(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/51 20060101AFI20230329BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20230329BHJP
A61F 13/493 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A61F13/51
A61F13/56 210
A61F13/493
(21)【出願番号】P 2019101786
(22)【出願日】2019-05-30
【審査請求日】2022-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富田 美奈
(72)【発明者】
【氏名】幸田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】白川 貴史
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-136794(JP,A)
【文献】特開平08-126663(JP,A)
【文献】実開平02-063834(JP,U)
【文献】特開2009-072472(JP,A)
【文献】特開2011-083389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シート、吸収体及び防漏シートを含む吸収性本体を備え、着用者の前後方向に対応する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、前記長手方向に沿って腹側領域、股下領域及び背側領域を備え、前記吸収体が、該腹側領域から該背側領域に亘って配されている吸収性物品であって、
前記吸収性本体の非肌対向面側に外装シートが配されており、
前記外装シートには、前記長手方向に延びる長手方向畝部と長手方向溝部とを交互に有する長手方向畝溝形状が形成されており、
前記長手方向畝溝形状は、前記股下領域における前記吸収体と厚み方向に重なる領域に形成されて
おり、
前記腹側領域における前記外装シートの非肌対向面側に、前記幅方向に延びる幅方向畝部と幅方向溝部とを交互に有する幅方向畝溝形状が形成されている、吸収性物品。
【請求項2】
前記長手方向畝溝形状が、前記腹側領域から前記背側領域に亘って形成されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記腹側領域及び前記背側領域のそれぞれにおける前記外装シートの非肌対向面側に、前記幅方向に延びる幅方向畝部と幅方向溝部とを交互に有する幅方向畝溝形状を有する、請求項1
又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記外装シートの非肌対向面側に第2外装部材が配されており、前記幅方向畝溝形状が該第2外装部材に形成されている、請求項
1ないし3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記腹側領域における前記幅方向畝溝形状は、前記外装シートの非肌対向面側に配された第2外装部材に形成されており、
前記背側領域における前記幅方向畝溝形状は、前記第2外装部材が配されていない前記外装シートに形成されている、請求項
3に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記第2外装部材は、前記外装シートを構成する材料よりも通気抵抗が高い、請求項
4又は
5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記幅方向溝部の横断面積が、前記長手方向溝部の横断面積よりも大きい、請求項
1ないし
6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記幅方向溝部は、該幅方向溝部が形成される材料の圧密化によって形成されたものである、請求項
1ないし
7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記腹側領域において、前記吸収性本体の幅方向外方にそれぞれ延出した一対の腹側サイドフラップ部と、
前記背側領域において、前記吸収性本体の幅方向外方にそれぞれ延出した一対の背側サイドフラップ部とを備え、
前記各背側サイドフラップ部は、ファスニングテープが配されており、
前記腹側領域には、前記ファスニングテープを止着するランディングテープが配されており、
前記吸収性物品の着用状態において、前記腹側サイドフラップ部と前記背側サイドフラップ部とが互いに重なるように形成されており、
前記腹側サイドフラップ部と前記背側サイドフラップ部とが互いに重なる領域に、高通気領域が存在する、請求項1ないし
8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記各背側サイドフラップ部に弾性部材がそれぞれ配されており、
前記吸収性物品の着用状態において、前記弾性部材と前記高通気領域とが重なる、請求項
9に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ等の吸収性物品は、典型的には、親水性繊維や吸水性ポリマー等の吸収性材料を含有する吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌から近い側に配された表面シートと、該吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された樹脂フィルム等からなる防漏シートとを備えており、必要に応じて、防漏シートの外側に外装シートが配されることがある。このような吸収性物品において、見栄えや装着性を向上させるための改良が種々検討されている。
【0003】
特許文献1には、おむつ外側に配された図柄の視認性を向上させること等を目的として、不織布からなるターゲットテープの外面に図柄を印刷するとともに、該不織布の構成繊維どうしを接着させてなる接着線を、おむつの幅方向に延びる波形状に形成することが記載されている。
【0004】
また特許文献2には、おむつの交換時における着用者の背側の装着性向上を目的として、トップシートとバックシートとの間に、伸縮フィルムが吸収体よりも背側に配置されたおむつが開示されている。この伸縮フィルムは、2層の非伸縮層の間に少なくとも1層の伸縮層が挟まれており、おむつの自然状態において、製品長手方向に延びる複数の皺が、背側の端縁まで到達するようにバックシートに形成されることも同文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2012-526642号公報
【文献】特開2015-202251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、おむつ等の吸収性物品においては、着用状態において着用者の汗や、吸収保持された排泄液から生じる水蒸気によって、おむつ内の湿度が上昇することがある。湿度の上昇は、不快な着用感の発生や、肌のかぶれの原因となる場合があることから、これらを防止する目的で、防漏シートには、液難透過性且つ透湿性の樹脂製フィルムが用いられることが一般的である。この場合、周囲環境によっては、防漏シートを通じて外部に放出された水蒸気が、おむつ等の非肌対向面上で結露することがある。
【0007】
