(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】箱計数装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
B65G1/137 C
(21)【出願番号】P 2021214109
(22)【出願日】2021-12-28
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】595028454
【氏名又は名称】三菱倉庫株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】511299816
【氏名又は名称】株式会社イェンドレッド
(73)【特許権者】
【識別番号】522001068
【氏名又は名称】アイメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141955
【氏名又は名称】岡田 宏之
(72)【発明者】
【氏名】遠嶋 一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹花 剛
(72)【発明者】
【氏名】小寺 章人
(72)【発明者】
【氏名】木村 説男
(72)【発明者】
【氏名】岡田 幸紀
(72)【発明者】
【氏名】羽根田 明彦
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-185660(JP,A)
【文献】特開2004-240874(JP,A)
【文献】特開2010-247959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱の数を計数する装置であって、
全体画像データを取得するカメラ、及び、前記全体画像データの撮影対象までの距離を示す距離データを取得する距離センサを有するセンサ部と、
センサ部で得られた情報に基づいて、物品の数を計数する処理部と
を備え、
前記処理部は、
前記全体画像データに対して、学習済みデータを利用して、箱に貼付されているラベルを抽出するラベル抽出手段と、
前記全体画像データのうち、前記距離データが示す距離が一定の範囲内の画素を、箱の領域とし、前記距離データが示す距離が一定の範囲内にない画素を、箱以外の領域として、箱の領域と、箱以外の領域との境界を、箱の外形として抽出する箱抽出手段と、
前記ラベル抽出手段で抽出された1つのラベルが、前記箱抽出手段で抽出された1つの箱の外形に含まれる場合に、ラベルと箱の外形を、ラベル付き箱に統合する統合手段と、
前記ラベル付き箱の数を計数する計数手段と
を備える箱計数装置。
【請求項2】
前記統合手段は、
前記ラベル抽出手段で抽出されたn(nは2以上の整数)のラベルが、前記箱抽出手段で抽出された1つの箱の外形に含まれる場合に、ラベルと箱の外形を、nのラベル付き箱に統合する
請求項1に記載の箱計数装置。
【請求項3】
前記統合手段は、
前記ラベル抽出手段で抽出された1のラベルが、前記箱抽出手段で抽出された箱の外形に含まれない場合に、ラベルを、1つのラベル付き箱に統合する
請求項1又は2に記載の箱計数装置。
【請求項4】
さらに、鉛直方向の軸を中心に回転可能な回転支持台を備え、
前記箱は、パレット上に積載され、
前記パレットは、前記回転支持台上に載置される
請求項1~3のいずれか一項に記載の箱計数装置。
【請求項5】
さらに、複数のラベル用カメラを備え、
前記複数のラベル用カメラは、前記ラベル抽出手段が抽出したラベルを撮影して、ラベル画像を取得し、
前記処理部は、さらに、前記ラベル画像から、前記ラベルが示す情報を取得する
請求項1~4のいずれか一項に記載の計数装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に、物流の現場で箱の数を計数するのに用いることができる、箱計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物流の現場では、商品が収納された箱に対して、箱の数、箱に収納されている商品の情報、箱の移送先などの管理が行われる。この管理は、例えば、箱に、必要な情報を示すラベルやバーコードを貼り付けるなどして行うのが一般的である。
【0003】
