(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品、ストラドルドビークル及びクラッチハブの射出成形方法
(51)【国際特許分類】
B60B 27/04 20060101AFI20230329BHJP
B62K 25/20 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
B60B27/04 S
B62K25/20
(21)【出願番号】P 2019515387
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(86)【国際出願番号】 JP2018037774
(87)【国際公開番号】W WO2019097908
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】P 2017223193
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【氏名又は名称】鳥居 洋
(72)【発明者】
【氏名】篠宮 将光
(72)【発明者】
【氏名】平野 拓実
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀成
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-143274(JP,A)
【文献】実公昭58-006789(JP,Y2)
【文献】特開2010-019419(JP,A)
【文献】特開平11-082687(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102241884(CN,A)
【文献】特開平07-215256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0251050(US,A1)
【文献】特開2011-178229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 27/04
B62K 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後輪を支持するリアアームと、
乗員が着座するシート及び駆動源を支持する車体フレームを有するストラドルドビークルに用いられるストラドルドビークル用構成部品のうち、変動する荷重が入力される変動荷重入力部と、
前記変動する荷重を出力する変動荷重出力部と、
前記変動荷重入力部に入力された前記変動する荷重を前記変動荷重出力部に伝達する変動荷重伝達部と、
を備えたストラドルドビークル用変動荷重伝達部品であって、
前記ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、前記リアアーム、前記駆動源または前記車体フレームのいずれか一つに取付けられ、または、前記駆動源と前記後輪との間の動力伝達経路内に設けられ、
前記変動荷重入力部及び前記変動荷重出力部は、前記変動荷重入力部に入力される変動荷重の入力方向と異なる方向に互いに離れた位置に配置され、
前記変動荷重入力部、前記変動荷重伝達部及び前記変動荷重出力部は、繊維によって強化された繊維強化樹脂で一体成形されていて、
前記繊維は、前記変動荷重入力部に入力された前記変動荷重が前記変動荷重出力部に伝達される伝達経路に沿って延びるように前記繊維強化樹脂内に配置されている、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品。
【請求項2】
請求項1に記載のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品において、
前記繊維強化樹脂は、樹脂が炭素繊維によって強化された炭素繊維強化樹脂である、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品。
【請求項3】
請求項1または2に記載のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品において、
前記繊維は、互いに独立し且つ所定の長さを有する、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のストラドルドビークル用変動荷重部品において、
車軸が貫通する貫通孔を有する円盤状の本体部と、
前記本体部の第1面に、前記貫通孔を囲むように前記車軸の軸線方向に突出する環状リブと、
前記本体部の第2面に、径方向に放射状に延びるように設けられた爪部と、
前記本体部内の第1面に露出するように前記本体部内に埋設され、ドライブチェーンが接続される後輪スプロケットを固定する金属製締結部材と、
を備えた、
クラッチハブを含み、
前記金属製締結部材は、前記変動荷重入力部であり、
前記爪部は、前記変動荷重出力部であり、
前記環状リブは、前記変動荷重伝達部である、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部
品。
【請求項5】
請求項4に記載のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品において、
前記繊維は、前記爪部の突出方向に延びるように前記繊維強化樹脂内に配置されている、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品。
【請求項6】
請求項4または5に記載のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品において、
弾性部材を介して前記クラッチハブの前記爪部と噛み合う爪部を備えた、
ホイールハブを含む、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1つに記載のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品において、
前記車体フレームに対して、固定される基端部と、
前記基端部から前記車体フレームの外方に向かって延びる本体部と、
前記本体部の先端に位置し且つ自由端である先端部と、
を有し、
前記先端部が前記変動荷重入力部であり、前記基端部が前記変動荷重出力部であり、前記本体部が前記変動荷重伝達部である、
または、
前記基端部が前記変動荷重入力部であり、前記先端部が前記変動荷重出力部であり、前記本体部が前記変動荷重伝達部である、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品。
【請求項8】
請求項7に記載のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品において、
前記繊維は、前記基端部から前記先端部に向かって延びるように、前記繊維強化樹脂内に配置される、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか1つに記載のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品において、
前記ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、前記リアアーム、前記駆動源または前記車体フレームに取付けられるブラケットまたはフットレスト、または、前記駆動源と前記後輪との動力伝達経路に設けられるクラッチハブまたはホイールハブである、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1つに記載のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品を備えたストラドルドビークル。
【請求項11】
車軸が貫通する貫通孔を有する円盤状の本体部と、
前記本体部の第1面に、前記貫通孔を囲むように前記車軸の軸線方向に突出する環状リブと、
