(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】滅菌ラップシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 50/30 20160101AFI20230329BHJP
A61B 46/10 20160101ALI20230329BHJP
A61L 2/07 20060101ALN20230329BHJP
【FI】
A61B50/30
A61B46/10
A61L2/07
(21)【出願番号】P 2020502378
(86)(22)【出願日】2018-07-19
(86)【国際出願番号】 US2018042884
(87)【国際公開番号】W WO2019018642
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-07-16
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516229357
【氏名又は名称】ターベット サージカル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ターベット,ロバート イー
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0096475(US,A1)
【文献】特開2001-120574(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0310226(US,A1)
【文献】登録実用新案第3186961(JP,U)
【文献】特表2015-528324(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0194673(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 46/00-50/39
A61L 2/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を滅菌器内で滅菌するための滅菌ラップシステムであって、
滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を支持するよう構成されている支持面と、第1のシール面とを有するベース;
前記ベースの前記第1のシール面と、前記滅菌を必要とする物体とを覆うように寸法決めされたラップ;及び
前記ラップと前記第1のシール面との間にシール界面を維持するための第1のシール
を含み、
前記シール界面が、前記ラップと前記第1のシール面との間に連続したシールを形成するよう構成されており、
前記ラップと前記第1のシール面とが、前記滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を取り囲む容積を画定し
、
前記ラップは、
少なくとも前記支持面を取り囲む第1の部分と、
前記ベースの少なくとも前記第1のシール面を取り囲む第2の部分と、を含み、
前記第1の部分はろ過材料またはガス及び水蒸気透過性の材料で構成され、前記第2の部分は伸縮性材料で構成されている、滅菌ラップシステム。
【請求項2】
クランプをさらに有し、前記ベースの前記第1のシール面が、前記ベースの周りに少なくとも部分的に円周方向に延びるチャネルであり、前記チャネルが、前記クランプの少なくとも一部を受け入れるように寸法決めされている、請求項1に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項3】
前記ベースが、前記第1のシール面から離間された第2のシール面をさらに含み、
前記ラップと前記第2のシール面との間に第2のシール面をさらに含む、請求項1に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項4】
前記ラップが滅菌器と適合性の第1の材料で形成されたバッグであり、該バッグ
の設置位置で前記ベースの前記第1のシール面の上に前記ラップを配置するように拡張するため及び前記
バッグを展開した位置で前記ベースの前記第1のシール面に張力を適用するための可撓性カラーを有する、請求項1に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項5】
前記第2の材料が前記シール界面を形成するよう構成されており、前記ラップと前記第1のシール面との間の前記シール界面を維持するためのクランプをさらに含む、請求項
1に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項6】
前記ベースが手術室のバックテーブルであり、前記ベースがスカートを含み、該スカートが前記クランプの少なくとも一部を受け入れるためのチャネルを有している、請求項2に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項7】
前記支持面が前記ベースの第1の部分であり、前記ベースが該ベースから延びるラップ支持体をさらに備え、該ラップ支持体が、折り畳み可能及び取り外し可能の少なくとも一方である、請求項1に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項8】
前記ベースの前記第1の部分が、滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を保持するトレイ、若しくは、滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を保持するトレイ、ラック、フレーム、又は棚である、請求項
7に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項9】
前記ラップ支持体が、側壁と、前記ベースの前記支持面から離間された上部棚とを含む、請求項
7に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項10】
前記ベースに動作可能に接続されたフレームをさらに含み、該フレームが前部、後部、上部、及び側部を形成する複数のストラットを有しており、前記前部、前記後部、前記上部、及び前記側部が中空の中央部分を画成する、請求項
7に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項11】
前記フレームが前記ベースから取り外し可能である、請求項
10に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項12】
前記ベースの前記支持面が傾斜している、請求項1に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項13】
前記支持面、若しくは前記ベースの前記第1のシール面及び第2のシール面のうちの少なくとも一方が、ドレインを含む、請求項1に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項14】
滅菌のために物体を包装する方法において、
(a)ベースの支持面上に、滅菌される少なくとも1つの物体を配置するステップであって、前記ベースが第1のシール面を有している、ステップ;
(b)前記ベースの前記支持面を取り囲
み、ろ過材料またはガス及び水蒸気透過性の材料で構成されている第1の部分と前記ベースの前記第1のシール面に面
し、伸縮性材料で構成されている第2の部分とを有するラップを
展開するステップ;及び
(c)前記ラップの前記第2の部分を前記ベースの前記第1のシール面にクランプして、
前記ラップを展開した位置で前記ラップと前記第1のシール面との間にシール界面を形成するステップ
を含む、方法。
【請求項15】
(a)前記
展開されたラップを有する前記ベースを滅菌器に輸送するステップ;
(b)前記
展開されたラップを有する前記ベースを前記滅菌器内に移送するステップ;
(c)前記滅菌器内で滅菌サイクルを実施するステップ;
(d)前記滅菌器から前記
