IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フラウンホーファーゲゼルシャフト ツール フォルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシユング エー.フアー.の特許一覧

特許7252900充電接触ユニット、道路カバー、及び充電接触装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】充電接触ユニット、道路カバー、及び充電接触装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/16 20190101AFI20230329BHJP
   B60L 53/35 20190101ALI20230329BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
B60L53/16
B60L53/35
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019551543
(86)(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2018056911
(87)【国際公開番号】W WO2018172294
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-02-16
(31)【優先権主張番号】102017204608.2
(32)【優先日】2017-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017218226.1
(32)【優先日】2017-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597159765
【氏名又は名称】フラウンホーファーゲゼルシャフト ツール フォルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシユング エー.フアー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】クロスナー,スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】フォアベルク,ティム
(72)【発明者】
【氏名】セイラー,クリスチャン
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0066515(US,A1)
【文献】特開2006-081310(JP,A)
【文献】国際公開第2012/053221(WO,A1)
【文献】特開2005-255144(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102044900(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105128686(CN,A)
【文献】特開2015-186310(JP,A)
【文献】国際公開第2015/112355(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60M 7/00
H02J 7/00
B60L 53/14
B60L 53/31
B60L 53/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの充電されるべきエネルギストア(3)を有する自動車(1)の為の、充電接触ユニット(100、1100)であって、
充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)が、自動車の底面にある接触装置(200、1200)と相互に作用するように設計されており、接触及び接触離脱は、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)と前記接触装置(200、1200)との、接触方向(6)における相対的な動きによって行われ、
前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)は、前記接触方向(6)を横切って延びる1つの方向又は複数の方向における不正確な位置合わせを補償する為に、前記充電接触ユニット(100、1100)内で変位可能であり、且つ/又は、前記接触方向(6)を中心に回転可能又は旋回可能であり、
動作位置において、前記接触装置(200、1200)に前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)を保持する為に、磁気式保持装置(204、126)が係合し、前記磁気式保持装置(204、126)は、リフト装置から独立して動作可能であり、
前記磁気式保持装置(204、126)は、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)上に磁気式保持片又は電磁石を含み、前記磁気式保持片又は前記電磁石は、制御パイロット接点と構造的に結合されており、前記磁気式保持片又は電磁石は、前記接触装置(200、1200)上の逆極性片と相互に作用し、両片のロックを達成するように設計されている、
充電接触ユニット(100、1100)。
【請求項2】
前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)は、弾性復元力に逆らって回転可能又は変位可能であることを特徴とする、請求項1に記載の充電接触ユニット(100、1100)。
【請求項3】
前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)は、第1の方向に変位可能であるように、充電接触エレメントキャリア台(112、1112)又は中間台(1130)にマウントされており、前記充電接触エレメントキャリア台(112、1112)又は中間台(1130)は、前記充電接触ユニット(100、1100)内に、第2の方向に変位可能にマウントされていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の充電接触ユニット(100、1100)。
【請求項4】
前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)は、回転ベアリングエレメント(1127)によって前記充電接触エレメントキャリア台(112、1112)又は中間台(1130)にマウントされており、前記回転ベアリングエレメントと前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)との間に回転ベアリングが配置されていることを特徴とする、請求項に記載の充電接触ユニット(100、1100)。
【請求項5】
1つ以上の傾斜面が、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)上に配置されており、前記充電接触エレメントキャリアヘッドが垂直方向に上方に動く間に、道路カバー(1300)の1つ以上のカバーエレメント(1303、1304)又はカバーエレメントキャリア(1303a、1304a)を水平方向にそらして、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)が、道路表面(101)から前記接触装置(200、1200)との接触点までの間で展開されることが可能であるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の充電接触ユニット(100、1100)。
【請求項6】
前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)を持ち上げるリフト装置(リフト機構)(105)が設けられており、特に電気式、液圧式、又は気圧式として設計されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の充電接触ユニット。
【請求項7】
前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)、及び前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)とともに可動な前記充電接触エレメントキャリア台(112、1112)が動作位置に落下する動きをダンプする衝撃ダンプ装置(110、111)が設けられていることを特徴とする、請求項3~4のいずれか一項に記載の充電接触ユニット。
【請求項8】
前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)を持ち上げるリフト装置(リフト機構)(105)が設けられており、前記リフト装置は、前記充電接触エレメントキャリアヘッド、及び前記充電接触エレメントキャリアヘッドとともに可動な前記充電接触エレメントキャリア台(112、1112)から機械的に結合解除されて動作位置に入ることが可能であり、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)、及び前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)とともに可動な前記充電接触エレメントキャリア台(112、1112)の、駆動装置なしで前記動作位置を出入りする下方への動きを可能にすることを特徴とする、請求項3~4、7のいずれか一項に記載の充電接触ユニット。
【請求項9】
センサ装置を含み、前記センサ装置は、自動車(1)の接触装置(200、1200)の、前記充電接触ユニット(100、1100)に対して相対的な位置、特に、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)に対して相対的な位置を検出するように設計されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の充電接触ユニット。
【請求項10】
垂直方向に駆動可能な充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)を含む充電接触ユニット(100、1100)と、それぞれに少なくとも1つの、充電されるべきエネルギストア(3)が設けられた電気自動車(1)の為の接触装置(200、1200)と、を有する接触システム(100、1100、200、1200、300、1300)の為の道路カバー(300、1300)であって、前記道路カバー(300、1300)は、道路の上端より下方にあるくぼみに配置され、前記道路カバーは、接続フレーム(307、1307)によってシャフトエレメントに接続され、前記道路カバー(300、1300)は、1つ以上のカバーエレメント(303、304、1303、1304)を含み、前記カバーエレメント(303、304、1303、1304)は、前記接続フレーム(307、1307)上に、弾性復元力に逆らって可逆的に可動にマウントされており、前記カバーエレメント(303、304、1303、1304)は、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)が、その垂直方向の上方への動きの間に、1つ以上のカバーエレメント(303、304、1303)を閉位置からそらして、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)が、道路表面(101)から接触装置(200、1200)との接触点までの間で展開されることを可能にするように、前記充電接触ユニットの前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)に対して相対的に配置されている、道路カバー。
