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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】アタッチメントおよび景品獲得装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019010532
(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公開番号】P2020116186
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】小原 利也
(72)【発明者】
【氏名】荒井 潤
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 真紀子
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-223416(JP,A)
【文献】特開2004-350948(JP,A)
【文献】特開2016-140372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-9/20
9/26-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪部を着脱可能な複数の装着部を上下の揺動方向に揺動させることで、前記装着部に装着された前記爪部による景品の掴み動作/掴み解き動作をさせるキャッチ機構部、を具備した景品獲得装置の前記キャッチ機構部に着脱可能なアタッチメントであって、
前記爪部の代わりに前記装着部の少なくとも1つに装着可能な代替部と、
前記爪部の代わりに、前記景品の掴み動作/掴み解き動作を行う複数の更改爪部と、
前記装着部に装着された前記代替部の前記揺動方向の揺動を、前記複数の更改爪部の前記景品の掴み動作/掴み解き動作に変換するリンク機構部と、
を備え
前記リンク機構部は、
前記揺動方向に交差する方向に沿って設けられた交差部材と、
前記交差部材を前記代替部と連係させることで、前記装着部に装着された前記代替部の前記揺動方向の揺動を前記交差部材の昇降動作に変換するリンク部と、
を有し、
前記複数の更改爪部は、前記交差部材に連結されることで前記交差部材の昇降に応じて前記掴み動作/掴み解き動作を行い、
前記リンク部は、
一端が前記代替部に上下揺動可能に支持され、他端が前記交差部材に接続された連結ロッドと、
前記連結ロッドの動作方向をガイドするガイド部と、
を有する、
アタッチメント。
【請求項2】
爪部を着脱可能な複数の装着部を上下の揺動方向に揺動させることで、前記装着部に装着された前記爪部による景品の掴み動作/掴み解き動作をさせるキャッチ機構部、を具備した景品獲得装置の前記キャッチ機構部に着脱可能なアタッチメントであって、
前記爪部の代わりに前記装着部の少なくとも1つに装着可能な代替部と、
前記爪部の代わりに、前記景品の掴み動作/掴み解き動作を行う複数の更改爪部と、
前記装着部に装着された前記代替部の前記揺動方向の揺動を、前記複数の更改爪部の前記景品の掴み動作/掴み解き動作に変換するリンク機構部と、
前記更改爪部を着脱可能に装着するための更改用装着部と、
を備え
前記更改用装着部は、前記更改爪部として前記爪部を装着可能である、
アタッチメント。
【請求項3】
爪部を着脱可能な複数の装着部を上下の揺動方向に揺動させることで、前記装着部に装着された前記爪部による景品の掴み動作/掴み解き動作をさせるキャッチ機構部、を具備した景品獲得装置の前記キャッチ機構部に着脱可能なアタッチメントであって、
前記爪部の代わりに前記装着部の少なくとも1つに装着可能な代替部と、
前記爪部の代わりに、前記景品の掴み動作/掴み解き動作を行う複数の更改爪部と、
前記装着部に装着された前記代替部の前記揺動方向の揺動を、前記複数の更改爪部の前記景品の掴み動作/掴み解き動作に変換するリンク機構部と、
前記更改爪部を着脱可能に装着するための更改用装着部と、
を備え
前記リンク機構部は、
前記揺動方向に交差する方向に沿って設けられた交差部材と、
前記交差部材を前記代替部と連係させることで、前記装着部に装着された前記代替部の前記揺動方向の揺動を前記交差部材の昇降動作に変換するリンク部と、
を有し、
前記複数の更改爪部は、前記交差部材に連結されることで前記交差部材の昇降に応じて前記掴み動作/掴み解き動作を行い、
前記交差部材は、前記交差する方向に沿った形状の棒状部材又は平板状部材であり、
前記更改用装着部は、前記交差部材を挿通する挿通孔部を有し、
