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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】回路基板及び温度測定器
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/12 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
G01K7/12 A
G01K7/12 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019132973
(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公開番号】P2021018113
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】土田 直人
(72)【発明者】
【氏名】井上 賢
(72)【発明者】
【氏名】庄子 幸樹
(72)【発明者】
【氏名】杉原 吉信
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-36625(JP,A)
【文献】実開昭59-149036(JP,U)
【文献】特開2010-151652(JP,A)
【文献】国際公開第2010/021380(WO,A1)
【文献】特開平9-61256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
H01R 9/00,9/15-9/28
H01R 12/00-12/91,24/00-24/86
H10N 10/00-10/857
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子に接続する第1配線パターンと、第2端子に接続する第2配線パターンとを有するとともに、第1配線層と第2配線層とを含む回路基板であって、
前記第1配線パターンが、前記第1配線層と前記第2配線層との一方において前記第1端子から前記第2端子に向けて延在する伝熱部を有し、
前記第2配線パターンが、前記第1配線層と前記第2配線層との他方において前記第2端子から前記第1端子に向けて延在する伝熱部を有し、
前記第1配線パターンの前記伝熱部と前記第2配線パターンの前記伝熱部とが互いに対向している回路基板。
【請求項2】
前記第1配線パターンが、前記第1配線層と前記第2配線層との前記他方において前記第1端子から前記第2端子に向けて延在する他の伝熱部を有し、
前記第2配線パターンが、前記第1配線層と前記第2配線層との前記一方において前記第2端子から前記第1端子に向けて延在する他の伝熱部を有し、
前記第1配線パターンの前記他の伝熱部と前記第2配線パターンの前記他の伝熱部とが互いに対向している、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1端子に対する距離と前記第2端子に対する距離とが異なる発熱源を有する、請求項1又は2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記発熱源に対してより近い前記端子と前記発熱源との間に位置するスリットを有する、請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記発熱源に対してより遠い前記端子と前記発熱源との間に位置するパターンを有する、請求項3又は4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記発熱源に対してより遠い前記端子に接続する前記配線パターンの前記伝熱部が、前記発熱源に対してより近い前記端子を越えて前記発熱源に向けて延在する延長部を有する、請求項3~5のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の回路基板を有し、
前記第1端子及び前記第2端子に熱電対を接続することにより、前記熱電対を介して温度を測定する温度測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路基板及び温度測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電対が接続される一対の端子を有し、熱電対により温度を測定する温度測定器が知られている。このような温度測定器では、熱電対による温度の測定精度を高めるために、一対の端子間の温度差を低減する構造が採られている。例えば、特許文献1に記載される構造は、回路基板に接続された一対の端子と発熱源との間に配置される熱反射体と、回路基板の内部に設けられる金属コアとを有している。この構造によれば、発熱源から回路基板への熱の伝導が熱反射体によって抑制され、回路基板に伝導された熱が金属コアによって拡散されるので、一対の端子間の温度差を小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-2183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されるような構造は、熱反射体と金属コアを設けるための部品点数、スペース及びコストが必要となる。
【0005】
本開示の目的は、少部品点数、小スペース且つ低コストで一対の端子間の温度差を小さくすることができる回路基板及び温度測定器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係る回路基板は、第1端子に接続する第1配線パターンと、第2端子に接続する第2配線パターンとを有するとともに、第1配線層と第2配線層とを含む回路基板であって、第1配線パターンが、第1配線層と第2配線層との一方において第1端子から第2端子に向けて延在する伝熱部を有し、第2配線パターンが、第1配線層と第2配線層との他方において第2端子から第1端子に向けて延在する伝熱部を有し、第1配線パターンの伝熱部と第2配線パターンの伝熱部とが互いに対向している。このような構成によれば、第1配線パターンの伝熱部と第2配線パターンの伝熱部とが互いに熱を伝達することができるので、第1端子と第2端子との間の温度差を小さくすることができる。また、配線パターンで伝熱部を構成しているので、少部品点数、小スペース且つ低コストな回路基板とすることができる。