展開されたラップを有する前記ベースを取り出すステップ;
(e)前記
展開されたラップを有する前記ベースを使用エリアに輸送するステップ;及び
(f)前記
展開されたラップを開いて、前記滅菌器で滅菌された前記少なくとも1つの物体を露出させるステップ
をさらに含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記ラップを開くステップが、
(a)所定のガイドラインのセットに沿って前記
展開配備されたラップの前記第1の部分を開き、外面と滅菌された内面とを有するラップセグメントを形成するステップ;
(b)前記第1のシール面の上に前記ラップセグメントを折り畳み、前記滅菌された内面を露出するステップ
をさらに含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記
展開されたラップを有する前記ベースを前記滅菌器に輸送するステップが、
(a)前記
展開されたラップを有する前記ベースを移送カートに載荷するステップであって、前記移送カートがロック機構を含む第1の端部と第2の端部とを有する、ステップ;
(b)前記
展開されたラップを有する前記ベースを前記移送カートに解除可能にロックするステップ;
(C)前記移送カートの第1の端部を前記滅菌器に隣接して位置づけるステップ;
(D)前記ロック機構を用いて前記移送カートの第1の端部を前記滅菌器にロックし、前記
展開配備されたラップを有する前記ベースと前記移送カートとの間の前記ロックを解除して、前記
展開されたラップを有する前記ベースを前記滅菌器に移送可能にするステップ
をさらに含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
滅菌を必要とする物体の滅菌に使用する使い捨てラップシステムにおいて、
(a)滅菌剤への曝露に耐えるように適合された材料で形成された剛性ベースであって、(i)滅菌を必要とする物体を支持するよう構成されている部分を有する支持面と(ii)第1のシール面とを有する、ベース;
(b)前記支持面を覆うように寸法決めされ、かつ、前記第1のシール面に対応するラップ外周を有する、ラップ;及び
(c)前記第1のシール面と前記ラップ外周との間の連続シールであって、前記ラップと前記ベースとの間に連続シール界面を形成する、連続シール
を含
み、
前記ラップは、
少なくとも前記支持面を取り囲む第1の部分と、
前記ベースの少なくとも前記第1のシール面を取り囲む第2の部分と、を含み、
前記第1の部分はろ過材料またはガス及び水蒸気透過性の材料で構成され、前記第2の部分は伸縮性材料で構成されている、システム。
【請求項19】
前記支持面がトレイであり、前記ベースが該ベースを移動させるよう構成されている複数の車輪を有する、請求項
18に記載の使い捨てラップシステム。
【請求項20】
前記連続シール界面が、テープを含む、請求項
18に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの物体にアクセスするための開位置に移動可能な少なくとも1つのラップセグメントを有するラップ部分をさらに含む、請求項1に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのセグメントが、前記開位置において、前記ラップ部分から少なくとも部分的に分離する、請求項
21に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項23】
前記シール界面を前記ラップと前記第1のシール面との間に維持する一方、前記開位置における前記ラップ部分が、前記少なくとも1つの物体から垂れ下がる、請求項
21に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項24】
前記少なくとも1つの物体にアクセスするための開位置に移動可能な複数のラップセグメントを有するラップ部分をさらに含み、前記複数のラップセグメントのうちの少なくとも1つは他のラップセグメントとは異なる材料を含む、請求項1に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項25】
前記シール界面を前記ラップと前記第1のシール面との間に維持する一方、前記開位置
における前記ラップ部分が、前記少なくとも1つの物体から垂れ下がる複数のラップセグメントを含む、請求項
24に記載の滅菌ラップシステム。
【請求項26】
滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を滅菌器内で滅菌するための滅菌ラップシステムであって、
(a)滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を支持するよう構成されている支持面と、第1のシール面とを有するベース;
(b)前記ベースの前記第1のシール面と、前記滅菌を必要とする物体とを覆うように寸法決めされたラップ;及び
(c)前記ベースの前記第1のシール面と前記ラップとの間の連続シール
を含み、
前記連続シールが、前記ラップと前記ベースとの間に連続シール界面を形成して、前記滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を取り囲む容積を画定し
、
前記ラップは、
少なくとも前記支持面を取り囲む第1の部分と、
前記ベースの少なくとも前記第1のシール面を取り囲む第2の部分と、を含み、
前記第1の部分はろ過材料またはガス及び水蒸気透過性の材料で構成され、前記第2の部分は伸縮性材料で構成されている、滅菌ラップシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具などを滅菌する方法及び装置に関し、より詳細には、ベースとラップとを含む滅菌用ラップシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
外科用器具、研究室で使用する物品、及び医療機器の洗浄及び滅菌は、科学的研究、獣医学、及び人間医学を含むがこれらに限定されない、多くの分野において重要である。例えば、外科用器具を手術で使用できるようにするには、滅菌状態で提供する必要がある。有害な微生物を患者に取り込むリスク又は科学的研究のリスクを減らすために、通常、幾つかのステップが行われる。最初に、物体は除染され、事前洗浄されうる。次に、物体は洗浄され、すすがれ、乾燥される。徹底的に洗浄した後、物体は滅菌される。滅菌とは、表面に存在する、あるいは流体、又は薬剤、若しくは生物培養培地などの化合物中に含まれる、伝染性物質(真菌、細菌、ウイルス、又は胞子の形態など)を含む、細菌又は他の種類の生きている微生物を排除、除去、非活性化、又は死滅させるいずれかのプロセスを指す用語である。滅菌は、熱、蒸気、エチレンオキシド(EO)の使用などの化学薬品、照射、高圧、及びろ過、又はそれらの組合せを適用することによって達成することができる。概して、外科用器具、研究室で使用する物品、及び医療機器は、身体に使用する前に、高い無菌性保証レベルまで滅菌する必要がある。このような器具の例には、メス、皮下注射針、内視鏡、及び人工ペースメーカーなどの埋込型医療器具(IMD)が含まれる。
【0003】
加熱滅菌に広く使用されている方法はオートクレーブであり、これはコンバータと呼ばれることもある。オートクレーブは通常、121~134℃に加熱された蒸気を使用する。ある程度の無菌性を実現するには、100kPa、121℃で少なくとも15分間、又は100kPa、134℃で3分間の保持時間が必要である。布の層に詰められた液体及び器具は、必要な温度に達するまでに時間がかかることがあるため、通常は追加の滅菌時間が必要である。
【0004】
滅菌方法の1つは、例えばキャビネットなどの剛性の容器システムに蒸気を通すことである。効果的な滅菌のためには、蒸気はキャビネットの載荷物に均一に浸透する必要がある。したがって、キャビネットを過密状態にしてはならず、ボトル及び容器の蓋を半開きにしておく必要がある。チャンバの初期加熱中に、残留空気を除去する必要がある。蒸気が実際にそこに浸透することを確実にするために、蒸気が届くのに最も困難な場所にインジケータを配置すべきである。