【請求項11】
前記道路カバー(300、1300)は1つ以上のカバーエレメントキャリア(1303a、1304a)を含み、前記カバーエレメントキャリア(1303a、1304a)は、前記接続フレーム(1307)上に、弾性復元力に逆らって可逆的に変位可能にマウントされており、前記カバーエレメントキャリア(1303a、1303b)は、カバーエレメント(1303、1304)を運び、前記充電接触エレメントキャリアヘッド上に配置された1つ以上の傾斜面(1113a)が、前記充電接触エレメントキャリアヘッドが垂直方向に上方に動く際に、1つ以上のカバーエレメントキャリア(1303a、1304a)を水平方向にそらして、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)が、前記道路表面(101)から接触装置(200、1200)との接触点までの間で展開されることを可能にするように、前記充電接触ユニットの充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)に対して相対的に配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の道路カバー。
【請求項12】
少なくとも1つの摺動エレメント又は転動エレメント(1326)が、複数のカバーエレメントキャリア(1303a、1304a)のいずれか又はそれぞれの上に配置されており、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)が垂直方向に上方に動く過程の間に、前記充電接触エレメントキャリアヘッド上に配置された傾斜面(1113a)を転動又は摺動し、それによって、前記水平方向(1320、1321)に駆動されることを特徴とする、請求項11に記載の道路カバー。
【請求項13】
少なくとも複数の摺動エレメント又は転動エレメント(1326)が、複数のカバーエレメントキャリアのいずれか又はそれぞれの上に連続的に配置されており、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)が垂直方向に上方に動く過程の間に、前記複数の摺動エレメント又は転動エレメント(1326)が、前記充電接触エレメントキャリアヘッド(113、1113)上に配置された傾斜面(1113a)を同時に、又は連続的に転動又は摺動するように、配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の道路カバー。
【請求項14】
前記カバーエレメント(1303、1304)は、カバーエレメントキャリア(1303a、1304a)に弾性的に可動に接続されており、前記カバーエレメントが、それらの上を自動車が通る際に、前記自動車の重量によって垂直方向に下方に押されて前記接続フレーム(1307)の中に入ることが可能なように接続されており、前記接続フレームは、前記カバーエレメント(1303、1304)の、前記垂直方向の動きを制限するストッパ(1322)を形成することを特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載の道路カバー。
【請求項15】
請求項1~9のいずれか一項に記載の充電接触ユニット(100、1100)を含み、請求項10~14のいずれか一項に記載の道路カバーを含む充電接触装置であって、前記垂直方向に駆動可能な充電接触エレメントキャリアヘッド及び道路カバーは、前記充電接触エレメントキャリアヘッドが、その垂直方向に上方に動く過程の間に、前記道路カバーの1つ以上のカバーエレメント(303、304、1303)をその閉位置からそらすように設計されていることを特徴とする、充電接触装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械工学の分野に属し、特に、自動車技術の分野において有利に用いられることが可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギ密度の増加(エネルギ密度が十分に高いバッテリセル、「レンジ問題」に対するソリューション)及びシステムインテグレーションに関して、特にリチウムベースのバッテリ技術の開発が大きく進歩している。従って、プログレッシブアプリケーションにおいては、エネルギ密度が十分に高いバッテリセルが今や利用可能であり、それをベースとする、信頼性及び安全性が高いバッテリシステムも利用可能である。こうしたことを背景にして、都市の中心部や周辺部の配達車両、並びに自家用車として、完全にバッテリで動く市販の電気自動車の台数が急速に増えているのは当然の成り行きである。
【0003】
バッテリベースの電気駆動の概念を実施する為の必須条件の1つは、動作又は使用の結果として引き起こされる停止時間(ブレーク)を利用して、バッテリストアの充電又は再充電の時間間隔を十分長く取れることである。これらの時間間隔が短いことから、更なる応用シナリオを開拓する為の唯一の可能性は、バッテリストアの急速充電能力、及びこれに対応する充電インフラストラクチャの開発にある。
【0004】
バッテリストレージシステムの電力密度の増大に関して予想される開発は、既に充電速度の上昇につながっている。充電速度(xC)は、定格容量(単位:Ah)に対する最大可能充電電流(単位:A)の比の尺度である。バッテリシステム電圧は、充電プロセスの間に充電システムによって必ず供給されていなければならないので、充電速度は、バッテリストアがいかに急速に充電されうるかの直接表現である。ストア充電状態が重放電の場合と充電終了電圧の場合には、バッテリストアは最大充電電流の作用を受けることができないという技術的制限があるが、上述されたことは、少なくとも、非常に広い範囲の全体容量に対して当てはまる。充電速度が5Cであるバッテリストレージシステムが、現在既に、先行技術として市販されており、これは、それらのシステムが、それらの全体容量の大部分を12分以内に埋めることができる充電電流の作用を受けることが可能であることを意味する。
【0005】
十分な電力密度のバッテリストアが利用可能であるという、先行技術から導かれる仮定の下では、エネルギ伝送に使用される電力電子回路の技術的適格性が、必要な技術的パラメータを有する急速充電技術を実現する上での更なる障害を構成する可能性がある。
【0006】
現時点では、バッテリ自動車の充電の自動化システムを実施する為に2つの物理的な基本原理が議論され、技術的に実施されており、それらは、誘導性(即ち、無線)エネルギ伝送と伝導性(即ち、接触ベースの)エネルギ伝送であり、本明細書に記載の発明は後者を参照する。
【0007】
米国特許出願公開第2015/0306974(A1)号は電気自動車用充電装置を開示しており、この装置では、地下システムから自動車に電気的コネクタがドッキングされ、同時に、充電プロセス中に自動車を熱的に安定させる接続が行われる。
【0008】
独国特許出願公開第69711963(T2)号は、自動車にドッキングできる誘導性充電ヘッドを有する電気自動車用誘導性充電システムを開示している。
【0009】
米国特許出願公開第2009/0079270(A1)号は、誘導性結合素子同士の相対的な位置関係を測定する誘導性充電システムを開示している。
【0010】
特開2015-186310号公報は、自動車用誘導性地下充電システムを開示している。
【0011】
独国特許出願公開第102011082092(A1)号は、自動車用充電装置の充電プラグ用誘導装置を開示している。
【0012】
特開2006-081310号公報は、プラグイン方向に対して変位可能且つ旋回可能な複数の接点を有する電気式フィード装置を示している。
【0013】
米国特許出願公開第2010/0235006(A1)号は、測位装置を有する自動車用充電装置を教示している。
【0014】
国際公開第2015/112355(A1)号は、充電ケーブルに接続される電気プラグの機械式ガイド及びセンタリング装置を示している。
【0015】
独国特許出願公開第102011077427(A1)号は、充電ヘッドがフローティングマウントされた誘導性充電装置を示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
先行技術を背景として、本発明の目的は、充電ステーションから自動車まで、並びに自動車内に設置されたエネルギストアまでの、大充電電流による伝導性(接触による)エネルギ転送を可能にする装置を作成することである。なお、接触システムは、最大限自動で機能するものであり、更には、手動介入なしで機能するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、少なくとも1つの充電されるべきエネルギストアを有する自動車の為の、道路表面の下方に埋め込まれる充電接触ユニットであって、充電接触エレメントキャリアヘッドが、自動車の底面にある接触装置と相互に作用するように設計されており、接触及び接触離脱は、充電接触エレメントキャリアヘッドと接触装置との、接触方向における相対的な動きによって行われ、充電接触エレメントキャリアヘッドは、接触方向を横切って延びる1つの方向又は複数の方向における不正確な位置合わせを補償する為に、充電接触ユニット内で変位可能であり、且つ/又は、接触方向を中心に回転可能又は旋回可能である、充電接触ユニットに関する。
【0018】
充電接触ユニットは、ここでは、道路側ユニット、即ち、充電されるべき自動車が近づいて、充電電流の伝送の為の導電接触を形成する為の、充電装置の固定設置されたユニットを意味するものと理解されたい。充電接触ユニットは、通常は道路表面より下方にあるシャフトに組み込まれており、電源、例えば、電力供給網に接続されている。
【0019】
自動車内の電力線との接触は、充電接触エレメントによって確立され、充電接触エレメントは、自動車側の接触装置の接触エレメントに導電接続する。この導電接続は、プラグイン接触又はクランプ接触として達成可能であるが、本発明の範囲で好ましいと見なされることとして、圧力接触によって接触を形成することも可能である。これを達成する為に、接触エレメント間で十分な接触圧力が達成される。
【0020】
