(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】吸引器用の気化装置及び気化装置を制御するための方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20230329BHJP
【FI】
A24F40/57
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018156891
(22)【出願日】2018-08-24
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】10 2017 119 521.1
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】595112018
【氏名又は名称】ケルバー・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ケスラー
(72)【発明者】
【氏名】グンナー・ニーブーア
(72)【発明者】
【氏名】レーネ・シュミット
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/046387(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0057811(US,A1)
【文献】特表2015-532828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの電子制御装置(21)と
複数の加熱要素(36)とを有する吸引器(10)用の気化装置(20)であって、この気化装置(20)は、1つの液体タンク(12)から供給された
、異なる沸騰温度と異なる生理作用とを有する異なる複数の物質から成る液体を気化するように構成されていて、当該気化した液体が、前記気化装置(20)を貫流する空気流によって収集される当該気化装置(20)において、
前記電子制御装置(21)は、前記
複数の加熱要素(36)を可変な
異なる複数の制御周波数によって加熱するように構成されていることを特徴とする気化装置(20)
【請求項2】
前記電子制御装置(21)は、気化した液体の多様な蒸気粒子サイズの分布が得られるように、複数の加熱要素(36)の制御周波数を制御するように構成されていることを特徴とする請求項
1に記載の気化装置(20)。
【請求項3】
前記電子制御装置(21)は、前記
複数の加熱要素(36)の制御周波数を前記液体タンク(12)の排出期間にわたって変化させるように構成されていることを特徴とする請求項
1又は2に記載の気化装置(20)。
【請求項4】
前記電子制御装置(21)は、前記液体タンク(12)の排出の進行と共に前記
複数の加熱要素(36)の制御周波数を高くするように構成されていることを特徴とする請求項
3に記載の気化装置(20)。
【請求項5】
前記電子制御装置(21)は、前記
複数の加熱要素(36)の制御周波数を1つの吸引の期間にわたって変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の気化装置(20)。
【請求項6】
前記電子制御装置(21)は、気化した液体の希望した、例えば5μm以下の蒸気粒子サイズが得られるように、前記
複数の加熱要素(36)の制御周波数を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の気化装置(20)。
【請求項7】
前記電子制御装置(21)は、前記
複数の加熱要素(36)の制御周波数を少なくとも10Hz、特に最大で20kHzに設定するように構成されていることを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の気化装置(20)。
【請求項8】
前記
複数の加熱要素(36)の抵抗値を測定するように構成されている1つの制御測定装置(22)が設けられていることを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の気化装置(20)。
【請求項9】
前記制御測定装置(22)は、前記
複数の加熱要素(36)に直列に接続された1つの基準抵抗(25)を有することを特徴とする請求項
8に記載の気化装置(20)。
【請求項10】
前記制御測定装置(22)は、少なくとも1つの演算増幅器(23)を有することを特徴とする請求項
8又は9に記載の気化装置(20)。
【請求項11】
前記制御測定装置(22)は、少なくとも1つの切り替え装置(24)を有することを特徴とする請求項
8~10のいずれか1項に記載の気化装置(20)。
【請求項12】
以下の措置:
-前記気化装置(20)の状態制御、監視及び/又はエラー検出、
-前記気化装置(20)の制御及び調整、
-前記
複数の加熱要素の温度の算出、
のうちの1つの措置又は複数の措置が、前記制御測定装置(22)の測定値に基づいて実行されることを特徴とする請求項
8~11のいずれか1項に記載の気化装置(20)。
【請求項13】