【0005】
フィルタは、通常、通気孔の上に配置され、滅菌プロセスの前、最中、又は後に、粒子又は異物がキャビネットに入らないようにする。滅菌プロセスが完了したら、医療専門家がフィルタを取り外して検査し、滅菌プロセスの完全性が維持されていたことを検証する必要がある。検査中にフィルタが無傷のままではなかったことが判明した場合は、新しいフィルタで滅菌プロセスを繰り返す必要がある。
【0006】
別の滅菌方法は、トレイの内容物の滅菌を可能にし、ラップが開くまでトレイの内容物の無菌状態を維持するための包装材料で、器具、消耗品、医療機器、又はこのような物体を含むトレイを包装することを含む。従来、再処理が必要な器具は通気孔のあるトレイに準備されて、滅菌剤がトレイを通流できるようにし、すべての表面を滅菌する。滅菌器から取り出した後に無菌状態を維持するために、トレイは、滅菌剤は通過できるが、使用するまで微生物から内部トレイを保護する材料で包まれる。綿、綿-ポリエステル混紡、又は合成混紡、若しくは、プラスチックポリマー、セルロース繊維、又は圧力下でシートに接着した洗浄済み紙パルプ(washed paper pulp)でできていてよい不織材料で作られうる織物を含めた多くの包装材料を滅菌に使用することができる。ラップを含むがこれに限定されない包装材料で、器具、消耗品、医療機器、又はこのような物体を含むトレイを包むと、包装材料が裂けたり穴が開いたりすることがあり、その場合、新しい包装材料で滅菌プロセスを繰り返す必要がある。単一の器具は、ピールパウチで個別に滅菌することができる。パウチは、環境内の汚染物質から器具を保護することにより、滅菌プロセスが完了した後の器具の無菌状態を維持する。しかしながら、複数のツールを同じピールパウチ内で滅菌することはできないため、ピールパウチは効率的ではない。さらには、空気の除去及び滅菌剤の浸透を促進し、水分保持を妨げるために、ピールパウチはそのサイズで滅菌器内に載荷される。ピールパウチには、幾つかの構成部品を有するインプラントを含めることはできない。これらの構成部品は、通常、ガンマ線照射処理によって滅菌する前に、別々のピールパウチに包装する必要があろう。
【0007】
あるいは、ラップが滅菌剤を入れることができるが、その後に微生物をブロックするように機能するフィルタを利用して、剛性の容器にトレイを置くことができる。フィルタはまた、滅菌剤又はその副生成物を逃がすことも可能にする。滅菌プロセスが完了したら、医療専門家がフィルタを取り外して検査し、滅菌プロセスの完全性が維持されていたことを検証する必要がある。検査中にフィルタが無傷のままではなかったことが判明した場合は、新しいフィルタで滅菌プロセスを繰り返す必要がある。複数のトレイを取り扱うために大きい容器が製造されており、ステップの統合を可能にし、プロセスを簡素化している。これらの大きい容器は製造に費用がかかり、保管するのにかさばる。さらには、大きい容器は幾つかの器具を保持しており、これらは集合的にかなりの重量負荷があり、容器を滅菌器に載荷及び除荷し、容器を保管するために、特定のリフト装置を必要とする。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を支持するための支持面と該支持面から離間した第1のシール面とを有するベースを含む滅菌のための滅菌ラップシステム、、ベースの第1のシール面と係合して、ベースの支持面と離間した第1のシール面とを取り囲む容積を画成するように寸法決めされたラップ、及びラップと第1のシール面との間にシール界面を維持するための第1のシールを含む。
【0009】
本発明は、滅菌のための滅菌ラップシステムをさらに含む。滅菌ラップシステムは、滅菌を必要とする少なくとも1つの物体を支持する支持面と第1のシール面とを有するベース、及びベースを少なくとも部分的に取り囲むように寸法決めされたラップであって、ベースの支持面を取り囲む第1の部分とベースの第1のシール面に面する第2の部分とを有するラップを含み、ここで、第2の部分は、設置位置でベースの支持面の上にラップを配置するように拡張するため及び配備位置でベースの第1のシール面に張力を適用するための可撓性カラーである。
【0010】
本発明の別の構成は、滅菌のために物体を包装する方法を提供する。本方法は、ベースの支持面上に、滅菌される少なくとも1つの物体を配置するステップであって、ベースが第1のシール面を有するステップ;ベースの支持面を取り囲む第1の部分とベースの第1のシール面に面する第2の部分とを有するラップを配備するステップ;及び、ラップの第2の部分をベースの第1のシール面にクランプして、配備位置でラップと第1のシール面との間にシール界面を形成するステップを含む。本方法は、ラップを配備するステップの前に通気領域を有するフレームを適用するステップをさらに含みうる。
【0011】
ある構成では、本方法は、ラップが配備されたベースを滅菌器に輸送するステップ;ラップが配備されたベースを滅菌器内に移送するステップ;滅菌器内で滅菌サイクルを実行するステップ;ラップが配備されたベースを滅菌器から取り出すステップ;ラップが配備されたベースを使用エリアに輸送するステップ;及び、配備されたラップを開いて、滅菌器で滅菌された少なくとも1つの物体を露出させるステップをさらに含む。さらには、ラップが配備されたベースを滅菌器に輸送するステップは、ラップが配備されたベースを移送カートに載荷するステップであって、移送カートがロック機構を含む第1の端部と第2の端部とを有する、ステップ;ラップが配備されたベースを移送カートに解除可能にロックするステップ;移送カートの第1の端部を滅菌器に隣接して位置づけるステップ;及び、ロック機構によって移送カートの第1の端部を滅菌器にロックし、ラップが配備されたベースと移送カートとの間のロックを解除して、ラップが配備されたベースを滅菌器内に移送可能にするステップをさらに含みうる。
【0012】
さらに別の構成では、滅菌を必要とする物体の滅菌に使用するための使い捨てラップシステムは、分解することなく滅菌剤への曝露に耐えるように適合された材料で形成された剛性ベースであって、物体を保持するための部分と周縁部とを有する支持面を有する、ベース;支持面と重なるように寸法決めされ、かつ、ベースの支持面の周縁部に対応する周縁部を有する、ラップ;及び、ラップ及び/又はベースの周縁部に沿って配置されたシールであって、ラップとベースとの間にシール界面を形成する、シールを含む。支持面は、ベースから取り外し可能でありうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】手術室バックテーブルを取り囲むように構成された滅菌ラップの斜視図
【
図3】手術室バックテーブル上に配置され、第1の材料及び第2の材料で構成された滅菌ラップを示す、線3-3に沿った断面図
【
図4】手術室バックテーブル上に配置され、単一の材料で構成された滅菌ラップを示す断面図
【
図5】連続した滅菌ラップの例示的な実施形態の斜視図
【
図6】セグメント化された滅菌ラップの別の例示的な実施形態の斜視図
【
図7】延長側部を有する手術室バックテーブルの例示的な実施形態の斜視図
【
図8】滅菌ラップ支持体の例示的な実施形態の斜視図
【
図9】支持側部及び上部棚を有する手術室バックテーブルの例示的な実施形態の斜視図
【
図10】物体を滅菌する滅菌ラップシステムであって、ベースとフレームとを有する滅菌ラップシステムの別の例示的な実施形態の斜視図
【
図11】物体を滅菌する滅菌ラップシステムであって、ベースとフレームとを有する滅菌ラップシステムの別の例示的な実施形態の斜視図
【
図12】
図11に示されるフレームとベースとを封入するように構成された滅菌ラップの斜視図
【
図13】滅菌ラップの別の例示的な実施形態の斜視図
【
図14】ベースの例示的な実施形態にシールされた滅菌ラップの斜視図
【
図15】
図18に示されるテーブルを封入するように構成された滅菌ラップの斜視図
【