前記本体部の第2面に、径方向に放射状に延びるように設けられた爪部と、
前記本体部内の第1面に露出するように前記本体部内に埋設され、ドライブチェーンが接続される後輪スプロケットを固定する金属製締結部材と、
を備えた、クラッチハブを、成形型を用いて射出成形する、クラッチハブの射出成形方法であって、
前記成形型のキャビティ内に、前記金属製締結部材に対して前記本体部の径方向外方に位置するゲートから、前記金属製締結部材に対して前記径方向の内方に向かって、互いに独立し且つ所定の長さを有する繊維が含有された溶融樹脂を射出
して、前記繊維を、前記爪部の根本から前記爪部の突出方向に延びるように配置する、クラッチハブの射出成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストラドルドビークルに用いられ、変動する荷重が入力されるストラドルドビークル用変動荷重伝達部品及び該ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品を備えたストラドルドビークル及び、クラッチハブの射出成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動2輪車などのストラドルドビークルでは、エンジンの動力が駆動輪である後輪に伝達される。ここで、加速時及び減速時等において、エンジンのトルク変動が後輪に伝達される。このトルク変動を緩和するため、例えば、特許文献1(特開2011-178229号公報)などに、ドライブチェーンに接続されたスプロケットにクラッチハブ及び後輪ホイールにホイールハブをそれぞれ備え、ハブダンパーを介してクラッチハブ及びホイールハブを接続したストラドルドビークルが知られている。
【0003】
前記特許文献1では、変動する荷重を受けるホイールハブ及びクラッチハブは、一般的に、剛性を確保するために金属材料で構成されている。ホイールハブに形成された隔壁とドリブンフランジに設けられた爪との間にダンパーラバーが設けられている。当該爪は、当該ダンパーラバーを介してホイールハブの隔壁にエンジンの動力を伝達する。これにより、トルク変動を緩和している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ストラドルドビークルの軽量化の要求に伴い、ストラドルドビークルに用いられるストラドルドビークル用の構成部品の軽量化も求められている。ストラドルドビークル用の構成部品を軽量化するために、前記ストラドルドビークル用の構成部品の厚みを小さくすると、前記ストラドルドビークル用の構成部品の剛性が低下する。
【0006】
このように、ストラドルドビークル用の構成部品については、剛性を確保しつつさらなる軽量化を図りたいという要求がある。さらに、ストラドルドビークル用の構成部品は、その用途から求められる要求も満足させる必要がある。具体的には、クラッチハブなど、変動する荷重が入力されるまたは出力される構成部品について、上記の通り、剛性の確保及び軽量化と共に、トルク変動のようなストラドルドビークルの乗員が感じる荷重の変動を緩和したいという要求がある。
【0007】
本発明は、剛性を確保しつつさらなる軽量化が可能で、入力される荷重または出力される荷重の変動を緩和してストラドルドビークルの乗員が感じる変動を緩和することができるストラドルドビークル用変動荷重部品、それを備えたストラドルドビークル及びクラッチハブの射出成形方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、後輪を支持するリアアームと、乗員が着座するシート及び駆動源を支持する車体フレームを有するストラドルドビークルに用いられるストラドルドビークル用構成部品のうち、変動する荷重が入力される変動荷重入力部と、前記変動する荷重を出力する変動荷重出力部と、前記変動荷重入力部に入力された変動する荷重を前記変動荷重出力部に伝達する変動荷重伝達部と、を備えたストラドルドビークル用変動荷重伝達部品であって、
前記ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、前記リアアーム、前記駆動源または前記車体フレームに取付けられ、または、前記駆動源と前記後輪の間の動力伝達経路内に設けられ、
前記変動荷重入力部及び前記変動荷重出力部が前記変動荷重入力部に入力される変動荷重の入力方向とは異なる方向に離れた位置に配置され、且つ、前記変動荷重入力部、前記変動荷重伝達部及び前記変動荷重出力部が繊維によって強化された繊維強化樹脂で一体成形されている。
【0009】
これにより、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品の材料を繊維強化樹脂としてその材料特性を利用することで、変動荷重伝達部材の軽量化及び剛性を確保しつつ、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品自体に変動する荷重を緩和する効果が得られる。
【0010】
そして、剛性を確保しつつさらなる軽量化が可能で、入力される荷重または出力される荷重の変動を緩和してストラドルドビークルの乗員が感じる変動を緩和することができる。
【0011】
さらに、前記変動荷重入力部及び前記変動荷重出力部を前記変動荷重入力部に入力される変動荷重の入力方向と異なる方向に離れた位置に配置することで、前記変動加重伝達部には引張力が作用する。そして、繊維強化樹脂は、引張力に対して強度を有するので、引張力により前記変動加重伝達部は微小に変形し、この変形により、荷重の変動を緩和することができる。
【0012】
したがって、上述の構成により、軽量化しつつ剛性を確保すると共に、変動する荷重の低減効果も得られるストラドルドビークル用変動荷重伝達部品が得られる。
【0013】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂は、樹脂が炭素繊維によって強化された炭素繊維強化樹脂である。
【0014】
このように、繊維強化樹脂として、樹脂が炭素繊維によって強化された炭素繊維強化樹脂を用いることにより、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品の軽量化を図りつつ剛性の向上も図れる。
【0015】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維は、前記変動荷重入力部に入力される変動荷重の入力方向と異なる方向に延びるように前記繊維強化樹脂内に配置されている。
【0016】
このように、前記繊維は、前記変動荷重入力部に入力される変動荷重の入力方向と異なる方向に延びるように前記繊維強化樹脂内に配置することにより、加わる変動荷重に対する強度を強くすることができる。
【0017】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維は、互いに独立し且つ所定の長さを有する。
【0018】
これにより、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品の軽量化が可能で、剛性を確保すると共に変動する荷重に対する吸収効果を得られるストラドルドビークル用変動荷重伝達部品を容易に製造することができる。
【0019】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、以下の構成を含むことが好ましい。前記ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、車軸が貫通する貫通孔を有する円盤状の本体部と、前記本体部の第1面に、前記貫通孔を囲むように前記車軸の軸線方向に突出する環状リブと、前記本体部の第2面に、径方向に放射状に延びるように設けられた爪部と、前記本体部内の第1面から露出するように前記本体部内に埋設され、ドライブチェーンが接続される後輪スプロケットを固定する金属製締結部材と、を備えた、クラッチハブを含む。