前記
複数の加熱要素(36)は、マイクロシステム技術ユニットとして構成されていることを特徴とする請求項1~
12のいずれか1項に記載の気化装置(20)。
【請求項14】
1つの電子制御装置(21)と
複数の加熱要素(36)とを有する吸引器(10)用の気化装置(20)を制御するための方法であって、この気化装置(20)は、1つの液体タンク(12)から供給された
、異なる沸騰温度と異なる生理作用とを有する異なる複数の物質から成る液体を気化するように構成されていて、当該気化した液体が、前記気化装置(20)を貫流する空気流によって収集される当該方法において、
前記電子制御装置(21)は、前記
複数の加熱要素(36)を可変な
異なる複数の制御周波数によって加熱することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの電子制御装置と少なくとも1つの加熱要素とを有する吸引器用の気化装置に関する。この場合、気化装置が、液体タンクから供給された液体を気化するように構成されていて、当該気化した液体が、当該気化装置を貫流する空気流によって収集される。
【背景技術】
【0002】
市場に実際に存在する気化装置の大部分が、電子タバコ製品で実現されていて、いわゆる巻芯・巻線の原理(Docht-Wendel-Prinzip)に基づく。例えばガラス繊維から成る巻芯が、加熱巻線によって平行に巻き付けられていて、液体タンクに接続している。当該加熱巻線の加熱時に、当該巻芯中に存在する液体が、この加熱巻線の領域内で気化する。一般に、当該液体は、異なる沸騰温度と異なる生理作用とを有する異なる複数の物質から成る混合物である。その蒸気粒子サイズが、当該作用を制御するために調整される。何故なら、異なるサイズの蒸気粒子が、異なる速さで身体によって吸収されるからである。適切な電子制御装置の使用が、加熱巻線として構成された加熱要素の加熱温度を調整することによって、発生したエアゾール中に存在する蒸気粒子の蒸気粒子サイズの適切な調整を可能にする。このような電子タバコは、米国特許出願公開第2016/0021930号明細書(R.J. Reynolds Tobacco Company)に例示されている。
【0003】
当該液体中に存在する複数の物質の異なる沸騰温度に起因して、当該液体タンクが空になることなしに、例えば、低い沸騰温度を有する1つの物質が、適切な使用期間後に完全に残留し得る。したがって、発生するエアゾールの生理作用又は風味作用が、喫煙の進行中に変化する。例えばニコチンが残留すると、吸い心地(Raucherlebnis)が阻害され得る。
【0004】
さらに、制御不可能な温度発生によって、当該液体若しくは当該液体中に存在する物質の望まない部分的な加熱及び過加熱が引き起こされ得る。したがって、望まない有害物質が排出し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2016/0021930号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、安全で、高品質で且つエネルギー効率の良い気化装置を提供することにある。当該気化装置の場合、作用物質が確実に投与され、起こり得る過加熱の危険と、これに関連する有害物質の排出とが回避され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、独立請求項に記載の特徴によって解決される。少なくとも1つの加熱要素が、可変な制御周波数によって加熱されるように、電子制御装置が構成されていることが提唱される。
【0008】
幾何構造と適切に適合された液体供給のほかに、少なくとも1つの加熱要素を加熱する制御周波数が、エアゾール中に存在する蒸気粒子のサイズに影響を及ぼすことが分かっている。様々な周波数によるパルス又はさもなければ加熱で発生する蒸気量は、異なり、それ故に適切に調整可能である。さらに、当該エアゾールの蒸気粒子サイズが、当該使用される加熱要素の幾何構造に依存して、当該蒸気量によって著しく変化する。高い制御周波数が、より小さい蒸気粒子の生成を促進する一方で、低い制御周波数が、より大きい蒸気粒子の生成を引き起こす。本発明によれば、液体中に存在する物質の収集及び作用が、蒸気粒子サイズによって当該制御周波数を用いて調整される。さらに、加熱温度が、当該液体中に存在する物質に応じて調整され得、過加熱が回避され得る。さらに、当該周波数を通じて蒸気粒子サイズを調整することによって、気化に必要なエネルギーが、当該温度の調整に比べて改善されることが分かっている。
【0009】
可変な制御周波数による本発明の加熱は、可変なサイズと可変な作用とを有する蒸気粒子の生成を可能にする。用語である可変な制御周波数は、制御周波数の時間的な変化及び/又は場所的な変化を意味する。生理作用物質の投与が、例えば時間的に変化する制御によって制御され得る。そして、吸い心地が改善されるように、例えば、ニコチンの供給が、喫煙時に調整される。
【0010】
