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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-27
(45)【発行日】2023-04-04
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20230328BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20230328BHJP
   H04N 9/69 20230101ALI20230328BHJP
【FI】
H04N1/60
G06T1/00 510
H04N9/69
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022114203
(22)【出願日】2022-07-15
(65)【公開番号】P2023026338
(43)【公開日】2023-02-24
【審査請求日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】P 2021131891
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】717001444
【氏名又は名称】奥野 修二
(74)【代理人】
【識別番号】100167818
【弁理士】
【氏名又は名称】蓑和田 登
(72)【発明者】
【氏名】奥野 修二
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-209706(JP,A)
【文献】特開2002-314827(JP,A)
【文献】特開2003-153018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/46-62
G06T 1/00
H04N 9/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の色空間で示される画像データを、明度と色差の比率とを固定し、且つ色差を補正して第二の色空間で示される画像データに変換処理をする画像処理装置であって、
前記第一の色空間で示される画像データの信号値を、所定演算に基づいて前記第二の色空間で示される画像データの信号値に変換する変換手段と、
前記変換手段における変換後の信号値が、前記第一の色空間における前記第二の色空間に対応する色域外に存在する場合に、当該信号値を補正するための補正係数を求める補正係数演算手段と、
前記補正係数演算手段において演算された補正係数を用いて前記第二の色空間で示される信号値を補正して補正後の信号値を求める補正手段と、を備え、
前記補正係数演算手段は、前記色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び前記色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定する、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第一の色空間はYCbCr色空間であり、前記第二の色空間はRGB色空間であり、
前記変換手段は、YCbCr色空間における信号値(y,cb,cr)を、RGB色空間における画素値(r,g,b)に変換し、
ここで、yは輝度成分、cb及びcrは色差成分であり、rはRチャネルの輝度値、gはGチャネルの輝度値、bはBチャネルの輝度値であり、
前記補正係数演算手段は、前記画素値(r,g,b)の何れかが、YCbCr色空間におけるRGB色空間に対応する色域外に存在する場合には、前記色域外に存在する画素値(r,g,b)において、前記色域の上限との差の絶対値のうち最も大きい値をΔP、前記色域の下限との差の絶対値のうち最も大きい値をΔNとし、且つΔP又は(1-y)ΔN/yが最も大きな値をとる色成分の前記画素値に基づいて前記補正係数を算出する、ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補正係数演算手段において演算される補正係数αは、
前記色域の上限との差の絶対値のうち最も大きい値ΔPから算出する場合には、
α=(1-y)/(ΔP+1―y)
前記色域の下限との差の絶対値のうち最も大きい値ΔNから算出する場合には、
α=y/(ΔN+y)
で算出される、ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
第一の色空間で示される画像データを、明度と色差の比率とを固定し、且つ色差を補正して第二の色空間で示される画像データに変換処理をする画像処理装置であって、
前記第一の色空間で示される画像データの信号値を、所定演算に基づいて前記第二の色空間で示される画像データの信号値に変換する変換手段と、
前記変換手段における変換後の信号値が、前記第一の色空間における前記第二の色空間に対応する色域外に存在する場合に、当該信号値を補正するための補正係数を求める補正係数演算手段と、