結露によって生じた水分は、吸収性物品内からしみ出したものではないが、腹部や足回り部に位置する衣服を湿らせたり、衣類の湿り気の知覚に起因して着用者に尿漏れを誘発させたり、尿漏れに対する不安を増大させたりする等の種々の不快感を生じるおそれがある。これに加えて、結露によって生じた水分によって、吸収性物品からの漏れが発生したとの誤解を使用者に与えることがある。このような結露の抑制について、上述した各特許文献に記載の技術では、何ら検討されていない。
【0008】
したがって、本発明の課題は、吸収性物品外部に放出された水蒸気に起因する不快感や漏れの誤認を抑制し、着用時の快適性を向上させた吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、液透過性の表面シート、吸収体及び防漏シートを含む吸収性本体を備え、着用者の前後方向に対応する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、前記長手方向に沿って腹側領域、股下領域及び背側領域を備え、前記吸収体が、該腹側領域から該背側領域に亘って配されている吸収性物品であって、
前記吸収性本体の非肌対向面側に外装シートが配されており、
前記外装シートには、前記長手方向に延びる長手方向畝部と長手方向溝部とを交互に有する長手方向畝溝形状が形成されており、
前記長手方向畝溝形状は、前記股下領域における前記吸収体と厚み方向に重なる領域に形成されている、吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吸収性物品外部に放出された水蒸気に起因する不快感や漏れの誤認を抑制し、着用時の快適性を向上させた吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態において、その展開且つ伸長状態における肌対向面側(内面側)を模式的に示す展開平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す吸収性物品のI-I線断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す吸収性物品において、その展開且つ伸長状態における非肌対向面側(外面側)を模式的に示す展開平面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す吸収性物品のII-II線での断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の吸収性物品の別の実施形態において、その展開且つ伸長状態における非肌対向面側(外面側)を模式的に示す展開平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の吸収性物品の更に別の実施形態において、その展開且つ伸長状態における非肌対向面側(外面側)を模式的に示す展開平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の吸収性物品の更に別の実施形態において、その展開且つ伸長状態における非肌対向面側(外面側)を模式的に示す展開平面図である。
【
図8】
図8は、本発明の吸収性物品の更に別の実施形態において、その展開且つ伸長状態における非肌対向面側(外面側)を模式的に示す展開平面図である。
【
図9】
図9は、本発明の吸収性物品の更に別の実施形態において、その展開且つ伸長状態における非肌対向面側(外面側)を模式的に示す展開平面図である。
【
図11】
図11(a)は、
図2に示す吸収性物品の断面における要部拡大図であり、
図11(b)は、
図5に示す吸収性物品の非肌対向面側の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
図1ないし
図4には、本発明の吸収性物品の好ましい実施形態である展開型の使い捨ておむつ(以下、これを単に「おむつ」ともいう。)が示されている。
図1には、おむつ1の肌対向面側から見た構成が示されている、同図に示すおむつ1は、その展開且つ伸長状態において、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる長手方向Xと、これに直交する幅方向Yとを有している。おむつ1は、その着用時に着用者の腹側に配される腹側領域F及び背側に配される背側領域Rと、腹側領域F及び背側領域Rの間に位置する股下領域Mと有する。各領域は、おむつ1の長手方向Xの全長を三等分した領域であり、着用者の前後方向に連続して延びている。股下領域Mは、おむつ1の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部(図示せず)を有している。
【0013】
図1及び
図2に示すように、おむつ1は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2と、非肌対向面を形成する液難透過性(撥水性も含む)の防漏シート3とを備えている。表面シート2と防漏シート3との間には、吸収体4が配されており、これらの部材が吸収性本体1Aを構成している。表面シート2及び防漏シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の外周縁から外方に延出している。表面シート2及び防漏シート3は、
図1に示すように、吸収体4の長手方向Xに沿う両側縁から幅方向Yの外方に延出している。本実施形態における表面シート2及び防漏シート3の各長手方向両端縁は、おむつ1の長手方向両端縁と略一致している。
【0014】
図1及び
図2に示すように、おむつ1は、液保持性の吸収体4を備えている。同図に示す吸収体4は略長方形状であり、その長手方向とおむつの長手方向Xとが一致するように配されている。吸収体4は、腹側領域Fから背側領域Rに亘って配されている。
図2に示すように、吸収体4は、吸収性能を有する吸収性コア41が液透過性のコアラップシート42に被覆されて形成されている。本実施形態における吸収体4は、股下領域Mにおいて、幅方向Yに括れた部位を有している。吸収体4の長手方向両端縁は、おむつ1の長手方向両端縁よりも内方に位置している。
【0015】
本明細書において、おむつ1の「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1を展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。また、「肌対向面」は、おむつ又はその構成部材(例えば吸収体)に着目したときに、おむつの着用時に着用者の肌に向けられる面であり、「非肌対向面」は、おむつの着用時に着用者の肌とは反対側に向けられる面である。つまり、肌対向面は、着用者の肌に相対的に近い側の面であり、非肌対向面は、着用者の肌から相対的に遠い側の面である。「着用時」及び「着用状態」は、おむつの適正な着用位置が維持されて着用された状態を指す。
【0016】
図3には、おむつ1の非肌対向面側から視た構成が示されている。同図には、後述する防漏カフ6及び各弾性部材62,85等が表されていないが、説明の便宜上そのように表しただけであり、実際には
図1に示すおむつ1と同様の構成となっている。
【0017】
図2及び
図3に示すように、吸収性本体1Aの非肌対向面側には、外装シート5が配されている。外装シート5は、おむつ1の着用状態において、外部から視認可能なおむつ1の外面を形成する部材である。同図に示す外装シート5は、吸収性本体1Aの非肌対向面に、腹側領域Fから背側領域Rに亘って長手方向Xに配されている。また、外装シート5は、展開且つ伸長状態のおむつ1の外形を形作っており、外装シート5の周縁は、腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rのそれぞれの輪郭線を形成している。