充電電流を誘導する接触エレメントとは別に、通常は、自動車エネルギストアを充電する為の接触ペアの形成に関する法的要件を満たす為に、更なる接触エレメント(例えば、保護接地及び1つ以上の制御接触)も設けられてよい。接触時及び接触切断時の特定の順序が、接触エレメントの適切な配置によって指定されてよい。
【0021】
本発明の一利点として、充電接触ユニット内の充電接触を形成する為に動き、駆動される、システムの重要なパートが道路側に設けられ、固定設置される為に、自動車側の対応する接触装置を可能な限りシンプルに保つことが可能である。例えば、充電接触エレメントキャリアヘッドが、充電接触ユニット内の駆動装置によって自動車の接触装置に向かって動かされて、一方の充電接触ユニットの接触エレメントと、他方の自動車の接触装置の接触エレメントとが接触することが可能である。そうであれば、自動車側で接触装置のパートの為の駆動装置を設けることが不要である。
【0022】
充電接触エレメントキャリアヘッドに熱交換用エレメントが接続されてよく、これは、充電接触エレメントキャリアヘッドが自動車の接触装置との接触の過程の間に、熱交換を可能にする為に、自動車側の熱交換エレメントと相互に作用する。そのようなエレメントは、対応する接続ポートを有する、熱交換流体用の配管として、又は、熱を吸収し、特にキャリア媒体を動かすことなく熱を放散することが可能なボディの形態の熱伝導エレメントとして、形成されてよい。
【0023】
しかしながら、充電接触ユニットに対する自動車の接触装置の厳密な位置合わせは通常達成されない為、不正確な位置合わせを補償することが有利である。これは、充電接触エレメントキャリアヘッドが、接触方向を横切る方向に変位可能であるか、且つ/又は、接触方向を中心に回転可能又は旋回可能であることで達成される。充電接触エレメントキャリアヘッドの別個の駆動装置が、不正確な位置合わせの補償の為に設けられてよく、不正確な位置合わせを検出するセンサアセンブリに接続され、不正確な位置合わせは、駆動装置を手段とする制御装置によって補償される。
【0024】
しかしながら、充電接触エレメントキャリアヘッド及び接触装置を、それらがそれら自身を相互に、接触捕捉装置の形で調節するように設計することも可能である。これを達成する為に、一方のパートが、少なくとも1つの断面方向において、断面が他方のエレメントに向かって先細になるように形成され、他方のエレメントは、少なくとも同じ断面方向において相補形状に形成される。
【0025】
ここで最もシンプルな事例では、一方のエレメント(充電接触エレメントキャリアヘッド又は接触装置が、円錐状であるか、或いは、ピラミッド状、又は上部を切られた円錐/ピラミッドの形態で設けられ、他方のエレメントが、対応する中空円錐を有するか、上部を切られたピラミッドに対して相補的なレセプタクルを有する。そのような設計は、相補形状の設計となり、幾つかの断面方向に先細になる。しかしながら、そのような相補形状の設計が1つの断面方向にのみ実装されたとしても十分である場合もある。この文脈での先細断面形状は、円錐、又は上部を切られたピラミッドの設計に加えて、一方のパートがドーム形状の設計で他方のパートが中空ドーム形状の設計であることも意味してよい。
【0026】
この相補形状の設計の効果として、位置合わせが不正確になった場合には、充電接触エレメントキャリアヘッドであれ接触装置であれ、一方のパートは、接触の為に2つのパートが相対的に動く場合に、他方のパートのガイド面に沿って摺動することによって調節され、接触方向に垂直な方向に変位又は回転し、これによって、接触の時点では、接触エレメントの両パートの、互いに対して最適化された位置合わせが得られる。
【0027】
ここでは、一方のパート(充電接触エレメントキャリアヘッドであれ接触装置であれ)の場合には、接触方向に垂直な方向の平行移動の意味での変位可能性が与えられ、他方のパートの場合には、接触方向を中心とする回転可能性が与えられることが有利でありうる。従って、更に、特に、一方のパートが変位可能且つ回転可能でなければならないことが避けられる。
【0028】
しかしながら、一方のパート、例えば、充電接触エレメントキャリアヘッドに変位可能性及び回転可能性の両方が与えられることもあってよい。
【0029】
本発明の有利な一実施形態では、充電接触エレメントキャリアヘッドが弾性復元力に逆らって回転可能又は変位可能である。ここでは、弾性復元力は、一方が充電接触エレメントキャリアヘッドに接続され、他方が充電接触装置の固定部分に接続されたばね又はエラストマエレメントの形態の弾性エレメントによって与えられてよい。
【0030】
本発明の別の有利な実施形態では、充電接触エレメントキャリアヘッドが、第1の方向に変位可能であるように、充電接触エレメントキャリア台又は中間台にマウントされ、充電接触エレメントキャリア台又は中間台が、第2の方向に変位可能であるように、充電接触ユニットの内側にマウントされる。充電接触エレメントキャリア台又は中間台は、通常、充電接触エレメントキャリアヘッドの下方に配置され、その結果として、接触方向に有利に駆動されることが可能である。これを達成する為に、後で詳述されるように、充電接触ユニットのリフト装置がシャフト内に有利に設けられる。
【0031】
充電接触ユニットの別の有利な実施形態では、充電接触エレメントキャリアヘッドは、回転ベアリングエレメントによって、充電接触エレメントキャリア台又は中間台にマウントされ、回転ベアリングエレメントと充電接触エレメントキャリアヘッドとの間に回転ベアリングが配置される。従って、充電接触エレメントキャリアヘッドは、同時に変位可能且つ回転可能である。従って、接触装置が自動車内で可動であることはもはや不要であるが、その上で、可動であってもかまわない。
【0032】
更に可能なこととして、1つ以上の傾斜面が、充電接触エレメントキャリアヘッド上に配置されていて、充電接触エレメントキャリアヘッドが垂直方向に上方に動く間に、道路カバーの1つ以上のカバーエレメント又はカバーエレメントキャリアを水平方向にそらし、それによって、充電接触エレメントキャリアが、道路表面から接触装置との接触点までの間で展開されることが可能である。
【0033】
この実施形態では道路カバーが設けられており、道路カバーは、休止位置にあるときは、道路の連続性を形成するように充電接触ユニットの上側をカバーし、動作位置にあるときは、充電接触エレメントキャリアヘッドの上方の開口部を解放する。これを達成する為に、1つ以上のカバーエレメントキャリアがカバーエレメントとともに与えられており、これらは、充電接触エレメントキャリアヘッドが展開されると、水平方向にそらされることが可能であり、従って、変位して、充電接触エレメントキャリアヘッド用開口部を解放することが可能である。
【0034】
道路カバーは、通常、自動車の充電が行われていない場合には閉じて休止位置にあるように形成されている。そして道路カバーは、道路の面内に道路の連続性を形成し、更に、その上を自動車が通ることを可能にするように、有利に負荷をかけられてよい。本事例における道路カバーはカバーエレメントを含み、カバーエレメントは、カバーエレメントキャリアによって運ばれ、充電接触キャリアエレメントヘッドの押す動きによってのみ、水平方向に変位して動作位置に着くことが可能である。カバーエレメントは更に、1つ以上のフラップを含んでよく、これらのフラップは、充電接触キャリアエレメントヘッドの押す動きによってのみ、旋回して動作位置に着くことが可能である。即ち、道路カバーの別個の駆動装置を用意する必要がない。これによって、充電接触ユニットの設計コスト及び故障しやすさが低減される。
【0035】
或いは、道路カバーのカバーエレメント用の別個の被制御駆動装置を設けることも考えられ、この駆動装置は、自動車が充電接触ユニットの上方の所定位置に着くとただちにトリガされることが可能であり、充電接触ユニット及び充電接触エレメントキャリアヘッドに対する解放された開口部は自動車によって適切に覆われる為、その自動車がある区域に人が入っても危険はない。
【0036】
道路カバーが、接触の過程の間に充電接触ユニットの充電接触エレメントキャリアヘッド又は他の部分が動いたことによってのみ駆動される場合、道路カバーが開くのは、自ずと、充電接触ユニットの上方に自動車が位置している場合のみということになる。充電接触エレメントキャリアヘッドの駆動装置は、自動車が充電接触ユニットの上方の充電位置にあることが、マーカによって、且つ、自動車側又は充電接触ユニット側のセンサ装置によって確認されるかどうかにかかわらず、通常は制御装置によって起動される。これは、道路表面に凹凸、溝、筋、リブ、又はリッジを設けることでもサポートされてよく、それらは、自動車の車輪を誘導するか停止させるか、或いは、自動車を揺さぶって、自動車がそれらの上を走行していることを自動車の運転者に知らせる。これにより、充電接触ユニットに対する自動車の良好な初期位置合わせを確実に行うことが可能である。
【0037】
本発明の有利な一実施形態では更に、充電接触エレメントキャリアヘッドを持ち上げるリフト装置(リフト機構)が設けられてよく、特に電気式、液圧式、又は気圧式として形成されてよい。リフト装置/リフト機構は、(例えば、モータ及びトランスミッションにより)歯付きラックを垂直方向に駆動することが可能であり、前記歯付きラックには充電接触エレメントキャリア台が固定されている。
【0038】
本発明の別の有利な実施形態では、動作位置において、充電接触エレメントキャリアヘッドを保持する為の、リフト装置とは別個の、特に磁気式保持装置の形態の保持装置が接触装置上に設けられてよい。この保持装置は、動作位置において、電気的接触抵抗を最小化する為に、充電接触エレメントと接触装置の接触エレメントとの間に十分な接触圧力が与えられるようにすることが可能である。そのような保持装置は、電気的接点をまとめて押さえるロック及び弾性エレメントを含んでよい。
【0039】
しかしながら、更に可能なこととして、磁気式保持装置は、充電接触エレメントキャリアヘッド上に磁気式保持片又は電磁石を含み、この磁気式保持片又は電磁石は、接触装置上の逆極性片と相互に作用するように設計されていて、この磁気式保持片又は電磁石は、構造的に結合可能であり、特に補助接触(特に制御接触)により結合可能である。この電気的接触は、接触装置又は充電接触ユニットからの、電磁石の適切な制御によって保持される。電磁石がオフにされると、それによって、接触離脱が開始されることが可能である。制御接触は、特に、正常な接触が行われていることを検出すること、並びに電磁石を動作させる信号を制御装置に送ることの為に用いられてよい。
【0040】
例えば、可能なこととして、充電接触ユニットと接触装置との間の電気的接続を形成する保持力は、磁気式保持装置によってのみ印加される。これによって、電磁石がオフにされたときに、充電接触ユニットの可動部分を休止位置に戻すことが可能である。これにより、例えば、充電プロセスが完了した時点で、障害が発生しても(例えば、電源ネットワークの障害が発生しても)、充電接触ユニットを休止位置に戻すことが確実に行われ、充電接触ユニットの積極的関与は不要である。そして、充電接触エレメントキャリアヘッドはシャフト内に戻ることが可能であり、道路カバーも同様に休止位置に戻る。
