプリケーションなどである。
【0103】
端末機器は、アプリケーションデータパケットを取得した後、ステップ402及びステップ404を同時にトリガする。
【0104】
ステップ402において、端末機器がネットワークデータチャネルを使用して、アプリケーションデータパケットを第1ルーティング機器に伝送する。
【0105】
ここで、ネットワークデータチャネルは、短距離無線データチャネル以外の他のデータチャネルである。例えば、WiFiデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル、有線ネットワークデータチャネル等である。
【0106】
ステップ403において、第1ルーティング機器がアプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。
【0107】
ステップ404において、端末機器が短距離無線データチャネルを使用して、アプリケーションデータパケットを第2ルーティング機器に伝送する。
【0108】
ここで、短距離無線データチャネルは、ブルートゥースデータチャネル又はNFCデータチャネルであってもよく、ブルートゥースデータチャネルは、BT-WLANチャネル又はオリジナルBTチャネルであってもよく、NFCデータチャネルは、NFC-WLANチャネル又はオリジナルNFCチャネルであってもよい。
【0109】
ステップ405において、第2ルーティング機器がアプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送する。
【0110】
ステップ406において、プロキシサーバが重複排除メカニズムに基づいて、アプリケーションデータパケットを選択する。
【0111】
実際の適用において、プロキシサーバは、重複排除メカニズムに基づいて、第1ルーティング機器及び第2ルーティング機器を介して伝送されたアプリケーションデータパケットから、1つのアプリケーションデータパケットを選択する。
【0112】
幾つかの実施例において、プロキシサーバは、受信順番に応じて、自己が先に受信したアプリケーションデータパケットを選択し、自己が後に受信したアプリケーションデータパケットを破棄することができる。
【0113】
ステップ407において、プロキシサーバがアプリケーションデータパケットをアプリケーションサーバに伝送する。
【0114】
ステップ408において、アプリケーションサーバがアプリケーションデータパケットに応答して、応答データパケットを生成する。
【0115】
ステップ409において、アプリケーションサーバが応答データパケットをプロキシサーバに伝送し、プロキシサーバが該応答データパケットを受信した後に複製し、ステップ410及びステップ412をトリガする。
【0116】
ステップ410において、プロキシサーバが応答データパケットを第1ルーティング機器に伝送する。
【0117】
ステップ411において、第1ルーティング機器がネットワークデータチャネルを使用して、応答データパケットを端末機器に伝送する。
【0118】
ステップ412において、プロキシサーバが応答データパケットを第2ルーティング機器に伝送する。
【0119】
ステップ413において、第2ルーティング機器が短距離無線データチャネルを使用して、応答データパケットを端末機器に伝送する。
【0120】
ステップ414において、端末機器が重複排除メカニズムに基づいて応答データパケットを選択する。
【0121】
実際の適用において、端末機器は、重複排除メカニズムに基づいて、第1ルーティング機器及び第2ルーティング機器を介して伝送された応答データパケットから、1つの応答データパケットを選択する。
【0122】
幾つかの実施例において、端末機器は、受信順番に応じて、自己が先に受信した応答データパケットを選択し、自己が後に受信した応答データパケットを破棄することができる。
【0123】
ステップ415において、端末機器が応答データパケットをターゲットアプリケーションに伝送する。
【0124】
以下、ターゲットアプリケーションがゲームAPPであり、ネットワークデータチャネルがWiFiネットワークデータチャネルであり、短距離無線データチャネルがブルートゥースデータチャネルであることを例として、
図5、
図6及び
図7を参照しながら、本願の実施例におけるデータ伝送方法を説明する。
【0125】
図5は、本願の実施例による短距離無線データチャネルがBT-WLANチャネルである場合のデータ伝送を示す概略図である。
図5に示すように、端末機器501でゲームAPP及び加速APPが実行されている。加速APPは、VPNチャネルにより、ゲームAPPの実行で生成されたゲームデータパケットを傍受して取得することができる。加速APPは、同時に、WiFiネットワークデータチャネルによりゲームデータパケットを第1ルーティング機器502に伝送し、BT-WLANチャネルにより、ゲームデータパケットをブルートゥース中継機器503を経由して第2ルーティング機器504に伝送する。更に、第1ルーティング機器502及び第2ルーティング機器504は、自己が受信したゲームデータパケットをプロキシサーバ505に伝送する。ロキシサーバ505は、ゲームデータパケットの受信順番に応じて、自己が先に受信したゲームデータパケットをゲームサーバ506に伝送し、自己が後に受信したゲームデータパケットを破棄する。