【0018】
外装シート5には、
図2及び
図3に示すように、非肌対向面側に突出し且つ一方向に延びる複数の畝部51と、畝部51間に位置する溝部52とを交互に有する畝溝形状5Aが形成されている。外装シート5は、溝部52が形成されている部位において、接着剤53を介して防漏シート3と接合されている。同図に示す実施形態では、接着剤53は、長手方向Xに延び、且つ幅方向Yに間欠的に配された接合領域を形成している。つまり、外装シート5と防漏シート3とは、長手方向Xに延びる複数条の接合領域において幅方向Yに間欠的に接合されている。また、同図に示す畝部51は、防漏シート3から離間するように突出して形成されており、畝部51において外装シート5と防漏シート3とで画成される領域は中空となっている。一方、防漏シート3は、ほぼ平坦である。畝部51及び溝部52を有する畝溝形状5Aは、股下領域Mにおいて、吸収体4と厚み方向Zに重なる領域に少なくとも形成されている。
【0019】
外装シート5は、
図2に示すように単層で形成されていてもよく、これに代えて、複数枚のシートを積層したものを用いてもよい。詳細には、外装シート5は、おむつ1の幅方向Yにおいて間欠的に複数個所で接合されている2枚の不織布からなり、その2枚の不織布のうちの一方の不織布が、他方の不織布に接合されていない部分において、該他方の不織布から離れる方向に突出して畝部51が形成されているものであってもよい。その場合における畝部51は、一方の不織布と他方の不織布とで画成される領域が中空となっていることが好ましい。また2枚の不織布は、それぞれ独立に、単層構造又は2層以上の積層構造のいずれであってもよい。畝部51は、上述した外装シート5と防漏シート3との間、又は外装シート5を構成する2枚の不織布間に中空部が形成されているものに代えて、畝部の内部に、該畝部の表面部よりも繊維密度が小さい低密度部を有するものであってもよい。
【0020】
図1ないし
図3に示す実施形態では、外装シート5に形成されている畝部51及び溝部52は、ともに長手方向Xに延びるように直線状に複数形成されており、幅方向Yに交互に並んでいる。畝部51どうし及び溝部52どうしはそれぞれ、互いに平行となって形成されている。畝部51及び溝部52を有する畝溝形状5Aは、股下領域Mにおける吸収体4と厚み方向Zに重なる領域を含むように、腹側領域Fから背側領域Rに亘って形成されており、おむつ1の長手方向両端縁まで達するように形成されている。また畝溝形状5Aは、吸収体4と厚み方向Zに重なる領域に加えて、吸収体4の長手方向Xに沿う両側縁の幅方向Yの外方にもそれぞれ形成されている。以下の説明では、おむつ1の長手方向Xに延びる畝部51を「長手方向畝部51」ともいい、おむつ1の長手方向Xに延びる溝部52を「長手方向溝部52」ともいい、おむつ1の長手方向Xに延びように形成された畝溝形状5Aを「長手方向畝溝形状5A」ともいう。
【0021】
図1及び
図2に示すように、おむつ1の肌対向面における長手方向Xに沿う両側部には、一対の防漏カフ6,6が設けられていてもよい。防漏カフ6は、撥水性且つ通気性の防漏カフ形成用シート61から構成されている。各防漏カフ6の自由端部の近傍には糸状の防漏カフ形成用弾性部材62が長手方向Xに伸長状態で一本以上配されている。防漏カフ6は、伸長状態で配された弾性部材62がおむつ1の着用時に収縮することによって少なくとも股下領域Mで起立し、それによって尿等の排泄物の幅方向Yの外方への流出を阻止する。
【0022】
図1ないし
図4に示すように、外装シート5は、吸収性本体1Aの長手方向Xに沿う両側縁から幅方向Yの外方に延出しており、防漏カフ6を構成する防漏カフ形成用シート61とともにサイドフラップ部Sを形成している。サイドフラップ部Sは、腹側領域Fに形成された一対の腹側サイドフラップ部Sf,Sfと、背側領域Rに形成された一対の背側サイドフラップ部Sr,Srとを有する。吸収性本体1Aは、股下領域Mの最小幅部の幅を有して、おむつ1の長手方向Xの全域に亘る領域であり、腹側サイドフラップ部Sf及び背側サイドフラップ部Srは、腹側領域F及び背側領域Rのそれぞれにおいて、吸収性本体1Aの長手方向Xに沿う両側縁よりも幅方向Yの外方に位置する部分である。
図1に、おむつ1における吸収性本体1Aと腹側サイドフラップ部Sf又は背側サイドフラップ部Srとの境界線を一点鎖線で示す。サイドフラップ部Sは、外装シート5と防漏カフ形成用シート61とから形成されているものに限られない。例えば、表面シート2及び防漏シート3等といった、吸収体4の両側縁よりも幅方向Yの外方に延出する部材を更に含んで構成されていてもよい。サイドフラップ部Sを構成する部材は、吸収体4の前記両側縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されていることが好ましい。
【0023】
図1及び
図3に示すように、本実施形態のおむつ1は、一対のファスニングテープ7,7が、背側領域Rに形成された一対の背側サイドフラップ部Sr,Srに設けられている。各ファスニングテープ7は、各背側サイドフラップ部における幅方向Yの両側縁から延出するように配されている。各ファスニングテープ7の一端は、
図4に示すように、外装シート5と防漏カフ形成用シート61との間に固定されている。
【0024】
図1及び
図4に示すように、腹側及び背側の各サイドフラップ部Sには、サイドフラップ部Sの構成部材が、サイドフラップ部Sの他の部位よりも少ない部位である通気部1Tが形成されていることが好ましい。本実施形態では、背側サイドフラップ部Srにおける通気部1Tは、吸収性本体1Aの幅方向Yの外方且つファスニングテープ7の幅方向Yの内方に位置する部位であり、また、腹側サイドフラップ部Sfにおける通気部1Tは、腹側サイドフラップ部Sfの略全域に形成されている。本実施形態における通気部1Tは、
図4に示すように、サイドフラップ部Sをにおける外装シート5及び防漏カフ形成用シート61で構成されている部位であり、これらのシート間は接着剤等で接合されていない。
【0025】
おむつ1の腹側領域Fにおける非肌対向面には、ファスニングテープ7が具備する止着部71が着脱自在に止着可能な止着領域7Aが設けられている。止着領域7Aは、ファスニングテープ7が具備する止着部71の素材に応じ、適切な素材のものが選択される。例えば止着部71がメカニカルファスナーのオス材である場合、止着領域7Aとしては、メカニカルファスナーのメス材として、該オス材と係合可能な繊維シート、例えば、編み物地、不織布を用いることができる。また、止着部71が粘着剤である場合、止着領域7Aとしては、例えば、合成樹脂製の平滑なフィルムを用いることができる。
図3に示す実施形態では、おむつ1の腹側領域Fにおける非肌対向面を形成する外装シート5が、止着領域7Aとなっている。
【0026】
図1に示すように、おむつ1の長手方向Xに沿う両側部それぞれには、レッグギャザー形成用の複数本のレッグ弾性部材85が長手方向Xに沿って伸長状態に配されており、レッグ弾性部材85の収縮によりレッグギャザーが形成できるようになっている。本実施形態では、おむつ1の腹側領域F及び背側領域Rにおける各長手方向端部域には弾性部材が存在していないが、本発明の効果が奏される限りにおいて、例えば弾性部材を幅方向Yに伸長状態に更に配して、弾性部材の収縮によりウエストギャザーが形成できるようになっていてもよい。
【0027】