前記更改爪部は、前記挿通孔部を介して前記交差部材に連結される、
アタッチメント。
【請求項4】
前記交差部材は、上面視において弧状形状を有し、
前記更改用装着部は、前記挿通孔部に挿通された前記交差部材の当接位置が、前記弧状形状に沿って変化可能に前記挿通孔部で前記交差部材を挿通する、
請求項に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記複数の更改爪部は、前記掴み動作時に各更改爪部の先端が接近し、前記掴み解き動作時に各更改爪部の先端が離散する動作を、前記交差部材の昇降に応じて行う、
請求項又はに記載のアタッチメント。
【請求項6】
少なくとも2つの前記代替部と、
N個(N≧3)の前記更改用装着部と、
前記更改用装着部を取り付け可能なM箇所(M>N)の固定部を有する台座部と、
を更に備えた請求項の何れか一項に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記代替部、前記リンク機構部を前記装着部毎に備えた、
請求項の何れか一項に記載のアタッチメント。
【請求項8】
請求項1~の何れか一項に記載のアタッチメントが前記キャッチ機構部に装着された景品獲得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品獲得装置のキャッチ機構部に着脱可能なアタッチメント等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンターなどにおいて人気の装置に、「クレーンゲーム機」「クレーン型景品獲得装置」などと呼ばれる景品獲得装置がある。この種の景品獲得装置は、景品をキャッチするキャッチ機構部を昇降する機構とキャッチ機構部を水平移動させる機構とを具備する。そして、ユーザは、キャッチ機構部で景品を掴んで吊り上げ、所定位置へ移動させると、掴んでいる景品を獲得できるといったルールに従って遊ぶ。以降では、この種の景品獲得装置を、単に「景品獲得装置」と呼ぶこととする。
【0003】
景品獲得装置のキャッチ機構部では、標準的に2本の爪部(爪やアームとも呼ばれる。)が装備されており、如何にして2本の爪部で景品を上手く掴むことができるかがゲームプレイのポイントになる。しかし、景品獲得装置の景品の種類やサイズは、景品獲得装置を運営する事業者側が様々に設定可能であり、大型の景品を使用する場合には、爪部を標準サイズより大きいサイズに取り替えたり、爪部の本数を増やしたりして使用される。例えば、特許文献1には、3つ以上の爪部を様々な相対位置関係で取り付け可能な構成について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-140372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
景品獲得装置には、キャッチ機構部に爪部を着脱可能な箇所が2カ所のみ用意されており、装備する爪部の種類を変更することができるが、装備する爪部の数が最大2本であり爪部の相対位置関係も変更できない「固定タイプ」と、特許文献1に開示されているような爪部の本数や位置を変更できる「可変タイプ」と、が存在する。前者の固定タイプを導入した後に、3本以上に爪部の数を増やしたい、或いは爪部の相対位置を変更したいと思ってもそれはできない。改めて可変タイプのキャッチ機構部を備えた景品獲得装置を導入しなければならず、ユーザに負担を強いることとなる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、爪部を着脱可能なキャッチ機構部を具備した景品獲得装置において、着脱可能な爪部の数や位置を変更可能なキャッチ機構部に改変することができる新しい技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための第1の発明は、爪部を着脱可能な複数の装着部を上下の揺動方向に揺動させることで、前記装着部に装着された前記爪部による景品の掴み動作/掴み解き動作をさせるキャッチ機構部、を具備した景品獲得装置の前記キャッチ機構部に着脱可能なアタッチメントであって、前記爪部の代わりに前記装着部の少なくとも1つに装着可能な代替部と、前記爪部の代わりに、前記景品の掴み動作/掴み解き動作を行う複数の更改爪部と、前記装着部に装着された前記代替部の前記揺動方向の揺動を、前記複数の更改爪部の前記景品の掴み動作/掴み解き動作に変換するリンク機構部と、を備えたアタッチメントである。
【0008】
