(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】容器搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/86 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
B65G47/86 B
(21)【出願番号】P 2018197751
(22)【出願日】2018-10-19
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】辻田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】太田 栄博
(72)【発明者】
【氏名】池田 健悟
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-096615(JP,A)
【文献】特開平09-240825(JP,A)
【文献】特開2017-226525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体の円周方向の複数個所に容器を把持するグリッパが設けられた受け渡しホイールと、容器を保持して搬送する複数のバケットが設けられたバケットコンベヤとを備えて、
受け渡し位置において上記受け渡しホイールのグリッパによる容器の把持状態を解放して、容器をバケットコンベヤのバケットに受け渡すように構成された容器搬送装置において、
上記受け渡しホイールは、上記受け渡し位置において容器をバケットコンベヤのバケットに向けて押し出す押し出し部材
と、該押し出し部材を移動させる駆動機構
と、上記駆動機構によって移動される押し出し部材の後退位置を調整する調整機構と、を備えることを特徴とする容器搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器搬送装置に関し、より詳しくは、例えばマヨネーズやケチャップ等が充填された軟質の容器を、ハカマを用いることなく下流側の装置へ受け渡す場合に好適な容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定方向に回転される回転体と、この回転体の円周方向に等ピッチで配置されて、容器を把持する複数のグリッパを備えて、上流側の搬入位置で容器をグリッパにより把持してから下流側の搬出位置まで搬送し、そこでグリッパを開放させて容器をコンベヤに受け渡すようにした容器搬送装置は公知である(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような従来の容器搬送装置を用いて、下流側のバケットコンベヤに容器の受け渡しを行う場合には次のような問題が生じる。すなわち、バケットコンベヤは容器を保持する複数のバケットを備えているが、各バケットには容器を把持するグリッパは設けられておらず、容器の側部と底を支持することでバケット内に容器を保持するようになっている。
そのため、グリッパに把持した容器を受け渡し位置でバケットコンベヤのバケットに受け渡す際に、容器の底とそれを支持した渡り板との摩擦が大きくなり、受け渡し位置での容器の円滑な受け渡しが行えないといった問題が生じる。また、受け渡しの際にバケット上で容器がバウンドし、あるいはふらついた場合には、容器がバケットから脱落する恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した事情に鑑み、本発明は、回転体の円周方向の複数個所に容器を把持するグリッパが設けられた受け渡しホイールと、容器を保持して搬送する複数のバケットが設けられたバケットコンベヤとを備えて、
受け渡し位置において上記受け渡しホイールのグリッパによる容器の把持状態を解放して、容器をバケットコンベヤのバケットに受け渡すように構成された容器搬送装置において、
上記受け渡しホイールは、上記受け渡し位置において容器をバケットコンベヤのバケットに向けて押し出す押し出し部材と、該押し出し部材を移動させる駆動機構と、上記駆動機構によって移動される押し出し部材の後退位置を調整する調整機構と、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
このような構成によれば、押し出し部材と駆動機構を備えることにより、受け渡し位置において受け渡しホイールからバケットコンベヤのバケットへ容器を円滑に受け渡すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】
