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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
A63F7/02 332B
A63F7/02 321A
A63F7/02 322
A63F7/02 326Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020011315
(22)【出願日】2020-01-28
(65)【公開番号】P2021115282
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】山室 雅義
【審査官】福田 知喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-104177(JP,A)
【文献】特開平09-051981(JP,A)
【文献】特開平07-051460(JP,A)
【文献】特開2002-102519(JP,A)
【文献】特開2017-189223(JP,A)
【文献】特開2017-158641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な複数の入賞口と、
前記遊技領域を流下する遊技球が前記入賞口に入賞しないで進入可能なアウト口と、
始動条件の成立に基づいて当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定手段により大当たりと判定された場合に、大当たり遊技を実行する第1遊技実行手段と、
前記大当たり遊技以外の遊技を、通常の状態より遊技者に有利な複数の有利状態のうちのいずれかの状態で実行する第2遊技実行手段と、
前記複数の有利状態のうちの所定の1の状態である特定状態に前記アウト口に進入した遊技球の数と前記複数の入賞口のうちの1以上の入賞口の各々に進入した遊技球の数とを、所定のタイミングで出力する出力手段と、
を備える遊技機であって、
前記出力手段は、前記遊技機と異なるデバイスへの送信と、前記遊技機の演出表示装置への表示との少なくとも一方を実行することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記出力手段は、
前記特定状態に前記アウト口に進入した遊技球の数と前記複数の入賞口のうちの1以上の入賞口の各々に進入した遊技球の数とを、所定の操作を受け付けたタイミングで出力することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定状態が、遊技者が前記遊技領域に発射した遊技球の数に対して遊技者が獲得した総賞球数の比率であるベース値が100を超える状態であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記複数の有利状態が、前記大当たりになる確率が通常の第1確率となる低確時短有状態と、前記大当たりになる確率が前記第1確率よりも高い第2確率となる高確時短有状態と、前記第2確率となる高確時短無状態とを含み、
前記特定状態が、前記高確時短無状態であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記特定状態が、前記複数の有利状態のうちの前記特定状態以外の状態よりも特別入賞口に入賞し易い状態であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機の一つであるパチンコ遊技機では、大当たり遊技以外の遊技を、通常の状態と、その通常の状態より遊技者に有利な複数の有利状態のうちのいずれかの状態で実行することが可能とされている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-83977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数の有利状態のうちの所定の1の状態である特定状態での作動状態を監視することができる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技球が流下可能な遊技領域と、前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な複数の入賞口と、前記遊技領域を流下する遊技球が前記入賞口に入賞しないで進入可能なアウト口と、始動条件の成立に基づいて当否判定を行う当否判定手段と、前記当否判定手段により大当たりと判定された場合に、大当たり遊技を実行する第1遊技実行手段と、前記大当たり遊技以外の遊技を、通常の状態より遊技者に有利な複数の有利状態のうちのいずれかの状態で実行する第2遊技実行手段と、
前記複数の有利状態のうちの所定の1の状態である特定状態に前記アウト口に進入した遊技球の数と前記複数の入賞口のうちの1以上の入賞口の各々に進入した遊技球の数とを、所定のタイミングで出力する出力手段と、を備える遊技機であって、前記出力手段は、前記遊技機と異なるデバイスへの送信と、前記遊技機の演出表示装置への表示との少なくとも一方を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、複数の有利状態のうちの所定の1の状態である特定状態にアウト口に進入した遊技球の数と入賞口に進入した遊技球の数とが、所定の操作により出力される。これにより、特定状態においてアウト口に進入した遊技球の数と入賞口に進入した遊技球の数とを確認することが可能となり、特定状態での遊技機の作動状態を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
図2図1に示すパチンコ遊技機に設けられた表示器類を拡大して示す説明図である。
図3図1に示すパチンコ遊技機の背面図である。
図4図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図5図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図6】大当たり判定テーブルの説明図である。
図7】リーチ判定テーブルの説明図である。
図8】当たり種別判定テーブルの説明図である。
図9】特図変動パターン選択テーブルの説明図である。
図10】第1特図保留記憶部の記憶内容を示す説明図である。
図11】第2特図保留記憶部の記憶内容を示す説明図である。
図12】第1特図保留演出記憶部の説明図である。
図13】第2特図保留演出記憶部の説明図である。
図14】遊技制御用マイコンが実行するメイン側主制御処理のフローチャートである。
図15】遊技制御用マイコンが図14に示すメイン側主制御処理において実行するメイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
図16】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する始動口センサ検出処理のフローチャートである。
図17】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別図柄待機処理のフローチャートである。
図18】遊技制御用マイコンが図17に示す特別図柄待機処理において実行する第2特図大当たり判定処理のフローチャートである。
図19】遊技制御用マイコンが図17に示す特別図柄待機処理において実行する第2特図変動パターン選択処理のフローチャートである。
図20図19のフローチャートの続きのフローチャートである。
図21】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別図柄変動処理のフローチャートである。
図22】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別電動役物処理(大当たり遊技)のフローチャートである。
図23】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別電動役物処理(小当たり遊技)のフローチャートである。
図24】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行するアウト数・入賞数カウント処理のフローチャートである。
図25】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行するアウト数・入賞数表示処理のフローチャートである。
図26】演出制御用マイコンが実行するサブ側主制御処理のフローチャートである。
図27】演出制御用マイコンが図26に示すサブ側主制御処理において実行する1msタイマ割込処理のフローチャートである。
図28】演出制御用マイコンが図26に示すサブ側主制御処理において実行する10msタイマ割込処理のフローチャートである。
図29】演出制御用マイコンが図28に示す10msタイマ割込処理において実行する受信コマンド解析処理のフローチャートである。
図30】演出制御用マイコンが図29に示す受信コマンド解析処理において実行する変動演出開始処理のフローチャートである。
図31】確認画面220を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の実施形態に係る遊技機としてパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向および上下方向は、遊技者から見た左右方向および上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0009】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出ボタン9と、演出レバー6と、スピーカ8と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bとを備えている。
【0010】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図4)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(図4)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図4)および賞球払出装置400(図4)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0011】
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手または左手で押圧操作可能な位置に設けられている。本実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(図5)と、演出ボタン振動モータ9b(図5)とが内蔵されている。演出ボタンランプ9cは、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときに点灯または点滅する。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネなどの弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、上記弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0012】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。つまり、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられており、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押圧操作可能な位置に設けられている。
演出レバー6は、左手で掴むことができる棒状に形成されており、右回転または左回転の回転操作の他、後方への押し込み操作が可能である。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6d(図5)が設けられている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0013】
前面枠18のうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音および報知音などの音を演出内容に応じて出力する。なお、スピーカ8が、本発明の出力手段の一例である。
【0014】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。遊技盤2は、遊技盤2の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。演出表示装置7は、遊技盤2の後側に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。遊技盤2は、固定入賞装置10と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置33と、ゲート12と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、センター装飾体14と、レール部材17とを備える。
【0015】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3bとを有する。なお、遊技領域3は、本発明の遊技領域の一例である。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。また、図1には示さないが、遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられている。それら各LEDを総称して盤ランプ(図5において符号2aで示す)という。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技制御中に演出内容に応じて左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aを点灯または点滅させ、各スピーカ8から音を出力する。
【0016】
固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3bに配置されており、右遊技領域3bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。
尚、図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右側に配置されているが、遊技領域3の下側に配置しても良い。
【0017】
第1大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置33は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備えており、第2大入賞装置33は、第2大入賞口35を開閉する第2開閉部材34を備える。第1大入賞口32および第2大入賞口35は、それぞれ同時に複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。本実施形態では、第1開閉部材31および第2開閉部材34は、それぞれ左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。以下、第1大入賞口32および第2大入賞口35に共通の事項を説明する場合は、単に大入賞口という。なお、第1大入賞口32および第2大入賞口35は、本発明の入賞口及び特別入賞口の一例である。
第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口35に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(V入賞領域ともいう、図示せず)および非特定領域(図示せず)が形成されている。また、第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口35に入賞した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材(図示せず)と、この振分部材を駆動する振分部材ソレノイド35d(図4)とが設けられている。
【0018】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0019】
本実施形態では、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52は、それぞれ4個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)がそれぞれ特別図柄を表しており、LEDの点灯箇所が所定方向(たとえば、左から右)へ流れる状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、本実施形態では、普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)が普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開閉し、第2始動口22が開閉する。