【0007】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、第1配線パターンが、第1配線層と第2配線層との他方において第1端子から第2端子に向けて延在する他の伝熱部を有し、第2配線パターンが、第1配線層と第2配線層との一方において第2端子から第1端子に向けて延在する他の伝熱部を有し、第1配線パターンの他の伝熱部と第2配線パターンの他の伝熱部とが互いに対向していてもよい。このような構成によれば、第1配線パターンの他の伝熱部と第2配線パターンの他の伝熱部とが、互いに熱を伝達することができる。また、第1配線層と第2配線層との一方において第1配線パターンの伝熱部と第2配線パターンの他の伝熱部とが、互いに熱を伝達することができる。さらに、第1配線層と第2配線層との他方において第1配線パターンの他の伝熱部と第2配線パターンの伝熱部とが、互いに熱を伝達することができる。したがって、第1端子と第2端子との間の温度差をより小さくすることができる。
【0008】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、第1端子に対する距離と第2端子に対する距離とが異なる発熱源を有してもよい。このような構成によれば、回路基板自体が有する発熱源からの熱の伝導によって生じる一対の端子間の温度差を小さくすることができる少部品点数、小スペース且つ低コストな回路基板を実現することができる。
【0009】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、発熱源に対してより近い端子と発熱源との間に位置するスリットを有してもよい。このような構成によれば、スリット内の空間の低い熱伝導率により、発熱源から、発熱源に対してより近い端子への熱の伝達を抑制することができるので、一対の端子間の温度差をより小さくすることができる。
【0010】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、発熱源に対してより遠い端子と発熱源との間に位置するパターンを有してもよい。このような構成によれば、パターンを介した熱の伝達により、発熱源から、発熱源に対してより遠い端子への熱の伝達を促進することができるので、一対の端子間の温度差をより小さくすることができる。
【0011】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、発熱源に対してより遠い端子に接続する配線パターンの伝熱部が、発熱源に対してより近い端子を越えて発熱源に向けて延在する延長部を有してもよい。このような構成によれば、延長部を介した熱の伝達により、発熱源から、発熱源に対してより遠い端子への熱の伝達を促進することができるので、一対の端子間の温度差をより小さくすることができる。
【0012】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、発熱源に対してより遠い端子に接続する配線パターンの他の伝熱部が、発熱源に対してより近い端子を越えて発熱源に向けて延在する他の延長部を有してもよい。このような構成によれば、他の延長部を介した熱の伝達により、発熱源から、発熱源に対してより遠い端子への熱の伝達を促進することができるので、一対の端子間の温度差をより小さくすることができる。
【0013】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、第1配線パターンの伝熱部と第2配線パターンの伝熱部とがそれぞれ、帯状をなしていてもよい。このような構成によれば、第1配線パターンの伝熱部と第2配線パターンの伝熱部とが、互いに熱を良好に伝達することができる。
【0014】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、第1配線パターンの他の伝熱部と第2配線パターンの他の伝熱部とがそれぞれ、帯状をなしていてもよい。このような構成によれば、第1配線パターンの他の伝熱部と第2配線パターンの他の伝熱部とが、互いに熱を良好に伝達することができる。
【0015】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、パターンが、発熱源に対してより遠い端子の側からスリットを越えて発熱源の側まで延在していてもよい。このような構成によれば、パターンを介した熱の効率的な伝達を可能にすることができる。
【0016】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、パターンが、発熱源とスリットとの間でスリットに沿って延在する部分を有してもよい。このような構成によれば、パターンを介した熱の効率的な伝達を可能にすることができる。
【0017】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、第1配線パターンと第2配線パターンとがそれぞれ、銅で構成されてもよい。このような構成によれば、銅の高い熱伝導率により、一対の端子間の温度差を効率的に小さくすることができる。
【0018】
一実施形態において、回路基板は、上記構成において、パターンが銅で構成されてもよい。このような構成によれば、銅の高い熱伝導率により、一対の端子間の温度差を効率的に小さくすることができる。
【0019】