この管理の作業は、作業員がバーコードリーダで、バーコードをスキャンしたり、箱の数を目視で数えたりして行われるのが一般的である。自動的に物品数をカウントする棚卸システムの提案などもなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている棚卸システムは、物流倉庫の棚卸しの用途に最適化されている。したがって、輸送中や、物流倉庫への搬入や搬出の際の、箱の計数に最適化されているとはいえない。
【0006】
この発明は、上述の状況に鑑みてなされたものである。この発明の目的は、より迅速かつ正確に箱を計数する箱計数装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、この発明の、箱の数を計数する装置である箱計数装置は、全体画像データを取得するカメラ、及び、前記全体画像データの撮影対象までの距離を示す距離データを取得する距離センサを有するセンサ部と、センサ部で得られた情報に基づいて、物品の数を計数する処理部とを備えて構成される。前記処理部は、前記全体画像データに対して、学習済みデータを利用して、箱に貼付されているラベルを抽出するラベル抽出手段と、前記全体画像データのうち、前記距離データが示す距離が一定の範囲内の画素を、箱の領域とし、前記距離データが示す距離が一定の範囲内にない画素を、箱以外の領域として、箱の領域と、箱以外の領域との境界を、箱の外形として抽出する箱抽出手段と、前記ラベル抽出手段で抽出された1つのラベルが、前記箱抽出手段で抽出された1つの箱の外形に含まれる場合に、ラベルと箱の外形を、ラベル付き箱に統合する統合手段と、前記ラベル付き箱の数を計数する計数手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明の箱計数装置では、箱の外形を抽出するにあたり、距離データが示す距離が一定の範囲内の画素を、箱の領域とし、距離データが示す距離が一定の範囲内にない画素を、箱以外の領域として、箱の領域と、箱以外の領域との境界を、箱の外形として抽出するので、箱の外形をより迅速かつ正確に抽出することができ、この結果、より迅速かつ正確に箱を計数することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】箱計数装置の一例を説明するための模式図である。
【
図2】箱計数装置が備える処理部の動作の一例を説明するための処理フロー図である。
【
図3】箱計数装置が備える処理部の動作の一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各図は、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。以下の説明では、鉛直方向をZ軸、水平面内に互いに直交する方向をX軸及びY軸とする。
【0011】
図1~
図3を参照して、この発明の一実施形態に係る箱計数装置を説明する。
図1は、箱計数装置の一例を説明するための模式図である。また、
図2は、箱計数装置が備える処理部の動作の一例を説明するための処理フロー図である。
図3(A)及び(B)は、箱計数装置が備える処理部の動作の一例を説明するための模式図であり、全体画像データの例を示している。
【0012】
この発明の一実施形態に係る箱計数装置100は、箱の数を計数する装置であって、センサ部10と処理部20とを備えて構成される。係数対象となる箱210は、パレット200上に積載されて搬送され、箱計数装置100で計数される。
【0013】
ここでは、好適な実施形態として、計数位置に、鉛直方向の軸(Z軸)を中心に回転可能な回転支持台(図示を省略する。)が備えられ、パレット200が、回転支持台上に載置される例を説明するが、これに限定されない。
【0014】
センサ部10は、カメラ12及び距離センサ14を有する。
【0015】
カメラ12は、全体画像データを取得する。全体画像データは、計数位置に載置されたパレット200と、パレット200上に積載された箱210のうち、カメラ12に対向する面に現れるすべての箱を含むように倍率、解像度などが設定される。カメラ12は、この全体画像データを取得できればよく、従来公知の任意好適なカメラで構成できる。箱210は、直方体の箱の1つの面がYZ平面内にあるように載置され、カメラ12は、撮影対象となる箱の全体画像データを取得する。なお、ここでは、発明の理解を容易にするために、箱の形状を直方体上として説明するが、箱は、任意好適な形状のものであってもよい。
【0016】