【0020】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0021】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たりか小当たりが、あるいは、ハズレかを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第2大入賞装置33が作動して第2開閉部材34が開閉し、第2大入賞口35が開閉する。また、確定表示された第2特別図柄が、小当たりを示す特別図柄であった場合は、小当たりが発生し、第2大入賞口35が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数および第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
【0022】
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。また、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、大当たりが発生したときに最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。また、小当たりが発生したときに第2大入賞口35が開口してから閉口するまでの遊技を小当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、開閉する大入賞口(第1大入賞口32および第2大入賞口35の一方または両方)、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。
【0023】
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常の確率(以下、通常確率という)と、通常確率よりも高い確率(以下、高確率という)とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。尚、以下に説明する本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中に第2大入賞口35に入賞した遊技球が、前述した特定領域を通過(V入賞)すると、大当たり遊技が終了した後の遊技状態が高確率状態に移行する。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆるV確機と呼ばれる機種である。
【0024】
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図4)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。センター装飾体14は、遊技盤2のうち上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、可動体15を備える。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。なお、なお、一般入賞口13は、本発明の入賞口の一例であり、アウト口19は、本発明のアウト口の一例である。
【0025】
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像および静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、1~9の算用数字を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタなど、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域および右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0026】
本実施形態では、各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式などを用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。たとえば、背景画像は、テレビドラマや映画などの動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像などである。本実施形態では、演出表示装置7は、液晶表示装置である。ちなみに、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。
演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0027】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄を大当たり演出図柄といい、大当たり判定の結果が小当たりであったことを表す演出図柄を小当たり演出図柄といい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄をハズレ演出図柄という。本実施形態では、大当たり演出図柄または小当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。たとえば、確定表示された左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9Rがそれぞれ同じ奇数の演出図柄で揃った状態が大当たり演出図柄である。図1に示す例では、各演出図柄が「7」で揃った大当たり演出図柄「7・7・7」が確定表示されている。また、たとえば、小当たり演出図柄は、各演出図柄がそれぞれ偶数の演出図柄で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。たとえば、確定表示された左演出図柄9Lが「7」、中演出図柄9Cが「6」、右演出図柄9Rが「7」の状態である。
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄を変動演出パターンといい、その変動演出パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像または動画像である。
【0028】
演出図柄変動パターンは、特図変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。尚、第1特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数、及び第2特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、保留画像によって演出表示装置7に表示される。従って、遊技者は、演出表示装置7に表示される保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数や第2特図保留数を知ることができるとともに、第1特図保留数や第2特図保留数に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。尚、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知しても良い。
【0029】
また、パチンコ遊技機1では、上記演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯、役物の動作等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
【0030】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について図3ないし図5を参照しつつ説明する。
上記遊技機1の裏側には、図3に示すように、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板60、サブ制御基板100、画像制御基板200、音声制御基板78、ランプ制御基板79、払出制御基板73、電源基板70、発射制御回路75等がある。主制御基板60の正面視左側には、テンキー260が設けられている。テンキー260は、数値入力用の操作ボタンであり、テンキー260への操作により、パスワードなどが入力される。なお、テンキー260へのパスワードの入力操作が、本発明の所定の操作の一例である。
【0031】
また、図1に示すように、前面枠18のハンドル4の上側には、前面枠18及びガラス板5を施錠する施錠装置(不図示)を操作するための鍵挿入部262が設けられている。この鍵挿入部262に所定のキー263を挿入して所定方向、例えば、右方向に回せば、施錠装置のロック状態が解除されて、ガラス板5のみが開く。一方、鍵挿入部262にキー263を挿入して所定方向に対して反対側方向、例えば、左方向に回せば、施錠装置のロック状態が解除されて、前面枠18及びガラス板5が一体的に開く。
このように、前面枠18及びガラス板5が一体的に開くことで、前面枠18の背面側に配置された主制御基板60、サブ制御基板100、画像制御基板200、音声制御基板78、払出制御基板73、電源基板70、発射制御回路75等の修理交換が可能となる。また、主制御基板60に設けられたテンキー260を操作することが可能となる。尚、鍵挿入部262に挿入されるキー263は、遊技機1を管理する遊技機管理者によって保管管理され、遊技機管理者によって前面枠18及びガラス板5が一体的に開かれる。このため、遊技者が、前面枠18及びガラス板5を一体的に開いて、テンキー260を操作することは困難とされている。
【0032】
また、主制御基板60には、図4に示すように、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、賞球数の制御、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルTa1(図6)、リーチ判定テーブルTa2(図7)、当たり種別判定テーブルTa3,Ta4(図8)、特図変動パターン選択テーブルTa5(図9)などの各種のテーブルが記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
【0033】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。図10に示すように、第1特図保留記憶部64aは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51(図2)が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0034】
一方、図11に示すように、第2特図保留記憶部64bは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52(図2)が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0035】
大当たり乱数などは作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数などが第1ないし第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数などは、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。たとえば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数などは第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などに基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
【0036】
普図保留記憶部64c(図4)は、遊技球がゲート12(図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。本実施形態では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0037】
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64およびサブ制御基板100のRAM120(図5)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50及び、テンキー260が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ35aと、特定領域センサ35bと、非特定領域センサ35cと、一般入賞口センサ13aと、アウト口センサ19aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド33aと、振分部材ソレノイド35dとが電気的に接続されている。
【0038】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口35に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ35bは、第2大入賞口35(図1)の内部の特定領域内に設けられており、遊技球が特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ35cは、第2大入賞口35(図1)の内部の非特定領域に設けられており、遊技球が非特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。アウト口センサ19aは、アウト口19の直下に設けられており、遊技球がアウト口19を通過して、遊技盤2から排出されたことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0039】
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21(図1)を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31(図1)を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド33aは、第2大入賞装置33の第2開閉部材34(図1)を開閉駆動する。振分部材ソレノイド35dは、第2大入賞装置33の内部に設けられた振分部材を駆動する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
【0040】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0041】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60および払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサおよびソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0042】
主制御基板60は、サブ制御基板100(図5)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0043】
図5に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、演出選択テーブル(図示省略)などの各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
【0044】
図12に示すように、第1特図保留演出記憶部121は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、図13に示すように、第2特図保留演出記憶部122は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドを記憶する。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
【0045】
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、画像制御用CPU202と、VDP201(Video Display Processor)と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、レバー演出画像および予告画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0046】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体15を駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0047】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用マイコン(図示せず)と、音声データ記憶手段(図示せず)と、音源IC(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声制御用マイコンには、音声制御を行うためのコンピュータプログラムなどが記憶されたROM、ワークメモリなどとして使用されるRAM、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行するCPUが含まれている。音声データ記憶手段には、各スピーカ8が楽曲や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。