前記補正係数演算手段において演算された補正係数を用いて前記第二の色空間で示される信号値を補正して補正後の信号値を求める補正手段と、を備え、
前記補正係数演算手段は、前記色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び前記色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定し、
前記第一の色空間はYCbCr色空間であり、前記第二の色空間はRGB色空間であり、
前記変換手段は、YCbCr色空間における信号値(y,cb,cr)を、RGB色空間における画素値(r,g,b)に変換し、
ここで、yは輝度成分、cb及びcrは色差成分であり、rはRチャネルの輝度値、gはGチャネルの輝度値、bはBチャネルの輝度値であり、
前記補正係数演算手段は、前記変換手段における変換後の画素値(r,g,b)の何れかの画素値が前記色域の上限を超える場合には、補正係数α=(1-y)/((上限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最大値)-y)とし、
前記画素値(r,g,b)の何れかの画素値が前記色域の下限未満となる場合には、補正係数α=y/(y-(下限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最小値))とする、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記補正係数演算手段は、さらに、複数の補正係数が導出される場合において、当該複数の補正係数のうちから最小のものを選択して前記補正係数とする、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
第一の色空間で示される画像データを、明度と色差の比率とを固定し、且つ色差を補正して第二の色空間で示される画像データに変換処理をする画像処理装置において機能するプログラムであって、
前記第一の色空間で示される画像データの信号値を、所定演算に基づいて前記第二の色空間で示される画像データの信号値に変換する変換ステップと、
前記変換ステップにおける変換後の信号値が、前記第一の色空間における前記第二の色空間に対応する色域外に存在する場合に、当該信号値を補正するための補正係数を求める補正係数演算ステップと、
前記補正係数演算ステップにおいて演算された補正係数を用いて前記第二の色空間で示される信号値を補正して補正後の信号値を求める補正ステップと、を含み、
前記補正係数演算ステップにおいては、前記色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び前記色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定する、ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
第一の色空間で示される画像データを、明度と色差の比率とを固定し、且つ色差を補正して第二の色空間で示される画像データに変換処理をする画像処理方法であって、
前記第一の色空間で示される画像データの信号値を、所定演算に基づいて前記第二の色空間で示される画像データの信号値に変換する変換ステップと、
前記変換ステップにおける変換後の信号値が、前記第一の色空間における前記第二の色空間に対応する色域外に存在する場合に、当該信号値を補正するための補正係数を求める補正係数演算ステップと、
前記補正係数演算ステップにおいて演算された補正係数を用いて前記第二の色空間で示される信号値を補正して補正後の信号値を求める補正ステップと、を含み、
前記補正係数演算ステップにおいては、前記色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び前記色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定する、ことを特徴とする画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像データの色処理を行う画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタル映像などYCbCr色空間で表された画像データを、出力側のRGB色空間に変換することが行われている。しかしYCbCr色空間はRGB色空間より広い色空間を有するため、時として変換後の値が、RGB色空間の色域外に出ることがある。この場合、色域外に出た値をRGB色空間内へ単純に収める処理ではRGBの比率が変わってしまい画像データの明度や色相の変化が生じ、にじみなどの画質低下が起こってしまう。
【0003】
