(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】除害装置、及びインレットノズル
(51)【国際特許分類】
F23G 7/06 20060101AFI20230329BHJP
F23D 14/48 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
F23G7/06 D
F23D14/48 Z
F23G7/06 N
(21)【出願番号】P 2018113898
(22)【出願日】2018-06-14
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】508275939
【氏名又は名称】エドワーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091225
【氏名又は名称】仲野 均
(74)【代理人】
【識別番号】100096655
【氏名又は名称】川井 隆
(72)【発明者】
【氏名】毛利 信夫
(72)【発明者】
【氏名】阿部 光智
(72)【発明者】
【氏名】田中 正宏
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-053319(JP,A)
【文献】特開2001-355825(JP,A)
【文献】特開平08-313160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 7/00,7/06
F23D 14/48-14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除害用チャンバと、
前記除害用チャンバに隣接して設けられ、絶縁材からなるインシュレータと、
前記インシュレータに内蔵され、除害される排出ガスを前記除害用チャンバへ案内するインレットノズルと、を備えた除害装置であって、
前記インレットノズルは、前記除害用チャンバの軸線方向に沿って配置され、
前記インレットノズルに、金属析出抑制構造を設け
た除害装置
であって、
前記金属析出抑制構造は、前記インレットノズルが、前記除害用チャンバに隣接する部分が
前記軸線方向で全周に渡って所定の長さ短く設定され、前記インシュレータが
前記軸線方向で全周に渡って均一に露出していることを特徴とする除害装置。
【請求項2】
前記インレットノズルを
前記軸線方向で全周に渡って短くする為に設定された箇所は、前記インレットノズルを短くする前の状態で金属系の前記排出ガスを流した際、メタル系生成物が堆積する箇所に対応していることを特徴とする請求項
1に記載の除害装置。
【請求項3】
前記インレットノズルが絶縁材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の除害装置。
【請求項4】
除害用チャンバと、前記除害用チャンバに隣接して設けられ、絶縁材からなるインシュレータと、を備えた除害装置内に設けられ、
前記インシュレータに内蔵され、除害される排出ガスを前記除害用チャンバへ案内するインレットノズルであって、
前記除害用チャンバの軸線方向に沿って配置され、金属析出抑制構造が設けられて
おり、前記金属析出抑制構造は、前記除害用チャンバに隣接する部分が前記軸線方向で全周に渡って所定の長さ短く設定されていることを特徴とするインレットノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除害装置、及びインレットノズルに関する。詳しくは、金属系の析出物の堆積を減少させる除害装置、及び除害装置に設けられたインレットノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体や太陽電池、液晶などを製造する際の工程の1つである成膜のための装置では、Si膜を生成するための真空チャンバ内でシランガス(SiH4)等のプロセスガスを使用する。
使用された後の排ガス(排出ガス)は、半導体製造工程用の装置である真空チャンバに接続された真空ポンプで外部に排気されるが、こうした排ガスには、上述したようなシランガスをはじめ、六フッ化タングステン(WF6)、ジクロルシラン(SiH2Cl2)など、成膜工程により様々な有毒ガスが含まれることが多い。そのため、真空ポンプの排気側には、こうした排ガスを酸化することで無害なガスとして排出するための除害装置が接続される。
