(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】プリンタードライバー
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 324
G06F3/12 344
G06F3/12 308
(21)【出願番号】P 2019020368
(22)【出願日】2019-02-07
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】平 誉幸
(72)【発明者】
【氏名】守本 利光
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-134057(JP,A)
【文献】特開2003-271367(JP,A)
【文献】特開2010-108470(JP,A)
【文献】特開2017-68304(JP,A)
【文献】特開2007-241489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データを生成するためのアプリケーションプログラムによって生成された印刷データを画像形成装置に出力するためのプリンタードライバーであって、
カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれを前記画像形成装置に実行させるかの設定であるカラー設定を前記アプリケーションプログラムと連動するか否かの設定である連動設定を受け付ける連動設定受付部と、
前記プリンタードライバーにおける前記カラー設定に応じた処理を実行する処理実行部と
をコンピューターに実行させ、
前記処理実行部は、前記カラー設定を前記アプリケーションプログラムと連動しないことが前記連動設定に設定されている場合に、前記プリンタードライバーにおける前記カラー設定が前記モノクロ印刷を前記画像形成装置に実行させる前記カラー設定であるとき、前記アプリケーションプログラムにカラー画像の前記印刷データを生成させ、前記カラー画像をモノクロ画像化するためのモノクロ画像化用処理を実行することを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項2】
前記モノクロ画像化用処理は、前記コンピューターに前記カラー画像をモノクロ画像化させる処理であることを特徴とする請求項1に記載のプリンタードライバー。
【請求項3】
前記モノクロ画像化用処理は、前記画像形成装置に前記カラー画像をモノクロ画像化させるためのコマンドを前記印刷データに付与する処理であることを特徴とする請求項1に記載のプリンタードライバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データを画像形成装置に出力するためのプリンタードライバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷データを生成するためのアプリケーションプログラムと、アプリケーションプログラムによって生成された印刷データを画像形成装置に出力するためのプリンタードライバーとを実行するコンピューターが知られている(例えば、特許文献1参照。)。カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれを画像形成装置に実行させるかの設定は、一般的に、アプリケーションプログラムおよびプリンタードライバーのそれぞれから実行されることが可能であり、アプリケーションプログラムおよびプリンタードライバーにおいて連動させられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、モノクロ印刷用の印刷データを生成する場合に、モノクロ印刷用の印刷データにおける画像の画質を、カラー印刷用の印刷データにおける画像の画質より低下させるアプリケーションプログラムが存在するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、モノクロ印刷の画質の低下を抑えることができるプリンタードライバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプリンタードライバーは、印刷データを生成するためのアプリケーションプログラムによって生成された印刷データを画像形成装置に出力するためのプリンタードライバーであって、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれを前記画像形成装置に実行させるかの設定であるカラー設定を前記アプリケーションプログラムと連動するか否かの設定である連動設定を受け付ける連動設定受付部と、前記プリンタードライバーにおける前記カラー設定に応じた処理を実行する処理実行部とをコンピューターに実行させ、前記処理実行部は、前記カラー設定を前記アプリケーションプログラムと連動しないことが前記連動設定に設定されている場合に、前記プリンタードライバーにおける前記カラー設定が前記モノクロ印刷を前記画像形成装置に実行させる前記カラー設定であるとき、前記アプリケーションプログラムにカラー画像の前記印刷データを生成させ、前記カラー画像をモノクロ画像化するためのモノクロ画像化用処理を実行することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明のプリンタードライバーを実行するコンピューターは、アプリケーションプログラムにカラー画像の印刷データを生成させ、このカラー画像をモノクロ画像化するためのモノクロ画像化用処理をプリンタードライバーによって実行するので、カラー印刷用の印刷データにおける画像の画質よりモノクロ印刷用の印刷データにおける画像の画質が低下するように印刷データを生成するアプリケーションプログラムが使用されたとしても、モノクロ印刷の画質の低下を抑えることができる。
【0008】
本発明のプリンタードライバーにおいて、前記モノクロ画像化用処理は、前記コンピューターに前記カラー画像をモノクロ画像化させる処理であっても良い。
【0009】
この構成により、本発明のプリンタードライバーを実行するコンピューターは、アプリケーションプログラムによって生成された、カラー画像の印刷データを、モノクロ画像化してから、画像形成装置に出力するので、カラー印刷用の印刷データにおける画像の画質よりモノクロ印刷用の印刷データにおける画像の画質が低下するように印刷データを生成するアプリケーションプログラムが使用された場合に、印刷データをモノクロ画像化する能力が無い画像形成装置に印刷を実行させるときであっても、モノクロ印刷の画質の低下を抑えることができる。
【0010】