そこで、このような変換処理時に生じ得る画像データの明度や色相の変化を軽減するために、Y値(輝度値)を固定しつつ、RGBの色域の範囲に収まるようにCbCr(色差値)の比率を変えないで収める(すなわち、色相が同じままで彩度を下げる)ことができる画像処理装置が公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、出力用画像の色空間で再現可能な色域の外に色座標が存在する注目画素において、輝度信号を維持すると共に、複数の色差信号の比を維持した状態で、複数の色差信号を調整することで、注目画素の色相を維持しつつ彩度を調整する画像処理装置も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-252393号公報
【文献】特許第6318497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献に示すような従来の画像処理装置では、確かに、変換処理における出力側の色空間の色域外の色についても、輝度や色相を変化させることなく、好適な色再現を実現できる。しかしながら、従来の変換処理において出力側の色域外の画素値を、色域内の画素値に補正するための演算は冗長であり、処理時間を要するという問題がある。
【0007】
例えば、上記特許文献1における変換処理の演算方法を説明する。この特許文献1に示す画像処理装置においては、変換後の出力側のRGB色空間の色域外の画素値の位置よりY軸(輝度軸)に対して垂線を引き、RGB色空間に相当の範囲と交差した点の画素値から補正係数αを求める。そして、この補正係数αに基づいて補正後の画素値に置き換えるための演算を行っている。しかしながら、この補正係数αを求める際に、RGB変換後の各色成分値(r、g、b)と、y値(輝度値)との差分Δr, Δg、Δbを求め、このΔr, Δg、Δbから式変形により導かれた等式に基づいて、色成分毎の6つの彩度補正係数αR0,αR1,αG0,αG1,αB0,αB1(6つの境界)を求める。さらに、これらの彩度補正係数αR0,αR1,αG0,αG1,αB0,αB1の候補より、0.0未満、あるいは1.0より大きいものを除外し、続いて残った彩度補正係数のうち、最大のものを選択し、それを補正係数αとして決定する。最後に、決定された補正係数αに基づいてRGB色空間の色域外の画素値を色域内に補正している。このため、色域内の画素値に補正するための演算は冗長と言わざるを得ない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、出力用の色空間において色域外の色についても明度及び色相を変化させることなくその色空間内に収める変換処理を行う画像処理装置において、演算量を抑えて、より高速度での変換処理を実現できる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、第一の色空間で示される画像データを、明度と色差の比率とを固定し、且つ色差を補正して第二の色空間で示される画像データに変換処理をする画像処理装置であって、前記第一の色空間で示される画像データの信号値を、所定演算に基づいて前記第二の色空間で示される画像データの信号値に変換する変換手段と、前記変換手段における変換後の信号値が、前記第一の色空間における前記第二の色空間に対応する色域外に存在する場合に、当該信号値を補正するための補正係数を求める補正係数演算手段と、前記補正係数演算手段において演算された補正係数を用いて前記第二の色空間で示される信号値を補正して補正後の信号値を求める補正手段と、を備え、前記補正係数演算手段は、前記色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び前記色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定することを特徴とする。
【0010】
この画像処理装置において、前記第一の色空間はYCbCr色空間であり、前記第二の色空間はRGB色空間であり、前記変換手段は、YCbCr色空間における信号値(y,cb,cr)を、RGB色空間における画素値(r,g,b)に変換し、ここで、yは輝度成分、cb及びcrは色差成分であり、rはRチャネルの輝度値、gはGチャネルの輝度値、bはBチャネルの輝度値であり、前記補正係数演算手段は、前記画素値(r,g,b)の何れかが、YCbCr色空間におけるRGB色空間に対応する色域外に存在する場合には、前記色域外に存在する画素値(r,g,b)において、前記色域の上限との差の絶対値のうち最も大きい値をΔP、前記色域の下限との差の絶対値のうち最も大きい値をΔNとし、且つΔP又は(1-y)ΔN/yが最も大きな値をとる色成分の前記画素値に基づいて前記補正係数を算出することが好ましい。
【0011】
この画像処理装置において、前記補正係数演算手段において演算される補正係数αは、前記色域の上限との差の絶対値のうち最も大きい値ΔPから算出する場合には、α=(1-y)/(ΔP+1―y)、前記色域の下限との差の絶対値のうち最も大きい値ΔNから算出する場合には、α=y/(ΔN+y)で算出されることが好ましい。