【0020】
これにより、軽量化と剛性を確保しつつ、エンジンのトルク変動荷重を低減することができる。
【0021】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維は、前記爪部の突出方向に延びるように前記繊維強化樹脂内に配置されている。
【0022】
これにより、爪部に加わる外力に対して、強化したい方向の強度を持たせることができる。
【0023】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、以下の構成を含むことが好ましい。ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、弾性部材を介して前記クラッチハブの前記爪部と噛み合う爪部を備えた、ホイールハブを含む。
【0024】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、以下の構成を含むことが好ましい。ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、前記車体フレームに対して、固定される基端部と、前記基端部から前記車体の外方に向かって延びる本体部と、前記本体部の先端に位置し且つ自由端である先端部と、
を有する。
【0025】
このように、前記車体フレームに対して、固定される基端部と、前記基端部から前記車体の外方に向かって延びる本体部と、前記本体部の先端に位置し且つ自由端である先端部と、を有するストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、ストラドルドビークルで発生する変動する荷重の影響を受けやすい。これに対し、上述の各構成のようにストラドルドビークル用変動荷重伝達部品を構成することにより、変動する荷重を低減することができる。よって、上述の各構成は、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品が前記車体フレームに対して、固定される基端部と、前記基端部から前記車体の外方に向かって延びる本体部と、前記本体部の先端に位置し且つ自由端である先端部と、を有する構成に、特に有用である。
【0026】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂中に含まれる前記繊維は、前記車体フレームとの取付部から突出方向に延びるように、前記繊維強化樹脂内に配置される。
【0027】
このように、前記車体フレームに対して、固定される基端部と、前記基端部から前記車体の外方に向かって延びる本体部と、前記本体部の先端に位置し且つ自由端である先端部と、を有するストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、車体フレーム部への固定部から先端部に向かって強度が求められる。すなわち、前記車体フレームに対して、固定される基端部と、前記基端部から前記車体の外方に向かって延びる本体部と、前記本体部の先端に位置し且つ自由端である先端部と、を有するストラドルドビークル用変動荷重伝達部品に含まれる繊維を、基端部から先端部方向へ、または先端部から基端部方向へ配列させることで強度を高めることができる。
【0028】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークル用変動荷重伝達部品は、前記リアアーム、前記駆動源または前記車体フレームに取付けられるブラケットまたはフットレスト、または、前記駆動源と前記後輪の動力伝達経路に設けられるクラッチハブまたはホイールハブである。
【0029】
他の観点によれば、本発明は、車軸が貫通する貫通孔を有する円盤状の本体部と、前記本体部の第1面に、前記貫通孔を囲むように前記車軸の軸線方向に突出する環状リブと、前記本体部の第2面に、径方向に放射状に延びるように設けられた爪部と、前記本体部内の第1面から露出するように前記本体部内に埋設され、ドライブチェーンが接続される後輪スプロケットを固定する金属製締結部材と、を備えた、クラッチハブを、成形型を用いて射出成形する、クラッチハブの射出成形方法である。射出成形方法は、前記成形型のキャビティ内に、前記金属製締結部材に対して前記本体部の径方向外方に位置するゲートから、前記金属製締結部材に対して前記径方向の内方に向かって、互いに独立し且つ所定の長さを有する繊維が含有された溶融樹脂を射出する。
【0030】
このように、クラッチハブを射出成形することにより、切削加工の削減を図ることができ、クラッチハブを容易に製造することができる。また、溶融樹脂として繊維強化樹脂を用いることで、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品を軽量化しつつ剛性を確保すると共に変動する荷重を吸収する効果を得ることができる。
【0031】
また、ゲートの近くに金属製締結部材が配置されるので、注入された樹脂が分散される。また、溶融樹脂が爪部根本から爪部の先端へ溶融樹脂が注入されるので、溶融樹脂中の繊維が爪部の突出方向に延びることにより、クラッチハブの強度を向上させることができる。
【0032】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施例のみを定義する目的で使用されるのであって、前記専門用語によって発明を制限する意図はない。
【0033】
本明細書で使用される「及び/または」は、一つまたは複数の関連して列挙された構成物のすべての組み合わせを含む。
【0034】
本明細書において、「含む、備える(including)」「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、記載された特徴、工程、要素、成分、及び/または、それらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/または、それらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0035】
本明細書において、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、及び/または、それらの等価物は、広義の意味で使用され、“直接的及び間接的な”取り付け、接続及び結合の両方を包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な接続または結合を含むことができる。
【0036】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0037】
一般的に使用される辞書に定義された用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0038】
本発明の説明においては、いくつもの技術および工程が開示されていると理解される。これらの各々は、個別の利益を有し、他に開示された技術の1つ以上、または、場合によっては全てと共に使用することもできる。
【0039】
したがって、明確にするために、本発明の説明では、不要に個々のステップの可能な組み合わせをすべて繰り返すことを控える。しかしながら、本明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせがすべて本発明の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
【0040】
本明細書では、本発明に係るストラドルドビークル用変動荷重伝達部品、ストラドルドビークル及びクラッチハブの射出成形方法の実施形態について説明する。
【0041】
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な例を述べる。しかしながら、当業者は、これらの具体的な例がなくても本発明を実施できることが明らかである。