第1の発明によれば、キャッチ機構部にもともと備えられている装着部に、アタッチメントを装着することで、爪部の代わりに更改爪部で掴み動作/掴み解き動作をさせることができる。更改爪部の数と相対位置関係を変えることで、キャッチ機構部の爪部の数や相対位置関係を様々に変更できる。また、キャッチ機構部が上述した固定タイプの景品獲得装置であっても、第1の発明のアタッチメントを用いることで、着脱可能な爪部の数や位置が変更可能となる。
【0009】
第2の発明は、前記リンク機構部が、前記揺動方向に交差する方向に沿って設けられた交差部材と、前記交差部材を前記代替部と連係させることで、前記装着部に装着された前記代替部の前記揺動方向の揺動を前記交差部材の昇降動作に変換するリンク部と、を有し、前記複数の更改爪部は、前記交差部材に連結されることで前記交差部材の昇降に応じて前記掴み動作/掴み解き動作を行う第1の発明のアタッチメントである。
【0010】
第3の発明は、前記リンク部が、一端が前記代替部に上下揺動可能に支持され、他端が前記交差部材に接続された連結ロッドと、前記連結ロッドの動作方向をガイドするガイド部と、を有する、第2の発明のアタッチメントである。
【0011】
第2又は第3の発明によれば、少ないパーツ数且つ簡単な構造で、リンク機構部を実現できる。よって、低コストで故障しにくいアタッチメントを実現できる。
【0012】
第4の発明は、前記更改爪部を着脱可能に装着するための更改用装着部を更に備え、前記更改用装着部は、前記更改爪部として前記爪部を装着可能である、第1~第3の何れかの発明のアタッチメントである。
【0013】
第4の発明によれば、更改爪部として爪部を流用できるようになる。
【0014】
第5の発明は、前記更改爪部を着脱可能に装着するための更改用装着部を更に備え、前記交差部材が、前記交差する方向に沿った形状の棒状部材又は平板状部材であり、前記更改用装着部は、前記交差部材を挿通する挿通孔部を有し、前記更改爪部は、前記挿通孔部を介して前記交差部材に連結される、第2又は第3の発明のアタッチメントである。
【0015】
第5の発明によれば、挿通孔部に交差部材を挿通させることで、更改用装着部と交差部材との連結構造を簡素に実現することができる。また、挿通孔部の孔のサイズを適切に設定することで、更改用装着部と交差部材との接触位置や接触角度を固定とするのではなく、適度な「あそび」を設定することが可能になる。これにより、交差部材の昇降に伴う更改用装着部と交差部材との相対位置関係や相対角度関係の若干の変化にも柔軟に対応できるようになる。また、アタッチメントを装着する側のキャッチ機構部の細かな仕様違いや寸法バラツキを許容できるようになる。
【0016】
第6の発明は、前記交差部材が、上面視において弧状形状を有し、前記更改用装着部は、前記挿通孔部に挿通された前記交差部材の当接位置が、前記弧状形状に沿って変化可能に前記挿通孔部で前記交差部材を挿通する、第5の発明のアタッチメントである。
【0017】
第6の発明によれば、更改用装着部を、上面視において放射状に配置するレイアウトに対応できるようになる。
【0018】
第7の発明は、前記複数の更改爪部が、前記掴み動作時に各更改爪部の先端が接近し、前記掴み解き動作時に各更改爪部の先端が離散する動作を、前記交差部材の昇降に応じて行う、第5又は第6の発明のアタッチメントである。
【0019】
第7の発明によれば、掴み動作時に更改爪部の先端を接近させ、掴み解き動作時に離散させることができる。
【0020】
第8の発明は、少なくとも2つの前記代替部と、N個(N≧3)の前記更改用装着部と、前記更改用装着部を取り付け可能なM箇所(M>N)の固定部を有する台座部と、を更に備えた第4~第7の何れかの発明のアタッチメントである。
【0021】
第8の発明によれば、更改用装着部の相対位置関係を変更できる。
【0022】
第9の発明は、前記リンク機構部を前記装着部毎に備えた、第4~第8の何れかの発明のアタッチメントである。
【0023】
第9の発明によれば、それぞれのリンク機構部を個別に動作させることができるようになる。
【0024】
第10の発明は、第1~第9の何れかの発明のアタッチメントが前記キャッチ機構部に装着された景品獲得装置である。
【0025】
第10の発明によれば、第1~第9の何れかの発明と同様の効果を奏する景品獲得装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】景品獲得装置の構成例を示す正面図。
図2】キャッチ機構部の構成例を示す斜視外観図。
図3】駆動部の構成例を示す図であって、斜め前方より見た斜視外観図。
図4】駆動部の構成例および動作を説明するための図であって、駆動部の背面図。