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、第一の色空間で示される画像データを、明度と色差の比率とを固定し、且つ色差を補正して第二の色空間で示される画像データに変換処理をする画像処理装置であって、前記第一の色空間で示される画像データの信号値を、所定演算に基づいて前記第二の色空間で示される画像データの信号値に変換する変換手段と、前記変換手段における変換後の信号値が、前記第一の色空間における前記第二の色空間に対応する色域外に存在する場合に、当該信号値を補正するための補正係数を求める補正係数演算手段と、前記補正係数演算手段において演算された補正係数を用いて前記第二の色空間で示される信号値を補正して補正後の信号値を求める補正手段と、を備え、前記補正係数演算手段は、前記色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び前記色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定し、前記第一の色空間はYCbCr色空間であり、前記第二の色空間はRGB色空間であり、前記変換手段は、YCbCr色空間における信号値(y,cb,cr)を、RGB色空間における画素値(r,g,b)に変換し、ここで、yは輝度成分、cb及びcrは色差成分であり、rはRチャネルの輝度値、gはGチャネルの輝度値、bはBチャネルの輝度値であり、前記補正係数演算手段は、前記変換手段における変換後の画素値(r,g,b)の何れかの画素値が前記色域の上限を超える場合には、補正係数α=(1-y)/((上限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最大値)-y)とし、前記画素値(r,g,b)の何れかの画素値が前記色域の下限未満となる場合には、補正係数α=y/(y-(下限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最小値))とすることを特徴とする。
【0013】
この画像処理装置において、前記補正係数演算手段は、さらに、複数の補正係数が導出される場合において、当該複数の補正係数のうちから最小のものを選択して前記補正係数とすることが好ましい。
【0014】
また、上記目的を達成するために本発明は、第一の色空間で示される画像データを、明度と色差の比率とを固定し、且つ色差を補正して第二の色空間で示される画像データに変換処理をする画像処理装置において機能するプログラムであって、前記第一の色空間で示される画像データの信号値を、所定演算に基づいて前記第二の色空間で示される画像データの信号値に変換する変換ステップと、前記変換ステップにおける変換後の信号値が、前記第一の色空間における前記第二の色空間に対応する色域外に存在する場合に、当該信号値を補正するための補正係数を求める補正係数演算ステップと、前記補正係数演算ステップにおいて演算された補正係数を用いて前記第二の色空間で示される信号値を補正して補正後の信号値を求める補正ステップと、を含み、前記補正係数演算ステップにおいては、前記色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び前記色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定することを特徴とするものである。
【0015】
また、上記目的を達成するために本発明は、第一の色空間で示される画像データを、明度と色差の比率とを固定し、且つ色差を補正して第二の色空間で示される画像データに変換処理をする画像処理方法であって、前記第一の色空間で示される画像データの信号値を、所定演算に基づいて前記第二の色空間で示される画像データの信号値に変換する変換ステップと、前記変換ステップにおける変換後の信号値が、前記第一の色空間における前記第二の色空間に対応する色域外に存在する場合に、当該信号値を補正するための補正係数を求める補正係数演算ステップと、前記補正係数演算ステップにおいて演算された補正係数を用いて前記第二の色空間で示される信号値を補正して補正後の信号値を求める補正ステップと、を含み、前記補正係数演算ステップにおいては、前記色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び前記色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る画像処理装置は、YCbCr色空間で示される画像データの信号値を所定演算に基づいてRGB色空間で示される画像データの画素値に変換する変換部と、当該画素値が第一の色空間における第二の色空間に対応する色域外に存在する場合には当該画素値を補正するための補正係数を求める補正係数演算部と、当該補正係数を用いて第二の色空間で示される画素値を補正して補正後の画素値を求める補正部と、を備える。補正係数演算部は、色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定する。この構成により、本発明では、特にYCbCr色空間を RGB色空間に変換処理する際に、画像データの明度や色相の変化を防止するための補正における演算量を抑えて、より高速度での変換処理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図2】同上画像処理装置の動作手順を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施の形態の変形例に係る画像処理装置の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る画像処理装置について図1乃至図3を参照して説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理装置は、主としてデジタル映像における色空間がYCbCr方式の映像データをRGB色空間に変換した際、色域外に出た値をRGB空間の色域内へ補正するため演算を行うものである。