図16】ペデスタルを有するテーブルを封入するように構成された滅菌ラップの斜視図
【
図18】取り外し可能な脚を有するテーブルの側面図
【
図19】滅菌を必要とする物体を受けるための支持面と、該支持面の周縁部にシールされたラップとを有するベースの上面図
【
図20】滅菌を必要とする物体を受けるための取り外し可能な支持面と、該支持面の周縁部にシールされたラップとを有するベースの斜視図
【
図21】支持面にシールされたラップを有するベースの断面図
【
図22】滅菌用に物体を包装する方法のステップを開示するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
異なる図に現れる同じ参照番号は、本発明の同じ構造要素を特定することが認識されるべきである。本発明の説明は、現在好ましい構成と考えられているものを含むが、本発明はそのような構成に限定されないことが認識されるべきである。さらには、本発明は、本明細書に記載された特定の方法論、材料、及び修正に限定されず、本明細書で使用される用語は、本発明の範囲を限定することは意図されていないことが認識されるべきである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ、判断される。
【0015】
本発明は、滅菌器での滅菌中に器具、医療機器などを滅菌する目的で、有意な通気対体積比を提供する滅菌ラップシステムに関する。滅菌器という用語は、滅菌システムを保持する内部を画成し、所望の滅菌を与えるために制御された環境が生み出される筐体又はデバイスを含むが、これらに限定されない。滅菌器には、オートクレーブ;熱風オーブン;エチレンオキシド;低温蒸気及びホルムアルデヒド;殺胞子化学物質;照射;二酸化塩素(CD)ガス滅菌;過酸化水素;蒸気化過酸化水素;過酸化水素プラズマ;電子ビーム及びガスプラズマ装置が含まれる。
【0016】
本システムは、包装技術と剛性の容器システムの両方の利点を提供する。ベースをドアのない剛性の構成要素として利用することにより、1つ以上の器具及び/又はトレイをその上に配置することができる。ラップを保護カバーとして利用することにより、体積効果への顕著な通気を実現することができる。その結果、滅菌剤またはその副生成物が通気されるまでに必要な時間が短縮される。さらには、手術室のバックテーブルなどのベースを使用する場合には、バックテーブルは滅菌ラップシステムに不可欠であり、したがって器具はすでにテーブル上に整理されており、滅菌後に体裁が整っているため、手術室で使用するために器具を剛性の容器又はトレイからバックテーブルに移す必要はない。「手術室のバックテーブル」又は「バックテーブル」とは、概して、外科用器具を保持するために手術室で用いられるテーブルを指すことを意味する。手術室のバックテーブルは、器械台又は作業台と呼ばれることもある。バックテーブルは、ステンレス鋼、プラスチック、又は他の剛性材料で作ることができ、任意の形状又はサイズとすることができる。典型的には、バックテーブルは、調節可能及び/又は取り外し可能であってもなくてもよい脚部及び/又はペデスタルを有する、長方形の形状をしたテーブルである。
【0017】
概して、滅菌ラップシステム100は、支持面を提供するベース10と保護カバーを提供するラップ20とを含む。ベース10は、支持面を提供するための任意の形状及びサイズでありうる。例えば、ベース10は長方形の構成で示されているが、ベース10は、円形、楕円形、正方形、及び楕円形を含むがこれらに限定されない任意の形状でありうる。この構成のベース10は剛性であり、トレイ、テーブル、シート、プレート、又は他のタイプの剛性の支持ベースであってもよい。滅菌ラップ20は、シート、バッグ、パウチ、及び部分的に形成されたバッグを含むがこれらに限定されない多くの異なる形状及び形態を取りうることが認識されるべきである。これより図面を参照すると、
図1はベース10の一構成の斜視図であり、
図2はラップ20の一構成の斜視図である。
図1に示されるように、滅菌ラップシステム100はベース10を含み、一構成では、滅菌器による滅菌を必要とする少なくとも1つの物体44を支持する支持面42を有する手術室バックテーブル40でありうる。滅菌を必要とする物体44には、外科用器具及び機器、インプラント、研究室で使用する物品、及び医療機器が含まれうるが、これらに限定されない。一構成では、ベース10は従属スカート46を含み、脚部48又はペデスタル(図示せず)から取り外し可能でありうる。ベース10は、とりわけ物体がそうでなければシフトする可能性のある輸送中に物体44を支持面42に保持するために、支持面42の周縁部に沿ってフランジ又は側壁(図示せず)を含むこともできる。代替的に又は追加的に、ベース10は、該ベース10の特定のセクション上に、外科用器具及び/又はトレイを含むがこれらに限定されない、物体44を維持するための仕切り、棚、又はセクション化された部分を含みうる。ベース10はさらに、物体44を適所に解除可能に保持するために、ベルクロ(登録商標)、磁石などを含むがこれらに限定されない、さらなる留め具を含むことができる。ベース10は、特定の物体の好ましい位置を特定する少なくとも幾つかの物体44のレーザ輪郭を含みうる。ベース10上に物体44を整理及び維持するための他の特徴は、特許請求される本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0018】
幾つかの構成では、ベース10は、滅菌プロセス中に形成された滅菌剤及び/又は凝縮液を排出するためのドレインシステム50を含みうる。ベース10は、例えば、
図1及び
図11に示されるように、排水を所定の領域に向けるために傾斜面52を含みうる。傾斜面52はいかなる傾斜であってもよく、直線(角度のある)又は曲線でありうる。一構成では、ベース10は、凝縮物をドレイン開口54に導くように配置された下向きの傾斜する面52を有する少なくとも1つの排水ウェルを含む。一構成では、ドレイン開口54は、直径が約0.5から5インチ(約1.27cmから12.7cm)である。別の構成では、ドレイン開口54は、直径約2~3インチ(約5.08cmから7.62cm)である。ドレイン開口54は、凝縮液又は液体滅菌剤をベース10の表面から排出可能にする任意の形状及びサイズでありうる。表面52は、滅菌剤及び凝縮物をドレイン開口54へとさらに導くように円錐台形状であってもよい。あるいは、ドレインシステム50は、滅菌剤及び/又は凝縮液をベース10の片側に近接して位置するドレインウェル又は開口52に導く、連続的な下降を含みうる。単一のドレインウェル又は開口54若しくは複数のドレインウェル及び/又は開口54は、ベースの床上のあらゆる場所に配置することができ、床はそこに排液できるように構成されることが認識されるべきである。さらに別の構成では、ドレインシステム50は、滅菌剤及び/又は凝縮液をベース10の床の端部に導く、ドレインウェル又は開口54を有しない傾斜面又は下り勾配を含みうる。ドレインシステム50は、開口を備えた一又は複数のフィルタを含みうる。滅菌剤及び/又は凝縮液をベース10の床から排出可能にする他の排水システムが可能であり、これらの変更が特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを当業者は認識すべきである。ベース10は、ドレインシステム50の上に物体44を維持するためのホルダをさらに含みうる。ホルダは、例えば、とりわけ、穿孔、開口、又はウェルを有するプレート、若しくはベース10の上方に懸架されるように構成されたトレイでありうる。ホルダは、ベース10と一体化させることができ、あるいはベース10から取り外し可能でありうる。ドレインシステムの上に器具を保持するための当技術分野で知られている多くの構成が存在し、これらの構成は特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。
【0019】
図3及び