距離センサ14は、例えば、カメラ12と同じX座標の、YZ平面内に設けられる。距離センサ14は、カメラ12の撮影範囲全体について距離を測定し、全体画像データの各画素に対応する撮影対象までの距離を示す距離データを取得する。距離センサ14は、任意好適な従来公知の測距計や距離計で構成できる。なお、距離センサ14が、1つの(x、y、z)座標から撮影対象までの距離を測定する場合は、距離データとしてX軸上の距離に換算される。なお、この換算については、処理部20で行うこともできる。
【0017】
直方体の箱210の1つの面がYZ平面内にあるように載置されている場合は、箱の部分の距離は、各画素で一定値となる。一方、複数の箱が置かれている場合、箱と箱の隙間部分や、X軸上の異なる位置に置かれている箱については、箱の部分の距離が、一定値とは異なる値となる。
【0018】
センサ部10で取得された、全体画像データ及び距離データは処理部20に送られる。
【0019】
処理部20は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)30、RAMなどのいわゆるメモリ22、ハードディスク等の記憶装置24、入出力手段26を備えて構成される。処理部20は、例えば、ディスプレイなどの出力装置、キーボードなどの入力装置を備えるパーソナルコンピュータで構成される。
【0020】
処理部20では、記憶装置24に格納されている所定のプログラムを、CPU30が実行することにより、後述する各機能手段が実現される。なお、処理部30は、1つのパーソナルコンピュータで構成されてもよいし、複数のパーソナルコンピュータで構成されてもよい。また、複数のパーソナルコンピュータで構成される場合は、互いにインターネットを介して接続されていてもよい。
【0021】
また、処理部20は、センサ部10に指示を送り、また、センサ部10が取得したデータを受け取ることができればよく、センサ部10と一体に構成されていてもよいし、センサ部10とは離れた場所に設けられていてもよい。
【0022】
処理部20は、センサ部10で得られたデータ(情報)に基づいて、物品の数を計数する。処理部20は、機能手段として、ラベル抽出手段32と、箱抽出手段34と、統合手段36と、計数手段38とを備えて構成される。
【0023】
図2及び
図3を参照して、処理部20での処理を説明する。先ず、処理部20は、センサ部10から送られた全体画像データ(
図3(A)参照)及び距離データを受け取る(S10)。
【0024】
ラベル抽出手段32は、全体画像データ(
図3(A)参照。)から、箱210に貼付されているラベル220を抽出する(S20)。このラベル220の抽出は、例えば、記憶装置24に格納されている学習済みデータを利用した、いわゆる人工知能(AI:Artificial Intelligence)による画像認識技術を用いて行われる。このAIによる画像認識技術は、当業者であれば実現可能であるので、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0025】
ここで、ラベル抽出手段32は、画像認識技術を用いて抽出したラベルのうち、2つのラベルの間隔が0である場合、この2つのラベルをまとめて、新たに1つのラベルにすることができる。
図3(A)に示す例では、宛先などが記載された、第1~4の宛先ラベル220-1、2、3a、4と、バーコードが記載されたバーコードラベル220-3bの合わせて5つのラベルが抽出されている。第3の宛先ラベル220-3aとバーコードラベル220-3bの間隔が0であるので、この2つのラベルをまとめて、第3のラベル220-3とする。第1、2、4の宛先ラベルは、そのまま、第1、2、4のラベル220-1、2、4となる。
【0026】
箱抽出手段34は、全体画像データ及び距離データから、箱の外形を抽出する(S30)。箱抽出手段34は、全体画像データのうち、距離データが示す距離が一定の範囲内にない画素を、箱以外の領域として、当該画素を例えば、黒にする(
図3(B)参照)。一方、箱抽出手段34は、全体画像データのうち、距離データが示す距離が一定の範囲内にある画素を、箱の領域とする。箱の領域に該当する画素については、箱以外の領域の画素と区別できればよく、任意好適な色に着色してもよいし、センサ部10から送られた全体画像データの当該画素の色をそのまま用いてもよい。箱の領域と、箱以外の領域との判別に用いられる距離については、例えば、計数位置に載置されるパレット200の距離センサ14側の面を基準として、±10cmのように設定できる。箱抽出手段34は、箱の領域と、箱以外の領域との境界を、箱の外形として抽出する。