幾つかの実施形態に係る温度測定器は、上記構成の回路基板を有し、第1端子及び第2端子に熱電対を接続することにより、熱電対を介して温度を測定する。このような構成によれば、少部品点数、小スペース且つ低コストで一対の端子間の温度差を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、少部品点数、小スペース且つ低コストで一対の端子間の温度差を小さくすることができる回路基板及び温度測定器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】比較例に係る回路基板を示す透視図である。
図2図1に示す回路基板の温度分布を示す説明図である。
図3図1に示す回路基板において一対の端子と発熱源との距離を大きくした場合の温度分布を示す説明図である。
図4図1に示す回路基板において一対の端子に伝熱材を設けた場合の温度分布を示す説明図である。
図5】一実施形態に係る回路基板に一対の端子を接続した状態を示す透視図である。
図6】(a)は、図5に示す回路基板の第2配線層を示す上面図であり、(b)は、(a)のA-A断面図である。
図7図5に示す回路基板の第1配線層を透視して示す上面図である。
図8図5に示す回路基板の変形例を示す断面図である。
図9図5に示す回路基板の他の変形例における第2配線層を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本開示に係る実施形態について詳細に例示説明する。
【0023】
まず、図1図4を参照し、比較例に係る回路基板1において、第1端子10と第2端子20とからなる一対の端子10、20間の温度差を小さくする手法について説明する。
【0024】
図1に示すように、本比較例に係る回路基板1は、第1端子10に接続された第1配線パターン11と、第2端子20に接続された第2配線パターン21と、第1端子10に対する距離と第2端子20に対する距離とが異なる発熱源2とを有している。第1配線パターン11と第2配線パターン21とはそれぞれ、スルーホールを介して第1配線層と第2配線層との間に亘って設けられている。回路基板1は、第1主面(図1における下面)に第1配線層が設けられ、第1主面の反対側に位置する第2主面(図1における上面)に第2配線層が設けられた両面基板として構成されている。一対の端子10、20はそれぞれ、第2主面から突出している。説明の便宜のため、第1主面を下面とし、第2主面を上面として説明する。
【0025】
第1配線パターン11と第2配線パターン21とはそれぞれ、回路基板1に設けられた図示しない回路に接続されている。回路基板1は、第1端子10及び第2端子20に熱電対を接続することにより、熱電対を介して温度を測定する温度測定器を構成している。
【0026】
図2に示すように、本比較例に係る回路基板1には、発熱源2から遠ざかるにつれて温度勾配の絶対値が徐々に減少する温度分布が生じる。したがって、一対の端子10、20間の温度差を小さくするための1つの手法として、図3に示すように、一対の端子10、20と発熱源2との距離を大きくすることが挙げられる。しかし、このような手法は上記距離を大きくするためのスペースが必要となり、また、スペースの制約が大きい場合には採用することができない。また、一対の端子10、20間の温度差を小さくするための他の手法として、図4に示すように、一対の端子10、20に、例えば放熱シート又は金属コア等の、高い熱伝導性を有する伝熱材3を設けることが挙げられる。しかし、このような手法は伝熱材3を設けるための部品点数、スペース及びコストが必要となる。
【0027】
次に、図5図7を参照して一実施形態に係る回路基板1について例示説明し、図8を参照して変形例について例示説明し、図9を参照して他の変形例について例示説明する。これらの回路基板1は、前述した比較例に係る回路基板1と比較して少部品点数化、小スペース化且つ低コスト化を実現している。なお、図5図9においては、図1図4に示した要素に対応する要素に同一の符号を付している。
【0028】
図5図7に示すように、本実施形態に係る回路基板1は、第1端子10に接続された第1配線パターン11と、第2端子20に接続された第2配線パターン21と、第1端子10に対する距離と第2端子20に対する距離とが異なる発熱源2とを有している。第1配線パターン11と第2配線パターン21とはそれぞれ、スルーホールを介して第1配線層と第2配線層との間に亘って設けられている。回路基板1は、第1主面(図5における下面)に第1配線層が設けられ、第1主面の反対側に位置する第2主面(図5における上面)に第2配線層が設けられた両面基板として構成されている。一対の端子10、20はそれぞれ、第2主面から突出している。説明の便宜のため、第1主面を下面とし、第2主面を上面として説明する。
【0029】
第1配線パターン11と第2配線パターン21とはそれぞれ、回路基板1に設けられた図示しない回路に接続されている。回路基板1は、第1端子10及び第2端子20に熱電対を接続することにより、熱電対を介して温度を測定する温度測定器を構成している。
【0030】
第1配線パターン11は、第1配線層と第2配線層との一方としての第1配線層において第1端子10から第2端子20に向けて延在する伝熱部としての第1伝熱部12aを有している。第2配線パターン21は、第1配線層と第2配線層との他方としての第2配線層において第2端子20から第1端子10に向けて延在する伝熱部としての第1伝熱部22aを有している。第1配線パターン11の第1伝熱部12aと第2配線パターン21の第1伝熱部22aとは互いに対向している。第1配線パターン11の第1伝熱部12aと第2配線パターン21の第1伝熱部22aとはそれぞれ帯状をなしている。
【0031】