【0020】
最初に、画像処理装置1に備わる各処理部に関して図1を参照しながら説明する。画像処理装置1は、図1に示すように、制御部10、画像処理部11、記憶部12、通信部13、表示部14、操作部15及び読取部16を備える。なお、画像処理装置1及び画像処理装置1における動作について以下では、1台のコンピュータとして説明するが、複数のコンピュータによって処理を分散するようにして構成されてもよい。
【0021】
制御部10は、CPUなどのプロセッサやメモリを用いて、画像処理装置1の構成部を制御して各種機能を実現する。この制御部10は、本実施の形態においては例えば記憶部12に記憶してある画像処理プログラム1Pの実行によって画像補正処理(色変換処理)を行う。すなわち、制御部10は、入力される対象画像データ(対象データ)に対して所定の変換を実行すると共に、色域外の変換値を補正する演算を行う。
【0022】
画像処理部11は、GPU又は専用回路等のプロセッサ及びメモリを用い、制御部10からの制御指示に応じて画像処理を実行する。なお、制御部10及び画像処理部11は、CPU,GPU等のプロセッサ、メモリ、さらには記憶部12及び通信部13を集積した1つのハードウェア(SoC:System on a Chip)として構成されていてもよい。
【0023】
記憶部12は、ハードディスクやフラッシュメモリを用いる。記憶部12には、画像処理プログラム1P、表示部14に表示される画像データ1Dなどが記憶されている。この画像データ1Dは、YCbCr色空間で表現されているデジタル映像を含み、例えば通信部13を介してネットワークから取得した画像データや読取部16から読み込んだ画像データである。
【0024】
通信部13は、インターネット等の通信網への通信接続を実現する通信モジュールである。通信部13には、例えばネットワークカード、無線通信デバイス又はキャリア通信用モジュールを用いる。
【0025】
表示部14は、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)ディプレイ等を用いる。表示部14は、制御部10の指示による画像処理部11での処理によって画像を表示することが可能である。この表示部14は画面を構成する各画素における一般的なRGB形式のデータに従って画像データを表示する。通常、YCbCr色空間のデジタル映像を表示部14に表示する際には、sRGB(standard RGB)色空間に変換してから表示される。パソコンなど一般的な情報表示機器の表示部14に表示される画像はRGB形式のデータでしか表示できないためである。
【0026】
RGB色空間のデジタル画像データは、座標ごとに区画されたピクセル(画素)の集まりとして表現され、各ピクセルにはピクセル値(色情報RGBの3つの値)が付与される。ここでは、或る画素位置でのRチャネルの輝度値をr、Gチャネルの輝度値をg、Bチャネルの輝度値をbとする画素値を(r、g、b)で表現するものとする。通常、各(r、g、b)の値は8ビット(256段階)などで表現されるが、本実施の形態では便宜的に各(r、g、b)の取り得る範囲を0.0~1.0(上限1.0及び下限0.0)の範囲に正規化して説明する。
【0027】
操作部15は、キーボード又はマウス等のユーザインタフェースを含む。筐体に設けられた物理的ボタンを用いてもよいし、表示部14に表示されるソフトウェアボタン等を用いてもよい。操作部15は、ユーザによる操作情報を制御部10へ通知する。
【0028】
読取部16は、例えばディスクドライブを用い、光ディスク等を用いた記録媒体2(光ディスク、磁気ディスクや光磁気ディスクなど)に記憶してある画像処理プログラム2Pを読み取ることが可能である。また、読取部16は、表示部14への表示対象のカラー画像の動画や静止画の画像データを記録媒体2などから読み込むときに用いても良い。なお、記憶部12に記憶してある画像処理プログラム1Pは、通信部13を介してネットワークから取得したものや、記録媒体2から読取部16が読み取った画像処理プログラム2Pを制御部10が記憶部12に複製したものであってもよい。
【0029】
次に、YCbCr色空間で表現された画像データを RGB色空間に変換処理する際の画像処理装置1における補正演算に関して説明する。通常、YCbCr信号から成る画像データは、出力用の色空間(sRGB色空間)よりも広い範囲を再現可能である。そのため、表示部14への表示処理対象の画像データの内容によっては、変換後の色座標値がRGB色空間の色域外(すなわち0.0~1.0の範囲外)となることがある。そこで、画像処理装置1では、色域外の色座標を色域内に補正するための補正係数αを求め、補正処理を行うものである。