本発明のプリンタードライバーにおいて、前記モノクロ画像化用処理は、前記画像形成装置に前記カラー画像をモノクロ画像化させるためのコマンドを前記印刷データに付与する処理であっても良い。
【0011】
この構成により、本発明のプリンタードライバーを実行するコンピューターは、アプリケーションプログラムによって生成された、カラー画像の印刷データを、画像形成装置にモノクロ画像化させるためのコマンドを付与してから、画像形成装置に出力するので、印刷データにおけるカラー画像をコンピューター自身でモノクロ画像化する必要がなく、コンピューター自身の処理負担を抑えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のプリンタードライバーは、モノクロ印刷の画質の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
【
図2】MFPである場合の
図1に示すカラー画像形成装置のブロック図である。
【
図3】MFPである場合の
図1に示すモノクロ画像形成装置のブロック図である。
【
図4】
図1に示すコンピューターのブロック図である。
【
図5】
図4に示すカラー機用DEVMODE構造体の一例を示す図である。
【
図6】カラー機用ドライバーにおける各種の設定を受け付ける場合の
図4に示すコンピューターの動作のフローチャートである。
【
図7】
図6に示す動作において表示される各種設定受付用画面の一例を示す図である。
【
図8】カラー画像形成装置に関してアプリケーションプログラムにおいてカラー設定を受け付ける場合の
図4に示すコンピューターの動作のフローチャートである。
【
図9】
図8に示す動作において表示される、カラー画像形成装置に関する、アプリケーションプログラムにおける印刷設定画面の一例を示す図である。
【
図10】カラー機用ドライバーにおいてカラー設定を受け付ける場合の
図4に示すコンピューターの動作のフローチャートである。
【
図11】
図10に示す動作において表示される、カラー機用ドライバーにおける印刷設定画面の一例を示す図である。
【
図12】カラー画像形成装置向けにアプリケーションプログラムにおいて印刷データを生成する場合の
図4に示すコンピューターの動作のフローチャートである。
【
図13】アプリケーションプログラムによって生成された印刷データをカラー画像形成装置に出力する場合の
図4に示すコンピューターの動作のフローチャートである。
【
図14】コンピューターから入力された印刷データに基づいて印刷を実行する場合の
図2に示すカラー画像形成装置の動作のフローチャートである。
【
図15】アプリケーションプログラムによって生成された印刷データをモノクロ画像形成装置に出力する場合の
図4に示すコンピューターの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0015】
まず、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0017】
図1に示すように、画像形成システム10は、モノクロ印刷およびカラー印刷の両方を実行可能な画像形成装置としてのカラー画像形成装置20と、モノクロ印刷およびカラー印刷のうちモノクロ印刷のみを実行可能な画像形成装置としてのモノクロ画像形成装置30と、画像形成装置に印刷データを送信するコンピューター40とを備えている。カラー画像形成装置20およびモノクロ画像形成装置30と、コンピューター40とは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11を介して通信可能である。
【0018】
画像形成システム10は、カラー画像形成装置20と同様の構成のカラー画像形成装置を、カラー画像形成装置20以外に、少なくとも1つ備えることが可能である。画像形成システム10は、モノクロ画像形成装置30と同様の構成のモノクロ画像形成装置を、モノクロ画像形成装置30以外に、少なくとも1つ備えることが可能である。画像形成システム10は、コンピューター40と同様の構成のコンピューターを、コンピューター40以外に、少なくとも1つ備えることが可能である。
【0019】
図2は、MFP(Multifunction Peripheral)である場合のカラー画像形成装置20のブロック図である。
【0020】
図2に示すように、カラー画像形成装置20は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター23と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部26と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部27と、カラー画像形成装置20全体を制御する制御部28とを備えている。
【0021】
制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部28のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部28のCPUは、記憶部27または制御部28のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0022】
制御部28は、記憶部27または制御部28のROMに記憶されているプログラムを実行することによって、カラー画像をモノクロ画像化するモノクロ画像化部28aを実現する。
【0023】
図3は、MFPである場合のモノクロ画像形成装置30のブロック図である。
【0024】
図3に示すように、モノクロ画像形成装置30は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部31と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部32と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター33と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー34と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部35と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部36と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部37と、モノクロ画像形成装置30全体を制御する制御部38とを備えている。