【0027】
図3(B)に示す例では、箱の外形として、第1~3の箱211-1~3が抽出される。
【0028】
統合手段36は、ラベルと箱の外形を、1つのラベル付き箱に統合する(S40)。
【0029】
S40では、先ず、ラベル抽出手段32で抽出された1つのラベル220が、箱抽出手段34で抽出された1つの箱の外形211に含まれるか否かを判定する(S41)。S41の判定の結果、ラベル抽出手段32で抽出された1つのラベル220が、箱抽出手段34で抽出された1つの箱の外形211に含まれる場合(Yes)に、ラベルと箱の外形を、1つのラベル付き箱に統合する(S45)。
【0030】
図3(B)に示す例では、例えば、第2の箱の外形211-2と、第2のラベル220-2が1つのラベル付き箱として、第2のラベル付き箱230-2に統合される。
【0031】
ここで、n(nは2以上の整数)のラベルが、1つの箱の外形に含まれる場合に、統合手段36が、ラベルと箱の外形を、nのラベル付き箱に統合するのが良い。例えば、S41の判定の結果、1つのラベル220が、1つの箱の外形211に含まれない場合(No)、1つの箱の外形211に複数のラベルが含まれているか否かを判定する(S42)。S42の判定の結果、複数のラベル220が、1つの箱の外形211に含まれる場合(Yes)に、1つの箱とその箱の外形に含まれる複数のラベルを、1つの箱と1つのラベルの、複数のラベル付き箱に統合する(S46)。
【0032】
図3(B)に示す例では、例えば、第3の箱の外形211-3に、第3のラベル220-3及び第4のラベル220-4の2つのラベルが含まれているので、第3のラベル220-3が含まれる領域を第3のラベル付き箱230-1に、そして、第4のラベル220-4が含まれる領域を第4のラベル付き箱230-2に統合する。
【0033】
また、1のラベルが、箱の外形に含まれない場合に、統合手段36が、ラベルを、1つのラベル付き箱に統合するのが良い。例えば、S42の判定の結果、複数のラベル220が、1つの箱の外形211に含まれない場合(No)、箱の外形211に含まれないラベルがあるか否かを判定する(S43)。S43の判定の結果、箱の外形に含まれないラベルがある場合(Yes)、1つのラベルを、1つのラベル付き箱に統合する(S47)。
【0034】
図3(B)に示す例では、例えば、第1のラベル220-1が箱の外形にふくまれないので、1つのラベル付き箱として、第1のラベル付き箱230-1に統合される。
【0035】
なお、箱の外形にラベルが含まれない第1の箱211-1については、ラベル付き箱には統合されない。
【0036】
このラベルと箱の外形を、1つのラベル付き箱に統合する(S40)過程は、全体画像データに含まれる全てのラベルについて行われる。
【0037】
S40の過程において、全てのラベルがラベル付き箱に統合された後、計数手段38は、統合手段36で統合された、ラベル付き箱の数を計数する(S50)。
【0038】
上述した箱計数装置100を用いると、箱の外形を抽出するにあたり、距離データが示す距離が一定の範囲内の画素を、箱の領域とし、距離データが示す距離が一定の範囲内にない画素を、箱以外の領域として、箱の領域と、箱以外の領域との境界を、箱の外形として抽出するので、箱の外形をより迅速かつ正確に抽出することができる。また、箱の外形
にラベルが含まれるもののみを計数するので、より迅速かつ正確に箱を計数できる。
【0039】
ここでは、カメラ12に対向する面についての処理を説明したが、パレット200上に載置された箱を全て計数するためには、パレット200を90度ずつ回転させて、4つの面について処理するのが良い。4つの面について処理することで、パレット200上に載置された箱210を全て計数することができる。
【0040】
なお、箱210は、パレット200上に、ラベル220が貼られた面が、パレット200の縁から鉛直方向に延在する仮想的な平面上に位置するように配置しておくものとする。これは、物流の現場において、箱に貼られたラベルが視認しやすい位置に配置することに対応するが、この発明の箱計数装置の適用の際だけでなく、一般にこのように配置される。
【0041】
また、パレット200の角に対応する位置に配置された箱は、2つの面の全体画像データに含まれる。しかし、ラベルが貼られる面は通常1つの面であるので、ラベルが貼られている面を含む、全体画像データに含まれるもののみが計数対象となる。したがって、同じ箱を重複して計数することはない。
