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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】バイオセンシング装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/327 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
G01N27/327
G01N27/327 353F
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021124551
(22)【出願日】2021-07-29
(65)【公開番号】P2023019649
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】521335225
【氏名又は名称】瑞禾生物科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEAT Biotech, Inc.
【住所又は居所原語表記】No. 6, Aly. 40, Ln. 496, Nioupu S. Rd., Siangshan Dist., Hsinchu City 300060, Taiwan (R.O.C.)
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】連俊龍
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-242135(JP,A)
【文献】特表2020-527243(JP,A)
【文献】国際公開第2015/184465(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00-27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、
当該基板の上に配置されており、且つ第1上面を各々有する複数の金属導電層、
対応する当該金属導電層の当該第1上面の上に配置され、第1天井面を各々含み、且つ各当該第1天井面が当該金属導電層の当該第1上面よりも高い複数の作用電極、
対応する当該金属導電層の当該第1上面の上に配置されるともに、当該複数の作用電極と隣接しており、第2天井面を含み、且つ当該第2天井面が当該第1天井面よりも高いカウンター電極、及び
当該金属導電層を被覆し、且つ当該複数の作用電極及び当該カウンター電極を囲繞する絶縁層であって、当該絶縁層の第2上面が当該複数の作用電極の当該複数の第1天井面と当該金属導電層の当該第1上面との間に介在することで、当該複数の作用電極及び当該カウンター電極を当該絶縁層の当該第2上面から突出させる絶縁層、を含むバイオセンシング装置。
【請求項2】
各当該作用電極の当該第1天井面と当該カウンター電極の当該第2天井面との高低差は0.15μm未満である請求項1に記載のバイオセンシング装置。
【請求項3】
各当該作用電極の当該第1天井面と当該カウンター電極の当該第2天井面との高低差は0.1μm未満である請求項1又は2に記載のバイオセンシング装置。
【請求項4】
各当該作用電極の当該第1天井面と当該カウンター電極の当該第2天井面との高低差は0.05μm未満である請求項1~3のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項5】
各当該作用電極の高さをH1、幅をW1とした時のアスペクト比W1/H1は0.125~7.5の間である請求項1~4のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項6】
各当該作用電極の当該第1天井面から当該第1上面までの第1の高さは0.05μm~1μmの間である請求項1~5のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項7】
各当該作用電極の当該第1天井面から当該第2上面までの第2の高さは0.01μm~0.55μmの間である請求項1~6のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項8】
当該カウンター電極の当該第2天井面から当該第1上面までの第3の高さは0.05μm~1μmの間である請求項1~7のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項9】
当該カウンター電極の当該第2天井面から当該第2上面までの第4の高さは0.01μm~0.55μmの間である請求項1~8のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項10】
当該絶縁層は、当該金属導電層の側壁を被覆する請求項1~9のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項11】
当該絶縁層は、各当該作用電極及び当該カウンター電極の側壁を部分的に被覆する請求項1~10のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項12】
各当該作用電極は円柱体又は正角柱体である請求項1~11のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項13】