表面シート2、防漏シート3及び吸収体4としてはそれぞれ、吸収性物品に従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。表面シート2としては例えば、液透過性の不織布及び開孔フィルム等を用いることができる。防漏シート3としては、液難透過性の樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。吸収体4は、吸収性コア41として、木材パルプ、親水化処理された合成繊維等の親水性繊維の集合体や、該集合体に吸水性ポリマーを保持させたものを用いることができる。また、コアラップシート42としては、表面シート2と同様のものを用いることができる。また、防漏カフ形成用シート61としては、撥水性の不織布を用いることができる。
【0028】
また、外装シート5としては、伸縮性を有していない非伸縮シートを用いることが好ましい。外装シート5は、例えば各種製法による不織布を用いることができ、例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、メルトブローン不織布、又はこれらの積層不織布等を用いることができる。外装シート5は、
図2に示すように一枚のシートで構成されていてもよく、これに代えて、複数枚のシートの積層体で構成されていてもよい。
【0029】
これらのうち、おむつの通気性を高くして着用者の快適性を高める観点、及び畝溝形状5Aの形成効率を高める観点から、外装シート5としてエアスルー不織布を用いることが好ましく、不織布を単層で用いることも好ましい。
【0030】
上述した形態を有する畝溝形状5Aは、例えば、張力が付与された一方のシートの一面に接着剤を帯状かつ複数条塗布したあと、該一方のシートよりも高い張力が付与された他方のシートを、該一方のシートの接着剤塗布面に積層して貼り合わせシートとし、然る後に、貼り合わせシートに付与される張力を他方のシートに付与された張力よりも低くすることによって、形成することができる。
【0031】
おむつ1を構成する防漏シート3及び外装シート5を例にとり詳細に説明すると、まず、長尺帯状の防漏シート3の一方の面に対して、防漏シート3の搬送方向に延びるように、好ましくは防漏シート3の搬送方向に沿う方向に延びるように、接着剤を帯状かつ複数条塗布する。つまり、防漏シート3には、接着剤が付着した塗布部(接合領域)と、接着剤が付着していない非塗布部とが、防漏シート3の搬送方向と交差する方向に、好ましくは防漏シート3の搬送方向と直交する方向に交互に形成される。
【0032】
次いで、防漏シート3の搬送方向と同一方向に張力を付与した状態で、接着剤が塗布された防漏シート3と、長尺帯状の外装シート5とを貼り合わせる。このとき、外装シート5に付与する張力は、防漏シート3の搬送方向と同一方向とし、且つ防漏シート3の搬送時における張力よりも高い状態とする(以下、この状態を「高張力状態」ともいう。)。高張力状態の外装シート5は、張力が付与されていない外装シート5と比較して、搬送方向に伸長しているので、外装シート5の幅が小さくなった状態で防漏シート3と貼り合わせられる。
【0033】
その後、貼り合わせたシートに付与される張力を防漏シート3の搬送時における張力となるようにして、下流の工程に搬送する。シートどうしを貼り合わせた後において外装シート5に付与される張力は、シートどうしを貼り合わせる前に外装シート5に付与されている張力よりも低くなるので、外装シート5の高張力状態が解除される。これによって、外装シート5の幅が幅方向Yに広がるように回復するとともに、非塗布部に位置する外装シート5が、防漏シート3から離間するように突出して、接着剤の塗布方向に沿って延びる畝部51となる。また、塗布部に位置する外装シート5は、防漏シート3から離間せずに固定されるので、塗布部に位置する外装シート5が接着剤の塗布方向に沿って延びる溝部52となる。このようにして、一方向に延びる畝溝形状5Aが外装シート5に形成される。畝溝形状5Aを長手方向に延びるように配置したおむつ1を製造する場合には、目的とするおむつ1の長手方向と、畝部51及び溝部52の延在方向とが一致するように、外装シート5を含む貼り合わせシートを切断して、おむつを成形すればよい。
【0034】
複数枚のシートから構成される外装シート5に対して畝溝形状5Aを形成する場合、例えば、外装シート5におけるおむつ1の肌対向面側を構成する内層側シートに対して接着剤を帯状かつ複数条塗布して、次いで、該内層側シートと、高張力状態とした他方のシートとを貼りつける。その後、他方のシートの高張力状態を解除して、他方のシートに畝溝形状5Aを形成すればよい。本形態における外装シート5には、少なくとも他方のシートにエアスルー不織布を用いることが好ましい。
【0035】
以上の構成を有する本発明の吸収性物品によれば、長手方向に延びる畝部及び溝部から構成される長手方向畝溝形状が股下領域に形成されているので、畝溝形状が形成されていない吸収性物品と比較して、吸収体に吸収保持された尿等の排泄液から生じる水蒸気を股下領域から腹側領域及び背側領域に向かって移動させやすくすることができる。その結果、吸収性物品の外部に放出された水蒸気に起因する不快感や漏れの誤認を抑制することができる。
【0036】
詳細には、尿等の排泄液は、股下領域における排泄部対向部及びその近傍に吸収されるので、排泄液から生じる水蒸気は、股下領域において発生しやすく、また、該水蒸気は、股下領域から吸収性物品外部に多く放出される状態となっていることが一般的である。この点に関して、本発明によれば、長手方向畝溝形状が股下領域に形成されていることによって、畝部及び溝部が水蒸気の流通路としての役割を担うので、排泄液から生じる水蒸気は、股下領域から腹側領域及び背側領域のそれぞれに向かって移動し、着用者の前後方向に拡散して放出されやすくなる。その結果、本発明の吸収性物品は、その着用時に、排泄液から生じる水蒸気が結露しづらくなる。また、結露によって生じた水分に起因した衣服の湿りや、これに伴って生じる着用者の尿漏れの誘発、尿漏れに対する不安、並びに脚周り及び腰回り等における漏れの誤認等を低減させることができる。更に、おむつ内の水蒸気の放出を促進させることができるので、着用時の蒸れを低減することができる。すなわち、本発明の吸収性物品によれば、着用時の快適性を向上させることができる。
【0037】
上述した効果を一層顕著なものとする観点から、
図3に示すように、おむつ1は、長手方向畝部51及び長手方向溝部52を有する長手方向畝溝形状5Aが、股下領域Mにおける吸収体4と厚み方向Zに重なる領域を含むように、腹側領域Fから背側領域Rに亘って形成されていることが好ましく、おむつ1の長手方向両端縁まで達するように形成されていることが更に好ましい。また、長手方向畝溝形状5Aは、腹側領域F及び背側領域Rのそれぞれの領域に位置する吸収体4と厚み方向Zに重なる領域を含むことも一層好ましい。
【0038】
図1ないし
図4に示す実施形態と異なる別の実施形態として、
図5ないし
図8に示すおむつ1の非肌対向面における実施形態を採用することも好ましい。以下に説明する実施形態については、上述した実施形態と異なる点を中心に説明し、特に説明しない点については、上述した実施形態についての説明が適宜適用される。上述した実施形態と同様の点については同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