図2の受け渡し位置での容器の受け渡しの過程を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、
図1はビニール製の軟質の容器2(
図2参照)にマヨネーズやケチャップ等を充填する充填システム1の一部を示したものである。
図1において、図示しない充填装置によってケチャップが充填された容器2は、受け渡し位置Aにおいて順次回転式のキャッパ3へ受け渡されるようになっており、キャッパ3は容器2を正立状態で保持して矢印方向に搬送しながら、該容器2の口部にキャップ4を取り付けるようになっている。
図1ないし
図2に示すように、キャッパ3によるキャップ4の取り付けが完了した容器2は、受け渡し位置Bにおいて受け渡しホイール5へ受け渡されて、受け渡しホイール5のグリッパ6により首部2Aを把持されるとともに、底を支持板15によって支持されるようになっている。その後、受け渡しホイール5の矢印方向の回転に伴ってグリッパ6に把持された容器2は下流側の受け渡し位置Cまで搬送されると、グリッパ6による把持状態を解放されてバケットコンベヤ7の各バケット8に受け渡されるようになっている。後に詳述するが、その際、本実施例ではグリッパ6の下方側に配置された押し出し部材9によって容器2をバケット8に向けて押し出すことで、容器2を円滑にバケット8に受け渡すことができるようになっている。
受け渡し位置Cにおいてバケット8内に受け渡された容器2は、バケットコンベヤ7の矢印方向の走行に伴って図示しない下流側の包装装置の位置まで搬送され、そこでバケット8から取り出されて包装されるようになっている。
本実施例においては、受け渡しホイール5とバケットコンベヤ7とによって、容器2を搬送する容器搬送装置11が構成されている。
【0009】
図1、
図2及び
図5に示すように、バケットコンベヤ7は、上流端と下流端に配置された一対のホイール7A(上流端側のみ表示)と、それらに噛み合って矢印方向に循環走行される無端状走行体7Bを備えており、無端状走行体7Bに等ピッチで複数のバケット8が取り付けられている。
バケット8は、容器2の側部を支持する側部ガイド8Aと、容器2の底を支持する底板8Bとを備えている。側部ガイド8Aは、鉛直方向に支持されており、水平断面が円弧状となっている。他方、底板8Bは水平に支持されており、受け渡しホイール5側となる先端部8Baが突出した凸形の形状となっている。
バケット8には、容器2を把持するグリッパは設けられておらず、バケット8は、容器2の底を底板8Bで支持し、かつ、側部ガイド8Aにより容器2の側部を覆うように支持することで、正立状態の容器2をバケット8内に保持して搬送するようになっている。
受け渡しホイール5が回転される際には、それに同期して無端状走行体7Bも矢印方向に所定速度で循環走行されるので、バケット8が矢印方向に循環して移動するようになっている。受け渡し位置Cで受け渡しホイール5からバケット8に容器2が受け渡されると、容器2を保持したバケット8は下流側の図示しない包装装置の位置まで容器2を正立状態で搬送するようになっている。
【0010】
しかして、本実施例は、受け渡しホイール5のグリッパ6毎に押し出し部材9を設けて、受け渡し位置Cにおいて容器2を押し出し部材9によってバケット8に向けて押し出すことにより、バケット8内へ容器2を円滑、かつ確実に受け渡すようにしたことが特徴である。
図2から
図4において、受け渡しホイール5は、
図1において時計方向に回転される回転体14を備えており、この回転体14は、固定フレーム13の円筒部13Aによって回転自在に軸支されている。回転体14は水平に支持された上部板14A及び下部板14Bを備えており、それらは図示しない連結部材によって一体に連結されている。そのため、上部板14Aと下部板14Bは一体となって回転されるようになっている。
上部板14Aの外周部には、円周方向に等ピッチで容器2を把持するグリッパ6が設けられている。下部板14Bにおける外周部には、各グリッパ6の先端部の下方側となる位置に、容器2の底を支持する支持板15が水平に取り付けられている。この支持板15は、バケットコンベヤ7側のバケット8の底板8Bと同じ高さに支持されている。
また、下部板14Bには、各グリッパ6の下方側の位置であって、かつ、支持板15よりも回転体14の内方側に、押し出し部材9が設けられており、押し出し部材9は、駆動機構16によって回転体14の半径方向に進退動されるようになっている。