各当該作用電極は、少なくとも1つのバイオプローブを含み、且つ、当該バイオプローブは、核酸、細胞、抗体、酵素、ポリペプチド、ペプチド、アプタマー、糖類又はこれらの組み合わせである請求項1~12のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項14】
当該基板は複数の作用電極領域を含み、各当該作用電極領域内に複数の当該作用電極が配置され、且つ、当該カウンター電極は、当該複数の作用電極領域の間に延伸する複数の指状構造を含む請求項1~13のいずれか1項に記載のバイオセンシング装置。
【請求項15】
各当該作用電極領域の長軸と短軸の比は0.8~1.2の間である請求項14に記載のバイオセンシング装置。
【請求項16】
当該カウンター電極は、U型又は環状に各当該作用電極領域を囲繞する請求項14に記載のバイオセンシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング装置に関し、特に、生体分子を検出するためのバイオセンシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種疾病の診断、生理代謝関連の研究、又は環境因子のモニタリング等を行うために、各種の異なる生体分子の検出方法が開発されている。また、半導体製造プロセス技術と精密機械技術を組み合わせることで、半導体素子により、光学・化学・生体分子、又はその他の性質を検知するための微細なチップを製造可能な微小電気機械システム(Micro-electromechanical Systems,MEMS)の発展が注目されている。しかし、装置の高密度化、高パフォーマンス化及び低コスト化を模索すべく、半導体産業がナノテクノロジープロセスノードへと進展するに伴い、製造及び設計面での挑戦が3次元設計の成長を後押ししている。そこで、パフォーマンスに優れ、且つ低コストのバイオセンシングチップを発展させることが、現在早急に解決を要する課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、突出する複数の作用電極及びカウンター電極を含み、カウンター電極の第2天井面を作用電極の第1天井面よりも高くすることで、作用電極の最大電界数値を増大させて、検知感度を向上させるバイオセンシング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施例におけるバイオセンシング装置は、基板、複数の金属導電層、複数の作用電極、カウンター電極及び絶縁層を含む。複数の金属導電層は、基板の上に配置されている。且つ、各金属導電層は第1上面を有している。複数の作用電極は対応する金属導電層の第1上面の上に配置されている。各作用電極は第1天井面を含み、且つ、各第1天井面は金属導電層の第1上面よりも高い。カウンター電極は対応する金属導電層の第1上面の上に配置され、且つ複数の作用電極と隣接している。カウンター電極は第2天井面を含み、且つ第2天井面は第1天井面よりも高い。絶縁層は、金属導電層を被覆し、且つ複数の作用電極及びカウンター電極を囲繞する。複数の作用電極及びカウンター電極が絶縁層の第2上面から突出するよう、絶縁層の第2上面は、複数の作用電極の複数の第1天井面と金属導電層の第1上面との間に介在する。
【0005】
以下に、本発明の目的、技術内容、特性及び達成し得る効果をより理解しやすいよう、具体的実施例に添付の図面を組み合わせて詳細に説明する。
【0006】
本発明の実施例は、下記の詳細な記載に図面を組み合わせて閲読する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の断面図を示す。
図2図2は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図3図3は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図4図4は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図5図5は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図6図6は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図7図7は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図8図8は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図9図9は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図10図10は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図11図11は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図12図12は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の製造プロセスにおける各段階の断面図を示す。
図13図13は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング装置の平面図を示す。