図5に示す実施形態では、腹側領域Fにおける外装シート5の非肌対向面側に、おむつの幅方向Yに延びる複数の幅方向畝部56と、幅方向溝部57とを交互に有する幅方向畝溝形状5Bが形成されている。幅方向畝溝形状5Bは、同図に示すように、おむつ1の平面視において波形形状に形成されていてもよく、幅方向に延びる直線状に形成されていてもよい。幅方向畝溝形状5Bは、吸収性物品1の幅方向Yの中央域及び両側方域に亘って伸びるように配されており、好ましくは長手方向畝溝形状5Aが形成されている領域と厚み方向Zで重なっている。幅方向畝溝形状5Bの形成領域と、上述した止着領域7Aとは、互いに重なっていてもよく、異なっていてもよい。このような構成を有していることによって、おむつ1の幅方向Yに延びる水蒸気の流通路が更に形成されるので、股下領域Mから腹側領域Fに移動した水蒸気、並びに腹側領域F及びその近傍から発生した水蒸気を、腹部方向、及び腰回りに沿う方向の各方向に拡散させて放出させることができる。その結果、特に、腹部における漏れの誤認を低減することができる。
【0040】
また、
図6に示す実施形態では、幅方向畝部56と、幅方向溝部57とを交互に有する幅方向畝溝形状5Bが、腹側領域F及び背側領域Rにおける外装シート5の非肌対向面側にそれぞれ形成されている。同図に示す各幅方向畝溝形状5Bはそれぞれ、上述した
図5に示す実施形態と同様に、おむつ1の平面視において波形形状に形成されている。
【0041】
幅方向畝溝形状5Bは、吸収性物品1の幅方向Yの中央域及び両側方域に亘って伸びるように配されており、好ましくは長手方向畝溝形状5Aが形成されている領域と厚み方向Zでそれぞれ重なっている。同図に示すように、背側領域Rに形成された幅方向畝溝形状5Bは、幅方向Yに沿って見たときに、幅方向畝溝形状5Bの形成領域と、ファスニングテープ7の配置位置とが重なっている。これに代えて、背側領域Rに形成された幅方向畝溝形状5Bは、おむつ1の平面視において、ファスニングテープ7の配置位置よりも長手方向の内方に形成されていてもよい。このような構成を有していることによって、おむつ1の幅方向Yに延びる水蒸気の流通路が腹側及び背側の双方に形成されているので、股下領域Mから腹側領域F及び背側領域Rに移動した水蒸気、並びに腹側領域F、背側領域R及びこれらの近傍から発生した水蒸気を、着用者の前後方向、及び腰部周囲方向の各方向に拡散させて放出させることができる。その結果、特に、腹部及び背部の双方における漏れの誤認を低減することができる。これに加えて、背側領域Rでは、着用者の汗及びこれに起因する水蒸気が発生しやすいので、汗の蒸散効率を高めて、着用時の蒸れを更に低減することができる。その結果、着用時の快適性を更に高めることができる。
【0042】
図7に示す実施形態では、外装シート5の非肌対向面側には、外装シートとは別体の第2外装部材が配されており、幅方向畝溝形状5Bが第2外装部材に形成されている。同図に示す第2外装部材は、ファスニングテープ7の止着領域7Aを構成するランディングテープ7Bである。ランディングテープ7Bは、外装シート5とは別体のシートとして、腹側領域Fの非肌対向面側に配されている。本実施形態では、幅方向畝溝形状5Bの形成領域と、上述した止着領域7Aとが、互いに重なっている。
【0043】
ランディングテープ7Bは、平面視において矩形形状を有しており、ランディングテープ7Bの長手方向と、おむつ1の幅方向Yと、幅方向畝溝形状5Bの延在方向とをそれぞれ一致させて配されている。ランディングテープ7Bは、腹側領域Fにおける非肌対向面の幅方向Yの少なくとも中央域に、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって接合されている。本実施形態におけるランディングテープ7Bは、例えば、これに幅方向畝溝形状5Bを形成し、その後、該ランディングテープ7Bを外装シート5に対して接合すればよい。このような構成を有していることによって、排泄液及び汗から生じた水蒸気を、腰部周囲方向に拡散させて放出できるとともに、おむつ外部に放出された水蒸気がおむつ内へ再流入することを防ぎ、その結果、着用者の快適性を高めることができる。この効果を顕著なものとする観点から、ランディングテープ7Bは、腹側領域Fに形成されている長手方向畝溝形状5Aと厚み方向Zに重なるように配されていることが好ましい。
【0044】
図8に示す実施形態では、腹側領域Fにおける外装シート5の非肌対向面側に、幅方向畝溝形状5Bが形成された第2外装部材(ランディングテープ7B)が配されている。これに加えて、背側領域Rにおける外装シート5の非肌対向面側に、幅方向畝溝形状5Bが更に配されている。背側領域Rに形成されている幅方向畝溝形状5Bは、外装シート5の第2外装部材が配されていない部位に形成されている。本実施形態では、背側領域Rに形成されている幅方向畝溝形状5Bは、外装シート5に直接形成されている。このような構成を有していることによって、股下領域Mに吸収された排泄液から生じた水蒸気を多方向に拡散して放出できるとともに、第2外装部材によって、おむつ外部に放出された水蒸気がおむつ内へ再流入することを防ぐことができる。これに加えて、背側領域Rには、第2外装部材が配されていない部位に幅方向畝溝形状5Bが形成されているので、汗の蒸散効率を高めて、着用時の蒸れを低減することができる。その結果、着用時の快適性を一層高めることができる。この効果をより一層顕著なものとする観点から、腹側領域F及び背側領域Rに形成されている幅方向畝溝形状5Bはそれぞれ、腹側領域F及び背側領域Rに延在する長手方向畝溝形状5Aと厚み方向Zに重なるように形成されていることも好ましい。
【0045】
図9に示す実施形態では、各背側サイドフラップ部Sr,Srには、幅方向Yに延びるフラップ弾性部材87が複数配されている。フラップ弾性部材87は、背側サイドフラップ部Srにおける通気部1Tから、吸収性本体1Aにおける防漏シート3に亘って配されており、各フラップ弾性部材87どうしは略平行に延びている。なお本実施形態は、説明の便宜上、幅方向畝溝形状5Bが形成された第2外装部材(ランディングテープ7B)が腹側領域Fに配されており、背側領域Rには幅方向畝溝形状5Bが形成されていない態様で説明するが、これに代えて、上述した実施形態を適宜組み合わせた態様としてもよい。例えば、おむつ1には、幅方向畝溝形状5Bが腹側領域F及び背側領域Rの双方に形成されていてもよい。
【0046】
図10には、
図9に示す実施形態のおむつ1の着用状態が模式的に示されている。おむつ1の着用状態においては、腹側サイドフラップ部Sfと背側サイドフラップ部Srとは、これらが互いに重なるよう配される。詳細には、着用者の肌対向面側に腹側サイドフラップ部Sfが配され、且つ腹側サイドフラップ部Sfの非肌対向面側を覆うように背側サイドフラップ部Srが配された状態で、ファスニングテープ7が止着領域7Aとしてのランディングテープ7Bに止着され、着用状態が維持されている。着用者の体表面から外方に向かって見たときの配置として、腹側サイドフラップ部Sf及び背側サイドフラップ部Srの順で重なっている。
【0047】
この状態において、腹側サイドフラップ部Sfと背側サイドフラップ部Srとが互いに重なる領域に、高い通気性を有する高通気領域1Vが存在することが好ましい。また、高通気領域1Vは、幅方向畝溝形状5Bの延在方向に位置するように形成されることも好ましい。高通気領域1Vは、おむつ1の着用状態において、少なくとも防漏シート3が配されていない領域を指す。このような構成となっていることによって、幅方向畝溝形状5Bを介して腰回りに沿う方向に拡散した水蒸気が、高通気領域1Vから放出されやすくなるので、おむつ内の蒸れを一層低減することができる。
【0048】