【0042】
よって、以下の開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0043】
[ストラドルドビークル]
本明細書において、ストラドルドビークルとは、乗員が跨いだ状態で乗車する車両を意味する。ストラドルドビークルは、例えば、自動2輪車、3輪車、4輪車などを含む。
【0044】
[繊維強化樹脂]
本明細書において、繊維強化樹脂とは、樹脂が繊維によって強化された繊維強化樹脂を意味する。
【0045】
[変動荷重伝達部品]
本明細書において、変動荷重伝達部品とは、変動する荷重が伝達される部品を意味する。変動荷重伝達部品は、リアアーム、駆動源または車体フレームに取付けられるブラケットまたはフットレスト、または、駆動源と後輪の動力伝達経路に設けられるクラッチハブまたはホイールハブを含む。
【発明の効果】
【0046】
本発明の一実施形態に係るストラドルドビークル用変動荷重伝達部品、それを備えたストラドルドビークル及びクラッチハブの射出成形方法によれば、剛性を確保しつつさらなる軽量化が可能で、例えば、エンジンなどから入力される変動荷重に対する低減効果も得られるストラドルドビークル用変動荷重伝達部品及びそれを備えたストラドルドビークルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る車両の側面図である。
【
図2】
図2は、メインフレームの概略構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、リアフレームの概略構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、後輪の概略構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、リアホイールに設けられたホイールハブの構成を示す部分拡大斜視図である。
【
図6】
図6は、ハブダンパーの構成を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、クラッチハブの構成を示す第1面方向に見た斜視図である。
【
図8】
図8は、クラッチハブの構成を示す第2面方向に見た斜視図である。
【
図10】
図10は、運転者用のフットレストブラケット及びフットレストの構成を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、同乗者用のフットレストブラケットの構成を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、車両の全体構成と、クラッチハブの概略構成とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0049】
以下、図中の矢印Fは、車両の前方向を示す。図中の矢印Uは、車両の上方向を示す。図中の矢印Rは、車両の右方向を示す。図中の矢印Lは、車両の左方向を示す。また、前後左右の方向は、それぞれ、車両を運転する乗員から見た場合の前後左右の方向を意味する。
【0050】
本発明者らは、軽量化しつつ剛性を確保すると共に、ストラドルドビークルの乗員が感じる変動を緩和することができるストラドルドビークル用変動荷重部品の構成について検討した。
【0051】
本発明者らは、検討を進める中で、樹脂材料を用いることにより、変動する荷重が伝達されるストラドルドビークル用変動荷重部品の軽量化が可能である点に気付いた。
【0052】
ストラドルドビークル用変動荷重部品を上述のように樹脂材料によって構成した場合、金属製の部品で構成した場合に比べて軽量化を図れるものの、ストラドルドビークル用変動荷重部品の剛性を確保するために樹脂の厚みをある程度大きくする必要がある。ところが、樹脂の厚みの制約などから、ストラドルドビークル用変動荷重部品を樹脂材料に置換できない場合がある。よって、ストラドルドビークル用変動荷重部品の十分な軽量化を図れない可能性がある。
【0053】
本発明者らは、さらに検討した結果、樹脂が繊維によって強化された繊維強化樹脂材料を用いることにより、変動する荷重が入力されるストラドルドビークル用変動荷重部品を軽量化しつつ剛性を確保できると共に、入力される荷重の変動または出力される荷重の変動を緩和してストラドルドビークルの乗員が感じる荷重の変動を緩和できることを見出した。本発明者らは、以上の知見に基づいて、本発明を想到した。以下、本発明の実施形態について、説明する。
【0054】
<全体構成>
図1は、実施形態に係る車両1の全体構成の概略を示す側面図である。
図1を参照して、車両1の概略構成を説明する。
【0055】
車両1は、例えば、自動2輪車であり、車体2と、前輪3と、後輪4とを備える。本実施形態では、車両1は、乗員が跨いだ状態で乗車するストラドルドビークルである。
【0056】
車体2は、車体カバー5と、バーハンドル6と、フロントシート7aと、タンデムシート7bと、パワーユニット8と、車体フレーム10とを含む。車体フレーム10は、車体カバー5、バーハンドル6、フロントシート7a、タンデムシート7b及びパワーユニット8等の各構成部品を支持する。
【0057】
なお、パワーユニット8は、エンジン8aを含む。本実施形態では、車体2は、車体フレーム10と、リアアーム14とを含み、且つ、車両1の各構成部品を支持する構造体である。
【0058】
リアアーム14は、車体フレーム10に対して後輪4を支持する。リアアーム14の前部は、車体フレーム10の後述するメインフレーム12に上下方向に回転可能に接続されている。後輪4の詳しい構成については後述する。
【0059】
なお、前輪3は、車体2に支持された一対のフロントフォーク9によって回転可能に支持されている。
【0060】
車体フレーム10は、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12と、リアフレーム13とを有する。車体フレーム10は、車体カバー5によって覆われている。
【0061】
図1及び
図2に示すように、ヘッドパイプ11は、車両1の前部に位置し、バーハンドル6に接続されたステアリングシャフト6aを回転可能に支持する。ヘッドパイプ11は、メインフレーム12の前部に接続されている。
【0062】
<メインフレーム>
図2は、車両1の全体構成の概略を示す上面図である。
図2に示すように、メインフレーム12は、ヘッドパイプ11に接続され、ヘッドパイプ11から車両後方に向かって延びる。メインフレーム12には、パワーユニット8等が支持されている。
【0063】
メインフレーム12は、左メインフレーム20と、右メインフレーム30とを有する。左メインフレーム20及び右メインフレーム30は、それぞれ、車両前後方向に延びる板状に形成されている。
【0064】
詳しくは、本実施形態では、左メインフレーム20は、ヘッドパイプ11から後方且つ下方に向かって延びる左メインフレーム前部21と、左メインフレーム前部21の後端部から下方に向かって延びる左メインフレーム後部22とを有する。また、右メインフレーム30は、ヘッドパイプ11から後方且つ下方に向かって延びる右メインフレーム前部31と、右メインフレーム前部31の後端部から下方に向かって延びる右メインフレーム後部32とを有する。
【0065】
左メインフレーム20及び右メインフレーム30の前端部は、それぞれ、ヘッドパイプ11に接続されている。すなわち、左メインフレーム20の左メインフレーム前部21の前端部と右メインフレーム30の右メインフレーム前部31の前端部とは、接続されている。
【0066】
また、左メインフレーム20の左メインフレーム後部22の後端部と右メインフレーム30の右メインフレーム後部32の後端部とは、左右方向に延びるクロス部材17によって接続されている。
【0067】