図14A図14Aは、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング装置のAA線の断面図を示す。
図14B図14Bは、図14Aに基づいて記載した断面図の部分拡大図である。
図15図15は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング装置の断面図を示す。
図16図16は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング装置の作用電極、カウンター電極及び基準電極の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示では、続いて、本開示における異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施形態又は実施例を提供する。なお、各特定の実施例における構成及び配置については、本開示を簡略化するよう以下で記載する。これらの実施例は一例にすぎず、本開示を限定するためのものではない。例えば、第1の素子が第2の素子の「上方」又は「上」に形成されているとは、実施例における第1の素子と第2の素子が直接接触している場合を含んでもよいし、第1の素子と第2の素子の間にその他の別の素子が介在しており、第1の素子と第2の素子が直接接触しない場合を含んでもよい。また、本開示における各種の異なる例示では、素子の符号及び/又は表記を繰り返し使用する。この繰り返しもまた簡略化及び明瞭化を目的とするものであって、それら自身が各種実施例及び/又は構造配置間の関係を決定することはない。
【0009】
また、「~の下」、「下面」、「低い」、「上面」、「高い」、及びその他の類似する相対的な空間関係を示す用語は、図中の素子又は特徴と別の素子又は特徴との関係を記載するために使用可能である。更に、これらの相対的な空間関係を示す用語は、図面に記載する方向だけでなく、装置の使用又は操作中の各種の異なる方向についてもカバーする。このほか、上記の装置には、別の案内形態も存在し得るが(90度回転させる、又はその他の方向に向ける)、この場合の相対的な空間関係もまた上記のように解釈可能である。
【0010】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子の断面図を示す。図1に示すように、バイオセンシング素子100は、基板103、金属導電層106、第2絶縁層108、複数の作用電極110及びバイオプローブ112を含む。いずれかの実施例において、基板103は、基材102及び第1絶縁層104を含む。更に、基板103は、例えば、窒化ガリウム(GaN)、炭化ケイ素(SiC)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ゲルマニウム又はこれらの組み合わせといったその他の半導体材料を含み得る(ただし、これらに限らない)。基材102は、例えばシリコン基材とすることができる。技術分野の設計ニーズに応じて、基材102は、各種の異なるドーピング配置を含み得る。一実施例において、基材102は、高濃度ドーピング、低抵抗率の半導体基材とすることができる。別の実施例において、基板103は第1絶縁層104を有さないガラス基板である。
【0011】
第1絶縁層104は基材102の上に配置される。一実施例において、第1絶縁層104は、例えば、シリカ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素といった酸化物、窒化物、窒素酸化物又はこれらの組み合わせを含み得る(ただし、これらに限らない)。バイオセンシング素子100が良好な絶縁性を有するように、第1縁層層104には低誘電率(low-K)の材料を選択する。いずれかの実施例において、第1絶縁層104の厚みは約0.02μm(マイクロメートル)~約0.25μmであり、例えば、約0.10μm、約0.15μm又は約0.20μmとする。
【0012】
金属導電層106は、基板103の上に配置されるとともに、側壁107及び第1上面105を有する。側壁107は、第1上面105と隣接しており、且つ、第2絶縁層108が側壁107を被覆している。一実施例において、金属導電層106は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅・アルミ合金(AlCu)、銅・アルミ・シリコン合金(AlSiCu)又はこれらの組み合わせを含み得る(ただし、これらに限らない)。一実施例において、金属導電層106の厚みは、約0.02μm~約0.7μmであり、例えば、約0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.4μm、約0.5μm又は約0.6μmとする。
【0013】
各作用電極110は、金属導電層106の第1上面105の上に配置されており、且つ、それぞれが第1天井面109及び側壁111を有している。各第1天井面109は、金属導電層106の第1上面105の上方よりも高くなっている。また、各側壁111は各第1天井面109と隣接しており、第2絶縁層108が各側壁111の一部のみを被覆している。各作用電極110は、第1の高さH1を持って金属導電層106の上方に突出している。いくつかの実施例において、各作用電極110の第1の高さH1は、約0.05μm~約1μmであり、例えば、約0.05μm、0.1μm、0.2μm、約0.3μm又は約0.4μmとする。いくつかの実施例において、各作用電極110の幅W1は、約0.08μm~約0.4μmであり、例えば、約0.08μm、0.1μm、0.2μm又は約0.3μmである。一実施例において、各作用電極110アスペクト比(aspect ratio)W1/H1は、約0.125~約7.5の間であり、例えば約0.2又は約0.3とする。