【0025】
制御部38は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部38のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部38のCPUは、記憶部37または制御部38のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0026】
【0027】
図4に示すように、コンピューター40は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部41と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部42と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部43と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部44と、コンピューター40全体を制御する制御部45とを備えている。コンピューター40は、例えばPC(Personal Computer)によって構成されても良い。
【0028】
記憶部44は、印刷データを生成するためのアプリケーションプログラム44aを記憶している。記憶部44は、アプリケーションプログラム44a以外にも、アプリケーションプログラムを少なくとも1つ記憶することが可能である。記憶部44は、アプリケーションプログラムによって生成された印刷データをカラー画像形成装置20に出力するためのプリンタードライバーとしてのカラー機用ドライバー44bと、アプリケーションプログラムによって生成された印刷データをモノクロ画像形成装置30に出力するためのプリンタードライバーとしてのモノクロ機用ドライバー44cとを記憶している。記憶部44に記憶されているアプリケーションプログラムと、カラー機用ドライバー44bと、モノクロ機用ドライバー44cとは、それぞれ、例えば、コンピューター40の製造段階でコンピューター40にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体からコンピューター40に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からコンピューター40に追加でインストールされても良い。
【0029】
記憶部44は、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれをカラー画像形成装置20に実行させるかの設定であるカラー設定をアプリケーションプログラムと連動するか否かの設定である連動設定を示すカラー機用連動設定情報44dと、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれをモノクロ画像形成装置30に実行させるかの設定であるカラー設定をアプリケーションプログラムと連動するか否かの設定である連動設定を示すモノクロ機用連動設定情報44eとを記憶している。
【0030】
記憶部44は、カラー機用ドライバー44bの各種のデータを格納するデータとしてのDEVMODE構造体としてのカラー機用DEVMODE構造体44fと、モノクロ機用ドライバー44cの各種のデータを格納するデータとしてのDEVMODE構造体としてのモノクロ機用DEVMODE構造体44gとを記憶している。
【0031】
図5は、カラー機用DEVMODE構造体44fの一例を示す図である。
【0032】
図5に示すように、カラー機用DEVMODE構造体44fは、アプリケーションプログラムおよびカラー機用ドライバー44bの両方からアクセス可能なPublic領域と、アプリケーションプログラムおよびカラー機用ドライバー44bのうちカラー機用ドライバー44bのみがアクセス可能なPrivate領域とを含んでいる。カラー機用DEVMODE構造体44fのPublic領域には、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれをカラー画像形成装置20に実行させるかの設定であるカラー設定としてのdmColorメンバーが含まれる。dmColorメンバーは、カラー印刷をカラー画像形成装置20に実行させることを示すDMCOLOR_COLORと、モノクロ印刷をカラー画像形成装置20に実行させることを示すDMCOLOR_MONOCHROMEとのいずれかの値をとることが可能である。カラー機用DEVMODE構造体44fは、Private領域にも、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれをカラー画像形成装置20に実行させるかの設定であるカラー設定を含めることが可能である。
【0033】
同様に、モノクロ機用DEVMODE構造体44gは、アプリケーションプログラムおよびモノクロ機用ドライバー44cの両方からアクセス可能なPublic領域と、アプリケーションプログラムおよびモノクロ機用ドライバー44cのうちモノクロ機用ドライバー44cのみがアクセス可能なPrivate領域とを含んでいる。モノクロ機用DEVMODE構造体44gのPublic領域には、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれをモノクロ画像形成装置30に実行させるかの設定であるカラー設定としてのdmColorメンバーが含まれる。dmColorメンバーは、カラー印刷をモノクロ画像形成装置30に実行させることを示すDMCOLOR_COLORと、モノクロ印刷をモノクロ画像形成装置30に実行させることを示すDMCOLOR_MONOCHROMEとのいずれかの値をとることが可能である。モノクロ機用DEVMODE構造体44gは、Private領域にも、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれをモノクロ画像形成装置30に実行させるかの設定であるカラー設定を含めることが可能である。
【0034】
図4に示す制御部45は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部45のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部45のCPUは、記憶部44または制御部45のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0035】