図5】アタッチメントの構成例を示す斜め上から見た斜視図。
図6】アタッチメントの構成例を示す斜め下から見た斜視図。
図7】更改用装着部と、台座部とを抜き出した斜め上から見た斜視外観図。
図8】更改用装着部と、台座部とを抜き出した斜め下から見た斜視外観図。
図9】キャッチ機構部の動作を説明するための図。
図10】キャッチ機構部の構成例を示す斜視外観図であって、掴み動作が完了した状態を示す図。
図11】更改用装着部の数と位置の設定例を示す上面図。
図12】アタッチメントの変形例を示す上面図。
図13】キャッチ機構部の変形例を示す背面側から見た分解図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0028】
図1は、本実施形態の景品獲得装置の構成例を示す正面図である。
景品獲得装置10は、ゲームプレイするユーザ(以下、「プレーヤ」と呼称する。)が、ゲーム空間6に配置された景品4の中から希望する景品4を狙って獲得機構部30を操作して、狙った景品4を移動させて払い出させることを楽しむゲーム装置である。
【0029】
具体的には、本実施形態の景品獲得装置10は、筐体11の内部空間を透明隔壁12等で覆って画成されたゲーム空間6と、筐体11の前面に設けられた操作卓20と、操作卓20でのプレーヤによる操作入力に応じてゲーム空間6内を移動して動作する獲得機構部30と、当該装置を統合的に動作制御する制御基板50と、備える。勿論、これら以外の構成要素(例えば、電源装置など)も適宜備えることができる。
【0030】
操作卓20は、複数の操作入力デバイスを有する(図1では、操作卓20の上面図を破線で引き出して記している。)。
本実施形態の操作卓20は、ジョイスティック21と、複数のプッシュ型のボタンスイッチ22と、タッチパネル23と、管理ユーザの鍵に対応するキースイッチ24と、を備える。
【0031】
プレーヤはジョイスティック21やボタンスイッチ22を使ってゲームプレイのための操作指示(ゲームプレイのための操作入力;プレイ操作)をすることができる。また、景品獲得装置10の管理ユーザは、タッチパネル23やキースイッチ24を使って各種メンテナンスに係る管理操作を入力することができる。
【0032】
勿論、操作入力デバイスの構成はこれらに限定されるものではなく、適宜、追加・省略・変更が可能である。例えば、ジョイスティック21と、ボタンスイッチ22とに代えて、或いはこれらとは別にトラックボール、レバー、ダイヤル、タッチパッド、ハンドル、などを用いることができる。
【0033】
また、操作卓20は、非接触型リーダライタ26と、コードリーダ28と、を備える。
【0034】
非接触型リーダライタ26は、非接触型ICメモリからデータの読み書きをする装置である。本実施形態では、非接触型リーダライタ26は、電子マネーサービスを利用可能な非接触型ICメモリに対応し、プレイ対価の徴収を行うのに使用する。なお、非接触型リーダライタ26とは別に、従来通りの現金(硬貨)によるプレイ対価の支払を可能にする硬貨投入装置27を適宜設けることとする。
【0035】
コードリーダ28は、クーポンコードや、他装置からのデータ移植用データを読み取ることができる装置である。例えば、撮像素子とコード認識ICとを備える。
【0036】
制御基板50は、CPU(Central Processing Unit)51やGPU(Graphics Processing Unit),DSP(Digital Signal Processor)などの各種プロセッサ、RAMやROM等の各種ICメモリ52、通信回線に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための通信モジュール53、インターフェース回路57などを搭載する。なお、制御基板50の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0037】
インターフェース回路57には、スピーカ14(図1参照)へ音声信号を出力する出力アンプ回路、ジョイスティック21及びボタンスイッチ22からの信号を受信する回路、タッチパネル23のドライバ回路、キースイッチ24のキー挿入検知回路から信号を入力する回路、非接触型リーダライタ26との間で信号を入出力する回路、コードリーダ28のイメージセンサで撮影された画像の画像データを入力する回路、獲得機構部30との通信回路、などが含まれている。
【0038】