【0041】
更に有利に可能なこととして、充電接触エレメントキャリアヘッド、及び充電接触エレメントキャリアヘッドとともに可動なパートが動作位置に落下する動きをダンプする衝撃ダンプ装置が設けられている。これにより、充電接触ユニットの各パートが休止位置に戻る際に、それらのパートの持続的ダメージを防ぐことが可能である。衝撃ダンプ装置は、気圧式又は液圧式の衝撃ダンパと、弾性ばねエレメントとを含んでよい。衝撃ダンプ装置は、通常、リフト装置の区域の充電接触エレメントキャリアヘッドの下方、特に充電接触エレメントキャリア台の下方に配置される。
【0042】
更に可能なこととして、リフト装置は、充電接触エレメントキャリアヘッド、及び充電接触エレメントキャリアヘッドとともに可動なパートの、駆動装置なしで動作位置を出入りする下方への動きを可能にするように設計されており、リフト装置は、特に、充電接触エレメントキャリアヘッド、及び充電接触エレメントキャリアヘッドとともに可動なパートから機械的に結合解除されて動作位置に入ることが可能である。これは、リフト装置が自動ロック式でないか、且つ/又は、駆動されるパートから切り離し可能である場合に実現可能である。
【0043】
更に、有利に可能なこととして、接触システム、特に充電接触ユニットは、センサ装置を含み、センサ装置は、自動車の接触装置の、充電接触ユニットに対して相対的な位置、特に、前記充電接触エレメントキャリアヘッドに対して相対的な位置を検出するように設計されている。自動車の接触装置、又は自動車自体は、これを達成する為に、センサ装置が知覚できるマーカを保持してよく、このマーカは、充電接触エレメントキャリアヘッドの展開をリリースする為に、充電接触ユニットの参照領域内に位置していなければならない。センサ装置は、光学式、電気式、磁気式、更には赤外線式装置の形態で形成されてよい。
【0044】
センサ装置は自動車に設けられてもよく、その場合は、充電接触ユニット上のマーカが、センサ装置によって検出されるべきである。この場合は、自動車にある制御装置が、対応するリリース用信号を充電接触ユニットに発してよい。
【0045】
本発明は、上述のタイプの充電接触ユニットに関するだけでなく、上述のタイプの充電接触ユニットと、自動車内の接触装置とを含む接触システムにも関し、この接触システムは、充電接触エレメントキャリアヘッドが、充電接触ユニット内で、接触方向を横切って延びる1つ以上の方向に変位可能である場合に、接触装置が接触方向を中心に回転可能又は旋回可能であることと、充電接触エレメントキャリアヘッドが接触方向を中心に回転可能又は旋回可能である場合に、接触装置が自動車に対して相対的に、接触方向を横切って延びる1つ以上の方向に変位可能であることと、を特徴とする。
【0046】
しかしながら、更に可能なこととして、充電接触エレメントキャリアヘッドは、充電接触ユニット内で1つ以上の方向に変位可能であり、回転可能でもある。接触装置は、ここでは固定されていて変位可能でも回転可能でもなくてよく、或いは、変位可能且つ/又は回転可能であってよい。
【0047】
更に、有利に可能なこととして、接触装置は、弾性復元力に逆らって回転可能又は変位可能である。
【0048】
上述のように、更に可能なこととして、接触装置はセンサ装置を含み、センサ装置は、接触装置に対して相対的な、充電ユニットの位置、特に充電接触エレメントキャリアヘッドの位置を検出するように設計されている。
【0049】
本発明は更に、垂直方向に駆動可能な充電接触エレメントキャリアヘッドを含む充電接触ユニット(特に上述の説明による充電接触ユニット)と、それぞれに少なくとも1つの、充電されるべきエネルギストアが設けられた電気自動車の為の自動車側接触装置と、を有する接触システムの為の道路カバーに関し、道路カバーは、道路の上端より下方にあるくぼみに配置され、道路カバーは、接続フレームによってシャフトエレメントに接続され、道路カバーは、1つ以上のカバーエレメントを含み、これらのカバーエレメントは、接続フレーム上に、弾性復元力に逆らって可逆的に可動にマウントされており、カバーエレメントは、充電接触エレメントキャリアヘッドが、その垂直方向の上方への動きの間に、1つ以上のカバーエレメントを閉位置からそらして、充電接触エレメントキャリアが、道路表面から接触装置との接触点までの間で展開されることを可能にするように、充電接触ユニットの充電接触エレメントに対して相対的に配置されている。カバーエレメントは、ここでは、充電接触エレメントキャリアヘッドによって直接そらされてよく、或いは、カバーエレメントキャリアも充電接触エレメントキャリアヘッドによってそらされ、それによって、カバーエレメントも押しのけられてよい。
【0050】
充電接触エレメントを有する充電接触エレメントキャリアヘッドを、相対する自動車側接触装置に向けて展開する場合は、従って、充電接触エレメントキャリアヘッドの駆動装置だけが必要であり、カバーエレメントを開くことは、その為の独立した駆動装置を設けることを必要とせずに自動的に行われる。
【0051】
更に特に可能なこととして、道路カバーは1つ以上のカバーエレメントキャリアを含み、これらのカバーエレメントキャリアは、接続フレーム上に、弾性復元力に逆らって可逆的に変位可能にマウントされており、カバーエレメントキャリアは、カバーエレメントを運び、充電接触エレメントキャリアヘッド上に配置された1つ以上の傾斜面が、充電接触エレメントキャリアヘッドが垂直方向に上方に動く際に、1つ以上のカバーエレメントキャリアを水平方向にそらして、充電接触エレメントキャリアが、道路表面から接触装置との接触点までの間で展開されることを可能にするように、充電接触ユニットの充電接触エレメントキャリアヘッドに対して相対的に配置されている。
【0052】
カバーエレメントキャリア及びカバーエレメントは、道路表面に平行に、水平に、有利に平行移動変位可能である。それらは、接続フレーム内で(例えば、1つ以上のレールで)動きをガイドされる。充電接触エレメントキャリアヘッドが引っ込められると、カバーエレメントキャリアが弾性エレメント(ばねエレメント)によって自動的に動かされて閉位置に戻り、カバーエレメントが道路カバーの開口部を閉じる。カバーエレメントは、弾性エレメントによってカバーエレメントキャリアに固定接続されており、弾性エレメントは、カバーエレメントとカバーエレメントキャリアの有限の相対的な動きを可能にする。
【0053】
更に、一実施態様において可能なこととして、少なくとも1つの摺動エレメント又は転動エレメントが、複数のカバーエレメントキャリアのいずれか又はそれぞれの上に配置されており、充電接触エレメントキャリアヘッドが垂直方向に上方に動く過程の間に、充電接触エレメントキャリアヘッド上に配置された傾斜面を転動又は摺動し、それによって、対応するカバーエレメントキャリアと一緒に水平方向に駆動される。
【0054】
更なる可能な実施形態において可能なこととして、複数の摺動エレメント又は転動エレメントが、複数のカバーエレメントキャリアのいずれか又はそれぞれの上に連続的に配置されており、充電接触エレメントキャリアヘッドが垂直方向に上方に動く過程の間に、前記エレメントが、充電接触エレメントキャリアヘッド上に配置された傾斜面を同時に、又は連続的に転動又は摺動するように、配置されている。
【0055】
更に可能なこととして、カバーエレメントは、カバーエレメントキャリアに弾性的に可動に接続されており、カバーエレメントが、それらの上を自動車が通る際に、自動車の重量によって垂直方向に下方に押されて接続フレームの中に入ることが可能なように接続されており、接続フレームは、カバーエレメントの、垂直方向の動きを制限するストッパを形成する。この実施形態の結果として、カバーエレメント及びカバーエレメントキャリアが最初に一緒に垂直方向に動いた後の、道路カバーの上を自動車が通る際の主な力は、その機械的ストッパによって支持され、カバーエレメントは接続フレームの内側でストッパにのしかかる。
【0056】
本発明の様々な実施形態の利点は、特に以下の事実にある。
・接触及び道路カバーの活性化には単体のアクチュエータが1つあればよい。
・接触、並びに位置合わせ公差の補償は、アクチュエータの垂直方向の動きだけで達成される。
・位置合わせ公差の補償は、接触装置と、充電接触ユニット側との間のぴったりフィットする接続(これは、1つの空間方向に可逆的に変位可能であり、且つ/又は、回転軸を中心に大きな角度(最大約90度)にわたって可逆的に回転可能である)と、更にリフト機構(これは、第1の空間方向(接触方向)と直交する第2の空間方向における、組み合わされた、可逆的な横断方向及び長手方向の可動性を有する)とによって行われる。
・充電プロセスの間の必要な保持力及び接触力は、電磁石(摩擦係合)の活性化によって印加され、これによって、位置合わせ装置のアクチュエータがオフにされてよく、システムは、重力の方向に動きの最大自由度を有する。アクチュエータへの電流供給は、接触が閉じた時点での電流増加の評価後にオフにされてよい。
・充電プロセス(電磁作用)の間の接触が閉じた状態をロックすること(これはオンオフの切り替えが可能)が可能にされる。
・充電対象の自動車が、第1の空間方向の2つの動き方向から正しい極性で近づくことが可能である。
・第1の空間方向に直交する第2の空間方向から近づくことが、接触エレメント及び充電接触エレメントを適切に配置して保護接地(PE)接続を形成することで、ターゲット電流のリリースにつながる可能性がない(正しくない極性で近づいた場合の短絡の防止)。
・互いに接触した接触エレメント及び充電接触エレメントは、電気安全の分野の現在の法規定(ECE R100)の趣旨の範囲で、仕切り部品の追加を必要とせずに、直接タッチ(テスト指)から保護される。
・システムを初期位置(安全プラント状態)に戻す為の駆動エネルギは全く不要である(電磁石への電流供給が中断され、重力で戻る)。
・充電接触ユニットは、その安全プラント状態に戻る際には、その初期位置に自動的にガイドされる(フラップ機構によるセンタリング)。
・接触装置は、(例えばフラップシステムの形態の)周囲の影響(特に汚れ)からの保護を含んでよく、これは、別動作のアクチュエータ(電気式、気圧式、液圧式、磁気式、重力式、又はばね力式)の有無にかかわらず、実施可能である。
・重力によって加速されたシステム質量が、安全プラント状態に戻る際に、液圧式衝撃ダンパによって、又は、別の動作原理に従って働く衝撃ダンパによってダンプされる。
・例えば道路カバーに組み込まれた電磁石によって、フラップ機構は、不意に開かないように守られることが可能である。
・道路カバー又は接触装置はセンサを含んでよく、このセンサの支援により、許容される位置合わせ精度の遵守に関する、充電対象自動車の認可及び/又は正確な位置をチェックすることが可能である。
・シャフトエレメント及び装置には、例えば、雪や氷からシャフトカバー及び充電接触ユニットを保護する為の温風暖房システムが設けられる。