【0126】
ゲームサーバ506は、自己が受信したゲームデータパケットに応答して、応答データパケットを生成し、該応答データパケットをプロキシサーバ505に伝送する。プロキシサーバ505は該応答データパケットをそれぞれ第1ルーティング機器502及び第2ルーティング機器504に伝送する。これにより、第1ルーティング機器502を利用して、WiFiネットワークデータチャネルを使用して、応答データパケットを加速APPに伝送し、第2ルーティング機器504を利用して、ブルートゥース中継機器503を経由して、BT-WLANチャネルにより、応答データパケットを加速APPに伝送する。加速APPは、応答データパケットの受信順番に応じて、自己が先に受信した応答データパケットをゲームAPPに伝送し、自己が後に受信した応答データパケットを破棄する。
【0127】
図6は、短距離無線データチャネルがオリジナルBTチャネルである場合のデータ伝送を示す概略図である。
図6に示す概略図において、ゲームデータパケットを中継するためのブルートゥース中継機器は、カスタマイズされたブルートゥース(登録商標:以降省略)機器603であり、該カスタマイズされたブルートゥース機器は、トラフィックデータとブルートゥースデータとの間の相互変換を実現させることができる。
【0128】
図6に示すように、端末機器601でゲームAPP及び加速APPが実行されている。加速APPは、VPNチャネルにより、ゲームAPPの実行で生成されたゲームデータパケットを傍受して取得することができる。加速APPは、WiFiネットワークデータチャネルを使用して、ゲームデータパケットを第1ルーティング機器602に伝送し、それと同時に、加速APPは、ゲームデータパケットをブルートゥースデータパケットに変換し、オリジナルBTチャネルにより、ブルートゥースデータパケットをカスタマイズされたブルートゥース機器603に送信する。カスタマイズされたブルートゥース機器603は、該ブルートゥースデータパケットをゲームデータパケットに再変換した後、該ゲームデータパケットを第2ルーティング機器604に伝送する。第1ルーティング機器602及び第2ルーティング機器604は、自己が受信したゲームデータパケットをプロキシサーバ605に伝送する。プロキシサーバ605は、ゲームデータパケットの受信順番に応じて、自己が先に受信したゲームデータパケットをゲームサーバ606に伝送し、自己が後に受信したゲームデータパケットを破棄する。
【0129】
ゲームサーバ606は、自己が受信したゲームデータパケットに応答して、応答データパケットを生成し、該応答データパケットをプロキシサーバ605に伝送する。プロキシサーバ605はそれぞれ該応答データパケットを第1ルーティング機器602及び第2ルーティング機器604に伝送する。これにより、第1ルーティング機器602を利用して、WiFiネットワークデータチャネルを使用して、応答データパケットを加速APPに伝送し、第2ルーティング機器604を利用して、応答データパケットをカスタマイズされたブルートゥース機器603に伝送する。カスタマイズされたブルートゥース機器603により、応答データパケットをブルートゥース応答データパケットに変換し、オリジナルBTチャネルにより、該ブルートゥース応答データパケットを加速APPに伝送する。加速APPは、該ブルートゥース応答データパケットを受信した後、それを応答データパケットに変換する。加速APPは、応答データパケットの取得順番に応じて、自己が先に取得した応答データパケットをゲームAPPに伝送し、自己が後に取得した応答データパケットを破棄する。
【0130】
図7は、短距離無線データチャネルがオリジナルBTチャネルである場合のもう1つのデータ伝送を示す概略図である。
図7に示す概略図において、ゲームデータパケットを中継するためのブルートゥース中継機器は、端末機器703であり、該端末機器703で、トラフィックデータとブルートゥースデータとの間の相互変換を実現できる加速APPが実行されている。
【0131】
図7に示すように、端末機器701でゲームAPP及び加速APPが実行されている。加速APPは、VPNチャネルにより、ゲームAPPの実行で生成されたゲームデータパケットを傍受して取得することができる。端末機器701における加速APPは、WiFiネットワークデータチャネルを使用して、ゲームデータパケットを第1ルーティング機器702に伝送し、それと同時に、端末機器701における加速APPは、ゲームデータパケットをブルートゥースデータパケットに変換し、オリジナルBTチャネルにより、ブルートゥースデータパケットを端末機器703における加速APPに送信する。端末機器703における加速APPは、該ブルートゥースデータパケットをゲームデータパケットに再変換した後、該ゲームデータパケットを第2ルーティング機器704に伝送する。第1ルーティング機器702及び第2ルーティング機器704は、自己が受信したゲームデータパケットをプロキシサーバ705に伝送する。プロキシサーバ705は、ゲームデータパケットの受信順番に応じて、自己が先に受信したゲームデータパケットをゲームサーバ706に伝送し、自己が後に受信したゲームデータパケットを破棄する。