下部板14Bの下面中央には円筒部14Cの上端が連結されており、この円筒部14Cの下端部には図示しないギヤが嵌着されるとともに、該ギヤは図示しないモータに連動している。そして、該モータが回転されると、回転体14が
図1の矢印方向(時計方向)に回転されるようになっている。その際には、上記バケットコンベヤ7も同期して
図1の矢印方向に走行されるようになっている。
【0011】
容器2を把持するグリッパ6は、左右一対の開閉可能な把持部材からなり、各把持部材の基部は、上部板14Aに回転自在に軸支された一対の回転軸17、17(一方のみ表示)の下部に嵌着されている。
両回転軸17、17の外周部にはギヤ18が嵌着されており、それらは相互に噛み合っている。一方の回転軸17の下端部にはレバーが取り付けられており、このレバーと上部板14Aとにわたって引っ張りばね19が取り付けられている。この引っ張りばね19によって回転軸17が所定の回転方向に常時付勢されており、そのため、ギヤ18、18と両回転軸17,17を介してグリッパ6は常時、閉鎖される方向に付勢されている。
回転軸17の上端には、レバー21を介してカムフォロワ22が回転自在に取り付けられており、このカムフォロワ22は、固定フレーム13側の円板23に取り付けた環状のカム24に接触している。
カム24のカム面は、受け渡し位置B、Cにおいては、その他の回転体14の回転領域よりも半径方向外方に膨出させて形成されている。そのため、回転体14が回転される際に、グリッパ6が受け渡し位置B、Cに位置すると、カム24とカムフォロワ22によって引っ張りばね19に抗してグリッパ6が開放されるようになっており、受け渡し位置B、C以外の回転体4の回転領域においては、グリッパ6は閉鎖されるようになっている。
そのため、回転体14の回転に伴って閉鎖状態でグリッパ6が受け渡し位置Bまで来ると、該受け渡し位置Bにおいて開放状態のグリッパ6内にキャッパ3上の容器2の首部2Aが位置し、グリッパ6が受け渡し位置Bを過ぎる際にグリッパ6が閉鎖されて容器2の首部2Aを把持するようになっている。また、その際には、容器2の底が支持板15によって支持されるようになっている。
そして、グリッパ6によって首部2Aを把持され、かつ底を支持板15によって支持された容器2が下流側の受け渡し位置Cまで搬送されてくると、該受け渡し位置Cにおいて、グリッパ6が開放されて容器2の首部2Aの把持状態が解放されるようになっている。
【0012】
図3ないし
図5に示すように、受け渡しホイール5の支持板15は略正方形の薄板からなり、下部板14Bの外周部よりも外方へ突出させて設けられている。また、前述したように、支持板15はバケットコンベヤ7の底板8Bと同じ高さに支持されている。支持板15の外方側の辺の中央には、上記バケット8の底板8Bの先端部8Baの形状に合わせたU字状の切り欠き15Aが形成されている。
受け渡しホイール5が回転し、バケットコンベヤ7が走行されている際に、受け渡し位置Bにおいては、キャップの取り付けが完了した容器2がキャッパ3から受け渡しホイールへ受け渡される。その際に、容器2の底は支持板15に支持されるとともに、容器2の首部2Aはグリッパ6によって把持されるようになっている。
その状態において、グリッパ6に把持された容器2が、受け渡し位置Cに搬送されると、容器2を支持した支持板15にバケットコンベヤ7のバケット8の底板8Bが近接して、支持板15の切り欠き15A内に容器2の底をくぐって底板8Bの先端部8Baが差し込まれるようになっている。その状態の支持板15と底板8Bとによって容器2の底を同時に支持するようになっている。つまり、受け渡し位置Cにおいては、相互に噛み合った状態の支持板15とバケット8の底板8Bによって容器2を受け渡すための実質的な渡り板が構成されるようになっている。
そして、受け渡し位置Cにおいては、グリッパ6が開放されるので、グリッパ6による容器2の首部2Aの把持状態が解放されるとともに、押し出し部材9が前進されて容器2をバケット8に向けて所定量、押し出すようになっている。
【0013】
本実施例において、押し出し部材9とそれを進退動させる駆動機構16は以下の様に構成されている。
すなわち、
図2ないし