【0014】
本発明の一部の実施例において、これらの作用電極110の形状は、円柱体又は正角柱体とすることができ、例えば、正三角柱体、正四角柱体、正五角柱体、正六角柱体又は正八角柱体とする。いくつかの実施形態において、これらの作用電極110は、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、銅(Cu)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅・アルミ合金(AlCu)、銅・アルミ・シリコン合金(AlSiCu)又はこれらの組み合わせを含み得る(ただし、これらに限らない)。いくつかの実施形態において、これらの作用電極110の材料は、窒化チタン(TiN)とすることが好ましい。
【0015】
バイオプローブ112は、各種の周知の方法でこれらの作用電極110に修飾及び連結可能である。本発明の各種実施形態に応じて、バイオプローブ112は、核酸、細胞、抗体、酵素、ポリペプチド、ペプチド、アプタマー、糖類又はこれらの組み合わせを含み得る(ただし、これらに限らない)。説明すべき点として、上記のバイオプローブ112は各種生体分子を識別可能である。例えば、バイオプローブ112が抗体の場合には、サンプル内の標的分子(即ち、抗原)に結合することで、周知の各種技術で標的分子の存在を検知可能である。
【0016】
第2絶縁層108は、金属導電層106を被覆するとともに、前記作用電極110を囲繞している。第2絶縁層108の第2上面113は、これらの作用電極110が第2絶縁層108の第2上面113から突出するよう、これらの作用電極110の第1天井面109と金属導電層106の第1上面105の間に介在している。上記の突出部分は、各当該第1天井面109から第2絶縁層108の第2上面113までの垂直距離である第2の高さH2を有している。いくつかの実施例において、第2の高さH2は、約0.01μm~約0.55μmであり、例えば、約0.05μm、0.15μm、約0.3μm、約0.45μm、約0.5μm又は約0.6μmとする。これにより、電圧がこれらの作用電極110に印加された場合、当該作用電極110は、電界を発生させてこれらの突出する作用電極110を囲繞する。電界のカバー範囲はこれらの作用電極110の第1天井面109に限らず、これらの作用電極110の側壁111まで延伸する。これにより、電気化学反応を大幅に増大させることで、信号強度を強化する。同一の電圧を印加した場合、立体構造を有する作用電極110は、周知のプレーナー型作用電極よりも優れた感度を提供する。
【0017】
いくつかの実施例において、第2絶縁層108は、例えば、シリカ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素といった酸化物、窒化物、窒素酸化物、又はこれらの組み合わせ、或いはこれらの化合物を含み得る(ただし、これらに限らない)。いくつかの実施例において、第1絶縁層104の材料は第2絶縁層108の材料と同じである。また、いくつかの実施例において、第1絶縁層104の材料は第2絶縁層108の材料と異なっている。
【0018】
このほか、電圧を作用電極110に印加する際には、背景雑音が発生して検出結果に干渉することがある。背景雑音の発生は電極の断面積に関係している。電極の断面積が大きいほど、背景雑音の強度は高くなる。本発明のいくつかの実施形態では、作用電極110に電圧を印加した際に、作用電極110が発生させる電界のカバー範囲は周知のプレーナー型作用電極よりも大きい。電界のカバー範囲はこれらの作用電極110の第1天井面109に限らず、これらの作用電極110の側壁111まで延伸する。そのため、有効電界のカバー範囲が同一の場合、これらの作用電極110の幅は、周知のプレーナー型作用電極の幅よりも小さくなり得る。つまり、本発明の実施形態に基づく作用電極110の幅は周知のプレーナー型作用電極の幅よりも小さくなり得ることから、周知のプレーナー型作用電極よりも小さな断面積を有することになり、背景雑音の発生が低下する。
【0019】
上述したように、いずれかの実施形態において、各作用電極110の第1の高さH1は約0.05μm~約0.6μmである。各作用電極110の第1の高さH1が0.05μmよりも小さい場合には、各作用電極110の突出部分である第2の高さH2は0.01μmよりも小さくなる。この場合、電圧が作用電極110に印加されたときに、有効電界範囲の増加度合が限られてしまい、バイオプローブ112の電気化学反応の向上効果が明らかでなくなる。このように、作用電極110の突出部分が高いほど有効電界のカバー範囲が広がって、電気化学反応が良好となることが知られている。ただし、注意すべき点として、作用電極110のアスペクト比は約0.125~約7.5とする。作用電極110のアスペクト比が7.5よりも大きい場合には、作用電極に構造上の欠陥が発生しやすくなり、装置全体の信頼性が低下する。