【0132】
ゲームサーバ706は、自己が受信したゲームデータパケットに応答して、応答データパケットを生成し、該応答データパケットをプロキシサーバ705に伝送する。プロキシサーバ705はそれぞれ該応答データパケットを第1ルーティング機器702及び第2ルーティング機器704に伝送する。これにより、第1ルーティング機器702を利用して、WiFiネットワークデータチャネルを使用して、応答データパケットを加速APPに伝送し、第2ルーティング機器704を利用して、応答データパケットを端末機器703における加速APPに伝送する。端末機器703における加速APPにより、応答データパケットをブルートゥース応答データパケットに変換し、オリジナルBTチャネルにより、該ブルートゥース応答データパケットを端末機器701における加速APPに伝送する。端末機器701における加速APPは、該ブルートゥース応答データパケットを受信した後、それを応答データパケットに変換する。端末機器701における加速APPは、応答データパケットの取得順番に応じて、自己が先に取得した応答データパケットをゲームAPPに伝送し、自己が後に取得した応答データパケットを破棄する。
【0133】
本願における短距離無線データチャネルは、NFCデータチャネルであってもよい。短距離無線データチャネルがNFC-WLANチャネルである場合、
図5と類似した実現形態に基づいて、データ伝送を行うことができ、短距離無線データチャネルがオリジナルNFCチャネルである場合、
図6又は
図7と類似した実現形態に基づいて、データ伝送を行うことができることに留意されたい。
【0134】
上述したデータ伝送方法に対して、本願は、対応するデータ伝送装置を更に提供する。これにより、上記データ伝送方法を実際に適用して実現させる。
【0135】
図8を参照すると、
図8は、上記
図2に示すデータ伝送方法に対応するデータ伝送装置800の構造を示す概略図である。該データ伝送装置800は、
ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得するように構成される取得モジュール801と、
ネットワークデータチャネルを使用して、第1ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送するように構成される第1送信モジュール802と、
前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送するように構成される第2送信モジュール803と、
前記プロキシサーバにより重複排除メカニズムに基づいて前記ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバに前記アプリケーションデータパケットを伝送するように構成される伝送モジュール804と、を備える。
【0136】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、前記短距離無線データチャネルは、BT-WLANチャネルであり、
前記第2送信モジュール803は更に、確立された、ブルートゥース中継機器との間のBT-WLANデータチャネルにより、前記アプリケーションデータパケットを、ブルートゥース中継機器を経由して前記第2ルーティング機器に伝送するように構成される。
【0137】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、前記短距離無線データチャネルは、BTデータチャネルであり、
前記第2送信モジュール803は更に、前記アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥースデータパケットに変換し、
前記BTチャネルにより、前記ブルートゥースデータパケットをブルートゥース中継機器に伝送し、前記ブルートゥース中継機器により前記ブルートゥースデータパケットを前記アプリケーションデータパケットに変換し、前記アプリケーションデータパケットを前記第2ルーティング機器に伝送するように構成される。
【0138】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、
図9を参照すると、
図9は、本願の実施例によるもう1つのデータ伝送装置900の構造を示す概略図である。該データ伝送装置900は、
前記ブルートゥース中継機器から送信されたブルートゥース応答データパケットを受信するように構成される第1受信モジュール901であって、前記ブルートゥース応答データパケットは、前記ブルートゥース中継機器が応答データパケットを変換することで生成されたものであり、前記応答データパケットは、前記アプリケーションサーバが前記アプリケーションデータパケットに応答して前記プロキシサーバ及び前記第2ルーティング機器を介して返信したデータパケットである、第1受信モジュール901と、
前記ブルートゥース応答データパケットを前記応答データパケットに変換し、前記ターゲットアプリケーションに伝送するように構成される第1変換モジュール902と、を更に備える。