第1配線パターン11は、第1配線層と第2配線層との他方としての第2配線層において第1端子10から第2端子20に向けて延在する他の伝熱部としての第2伝熱部12bを有している。第2配線パターン21は、第1配線層と第2配線層との一方としての第1配線層において第2端子20から第1端子10に向けて延在する他の伝熱部としての第2伝熱部22bを有している。第1配線パターン11の第2伝熱部12bと第2配線パターン21の第2伝熱部22bとは互いに対向している。第1配線パターン11の第2伝熱部12bと第2配線パターン21の第2伝熱部22bとはそれぞれ帯状をなしている。
【0032】
発熱源2に対してより遠い端子に接続する配線パターンとしての第1配線パターン11の伝熱部としての第1伝熱部12aは、発熱源2に対してより近い端子としての第2端子20を越えて発熱源2に向けて延在する延長部としての第1延長部13aを有している。
【0033】
回路基板1は、発熱源2に対してより近い端子としての第2端子20と発熱源2との間に位置するスリット4を有している。スリット4は、第1配線層と第2配線層との間に亘って設けられている。スリット4は上面視で第1端子10と第2端子20とを通る軸線に対して直交する方向に延在しているが、その延在方向は、第1端子10、第2端子20及び発熱源2の配置に応じて適宜変更が可能である。
【0034】
発熱源2は上面視で第1端子10と第2端子20とを通る軸線上に設けられているが、第1端子10、第2端子20及び発熱源2の配置は適宜変更が可能である。発熱源2は、例えば電源回路又は測定回路等の回路で構成されている。
【0035】
回路基板1は、発熱源2に対してより遠い端子としての第1端子10と発熱源2との間に位置するパターン31を有している。パターン31は、発熱源2に対してより遠い端子としての第1端子10の側からスリット4を越えて発熱源2の側まで延在している。パターン31は、発熱源2とスリット4との間でスリット4に沿って延在する部分としての延在部32を有している。パターン31は第1配線層に設けられているが、これに限らず、第1配線層に代えて第2配線層に設けられてもよいし、第1配線層と第2配線層との両方に設けられてもよい。
【0036】
第1配線パターン11、第2配線パターン21及びパターン31はそれぞれ、銅で構成されているが、これに限らず、種々の材料で構成することができる。第1配線層と第2配線層との間に位置する絶縁層はガラスエポキシ樹脂(FR-4)で構成されているが、これに限らず、種々の材料で構成することができる。なお、スリット4内の空間を満たす空気と、絶縁層を構成するガラスエポキシ樹脂と、第1配線パターン11、第2配線パターン21及びパターン31を構成する銅との熱伝導率は、例えば、この記載順に0.0241、0.45、403[W/(m・K)]である。
【0037】
本実施形態に係る回路基板1は両面基板として構成されているが、図8に示す変形例のように、積層基板として構成されてもよい。
【0038】
本変形例では、第1配線パターン11が、第3配線層において第1端子10から第2端子20に向けて延在する第3伝熱部12cを有し、第2配線パターン21が、第4配線層において第2端子20から第1端子10に向けて延在する第3伝熱部22cを有し、第1配線パターン11の第3伝熱部12cと第2配線パターン21の第3伝熱部22cとは互いに対向している。また、本変形例では、第1配線パターン11が、第4配線層において第1端子10から第2端子20に向けて延在する第4伝熱部12dを有し、第2配線パターン21が、第3配線層において第2端子20から第1端子10に向けて延在する第4伝熱部22dを有し、第1配線パターン11の第4伝熱部12dと第2配線パターン21の第4伝熱部22dとは互いに対向している。
【0039】
さらに、第1配線パターン11の第3伝熱部12cと第2配線パターン21の第1伝熱部22aとは互いに対向している。また、第2配線パターン21の第4伝熱部22dと第1配線パターン11の第2伝熱部12bとは互いに対向している。
【0040】
このように積層構造を利用して伝熱部同士が対向する部分を多く形成することで、第1端子10と第2端子20との間の温度差を効率的に小さくすることができる。
【0041】
また、前述した実施形態では、発熱源2に対してより遠い端子に接続する配線パターンとしての第1配線パターン11の伝熱部としての第1伝熱部12aが第1延長部13aを有しているが、これに代えて、又は加えて、図9に示す変形例のように、発熱源2に対してより遠い端子に接続する配線パターンとしての第1配線パターン11の他の伝熱部としての第2伝熱部12bが、他の延長部としての第2延長部13bを有してもよい。
【0042】
前述した実施形態は、本開示の一例にすぎず、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0043】
例えば、第1配線パターン11の第2伝熱部12bと第2配線パターン21の第2伝熱部22bとを設けない構成としてもよい。第1配線パターン11の第1伝熱部12aが第1延長部13aを有さない構成としてもよい。回路基板1にスリット4を設けない構成としてもよい。第1端子10に対する距離と第2端子20に対する距離とが異なる発熱源2が回路基板1とは別に配置されてもよい。パターン31に延在部32を設けない構成としてもよい。パターン31が第1端子10の側からスリット4を越えて発熱源2の側まで延在していない構成としてもよい。回路基板1にパターン31を設けない構成としてもよい。回路基板1は、温度測定器以外の装置、例えば、温度校正器、更には各種の測定器、校正器等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 回路基板
2 発熱源
3 伝熱材
4 スリット
10 第1端子
11 第1配線パターン
12a 第1伝熱部
12b 第2伝熱部
12c 第3伝熱部
12d 第4伝熱部
13a 第1延長部
13b 第2延長部
20 第2端子
21 第2配線パターン
22a 第1伝熱部
22b 第2伝熱部
22c 第3伝熱部
22d 第4伝熱部
31 パターン
32 延在部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9