メインフレーム12は、前後方向において、前端部と後端部との間に、左メインフレーム20及び右メインフレーム30からそれぞれ後方且つ上方に向かって延びる左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35を有する。
【0068】
左メインフレーム後部22及び右メインフレーム後部32には、リアアーム14が回転可能に支持されている。すなわち、リアアーム14の前部は、左メインフレーム20及び右メインフレーム30の後部に、回転可能に接続されている。
【0069】
また、左メインフレーム後部22及び右メインフレーム後部32には、それぞれ、運転者用のフットレストブラケット41が取り付けられている(
図1参照)。フットレストブラケット41には、運転者が足を載せるためのフットレスト42が折り畳み可能に設けられている。また、フットレストブラケット41には、板状のヒールガード43が接続されている。ヒールガード43は、運転者の足が直接、エンジン等に接触することを防止する。運転者用のフットレストブラケット41及びフットレスト42の詳しい構成については後述する。
【0070】
なお、
図2に示すように、左メインフレーム20に、リアフレーム13を取り付けるためのリアフレーム取付部20a、リアアーム14を取り付けるためのリアアーム取付部20b、パワーユニット8を取り付けるためのパワーユニット取付部20cが設けられている。そして、右メインフレーム30に、リアフレーム13を取り付けるためのリアフレーム取付部30a、リアアーム14を取り付けるためのリアアーム取付部30b、パワーユニット8を取り付けるためのパワーユニット取付部30cが設けられている。
【0071】
本実施形態では、メインフレーム12は、金属材料によって構成されていてもよいし、樹脂が炭素繊維などの繊維によって強化された繊維強化樹脂によって構成されていてもよい。また、メインフレーム12に前記繊維強化樹脂を用いる場合は、少なくとも一部を前記繊維強化樹脂で構成してもよい。
【0072】
炭素繊維としては、繊維長が所定長さ以上であって、連続した繊維であってもよいし、不連続繊維であってもよい。また、連続した繊維及び不連続繊維を用いてもよい。
【0073】
<リアフレーム>
リアフレーム13(ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品)は、メインフレーム12の後部に接続されている。詳しくは、リアフレーム13は、左メインフレーム後部22及び右メインフレーム後部32に接続されている。上記のように、メインフレーム12には、エンジン8aを含むパワーユニット8が固定されているため、エンジン8aの振動及び変動する荷重は、メインフレーム12を介してリアフレーム13に伝達される。
【0074】
図3は、リアフレーム13の概略構成を示す斜視図である。リアフレーム13は、車両1の前後方向に延びる形状を有する。リアフレーム13は、左リアフレーム51と、右リアフレーム52と、第1クロス部53と、第2クロス部54とを有する。左リアフレーム51及び右リアフレーム52は、それぞれ、上下方向且つ前後方向に延びる壁状に形成されている。左リアフレーム51及び右リアフレーム52は、左右方向に平行に並んで配置されている。左リアフレーム51及び右リアフレーム52は、それらの後部で接続されている。
【0075】
第1クロス部53は、左リアフレーム51と右リアフレーム52とを、それらの前部且つ下部で接続する。第2クロス部54は、左リアフレーム51と右リアフレーム52とを、それらの前後方向における中央部分且つ下部で接続する。すなわち、第1クロス部53及び第2クロス部54は、それぞれ左右方向に延びている。
【0076】
左リアフレーム51の前部接続部55は、左メインフレーム後部22にボルトなどの締結部材(図示省略)によって接続されている。右リアフレーム52の前部接続部56は、右メインフレーム後部32にボルトなどの締結部材(図示省略)によって接続されている。左リアフレーム51と左メインフレーム後部22との接続構造、及び、右リアフレーム52と右メインフレーム後部32との接続構造については、説明を省略する。
【0077】
なお、左リアフレーム51、右リアフレーム52、第1クロス部53及び第2クロス部54は、一体で形成されていてもよいし、それぞれ別体で形成され且つ互いに締結部材または接着剤等によって接続されていてもよい。
【0078】
左リアフレーム51、右リアフレーム52には、乗員が着座するフロントシート7a及びタンデムシート7bが取り付けられる。フロントシート7aは、乗員のうち運転者が着座し、タンデムシート7bは、乗員のうち同乗者が着座する。
【0079】
また、左リアフレーム51、右リアフレーム52には、それぞれ、タンデムシート7bに着座した同乗者用のフットレストブラケット41aが取り付けられている(
図1参照)。フットレストブラケット41aには、前記同乗者が足を載せるためのフットレスト42aが折り畳み可能に設けられている。同乗者用のフットレストブラケット41a及びフットレスト42aの詳しい構成については後述する。
【0080】
本実施形態では、リアフレーム13は、樹脂が炭素繊維などの繊維によって強化された繊維強化樹脂によって構成されている。また、リアフレーム13は、一部が前記繊維強化樹脂によって構成されていてもよい。
【0081】
なお、前記樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドなどの熱可塑型樹脂、または、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂などの熱硬化型樹脂が好ましい。
【0082】
また、前記炭素繊維は、繊維同士が編まれていてもよいし、編まれていない状態であってもよい。また、前記炭素繊維は、互いに独立し所定長さ(例えば1mm)以上の、連続した繊維であってもよいし、不連続繊維であってもよい。前記炭素繊維として、連続した繊維及び不連続繊維のシートを用いてもよい。
【0083】
したがって、リアフレーム13は、炭素繊維強化樹脂で構成されているので、剛性を確保しつつ、金属材料に較べてさらなる軽量化が可能で、エンジン8aから伝達されるエンジン振動に対する振動低減効果も得られる。
【0084】
<後輪>
図4は、後輪4の概略構成を示す分解斜視図である。後輪4は、リアアーム14に回転可能に取り付けられたリアホイールユニット70と、ゴムタイヤ71とを備える。リアホイールユニット70は、リアホイール72と、リアホイール72と一体的に構成されたホイールハブ73と、ハブダンパー74と、クラッチハブ75と、後輪スプロケット76を備える。
【0085】
リアホイール72は、アルミニウム合金で製造されており、外周にゴムタイヤ71が装着される。リアホイール72は、中央部分にホイールハブ73を有する。ホイールハブ73には、車軸(図示しない)を挿通する貫通孔73dが設けられている。
【0086】
図5は、リアホイール72に設けられたホイールハブ73(ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品)の構成を示す部分拡大斜視図である。本実施形態において、ホイールハブ73は、樹脂が炭素繊維によって強化された炭素繊維樹脂を用いた射出成形品として構成される。ホイールハブ73は、リアホイール72に固定されている。ホイールハブ73は、貫通孔73dと同心状に配置された環状の内壁73a及び外壁73bと、内壁73a及び外壁73bの間に配置され径方向に延びる複数の爪部73cとを備える。
【0087】
図6に示すように、弾性部材であるハブダンパー74は、ゴムで構成され、2つのブロック74a,74bと、これらのブロック74a,74bを接続する接続部74cと、を備える。ハブダンパー74は、隣り合う2つのブロック74a,74bの間にホイールハブ73の爪部73cが位置するようにホイールハブ73に取り付けられる。
【0088】
図7及び