【0139】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、前記短距離無線データチャネルは、BTチャネルであり、
前記第2送信モジュール803は更に、前記アプリケーションデータパケットを、対応するブルートゥースデータパケットに変換し、
前記BTチャネルにより、前記ブルートゥースデータパケットを前記第2ルーティング機器に送信し、前記第2ルーティング機器により、前記ブルートゥースデータパケットを前記アプリケーションデータパケットに変換するように構成される。
【0140】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、
図10を参照すると、
図10は、本願の実施例によるもう1つのデータ伝送装置1000の構造を示す概略図である。該データ伝送装置1000は、
前記第2ルーティング機器から送信されたブルートゥース応答データパケットを受信するように構成される第2受信モジュール1001であって、前記ブルートゥース応答データパケットは、前記第2ルーティング機器が応答データパケットを変換することで生成されたものであり、前記応答データパケットは、前記アプリケーションサーバが前記アプリケーションデータパケットに応答して前記プロキシサーバにより返信したデータパケットである、第2受信モジュール1001と、
前記ブルートゥース応答データパケットを前記応答データパケットに変換し、前記ターゲットアプリケーションに伝送するように構成される第2変換モジュール1002と、を更に備える。
【0141】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、前記ネットワークデータチャネルは、WiFiネットワークデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネル、有線ネットワークデータチャネルのうちのいずれか1つを含む。
【0142】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、
図11を参照すると、
図11は、本願の実施例によるもう1つのデータ伝送装置1100の構造を示す概略図である。該データ伝送装置1100は、
前記ネットワークデータチャネルを使用して、前記第1ルーティング機器から返された応答データパケットを受信し、前記短距離無線データチャネルを使用して、前記第2ルーティング機器から返された応答データパケットを受信するように構成される受信モジュール1101であって、前記応答データパケットは、前記アプリケーションサーバが前記アプリケーションデータパケットに応答して返信したデータパケットである、受信モジュール1101と、
各応答データパケットに対して、前記応答データパケットを受信する前にそれと同じである応答データパケットを受信したかどうかを判定し、受信したとすれば、前記応答データパケットを破棄し、そうでなければ、前記応答データパケットを前記ターゲットアプリケーションに伝送するように構成される重複排除モジュール1102と、を更に備える。
【0143】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、前記取得モジュール801は更に、VPNサービスにより、前記ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを傍受するように構成される。
【0144】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、前記第1ルーティング機器と前記第2ルーティング機器は、同一のルーティング機器である。
【0145】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、該データ伝送装置800は、
アプリケーション構成インタフェースを表示し、ユーザが前記アプリケーション構成インタフェースにより選択したターゲットアプリケーションを決定するように構成されるターゲットアプリケーション決定モジュールを更に備え、
前記取得モジュール801は更に、アプリケーションデータパケットのソース識別子に基づいて、前記アプリケーションデータパケットが前記ターゲットアプリケーションからのものであるかどうかを判定し、前記ターゲットアプリケーションからのものであれば、前記ネットワークデータチャネル及び前記短距離無線データチャネルを使用して、前記アプリケーションデータパケットを送信し、そうでなければ、前記ネットワークデータチャネルを使用して、前記アプリケーションデータパケットを送信するように構成される。
【0146】
幾つかの実施形態において、
図8に示すデータ伝送装置を基に、前記短距離無線データチャネルは、NFCデータチャネルである。
【0147】