音声制御用マイコンは、入出力回路103を介してサブ制御基板100とデータ(各種のコマンドなど)の送受信を行う。音声制御用マイコンは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声選択信号を音源ICに出力する。音源ICは、入力した音声選択信号に対応する音声データを音声データ記憶手段から読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を再生(出力)する。
【0048】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー押込検出スイッチ6gと、演出レバー回転検出スイッチ6hと、演出ボタン振動モータ9bと、演出レバー振動モータ6dとが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6gは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6gから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6hは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6hから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
【0049】
演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6dの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6dを駆動制御する。
【0050】
[大当たりなどの説明]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「小当たり」と「ハズレ」とがある。「大当たり」のときには、第1特別図柄表示器51に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、第2特別図柄表示器52に「特図2小当たり図柄a」が停止表示される。なお、本実施形態では、第1特別図柄表示器51に「小当たり図柄」が停止表示されることはない。「ハズレ」のときには、第1特別図柄表示器51に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、第1大入賞口32(図1)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、予め定められた開放パターンにて、第2大入賞口35(図1)を開放させる「小当たり遊技」が実行される。
【0051】
本実施形態では、大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始またはEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間において大入賞口が閉鎖している時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0052】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図8(A),(B)に示す通りである。図8に示すように、本実施形態では大きく分けて、大当たりの種別には、特定大当たりおよび通常大当たりの2種類がある。特定大当たりを「Vロング大当たり」ともいい、通常大当たりを「Vショート大当たり」ともいう。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に、第2大入賞口35(図1)に入賞した遊技球が、その内部の特定領域に容易に通過可能となる第1開放パターン(Vロング開放パターン)にて第2開閉部材34(図1)を開閉動作させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に、第2大入賞口35(図1)に入賞した遊技球が、その内部の特定領域に通過困難または通過不可能となる第2開放パターン(Vショート開放パターン)にて第2開閉部材34を開閉動作させる大当たりである。
【0053】
より具体的には、「Vロング大当たり」または「Vショート大当たり」は、何れも1Rから15Rまで第1大入賞口32を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は15Rである。なお、特図1の抽選によって「Vショート大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器51に「特図1_大当たり図柄D」が停止表示され、特図1の抽選によって「Vロング大当たりA」に当選した場合には、第1特別図柄表示器51に「特図1_大当たり図柄A」が停止表示される。一方、特図2の抽選によって「Vロング大当たりB」に当選した場合には、第2特別図柄表示器52に「特図2_大当たり図柄B」が停止表示され、「Vロング大当たりC」に当選した場合には、第2特別図柄表示器52に「特図2_大当たり図柄C」が停止表示される。ただし、本実施形態では、特図2の抽選によって「Vショート大当たり」になることはない。
【0054】
Vショート大当たりでは、各ラウンド全てにおいて、第1大入賞口32の開放タイミングと振分部材の作動タイミングとの関係から、特定領域に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。一方、Vロング大当たりでは、13Rおよび15Rにおいて、第1大入賞口32の開放タイミングと振分部材の作動タイミングとの関係から、第1大入賞口32に入賞した遊技球が特定領域を容易に通過できるようになっている。
【0055】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
【0056】
図1の抽選によってVロング大当たりA,Bに当選した場合は、大当たり遊技後の遊技状態が、高確率時短状態に制御される。時短状態に制御されると、時短変動回数は100回に設定される。また、通常確率状態に制御された場合にも、時短状態に制御されて、時短変動回数は100回に設定される。時短変動回数とは、時短状態に制御されてから非時短状態に制御されるまでに、特別図柄の変動表示が実行される上限回数(第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数との合計変動回数)のことである。なお、時短状態に制御されているときに、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されると、時短状態は終了する。
【0057】
また、特図2の抽選によってVロング大当たりCに当選した場合は、大当たり遊技後の遊技状態が、高確率非時短状態に制御される。
なお、図8(A)に示すように、特図1の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりA(特定大当たり)が50%、Vショート大当たり(通常大当たり)が50%となっている。これに対して、特図2の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりB(特定大当たり)が70%、Vロング大当たりC(特定大当たり)が30%となっている。このように本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したことを契機として行われる大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として行われる大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
【0058】
また、小当たり遊技は、第2大入賞口35(図1)を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。本実施形態では、特図2の抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。図8(B)に示すように、小当たり遊技の実行により第2大入賞口35が開放する開放時間は、1.6秒と短く設定されている。ただし、遊技者は、この間に遊技球を第2大入賞口35に入賞させることで、賞球を獲得することが可能である。なお、大当たり遊技の1ラウンド中、または、小当たり遊技中に、複数回大入賞口を開放させる構成にすることもできる。
【0059】
パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数値」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数値」に基づいて行われる。図6に示すように、大当たり乱数値は0~65535までの範囲で値をとる。また、図8に示すように、当たり種別乱数値は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11または第2始動口22への入賞に基づいて取得される乱数値には、大当たり乱数値および当たり種別乱数値の他に、「リーチ乱数値」および「変動パターン乱数値」がある。
【0060】
リーチ乱数値は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を報知するための変動演出パターンにおいてリーチが発生する変動演出パターンを選択するか否かを決めるための乱数値である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。たとえば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄9Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄9Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄9Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄9Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態などが含まれる。図7に示すように、リーチ乱数値は、0~255までの範囲で値をとる。
【0061】
また、変動パターン乱数値は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数値である。
図9に示すように、変動パターン乱数値は、0~99までの範囲で値をとる。また、遊技球がゲート12(図1)を通過したことを契機として取得される乱数値には、普通当たり乱数値がある。普通当たり乱数値は、普通電動役物(電チュー)20(図1)を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数値である。
【0062】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機1の特別図柄表示器(第1特別図柄表示器51、第2特別図柄表示器52および普通図柄表示器53(図2)は、それぞれ確率変動機能および変動時間短縮機能を有する。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。つまり、大当たり抽選において大当たりと判定される大当たり乱数値の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多く設定されている大当たり判定テーブル(図6)を用いて、大当たり判定を行う。つまり、特別図柄表示器の確率変動機能が作動すると、作動していないときと比較して、特別図柄表示器による特別図柄の変動表示の表示結果(つまり、停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0063】
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始から停止図柄の確定表示までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。つまり、時短状態では、変動時間の短い変動パターンが選択される確率が非時短状態よりも高くなるように定められた変動パターン判定テーブル(図9)を用いて、変動パターンの判定を行う。つまり、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときと比較して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択される確率が高くなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0064】
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあり、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53が確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
【0065】
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。たとえば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
【0066】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態である。この遊技状態に制御されると、高確変動回数(ST回数)が100回に設定される。高確変動回数とは、高確率状態に制御されてから非高確率状態に制御されるまでに、特別図柄の変動表示が実行される上限回数(第1特別図柄の変動回数および第2特別図柄の変動回数の合計変動回数)のことである。なお、高確率状態に制御されているときに、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されると、高確率状態は終了する。
【0067】
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、上述したように、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率状態)かつ時短状態である。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態である。つまり、通常遊技状態である。また、大当たり遊技の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。
【0068】
また、後述するように、高確率状態において、遊技球が第2始動口22に入賞したときに小当たりと判定する確率は、非常に高くされているため、遊技球が第2始動口22に入賞すると、高確率で小当たりが発生し、第2大入賞口35が高確率で開口する。換言すると、小当たりが頻繁に発生し、第2大入賞口35が頻繁に開口する遊技状態となる。以下、その遊技状態を小当たりラッシュ状態という。遊技者は、小当たりラッシュ状態において開口する第2大入賞口35に遊技球が入賞することにより、賞球を獲得可能となる。ただし、時短状態では、上述したように、普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっており、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。このため、時短状態では、多くの遊技球が普通可変入賞装置20に入賞するため、普通可変入賞装置20の下方に配置されている第2大入賞口35には、遊技球がほとんど入賞しない。このため、高確率状態かつ時短状態では、ほとんど小当たりによる出玉が得られないようになっており、高確率状態かつ非時短状態(小当たりラッシュ状態)では小当たりによる出玉が得られるようになっている。
【0069】
[大当たり判定テーブル]
図6に示す大当たり判定テーブルTa1は、遊技制御用マイコン61(図4)が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルTa1は、遊技状態と特別図柄と大当たり乱数とを対応付けて構成されている。大当たり乱数は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタICなどの乱数生成回路を利用したものでも良い。本実施形態では、大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。図示の例では、通常遊技状態における特図1および特図2に対する大当たり判定において、遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数値が1~210の範囲内であった場合は、大当たりと判定する。この場合の大当たりと判定する確率は、約1/310である。また、高確率状態における特図1および特図2に対する大当たり判定において、遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数値が1~436の範囲内であった場合は、大当たりと判定する。この場合の大当たりと判定する確率は、約1/150である。
【0070】