【0020】
図2図12は、本発明のいくつかの実施形態に基づくバイオセンシング素子200の製造方法における各製造段階の断面図を示す。図2図3に示すように、基板203を提供する。いくつかの実施形態において、基板203は基材202及び第1絶縁層204を含み、第1絶縁層204が基材202の上に配置される。第1絶縁層204は、原子層堆積(ALD)、物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、化学的酸化(Chemical Oxidation)、熱酸化(Heat Oxidation)、及び/又はその他の適切な方法で形成可能である。一実施例において、第1絶縁層204は、例えば、シリカ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素といった酸化物、窒化物、窒素酸化物又はこれらの組み合わせを含み得る(ただし、これらに限らない)。いくつかの実施例において、形成される第1絶縁層204の厚みは約0.02μm~約0.25μmであり、例えば、約0.10μm、約0.15μm又は約0.20μmとする。
【0021】
続いて、図4を参照する。当該ステップでは、第1絶縁層204の上に金属導電層206を形成する。いくつかの実施形態において、金属導電層206は、PVD、CVD、電子ビーム蒸着(ElectronBeam Evaporation)、スパッタリング、電気めっき、及び/又はその他の適切な製造プロセスで形成可能である。一実施例において、金属導電層206は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅・アルミ合金(AlCu)、銅・アルミ・シリコン合金(AlSiCu)又はこれらの組み合わせを含み得る(ただし、これらに限らない)。一実施例において、形成される金属導電層206の厚みは、約0.3μm~約0.5μmであり、例えば、約0.3μm、約0.4μm又は約0.5μmとする。
【0022】
ここで、図5を参照する。当該ステップでは、導電層208を金属導電層206の上に堆積する。いくつかの実施形態において、導電層208は、PVD、CVD、電子ビーム蒸着(Electron Beam Evaporation)、スパッタリング、電気めっき、及び/又はその他の適切な製造プロセスで形成可能である。いくつかの実施形態において、導電層208は、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、銅(Cu)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)又はこれらの組み合わせを含み得る(ただし、これらに限らない)。いくつかの実施例において、導電層208の厚みは、約0.05μm~約0.6μmであり、例えば、約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm又は約0.4μmとする。
【0023】
ここで、図6図7を参照する。導電層208に対しパターン化プロセスを行って、複数の作用電極212を形成する(例示的に1つの作用電極のみを示す)。図6に示すように、フォトマスク210及びリソグラフィプロセスを利用して、導電層208の上方にパターン化フォトレジスト層(図示しない)を形成する。このフォトレジスト層は、例えば、ポジ型フォトレジストとしてもよいし、ネガ型フォトレジストとしてもよい。続いて、図7を参照する。パターン化フォトレジスト層を利用して導電層208に対しエッチングプロセスを実行することで、複数の作用電極212を形成するとともに、金属導電層206の第1上面205を露出させる。各作用電極212は第1の高さH1を有する。また、各作用電極212は、第1天井面209及び側壁211を有する。各第1天井面209は、金属導電層206における第1上面205の上方よりも高くなっている。各側壁211は各第1天井面209と隣接している。
【0024】
続いて、図8図9を参照する。金属導電層206に対してパターン化プロセスを行う。図8に示すように、フォトマスク214及びリソグラフィプロセスを利用して、作用電極212及び金属導電層206の上方にパターン化フォトレジスト層(図示しない)を形成する。このフォトレジスト層は、例えば、ポジ型フォトレジストとしてもよいし、ネガ型フォトレジストとしてもよい。続いて、図9を参照する。パターン化フォトレジスト層を利用して金属導電層206に対しエッチングプロセスを実行することで、下方の第1絶縁層204における一部の上面を露出させる。これにより、金属導電層206は、第1上面205と隣接する側壁207と、下方に露出する第1絶縁層204の一部の上面を有する。
【0025】
図10を参照して、第1絶縁層204、金属導電層206及び前記作用電極212の上に絶縁材層216を堆積する。当該ステップにおいて、絶縁材層216は、例えば、等角に第1絶縁層204、金属導電層206及び前記作用電極212を被覆すればよい。いくつかの実施形態において、絶縁材層216は複数の層であり、且つ各層の材料が互いに異なっていてもよい。また、いくつかの実施形態において、絶縁材層216は複数の層であり、且つ各層の材料が同一であってもよい。いくつかの実施形態において、絶縁材層は、PVD、CVD、プラズマCVD(Plasma enhanced CVD,PECVD)、及び/又はその他の適切な製造プロセスによって形成可能である。