また、幅方向Yに延びるフラップ弾性部材87は、腹側及び背側サイドフラップ部Sf、Srの重なりによって形成された高通気領域1Vと重なるように配されることが好ましい。このような構成となっていることによって、着用者の姿勢の変化に追従して、弾性部材87とともに高通気領域1Vが伸縮しやすくなるので、幅方向畝溝形状5Bを介して腰回りに沿う方向に拡散した水蒸気が、高通気領域1Vからより放出されやすくなるので、おむつ内の蒸れをより一層低減することができる。
【0049】
上述した効果をより一層高める観点から、高通気領域1Vは、腹側及び背側サイドフラップ部Sf,Srの重なりによって構成される部材が、サイドフラップ部Sを構成する他の部位の構成部材の数よりも少なくすることが好ましく、特に、腹側及び背側サイドフラップ部Sf,Srにおける通気部1Tがそれぞれ重なることによって形成されていることが更に好ましい。
【0050】
おむつ1に幅方向畝溝形状5Bが形成されている場合、股下領域Mから腹側領域Fに移動した水蒸気を効率よく幅方向Yに放出させやすくして、着用時の快適性を高める観点から、幅方向溝部57の長手方向Xに沿う横断面積が、長手方向溝部52の幅方向Yに沿う横断面積よりも大きいことが好ましい。詳細には、幅方向溝部57の長手方向Xに沿う横断面積は、好ましくは0.5mm2以上、より好ましくは0.8mm2以上であり、また、好ましくは10mm2以下、より好ましくは5mm2以下である。同様に、長手方向溝部52の幅方向Yに沿う横断面積は、好ましくは0.1mm2以上、より好ましくは0.3mm2以上であり、また、好ましくは5mm2以下、より好ましくは2mm2以下である。
【0051】
各溝部52,57の横断面積は、例えば以下の方法でそれぞれ測定することができる。外装シート5の長手方向溝部52又は幅方向溝部57が形成されている部位において、測定対象となる溝部の延在方向と直交する方向に沿って、外装シート5を鋭利なカミソリで切断し、切断面を得る。この切断面を、顕微鏡(例えばキーエンス株式会社製、デジタルマイクロスコープVHX-1000)を用いて、隣り合う2つの畝部と該畝部間に配された溝部とが存在する部位が視野に含まれるように、倍率10~100倍、無荷重の状態で観察する。次いで、得られた観察画像から、前記切断面における畝部及び溝部の非肌対向面の輪郭並びに畝部の頂部をそれぞれ特定し、畝部の各頂部を結ぶ仮想直線と、畝部及び溝部の非肌対向面の輪郭とで囲まれた領域の面積を測定する。この測定を5箇所以上の溝部を対象として行い、面積の算術平均値を測定対象の溝部の横断面積とする。また、測定対象の外装シートに長時間外力が作用していた場合、具体的には例えば、使い捨ておむつなどの吸収性物品に組み込まれ、該吸収性物品がパッケージに圧縮充填された状態で保管されていた場合には、その外力の影響を排除するために、該吸収性物品から該外装シートを取り出し、常温常圧の環境で1日以上放置したものを、前記のようにカミソリで切断する。
【0052】
シート状の第2外装部材を更に配する場合、おむつ外部に放出された水蒸気がおむつ内へ再流入することを効果的に防ぐ観点から、第2外装部材は、外装シート5の構成材料よりも通気抵抗が高いことが好ましい。
【0053】
詳細には、第2外装部材の通気抵抗は、0.005kPa・s/m以上が好ましく、0.01kPa・s/m以上が更に好ましく、また、0.2kPa・s/m以下が好ましく、0.1kPa・s/m以下が更に好ましい。また、外装シート5の通気抵抗は、0.001kPa・s/m以上が好ましく、0.003kPa・s/m以上が更に好ましく、また、0.1kPa・s/m以下が好ましく、0.05kPa・s/m以下が更に好ましい。通気抵抗は、例えば、カトーテック製AUTOMATIC AIR-PERMEABILITY TESTER KES-F8-AP1(通気性試験機)を用いて測定することができる。上述の測定方法で得られる通気抵抗の値が大きいことは、空気の通過に時間がかかることを意味しているので、測定対象の材料の通気性が低いことを意味する。
【0054】
第2外装部材をランディングテープ7Bとする場合、ランディングテープ7Bの構成材料は、ファスニングテープ7を止着可能な材料を用いることが好ましく、例えば、外装シート5と同様の各種不織布等の繊維シートや、樹脂フィルム等を用いることができる。通気性の向上の観点からは、外装シート5と同様の各種不織布等の繊維シートを用いることが好ましい。
【0055】
幅方向畝溝形状5Bにおける幅方向溝部57は、幅方向畝溝形状5Bが形成される構成材料の圧密化によって形成されていることが好ましい。幅方向溝部57が圧密化されていることによって、構成材料の密度が高い部分と低い部分とが一定の間隔で形成されるので、おむつ外部への水蒸気の放出効率を維持しつつ、おむつ外部に放出された水蒸気がおむつ内へ再流入することを防ぎ、その結果、着用者の快適性を高めることができる。幅方向溝部57が圧密化によって形成されている場合、幅方向溝部57の間に位置する幅方向畝部56は圧密化されていないか、又は幅方向溝部57よりも圧密化の程度が弱くなっている。
【0056】
このような幅方向畝溝形状5Bを形成させるためには、例えば、形成対象の構成部材又は構成材料に対して、エンボス加工を施したり、所望の賦形形状に相補的な形状を有する金型や部材等に押し付けて賦形する加工等を施したりすることによって行うことができる。また、おむつを市場へ流通する際に、幅方向畝溝形状5Bが形成された第2外装部材を腹側領域Fに備えるおむつ1を複数個隣接させ且つ圧縮した状態で収容した場合には、一方のおむつ1における第2外装部材と、他方のおむつ1の外装シートとが当接且つ押圧される状態となる。これによって、市場流通の過程で、第2外装部材に形成された幅方向畝溝形状5Bと相補的な形状を、他方のおむつ1の背側領域Rに形成することができる。
【0057】
おむつ外部に放出された水蒸気に起因する不快感や漏れの誤認を低減するとともに、おむつの風合いを高める観点から、畝溝形状5Aを構成する畝部51及び溝部52の各本数は、それぞれ独立して、8本/10cm以上であることが好ましく、16本/10cm以上であることが更に好ましく、また、100本/10cm以下であることが好ましく、80本/10cm以下であることが更に好ましい。畝部51及び溝部52の各本数は、例えば、外装シート5に線状に塗布する接着剤の塗布幅及び接着剤列どうしの間隔を変更することによって、適宜調整することができる。畝部51及び溝部52の各本数の数え方は、シート平面視において、畝部51及び溝部52の延在方向に直交する方向に延びる仮想直線を畝部51及び溝部52が存在する任意の位置にひいたとき、その仮想直線と交差する畝部の本数を畝部51の本数とし、該仮想直線と交差する溝部の本数を溝部52の本数として、該仮想直線10cm当たりに存在する畝部51及び溝部52の各本数を求める。仮想直線をひいた位置によって畝部51及び溝部52の各本数が異なる場合は、これらの本数のうち最大のものを、10cm当たりに存在する畝部51の本数、あるいは10cm当たりに存在する溝部52の本数とそれぞれ定義する。
【0058】
同様の観点から、長手方向畝部51の高さH1(
図11(a)参照)は、好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.4mm以上であり、また、好ましくは3mm以下、更に好ましくは2mm以下である。畝部51の高さH1は、外装シート5における溝部52を形成する面と、畝部51の頂部の上面との間の距離である。畝部51の高さH1は、例えば、外装シート5に線状に塗布する接着剤の塗布幅及び接着剤列どうしの間隔を変更したり、外装シート5の構成材料を変更したり、高張力状態において付与される外装シート5の張力を変更したりすることによって、適宜調整することができる。