制御部45は、カラー機用ドライバー44bを実行することによって、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれをカラー画像形成装置20に実行させるかの設定であるカラー設定をアプリケーションプログラムと連動するか否かの設定である連動設定を受け付ける連動設定受付部としてのカラー機用連動設定受付部45aと、カラー機用ドライバー44bにおけるカラー設定に応じた処理を実行する処理実行部としてのカラー機用処理実行部45bとを実現する。
【0036】
制御部45は、モノクロ機用ドライバー44cを実行することによって、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれをモノクロ画像形成装置30に実行させるかの設定であるカラー設定をアプリケーションプログラムと連動するか否かの設定である連動設定を受け付ける連動設定受付部としてのモノクロ機用連動設定受付部45cと、モノクロ機用ドライバー44cにおけるカラー設定に応じた処理を実行する処理実行部としてのモノクロ機用処理実行部45dとを実現する。
【0037】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0038】
まず、カラー機用ドライバー44bにおける各種の設定を受け付ける場合のコンピューター40の動作について説明する。
【0039】
図6は、カラー機用ドライバー44bにおける各種の設定を受け付ける場合のコンピューター40の動作のフローチャートである。
【0040】
コンピューター40は、カラー機用ドライバー44bにおける各種の設定を受け付ける処理の開始が操作部41を介して指示されると、
図6に示す動作を実行する。
【0041】
図6に示すように、カラー機用連動設定受付部45aは、カラー機用ドライバー44bにおける各種の設定を受け付けるための画面(以下「各種設定受付用画面」という。)50(
図7参照。)を表示部42に表示する(S101)。
【0042】
図7は、各種設定受付用画面50の一例を示す図である。
【0043】
図7に示す各種設定受付用画面50には、連動設定が指定されるためのチェックボックスとしての連動設定指定用チェックボックス51aと、連動設定以外の設定が指定されているためのチェックボックス51b、51cと、各種設定受付用画面50における各種の設定の指定を標準に戻すための「標準に戻す」ボタン52と、各種設定受付用画面50における各種の設定の指定を受け付けるためのOKボタン53と、各種設定受付用画面50における各種の設定の受け付けを中止するキャンセルボタン54とを含んでいる。
【0044】
図6に示すように、カラー機用連動設定受付部45aは、S101の処理の後、OKボタン53が押されたか否かを判断する(S102)。
【0045】
カラー機用連動設定受付部45aは、OKボタン53が押されていないとS102において判断すると、キャンセルボタン54が押されたか否かを判断する(S103)。
【0046】
カラー機用連動設定受付部45aは、キャンセルボタン54が押されていないとS103において判断すると、S102の処理を実行する。
【0047】
カラー機用連動設定受付部45aは、OKボタン53が押されたとS102において判断すると、OKボタン53が押されたとS102において判断した時点でカラー設定をアプリケーションプログラムと連動することが各種設定受付用画面50において指定されていたか否かを判断する(S104)。ここで、連動設定指定用チェックボックス51aがチェックされていたということは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することが指定されていたということである。一方、連動設定指定用チェックボックス51aがチェックされていなかったということは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことが指定されていたということである。
【0048】
カラー機用連動設定受付部45aは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することが指定されていたとS104において判断すると、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値を変更可能な状態にする(S105)。
【0049】
次いで、カラー機用連動設定受付部45aは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することをカラー機用連動設定情報44dに記憶する(S106)。
【0050】
カラー機用連動設定受付部45aは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することが指定されていなかったとS104において判断すると、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値をDMCOLOR_COLORに設定する(S107)。
【0051】
次いで、カラー機用連動設定受付部45aは、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値を変更不可能な状態にする(S108)。
【0052】
次いで、カラー機用連動設定受付部45aは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことをカラー機用連動設定情報44dに記憶する(S109)。
【0053】
カラー機用連動設定受付部45aは、キャンセルボタン54が押されたとS103において判断するか、S106またはS109の処理が終了すると、各種設定受付用画面50の表示を終了して(S110)、
図6に示す動作を終了する。
【0054】
次に、カラー画像形成装置20に関してアプリケーションプログラムにおいてカラー設定を受け付ける場合のコンピューター40の動作について説明する。
【0055】
図8は、カラー画像形成装置20に関してアプリケーションプログラムにおいてカラー設定を受け付ける場合のコンピューター40の動作のフローチャートである。
【0056】
コンピューター40の制御部45は、カラー画像形成装置20に関する、アプリケーションプログラムにおける印刷設定画面60(
図9参照。)の表示が操作部41を介して指示されると、印刷設定画面60を表示部42に表示する(S121)。
【0057】
図9は、カラー画像形成装置20に関する、アプリケーションプログラムにおける印刷設定画面60の一例を示す図である。
【0058】
図9に示すように、印刷設定画面60は、カラー設定を受け付けるためのドロップダウンリスト61を含んでいる。
【0059】