図8は、クラッチハブの構成を示す斜視図である。クラッチハブ75(ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品)は、中央に車軸78aが貫通する貫通孔78が設けられた円環状の本体部75aと、本体部75aの第2面75kに設けられ径方向に延びる爪部75bと、本体部75aの第1面75jに露出するように埋設される締結部材75c(金属製締結部材)とを備える。
【0089】
締結部材75cは、
図9に示すように車軸M方向に沿って延びる固定穴75dを備える。
図4に示すように、クラッチハブ75は、爪部75bが、ハブダンパー74における隣り合う2つのブロック74a,74bの間に位置するように取り付けられる。クラッチハブ75の爪部75bは、ハブダンパー74を介してホイールハブ73の爪部73cに噛み合う。
【0090】
本体部75aは、第1面75j上に、互いに同心に配置された内部環状リブ75hと外部環状リブ75iとを有する。内部環状リブ75hの内面は、貫通孔78を構成する。内部環状リブ75h及び外部環状リブ75iの間には、径方向に放射状に延びる6つの補強リブ75fが周方向に均等に配置されている。第1面75jに対する補強リブ75fの高さは、内部環状リブ75h及び外部環状リブ75iの高さよりも低い。
【0091】
外部環状リブ75iの外周面には、締結部材75cを保持する締結部材取付部75gが径方向外方に向かって突出している。
【0092】
締結部材取付部75gは、本体部75aの第1面75jに設けられ、且つ、第1面75jを法線方向に見て、クラッチハブ75の周方向において、本体部75aの第2面75kに設けられた隣り合う2つの爪部75bの中間位置に位置する。
【0093】
爪部75bは、クラッチハブ75をホイールハブ73に対して組付けた状態で、隣り合う2つのハブダンパー74の間に形成される隙間74dに位置する。これにより、クラッチハブ75の爪75bは、ハブダンパー74を介してホイールハブ73の爪部73cに力を伝達することができる。
【0094】
締結部材75cは、アルミニウム合金で構成されており、締結部材取付部75gの第1面75jに露出するように埋設される。固定穴75dには、図示しないビスを用いて、後輪スプロケット76が固定される。エンジン8aの駆動力は、後輪スプロケット76が固定された締結部材取付部75gからクラッチハブ75に伝達される。このクラッチハブ75の締結部材取付部75gが変動荷重入力部である。
【0095】
後輪スプロケット76は、
図4に示すようにドライブチェーン77と連結し、エンジン8aの駆動力をクラッチハブ75に伝達する。上記のように、クラッチハブ75の爪部75bはハブダンパー74を介してホイールハブ73の爪部73cに力を伝達できるので、クラッチハブ75に伝達された駆動力は、ホイールハブ73及びホイールハブ73が接続されたリアホイール72に伝えられる。すなわち、エンジン8aのトルク変動などに伴う変動する荷重は、クラッチハブ75及びホイールハブ73に伝達される。
【0096】
上記のように、クラッチハブ75の爪部75bはハブダンパー74を介してホイールハブ73の爪部73cに力を伝達する。このクラッチハブ75の爪部75bが変動荷重出力部である。そして、本体部75aを構成する内部環状リブ75hと外部環状リブ75iと補強リブ75fとが変動荷重伝達部である。
【0097】
上記したように、本体部75aの第1面75jに締結部材取付部75gが形成され、締結部材取付部75gは、第1面75jを法線方向に見て、クラッチハブ75の周方向において、本体部75aの第2面75kに設けられた隣り合う2つの爪部75bの中間位置に位置する。このように、締結部材取付部75gは第1面75jに、爪部75bは第2面75kに、それぞれ設けられる。この結果、締結部材取付部75gと爪部75bとは、締結部材取付部75gに入力される変動荷重の入力方向であるクラッチハブ75の接線方向とは異なるクラッチハブ75の軸線方向に互いに離れた位置に位置する。
【0098】
ホイールハブ73の爪部73cが変動荷重入力部であり、ホイールハブ73のリアホイール72に固定される部分が変動荷重出力部であり、内壁73aと外壁73bとが変動荷重伝達部である。
【0099】
ここで、加速時や減速時等において生じるエンジンのトルク変動に伴う変動する荷重の一部は、クラッチハブ75及びホイールハブ73の間に介在するハブダンパー74により緩和される。一方で、後述するように、クラッチハブ75及びホイールハブ73を、樹脂が炭素繊維によって強化された炭素繊維樹脂で構成することにより、クラッチハブ75及びホイールハブ73は、変動する荷重を吸収することができる。よって、当該変動する荷重の一部は、クラッチハブ75及びホイールハブ73によって吸収されることにより、乗員が感じるトルク変動が緩和される。
【0100】
さらに、締結部材取付部75gと爪部75bとは、締結部材取付部75gに入力される変動荷重の入力方向であるクラッチハブ75の接線方向とは異なるクラッチハブ75の軸線方向に互いに離れた位置に位置する。この結果、変動加重伝達部(内壁73a、外壁73b)には引張力が作用する。そして、繊維強化樹脂は、引張力に対して強度を有するので、引張力により変動加重伝達部(内壁73a、外壁73b)は微小に変形する。この変形により、締結部材取付部75gに入力された荷重の変動を緩和することができる。
【0101】
本実施形態においては、クラッチハブ75及びホイールハブ73を、樹脂が炭素繊維によって強化された炭素繊維樹脂を用いることにより、クラッチハブ75及びホイールハブ73に求められる剛性を確保することができ、また、変動する荷重の吸収を実現する。
【0102】
クラッチハブ75及びホイールハブ73を構成する炭素繊維強化樹脂について、クラッチハブ75を例にとって説明する。
【0103】
クラッチハブ75は、
図7に示すように、樹脂が炭素繊維によって強化された炭素繊維強化樹脂を用いた本体部75aの締結部材取付部75g内に、金属製の締結部材75cが埋設された構成を有する。本体部75a及び爪部75bを構成する炭素繊維強化樹脂は、互いに独立し約1cm程度の所定長さの炭素繊維を樹脂中に含む。
【0104】
なお、前記樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドなどの熱可塑型樹脂、または、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂などの熱硬化型樹脂が好ましい。
【0105】
上記材料は、耐熱性、耐薬品性に優れ、寸法安定性もよく、クラッチハブ75及びホイールハブ73の剛性を確保しつつ、軽量化を可能とすることができる。また、クラッチハブ75及びホイールハブ73に入力された変動する荷重が吸収されることで、乗員が感じるトルク変動を緩和させることを可能とする。
【0106】
<クラッチハブの製造方法>
本実施形態に係るクラッチハブ75の成形には、射出成形を用いる。具体的には、図示しない金型内に締結部材75cを配置した状態で、前記炭素繊維を含む溶融樹脂を金型内に射出する。これにより、締結部材の強度を確保し、本体部からの脱落を防止することができる。
【0107】
また、特に図示しないが、射出成形に用いる金型は、締結部材75cの外周面の6箇所から溶融樹脂を注入する6個所のゲートを有する。これらのゲートは、クラッチハブ75の締結部材75cに対して径方向外方に位置する。そのため、金型内に前記ゲートから注入された溶融樹脂は、締結部材75cによって流れが分散される。
【0108】
これにより、本体部75aの外周及び爪部75bの根本にウェルドが発生することが抑制される。また、爪部75bの根本から爪部75bの先端へ溶融樹脂が流れるので、繊維を、
図8の矢印150に示すように、爪部75bの突出方向に延びるように配置させることができる。したがって、爪部75bの強度を確保することができる。
【0109】
なお、クラッチハブ75において、前記金型のゲートが位置する部分には、ゲート痕75eが形成される。
【0110】