・接触エレメントが雪や氷の影響を受けないままであるように、(例えば、加熱ストリップの形態の)加熱エレメントが接触装置上に設けられてよい。
・伝送可能な充電電流を増やす為に、形成された接触ポール(主に、電力伝送用及び保護接地(PE)用の接触ポール)の1つにつき2つ以上の接触エレメントが、接触装置及び充電接触ユニットの両方に含まれてよい。
【0057】
最後に、本発明は更に、上述のタイプの充電接触ユニットと、上述のタイプの道路カバーとを有する充電接触装置に関し、垂直方向に駆動可能な充電接触エレメントキャリアヘッド及び道路カバーは、充電接触エレメントキャリアヘッドが、その垂直方向に上方に動く過程の間に、道路カバーの1つ以上のカバーエレメントをその閉位置からそらすように設計されている。ここで、充電接触エレメントキャリアヘッドは、一実施態様では、カバーエレメントを動かす為にカバーエレメントに力を直接かけることが可能である。これは、レバー又は他の伝送エレメントによっても達成可能である。充電接触エレメントキャリアヘッドの動きによって、カバーエレメントの別個の駆動装置が機械的又は電気的にトリガされてもよい。これを達成する為に、充電接触エレメントキャリアヘッドによるカバーエレメントの機械的ロックが解除されてもよく、或いは、電気的スイッチがアクチュエートされてよい。
【0058】
充電接触エレメントキャリアヘッドは、1つ以上のガイド面(特に面取り部や傾斜面)を有してよく、これらは、カバーエレメントを押し開くための、道路カバー(特にカバーエレメント)のアクティブ面になり、更に、自動車上の接触装置に対する方向付けの為のガイド面として設計される。
【0059】
以下では、図面の各図を参照しながら、本発明を図示し、説明する。図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】充電接触ユニットの上方に配置された自動車を概略的に示す図である。
図2】充電接触ユニットを道路カバー及び自動車側接触装置とともに示す図である。
図3】乃至
図10】充電接触ユニットの各パートの様々な様子や断面を示す図である。
図11】乃至
図13】接触装置の様々な様子を示す図である。
図14】乃至
図15】道路カバーの各パートを等角図で示す図である。
図16】乃至
図17】道路カバーの各パートを側面図で示す図である。
図18】乃至
図21】道路カバーを通り抜ける動きの際の道路カバー及びリフト装置、充電接触エレメントキャリア台及び充電接触エレメントキャリアヘッドを側面図で示す図である。
図22】充電接触装置、道路カバー、及び接触装置の斜視図である。
図23】道路カバーの斜視図である。
図24】異なる2つの垂直位置にある充電接触エレメントキャリアを示す図である。
図25a】乃至
図25b】充電接触エレメントキャリアヘッドが台に対して変位している場合と回転している場合(図25b)の充電接触エレメントキャリアを示す図である。
図26】乃至
図27】クラッディングがある場合とない場合の充電接触エレメントキャリア台を示す図である。
図28】乃至
図31】充電接触エレメントキャリアヘッド用の、2方向に変位可能な中間台を示す図である。
図32】道路カバー及びシャフトエレメントの側面図である。
図33】乃至
図35】異なる3つの垂直位置にある充電接触エレメントキャリアを示す図であり、カバーエレメント及びカバーエレメントキャリアが様々な程度にそらされている図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、自動車1を概略側面図で例示的に示しており、この自動車は、充電接触ユニット100の上方に配置されている。充電接触ユニット100は、道路の高さ101より下方にあるシャフトに配置されている。充電接触ユニット100は充電接触エレメントキャリアヘッド113を含み、これについては以下で詳述されるが、充電接触エレメントキャリアヘッド113は、リフト機構105によって、矢印6で示される接触方向に駆動されることが可能である。ここでは、リフト機構105は制御装置5によって制御され、制御装置5は、センサ装置4、4’からのリリース信号(これは充電接触ユニット(4)又は接触装置(4’)のいずれかから与えられる)を処理し、充電接触ユニット100に対して相対的な、基準位置領域内の自動車1の位置付けを検出する。
【0062】
この状態から充電接触エレメントキャリアヘッド113が接触装置200に向かって矢印6の方向に、接触が行われるまで動かされると、そのように電気的接触が確立され、これによって、充電電流が電源ネットワークから充電接触エレメントを介して接触装置200に流れ、自動車1内の電気エネルギストア3まで流れる。このようにして、エネルギストレージ装置3の充電が可能になり、エネルギストレージ装置3は、例えば、電気モータ2、又は他の、自動車1内の電気系統にエネルギを供給する。
【0063】
本発明が特に関連するのは、図に示されるように、単一の適切な駆動装置を使用して、地中に埋め込まれた充電接触ユニットが垂直に上方に移動することを可能にし、可動道路カバーであって、その上を自動車が通ることが可能であり、充電接触ユニットの上方に位置する可動道路カバーを押し開いて開けるシステムであり、道路カバーは、地中に埋め込まれた、変位可能な充電接触エレメントキャリアを中央位置にセンタリングし、道路と移動中の自動車底部との間の領域を最小化して、自動車側の接触装置との電気エネルギ伝送用伝導性接続を形成する。
【0064】
図2の地下接触システムは、3つのサブシステムから成る。それらは、充電接触ユニット100、接触装置200、及び道路カバー300である。添付図面を参照しながら、まず、地下接触システムの第1の好ましい実施形態について説明する。
【0065】
図3は、地中に埋め込まれた機構の形態の充電接触ユニットの、道路表面101より下方の様子を示している。これは、シャフトエレメント102、シャフトエレメント102に固定されたキャリアエレメント103、充電接触エレメントキャリア104、及びリフト機構105から成り、リフト機構105は、キャリアエレメント103と充電接触エレメントキャリア104とをつないでおり、キャリアエレメント103に対して相対的な、充電接触エレメントキャリア104の垂直移動を可能にする。
【0066】
図4はリフト機構を示しており、これは、キャリアエレメント103、リフトフレーム105、歯ラック107を有するギアラック駆動装置106、及びステッパモータ108から成る。リフト機構の目的は、道路カバー300を押し開いて、充電接触エレメントキャリア104と接触装置200との間の空隙を埋める為に、充電接触エレメントキャリア104を持ち上げることである。システムの下部領域に、液圧式衝撃ダンパ110及び弾性ダンプエレメント111が設置されている。
【0067】
図4~10の対照により、充電接触エレメントキャリア104の様々な様子が示される。充電接触エレメントキャリア104は、複数の部品で構成され、大部分が非導電性材料から成る。充電接触エレメントキャリア104は、充電接触エレメントキャリア台112及び充電接触エレメントキャリアヘッド113から成る。充電接触エレメントキャリアヘッド113は、ピラミッドの上部を切った形状であり、充電接触エレメント121を保持する。充電接触エレメントキャリアヘッド113は、2つの端部ストッパ114の間で水平に、自動車の長手方向の中央位置の前後(±x)に直線的に動くことが可能である。このように可動であることにより、自動車の走行方向の位置合わせ公差を補償することが可能である。
【0068】
充電接触エレメントキャリアヘッドは、図4に示された別の形において113’で示されるように、傾斜面の領域が凸状であってもよい。従って、充電接触エレメントキャリアの姿勢が、接触装置に対して垂直方向からずれる形で傾いた場合も補償可能である。
【0069】
充電接触エレメントキャリア104は更に、2つの限界ダンプエレメント115の間で、リフトフレーム105上の、自動車を横切る方向の中央位置の前後(±y)に直線的且つ水平に動くことが可能である。このように可動であることにより、自動車の走行方向を横切る方向の位置合わせ公差を補償することが可能である。充電接触エレメントキャリア台112の、リフトフレーム105へのマウントは、充電接触エレメントキャリア台112が、リフトフレーム105に固定された、適合する直線ガイドレール117上の適切な直線ガイドエレメント116によってガイドされるように設計されている。充電接触エレメントキャリア104全体は、道路カバー300のばね機構316によって中央位置に方向付けられる。
【0070】
充電接触エレメントキャリアヘッド113の、充電接触エレメントキャリア台112へのマウントは、充電接触エレメントキャリアヘッド113に直線ガイドレール118が装備されて、直線ガイドレール118が、充電接触エレメントキャリア台112に固定された、適合する直線ガイドエレメント119をガイドするように行われる。充電接触エレメントキャリアヘッド113は、(特に非導電性材料で作られた)弾性エレメント120によって充電接触エレメントキャリア台112上の中央位置に方向付けられる。
【0071】
弾性エレメント120は、点Pで充電接触エレメントキャリア台112につながっており、点Kで充電接触エレメントキャリアヘッド113につながっている。弾性エレメント120が回転対称配置であることにより、力の釣り合いが確保され、従って、中央位置合わせが確実に行われる。充電接触エレメント121が接触状態のときにタッチされないようにする為のタッチ保護手段122が、充電接触エレメントキャリアヘッド113の下に設けられている。
【0072】
充電接触エレメントキャリアヘッド113は、正端子用123、負端子用124、PE接点(PE)用125、及び制御パイロット接点(CP)用126の道路側充電接触エレメント121を保持する。CP用充電接触エレメント126は、磁性材料で作られている。PE用充電接触エレメント125は、潜在的な接触位置が限定されるように配列されている。走行方向X、及びこれに対して180度回転した反対方向からの接触を確立することが可能である。走行方向Xに垂直に位置付けられた場合には、どの時点でもPE125を接触させることができない為、電力接点をリリースすることができない。そこで、充電プロセスの間は、対応する正端子用充電接触エレメント123及び負端子用充電接触エレメント124と正端子用接触エレメント201及び負端子用接触エレメント202だけがタッチできるようになっている。
【0073】
接触及び接触離脱が行われる際に規定の接触順序が遵守されるように、正端子用充電接触エレメント123、負端子用充電接触エレメント124、及びPE用充電接触エレメント125は、初期高さが異なるばね接触エレメントとして実施されている。PE用充電接触エレメント125の初期高さはH1である。正端子用充電接触エレメント123及び負端子用充電接触エレメント124の初期高さはH2である。CP用充電接触エレメント126の初期高さはH3である。CP用充電接触エレメント126は剛体であり、接触用端部ストッパとして働く。これらの初期高さの間には、H1>H2>H3という相互関係がある。PE用充電接触エレメント125は、それらが接触装置200内に摺動して入る際に、どの時点でも正端子用充電接触エレメント123及び負端子用充電接触エレメント124にタッチできないように配列されている。