図8に示すように、制御部45は、S121の処理の後、ドロップダウンリスト61においてカラー設定が変更されたか否かを判断する(S122)。
【0060】
カラー機用処理実行部45bは、ドロップダウンリスト61においてカラー設定が変更されたとS122において判断されると、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することがカラー機用連動設定情報44dにおいて設定されているか否かを判断する(S123)。
【0061】
カラー機用処理実行部45bは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することが設定されているとS123において判断すると、ドロップダウンリスト61において指定されているカラー設定がカラー印刷およびモノクロ印刷のいずれであるかを判断する(S124)。
【0062】
カラー機用処理実行部45bは、カラー印刷であるとS124において判断すると、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値をS105において変更可能な状態にしているので、このdmColorメンバーの値をDMCOLOR_COLORに設定して(S125)、S122の処理を実行する。
【0063】
カラー機用処理実行部45bは、モノクロ印刷であるとS124において判断すると、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値をS105において変更可能な状態にしているので、このdmColorメンバーの値をDMCOLOR_MONOCHROMEに設定して(S126)、S122の処理を実行する。
【0064】
制御部45は、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことが設定されているとS123において判断されると、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値を変更不可能な状態にS108においてしているので、このdmColorメンバーの値を変更せずに、S122の処理を実行する。
【0065】
制御部45は、ドロップダウンリスト61においてカラー設定が変更されなかったとS122において判断すると、印刷設定画面60の表示の終了が操作部41を介して指示されたか否かを判断する(S127)。
【0066】
制御部45は、印刷設定画面60の表示の終了が指示されなかったとS127において判断すると、S122の処理を実行する。
【0067】
制御部45は、印刷設定画面60の表示の終了が指示されたとS127において判断すると、印刷設定画面60の表示を終了して(S128)、
図8に示す動作を終了する。
【0068】
次に、カラー機用ドライバー44bにおいてカラー設定を受け付ける場合のコンピューター40の動作について説明する。
【0069】
図10は、カラー機用ドライバー44bにおいてカラー設定を受け付ける場合のコンピューター40の動作のフローチャートである。
【0070】
コンピューター40のカラー機用処理実行部45bは、カラー機用ドライバー44bにおける印刷設定画面70(
図11参照。)の表示が操作部41を介して指示されると、
図10に示すように、印刷設定画面70を表示部42に表示する(S141)。
【0071】
図11は、カラー機用ドライバー44bにおける印刷設定画面70の一例を示す図である。
【0072】
図11に示すように、印刷設定画面70は、カラー設定としてカラー印刷の指定を受け付けるためのラジオボタン71と、カラー設定としてモノクロ印刷の指定を受け付けるためのラジオボタン72と、印刷設定画面70において指定された各種の設定内容を受け付けるためのOKボタン73と、印刷設定画面70における各種の設定の受け付けを中止するキャンセルボタン74とを含んでいる。ラジオボタン71およびラジオボタン72からなるラジオボタングループは、常にいずれか1つのラジオボタンのみが選択されている状態になる。
【0073】
図10に示すように、カラー機用処理実行部45bは、S141の処理の後、OKボタン73が押されたか否かを判断する(S142)。
【0074】
カラー機用処理実行部45bは、OKボタン73が押されていないとS142において判断すると、キャンセルボタン74が押されたか否かを判断する(S143)。
【0075】
カラー機用処理実行部45bは、キャンセルボタン74が押されていないとS143において判断すると、S142の処理を実行する。
【0076】
カラー機用処理実行部45bは、OKボタン73が押されたとS142において判断すると、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することがカラー機用連動設定情報44dにおいて設定されているか否かを判断する(S144)。
【0077】
カラー機用処理実行部45bは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することが設定されているとS144において判断すると、OKボタン73が押されたとS142において判断した時点でラジオボタン71およびラジオボタン72によって指定されているカラー設定がカラー印刷およびモノクロ印刷のいずれであるかを判断する(S145)。
【0078】
カラー機用処理実行部45bは、カラー印刷であるとS145において判断すると、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値をS105において変更可能な状態にしているので、このdmColorメンバーの値をDMCOLOR_COLORに設定する(S146)。
【0079】
カラー機用処理実行部45bは、モノクロ印刷であるとS145において判断すると、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値をS105において変更可能な状態にしているので、このdmColorメンバーの値をDMCOLOR_MONOCHROMEに設定する(S147)。
【0080】
カラー機用処理実行部45bは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことが設定されているとS144において判断すると、OKボタン73が押されたとS142において判断した時点でラジオボタン71およびラジオボタン72によって指定されているカラー設定がカラー印刷およびモノクロ印刷のいずれであるかを判断する(S148)。
【0081】