さらに、通常確率状態および高確率状態における特図2に対する大当たり判定において、遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数値が437~65530の範囲内であった場合は、小当たりと判定する。この場合の小当たりと判定する確率は、約99/100である。また、遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数値が1~65530の範囲外であった場合は、ハズレと判定する。この場合のハズレと判定する確率は、約1/100である。つまり、通常確率状態および高確率状態における特図2に対する大当たり判定において、大当たりではないと判定された場合は、非常に高い確率で小当たりと判定される。なお、通常確率状態においても、小当たりと判定される確率が非常に高いため、通常確率状態において、遊技者が右打ちをした場合は、警告音がなるようにされている。
【0071】
[リーチ判定テーブル]
図7に示すリーチ判定テーブルTa2は、遊技制御用マイコン61(図4)が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
たとえば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄9Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄9Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄9Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄9Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態などが含まれる。
【0072】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルTa2は、遊技状態とリーチ乱数とを対応付けて構成されている。リーチ乱数は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27のいずれかであった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
【0073】
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11のいずれかであった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。
【0074】
[当たり種別判定テーブル]
図8に示す当たり種別判定テーブルTa3,4は、遊技制御用マイコン61(図4)が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。当たり種別判定テーブルTa3,4は、当たり種別乱数と当たりの種別とを対応付けて構成されている。当たり種別乱数は、当たり種別乱数カウンタが発生する当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の当たり種別乱数を発生する。当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、当たり種別乱数カウンタが動作して当たり種別乱数が発生する。図示の例では、特図1で大当たりと判定された場合において、遊技制御用マイコン61は、当たり種別乱数カウンタから取得した当たり種別乱数値が0~49の範囲内であった場合に、「Vショート大当たり」と判定する。この場合の「Vショート大当たり」と判定する確率は、50%である。また、特図1で大当たりと判定された場合において、遊技制御用マイコン61は、当たり種別乱数カウンタから取得した当たり種別乱数値が50~99の範囲内であった場合に、「Vロング大当たりA」と判定する。この場合の「Vロング大当たりA」と判定する確率は、50%である。さらに、特図2で大当たりと判定された場合において、遊技制御用マイコン61は、当たり種別乱数カウンタから取得した当たり種別乱数値が0~69の範囲内であった場合に、「Vロング大当たりB」と判定する。この場合の「Vロング大当たりB」と判定する確率は、70%である。また、特図2で大当たりと判定された場合において、遊技制御用マイコン61は、当たり種別乱数カウンタから取得した当たり種別乱数値が7~99の範囲内であった場合に、「Vロング大当たりC」と判定する。この場合の「Vロング大当たりC」と判定する確率は、30%である。また、特図2で小当たりと判定された場合において、遊技制御用マイコン61は、当たり種別乱数カウンタから取得した当たり種別乱数値が0~99の範囲内であった場合に、「小当たり」と判定する。この場合の「小当たり」と判定する確率は、100%である。
【0075】
[特図変動パターン選択テーブル]
図9に示す特図変動パターン選択テーブルTa5は、遊技制御用マイコン61(図4)が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルTa5は、特別図柄と、遊技状態と、判定(大当たり判定およびリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数と、特図変動パターンと、変動時間と、停止時間とを対応付けて構成されている。特図変動パターン選択テーブルTa5における変動演出パターンは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7が変動表示する変動演出パターンであり、参考のために記載してある。変動パターン乱数は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
【0076】
図1において、遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~89のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が90~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP2が選択される。また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~9のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP3が選択される。また、変動パターン乱数が10~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP4が選択される。また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、特図保留数が0~2個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP5が選択される。また、特図保留数が3~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP6が選択される。
【0077】
図1において、遊技状態が時短状態のときに大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~89のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP11が選択される。また、変動パターン乱数が90~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP12が選択される。また、遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~9のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP13が選択される。また、変動パターン乱数が10~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP14が選択される。また、遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP15が選択される。
【0078】
また、特図2において、遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP24が選択される。また、遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定において小当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP25が選択される。また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~9のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP30が選択される。また、変動パターン乱数が10~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP31が選択される。また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、特図保留数が0~2個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP32が選択される。また、特図保留数が3~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP33が選択される。
【0079】
図2において、遊技状態が時短状態のときに大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP51が選択される。また、遊技状態が時短状態のときに大当たり判定において小当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP52が選択される。また、遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~9のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP53が選択される。また、変動パターン乱数が10~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP54が選択される。また、遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、特図保留数が0~1個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP55が選択される。また、特図保留数が2~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP56が選択される。
【0080】
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61(図4)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側主制御処理の内容についてそれを示す図14を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63(図4)から図14に示すメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、たとえば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(Serial Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタおよびタイマなどのリセットなどを行う。
【0081】
次に、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタICなどから成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
【0082】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、たとえば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
【0083】
(メイン側タイマ割込処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側タイマ割込処理(図14のS5)の内容についてそれを示す図15を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、主制御基板60のRAM64(図4)に設けられた出力バッファにセットされたコマンドなどをサブ制御基板100(図5)や払出制御基板73(図4)などに出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ35a、ゲートセンサ12aなど(図4))が検出した各検出信号を読み込む。また、テンキー260への操作による信号も読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図14のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0084】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する始動口センサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、特別電動役物処理(大当たり遊技)(S19)、特別電動役物処理(小当たり遊技)(S20)、アウト数・入賞数カウント処理(S21)、アウト数・入賞数表示処理(S22)、その他の処理(S23)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S6)を終了する。その他の処理(S23)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18(図1)や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理、ベース値演算処理などである。
【0085】
なお、ベース値演算処理では、遊技者が遊技領域3に発射した遊技球の数に対して遊技者が獲得した総賞球数の比率であるベース値を演算するための処理である。遊技者が遊技領域3に発射した遊技球の数は、アウト口19から排出された遊技球の数と、入賞領域に入賞した遊技球の数との合計である。アウト口19から排出された遊技球の数は、アウト口センサ19aの信号が出力された回数と同じである。入賞領域は、第1始動口11、第2始動口22、第1大入賞口32、第2大入賞口35および一般入賞口13である。入賞領域に入賞した遊技球の数は、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ13aそれぞれの信号が出力された回数の合計である。また、遊技者が獲得した総賞球数は、賞球払出装置400により払い出された遊技球の数である。なお、遊技者が獲得した総賞球数は、入賞領域に入賞した遊技球の数に基づいて演算されてもよい。つまり、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ13aそれぞれの信号が出力された回数に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞した場合に払い出される遊技球の数を乗じた数が、遊技者が獲得した総賞球数となる。なお、ベース値は、大当たり遊技中と、大当たり遊技以外の遊技中とで、個別に演算される。また、大当たり遊技以外の遊技中では、通常確率状態かつ非時短状態、つまり、通常遊技状態と、通常確率時短状態と、高確率時短状態と、高確率非時短状態との各々において個別に演算される。ちなみに、大当たり遊技中でのベース値は、第1大入賞口32若しくは、第2大入賞口35に多くの遊技球が入賞し、遊技者が遊技領域3に発射した遊技球の数に対して遊技者が獲得した総賞球数が多くなるため、100%を大きく超える。また、大当たり遊技以外の遊技中では、通常遊技状態と、通常確率時短状態と、高確率時短状態との各々において、第1大入賞口32若しくは、第2大入賞口35に遊技球は入賞せず、第1始動口11、第2始動口22、一般入賞口13のみに入賞するため、遊技者が獲得した総賞球数は、遊技者が遊技領域3に発射した遊技球の数より少ない。このため、通常遊技状態と、通常確率時短状態と、高確率時短状態との各々におけるベース値は、100%未満となる。ただし、大当たり遊技以外の遊技中であっても、高確率非時短状態(小当たりラッシュ状態)では、第2大入賞口35に遊技球は入賞するため、遊技者が獲得する総賞球数は、遊技者が遊技領域3に発射した遊技球の数より多くなる。このため、高確率非時短状態(小当たりラッシュ状態)におけるベース値は、100%を超える。そして、ベース演算処理において演算されたベース値は、ホールコンピューターに送信される。この際、大当たり遊技以外の遊技中のベース値は、通常遊技状態と、通常確率時短状態と、高確率時短状態と、高確率非時短状態との各々において個別に演算されているが、それらの各状態のベース値の平均値がホールコンピューターに送信される。具体的には、例えば、通常確率時短状態でのベース値が90%であり、高確率時短状態でのベース値が90%であり、高確率非時短状態でのベース値が150%である場合に、それらのベース値の平均値110%((90+90+150)/3)がホールコンピューターに送信される。つまり、大当たり遊技中でのベース値と、通常遊技状態でのベース値とは、個別にホールコンピューターに送信されるが、通常確率時短状態でのベース値と高確率時短状態でのベース値と高確率非時短状態でのベース値とは、それらの平均のベース値がホールコンピューターに送信される。なお、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ13aが、本発明の入賞口の一例である。また、通常確率時短状態が、本発明の低確率時短有状態の一例であり、高確率時短状態が、本発明の高確率時短有状態の一例であり、高確率非時短状態が、本発明の高確率時短無状態の一例である。