好適な実施の形態では、多様な蒸気粒子サイズの分布を達成するため、電子制御装置が、少なくとも1つの加熱要素を異なる制御周波数によって加熱するように構成されている。異なる複数の制御周波数による少なくとも1つの加熱要素の加熱は、複数の制御周波数が重畳され得、したがって当該少なくとも1つの加熱要素が複数の周波数によって同時に加熱され得ることを意味する。当該少なくとも1つの加熱要素が、異なる制御周波数によって異なる複数の領域に区分されているように、複数の制御周波数が、当該少なくとも1つの加熱要素に包括的に印加され得るか又は当該少なくとも1つの加熱要素の特定の場所に印加され得る。
【0011】
特に、気化装置は、複数の加熱要素を有し、このため、電子制御装置は、異なる複数の加熱要素を異なる複数の制御周波数によって加熱するように構成されている。異なる複数の蒸気粒子サイズが、異なる複数の加熱要素を異なる複数の制御周波数を用いて制御することによって同時に生成され得る。それぞれの加熱要素が、例えば1つ又は複数の蒸気粒子サイズを生成する。当該蒸気粒子は、当該気化装置を貫流する空気流によって収集され得、使用者に供給され得る。
【0012】
好ましくは、当該電子制御装置は、気化した液体の多様な蒸気粒子サイズの分布が得られるように、複数の加熱要素の制御周波数を制御するように構成されている。複数の加熱要素が、異なる複数の周波数によって並行して制御されると、調整可能な多様な蒸気粒子サイズの分布が達成され得る。例えば、例えば5μmよりも大きい蒸気粒子と、例えば1μmよりも小さい蒸気粒子とを生成したい場合、これらの加熱要素のうちの少なくとも1つの加熱要素が、大きい蒸気粒子を生成し、これらの加熱要素のうちの少なくとも1つの加熱要素が、小さい蒸気粒子を生成するように、これらの加熱要素は制御され得る。このため、特に、小さい蒸気粒子用の少なくとも1つの加熱要素が、高い制御周波数によって加熱され、大きい蒸気粒子用の少なくとも1つの加熱要素が、低い周波数によって加熱される。同様に、その他の加熱要素が、特定のサイズの蒸気粒子を生成するために追加されてもよい。
【0013】
結果として得られた蒸気粒子サイズの分布は、多様であり、希望した蒸気粒子サイズの場合に複数の最大値を有する。このことは、例えば、肯定的な吸い心地に寄与する。何故なら、小さい蒸気粒子は、気道の深くに侵入し、ニコチンやその他の物質が、当該気道で効果的に作用する一方で、大きい蒸気粒子は、風味に関して良好に知覚され得るからである。当該多様な分布の適切な調整は、生理作用と風味作用との適切な調整に相当する。(小さい蒸気粒子が)当該作用を迅速に発揮させるが、(大きい蒸気粒子が)当該作用を長時間持続して発揮させるため、小さい蒸気粒子と大きい蒸気粒子との1:1の比が考えられる。
【0014】
好適な実施の形態では、電子制御装置は、少なくとも1つの加熱要素の制御周波数を液体タンクの排出期間にわたって変化させるように構成されている。当該液体中に存在する複数の物質の複数の濃度が、それらの異なる沸騰温度及び/又は揮発性に起因して、当該液体タンクの排出期間にわたって変化する。当該液体タンク内に含まれている液体が、気化中に進行する特定の蒸留によって分解する。すなわち、より高い温度で沸騰する成分が蓄積する。その結果、作用物質が、不均一に放出される。例えば、液体タンクが、例えば半分空になった以降は、ニコチンが著しく少なく存在する。個々の物質の作用物質の希望した生理作用が、特に、当該液体タンクの排出期間にわたって制御周波数を変化させることによって達成され得る。
【0015】
特に、電子制御装置は、液体タンクの排出の進行と共に少なくとも1つの加熱要素の制御周波数を高くするように構成されている。例えばニコチンは、比較的低い温度で気化する。それ故に、温度と蒸気粒子サイズとが一定の場合に、吸引ごとに収集されるニコチンの量が、当該液体タンクの排出期間にわたって低下する。蒸気粒子を適合することによって、例えば、当該液体タンクの排出期間の開始時の大きい蒸気粒子(身体内の遅延作用)と、当該終了時の小さい蒸気粒子(速攻作用)とによって、主観的な作用感覚が均一にされ得、濃度の変化が相殺され得る。肯定的な吸い心地を支援するため、制御周波数を当該液体タンクの排出期間にわたって高くし、より小さい多数の蒸気粒子を生成して、吸い心地を一定に保持することが提唱される。
【0016】
少なくとも1つの加熱要素の制御周波数を1つの吸引の期間にわたって変化させることが有益である。当該制御周波数、すなわち蒸気粒子サイズが調整されるときに、生理作用及び風味作用が、1つの吸引の期間にわたって肯定的な影響を受ける。気化した液体の希望した、例えば5μm以下の蒸気粒子サイズが得られるように、特に、少なくとも1つの加熱要素の制御周波数が適切に調整され得る。5μmよりも小さい直径又は空気動力学的中央粒子径(MMAD)を有する蒸気粒子が、上方の気道に残留しないで、気管支内に侵入する。その結果、ニコチン又は例えば治療のための作用物質の吸収が促進される。当該空気動力学的中央粒子径は、より小さい直径とより大きい直径とを有するそれぞれの粒子の全体が、全ての粒子の総質量の中央値に換算される直径である。特に好適な実施の形態では、蒸気粒子サイズは、0.2μm以下である。1μmよりも小さいMMAD又は直径を有する非常に小さい当該蒸気粒子は、肺胞まで侵入し、当該肺胞で血液脳関門を非常に速く通過する。したがって、作用が、当該蒸気粒子サイズに応じて早く又は遅く開始する。したがって、当該作用時間は、蒸気粒子サイズを調整することによって制御され得る。