図4に示されるように、ベース10は、ラップ20がシールするためのシール面60をさらに含む。一構成では、シール面60は、支持面42の周縁部から延びる下部外壁62である。別の構成では、シール面60は、支持面42の周縁部の上方に延びる上部外壁である。通常、ベース10はステンレス鋼で構成され、したがって、シール面60は通常、ステンレス鋼である。しかしながら、ベース10は、分解することなく滅菌剤への曝露に耐えることができる他の種類の材料から構成されてもよく、したがって、シール面60はそのような材料に限定されないことが認識されるべきである。ベース10は、例えばシール面70などの追加のシール面をさらに含むか、又は代替的に含むことができる。一構成では、シール面70は、
図10及び
図11に示されるように、チャネル76を含むことができ、このチャネル76は、以下で説明するようにシール面70を少なくとも部分的に取り囲む。一構成では、チャネル76は、ベース10の外周全体を取り囲んでいる。滅菌ラップ20とのシール界面を形成するための追加の又は代替のシール面を有しうることが認識されるべきである。
【0020】
滅菌ラップ20は、多くのさまざまな形状及びスタイルを備えることができ、ベース10の支持面42の上に、又はベース10の支持面42の下から適用することができる。
図2に示されるように、滅菌ラップ20は、少なくとも支持面42を囲むための部分80と、ベース10の少なくともシール面60及び/又は46を取り囲む領域を有する部分82とを含みうる。一構成では、ラップ20は、引き裂きに耐える材料で構成される。滅菌ラップ20は、単層又は多層の材料でありうる。この材料は、スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド積層(SMS)ファブリック、ポリプロピレン、タイベック(商標)、又はろ過機能を提供する任意の他の種類の材料で作ることができる。あるいは、材料はガンマ線に耐えることができるものであってもよい。例えば、材料は、ガス不透過性であり、強力で耐久性のある無菌バリアをもたらす材料を含みうる。さらに別の構成では、材料はガス及び水蒸気透過性であるが、液体透過性ではない。この構成では、材料は空気及び蒸気を通過させるが、液滴は通過させない。
【0021】
ラップ20の材料は、所望のろ過及び使用する滅菌プロセスのタイプに基づいて選択される。例えば、タイベック(商標)とプラスチックの組合せは、溶融するであろうことから、蒸気滅菌プロセスには使用されないであろう。しかしながら、タイベック(商標)とプラスチックの組合せは、エチレンオキシド(EtO)滅菌器では使用することができる。蒸気が材料に浸透する必要がある場合には、ろ過材料を使用することができる。幾つかの構成では、滅菌ラップ20は使い捨て材料であり、他の構成では、滅菌ラップ20は再利用可能である。さらには、滅菌ラップ20は、単一種類の材料を含んでもよいし、複数の材料で構成されてもよい。
図3に示されるように、一構成では、部分80はろ過材料で構成され、部分82は一体的な可撓性カラー84を形成することができる伸縮性材料で構成される。可撓性カラー84は、超音波溶接、接着剤、テープ、又は当技術分野で知られている他の製造方法によって部分80に結合することができる。一構成では、可撓性カラー84は、滅菌プロセス中に収縮してベース10の周りにシールを形成する収縮ラップでできている。別の構成では、可撓性カラー84は、http://www.kraton.com/products/medical/fabrics.phpで入手可能なKraton CorporationのKraton(商標)などの非ラテックスの伸縮性材料で作られている。
【0022】
また、ラップ20は、手術室で通常使用されている保護ドレープとして使用することができる。したがって、ラップ20は、滅菌される物体を有する手術用ベース10に適用することができ、部分82は、ベース10のシール面60及び/又は46にシールされ、ベース10は滅菌器に入れられて滅菌され、その後手術室に運ばれる。滅菌された物体44は、ラップがベース10のシール面60から垂れ下がることができるような方法でラップ20を開くことによりアクセスすることができ、その結果、滅菌された物体44が使用者に提示される。したがって、ラップ20は、手術室又は他の滅菌環境におけるドレープとして機能する。ドレープは中実であるか、又はセグメントで構成されうる。セグメントは、同じ材料でもよいし、より厚い材料又は透明な部分を含むがこれらに限定されない、さまざまな材料であってもよい。一構成では、部分80は、使用者が部分80の選択された領域を開けることができるようにする、開放可能な部分を含む。開放可能な部分は、壊れやすい部分、ミシン目、切断ガイドライン、スコア、エンボス、縫い目、又はそれらの組合せを含みうるが、これらに限定されない。ラップ20は、さまざまな方法で開くことができるように、さまざまな方法で構成されうることが認識されるべきである;ラップ20は、とりわけ、折り畳まれたり、丸めて閉じられたり、裂開する又はしわが寄るように設計されたりしうる。あるいは、ラップ20は、ベース10から完全に取り除かれてもよい。ラップ20は、単一のラップ層であっても複数のラップ層であってもよい。さらには、汚染のリスクをさらに低減するために、フィルタシートを含むがこれに限定されない保護ライナーが、巻き付けられた容積内に配置されてもよい。タオルを使用してベース10を包み、汚染及びラップ20の引き裂き又は穿孔のリスクを低減することもできる。
【0023】
図5に示されるように、滅菌ラップ20は、連続した材料で形成されてもよく、あるいは、
図6に示されるように、同じ又は異なる材料のセグメント90で形成されてもよい。セグメント90は、テープ、接着剤、シーラントポリマー、「ベルクロ」などを含むがこれらに限定されない少なくとも1つのシーラントでシールされうる。滅菌ラップ20は、空洞を画成し、それ自体又はベース10、シート182(
図13及び14に示されるように)、又は部分的に形成されたバッグにシールすることができるバッグ92を含むが、これらに限定されない、多くの異なる形状及び形態を取りうることが認識されるべきである。バッグ92は、配備プロセスの間にベース10のシール面60上にラップを配置し、配備位置においてベースの第1のシール面に張力を適用するように拡張するための可撓性カラー84を含みうる。滅菌ラップ20がベース10の上から適用されるか、ベース10の下から適用されるかにかかわらず、ラップ20は、後述するように、依然としてベース10にシールされうる。
【0024】
図15、
図16、及び
図17に示されるように、バッグ92は、一構成では、例えば、テーブル40のペデスタル又は脚部132を受け入れるための一又は複数のスロット102を含むことができる。一構成では、
図18に示されるように、テーブル40は、脚部132から切り離されてもよく、一又は複数のスロット102を有するバッグ92の口部94がテーブル40の下に位置づけられ、バッグの空洞がテーブル40を封入するようにテーブル40の上に被せられる。一又は複数のスロット102の外周は、シール材料106を含むことができ、それにより、一又は複数のスロットの外周とテーブル40の下側との間にシール界面が形成される。別の構成では、テーブル40は、該テーブル40に連結された第1の端部136と、脚部又はペデスタルの第2の部分130に取り外し可能に連結された第2の端部138とを有する、脚部132(又はペデスタル)の第1の部分134を含みうる。この構成では、バッグ92の一又は複数のスロット102は、脚部132の第2の端部138を受け入れ、一又は複数のスロット102の外周はテーブル40の下側をシールする。次に、バッグ92の上部は、折り畳むか、テープで留めるか、又は他の方法でテーブル40の上にシールを形成するように作ることができる。別の構成では、