【0086】
そして、上記その他の処理(S23)が終了すると、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され(図14)、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S5)の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S5)にてRAM64(図4)の出力バッファにセットされたコマンドなどが所定の基板へ出力される。
【0087】
(始動口センサ検出処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する始動口センサ検出処理(図15のS15)の内容についてそれを示す図16を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12(図1)を通過したか否かを判定し(S20)、通過したと判定した場合は(S20:Yes)、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
【0088】
また、S20において、遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合は(S20:No)、遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したか否かを判定する(S22)。ここで、遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合は(S22:Yes)、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S23)。ここで、第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合は(S23:Yes)、S28に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合は(S23:No)、第2特図保留数U2に1を加算する(S24)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S25)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64b(図10)のうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。たとえば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0089】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S26)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口に入賞したことを示すデータ、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S27)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(図15のS10)においてサブ制御基板100(図5)に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0090】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したか否かを判定する(S28)。ここで、遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合は(S28:Yes)、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S29)。ここで、第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合は(S29:Yes)、この始動口センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合は(S29:No)、第1特図保留数U1に1を加算する(S30)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S31)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64a(図9)のうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。たとえば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0091】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S32)。この第1始動入賞コマンド特定処理では、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S33)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(図15のS10)においてサブ制御基板100(図5)に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0092】
(普通動作処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する普通動作処理(図15のS16)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作などの処理を行う。
【0093】
(特別図柄待機処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別図柄待機処理(図15のS17)の内容についてそれを示す図17を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定し(S40)、「0」ではないと判定した場合は(S40:No)、後述する第2特図大当たり判定処理(図17)を実行する(S41)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(図19図20)を実行する(S42)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S43)、第2特図保留記憶部64b(図9)の各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S44)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S45)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64b(図10)に記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第2特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図18)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図19図20)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。
【0094】
また、遊技制御用マイコン61は、S40において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合は(S40:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定し(S46)、「0」ではないと判定した場合は(S46:No)、後述する第1特図大当たり判定処理(図18)を実行する(S47)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(図19図20)を実行する(S48)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S49)、第1特図保留記憶部64a(図9)の各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S50)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S51)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64a(図9)に記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第1特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(図18)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図19図20)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。
【0095】
また、遊技制御用マイコン61は、S46において、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合は(S46:Yes)、演出表示装置7が待機画面(客待ち用のデモ画面)を表示しているか否かを判定する(S52)。ここで、待機画面を表示していると判定した場合(S52:Yes)は、この特別図柄待機処理を終了し、待機画面を表示していないと判定した場合は(S52:No)、待機画面設定処理を実行する(S53)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。
また、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S40:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
【0096】
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理):図17のS41)の内容についてそれを示す図18を参照しつつ説明する。なお、第2特図大当たり判定処理(図17のS41)と第1特図大当たり判定処理(図17のS47)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0097】
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域(図10図11)に記憶されている大当たり乱数を読出し(S60)、大当たり判定テーブルTa1(図5)を参照する(S61)。続いて、大当たり判定テーブルTa1のうち、特図2での大当たり乱数を参照し、S60において読出した大当たり乱数と同じ乱数が、437~65530に存在するか否か、つまり、小当たりか否かの当否判定を行う(S62)。そして、遊技制御用マイコン61は、S62において小当たりと判定した場合は(S62:Yes)、大当たり判定において、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにする(S63)。次に、S62において判定した小当たりの図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64(図4)に設けた特図バッファにセットし(S69)、この第2特図大当たり判定処理を終える。
【0098】
また、遊技制御用マイコン61は、S62において小当たりでないと判定した場合に(S62:No)、確変フラグがONしているか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S64)。なお、確変フラグは、大当たり遊技中に第2大入賞口35(図1)に入賞した遊技球が特定領域(V入賞領域)を通過したときにONになる。ここで、確変フラグがONしていない、つまり、通常確率状態であると判定した場合は(S64:No)、大当たり判定テーブルTa1のうち、通常確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S65)。
【0099】
遊技制御用マイコン61は、S65において大当たりと判定した場合は(S65:Yes)、特図保留記憶部の第1記憶領域(図9図10)に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種類が設定された大当たり種別判定テーブルTa3,4を参照し、大当たりの種類を判定する(S67)。大当たりの種類によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数および大当たり演出図柄などが異なる。ここで、振分率とは、大当たり種別判定テーブルに設定されている複数種類の大当たりのうち、所定の大当たりが選択される確率のことである。また、最大ラウンド数とは、大当たり遊技における実行可能な最大ラウンド数のことである。
【0100】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONし(S68)、S67において判定した大当たりの種類に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64(図4)に設けた特図バッファにセットし(S69)、この第2特図大当たり判定処理を終える。また、S65において、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合は(S65:No)、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S69)、この第2特図大当たり判定処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S64において確変フラグがONしている、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合は(S64:Yes)、大当たり判定テーブルTa1のうち、高確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S66)。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別を判定し(S67)、大当たりフラグをONし(S68)、特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S69)、この第2特図大当たり判定処理を終える。
【0101】
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理):図17のS42,S48)の内容についてそれを示す図19および図20を参照しつつ説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理(図17のS42)と第1特図変動パターン選択処理(図17のS48)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0102】
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定し(S70)、時短状態中ではないと判定した場合は(S70:No)、小当たりフラグがONしているか否かを判定する(S71)。ここで、小当たりフラグがONしていると判定した場合は(S71:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S72)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、非時短状態での小当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の記憶領域(図10図11)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続けて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図4)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S78)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0103】