【0030】
具体的には、画像処理装置1の制御部10は変換部(変換手段)10a、補正係数演算部(補正係数演算手段)10b及び補正部(補正手段)10cを備える。変換部10aは、YCbCr色空間(第一の色空間)で示される画像データの信号値を、所定演算に基づいてRGB色空間(第二の色空間)で示される画像データの画素値に変換する。補正係数演算部10bは、変換部10aにおいて変換された画素値が、YCbCr色空間におけるRGB色空間に対応する色域外に存在する場合に、当該画素値を補正するための補正係数αを求める。この補正係数αの求め方は後述する。補正部10cは、補正係数演算部10bにおいて演算された補正係数αを用いてRGB色空間で示される画素値を補正して、補正後の画素値を求める。ここで、補正係数演算部10bは、色域の上限を超えて存在する画素値と当該色域の上限との差分、及び色域の下限未満に存在する画素値と当該色域の下限との差分を算出し、これら差分のうちの最も大きな差分に基づいて補正係数αを算出する。これより、画像処理装置1では、YCbCr空間をRGB空間に変換した際に、変換後のRGB色空間での画素値が0.0~1.0の範囲に収まらなかったとしても、補正処理をして0.0~1.0に収める処理を行う。
【0031】
次に、画像処理装置1での補正係数の導出例に関して説明する。まず操作部15などを介してユーザから画像データの表示部14への表示指令を受けると、変換部10aは、指定された画像データをYCbCr色空間からRGB色空間へ変換する。この際、変換部10aは、例えば以下の式1に示す演算を行う。
なお、ここでは、変換前の元の画像データのYCbCr色空間での信号値を(y、cb、cr)(ここで、yは輝度成分、cb及びcrは色差成分である)、式1を用いてRGB色空間へと変換したときの画素値を(r,g,b)(ここでrはRチャネルの輝度値、gはGチャネルの輝度値、bはBチャネルの輝度値)とする。また、YCbCr色空間での信号値yは0.0≦y≦1.0、式差信号cb、crは-0.5≦cb、cr≦0.5の範囲をとる。
【0032】
この変換部10aにおける変換時に、YCbCr信号から成る画像データの信号値(y,cb,cr)のうちRGB変換後の画素値(r,g,b)が0.0~1.0の範囲外(すなわちRGB色空間の色域外)となることがある。なお、変換後の(r、g、b)は0.0~1.0の範囲外となることを許容するために、各色成分に対して元のビット数を超えるビット数を割り当てても良い。
【0033】
次に、補正係数演算部10bは、色域外の画素値が存在する場合に補正処理を行う。具体的には、入力画素の信号値(y,cb,cr)を、補正係数αを用いて、YCbCr色空間のY軸(輝度軸)に対して垂線を引いてRGB空間に相当の範囲と交差した点の補正後の信号値を(y’、cb’、cr’)と定義すると、次の式2が成り立っている。
y’=y
cb’=α×cb
cr’=α×cr …式2
ここで、y’=yは明度を固定していることを示し、cb’=α×cb及びcr’=α×crは色相(すなわち色差の比率)を固定していることを示している。
【0034】
この補正後の信号値(y’、cb’、cr’)に基づいて、逆変換式である式1を適用して得られた補正後のRGB値を (r’,g’,b’)とすると、次の式3が成り立つ。
r’=y+α×(r-y)
g’=y+α×(g-y)
b’=y+α×(b-y) …式3
【0035】
補正係数演算部10bは、変換後の(r,g,b)の何れかが、YCbCr色空間におけるRGB色空間に対応する色域外にあるとき、この(r,g,b)において色域の上限(ここでは1.0)との差の絶対値のうち最も大きい値をΔP、色域の下限(ここでは0.0)との差の絶対値のうち最も大きい値をΔNとする。また、補正係数演算部10bは、ΔP又は(1-y)ΔN/yが最も大きな値をとる画素値を0.0~1.0の範囲から一番外れていると判定し、この画素値の位置でクリップが必要と判定し、それに基づいて式3より補正係数αを求める。例えば、変換後の画素値(r,g,b)の内、rに対応するΔPが最も大きな値となる場合には、上記のr’=y+α×(r-y)より補正係数αを求めることとなる。なお、輝度成分yが0か1のときは(r、g、b)が全て0または1になるので補正係数αを求めなくて良い。
【0036】
なお、ここで、補正係数演算部10bがΔP及び(1-y)ΔN/yを演算する理由に関して説明する。
最初に、上限1.0に収める場合(すなわち色域の上限との差の絶対値のうち最も大きい値ΔPから補正係数αを求める場合)の補正係数αは上記の式3より以下の式4となる。
1=y+α(r-y)=y+α(1+ΔP―y)
∴α=(1-y)/(ΔP+1―y) …式4
なお、ここでrを用いて説明しているが、色域より一番外れている色成分を用いればよく、r以外のg又はbともなり得る。なお、0≦補正係数α≦1、輝度値yは0~1の定数、ΔPは1を超えた分(上限1.0との差分)である。また、この式4よりΔPが大きいほど補正係数αが小さくなることが分かる。