図18に示されるように、バッグ92は、テーブル40の上に位置づけられ、次いで、バッグの空洞がテーブル40を封入するようにテーブル40の上に被せられる。この構成では、バッグ92の口部94は、テーブルの脚部又はペデスタルを受け入れるための一又は複数のスロット102を有するフラップ96を含むことができる。フラップ96は、テーブル40の脚部を受け入れるために各スロットを開くことができるようにするスリット98をさらに含むことができる。脚部又はペデスタルの周りのベースをシールする滅菌バッグ92の他の構成も可能であり、これらの構成は、特許請求される本発明の趣旨及び範囲内に含まれることが意図されていることが認識されるべきである。バッグ92は、ミシン目、切断ガイドライン、スコア、エンボス、縫い目、又はそれらの組合せを含むがこれらに限定されない、開放可能な部分又は壊れやすい部分をさらに含むことができる。滅菌された物体44は、ラップ92がベース40のシール面104、106の少なくとも一方から垂れ下がることができるような方法でバッグ92を開くことによりアクセスすることができ、その結果、滅菌された物体44が使用者に提示される。したがって、バッグ92は、手術室又は他の滅菌環境におけるドレープとして機能する。
【0025】
ベースは、バッグ92を受け入れるため及びバッグ92がベース10にシールされる前にバッグ92を適所に保持するために、
図18に示されるキャッチ126をさらに含みうる。例えば、キャッチ126は、ベース10の境界に沿って位置づけられたフック、肩部、又は棚でありうる。あるいは、キャッチ126は、ベース10又はバッグ92自体に位置づけられたクランプ、テープ、接着剤、シーラントポリマー、「ベルクロ」などであってもよい。キャッチ126は、バッグ92の動きを制限して、バッグ92がテーブルの下に移動しすぎたりドレープしすぎたりするのを防ぐ。
【0026】
滅菌ラップ20は、滅菌ラップシステム100の通気領域110を画成することができる。通気領域110は、滅菌ラップシステム100の内部容積の内外へのガス、蒸気、及び/又は液体の出入りに利用可能な総面積を指す。「通気領域の容積に対する比」とは、滅菌ラップシステムの内部容積比に対する滅菌ラップシステム100の総通気領域の比を意味する。この通気領域の容積に対する比は、滅菌剤に曝露される領域を増やし、滅菌された物体に目に見える凝縮物、水分、又は滅菌剤を供給しないために必要とされる乾燥時間を短縮する。
【0027】
滅菌ラップシステム100は、ベース10と滅菌ラップ20との間にシール界面をさらに含む。ベース10と滅菌ラップとの間のシール界面は、クランプを含むがこれに限定されない任意のタイプの機械的又は非機械的なシールによって、若しくは、接着剤、シーラントポリマー、又はテープを含むがこれらに限定されない、適用されるシーラントによって形成されうる。別の構成では、
図3及び
図4に示されるように、クランプ112は、滅菌ラップ20とベース10のシール面60との間にシール界面を維持する。クランプ112は、細菌及び粒子の侵入に対するバリアを提供するシールを形成するために、チャネル76によって受け取られる少なくとも1つのセキュリティバンド108を備えうる。チャネル76は、C字形又はU字形の本体部材114と、
図10に示されるように、バンド受容ノッチ122を画成する、直立部116から延びる上部118及び底部120を有する直立部116とを有する、従来のチャネルとすることができる。一構成では、チャネル76は少なくとも0.25~1インチ(約6.35mm~2.54cm)の範囲の高さを有するが、他のチャネル寸法も可能である。セキュリティバンド112は、チャネル76内に収まり、ベース10とラップ20との間にシール界面をもたらすように寸法決めされる。図示されるセキュリティバンド112はベース10の外周全体を取り囲んでいるが、同一のことを達成するために複数のセキュリティバンド112を使用することもできることが認識されるべきである。さらには、ラップ20とベース10との間のシール界面を維持する他のタイプのクランプが企図されており、これらの修正が本明細書に含まれることが意図されていることが認識されるべきである。例えば、収縮ラップ又はKrayton材料を使用して、ラップ20とベース10との間のシール界面が維持されるように、ベース10の周りにクランプを形成することができる。
【0028】
ラップ20は、代替的に又は追加的に、ラップ20とシール面60との間にシール界面を形成するシール86を含みうる。シール86は、バンド、接着剤、シーラントポリマー、テープ、及びシュリンクラップを含むがこれらに限定されない、ラップ20とベース10との間にシール界面を提供することができる任意のシールから形成されうる。シュリンクラップは、ベース10の周りに巻き付けられ、その後、滅菌に必要な高熱の結果として滅菌プロセス中に収縮し、ラップ20とベース10との間にシールを形成することができる。あるいは、滅菌前に熱を加えて、シュリンクラップを収縮させてラップ20をベース10に固定し、滅菌前にラップ20とベース10との間にシールを形成してもよい。
【0029】
テーブル40(又はベース10)は、さまざまな構成を含みうる。例えば、
図7に示されるように、テーブル40は、物体44を保持するための追加の表面空間を提供するために延長側部128を含みうる。テーブル40は、例えば、折り畳み式(又はフリップアウト)パネル若しくは取り付けパネルを有しうる。別の構成では、テーブル40は、スライド式パネルを含む。これらの構成が好ましい理由の1つは、所望のベース寸法よりも狭い滅菌器を収容することである。例えば、滅菌器の幅は24インチ(約60.96cm)でありうるが、ベースの望ましい表面積は30インチ(約76.2cm)以上でありうる。所望の表面積のベースを提供するために、ベースが滅菌器に直接収まることができるようにする一方で、ベースはこのような伸縮可能なパネル又は折り畳み式のパネルを有していてもよい。さらに別の構成では、テーブルは、ともに解除可能に結合された2つのセグメントを含みうる。別の構成は、ベースの上部で支持される2つの取り外し可能なコンパートメントを含む。コンパートメントは、留め具によって解除可能に結合されていてもよい。
【0030】
図8及び
図9に示されるように、テーブル40は、滅菌ラップ20を配置してテーブル40の支持面2を取り囲む容積を画成し、ラップ20がテーブル40に含まれる物体44からの引き裂き又は穿孔を防ぐのに役立つ、追加の支持体140をさらに含みうる。テーブル40が使用されているときに支持体140がテーブル40上の物体44への使用者のアクセスを妨げないように、支持体140は折り畳み可能であってもよい。別の構成では、支持体140は取り外し可能である。
図8に示されるように、支持体140は、ラップ20の引き裂き又は穿孔を低減するために内側に曲がる端部190を含みうる。あるいは、端部190は、ラップ20の引き裂き又は穿孔のリスクを低減するために、キャップをするか、または他の方法で形作ることができる。
図9に示されるように、追加の支持体140は、支持面42から延びる側壁142と、テーブル40の支持面42から離間された上部棚144とを含む。上部棚144は、滅菌ラップ20のための支持面を提供することができる。側壁142及び上部棚144は、開口又は開口部によって通気されて、滅菌プロセス中に蒸気の進入を可能にすることができる。
図9に示されるように、側壁142は、滅菌サイクル中にオートクレーブからの蒸気などの滅菌剤の通過を可能にする多数の開口部を備えた有窓又は穿孔面146を含む。3つの側壁が示されているが、滅菌剤の通過を可能にする孔、スリット、又は開口部の任意の配置を有する1つ、2つ、3つ、又は4つの側壁が可能であり、これらの修正は、特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることが、当業者に認識されよう。
【0031】
図10~13を参照すると、滅菌ラップシステム100は、滅菌される物体44のための複数の支持面42を提供するベース10と、フレーム150とを含みうる。一構成では、ラップ20は、保護カバーを提供するフレーム150を封入する。
図10に示されるように、ベース10は、支持面42及びそこから延びる側壁156として数のトレイ158及び/又は床154を含みうる。床154は、滅菌器による滅菌を必要とする少なくとも1つの物体44を支持する。ベース10は、物体44及び/又はフレーム150を保持する。代替的に又は追加的に、ベース10は、該ベース10の特定のセクション上に外科用器具及び/又はトレイを含むがこれらに限定されない物体44を維持するための仕切り、棚、又はセクション化された部分を含みうる。