上記データ伝送装置は、短距離無線データチャネル(例えば、ブルートゥースデータチャネル、近接場通信データチャネルなど)をデータ伝送のための補助チャネルとして用いて、他の非短距離無線データチャネル(例えば、WiFiデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネルなど)によるデータ伝送を支援する。これにより、複数本のデータチャネルに基づいて、データ伝送を行い、データ伝送の安定性及び信頼性を確保する。なお、短距離無線データチャネルによるデータ伝送に必要な消費電力が少ないため、安定したデータ伝送を確保する上で、端末機器の消費電力を最大限低減させ、端末機器の発熱を減少させることができる。
【0148】
図12を参照すると、
図12は、上記
図3に示すデータ伝送方法に対応するデータ伝送装置1200の構造を示す概略図である。該データ伝送装置1200は、
アプリケーションサーバから送信された応答データパケットを受信するように構成される受信モジュール1201と、
第1ルーティング機器を介して、ネットワークデータチャネルを使用して前記応答データパケットを端末機器に送信するように構成される第1送信モジュール1201と、
第2ルーティング機器を使用することにより、ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを介して前記応答データパケットを前記端末機器に送信するように構成される第2送信モジュール1203と、を備える。
【0149】
幾つかの実施形態において、
図12に示すデータ伝送装置を基に、
図13を参照すると、
図13は、本願の実施例によるもう1つのデータ伝送装置1300の構造を示す概略図である。
【0150】
ここで、前記受信モジュール1201は更に、前記第1ルーティング機器から送信されたアプリケーションデータパケット及び前記第2ルーティング機器から送信されたアプリケーションデータパケットを受信するように構成され、
該データ伝送装置1300は、
各アプリケーションデータパケットに対して、前記アプリケーションデータパケットを受信する前にそれと同じであるアプリケーションデータパケットを受信したかどうかを判定し、受信したとすれば、前記アプリケーションデータパケットを破棄し、そうでなければ、前記アプリケーションデータパケットを前記アプリケーションサーバに送信するように構成される重複排除モジュール1301と、を更に備える。
【0151】
上記データ伝送装置は、短距離無線データチャネル(例えば、ブルートゥースデータチャネル、近接場通信データチャネルなど)をデータ伝送のための補助チャネルとして用いて、他の非短距離無線データチャネル(例えば、WiFiデータチャネル、セルラーネットワークデータチャネルなど)によるデータ伝送を支援する。これにより、複数本のデータチャネルに基づいて、データ伝送を行い、データ伝送の安定性及び信頼性を確保する。
【0152】
本願は、データ伝送用機器を更に提供する。該機器は具体的には、プロキシサーバであってもよい。
図14を参照すると、
図14は、本願の実施例による
プロキシサーバの構造を示す概略図である。該サーバ1400は、構成又は性能によって大きく相違することがある。中央演算処理装置(central processing units:CPU)1410のような少なくとも1つのプロセッサ及びメモリ1420を備えてもよい。メモリ1420は、ソフトウェアプログラムを記憶するように構成される。ソフトウェアプログラムは、少なくとも1つのプログラム命令又はモジュールを含んでもよい。プロセッサ1410は、メモリ1420に記憶されたソフトウェアプログラムを実行することで、種々の機能適用及びデータ処理を実行する。例えば、本願の上記データ伝送方法を実現させる。幾つかの実施例において、サーバ1400は、電源1430を更に備えてもよく、有線又は無線ネットワークインタフェース1440及び入力出力インタフェース1450などを更に備えてもよい。
【0153】
本願の実施例は、データ伝送用機器を更に提供する。該機器は、端末であってもよい。以下、ハードウェアエンティティの観点から、本願の実施例で提供される上記機器を説明する。
【0154】
本願の実施例は、端末機器を更に提供する。
図15に示すように、説明しやすくするために、本願の実施例に係わる部分のみを示す。開示されていない具体的な技術的細部は、本願の実施例の方法を参照されたい。該端末機器は、携帯電話、タブレット、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant:PDA)、ポイントオブセールス機器(point of sales:POS)、車載コンピュータなどの任意の端末機器であってもよい。端末機器が携帯電話であることを例とする。
【0155】
図15は、本願の実施例による端末機器に関わる携帯電話の一部の構造を示すブロック図である。
図15を参照すると、携帯電話は、無線周波数(radio frequency:RF)回路1510、メモリ1520、入力ユニット1530、表示ユニット1540、センサ1550、オーディオ回路1560、WiFiモジュール1570、プロセッサ1580、電源1590などの部材を備える。
図15に示す携帯電話構造は、携帯電話を限定するものではなく、図示されているものよりも多いまたは少ない部材を備えてもよく、又は、幾つかの部材を組み合わせてもよく、又は、異なる部材配置を行ってもよいことは、当業者であれば、理解すべきである。