【0017】
好適な実施の形態では、少なくとも1つの加熱要素の制御周波数が、少なくとも10Hz、特に最大で20kHzに設定される。好適な実施の形態では、本発明の可変な制御周波数は、10Hz~20kHz、特に好ましくは500Hz~2kHzの範囲内にある。当該周波数は、1つの加熱装置のそれぞれの加熱要素に対して別々に調整され得る。したがって、蒸気粒子サイズの好ましい分布と、エネルギー効率の良い加熱とが促進され得る。
【0018】
少なくとも1つの加熱要素の抵抗値を測定することが有益である。当該加熱要素が、サーミスタとして構成されている場合、温度が、抵抗値を測定することによって算出され得る。特に、作動状態、液体で浸漬された(偽物の液体で浸漬された、液体で浸漬されなかった、非常に少ない液体で浸漬された、正しい液量で浸漬された、及び/又は非常に多い液体で浸漬された)加熱要素の状態、及び/又は起こり得るエラー機能が診断され得る。好適な実施の形態では、制御測定装置が、データ処理装置を有するか又はデータ処理装置に接続されている。
【0019】
好ましくは、制御測定装置は、加熱要素に直列に接続された1つの基準抵抗を有する。特に、それぞれの加熱要素が、独立した1つの基準抵抗に直列に接続されている。このことは、当該1つの加熱要素又は当該複数の加熱要素の正確な抵抗測定を可能にする。
【0020】
特に、制御測定装置は、少なくとも1つの演算増幅器を有する。1つの演算増幅器が、加熱要素に通電する電流を増幅でき、データ処理装置による簡単な評価を可能にする。
【0021】
好適な実施の形態では、制御測定装置は、切り替え装置を有する。この切り替え装置は、加熱電力(加熱出力)が加熱要素に印加されない(後続フェーズの)ときに、制御測定装置をオンにし、加熱電力が加熱要素に印加される(加熱フェーズ又は気化フェーズの)ときに、制御測定装置をオフにする。しかし、測定が、気化フェーズにおける加熱パルス内に実行されてもよい。当該切り替え装置の測定結果が、特に共通のデータ処理装置内で有益に処理される。
【0022】
好ましくは、以下の措置のうちの1つの措置又は複数の措置が、測定値に基づいて実行される。
-気化装置の状態制御、監視及び/又はエラー検出、
-適切な時間スケールによる気化装置の制御及び調整、
-少なくとも1つの加熱要素の温度の算出。
【0023】
電子制御装置は、管理、調整、制御又はその他の測定のような上記の措置を測定値に基づいて実行するように構成されている。
【0024】
特に、少なくとも1つの加熱要素は、マイクロシステム技術ユニットとして構成されている。マイクロシステム技術ユニット(微小電気機械システム(MEMS))が、特に、非常に小さい熱容量及び/又は高い熱伝導率を有する。これにより、当該加熱要素は、低い熱慣性を有し、その温度を迅速に変化でき、非常に迅速な気化を引き起こし得る。迅速な温度変化は、特に高い周波数の場合に有益であり、非常に小さい蒸気粒子の生成を可能にする。
【0025】
以下に、本発明を好適な実施の形態に基づいて添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、例えば電子タバコ製品の吸引器10の構成を概略的に示す。この吸引器は、主に、1つの吸口15と1つ又は複数の空気吸入口16とを有するロッド状又は円柱状のハウジング11を含む。この場合、吸口15は、使用者が吸引を目的として吸引する端部を示す。空気流路が、吸口15と空気吸入口16との間に設けられている。空気流17が、この空気流路を通過可能である。使用者が、吸口15で吸引すると、吸引器10が減圧される。この減圧によって、空気流17が、空気流入口16と吸口15との間の給気流路内に発生する。空気吸入口16は、ハウジング11の鞘側に配置され得る。さらに又は代わりに、少なくとも1つの空気吸入口16が、吸口15の反対側にある吸引器10の端部に設けられてもよい。
【0028】
空気流17は、ハウジング11内に配置された気化装置20を通過する。液体が、1つの液体タンク12から気化装置20に供給され、この気化装置20は、少なくとも1つの加熱装置36を有する。吸引器10は、気化すべき液体を貯蔵する液体タンク12を有する。液体タンク12の好適な容積は、0.1~5mlの範囲内であり、特に0.5~3mlであり、さらに特に0.7ml~2mlであり、又は1.5mlである。液体タンク12は、特に密閉されている表面を有し、特にフレキシブルな小さい袋である。好ましくは、当該液体は、気化した液体として供給される。
【0029】
液体を気化し、ガス及び/又はエアゾールとして空気流17に混入するため、液体が、液体タンク12から気化装置20に供給され電気制御される。気化装置20は、ハウジング11の軸方向の加熱区間内に配置されている。
【0030】