【0026】
一実施例において、絶縁材層216は、例えば、シリカ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素といった酸化物、窒化物、窒素酸化物又はこれらの組み合わせを含み得る(ただし、これらに限らない)。一実施例において、絶縁材層216はテトラエトキシシランである。
【0027】
続いて、図11を参照する。絶縁材層216に対し平坦化プロセスを行うことで第2絶縁層218を形成する。前記ステップでは、上記の絶縁材層216に対して平坦化プロセスを行うことで、実質的に平坦な上面を有する第2絶縁層218を取得する。一実施例において、平坦化プロセスは、化学機械平坦化(CMP)及び/又はその他の適切な製造プロセスとすることができる。いくつかの実施例において、絶縁材層216は複数層からなる絶縁材層であって、各層の材料が互いに異なっている。これにより、平坦化プロセスの効率が良好となる。
【0028】
最後に、図12を参照する。適切なエッチングプロセスによって一部の第2絶縁層218を除去することで、第2絶縁層218の第2上面213を金属導電層206の第1上面205と前記作用電極212の第1天井面209の間に介在させる。これにより、これらの作用電極212が第2絶縁層218の第2上面213から突出する。上記の突出部分は、各当該第1天井面209から第2絶縁層218の第2上面213までの垂直距離である第2の高さH2を有する。いくつかの実施例において、第2の高さH2は、約0.01μm~約0.5μmであり、例えば、約0.05μm、0.15μm、約0.3μm又は約0.45μmとする。いくつかの実施例では、更に、バイオプローブをこれらの作用電極212の上に修飾することで、バイオプローブをこれらの作用電極212の第1天井面209に連結させてもよい。
【0029】
本発明の各種実施形態に基づき製造されるバイオセンシング素子は、各種バイオセンシング装置に適合可能である。図13は、本発明のいずれかの実施形態におけるバイオセンシング装置300の平面図を示す。また、図14Aは、図13のAA線部分の断面図を示す。図13及び図14Aに示すように、バイオセンシング装置300は、基板303、金属導電層306a、金属導電層306b、第2絶縁層308、複数の作用電極310、カウンター電極(counter electrode)312、バイオプローブ314、信号検知ユニット316及び導線318を含む。
【0030】
各作用電極310及びカウンター電極312は、1又は複数の導線318を介して信号検知ユニット316に電気的に接続可能である。これにより、図14Aに示すように、これらの作用電極310に電圧を印加すると、これらの電極310がそれぞれの電界Eを発生させて、対応する作用電極310を囲繞する。このときに、続いて、テスト対象サンプルを提供して前記バイオプローブ314に接触させる。テスト対象サンプル内の標的分子がバイオプローブ314と結合すると、これらの作用電極310は信号を発生させる。そして、発生した信号が導線318を通じて信号検知ユニット316に伝送されることで、標的分子の存在が検出される。
【0031】
引き続き、図14Aを参照する。金属導電層306bは第1絶縁層304の上に配置されている。また、カウンター電極312が金属導電層306bの上に配置されている。複数の作用電極310は、金属導電層306aにおける第1上面307の上に配置されている。いくつかの実施例において、金属導電層306bの材料は金属導電層306aの材料と同じである。また、いくつかの実施例において、金属導電層306bの材料は金属導電層306aの材料と異なっている。基板303、基材302、金属導電層306a、第2絶縁層308、前記作用電極310、バイオプローブ314は、上述した基板103、基材102、金属導電層106、第2絶縁層108、複数の作用電極110、バイオプローブ112と同様のため、ここでは繰り返し詳述しない。
【0032】
続いて、図14Aに基づいて部分的に拡大した図を示す図14Bを参照する。これらの作用電極310に電圧を印加すると、これらの作用電極310がそれぞれの電界を発生させる。例えば、電界E75は、空間内の75%最大電界強度の各点を接続した電気力線を示している。換言すると、電界E75がカバーする範囲の「内側」における各点の電界強度はいずれも75%最大電界強度よりも大きい。また、例えば、電界E50は、空間内の50%最大電界強度の各点を接続してなる電気力線を示している。換言すると、電界E50がカバーする範囲の「内側」における各点の電界強度はいずれも50%最大電界強度よりも大きい。いくつかの実施形態では、前記作用電極310に電圧を印加すると、75%最大電界強度(即ち、最大電界強度に0.75を掛けたもの)が、第1天井面311から下方に向かって第2の高さH2の約27~40%移動した箇所(即ち、電界E75を接続してなる電気力線がこれらの作用電極310と交差する箇所)に出現する。換言すると、75%最大電界強度は、第2上面313の上方における第2の高さH2の約60~73%の箇所に出現する。いくつかの実施形態では、前記作用電極310に電圧を印加すると、50%最大電界強度(即ち、最大電界強度に0.5を掛けたもの)が、第1天井面311から下方に向かって第2の高さH2の約80~93%移動した箇所(即ち、電界E50を接続してなる電気力線がこれらの作用電極310と交差する箇所)に出現する。換言すると、50%最大電界強度は、第2上面313の上方における第2の高さH2の約7~20%の箇所に出現する。