【0074】
充電接触エレメントキャリアヘッド113は、上述のように可動であることにより、摺動エッジ127が円滑に摺動して、接触装置200内に入ることが可能である。充電接触エレメント123、124、125、126は、補強材128及び充電接触エレメントキャリアヘッド113によって空間的に互いに引き離されている。これにより、水又は塩水に起因するいかなる汚れも、充電接触エレメント123、124、125、126の間に導電性接続を引き起こすことがないようになっている。
【0075】
図11~13は、接触装置の様々な様子を示している。接触装置200は、自動車底部に剛体的に(本発明による概念)又は可動に固定されたサブシステムを指す。接触装置は、自動車側の正端子用接触エレメント201、負端子用接触エレメント202、PE用接触エレメント203、及びCPU用接触エレメント204を保持する。正端子用接触エレメント201、負端子用接触エレメント202、及びPE用接触エレメント203は、導電性材料で作られた剛体プレートであり、接触装置200に固定されている。CP用接触エレメント204(信号/安全/制御/接触)は電磁石である。これは、接触状態では、充電接触エレメントキャリアヘッド113に組み込まれている逆極性の磁石片に対して適合/相補するように、接触装置200内に配置されている。接触装置200は、最大許容車重での自動車の最下点が道路表面からの法定最小距離に位置するように、自動車上に配置される。接触装置200は、その垂直軸を中心に回転可能に弾性マウントされ、それによって、力がかかっていない状態での初期位置が自動的に想定される。その為には、自動車への固定点は、球体関節状の回転可能な弾性ベアリング205として実施される。自動車垂直軸を中心とする回転に関する、自動車の位置合わせ公差は、回転可能な弾性マウントによって補償可能である。
【0076】
接触装置200は、ピラミッドの上部を切って反転した形状であり、充電接触エレメントキャリアヘッド113と適合する。ピラミッドの上部を切って反転した形状であることから、充電接触エレメントキャリアヘッド113は、摺動エッジ127が接触装置の接触ガイド面206に沿って摺動することで、接触装置内に入ることが可能である。
【0077】
PE用充電接触エレメント125とPE用接触エレメント203とが互いにタッチ可能になるのは、走行方向Xの反対方向、及びこれに対して180度回転した方向からの接触が確立されるように充電接触エレメントキャリアヘッド113が方向付けられた場合のみである。充電接触エレメントキャリアヘッド90が接触装置に向けて方向付けられた場合は、PE用充電接触エレメント125とPE用接触エレメント203とが互いにタッチ可能にはならない。従って、バッテリ給電の電気自動車の充電に関する現行法規定の趣旨の範囲内での正常な接触が不可能であり、この場合の電流の転送は除外される。
【0078】
CP用接触エレメント204として設けられた電磁石が活性化されるのは、充電プロセスの初期化の過程においてのみ、即ち、自動車が停止している場合のみである。なお、CP用接触エレメント204とCP用充電接触エレメント126との間の磁気接続は、充電接触エレメントと接触エレメントとの間の全ての接続において、大電流伝送に必要な接触力が得られるように設計される。従って、正常な接触が得られたら、ステッパモータ108を停止させることが可能である。この磁気接続は、充電プロセスの間に更に、必要な接触力を得る為に接触装置と充電接触装置との間の接続をロックする手段としても機能する。障害発生時、又は充電プロセスの管理された停止の際には、電磁石を不活性化する(電磁石への電圧供給を切断する)ことによって、CP用接触エレメント204とCP用充電接触エレメント126との間の磁気接続を終了させてよい。その後、本システムは自動的に、重力の方向に従って、道路の上部エッジの下方の初期位置に入る。その際に、液圧式衝撃ダンパ110及び弾性ダンプエレメント111によって、加速された塊にブレーキがかかる。
【0079】
充電接触エレメントキャリアヘッド113上のPE用充電接触エレメント125の位置合わせ、並びに、接触装置200上の、且つ、充電接触エレメントキャリアヘッド113上の、正端子用接触エレメント201及び負端子用接触エレメント202の位置合わせによって、接触装置200及び充電接触ユニット100は、その特性に基づいて、以下の点においてプラグアンドソケットシステムと類似するシステムを形成する。
・許容される位置関係においてのみ電流の伝送が可能
・電流の伝送中はシステムがロックされる
・サブシステム同士が適合する
・仕切り部品の追加を必要とせずにタッチから保護される(少なくともECE R100の「テスト指」ガイドラインに従う)
【0080】
図14~15を対照すると、道路カバー300が斜視図で、道路表面101に組み込まれた機構として示されている。これは接続フレーム301を含み、接続フレーム301は、充電接触ユニット100のシャフトエレメント102に固定的に接続されており、長手軸302を中心に対称配置された4つの可動フラップを保持する。
【0081】
これらの可動フラップは、主フラップ303及び補助フラップ304と称され、
主フラップ303は、レバー構造305を介して接続フレーム301に回転可能に接続されており、補助フラップ304は、ヒンジ構造306を介して前記接続フレームに回転可能に接続されている。接続フレーム301の内側部分は、スチールフレーム307として形成されており、外側コンクリートフレーム308で包まれている。なお、スチールフレーム307は、折り畳まれて充電接触ユニット100のシャフトエレメント102に組み込まれることによって、長手軸302及び横断軸309の方向に変位しないようになっている。
【0082】
図16~17を対照すると、道路カバー300の閉状態及び開状態の正面図が示されており、開く場合には、ここでは矢印311で示されている、充電接触エレメントキャリア104の、垂直軸310に沿う垂直方向の動きを利用して、矢印313で示されるように、主フラップ303が回転ベアリング312を中心に、それぞれの休止位置からそれぞれ反対の方向に回転する。ここで、両主フラップ303に固定された転動又は摺動エレメント314により、充電接触エレメントキャリア104は、主フラップ303に沿って、ほぼ摩擦なく転動又は摺動することが可能であり、従って、レバー構造305が両フラップ303をそれぞれ反対の方向に対称に開くことが可能である。開くプロセス又は閉じるプロセスがそれぞれ開始されると、補助フラップ304は、主フラップ393に沿って摺動し、ヒンジ構造306の支援を受けて回転ベアリング315を中心に回転する。道路カバー300は、休止位置にあるときは、閉じた道路表面101を形成しなければならず、その為に、主フラップ303及び補助フラップ304には、ばねエレメント316及びばねエレメント317によってあらかじめ負荷がかかっている。
【0083】
図18~19を対照すると、充電接触エレメントキャリア104の位置の、垂直軸310からのずれ(±y)を道路カバー300がいかにして補償するかが示されており、充電接触エレメントキャリア104は、充電接触エレメントキャリア104と接触装置200とが最初に接触した後の、自動車横断方向Yの自動車の位置ずれによって引き起こされる1次元の水平方向の動きの間に、ばねによってあらかじめ負荷がかけられている主フラップ303をガイドする。充電接触エレメントキャリアは、接触時点で、自動車の(Yの両方向の)位置ずれによって、その中央位置から動かされ、接触離脱後に、フラップ機構によってガイドされて中央位置に戻され、休止位置に戻る。
【0084】
図20~21を併せて参照すると、充電接触エレメントキャリア104が、前述の図18及び19に示されたような、水平方向に変位した位置から、ばねエレメント316の復元力によって中央位置に戻されることが示されており、従って、充電接触エレメントキャリアは、道路カバー300の閉じるプロセスの後は、必ず、垂直軸310に対して対称な位置にあることになる。
【0085】
本発明は更に、図22~35に示される、本発明の別の実施形態に関連し、この実施形態では、充電接触ユニットが地中に埋め込まれている場合に、充電接触エレメントキャリアの垂直方向の上方への動きが、やはり単一の適切な駆動装置によって可能になり、可動道路カバーであって、その上を自動車が通ることが可能であり、充電接触エレメントキャリアの上方に位置する可動道路カバーを開くことが可能である。
【0086】
図22~35の地下接触システムは、図1~21のシステムと同様に、充電接触ユニット1100、接触装置1200、及び道路カバー1300から成る3つのサブシステムを含む。
【0087】
道路カバー1300は、図22に斜視図で示されており、道路表面に組み込まれた機構として形成されている。道路カバー1300は、図1~21に示された実施形態と同様に、充電接触ユニット1100のシャフトエレメントに固定的に接続された接続フレーム1307と、カバーエレメント1303、1304と、カバーエレメントキャリア1303a、1304aとを含み、これらについては後で詳述される。
【0088】
図23は、その上部領域において、道路カバーを斜視図で示しており、道路カバーは、接続フレーム1307と、接続フレーム内で直線変位可能なプレート1303、1304の形態の2つのカバーエレメントと、を有する。カバーエレメント/プレートは、接続フレーム1307内で矢印1320、1321の方向に、水平方向に互いに離れるように摺動可能であるように、機械的にガイドされる。なお、カバーエレメント/プレートは、接続フレーム内に配置された1つ以上の平坦な機械的ストッパ1322からある程度離れた上方を摺動する。閉状態の道路カバーの上を自動車が通るか、他の形で上方から道路カバーに負荷がかかると、これによって、カバーエレメントは、ストッパに当たって止まるまで沈む。このようにして、重量が接続フレーム1307によって吸収され、カバーエレメントの駆動機構に作用する力が制限される。
【0089】
接続フレーム1307は、図23の下部領域にも示されており、ここでは、カバーエレメントキャリア1303a、1304aの様子が分かるように、カバーエレメント1303、1304が省略されている。カバーエレメントキャリア1303a、1304aは、接続フレームの両側のレール1323で摺動変位可能にガイドされ、これによって、カバーエレメントも同様に、水平方向に摺動することが可能になっている。カバーエレメント1303、1304は、弾性保持エレメント1324、1325(例えば、エラストマブロック)の形態のフローティングベアリングによって、カバーエレメントキャリアにマウントされている。例えば、カバーエレメント及びカバーエレメントキャリアは、互いに独立してエラストマブロックに接続されてよく、特にねじ接続によって接続されてよい。カバーエレメントキャリア1303a、1304aのそれぞれにおいて、3つの転動エレメントが、軸が互いに平行であって、互いに隣接するように示されており、これらの転動エレメントに乗って充電接触エレメントキャリアヘッドが傾斜面を摺動することにより、カバーエレメントキャリアを側部に向けて水平方向に押すことが可能である。図では、転動エレメントの1つが1326で示されている。転動エレメントについては後で詳述される。