図4に示すように、下部板14Bの上面の外周部に環状の支持部材26が連結されており、支持部材26における各グリッパ6の下方側の位置に、下部板14Bの半径方向に沿ってガイド部材27が取り付けられている。そして、押し出し部材9はガイド部材27に摺動自在に設けられており、それによって押し出し部材9は、下部板14Bの半径方向に進退動可能となっている。
押し出し部材9は、角柱状をした支持部9Aと、その支持部9Aの先端に連結された当接部9Bとからなり、当接部9Bは鉛直上方に向けて立ち上げられており、かつ、下部板14Bの接線方向に支持されている。この当接部9Bが容器2の側部に当接するようになっている。
押し出し部材9の支持部9Aの側部にラック9Cが形成されており、そのラック9Cは、下部板14Bに軸支された回転軸28の上端に取り付けたセクタギヤ29と噛み合っている。回転軸28が正逆に回転されると、セクタギヤ29とラック9Cとを介して押し出し部材9が下部板14Bの半径方向に進退動されるようになっている。
回転軸28の下方の外周部にはギヤ31が嵌着されており、このギヤ31は隣接位置の回転軸32に嵌着されたギヤ33と噛み合っている。回転軸32は、下部板14Bとその下方側の支持部材34とによって回転自在に軸支されており、回転軸32の下端部にアーム35の基部が嵌着されている。
アーム35の先端と、下部板14B側のブラケットにわたって引っ張りばね36が取り付けられており、それによって、アーム35を介して回転軸32、ギヤ33は常時所定の回転方向に付勢されている。
また、アーム35の中央部には、支持軸37を介してカムフォロワ38が回転自在に取り付けられており、上記引っ張りばね36によってカムフォロワ38は、固定フレーム13に水平に設けられた円板状カム41のカム面41Aに接触している。円板状カム41のカム面41Aは、全体としてみると上端部の径が下端部の径より小さくなった緩い円錐状に形成されている。
【0014】
回転体14が
図1の時計方向に回転される際には、各押し出し部材9用のカムフォロワ38が円板状カム41のカム面41Aのカム曲線に沿って回転体14の半径方向に移動されるようになっている。それに伴って、下方側で噛み合うギヤ31,33及び上方側で噛み合うセクタギヤ29とラック9Cを介して押し出し部材9が、ガイド部材27に案内されて回転体14の半径方向に進退移動されるようになっている。
より詳細には、受け渡し位置C以外の回転体14の回転領域においては、押し出し部材9が半径方向の内方に後退した後退端の位置にあり、受け渡し位置Cにおいては、後退端位置から最も前進した前進端位置まで半径方向外方に向けて押し出し部材9が前進される(移動される)ように、円板カム41のカム面41Aのカム曲線が調整されている。
そのため、受け渡し位置Cにおいて、グリッパ6が開放されて容器2の首部2Aの把持状態が解放される際に、押し出し部材9が後退端位置から前進端位置まで前進されるようになっている。それにより、押し出し部材9の先端となる当接部9Bが容器2の側部に当接し、支持板15とバケット8の底板8B(つまり、渡り板)に支持された状態の容器2をバケット8に向けて押し出してバケット8内に保持させるようになっている。それにより、容器2の側部はバケット8の側部ガイド8Aに接触し、かつ、容器2の底はバケット8の底板8Bによって支持され、したがって、容器2はバケット8内に正立状態で保持されるようになっている。
本実施例においては、押し出し部材9を進退動させる駆動機構16は、ラック9C、セクタギヤ29、回転軸28、ギヤ31,33、回転軸32、アーム35、引っ張りばね36、カムフォロワ38、円板状カム41により構成されている。
【0015】
さらに、本実施例は、上記駆動機構16によって押し出し部材9が受け渡し位置Cで半径方向に進退動される際の後退位置を調整できるようになっており、そのために上記円板状カム41を昇降させる調整機構43が設けられている(
図2参照)。
前述したように、上記円板.状カム41のカム面41Aは円錐状に形成されており、円板状カム41の中央部は、環状の昇降部材45の外周部に連結されている。昇降部材45の内周面には、固定フレーム13の円筒部13Aが摺動自在に貫通させてあるので、円板状カム41は水平状態を維持して昇降できるようになっている。
昇降部材45の下方側となる固定フレーム13上には、円周方向の複数個所に鉛直方向のガイド軸44を固定してあり、これらのガイド軸44の上方部は、昇降部材45側のガイド孔45Aに摺動自在に貫通させている。また、昇降部材45と固定フレーム13とにわたって回転軸46を回転自在に軸支してあり、回転軸46の上方側の外周部に形成されたねじ部46Aを、昇降部材45に固定したナット部材47に螺合させている。