また、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONしていないと判定した場合は(S71:No)、大当たりフラグがONしているか否かを判定する(S73)。ここで、大当たりフラグがONしていると判定した場合は(S73:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S77)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の記憶領域(図10図11)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図4)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S78)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0104】
また、遊技制御用マイコン61は、S73において大当たりフラグがONしていない、つまり、ハズレと判定した場合は(S73:No)、特図保留記憶部の記憶領域(図10図11)に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S74)。つまり、特図保留記憶部の記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTa2(図7)のうち、非時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。ここで、遊技制御用マイコン61は、リーチ乱数がリーチ成立乱数であると判定した場合は(S74:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S75)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、非時短状態でリーチ有りハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図4)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S78)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0105】
また、遊技制御用マイコン61は、S74においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合は(S74:No)、特図変動パターン選択テーブルTa5(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S76)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、非時短状態でリーチ無しハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図4)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S78)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0106】
また、遊技制御用マイコン61は、S70において時短状態中であると判定した場合は(S70:Yes)、小当たりフラグがONしているか否かを判定する(S80)。ここで、小当たりフラグがONしていると判定した場合は(S80:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S72)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、時短状態での小当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の記憶領域(図10図11)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続けて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図4)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S78)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0107】
また、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONしていないと判定した場合は(S80:No)、大当たりフラグがONしているか否かを判定する(S82)。ここで、大当たりフラグがONしていると判定した場合は(S82:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S77)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の記憶領域(図10図11)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図4)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S78)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0108】
また、遊技制御用マイコン61は、S82において大当たりフラグがONしていない、つまり、ハズレと判定した場合は(S82:No)、特図保留記憶部の記憶領域(図10図11)に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S84)。つまり、特図保留記憶部の記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTa2(図7)のうち、時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。ここで、遊技制御用マイコン61は、リーチ乱数がリーチ成立乱数であると判定した場合は(S84:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S85)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、時短状態でリーチ有りハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図4)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S78)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0109】
また、遊技制御用マイコン61は、S84においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合は(S84:No)、特図変動パターン選択テーブルTa5(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S76)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、時短状態でリーチ無しハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図4)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S78)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0110】
S78において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS45(図17)においてセットされる変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図15のS10)により、サブ制御基板100(図4)へ出力される。また、第1特図変動パターン選択処理も第2特図変動パターン選択処理と同じ流れで実行され、S78において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS51(図17)においてセットされる変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図15のS10)により、サブ制御基板100(図5)へ出力される。
【0111】
(特別図柄変動処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別図柄変動処理(図15のS18)の内容についてそれを示す図21を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(図17のS42またはS48において選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が終了したか否かを判定する(S90)。ここで、終了していないと判定した場合は(S90:No)、この特別図柄変動処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。一方、終了したと判定した場合は(S90:Yes)、特別図柄の変動表示を停止させるための変動停止コマンドをRAM64(図4)に設けたコマンドバッファにセットする(S91)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を、第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理)のS69(図18)においてセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄または特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S92)。
【0112】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する(S93)。この遊技状態管理処理では、確変フラグがONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、高確率状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする確変カウンタの値を1減算し、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。続いて、時短フラグがONになっているか否か判定し、ONになっていると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算し、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、遊技状態管理処理を終える。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図15のS10)においてサブ制御基板100に出力される。
【0113】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONになっているか否かを判定し(S94)、ONになっていると判定した場合は(S94:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S95)。この遊技状態リセット処理では、確変フラグがONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。また、時短フラグがONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S96)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S97)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たり遊技のオープニングの実行時間を所定のタイマにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、特別電役作動有効カウンタの値をセットし(S98)、この特別図柄変動処理を終える。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド数の残回数をカウントするカウンタである。また、S94において大当たりフラグがONになっていないと判定した場合は(S94:No)、この特別図柄変動処理を終える。
【0114】
(特別電動役物処理(大当たり遊技))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別電動役物処理(大当たり遊技)(図15のS19)の内容についてそれを示す図22を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S100)。大当たり終了フラグは、大当たり遊技において第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33の開放が全て終了したことを示すフラグである。ここで、遊技制御用マイコン61は、大当たり終了フラグがONではないと判定した場合は(S100:No)、第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33が開放中か否かを判定する(S102)。ここで、遊技制御用マイコン61は、第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33が開放中ではないと判定した場合は(S102:No)、大入賞口開放時間か否かを判定する(S104)。大入賞口開放時間とは、大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間、または、一旦閉鎖した第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過したときの開放開始である。
【0115】
ここで、遊技制御用マイコン61は、大入賞口開放時間ではないと判定した場合は(S104:No)、そのまま本処理を終える。一方、遊技制御用マイコン61は、大入賞口開放時間であると判定した場合は(S104:Yes)、大入賞口開放処理を実行する(S106)。この大入賞口開放処理では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33を開放させる。なお、振分部材は、ラウンド遊技(または大当たり遊技)の開始から常に一定の動作で動いている。続いて、遊技制御用マイコン61は、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う(S108)。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S108)では、S106における第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。
【0116】
また、遊技制御用マイコン61は、S102において、第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33の開放中であると判定した場合は(S102:Yes)、第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S110)。本実施形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本実施形態では1R当たり8個)に達したこと、または、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(つまり、大入賞口を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。ここで、遊技制御用マイコン61は、第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33の閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S110:No)、本処理を終える。これに対して、第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33の閉鎖条件が成立していると判定した場合は(S110:Yes)、第1大入賞装置30若しくは、第2大入賞装置33を閉鎖(閉塞)する(S112)。続いて、遊技制御用マイコン61は、1回のラウンドが終了するか否かを判定し(S114)、終了すると判定した場合は(S114:Yes)、ラウンドカウンタの値を「1」減算する(S116)。
【0117】
続いて、遊技制御用マイコン61は、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定し(S118)、「0」ではないと判定した場合は(S118:No)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。一方、「0」であると判定した場合は(S118:Yes)、大当たり遊技を終了させるための大当たり終了処理を実行する(S120)。この大当たり終了処理では、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに、大当たりのエンディングを開始する。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり終了フラグをセットし(S122)、本処理を終える。また、遊技制御用マイコン61は、S114において、1回のラウンドが終了しないと判定した場合は(S114:No)、本処理を終える。