【0090】
充電接触ユニット1100は、本質的には、図5に示された機構に相当する駆動機構を含む。これは、シャフトエレメント、シャフトエレメントに固定されたキャリアエレメント、充電接触エレメントキャリア、及び、キャリアエレメントと充電接触エレメントキャリア1104とをつなぐリフト機構から成り、充電接触エレメントキャリアが道路表面に向かって上方に垂直に動くことを可能にする。
【0091】
図24及び25は、様々な位置にある充電接触エレメントキャリア1104を示す。充電接触エレメントキャリア1104は、充電接触エレメントキャリア台1112及び充電接触エレメントキャリアヘッド1113を含む。充電接触エレメントキャリアヘッド1113は、ピラミッドの上部を切った形状であり、充電接触エレメント1123を保持する(図9及び10を参照)。充電接触エレメントキャリアヘッド1113の電気接点も、本質的には、図9及び10に示されたような構造及び設計になっている。接触装置1200も、図11、12、及び13に示されたものと同様の構造であってよい。接触装置1200は、本質的には、自動車底部に堅く固定されるか可動に固定されたサブシステムを意味する。図11、12、及び13を参照して説明された保護機構により、充電電流のリリースが可能になるのは、接触が正しく行われたことが確認されてからに限られ、更に、位置付けが走行方向に垂直になった場合には電力接点をリリースできないことも徹底されている。
【0092】
充電接触エレメントキャリア台1112及び充電接触エレメントキャリアヘッド1113は、図24において、これらの要素の左側の図と右側の図との対照によって示されるように、リフト機構によって垂直方向に一緒に動くことが可能である。充電接触エレメントキャリアヘッド1113は、2つの次元において(例えば、自動車の長手方向とこれを横切る方向とにおいて)中央位置の前後(±x)に直線的且つ水平に動くことが可能である。図25aは、充電接触エレメントキャリアヘッド1113が充電接触エレメントキャリア台1112の中央位置から平行移動変位した位置を示す。このように可動であることにより、自動車のあらゆる水平方向の位置合わせ公差を補償することが可能である。
【0093】
図25bは、充電接触エレメントキャリアヘッド1113が充電接触エレメントキャリアの垂直軸を中心に中央位置に対して回転した位置を示す。このように回転可能であることにより、正常位置から回転した自動車又は自動車の接触装置の位置を補償することが可能であり、充電接触エレメントキャリアヘッド1113は、自動車内の接触エレメントに適合可能であるように、且つ、確実に接触することが可能であるように、回転及び変位することが可能である。このことは、接触エレメント自体が変位可能且つ/又は回転可能にマウントされている場合、並びに接触エレメントが自動車に、固定的に、且つ、回転不能且つ/又は変位不能にマウントされている場合の両方において可能である。
【0094】
図26に示される充電接触エレメントキャリア台1112では、第1の中間台1128がレール上に直線変位可能にマウントされている。
【0095】
中間台1128上には、充電接触エレメントキャリアヘッドを回転可能にマウントする為の回転ベアリング1127が設けられている。
【0096】
図27に示される充電接触エレメントキャリアの図では、充電接触エレメントキャリア台のクラッディングの一部が分かりやすさの為に省略されている。レールにマウントされた第1の中間台1127が見えており、そのレールは、第2の中間台1130に固定されている。
【0097】
第2の中間台1130は、充電接触エレメントキャリア台1112のフレームに固定されたレールにマウントされている。ばねエレメントが更に示されており、そのうちの前側の2つが1120c及び1120dで示されていて、一方が第1の中間台に固定されており、他方が充電接触エレメントキャリア台1112のフレームに固定されている。
【0098】
ばねエレメントは、休止位置においては、充電接触エレメントキャリアヘッド1113全体の向きが中央の回転していない位置になるようにする。
【0099】
他のエレメントを省略した図28、29、30、及び31に示されるように、充電接触エレメントキャリアヘッド1113が固定されている充電接触エレメントキャリア台1112は、充電接触エレメントキャリアヘッド1113が第1の中間台1128上の回転ベアリング1127の中に位置するように形成されている。第1の中間台1128は、第2の中間台1130の2つのガイドレール1131、1132上の4つのガイドエレメント1129a、1129b、1129c、及び1129dによって直線可動にガイドされる。
【0100】
その第2の中間台1130は、2つのガイドレール1134、1135上の4つのガイドエレメント1133a、1133b、1133c、1133dによって直線可動にガイドされ、その2つのガイドレール1134、1135は、充電接触エレメントキャリア台1112(より厳密には充電接触エレメントキャリア台1112のフレーム)に固定されている。ガイドレール1131、1132は、互いに平行であり、好ましくはガイドレール1134、1135に垂直に延びる。
【0101】
中央位置にある充電接触エレメントキャリア台1112上の充電接触エレメントキャリアヘッド1113の向きは、第1の中間台1128と充電接触エレメントキャリア台1112との間にそれぞれ異なる方向に張られた4つの(具体的には、非導電性材料又はエラストマストランドで作られたばね脚の形態の)弾性エレメント1120a、1120b、1120c、及び1120dによって与えられる。
【0102】
4つの弾性エレメント1120a、1120b、1120c、及び1120dの配置、具体的には、異なる4つの方向に分散した回転対称配置と、力の釣り合いとにより、中央位置合わせが確実に行われる。
【0103】
4つの図28~31は、異なる4つの位置における第1及び第2の中間台の位置関係を示しており、第1の中間台1128は、図28では中央から左にずれており、図29では右にずれており、図30では下方にずれており、図31では上方にずれている。
【0104】
図9~12を参照して説明され、以下で説明される形態であって、この例示的実施形態でも使用可能な形態での、充電接触エレメントキャリアヘッド1113上の充電接触エレメントの位置合わせによって、接触装置1200及び充電接触ユニット1100は、その特性に基づいて、以下の点においてプラグアンドソケットシステムと類似するシステムを形成する。
・許容される位置関係においてのみ電流の伝送が可能
・電流の伝送中はシステムがロックされる
・サブシステム同士が適合する
・仕切り部品の追加を必要とせずにタッチから保護される(少なくともECE R100の「テスト指」ガイドラインに従う)
【0105】
図32は、充電接触ユニット1100と道路カバー1300とを一緒に示した概略側面図である。道路カバーの一部として、接続フレーム1307と、これに固定的にマウントされたカバープレート1330とがある。カバープレート1330には開口部があり、この開口部は、2つのカバーエレメント1303、1304の外側動作によって閉じられる。カバーエレメントキャリア1303a及び1304aは、カバーエレメント1303及び1304を保持し、接続フレーム1307内のレールでガイドされる。その様子については図23が最も分かりやすい。
【0106】
図33、34、及び35は、充電接触エレメントキャリア1104と、カバーエレメントキャリア1303a、1304a、及びカバーエレメント1303、1304を有する、道路カバーの一部との、更に多少詳しい側面図である。この図に見られるように、カバーエレメント1303、1304は、それぞれ、弾性エレメント1324、1325によってカバーエレメントキャリア1303a、1303bにフローティングマウントされている。図33、34、及び35は、カバーエレメントキャリア、カバーエレメント、及び充電接触エレメントキャリアヘッドが異なる3つの位置にある様子を示している。
【0107】
図33では、充電接触エレメントキャリアヘッド1113を有する充電接触エレメントキャリア1104が、カバーエレメントキャリア1303a、1304aの真下の位置にあり、この位置では、ピラミッドの上部を切った形状である充電接触エレメントキャリアヘッド1113の傾斜面が、この場合には各カバーエレメントキャリア上の3つのローラのセットとして形成されている転動エレメントと接触する。これらのローラのうち、カバーエレメントキャリア1303aの一番上のローラが1326で示されている。
【0108】
図34は中間的な位置を示しており、この位置では、充電接触エレメントキャリア1104が、カバーエレメントキャリア1303a、1304aの間から既に少し出ており、カバーエレメントキャリア1303a、1304aを互いに離すように横方向に押している。充電接触エレメントキャリアヘッド1113の傾斜面は、同時に複数のローラに接触している。
【0109】
図35に示される位置では、充電接触エレメントキャリア1104が、カバーエレメントキャリア1303a、1304aの間から更に上方へ垂直に動いており、充電接触エレメントキャリアはまさに、自動車の接触装置(図示せず)に接触しようとしている。
【0110】
ここで説明された、横方向に水平に変位可能なカバーエレメントキャリア及びカバーエレメントを有する構造の大きな利点として、カバーエレメントが道路の高さより上に出ない為、自動車のバッテリの充電の間の動作には自動車の最低地上高さえあればよい。
【0111】
以下の諸態様も、個別であれ、相互の組み合わせであれ、特許請求項との組み合わせであれ、原則として保護に値する。
【0112】
態様1:電気自動車用接触システムの道路カバーであって、これらの自動車は少なくとも1つのエネルギストアを含み、道路カバーは、道路の上端より下方にあるくぼみに配置され、道路カバーは、接続フレームによってシャフトエレメントに接続され、道路カバーは、1つ以上の補助フラップを含み、これらは回転可能なマウント方法で接続フレームに接続され、道路カバーは、1つ以上の主フラップを含み、これらは、接続フレームに接続されたレバー構造によって回転可能にマウントされ、主フラップ及び補助フラップは、閉状態では、接続フレームによって機械的に支持され、
主フラップは、充電接触ユニットの充電接触エレメントキャリアに対して、充電接触エレメントキャリアの上方への垂直な動きの間に、前記主フラップがレバー構造によってそらされるように配置され、従って、充電接触エレメントキャリアは、道路表面から接触装置との接触点までの間で展開されることが可能である