図10に示されるように、滅菌ラップシステム100は、ラックシステム160上に配置された複数のトレイ158を含みうる。上記のように、ベース10は、物体44を適所に解除可能に保持する追加の留め具をさらに含むことができる。ベース10は、上述のように滅菌プロセス中に形成される凝縮物を排出するためのドレインシステム50をさらに含みうる。
図11に示される構成では、床154は、滅菌剤及び/又は凝縮液をドレインウェル又は開口などの所定の領域に導くように下降する。この構成では、ドレインウェルは、支持面42の片側に近接して配置される。しかしながら、床154は、異なる所定の領域に位置するドレインに向かって傾斜し、下降していてもよい。滅菌剤及び/又は凝縮液をベース10の支持面42から排出することを可能にする他の排水システムが可能であり、これらの修正は特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを当業者は認識すべきである。
【0032】
ベース10は、ラップ20がそれをシールするためのシール面60をさらに含む。一構成では、シール面60は、外側側壁156の外周に沿って配置される。別の構成では、シール面60は側壁156の上端である。さらに別の構成では、シール面60は床154の外面(支持面42の反対側)に配置されている。シール面60は、後述するように、シール面60を少なくとも部分的に取り囲むチャネル76を含みうる。さらには、2つ以上のシール界面を生成する、複数のシール面60を使用することもできる。
【0033】
図11及び12を参照すると、滅菌ラップシステム100は、トレイ158に動作可能に接続されたフレーム150を含みうる。フレーム150は、
図11に示されるように、ベース10と一体化されていても、分離可能であってもよい。フレーム150は、前部及び後部172、174、上部176及び側部178を形成する複数のストラット又はバテン170を含む。各部分172、174、176、178は、開口部又は孔などを有するスクリーン又はパネルなどの有窓又は有孔表面を含むように構成されうる、中空の中央部を画成する。あるいは、中空の中央部は、滅菌剤の通過を可能にするのに適しているが、滅菌中に破れたり裂けたりしないほど十分に弾力性のあるフィルタを含みうる。フィルタは、あらゆるタイプの多孔質紙、セルロース系材料、又はポリプロピレンなどの高分子物質で作ることができる。フレーム150及びフィルタは、ベース10にシールされてもよく、したがって、滅菌フィルタシステムを提供する。フレーム150上に滅菌ラップ20を設けることにより、滅菌プロセス中及び滅菌プロセス後の第2の保護バリアが提供される。あるいは、フレーム150はフィルタを含まず、フレーム150は、
図12に示されるようにラップ20に囲まれている。一構成では、ラップ20は、シール86を介してベースにシールされる。シールは、代替的に又は追加的に、クランプ112をラップ20の外側に、チャネル76内のベース10の周りに適用することにより形成されてもよい。
【0034】
滅菌ラップシステム100によって画成される容積内に通気孔を含むことにより、通気領域の容積に対する比をもたらすことが認識されるべきである。滅菌ラップシステム100の例示的な実施形態は、1つ以上の通気孔を含むことができる。通気領域の容積に対する高い比は、滅菌サイクル後に必要な乾燥時間に影響を与え、滅菌剤に曝露されやすい表面積を増加させる。
【0035】
図13に示されるように、滅菌ラップ20は、空洞を画成するバッグ92を含むがこれに限定されない、多くの異なる形状及び形態をとることができる。滅菌ラップ20は、それ自体又はベース10にシールされてもよい。バッグ92は、配備プロセス中にベース10のシール面60上にラップ20を配置し、配備位置でベース10のシール面60に張力を適用するように拡張するための可撓性カラー84を含みうる。可撓性カラー84は、材料をベース10に締め付けるための弾性バンドを含みうる。代替的な構成では、ラップ20は可撓性カラーを含まない。
【0036】
ベース10の滅菌ラップ20とシール面60との間にシール界面を維持するため、クランプ112をラップ20上に配置することができる。例えば、上述のように、セキュリティバンドがベース10上のチャネル76によって受け入れられて、細菌及び粒子の侵入に対するバリアを提供するシールを形成することができる。代替的に又は追加的に、収縮ラップ又はKrayton材料を使用して、ラップ20とベース10との間にシール界面が維持されるように、ベース10の周りにクランプを形成することができる。
【0037】
さらには、ラップ20は、代替的に又は追加的に、ラップ20とシール面60との間にシール界面を形成するためのシール86を含みうる。シール86は、バンド、接着剤、シーラントポリマー、及びテープを含むがこれらに限定されない、ラップ20とベース10との間にシール界面を提供することができる任意のシールで形成されうる。別の構成では、シュリンクラップは、ベース10の周りに巻き付けられ、その後、滅菌サイクル中に生成される高熱の結果として、滅菌プロセス中に収縮する。こうして、ラップ20とベース10との間にシールが形成される。あるいは、滅菌前に熱を加えて、シュリンクラップを収縮させてラップ20をベース10に固定し、滅菌前にラップ20とベース10との間にシールを形成してもよい。
【0038】
図14に示されるように、ベース10は、シート182として構成されたラップ20を有する単一の表面42又はテーブル40を備え、支持面42の周縁部に沿って、又はシール面60に沿ってシールを形成することができる。セキュリティバンドなどのクランプ112を含めることにより、追加のシールを維持することができる。一構成では、ベース10は部分的に覆われており、ベースの一部は覆われていないままであり、ベース10の一部はベース10のシール面60にシールされたラップ20を有する。
【0039】
代替的な構成では、
図19~21に示されるように、ラップシステム200は、ラップ20と、分解することなく滅菌剤への曝露に耐えるように適合された材料で形成された剛性ベース10とを有する使い捨てラップシステムでありうる。ベース10は、物体44を保持するための平坦な支持面42と周縁部210とを有するテーブル40でありうる。この構成では、ベース10の支持面42及び周縁部210は同一平面内にあり、周縁部210はシール界面を提供する。一構成では、シール界面は、支持面42の外周全体にわたって連続している。別の構成では、支持面42の外周は、シールされていない表面とシール界面の空間を含む。別の構成では、支持面42は2つ以上のラップ20を含み、各ラップ20は支持面42上の特定の領域にシールされる。支持面42に少なくとも部分的に重なるように寸法決めされたラップ20は、ベース10の支持面42の周縁部210に対応する周縁部212を含む。ラップ20は、該ラップ20の外周212の端部をベース10の周縁部210にシールするためのシーラント214を含む。シーラント214は、テープ、接着剤、又はシーラントポリマーを含みうるが、これらに限定されない。
図22に示されるように、ラップシステム220は、物体44を保持するための取り外し可能な平坦な支持面42を有するベース10を含みうる。この構成では、支持面42は、下部ユニット218に連結された取り外し可能なホルダ又はプレートでありうる。支持面42は、蒸気が入って放出されることを可能にするために開窓又は穿孔されていてもよい。支持面42は、下部ユニット10をさらにロック、締結、入れ子、又は他の方法で係合することができる。下部ユニット10は、上述のようなドレインシステム50をさらに含みうる。
【0040】