【0118】
また、遊技制御用マイコン61は、S100において、大当たり終了フラグがONしていると判定した場合は(S100:Yes)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S124)、エンディング時間が経過していないと判定した場合は(S124:No)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していると判定した場合は(S124:Yes)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S126)、大当たりフラグをOFFし(S128)、本処理を終える。
【0119】
(特別電動役物処理(小当たり遊技))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別電動役物処理(小当たり遊技)(図15のS20)の内容についてそれを示す図23を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S140)。ここで、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONではない、つまり、OFFであると判定した場合は(S140:No)、本処理を終える。また、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであると判定した場合は(S140:Yes)、第2大入賞装置33が開放中か否かを判定し(S142)、開放中ではないと判定した場合は(S142:No)、大入賞口開放時間に至ったか否か、つまり、所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞装置33の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S144)。
【0120】
ここで、遊技制御用マイコン61は、大入賞口開放時間に至っていないと判定した場合は(S144:No)、そのまま本処理を終える。一方、大入賞口開放時間に至ったと判定した場合は(S144:Yes)、大入賞口開放処理を実行する(S146)。この大入賞口開放処理では、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図8(B)参照)に従って第2大入賞装置33を開放させる。
また、遊技制御用マイコン61は、S142において、第2大入賞装置33が開放中であると判定した場合は(S142:Yes)、第2大入賞装置33の第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本実施形態では9個)に達しているか否かを判定する(S148)。ここで、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数に達していないと判定した場合は(S148:No)、開放終了時間か否か、つまり、第2大入賞装置33を閉鎖させる時間に至ったか否か(第2大入賞装置33を開放してから所定の開放時間(図8(B)に示すように本実施形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S150)。
【0121】
ここで、遊技制御用マイコン61は、開放終了時間ではないと判定した場合は(S150:No)、本処理を終える。これに対して、規定の最大入賞個数に達していると判定した場合(S148:Yes)、または、第2大入賞装置33の開放終了時間に至ったと判定した場合(S150:Yes)、つまり、2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞装置33を閉鎖(閉塞)する大入賞口閉鎖処理を実行する(S152)。続いて、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S154)、本処理を終える。
【0122】
(アウト数・入賞数カウント処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行するアウト数・入賞数カウント処理(図15のS21)の内容についてそれを示す図24を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがOFFであるか否かを判定する(S160)。ここで、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがOFFであると判定した場合は(S160:Yes)、高確率非時短状態であるか否かを判定する(S162)。ここで、遊技制御用マイコン61は、高確率非時短状態でないと判定した場合は(S162:No)、本処理を終える。また、遊技制御用マイコン61は、高確率非時短状態であると判定した場合は(S162:Yes)、アウト口センサ19aにより遊技球が検出されたか否かを判定する(S164)。ここで、遊技制御用マイコン61は、アウト口センサ19aにより遊技球が検出されたと判定した場合は(S164:Yes)、アウト口19から排出された遊技球の数(アウト数)C1に1を加算する(S166)。また、遊技制御用マイコン61は、アウト口センサ19aにより遊技球が検出されていないと判定した場合は(S164:No)、S166の処理をスキップする。
【0123】
次に、遊技制御用マイコン61は、第2大入賞口センサ35aにより遊技球が検出されたか否かを判定する(S168)。ここで、遊技制御用マイコン61は、第2大入賞口センサ35aにより遊技球が検出されたと判定した場合は(S168:Yes)、第2大入賞口35に入賞した遊技球の数(大入賞口入賞数)C2に1を加算する(S170)。また、遊技制御用マイコン61は、第2大入賞口センサ35aにより遊技球が検出されていないと判定した場合は(S168:No)、S170の処理をスキップする。
次に、遊技制御用マイコン61は、一般入賞口センサ13aにより遊技球が検出されたか否かを判定する(S172)。ここで、遊技制御用マイコン61は、一般入賞口センサ13aにより遊技球が検出されたと判定した場合は(S172:Yes)、一般入賞口13に入賞した遊技球の数(一般入賞口入賞数)C3に1を加算する(S174)。また、遊技制御用マイコン61は、一般入賞口センサ13aにより遊技球が検出されていないと判定した場合は(S172:No)、S174の処理をスキップする。
【0124】
次に、遊技制御用マイコン61は、第1始動口センサ11aにより遊技球が検出されたか否かを判定する(S176)。ここで、遊技制御用マイコン61は、第1始動口センサ11aにより遊技球が検出されたと判定した場合は(S176:Yes)、第1始動口11に入賞した遊技球の数(第1始動口入賞数)C4に1を加算する(S178)。また、遊技制御用マイコン61は、第1始動口センサ11aにより遊技球が検出されていないと判定した場合は(S176:No)、S178の処理をスキップする。
次に、遊技制御用マイコン61は、第2始動口センサ22aにより遊技球が検出されたか否かを判定する(S180)。ここで、遊技制御用マイコン61は、第2始動口センサ22aにより遊技球が検出されたと判定した場合は(S180:Yes)、第2始動口22に入賞した遊技球の数(第2始動口入賞数)C5に1を加算する(S182)。また、遊技制御用マイコン61は、第2始動口センサ22aにより遊技球が検出されていないと判定した場合は(S180:No)、S182の処理をスキップする。そして、遊技制御用マイコン61は、アウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5をRAM64に記憶し(S184)、本処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S160において、大当たりフラグがOFFではない、つまり、ONであると判定した場合は(S160:No)、RAM64に記憶されているアウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5を0にリセットし(S186)、本処理を終える。
これにより、アウト数・入賞数カウント処理において、高確率非時短状態(小当たりラッシュ状態)におけるアウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5がカウントされる。
【0125】
(アウト数・入賞数表示処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行するアウト数・入賞数表示処理(図15のS22)の内容についてそれを示す図25を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、テンキー260への操作によりパスワードの入力を受け付けたか否かを判定する(S190)。ここで、遊技制御用マイコン61は、テンキー260への操作によりパスワードの入力を受け付けていない場合に(S190:No)、本処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、テンキー260への操作によりパスワードの入力を受け付けている場合に(S190:Yes)、S184で記憶したアウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5の情報を含むアウト数・入賞数表示コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S192)。そして、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。
【0126】
(サブ側主制御処理)
次に、演出制御用マイコン101(図5)が実行するサブ側主制御処理についてそれを示す図26を参照しつつ説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S200)。この初期設定では、たとえば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102(図4)の設定、SIO(Serial Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタおよびタイマなどのリセットなどを行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120(図5)の内容が正常であるか否かを判定し(S201)、ここで否定判定した場合は(S201:No)、RAM120を初期化し(S202)、S203に進む。また、S201において肯定判定した場合は(S201:Yes)、RAM120を初期化しないでS203に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S201:No)、RAM120を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S201:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタおよびタイマなどの値はリセットされる。また、このS200~S202は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0127】
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S203)、乱数更新処理を実行する(S204)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動選択乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数などがある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S205)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78およびランプ制御基板79などに送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S206)。以降、S203~S206を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S207)、1msタイマ割込処理(S208)および10msタイマ割込処理(S209)の実行が可能となる。
【0128】
(受信割込処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する受信割込処理(図26のS207)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60(図4)から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、たとえば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングでなはないと判定した場合は、この受信割込処理を終え、受信するタイミングであると判定した場合は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120(図5)の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S208、S209)に優先して実行される処理である。
【0129】
(1msタイマ割込処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する1msタイマ割込処理(図26のS208)についてそれを示す図27を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S210)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出ボタン検出スイッチ9a、演出レバー押込検出スイッチ6gおよび演出レバー回転検出スイッチ6h(図5)からの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
【0130】
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S211)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理のS255(図30)においてRAM120(図5)のコマンドバッファにセットされる変動開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23b(図4)を発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(図28のS223)などで作成したランプデータをランプ制御基板79(図4)に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15(図4)を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
【0131】
続いて、演出制御用マイコン101は、変動開始コマンドを出力したか否かを判定する(S212)。変動開始コマンドは、後述する変動演出開始処理のS255(図30)においてRAM120(図5)のコマンドバッファにセットされ、S211において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動開始コマンドを出力したと判定した場合は(S212:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S213)。続いて、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行い(S214)、この1msタイマ割込処理を終える。
【0132】
(10msタイマ割込処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する10msタイマ割込処理(図26のS209)についてそれを示す図28を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図29)を実行し(S220)、スイッチ状態取得処理を実行する(S221)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(図27のS210)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出やレバー演出などの表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S222)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S223)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bなど)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理などを行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