制御基板50に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。そして、制御基板50は、当該端末でのゲームプレイを可能にする各種機能を実現するためのゲームプログラムや各種データをICメモリ52に記憶しており、CPU51でそれらに基づいて演算処理することにより、景品獲得装置10を統合的に制御する。
【0039】
さて、ゲーム空間6に目を移すと、当該空間の下部には、支持構造部16が設けられている。支持構造部16は、景品配置領域パーツ18を着脱自在に装着可能な構造部である。例えば、ゲーム空間6の底部から所定の高さ位置に設けられた格子状部材や、ゲーム空間6の底面から立設された複数の支柱部などで構成することができる。
【0040】
景品配置領域パーツ18は、景品獲得装置10の提供者により装置のオプションとして提供されるパーツであって、大きさや形状違いで単数又は複数種類用意されている。ゲーム空間6内を俯瞰した場合に、景品配置領域パーツ18が装着された箇所は、景品4を配置したり、景品4を滑らせて移動させることができる領域である景品配置領域となる。対して、景品配置領域パーツ18が装着されていない箇所は、景品獲得領域となる。本実施形態では、景品獲得領域は、景品4が落下する落下口として機能し、落下した景品4は内部通路を下って払出口19に至り、これより装置外へ取り出すことができるようになっている。
【0041】
ゲーム空間6の上部には、制御基板50により動作制御される獲得機構部30が設けられている。本実施形態の獲得機構部30は、景品4を掴む動作と掴み解き動作とを行うキャッチ機構部31と、キャッチ機構部31を覆ってその外観を形成する外装ケース32と、キャッチ機構部31を上下方向に昇降する昇降機構部33と、昇降機構部33をゲーム空間6の装置左右方向および、装置前後方向である奥行き方向へ移動させる移動機構部35と、を有する。
【0042】
図2は、キャッチ機構部31の構成例を示す斜視外観図である。
キャッチ機構部31は、左右それぞれに1つずつ合計2つの装着部38と、それら装着部38を個別に上下の揺動方向に揺動させる駆動部40と、キャッチ機構部31の下部に着脱可能なアタッチメント100と、を有する。なお、図2では右側が隠れて見えていない。2つの装着部38の位置関係は図4に示す。
【0043】
図3は、キャッチ機構部31の駆動部40の構成例を示す図であって、前方斜め上より見た斜視外観図である。図4は、駆動部40の構成例および動作を説明するための図であって、駆動部40の背面図に相当する。
【0044】
駆動部40は、装着部38それぞれに対応して、モータ41と、第1ギア42と、第2ギア43と、回転角度センサ44と、揺動位置検出センサ45と、を有する。
【0045】
装着部38は、爪部9を着脱可能な部位であって、爪部9の根元を挿抜可能な断面矩形の筒構造を有する。装着部38の内部には、爪部9の凹凸部と係合して抜け止めする抜け止めピン38pが内蔵されている。抜け止め構造は、ピンによる凹凸係合に限らず、ラッチによる係合、磁石による吸着、ネジ留め、など適宜選択可能である。
【0046】
モータ41は、制御基板50により駆動制御される。
【0047】
第1ギア42は、モータ41の回転軸に固定されている第1の減速歯車である。
【0048】
第2ギア43は、第1ギア42と噛み合った第2の減速歯車である。第2ギア43の回転軸43sの一端側には回転角度センサ44が連結されており(図3参照)、同回転軸の他端側には装着部38が固定されている(図4参照)。つまり、第2ギア43の回転軸43sは装着部38の揺動軸であり、モータ41の駆動が第1ギア42を介して第2ギア43を回転させ、第2ギア43の回転が装着部38の揺動を生み出す。
【0049】
回転角度センサ44は、第2ギア43の回転角度を検出して回転角度に応じた角度信号を制御基板50へ出力する。或いは、回転角度センサ44は、所定角度回転するごとにパルスを制御基板50へ出力する。
【0050】
揺動位置検出センサ45は、装着部38が有する被検出片47と対をなす。そして、揺動位置検出センサ45と被検出片47とは、爪部9が閉じた状態(図4(2);キャッチ機構部31が掴み動作した状態)の時に、被検出片47が揺動位置検出センサ45に検出される位置に達するように設置されている。そして、揺動位置検出センサ45が、検出信号を制御基板50へ出力する。
【0051】
図5は、アタッチメント100の構成例を示す斜め上から見た斜視図である。図6は、同構成例を示す斜め下から見た斜視図である。アタッチメント100は、代替部104と、リンク機構部105と、更改用装着部120と、更改爪部122と、台座部124と、を備える。
【0052】