カラー機用処理実行部45bは、カラー印刷であるとS148において判断すると、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値を変更不可能な状態にS108においてしているので、カラー機用DEVMODE構造体44fのPrivate領域にカラー設定としてカラー印刷を設定する(S149)。
【0082】
カラー機用処理実行部45bは、モノクロ印刷であるとS148において判断すると、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値を変更不可能な状態にS108においてしているので、カラー機用DEVMODE構造体44fのPrivate領域にカラー設定としてモノクロ印刷を設定する(S150)。
【0083】
カラー機用処理実行部45bは、キャンセルボタン74が押されたとS143において判断するか、S146、S147、S149またはS150の処理が終了すると、印刷設定画面70の表示を終了して(S151)、
図10に示す動作を終了する。
【0084】
次に、カラー画像形成装置20向けにアプリケーションプログラムにおいて印刷データを生成する場合のコンピューター40の動作について説明する。
【0085】
図12は、カラー画像形成装置20向けにアプリケーションプログラムにおいて印刷データを生成する場合のコンピューター40の動作のフローチャートである。
【0086】
コンピューター40の制御部45は、アプリケーションプログラムにおいてカラー画像形成装置20向けに印刷の実行が指示されると、
図12に示すように、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値がDMCOLOR_COLORおよびDMCOLOR_MONOCHROMEのいずれであるかを判断する(S171)。
【0087】
制御部45は、DMCOLOR_COLORであるとS171において判断すると、カラー画像の印刷データ、すなわち、カラー印刷用の印刷データを生成し(S172)、
図12に示す動作を終了する。
【0088】
制御部45は、DMCOLOR_MONOCHROMEであるとS171において判断すると、モノクロ画像の印刷データ、すなわち、モノクロ印刷用の印刷データを生成し(S173)、
図12に示す動作を終了する。
【0089】
次に、アプリケーションプログラムによって生成された印刷データをカラー画像形成装置20に出力する場合のコンピューター40の動作について説明する。
【0090】
図13は、アプリケーションプログラムによって生成された印刷データをカラー画像形成装置20に出力する場合のコンピューター40の動作のフローチャートである。
【0091】
図12に示す動作によって印刷データが生成されると、コンピューター40のカラー機用処理実行部45bは、
図13に示すように、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することがカラー機用連動設定情報44dにおいて設定されているか否かを判断する(S191)。
【0092】
カラー機用処理実行部45bは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことが設定されているとS191において判断すると、カラー機用DEVMODE構造体44fのPrivate領域に設定されているカラー設定がカラー印刷およびモノクロ印刷のいずれであるかを判断する(S192)。
【0093】
カラー機用処理実行部45bは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することが設定されているとS191において判断するか、カラー印刷であるとS192において判断すると、
図12に示す動作においてアプリケーションプログラムによって生成された印刷データをカラー画像形成装置20に出力する(S193)。すなわち、S193において、カラー機用処理実行部45bは、
図12に示す動作においてアプリケーションプログラムによって生成された印刷データがカラー印刷用の印刷データである場合には、カラー印刷用の印刷データをカラー画像形成装置20に出力し、
図12に示す動作においてアプリケーションプログラムによって生成された印刷データがモノクロ印刷用の印刷データである場合には、モノクロ印刷用の印刷データをカラー画像形成装置20に出力する。なお、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことがカラー機用連動設定情報44dにおいて設定されている場合、カラー機用DEVMODE構造体44fのdmColorメンバーの値がDMCOLOR_COLORである(S107~S108およびS123でNO)ので、
図12に示す動作においてアプリケーションプログラムによって生成された印刷データは、カラー印刷用の印刷データである。すなわち、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことがカラー機用連動設定情報44dにおいて設定されている場合(S191でNO)に、カラー機用DEVMODE構造体44fのPrivate領域に設定されているカラー設定がカラー印刷であるとき(S192で「カラー印刷」)、カラー機用処理実行部45bは、カラー印刷用の印刷データをカラー画像形成装置20に出力する。
【0094】
カラー機用処理実行部45bは、S193の処理が終了すると、
図13に示す動作を終了する。
【0095】
カラー機用処理実行部45bは、モノクロ印刷であるとS192において判断すると、
図12に示す動作においてアプリケーションプログラムによって生成された印刷データに、モノクロ印刷のコマンドを付与する(S194)。ここで、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことがカラー機用連動設定情報44dにおいて設定されている場合、
図12に示す動作においてアプリケーションプログラムによって生成された印刷データは、上述したように、カラー印刷用の印刷データである。すなわち、S194において、カラー機用処理実行部45bは、カラー印刷用の印刷データに、モノクロ印刷のコマンドを付与する。
【0096】
カラー機用処理実行部45bは、S194の処理の後、S194においてモノクロ印刷のコマンドを付与したカラー印刷用の印刷データをカラー画像形成装置20に出力して(S195)、
図13に示す動作を終了する。
【0097】
次に、コンピューター40から入力された印刷データに基づいて印刷を実行する場合のカラー画像形成装置20の動作について説明する。
【0098】
図14は、コンピューター40から入力された印刷データに基づいて印刷を実行する場合のカラー画像形成装置20の動作のフローチャートである。