【0037】
次に、下限0.0に収める場合(すなわち色域の下限との差の絶対値のうち最も大きい値ΔNから補正係数αを求める場合)の補正係数αは上記の式3より以下の式5となる。
0=y+α(r-y)=y+α(―ΔN―y)
∴α=y/(ΔN+y) …式5
なお、ここでもrを用いて説明しているが、色域より一番外れている色成分を用いればよく、r以外のg又はbともなり得る。ΔNは0.0未満となる分(下限0.0との差分)である。また、この式4よりΔNが大きいほど補正係数αが小さくなることが分かる。
【0038】
ここで式4及び式5のαが同じになる場合を考えると以下の式6となる。
(1-y)/(ΔP+1―y)=y/(ΔN+y) …式6
ここで分母と分子を反転させると以下の式7が導かれる。
(ΔP+1―y)/(1-y)=(ΔN+y)/y
ΔP/(1-y)+1=ΔN/y+1
ΔP/(1-y)=ΔN/y
ΔP=(1-y)/y×ΔN …式7
そして、この式7から(1-y)/yをΔNに掛けるとΔPと等価になり、ΔPとΔNが比較できるようになることが分かる。すなわち、補正係数演算部10bは、(r、g、b)のうち、ΔP又は(1-y)ΔN/yが最も大きな値をとる画素値を選択することで、色域の範囲から一番大きく外れている画素値を判定できるのである。
【0039】
最後に、補正部10cは、決定された補正係数α及び式3よりクリップ後の(r’,g’,b’)を算出する。なお、式3を利用して求めたクリップ後の(r’,g’,b’)の値は0.0~1.0の範囲にあり、且つ何れか一つの値(すなわちクリップした位置での画素値)は必ず1.0又は0.0の条件を満たす。このように、本実施の形態に係る画像処理装置1は、非常に簡易な演算で補正係数αを求めることができる。次に、この決定された補正係数αと式3に基づいて補正後の画素値(r’,g’,b’)を算出して、より演算量を抑え、ひいてはより高速度で色処理変換を実現できる。
【0040】
次に、本実施の形態に係る画像処理装置1の動作手順に関して図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。最初に、操作部15などを介してユーザが表示部14への表示対象の画像データを選択すると、制御部10の変換部10aは当該画像データをYCbCr色空間からRGB色空間への変換処理を行う(S21)。例えば、画像データが1920×1080ピクセルのRGB色情報で表現される場合、 各ピクセルに対応してこの変換処理が実行される。
【0041】
次に、補正係数演算部10bは、変換処理後の画素値(r,g,b)の何れかが0.0~1.0の範囲外となるかを判定する(S22)。そして、0.0~1.0の範囲外となる(すなわち変換後の色座標値がRGB色空間の色域外となる)場合には(S22でYes)、ΔP及び(1-y)ΔN/yが最も大きい値を持つ(r、g、b)の色成分の何れかの画素値でクリップが必要と判定し、それに基づいて式3より補正係数αを求める(S23)。
【0042】
そして、補正部10cは、補正係数演算部10bにおいて演算された補正係数αと式3とを用いて、色域内の画素値(r’,g’,b’)を求める(S24)。この際、上述のようにクリップした位置での画素値はαから計算する必要なく0又は1になる。一方、補正係数演算部10bは、変換処理後のRBGの画素値(r,g,b)が0.0~1.0の範囲内である場合には(S22でNo)、特に補正処理が必要でないためにS22及び補正部10cにおける処理であるS23をスキップする。
【0043】
(変形例)
本発明の実施の形態に係る画像処理装置1の変形例に関して説明する。本変形例は、補正係数演算部10bの演算方法が上記実施の形態とは異なり、補正係数演算部10bは、ΔP及び(1-y)ΔN/yを演算しない。すなわち、本変形例に係る補正係数演算部10bは、変換処理後の画素値(r,g,b)のうちの上限値を超えた最も大きい値、又は及び下限値を超えた一番小さい値の補正係数αをそれぞれ計算し、何れか一方の、より小さい値を採用する。すなわち、本変形例では上記の実施の形態のようにΔP又は(1-y)ΔN/yが最も大きな値をとる画素値を算出する必要性がない。
【0044】
具体的には、本変形例に係る補正係数演算部10bは、変換後の画素値(r,g,b)の何れかの画素値が色域の上限(1.0)を超える場合は、上記式4より、補正係数α=(1-y)/((上限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最大値)-y)とする。一方、変換後の画素値(r,g,b)の何れかの画素値が色域の下限(0.0)未満となる場合は 上記式5より、補正係数α=y/(y-(下限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最小値))とする。
【0045】
なお、補正係数演算部10bは、変換処理後の(r,g,b)から複数の補正係数αが導出される場合においては、当該複数の補正係数αのうちから最小のものを選択して補正係数αとすることができる。