代替部104は、爪部9の代わりに装着部38に装着可能な部材である。具体的には、一端部に爪部9の根元と同じ構成(例えば、抜け止めピン38pに係合する構造)を有し、他端部にリンク機構部105(リンク部110)との連結部を有する。装着部38に装着された代替部104は、当然のことながら、装着部38が駆動部40により揺動されると一体となって揺動することとなる。
【0053】
リンク機構部105は、装着部38に装着された代替部104の揺動方向の揺動を、複数の更改爪部122の景品4の掴み動作/掴み解き動作に変換する機構であって、交差部材106と、リンク部110と、を有する。
【0054】
交差部材106は、装着部38の揺動方向に交差する方向に沿って設けられた部材であって、1つの代替部104に対して1つずつ用意されている。具体的には、交差部材106は、上面視において弧状形状を有する断面円形の棒状部材である。
【0055】
リンク部110は、交差部材106を代替部104と連係させる構造部であって、装着部38に装着された代替部104による揺動方向の揺動を、交差部材106の昇降動作に変換する。具体的には、リンク部110は、一端が代替部104に上下揺動可能に支持され、他端が交差部材106に接続された連結ロッド111と、連結ロッド111の動作方向をガイドするガイド部113と、を有する。
【0056】
ガイド部113は、外縁部へ向けて開口するスリット113sを有し、当該スリット113sに連結ロッド111を挿通させ、その上下揺動方向をスリット113sが案内することで動作方向の安定化を図る。スリット113sが外縁方向へ開口していることで、代替部104を装着部38へ挿抜する作業の際、連結ロッド111が揺動して外へ逃げられるので作業性がよい。
【0057】
更改用装着部120は、更改爪部122として爪部9を着脱可能に装着するためのパーツである。本実施形態では、更改用装着部120は、台座部124に対して着脱可能である。本実施形態では、更改用装着部120の数は、1つの交差部材106あたり2個として図示している。しかし、本来は、1つの交差部材106あたり予めN個(N≧3)用意されていて、台座部124に取り付ける数(使用する数)を0~Nの範囲でユーザが任意に選択できるようになっている。
【0058】
図7は、更改用装着部120と、台座部124とを斜め上から見た斜視外観図である。図8は、更改用装着部120と、台座部124とを斜め下から見た斜視外観図である。
【0059】
図5図8に示すように、更改用装着部120は、台座部124の下面に着脱するための部位となる揺動基部120jと、揺動基部120jより延設された固定プレート120kと、揺動基部120jが有する揺動軸120sにより上下揺動可能に支持された揺動端部120yと、を有する。
【0060】
揺動基部120jの上端部は、台座部124に設けられた固定部126の位置決め孔126hと係合する突起120tを成している。
【0061】
固定プレート120kは、挿通孔を有し、台座部124の上面視中央に設けられた固定ボルト126b(図6参照)が挿通されて蝶ナットなどにより締められる。固定プレート120kが台座部124に固定されることで、更改用装着部120は台座部124に固定される。
【0062】
揺動端部120yは、装着部38と同様の構成を有し、更改爪部122を着脱自在に挿抜できる。そして、揺動端部120y(更改用装着部120)は、交差部材106を挿通する挿通孔部120hを有する。言い換えると、更改用装着部120は、リンク部110の一部として機能する挿通孔部120hを有する。
【0063】
挿通孔部120hの孔径は、交差部材106の断面円形の直径よりもやや大きめに設定されており、挿通孔部120hに挿通された交差部材106の当接位置は、弧状形状に沿って自由に変化可能である。これにより、各部の工作精度や組立精度にバラツキがあっても、更改用装着部120が代替部104の揺動でスムーズに昇降できるようになっている。
【0064】
更改爪部122は、交差部材106に連結されることで交差部材106の昇降に応じて掴み動作/掴み解き動作を行う更改用の爪部である。本実施形態では、爪部9と同様の構成を有しており、爪部9と更改爪部122は相互に流用できる。勿論、更改爪部122を爪部9と異なる形状の専用部品として設計することもできる。
【0065】
台座部124は、アタッチメント100を駆動部40に装着するためのベースとなる部材である。そのため、台座部124の上面には、駆動部40の下面に着脱するための係合構造が設けられている。本実施形態では、係合片125が設けられている(図5参照)。係合片125は、台座部124との間に、駆動部40の下端に設けられた屈曲部を嵌合するための隙間を作る。なお、係合構造は、適宜設定可能である。駆動部40にネジ留めでもよい。