上記材料を用いた射出成形品は、耐熱性、耐薬品性に優れ、寸法安定性もよいので、成形後の切削工程を削減することができる。したがって、容易にクラッチハブ75及びホイールハブ73を製造することができる。
【0111】
<フットレストブラケット>
運転者用のフットレストブラケット41(ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品)及び同乗者用のフットレストブラケット41a(ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品)は、それぞれメインフレーム12及びリアフレーム13に接続されている。メインフレーム12には、エンジン8aを含むパワーユニット8が固定されているため、エンジン8aの振動及び変動する荷重は、メインフレーム12及びリアフレーム13にそれぞれ接続されているフットレストブラケット41及びフットレストブラケット41aにも伝達される。
【0112】
フットレストブラケット41は、
図10に示すように、ブラケット本体80の長手方向の端部が2つに分割され、それぞれの先端にメインフレーム12への取付部81が設けられている。すなわちフットレストブラケット41は、メインフレーム12に取付部81が固定される。この取付部81が基端部であり、フットレストブラケット41において取付部81から車体2の外方に向かってブラケット本体80の本体部(本体部)が延びる。ブラケット本体80の先端に位置する先端部が自由端である。
【0113】
また、ブラケット本体80の上方には、板状のヒールガード43(
図1参照)を接続するヒールガード43の取付部82が設けられる。
【0114】
ブラケット本体80の取付部81から車体2の外方に向かって延びるブラケット本体80の先端部には、フットレスト42を折り畳み可能に固定するためのフットレスト取付部83(先端部)が設けられている。フットレスト取付部83には、ピン挿通孔84が設けられている。フットレスト取付部83のピン挿通孔84及びフットレスト42の貫通孔85に連結ピン87を挿通させることにより、フットレストブラケット41とフットレスト42とが連結される。
【0115】
フットレストブラケット41において、ブラケット本体80の取付部81が変動荷重入力部であり、フットレスト取付部83が変動荷重出力部であり、ブラケット本体80が変動荷重伝達部である。なお、フットレストブラケット41にフットレスト42が取り付けられた場合、フットレスト42から変動する荷重が加わるため、フットレスト取付部83が変動荷重入力部であり、取付部81が変動荷重出力部である。
【0116】
フットレストブラケット41において、取付部81とフットレスト取付部83は、変動荷重入力部(ブラケット本体80の取付部81)に入力される変動荷重の入力方向とは異なる方向に互いに離れた位置に位置する。この結果、変動加重伝達部(ブラケット本体80)には引張力が作用する。そして、繊維強化樹脂は、引張力に対して強度を有するので、引張力により変動加重伝達部(ブラケット本体80)は微小に変形する。この変形により、ブラケット本体80の取付部81に入力された荷重の変動を緩和することができる。
【0117】
本実施形態では、フットレストブラケット41は、樹脂が炭素繊維などの繊維によって強化された繊維強化樹脂によって構成されていてもよい。
【0118】
炭素繊維としては、互いに独立し繊維長が所定長さ以上の不連続の繊維であってもよいし、連続した繊維であってもよい。また、連続した繊維及び不連続繊維のシートを用いてもよい。また、繊維は、矢印151に示すように、取付部81から車体2の外方に向かって延びるブラケット本体80の先端部に設けられているフットレスト取付部83に向かって配向する。これにより、フットレストブラケット41は、強度が求められる方向に強い強度を持つことができる。
【0119】
なお、前記樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドなどの熱可塑型樹脂、または、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂などの熱硬化型樹脂が好ましい。
【0120】
上記材料は、耐熱性、耐薬品性に優れ、寸法安定性もよいので、成形後の切削工程を削減することができる。したがって、フットレストブラケット41を容易に製造することができる。そして、フットレストブラケット41を炭素繊維強化樹脂で構成することで、フットレストブラケット41の剛性を確保しつつ、軽量化を可能とすることができる。また、フットレストブラケット41に伝達した振動を早期に減衰させることで、振動軽減を可能とする。
【0121】
同乗者用のフットレストブラケット41a(ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品)は、
図11に示すように、ブラケット本体90の長手方向の端部が2つに分割されそれぞれの先端にリアフレーム13への取付部91が設けられる。すなわちフットレストブラケット41aは、リアフレーム13に取付部91が固定される。この取付部91が基端部である。フットレストブラケット41aにおいて取付部91から車体2の外方に向かってブラケット本体90の本体部(本体部)が延びる。ブラケット本体90の先端に位置する先端部が自由端である。
【0122】
ブラケット本体80の取付部81から車体2の外方に向かって延びるブラケット本体の先端部には、同乗者用のフットレスト42aを折り畳み可能に固定するためのフットレスト取付部92(先端部)が設けられている。フットレスト取付部92には、ピン挿通孔93が設けられている。フットレスト取付部92のピン挿通孔93及びフットレスト42aの貫通孔(図示無し)に図示しないピンを挿通させることにより、フットレストブラケット41aとフットレスト42aとが連結される。
【0123】
フットレストブラケット41aにおいて、ブラケット本体90の取付部91が変動荷重入力部であり、フットレスト取付部92が変動荷重出力部であり、ブラケット本体90が変動荷重伝達部である。なお、フットレストブラケット41aに同乗者用のフットレスト42aを取り付けた場合、フットレスト42aから変動する荷重が加わるため、フットレスト取付部92が変動荷重入力部であり、取付部91が変動荷重出力部である。
【0124】
フットレストブラケット41aにおいて、取付部91とフットレスト取付部92は、変動荷重入力部(ブラケット本体90の取付部91)に入力される変動荷重の入力方向とは異なる方向に互いに離れた位置に位置する。この結果、変動加重伝達部(ブラケット本体90)には引張力が作用する。そして、繊維強化樹脂は、引張力に対して強度を有するので、引張力により変動荷重伝達部(ブラケット本体90)は微小に変形する。この変形により、ブラケット本体90の取付部91に入力された荷重の変動を緩和することができる。
【0125】
本実施形態では、フットレストブラケット41aは、樹脂が炭素繊維などの繊維によって強化された繊維強化樹脂によって構成されていてもよい。
【0126】
炭素繊維としては、互いに独立し繊維長が所定長さ以上の不連続の繊維であってもよいし、連続した繊維であってもよい。また、連続した繊維及び不連続繊維のシートを用いてもよい。また、繊維は、矢印152に示すように、取付部91から車体2の外方に向かって延びるブラケット本体90の先端部に設けられているフットレスト取付部92に向かって配向する。これにより、フットレストブラケット41aは、強度が求められる方向に強い強度を持つことができる。
【0127】
なお、前記樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドなどの熱可塑型樹脂、または、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂などの熱硬化型樹脂が好ましい。
【0128】