【0046】
次に、本変形例に係る画像処理装置1の動作手順に関して図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。最初に、操作部15などを介してユーザが表示部14への表示対象の画像データを選択すると、制御部10の変換部10aは当該画像データをYCbCr色空間からRGB色空間への変換処理を行う(S31)。
【0047】
次に、補正係数演算部10bは、変換処理後の画素値(r,g,b)の何れかが上限1.0を超えるか否かを判定する(S32)。そして、上限を超える場合には(S32でYes)、下限未満となるか否かを判定する(S33)。そして、下限未満となる場合には(S33でYes)、上述のように補正係数α=(1-y)/((上限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最大値)-y)と補正係数α=y/(y-(下限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最小値))を求め、これらから最小のものを選択して補正係数αとする(S34)。一方、下限以上となる場合には(S33でNo)、補正係数α=(1-y)/((上限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最大値)-y)とする(S35)。
【0048】
また、変換処理後の画素値(r,g,b)の何れかが上限を超えない場合には(S32でNo)、下限未満となるか否かを判定し(S36)、下限未満となる場合には(S36でYes)、補正係数α=y/(y-(下限を超えた(r,g,b)の何れかの画素値のうちの最小値))を求める(S37)。次に、これらのS34,S35及びS37の後、補正部10cは導かれた補正係数αによって、色域内の画素値(r’,g’,b’)に補正する(S38)。一方、補正係数演算部10bは、変換処理後のRBGの画素値(r,g,b)の全てが0.0~1.0の範囲内である場合には(S36でNo)、特に補正係数αを求める必要がないために補正部10cにおける処理であるS38をスキップする。
【0049】
以上の説明のように、本実施の形態は第一の色空間(YCbCr色空間)で示される画像データを、明度と色差の比率とを固定し、且つ色差を補正して第二の色空間(RGB色空間)で示される画像データに変換処理をする画像処理装置1であって、第一の色空間で示される画像データの信号値を所定演算に基づいて第二の色空間で示される画像データの信号値に変換する変換部10aと、変換部10aにおける変換後の信号値が、第一の色空間における第二の色空間に対応する色域外に存在する場合には当該信号値を補正するための補正係数を求める補正係数演算部10bと、補正係数演算部10bにおいて演算された補正係数を用いて第二の色空間で示される信号値を補正して補正後の信号値を求める補正部10cと、を備える。補正係数演算部10bは、色域の上限を超えて存在する信号値のうち最も上限から離れた値、及び色域の下限未満に存在する信号値のうち最も下限から離れた値を求め、これらの値の1つから前記補正係数を決定する。この構成により、画像処理装置1では、出力用の色空間において色域外の色についても明度及び色相を変化させることなく(すなわち明度と色相を固定して)その色空間内に収める変換処理を行う画像処理装置において、演算量を抑えて、より高速度での変換処理を実現できる。
【0050】
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。また、本発明の目的を達成するために、本発明は、画像処理装置1に含まれる特徴的な構成手段をステップとする画像処理方法としたり、それらの特徴的なステップを含むプログラムとして実現することもできる。そして、そのプログラムは、ROM等に格納しておくだけでなく、USBメモリ等の記録媒体や通信ネットワークを介して流通させることもできる。
【0051】
また、上述においてデジタル画像の変換処理としてYCbCr色空間をRGB色空間に変換する場合を説明したが、第一の色空間はYCbCr色空間に限定されるのもではなく、他の色空間(例えばYPbPr空間やYUV色空間)でも良い。また、上記の実施の形態の説明では画像処理装置1の各機能をプログラムによって実現する例を記載したがハードウェア的に実現しても良い。
【0052】
さらに、本発明は、画像処理装置又はコンピュータプログラムに向けて入力データを送信し、画像処理装置又はコンピュータプログラムからの出力データを受信して利用するコンピュータシステムとしても実現できる。本システムに用いる装置は、表示部及び通信部を備えた画像処理装置又はコンピュータと情報を送受信できる情報処理装置などであり、例えば所謂PC、スマートフォン、携帯端末、ゲーム機器などである。
【符号の説明】
【0053】
1 画像処理装置
10 制御部
10a 変換部(変換手段)
10b 補正係数演算部(補正係数演算手段)
10c 補正部(補正手段)
11 画像処理部
12 記憶部
13 通信部
14 表示部
15 操作部
16 読取部
図1
図2
図3