ことを特徴とする道路カバー。
【0113】
態様2:道路カバーは、少なくとも1つの主フラップを含み、これは、レバー構造によって回転可能にマウントされ、ばねによって可逆的に調節可能であり、レバー構造は接続フレームに接続され、主フラップは、閉状態で、接続フレームによって機械的にマウントされる。
【0114】
態様3:閉状態の道路カバーの上を重い自動車が走行することが可能である。
【0115】
態様4:道路カバー:フラップ機構(主フラップ)は、充電接触ユニットが安全プラント状態に戻る際には自動的にその初期位置(センタリング)に戻るように設計される。
【0116】
態様5:主フラップが開くことは、補助フラップが開くことにもつながる。
【0117】
態様6:道路カバーは、フラップ機構が不意に開かないように守られることを可能にする装置、例えば、電磁石を含んでよい。
【0118】
態様7:道路カバーは、許容される位置合わせ精度の遵守に関する、充電対象自動車の認可及び/又は正確な位置をチェックすることを可能にすることを支援する測定装置、例えば、センサを含んでよい。
【0119】
態様8:道路カバーが接続されるシャフトエレメントには、動作に有害な周囲の影響(特に雪や氷)からシャフトカバー及び充電接触ユニットを保護する為の装置、例えば、温風暖房システムが設けられてよい。
【0120】
態様9:道路カバーは、道路カバーの開閉を可能にするアクチュエータ(電気式、気圧式、液圧式)を含んでよい。
【0121】
態様10:電気自動車用接触システムの充電接触ユニットであって、これらの自動車は少なくとも1つのエネルギストアを有し、充電接触ユニットは、接触装置を有する自動車と、固定された充電ステーションとの間の導電接続を形成することに使用され、接触装置は自動車に搭載され、充電接触ユニットは充電接触エレメントキャリアを含み、接触装置は充電接触ユニットと接触することが可能であり、充電接触ユニットはリフト機構を含み、充電接触エレメントキャリアは、位置合わせ装置によって、接触装置に対して相対的に位置合わせされてよく、充電接触エレメントキャリアは充電接触エレメントを含み、充電接触エレメントは、接触装置の接触エレメントと接触して、それぞれの場合において接触ペアを形成することが可能であり、
充電接触エレメントは、充電接触ユニットと接触装置とが一緒に運ばれる場合に、接触ペアの形成において規定の順序が守られるように、充電接触エレメントキャリア上に、接触エレメントに対して相対的に配置される
ことを特徴とする充電接触ユニット。
【0122】
態様11:充電接触ユニットは、自動車のフロアに(反転されて)配置されてよい。
【0123】
態様12:充電接触ユニットは、電気的絶縁材料から形成された充電接触エレメントキャリアを含む。
【0124】
態様13:充電接触ユニットは、組み合わされた、パッシブな、横断方向及び長手方向のガイド(ばねエレメントを有するプレーンベアリングである長手方向ガイド、ばねエレメントを有しないプレーンベアリングである横断方向ガイド;位置合わせ公差の補償の為の、より複雑な機械式又はアクチュエータベースのソリューションも考えられる)を含み、これによって、充電接触エレメントキャリアは、その初期位置から横断方向及び長手方向に変位可能であり、(フラップ機構の長手方向ガイドの)ばね復元力によって力の作用が反転する場合に、その初期位置に自動的に戻される。
【0125】
態様14:充電接触ユニットは、(例えば、ステッパモータ(又は液圧式、気圧式、電磁式、磁気浮揚式モータ等)を有するギアラック駆動装置から形成された)位置合わせ装置を含み、この位置合わせ装置によって、充電接触ユニットは、垂直方向に、接触装置に対して相対的に位置合わせされてよい。
【0126】
態様15:充電接触ユニットの充電接触エレメントキャリアは、幾何学的には、円錐の上部を切った形状(別の幾何学的形状も考えられ、上部を切った円錐、V字形、ポリゴン等も考えられる)で与えられ、それによって、接触装置と一緒に運ばれた場合に、充電接触エレメントキャリアの為のガイドがここで形成され、接触が完全に閉じた場合に、接触装置とぴったりフィットする接続が達成され、従って、互いに接触した接触エレメント及び充電接触エレメントは、仕切り部品の追加を必要とせずに、現在の法規定(ECE R100)の趣旨の範囲で直接タッチ(テスト指)から保護される。
【0127】
態様16:充電接触ユニットの充電接触エレメントキャリアは、充電ステーションに接続する為の導電性充電接触エレメント(DC+、DC-、PE)を含み、これらはピン形状又はプレート形状である。
【0128】
態様17:充電接触ユニットの充電接触エレメントキャリアは、充電ステーションに接続する為の、磁性材料で作られた別の導電性充電接触エレメント(CP)を含み、これは、この充電接触エレメントが、接触装置を含む充電接触エレメントキャリアと一緒に運ばれた場合に、接触装置内に配置された電磁石と接触するよう仕向けられることが可能なように、充電接触エレメントキャリア内に配置される。
【0129】
態様18:充電接触ユニットは、シャフトエレメントに対する衝撃が発生して、充電接触ユニットのシステム質量が、重力によって加速されて安全プラント状態に戻る際に、これをダンプする装置、例えば、液圧式衝撃ダンパを含んでよい。
【0130】
態様19:電気自動車用接触システムの接触装置であって、これらの自動車は少なくとも1つのエネルギストアを含み、接触装置は、接触装置を含む自動車と、固定された充電ステーションとの間の導電接続を形成することに使用され、接触装置は自動車に搭載され、接触装置は、接触エレメントを受ける構造を含み、接触装置は充電接触ユニットと接触することが可能であり、充電接触ユニットは位置合わせ装置を含み、充電接触エレメントキャリアは、位置合わせ装置によって、接触装置に対して相対的に位置合わせされてよく、充電接触エレメントキャリアは充電接触エレメントを含み、充電接触エレメントは、接触装置の接触エレメントと接触して、それぞれの場合において接触ペアを形成することが可能であり、
接触エレメントは、充電接触ユニットと接触装置とが一緒に運ばれる場合に、接触ペアの形成において規定の順序が守られるように、接触装置上に、充電接触エレメントに対して相対的に配置される
ことを特徴とする接触装置。
【0131】
態様20:接触装置は、道路の上端より下に(反転されて)配置されてよい。
【0132】
態様21:接触装置は、電気的絶縁材料で形成された、ピラミッドの上部を切った形状(別の幾何学的形状も考えられ、上部を切った円錐、V字形、ポリゴン等も考えられる)の接触ガイド面を含み、このガイド面は、接触状態では、充電接触ユニットの充電接触エレメントキャリアとぴったりフィットする形状を形成する。
【0133】
態様22:接触装置は導電性接触エレメントを含み、これは、ピン形状であるか、接触プレートとして形成され、接触ガイド面にマウントされ、充電対象の自動車が、自動車エネルギストアとの接続の為に、第1の空間方向の2つの動き方向から正しい極性で近づくことが可能であるように、接触ガイド面上に幾何学的に配置される。
【0134】
態様23:接触装置は、別の導電性接触エレメント(CP)を含み、これは接触ガイド面の1つには配置されず、これは電磁石として形成され、これにより、充電プロセスの間の接触が閉じた状態をロックすること(これはオンオフの切り替えが可能)、並びに接触エレメントと充電接触エレメントとの間に十分大きな接触力を形成することを確実に行うことが可能である。システムを初期位置(安全プラント状態)に戻す為の駆動エネルギは全く不要である(電磁石への電流供給が中断され、重力で戻る)。
【0135】
態様24:接触装置は別の導電性接触エレメントを含み、これは、接触ガイド面の1つには配置されず、第1の空間方向に垂直に位置する第2の空間方向から近づくことが、接触エレメント及び充電接触エレメントを適切に配置してPE接続を形成することで、ターゲット電流のリリースにつながる可能性がないように(正しくない極性で近づいた場合の短絡の防止)、幾何学的に配置される。
【0136】
態様25:接触装置の接触ガイド面は、充電接触エレメントキャリアの為のガイドを形成する。
【0137】
態様26:接触装置は、(例えばフラップシステムの形態の)周囲の影響(特に汚れ)からの保護を含んでよく、これは、別動作のアクチュエータ(電気式、気圧式、液圧式、磁気式、重力式、又はばね力式)の有無にかかわらず、実施可能である。
【0138】
態様27:接触装置は、接触エレメントが雪や氷の影響を受けないままであるように、(例えば、加熱ストリップの形態の)加熱エレメントを含んでよい。
【0139】
態様28:伝送可能な充電電流を増やす為に、形成された接触ポール(主に、電力伝送用及び保護接地(PE)用の接触ポール)の1つにつき2つ以上の接触エレメントが、接触装置及び充電接触ユニットの両方に含まれてよい。
【0140】
態様29:態様1~9のいずれか1つによる道路カバーと、態様10~18のいずれか1つによる充電接触ユニットと、態様19~28のいずれか1つによる接触装置と、を有する接触システム。
【0141】
態様30:特に電気自動車用接触システムの為の、自動車と、固定された充電ステーションとの間の導電接続を形成する方法であって、これらの自動車は少なくとも1つのエネルギストアを含み、道路カバー、充電接触ユニット、及び接触装置において、充電接触ユニットは、道路カバーの下方のシャフトエレメントに配置され、接触装置は自動車に搭載され、充電接触ユニットは充電接触エレメントキャリアを含み、接触装置は充電接触ユニットと接触することが可能であり、充電接触ユニット又は接触装置は位置合わせ装置を含み、充電接触エレメントキャリアは、位置合わせ装置によって、接触装置に対して相対的に位置合わせされてよく、充電接触エレメントキャリアは充電接触エレメントを含み、充電接触エレメントは、接触装置の接触エレメントと接触して、それぞれの場合において接触ペアを形成することが可能であり、
充電接触ユニット及び接触装置は、接触ペアの形成において規定の順序が守られるように、一緒に運ばれる
ことを特徴とする方法。
【0142】
態様31:方法:電力接触ペアより先に、保護接地接触ペアが最初に形成される。
【0143】
態様32:方法:制御導体接触ペアより先に、電力接触ペアが最初に形成される。
【0144】
態様33:方法:充電プロセスの間の必要な保持力及び接触力は、電磁石(摩擦係合)の活性化によって印加され、これによって、位置合わせ装置のアクチュエータがオフにされてよく、システムは、重力の方向に動きの最大自由度を有する。アクチュエータへの電流供給は、接触が閉じた時点での電流増加の評価後にオフにされてよい。
【0145】
態様34:方法:接触装置内に配置され、制御導体接触として働く電磁石の電流供給の、充電プロセス(自動車の制御回線の開閉)の保護回路への並列リンク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25a
図25b
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35