気化装置20内で発生するエアゾールの量は、印加する電圧を変化させることによっても変更可能であり、並列に使用される加熱要素36の数を変化させることによっても変更可能である。電圧が、例えばパルス化され、発振され、又はパルス幅変調によってこれらの加熱要素36に印加される。電圧の特性、例えば振幅及び/又は周波数スペクトルが、時間の経過中に又は吸引器10の使用者の設定によって好適に調整され得る。
【0031】
吸引器10は、電子ユニット14を有する。この電子ユニット14は、電源27に接続していて、測定、制御、調整、データ処理及び/又はデータ転送を実行する。この電子ユニット14は、この目的のために好ましくは電子制御装置21、特にマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを有する。この電子ユニット14は、特にインタフェースを有する。このインタフェースは、データを吸引器10の使用者に出力できるように、及び/又はデータを吸引器10の使用者によって入力できるように構成されている。例えば、喫煙者が、その喫煙者の好みの設定をその喫煙者のスマートフォンやブルートゥース接続を通じて選択でき、当該好みの設定をソーシャルネットワークによって共有でき、推奨事項を発信でき、その喫煙者のデータ及びその喫煙者のユーザ行動を統計学的に評価できる。この場合、当該データは、好ましくは、少なくとも1つの加熱要素36、制御周波数、液体タンク12の充填レベル、電源27並びに/又は診断データ及びエラーデータ関するデータを含む。例えばスイッチ又は調整輪のような、ハウジング11に配置された調整要素に対する制御周波数の調整が同様に可能である。
【0032】
電源27は、使い捨ての電気化学バッテリ又は再充電可能な電気化学バッテリ、例えばリチウムイオンバッテリ又はリチウムバッテリでもよい。昇圧型コンバータの使用の下で、加熱要素36に適合された電圧が、例えばリチウムバッテリの2.7~4.1Vから、例えば43Vまで、特に5~15Vまで、特に好ましくは2.7~15Vまで、さらに特に好ましくは3.6~6Vまで可変に発生され得る。電源27は、吸引器10内の全ての電気能動素子に電気供給するために使用される。
【0033】
吸引器10は、特にモジュール式に構成されていて、少なくとも1つの消耗ユニットと少なくとも1つの再使用可能なユニットとに区分されている。気化装置20は、交換可能なカートリッジ又はこのようなカートリッジの一部でもよい。吸引器10の本体は、再使用可能でもよい。電子ユニット14及び/又は電源27は、特にインタフェースを介して気化装置20に接続され得る。電源27及び/又は液体タンク12は、消耗ユニット内に配置され、使い捨てのために提供されてもよく、又は再使用のためにハウジング11の再使用可能なユニット内に配置されてもよい。
【0034】
気化装置20は、電子タバコ製品や医療用吸引器で使用され得る。ロッド状の電子タバコ製品での使用のほかに、気化装置20は、例えば、電子式のパイプ若しくは水タバコ又は液体が液体タンク12から気化されなければならないその他の製品で使用され得る。
【0035】
図2は、例えば3つの加熱要素36を有する吸引器10の好適な実施の形態のための回路を示す。図示されなかった実施の形態では、加熱要素36の数は、3つよりも多いか又は3つよりも少ない。
【0036】
吸引器10は、制御測定装置22を有する。好ましくは、この制御測定装置22は、電源27によって電子ユニット14から給電される。この制御測定装置22は、電子制御装置21によって制御される。この制御測定装置22は、1つの演算増幅器23、1つの切り替え装置24、少なくとも1つの基準抵抗25及び少なくとも1つのトランジスタ26を有する。特に、それぞれの加熱要素36に対して、当該それぞれの加熱要素36に対して直列に接続された1つの基準抵抗25(シャント)と、同様に当該それぞれの加熱要素36に対して直列に接続された1つのトランジスタ26とが設けられている。好適な実施の形態では、電子ユニット14は、当該演算増幅器23、当該切り換え装置24、当該基準抵抗25及び/又は当該トランジスタ26を有する。
【0037】
液体を適切な温度に加熱するため、電子制御装置21は、喫煙者(Konsumenten)による吸引(Zug)を適切なセンサによって、例えば圧力センサによって検出し、その結果として気化装置20内の加熱要素36を制御するように構成されている。
【0038】
複数のトランジスタ26に対応する複数の加熱要素36を互いに別々に制御するため、電子制御装置21が、これらのトランジスタ26に接続されていて、これらのトランジスタ26を互いに別々に制御する。
図2に示されているように、この電子制御装置21は、切り替え装置24と演算増幅器23とに接続されている。バッテリの状態を表示するために温度、圧力及びその他の変数を測定するための別のセンサが、制御測定装置22内に含まれてもよく、電子制御装置21に接続されていてもよい。
【0039】