【0059】
また同様の観点から、長手方向畝部51の幅方向Yに沿う全幅W1(
図11(a)参照)は、好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.4mm以上であり、また、好ましくは12mm以下、更に好ましくは6mm以下である。長手方向溝部52の幅方向Yに沿う全幅W2(
図11(a)参照)は、実質的に存在していない(すなわち全幅W2はゼロである)ことが好ましく、より好ましくは0mm超、更に好ましくは0.2mm以上であり、また、好ましくは5mm以下、更に好ましくは2mm以下である。各全幅W1,W2は、例えば、外装シート5に塗布する接着剤の幅や、接着剤列どうしの間隔を変更することによって、適宜調整することができる。
【0060】
上述した高さH1、全幅W1及び全幅W2は、例えば以下の方法で測定することができる。すなわち、畝部51及び溝部52が形成されているサンプルを、鋭利なカミソリで畝部51及び溝部52の延在方向と直交する方向に沿って切断し、その切断面を上述した顕微鏡で観察して、溝部52を形成する非肌対向面と、畝部51の頂部の上面(非肌対向面)との間の最短距離を測定し、得られた値を畝部の高さH1とする。前記切断面において、畝部51及び溝部52の非肌対向面における輪郭線から、畝部51と溝部52との境界点を特定し、畝部51を挟むように測定した境界点間の最短距離(
図11(a)参照)を全幅W1とし、溝部52を挟むように測定した境界点間の最短距離(
図11(a)参照)を全幅W2とする。境界点は、切断面において観察される凸の形状から溝部の輪郭線に沿って延びる直線に変化する境界の点、及び該直線から凸の形状に変化する境界の点を指し、該境界点は、畝部51及び溝部52の前記輪郭線に対して引いた接線から変曲点を求めることで特定することができる。境界点が特定できない場合は、各畝部51の高さH1における各中点を結ぶ仮想直線と、畝部51の非肌対向面における輪郭線との交点を境界点として測定した境界点間の最短距離を全幅W1とし、全幅W2はゼロとする。また、測定対象の外装シートに長時間外力が作用していた場合、具体的には例えば、使い捨ておむつなどの吸収性物品に組み込まれ、該吸収性物品がパッケージに圧縮充填された状態で保管されていた場合には、その外力の影響を排除するために、該吸収性物品から該外装シートを取り出し、常温常圧の環境で1日以上放置したものを、前記のようにカミソリで切断する。
【0061】
また、おむつ外部に放出された水蒸気に起因する不快感や漏れの誤認を低減するとともに、おむつの風合いを高める観点から、幅方向畝溝形状5Bを構成する幅方向畝部56及び幅方向溝部57の各本数は、それぞれ独立して、5本/10cm以上であることが好ましく、10本/10cm以上であることが更に好ましく、また、50本/10cm以下であることが好ましく、30本/10cm以下であることが更に好ましい。幅方向畝部56及び幅方向溝部57の各本数は、例えば、幅方向畝溝形状の賦形における加工寸法を適宜変更することによって、調整することができる。幅方向畝部56及び幅方向溝部57の各本数の数え方は、シート平面視において、幅方向畝部56及び幅方向溝部57の延在方向に直交する方向に延びる仮想直線をひいたとき、その仮想直線と交差する畝部の本数を幅方向畝部56の本数とし、該仮想直線と交差する溝部の本数を幅方向溝部57の本数として、仮想直線10cm当たりに存在する幅方向畝部56及び幅方向溝部57の各本数を求める。仮想直線をひいた位置によって幅方向畝部56及び幅方向溝部57の各本数が異なる場合は、これらの本数のうち最大のものを、10cm当たりに存在する幅方向畝部56の本数、あるいは10cm当たりに存在する幅方向溝部57の本数とそれぞれ定義する。
【0062】
同様の観点から、幅方向畝部56の長手方向Xに沿う全幅W3(
図11(b)参照)は、好ましくは1mm以上、更に好ましくは2mm以上であり、また、好ましくは10mm以下、更に好ましくは5mm以下である。幅方向溝部57の長手方向Xに沿う全幅W4(
図11(b)参照)は、実質的に存在していない(すなわち全幅W4はゼロである)ことが好ましく、より好ましくは0mm超、更に好ましくは0.5mm以上であり、また、好ましくは3mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。全幅W3,W4は、例えば、幅方向畝溝形状の賦形における加工寸法を適宜変更することによって、調整することができる。全幅W3,W4は、測定時の最小の長さとする。
【0063】
上述した全幅W3及び全幅W4は、例えば以下の方法で測定することができる。すなわち、鋭利なカミソリで幅方向畝部56及び幅方向溝部57の延在方向と直交する方向に沿って切断し、その切断面を上述した顕微鏡で観察する。幅方向溝部57を形成する非肌対向面と、幅方向畝部56の頂部の上面(非肌対向面)との間の最短距離を測定し、得られた値を幅方向畝部56の高さとする(図示せず)。また、前記切断面において、幅方向畝部56及び幅方向溝部57の非肌対向面における輪郭線から、幅方向畝部56と幅方向溝部57との境界点を特定し、幅方向畝部56を挟むように測定した境界点間の最短距離(
図11(b)参照)を全幅W3とし、幅方向溝部57を挟むように測定した境界点間の最短距離(
図11(b)参照)を全幅W4とする。境界点は、上述した方法と同様に特定することができる。境界点が不明確である場合は、各幅方向畝部56の高さにおける各中点を結ぶ仮想直線と、幅方向溝部57の非肌対向面における輪郭線との交点を境界点として測定した境界点間の最短距離を全幅W3とし、全幅W4はゼロとする。また、測定対象の外装シートに長時間外力が作用していた場合、具体的には例えば、使い捨ておむつなどの吸収性物品に組み込まれ、該吸収性物品がパッケージに圧縮充填された状態で保管されていた場合には、その外力の影響を排除するために、該吸収性物品から該外装シートを取り出し、常温常圧の環境で1日以上放置したものを、前記のようにカミソリで切断する。
【0064】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。例えば、各実施形態における長手方向畝溝形状5Aは直線状のものとして説明したが、本発明の効果が奏される限りにおいて変更することができ、例えば波形等の形状であってもよい。同様に、各実施形態における幅方向畝溝形状5Bは波形形状のものとして説明したが、本発明の効果が奏される限りにおいて変更することができ、例えば直線状等の形状であってもよい。
【0065】
上述した本発明の実施形態に関し、更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
液透過性の表面シート、吸収体及び防漏シートを含む吸収性本体を備え、着用者の前後方向に対応する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、前記長手方向に沿って腹側領域、股下領域及び背側領域を備え、前記吸収体が、該腹側領域から該背側領域に亘って配されている吸収性物品であって、
前記吸収性本体の非肌対向面側に外装シートが配されており、
前記外装シートには、前記長手方向に延びる長手方向畝部と長手方向溝部とを交互に有する長手方向畝溝形状が形成されており、
前記長手方向畝溝形状は、前記股下領域における前記吸収体と厚み方向に重なる領域に形成されている、吸収性物品。
【0066】
<2>
前記外装シートと前記防漏シートとが、前記長手方向に延びる接合領域において前記幅方向に間欠的に接合されており、