この除害装置は、燃焼式やプラズマ式など様々な種類がある。例えば燃焼式除害装置の場合、燃やして空気(酸素)と反応させる酸化反応を起こすことで、有毒ガスを無害なガスに変えている。
【0003】
図6は、従来の除害装置1400にけるインレットノズル1040とコンバスタ(燃焼炉)1404との構成を示した模式図である。
この図に示すように、コンバスタ1404に隣接して、絶縁材であるインシュレータ1700が設けられている。このインシュレータ1700の厚さに対応した長さのインレットノズル1040が、インシュレータ1700内を貫通して設けられている。このインレットノズル1040を通って、排出ガスがコンバスタ1404に送られるようになっている。
ところで、金属(例えば、チタン、六フッ化タングステン)を含んだ排出ガス(以下、金属系排出ガスとする)が、インレットノズル40を通ってコンバスタ404に送られると、コンバスタ1404からの熱の輻射を受けて、インレットノズル140の先端部(コンバスタ1404に隣接した部分)で、還元反応を起こし、メタル系生成物として析出し、時間の経過とともに徐々にメタル系生成物Xとして堆積していくことになる。
このメタル系生成物が析出する現象は、高温と電子の供給(ステンレススチール製のインレットノズル1040自体からの供給)により発生する。
【0004】
このメタル系生成物Xは、硬度が非常に高く、一旦堆積すると、スクレイパ1408(
図4参照、堆積物を掻き取る装置)を用いての除去が困難であった。すなわち、
図6に示すように、スクレイパ1408の動きを阻止してしまう程、強固に固着してしまう。この状態を放置すると、徐々に流路が閉塞してしまうことになる。
そのため、除害装置1400のメンテナンス(オーバーホール)サイクルが短くなってしまうという問題が発生していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、付着するメタル系生成物の堆積物の量を低減させ、メンテナンスの周期を長くすることができるインレットノズル、及び当該インレットノズルを備える除害装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、除害用チャンバと、前記除害用チャンバに隣接して設けられ、絶縁材からなるインシュレータと、前記インシュレータに内蔵され、除害される排出ガスを前記除害用チャンバへ案内するインレットノズルと、を備えた除害装置であって、前記インレットノズルは、前記除害用チャンバの軸線方向に沿って配置され、前記インレットノズルに、金属析出抑制構造を設けた除害装置であって、前記金属析出抑制構造は、前記インレットノズルが、前記除害用チャンバに隣接する部分が前記軸線方向で全周に渡って所定の長さ短く設定され、前記インシュレータが前記軸線方向で全周に渡って均一に露出していることを特徴とする除害装置を提供する。
請求項2記載の発明では、前記インレットノズルを前記軸線方向で全周に渡って短くする為に設定された箇所は、前記インレットノズルを短くする前の状態で金属系の前記排出ガスを流した際、メタル系生成物が堆積する箇所に対応していることを特徴とする請求項1に記載の除害装置を提供する。
請求項3記載の発明では、前記インレットノズルが絶縁材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の除害装置を提供する。
請求項4記載の発明では、除害用チャンバと、前記除害用チャンバに隣接して設けられ、絶縁材からなるインシュレータと、を備えた除害装置内に設けられ、前記インシュレータに内蔵され、除害される排出ガスを前記除害用チャンバへ案内するインレットノズルであって、前記除害用チャンバの軸線方向に沿って配置され、金属析出抑制構造が設けられており、前記金属析出抑制構造は、前記除害用チャンバに隣接する部分が前記軸線方向で全周に渡って所定の長さ短く設定されていることを特徴とするインレットノズルを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インレットノズルに設けられた金属析出抑制構造により、インレットノズルの先端部に付着するメタル系生成物の堆積物の量を低減させ、メンテナンスの周期を長くするインレットノズル、及び当該インレットノズルを備える除害装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る除害装置におけるインレットノズルとコンバスタの構成を示した模式図である。
【
図2】本発明に係るインレットノズルを備える除害装置が配設されるシステム・レイアウトを説明するための概略構成例を示した図である。