演算増幅器23(電流シャントモニタ)が、制御装置21、アース、正極、基準抵抗25及び切り替え装置24に接続されていて、例えば、複数の基準抵抗25のうちの1つの基準抵抗25と電源27との間の電圧降下を測定するために使用される。この演算増幅器23は、増幅された測定結果を制御装置21に転送する。対応する加熱要素36の測定された抵抗値を算出するため、当該データが、この制御装置21で処理される。
【0040】
切り替え装置24が、制御装置21によって制御され、複数の基準抵抗25のうちの特に1つの基準抵抗25を測定すべき基準抵抗25として確定する。特に、切り替え装置24が、加熱要素36とこの加熱要素36に属する基準抵抗25との間に電気接続される。特に、測定すべきそれぞれの基準抵抗25に対する切り替え装置24が、適切な測定を可能にするために1つのスイッチを有する。
【0041】
基準抵抗25(シャント)は、特にオーミック抵抗である。それぞれの加熱要素36は、電流を測定するために1つの基準抵抗25を有する。
【0042】
トランジスタ26は、特に電界効果トランジスタ(FET)として構成されていて、加熱要素36を制御し調整するために使用される。それぞれの加熱要素36は、割り当てられた1つのトランジスタ26によって制御され得る。
【0043】
適切な回路を使用することで、複数の加熱要素36の個別制御のほかに、制御機構も組み込まれ得る。こうして、気化装置20の監視及び制御が良好に実行される。複数の測定が、オン時に、オフ時に、及び/又は吸引中に、さらに加熱電圧の遮断時に、1つの経路ごとに全体で10~1000msにわたって、特に20~500msにわたって、特に好ましくは250~400msにわたって実行され得る。データ量が、複数の信号を1つの搬送信号にマルチプレクスし変調することによって減少され得る。
【0044】
個々の加熱要素36の得られた通電データが、その抵抗値に相関する。当該抵抗値は、周知の負温度係数(NTC)挙動又は正温度係数(PTC)挙動によってそれぞれの加熱要素36の温度に一義的に相関する。当該通電データパターンの監視のほかに、抵抗情報及び温度情報が、加熱要素36を制御し調整するために使用され得る。詳細なエラー検出が、例えば、偽物の液体の認識、少なすぎる液体の認識、若しくは多すぎる液体の認識、又は欠陥のある加熱要素36の認識を可能にする。正確な状態検出が、加熱工程中に知った液体の熱力学的な状態及び組成を考慮することで可能である。さらに、気化装置20及び/又は加熱要素36の作動状態を正確に特徴付けるため、別のセンサ、特に温度計、湿度センサ及び/又は圧力センサが、吸引器10内に含まれてもよい。
【0045】
加熱要素36は、特にオーミック抵抗として及びマイクロシステム技術ユニット(例えば、微小電気機械システム(MEMS))として構成されている。マイクロシステム技術ユニットとしての構造は、その非常に微細なμm範囲内の構造と、これに関連する熱特性とに起因して非常に有益である。当該マイクロシステム技術による加熱要素36は、特に半導体材料、例えばドープされたシリコンから成る。当該半導体材料は、不活性であり、触媒作用を有さず、したがって加熱要素36は、非常に小さく、量産可能に且つ安定に製造され得る。例えば0.1~20Ω、特に0.5~1.5Ωの温度可変抵抗が、当該ドープによって製造され得る。加熱要素36の抵抗の温度に依存する負温度係数(NTC)挙動又は正温度係数(PTC)挙動が、当該ドープに依存して達成され得る。すなわち、当該抵抗が、温度の上昇時に低下又は上昇する。
【0046】
加熱要素36は、液体タンク12に接続されている。例えば、液体が、加熱要素36の多孔構造中に毛管現象で送られる。加熱要素36が、当該液体の構成要素の沸騰温度の上の温度に加熱されると、気化が、加熱要素36の表面上で発生する。加熱要素36の構造と表面とが、生体組織、例えば導管に隣接されてもよい。一方の側面からの空気と他方の側面からの液体とに対する毛管障壁が、加熱要素36の網状構造によって形成され得る。当該加熱構造は、液体に対する空気の境界面に沿って配向されていて、沸騰温度の到達時に、気化した液体が、当該加熱構造を通じて漏出され得、空気流17に供給され得る。
【0047】
複数の加熱要素36はそれぞれ、特に層構造を成す。この場合、それぞれ1つの加熱要素36が、特に0.25~6mm2の表面積、特に好ましくは0.5~3mm2の表面積を有する。当該加熱表面積に依存して、気化すべき液体の体積に対する最適な挙動を達成するため、全ての加熱要素36の表面積は、全体では、特に0.2~1cm2の大きさであり、特に好ましくは0.3~0.8cm2の大きさであり、好ましい層厚は、3~400μmの範囲内にある。当該加熱構造の気孔が、例えば、10~100μmの直径を有し、特に15~50μmの直径を有する。
【0048】
マイクロシステム技術ユニットとしての加熱要素36の構造は、印加される平均(気化)電力が同じ場合に、制御周波数を変化させることによって、蒸気量に影響を及ぼすという可能性を提供する。このことは、加熱要素36による非常に効率的で且つエネルギーを節約する蒸気の生成を可能にする。加熱要素36が、特定の周波数によって制御、すなわち加熱されると、平均加熱電力が同じ場合に、気化中に有効な加熱電力の割合が、周波数の増大と共に最適になるまで増大する。したがって、より高い周波数の場合に、より大きい蒸気量を期待することができる。何故なら、結果として発生する気化電力が増大するからである。しかも、エネルギー入力を最適にすると、電力消費も減少する。