【0099】
カラー画像形成装置20のモノクロ画像化部28aは、コンピューター40から印刷データが入力されると、
図14に示すように、コンピューター40から入力された印刷データが、モノクロ印刷のコマンドが付与されたカラー印刷用の印刷データであるか否かを判断する(S211)。
【0100】
モノクロ画像化部28aは、コンピューター40から入力された印刷データが、モノクロ印刷のコマンドが付与されたカラー印刷用の印刷データであるとS211において判断すると、コンピューター40から入力されたカラー印刷用の印刷データのカラー画像をモノクロ画像化することによって、モノクロ印刷用の印刷データを生成する(S212)。
【0101】
カラー画像形成装置20の制御部28は、コンピューター40から入力された印刷データが、モノクロ印刷のコマンドが付与されたカラー印刷用の印刷データではないとS211において判断すると、コンピューター40から入力された印刷データがカラー印刷用およびモノクロ印刷用のいずれの印刷データであるかを判断する(S213)。
【0102】
制御部28は、カラー印刷用の印刷データであるとS213において判断すると、コンピューター40から入力されたカラー印刷用の印刷データに基づいて、カラー印刷を実行して(S214)、
図14に示す動作を終了する。
【0103】
制御部28は、S212の処理が終了するか、モノクロ印刷用の印刷データであるとS213において判断すると、S212において生成したモノクロ印刷用の印刷データ、または、コンピューター40から入力されたモノクロ印刷用の印刷データに基づいて、モノクロ印刷を実行して(S215)、
図14に示す動作を終了する。
【0104】
なお、以上においては、カラー画像形成装置20による印刷に関する画像形成システム10の動作について説明している。しかしながら、モノクロ画像形成装置30による印刷に関する画像形成システム10の動作についても以下に説明する事項を除いて同様である。
【0105】
モノクロ画像形成装置30による印刷に関する画像形成システム10の動作は、カラー画像形成装置20による印刷に関する画像形成システム10の動作の説明において、カラー画像形成装置20、カラー機用ドライバー44b、カラー機用連動設定情報44d、カラー機用DEVMODE構造体44f、カラー機用連動設定受付部45aおよびカラー機用処理実行部45bとして示した事項を、それぞれ、モノクロ画像形成装置30、モノクロ機用ドライバー44c、モノクロ機用連動設定情報44e、モノクロ機用DEVMODE構造体44g、モノクロ機用連動設定受付部45cおよびモノクロ機用処理実行部45dに置き換えたものと同様である。
【0106】
また、モノクロ画像形成装置30による印刷に関する画像形成システム10の動作において、コンピューター40のモノクロ機用処理実行部45dは、
図13に示す動作と同様の動作ではなく、
図15に示す動作を実行する。
【0107】
図15は、アプリケーションプログラムによって生成された印刷データをモノクロ画像形成装置30に出力する場合のコンピューター40の動作のフローチャートである。
【0108】
図12に示す動作と同様の動作によって印刷データが生成されると、コンピューター40のモノクロ機用処理実行部45dは、
図15に示すように、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することがモノクロ機用連動設定情報44eにおいて設定されているか否かを判断する(S291)。
【0109】
モノクロ機用処理実行部45dは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することが設定されているとS291において判断すると、
図12に示す動作と同様の動作においてアプリケーションプログラムによって生成されたモノクロ印刷用の印刷データをモノクロ画像形成装置30に出力する(S292)。なお、モノクロ画像形成装置30は、モノクロ印刷のみが可能であるので、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することがモノクロ機用連動設定情報44eにおいて設定されている場合、
図12に示す動作と同様の動作においてアプリケーションプログラムによって生成された印刷データは、モノクロ印刷用の印刷データである。
【0110】
なお、S193の処理に関して上述したように、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことがモノクロ機用連動設定情報44eにおいて設定されている場合、モノクロ機用DEVMODE構造体44gのdmColorメンバーの値がDMCOLOR_COLORであるので、
図12に示す動作と同様の動作においてアプリケーションプログラムによって生成された印刷データは、カラー印刷用の印刷データである。
【0111】
モノクロ機用処理実行部45dは、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことが設定されているとS291において判断すると、
図12に示す動作と同様の動作においてアプリケーションプログラムによって生成された印刷データのカラー画像をモノクロ画像化することによって、モノクロ印刷用の印刷データを生成する(S293)。
【0112】
次いで、モノクロ機用処理実行部45dは、S293において生成したモノクロ印刷用の印刷データをモノクロ画像形成装置30に出力して(S294)、
図15に示す動作を終了する。
【0113】
以上に説明したように、コンピューター40は、アプリケーションプログラムにカラー画像の印刷データを生成させ(S107~S108、S123でNO、S171で「DMCOLOR_COLOR」およびS172)、このカラー画像をモノクロ画像化するためのモノクロ画像化用処理をプリンタードライバーによって実行する(S194またはS293)ので、カラー印刷用の印刷データにおける画像の画質よりモノクロ印刷用の印刷データにおける画像の画質が低下するように印刷データを生成するアプリケーションプログラムが使用されたとしても、モノクロ印刷の画質の低下を抑えることができる。
【0114】
コンピューター40は、アプリケーションプログラムによって生成された、カラー画像の印刷データを、モノクロ画像化してから(S293)、画像形成装置に出力する(S294)ので、カラー印刷用の印刷データにおける画像の画質よりモノクロ印刷用の印刷データにおける画像の画質が低下するように印刷データを生成するアプリケーションプログラムが使用された場合に、印刷データをモノクロ画像化する能力が無い画像形成装置に印刷を実行させるときであっても、モノクロ印刷の画質の低下を抑えることができる。