【
図3】本発明に係るインレットノズルを備える除害装置の概略構成例を示した図である。
【
図4】本発明に係るインレットノズルを備える除害装置におけるインレットヘッド周辺を説明するための図である。
【
図5】本発明に係るインレットノズルを説明するための図である。
【
図6】従来の除害装置におけるインレットノズルとコンバスタの構成を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態の概要
本実施形態に係るインレットノズル40は、コンバスタ404に隣接した部分、すなわち、メタル系生成物が付着して堆積する部分を予め切断(除去)してある。そのため、その部分は、材質がセラミックスであるインシュレータ700が露出した状態となっている(金属析出抑制構造)。セラミックスは電子の供給が少ないため、コンバスタ404の熱を受けて高温になっても、還元反応を起こしにくい。
したがって、金属系排出ガスを流してもメタル系生成物として析出し、時間の経過とともに徐々に堆積することを抑制できる。
よって、コンバスタ404に隣接する部分に付着する堆積物を低減することができるので、除害装置400のメンテナンスの周期を長くすることができる。
【0010】
(2)実施形態の詳細
以下、本発明の好適な実施の形態について、
図1から
図5を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る除害装置400におけるインレットノズル40とコンバスタ404の関係を示した模式図である。
本実施形態に係るインレットノズル40は、インレットノズル40のコンバスタ(除害用チャンバ)404に近い部分を一定の長さで切断(除去)し短くしてある。すなわち、通常金属系排出ガスを流した際、メタル系生成物として析出し、時間の経過とともに徐々に堆積する箇所を予め除去してある。
そのため、インシュレータ700のコンバスタ404に隣接した部分が、排出ガスの通路に対して露出した状態になっている(露出部W)。このインシュレータ700は、セラミックス製であるため、ステンレススチール製であるインレットノズル40に比べて、電子の供給が少ない。よって、金属系排出ガスを流してもメタル系生成物として析出し、その場所に強固に付着することを防止できる。
【0011】
この構成により、インシュレータ700の露出部Wには、コンバスタ404からの熱の輻射を受けても、還元反応を起こしにくく、メタル系生成物として析出し、時間の経過とともに徐々に堆積することがない。
よって、コンバスタ404に隣接する部分に付着する堆積物を低減することができるので、除害装置400のメンテナンスの周期を長くすることができる。
【0012】
図2は、本発明の実施形態に係るインレットノズル40を備える除害装置400が配設されるシステム・レイアウトを説明するための概略構成例を示した図である。
なお、この実施形態では、インレットノズル40が配設される除害装置400は、一例として燃焼式の除害装置とする。しかし、本発明の実施形態に係るインレットノズル40が配設される除害装置400は燃焼式に限定されることはなく、例えば、他に、ヒータ式やガソリンエンジン式の除害装置400などに配設することができる。
クリーンルーム200内に設置されるウェハ成膜装置などのプロセス装置(プロセスチャンバ)100は、真空配管500を介してドライポンプ300と連結される。そして、ドライポンプ300は、排気配管600を介して除害装置400と連結される。
除害装置400の外装体を形成するケーシングは、略円筒状の形状であり、上端には蓋部としてインレットヘッド403(
図3)が構成されている。なお、ケーシングは必ずしも略円筒状である必要はなく、内部が空間且つ外部から隔離されている構成であればよい。
【0013】
図3は、本発明の実施形態に係るインレットノズル40が配設される除害装置400の概略構成例を示した図であり、図中の矢印Gは除害ガスを含む排出ガスの流れを示している。
プロセス装置100から排出された有毒ガスを含む排出ガスは、真空配管500を通ってドライポンプ300を経由し、排気配管600を通って除害装置400へ運ばれる。
そして、インレット三方弁401により、可燃排気ダクトに排出される排出ガスと、コンバスタ(燃焼炉)404へ送られる排出ガスとに分かれる。
当該排出ガスは、インレット配管402を通ってインレットヘッド(ガス導入部)403を経由し、コンバスタ404へ運ばれる。