【0049】
当該蒸気量の周波数に依存する影響のほかに、加熱要素36の制御周波数によるエアゾールの品質の変化をさらに考慮することができる。制御周波数が増大すると共に、より細かい蒸気粒子サイズの分布が確認され得る。すなわち、当該蒸気粒子サイズの分布が、より小さい蒸気粒子サイズに有利になるように変化する。このことは、周波数の増大と共に改良される、気化すべき液体への熱入力において有益である。加熱要素36の熱が、当該液体に伝達し得るように、及び非常に高い周波数(短いパルス期間)の場合の非常に速いエネルギー入力による損失が発生しないように、又は非常に低い周波数(長いパルス期間)の場合の非常に強い冷却による損失が発生しないように、適切にパルス化されるか又は適切な周波数が選択される。複数の加熱要素36が、マイクロシステム技術ユニットとして構成されていて、当該エネルギー入力をこれらの加熱要素36の加熱表面温度に変えることができるときに、すなわち熱慣性が小さいときに、当該蒸気のこの影響は非常に有益である。螺旋構造又は格子構造とは違って、これらの加熱要素36は、著しく高い遮断周波数を有する。
【0050】
図3は、例えば1つの加熱要素36を有する吸引器10の好適な実施の形態のための回路を示す。
【0051】
吸引器10は、好ましくは電子ユニット14に組み込まれていて、電源27によって給電される制御測定装置22を有する。この制御測定装置22は、電子制御装置21によって制御される。この制御測定装置22は、1つの演算増幅器23、1つの切り替え装置24、1つの基準抵抗25及び1つのトランジス26を有する。特に、加熱要素36のために、この加熱要素36に対して直列に接続された1つの基準抵抗25と、同様にこの加熱要素36に対して直列に接続された1つのトランジスタ26とが設けられている。図示されなかった実施の形態では、より簡単で且つより低コストの構造を可能にするため、切り替え装置24が、ただ1つの加熱要素36を使用する場合に省略され得る。
【0052】
ただ1つの加熱要素36を有するこの実施の形態では、異なり且つ可変な制御周波数が、加熱要素36に印加され得る。希望した蒸気粒子サイズを達成するためには、異なる複数の制御信号の重ね合わせ、時間変化及び/又は変調が考えられる。
【0053】
図4は、加熱要素36に印加される加熱電圧U
Hの時間推移の一例を示す。この実施の形態では、加熱要素36が、時間tに依存して複数のパルス32によって加熱される。1つの周期33が、1つの気化フェーズ30と1つの後続フェーズ31とから成る。この気化フェーズ30では、加熱電圧U
Hが、加熱要素36に印加され、この加熱要素36に存在する液体の気化を可能にする。特に、後続フェーズ31内では、加熱電圧が、加熱要素36に印加されない。1つの気化フェーズ30が、1つの周期33内に実行される。この気化フェーズ30の長さが、デューティー比によって規定されている。例えば、異なる複数の加熱要素36が、1つの周期33内に及び/又は1つの周期33のより短い一部内に連続して測定され得る。適切な1つの周期33の場合、異なる複数の加熱要素36に対する複数の測定、複数の調整、複数の制御及び/又は複数の管理も実行され得る。好適な実施の形態では、当該制御、調整、管理及び/又はデータ処理を簡単にするために規則的な間隔で測定される。
【0054】
周期的に推移する別の交流や非周期的に推移する別の交流としての加熱電力が考えられる。周期信号を異なる周波数又は周期33に重畳させることが有益である。当該重畳は、異なるサイズの蒸気粒子の生成を可能にする。好適な実施の形態では、当該周期33は、動作期間によって調整可能であり及び/又は有益に調整可能である。それぞれの加熱要素36は、同様に又は異なって加熱され得る。
【0055】
図5は、加熱要素36に印加される制御周波数fの時間推移の一例を示す。この制御周波数fは、時間tの経過中に期間42にわたって増大する。この期間42は、例えば、液体タンク12の排出期間によって与えられ得る。中断された時間軸は、当該排出期間がこの例では図示された5つの吸引期間10の数に限定されてはならないことを示す。この例では、制御周波数fは、1つの吸引期間40にわたって一定である。加熱要素36に対する加熱電力が、例えば1つの吸引期間内では、
図4に示された推移にしたがう。個々の吸引期間40は、休止期間41によって中断される。動作状態の測定、制御、調整及び/又は管理が、当該休止期間41内に実行され得る。例えば、吸い心地及びニコチンの投与を均一にするため、制御周波数fは、時間tの経過中に吸引期間40ごとに増大し、時間tの経過中に常により小さい蒸気粒子の生成を可能にする。使用目的に応じて、周波数の別の時間推移が考えられる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下の構成も包含し得る:
1.