【0133】
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S224)。この音声制御処理では、音声制御データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声制御データの音声制御基板78(図5)への出力、音声演出の時間管理などを行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。そして、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S226)、この10msタイマ割込処理を終える。その他の処理(S226)では、変動選択乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数などを更新するなどの処理を実行する。
【0134】
(受信コマンド解析処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する受信コマンド解析処理(図28のS220)についてそれを示す図29を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60(図4)から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S230)、受信したと判定した場合は(S230:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S231)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(通常確率状態か高確率状態か、時短状態か非時短状態か)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。遊技状態指定コマンドに含まれている情報が通常確率状態かつ非時短状態を示している場合は、遊技状態フラグ「1」をセットする。また、通常確率状態かつ時短状態を示している場合は、遊技状態フラグ「2」をセットする。また、高確率状態かつ時短状態を示している場合は、遊技状態フラグ「3」をセットする。
【0135】
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S232)、受信したと判定した場合は(S232:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S233)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120(図5)の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定し(S234)、受信したと判定した場合は(S234:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S235)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像および各スピーカ8が出力する音声などによる演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から第2大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定し(S236)、受信したと判定した場合は(S236:Yes)、第2大入賞口入賞時処理を実行する(S237)。この第2大入賞口入賞時処理では、第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域を通過したか否かに応じて異なる演出を選択する処理などを行う。
【0136】
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S238)、受信したと判定した場合は(S238:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S239)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時に演出表示装置7および各スピーカ8により実行するエンディング演出の種類を選択することなどを行う。続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S240)、受信したと判定した場合は(S240:Yes)、後述する変動演出開始処理(図30)を実行する(S241)。
【0137】
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S244)、受信したと判定した場合は(S244:Yes)、変動演出終了処理を実行する(S245)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120(図5)の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(図26のS205)によって画像制御基板200(図5)に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9R(図1)を所定の停止パターンを経て確定表示する。続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からアウト数・入賞数表示コマンドを受信したか否かを判定し(S246)、受信したと判定した場合は(S246:Yes)、確認画面表示コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S247)。確認画面表示コマンドには、アウト数・入賞数表示コマンドに含まれるアウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5の情報を確認画面(図31)として表示させるための画面データが含まれている。そして、その画面データを含む確認画面表示コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(図27のS211)において、画面データが画像制御基板200に出力される。
【0138】
この際、画面データの画像制御基板200への出力により、画像制御基板200が、図31に示す確認画面220を演出表示装置7に表示する。確認画面220には、アウト数C1(○○○個),大入賞口入賞数C2(×××個),一般入賞口入賞数C3(△△△個),第1始動口入賞数C4(○△×個),第2始動口入賞数C5(○○△個)が表示される。これにより、高確率非時短状態、つまり、小当たりラッシュ状態におけるアウト口19から排出された遊技球の数と、第2大入賞口35、一般入賞口13、第1始動口11、第2始動口22の各々に入賞した遊技球の数とを確認することができる。つまり、上述したように、大当たり遊技中でのベース値と、通常遊技状態でのベース値とは、個別にホールコンピューターに送信されるが、通常確率時短状態でのベース値と高確率時短状態でのベース値と高確率非時短状態でのベース値とは、それらの平均のベース値がホールコンピューターに送信される。このため、高確率非時短状態、つまり、小当たりラッシュ状態でのベース値を遊技管理者は確認することができないため、小当たりラッシュ状態に不正が行われた場合に、遊技管理者は不正を認識できない虞がある。そこで、遊技管理者がテンキー260にパスワードを入力することで、演出表示装置7に確認画面220が表示される。これにより、遊技管理者が、小当たりラッシュ状態におけるアウト数と、各入賞口への入賞数とを確認することができ、小当たりラッシュ状態における不正の有無を監視することが可能となる。また、小当たりラッシュ状態において、遊技管理者が、第2大入賞口35に適切な数の遊技球が入球しているか否かを監視することができる。つまり、確認画面220の表示により、遊技管理者が、不正を含め、小当たりラッシュ状態において第2大入賞装置33が正確に動作しているか否かを監視することができる。
【0139】
なお、演出制御用マイコン101は、確認画面表示コマンドをRAM120の出力バッファにセットした後に、その他の処理を実行し(S248)、受信コマンド解析処理を終える。その他の処理(S248)では、上記各コマンド以外のコマンド(たとえば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理などを行う。
【0140】
(変動演出開始処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する変動演出開始処理(図29のS241)についてそれを示す図30を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した変動開始コマンドを解析する(S250)。変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理):図19のS72、S75、S76、S77、図20のS81、S83、S85、S86)でセットされた第2特図変動パターンの情報、または、第1特図変動パターンの情報が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S250において解析した変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合は、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図変動開始コマンドである場合は、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S251)。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:図10図11)に記憶されている始動入賞コマンドおよび先読み大当たりフラグなどの各データを古い記憶領域の方にシフトする(S252)。続いて、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9R(図1)の組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S253)。続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S254)。演出内容選択処理は、演出図柄の変動に伴ってパチンコ遊技機1で行われる演出の内容を演出選択テーブル(図示省略)を用いて選択する処理である。そして、演出制御用マイコン101は、その選択した演出内容の表示を演出表示装置7に開始させるための演出図柄変動表示開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S255)。
【0141】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技以外の遊技として、通常遊技状態と、その通常遊技状態より遊技者に有利な複数の有利状態との何れかの状態で遊技が実行される。そして、それら複数の有利状態のうちの所定の1の状態である特定状態において、アウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5がカウントされており、所定のタイミングで、アウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5が演出表示装置7に表示される。これにより、遊技管理者が、アウト口19に排出された遊技球の数及び、各入賞口に入賞した遊技球の数を確認することで、不正を含め、特定状態での第2大入賞装置33等の動作を監視することができる。
(2)また、上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、テンキー260にパスワードが入力された場合に、アウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5が演出表示装置7に表示される。これにより、遊技管理者の意思に応じて、遊技者が特定状態での第2大入賞装置33等の動作を監視することができる。
(3)また、上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、複数の有利状態のうちのベース値が100%を超える状態において、アウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5がカウントされており、テンキー260へのパスワードの入力により、そのカウント値が演出表示装置7に表示される。これにより、遊技者が獲得する総賞球数が、遊技者がパチンコ遊技機1において発射する遊技球より多い状態において遊技者が不正を行った場合に、遊技管理者が適切に不正の有無を確認することができる。
(4)また、上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、複数の有利状態として、通常確率時短状態と高確率時短状態と高確率非時短状態との何れかの状態で遊技が実行されている。そして、それら3つの有利状態のうちの高確率非時短状態において、アウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5がカウントされており、テンキー260へのパスワードの入力により、そのカウント値が演出表示装置7に表示される。これにより、高確率非時短状態、つまり、小当たりラッシュ状態において遊技者が不正を行った場合に、遊技管理者が適切に不正の有無を確認することができる。
(5)また、上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、複数の有利状態のうちの、第2大入賞口35に遊技球が入賞し易い状態において、アウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5がカウントされており、テンキー260へのパスワードの入力により、そのカウント値が演出表示装置7に表示される。これにより、大当たり遊技以外の遊技中において、第2大入賞口35に遊技球が入賞し易い状態、つまり、小当たりラッシュ状態において遊技者が不正を行った場合に、遊技管理者が適切に不正の有無を確認することができる。
【0142】
〈他の実施形態〉
(1)前述した実施形態では、高確率非時短状態でのアウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5が演出表示装置7に表示されているが、高確率非時短状態以外の有利状態でのアウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5が演出表示装置7に表示されてもよい。
(2)また、前述した実施形態では、大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5が演出表示装置7に表示されているが、大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5のうちの任意のものが演出表示装置7に表示されてもよい。ただし、賞球数が多い第2大入賞口35への大入賞口入賞数C2は、必ず表示されることが好ましい。
(3)また、高確率非時短状態でのアウト数C1,大入賞口入賞数C2,一般入賞口入賞数C3,第1始動口入賞数C4,第2始動口入賞数C5だけでなく、高確率非時短状態でのベース値も、演出表示装置7に表示されてもよい。
(4)また、前述した実施形態では、テンキー260へのパスワードの入力により、アウト数C1,大入賞口入賞数C2等が、パチンコ遊技機1の演出表示装置7に表示されているが、アウト数C1,大入賞口入賞数C2等が、他のデバイス、例えば、ホールコンピューターに送信されてもよい。これにより、遊技管理者が、パチンコ遊技機1から離れた箇所においてパチンコ遊技機1での特定状態を監視することができる。
(5)また、テンキー260へのパスワードの入力により、アウト数C1,大入賞口入賞数C2等が演出表示装置7に表示されているが、パスワード等の入力を伴わず、所定のスイッチ等への操作により、アウト数C1,大入賞口入賞数C2等が演出表示装置7に表示されてもよい。ただし、所定のスイッチ等は、遊技管理者のみが操作可能な位置に配設されることが好ましい。
(6)また、前述した実施形態では、テンキー260にパスワードが入力された場合に、アウト数C1等が演出表示装置7に表示されるが、種々のタイミングでアウト数C1等が演出表示装置7に表示されてもよい。具体的には、例えば、RTC等で営業時間外になったタイミングで、自動的にアウト数C1等が演出表示装置7に表示されてもよく、何らかの数値が予め設定されていた値を超えたタイミング,異常値が検出されたタイミングで、自動的にアウト数C1等が演出表示装置7に表示されてもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 パチンコ遊技機
11 第1始動口
13 一般入賞口
19 アウト口
22 第2始動口
35 第2大入賞口
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