コンバスタ404は、有毒ガスを含む除害ガスを燃焼処理する空間であり、内部温度は約800℃前後である。インレットヘッド403の内側は、断熱の為、インシュレータ700が設置され、そのインシュレータ700にインレットノズル400が内蔵されている。
【0014】
本実施形態に係る除害装置400は、燃焼炉であるコンバスタ404と排出ガス温度冷却部であるクエンチ405とを備えている。
コンバスタ404は、半導体製造工程の図示していないCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)装置からドライポンプ等の真空ポンプ300を介して排出される、可燃性ガスやクリーニングガスの処理対象ガスを、インレット配管402を介して、除害装置400の導入口であり、コンバスタ404の上流端に配設されたインレットヘッド403から導入して高温で燃焼分解する。
なお、可燃性ガスは、無色の気体で有毒なシランガス(SiH4)、無色(黄色)の毒性高圧ガスの六フッ化タングステン(WF6)、ジクロルシラン(SiH2Cl2)などであり、クリーニングガスはアンモニア(NH3)などである。
本実施形態では、真空ポンプから排気され、インレットヘッド403から導入された排出ガスをコンバスタ404で燃焼分解する。この燃焼分解によって、排出ガスに含まれていた有毒ガスが無害化される。
【0015】
この燃焼分解によって生じた排出ガスは、ガス温度冷却部であるクエンチ405で約800℃から約80℃にまで冷却される。なお、排出ガスの冷却は冷却水を使用している。
そして、冷却済みの排出ガスや燃焼分解によって生じた微粒子ダストが、コンバスタ404の排出口(下流端)から排出され、粉体除去部であるサイクン406を経由し、湿式除害部であるパックドタワー407へ導入される。フッ化水素(HF)や塩化水素(HCl)などの水溶性ガスは、この部分で溶解される。その後排出ガスは、酸排気ダクトへ送られ、排気される。
なお、本実施形態では、サイクン406及びパックドタワー407はポリプロピレンで製造されている。
【0016】
図4は、本発明の実施形態に係るインレットノズル40を備える除害装置400におけるインレットヘッド403周辺を説明するための図である。
図4(a)は、
図3α部(インレット配管402、インレットヘッド403、コンバスタ404、後述するスクレイパ408)の全体図であって軸線方向の断面図を示し、
図4(b)は、
図3α部(インレットノズル40、インレットヘッド403)を排出ガスの流れの上流側から見た場合の図を示している。
本実施形態では、一例として、インレットヘッド403には、インレットノズル40が配設される導入孔409が4つ設けられた構成にしているが、この導入孔409の数は、必要に応じて6つや8つ等と適宜変更することが可能である。
なお、本発明の実施形態に係るインレットヘッド403の材料は、一例として、耐熱性、加工性の観点から、ステンレススチールが望ましい。
【0017】
インレットノズル40内部には、インレットノズル40の下流側(コンバスタ404側)の端に付着した堆積物を除去するためのスクレイパ408が配設される。
排出ガスを流した際に、析出する生成物の堆積物をこのスクレイパ408で掻き取ることにより取り除く。しかし、メタル系の排出ガスによる生成物は、硬度が非常に高く、一旦堆積すると、除去するのが極めて困難である。
なお、本実施形態では、スクレイパ408は弾性体(バネ)の構成としたが、これに限られることはない。例えば、スクレイパを棒状、刃状、へら状の構成にしてもよい。
【0018】
図5は、本発明の実施形態に係るインレットノズル40を説明するための図である。
図5(a)は、インレットノズル40の軸線方向断面図を示した図であり、
図5(b)は、インレットノズル40が配設されたインレットヘッド403を下(排出ガスが流れた場合の下流側)から見た図である。このインレットノズル40の下端がコンバスタ404に隣接している。
本実施形態に係るインレットノズル40の材料は、上記したようにステンレススチール製であるが、他にニッケル基超合金であるInconel:インコネル(登録商標)や、ハステロイであってもよい(金属析出抑制構造)。
本実施形態に係るインレットノズル40は、除害装置400においてインレット配管402とインレットヘッド403とを連通させる部品であり、内部に空洞を有する略筐体であり、フランジ部41、筐体側部42、切断面43、(旧底部44)などにより構成される。