【0042】
また、この発明の箱計数装置では、AIを用いるなどして、比較的、確実に抽出されるラベルの抽出が行われ、箱の色や模様、載置される際の箱の重なり具合、計数される環境における光の影響などにより抽出が不安定である、箱の外形の抽出を補っている。このため、箱の外形のみを抽出する場合に比べて、より正確な、安定した計数が可能になる。
【0043】
計数手段38が計数した、ラベル付き箱の数は、処理部20が備える、ディスプレイなどの入出力手段26から出力される。
【0044】
ここで説明する例では、パレット200が、回転支持台上に載置され、回転支持台を回転させることで、センサ部10の位置を固定したまま、4つの面についての計数を行うことができる。なお、この発明はこの構成に限定されない。回転支持台を設けずに、パレットを任意好適な手段で回転させてもよい。
【0045】
箱計数装置100の処理部20は、さらに、パレット抽出手段40を備えて構成されてもよい。パレット抽出手段40は、全体画像データから、パレットを抽出する。このパレットの抽出は、ラベル抽出手段32と同様に、記憶装置に格納されている学習済みデータを利用した、いわゆる人工知能(AI)による画像認識技術を用いうことができる。
【0046】
このパレット抽出手段40を備えることで、箱が搭載されたパレットを2層以上に積層した場合に、全体画像データからパレットに対応する領域を容易に除去できるので好ましい。
【0047】
この箱計数装置100が備えるカメラ12で得られる全体画像データでは、ラベルから箱の情報を取得するのが困難な場合がある。したがって、箱計数装置100は、センサ部10が、さらに、複数のラベル用カメラ16-1~16-m(mは2以上の整数)を備え、処理部20が、ラベル情報取得手段42を備えるのが良い。
【0048】
ラベル用カメラ16-1~16-mは、全体画像データから抽出されたラベル部分のラベル画像データを取得する。例えば、ラベルが、いわゆるバーコードとして知られる一次元バーコードや、QRコード(登録商標)として知られる二次元バーコードである場合、ラベル情報取得手段42が、バーコードリーダとしての機能を備えているのが良い。箱計数装置100が、ラベル用カメラ16-1~16-mを備えることで、単なるラベル付き
の箱の計数だけでなく、箱に収容されている物品の内容、送付先などの情報を含めた計数を行うことができる。
【0049】
また、カメラ12とは別にラベル用カメラ16―1~16-mを設けることで、カメラの倍率を変更することなく、全体画像データ及びラベル画像データを取得できるので、迅速な計数が可能になる。
【0050】
さらに、ラベル用カメラを複数設けることで、1つのラベル用カメラで取得するラベル画像データの数を減らすことができるので、やはり、迅速な計数につながる。このラベル用カメラについても、全体画像データを取得するのに用いられるカメラと同様、任意好適な従来公知のカメラを用いることができる。
【符号の説明】
【0051】
10 センサ部
12 カメラ
14 距離センサ
16 ラベル用カメラ
20 処理部
22 RAM(メモリ)
24 記憶装置
26 入出力手段
30 CPU
32 ラベル抽出手段
34 箱抽出手段
36 統合手段
38 計数手段
40 パレット抽出手段
42 ラベル情報取得手段
100 箱計数装置
200 パレット
210 箱
220 ラベル
【要約】
【課題】より迅速かつ正確に箱を計数する。
【解決手段】全体画像データを取得するカメラ、及び、全体画像データの撮影対象までの距離を示す距離データを取得する距離センサを有するセンサ部と、センサ部で得られた情報に基づいて、物品の数を計数する処理部とを備えて構成される。処理部は、全体画像データに対して、学習済みデータを利用して、箱に貼付されているラベルを抽出するラベル抽出手段と、全体画像データのうち、距離データが示す距離が一定の範囲内の画素を、箱の領域とし、距離データが示す距離が一定の範囲内にない画素を、箱以外の領域として、箱の領域と、箱以外の領域との境界を、箱の外形として抽出する箱抽出手段と、ラベル抽出手段で抽出された1つのラベルが、箱抽出手段で抽出された1つの箱の外形に含まれる場合に、ラベルと箱の外形を、ラベル付き箱に統合する統合手段と、ラベル付き箱の数を計数する計数手段とを備える。
【選択図】
図1