前記長手方向畝部は、前記防漏シートから離間するように突出して形成されている、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記長手方向畝部において、前記外装シートと前記防漏シートとで画成される領域は中空となっている、前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記外装シートがエアスルー不織布である、前記<1>ないし<3>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<5>
前記長手方向畝溝形状が、前記腹側領域から前記背側領域に亘って形成されている、前記<1>ないし<4>のいずれか一に記載の吸収性物品。
【0067】
<6>
前記腹側領域における前記外装シートの非肌対向面側に、前記幅方向に延びる幅方向畝部と幅方向溝部とを交互に有する幅方向畝溝形状が形成されている、前記<1>ないし<5>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<7>
前記腹側領域及び前記背側領域のそれぞれにおける前記外装シートの非肌対向面側に、前記幅方向に延びる幅方向畝部と幅方向溝部とを交互に有する幅方向畝溝形状を有する、前記<1>ないし<6>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<8>
前記外装シートの非肌対向面側に第2外装部材が配されており、前記幅方向畝溝形状が該第2外装部材に形成されている、前記<6>又は<7>に記載の吸収性物品。
<9>
前記腹側領域における前記幅方向畝溝形状は、前記外装シートの非肌対向面側に配された第2外装部材に形成されており、
前記背側領域における前記幅方向畝溝形状は、前記第2外装部材が配されていない前記外装シートに形成されている、前記<8>に記載の吸収性物品。
【0068】
<10>
前記第2外装部材は、前記外装シートを構成する材料よりも通気抵抗が高い、前記<8>又は<9>に記載の吸収性物品。
<11>
前記第2外装部材の通気抵抗は、0.005kPa・s/m以上0.2kPa・s/m以下、好ましくは0.01kPa・s/m以上0.1kPa・s/m以下である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記外装シートの通気抵抗は、0.001kPa・s/m以上0.1kPa・s/m以下、好ましくは0.003kPa・s/m以上0.05kPa・s/m以下である、前記<10>又は<11>に記載の吸収性物品。
【0069】
<13>
前記幅方向畝溝形状を構成する幅方向畝部及び幅方向溝部の各本数は、それぞれ独立して、5本/10cm以上であることが好ましく、10本/10cm以上であることが更に好ましく、また、50本/10cm以下であることが好ましく、30本/10cm以下であることが更に好ましい、前記<6>ないし<12>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<14>
前記幅方向畝部の前記長手方向に沿う全幅は、1mm以上10mm以下、好ましくは2mm以上5mm以下である、前記<6>ないし<13>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<15>
前記幅方向溝部の前記長手方向に沿う全幅は、実質的に存在していないか、又は好ましくは0mm超3mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.5mm以下である、前記<6>ないし<14>のいずれか一に記載の吸収性物品。
【0070】
<16>
前記幅方向溝部の横断面積が、前記長手方向溝部の横断面積よりも大きい、前記<6>ないし<15>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<17>
前記幅方向溝部の前記長手方向に沿う横断面積が、0.5mm2以上10mm2以下、好ましくは0.8mm2以上5mm2以下である、前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>
前記長手方向溝部の前記幅方向に沿う横断面積が、0.1mm2以上5mm2以下、好ましくは0.3mm2以上2mm2以下である、前記<16>又は<17>に記載の吸収性物品。
<19>
前記幅方向溝部は、該幅方向溝部が形成される材料の圧密化によって形成されたものである、前記<6>ないし<18>のいずれか一に記載の吸収性物品。
【0071】
<20>
前記腹側領域において、前記吸収性本体の幅方向外方にそれぞれ延出した一対の腹側サイドフラップ部と、
前記背側領域において、前記吸収性本体の幅方向外方にそれぞれ延出した一対の背側サイドフラップ部とを備え、
前記各背側サイドフラップ部は、ファスニングテープが配されており、
前記腹側領域には、前記ファスニングテープを止着するランディングテープが配されており、
前記吸収性物品の着用状態において、前記腹側サイドフラップ部と前記背側サイドフラップ部とが互いに重なるように形成されており、
前記腹側サイドフラップ部と前記背側サイドフラップ部とが互いに重なる領域に、高通気領域が存在する、前記<1>ないし<19>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<21>
前記各背側サイドフラップ部に弾性部材がそれぞれ配されており、
前記吸収性物品の着用状態において、前記弾性部材と前記高通気領域とが重なる、前記<20>に記載の吸収性物品。
【0072】
<22>
前記長手方向畝部の本数が8本/10cm以上100本/10cm以下であり、好ましくは16本/10cm以上80本/10cm以下である、前記<1>ないし<21>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<23>
前記長手方向溝部の本数が8本/10cm以上100本/10cm以下であり、好ましくは16本/10cm以上80本/10cm以下である、前記<1>ないし<22>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<24>
前記長手方向畝部の高さは、0.2mm以上3mm以下、好ましくは0.4mm以上2mm以下である、前記<1>ないし<23>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<25>
前記長手方向畝部の前記幅方向に沿う全幅は、0.2mm以上12mm以下、好ましくは0.4mm以上6mm以下である、前記<1>ないし<24>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<26>
前記長手方向溝部の前記幅方向に沿う全幅は、実質的に存在していないか、又は好ましくは0mm超5mm以下、更に好ましくは0.2mm以上2mm以下である、前記<1>ないし<25>のいずれか一に記載の吸収性物品。
【符号の説明】
【0073】
1 吸収性物品(使い捨ておむつ)
1A 吸収性本体
1V 高通気領域
2 表面シート
3 防漏シート
4 吸収体
5 外装シート
5A 長手方向畝溝形状
51 長手方向畝部
52 長手方向溝部
5B 幅方向畝溝形状
56 幅方向畝部
57 幅方向溝部
7 ファスニングテープ
7B ランディングテープ
87 フラップ弾性部材
S サイドフラップ部
F 腹側領域
M 股下領域
R 背側領域
X 長手方向
Y 幅方向
Z 厚み方向