フランジ部41は、インレットノズル40の軸線方向上側(即ち、流れる気体の上流側)に位置し、インレット配管402と嵌合される。
筐体側部42はインレットノズル40の側面を構成し、本実施形態では円筒体の筐体であり、インレットヘッド403に設けられた導入孔409に嵌合される。
【0019】
本実施形態に係るインレットノズル40では、一例として、インレットノズル40全体の軸線方向の長さ(切断前)L1を約76.6ミリメートル、切断部分の長さL2を10.0ミリメートル、フランジ部41の軸線方向の長さL4を6ミリメートルとして構成した。そのため、切断後のインレットノズル40の軸線方向の長さL3は、66.6ミリメートルとなる。インレットノズル40全体の軸線方向の長さ(切断前)L1は、
図1におけるインシュレータ700の軸線方向の厚さに対応している。よって、
図1におけるインシュレータの露出部Wは、軸方向の長さが10.0ミリメートルとなる。
【0020】
本実施形態における切断部分の長さは、金属系排出ガスを流した際、メタル系生成物として析出し、堆積する箇所に対応している。すなわち、コンバスタ404の熱量を多く受け取るコンバスタ404に近接した部分を予め切断している。この切断部分の長さは、流す金属系排出ガスの種類、コンバスタ404の温度などの条件によって、適宜設定される。
但し、50%以上切断することは、インレットノズル40の排出ガスのガイドとしての役割に支障が生じる恐れがあるため望ましくない。本実施形態では、4%から20%程度が望ましく、特に10%の前後3~4%程度が望ましい。
なお、インレットノズル40を切断しても、切断面43に近い部分では、依然としてコンバスタ404からの熱量を受け取ることとなる。しかしながら、従来の底面である旧底部44よりも距離が遠ざかるため、受け取る熱量が低減し、メタル系生成物も抑制できる。
【0021】
また、本発明の実施形態に係るインレットノズル40では、一例として、インレットノズル40のフランジ部41の外径d1を33ミリメートル、フランジ部41の内径(インレットノズル40の筐体上部の内径)d2を24ミリメートル、筐体側部42の外径d3を26.7ミリメートルとして構成した。
【0022】
上述した構成により、本実施形態に係るインレットノズル40が配設された除害装置400では、インレット配管402から導入される排出ガス(金属系排出ガス)は、インレットノズル40を通り抜け、コンバスタ404に送られる。そして、インレットノズル40の下端部では、インレットノズル40が短縮されているため、排出ガス(金属系排出ガス)は、インシュレータ700の露出部Wに接触しながら流され、コンバスタ404に流入する。
なお、インレットノズル40の内面(金属系排出ガスに接触する部分)は、可能な限り滑らかな材質、状態が好ましい。表面が滑らかであると、メタル系生成物が付着しにくくなるとともに付着しても剥がれやすくなるからである。
【0023】
(3)第2の実施形態
第2の実施形態では、インレットノズル40を絶縁材で製造したものを用いる(金属析出抑制構造)。絶縁材で製造することで、電子の供給が低減し、金属系排出ガスの還元反応が起こりにくくなる。そのため、メタル系生成物の堆積を抑制できる。
但し、インレットノズル40の先端部は、コンバスタ404に隣接しているため、かなりの高温となるため、耐熱性の高い材料が望ましい。
したがって、用いる材料は、絶縁性があり、耐熱性があり、且つ加工性を考慮すると展延性のある材料が好ましい。
具体的には、快削性のセラミックス(マシナブルセラミックス)などがある。
【0024】
なお、本発明の実施形態は、必要に応じて各々を組み合わせる構成にしてもよい。
【0025】
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができる。そして、本発明が当該改変されたものに及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0026】
40 インレットノズル
41 フランジ部
42 筐体側部
43 切断面
44 旧底部(切断前)
100 プロセス装置
200 クリーンルーム
300 ドライポンプ(真空ポンプ)
400 除害装置
401 インレット三方弁
402 インレット配管
403 インレットヘッド
404 コンバスタ
405 クエンチ
406 サイクン
407 パックドタワー
408 スクレイパ
409 導入孔
500 真空配管
600 排気配管
700 インシュレータ
W 露出部
X メタル系生成物