上記材料は、耐熱性、耐薬品性に優れ、寸法安定性もよいので、成形後の切削工程を削減することができる。したがって、フットレストブラケット41aを容易に製造することができる。そして、フットレストブラケット41aを炭素繊維強化樹脂で構成することで、フットレストブラケット41aの剛性を確保しつつ、軽量化を可能とすることができる。また、フットレストブラケット41aに伝達した振動を早期に減衰させることで、振動軽減を可能とする。
【0129】
<フットレスト>
運転者用のフットレスト42(ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品)及び同乗者用のフットレスト42a(ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品)は、それぞれメインフレーム12に接続されたフットレストブラケット41及びリアフレーム13に接続されたフットレストブラケット41aに接続されている。メインフレーム12には、エンジン8aを含むパワーユニット8が固定されているため、エンジン8aの振動及び変動する荷重は、メインフレーム12及びリアフレーム13に間接的に接続しているこれらの部材にも伝達される。
【0130】
フットレスト42は、
図10に示すように、棒状の部材であり、長手方向の端部にフットレストブラケット41に接続するための貫通孔85が設けられている。フットレスト取付部83のピン挿通孔84及びフットレスト42の貫通孔85に連結ピン87を挿通させることにより、フットレストブラケット41とフットレスト42とが連結される。すなわち、フットレスト42は、貫通孔85(基端部)がフットレスト取付部83の貫通孔85に連結ピン87で固定され、貫通孔85から車体2の外方に向かってフットレスト本体部120(本体部)が延びる。フットレスト本体部420の先端部は自由端である。フットレスト本体部420には、運転者の足が載せられる載置部421が設けられている。
【0131】
フットレスト42において、貫通孔85が変動荷重入力部であり、載置部421が変動荷重出力部であり、フットレスト本体部420が変動荷重伝達部である。なお、運転者から変動する荷重が加わる場合には、載置部421が変動荷重入力部であり、貫通孔85が変動荷重出力部である。
【0132】
フットレスト42において、貫通孔85と載置部421は、変動荷重入力部(貫通孔85または載置部421)に入力される変動荷重の入力方向とは異なる方向に互いに離れた位置に位置する。この結果、変動加重伝達部(フットレスト本体部420)には引張力が作用する。そして、繊維強化樹脂は、引張力に対して強度を有するので、引張力により変動荷重伝達部(フットレスト本体部420)は微小に変形する。この変形により、貫通孔85または載置部421に入力された荷重の変動を緩和することができる。
【0133】
本実施形態では、フットレスト42は、樹脂が炭素繊維などの繊維によって強化された繊維強化樹脂によって構成されていてもよい。
【0134】
炭素繊維としては、繊維長が所定長さ以上であって、連続した繊維であってもよいし、不連続繊維であってもよい。また、連続した繊維及び不連続繊維を用いてもよい。また、繊維は、矢印153に示すように、貫通孔85から他端部に向かって配向する。これにより、フットレスト42は、強度が求められる方向に強い強度を持つことができる。
【0135】
フットレスト42の自由端に、変動する荷重が加わると、フットレスト42の貫通孔85までの間のフットレスト42には、引張力が作用する。フットレスト42を引張力に対して強度を有する炭素繊維強化樹脂で構成することで、引張力によりフットレスト42を変形させることができる。この変形により変動する荷重を緩和することができる。
【0136】
なお、前記樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドなどの熱可塑型樹脂、または、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂などの熱硬化型樹脂が好ましい。
【0137】
上記材料は、耐熱性、耐薬品性に優れ、寸法安定性もよいので、成形後の切削工程を削減することができる。したがって、フットレスト42を容易に製造することができる。そして、フットレスト42を炭素繊維強化樹脂で構成することで、フットレスト42の剛性を確保しつつ、軽量化を可能とすることができる。また、フットレスト42に伝達した振動を早期に減衰させることで、振動軽減を可能とする。
【0138】
以上より、前記エンジンから変動する荷重が入力されるストラドルドビークル用変動荷重伝達部品に炭素繊維強化樹脂を用いた場合、炭素繊維強化樹脂は金属材料と比べて減衰比が高いため、従来の構成部品に比べて、変動する荷重をより吸収し低減する。これにより乗員が感じる変動荷重を緩和することができる。また、炭素繊維強化樹脂は、炭素繊維により強化されており、金属材料と比較して、剛性を確保しつつさらなる軽量化が可能である。
【0139】
したがって、上述の構成により、ストラドルドビークル用変動荷重伝達部品に与えられる変動荷重を低減することができると共に軽量化を図ることができる。
【0140】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0141】
前記各実施形態では、リアフレーム13、クラッチハブ75,ホイールハブ73,フットレストブラケット41,41a、フットレスト42,42aは、樹脂が炭素繊維で強化された炭素繊維強化樹脂を含む。しかしながら、これらの構成部品のうち、少なくとも一部が、樹脂が炭素繊維で強化された炭素繊維強化樹脂を含んでいれば、他の部分は、金属、樹脂、エラストマーなどの他の材料によって構成されていてもよい。
【0142】
前記実施形態では、リアフレーム13、クラッチハブ75,ホイールハブ73,フットレストブラケット41,41a、フットレスト42,42aは、炭素繊維強化樹脂に含まれる炭素繊維として、互いに独立し繊維長が1cm程度であって、不連続の繊維である。しかしながら、炭素繊維は樹脂が炭素繊維を含む繊維シートによって強化された樹脂であってもよい。
【0143】
前記実施形態では、リアフレーム13、クラッチハブ75,ホイールハブ73,フットレストブラケット41,41a、フットレスト42,42aは、炭素繊維によって樹脂が強化された炭素繊維強化樹脂を含む炭素繊維強化樹脂層101aを有する。しかしながら、リアフレーム13、クラッチハブ75,ホイールハブ73,フットレストブラケット41,41a、フットレスト42,42aは、炭素繊維以外の繊維(例えば、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ガラス繊維など)によって樹脂が強化された繊維強化樹脂を含んでもよい。また、前記実施形態では、リアフレーム13、クラッチハブ75,ホイールハブ73,フットレストブラケット41,41a、フットレスト42,42aは、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドなどの樹脂によって構成されている。樹脂は、繊維によって強化可能な樹脂であれば、他の種類の樹脂であってもよい。
【符号の説明】
【0144】
1 車両(ストラドルドビークル)
2 車体
3 前輪
4 後輪
5 車体カバー
6 バーハンドル
7a フロントシート
7b タンデムシート
8 パワーユニット
8a エンジン
10 車体フレーム
11 ヘッドパイプ
12 メインフレーム
13 リアフレーム
14 リアアーム
41,41a フットレストブラケット
42,42a フットレスト
73 ホイールハブ
73d 貫通孔
74 ハブダンパー(弾性部材)
75 クラッチハブ
75a 本体部
75b 爪部
75c 締結部材(金属製締結部材)
75d 固定穴
75e ゲート痕
75f 補強リブ
75g 締結部材取付部
75h 内部環状リブ
75i 外部環状リブ
76 後輪スプロケット
77 ドライブチェーン
78 貫通孔
78a 車軸
87 連結ピン