【0066】
そして、台座部124の上面には、リンク部110のガイド部113が取り付けられている。
【0067】
また、台座部124は、更改用装着部120を取り付け可能な複数箇所の固定部126を1つの装着部38(代替部104、交差部材106、リンク部110の組み合わせ)毎に、M箇所(M>N)有する。
【0068】
具体的には、固定部126は、位置決め孔126hと、固定ボルト126bと、を有する(図6参照)。位置決め孔126hは、台座部124の上面視中心から放射状に設けられている(図7参照)。なお、固定部126は、当該構成に限らない。例えば、更改用装着部120をネジ留めするネジ孔を位置決め孔126hの代わりに設ける構成も可能である。
【0069】
次に、キャッチ機構部31の動作について説明する。
図2に示すように、ゲームプレイ開始時の初期状態におけるキャッチ機構部31は、更改爪部122が開いた状態にある。この時、キャッチ機構部31では、図4(1)に示すように、装着部38が上方へ揺動された状態にある。装着部38に装着されている代替部104は、装着部38と一体的に上方へ揺動された状態になっている。
【0070】
リンク部110の連結ロッド111は、代替部104の揺動端側で連結されているので、代替部104が装着部38と一体的に上方へ揺動された状態にあると、連結ロッド111および交差部材106は上方へ引き上げられ状態となる。すると、交差部材106に連結されている更改用装着部120は、揺動端部120yが持ち上げられた状態となり、これに装着されている更改爪部122も上方へ振り上げられた状態となる。この時、アタッチメント100やキャッチ機構部31を全体視すれば、更改爪部122は開いた状態になっている。
【0071】
ユーザが、獲得機構部30を降下位置へ移動させる操作入力をすると、獲得機構部30は、制御基板50による移動制御によって当該操作入力に応じて移動した後に、キャッチ機構部31を自動的に降下させる。そして、降下が行われるとキャッチ機構部31は、掴み動作をするように制御される。
【0072】
掴み動作が始まると、キャッチ機構部31では、制御基板50によりモータ41が所定方向へ回転駆動し、装着部38が下方へ揺動する。すると、代替部104もまた装着部38と一体的に下方へ揺動される。そして、代替部104が下方へ揺動されると、連結ロッド111および交差部材106は下方へ降下する。すると、更改用装着部120は、揺動端部120yが下方へ揺動する格好となり、これに装着されている更改爪部122は下方へ振り下ろされることとなる。
【0073】
図9は、キャッチ機構部31の掴み動作を説明するための部分遷移図であって、更改用装着部120と、更改爪部122と、リンク部110の一部とを示した(1)部分上面図、(2)部分斜視図である。白矢印の左側が掴み動作の開始の状態を示し、白矢印の右側が掴み動作の途中の状態を示している。
【0074】
掴み動作の過程において、上面視弧状の交差部材106が側面視円弧を描くように降下することで、交差部材106と更改用装着部120との、相対位置関係が掴み動作過程で変化する。具体的には、交差部材106と更改用装着部120の挿通孔部120hとが接触する相対位置と両者の相対姿勢とが変化し、リンク部110の連結ロッド111を基準として離隔するように位置ズレが起きる。図9(1)では、白矢印の右側の掴み動作の途中状態図に示した交差部材106の黒帯部分が、掴み動作の開始の状態(白矢印の左側)における接触位置を示している。こうした、掴み動作にともなってジオメトリの変化が生じても、挿通孔部120hの孔径が交差部材106を遊嵌するように適切に設定されているので、相対位置や相対姿勢のズレが許容され、更改爪部122はスムーズに揺動される。
【0075】
そして、図4(2)に示すように、装着部38が所定角度に達するまで下方へ揺動すると、制御基板50は掴み動作を自動停止する。この時、アタッチメント100やキャッチ機構部31を全体視すれば、図10に示すように、更改爪部122は閉じた状態になっている。具体的には、複数の更改爪部122は、掴み動作時に各更改爪部の先端が接近した状態となる。
【0076】
掴み動作が終わると、キャッチ機構部31は再び元の位置まで引き上げられ、ゲーム空間6の指定位置(景品配置領域パーツ18が装着されていない景品獲得領域の上方位置)に移動され、そこで掴み解き動作が開始される。
【0077】