【0156】
メモリ1520は、ソフトウェアプログラム及びモジュールを記憶するように構成され、プロセッサ1580は、メモリ1520に記憶されたソフトウェアプログラム及びモジュールを実行することで、携帯電話の種々の機能適用及びデータ処理を実行する。メモリ1520は主に、プログラム記憶エリア及びデータ記憶エリアを含んでもよく、プログラム記憶エリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)などを記憶することができる。データ記憶エリアは、携帯電話の使用に作成されたデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などを記憶することができる。なお、メモリ1520は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、不揮発性メモリを含んでもよい。例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス又は他の揮発性ソリッドステートメモリデバイスを含む。
【0157】
プロセッサ1580は、携帯電話の制御センターである。これは、種々のインタフェース及び回路を利用して携帯電話全体の各部分を接続する。メモリ1520に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを行うか又は実行し、メモリ1520に記憶されたデータを呼び出すことで、携帯電話の種々の機能を実行してデータを処理し、携帯電話全体に対してモニタリングする。実際に実行する場合、該プロセッサ1580は、メモリ1520に記憶されたソフトウェアプログラムを実行し、本願で提供されるデータ伝送方法を実現させる。本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶するように構成される。該コンピュータプログラムは、前記各実施例に記載のデータ伝送方法におけるいずれか1つの実施形態を実行するように構成される。
【0158】
本願の実施例は、コンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品を更に提供する。これはコンピュータで実行される時、コンピュータに、前記各実施例に記載のデータ伝送方法におけるいずれか1つの実施形態を実行させる。
【0159】
説明上の便宜及び簡素化を図るために、上記説明されたシステム、装置及びユニットの具体的な作動過程は、前記方法の実施例における対応した過程を参照することができるから、ここで詳しく説明しないようにすることは、当業者にはっきり理解されるべきである。
【0160】
本願で提供する幾つかの実施例で開示したシステム、装置及び方法は、他の方式によって実現できることを理解すべきである。例えば、以上に記載した装置の実施例はただ例示的なもので、例えば、前記ユニットの分割はただロジック機能の分割で、実際に実現する時は他の分割方式によってもよい。例えば、複数のユニット又は組立体を組み合わせてもよいし、別のシステムに組み込んでもよい。又は若干の特徴を無視してもよいし、実行しなくてもよい。また、示したか或いは検討した相互間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、幾つかのインタフェース、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的または他の形態であってもよい。
【0161】
分離部材として説明した前記ユニットは、物理的に別個のものであってもよいし、そうでなくてもよい。ユニットとして示された部材は、物理的ユニットであってもよいし、そうでなくてもよい。即ち、同一の位置に位置してもよいし、複数のネットワークに分布してもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全てのユニットにより本実施例の方策の目的を実現することができる。
【0162】
また、本願の各実施例における各機能ユニットは一つの処理ユニットに集積されてもよいし、各ユニットが物理的に別個のものとして存在してもよいし、2つ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。上記集積したユニットは、ハードウェアの形態で実現してもよく、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現してもよい。
【0163】
前記集積したユニットはソフトウェア機能ユニットの形で実現され、かつ独立した製品として販売または使用されるとき、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体内に記憶されてもよい。このような理解のもと、本発明の技術的解決手段は、本質的に、又は、従来技術に対して貢献をもたらした部分又は該技術的解決手段の一部は、ソフトウェア製品の形式で具現することができ、このようなコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶しても良く、また、コンピュータ設備(パソコン、サーバ、又はネットワーク装置など)に、本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。前記の記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read-only Memory:ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体を含む。