回転軸46の下方外周部にはギヤ48が嵌着されており、このギヤ48は隣接位置のギヤ51と噛み合っており、そのギヤ51はモータ52側のギヤ53に噛み合っている。
モータ52の作動は、図示しない制御装置によって制御されるようになっており、押し出し部材9の後退位置を変更する場合には、制御装置によってモータ52を所要量正逆に回転させるようになっている。それによって、ギヤ53、51、48を介して回転軸46が正逆に回転されるので、ねじ部46Aとナット部材47及び昇降部材45を介して円板状カム41が所要量昇降されるようになっている。前述したように、円板状カム41のカム面41Aは上方側が窄まる円錐状となっているので、円板状カム41を所要量昇降させることで、押し出し部材9が回転体14の半径方向に移動する際の後退位置を変更することができる。
本実施例においては、容器2の大きさや断面形状等に応じて押し出し部材9が進退される際の後退位置を調整することができるので、品種が変わっても一定の位置で押し出し部材9を容器2に接触させ始めることができ、汎用性が高い物品搬送装置11を提供することができる。
【0016】
以上の構成において、キャッパ3が回転されるとともに、受け渡しホイール5及びバケットコンベヤ7が同期して回転されると、キャッパ3からの受け渡し位置Bにおいて、容器2の首部2Aが受け渡しホイール5のグリッパ6により把持されるとともに容器2の底は支持板15によって支持されることで、キャップ4の取り付けが完了した容器2がキャッパ3から受け渡しホイール5へ受け渡される(
図1参照)。
そして、
図2ないし
図5に示すように、受け渡しホイール5の回転体14の回転に伴って、グリッパ6により首部2Aを把持された容器2が下流側の受け渡し位置Cまで搬送されると、支持板15とバケット8の底板8Bとが相互に噛み合った状態となり、それらによって容器2の底が支持される。また、この受け渡し位置Cにおいて、グリッパ6が開放されて容器2の把持状態が解放されるとともに、グリッパ6の開放作動に合わせて上記押し出し部材9が駆動機構16によって後退端位置から前進端位置まで回転体14の半径方向外方に所定量前進される。
それにより、容器2の側部が押し出し部材9の当接部9Bによってバケット8の側部ガイド8Aに向けて押し出されるので、容器2は円滑、かつ確実にバケバケット8内に受け渡されるようになっている。バケット8内に受け渡された容器2は、側部ガイド8Aにより側部を支持されるととともに底板8Bによって底を支持された状態で保持されるようになっている。
このようにして、受け渡し位置Cにおいて受け渡しホイール5からバケットコンベヤ7の各バケット8に順次容器2が受け渡されるようになっており、その後、バケットコンベヤ7の走行に伴ってバケット8に保持された容器2は図示しない包装装置の位置まで搬送されるようになっている。
なお、処理対象となる容器2の大きさや形状を変更するために押し出し部材9の後退位置を変更する必要がある場合には、搬送作業開始前に制御装置が調整機構43のモータ52を所要量正逆に回転させる。それによって、円板状カム41が所要量昇降されるので、円錐状のカム面41Aに接触するカムフォロワ38の相対的な接触高さ位置が変更される。それによって、押し出し部材9の後退位置を、変更後の容器2の大きさ等に応じた好適な後退位置に調整することができる。なお、本実施例では、押し出し部材9が進退する際の移動量は一定となっているが、容器2の形状等に応じて押し出し部材9の移動量を変更できるように構成しても良い。
【0017】
以上のように、本実施例においては、押し出し部材9とそれを移動させる駆動機構16を備えているので、受け渡し位置Cにおける受け渡しホイール5からバケットコンベヤ7のバケット8への受け渡しを円滑、かつ確実に行うことができる。そして、受け渡し位置C及びその隣接下流側の位置で、バケット8内から容器2が脱落することを防止することができる。
また、受け渡しホイール5には上記調整機構43が配置されているので、押し出し部材9が進退動する際の後退位置を容器2の大きさや品種等に応じて好適な移動量に調整することができるので、汎用性が高い容器搬送装置11を提供することができる。
【符号の説明】
【0018】
2‥容器 5‥受け渡しホイール
6‥グリッパ 7‥バケットコンベヤ
8‥バケット 9‥押し出し部材
11‥容器搬送装置 14‥回転体
16‥駆動機構 43‥調整機構
C‥受け渡し位置