【0115】
コンピューター40は、アプリケーションプログラムによって生成された、カラー画像の印刷データを、画像形成装置にモノクロ画像化させるためのコマンドを付与してから(S194)、画像形成装置に出力する(S195)ので、印刷データにおけるカラー画像をコンピューター40自身でモノクロ画像化する必要がなく、コンピューター40自身の処理負担を抑えることができる。
【0116】
カラー画像形成装置20は、カラー画像をモノクロ画像化するモノクロ画像化部28aを備えており、モノクロ画像形成装置30は、カラー画像をモノクロ画像化するモノクロ画像化部を備えていない。したがって、コンピューター40は、カラー画像形成装置20に出力するための印刷データに対するモノクロ画像化処理として、カラー画像形成装置20にカラー画像をモノクロ画像化させるためのコマンドを印刷データに付与する処理を採用し、モノクロ画像形成装置30に出力するための印刷データに対するモノクロ画像化処理として、印刷データにおけるカラー画像をコンピューター40自身でモノクロ画像化する処理を採用している。
【0117】
カラー画像形成装置20以外のカラー画像形成装置は、カラー画像形成装置20と同様に、通常、モノクロ画像化部を備えていることが多い。モノクロ画像形成装置30以外のモノクロ画像形成装置は、モノクロ画像形成装置30と同様に、通常、モノクロ画像化部を備えていないことが多い。したがって、コンピューター40は、カラー画像形成装置に出力するための印刷データに対するモノクロ画像化処理として、カラー画像形成装置にカラー画像をモノクロ画像化させるためのコマンドを印刷データに付与する処理を採用し、モノクロ画像形成装置に出力するための印刷データに対するモノクロ画像化処理として、印刷データにおけるカラー画像をコンピューター40自身でモノクロ画像化する処理を採用しても良い。
【0118】
コンピューター40は、印刷データの出力先の画像形成装置がモノクロ画像化部を備えているか否かを、この画像形成装置に問い合わせるなどして都度把握するか、事前に認識しておき、この画像形成装置がモノクロ画像化部を備えている場合には、この画像形成装置に出力するための印刷データに対するモノクロ画像化処理として、この画像形成装置にカラー画像をモノクロ画像化させるためのコマンドを印刷データに付与する処理を採用し、この画像形成装置がモノクロ画像化部を備えていない場合には、この画像形成装置に出力するための印刷データに対するモノクロ画像化処理として、印刷データにおけるカラー画像をコンピューター40自身でモノクロ画像化する処理を採用しても良い。
【0119】
コンピューター40は、本実施の形態において、各種設定受付用画面50を介して連動設定を受け付ける。しかしながら、コンピューター40は、各種設定受付用画面50以外の方法で連動設定を受け付けても良い。例えば、コンピューター40は、プリンタードライバーのインストール時に表示される設定画面を介して、このプリンタードライバーの連動設定を受け付けても良い。
【0120】
コンピューター40は、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことがプリンタードライバーにおいて指定された場合に(S104でNO)、必ずカラー画像の印刷データを生成し(S107~S108、S123でNO、S171で「DMCOLOR_COLOR」およびS172)、プリンタードライバーにおける印刷設定画面でS150においてカラー設定としてモノクロ印刷が設定されたとき、印刷データにおけるカラー画像をモノクロ画像化するためのモノクロ画像化用処理を実行する(S194またはS293)ので、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれを実行するかの指定のために、プリンタードライバーにおける印刷設定画面を利用者に開かせる必要があるものの、モノクロ印刷の画質の低下を抑えることができる。したがって、コンピューター40は、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことがプリンタードライバーにおいて指定された場合に、利便性よりも画質を優先する利用者に与える満足感を向上することができる。
【0121】
コンピューター40は、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することがプリンタードライバーにおいて指定された場合に(S104でYES)、アプリケーションプログラムにおける印刷設定画面でS125またはS126において受け付けたカラー設定に応じた印刷データを生成する(S171~S173)ことが可能である。すなわち、コンピューター40は、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動しないことがプリンタードライバーにおいて指定された場合と比較して、モノクロ印刷を実行するときの画質が低下する可能性があるものの、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれを実行するかの指定のために、プリンタードライバーにおける印刷設定画面を利用者に開かせる必要がなく、カラー印刷およびモノクロ印刷のいずれを実行するか否かを、アプリケーションプログラムにおける印刷設定画面のみで利用者に指定させることが可能である。したがって、コンピューター40は、カラー設定をアプリケーションプログラムと連動することがプリンタードライバーにおいて指定された場合に、画質よりも利便性を優先する利用者に与える満足感を向上することができる。
【0122】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPである。しかしながら、本発明の画像形成装置は、例えばプリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置でも良い。
【符号の説明】
【0123】
20 カラー画像形成装置(画像形成装置)
30 モノクロ画像形成装置(画像形成装置)
40 コンピューター
44a アプリケーションプログラム
44b カラー機用ドライバー(プリンタードライバー)
44c モノクロ機用ドライバー(プリンタードライバー)
44d カラー機用連動設定情報
44e モノクロ機用連動設定情報
45a カラー機用連動設定受付部(連動設定受付部)
45b カラー機用処理実行部(処理実行部)
45c モノクロ機用連動設定受付部(連動設定受付部)
45d モノクロ機用処理実行部(処理実行部)