【0164】
本願の実施例において、「少なくとも1つ」は、1つ以上を表し、「複数」は、2つ以上を表す。「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するためのものであり、3通りの関係が存在することを表す。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在すること、AとBが同時に存在すること、Bのみが存在するという3つの場合を表す。ここで、A、Bは、奇数又は偶数であってもよい。文字「/」は一般的には、前後関連対象が「又は」という関係であることを示す。「以下少なくとも一項(個)」又はその類似した表現は、これらの項の任意の組み合わせを表し、奇数項(個)又は偶数項(個)の任意の組み合わせを含む。例えば、a、b、又はcのうちの少なくとも一項(個)は、a、b、c、a-b、a-c、b-c又はa-b-cを表すことができ、ここで、a、b、cは、1つであってもよく、複数個であってもよい。
【0165】
要するに、上記各実施例は本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、本願の技術的解決手段を限定するものではない。上述した各実施例を参照しながら本発明を詳しく説明したが、依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はその一部又は全ての技術的特徴に対して均等物による置換を行うことができ、これらの修正や置換によって、対応する技術的解決手段の本質が本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱することはないことが、当業者であれば、理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本願の実施例における端末機器は、ターゲットアプリケーションの伝送されるべきアプリケーションデータパケットを取得し、ネットワークデータチャネルを使用して、第1ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットをプロキシサーバに伝送し、前記ネットワークデータチャネルと異なる短距離無線データチャネルを使用して、第2ルーティング機器を介して前記アプリケーションデータパケットを前記プロキシサーバに伝送し、前記アプリケーションデータパケットは、重複排除メカニズムに基づいて前記ターゲットアプリケーションに対応するアプリケーションサーバに前記アプリケーションデータパケットを伝送するために前記プロキシサーバに供される。これにより、エアインタフェースパケットロス及びデータ遅延を低減させることができる。また、短距離無線データチャネルによるデータ伝送に必要な消費電力が少ないため、データ伝送品質を確保すると同時に、機器の電力消費を低減させ、機器の発熱を減少させることができる。
【符号の説明】
【0167】
101 端末機器
102 第1ルーティング機器
103 第2ルーティング機器
104 プロキシサーバ
105 アプリケーションサーバ
501 端末機器
502 第1ルーティング機器
503 ブルートゥース中継機器
504 第2ルーティング機器
505 プロキシサーバ
506 ゲームサーバ
601 端末機器
602 第1ルーティング機器
603 カスタマイズされたブルートゥース機器
604 第2ルーティング機器
605 プロキシサーバ
606 ゲームサーバ
701 端末機器
702 第1ルーティング機器
703 端末機器
704 第2ルーティング機器
705 プロキシサーバ
706 ゲームサーバ
800 データ伝送装置
801 取得モジュール
802 第1送信モジュール
803 第2送信モジュール
804 伝送モジュール
900 データ伝送装置
901 第1受信モジュール
902 第1変換モジュール
1000 データ伝送装置
1001 第2受信モジュール
1002 第2変換モジュール
1100 データ伝送装置
1101 受信モジュール
1200 データ伝送装置
1201 第1送信モジュール
1203 第2送信モジュール
1300 データ伝送装置
1400 サーバ
1410 中央演算処理装置(central processing units:CPU)
1410 プロセッサ
1420 メモリ
1430 電源
1440 有線又は無線ネットワークインタフェース
1450 入力出力インタフェース
1510 無線周波数(radio frequency:RF)回路
1520 メモリ
1530 入力ユニット
1540 表示ユニット
1550 センサ
1560 オーディオ回路
1570 モジュール
1580 プロセッサ
1590 電源