1つの電子制御装置(21)と少なくとも1つの加熱要素(36)とを有する吸引器(10)用の気化装置(20)であって、この気化装置(20)は、1つの液体タンク(12)から供給された液体を気化するように構成されていて、当該気化した液体が、前記気化装置(20)を貫流する空気流によって収集される当該気化装置(20)において、
前記電子制御装置(21)は、前記少なくとも1つの加熱要素(36)を可変な制御周波数によって加熱するように構成されている当該気化装置(20)。
2.
前記電子制御装置(21)は、前記少なくとも1つの加熱要素(36)を異なる複数の制御周波数によって加熱するように構成されている上記1に記載の気化装置(20)。
3.
前記気化装置(20)は、複数の加熱要素(36)を有し、前記電子制御装置(21)は、異なる複数の加熱要素(36)を異なる複数の制御周波数によって加熱するように構成されている上記1~2のいずれか1つに記載の気化装置(20)。
4.
前記電子制御装置(21)は、気化した液体の多様な蒸気粒子サイズの分布が得られるように、複数の加熱要素(36)の制御周波数を制御するように構成されている上記3に記載の気化装置(20)。
5.
前記電子制御装置(21)は、前記少なくとも1つの加熱要素(36)の制御周波数を前記液体タンク(12)の排出期間にわたって変化させるように構成されている上記1~4のいずれか1つに記載の気化装置(20)。
6.
前記電子制御装置(21)は、前記液体タンク(12)の排出の進行と共に前記少なくとも1つの加熱要素(36)の制御周波数を高くするように構成されている上記5に記載の気化装置(20)。
7.
前記電子制御装置(21)は、前記少なくとも1つの加熱要素(36)の制御周波数を1つの吸引の期間にわたって変化させるように構成されている上記1~6のいずれか1つに記載の気化装置(20)。
8.
前記電子制御装置(21)は、気化した液体の希望した、例えば5μm以下の蒸気粒子サイズが得られるように、前記少なくとも1つの加熱要素(36)の制御周波数を調整するように構成されている上記1~7のいずれか1つに記載の気化装置(20)。
9.
前記電子制御装置(21)は、前記少なくとも1つの加熱要素(36)の制御周波数を少なくとも10Hz、特に最大で20kHzに設定するように構成されている上記1~8のいずれか1つに記載の気化装置(20)。
10.
前記少なくとも1つの加熱要素(36)の抵抗値を測定するように構成されている1つの制御測定装置(22)が設けられている上記1~9のいずれか1つに記載の気化装置(20)。
11.
前記制御測定装置(22)は、前記少なくとも1つの加熱要素(36)に直列に接続された1つの基準抵抗(25)を有する上記10に記載の気化装置(20)。
12.
前記制御測定装置(22)は、少なくとも1つの演算増幅器(23)を有する上記10又は11に記載の気化装置(20)。
13.
前記制御測定装置(22)は、少なくとも1つの切り替え装置(24)を有する上記10~12のいずれか1つに記載の気化装置(20)。
14.
以下の措置:
-前記気化装置(20)の状態制御、監視及び/又はエラー検出、
-前記気化装置(20)の制御及び調整、
-前記少なくとも1つの加熱要素の温度の算出、
のうちの1つの措置又は複数の措置が、前記制御測定装置(22)の測定値に基づいて実行される上記10~13のいずれか1つに記載の気化装置(20)。
15.
前記少なくとも1つの加熱要素(36)は、マイクロシステム技術ユニットとして構成されている上記1~14のいずれか1つに記載の気化装置(20)。
16.
1つの電子制御装置(21)と少なくとも1つの加熱要素(36)とを有する吸引器(10)用の気化装置(20)を制御するための方法であって、この気化装置(20)は、1つの液体タンク(12)から供給された液体を気化するように構成されていて、当該気化した液体が、前記気化装置(20)を貫流する空気流によって収集される当該方法において、
前記電子制御装置(21)は、前記少なくとも1つの加熱要素(36)を可変な制御周波数によって加熱することを特徴とする方法。
【符号の説明】
【0056】
10 吸引器
11 ハウジング
12 液体タンク
14 電子ユニット
15 吸口
16 空気吸入口
17 空気流
20 気化装置
21 電子制御装置
22 制御測定装置
23 演算増幅器
24 切り替え装置
25 基準抵抗
26 トランジスタ
27 電源
30 気化フェーズ
31 後続フェーズ
32 パルス
33 周期
36 加熱要素
40 吸引期間
41 休止期間
42 期間