【0033】
電界解析シミュレーション
【0034】
本実験では、シミュレーション解析ソフトウェアCOMSOL Multiphysics 4.4を用いて電界強度のシミュレーション解析を行った。下記の表1に示したように、作用電極が円形の場合に、実施例1では、半径0.05μmの円形の作用電極を有し、最大電界数値を2.86×10(v/m)とした。また、実施例2では、半径0.1μmの円形の作用電極を有し、最大電界数値を1.85×10(v/m)とした。また、実施例3では、半径0.2μmの円形の作用電極を有し、最大電界数値を7.75×10(v/m)とした。
【0035】
【表1】
【0036】
上記から明らかなように、作用電極の半径が小さくなると最大電界数値は増加した。続いて、下記の表2に示したように、作用電極における突出部分の電界のカバー範囲及び強度についてシミュレーションした。作用電極が従来のプレーナー型作用電極の場合には、高さが0μmのため側壁は存在せず、最大電界強度は、100%、75%又は50%のいずれの場合にも全て作用電極の表面に出現した。続いて、下記の表2に示したように、作用電極の第2の高さH2が0.15μmの場合、作用電極の天井面から下方の絶縁層に向かって計算したところ、75%最大電界強度は作用電極の天井面から0.05μmの箇所に出現し、50%最大電界強度は作用電極の天井面から0.13μmの箇所に出現した。
【0037】
【表2】
【0038】
以上述べたように、本発明の各種実施形態では、バイオセンシング素子が有する作用電極が絶縁層から突出している。電気化学反応では、電界が大きくなるほど帯電物の移動は速くなり、その結果、電流密度が高くなる。
【0039】
周知の電気化学反応の公式は下記の通りである(Electrochemical Methods:Fundamentals and Applications.Allen J.Bard,Larry R.Faulkner,Wiley.ISBN:0471043729)。
【0040】
【数1】
【0041】
(x,t)は、帯電物Aが、位置x、時間tの場合の電流密度を示す。zは、帯電物Aの価数を示す。Dは、帯電物Aの拡散係数を示す。C(x,t)は、帯電物Aが、位置x、時間tの場合の濃度を示す。ε(x)は、帯電物Aが位置xで受ける電界を示す。突出した前記作用電極は電界のカバー範囲を拡大させ、帯電物の移動が電界のカバー範囲拡大の影響を受ける。このことが、電気化学反応の効率向上を助けることで、信号の強度が強化される。このように、本発明の実施形態で製造される作用電極の幅は、周知のプレーナー型電極の面積よりも小さくなり得るため、感度が向上する。
【0042】
図14Aに示す実施例において、作用電極310とカウンター電極312の突出高さは同じである。つまり、作用電極310の第1天井面311とカウンター電極312の天井面は同一平面に位置している。ただし、これに限らない。一実施例において、図15を参照して、第2絶縁層308は、金属導電層306a、306b及びこれらの側壁305を被覆するとともに、作用電極310及びカウンター電極312が第2絶縁層308の第2上面313から突出するよう、作用電極310及びカウンター電極312の側壁309を部分的に被覆している。図14Aに示す実施例との違いとして、図15に示すカウンター電極312の第2天井面3121は作用電極310の第1天井面311よりも高い。一例を挙げると、作用電極310の第1天井面311とカウンター電極312の第2天井面3121との高低差は0.15μm未満である。いくつかの実施例において、作用電極310の第1天井面311とカウンター電極312の第2天井面3121との高低差は、0.12μm未満、又は0.1μm未満、又は0.05μm未満である。
【0043】
一例を挙げると、金属導電層306bから突出するカウンター電極312の第3の高さH3、即ち、カウンター電極312の第2天井面3121から金属導電層306bの第1上面までの第3の高さH3は、0.05μmから1μmの間である。いくつかの実施例において、カウンター電極312の第3の高さH3は、0.1μm、0.15μm、0.2μm、0.25μm、0.3μm、0.35μm、0.4μm、0.45μm、0.5μm、0.55μm、0.6μm又は0.65μmとすることができる。一実施例において、第2絶縁層308から突出するカウンター電極312の第4の高さH4、即ち、カウンター電極312の第2天井面3121から第2絶縁層308の第2上面313までの第4の高さH4は、0.01μmから0.55μmの間である。いくつかの実施例において、カウンター電極312の第4の高さH4は、0.1μm、0.15μm、0.2μm、0.25μm、0.3μm、0.35μm、0.4μm、0.45μm又は0.5μmとすることができる。
【0044】