ある構成では、ベース10は、該ベースをベースペデスタル、脚部、又は移送カート192に解除可能にロックするロック機構を含む。移送カート192は、フレーム252、プッシュハンドル254、及び車輪256を備えることができる。移送カート192が手術室バックテーブルとして機能する場合、移送カート192は、任意選択的に、プッシュハンドル254又はロック機構を含まなくてもよい。移送カート192は、かなりの重量の下でその形状及び形態を維持するのに十分な強さであり、かつ滅菌可能な耐久性のある材料から構築することができる。理想的には、移送カート192は、鋼又はアルミニウム合金若しくはそれらの組合せから構築される。移送カート192は、該移送カート192の単なる例示的な実施形態に過ぎないことを理解されたい。
【0041】
移送カート192は、スレッド及びベース10が滅菌器に載荷されるときに移送カート192のガイドレールに沿ってスライドするための車輪260を有するスレッド(図示せず)をさらに含みうる。移送カート192は、ベース10及びスレッド又は他の同様の滅菌デバイス又は装置の重量を維持するのに十分に剛性である。一構成では、ベース10は、ロック機構262を介してスレッドに解除可能にロックする。ロック機構262は、ベース10を移送カート192に取り外し可能に固定する手段を提供する。ロック機構262の例示的な実施形態は、移送カート192が移動するときにのみベース10が移動するように、例えば移送カート192のスレッドなど、移送カート192にベースをしっかりと固定することを可能にする任意の手段を含む。さらに、スレッドは、該スレッドを移送カート192に取り外し可能に固定する手段を提供するロック機構262を介して移送カート192に解除可能にロックすることができる。ロック機構262の例示的な実施形態は、移送カート192が移動するときにのみベース10が移動するように、スレッドが移送カート192にしっかりと固定されることを可能にする任意の手段を含む。移送カート192はさらに、移送カート192を滅菌器に解除可能にロックするロック機構を含みうる。したがって、移送カート192から滅菌器への載荷物の重量移動中の移送カート192の望ましくない動きを防ぐために、スレッド及び/又はベース10が滅菌器に載荷されるときに、移送カート192を滅菌器に対してロックすることができる。ロック機構の例示的な実施形態には、クランプ、ラッチ、スロット、ボルト、ネジなどが含まれる。
【0042】
移送カート192のプッシュハンドル254は、使用者が移送カート192をより簡単に押したり引いたりする手段を提供する。プッシュハンドル254は、移送カート192の両側に提供されうる。プッシュハンドル254の各々は、移送カート192の幅に及ぶ。プッシュハンドル254の実施形態は、異なる構成とともに移送カート192のすべての側又は片側のみに配置されるプッシュハンドル254を含むことが認識されるべきである。
【0043】
手術室のバックテーブルなどのベース10を移送カート192に直接載荷してから滅菌器に載荷する利点の1つは、滅菌サイクルが完了すると、ベース10(テーブル)を移送カート192に戻し、再び使用するために手術室に直接移送することができることである。滅菌前にトレイ上にすでに整理されている器具又は他の物体は、さらに処理又は整理することなく使用する準備ができている。代替的な構成では、ベース10及び移送カート192は、ともに地上載荷式(ground-loading)の滅菌器に載荷される。この構成では、移送カート192、ベース10、及びその上に含まれる器具は、地上載荷式の滅菌器で滅菌される。したがって、ベース10は、滅菌中又は輸送中に移送カート192から分離されない。
【0044】
図22に示されるように、滅菌用の物体を包装する場合、次のステップに従うことができる。最初に、ステップ300に従い、滅菌される少なくとも1つの物体が、少なくとも1つのシール面60、70を有するベース10の支持面上に配置される。ラップ20は、ステップ302に従ってベース10の支持面を少なくとも部分的に取り囲むように配備される。ラップ20は、一構成では、ベース10の支持面を取り囲む第1の部分80と、ベース10のシール面70に面する第2の部分82とを含む。ステップ304によれば、ラップ20は、ベース10の一部にシールされる。一構成では、ラップ20の第2の部分82は、ベース10のシール面にクランプされて、配備位置でラップ20とシール面70との間にシール界面を形成する。本方法は、ステップ306に従い、ラップ20が配備されたベース10を滅菌器258に輸送するステップをさらに含みうる。一構成では、ベースはルートAに従って輸送され、ここで、ベース10は、手で運ばれるか、又は別のデバイスに移される。別の構成では、ベース10は、ルートBに従って輸送され、ここで、ベース10は、該ベースを移送カートにロックするための解除可能なロックを有する移送カートに移される。ステップ308に従い、ラップ20が配備されたベース10は滅菌器258に移され、ステップ310に従う滅菌サイクルで滅菌サイクルが行われる。本方法は、ステップ312に従い、ラップ20が配備されたベース10を滅菌器258から取り出すステップ、ステップ314に従い、ラップ20が配備されたベース10を使用エリアに輸送するステップ、及び、ステップ316に従い、配備されたラップ20を開き、滅菌器258で滅菌された少なくとも1つの物体を露出するステップをさらに含む。一構成では、ラップ20は、所定のガイドラインのセットに沿って、配備されたラップ20の第1の部分を開き、外面と滅菌された内面とを有するラップセグメントを形成し、滅菌された内面を露出する第1のシール面上にラップセグメントを折り曲げることによって、開くことができる。ラップ20が配備されたベース10を滅菌器258に輸送するステップは、ある特定の構成では、ステップ318に従い、ラップ20が配備されたベース10を、ロック機構を含む第1の端部と第2の端部とを有する移送カート上に載荷するステップ;ステップ320に従い、ラップが配備されたベースを移送カートに解除可能にロックするステップ;ステップ322に従い、移送カートの第1の端部を滅菌器258に隣接して位置づけるステップ;及び、ステップ324に従い、ロック機構によって移送カートの第1の端部を滅菌器258にロックするステップ;及び、ステップ326に従い、ラップ20が配備されたベース10と移送カートとの間のロックを解除して、ラップが配備されたベース10が滅菌器258内に移送可能にするステップをさらに含みうる。ステップ310に従って行われる滅菌サイクルが完了すると、ベースを、ステップ312に従って滅菌器258から取り出し、ステップ328に従って移送カートに載荷して戻すことができる。次いで、ベースは、ステップ330に従って移送カートに解除可能にロックされ、ステップ314に従って使用エリアに輸送することができる。
【0045】
本発明は、多くの変更及び修正を行うことができることが企図されている。したがって、現在の好ましい形態の装置及び方法を示して説明し、幾つかの修正及び代替案について説明したが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義及び差別化される本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな追加の変更及び修正がなされうることを容易に理解するであろう。
【符号の説明】
【0046】
10 ベース
20 ラップ
40 手術室バックテーブル
42 支持面
44 物体
46 従属スカート
48 脚部
50 ドレインシステム
52 傾斜面
54 ドレイン開口
60 シール面
70 シール面
76 チャネル
84 可撓性カラー
86 シール
90 セグメント
92 バッグ
94 口部
96 フラップ
98 スリット
100 滅菌ラップシステム
102 スロット
106 シール材料
110 通気領域
112 クランプ/セキュリティバンド
126 キャッチ
130 第2の部分
132 ペデスタル/脚部
134 第1の部分
136 第1の端部
138 第2の端部
140 支持体
142,156 側壁
144 上部棚
146 有窓又は穿孔面
150,252 フレーム
154 床
158 トレイ
182 シート
190 端部
192 移送カート
214 シーラント
218 下部ユニット
220 ラップシステム
254 プッシュハンドル
256 車輪
262 ロック機構