掴み解き動作が始まると、キャッチ機構部31では、制御基板50がモータ41を反転駆動させ、装着部38が上方へ揺動し、代替部104が装着部38と一体的に上方へ揺動する。そして、代替部104が上方へ揺動すると、連結ロッド111および交差部材106は上昇する。すると、更改用装着部120は、揺動端部120yが上方へ揺動する格好となり、これに装着されている更改爪部122は上方へ振り上げられる。すなわち、掴み解き動作によって、各更改爪部122の先端が離散する動作が行われる。
【0078】
掴み解き動作が完了すると、キャッチ機構部31は、ゲーム空間6内を所定の初期位置まで移動されて、1プレイが終了する。
【0079】
以上、本実施形態によれば、景品を掴むための爪部の装着数や装着位置を変更可能な新しい景品獲得装置10を実現できる。
【0080】
しかも、アタッチメント100と外装ケース32を用意すれば、キャッチ機構部31までは従来品をそのまま流用できるので、本実施形態の景品獲得装置10を低コスト・低工数で実現できる。また、更改爪部122と爪部9を双方で流用可能としたことで、更改爪部122を新規に用意する必要もなく、既存の爪部9を流用することができる。
【0081】
そして、景品獲得装置10のユーザは、更改用装着部120の台座部124への取り付け数と取り付け位置を適宜変更することで、用意した景品4のサイズや形状に適したキャッチ機構部31のセッティングを自ら行うことができるようになる。
【0082】
具体的には、図11のアタッチメント100Bにて示すように、2つある交差部材106のうち、一方には更改爪部122を1本だけ装着し、他方には更改爪部122を2本装着すれば、3本爪のキャッチ機構部31を実現できる。また、2つある交差部材106のうち、両方で更改爪部122を2本装着すれば、4本爪のキャッチ機構部31を実現できる。更改爪部122をどの固定部126に装着・固定するかで更改爪部122のツメ先を開いた状態でどの位置まで離間させるかのセッティングが自在となる。その際、2つある交差部材106の両方で、更改爪部122の装着位置を左右で対称位置に装着・固定することもできるし(図12参照)、左右非対称な位置に装着・固定することもできる(図5図6参照)。
【0083】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態の例について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0084】
例えば、交差部材106の形状や数は適宜変更可能である。
具体的には、上面視形状に着目すれば、上記実施形態の交差部材106の上面視形状を直線や屈曲形状、環状とすることもできる。また、図12のアタッチメント100Cのように、交差部材106Cを1つのリング状の部材とすれば、台座部124の外周を巡る上面視形状を円環状の部材とすることもできる。また、交差部材106の断面の形状に着目すると、上記実施形態では交差部材106の断面を円形としたが、これを矩形断面として、交差部材106全体が平板状部材となるように構成してもよい。
【0085】
また、リンク部110の構成も適宜変更可能である。例えば、図13に示すアタッチメント100Dのリンク部110Dは、第1連結ロッド111cと、第2連結ロッド111dと、ガイド部113と、を有する。第1連結ロッド111cは、その下端で上記実施形態の交差部材106に相当する交差部材106D(縦断面L字型の上面視円環状部材)の上面で上下揺動可能に連結されている。第2連結ロッド111dは、上端部が交差部材106Dの下面で上下揺動可能に連結され、下端部が更改用装着部120の揺動端部120yの先端部で上下揺動可能に連結されている。
【符号の説明】
【0086】
4…景品
6…ゲーム空間
9…爪部
10…景品獲得装置
20…操作卓
30…獲得機構部
31…キャッチ機構部
32…外装ケース
38…装着部
40…駆動部
41…モータ
42…第1ギア
43…第2ギア
50…制御基板
100(100B、100C、100D)…アタッチメント
104…代替部
105…リンク機構部
106(106B、106C、106D)…交差部材
110(110D)…リンク部
111…連結ロッド
113…ガイド部
120…更改用装着部
120h…挿通孔部
120j…揺動基部
120k…固定プレート
120s…揺動軸
120t…突起
120y…揺動端部
122…更改爪部
124…台座部
125…係合片
126…固定部
126b…固定ボルト
126h…位置決め孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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