作用電極の第2の高さH2を0.05μmに設定し、シミュレーション解析ソフトウェアCOMSOL Multiphysics 4.4を利用して、電界強度のシミュレーション解析を行った。解析結果を表3に示す。カウンター電極の第4の高さH4が作用電極の第2の高さH2と等しい場合(比較例2)と比較して、カウンター電極の第4の高さH4が作用電極の第2の高さH2よりも小さい場合(比較例1)には、最大電界数値が低下した。また、カウンター電極の第4の高さH4が作用電極の第2の高さH2よりも大きい場合(実施例4及び実施例5)には、最大電界数値を増大可能であった。注意すべき点として、カウンター電極の第4の高さH4と作用電極の第2の高さH2との高低差が0.15μmより大きい場合(実施例6)にも、最大電界数値は低下した。そのため、カウンター電極の第4の高さH4と作用電極の第2の高さH2との高低差は0.15μm未満とすべきである。
【0045】
【表3】
【0046】
作用電極とカウンター電極との距離も、作用電極の最大電界数値に影響を及ぼすと解釈し得る。一例を挙げると、アレイ状に配列される複数の作用電極のうち、カウンター電極から遠い作用電極の最大電界数値は相対的に小さくなる。作用電極の最大電界数値を向上させるために、図16を参照して、一実施例では、基板を複数の作用電極領域WEAに区分し、各作用電極領域WEA内に複数の作用電極310a、310b又は310cを配置可能とする。カウンター電極312a、312bは、複数の指状構造3122を含む。カウンター電極312a、312bの指状構造3122が複数の作用電極領域WEAの間に延伸することで、カウンター電極312a、312bが各作用電極領域WEAをU型又は環状に囲繞する構造が形成される。これにより、各作用電極領域WEA内の複数の作用電極310a、310b又は310cからカウンター電極312a又は312bまでの距離を類似させることで、カウンター電極312a又は312bから遠い作用電極310a、310b又は310cの最大電界数値を増大させて、信号強度を強化する。一実施例において、各作用電極領域WEAの長軸と短軸の比は0.8~1.2の間である。好ましい実施において、各作用電極領域WEAの長軸と短軸の比は1に近接している。
【0047】
再び図16を参照して、一実施例において、本発明のバイオセンシング装置は、更に、構造がカウンター電極と類似した基準電極319a、319b、319cを含む。即ち、基準電極319a、319b、319cの天井面は作用電極310a、310b、310cの天井面よりも高い。なお、基準電極の機能は本発明分野の技術であって、熟知されているため、ここでは改めて詳述しない。作用電極310a、310bはカウンター電極312aに対応しており、作用電極310cはカウンター電極312bに対応している。作用電極310a、310bは、異なる標的分子を同時に検出するために、それぞれ異なるバイオプローブに接続可能である。或いは、作用電極310a、310bは、検知信号を強化するために同じバイオプローブに接続可能である。一実施例では、基板面積の限界から、複数の作用電極領域WEAをアレイ状に配置するとともに、互いに電気的に接続してもよい。また、作用電極310cは、検知信号を強化するために同じバイオプローブに接続可能である。
【0048】
以上述べたように、本発明におけるバイオセンシング装置の複数の作用電極と1つのカウンター電極はそれぞれ絶縁層から突出しており、且つ、カウンター電極の突出高さが作用電極の突出高さよりも大きくなっている。このようにして、作用電極の最大電界数値を増大可能とすることで、電気化学反応を強化し、検知感度を向上させる。
【0049】
上記では、当業者が本開示内容の態様をより良好に理解し得るよう、複数の実施例の特徴について概略した。当業者は、同一の目的を実現する、及び/又は、本文で導入した実施例と同一の利点を達成するその他の製造プロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として本開示の内容を容易に使用可能であることを理解すべきである。更に、当業者は、これらの等価物の構造は本開示の内容の精神及び範疇を逸脱するものではなく、且つ、本開示の内容の精神及び範疇を逸脱することなく、それらについて各種の変形、置換及び変更を行うことが可能であると認識すべきである。
【符号の説明】
【0050】
100 バイオセンシング素子
102 基材
103 基板
104 第1絶縁層
105 第1上面
106 金属導電
107 側壁
108 第2絶縁層
109 第1天井面
110 作用電極
111 側壁
112 バイオプローブ
113 第2上面
200 バイオセンシング素子
202 基材
203 基板
204 第1絶縁層
205 第1上面
206 金属導電
207 側壁
208 導電層
209 第1天井面
210 フォトマスク
211 側壁
212 作用電極
213 第2上面
214 フォトマスク
216 絶縁材層
218 第2絶縁層
300 バイオセンシング装置
302 基材
303 基板
304 第1絶縁層
305 側壁
306a 金属導電
306b 金属導電
307 第1上面
308 第2絶縁層
309 側壁
310 作用電極
310a、310b、310c 作用電極
311 第1天井面
312 カウンター電極
3121 第2天井面
3122 指状構造
312a、312b カウンター電極
313 第2上面
314 バイオプローブ
316 信号検知ユニット
318 導線
319a、319b、319c 基準電極
E 電界
E75 電界
E50 電界
H1 第1の高さ
H2 第2の高さ
H3 第3の高さ
H4 第4の高さ
WEA 作用電極領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16